JP2015152373A - 原子力プラント計装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導圧路内においての気泡の発生を確実に抑えることができ、これにより、長期にわたって信頼性とともに保守性の向上が図られた原子力プラント計装装置を提供する。【課題手段】原子力プラント100一次系における測定流体Fh,Flを計測する部位に設けられる管状の導圧路と、導圧路内に充填された封入液Lと、導圧路における一方の開口を閉塞する状態で設けられ測定流体Fh,Flの圧力を受圧する受圧ダイアフラム13,13’と、封入液Lに晒された状態で導圧路における他方の開口に設けられた圧力センサ15と、導圧路の内部に設けられた水素吸蔵材とを有する原子力プラント計装装置10。【選択図】図1

Description

本発明は、原子力プラント計装装置、特には放射線環境や高温環境で用いるのに好適な圧力伝送器を備えた原子力プラント計装装置に関する。
原子力プラント計装装置においては、プラントのプロセス量(水位、圧力、差圧、流量)を計測するのに圧力伝送器が利用されている。圧力伝送器は、ダイアフラムで受けた流体の圧力を、導圧路内に充填した封入液により圧力センサまで伝達し、圧力センサで検出された電気信号を外部へ伝送するものであり、絶対圧を測定するものと差圧又はゲージ圧を測定するものがある。
これら圧力伝送器は、原子力プラントを始めとして、石油精製プラント、化学プラントなどにおけるプロセス流体の各種計測に用いられており、プラントの安全確保や製品の品質を確保する点から、例えば±1%の精度が要求されている。しかしながら、長期間の使用においては、プロセス流体に含有される水素(水素原子、水素分子、水素イオン)の一部がダイアフラムを透過して導圧路中に気泡となって溜まる。これにより、導圧路内部の圧力が上昇して圧力伝達特性が劣化するため、測定精度を保つことが困難であった。
そこで、従来から、ダイアフラムを透過して圧力伝送器の内部に侵入する水素の影響を抑制する様々な技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、ダイアフラムのうち封入液に接している片面に水素吸蔵合金膜を形成することにより、ダイアフラムを透過した水素を水素吸蔵合金膜に捕獲させる技術が開示され、このような技術によれば、封入液中における気泡の発生を抑えて圧力伝達特性を維持できるとしている。
特開2005−114453号公報
しかしながら上述した従来技術は、圧力伝送器の外部からダイアフラムを透過した水素の影響を低減するためのものであり、圧力伝送器の導圧路内部において発生した気体、およびダイアフラムを透過して導圧路内部に侵入してしまった水素については考慮されていなかった。すなわち、放射線環境や高温環境等の特殊環境下においては、圧力伝送器の導圧路内に充填された封入液が放射線や熱によって分解し、水素や炭化水素類の気体を発生する。発生した気体は、封入液の溶解度を超えると気泡化するため、これによっても圧力伝送器における圧力伝達特性が劣化するのである。このため特に、このような圧力伝送器を特殊環境下となる原子力プラント一次系を対象とした原子力プラント計装装置に適用した場合には、長期間の使用において、制御装置、モニター、及び中央操作監視盤にプロセス量を所定の精度以内で出力することができなくなる。この結果、原子力プラント計装装置を比較的短い周期で校正する必要がある。
そこで本発明は、導圧路内においての気泡の発生を確実に抑えることができ、これにより、長期にわたって信頼性とともに保守性の向上が図られた原子力プラント計装装置を提供することを目的とする。
このような目的を達するための本発明の原子力プラント計装装置は、原子力プラント一次系における測定流体を計測する部位に設けられる管状の導圧路と、前記導圧路内に充填された封入液と、前記導圧路における一方の開口を閉塞する状態で設けられ測定流体の圧力を受圧する受圧ダイアフラムと、前記封入液に晒された状態で前記導圧路における他方の開口に設けられた圧力センサと、前記導圧路の内部に設けられた水素吸蔵材とを有することを特徴とする。
以上のような構成の本発明の原子力プラント計装装置は、導圧路内部に水素吸蔵材を有する構成である。これにより、封入液の分解によって発生した水素が水素吸蔵材に吸蔵されるため、導圧路内においての気泡の発生が抑えられ、差圧路内の圧力の安定化を図ることができる。この結果、長期にわたって所定の精度以内でプロセス量を測定することが可能となり、メンテナンスのコストを削減できる。すなわち、信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
原子力プラント一次系を対象とした第1実施形態に係る原子力プラント計装装置の適用例を示す図である。 第1実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。 水素吸蔵材による水素吸蔵を説明する図である。 導圧路における水素吸蔵材の配置例を示す図である。 封入液に対するガンマ線の照射試験を説明する図である。 ガンマ線の積算線量と封入液中における発生ガス量との関係を示すグラフである。 ガンマ線の照射による封入液であるメチルフェニルシリコンオイルの分解と水素吸蔵材による水素吸蔵を説明する図である。 ガンマ線の照射による封入液であるジメチルシリコンオイルの分解と水素吸蔵材による水素吸蔵を説明する図である。 第2実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。 受圧ダイアフラムにおける水素透過防止層の配置例を示す図である。 第3実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。 第4実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて次に示す順に説明する。
1.第1実施形態:差圧測定用の圧力伝送器の適用例
2.第2実施形態:水素透過防止層を設けた差圧測定用の圧力伝送器の適用例
3.第3実施形態:絶対圧力測定用の圧力伝送器の適用例
4.第4実施形態:中間ダイアフラムを備えた圧力伝送器の適用例
≪第1実施形態≫
(差圧測定用の圧力伝送器の適用例)
図1は、原子力プラント一次系を対象とした第1実施形態に係る原子力プラント計装装置の適用例を示す図であり、沸騰水型の原子力プラント(Boiling Water Reactor:BWR)における給水系及び復水系の構成を示す図である。以下この図に基づいて、原子力プラント100の一次系においてプロセス計測する部位に、本実施形態の原子力プラント計装装置を用いる例を示す。
<原子力プラント100の概要>
この図に示すように、原子力プラント100は、核燃料の集合体である炉心51を、炉水52に浸漬させた状態で収容する圧力容器53を備えている。圧力容器53には、主蒸気配管54を介して高圧タービン55が接続され、この高圧タービン55には湿分分離加熱器56を介して低圧タービン57が接続されている。高圧タービン55と、低圧タービン57とは同軸状に配置され、さらにこれらのタービンによって稼働する発電機58が接続されている。湿分分離加熱器56には、ドレン配管59を介してドレンタンク60が設けられている。
