JP2015152299A - チューブ式熱交換器のダスト除去装置 - Google Patents

チューブ式熱交換器のダスト除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】チューブ式熱交換器の管内の硬化体積物でも確実に剥離、除去でき、圧力損失を未然に防止し、熱交換の効率を初期の状態に維持させて長期の運転を行い得るようにすること。
【解決手段】チューブの内部にダスト除去部材を垂下させてチューブの内壁のダストを除去するチューブ式熱交換器のダスト除去装置。前記ダスト除去部材を、上部リンクアームと下部リンクアームに連結し、電動モータにより駆動するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、種々の用途の熱交換器に適用できるダスト除去装置に関する。
チューブ式熱交換器とは、一般に、ダストが存在する高温排ガスを低温排ガス(又は空気)に、伝熱管(チューブ)を介して間接的に接触させて熱交換するもので、ごみ焼却をはじめとして環境分野に最も適した熱交換器であると言える。
従って、チューブ式熱交換器は、チューブ式熱交換器は、管内に排ガスを通し、管外に空気に代表される低温ガスを流もので、管内、管外ともガス流体を利用するものが多く、一般的に言うシェル&チューブとは型式として区別されるものである。
こうしたチューブ式熱交換器にあっては、排ガスを通す伝熱管(チューブ)の内面に排ガス中のダストが付着し、熱交換の冷却によって固着することになる。殊に、都市ごみのように種々の材料を燃焼させた排ガスには、煤だけでなく、重金属や石灰が含まれており、これらが付着して硬化し、堆積することになる。
このような管内面の堆積は、24時間稼動の焼却炉の場合にあっては、1ヶ月で概ね30〜40mm程度となることが経験上知られているもので、これにより、通気性が悪くなり、大きな圧力損失を来たし、結果として熱交換効率が著しく低下することとなって、運転停止を余儀なくされることになる。
従って、定期的に、例えば、1ヶ月又は2ヶ月に一度、運転を休止し、人力により、或いは蒸気でもって管内を清掃するようにしていたが、このような運転停止を前提とする非効率的な作業に鑑み、別途、清掃のための種々の手段を設けることが提案されている。例えば、次の文献に記載の如きチューブ式熱交換器のダスト付着防止装置の技術が知られている。
特開平10−378390 特開平2001−280893
上述した特許文献1においては、リンクチェーンを各管内(チューブ内)に垂下させ、これを上下動させることで管内のダストを除去しようとするものであるが、こうした単純に垂下させたリンクチエーンを上下動させて管内壁に接当させる方式は、単にリンクチェーンの横揺れによる接当しか期待できず(円周運動、跳ね上がりなどの不定形な運動が生じると既述されている)、何れにしても煤などの剥離容易な堆積物なら多少、除去可能であるかもしれないが、石灰、重金属等の硬化堆積物の剥離除去は到底不可能であることが実際上、確認されている。
本発明は、上述した現況に鑑み、チューブ式熱交換器の管内の硬化体積物でも確実に剥離、除去でき、圧力損失を未然に防止し、熱交換の効率を初期の状態に維持させて長期の運転を行い得るようにすることを目的とする。
本発明にかかるチューブ式熱交換器のダスト除去装置は、上記目的達成のために、チューブ(5)の内部にダスト除去部材(1)を垂下させてチューブの内壁のダストを除去するチューブ式熱交換器のダスト除去装置であって、
前記ダスト除去部材(1)の上端部(1A)を、前記チューブ(5)の上端部の外側において上部リンクアーム(2)に枢着し、前記上部リンクアーム(2)に駆動軸(3)に連結して回動自在に設け、該駆動軸(3)を所定の回転角度(θ)で往復動するように電動モータ(4)により駆動するように構成し、
前記ダスト除去部材(1)の下端部(1B)を、前記チューブ(5)の下端部の外側において下部リンクアーム(6)に枢着し、該下部リンクアーム(6)を支軸(7)に連結して回動自在に設け、
前記駆動軸(3)の回転によって、前記ダスト除去部材(1)をチューブ(5)内で該チューブ(5)の軸線に直交する方向に僅かに変位させながら上下移動させてダスト除去を行うように構成した、
という手段を講じたものである。
