JP2015153667A - 電子機器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでスイッチが配置されている空間を防水区画とし、スイッチを押下する際の操作感が良好な電子機器を提供すること。【解決手段】本発明の温度調節器1は、ケースフロント3と、スイッチ51と、カップ部材52と、押下部材503とを備えている。ケースフロント3は、表面に貫通孔37を有する。スイッチ51は、ケースフロント3の内側に設けられた基板21に配置されている。カップ部材52は、貫通孔37に、内側底面56eがケースフロント3の外側を向いて配置されたカップ部56を有している。押下部材503は、スイッチ51を押下するためにカップ部54内に配置されている。カップ部材52は、カップ部56と貫通孔37の内周面37aとの間から異物が侵入しないようにケース部材3と溶着されている。スイッチを押下するための押下部材503の移動により、カップ部54の先端部56cがスイッチ51を押圧する。【選択図】図9

Description

本発明は、スイッチを備えた電子機器及びその製造方法に関する。
工場の生産ラインで用いられる温度調節機器等の電子機器では、スイッチが配置されている空間に水等の液体が侵入してスイッチが故障することを防止するため、スイッチの配置されている空間が防水区画に形成されている。
このような構成としては、弾性体がケースの貫通孔に挿入されており、その弾性体が内側に凹んでいる結合孔を有している防水構造が開示されている(例えば、特許文献1(図1)参照)。この防水構造では、この弾性体の内側にプッシュスイッチが配置されており、結合孔には、プッシュキーによって加えられる圧力をプッシュスイッチに伝えるロッドが嵌め込まれている。ロッドの結合孔への挿入によって弾性体の圧縮反力が生じ、弾性体がケースの貫通孔とロッドに圧接することにより、プッシュスイッチが配置されている空間が防水区画として形成される。
一方、ロッドはスイッチ操作時に弾性体に対して摺動して動作する必要があるが、弾性体の反力がロッドにもかかるため、スムーズに揺動するためにロッドと結合孔の間には潤滑オイルが塗布されている。
また、他の構成として、ボタンが配置される空間を囲むように水密に仕切る防水部材が設けられ、防水部材が、ボタンと対向して配置された防水フィルムと、防水フィルムと筐体との間を接着する枠状の弾性体とを有する構成が開示されている(例えば、特許文献2(図6)参照。)。この特許文献2では、ボタンから筐体の内側面に沿って伸びた部分の先端が筐体の内側面に固着されることによってヒンジ構造を構成し、ボタンは筐体に形成された貫通孔内に保持されている。そして、使用者によってボタンが押されると、ボタンは、この固着部分を支点として筐体の内側に回動する。
特開2013−62243号公報 特開2008−108558号公報
しかしながら、上記特許文献1に示す防水構造では、長期間に渡って使用する場合や使用環境によっては潤滑オイルが枯渇してロッドがスムーズに摺動しなくなり、スイッチを押下する際の操作感が悪くなる場合があった。更に、弾性体の圧縮によって防水区画を形成しているため、ケース、弾性体、及びロッド等について繊細な寸法設計、応力設計が必要となり、量産後の寸法管理も必要となっていた。このため、コストが高くなっていた。
また、特許文献2に示す防水構造では、防水部材が防水フィルムと枠状の弾性体の2つの部材によって構成されるため、部品点数の増加により部材費が高くなり、又、2つの部材を接着するため組立工数が多くなるため、コストが高くなっていた。
又、ボタンを貫通孔内に保持するとともにボタンの回動支点となる固着部分を形成する必要があり、この固着部分の形成のためにスペースが余分に必要となる。更に、良好なボタンの操作感を得ようとすると、筐体の内周面に沿って伸びた部分の長さを長く確保する必要があり、よりスペースが必要となる。
本発明の課題は、省スペース且つ低コストでスイッチが配置されている空間を防水区画とし、スイッチを押下する際の操作感が良好な電子機器及びその製造方法を提供することにある。
第1の発明に係る電子機器は、ケース部材と、スイッチと、カップ部材と、押下部材とを備えている。ケース部材は、表面に貫通孔を有する。スイッチは、ケース部材の内側に設けられた基板に配置されている。カップ部材は、貫通孔に、内側底面がケース部材の外側を向いて配置されたカップ部を有する。押下部材は、スイッチを押下するためにカップ部内に配置されている。カップ部材は、カップ部と貫通孔の内周面との間から異物が侵入しないようにケース部材と溶着されており、スイッチを押下するための押下部材の移動により、カップ部の底部がスイッチを押圧する。
このような構成により、スイッチが配置されている空間が防水区画として形成され、その空間への異物の侵入を防ぐことが出来る。ここで、異物とは、水等の液体、及び粉塵等を含む。また、溶着によって防水区画を形成しているため、押下部材がカップ部によって押圧されない、若しくはたとえ押圧されたとしても押下部材が摺動し難い程には押圧されない。そのため、カップ部と押下部材の間に潤滑オイルを塗布しなくても押下部材をカップ部に対してスムーズに摺動することが出来る。従って、スイッチが配置されている空間を防水区画として形成してもスイッチを押下する際の操作感を良好にすることが出来る。
更に、圧縮ではなく、溶着によって防水区画を形成しているため、繊細な寸法設計、応力設計が必要なく、量産後の寸法管理の必要も低減され、コストを下げることが出来る。
また、ケース部材の貫通孔を塞ぐように配置されるカップ部が、1つの部材によって実現できるため、部品点数が少なくて済、コストを低くすることが出来る。
また、押下部材は、カップ部内に挿入されているため、カップ部によって保持されることになり、他にケースなどと固着する部分を形成する必要がない。
そのため、省スペースで、防水区画を実現することが出来る。
第2の発明にかかる電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、カップ部材が全周にわたってケース部材と溶着されている。
このように、カップ部材が全周にわたってケース部材と溶着されることによって、カップ部と貫通孔の内周面のとの間から異物が侵入することを防止することが出来る。
第3の発明にかかる電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、カップ部は、貫通孔の内周面と全周に渡って溶着されている。
