JP2015151582A - 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法 - Google Patents

金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015151582A
JP2015151582A JP2014027011A JP2014027011A JP2015151582A JP 2015151582 A JP2015151582 A JP 2015151582A JP 2014027011 A JP2014027011 A JP 2014027011A JP 2014027011 A JP2014027011 A JP 2014027011A JP 2015151582 A JP2015151582 A JP 2015151582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc
gold
silver
mixture
copper alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014027011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6205290B2 (ja
Inventor
晴子 佐々木
Haruko Sasaki
晴子 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanaka Kikinzoku Kogyo KK filed Critical Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority to JP2014027011A priority Critical patent/JP6205290B2/ja
Publication of JP2015151582A publication Critical patent/JP2015151582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6205290B2 publication Critical patent/JP6205290B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、高い作業効率でおよび回収率で、廃液から金または銀を回収する方法を提供する。【解決手段】 亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を含有するシアン系廃液を接触させて、前記混合物または亜鉛−銅合金に金または銀を捕集させる工程を含む、前記廃液中の金または銀を回収する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、貴金属を含有する廃液、特に金または銀を含有するシアン系廃液中から、金または銀を回収する方法に関する。
金は装飾品材料または電子回路として、銀は装飾品材料、写真感光材料または電気接点等として、工業的に広く利用されている。したがって、貴金属めっき液といった各種廃液中に残留する貴金属を回収することは有用である。
従来、廃液中の金または銀(以下、金/銀と表記する)の濃度が高い場合(例えば、0.1g/L以上)、亜鉛還元およびヒドラジン還元等を利用することにより、金/銀を回収する方法(特許文献1)、および電解で陰極側に金/銀を析出させて回収する方法が知られている(特許文献2、非特許文献1)。一方、廃液中の金/銀の濃度が低い場合(例えば、数〜100mg/L)、イオン交換樹脂または活性炭を充填した通液塔に、廃液を定量的に流し、金/銀をイオン交換樹脂または活性炭に吸着させて、金/銀を回収する方法が知られている(特許文献3および4、非特許文献1)。
特開平7−258758号公報 特表平9−511023号公報 特許第4723629号公報 特公平8−5666号公報
表面技術 Vol.53 No.10,2002:647−651「めっき廃液およびめっきスクラップからの貴金属のリサイクル」
上記亜鉛還元およびヒドラジン還元の場合、廃液の液性をアルカリ性にした状態で亜鉛粉末またはヒドラジンを投入することにより、高効率で金/銀を還元する。しかしながら、シアンを含有する廃液(以下、シアン系廃液という)である場合、還元した金/銀は微細粉であり、金/銀から遊離したシアンにより、または廃液と分離する際のろ過などで空気に触れることにより、還元した金/銀の一部が再溶出してしまう場合がある。その結果として、廃液中には金/銀が残留してしまい、金/銀の回収効率が低下する。一方、攪拌機を用いることにより、数トンの液量であっても1バッチで還元が可能ではあるが、前述のように、金/銀が再溶出した場合は、再処理に関しての作業効率が低下するという問題がある。
イオン交換樹脂または活性炭を使用しての金/銀を回収する方法では、処理液量が多量であると作業効率が良い。上記亜鉛還元後またはヒドラジン還元後に再溶出した金/銀をイオン交換樹脂または活性炭に吸着させるには、廃液中のアルカリ濃度、または遊離シアン濃度が高いので、シアンが優先して吸着し金/銀の吸着が阻害されたり、イオン交換樹脂または活性炭に吸着した金/銀が再溶出してしまい、金/銀の回収効率が悪くなってしまうという問題点がある。
例えば、廃液中の遊離シアン濃度が低い場合、例えば、0.5g/Lより低い場合は、イオン交換樹脂または活性炭を使用しても、金/銀を回収することが可能であるが、0.5g/L以上であると、上記問題が生じやすく、金/銀の回収効率が悪くなってしまう。
上記亜鉛還元後またはヒドラジン還元後の廃液だけではなく、廃液中の遊離シアン濃度が高い場合には、同様に金/銀の吸着が阻害されたり、イオン交換樹脂または活性炭に吸着した金/銀が再溶出する以外に、イオン交換樹脂または活性炭には金/銀だけでなく廃液中の成分も吸着する場合があり、このことにより金/銀の吸着が阻害される。その結果、金/銀の吸着容量が一定でなくなり、液種により金/銀の回収効率が変動するという問題点がある。