また低圧タービン57には復水器61が設けられており、復水器61内には冷却管62が配設されている。この復水器61と圧力容器53とが復水配管63を介して接続された状態となっている。復水配管63には、復水器61側から順に、復水ポンプ64、給水加熱器65、給水ポンプ66が設けられており、圧力容器53と高圧タービン55および低圧タービン57との間で炉水52を循環させている。また、給水加熱器65には、ドレン配管67を介してドレンタンク68が設けられ、ドレンタンク68は給水配管69とドレンポンプ70とによって復水配管63の復水器61側に接続されている。
以上のような構成の原子力プラント100においては、例えば給水加熱器65のドレンタンク68の水位計測に原子力プラント計装装置10が用いられている。次に、放射線環境や高温環境等の特殊環境下となる原子力プラント一次系に適用可能な本発明の原子力プラント計装装置10の構成を説明する。
<原子力プラント計装装置10の構成>
原子力プラント計装装置10は、圧力伝送器1と、圧力伝送器1の出力信号が取り込まれる制御装置80と、該制御装置80を介して計測した水位情報が出力されるモニター81とを備えている。そして特に、第1実施形態の原子力プラント計装装置10は、差圧測定用の圧力伝送器1を備えており、その構成が特徴的である。以下に、原子力プラント計装装置10の特徴部である圧力伝送器1を詳述する。
<圧力伝送器1の構成>
図2は、第1実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。この図に示す圧力伝送器1は、原子力プラント一次系における炉水52を測定流体とした圧力測定に用いられるものであり、2点間(高圧側と低圧側)の圧力差を測定するものである。
この圧力伝送器1は、高圧側の測定流体Fhに対応して設けられた導圧路11と、これよりも低圧側の測定流体Flに対応して設けられた導圧路11’とを備えている。これら一対の導圧路11,11’の内部には、封入液Lが充填されている。各導圧路11,11’における一方の開口は、それぞれが受圧ダイアフラム13,13’で閉塞されている。またこの圧力伝送器1は、各導圧路11,11’における他方の開口に共通に設けられた1つの圧力センサ15と、この圧力センサ15に対して並列に設けられた1つのセンタダイアフラム17とを備えている。そして、特に特徴的な構成は、導圧路11,11’の内部に水素吸蔵材が設けられているところにある。
以下、圧力伝送器1に設けられた各構成要素の詳細を、導圧路11,11’、封入液L、受圧ダイアフラム13,13’、圧力センサ15、センタダイアフラム17、水素吸蔵材の順に説明する。
[導圧路11,11’]
導圧路11,11’は、それぞれの一方の開口部分において開口径を拡大した受圧室11a,11a’を備えている。この受圧室11a,11a’によって拡大された導圧路11,11’の開口部分が、それぞれ受圧ダイアフラム13,13’によって閉塞されている。そしてこの導圧路11,11’は、原子力プラント100の一次系における計測部位に設置される。導圧路11,11’は、受圧ダイアフラム13,13’で閉塞される側の開口において、測定流体が流れる配管に接続されることとする。各受圧室11a,11a’は、受圧ダイアフラム13,13’の受圧による動きを妨げることのない内部形状で形成されていることとする。
また、導圧路11,11’は、受圧ダイアフラム13,13’で閉塞されている側と逆側の他方の開口部分に、その開口径を拡大した過大圧の放圧室11b,11b’を備えている。導圧路11,11’においてその開口径が拡大された形状の放圧室11b,11b’は、1つのセンタダイアフラム17を挟持して配置され、このセンタダイアフラム17によって分断された状態となっている。各放圧室11b,11b’は、センタダイアフラム17の受圧による動きを妨げることのない内部形状で形成されていることとする。
さらに導圧路11,11’は、分岐した経路を有しており、その分岐した導圧路11,11’の先端側の開口に圧力センサ15が設けられた構成となっている。ここで、例えば高圧側の測定流体Fhに対応して設けられた導圧路11は、放圧室11bの壁部から分岐した経路を有する。一方、低圧側の測定流体Flに対応して設けられた導圧路11’は、放圧室11b’の手前において分岐した経路を有する。
導圧路11,11’において、これらの分岐した経路の先端側の開口は、1つの圧力センサ15を挟持して配置され、この圧力センサ15によって導圧路11,11’が分断された状態となっている。
[封入液L]
封入液Lは、以上のように閉塞された一対の導圧路11,11’内に封入されたもので、受圧室11a,11a’、放圧室11b,11b’、および分岐した圧力センサ15までの部分を含む導圧路11,11’内に充填されている。これら一対の導圧路11,11’内に充填される封入液Lは、同一の種類のものであって良い。これらの封入液Lは、例えばシリコンオイルであり、一例としてジメチルシリコンオイル、またはフェニル基を含むメチルフェニルシリコンオイルである。フェニル基を含むシリコンオイルは、具体的には下記構造式(1)に示すメチルフェニルシリコンオイルである。フェニル基は、結合力が高い二重結合構造を有する基であり、放射線分解や熱分解によって水素原子やメチル基が脱離し難い。このため、特に原子力プラント100の一次系に適用される原子力プラント計装装置の封入液としては、より放射線分解や熱分解しやすい部分にメチルフェニルシリコンオイルを充填することが好ましい。
Figure 2015152373
上記構造式(1)に示すメチルフェニルシリコンオイルは、シリコンに結合するメチル基の数に対してフェニル基の数が多いほど良く、mに対してpが大きいほど好ましい。
尚、導圧路11,11’の配置環境に偏りがある場合、導圧路11,11’のうちの一方の封入液Lのみをフェニル基を含むシリコンオイルとし、他方の封入液Lを例えばジメチルシリコンオイルのような一般的なものとしても良い。
[受圧ダイアフラム13,13’]
受圧ダイアフラム13,13’は、測定流体Fh,Flに対して直接晒されてその圧力を受圧するダイアフラムである。尚、測定流体Fh,Flは、この圧力伝送器1が設置される原子力プラント一次系における炉水52である。
これらの受圧ダイアフラム13,13’は、導圧路11,11’における受圧室11a,11a’の開口を閉塞する状態で導圧路11,11’に対して固定されている。そして、一方の受圧ダイアフラム13が高圧側の測定流体Fhに対して晒され、他方の受圧ダイアフラム13’が低圧側の測定流体Flに対して晒されるように、原子力プラント100の一次系に設置される。このため、各受圧ダイアフラム13,13’は、測定流体Fh,Flに対する耐性を考慮した材質で構成されており、例えばステンレスによって構成されている。また、各受圧ダイアフラム13,13’は、例えば波形形状に加工されたものであっても良い。
[圧力センサ15]