本発明において、チューブ式熱交換器のダスト除去装置とは、種々の目的で発生する燃焼排ガスの熱交換を行うもので、例えば、ごみ焼却炉などが対象となるが、その対象は限定されないものである。
本発明によれば、ダスト除去部材を、その上下において上部、下部リンクアームに枢着し、これを駆動するので、ダスト除去部材は全体として剛体の状態で上下、横方向変位(リンクアームの支軸連結に枢着したことによる回動変位分)し、以って、チューブの内面に対して強制剥離作用を付与することになって、硬化堆積物であっても、剥離、除去を確実に行い得る利点がある。
本発明にかかるその他の利点については、以下の実施例の記載から明らかとなろう。
本発明の実施に際しては、前記ダスト除去部材(1)と前記上部リンクアーム(2)及び下部リンクアーム(6)との間に上部ブラケット(8)及び下部ブラケット(9)が介在され、前記上部ブラケット(8)の上端部が前記上部リンクアーム(2)に枢着され、その下端部に複数本の前記ダスト除去部材(1)の上端部(1A)が枢着され、同様に下部ブラケット(9)の上端部に前記複数本のダスト除去部材(1)の下端部が枢着され、その下端部が前記下部リンクアーム(6)に枢着されている、ことが好ましい。
このように構成すると、多数の前記ダスト除去部材(1)を上部ブラケット(8)に連結した状態で取り扱い、現場で前記上部リンクアーム(2)に連結するようにすると、組み付けが効率良く、簡便に行い得る。
また、前記上部リンクアーム(2)及び下部リンクアーム(6)並びに上部ブラケット(8)及び下部ブラケット(9)は、前記駆動軸(3)及び支軸(7)を中心として対称となるように複数のダスト除去部材(1)が設けられているのが好ましい。
このように支軸(7)を中心として対称となるように複数のダスト除去部材(1)を設けることで、支軸(7)を中心とした左右の稼動負荷をバランスさせ易くなり、チューブ内壁に対する接当力を略均等化させて剥離効率を良くすることができる。
更に、前記ダスト除去部材(1)は、互いに間隔を持った少なくとも2本の縦部材(1a)とこれを連結する少なくとも2個の連結部材(1b)とから構成されており、前記連結部材(1b)は、前記縦部材(1a)に対して内接又は外接するように設けられているのが好ましい。
このように前記ダスト除去部材(1)を構成することで、これがチューブ内に導通されていても、圧力損失を最小限に抑えながら、チューブ内壁への接当箇所を大きく採ることができ、2個の連結部材(1b)によって、前記縦部材(1a)の強度を高めて剥離に対する反力に耐えるようにすることができる。
そして、前記連結部材(1b)は環状体で構成され、また、前記縦部材(1a)の外側面には複数の掻き爪(10)が付設されているのが好ましい。
このように前記連結部材(1b)を構成することで、チューブの内面に対する接当を全周とすることができ、また、掻き爪(10)によって、積極的に硬化堆積物の剥離作用を行うことができる。
尚、前記環状体の前記連結部材(1b)は、前記縦部材(1a)の長手方向方向に対して所定の角度で傾斜させて設けるようにしても良く、このようにすれば、チューブに内面に対する上下摺動に際して、角度を持って切り取るような作用が期待できる。
本発明にかかるチューブ式熱交換器のダスト除去装置の全体の一部切り欠き側面図。 本発明にかかるチューブ式熱交換器のダスト除去装置の要部の拡大斜視図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の要部の拡大斜視面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の変形例の要部の斜視面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の別の変形例の要部の斜視面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の一作用状態の要部の正面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の一作用状態の要部の横断面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の一作用状態の要部の正面図。 チューブ式熱交換器のダスト除去装置の一作用状態の要部の横断面図。
本発明にかかるチューブ式熱交換器のダスト除去装置の好適実施例を図面に基づいて以下詳述する。
