JP2015154794A - 術領域確保装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡易に好適な術領域を確保できる術領域確保装置を提供する。【解決手段】体腔内に設置されることで、術領域への術阻害物の侵入を防止する術領域確保装置10は、複数の骨材14から構成され、前記術領域を画定する骨組構造体12と、シート材からなり、前記骨組構造体12の側面において前記骨材14間の間隙を覆う被覆体20と、を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡手術において、術領域に術阻害物、例えば手術対象部位以外の臓器や大網等が侵入することを防止する術領域確保装置に関する。
従来から、内視鏡や電気メスなどの手術器具を患者の体腔内、たとえば、腹腔、胸腔、後腹膜腔等に挿入して行う術式が広く知られている。かかる術式で手術を行う場合は、体腔内において、手術(又は観察)を阻害する臓器や大網(以下「術阻害物」という)を術領域の外に移動させておくことが望まれている。
特に、近年では、体腔内に、液体(例えば生理食塩水)を充填することが提案されているが、かかる術式では、術阻害物の術領域への侵入を防止することが、より強く求められている。これは、体腔内に液体を充填する術式の場合、術阻害物が液中に浮遊し、動き易くなっているためである。また、体腔内に液体を充填する術式の場合、術中、液体を体腔内に吐出し供給するとともに、出血等で濁った液体を吸引し体腔外に取り出し、液体を灌流させている。なお、特許文献1には、内視鏡手術の際に、体腔内に液体を灌流させるための装置が開示されている。
そこで、従来から、内視鏡手術において、術領域を確保するための技術が従来からいくつか提案されている。例えば、特許文献2には、腹腔鏡や胸腔鏡手術施行時に、視野の妨げになる臓器を圧排または挙上する器具が開示されている。この器具は、体腔内に挿入された後に、その内部に流体を送りこむことで楕円球状に膨張する溝付きバルーンを有しており、このバルーンで、邪魔な臓器を圧排または挙上する。
特許第3301614号公報 特開2011−239857号公報
しかし特許文献2の器具は、バルーンで臓器を圧排または挙上するためには、多量の流体をバルーンに送りこむ必要があり、手術可能な状態になるまでに時間がかかるという問題があった。また、特許文献2の器具は、バルーン表面上の溝と組織との間の僅かな隙間に、超音波凝固切開装置等の処置具を入り込ませて作業することを想定しており、その作業性が非常に悪く、また、バルーン自体を傷つける恐れが非常に高かった。
そこで、本発明では、より簡易に好適な術領域を確保できる術領域確保装置を提供することを目的とする。
本発明の術領域確保装置は、体腔内に設置されることで、術領域への術阻害物の侵入を防止する術領域確保装置であって、複数の骨材から構成され、前記術領域を画定する骨組構造体と、シート材からなり、前記骨組構造体の少なくとも側面において前記骨材間の間隙を覆う被覆体と、を有することを特徴とする。
好適な態様では、前記被覆体は、透明なシート材からなる。他の好適な態様では、前記骨組構造体は、径可変であり、前記被覆体は、前記骨組構造体の径変化に追従して変形する柔軟性を有する。
他の好適な態様では、前記骨組構造体を構成する複数の骨材の少なくとも一部は、流体充填により膨らんで規定の形状を維持する線状バルーンである。他の好適な態様では、さらに、前記骨組構造体に連結され、前記骨組構造体を体腔内に設置した際に体腔外からアクセス可能なハンドルを備える。
本発明によれば、骨組構造体で術領域が確定され、さらに、その側面の間隙が被覆体で覆われるため、術領域内への術阻害物の進入が防止されるため、より簡易に好適な術領域を確保できる。