これにより、貫通孔の内周面とカップ部の間で水等の液体の侵入を防ぐことができ、スイッチが配置されている空間を防水区画とすることが出来る。
また、貫通孔に対して垂直な平面上において出来るだけ小さいスペースで、スイッチが配置されている空間を防水区画とすることが出来る。
第4の発明にかかる電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、カップ部材は、カップ部の開口の全周に渡って接続された鍔部を有する。鍔部は、ケース部材の外側表面と溶着されている。
これにより、カップ部材の鍔部とケース部材の間で水等の液体の侵入を防ぐことができ、スイッチが配置されている空間を防水区画とすることが出来る。
また、鍔部で溶着することによって、押下方向の厚みが薄い電子機器において、防水を維持しながら良好な操作感を得ることが出来る。
また、鍔部がケース部材の外側表面に設けられているため、スイッチを押下する際に、鍔部は圧縮されることになる。すなわち、鍔部が内側に配置された場合にはスイッチ押下の際に溶着を引き剥がす方向に力が作用することになるが、上記発明では圧縮される側に鍔部が設けられているため、信頼性のある溶着を行うことが出来る。
第5の発明に係る電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、ケース部材とカップ部材は、インサート成形によって一体的に形成されている。
これにより、ケース部材とカップ部を溶着した構成を容易に実現できる。
第6の発明に係る電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、表面部材と、操作部と、を更に備えている。表面部材は、ケース部材の外側に配置され、ケース部材の貫通孔と対向するように貫通して形成された外側貫通孔を有する。操作部は、押下部材の外側の端に連結して設けられ、外側貫通孔から表面部材の外側に突出し、スイッチの押下時に操作される。操作部は、表面部材の内側表面であって外側貫通孔の周囲に全周にわたって当接可能な当接部を有している。スイッチが押下されている状態では、当接部は表面部材から内側に離間しており、当接部が表面部材と当接している操作部の初期状態では、スイッチは非押下状態である。
このように、操作部の初期状態で当接部が表面部材と当接しているため、表面部材と操作部の間においても液体等の侵入を防止することが出来る。
このため、使用者が操作部を押していない状態では表面部材と操作部の間から水等の液体が侵入することを防ぐことが出来る。
これにより、表面部材と操作部の間、及びケース部材とカップ部の間の2重の防水構造を形成することが出来、スイッチが配置されている空間への液体の侵入をより確実に防ぐことが可能となる。
第7の発明に係る電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、基板には、電子部品が更に配置されており、カップ部材及びケース部材は、基板のスイッチ及び電子部品が配置されている側を覆うように形成されている。
このように、スイッチだけでなく、基板に配置されている他の電子部品に対しても水等の液体が接触することを防ぐことが出来る。
第8の発明に係る電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、カップ部材は、連接した複数のカップ部を有している。ケース部材には、貫通孔が複数個並んで形成されている。基板には、スイッチが複数個並んで配置されている。複数のカップ部は、それぞれがスイッチに対応するように配置されている。連接した複数のカップ部及びケース状部材は、基板の複数のスイッチが配置されている側を覆うように形成されている。
このように、複数個のスイッチが配置されている側に連接した複数のカップ部を配置することによって、複数個のスイッチに対しても防水機能を発揮できる。
又、カップ部が連接していることにより、組立易く、複数のスイッチに対して防水機能を発揮できる複数のカップ部を一体的に成形することが出来、コストを易くすることが出来る。
第9の発明に係る電子機器は、第6の発明に係る電子機器であって、スイッチを押下している状態から初期状態に操作部を復帰する復帰力を生成する復帰力生成部を更に備えている。
このように復帰力生成部を備えていることにより、使用者が操作部から指先を離した際に、操作部をより確実に初期位置に戻すことが出来る。すなわち、その当接部が、より確実に表面部材と当接する。これにより、表面部材と操作部の隙間からの液体の侵入を出来るだけ防ぐことが出来る。
第10の発明に係る電子機器は、第9の発明に係る電子機器であって、カップ部材は、カップ部の開口の縁から形成された鍔部を有し、鍔部は、ケース部材の外側表面と溶着されている。復帰力生成部は、弾性を有し、鍔部から表面部材に向かって突出して形成されており、その先端が当接部の内側と接触し、当接部を表面部材の内側表面に向かって付勢する。
このように、復帰力生成部を鍔部から表面部材に向かって突出するように形成することにより、復帰力生成部を鍔部と一体成形することが出来るため、部品点数を増やすことなく、使用者が指を離すと操作部を初期位置に戻す構成が実現できる。
第11の発明に係る電子機器は、成形工程と、配置工程とを備える。成形工程は、表面に貫通孔を有するケース部材と、貫通孔に、内側底面がケース部材の外側を向いて配置されたカップ部を有するカップ部材とをインサート成形によって一体的に形成する。配置工程は、ケース部材の内側にスイッチが配置された基板を、カップ部に挿入される押下部材のスイッチを押下するための移動によってカップ部の底部がスイッチを押圧するように、ケース部材及びカップ部材に対して配置する。
省スペース且つ低コストでスイッチが配置されている空間を防水区画とし、スイッチを押下する際の操作感が良好な電子機器を製造することが出来る。
本発明によれば、低コストでスイッチが配置されている空間を防水区画とし、スイッチを押下する際の操作感が良好な電子機器及びその製造方法を提供することが可能である。