さらに、金/銀以外の廃液中の成分がイオン交換樹脂または活性炭に吸着することによって、金/銀の吸着容量が小さくなる場合は、イオン交換樹脂または活性炭を多量に使用したり、イオン交換樹脂または活性炭の交換頻度を増やす必要がある。
また、イオン交換樹脂または活性炭を用いる方法では、イオン交換樹脂または活性炭に、金/銀を吸着させた後に、再生処理又は焼却して金/銀を回収するが、抽出率が悪いことがあり、抽出率を上げるには作業工程が煩雑になったり、樹脂再生後の吸着容量が変化するという問題点もある。
さらに、電解により金/銀を回収する方法では、一般に金/銀の濃度が薄いと電気が流れにくかったり、電解する間は液を貯めて処理を行う必要があり、定量的に連続処理が難しいので、処理すべき液量が多いと作業効率が悪いという問題点もある。
したがって、シアン系廃液のアルカリ濃度が高い、または遊離シアン濃度が高い廃液から、高い作業効率および回収率で、廃液から金/銀を回収する方法が望まれている。
本発明者は、シアン系廃液中の金/銀が、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金と置換反応で還元する反応を利用することにより、シアン系廃液のアルカリ濃度が高い、または遊離シアン濃度が高い廃液中の金/銀を、連続的に高い回収率および作業効率で回収できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって本発明は以下のとおりである。
1.亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を含有するシアン系廃液を接触させて、前記混合物または亜鉛−銅合金に金または銀を捕集させる工程を含む、前記廃液中の金または銀を回収する方法。
2.前記廃液のpHが9〜14である前項1に記載の方法。
3.前記混合物または亜鉛−銅合金において、前記銅の質量比が55〜80%である前項1または2に記載の方法。
4.前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が、線状または粒状である前項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
5.前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が線状であり、前記混合物または亜鉛−銅合金の線径が30〜150μmである前項4に記載の方法。
6.前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が粒状であり、前記混合物または亜鉛−銅合金の粒径が1〜4mmである前項4に記載の方法。
7.前記工程が、前記混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を用意し、前記通液塔に前記廃液を通過させ、前記混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を捕集させる工程である前項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
8.前記通液塔内の前記混合物または亜鉛−銅合金の充填量が、前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が線状の場合は0.3〜0.5kg/L、前記混合物または亜鉛−銅合金の粒状の場合は4〜6kg/Lである前項7に記載の方法。
9.亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を備え、前記通液塔に金または銀を含有するシアン系廃液を通過させ、前記混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を捕集させて、前記廃液中の金または銀を回収するための装置。
本発明の方法では、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金は、金/銀を含有するシアン系廃液と接触することにより、金/銀と置換反応、または溶存するシアンイオンと反応し溶解するので、通液塔内には、金/銀が堆積し、通液塔内に充填した亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金は減少する。したがって、金/銀の含有率の高い金属残渣のみが堆積物として得られるため、後の回収精製工程が大幅に短縮できる。
また、本発明の方法によれば、イオン交換樹脂または活性炭のように、捕集したい金/銀以外の成分によって、金/銀の捕集が阻害されることがない、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を用いる。すなわち、廃液中の遊離シアン濃度が0.5g/L以上であっても、金/銀を効率よく回収することができる。このため、イオン交換樹脂または活性炭に比べて、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の単位量当たりの金/銀の捕集容量が多く、また、金/銀の捕集容量が安定し、回収効率が高くなる。
したがって、本発明の方法によれば、簡単な操作により、高い作業効率かつ回収率で、シアン系廃液から金/銀を回収することができる。
図1は、粒状の銅、線状の銅または線状の亜鉛−銅合金における金含有シアン系廃液中の金の捕集性を比較した結果を示す図である。 図2は、粒状の銅における、通液塔を用いた金含有シアン系廃液中からの金の回収量を示す図である。 図3は、線状の亜鉛−銅合金における、通液塔を用いた金含有シアン系廃液中からの金の回収量を示す図である。
本発明の方法は、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を含有するシアン系廃液を接触させて、前記混合物または合金に金または銀を捕集させる回収工程を含む。
本発明では、金/銀の捕集材として、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を容器に充填して使用する。
