JP2015151569A - 表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面処理皮膜にクロム化合物を含まず、(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性、(4)連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工を施した後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性に優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を提供する。
【解決手段】本発明の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき鋼板と、該亜鉛系めっき鋼板上の第1皮膜と、該第1皮膜上の第2皮膜とを含む表面処理皮膜と、を有する。第1皮膜は、炭酸ジルコニウム化合物(A)と、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有する第1の表面処理液から得る。第2皮膜は、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有し、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有しない第2の表面処理液から得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛系めっき鋼板の表面に形成された表面処理皮膜中に6価クロム等の公害規制物質を含まない環境調和型のモーターケース用途に適した表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法に関する。
従来、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、亜鉛系めっき鋼板の表面に、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理を施した鋼板が広く用いられてきた。しかしながら、最近の地球環境問題から、クロメート処理によらない無公害な表面処理鋼板、所謂クロムフリー処理鋼板を採用することへの要請が高まっている。
このような表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板(以下、単に「鋼板」ともいう。)は、自動車、家電製品、OA機器等の部品として使用する場合が多い。特にモーターケース等の部品として使用する場合には、絞り加工等のプレス成形が施される。例えば、鋼板の表面に潤滑油を塗布し、順送プレス機等で1分間に100個以上の成形品を製造する連続高速プレス成形を行う場合もある。この連続高速プレス成形のような過酷なプレス環境では、鋼板と金型の摺動によって表面処理皮膜が剥離したり、亜鉛系めっき層の一部が剥離するという問題があった。また、このような表面処理皮膜や亜鉛系めっき層の剥離により、成形品の一部表面に金属光沢が生じ外観を著しく損ねたり、耐食性の劣化を招いたりすることも問題であった。
また、剥離した表面処理皮膜や亜鉛系めっき層は潤滑油に蓄積される。これらの極微細な剥離物は、以後のプレス成形品に付着・残存して、表面の黒ずみとなることも、プレス成形後の外観を損ねていた。特に、速乾油を使用してプレス成形する工程においては最終工程にて洗浄を行わないが、黒ずみが発生した場合、黒ずみを除去する工程を設ける必要が生じ生産性が阻害される。また、除去しきれない黒ずみによる耐黒ずみ性の悪化も問題であった。
さらに、モーターケース用途の亜鉛系めっき鋼板は、未塗装で使用される場合がほとんどであり、表面外観が重視される。このため、モーターケース用途の亜鉛系めっき鋼板は、製造後からプレス成形まで表面の変質、変色がないことが求められる。したがって、モーターケース用途の亜鉛系めっき鋼板には平板部耐食性、耐黒変性および耐水しみ性の諸性能も求められる。
特許文献1には、水溶性ジルコニウム化合物、水分散性微粒子シリカ、シランカップリング剤、バナジン酸化合物、リン酸化合物、ニッケル化合物およびアクリル樹脂エマルションを特定の割合で含む水系表面処理液によって表面処理皮膜を形成し、平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた亜鉛系めっき鋼板を得る技術が記載されている。
特許文献2には、リチウムシリケート、シランカップリング剤、バナジウム化合物、チタン化合物およびワックスを配合した表面処理液によって表面処理皮膜を形成し、深絞り加工を施した場合の黒ずみ発生を抑制した亜鉛系めっき鋼板を得る技術が記載されている。特許文献3には、リチウムシリケートおよびケイ酸ナトリウムを主成分とし、さらにシランカップリング剤と、バナジウム化合物と、を含有する表面処理液によって表面処理皮膜を形成し、深絞り加工を施した場合の黒ずみ発生を抑制した亜鉛系めっき鋼板を得る技術が記載されている。
特開2008−169470号公報 特開2010− 37584号公報 特開2010−215973号公報
従来のプレス成形では、高粘度のプレス油を使用してプレス成形を行い、加工後に有機溶剤によりプレス表面を脱脂、洗浄するのが普通であった。このため、プレス表面に黒ずみ物質が付着しても、これを洗浄できれば問題はなく、洗浄しきれない黒ずみを抑制することで十分であった。しかし、近年は環境への関心の高まりより、速乾油を使用してプレス成形した後、有機溶剤による洗浄を省略する要請が生じつつある。この場合、プレス表面にはそもそも黒ずみ物質が付着しにくいことが求められる。しかも、速乾油は従来のプレス油より粘度が低いため、潤滑性が十分でなく、従来のプレス油よりも黒ずみを発生させ易い。よって、より高レベルな耐黒ずみ性の向上が求められている。ここで、特許文献1の技術はプレス成形後の黒ずみを抑制することを指向するものであるが、本発明者らの検討によれば、上記高レベルの耐黒ずみ性向上の観点からは改善の余地があることが判明した。
さらに、速乾油で板厚減少を伴うような厳しい加工を行う際には、局部的に非常に高い面圧がかかる場合がある。この場合、金型と鋼板の強い摺動によってかじりが発生し、亜鉛系めっき層の一部がフレーク状に剥離し、このフレーク状の剥離物が、以後のプレスで金型や成形品を傷つけてしまうという問題を生じることを、本発明者らは新たに知見した。特許文献1では、通常のプレス油で高速連続プレス成形した際の亜鉛系めっき層の剥離に伴う黒ずみを問題としている(特許文献1の段落[0003]参照)。しかし、黒ずみの原因となる剥離物は、目視では粒状にも見えないほどの極微細な粒状の剥離物であり、上記のような、速乾油を用いたことにより生じうるフレーク状の剥離物を抑制することについては、特許文献1は何ら考慮していない。