内視鏡手術の様子を示すイメージ図である。 本発明の第一実施形態である術領域確保装置の斜視図である。 体腔内での術領域確保装置の概略断面図である。 第二実施形態である術領域確保装置の斜視図である。 図4の術領域確保装置の展開図である。 第三実施形態である術領域確保装置の概略断面図である リンク機構により変形する骨組構造体の一例を示す図である。 他の術領域確保装置の一例を示す図である。 他の術領域確保装置で用いる骨組構造体の一例を示す図である。 他の術領域確保装置の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、内視鏡手術の様子を示すイメージ図である。また、図2は、本発明の第一実施形態である術領域確保装置10の斜視図である。
本実施形態の術領域確保装置10は、図1に示すように、内視鏡手術において、術領域を確保するために用いられる。すなわち、内視鏡手術を行う際には、図1に示すように、体表に形成された小さい切開創から内視鏡110や電気メス112などの手術器具を体腔内に挿入し、この内視鏡110や電気メス112等を用いて臓器等の手術対象部位を手術したり観察したりする。このとき、切開創をほぼ円形に安定して開口させ、かつ、切開創に加わる力を均一にするために、切開創には、開創器114が装着される。開創器114は、シリコーンゴムなどの比較的弾性に富んだ材質からなる。開創器114は、略円筒形部材で、その上下端に外側に張り出す鍔部が形成されている。
手術中は、十分な空間を得るために、体腔内には、吐出配管116および注入ポート118を介して灌流液(例えば生理食塩水)が供給される。注入ポート118は、吐出配管116から供給された灌流液を一時的に貯留して周方向に分散したうえで体腔内に導く部材である。注入ポート118は、開創器114に連結される略筒状部材で、その内周面には、灌流液を一時的に貯留する環状溝が形成されている。
体腔内に供給された灌流液は、手術に際して出血が生じると濁ってしまい、対象部位の視認性を阻害する。そのため、体腔内に供給された灌流液は、適宜、体腔内に挿入された吸引配管117を介して、外部に吸引される。つまり、内視鏡手術中、体腔内には、灌流液が連続的に灌流している。なお、図1に示した灌流液の吐出・吸引態様は一例であり、体腔内に連続的に灌流液を灌流できるのであれば他の態様で灌流液を吐出・吸引してもよい。例えば、灌流液の吐出口および吸引口を備えたトロッカーを介して灌流液を灌流してもよい。また、図1では、体腔内に灌流液を充填させる場合を例示しているが、作業空間が得られるのであれば、他の態様で作業空間を確保してもよい。例えば、灌流液に代えて気体を体腔内に充填させてもよいし、流体を充填させるのではなく、体壁を吊り上げることで作業空間を確保するようにしてもよい。
ここで、体腔内において手術をする場合、手術を阻害する臓器や大網(以下「術阻害物」という)などは術領域外に移動させ、手術対象部位を手術しやすい術領域に配置することが望まれている。特に、体腔内に灌流液を充填する術式の場合、臓器や大網等の術阻害物が液中に浮遊し、動きやすくなっている。手術と直接関係ない術阻害物が、浮遊して術領域に侵入すると、手術対象部位が正確に観察できなかったり、希望する作業が行えなかったりする。また、この手術と直接関係ない術阻害物が、灌流液の吸引口に接触し、吸い付くと、円滑な灌流液の吸引・吐出を阻害されることもある。そのため、体腔に灌流液を充填する術式においては、手術対象部位を手術しやすい場所に配置するとともに、手術に直接関係ない術阻害物の術領域への侵入防止が強く望まれている。本実施形態の術領域確保装置10は、この要望を満たすための装置で、図1に示すように、内視鏡手術時に、体腔内に配置されることで、術領域を確保する装置である。以下、この術領域確保装置10について詳説する。