本発明によれば、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を捕集材として用いることにより、亜鉛の金を置換還元する性質と、銅の容器内に充填した構造を保持する性質の双方を利用できるものと推定される。
亜鉛を単独で捕集材として用いると、金/銀との置換反応だけでなく、両性金属でアルカリ性またはシアン系廃液でも溶解するので、消費が早く、また、空隙構造が変化し、容器内の充填率が低下したところに廃液が流れやすくなり、該容器から回収した廃液に金/銀が残留する恐れがある。
また、銅を単独で捕集材として用いると、銅はイオン化傾向が金/銀より大きいことで金/銀を還元するが、当該廃液には亜鉛より溶けにくく、充填した銅材の表面が金/銀で覆われてしまうと、還元反応が進みにくくなる。ただし容器内に充填してできた空隙構造は変化しにくい。
本発明で使用する、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の形状は特に限定されず、例えば、線状であっても粒状であってもよい。亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の線径および粒径は、金/銀を含有する廃液と接触して還元が起こりうる表面積に関係するため、適用する廃液やその目的等に応じて適宜設定することが好ましい。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の形状が線状の場合、線径は、30〜150μmであることが好ましく、より好ましくは50〜100μmであり、さらに好ましくは70〜80μmである。線径が30μm以上であることにより、市販品から入手することができ、150μm以下であることにより、置換反応が高効率で起こる表面積を確保することができる。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の形状が粒状の場合は、粒径は、1〜4mm程度が好ましく、より好ましくは2〜3mmである。粒径が1mm以上であることにより、捕集された金/銀で空隙構造を変化しにくくすることができ、4mm以下であることにより、置換反応が起こる表面積を確保することができる。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を容器に充填する際は、容器の容積空間をほぼ均等に埋め、かつ連続通水できる程度の空隙を形成させることが好ましい。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の充填量は、線状の場合は0.3〜0.5kg/Lが好ましい。充填量が0.3kg/L以上であることにより、容器の容積空間をほぼ均等に埋めることができ、0.5kg/L以下であることにより、連続通水できる程度の空隙を形成させることができる。
粒状の場合、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の充填量は、4.0〜6.0kg/Lが好ましく、より好ましくは4.5〜5kg/Lである。この範囲であることによって、容器の容積空間をほぼ均等に埋めることができる。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金において、混合物または合金の全質量に対する銅の質量比は、55〜80%であることが好ましく、JIS H3100に規定された銅合金C2600、C2680、C2720、C2801のいずれかであることがより好ましい。JIS H3100に規定された銅合金C2600、C2680、C2720、C2801のいずれかであれば、展延性により容器に充填しやすく、あるいは鉛の含有量が少なく、回収された金/銀を精製する工程での鉛の影響が小さいからである。
金または銀を含有するシアン系廃液のpHは、9〜14であることが好ましく、より好ましくは10〜12である。pHが9以上であることにより、亜鉛と金/銀との置換反応を促進することができる。
金/銀を含む廃液を容器に通すことで、還元剤である亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金と接触させて、金/銀を還元させ、還元した金/銀を容器内に集めて留めることができる。容器は密閉性を持たせることが好ましく、このことにより流速を任意に設定できるし、空気が接触的に容器内に入らないので、還元した金/銀の再溶出を防ぐことができる。また、容器は円筒形であることが好ましい。
前記容器として、金/銀の回収が容易に行えるという観点から、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を用いることが好ましい。すなわち、工程として、通液塔に、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填して、そこに金/銀を含有するシアン系廃液を通液し、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に金/銀を捕集させて、金/銀を回収するのが好ましい。
前記通液塔を用いて金/銀を回収する工程として、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を用意し、シアン系廃液を通液塔の上部から下部に向けて通液する。通液塔を通過したシアン系廃液は、金/銀が亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に捕集された後、廃水処理される。
このとき、廃水中の金濃度を定期的にモニタリングし、金/銀の流出が確認された時点で通液塔の亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金が金/銀の捕集能力がなくなったと判断し、シアン系廃液の通液を停止するのが好ましい。廃液を流し終わった後、容器内の堆積物は鉱酸(塩酸、硝酸)で溶解したり、熱で金属熔解後、金/銀を精製する。