本発明に係る実施形態1における温度調節器を示す全体斜視図。 図1に示す温度調節器の使用状態を示す側面図。 図1に示す温度調節器の前面部分であるシートフロント、ケースフロント、表示部、及びスイッチ部の分解斜視図。 (a)図3に示すシートフロント、ケースフロント、表示部、及びスイッチ部を組み合わせた状態を示す正面図、(b)図4(a)のAA間の矢示断面図、(c)図4(a)のBB間の矢示断面図。 (a)図3に示すケースフロントの正面図、(b)図5(a)のCC間の矢示断面図、(c)図5(a)のDD間の矢示断面図。 図3に示すスイッチの断面模式図。 (a)図3に示すカップ部材の正面側から視た斜視図、(b)図3に示すカップ部材の背面側から視た斜視図。 (a)図7に示すカップ部材の平面図、(b)図7に示すカップ部材の正面図、(c)図8(b)のEE間の矢示断面図、(d)図8(b)のFF間の矢示断面図、(e)図8(c)の部分拡大図。 図4(b)の部分拡大図。 図1に示す温度調節器のケースフロントとカップ部材の溶着部分を説明するための断面図。 (a)図1に示す温度調節器のケースフロントとカップ部材の接着部分を説明するための正面側から視たカップ部材の部分拡大図、(b)図1に示す温度調節器のケースフロントとカップ部材の溶着部分を説明するための背面側から視たカップ部材の部分拡大図。 (a)図3に示す操作キーの正面側から視た斜視図、(b)図3に示す操作キーの背面側から視た斜視図。 図9に示す状態から操作キーを押し込んだ状態を示す平断面図。 図13に示す状態の側断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 本実施形態1の温度調節器の変形例を示すスイッチ近傍の断面図。 (a)本実施形態1の温度調節器の変形例を示すカップ部材の正面側から視た斜視図、(b)本実施形態1の温度調節器の変形例を示すカップ部材の背面側から視た斜視図。 (a)本発明に係る実施形態2における温度調節器のフロントケースの一部とカップ部材を示す斜視断面図、(b)本発明に係る実施形態2における温度調節器のフロントケースの一部とカップ部材を示す平断面図、(c)本発明に係る実施形態2における温度調節器のフロントケースの一部とカップ部材を示す正面図。
以下、本発明の一実施形態について、適宜、図面を参照しながら説明する。以下の説明では、説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするために、例えば、既知の事項の詳細な説明や実質的に同一の構成に対する重複説明については省略する場合がある。
尚、出願人は、当業者が本発明の内容を十分に理解するために以下の説明及び図面を提供するのであって、これらの開示内容によって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施形態1)
以下に、本発明に係る実施形態1の温度調節器について図1〜図14を参照しながら説明する。
<1.構成>
(1−1.温度調節器1の概要構成)
図1は、本実施形態の温度調節器1の外観斜視図である。本実施形態1の温度調節器1には、図示していないが、温度を検出する温度センサ、及び温度を調節するためのヒーターやクーラーなどが接続される。また、本実施形態の温度調節器1は、その外形が略直方体形状であり、前面10、背面11、上面12、底面13、右側面14、及び左側面15が設けられている。この温度調節器1の外観としては、前面10から背面11までの間隔が、上面12と底面13の間隔及び右側面14と左側面15の間隔よりも長くなるように形成されている。尚、以下の説明において、上下方向とは、上面12及び底面13に垂直な方向のことであり、左右方向とは、左側面15及び右側面14に垂直な方向のことである。また、前側又は正面側とは前面10側のことであり、後側とは背面11側のことである。
図1に示すように、前面10の下部分には、スイッチ部5の複数の操作キー53が下辺10a沿って一列に並んで配置されている。
図2は、本実施形態1の温度調節器1の使用状態を示す側面図である。本実施形態1の温度調節器1は、制御盤100に組み込まれて使用される。温度調節器1は、制御盤100に組み込まれた状態において、その前面10が制御盤100の外側に露出している。この前面10には、温度センサで検出された温度、設定温度等が表示される。この表示領域が、図1において前面10に10sとして示されている。
又、温度調節器1の背面11、上面12、底面13、右側面14及び左側面15は制御盤100の内側に配置されている。このように、前面10を除く部分は制御盤100内に配置されるため、本実施形態1の温度調節器1では、前面10側に防水機能が施されている。
図3は、本実施形態1の温度調節器1の前面10側の分解斜視図である。図4(a)は、表示部2、ケースフロント3、シートフロント4、及びスイッチ部5を組み合わせた状態を示す正面図である。図4(b)は、図4(a)のAA間の矢示断面図である。図4(c)は、図4(a)のBB間の矢示断面図である。
図3及び図4に示すように、温度調節器1の前面10側には、表示部2、ケースフロント3、シートフロント4、及びスイッチ部5が設けられている。これら表示部2、ケースフロント3、シートフロント4、及びスイッチ部5は、背面11、上面12、底面13、右側面14、及び左側面15によって構成されるケース本体16(図1参照)に取り付けられる。
(1−2.表示部2)
表示部2は、図3に示すように基板21と、表示用電子部品22とを有している。基板21は、略四角形状であって前面10と概ね同じ大きさに形成されており、その表面が前面10側を向くように配置されている。表示用電子部品22は、基板21の前面10側であって上端寄りに配置されている。基板21における表示用電子部品22の下側には後述するスイッチ51及び他の電子部品23が配置されている。
(1−3.ケースフロント3)
図5(a)は、ケースフロント3の正面図である。図5(b)は図5(a)のCC間矢示断面図であり、図5(c)は図5(a)のDD間矢示断面図である。
図3及び図5に示すように、ケースフロント3は、前面部31と、左側支持部32aと、右側支持部32bと、上側支持部32cと、下側支持部32dを備えている。前面部31は、略矩形状であり、略矩形状のそれぞれの辺が上端31U、下端31D、左端31L、及び右端31Rを構成している。前面部31は、表示部2を前面10側から覆うように配置され、表示用電子部品22と対向する位置に形成された略矩形状の開口部34を有している(図3及び図5(a)参照)。尚、開口部34の略矩形状の各辺は、それぞれの辺に対応する前面部31の各辺と平行である。
左側支持部32aは、前面部31の左端31Lから背面11に向かって形成された複数の突起状の部材から構成されており、図示していないが左側面15と係合する。右側支持部32bは、前面部31の右端31Rから背面11に向かって形成された複数の突起状の部材から構成されており、図示していないが右側面14と係合する。同様に、上側支持部32cは、前面部31の上端31Uから背面11に向かって形成された複数の突起状の部材から構成されており、上面12と係合する。下側支持部32dは、前面部31の下端31Dから背面11に向かって形成された複数の突起状の部材から構成されており、底面13と係合する。
