JP2019013705A - 低侵襲手術用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】低侵襲手術において、アクセスポートの奥に対する視認性および作業性の向上を図るデバイスを提供する。【解決手段】低侵襲手術のための低侵襲手術用器具は、基端側と先端側とにそれぞれ開口を有する本体を備える。本体は、基端側の開口と先端側の開口とが略同一の径、かつ、基端側から先端側までの長さが第1の長さである収納形状から、基端側の開口の径よりも先端側の開口の径を大きく、かつ、基端側から先端側までの長さが第1の長さよりも長い第2の長さであるホーン形状へと、形状の変化が可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、低侵襲手術のための低侵襲手術用器具に関する。
近年、早期直腸癌に対する治療法の一つとして、経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM:Transanal Endoscopic Microsurgery)による経肛門的局所切除術が知られている。経肛門的局所切除術では、GelPOINT Path(GelPOINTは登録商標)を利用して手術用のアクセスポートを形成する(例えば、特許文献1)。
特開2017−94205号公報
GelPOINT Pathを利用したアクセスポートの形成では、まず、患者の自然オリフィス(開口部の意味。経肛門的局所切除術の場合は肛門が自然オリフィスに相当する)に開創器を挿入することで、肛門を開いたままの状態で保持する。そして、開創器にキャップを取り付け、このキャップに対して内視鏡や手術器具を取り付けるためのアクセスポートを形成する。しかし、従来の方法では、腫瘍が直腸の奥(アクセスポートがある肛門から遠い位置)に存在する場合、直腸内の視認性や作業性が悪いという課題があった。なお、このような課題は、経肛門的低侵襲手術に限らず、経膣的、経口的、腹部等の低侵襲手術においても共通する課題だった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、低侵襲手術において、アクセスポートの奥に対する視認性および作業性の向上を図るデバイスを提供することを目的とする。
(1)本発明の一形態によれば、低侵襲手術のための低侵襲手術用器具が提供される。この低侵襲手術用器具は、基端側と先端側とにそれぞれ開口を有する本体を備え、前記本体は、基端側の前記開口と先端側の前記開口とが略同一の径、かつ、基端側から先端側までの長さが第1の長さである収納形状から、基端側の前記開口の径よりも先端側の前記開口の径を大きく、かつ、基端側から先端側までの長さが前記第1の長さよりも長い第2の長さであるホーン形状へと、形状の変化が可能である。
(2)上記形態の低侵襲手術用器具において、前記本体は、内部に気体を導入可能なフロート状に形成されると共に、気体を導入するための気体導入口を有し、気体導入口から前記本体の内部への気体の導入に伴って、前記収納形状から前記ホーン形状へと変化してもよい。
(3)上記形態の低侵襲手術用器具において、前記本体の内部は、基端側から先端側に向かう方向において複数の区画に区切られ、基端側に最も近い第1の区画の形状を変化させるための気体の圧力は、前記第1の区画に隣接する第2の区画の形状を変化させるための気体の圧力よりも低くてもよい。
(4)上記形態の低侵襲手術用器具において、前記本体の内部は、基端側から先端側に向かう方向において複数の区画に区切られ、気体導入口は、前記複数の区画のそれぞれに気体を導入するための複数の気体導入口を含んでもよい。
(5)上記形態の低侵襲手術用器具では、さらに、患者の自然オリフィスを開くための開創器を備え、前記本体の基端側は、前記開創器の先端側に接続されていてもよい。
(6)上記形態の低侵襲手術用器具では、さらに、患者の自然オリフィスを開くための開創器を備え、前記本体の基端側は、前記開創器の先端側に接続されており、前記開創器には、前記開創器から前記本体の先端側に向かって伸びるように付勢された弾性体であって、前記弾性体の先端部に前記本体の先端側の前記開口が接続された弾性体が内蔵され、前記本体は、前記弾性体の伸長に伴って、前記収納形状から前記ホーン形状へと変化してもよい。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、開創器を含まない低侵襲手術用器具、開創器を含む低侵襲手術用器具の形態で実現することができる。また、この低侵襲手術用器具は、経肛門的低侵襲手術に使用可能なデバイスのほか、種々の低侵襲手術、例えば、経膣的、経口的、腹部等の低侵襲手術において使用可能なデバイスとして構成され得る。