再度シアン系廃液から金/銀を回収する作業を行なう場合は、上記工程を繰り返し行えばよい。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔に金または銀を含有するシアン系廃液を通す流速は、通液塔に入った廃液中の金/銀が還元されて、通液塔から排出した廃液には金/銀が含まれないように設定する。
設定すべき流速は、液量、処理前シアン系廃液中の金または銀濃度、処理前シアン系廃液中の遊離シアン濃度、およびアルカリ濃度に応じて適宜設定することができる。また、定量的かつ流路方向を固定して通液することにより、金/銀が還元され、遊離したシアンは、下流の亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を溶解するが、還元した金/銀の再溶出を防ぐことができる。
亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔に金または銀を含有するシアン系廃液を通す流速は、通常1時間当たり容器の30倍容量以下(SV30以下)で定量的に流すのが好ましく、5〜10倍容量(SV5〜10)がより好ましい。通液塔容器内で金/銀を捕集し、通液塔から排出した廃液には金/銀が含まれないようにするからである。
前記通液塔は、上部から下部、または下部から上部の一方通行の流路が取れる形状であるものである。通液塔の容積は特に制限されないが、通常1〜20Lであることが好ましい。通液塔の容積は1〜20Lの範囲であれば、治工具なく、取り扱いやすい作業を行うことができる。
前記通液塔としては、具体的には、例えば、ステンレス、または塩化ビニル製カラムを用いることができる。特に透明の塩化ビニル製カラムを用いることにより、カラム内の状態(色等)を容易に確認することができるという利点がある。
本発明の方法は、具体的には、例えば、以下のような条件により実施することができる。
金含有シアン系廃液(pH10〜12、金:10〜200mg/L、遊離シアン:1〜7g/L)から金を回収する場合、室温にて、
(1)通液塔に通過させる廃液の通液量は、好ましくは3.7〜4.2mとする。
(2)通液塔に充填する亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金が粒状の場合、粒径は好ましくは2〜3mm、線状の場合は、線径は好ましくは70〜90μmとする。
(3)亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金の充填量は、亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金が粒状の場合、好ましくは4.5〜5kg/L、線状の場合、好ましくは0.3〜0.5kg/Lとする。
(4)通液塔に通過させる廃液の送液速度は、好ましくは170〜330ml/分とする。
前記通液系を密閉系ではなく、開放系においても行うこともできる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[実施例1並びに比較例1及び2]
粒状の銅、線状の銅、または線状の亜鉛−銅合金における、金含有シアン系廃液中の金の捕集性の比較
捕集材として、粒状の銅(ナゲット銅(太)、粒径2〜3mm)、線状の銅(線径80μm、日本スチールウール(株)社製)、または線状の亜鉛−銅合金(亜鉛:銅(質量比)=35:65、線径80μm)1gを、シアン系廃液(遊離シアン濃度7.7g/L、pH11、金;390mg/L、銅;90mg/L、亜鉛;1700mg/Lを含有するシアン系廃液)50mLに1時間浸漬させ、処理後のシアン系廃液中の金濃度を、SPECTRO社製、ICP発光分光分析装置SPECTRO ARCOSを用いて測定することで、各還元金属材の金の捕集特性を調べた。
また、処理後のシアン系廃液中に含まれる銅、亜鉛の濃度を、SPECTRO社製、ICP発光分光分析装置SPECTRO ARCOSを用いて測定し、銅および亜鉛の溶解量を調べた。その結果を下記表1及び図1に示す。なお、表1においてΔ銅、Δ亜鉛とは、各金属の廃液への溶出量を示す。
表1及び図1に示すように、線状の銅(比較例2)は、粒状の銅(比較例1)より溶解しやすいが、これらの金の還元効率に差はないことが分かった。
また、亜鉛−銅合金(実施例1)は銅単独の場合(比較例1および2)と比較して、金の還元効率が非常に高いことが分かった。
また、シアン系廃液中の遊離シアン濃度が0.5g/Lよりも高い場合であっても、亜鉛−銅合金は、金を効率よく還元することが分かった。
なお、亜鉛−銅合金から廃液に溶出した、亜鉛と銅の質量比は、ほぼ35:65であり、用いた捕集材の通りであった。
[実施例2及び比較例3]
粒状の銅、線状の亜鉛−銅合金における、通液塔を用いた金含有シアン系廃液中から金の捕集量の比較
(比較例3)
比較例1で用いた粒状の銅を充填した、内径100mmの通液塔を用意し、まず、シアン系廃液(遊離シアン濃度1〜6g/L、pH10〜12)を下記に示す条件で通液塔の上部から下部に向けて通液した。シアン系廃液の通液に対する、廃水における金濃度および回収金量を図2に示す。
(通液条件)
粒状の銅の充填量:5kg/L
通液速度:320mL/分
SV:9.6
(実施例2)
実施例1で用いた線状の亜鉛−銅合金を充填した、内径100mmの通液塔を用意し、まず、シアン系廃液(遊離シアン濃度1〜6g/L、pH10〜12)を下記に示す条件で通液塔の上部から下部に向けて通液した。シアン系廃液の通液に対する、廃水における金濃度および回収金量を図3に示す。
(通液条件)
線状の亜鉛−銅合金の充填量:415g/L
通液速度(送液速度):320mL/分
SV:9.6
なお、図2および3において、入口金濃度とは、処理前のシアン系廃液中の金の濃度を示す。出口金濃度とは、処理後のシアン系廃液の廃水中の金の濃度を示す。回収金量(概算)とは、入口金濃度から出口金濃度を減じた値に通した液量を乗じた値を示す。
図2および図3に示すように、亜鉛−銅合金を捕集材として用いた実施例2は、銅を単独で捕集材として用いた比較例3と比較して、高い金回収率で金含有シアン系廃液中の金を回収できることが分かった。