これら左側支持部32a、右側支持部32b、上側支持部32c、及び下側支持部32dによって、ケースフロント3は、背面11、上面12、底面13、右側面14、及び左側面15によって形成されるケース本体16(図1参照)に取り付けられる。
図5(a)〜図5(c)に示すように、開口部34の下側の前面部31には、後述するカップ部材52が配置される配置部35が形成されている。図3では、配置部35にカップ部材52が配置された状態が示されている。
配置部35は、前面部31の表面に溝状に形成された溝状部38と、溝状部38の底面38aに溝状に形成された溝状部36と、その溝状部36の底面36aから形成された5つの貫通孔37とを有している。溝状部38は、開口部34の下側であって前面部31の下端31Dに沿って左端31Lから右端31Rに向かって形成されている。溝状部36は、図5(a)に示すように正面視において溝状部38の内側に配置されるように、溝状部38の底面38aに形成されている。5つの貫通孔37は、溝状部36の底面36aに所定の間隔をあけて左端31Lから右端31R方向に一列に並んで形成されている。これら5つの貫通孔37は、上述した5つのスイッチ51のそれぞれと対向する位置に形成されている。尚、ここでいう底面36a、38aは、溝形状の底面のことであり、前面10と略平行に形成されている。
また、図5(c)に示すように、上下方向の位置において溝状部36の上端36Uと下端36Dは、貫通孔37の上端37U及び下端37Dと一致している。このため、図5(a)に示すように、溝状部36の底面36aは、貫通孔37の左右方向には存在するが、貫通孔の上下方向には存在しない。
(1−4.シートフロント4)
シートフロント4は、図3に示すように略矩形状の部材であり、各辺を形成する上端4U、下端4D、左端4L、及び右端4Rを有している。シートフロント4は、透明の部材によって形成されており、ケースフロント3の前側に接着によって固定される。尚、シートフロント4は、上端4U、下端4D、左端4L、及び右端4Rが、上端31U、下端31D、左端31L、及び右端31Rに対応するように前面部31に取付けられる。
シートフロント4の上端4Uの中央部には、切り欠き部4aが形成されており、下端4Dの中央部には、切り欠き部4bが形成されている。シートフロント4がケースフロント3に接着固定される際には、切り欠き部4aに、ケースフロント3の前面部31の上端31Uの中央部に形成された凸部31aが嵌められ、切り欠き部4bに、前面部31の下端31Dの中央部に形成された凸部31bが嵌められる。
また、シートフロント4は、後述する複数の操作キー53をケースフロント3に支持する機能を有しており、シートフロント4には、この複数の操作キー53が前面側に突出する複数の貫通孔41が形成されている。この複数の貫通孔41は、左端4Lから右端4Rに向かって一列に所定の間隔をあけて形成されている。
(1−5.スイッチ部5)
スイッチ部5は、複数のスイッチ51、カップ部材52、及び複数の操作キー53を備えている。
(1−5−1.スイッチ51)
スイッチ51は、基板21の前面10側であって、表示用電子部品22の下側に左右方向(左側面15から右側面14と略垂直方向)に一列に並んで5個配置されている。これらスイッチ51は、前面10側から押されると、スイッチがオン状態となる。
図6は、スイッチ51近傍の模式図である。スイッチ51は、図6に示すように、蓋部511と、蓋部511の裏面に配置された可動電極512と、基板21側に配置された固定電極513とを有している。使用者による操作キー53の押し込みによって後述する押下部材503が背面11側へと押される(矢印P参照)と、蓋部511が背面11側へと撓み可動電極512が固定電極513に接触するため、スイッチ51はオン状態となる。尚、蓋部511を介した可動電極512への押圧か解除されると、蓋部511の復元力によって可動電極512は固定電極513から離間され、スイッチ51はオフ状態となる。
(1−5−2.カップ部材52)
(1−5−2−1.カップ部材52の構成)
図7(a)は、前面10側から視たカップ部材52の斜視図である。図7(b)は、背面11側から視たカップ部材52の斜視図である。図8(a)は、カップ部材52の平面図であり、図8(b)は、カップ部材52の正面図である。図8(c)は、図8(b)のEE間の矢示断面図であり、図8(d)は、図8(b)のFF間の矢示断面図である。図8(e)は、図8(c)の部分拡大図である。又、図9は、図4(b)の部分拡大図である。
カップ部材52は、ゴム等を含む弾性材料によって形成されている。カップ部材52は、ケース部材3の前面部31に配置され、ケース部材3の前面部31に形成されている5つの貫通孔37のそれぞれから水が侵入することを防ぐために5つの防水区画形成部54を有している。図7及び図8に示すように、カップ部材52は、5つの連接された防水区画形成部54によって形成されている。ここで、防水区画形成部54は、水に限らず、液体及び粉塵等を含む異物の侵入を防止する。
また、それぞれの防水区画形成部54は、ケース部材3の前面部31に形成された貫通孔37に配置されたカップ部56と、カップ部56の前端から形成された鍔部55とを有している。
カップ部56は、図9に示すように、前面10側に開口56dが向き、その内側底面56eが外側を向くように貫通孔37に挿入するように配置されている。鍔部55は、カップ部56の前端(開口56dの縁56f(図8(e)参照))から左右に向かって形成されている。この鍔部55は、図9に示すように前面部31の溝状部36に配置されている。
防水区画形成部54には、図7及び図8に示すように、その前面54sに鍔部55の形成方向である左右に沿って凹部54cが設けられている。この凹部54cの底面54dからカップ部56の内側まで挿入孔57が形成されている。操作キー53の押下部材503(後述する)が、挿入孔57に挿入される。この挿入孔57の入口が、開口56dに対応する。
また、貫通孔37の左右両側には凹部54cの底面54dから前面10側(カップ部56の突出方向とは反対側)に向かって突出した付勢突起58が形成されている。これら付勢突起58は、操作キー53をシートフロント4へと付勢する。