本発明によれば、低侵襲手術用器具は、基端側の開口よりも先端側の開口を大きくしたホーン形状を採ることができる。このホーン形状の本体でもって内臓の垂れ下がりを抑えることができるため、例えば、直腸の奥にある腫瘍(換言すれば、アクセスポートのある位置から遠い位置にある腫瘍)に対する視認性を向上させるとともに、手術等における作業性を向上させることができる。また、低侵襲手術用器具は、基端側の開口と先端側の開口とが略同一の径、かつ、ホーン形状時の長さ(第2の長さ)よりも短い第1の長さの収納形状を採ることができる。本発明によれば、このように比較的コンパクトな収納形状でもって、低侵襲手術用器具を患者の体内へと挿入する際の、患者の負担を軽減することができる。
本発明の一実施形態としての低侵襲手術用器具の概略図である。 本発明の一実施形態としての低侵襲手術用器具の概略図である。 低侵襲手術用器具のA−A線における断面図である。 低侵襲手術用器具の使用方法について説明する図である。 第2実施形態における低侵襲手術用器具の概略図である。 第2実施形態における低侵襲手術用器具の概略図である。 第3実施形態における低侵襲手術用器具の概略図である。 第4実施形態における低侵襲手術用器具の概略図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
A.第1実施形態:
図1および図2は、本発明の一実施形態としての低侵襲手術用器具100の概略図である。図1は、収納形状の低侵襲手術用器具100を表している。図2は、ホーン形状の低侵襲手術用器具100を表している。
本実施形態では、低侵襲手術用器具100を、経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM:Transanal Endoscopic Microsurgery)による経肛門的局所切除術において使用されるデバイスとして例示する。しかし、低侵襲手術用器具100は、種々の低侵襲手術、例えば、経膣的、経口的、腹部等の低侵襲手術において使用可能なデバイスとして構成され得る。
本実施形態の低侵襲手術用器具100は、患者の体内へと挿入される際は、コンパクトな収納形状(図1)とされる。そして患者の体内において、先端側が拡径したホーン形状(図2)へと変形されることで、術者における視認性を向上させるとともに、手術等における作業性を向上させる。以降、低侵襲手術用器具100の説明において、患者の自然オリフィス(開口部の意味。経肛門的局所切除術の場合は肛門が自然オリフィスに相当する)に位置する側を「基端側」とも呼び、自然オリフィスから遠くに位置する側を「先端側」とも呼ぶ。
図1に示すように、収納形状における本体1は、基端側端部2に基端側開口H1を有し、先端側端部3に先端側開口H2を有する円筒形形状である。収納形状における基端側開口H1の径と、先端側開口H2の径とは、共に径D1である。径D1は任意に設定でき、例えば、4cmとされる。また、収納形状における本体1の基端側端部2から先端側端部3までの長さは、L1である。長さL1は任意に設定でき、例えば、3cmとされる。なお、基端側開口H1の中心と先端側開口H2の中心とを結ぶ軸線を軸線Oとも呼ぶ。
一方、図2に示すように、ホーン形状における本体1は、先端側開口H2の径と、基端側端部2から先端側端部3までの長さとが変化したホーン形状(換言すれば、頂点部分が開口した円錐形状、ラッパ形状ともいう)である。ホーン形状における先端側開口H2の径は、D4である。D4は任意に設定でき、例えば、10cmとされる。また、ホーン形状における本体1の基端側端部2から先端側端部3までの長さは、L2である。長さL2は任意に設定でき、例えば、9cmとされる。
図3は、低侵襲手術用器具100のA−A線(図2)における断面図である。図3に示すように、本体1は、内部に空間を有し、空間内に気体を導入することが可能なフロート状(浮き輪状)に形成されている。また、本体1の内部空間は、3つの区画に区切られている。以降、基端側端部2から先端側端部3に向かう方向において、それぞれ、第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30と呼ぶ。