術領域確保装置10は、図2に示すように、略円錐台形の骨組構造体12と、当該骨組構造体12の側面を覆う被覆体20と、を備えている。骨組構造体12は、略リング状の基部16と、当該基部16から斜め下方向に延びる複数の骨材14と、から構成される。基部16および骨材14は、POM(ポリアセタール樹脂)のように適度な弾性を備えた樹脂からなる中実棒材である。基部16は、略リング状となっており、その外径は、開創器114や注入ポート118の内径より小さく、その内径は、内視鏡110やメス、鉗子等の術時に必要な器具が通過可能な大きさとなっている。また、基部16には、斜めに切断された切断部18が形成されている。基部16の外周面に内向きの力を加えると、当該切断部18において、互いに対向する切断面が当たり合い、滑っていくことで、縮径できるようになっている。なお、図2では、基部16を、略リング状としているが、基部16は、真上から見た場合、一端が、他端よりも径方向内側に入り込んだ渦巻形状としてもよい。この場合、基部16は、さらに縮径しやすくなる。
基部16からは、複数の骨材14が延びている。この複数の骨材14は、周方向に間隔を開けて配置されており、各骨材14は、底面に近づく(基部16から離れる)につれ、径方向外側に進むように傾斜方向に延びている。換言すれば、複数の骨材14は、略円錐台を形成するように間隔を開けて配置されている。
各骨材14は、適度な弾性を有しており、力を加えることで、その姿勢(傾斜方向)が変更可能となっている。そのため、各骨材14に、径方向内向きの力を加えると、略円錐台状に広がる複数の骨材14は、その先端が径方向内向きに移動するように姿勢変更し、その最大径が縮径される。そして、結果として、術領域確保装置10全体としての最大径を、開創器114や注入ポート118の内径よりも小径にできる。
骨組構造体12の側周面には、被覆体20が貼着されている。被覆体20は、樹脂、例えば、ポリ塩化ビニルやシリコン等からなる透明なシート材からなる。この被覆体20は、骨組構造体12の変形に追従して変形できる程度の柔軟性を有している。被覆体20を骨組構造体12の側周面に貼着し、当該被覆体20で骨材14間の間隙を覆うことで、当該間隙から、臓器や大網等の術阻害物が骨組構造体12で画定された術領域内に入り込むことを阻害できる。
次に、この術領域確保装置10を利用した手術の様子について、図3を参照して説明する。図3は、体腔内での術領域確保装置の概略断面図である。術領域確保装置10を体腔内にセットする場合には、複数の骨材14に径方向内向きの力を加えて、注入ポート118の径よりも小径にする。そして、その状態で、術領域確保装置10を、注入ポート118を通過させて、体腔内の手術対象部位130aの真上に挿入する。挿入後、内向きの力を解除されれば、複数の骨材14は、弾性復元力により、元の傾斜に戻り、全体として、略円錐台状に広がる。この略円錐台状に広がった術領域確保装置10の内部が、内視鏡手術を行うための術領域となる。内視鏡手術を行う場合は、この術領域確保装置10の内部に内視鏡や電気メスなどの手術器具111や、灌流液を吸引するための吸引口を配置させる。
ここで、既述した通り、術領域確保装置10の側周面は、被覆体20で覆われており、他の臓器や大網等の術阻害物が術領域確保装置10の内部に侵入することが防止されている。その結果、術阻害物によって手術器具111の操作が邪魔されることを効果的に防止できる。また、灌流液の吸引口を術領域確保装置10の内部に配置しておけば、術阻害物が当該吸引口に吸い付く問題も防止できる。ただし、灌流液の吸引口は、術阻害物の吸い付きを防止できるのであれば、術領域確保装置10の外側に配置されてもよい。灌流液の吸引口を術領域確保装置10の外側に配置することにより、手術等で生じた出血は、術領域確保装置10の外側に積極的に流れていくため、術領域確保装置10の内部の透明度を高く保つことが可能となり、術領域での視野をより良好に保つことができる。
また、手術の内容によっては、術領域確保装置10の真下に位置する手術対象部位130aだけでなく、術領域確保装置10の側方に位置する他の手術対象部位130bに対しても、何らかの処置を施したい場合がある。この場合には、透明な被覆体20越しに、術領域確保装置10の外側の状況を内視鏡等で確認する。そして、処置が必要な他の手術対象部位130bの近傍位置において被覆体20をメス等の手術器具111で破断し、当該破断個所から他の手術対象部位130bにアクセスする。なお、このように、骨材14間の間隙から術領域確保装置10の外部にアクセスするために、骨材14間の間隙は、少なくとも手術器具111が通過可能な程度の大きさとすることが望ましい。