圧力センサ15は、導圧路11,11’に充填された封入液Lによって伝送された圧力を検出するためのものであり、例えば半導体圧力センサである。この圧力センサ15は、半導体チップの両面に印加された圧力の差を電気信号に変換して出力するものである。このような圧力センサ15は、一方の面において、導圧路11内の封入液Lによって伝達された圧力を受け、他方の面において導圧路11’内の封入液Lによって伝達された圧力を受けるように、導圧路11,11’に挟持されている。これにより、受圧ダイアフラム13で受けた高圧側の測定流体Fhと、受圧ダイアフラム13’で受けた低圧側の測定流体Flとの圧力差が検出される構成となっている。
この圧力センサ15には、リード線15aを介して出力回路15bが接続される。この出力回路15bは、図1の制御装置80に接続されるものである。
[センタダイアフラム17]
センタダイアフラム17は、加わる圧力に対応して変形量が少ない過負荷保護用のダイアフラムであって、一対の導圧路11,11’に対して圧力センサ15と並列に配置されている。このようなセンタダイアフラム17は、各導圧路11,11’に設けられた放圧室11b、11b’の開口を閉塞し、この開口において導圧路11,11’同士を隔てると共に、両側が封入液Lに晒されるように設けられている。これにより、受圧ダイアフラム13,13’のうちの一方に過大な圧力が加わった場合にも、センタダイアフラム17自身が大きく変形しないので、受圧ダイアフラム13,13’の変形量も大きくならずに破損が起こり難い構成となっている。
[水素吸蔵材]
水素吸蔵材は、導圧路11,11’の内部に設けられることで封入液Lに接触する状態で配置されている。ここでは特に、導圧路11,11’の配設方向に沿って水素吸蔵材が配置されていることが好ましい。
ここで水素吸蔵材は、水素を取り込む性質のある金属またはその合金によって構成され、水素および導圧路11,11’内において発生した炭化水素(詳しくは鎖状飽和炭化水素)中の水素原子を吸蔵する。このような水素吸蔵材は、具体的にはパラジウム、マグネシウム、バナジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ニッケル、ニオブ、コバルト、カルシウム、またはそれらの合金である。
図3は、水素吸蔵材による水素吸蔵を説明する図であり、一例として水素吸蔵材19にパラジウム(Pd)を用いた場合の水素吸蔵を説明する図である。この図に示すように、水素吸蔵材19であるパラジウムは結晶構造が面心立方格子であって、水素分子101は、パラジウム原子19’の原子間に水素原子101aとして吸蔵される。このような水素吸蔵により、パラジウムは、パラジウム自体の体積の935倍の水素を吸蔵することが知られている。
図4A〜図4Cは、導圧路11,11’における水素吸蔵材19の配置例を示す図である。以下、これらの図に基づいて導圧路11,11’の内部における水素吸蔵材19の配置状態を説明する。尚、以下で説明する図4A〜図4Cの構成の水素吸蔵材19a〜19cは、それぞれ組み合わせて用いても良い。
図4Aは、導圧路11,11’内に充填された封入液Lに対して粒状の水素吸蔵材19aを混合させた構成を示す図である。このような構成により、水素吸蔵材19aが導圧路11,11’の配設方向に沿って設けられた構成となっている。
この場合、粒状の水素吸蔵材19aは、封入液Lに対して分散され、これにより封入液L中に均等に水素吸蔵材19aが混合された状態となっていることが好ましい。これにより、導圧路11,11’のほぼ全域にわたって水素吸蔵材19aの影響を及ぼすことができる。また、粒状の水素吸蔵材19aは、粒子径が小さい粉末状であっても、これよりも大きな粒子径の固形状であっても良い。水素吸蔵材19aは、径が小さくなるほど表面積が広がるため、水素の吸蔵速度を早くすることができるため好ましい。この場合、水素吸蔵材19aの粒子の大きさにより、封入液Lと混合した状態でコロイド状の液体を構成しても良い。
また、水素吸蔵材19aが、ある程度の大きさを有する固形状である場合、その形状が限定されることはない。この場合、水素吸蔵材19aを多孔質状のものとすることにより表面積が広がるため、水素の吸蔵速度を早くすることができるため好ましい。
図4Bは、導圧路11,11’の壁面に水素吸蔵材19bを設けた構成を示す図である。このような構成により、水素吸蔵材19bが導圧路11,11’の配設方向に沿って設けられた構成となっている。
この場合、水素吸蔵材19bは、導圧路11,11’の内壁に、例えば膜状で設けられ、メッキ法またはスパッタ法などによって成膜される。水素吸蔵材19bが設けられる導圧路11,11’の内壁は、図2を用いて説明した受圧室11a,11a’および放圧室11b,11b’において封入液Lが接触する壁面を含む。そしてこのような導圧路11,11’の内壁において、できるだけ多くの面積に水素吸蔵材19bが成膜されていることが好ましい。
また導圧路11,11’の壁面に水素吸蔵材19bを設ける例としては、図4Aを用いて説明した粒状の水素吸蔵材19aを、導圧路11,11’の壁面に固定する構成であっても良い。この場合、導圧路11,11’の壁面に対して粒状の水素吸蔵材19aを溶接で固定することが好適である。このような構成であれば、ある程度の大きさを有する粒状の水素吸蔵材19aが、受圧ダイアフラム13,13’やセンタダイアフラム17に衝突してそれらを劣化させることも防止できるようになる。
尚、センタダイアフラム17が設けられた構成においては、センタダイアフラム17に水素吸蔵材19bが設けられても良い。この場合、センタダイアフラム17において封入液Lと接する両面に水素吸蔵材19bを設けることにより、水素吸蔵材19bの表面積をさらに拡大することができる。
図4Cは、導圧路11,11’内に、水素吸蔵材19cを敷設した構成を示す図である。水素吸蔵材19cは、例えば棒状であり、導圧路11,11’の経路に沿って敷設される。このような構成により、水素吸蔵材19cが導圧路11,11’の配設方向に沿って設けられた構成となっている。棒状の水素吸蔵材19cは、断面が円形の針金状でもよいが、それを押し広げたような幅の広い断面形状としたり、多孔質状のものとしたり、また螺旋状に敷設されたものとすることにより表面積が広がるため、水素の吸蔵速度を早くすることができるため好ましい。このような棒状の水素吸蔵材19cは、加工が容易であり、コストを抑えることができる。
尚、導圧路11,11’の配置環境に偏りがある場合、導圧路11,11’のうちの一方の内部のみに水素吸蔵材19を設けた構成としても良い。
以上のように構成された圧力伝送器1は、図1に示したように、例えば給水加熱器65のドレンタンク68の水位計測のために設けられる。具体的には、ドレンタンク68の上流側の配管を流れる流体、すなわちドレンタンク68と復水器61との間の給水配管69に流れる流体を高圧側の測定流体Fhとして、圧力伝送器1における一方の受圧ダイアフラム13に供給するように設ける。またドレンタンク68の下流側の配管を流れる流体、すなわちドレンタンク68と給水加熱器65との間のドレン配管67を流れる流体を低圧側の測定流体Flとして、圧力伝送器1における他方の受圧ダイアフラム13’に供給するように設ける。
これにより、ドレンタンク68の上流側と下流側の差圧が、圧力伝送器1の圧力センサ15で受圧されて出力回路15bに出力される構成となっている。