以上のような構成のカップ部56の鍔部55の端同士で連接してカップ部材52が形成されている。
(1−5−2−1.カップ部材52とケースフロント3の間の溶着)
上述したケースフロント3とカップ部材52は、インサート成形によって一体成形されている。すなわち、ケースフロント3とカップ部材52は溶着によって接合されている。
図10は、図9の断面図のうちケースフロント3とカップ部材52のみを示す図である。防水区画形成部54のカップ部56は、図10に示すように貫通孔37の内周面37aと対向し、その内周面37aと全周に渡って溶着されている溶着部56aと、溶着部56aからケースフロント3の内側に向かって突出した突出部56bを有している。図11(a)は、カップ部材52の1つの防水区画形成部54を正面側から視た斜視図であり、図11(b)は、カップ部材52の1つの防水区画形成部54を背面側から視た斜視図である。溶着部56a及び突出部56bを分かりやすくするために、図11(a)及び図11(b)には溶着部56aの領域を点線で示している。
このように、溶着部56aは防水区画形成部54の全周にわたって設けられているため、ケースフロント3の外側から内側に水が浸入することを防ぐことが出来る。すなわち、ケースフロント3の内側(スイッチ51が配置されている側)に防水区画を形成できる。この溶着部56aと貫通孔37の内周の溶着部分が図10においてS1として点線で示されている。
また、カップ部材52の鍔部55は、溝状部36の底面36aに配置され、鍔部55の背面55aと底面36aが互いに溶着されている。この鍔部55と底面36aとの溶着部分が図10においてS2として点線で示されている。尚、ケースフロント3の説明において述べたように、貫通孔37の上下方向には溝状部36の底面36aは存在していない。又、図11(a)及び図11(b)に示すように、鍔部55は、カップ部56から左右方向にのみ形成されている。これらの構成により、ケースフロント3とカップ部材52は、貫通孔37の外側の外周縁は全周に渡っては接着されていない。
尚、このように上下方向に底面36aを存在しないようにケースフロント3を構成することによって、前面10の大きさを出来るだけ小さくした上で、表示領域10s(図1参照)を大きく確保することが出来る。又、本実施形態では、インサート成形のため溝状部36の内側面(上下左右の面)も鍔部55と溶着されることになる。
(1−5−3.操作キー53)
図12(a)は、図1における図中手前側から視た操作キー53の斜視図である。図12(b)は、背面11側から視た操作キー53の斜視図である。
操作キー53は、操作部501と、当接部502と、押下部材503とを有している。
操作部501は、図12(a)及び図12(b)に示すように、略直方体形状であり、シートフロント4から前側に突出して配置されており、スイッチ51をオン状態にするために使用者によって背面11に向かって押される。
当接部502は、操作部501の背面11側の端であって操作部501の全周に渡って形成されている。この当接部502は、図9に示すようにシートフロント4とカップ部材52の間に配置されており、その内側面502aにカップ部材52の付勢突起58が当接し、シートフロント4側に付勢されている。この付勢突起58による付勢力により、当接部502はシートフロント4の貫通孔41の内側周縁部42に全周に渡って当接する。
押下部材503は、操作部501の背面11側から背面11に向かって突出して形成された棒状の部材であり、カップ部材52の挿入孔57に挿入されている。すなわち、図12(b)に示すように、押下部材503の外側の端503aに操作部501が配置されている。
<2.動作>
スイッチ51をオン状態にする際、操作キー53の操作部501が、背面11方向に向けて押される。
図13は、スイッチ51がオン状態の防水区画形成部54近傍の正断面図であり、図4に示すAA間の矢示断面図である。図14は、スイッチ51がオン状態の防水区画形成部54近傍の側断面図であり、図4に示すBB間の矢示断面図である。
図9、図13、及び図14に示すように、使用者が操作キー53を押す操作によって、押下部材503も背面11方向に移動し、カップ部材52のカップ部56が内側に伸ばされる。そして、突出部56bの先端部56cを介して押下部材503によってスイッチ51の蓋部511が押下される。この蓋部511の押下により蓋部511の裏面に設けられている可動電極512が固定電極513に接触し、スイッチ51はオン状態となる。
尚、押下部材503の移動に伴ってカップ部56が弾性変形することになるが、カップ部56のうち溶着部56aは貫通孔37の内周面37aと溶着されているため、主に突出部56bが内側に弾性変形することになる。
また、操作キー53を押し込んでいくと、図14に示すように当接部502が溝状部38の底面38aに当接し、それ以上操作キー53の押し込みが停止される。これによって、操作キー53を押し込みすぎてスイッチ51を押し込みすぎることが防止される。
また、図9及び図13に示すように、操作キー53を押すことによって、当接部502によって付勢突起58が圧縮される。凹部54cの壁面54eによって付勢突起58の圧縮変形が妨げられないように、凹部54cの底面54dにおける付勢突起58から壁面54eまでに間隔d1が設けられている(図11参照)。すなわち、当接部502が底面38aに当接した状態において、付勢突起58が壁面54eに接触しないように距離d1が設定されている。尚、この壁面54eは、詳細には、付勢突起58の挿入孔57と反対側の壁面54eといえる。
使用者が操作キー53から指を離すと、付勢突起58によって当接部502はシートフロント4側へと付勢される。この当接部502の付勢力と、スイッチ51の蓋部511の復元力と、元の状態に戻ろうとする突出部56bの弾性力によって、操作キー53は押しこまれる前の状態、すなわち、操作キー53の当接部502がシートフロント4の貫通孔41の内側周縁部42に当接した状態(初期状態)に復帰する。
<3.主な特徴・効果>
(3−1)
本実施形態の温度調節器(電子機器の一例)は、図9に示すようにケースフロント3(ケース部材の一例)と、スイッチ51(スイッチの一例)と、カップ部材52と、押下部材503とを備えている。ケースフロント3は、表面に貫通孔37を有する。スイッチ51は、ケースフロント3の内側に設けられた基板21に配置されている。カップ部材52は、貫通孔37に、内側底面56eがケースフロント3の外側を向いて配置されたカップ部56を有している。押下部材503は、スイッチ51を押下するためにカップ部54内に配置されている。カップ部材52は、カップ部56と貫通孔37の内周面37aとの間から異物が侵入しないようにケース部材3と溶着されている。特に、本実施の形態では、カップ部56と貫通孔37の内周面37aとが全周に渡って溶着されている。スイッチを押下するための押下部材503の移動により、カップ部54の先端部56c(底部の一例)がスイッチ51を押圧する。