また、特許文献2および3の技術は、リチウムシリケートが主成分の表面処理液から表面処理皮膜を形成する技術である。シリケート系皮膜は、亜鉛系めっき層との密着性が十分でないことから、プレス成形時に高い面圧がかかる場合は、表面処理皮膜が剥離して亜鉛系めっき層が露出し、亜鉛系めっき層と金型の摺動によって亜鉛系めっき層よりフレーク状の剥離物が発生する(耐フレーク状めっき剥離性が劣る)という問題を生じる。
このように、鋼板をモーターケースの部品に使用する場合等に求められる上記全ての特性をバランス良く満足することが可能な技術は未だ確立されていない。
本発明は、従来技術に見られる上記問題を解決したものであり、表面処理皮膜にクロム化合物を含まず、(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性、(4)連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工を施した後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性に優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本出願人は先の出願(特願2013-248387)において、炭酸ジルコニウム化合物(A)と、リン酸化合物(B)と、テトラアルコキシシラン(C)と、エポキシ基を有するシランカップリング剤(D)とを含有し、リン酸化合物(B)の含有量が多い第1の表面処理液を用いて亜鉛系めっき鋼板上に第1皮膜を形成し、同種類の成分を有するがリン酸化合物(B)の含有量が少ない第2表面処理液を用いて、第1皮膜上に第2皮膜を形成して、表面処理皮膜として2層の積層皮膜を有する表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を開発した。この技術は、連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工を施した後の耐黒ずみ性および耐フレーク状めっき剥離性に優れ、耐黒変性の付着量依存性を抑制することが可能な表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を提供することを指向するものであった。
ここで本発明者らは、耐黒変性のさらなる向上を指向して第1皮膜および第2皮膜に必要な機能と組成を再検討した結果、以下の知見を見出した。第2皮膜を形成するための第2の表面処理液において、Zr成分としての炭酸ジルコニウム化合物を添加せず、替わりにSi成分としてのシラン化合物の含有量を多くしたところ、意外にも耐黒変性が向上することがわかった。しかも、このように第2皮膜にZr成分を含まないことによって、上記本発明が解決すべき課題に挙げた(1)〜(4)の特性を損ねることはなかった。これは、Zr成分を添加することによる効果は、第1皮膜にZr成分を含有することによって、支配的に得られているためと考えられる。
このような知見に基づき完成された本発明は、上記(1)〜(4)の特性をバランスよく達成する。すなわち、本発明は以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]亜鉛系めっき鋼板と、
該亜鉛系めっき鋼板上の第1皮膜と、該第1皮膜上の第2皮膜とを含む表面処理皮膜と、
を有する表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板であって、
前記第1皮膜は、炭酸ジルコニウム化合物(A)と、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有し、以下の(I)及び(II)の条件を満足するように調整された第1の表面処理液(X)を前記亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものであり、
前記第2皮膜は、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有し、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有せず、以下の(III)の条件を満足するように調整された第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものであり、
前記第1および第2皮膜の合計付着量が、片面当たり0.2〜2.0g/mであることを特徴とする表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
(I)前記第1の表面処理液(X)中の、前記リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(B/A)が0.30超え2.20以下
(II)前記第1の表面処理液(X)中の、前記シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(C/A)が0.02〜0.34
(III)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、前記リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)との比(C/B)が1.91〜30.5
[2]前記第1の表面処理液(X)が、ヒドロキシカルボン酸(D)、バナジン酸化合物(E)、およびニッケル化合物(F)の少なくとも1つを含有し、以下の(IV),(V),(VI)の条件を満足するように調整された上記[1]に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
(IV)前記第1の表面処理液(X)中の、前記ヒドロキシカルボン酸(D)の固形分質量(D)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(D/A)が0.05〜0.87
(V)前記第1の表面処理液(X)中の、前記バナジン酸化合物(E)のV換算の固形分質量(E)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(E/A)が0.02〜0.30
(VI)前記第1の表面処理液(X)中の、前記ニッケル化合物(F)のNi換算の固形分質量(F)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(F/A)が0.02〜0.16