図1及び図2に示すように、このチューブ式熱交換器のダスト除去装置は、縦型のチューブ式熱交換器(ここでは、排ガス対空気)を対象としたもので、図1に示す如く、下方から排ガスが流入し、上方に抜け、熱交換の空気は、図示右方から流入し、直交状態でチューブ5を横切り左方に抜ける形態のものである。
因みに、ここでは、チューブ5は、横一列で8本配置され、それが多段に配置されていて、1本の内径は、60mm、全長は8mのものとされている。
この装置の基本構成は、チューブ5の内部にダスト除去部材1を垂下させてチューブの内壁のダストを除去するチューブ式熱交換器のダスト除去装置であって、前記ダスト除去部材1の上端部1Aを、前記チューブ5の上端部の外側において上部リンクアーム2に枢着し、前記上部リンクアーム2に駆動軸3に連結して回動自在に設け、該駆動軸3を所定の回転角度θで往復動するように電動モータ4により駆動するように構成し、前記ダスト除去部材1の下端部1Bを、前記チューブ5の下端部の外側において下部リンクアーム6に枢着し、該下部リンクアーム6を支軸7に連結して回動自在に設け、前記駆動軸3の回転によって、前記ダスト除去部材1をチューブ5内で該チューブ5の軸線に直交する方向に僅かに変位させながら上下移動させてダスト除去を行うように構成している。
ここでは、図2及び図6乃至図9に示すように、前記ダスト除去部材1と前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6との間に上部ブラケット8及び下部ブラケット9が介在され、前記上部ブラケット8の上端部が前記上部リンクアーム2に枢着され、その下端部に複数本の前記ダスト除去部材1の上端部1Aが枢着され、同様に下部ブラケット9の上端部に前記複数本のダスト除去部材1の下端部が枢着され、その下端部が前記下部リンクアーム6に枢着されている。
そして、前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6並びに上部ブラケット8及び下部ブラケット9は、前記駆動軸3及び支軸7を中心として対称となるように複数のダスト除去部材1が設けられている。
また、前記ダスト除去部材1は、互いに間隔を持った少なくとも2本、ここでは3本の縦部材1aとこれを連結する少なくとも2個、ここでは6個の連結部材1bとから構成されており、前記連結部材1bは、前記縦部材1aに対して内接又は外接(ここでは内接)するように設けられている。このダスト除去部材1の素材としては、ステンレスが好ましく、耐熱性、耐摩耗性に優れていれば適宜公知の特殊鋼材を用いて良い。
この実施例では、熱交換器が大型であるため、長いチューブ5に対応するべく、前記ダスト除去部材1が、1本に長尺ではなく、複数個所、ここでは2箇所でリンク部材11で連結されるように構成されている。
図3に示すように、隣接するダスト除去部材1が、互いに2本のピン連結によるリンク部材11でもって折れ曲がり自在に連結されており、これによって、長尺のダスト除去部材1を折り畳んで運搬し、現場で折り畳み状態で設置位置に持ち込み、そして伸ばすようにして簡便に設置できるようにされている。
このダスト除去部材1の別の形態として、図4に示すように、前記連結部材1bは、前記縦部材1aに対して内接するように設けられても良いものである。
そして、更に別の態様として、図5に示すように、前記連結部材1bは環状体で構成され、前記縦部材1aに対して外接するように設けられまた、前記縦部材1aの外側面には複数の掻き爪10が付設されるようにしても良い。
(作用)
上記ダスト除去部材1が、各チューブの内部に位置された状態で、電動モータ4が稼動される。この清掃の為の電動モータ4の稼動は、時間設定によって自動的に行われるようにするのが好ましいが、定期的な人為操作によるものでも良い。
電動モータ4が回転すると、前記駆動軸3が所定の回転角度θで駆動され、上下の支軸7が回転されることになり(適宜の減速機構を介し)、これによって、前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6が回動変位し、その結果、上部ブラケット8及び下部ブラケット9は、従動して上下に変位することになる。この上下変位量は、前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6の長さと、その回動軸芯の回動角度による揺動変位量で決定される。