また、図3に示すように亜鉛−銅合金を捕集材として用いることにより、金含有シアン廃液中の金濃度が変化しても、高い回収率で金を回収できることが分かった。
また、シアン系廃液中の遊離シアン濃度が0.5g/Lよりも高い場合であっても、亜鉛−銅合金は、金を効率よく還元することが分かった。

Claims (9)

  1. 亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を含有するシアン系廃液を接触させて、前記混合物または亜鉛−銅合金に金または銀を捕集させる工程を含む、前記廃液中の金または銀を回収する方法。
  2. 前記廃液のpHが9〜14である請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物または亜鉛−銅合金において、前記銅の質量比が55〜80%である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が、線状または粒状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が線状であり、前記混合物または亜鉛−銅合金の線径が30〜150μmである請求項4に記載の方法。
  6. 前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が粒状であり、前記混合物または亜鉛−銅合金の粒径が1〜4mmである請求項4に記載の方法。
  7. 前記工程が、前記混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を用意し、前記通液塔に前記廃液を通過させ、前記混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を捕集させる工程である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記通液塔内の前記混合物または亜鉛−銅合金の充填量が、前記混合物または亜鉛−銅合金の形状が線状の場合は0.3〜0.5kg/L、前記混合物または亜鉛−銅合金の粒状の場合は4〜6kg/Lである請求項7に記載の方法。
  9. 亜鉛および銅の混合物または亜鉛−銅合金を充填した通液塔を備え、前記通液塔に金または銀を含有するシアン系廃液を通過させ、前記混合物または亜鉛−銅合金に、金または銀を捕集させて、前記廃液中の金または銀を回収するための装置。
JP2014027011A 2014-02-14 2014-02-14 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法 Active JP6205290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014027011A JP6205290B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014027011A JP6205290B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015151582A true JP2015151582A (ja) 2015-08-24
JP6205290B2 JP6205290B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=53894175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014027011A Active JP6205290B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6205290B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017086497A1 (ko) * 2015-11-17 2017-05-26 삼덕금속(주) 용매추출에 의한 금의 회수방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110484729B (zh) * 2019-08-08 2020-08-07 东北大学 一种含氰贫液碱性锌盐-铜盐联合净化的方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5233802A (en) * 1975-09-09 1977-03-15 Kloeckner Humboldt Deutz Ag Process for deposition of metallic cement from solution to which precipitant has been added
JPS58210129A (ja) * 1982-05-31 1983-12-07 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 高純度金の製造方法
JPH10219363A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Nanao Kogyo Kk 溶液中の金属の回収方法および装置
JP2007016259A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Kyoei Metal Kk ヨウ素イオンを循環使用する金剥離液による金の回収方法システム
JP2007196107A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Kurita Water Ind Ltd セレン含有排水の処理方法及び処理装置
JP2008082975A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Dowa Holdings Co Ltd シアン系Au含有液に含有されるAuの分離方法及びシアン系Au含有液に含有されるAuの定量分析方法