[3]前記第2の表面処理液(Y)が、以下の(VII)の条件下でフッ素樹脂エマルション(G)を含有する上記[1]または[2]に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
(VII)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記フッ素樹脂エマルション(G)の固形分質量(G)と、前記第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(G/Y)が0.001〜0.100
[4]前記第2の表面処理液(Y)が、以下の(VIII)の条件下でワックス(H)を含有する上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
(VIII)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記ワックス(H)の固形分質量(H)と、前記第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(H/Y)が0.001〜0.100
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1項中の第1の表面処理液(X)を亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記亜鉛系めっき鋼板の表面に第1皮膜を形成する工程と、
上記[1]〜[4]のいずれか1項中の第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記第1皮膜の表面に第2皮膜を形成する工程と、
を有し、前記第1および第2皮膜からなる表面処理皮膜の合計付着量を、片面当たり0.2〜2.0g/mとすることを特徴とする表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、表面処理皮膜にクロム化合物を含まず、(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性、(4)連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工を施した後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性に優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<亜鉛系めっき鋼板>
本発明において、ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、そのめっき層中に亜鉛を含有する鋼板であればよく、特に制限はないが、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)またはこれを合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)等の亜鉛めっき鋼板、Zn−Niめっき鋼板、Zn−Al−Mgめっき鋼板(例えばZn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板、Zn−11質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板)、Zn−Alめっき鋼板(例えば、Zn−5質量%Al合金めっき鋼板、Zn−55質量%Al合金めっき鋼板)などを用いることが可能である。
また、亜鉛めっき層に少量の異種金属元素あるいは不純物としてニッケル、コバルト、マンガン、鉄、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅の1種または2種以上を含有してもよい。また、上記亜鉛めっき層のうち、同種または異種のものを2層以上めっきしてもよい。
<表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板>
本発明の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板は、前記亜鉛系めっき鋼板と、該亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に形成された表面処理皮膜とを有する。表面処理皮膜は、前記亜鉛系めっき鋼板上の第1皮膜と、該第1皮膜上の第2皮膜とを含む。第1皮膜は、後述の第1の表面処理液(X)を亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものである。第2皮膜は、後述の第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものである。
<第1の表面処理液(X)および第2の表面処理液(Y)>
第1の表面処理液(X)は、炭酸ジルコニウム化合物(A)と、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)と、水とを含有し、さらに必要に応じて、ヒドロキシカルボン酸(D)、バナジン酸化合物(E)、ニッケル化合物(F)の少なくとも1つを含有してもよい。第2の表面処理液(Y)は、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)と、水とを含有し、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有せず、さらに必要に応じて、フッ素樹脂エマルション(G)及び/又はワックス(H)を含有してもよい。
第1の表面処理液(X)は、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有する。炭酸ジルコニウム化合物を含有する表面処理液を用いると、一旦乾燥すると再度水には溶解し難い表面処理皮膜が得られるため、(1)平板部耐食性および(3)耐水しみ性に優れる。また、表面処理皮膜の密着性に優れるため、(4)プレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性に優れる鋼板を得ることができる。
炭酸ジルコニウム化合物(A)として、例えば、炭酸ジルコニウム化合物のナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの塩が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、炭酸ジルコニウムアンモニウムが耐水しみ性などの点から好ましい。