手術が終了すれば、術領域確保装置10を体腔外に引き上げる。この引き上げの際、術領域確保装置10を上側に引き上げると、術領域確保装置10の外周面が注入ポート118の内周面に当接する。この当接により、骨材14の傾斜方向が内側方向に変形し、術領域確保装置10全体が縮径するため、術領域確保装置10を注入ポート118の外側に引き出せる。
以上の説明で明らかな通り、本実施形態によれば、骨組構造体12の側周面に被覆体20を貼着しているため、当該骨組構造体12で画定された術領域内への他の臓器や大網等の進入を効果的に防止できる。また、被覆体20を透明にすることで、術領域確保装置10の外側の状況も確認でき、さらに、当該被覆体20の一部を破断することで、術領域確保装置10の側方に位置する手術対象部位130bへのアクセスも可能となる。
次に、第二実施形態について図4、図5を参照して説明する。図4は、第二実施形態である術領域確保装置10の斜視図である。また、図5は、術領域確保装置10の展開図である。
この術領域確保装置10は、骨組構造体12と被覆体20とが一体形成されており、骨材14として線状バルーン30を用いている点で第一実施形態と大きく相違する。より具体的に説明すると、この術領域確保装置10は、樹脂、例えば、ポリ塩化ビニルやシリコン等からなる略台形の透明シート材を二枚重ねて、これら二枚のシート材を部分的に溶着し、さらに、この溶着後のシート材の周方向両端を互いに接合して形成される。図5においてハッチングを施した箇所が、二枚のシート材が溶着される箇所である。図5に示すように、二枚のシート材は、五つの略台形の溶着部32が周方向に間隔をあけて並ぶように溶着されている。さらに、二枚のシート材は、両端部で互いに溶着される。
溶着部32と溶着部32との間、および、シート材の上端および下端には、線状バルーン30が形成されている。線状バルーン30は、二枚のシート材が溶着されていない部位であって、流体を供給することで膨らんで規定の形状を維持する。本実施形態では、この線状バルーン30が、骨組構造体12を構成する骨材14として機能する。また、この線状バルーン30の間の間隙を覆う溶着部32は、骨材14間の間隙を覆う被覆体20として機能する。術領域確保装置10の外周面には、この線状バルーン30の内部に流体、例えば、灌流液等の液体や空気等の気体を供給するための注入口34が取り付けられている。
かかる術領域確保装置10は、線状バルーン30に流体が充填されていない状態では、自由に折り曲げて形状変更できるようになっている。また、線状バルーン30に流体を充填し、線状バルーン30を膨らませると、線状バルーン30が予め設計された形状、すなわち、略円錐台形に広がり、その形状を維持する。
次に、この術領域確保装置10を用いて術領域を確保する場合の手順について説明する。術領域を確保する際には、線状バルーン30に流体が充填されていない術領域確保装置10を用意する。また、術領域確保装置10の注入口34には、流体を供給するための配管を接続しておく。術者は、適当に変形させた術領域確保装置10を、注入ポート118を通過させ、体腔内に配置する。術領域確保装置10が体腔内に入れば、続いて、配管(図示せず)および注入口34を介して、線状バルーン30内に流体を供給する。ここで、供給される流体は、術領域確保装置10の体腔内での浮き上がりを防止するためには、液体、特に、体腔内に供給されている灌流液と同種の液体(したがって生理用食塩水等)であることが望ましい。ただし、術領域確保装置10にオモリを取り付ける等の浮き上がり防止対策が取られているなら、供給される流体は、気体(空気等)でもよい。