本体1には、気体導入部11が形成されている。気体導入部11は、基端側端部2に開口した気体導入口11Eと、第1の区画10内に開口した気体導入口11Pとを含む気体流路である。本体1は、収納形状(図1)からホーン形状(図2)への変化が可能な伸縮性を有し、かつ、人体への影響を抑える柔軟性のある材料であれば、任意の材料を用いて形成され得る。例えば、ゴム、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリウレタン等を採用できる。
図4は、低侵襲手術用器具100の使用方法について説明する図である。図4では、患者の肛門と直腸の近傍を概略的に図示している。経肛門的局所切除術では、まず、肛門ANから矢印の方向に向かって開創器(図示省略)を挿入し、開創器で肛門括約筋がある領域AR1を開放したまま保持する。その後、収納形状(図1)の低侵襲手術用器具100を、開創器によってできた開放口から、直腸内の領域AR2へと挿入する。この際、基端側端部2に設けられた気体導入口11Eに対して、気体(例えば空気)を送入するためのエアインジェクタを接続しておく。
次に、領域AR2に挿入された低侵襲手術用器具100に対して、エアインジェクタから、第1の圧力で気体を送入する。送入された気体が第1の区画10内に充填されることにより、本体1の第1の区画10が膨らみ、図1に示す形状から図2に示す形状へと変化する。この時、第1の区画10の軸線O方向における長さは、L21である(図2)。長さL21は任意に設定でき、例えば、3cmとされる。また、第1の区画10の先端側端部3の側に位置する部分の径は、D2である(図3)。径D2は任意に設定でき、例えば、6cmとされる。
第1の区画10の形状変化後、エアインジェクタから、第1の圧力よりも高い第2の圧力で気体を送入する。送入された気体が、第1の区画10を経由して第2の区画20へと充填されることにより、本体1の第2の区画20が膨らみ、図1に示す形状から図2に示す形状へと変化する。この時、第2の区画20の軸線O方向における長さは、L22である(図2)。長さL22は任意に設定でき、例えば、3cmとされる。また、第2の区画20の先端側端部3の側に位置する部分の径は、D3である(図3)。径D3は任意に設定でき、例えば、8cmとされる。
第2の区画20の形状変化後、エアインジェクタから、第2の圧力よりも高い第3の圧力で気体を送入する。送入された気体が、第1の区画10および第2の区画20を経由して第3の区画30へと充填されることにより、本体1の第3の区画30が膨らみ、図1に示す形状から図2に示す形状へと変化する。この時、第3の区画30の軸線O方向における長さは、L23である(図2)。長さL23は任意に設定でき、例えば、3cmとされる。また、第3の区画30の先端側端部3の側に位置する部分の径は、上述したD4である(図3)。
このように、低侵襲手術用器具100の本体1は、内部空間(第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30)への気体の導入に伴って、収納形状(図1)からホーン形状(図2)へと段階的に変化する。また、この形状の変化に伴って、軸線O方向における長さがL1からL2(L2=L21+L22+L23)へと変化すると共に、先端側端部3の先端側開口H2の径がD1からD4へと変化する。
以上の通り、第1実施形態の低侵襲手術用器具100は、基端側端部2の基端側開口H1よりも先端側端部3の先端側開口H2を大きくしたホーン形状(図2および図3)を採ることができる。このホーン形状の本体1でもって内臓の垂れ下がりを抑えることができるため、例えば、直腸の奥にある腫瘍TU(図4)、換言すれば、アクセスポートのある位置ANから遠い位置にある腫瘍TUに対する視認性を向上させるとともに、手術等における作業性を向上させることができる。また、低侵襲手術用器具100は、基端側端部2の基端側開口H1と先端側端部3の先端側開口H2とが略同一の径D1、かつ、ホーン形状時の長さ(第2の長さL2)よりも短い第1の長さL1の収納形状を採ることができる(図1)。本実施形態では、このように比較的コンパクトな収納形状でもって、低侵襲手術用器具100を患者の体内へと挿入する際の、患者の負担を軽減することができる。
B.第2実施形態:
図5および図6は、第2実施形態における低侵襲手術用器具100aの概略図である。図5は、収納形状の低侵襲手術用器具100aを表している。図6は、ホーン形状の低侵襲手術用器具100aを表している。
低侵襲手術用器具100aは、第1実施形態の本体1に代えて、本体1aを備えている。本体1aは、1枚の薄膜によって形成されており、内部空間と、各区画(第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30)とを有さない。また、本体1aは、気体導入部11(気体導入口11E、気体導入口11P)を備えていない。