また、上述した出力回路15bからの情報は、制御装置80を介してモニター81、中央操作監視盤82(図示していないが、中央制御室に設置)に伝達される構成となっている。そして、出力回路15bに出力された情報(差圧)がドレンタンク68の水位としてモニターされ、この値に基づいてドレンタンク68の水位が所定値となるように制御がなされる。
尚、以上においては、給水加熱器65のドレンタンク68の水位計測に、原子力プラント計装装置10を用いた構成を例示した。しかしながら、原子力プラント計装装置10の設置箇所がこれに限定されることはなく、特に炉心51を直接冷却する炉水52を測定流体とした各種のプロセス計測に対して用いることが有効である。例えば、湿分分離加熱器56のドレンタンク60および復水器61の水位計測、さらには主蒸気配管54や復水配管63の流量計測などにおいて、原子力プラント計装装置10を用いることにより同様に十分な効果を発揮することができる。
また、原子力プラント計装装置10は、原子力プラント100系内の上流側と下流側の差圧を測定するものとして説明したが、これに限られず、例えば低圧側の測定流体Flを大気とし、高圧側の測定流体Fhのゲージ圧を測定してもよい。
<効果>
以上説明した原子力プラント100の給水系及び復水系は、原子力プラントの一次系であり、放射線量が高い特殊環境であり、このドレンタンク68の水位計測に設けた原子力プラント計装装置10においては封入液Lが放射線分解し易い環境である。
またさらに、原子力プラント100の炉心51を直接冷却する炉水52が測定流体であり、放射線分解等で発生した水素を多量に含んだものとなる。この炉水52は、蒸気として主蒸気配管54から、湿分分離加熱器56、ドレンタンク60、給水加熱器65、復水器61、およびドレンタンク68などに導入される。蒸気として導入された炉水52は、湿分分離加熱器56および給水加熱器65等により凝縮し、凝縮水となる。一方で、蒸気に含まれた非凝縮性の水素は、比重が飽和蒸気の比重より小さいため上部に蓄積され、次第に高濃度となる。測定流体である炉水52の上部に蓄積した水素は、濃度が高くなるほど受圧ダイアフラム13,13’を透過しやすくなる。
第1実施形態の原子力プラント計装装置10は、このような原子力プラント一次系に設けられ、導圧路11,11’の内部に水素吸蔵材19を有する圧力伝送器1を備えた構成である。これにより、放射線環境下において封入液Lの分解によって発生した水素や、受圧ダイアフラム13,13’を透過して封入液L中に取り込まれた水素は、水素吸蔵材19によって吸蔵される。そして、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度を低く抑えることができ、導圧路11,11’内においての気泡の発生を抑制することができる。
したがって、導圧路11,11’内部の圧力の安定化を図ることができ、圧力伝達特性が長期にわたって維持されるため、指示値変動を低減して原子力プラント計装装置10の許容誤差精度(例えば±1%の精度)を長期間保つことが可能となる。以上より、長期にわたって所定の精度以内でプロセス量を測定することが可能となり、メンテナンスのコストを削減できる。すなわち、信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。特に、上流側及び下流側の配管内の圧力が真空に近いほど、封入液Lの圧力も低下して溶解度が少なくなるため、顕著な効果を得ることができる。
さらに、図2に示す圧力伝送器1の封入液Lとして、フェニル基を含むシリコンオイルを用いた場合には、一般的なジメチルシリコンオイルを用いた場合と比較して、放射線環境下において、封入液Lの放射線分解による気体の発生が抑えられることが判った。
ここで、本実施形態の封入液Lとして上述したメチルフェニルシリコンオイルと、一般的に圧力伝送器の封入液として使用されるジメチルシリコンオイルとについて、放射線の照射試験を行った結果について述べる。
図5は、この照射試験を行った試験装置の構成図である。この図に示すように、照射試験は、放射線の照射室201内で行った。照射室201の内部には、ガンマ線hγの線源装置203、および設置台205上に載置された状態でオイル封入容器207を配置した。線源装置203は、コバルト線源からガンマ線hγを発生する装置であり、発生させたガンマ線hγを照射するための照射口203aを備えている。オイル封入容器207は、照射試験の試料となる封入液が充填されるステンレス製の容器であり、線源装置203の照射口203aから照射されるガンマ線hγの照射先に配置される。オイル封入容器207は、内部に充填される封入液に所定線量のガンマ線hγが照射されるように、線源装置203に対して所定の距離を保って配置される。
以上の試験装置を用いた照射試験は、オイル封入容器207にメチルフェニルシリコンオイルを充填した場合と、ジメチルシリコンオイルを充填した場合との2通りについて行った。
所定の積算線量のガンマ線hγを照射した後には、封入液中に発生および溶存しているガスを、オイル封入容器207内から取り出し、ガスクロマトグラフィーによって成分とその量を測定した。図6は、ガスクロマトグラフィーによる分析結果を示すグラフであり、ガンマ線hγの照射量の積算である積算線量に対する発生ガス量の相対値を示すグラフである。
図6のグラフに示すように、ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、メチルフェニルシリコンオイル、ジメチルシリコンオイルともに、ガンマ線hγの照射によって、水素およびメタンが発生することを確認した。またメチルフェニルシリコンオイルからは、ベンゼンは検出されなかった。さらにメチルフェニルシリコンオイル、ジメチルシリコンオイルともに、積算線量の増加にともない、水素およびメタンの発生量が増加することを確認した。ただし、測定の記録の都合により、メチルフェニルシリコンオイルで発生するメタンは1点のみの記録になっている。
そして、ジメチルシリコンオイルと比較して、メチルフェニルシリコンオイルの方が、水素(水素分子)およびメタンの発生量が少なかった。例えば、水素で比較すると、積算線量1kGyにおいて、メチルフェニルシリコンオイルにおいて発生する水素は、ジメチルシリコンオイルで発生する水素より発生量が4桁低かった。またメタンで比較すると、積算線量100kGyにおいて、メチルフェニルシリコンオイルで発生するメタンは、ジメチルシリコンオイルで発生するメタンより約1桁低かった。
以上のように、第1実施形態の圧力伝送器1において封入液Lとして用いるメチルフェニルシリコンオイルは、一般の圧力伝送器の封入液として使用されるジメチルシリコンオイルに比べ、放射線照射によって発生する水素および炭化水素類の発生量が少ないことが確認された。また、メチルフェニルシリコンオイルからは、ベンゼンが検出されず、放射線分解によるフェニル基の脱離も抑えられていることが確認された。
つまり、封入液Lをメチルフェニルシリコンオイルとすることで、一般の圧力伝送器の封入液として使用されるジメチルシリコンオイルに比べ、放射線照射によるガスの発生量を大幅に少なくできることが、今回の照射試験により初めて分かった。
