JP2003156399A - 半導体圧力検出装置 - Google Patents

半導体圧力検出装置

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JP2003156399A
JP2003156399A JP2001357963A JP2001357963A JP2003156399A JP 2003156399 A JP2003156399 A JP 2003156399A JP 2001357963 A JP2001357963 A JP 2001357963A JP 2001357963 A JP2001357963 A JP 2001357963A JP 2003156399 A JP2003156399 A JP 2003156399A
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pressure
oil
recess
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transmission medium
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JP2001357963A
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Tetsuji Kawamura
哲司 川村
Tomoya Yamakawa
知也 山川
Hirobumi Kuwabara
寛文 桑原
Kazushi Suzuki
一志 鈴木
Tadatake Furuhashi
資丈 古橋
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期的に高精度の出力特性を維持した、長期
的信頼性に優れる半導体圧力検出装置を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂製のコネクタハウジング31の
凹部33及び受圧ダイヤフラム27によって区画形成さ
れる封入室S内に、非圧縮性の圧力伝達媒体として25
℃における動粘度が500〜10000cstのオイル
を充填する。このように高粘度のオイルを圧力伝達媒体
として用いると、オイルの樹脂シール部材42への透過
を抑制することができ、長期的に高精度の出力特性を維
持した半導体圧力検出装置11を実現することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体圧力検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、気体や液体等の流体圧力を検出す
る検出装置として、受圧ダイヤフラムに印加された被測
定流体の流体圧力が、非圧縮性の圧力伝達媒体を介して
感圧素子に伝達されるように構成された半導体圧力検出
装置が知られている。
【0003】一般に、この種の半導体圧力検出装置は、
合成樹脂製のハウジングに設けられた凹部と、この凹部
の開口を密閉する金属製の受圧ダイヤフラムとにより形
成される空間内に、センサチップが固設されるともに、
シリコーンオイル等の非圧縮性の圧力伝達媒体が充填さ
れた構成となっている。そして、前記凹部内には、前記
ハウジング内にインサート一体成形された金属製のター
ミナルピンの端部が突出され、このターミナルピンの端
部とセンサチップとをボンディングワイヤ等を介して接
続することにより、同センサチップの検出信号が外部装
置に出力可能となっている。
【0004】ここで、この種の半導体圧力検出装置にお
いては、凹部と受圧ダイヤフラムとにより形成される空
間内に充填される圧力伝達媒体の充填量により、その出
力値が大きく変動するという特性がある。そのため、高
精度の出力特性を維持するためには、その圧力伝達媒体
の充填量を規定量に維持することが重要であることが知
られている。
【0005】ところが、上記半導体圧力検出装置におい
ては、ハウジングとターミナルピンの材質が各々異なる
ため、これらをインサート一体成形する際に、その接触
部分を完全に密着させることが困難であった。そのた
め、ハウジングとターミナルピンとの界面に隙間が生
じ、この隙間を通って圧力伝達媒体が外部に漏出してし
まうという問題があった。
【0006】この問題を解決するために、従来は、ハウ
ジングとターミナルピンとの界面を、シリコーンゴム等
からなる樹脂シール部材にて被覆して、凹部と受圧ダイ
ヤフラムとにより形成される空間内からの圧力伝達媒体
の漏出を防止するようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のよ
うに樹脂シール部材にてハウジングとターミナルピンと