このように、カップ部56の全周とケースフロント3の貫通孔37の内周面37aが全周にわたって溶着されることによってスイッチ51が配置されている空間Q(図9参照)が防水区画として形成される。
また、圧縮でなく、溶着によって防水区画を形成しているため、押下部材503がカップ部56によって押圧されない、若しくはたとえ押圧されたとしても押下部材503が摺動し難い程には押圧されない。そのため、カップ部56と押下部材503の間に潤滑オイルを塗布しなくても押下部材503をカップ部56に対してスムーズに摺動することが出来る。従って、スイッチ51が配置されている空間Qを防水区画として形成してもスイッチ電子部品を押下する際の操作感が良好とすることが出来る。
更に、圧縮ではなく、溶着によって防水区画を形成しているため、繊細な寸法設計、応力設計が必要なく、量産後の寸法管理の必要も低減され、コストを下げることが出来る。
また、ケースフロント3の貫通孔37を塞ぐように配置されるカップ部材52が、1つの部材によって実現できるため、部品点数が少なくて済、コストを低くすることが出来る。
(3−2)
本実施形態の温度調節器(電子機器の一例)の製造方法は、成形工程と、配置工程を備えている。成形工程では、図3及び図4に示すように、表面に貫通孔37を有するケースフロント3(ケース部材の一例)と、貫通孔37に、内側底面56eがケースフロント3の外側を向いて配置されたカップ部56を有するカップ部材52とをインサート成形によって一体的に形成される。配置工程では、図9及び図13に示すようにケースフロント3の内側にスイッチ51が配置された基板21が、カップ部56に挿入される押下部材503のスイッチ51を押下するための移動によってカップ部56の先端部56c(底部の一例)がスイッチ51を押圧するように、ケースフロント3及びカップ部材52に対して配置される。
<4.他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、図9に示すように、前面部31の内側表面31cは、貫通孔37の貫通方向に対して略垂直に形成されているが、略垂直に形成されていなくてもよい。
図15に示す前面部31´のように、内側表面31c´の貫通孔37周縁に凹部31z´が形成されていてもよい。この凹部31z´が形成されていることにより、貫通孔37に向かうに従って前面部31の厚みが薄くなるように形成される。尚、この場合において、貫通孔37とはカップ部56と溶着されている部分のことであり、凹部31z´の内側に位置する部分は、ケースフロント3と溶着されていないため、突出部56bの一部である。
(B)
上記実施形態では、防水区画形成部54に凹部54cが設けられており、その底面54dから付勢突起58が形成されていたが、凹部54cが形成されていなくても良い。例えば、図16の断面図に示す防水区画形成部1054のように、防水区画形成部1054に凹部54cが形成されておらず、防水区画形成部1054の前面54sから直接付勢突起58が形成されていてもよい。
(C)
上記実施の形態では、復帰力生成部の一例としての付勢突起58が防水区画形成部54の一部として形成されていたが、復帰力生成部の一例としての構成が防水区画形成部54とは別の部材として設けられていてもよいし、ケースフロント3または操作キー53の一部として設けられていてもよい。図17〜図21は、付勢力生成部の他の例を示す模式図である。
図17に示すように、防水区画形成部2054と操作部501の間の押下部材503に、付勢力生成部の一例として巻きバネ601が設けられていても良い。この防水区画形成部2054は、防水区画形成部1054と異なり付勢突起58が設けられていない。この巻きバネ601は圧縮状態で、一端側が防水区画形成部2054の前面54sに当接し、他端側が操作部501の背面501sに当接するように押下部材503に配置されることにより、操作キー53をシートフロント4の方向に付勢する。
又、復帰力生成部の一例として樹脂バネが、操作キー53に設けられていてもよい。このような構成の操作キー1053が図18に示されている。図18に示す操作キー1053は、その操作部501の背面501sから下方に向かって、復帰力生成部の一例である樹脂バネ602が形成されている。この樹脂バネ602の背面側の端が防水区画形成部2054の前面54sに当接し、操作キー1053がシートフロント4側に付勢されている。
一方、樹脂バネ602の代わりに、防水区画形成部2054の前面54sから前面側に向かって樹脂バネが形成されていてもよい。このような構成の防水区画形成部3054が図19に示されている。防水区画形成部3054は、前面54sから操作部501に向かって形成された樹脂バネ603を有している。この樹脂バネ603の前面側の端が操作部501の背面501sに当接し、操作キー53がシートフロント4側に付勢されている。
又、操作部501に当接部502に代えて、弾性を有し、シートフロント4に係止される弾性係止部が設けられていてもよい。そのような構成の操作キー2053が図20に示されている。図20に示す操作キー2053は、操作部501の当接部502に代えて、復帰力生成部の一例としての弾性係止部604が設けられている。弾性係止部604は、シートフロント4の裏面4sに係止されている。この弾性係止部604は、操作キー53が押しこまれるに伴って背面側に伸びるが、弾性力によって元の状態に戻ろうとする。これによって、操作キー53はシートフロント4側に付勢されることになる。
又、図21に示すように、押下部材503に、復帰力生成部の一例としての板バネ605が設けられていても良い。板バネ605は背面側に凸状に形成されており、この凸状の部分が前面54sに当接している。このような構成により、操作キー53はシートフロント4側に付勢される。
(D)
また、上記実施形態では、鍔部55はカップ部56の左右方向にしか形成されていなかったが、上下方向にも形成されていてもよい。このような構成のカップ部材1052が図22(a)及び図22(b)に示されている。図22(a)及び図22(b)に示すカップ部材1052では、カップ部56の前側の端(開口56d)の全周に渡って形成された鍔部1055を有する防水区画形成部4054が設けられている。