さらに、図2を用いて説明した第1実施形態の圧力伝送器1は、導圧路11,11’の内部に水素吸蔵材19を設けた構成である。これにより、上述の放射試験のように、放射線環境下において、封入液Lとして用いたジメチルシリコンオイル、あるいはメチルフェニルシリコンオイルから水素原子やメチル基が脱離した場合であっても、水素吸蔵材19に水素が吸蔵される。また、受圧ダイアフラム13,13’を透過して封入液L中に取り込まれた水素も、水素吸蔵材19に吸蔵される。したがって、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度を低く抑えることができる。さらに、封入液Lとしてメチルフェニルシリコンオイルを用いることで、ジメチルシリコンオイルと比べ、放射線照射によって発生する水素および炭化水素類の発生量をより一層抑制することができ、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度をより一層低く抑えることができる。
ここで図7は、ガンマ線hγなどの放射線の照射によるメチルフェニルシリコンオイルL1の分解と、水素吸蔵材19による水素吸蔵を説明する図である。尚、メチルフェニルシリコンオイルL1からなる封入液Lへの放射線の照射は、圧力伝送器1が放射線雰囲気エリアに晒される場合の他、測定流体Fh,Flに含まれる放射線が受圧ダイアフラム13,13’を介して封入液Lに照射される場合もある。
先ず、封入液として用いられるメチルフェニルシリコンオイルL1に対してガンマ線hγが照射されると、メチルフェニルシリコンオイルL1におけるC−H間の結合や、Si−C間の結合が切れる。これにより、メチルフェニルシリコンオイルL1から、水素原子101aやメチル基102aが脱離する。
その後、脱離した水素原子101a、および脱離した水素原子101a同士が結合した水素分子101は、水素吸蔵材19に接触することにより水素吸蔵材19の内部に水素原子101aとして吸蔵される。これにより、水素分子101の生成が抑えられるだけではなく、メチル基102aと結合する水素原子101aの量が減少するため、メタン102の生成を抑えることができる。またメチルフェニルシリコンオイルL1から脱離したメチル基102aは、再びメチルフェニルシリコンオイルL1の不対結合手に結合する。これにより、封入液内における気体の発生を抑えることができる。これに対して、水素吸蔵材19が設けられていない構成においては、水素分子101やメタン102の生成を抑えることができず、さらにはメチル基102aからの水素原子101aの脱離や結合により、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素類も生成され、これらが気泡化して導圧路の内部の圧力を上昇させてしまうのである。
また、水素吸蔵材19が炭化水素中の水素原子を吸蔵する場合は、次のようである。すなわち、放射線分解によってメチルフェニルシリコンオイルL1から脱離した水素原子101aとメチル基102aの一部は、お互いが結合してメタン102となる。その後、メタン102が水素吸蔵材19の表面に接触すると、表面でメチル基102aと水素原子101aに解離する。脱離した水素原子101aは水素吸蔵材19によって吸蔵され、メチル基102aは最終的に炭素原子となって水素吸蔵材19の表面に吸着する。以上は、封入液中で生成されたエタン、プロパン、およびブタンも同様であり、これにより、メタン102のような炭化水素が気泡として蓄積することによって導圧路の内部の圧力を上昇させてしまうことを防ぐことができる。
ここで図8は、ガンマ線hγなどの放射線の照射によるシリコンオイル(ジメチルシリコンオイル)の分解と、水素吸蔵材による水素吸蔵を説明する図である。尚、シリコンオイルからなる封入液Lへの放射線の照射は、圧力伝送器1が放射線雰囲気エリアに晒される場合の他、測定流体Fh,Flに含まれる放射線が受圧ダイアフラム13,13’を介して封入液Lに照射される場合もある。
先ず、封入液Lとして用いられるシリコンオイルL2に対してガンマ線hγが照射されると、シリコンオイルL2におけるC−H間の結合や、Si−C間の結合が切れる。これにより、シリコンオイルL2から、水素原子101aやメチル基102aが脱離する。
その後、脱離した水素原子101a、および脱離した水素原子101a同士が結合した水素分子101は、水素吸蔵材19に接触することにより水素吸蔵材19の内部に水素原子101aとして吸蔵される。これにより、水素分子101の生成が抑えられるだけではなく、メチル基102aと結合する水素原子101aの量が減少するため、メタン102の生成を抑えることができる。またシリコンオイルL2から脱離したメチル基102aは、再びシリコンオイルL2の不対結合手に結合する。これにより、封入液内における気体の発生を抑えることができる。これに対して、水素吸蔵材が設けられていない構成においては、水素分子101やメタン102の生成を抑えることができず、さらにはメチル基102aからの水素原子101aの脱離や結合により、エタン、プロパンやブタンなどの炭化水素類も生成され、これらが気泡化して導圧路の内部の圧力を上昇させてしまうのである。
また、水素吸蔵材19が炭化水素中の水素原子101aを吸蔵する場合は、次のようである。すなわち、放射線分解によってシリコンオイルL2から脱離した水素原子101aとメチル基102aの一部は、お互いが結合してメタン102となる。その後、メタン102が水素吸蔵材19の表面に接触すると、表面でメチル基102aと水素原子101aに解離する。脱離した水素原子101aは水素吸蔵材19によって吸蔵され、メチル基102aは最終的に炭素原子となって水素吸蔵材19の表面に吸着する。以上は、封入液中で生成されたエタン、プロパン、およびブタンも同様であり、これにより、メタン102のような炭化水素が気泡として蓄積することによって導圧路の内部の圧力を上昇させてしまうことを防ぐことができる。
以上のように、圧力伝送器の封入液Lとしてメチルフェニルシリコンオイルを用いた場合には、ジメチルシリコンオイルを用いた場合と比較して、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度をより一層低く抑えることができ、導圧路11,11’内において気泡の発生をより一層抑えることができる。そして、このような圧力伝送器を備えた原子力プラント計装装置は、上記効果に加えてさらに信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
≪第2実施形態≫
(水素透過防止層を設けた差圧測定用の圧力伝送器の適用例)
第2実施形態に係る原子力プラント計装装置は、圧力伝送器の構成のみが先の図2の原子力プラント計装装置と異なり、原子プラント一次系に対する配置状態を含む他の構成は同一である。以下に、本実施形態に係る原子力プラント計装装置の特徴部である圧力伝送器2を詳述する。
〈圧力伝送器2の構成〉