の界面を被覆した場合であっても、凹部と受圧ダイヤフ
ラムとにより形成される空間内の圧力伝達媒体の充填量
を長期的に規定量に維持することが困難であった。
【0008】すなわち、上記従来の半導体圧力検出装置
においては、非圧縮性の圧力伝達媒体として、25℃に
おける動粘度が100cst(センチストークス:絶対
粘度を密度で除して求められる単位(SI単位系では、
cm2/sec))程度の低粘度のシリコーンオイルを
用いていたため、同シリコーンオイルが経時的に樹脂シ
ール部材を透過してしまう。そのため、上記従来の半導
体圧力検出装置は、圧力伝達媒体の充填量が経時的に減
少し、長期的に高精度の出力特性を維持することが困難
であるという問題があった。
【0009】そしてこの問題は、オイルの樹脂シール部
材への透過現象が長期間の熱或いは圧力などの印加によ
り加速される傾向にあるため、高温高圧の使用環境下に
おいて使用される半導体圧力検出装置において一層顕著
となる。従って、高温高圧の環境下において使用される
半導体圧力検出装置においては、何らかの対策を講ずる
ことが望まれる。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、長期的に高精度の出力特
性を維持した、長期的信頼性に優れる半導体圧力検出装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、該ハウ
ジングに設けられた凹部と、前記凹部の開口を密閉する
ように配設された受圧ダイヤフラムと、該凹部内に配設
された感圧素子と、前記凹部及び受圧ダイヤフラムによ
り区画形成される空間内に充填される非圧縮の圧力伝達
媒体と、前記凹部の一部に配設され、圧力伝達媒体の漏
出を防止する樹脂シール部材とを備え、前記受圧ダイヤ
フラムに印加された被測定流体の流体圧力が、圧力伝達
媒体を介して感圧素子に伝達されるように構成された半
導体圧力検出装置において、前記圧力伝達媒体として、
25℃における動粘度が500〜10000cstのオ
イルを用いたことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、ハウジングと、
該ハウジングに設けられた凹部と、前記凹部の開口を密
閉するように配設された受圧ダイヤフラムと、該凹部内
に配設された感圧素子と、前記凹部及び受圧ダイヤフラ
ムにより区画形成される空間内に充填される非圧縮の圧
力伝達媒体と、前記ハウジング内にインサート成形さ
れ、その端部が前記凹部内に突出して前記感圧素子と電
気的に接続される金属製のターミナルピンと、前記凹部
におけるターミナルピンとハウジングとの界面を被覆し
て、圧力伝達媒体の漏出を防止する樹脂シール部材とを
備え、前記受圧ダイヤフラムに印加された被測定流体の
流体圧力が、圧力伝達媒体を介して感圧素子に伝達され
るように構成された半導体圧力検出装置において、前記
圧力伝達媒体として、25℃における動粘度が500〜
10000cstのオイルを用いたことを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の半導体圧力検出装置において、前記圧力
伝達媒体として、25℃における動粘度が500〜15
00cstのオイルを用いたことを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか1項に記載の半導体圧力検出装置にお
いて、前記圧力伝達媒体が、シリコーン系オイル又はフ
ッ素系オイルであることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項3のいずれか1項に記載の半導体圧力検出装置にお
いて、前記圧力伝達媒体が、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル及びフルオロシリ
コーンオイルよりなる群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする。
【0016】(作用)請求項1及び請求項2に記載の発
明によれば、非圧縮性の圧力伝達媒体として25℃にお
ける動粘度が500〜10000cstの高粘度のオイ
ルを用いたため、圧力伝達媒体の樹脂シール部材への透
過を抑制することができ、長期的に高精度の出力特性を
維持した半導体圧力検出装置を実現することができる。
また、このように高粘度のオイルを圧力伝達媒体として
用いると、高温高圧の環境下においても好適に使用可能
な半導体圧力検出装置を実現することができる。さら
に、高粘度のオイルを用いることにより樹脂シール部材
への透過を抑制するようにしたため、樹脂シール部材の
シール厚さを薄くすることができ、半導体圧力検出装置