低侵襲手術用器具100aは、さらに、開創器50を備えている。開創器50は、肛門AN(図4)から矢印の方向に向かって患者の体内へ挿入され、領域AR1を開放したまま保持するための器具である。図5および図6に示すように、開創器50は、基端側に基端側開口H1を有している。基端側開口H1の径D1は、第1実施形態と同様に、例えば4cmとされる。開創器50の先端側には、本体1aの基端側端部2が接続されている。
開創器50は、本体1aと同様に、柔軟性を有する材料であれば、任意の材料を用いて形成され得る。例えば、ゴム、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリウレタン等を採用できる。
また、開創器50には、開創器50の基端側から本体1aの先端側端部3に向かって、軸線Oに沿って伸びるように付勢された複数の弾性体(第1の弾性体51、第2の弾性体52、第3の弾性体53、第4の弾性体54)が内蔵されている。各弾性体の基端部は、それぞれ、開創器50の基端側の端部に接続されている。また、各弾性体の先端部は、それぞれ、本体1aの先端側端部3に接続されている。これら各弾性体は、例えば、コイルバネ、Sバネ、ガススプリングのようなバネにより実現可能であり、材料としては、例えば、金属や樹脂等を利用できる。なお、金属を用いる場合は、各弾性体の先端部には、内蔵の損傷を回避するための保護部材が装着されていることが好ましい。
図5に示すように、収納形状において、各弾性体は、収縮した状態で開創器50に内蔵されている。収納形状における本体1aは、第1実施形態と同様に、基端側開口H1と先端側開口H2との径が共にD1であり、軸線O方向における長さがL1である。一方、図6に示すように、ホーン形状において、各弾性体は、軸線Oを中心として放射状に伸長した状態で開創器50に内蔵されている。ホーン形状における本体1aは、第1実施形態と同様に、先端側開口H2の径がD4に変化し、軸線O方向における長さがL2に変化している。
低侵襲手術用器具100aの使用方法について、図4を参照しつつ説明する。まず、肛門ANから矢印の方向に向かって、収納形状(図5)の低侵襲手術用器具100aを挿入し、開創器50で領域AR1を開放したまま保持する。このとき、低侵襲手術用器具100aの本体1aは、領域AR2に進入している。次に、開創器50に設けられている各弾性体の端部51E、52E、53E、54Eに対して、例えば押下等の操作を加えることにより、各弾性体を、収縮状態から伸長状態へと変化させる。ここで、各弾性体の先端部には、本体1aの先端側端部3が接続されている。このため、各弾性体が軸線Oを中心として放射状に伸長することに伴い、本体1aが、図5に示す収納形状から図6に示すホーン形状へと変化する。
このように、第2実施形態の低侵襲手術用器具100aの本体1aは、弾性体の伸長に伴って、収納形状(図5)からホーン形状(図6)へと変化する。また、この形状の変化に伴って、第1実施形態と同様に、本体1aの軸線O方向における長さがL1からL2へと変化すると共に、先端側端部3の先端側開口H2の径がD1からD4へと変化する。
以上の通り、第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第2実施形態の低侵襲手術用器具100aでは、本体1aに内部空間(図3)を形成する必要がないため、本体1aを薄くすることができる。また、低侵襲手術用器具100aでは、気体を用いずに、本体1aの形状を変化させることができる。
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態における低侵襲手術用器具100bの概略図である。図7は、ホーン形状の低侵襲手術用器具100bを表している。
低侵襲手術用器具100bは、第1実施形態の本体1に代えて、本体1bを備えている。本体1bは、第1実施形態と同様に内部空間を有しており、内部空間は3つの区画(第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30)に区切られている。また、本体1bは、3つの区画にそれぞれ対応して、各区画へ気体を導入するための3つの気体導入部(第1の気体導入部71、第2の気体導入部72、第3の気体導入部73)を備えている。
低侵襲手術用器具100bは、さらに、開創器70を備えている。開創器70の構成は、第2実施形態の開創器50とほぼ同様である。すなわち、開創器70は、基端側に基端側開口H1を有し、基端側開口H1の径はD1である。開創器70の先端側には、本体1bの基端側端部2が接続されている。開創器70は、本体1bと同様に、柔軟性を有する材料であれば、任意の材料を用いて形成され得る。