図9は、第2実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。この図に示す圧力伝送器2は、図1に示す原子力プラント一次系における炉水52を測定流体とした圧力測定に用いられるものであり、2点間(高圧側と低圧側)の圧力差を測定するものである。この圧力伝送器2が、図2を用いて説明した圧力伝送器1と異なるところは、受圧ダイアフラム13,13’に水素透過防止層21が設けられたところにあり、他の構成は同様である。このため、図2に示す圧力伝送器1と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[水素透過防止層21]
水素透過防止層21は、受圧ダイアフラム13,13’に設けられたものである。この水素透過防止層21は、受圧ダイアフラム13,13’における導圧路11,11’側の表面層または受圧ダイアフラム13,13’の中間層として設けられ、測定流体Fh,Flに接触することのない状態で配置されていることが好ましい。これにより、測定流体Fh,Flとなる炉水52や、この測定流体Fh,Flが関わるプロセス系に対する水素透過防止層21の影響が抑えられる構成となっている。
水素透過防止層21は、水素吸蔵材または水素遮断材で構成されている。水素透過防止層21を構成する水素吸蔵材は、第1実施形態で説明した水素吸蔵材と同様の材質のものであり、測定流体Fh,Fl側からの水素を吸蔵することにより、導圧路11,11’内への水素の透過を防止している。これにより、導圧路11,11’の内部の圧力の安定化が図られる。
一方、水素透過防止層21を構成する水素遮断材は、水素の吸蔵および透過自体を遮断することができる材料であり、これにより測定流体Fh,Fl側から導圧路11,11’内への水素の透過を防止している。このような水素遮断材は、具体的には金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、チタン、またはこれらの合金である。
図10A〜図10Bは、受圧ダイアフラム13,13’における水素透過防止層21の配置例を示す図であり、図9における高圧側の受圧ダイアフラム13部分の拡大図である。以下、これらの図に基づいて受圧ダイアフラム13における水素透過防止層21の配置状態を説明する。尚、ここで説明する構成は、低圧側の受圧ダイアフラム13’も同様であるため、代表して高圧側の構成を例示して説明を行う。また、以下で説明する図10A〜図10Bの構成の水素透過防止層21a,21bは組み合わせて用いても良い。
図10Aは、受圧ダイアフラム13における導圧路11側の表面層に水素透過防止層21aを設けた構成を示す図である。水素透過防止層21aは、受圧ダイアフラム13においてできるだけ広い面を覆う状態で設けられ、これにより封止液Lに対する受圧ダイアフラム13の露出が抑えられていることが好ましい。尚、導圧路11の気密性や水素透過防止層21の耐性を確保できる場合であれば、受圧ダイアフラム13における導圧路11側の表面層の全面に水素透過防止層21を設けても良い。
このような水素透過防止層21aは、メッキ法またはスパッタ法などによって受圧ダイアフラム13の表面に成膜され、受圧ダイアフラム13への配置が容易である。
図10Bは、受圧ダイアフラム13の中間層として水素透過防止層21bを設けた構成を示す図である。水素透過防止層21bは、2枚の受圧ダイアフラム13a,13b間に挟持された薄膜として設けられ、導圧路11の一方の開口である受圧室11aの開口を塞ぐ大きさであることが好ましい。このような水素透過防止層21bが水素吸蔵材で構成されている場合であれば、水素透過防止層21bは薄膜状に限定されることはなく粉末状のものを2枚の受圧ダイアフラム13a,13b間に隙間無く敷き詰めて挟持させた構成であっても良い。
このような水素透過防止層21bは、2枚の受圧ダイアフラム13a,13b間に膜状または粉末状の水素透過防止層21bを挟持した状態で圧延して一体化させることにより、受圧ダイアフラム13の中間層として一体に形成される。またこのような水素透過防止層21bは、測定流体Fh,Flに対してだけではなく、封入液Lに対しても何ら影響を及ぼすことがない。
尚、測定流体Fh,Flの性質に偏りがある場合、受圧ダイアフラム13,13’のうちの一方のみに水素透過防止層21を設けても良い。また導圧路11,11’の配置環境に偏りがあり、導圧路11,11’のうちの一方の内部に水素吸蔵材19を設けている場合、水素吸蔵材19を設けた側に水素透過防止層21を設けることで、以下で説明するような相乗的な効果が得られる。
<効果>
以上のような第2実施形態の原子力プラント計装装置は、原子力プラント一次系に設けられ、受圧ダイアフラム13,13’に水素透過防止層21が設けられた圧力伝送器2を有する構成である。これにより、測定流体Fh,Flに含有される水素が導圧路11,11’に充填された封入液Lに混入することを防止できる。したがって、さらに水素濃度が高い炉水52を測定流体Fh,Flとする場合であっても、第1実施形態の原子力プラント計装装置の効果に加えて、十分に導圧路11,11’内部の圧力の安定化を図ることができ、さらに信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
ここで、単に受圧ダイアフラム13,13’に水素透過防止層21を設けただけの構成であれば、封入液Lの分解によって発生した水素や炭化水素類が外部に放出されず、導圧路11,11’の内部の圧力を安定化させることはできない。この問題点を解決するために、封入液Lの分解による水素や炭化水素類の発生そのものを抑制することが重要である。このために、導圧路11,11’内部に水素吸蔵材19を有することで、導圧路11,11’内においての気泡の発生を抑制している。
尚、本実施形態においても、図9、10に示す圧力伝送器2の封入液Lとしてメチルフェニルシリコンオイルを用いてもよい。この場合、ジメチルシリコンオイルを用いた場合と比較して、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度をより一層低く抑えることができ、導圧路11,11’内において気泡の発生をより一層抑えることができる。そして、このような圧力伝送器を備えた原子力プラント計装装置は、上記効果に加えてさらに信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
尚、導圧路11,11’の配置環境に偏りがあり、導圧路11,11’のうちの一方の内部に水素吸蔵材19及び水素透過防止層21を設けている場合、水素吸蔵材19及び水素透過防止層21を設けた側に、フェニル基を含むシリコンオイルを設けることで相乗的な効果が得られる。
≪第3実施形態≫
(絶対圧力測定用の圧力伝送器の適用例)
第3実施形態に係る原子力プラント計装装置は、圧力伝送器の構成のみが先の図1の原子力プラント計装装置と異なり、他の構成は同一である。以下に、本実施形態に係る原子力プラント計装装置の特徴部である圧力伝送器3を詳述する。
〈圧力伝送器3の構成〉
図11は、第3実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部である圧力伝送器の構成を示す図である。この図に示す圧力伝送器3は、図1に示す原子力プラント一次系における炉水52を測定流体とした圧力測定に用いられるものであり、測定流体Fの圧力を測定する絶対圧力測定用のものである。この圧力伝送器3が、図2を用いて説明した圧力伝送器1と異なるところは、1つの圧力センサ15に対して、1つの受圧ダイアフラム13と、1つの導圧路11とのみを有しているところにあり、他の構成は同様である。