の小型化を達成することができる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、圧力伝達
媒体として25℃における動粘度が500〜1500c
stのオイルを用いたため、自動車のエンジンルーム内
などの−30〜120℃程度の使用環境下において好適
に使用可能で、長期的に高精度の出力特性を維持した高
性能な半導体圧力検出装置を実現することができる。ま
た、このように圧力伝達媒体として25℃における動粘
度が500〜1500cstのオイルを用いると、圧力
伝達媒体の凹部内への充填作業性が良好となり半導体圧
力検出装置の製造が容易となる。さらに、このように圧
力伝達媒体として25℃における動粘度が500〜15
00cstのオイルを用いたため、−30〜120℃程
度の使用環境下において、半導体圧力検出装置の良好な
圧力応答性を確保することができる。
【0018】請求項4及び請求項5に記載の発明によれ
ば、圧力伝達媒体として、耐熱性、耐寒性及び電気絶縁
性に優れ、体積膨張率及び粘度の温度依存性が極めて小
さいオイルを用いたため、構成が簡易で、かつ広範囲な
温度使用条件下で好適に使用可能な高性能な半導体圧力
検出装置を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具現化した半導体
圧力検出装置の一実施形態について図1及び図2に基づ
いて説明する。なお、以下の説明においては、図1及び
図2の紙面の上側を先端側、下側を基端側として表現す
る。
【0020】図1及び図2に本実施形態の半導体圧力検
出装置11を示す。この半導体圧力検出装置11は、金
属製のセンサハウジング21と合成樹脂製のコネクタハ
ウジング31とを備えている。このセンサハウジング2
1とコネクタハウジング31とは、コネクタハウジング
31の基端側を、センサハウジング21の先端側に嵌合
させた後、センサハウジング21の先端縁部をかしめる
ことにより一体化されている。
【0021】センサハウジング21は、その先端側に上
方開口した嵌合部22が設けられるとともに、基端側に
略円筒状の係合部23が突設された構成となっている。
嵌合部22の先端縁部には、内周側へ屈曲した略環状の
かしめ片22aが形成されている。一方、係合部23の
略中央には、被測定流体が導入される断面略円状の圧力
導入孔24,25が同軸線上に貫設されている。この圧
力導入孔25の先端側には段差状の係止部26が設けら
れ、この係止部26に、ステンレス製の受圧ダイヤフラ
ム27が図示しない金属製の押さえ部材とともにレーザ
溶接等で気密に接合されている。この受圧ダイヤフラム
27の外周縁上には、合成樹脂製のOリング28が載置
されている。
【0022】コネクタハウジング31は、軸方向の略中
央が小径の段付円筒状に形成され、その先端側に上方開
口した略円筒状の電気接続凹部32が設けられるととと
もに、基端側に下方開口した略円錐状の凹部33が設け
られた構成となっている。この凹部33の底面略中央に
は、センサチップ収容凹部34が凹設されているととも
に、このセンサチップ収容凹部34の外周に3つのシー
ル剤収容凹部35(図では2つのシール剤収容凹部35
のみ示す)が凹設されている。
【0023】コネクタハウジング31の軸方向の略中央
には、同コネクタハウジング31を補強するハウジング
補強板36が設けられている。このハウジング補強板3
6には、合計3個のピン貫通孔36a(図では2個のみ
示す)が貫設されている。
【0024】コネクタハウジング31内には、合計3本
のターミナルピン37,38,39(図では2本のター
ミナルピン37,38のみ示す)がインサート一体成形
されている。このターミナルピン37,38,39は、
一対の電源供給用のターミナルピン37,38と、図示
しない検出信号伝達用のターミナルピン39とからな
る。各ターミナルピン37,38,39は、その基端部
に、それぞれ接点部37a,38a,39a(図では接
点部37a,38aのみ示す)を有する。そして、各タ
ーミナルピン37,38,39は、ハウジング補強板3
6のピン貫通孔36aにそれぞれ挿通されて、その先端
部が前記電気接続凹部32内に突出しているとともに、
基端部側の接点部37a,38a,39aが前記シール
剤収容凹部35内に突出している。
【0025】センサチップ収容凹部34の底面略中央に
は、圧力を検出する感圧素子としてのセンサチップ41
が固設されている。このセンサチップ41は、3本のア
ルミニウム製のボンディングワイヤW1,W2,W3
(図では2本のボンディングワイヤW1,W2のみ示
す)を介して、前記ターミナルピン37,38,39の
接点部37a,38a,39aと電気的に接続されてい
る。これにより、センサチップ41に動作電源電圧が供
給されるとともに、同センサチップ41が検出した検出