JP2012239938A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kenji Takada 水質改善装置、水質改善方法、および金属イオン水生成装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5233802A (en) * 1975-09-09 1977-03-15 Kloeckner Humboldt Deutz Ag Process for deposition of metallic cement from solution to which precipitant has been added
JPS58210129A (ja) * 1982-05-31 1983-12-07 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 高純度金の製造方法
JPH10219363A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Nanao Kogyo Kk 溶液中の金属の回収方法および装置
JP2007016259A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Kyoei Metal Kk ヨウ素イオンを循環使用する金剥離液による金の回収方法システム
JP2007196107A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Kurita Water Ind Ltd セレン含有排水の処理方法及び処理装置
JP2008082975A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Dowa Holdings Co Ltd シアン系Au含有液に含有されるAuの分離方法及びシアン系Au含有液に含有されるAuの定量分析方法
JP2012239938A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kenji Takada 水質改善装置、水質改善方法、および金属イオン水生成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017086497A1 (ko) * 2015-11-17 2017-05-26 삼덕금속(주) 용매추출에 의한 금의 회수방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6205290B2 (ja) 2017-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nguyen et al. Simultaneous recovery of gold and iodine from the waste rinse water of the semiconductor industry using activated carbon
Aktas et al. Platinum recovery from dilute platinum solutions using activated carbon
JP5840761B2 (ja) 活性炭に吸着された金の回収方法及びそれを用いた金の製造方法
US6773485B2 (en) Method for recovering catalytic metals using a porous metal filter
JP6205290B2 (ja) 金または銀を含有するシアン系廃液からの金または銀の回収方法
US6800111B2 (en) Method for recovering catalytic metals
Conradie et al. Elution and electrowinning of gold from gold-selective strong-base resins
WO2011108112A1 (ja) タングステン酸アンモニウム水溶液の製造方法
TWI239552B (en) Methods for producing indium-containing aqueous solutions containing reduced amounts of metal impurities
JP6653778B1 (ja) 錫と共沈した触媒金属含有水溶液からの触媒金属の回収方法及び回収装置
JP2015048524A (ja) 活性炭に吸着された金の回収方法
JP6317964B2 (ja) パラジウムと白金の分離方法
JP3896423B2 (ja) パラジウム含有液からのパラジウム回収方法
Schoeman et al. The elution of platinum and palladium cyanide from strong base anion exchange resins
JP5786661B2 (ja) 白金族元素の分離回収方法
JPH02298226A (ja) 金含有ヨウ素浸出貴液の浄液方法
JP2016221438A (ja) 重金属の回収方法及び回収装置
JP2005002414A (ja) 溶液中の貴金属の回収方法
JP5835579B2 (ja) 白金族元素を含有する臭素酸水溶液の処理方法
JP6399352B2 (ja) 白金族元素の分離回収方法
US20230399719A1 (en) Process for recovering precious metal from an aqueous solution
JPH01111824A (ja) 金含有液からの金回収方法
JPH01270511A (ja) 銀及びパラジウム溶液からのスズの除去方法
JP5810639B2 (ja) セレン含有水の処理方法及び処理装置
JP2706276B2 (ja) 銀の除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6205290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250