第3実施形態では、上述した各気体導入部は、一方の開口が開創器70の基端側の端部に形成され、他方の開口が本体1bの内部空間に形成されている。具体的には、第1の気体導入部71は、開創器70の基端側の端部に開口した気体導入口71Eと、本体1bの第1の区画10内に開口した気体導入口71Pとを含む気体流路である。同様に、第2の気体導入部72は、開創器70の基端側の端部に開口した気体導入口72Eと、本体1bの第2の区画20内に開口した気体導入口72Pとを含む気体流路であり、第3の気体導入部73は、開創器70の基端側の端部に開口した気体導入口73Eと、本体1bの第3の区画30内に開口した気体導入口73Pとを含む気体流路である。
図示しない収納形状において、本体1bは、じゃばら形状に折り畳まれている。収納形状における本体1bは、第1実施形態と同様に、基端側開口H1と先端側開口H2との径が共にD1であり、軸線O方向における長さがL1である。また、図7に示すように、ホーン形状における本体1bは、第1実施形態と同様に、先端側開口H2の径がD4に変化し、軸線O方向における長さがL2に変化している。
低侵襲手術用器具100bの使用方法において、図4を参照しつつ説明する。まず、肛門ANから矢印の方向に向かって、収納形状(図示省略)の低侵襲手術用器具100bを挿入し、開創器70で領域AR1を開放したまま保持する。この際、各気体導入口71E、72E、73Eにはそれぞれ、気体(例えば空気)を送入するためのエアインジェクタを接続しておく。
次に、気体導入口71Eに接続されたエアインジェクタから、気体を送入する。送入された気体が第1の区画10内に充填されることにより、本体1bの第1の区画10が膨らみ、図7に示す形状へと変化する。同様に、気体導入口72Eに接続されたエアインジェクタによって第2の区画20を膨らませて形状を変化させ、気体導入口73Eに接続されたエアインジェクタによって第3の区画30を膨らませて形状を変化させる。このようにして、本体1bは、図示しない収納形状から図7に示すホーン形状へと変化する。
このように、第3実施形態の低侵襲手術用器具100bの本体1bは、内部空間(第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30)への気体の導入に伴って、収納形状からホーン形状(図7)へと段階的に変化する。また、この形状の変化に伴って、第1実施形態と同様に、本体1aの軸線O方向における長さがL1からL2へと変化すると共に、先端側端部3の先端側開口H2の径がD1からD4へと変化する。
以上の通り、第3実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第3実施形態の低侵襲手術用器具100bでは、本体1bに設けられた複数の区画(第1の区画10、第2の区画20、第3の区画30)に対応した複数の気体導入部71、72、73を有する。このため、低侵襲手術用器具100bでは、気体の圧力を変化させることなく、各区画を独立して変化させることができる。
D.第4実施形態:
図8は、第4実施形態における低侵襲手術用器具100cの概略図である。図8は、ホーン形状の低侵襲手術用器具100cを表している。
低侵襲手術用器具100cは、第2実施形態とは異なる形状の薄膜によって本体1cが形成されている点と、リング59を備える点を除き、第2実施形態と同じ構成を有する。具体的には、本体1cは、先端側端部3において、弾性を有する環状のリング59を備えている。リング59は、本体1cと同様に、柔軟性を有する材料であれば、任意の材料を用いて形成され得る。また、本体1cは、複数の弾性体(第1の弾性体51、第2の弾性体52、第3の弾性体53、第4の弾性体54)にそれぞれ対応した複数の薄膜(第1の薄膜51F、第2の薄膜52F、第3の薄膜53F)を備えている。第4実施形態の低侵襲手術用器具100cの本体1cも、第2実施形態と同様に、弾性体の伸長に伴って、図示しない収納形状からホーン形状(図8)へと変化する。また、この形状の変化に伴って、第2実施形態と同様に、本体1aの軸線O方向における長さがL1からL2へと変化すると共に、先端側端部3の先端側開口H2の径(換言すれば、リング59の径)がD1からD4へと変化する。
以上の通り、第4実施形態においても、上述した第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