信号が図示しない外部装置に出力可能となっている。
【0026】シール剤収容凹部35には、前記各ターミ
ナルピン37,38,39の接点部37a,38a,3
9aの周囲を取り囲むように、ジメチルシリコーンゴム
からなる樹脂シール部材42が設けられている。すなわ
ち、この樹脂シール部材42は、コネクタハウジング3
1と各ターミナルピン37,38,39との界面を被覆
するように配設され、その界面からの圧力伝達媒体の漏
出を防止している。
【0027】上述したセンサハウジング21とコネクタ
ハウジング31とは、コネクタハウジング31の基端側
を、センサハウジング21の先端側の嵌合部22に嵌合
させた後、この嵌合部22の先端縁部をかしめて、かし
め片22aを内側へ押圧して屈曲させることにより一体
化されている。この状態では、コネクタハウジング31
の凹部33の開口は受圧ダイヤフラム27により密閉さ
れる。従って、凹部33及び受圧ダイヤフラム27によ
って空間が区画形成され、この区画形成された空間を封
入室Sとする。なお、この封入室Sは、コネクタハウジ
ング31、受圧ダイヤフラム27及びOリング28等に
よって密封されている。
【0028】封入室S内には、非圧縮性の圧力伝達媒体
として、25℃における動粘度が500〜10000c
stのオイルが充填されている(図示しない)。このオ
イルの25℃における動粘度が500cst未満である
と、オイルが樹脂シール部材42へ透過しやすく、半導
体圧力検出装置11の長期的信頼性を得ることができな
い。一方、オイルの25℃における動粘度が10000
cst以上であると、常温の使用環境下において良好な
圧力応答性を確保することができなくなるばかりか、封
入室S内への充填作業性が悪化するため好ましくない。
【0029】実際には、このオイルの動粘度は、半導体
圧力検出装置11の使用環境、封入室S内への充填作業
性、センサチップ41の圧力応答性などを考慮して適宜
決定されるものであり、特に限定されるものではない
が、例えば、自動車のエンジンルーム内などの−30〜
120℃程度の使用環境下にて用いる場合には、500
〜1500cstであることが好ましい。
【0030】この非圧縮性の圧力伝達媒体として用いる
オイルの素材は、特に限定されるものではなく、要求性
能や用途に応じて公知のオイルから適宜選択して用いる
ことができるが、シリコーン系オイル又はフッ素系オイ
ルであることが好ましい。なお、ここでいうシリコーン
系オイルとは、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル
変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等
のシリコーン誘導体を含む。この具体的なオイルとして
は、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等のシ
リコーン系オイルや、パーフルオロポリエーテル、クロ
ロトリフルオロポリエチレン等のフッ素系オイル等が挙
げられる。
【0031】さて、上記のように構成される半導体圧力
検出装置11は、圧力導入孔24,25に入力された被
測定流体の流体圧力が、受圧ダイヤフラム27及び封入
室S内に封入された非圧縮性の圧力伝達媒体を介してセ
ンサチップ41に伝達される。そして、センサチップ4
1は、その受圧に応じて撓み、この撓みに応じた電気信
号を検出信号として検出信号伝達用のボンディングワイ
ヤW3を介して外部に出力し、被測定流体の流体圧力が
測定される。
【0032】以上詳述したように、本実施形態によれば
以下の作用効果が奏される。 (1) 非圧縮の圧力伝達媒体として、25℃における
動粘度が500〜10000cstのオイルを用いた。
このように高粘度のオイルを圧力伝達媒体として用いる
と、同オイルの樹脂シール部材42への透過を抑制する
ことができ、長期的に高精度の出力特性を維持した長期
的信頼性に優れる半導体圧力検出装置11を実現するこ
とができる。
【0033】また、このように高粘度のオイルを圧力伝
達媒体として用いると、高温高圧の環境下においても好
適に使用可能な半導体圧力検出装置11を実現すること
ができる。
【0034】さらに、上記のように高粘度のオイルを用
いて圧力伝達媒体の樹脂シール部材42への透過を抑制
するようにしたため、樹脂シール部材42のシール厚さ
を薄くすることができ、半導体圧力検出装置11の小型
化を達成することができる。
【0035】(2) 非圧縮の圧力伝達媒体として、2
5℃における動粘度が500〜1500cstのオイル
を用いると、自動車のエンジンルーム内などの−30〜
120℃程度の使用環境下において好適に使用可能で、
長期的に高精度の出力特性を維持した高性能な半導体圧