この場合、溶着部56aだけでなく、鍔部1055の背面1055aにおいても防水区画形成部4054の全周に渡ってケースフロント3と溶着される。尚、図5に示す底面36aは貫通孔37の上下方向にも形成されている必要がある。
(E)
上記実施形態では、電子機器の一例として温度調節器を用いて説明をしたが、温度調節器に限られるものではなく、本実施形態の構成は、スイッチを有する電子機器であれば適用可能である。
(F)
また、上記実施形態では、複数個の防水区画形成部54が連接していたが、防水区画形成部54が単体で配置されていてもよい。すなわち、カップ部材52が、1つの防水区画形成部54のみを有していても良い。
(G)
また、上記実施形態では、スイッチの一例として可動電極512及び固定電極513を有するスイッチ51を用いていたが、このような構成のスイッチに限られるものではなく、押されることによって回路が開閉し、ON状態となるような感圧スイッチであってもよい。要するに、押されることによってオン状態となるスイッチでありさえすればよい。
(H)
また、上記実施形態では、複数の防水区画形成部54がインサート成形によって一気に形成されているが、複数の防水区画形成部54の全てを一気に形成しなくてもよく、複数回に分けて形成してもよい。例えば、5つの防水区画形成部54のうち2つを同時に形成し、次に残りの3つを同時に形成するようにしてもよい。
(実施形態2)
以下に、本発明に係る実施形態2における温度調節器について以下に説明する。本実施形態2の温度調節器は、基本的な構成は実施形態1と同様であるが、本実施形態2の温度調節器は、ケースフロントとカップ部の溶着部分が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施形態1と同様の構成については同じ符号が付与されている。
<1.構成>
図23(a)は、本実施形態のケースフロント1003の前面部1031とカップ部材5052を示す斜視断面図である。図23(b)は、本実施形態のケースフロント1003の前面部1031とカップ部材5052の正断面図である。図23(c)は、本実施形態のケースフロント1003の前面部1031とカップ部材5052の平面図である。
本実施形態のカップ部材5052は、複数個の連接された防水区画形成部5054を有しておらず、1つの防水区画形成部5054のみを有している。このような防水区画形成部5054が単体でケースフロント1003に配置されており、カップ部56と、鍔部5055とを有している。図23(c)に示すように、鍔部5055は、カップ部56の開口56dの縁56fの全周から外側に向かって全周に渡って形成されている。尚、図23では、ケースフロント1003の一部の外側表面1031sのみを示しており、この外側表面1031sがケースフロント1003の前面部1031に形成された溝状部分の底面であってもよい。
本実施形態では、図23(a)〜図23(c)に示すように前面部1031の貫通孔37の内周面37aと防水区画形成部5054のカップ部56との間には隙間Tが形成されており、その間は溶着されていない。
カップ部56の開口56dの縁56fの全周に渡って形成された鍔部5055と前面部1031の外側表面1031sが溶着されている。
このように本実施形態では、防水区画形成部5054を貫通孔37の内周面37aとは溶着させずに、外側表面1031sと溶着させている。
このような溶着の構成をインサート成形によって実現するには、ケースフロント1003が硬度の高い樹脂で形成される。そして、形成されたケースフロント1003がインサート成形金型に挿入されるが、ケースフロント1003の貫通孔37の内周面を覆うように、金型のピンが配置される。
この状態でゴムを射出成形することによって、本実施形態のケースフロント1003と防水区画形成部5054の溶着の構成(貫通孔37の内周面37aとカップ部56が溶着されず、鍔部5055とケースフロント1003が溶着されている構成)を形成することが出来る。
<2.主な特徴・効果>
本実施形態の温度調節器(電子機器の一例)は、ケースフロント3(ケース部材の一例)と、スイッチ51(スイッチの一例)と、カップ部材5052と、押下部材503とを備えている。ケースフロント1003は、表面に貫通孔37を有する。スイッチ51は、ケースフロント1003の内側に設けられた基板21に配置されている。カップ部材5052は、貫通孔37に、内側底面56eがケースフロント1003の外側を向いて配置されたカップ部56と、カップ部56の開口56dの全周に渡って形成された鍔部5055とを有している。押下部材503は、スイッチ51を押下するためにカップ部56内に配置されている。カップ部材5052は、カップ部56と貫通孔37の内周面37aとの間から異物が侵入しないようにケース部材3と溶着されており、特に、本実施形態では、鍔部5055とケースフロント3の外側表面1031sが溶着されている。スイッチを押下するための押下部材503の移動により、カップ部56の先端部56c(底部の一例)がスイッチ51を押圧する。
このように、防水区画形成部5054の全周とケースフロント1003の前面部1031の外側表面1031sが全周にわたって溶着されることによってスイッチ51が配置されている空間Q(図9参照)が防水区画として形成される。
また、鍔部5055で溶着することによって、押下方向の厚みが薄い電子機器において、防水を維持しながら良好な操作感を得ることが出来る。
また、鍔部5055がケースフロント1003の外側表面1031sに設けられているため、スイッチ51を押下する際に、鍔部は圧縮されることになる。すなわち、鍔部が内側に配置された場合にはスイッチ押下の際に接着を引き剥がす方向に力が作用することになるが、本実施形態では圧縮される側に鍔部5055が設けられているため、信頼性のある溶着を行うことが出来る。
<3.他の実施形態>
本実施形態2においても、上記実施形態1の<他の実施形態>で説明した構成を適用することが出来る。
上記実施形態2では、防水区画形成部5054は、単体で設けられているが、実施形態1のように複数個が連接して設けられていてもよい。
本発明の電子機器及びその製造方法は、省スペース且つ低コストでスイッチが配置されている空間を防水区画とし、スイッチを押下する際の操作感が良好な効果を有し、温度調節器等として利用可能である。
1 温度調節器(電子機器の一例)
2 表示部