流体の供給により線状バルーン30が膨らむと、術領域確保装置10は、図4に示すような円錐台形に変化する。以降は、第一実施形態と同様に、この円錐台形に広がった術領域確保装置10の内部に内視鏡や電気メスなどの手術器具や、液体を吸引するための吸引口を配置させる。この場合も第一実施形態と同様に、骨材14である線状バルーン30間の間隙は、溶着部32(被覆体20)で覆われているため、術領域確保装置10の内部への他の臓器や大網等の進入が効果的に防止される。術者は、必要に応じて、術領域確保装置10の真下に位置する手術対象部位に対してアクセスしたり、溶着部32(被覆体20)越しに術領域確保装置10の外側の状況を確認したりする。確認の結果、術領域確保装置10の外側に位置する臓器等にアクセスしたい場合には、溶着部32(被覆体20)をメス等の手術器具で破断し、当該破断個所から他の臓器等にアクセスする。
手術が終了すれば、線状バルーン30から流体を排出して、術領域確保装置10を変形させて、体腔から取り出す。線状バルーン30内の流体は、配管および注入口34を介してポンプ等で強制的に吸引排出するようにしてもよいし、メス等の手術器具を用いて線状バルーン30を破裂させて体腔内に放出させてもよい。いずれにしても、線状バルーン30から、流体を排出することで、術領域確保装置10が容易に変形できるようになるため、術領域確保装置10が容易に注入ポート118を通過でき、ひいては、術領域確保装置10を容易に体腔外に取り出すことができる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態でも第一実施形態と同様に、骨組構造体12で画定された術領域内への他の臓器や大網等の進入を効果的に防止できる。また、被覆体20が透明であるため、術領域確保装置10の外側の状況も確認でき、さらに、当該被覆体20の一部を破断することで、術領域確保装置10の側方に位置する手術対象部位へのアクセスも可能となる。なお、本実施形態では、術領域確保装置10の外周面に、線状バルーン30内に流体を供給する注入口34のみを設けたが、流体として液体を供給する場合には、注入口34のほかに、さらに、線状バルーン30内のエアを外部に放出するためのエア排出口も設けてもよい。
次に、第三実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第三実施形態である術領域確保装置10の概略断面図である。この術領域確保装置10は、骨組構造体12を覆う被覆体20の下端に環状バルーン38が設けられている点で第一実施形態と大きく相違する。より具体的に説明すると、本実施形態において、骨組構造体12は、POM等からなる中実棒材である骨材14を、ヒンジ40を介してリング状の基部16に連結することで構成されている。各骨材14は、ヒンジ40の機構により基部16に対して回動可能となっており、その傾斜角度が自由に変えられるようになっている。
骨組構造体12の側周面には、透明なシート材からなる被覆体20が貼着されている。このシート材の下端は、外側に折り返されて、被覆体20の外表面に貼着されており、環状バルーン38を構成する。この環状バルーン38には、注入口42が取り付けられており、当該注入口42および配管44を介して、環状バルーン38内に流体が供給可能となっている。流体充填に伴い環状バルーン38が膨らんで広がると、被覆体20が貼着された骨材14も、環状バルーン38に追従して広がっていき、その姿勢が拘束される。
なお、符号46で示す部材は、術領域確保装置10を体腔内に設置した際に、体腔外まで突出し、術者により適宜操作されるハンドルである。術者は、体腔外に飛び出したハンドル46を操作して、体腔内に位置する術領域確保装置10の位置や姿勢を微調整する。したがって、ハンドル46は、術領域確保装置10を体腔内に設置した際に、体腔外に突出して、術者の手や鉗子等で操作できるのであれば、その形状や材質は特に限定されない。
次に、この術領域確保装置10を用いて術領域を確保する場合の手順について説明する。術領域を確保する際には、環状バルーン38に流体が充填されていない術領域確保装置10を用意する。術者は、適当に縮径させた術領域確保装置10を、注入ポート118を通過させ、体腔内に配置する。術領域確保装置10が体腔内に入れば、続いて、配管44および注入口42を介して、環状バルーン38内に流体を供給する。ここで、供給される流体も第二実施形態と同様に、液体、特に、灌流液であることが望ましいが、浮き上がり防止対策が取られているなら、供給される流体は、気体(空気等)でもよい。