力検出装置11を実現することができる。
【0036】また、このように25℃における動粘度が
500〜1500cstのオイルを用いると、オイルの
封入室S内への充填作業性が良好となり半導体圧力検出
装置11の製造が容易となる。さらに、−30〜120
℃程度の使用環境下において、良好な圧力応答性を確保
することができる。
【0037】(3) 非圧縮の圧力伝達媒体として、シ
リコーン系オイル又はフッ素系オイルを用いると、構成
が簡易で、広範囲な温度使用条件下で使用可能な高性能
な半導体圧力検出装置11を実現することができる。
【0038】すなわち、これらのオイルは耐熱性及び耐
寒性に優れていることから、広範囲な温度使用条件下で
も好適に使用可能で、長期的に高精度の出力特性を維持
した半導体圧力検出装置11を実現することができる。
【0039】また、これらのオイルは体積膨張率及び粘
度の温度依存性が極めて小さいため、高温使用環境下に
おいても高精度の出力特性を維持した半導体圧力検出装
置11を実現することができる。
【0040】さらに、これらのオイルは電気絶縁性に優
れているため、ターミナルピン37,38,39を、同
オイルから絶縁する構成が不要となり、実装上の制約が
少なくなる。従って、構成が簡易な半導体圧力検出装置
11を実現することができる。
【0041】(4) シール剤収容凹部35に、ジメチ
ルシリコーンゴムからなる樹脂シール部材42を配設し
た。このように樹脂シール部材42として密着性に優れ
るシリコーンゴムを用いることにより、シール剤収容凹
部35とターミナルピン37,38,39との接触部分
の隙間からオイルが漏れ難くなり、長期的に高精度の出
力特性を維持した半導体圧力検出装置11を実現するこ
とができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、上記実施
形態をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら
制限するものではない。なお、以下の実施例及び比較例
は、圧力伝達媒体として用いるオイル中にシール部材と
して用いるゴム片を浸漬して、浸漬前後のゴム片の体積
変化率を測定し、圧力伝達媒体の樹脂シール部材への透
過性を評価したものである。
【0043】(実施例1)25℃における動粘度が50
0cstのフルオロシリコーンオイル中に、ジメチルシ
リコーンゴムを硬化成形したゴム片を浸漬して、浸漬前
後の試験片の体積変化率を測定した。
【0044】(実施例2)25℃における動粘度が10
00cstのフルオロシリコーンオイル中に、ジメチル
シリコーンゴムを硬化成形したゴム片を浸漬して、浸漬
前後の試験片の体積変化率を測定した。
【0045】(実施例3)25℃における動粘度が15
00cstのフルオロシリコーンオイル中に、ジメチル
シリコーンゴムを硬化成形したゴム片を浸漬して、浸漬
前後の試験片の体積変化率を測定した。
【0046】(実施例4)25℃における動粘度が10
000cstのフルオロシリコーンオイル中に、ジメチ
ルシリコーンゴムを硬化成形したゴム片を浸漬して、浸
漬前後の試験片の体積変化率を測定した。
【0047】(比較例1)25℃における動粘度が10
0cstのフルオロシリコーンオイル中に、ジメチルシ
リコーンゴムを硬化成形したゴム片を浸漬して、浸漬前
後の試験片の体積変化率を測定した。
【0048】上記各実施例及び比較例におけるゴム片の
体積変化率を図3に示す。比較例1のゴム片の500時
間経過後の体積変化率は1%以上であったのに対し、実
施例1〜実施例4のゴム片の500時間経過後の体積変
化率は、いずれも1%未満であった。このことから、圧
力伝達媒体として25℃における動粘度が500cst
以上のオイルを用いることにより、圧力伝達媒体の樹脂
シール部材42への透過を抑制できることが確認され、
その優位性が確認された。
【0049】特に、圧力伝達媒体として25℃における
動粘度が1000cst以上のオイルを用いた場合は、
25℃における動粘度が100cstのオイルを用いた
場合と比較して、500時間経過後の体積変化率が半減
することが確認され、圧力伝達媒体として高粘度なオイ
ルを用いる優位性が顕著に現れた。
【0050】次いで、前記実施例1〜実施例4及び比較
例1にて用いた各フルオロシリコーンオイルを圧力伝達
媒体として適用した半導体圧力検出装置11を製作し、
各半導体圧力検出装置11における封入室S内の圧力伝
達媒体の減少量を評価した。
【0051】詳述すれば、まず、図1に示す半導体圧力
検出装置11として、シール剤収容凹部35にジメチル
シリコーンゴムからなる樹脂シール部材42を配設する
とともに、前記実施例1〜実施例4及び比較例1にて用
いたフルオロシリコーンオイル(100cst、500