第1の表面処理液(X)は、リン酸化合物(B)を含有する。第1の表面処理液(X)中のリン酸化合物は、亜鉛系めっき層と接触すると亜鉛をエッチングして、鋼板表面に亜鉛と難溶性の金属塩からなる反応層を生成する。また、炭酸ジルコニウム化合物(A)との反応により、リン酸ジルコニウムを生成する。これら反応層およびリン酸ジルコニウムによって、(4)厳しいプレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性を向上させることができる。また、リン酸化合物は、表面処理皮膜中に、水に溶解しやすい状態で存在することにより、腐食時に溶解してきた亜鉛イオンを捕捉し不溶化するため、(1)平板部耐食性を向上することもできる。
リン酸化合物(B)は、第1の表面処理液(X)に溶解するものであれば特に制限はなく、無機リン酸および有機リン酸から選ばれる少なくとも1種を使用できる。無機リン酸化合物としては、例えば、リン酸、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ピロリン酸、ピロリン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩などの縮合リン酸塩、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩などを用いることができる。有機リン酸化合物としては、ホスホン酸またはホスホン酸塩を用いることができ、例えばニトリロトリスメチレンホスホン酸、ホスフォノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメリレンホスホン酸、メチルジホスホン酸、メチレンホスホン酸、エチリデンジホスホン酸、およびこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩などが挙げられる。耐フレーク状めっき剥離性に対しては、難溶性の金属塩をより形成し易いという観点より無機リン酸を使用することが好ましく、有機リン酸を使用する場合は、耐水しみ性、液安定性がより優れるという観点からホスホン酸を使用することが好ましい。
第1の表面処理液(X)では、リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)と、炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(B/A)を0.30超え2.20以下とする必要があり、0.50〜1.30とすることが好ましい。(B/A)が2.20を超えた場合は、リン酸化合物(B)が過剰であるため、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性が低下し、(4)のうち耐黒ずみ性も低下する。(B/A)が0.30以下の場合は、Zrが過剰で皮膜が脆くなるため、(1)平板部耐食性、(4)のうち耐フレーク状めっき剥離性および耐食性を十分に得ることができない。
第1の表面処理液(X)は、シラン化合物(C)を含有する。シラン化合物(A)は、第1皮膜形成時において、めっき層との密着性および極めて緻密に三次元架橋することによるバリア性を発揮する。シラン化合物(A)の種類は特に限定されず、アルコキシシラン、シランカップリング剤、およびこれらの加水分解物、縮合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。なかでも、亜鉛めっき鋼板の耐食性がより優れるという観点から炭素数1〜2のアルキル基を有するシラン化合物が好ましい。
第1の表面処理液(X)中では、シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(C/A)を0.02〜0.34とする必要があり、0.10〜0.25とすることが好ましい。(C/A)が0.02未満の場合は、第1皮膜層中のシラン化合物(C)が不足して、めっき層との密着性および第1皮膜の緻密性が低下するため、(1)平板部耐食性、(3)耐水しみ性、(4)のうち耐食性が低下する。(C/A)が0.34を超えた場合は、相対的に第1皮膜層中の炭酸ジルコニウム化合物(A)およびリン酸化合物(B)が不足するため、難溶性の金属塩が不足し、(1)平板部耐食性、(4)厳しいプレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性が低下する。
一方、第2の表面処理液(Y)は、リン酸化合物(B)およびシラン化合物(C)を含有し、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有しない。第2表面処理液(Y)に炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有せず、後述のようにシラン化合物(C)の含有量を多くすることによって、他の特性を損ねることなく(2)耐黒変性を向上させることができる。すなわち、第2の表面処理液(Y)中の、シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)との比(C/B)は1.91〜30.5とする必要があり、3.81〜15.3とすることが好ましい。(C/B)が1.91未満の場合、第2皮膜層中のリン酸化合物(B)が過剰かつシラン化合物(A)が不足し、第2皮膜の密度が低下するため、(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性、(4)のうち耐食性が低下する。(C/B)が30.5を超えた場合、第2皮膜層中のシラン化合物(A)が過剰となりすぎ、第1皮膜と第2皮膜との密着性が逆に低下するため、(4)厳しいプレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性が低下する。
このように本発明では、シラン化合物(A)およびリン酸化合物(B)の含有量を第1の表面処理液(X)と第2の表面処理液(Y)とで異ならせることが特徴の一つである。この配合比率が異なる表面処理液(X,Y)を用いて、それぞれ第1および第2皮膜を鋼板表面に積層することによって、単層皮膜では得られない効果を得ることができる。
具体的には、第1皮膜は、リン酸リッチな組成とする。そのため、より難溶性塩が形成しやすく、厳しいプレス成形後の耐フレーク状めっき剥離性および耐食性を十分に得ることができる。一方、第2皮膜は炭酸ジルコニウム化合物を含まずにシラン化合物リッチな組成とすることで、第1皮膜との密着性を重視して、耐黒変性をより向上させる。