尚、圧力センサ15の一方の面側のみに導圧路11の他方の開口が配置され、導圧路11の一方の開口に設けられた受圧ダイアフラム13で受けた測定流体Fの圧力が検出される構成となっている。また、圧力センサ15の他方の面には、真空チャンバー31が設けられ、真空チャンバー31を介して真空ポンプ(図示を省略する)が設けられている。これにより、圧力センサ15の他方の面を真空状態にしている。
また、以上のような圧力伝送器3は、図9,10を用いて説明した圧力伝送器2と組み合わせても良く、例えば圧力伝送器3の受圧ダイアフラム13に水素透過防止層を設けても良い。
また、圧力伝送器3を備えた原子力プラント計装装置は、原子力プラント一次系における測定流体が流れる配管の一箇所に受圧ダイアフラム13が接続されることとする。
<効果>
以上のような圧力伝送器3を有する第3実施形態の原子力プラント計装装置であっても、第1実施形態および第2実施形態で説明したと同様の効果を得ることができる。
尚、本実施形態においても、図11に示す圧力伝送器3の封入液Lとしてメチルフェニルシリコンオイルを用いてもよい。この場合、ジメチルシリコンオイルを用いた場合と比較して、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度をより一層低く抑えることができ、導圧路11,11’内において気泡の発生をより一層抑えることができる。そして、このような圧力伝送器を備えた原子力プラント計装装置は、上記効果に加えてさらに信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
≪第4実施形態≫
(中間ダイアフラムを備えた圧力伝送器の適用例)
第4実施形態に係る原子力プラント計装装置は、圧力伝送器の構成のみが先の図1の原子力プラント計装装置と異なり、原子プラント一次系に対する配置状態を含む他の構成は同一である。以下に、本実施形態に係る原子力プラント計装装置の特徴部である圧力伝送器4を詳述する。
〈圧力伝送器4の構成〉
図12は、第4実施形態に係る原子力プラント計装装置の要部の圧力伝送器の構成を示す図である。この図に示す圧力伝送器4は、図1に示す原子力プラント一次系における炉水52を測定流体とした圧力測定において、特に高温環境下に適して用いられるものであり、ここでは2点間(高圧側と低圧側)の圧力差を測定するものとして説明を行う。この圧力伝送器4が、図2を用いて説明した圧力伝送器1と異なるところは、導圧路11,11’が複数の管体部分41,42,…、41’,42’…を接続して構成されたもので、その接続部に中間ダイアフラム40が設けられているところであり、他の構成は同様である。このため、図2に示す圧力伝送器1と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[導圧路11,11’]
導圧路11,11’は、直列に接続された複数本の管体部分41,42,…、41’,42’,…を備えている。図示した例においては、導圧路11が3本の管体部分41,42,43で構成され、導圧路11’が3本の管体部分41’,42’,43’で構成されている。各管体部分41〜43’は、それぞれが測定流体Fh,Flの受圧側の開口部分において開口径を拡大した受圧室11a,11a’を構成し、他方の開口部分において開口径を拡大した放圧室11b,11b’を構成している。
そして、導圧路11,11’において最も測定流体Fh,Fl側に配置される管体部分41,41’は、置換器部を構成する。この管体部分41,41’における受圧室11a,11a’の開口部分が、それぞれ受圧ダイアフラム13,13’によって閉塞されている。そしてこの導圧路11,11’は、原子力プラント100の一次系における計測部位に設置される。導圧路11,11’は、受圧ダイアフラム13,13’で閉塞される側の開口において、測定流体が流れる配管に接続されることとする。一方、導圧路11,11’において最も圧力センサ15側に配置される各管体部分43,43’は、圧力センサ15を有する本体部を構成する。この管体部分43,43’における放圧室11b,11b’の開口部分が、1つのセンタダイアフラム17を挟持して配置され、このセンタダイアフラム17によって閉塞された状態となっている。
また、各導圧路11,11’の中央に配置された管体部分42,42’は、置換器部を構成する管体部分41,41’と、本体部を構成する管体部分43,43’との接続部位であるキャピラリ部を構成する。
各管体部分41,42,43、41’,42’,43’同士の接続部は、放圧室11bの開口と受圧室11aの開口とを対向させて配置し、この対向部分に中間ダイアフラム40が挟持され、各中間ダイアフラム40によって閉塞された状態となっている。つまり、導圧路11,11’は、複数の管体部分41,42,43、41’,42’,43’を接続した構成ではあるが、それぞれの内部空間は中間ダイアフラム40によって分断された状態となっている。
そして、受圧ダイアフラム13,13’、圧力センサ15、センタダイアフラム17、および中間ダイアフラム40によって独立して閉塞された各管体部分41,42,43、41’,42’,43’に、それぞれ封入液Lが充填された状態となっている。この封入液Lは、第2実施形態と同様のフェニル基を含むシリコンオイル(例えば、メチルフェニルシリコンオイル)である。また、導圧路11,11’を構成する各管体部分41,42,43、41’,42’,43’には、それぞれ第1実施形態と同様の水素吸蔵材が同様の配置状態で設けられている。
尚、ここでは、全ての管体部分41,42,43、41’,42’,43’において、封入液Lがフェニル基を含むシリコンオイルであって内部に水素吸蔵材19が設けられている構成であることに限定されず、選択された管体部分のみにこの構成を適用しても良い。
[中間ダイアフラム40]
中間ダイアフラム40は、受圧ダイアフラム13,13’から圧力センサ15にわたって配置された導圧路11,11’の中間部に設けられたものあって、過大圧による受圧ダイアフラム13,13’および圧力センサ15の破壊を防止するためのものである。このような中間ダイアフラム40は、各導圧路11,11’の中間部を閉塞することにより、各導圧路11,11’を複数の管体部分41,42,43、41’,42’,43’に分断すると共に、両側が各封入液Lに晒されるように設けられている。これにより、受圧ダイアフラム13,13’のうちの一方に過大な圧力が加わった場合にも、中間ダイアフラム40が過大圧の緩衝材となって、受圧ダイアフラム13,13’および圧力センサ15の破壊が起こり難い構成となっている。尚、中間ダイアフラム40のうち、最も圧力センサ15に近く配置されたものは、シールダイアフラムとして本体部を構成する。
このような中間ダイアフラム40にも、水素吸蔵材が設けられて良い。この場合、中間ダイアフラム40において封入液Lと接する両面に水素吸蔵材を設けることにより、水素吸蔵材の表面積をさらに拡大することができる。