図6及び図8に示すように、前記上部ブラケット8及び下部ブラケット9が上下に変位すると、これらに連結されたダスト除去部材1が上下に移動することになる。この際、ダスト除去部材1の上下動は、枢着された前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6の回動変位によるので、その回動による角度分だけ回転中心方向への変位を伴うことになり、図7及び図9に示すように、ダスト除去部材1は上下だけでなく、横方向へ少し変位をすることになる。
この際、ダスト除去部材1の横方向変位が、チューブ内面に圧接する程度の変位となるように、前記上部リンクアーム2及び下部リンクアーム6の長さを設定しておくのが好ましい。勿論、ダスト除去部材1が、上下のリンクアーム2及び6で連結され、恰も剛体化するような構成であるので、かかる横変位が有効に活かされ、強力な剥離、掻き取り作用が期待できるものである。剥離された堆積物は、一部はチューブ5の上端から外方に排出落下されるが、大半はチューブ5内を下方に落下して排出される。こうした掻き落とし作業は、所定の期間毎に繰り返し行われる。
本発明にかかるチューブ式熱交換器のダスト除去装置は、ごみ焼却炉、その他の燃焼排ガスを排出する装置の熱交換器に適用でき、その用途は広く、その応用範囲は広い。
1:ダスト除去部材
2:上部リンクアーム
3:駆動軸
4:電動モータ
5:チューブ
6:下部リンクアーム
7:支軸
8:上部ブラケット
9:下部ブラケット
10:掻き爪
θ:回転角度

Claims (5)

  1. チューブ(5)の内部にダスト除去部材(1)を垂下させてチューブの内壁のダストを除去するチューブ式熱交換器のダスト除去装置であって、
    前記ダスト除去部材(1)の上端部(1A)を、前記チューブ(5)の上端部の外側において上部リンクアーム(2)に枢着し、前記上部リンクアーム(2)に駆動軸(3)に連結して回動自在に設け、該駆動軸(3)を所定の回転角度(θ)で往復動するように電動モータ(4)により駆動するように構成し、
    前記ダスト除去部材(1)の下端部(1B)を、前記チューブ(5)の下端部の外側において下部リンクアーム(6)に枢着し、該下部リンクアーム(6)を支軸(7)に連結して回動自在に設け、
    前記駆動軸(3)の回転によって、前記ダスト除去部材(1)をチューブ(5)内で該チューブ(5)の軸線に直交する方向に僅かに変位させながら上下移動させてダスト除去を行うように構成した、
    ことを特徴とするチューブ式熱交換器のダスト除去装置。
  2. 前記ダスト除去部材(1)と前記上部リンクアーム(2)及び下部リンクアーム(6)との間に上部ブラケット(8)及び下部ブラケット(9)が介在され、前記上部ブラケット(8)の上端部が前記上部リンクアーム(2)に枢着され、その下端部に複数本の前記ダスト除去部材(1)の上端部(1A)が枢着され、同様に下部ブラケット(9)の上端部に前記複数本のダスト除去部材(1)の下端部が枢着され、その下端部が前記下部リンクアーム(6)に枢着されている、ことを特徴とする請求項1に記載のチューブ式熱交換器のダスト除去装置。
  3. 前記上部リンクアーム(2)及び下部リンクアーム(6)並びに上部ブラケット(8)及び下部ブラケット(9)は、前記駆動軸(3)及び支軸(7)を中心として対称となるように複数のダスト除去部材(1)が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のチューブ式熱交換器のダスト除去装置。
  4. 前記ダスト除去部材(1)は、互いに間隔を持った少なくとも2本の縦部材(1a)とこれを連結する少なくとも2個の連結部材(1b)とから構成されており、前記連結部材(1b)は、前記縦部材(1a)に対して内接又は外接するように設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のチューブ式熱交換器のダスト除去装置。
  5. 前記連結部材(1b)は環状体で構成され、また、前記縦部材(1a)の外側面には複数の掻き爪(10)が付設されている、ことを特徴とする請求項4に記載のチューブ式熱交換器のダスト除去装置。
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