cst、1000cst、1500cst、10000
cst)を圧力伝達媒体として封入室S内に充填した試
供品をそれぞれ製作した。
【0052】そして、同一の温度条件下、圧力導入孔2
4から一定の圧力を、所定回数及び所定時間繰り返し印
加して、各試供品の封入室S内の圧力伝達媒体の減少量
をそれぞれ測定した。なお、圧力導入孔24から印加す
る圧力値は、通常使用環境下にて印加される最大圧力値
の2倍程度の値とし、各試供品ともに同一とした。
【0053】上記各試供品における封入室S内の圧力伝
達媒体の減少量を相対比較したグラフを図4に示す。図
4から、圧力伝達媒体として用いるオイルの動粘度が大
きくなればなるほど、封入室S内の圧力伝達媒体の減少
量が低下する傾向があることが確認された。そして、圧
力伝達媒体として25℃における動粘度が500cst
以上のオイルを用いた場合は、圧力伝達媒体として25
℃における動粘度が100cstのオイルを用いた場合
と比較して、封入室S内の圧力伝達媒体の減少量が半減
することが確認され、圧力伝達媒体として高粘度なオイ
ルを用いる優位性が確認された。
【0054】以上の試験結果から、圧力伝達媒体の動粘
度が、同圧力伝達媒体樹脂シール部材への透過性に反映
し、また、半導体圧力検出装置11における封入室S内
の圧力伝達媒体の減少量に反映することが確認された。
そして、圧力伝達媒体として25℃における動粘度が5
00cst以上の高粘度のオイルを用いることにより、
圧力伝達媒体の樹脂シール部材への透過を抑制でき、半
導体圧力検出装置11における封入室S内の圧力伝達媒
体の減少量を低下させることができることが確認され
た。
【0055】(変更例)なお、上記実施形態は以下のよ
うに変更しても構わない。 ・ 樹脂シール部材42を構成する素材として、他の合
成樹脂を用いること。樹脂シール部材42を構成する素
材は、特に限定されるものではなく、要求性能や用途に
応じて公知の合成樹脂から適宜選択して用いることがで
きる。この具体的な素材としては、例えば、シリコーン
系ゴム或いはフッ素系ゴムが挙げられ、これらは密着
性、電気絶縁性、耐熱性及び耐寒性などに優れるため、
上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】・ 受圧ダイヤフラム27として、他の素
材のものを用いること。受圧ダイヤフラム27を構成す
る素材は、ステンレスに特に限定されるものではなく、
他の素材のものを用いても上記実施形態と同様の作用効
果を得ることができる。
【0057】(付記)上記実施形態、実施例、比較例及
び変形例から把握される技術的思想について以下に記載
する。
【0058】(A) 被測定流体の流体圧力を受ける受
圧ダイヤフラムと、受ける圧力に応じて出力信号を変動
させる感圧素子と、前記受圧ダイヤフラムと感圧素子と
の間に形成される空間内に充填される非圧縮性の圧力伝
達媒体とを備え、前記受圧ダイヤフラムに印加された被
測定流体の流体圧力が、圧力伝達媒体を介して感圧素子
に伝達されるように構成された半導体圧力検出装置にお
いて、前記圧力伝達媒体として、25℃における動粘度
が500〜10000cstのオイルを用いたことを特
徴とする半導体圧力検出装置。
【0059】(B) 前記圧力伝達媒体が、シリコーン
系オイル又はフッ素系オイルであることを特徴とする上
記(A)に記載の半導体圧力検出装置。 (C) 前記圧力伝達媒体が、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル及びフルオロシリ
コーンオイルよりなる群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする上記(A)に記載の半導体圧力
検出装置。
【0060】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項1に記載
の発明によれば、圧力伝達媒体として25℃における動
粘度が500〜10000cstのオイルを用いたこと
により、長期的に高精度の出力特性を維持した、長期的
信頼性に優れる半導体圧力検出装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半導体圧力検出装置の断面図。
【図2】 半導体圧力検出装置の要部拡大断面図。
【図3】 実施例及び比較例のゴム片の体積変化率を示
すグラフ。
【図4】 実施例及び比較例の圧力伝達媒体の減少量を
示すグラフ。
【符号の説明】
11…半導体圧力検出装置、27…受圧ダイヤフラム、
31…ハウジングとしてのコネクタハウジング、33…
凹部、41…感圧素子としてのセンサチップ、42…樹