尚、測定流体Fh,Flの性質に偏りがある場合、導圧路11,11’のうちの一方の内部のみに水素吸蔵材19を設けた構成としても良いし、導圧路11,11’の管体部分41,42,…、41’,42’,…のうち所望の内部に水素吸蔵材19を設けた構成としても良い。
また、以上のような圧力伝送器4は、図9,10を用いて説明した圧力伝送器2と組み合わせて受圧ダイアフラム13,13’に水素透過防止層を設けても良い。また、図11を用いて説明した圧力伝送器3と同様に、導圧路11,11’の一方のみを用いることにより絶対圧力測定用とすることができる。
また、本実施形態の原子力プラント計装装置は、2点間の差圧を測定するものとして説明したが、これに限られず、例えば低圧側の測定流体Flを大気とし、高圧側の測定流体Fhのゲージ圧を測定してもよい。
<効果>
以上のような第4実施形態の原子力プラント計装装置は、高温環境で使用されるものであるため、使用時においては瞬時的に高温(例えば300℃を超える)雰囲気に晒される場合もある。このような場合であっても、原子力プラント計装装置は、導圧路11,11’を構成する各管体部分41,42,43、41’,42’,43’に水素吸蔵材を設けた圧力伝送器4を有する構成であるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態と組み合わせて受圧ダイアフラム13,13’に水素透過防止層を設けた構成とすることにより、第2実施形態の効果を得ることができる。
尚、本実施形態においても、図12に示す圧力伝送器4の封入液Lとしてメチルフェニルシリコンオイルを用いてもよい。この場合、ジメチルシリコンオイルを用いた場合と比較して、封入液L中におけるメタン、エタン、プロパン等の炭化水素類の濃度をより一層低く抑えることができ、導圧路11,11’内において気泡の発生をより一層抑えることができる。そして、このような圧力伝送器を備えた原子力プラント計装装置は、上記効果に加えてさらに信頼性とともに保守性の向上が図られたものとなる。
また、導圧路11,11’の配置環境に偏りがあり、導圧路11,11’のうちの一方の内部を設けている場合、水素吸蔵材19を設けた側に、フェニル基を含むシリコンオイルを設けることで相乗的な効果が得られる。
以上において原子力プラント一次系におけるプロセス計測には、第1実施形態〜第4実施形態の原子力プラント計装装置が用いられることを例示した。しかしながら、これに限られずこれらを組み合わせた構成の原子力プラント計装装置が用いてもよい。ただし、絶対圧力の計測には、第3実施形態の原子力プラント計装装置またはこれと組み合わせた構成のものが用いられる。
また本発明の原子力プラント計装装置が設けられる原子力プラントは、上述した沸騰水型に限定されることはなく、例えば加圧水型の原子力プラント(Pressurized Water Reactor:PWR)であっても良い。この場合も同様に、炉心を直接冷却する炉水(一次冷却水)を測定流体とした各種のプロセス計測に対して、本発明の原子力プラント計装装置を用いることにより、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1,2,3,4…圧力伝送器
11,11’…導圧路
11a,11a’…受圧室(導圧路)
11b,11b’…放圧室(導圧路)
13,13’…受圧ダイアフラム
15…圧力センサ
17…センタダイアフラム
19,19a,19b,19c…水素吸蔵材
21,21a,21b…水素透過防止層
31…真空チャンバー
40…中間ダイアフラム
41,41,42,41’,42’,43’…管体部分
F…測定流体
Fh…測定流体(高圧側)
Fl…測定流体(低圧側)
L…封入液
80…制御装置
81…モニター
82…中央操作監視盤
10…原子力プラント計装装置
100…原子力プラント

Claims (14)

  1. 原子力プラント一次系における測定流体を計測する部位に設けられる管状の導圧路と、
    前記導圧路内に充填された封入液と、
    前記導圧路における一方の開口を閉塞する状態で設けられ測定流体の圧力を受圧する受圧ダイアフラムと、
    前記封入液に晒された状態で前記導圧路における他方の開口に設けられた圧力センサと、
    前記導圧路の内部に設けられた水素吸蔵材とを有する
    原子力プラント計装装置。
  2. 前記封入液はフェニル基を含むシリコンオイルである
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
  3. 前記シリコンオイルは、メチルフェニルシリコンオイルである
    請求項2記載の原子力プラント計装装置。
  4. 前記水素吸蔵材は、水素および前記導圧路内において発生した炭化水素中の水素原子を吸蔵する
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
  5. 前記水素吸蔵材は、前記導圧路の配設方向に沿って配置されている
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
  6. 前記水素吸蔵材は、前記封入液中に混合されている
    請求項5記載の原子力プラント計装装置。
  7. 前記水素吸蔵材は、パラジウム、マグネシウム、バナジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ニッケル、ニオブ、コバルト、カルシウム、または、これらの合金である
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
  8. 前記受圧ダイアフラムに水素透過防止層が設けられた
    請求項1〜7の何れか記載の原子力プラント計装装置。
  9. 前記水素透過防止層は、前記受圧ダイアフラムにおける前記導圧路側の表面層または当該受圧ダイアフラムの中間層として設けられている
    請求項8記載の原子力プラント計装装置。
  10. 前記水素透過防止層は、水素吸蔵材または水素遮断材で構成された
    請求項8記載の原子力プラント計装装置。
  11. 前記水素透過防止層は、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、チタン、またはそれらの合金で構成された
    請求項8記載の原子力プラント計装装置。
  12. 前記封入液が充填されると共に一方の開口が前記受圧ダイアフラムで閉塞された一対の前記導圧路が、前記圧力センサを両面側から挟持する状態で配置された
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
  13. 前記一対の導圧路に対して前記圧力センサと並列に挟持されたセンタダイアフラムを有し、当該センタダイアフラムに前記水素吸蔵材が設けられている
    請求項12記載の原子力プラント計装装置。
  14. 前記導圧路は、直列に接続された複数の管体部分と、当該各管体部分の接続部に設けられた中間ダイアフラムとを備え、
    前記中間ダイアフラムに前記水素吸蔵材が設けられた
    請求項1記載の原子力プラント計装装置。
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