第1の表面処理液(X)は、ヒドロキシカルボン酸(D)を含有してもよい。ヒドロキシカルボン酸(D)を含有することにより、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含む表面処理液中にリン酸化合物(B)を長期間安定して高濃度で配合することができる。すなわち、リン酸と炭酸ジルコニウムは、アルカリ溶液中ではリン酸ジルコニウムの結晶を析出しやすく、液安定性を低下させる傾向にあるが、ヒドロキシカルボン酸(D)を所定量配合することにより、炭酸ジルコニウムが液中で安定化され、リン酸ジルコニウムの析出を長期間安定して抑制することができるのである。リン酸化合物(B)を高濃度で配合できる結果、既述のように第1皮膜の密着性を高めることができ、そのため、(4)のうち耐フレーク状めっき剥離性および耐食性を向上させることができる。また、ヒドロキシカルボン酸(D)は、シラン化合物(C)および炭酸ジルコニウム化合物(A)の三次元架橋構造をより緻密にすると考えられ、そのため(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性の他、(4)のうち耐フレーク状めっき剥離性を一層向上させることができる。
ヒドロキシカルボン酸(D)は、例えば乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を用いることができる。
第1の表面処理液(X)中では、ヒドロキシカルボン酸(D)の固形分質量と、炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(D/A)が0.05〜0.87であることが好ましく、0.15〜0.40がより好ましい。(D/A)が0.05未満の場合は、表面処理液(X)の液安定性を長期間安定的に維持したまま、本発明で規定する(B/A)が0.30超え2.20以下となる量のリン酸化合物(B)を配合することができない。このため、(D/A)が、0.05未満の場合、本発明の効果を得るには、表面処理液(X)調整後3日以内に塗布、乾燥することが好ましい。(D/A)が、0.05以上の場合には、表面処理液(X)は1ヶ月以上安定して使用可能である。(D/A)が0.87を超えた場合には、第1の表面処理液(X)中においてZrが過剰に安定化され、第1皮膜形成性が劣り、特に(3)耐水しみ性が低下する。
第1の表面処理液(X)は、バナジン酸化合物(E)を含有してもよい。バナジン酸化合物は、第1皮膜中全域に亘り、水に溶解しやすい状態で存在し、亜鉛腐食時のインヒビターとして働くため、耐食性に優れた鋼板が得られる。バナジン酸化合物は、例えば、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、バナジウムアセチルアセトネートが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
第1の表面処理液(X)中では、バナジン酸化合物(E)のV換算の固形分質量(E)と炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(E/A)が0.02〜0.30であることが好ましく、0.03〜0.20がより好ましい。(E/A)が0.02未満の場合には、(1)平板部耐食性、(4)のうち耐食性が低下し、(E/A)が0.30を超えた場合には、(2)耐黒変性および(3)耐水しみ性が低下する。
第1の表面処理液(X)は、ニッケル化合物(F)を含有してもよい。ニッケル化合物(F)は第1の表面処理液(X)中でイオンとして存在し、亜鉛と接触した際に、その一部はイオン化傾向(この場合、Znが卑でNiが貴)によりニッケルが亜鉛の表面に置換析出し、あるいは亜鉛の表面に濃化して亜鉛の極表面を改質し、その結果、亜鉛の黒変を防止していると考えられる。ニッケル化合物は、例えば、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、リン酸ニッケルなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
第1の表面処理液(X)中では、ニッケル化合物(F)のNi換算の固形分質量(F)と炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(F/A)が0.02〜0.16であることが好ましく、0.03〜0.08がより好ましい。(F/A)が0.02未満の場合には、(2)耐黒変性が低下し、(F/A)0.16を超えた場合には、(1)平板部耐食性、および(4)のうち耐食性が低下する。
第2の表面処理液(Y)は、フッ素樹脂エマルション(G)を含有してもよい。フッ素樹脂エマルション(G)を含む第2皮膜は、表面エネルギーが低くなるため、油のぬれ拡がりが抑制され、すなわち油はじき性が向上する。特に、第2皮膜にフッ素樹脂エマルジョン(G)を含有させると、積層皮膜の表面側にフッ素樹脂を濃化させることができるため、表面エネルギー低減効果は単層皮膜よりも効果的となる。よって、該鋼板がモーターケースに用いられた場合、モーターの軸受部から潤滑油が染み出にくく、潤滑油が軸受部に適切に保持され、モーターの振動や騒音を抑制できる。
フッ素樹脂エマルション(G)は、フッ素化アクリレートモノマーの単独重合体またはフッ素化アクリレートモノマーとエチレン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のエチレン系モノマーとの共重合体であれば特に制限はなく、相溶性があれば乳化剤などの有無や種類に制限はない。
第2の表面処理液(Y)中では、フッ素樹脂エマルション(G)の固形分質量(G)と、第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(G/Y)を0.001〜0.100とする必要があり、0.003〜0.070とすることが好ましい。(G/Y)が0.001以上の場合は、油のぬれ拡がりを抑制する効果を十分に得ることができ、(G/Y)が0.100以下の場合は、樹脂由来の有機成分が多くなりすぎず、(4)のうち耐黒ずみ性が低下することがない。
また、フッ素樹脂エマルション(G)は、最低造膜温度(Minimum Film forming Temperature:MFT)が10〜50℃であることが好ましい。MFTが10℃以上であれば、(4)のうち耐黒ずみ性および耐フレーク状めっき剥離性の効果を確実に得ることができる。MFTが50℃以下であれば、(4)のうち耐食性が低下することがない。