流体の供給により環状バルーン38が膨らんで広がっていくと、骨材14も追従して広がっていき、その姿勢が拘束される。そして、最終的に、術領域確保装置10は、体腔内で略円錐台形を保つ。また、術者は、必要に応じて、ハンドル46を操作して、術領域確保装置10の位置や姿勢を調整する。以降は、第一実施形態と同様に、この円錐台形に広がった術領域確保装置10の内部に内視鏡や電気メスなどの手術器具や、液体を吸引するための吸引口を配置させる。この場合も第一実施形態と同様に、骨材14である線状バルーン30間の間隙は、被覆体20で覆われているため、術領域確保装置10の内部への他の臓器や大網等の進入が効果的に防止される。この状態になれば、術者は、術領域確保装置10の真下に位置する手術対象部位に対してアクセスしたり、被覆体20越しに術領域確保装置10の外側の状況を確認したりする。確認の結果、術領域確保装置10の外側に位置する臓器等にアクセスしたい場合には、被覆体20をメス等の手術器具で破断し、当該破断個所から他の臓器等にアクセスする。
手術が終了すれば、環状バルーン38内の流体をポンプ等で強制的に吸引排出、あるいは、環状バルーン38を破裂させて流体を排出する。これにより、骨材14の拘束力が解除され、術領域確保装置10が縮径可能となり、術領域確保装置10を体腔外に取り出すことができる。
以上の説明から明らかなとおり、本実施形態でも第一実施形態と同様に、骨組構造体12で画定された術領域内への他の臓器や大網等の進入を効果的に防止できる。また、被覆体20が透明であるため、術領域確保装置10の外側の状況も確認でき、さらに、当該被覆体20の一部を破断することで、術領域確保装置10の側方に位置する手術対象部位へのアクセスも可能となる。
なお、これまで説明した構成は、いずれも一例であり、被覆体20の構成や骨組構造体12の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、これまでの説明では、骨材14間の間隙を覆う被覆体20として、孔や隙間のない面状シート材を用いているが、こうした面状シートに替えて、複数の孔が形成された多孔性シート材や、糸材を網目状に織り込んだメッシュ状シート材等を用いてもよい。多孔性シート材や、メッシュ状シート材を用いることで、術領域確保装置10が、灌流液から受ける抵抗を小さくすることができ、術領域確保装置10が意図しない位置へ流されることをより効果的に防止できる。なお、多孔性シート材や、メッシュ状シート材を用いる場合には、孔や網目を、大網等が入り込まない程度の大きさにする。また、当然ながら、被覆体20以外の部位、例えば第二実施形態において線状バルーン30を構成するシート材部分や、第三実施形態において環状バルーン38を構成するシート材部分は、孔や隙間のない面状シート材を用いる。
また、図2に示すような弾性変形により変形する骨組構造体12や、図6に示すようなヒンジ機構により変形する骨組構造体12に替えて、リンク機構により変形する骨組構造体12を用いてもよい。図7は、リンク機構により変形する骨組構造体12の一例を示す図である。この骨組構造体12は、互いに対向して設けられた一対のリング状骨材14dや、上側のリング状骨材14dから斜め下方向に延びる縦骨材14a、縦骨材14aと下側のリング状骨材との間を結ぶ径方向骨材14b、縦骨材14a間を結ぶ周方向骨材14c、および、これら複数の骨材14の間に設けられた関節部48を有している。かかる構成の骨組構造体12は、下側のリング状骨材14dを下方向に位置させていると、図7(a)に示すように略四角錐台状となる。一方、下側のリング状骨材14dを上方向に引き上げると、図7(b)に示すように、各骨材14が互いに影響し合いながら角度変更(姿勢変更)されていく。そして最終的には、先端側の径および基端側の径が殆ど同じ略円錐台状に変形する。かかる骨組構造体12の側周囲に、透明シート材からなる被覆体20を貼着して術領域確保装置10を構成してもよい。