3 ケースフロント(ケース部材の一例)
4 シートフロント(表面部材の一例)
4D 下端
4L 左端
4U 上端
4R 右端
4a 切り欠き部
4b 切り欠き部
4s 裏面
5 スイッチ部
10 前面
10s 表示領域
11 背面
12 上面
13 底面
14 右側面
15 左側面
16 ケース本体
21 基板
22 表示用電子部品
23 電子部品
31 前面部
31R 右端
31D 下端
31L 左端
31U 上端
31a 凸部
31b 凸部
31c 内側表面
32a 左側支持部
32b 右側支持部
32c 上側支持部
32d 下側支持部
34 開口部
35 配置部
36 溝状部
36D 下端
36U 上端
36a 底面
37 貫通孔
37D 下端
37U 上端
37a 内周面
38 溝状部
38a 底面(ケース部材の表面の一例、ケース部材の外側表面の一例)
41 貫通孔(外側貫通孔の一例)
42 内側周縁部
51 スイッチ
52 カップ部材
53 操作キー
54 防水区画形成部
54c 凹部
54d 底面
54e 壁面
54s 前面
55 鍔部
56 カップ部
56a 溶着部
56b 突出部
56c 先端部(底部の一例)
56d 開口
56e 内側底面
56f 縁
57 挿入孔
58 付勢突起(復帰力生成部の一例)
55s 前面
100 制御盤
501 操作部
501s 背面
502 当接部
502a 内側面
503 押下部材
503a 外側の端
511 蓋部
512 可動電極
513 固定電極
601 巻きバネ(復帰力生成部の一例)
602 樹脂バネ(復帰力生成部の一例)
603 樹脂バネ(復帰力生成部の一例)
604 弾性係止部(復帰力生成部の一例)
605 板バネ
1003 ケースフロント
1031 前面部
1031s 外側表面
1052 カップ部材
1053 操作キー
1054 防水区画形成部
1055 鍔部
1501 操作部
2503 操作キー
2054 防水区画形成部
3054 防水区画形成部
4054 防水区画形成部
5054 防水区画形成部

Claims (11)

  1. 表面に貫通孔を有するケース部材と、
    前記ケース部材の内側に設けられた基板に配置されたスイッチと、
    前記貫通孔に、内側底面が前記ケース部材の外側を向いて配置されたカップ部を有するカップ部材と、
    前記スイッチを押下するために前記カップ部内に配置された押下部材と、を備え、
    前記カップ部材は、前記カップ部と前記貫通孔の内周面との間から異物が侵入しないように前記ケース部材と溶着されており、前記スイッチを押下するための前記押下部材の移動により、前記カップ部の底部が前記スイッチを押圧する、
    電子機器。
  2. 前記カップ部材が全周にわたって前記ケース部材と溶着されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記カップ部は、前記貫通孔の内周面と全周に渡って溶着されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記カップ部材は、
    前記カップ部の開口の全周に渡って接続された鍔部を有し、
    前記鍔部は、前記ケース部材の外側表面と溶着されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記ケース部材と前記カップ部材は、インサート成形によって一体的に形成されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記ケース部材の外側に配置され、前記ケース部材の貫通孔と対向するように貫通して形成された外側貫通孔を有する表面部材と、
    前記押下部材の外側の端に連結して設けられ、前記外側貫通孔から前記表面部材の外側に突出し、前記スイッチの押下時に操作される操作部と、を更に備え、
    前記操作部は、前記表面部材の内側表面であって前記外側貫通孔の周囲に全周にわたって当接可能な当接部を有し、
    前記スイッチが押下されている状態では、前記当接部は前記表面部材から内側に離間しており、
    前記当接部が前記表面部材と当接している前記操作部の初期状態では、前記スイッチは非押下状態である、
    請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記基板には、電子部品が更に配置されており、
    前記カップ部材及び前記ケース部材は、前記基板の前記スイッチ及び前記電子部品が配置されている側を覆うように形成されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記カップ部材は、連接した複数の前記カップ部を有し、
    前記ケース部材には、前記貫通孔が複数個並んで形成され、
    前記基板には、前記スイッチが複数個並んで配置され、
    複数の前記カップ部は、それぞれが前記スイッチに対応するように配置され、
    連接した複数の前記カップ部及び前記ケース状部材は、前記基板の前記複数のスイッチが配置されている側を覆うように形成されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  9. 前記スイッチを押下している状態から前記初期状態に前記操作部を復帰する復帰力を生成する復帰力生成部を更に備えた
    請求項6に記載の電子機器。
  10. 前記カップ部材は、
    前記カップ部の開口の縁から形成された鍔部を有し、
    前記鍔部は、前記ケース部材の外側表面と溶着されており、
    前記復帰力生成部は、
    弾性を有し、前記鍔部から前記表面部材に向かって突出して形成されており、
    その先端が前記当接部の内側と接触し、前記当接部を前記表面部材の内側表面に向かって付勢する、
    請求項9に記載の電子機器。
  11. 表面に貫通孔を有するケース部材と、前記貫通孔に、内側底面がケース部材の外側を向いて配置されたカップ部を有するカップ部材とをインサート成形によって一体的に形成する成形工程と、
    前記ケース部材の内側にスイッチが配置された基板を、前記カップ部に挿入される押下部材の前記スイッチを押下するための移動によって前記カップ部の底部が前記スイッチを押圧するように、前記ケース部材及び前記カップ部材に対して配置する配置工程と、
    を備えた、電子機器の製造方法。
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