第2の表面処理液(Y)は、連続高速プレス時の潤滑性能を更に向上させるためにワックス(H)を添加してもよい。ワックスとしては、液に相溶するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ラノリン系ワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックスなどが挙げられ、これらの1種以上を好適に使用することができる。また、前記ポリオレフィンワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられ、これら1種以上を使用することができる。
第2の表面処理液(Y)中では、ワックス(H)の固形分質量(H)と、第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(H/Y)が0.001〜0.100とすることが好ましく、0.003〜0.07とすることがより好ましい。(H/Y)が0.001以上の場合は、連続高速プレス時の潤滑性能が十分に高まり、(4)厳しいプレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性をより向上させることができる。(H/Y)が0.100以下であれば、有機成分が多くなりすぎることがないため、(4)のうち耐黒ずみ性が低下することがない。
第1および第2の表面処理液(X,Y)は、上記した成分を脱イオン水、蒸留水等の水中で混合することにより得られる。第1および第2の表面処理液(X,Y)の固形分割合は適宜選択すればよい。また、第1および第2の表面処理液(X,Y)のpHは特に制限はないが、pHを調整する場合は、アンモニアまたはその塩、既述のヒドロキシカルボン酸、既述のリン酸化合物の何れか1種以上を適宜使用すればよい。第1および第2の表面処理液(X,Y)には、必要に応じてアルコール、ケトン、セロソルブ、アミン系の水溶性溶剤、消泡剤、防菌防カビ剤、着色剤、均一塗工のための濡れ性向上剤、界面活性剤等を添加してもよい。ただし、これらは本発明で得られる品質を損なわない程度に添加することが重要であり、添加量は多くても表面処理液の全固形分に対して5質量%未満とすることが好ましい。第1および第2の表面処理液(X,Y)には、上記以外の固形分は含まないことが好ましい。
<表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法>
本発明の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法は、上記第1の表面処理液(X)を亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記亜鉛系めっき鋼板の表面に第1皮膜を形成する工程と、上記第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記第1皮膜の表面に第2皮膜を形成する工程と、を有する。
第1および第2皮膜の合計付着量は、片面当たり0.2〜2.0g/mとする。合計付着量が0.2g/m未満では、(1)平板部耐食性、(4)厳しいプレス成形後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性を十分に得ることができず、一方、2.0g/mを超えると、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性が低下する。
第1皮膜の付着量は片面当たり0.1〜1.5g/mとすることが好ましく、第2皮膜の付着量は片面当たり0.05〜1.0g/mとすることが好ましい。第1皮膜の付着量が0.1g/m未満であると、鋼板表面に亜鉛と難溶性の金属塩からなる反応層の量が少なく、耐フレーク状めっき剥離性に劣り、1.5g/mを超えると、リン酸量が増えて耐黒変性が低下する。第2皮膜の付着量が0.05g/m未満であると、バリア性が不十分であり耐黒変性、耐水しみ性に劣り、1.0g/mを超えると、全体のリン酸量が増えてやはり耐黒変性が低下する。
第1および第2の表面処理液(X,Y)を塗布する方法としては、処理される亜鉛系めっき鋼板の形状等によって適宜最適な方法を選択すればよく、ロールコート法、バーコート法、浸漬法、スプレー塗布法等が挙げられる。また、塗布後にエアーナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
加熱乾燥を行う手段としてはドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱温度は特に限定されないが、最高到達板温(Peak Metal Temperature:PMT)で50〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましく、60〜180℃が特に好ましい。250℃以下であれば、表面処理皮膜のクラックや皮膜成分の熱分解は生じにくく、本発明の諸性能は低下しない。一方、50℃以上であれば、表面処理皮膜の成分間の結合が不足することがないため、本発明の諸性能は低下しない。加熱時間は、使用される亜鉛系めっき鋼板の種類等によって適宜最適な条件が選択され、生産性等の観点からは、0.1〜60秒が好ましく、1〜30秒がより好ましい。
また、亜鉛系めっき鋼板に表面処理液を塗布する前に、必要に応じて、亜鉛系めっき鋼板表面の油分や汚れを除去することを目的とした前処理を亜鉛系めっき鋼板に施してもよい。亜鉛系めっき鋼板は、防錆目的で防錆油が塗られている場合が多く、また、防錆油で塗油されていない場合でも、作業中に付着した油分や汚れ等がある。上記の前処理を施すことにより、亜鉛系めっき層の表面が清浄化され、均一に濡れやすくなる。亜鉛系めっき鋼板表面に油分や汚れ等がなく、表面処理液が均一に濡れる場合は、前処理工程は特に必要はない。なお、前処理の方法は特に限定されず、例えば湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂洗浄等の方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明の効果を説明するが、本実施例はあくまで本発明を説明する一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(1)供試板
表1に示す各種亜鉛系めっき鋼板を供試板として使用した。なお、亜鉛系めっき層は鋼板の両面に形成され、表1中の付着量は片面当たりの亜鉛めっき層の付着量を意味する。
Figure 2015151569
(2)前処理(洗浄)
上記の供試板の表面を、日本パーカライジング(株)製パルクリーンN364Sを用いて処理し、表面の油分や汚れを取り除いた。次に、水道水で水洗して供試材表面が水で100%濡れることを確認した後、さらに純水(脱イオン水)を流しかけ、100℃雰囲気のオーブンで水分を乾燥した。