また、これまでの説明では、骨組構造体12の側周囲全体を被覆体20で覆う構成を挙げた。しかし、手術の状況によっては、手術の支障となる臓器等が、片側にしかない場合もある。かかる場合には、図8に示すような術領域確保装置10を用いてもよい。この術領域確保装置10は、図2に示した術領域確保装置10を、縦に半割りにしたもので、片側の側面が被覆体20で覆われず、完全開口したものである。
また、これまでの説明では、径が可変の骨組構造体12のみを例示したが、骨組構造体12は、開創器114や注入ポート118を通過可能であり、かつ、十分な術領域を画定できるのであれば、径不変であってもよい。したがって、例えば、図9に示すように、二つのリング状の基部16と、当該二つの基部16の間を接続する複数の骨材14と、からなる略円筒形の骨組構造体12を用いてもよい。また、これまでの説明では、被覆体20を骨組構造体12の側面にのみ配置した術領域確保装置10を例示したが、被覆体20は、骨組構造体12の側面に加えて、底面にも配置してもよい。したがって、例えば、図9に示す骨組構造体12の側周面および底面の両方を被覆体20で覆う構成としてもよい。さらに、別の形態として、図10に示すように、径の異なる二つの骨組構造体12を二重管状に重ね、一方の骨組構造体12を、他方の骨組構造体12に対して、軸方向にスライド移動できるように構成してもよい。
また、これまでの説明では、術領域確保装置10を単独で体腔内に配置する例のみを挙げたが、術領域確保装置10を注入ポート118や開創器114と連結させてもよい。したがって、例えば、術領域確保装置10の上端にフックを設け、注入ポート118の下端に当該フックを引っかける金具を設けるなどしてもよい。また、別の構成として、術領域確保装置10を、注入ポート118の下端に固着してもよい。いずれにしても、術領域確保装置10を注入ポート118や開創器114と連結することにより、体腔内での術領域確保装置10の意図しない移動を防止でき、術領域をより安定して確保できる。
10 術領域確保装置、12 骨組構造体、14 骨材、16 基部、18 切断部、20 被覆体、30 線状バルーン、32 溶着部、34 注入口、38 環状バルーン、40 ヒンジ、42 注入口、44 配管、46 ハンドル、48 関節部、110 内視鏡、111 手術器具、112 電気メス、114 開創器、116 吐出配管、117 吸引配管、118 注入ポート。

Claims (5)

  1. 体腔内に設置されることで、術領域への術阻害物の侵入を防止する術領域確保装置であって、
    複数の骨材から構成され、前記術領域を画定する骨組構造体と、
    シート材からなり、前記骨組構造体の少なくとも側面において前記骨材間の間隙を覆う被覆体と、
    を有する術領域確保装置。
  2. 請求項1に記載の術領域確保装置であって、さらに、
    前記被覆体は、透明なシート材からなる、ことを特徴とする術領域確保装置。
  3. 請求項1または2に記載の術領域確保装置であって、
    前記骨組構造体は、径可変であり、
    前記被覆体は、前記骨組構造体の径変化に追従して変形する柔軟性を有する、
    ことを特徴とする術領域確保装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の術領域確保装置であって、
    前記骨組構造体を構成する複数の骨材の少なくとも一部は、流体充填により膨らんで規定の形状を維持する線状バルーンであることを術領域確保装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の術領域確保装置であって、さらに、
    前記骨組構造体に連結され、前記骨組構造体を体腔内に設置した際に体腔外からアクセス可能なハンドルを備える、ことを特徴とする術領域確保装置。

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