E.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態において説明した各要素は、組み合わせて適用されてもよい。例えば、第1実施形態で説明した本体1に対して、第3実施形態で説明した開創器70が接続されてもよい。例えば、第2実施形態で説明した本体1aに対して、第4実施形態で説明したリング59を備えていてもよい。例えば、第3実施形態で説明した開創器70を省略し、本体1bのみで低侵襲手術用器具100bを構成してもよい。例えば、第4実施形態で説明したリング59を省略して低侵襲手術用器具100cを構成してもよい。
上記実施形態では、気体導入部および弾性体の個数を例示した。しかし、気体導入部および弾性体の個数は、任意に変更することができる。また、上記実施形態において説明した幅D1,D2,D3,D4、および、長さL1,L2,L21,L22,L23についても、任意に変更することができる。
上記実施形態では、基端側開口H1および先端側開口H2は円形(すなわち、本体1は頂点部分が開口した円錐形状)であるとした。しかし、基端側開口H1と先端側開口H2とのうちの少なくとも一方は楕円形形状や、多角形形状(すなわち、本体1は、頂点部分が開口した楕円形の円錐、または、多角錐形状)であってもよい。
上記第1,3実施形態では、本体1の内部空間が複数(3つ)の区画に区切られているとした。しかし、本体1の内部空間は、単一の区画(すなわち、複数の区画に区切られていない)であってもよく、3つ以外の複数の区画に区切られていてもよい。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
1…本体
2…基端側端部
3…先端側端部
10…第1の区画
11…気体導入部
11E…気体導入口
11P…気体導入口
20…第2の区画
30…第3の区画
50…開創器
51…第1の弾性体
52…第2の弾性体
53…第3の弾性体
54…第4の弾性体
70…開創器
71…第1の気体導入部
72…第2の気体導入部
73…第3の気体導入部
100…低侵襲手術用器具

Claims (6)

  1. 低侵襲手術のための低侵襲手術用器具であって、
    基端側と先端側とにそれぞれ開口を有する本体を備え、
    前記本体は、
    基端側の前記開口と先端側の前記開口とが略同一の径、かつ、基端側から先端側までの長さが第1の長さである収納形状から、
    基端側の前記開口の径よりも先端側の前記開口の径を大きく、かつ、基端側から先端側までの長さが前記第1の長さよりも長い第2の長さであるホーン形状へと、
    形状の変化が可能な、低侵襲手術用器具。
  2. 請求項1に記載の低侵襲手術用器具であって、
    前記本体は、
    内部に気体を導入可能なフロート状に形成されると共に、気体を導入するための気体導入口を有し、
    気体導入口から前記本体の内部への気体の導入に伴って、前記収納形状から前記ホーン形状へと変化する、低侵襲手術用器具。
  3. 請求項2に記載の低侵襲手術用器具であって、
    前記本体の内部は、基端側から先端側に向かう方向において複数の区画に区切られ、
    基端側に最も近い第1の区画の形状を変化させるための気体の圧力は、前記第1の区画に隣接する第2の区画の形状を変化させるための気体の圧力よりも低い、低侵襲手術用器具。
  4. 請求項2に記載の低侵襲手術用器具であって、
    前記本体の内部は、基端側から先端側に向かう方向において複数の区画に区切られ、
    気体導入口は、前記複数の区画のそれぞれに気体を導入するための複数の気体導入口を含む、低侵襲手術用器具。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の低侵襲手術用器具であって、さらに、
    患者の自然オリフィスを開くための開創器を備え、
    前記本体の基端側は、前記開創器の先端側に接続されている、低侵襲手術用器具。
  6. 請求項1に記載の低侵襲手術用器具であって、さらに、
    患者の自然オリフィスを開くための開創器を備え、
    前記本体の基端側は、前記開創器の先端側に接続されており、
    前記開創器には、前記開創器から前記本体の先端側に向かって伸びるように付勢された弾性体であって、前記弾性体の先端部に前記本体の先端側の前記開口が接続された弾性体が内蔵され、
    前記本体は、前記弾性体の伸長に伴って、前記収納形状から前記ホーン形状へと変化する、低侵襲手術用器具。
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