脂シール部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 寛文 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 鈴木 一志 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 古橋 資丈 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 2F055 AA40 BB20 CC02 DD04 EE13 FF38 GG22 GG25 4M112 AA01 BA00 CA01 DA20 EA20 FA05 FA06 FA08 GA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、該ハウジングに設けられ
    た凹部と、前記凹部の開口を密閉するように配設された
    受圧ダイヤフラムと、該凹部内に配設された感圧素子
    と、前記凹部及び受圧ダイヤフラムにより区画形成され
    る空間内に充填される非圧縮の圧力伝達媒体と、前記凹
    部の一部に配設され、圧力伝達媒体の漏出を防止する樹
    脂シール部材とを備え、前記受圧ダイヤフラムに印加さ
    れた被測定流体の流体圧力が、圧力伝達媒体を介して感
    圧素子に伝達されるように構成された半導体圧力検出装
    置において、 前記圧力伝達媒体として、25℃における動粘度が50
    0〜10000cstのオイルを用いたことを特徴とす
    る半導体圧力検出装置。
  2. 【請求項2】 ハウジングと、該ハウジングに設けられ
    た凹部と、前記凹部の開口を密閉するように配設された
    受圧ダイヤフラムと、該凹部内に配設された感圧素子
    と、前記凹部及び受圧ダイヤフラムにより区画形成され
    る空間内に充填される非圧縮の圧力伝達媒体と、前記ハ
    ウジング内にインサート成形され、その端部が前記凹部
    内に突出して前記感圧素子と電気的に接続される金属製
    のターミナルピンと、前記凹部におけるターミナルピン
    とハウジングとの界面を被覆して、圧力伝達媒体の漏出
    を防止する樹脂シール部材とを備え、前記受圧ダイヤフ
    ラムに印加された被測定流体の流体圧力が、圧力伝達媒
    体を介して感圧素子に伝達されるように構成された半導
    体圧力検出装置において、 前記圧力伝達媒体として、25℃における動粘度が50
    0〜10000cstのオイルを用いたことを特徴とす
    る半導体圧力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力伝達媒体として、25℃におけ
    る動粘度が500〜1500cstのオイルを用いたこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体圧
    力検出装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力伝達媒体が、シリコーン系オイ
    ル又はフッ素系オイルであることを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれか1項に記載の半導体圧力検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記圧力伝達媒体が、ジメチルシリコー
    ンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル及びフルオ
    ロシリコーンオイルよりなる群から選択される少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれか1項に記載の半導体圧力検出装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236522A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Japan Vilene Co Ltd 液体供給装置
CN103454038A (zh) * 2013-08-20 2013-12-18 重庆布莱迪仪器仪表有限公司 隔膜压力表低膨胀系数传压油
JP2015078945A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 株式会社日立製作所 圧力伝送器
JP2015152373A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社日立製作所 原子力プラント計装装置

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