(3)表面処理液の調整
各成分を表2に示す組成(固形分質量比)にて水中で混合し、第1の表面処理液(X)および第2の表面処理液(Y)を得た。これらの表面処理液は、調整後、すぐに試験に使用した。第2の表面処理液(Y)には炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有させなかった。
以下に、表2で使用された化合物について説明する。
<炭酸ジルコニウム化合物(A)>
A1:炭酸ジルコニウムナトリウム
A2:炭酸ジルコニウムアンモニウム
<リン酸化合物(B)>
B1:リン酸(HPO
B2:リン酸二水素アンモニウム(NH(HPO))
B3:ジホスホン酸(C
<シラン化合物(C)>
C1:テトラエトキシシラン
C2:2−メチルプロピルトリエトキシシラン、
C3:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
C4:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
<ヒドロキシカルボン酸(D)>
D1:リンゴ酸
D2:酒石酸
D3:クエン酸
<バナジン酸化合物(E)>
E1:メタバナジン酸ナトリウム(NaVO
E2:メタバナジン酸アンモニウム(NHVO
<ニッケル化合物(F)>
F1:硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO・6HO)
F2:硫酸ニッケル六水和物(NiSO・6HO)
<フッ素樹脂エマルション(G)>
フッ素化アルキル基含有アクリレートとアクリル酸アルキルエステル共重合体として、最低造膜温度(MFT)が以下のものを用いた。
G1:MFT 5℃
G2:MFT 14℃
G3:MFT 33℃
G4:MFT 55℃
<ワックス(H)>
H1:ポリエチレンワックス(三井化学株式会社製、ケミパール(登録商標)W900)
H2:マイクロクリスタリンワックス(サンノプコ株式会社製 ノプコ(登録商標)1245−M−SN)
Figure 2015151569
Figure 2015151569
(4)処理方法
表2の「鋼板」欄に示した前処理後の各種供試材に、表2の各種第1の表面処理液(X)をバーコーターで塗布し、その後、水洗することなく、そのままオーブンに入れて、表2の「PMT」欄に示す最高到達板温(PMT:Peak Metal Temperature)で乾燥させ、表2に示す付着量(片面あたり)の第1皮膜を両面に形成した。次いで、第1皮膜の表面に、表2の各種第2の表面処理液(Y)をバーコーターで塗布し、その後、水洗することなく、そのままオーブンに入れて、表2の「PMT」欄に示す最高到達板温で乾燥させ、表2に示す付着量(片面あたり)の第2皮膜を両面に形成した。
(5)評価試験の方法
得られた表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板(以下、単に「サンプル」という。)に対して、以下の(5−1)〜(5−7)の評価を行った結果を、表2に併せて示す。
(5−1)平板部耐食性
各サンプルに対して、プレスを行わず平板の状態で、JIS−Z−2371−2000に準拠する塩水噴霧試験(SST)を実施した。120時間後の白錆発生面積率で平板部耐食性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上10%未満
○−:白錆面積率10%以上25%未満
△ :白錆面積率25%以上50%未満
× :白錆面積率50%以上100%以下
(5−2)耐黒変性
表面処理皮膜の膜厚が均一な各サンプルについて、プレスを行わず平板の状態で、80℃,98%RH環境下24時間保持前後のサンプル表面の色差△L(JIS−Z−8729−2004に規定するL、a、b表示系におけるCIE1976明度Lの差)の測定と目視観察にて、耐黒変性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎ :−1.0<△L≦1.0 かつ、ムラが無い均一な外観
○ :−1.5<△L≦−1.0 かつ、ムラが無い均一な外観
○−:−2.0<△L≦−1.5 かつ、ムラが無い均一な外観
△ :−3.0<△L≦−2.0 かつ、ムラが無い均一な外観
× :△L≦−3.0 または、外観ムラあり
(5−3)耐水しみ性
各サンプルについて、プレスを行わず平板の状態で、サンプル表面に脱イオン水を300μl滴下し、炉内温度100℃の熱風オーブンに10分間投入し、オーブンから取り出した後の水滴滴下跡を目視観察して、耐水しみ性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎ :水滴境界が見る角度によらず確認されない
○ :水滴境界が見る角度によって若干確認される
○−:水滴境界が見る角度によらず若干確認される
△ :水滴境界が見る角度によらずはっきり確認される
× :水滴境界が滴下範囲を超えてはっきり確認される
(5−4)耐黒ずみ性(連続高速プレス成形後の外観)
各サンプルに速乾性のプレス油(日本工作油株式会社製:無洗浄プレス工作油G−6231F)を塗油した状態で、以下のプレス条件の多段絞り成形を行い、金型に付着する汚れを拭き取ることなく10サンプル連続で成形した後、10個目のサンプル表面に付着した黒ずみの程度を目視で観察し、耐黒ずみ性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(プレス条件)
成形速度450mm/秒、ブランク径φ90mm
1段目:ポンチ径Φ49mm、ポンチとダイスのクリアランス1.0mm
2段目:ポンチ径Φ39mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
3段目:ポンチ径Φ32mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
4段目:ポンチ径Φ27.5mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
5段目:ポンチ径Φ24.4mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
(評価基準)
◎ :プレス直後でも黒ずみがサンプル表面に付着していない。
○ :プレス直後は黒ずみがサンプル表面に面積率で5%以下付着しているが、時間とともに黒ずみが鋼板表面から流れてほとんど確認できなくなる。
○−:プレス直後に黒ずみがサンプル表面に面積率で5%以下付着しており、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
△ :黒ずみがサンプル表面に面積率で5%超、15%以下付着して、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
× :黒ずみがサンプル表面に面積率で15%超付着して、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
(5−5)耐フレーク状めっき剥離性(平面引き抜き後の外観)
各サンプルに速乾性のプレス油(日本工作油株式会社製:無洗浄プレス工作油G−6231F)を塗油した状態で、以下の引き抜き条件で、金型に付着する汚れや剥離カスを拭き取ることなく同じ箇所を3回連続で平面引き抜きした後、サンプル表面に付着しためっき剥離カスの程度をルーペで拡大して目視観察し、耐めっき剥離性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(プレス条件)
ビード先端径0.5mm、押しつけ荷重200kgf、引き抜き速度16.7mm/秒、引き抜き距離100mm
(めっき剥離カスの評価基準)
◎ :めっき剥離カスが金属光沢を有さず、量が微量で細かい粒状である。
○ :めっき剥離カスが金属光沢を有さず、細かい粒状である。
○−:めっき剥離カスが金属光沢を有し、細かい粒状である。
△ :めっき剥離カスが金属光沢を有し、鱗片屑状である。
× :めっき剥離カスが金属光沢を有し、量が多くカンナ屑状である。
(5−6)連続高速プレス成形後の耐食性
上記「(5−4)耐黒ずみ性」に示した多段絞り成形を行ったサンプルに対して、速乾性のプレス油が乾いた後、各サンプルについてJIS−Z−2371−2000に準拠する塩水噴霧試験を実施した。16時間後の白錆発生面積率で、連続高速プレス成形後耐食性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上10%未満
○−:白錆面積率10%以上25%未満
△ :白錆面積率25%以上50%未満
× :白錆面積率50%以上100%以下
(5−7)耐油ぬれ拡がり性
電子式万能試験機(YONEKURA(株)製「CATY」)を用いて、各サンプルを延伸速度10mm/min、延伸率20%で延伸した。40℃での動粘度が51〜69mm/s、100℃での動粘度が11.1〜14.9mm/sの軸受け用油(NOKクリューバー(株)製「ALL TIME J 652」)を容器に入れ、鉛直に立てたサンプルの下端部を容器内の軸受け用油に浸した状態で85℃環境下3日間静置し、軸受け用油のしみ拡がり高さを測定した。評価基準は、以下のとおりである。
(評価基準)
◎ :滲み拡がり高さ0.5cm未満
○ :滲み拡がり高さ0.5cm以上1.5cm未満
○−:滲み拡がり高さ1.5cm以上3.0cm未満
△ :滲み拡がり高さ3.0cm以上4.5cm未満
× :滲み拡がり高さ4.5cm以上
(6)評価結果の考察
表2に示すように、本発明例では(1)平板部耐食性、(2)耐黒変性、(3)耐水しみ性、(4)連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工を施した後の耐黒ずみ性、耐フレーク状めっき剥離性、および耐食性に優れる。これに対し、いずれかの要件が本発明の適正範囲を逸脱した比較例は、上記いずれかの特性を十分に得ることができない。
本発明は、モーターケース等の部品用途のように、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を連続高速プレス成形に供する場合に有用である。

Claims (5)

  1. 亜鉛系めっき鋼板と、
    該亜鉛系めっき鋼板上の第1皮膜と、該第1皮膜上の第2皮膜とを含む表面処理皮膜と、
    を有する表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板であって、
    前記第1皮膜は、炭酸ジルコニウム化合物(A)と、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有し、以下の(I)及び(II)の条件を満足するように調整された第1の表面処理液(X)を前記亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものであり、
    前記第2皮膜は、リン酸化合物(B)と、シラン化合物(C)とを含有し、炭酸ジルコニウム化合物(A)を含有せず、以下の(III)の条件を満足するように調整された第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して得たものであり、
    前記第1および第2皮膜の合計付着量が、片面当たり0.2〜2.0g/mであることを特徴とする表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
    (I)前記第1の表面処理液(X)中の、前記リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(B/A)が0.30超え2.20以下
    (II)前記第1の表面処理液(X)中の、前記シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(C/A)が0.02〜0.34
    (III)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記シラン化合物(C)のSi換算の固形分質量(C)と、前記リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量(B)との比(C/B)が1.91〜30.5
  2. 前記第1の表面処理液(X)が、ヒドロキシカルボン酸(D)、バナジン酸化合物(E)、およびニッケル化合物(F)の少なくとも1つを含有し、以下の(IV),(V),(VI)の条件を満足するように調整された請求項1に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
    (IV)前記第1の表面処理液(X)中の、前記ヒドロキシカルボン酸(D)の固形分質量(D)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(D/A)が0.05〜0.87
    (V)前記第1の表面処理液(X)中の、前記バナジン酸化合物(E)のV換算の固形分質量(E)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(E/A)が0.02〜0.30
    (VI)前記第1の表面処理液(X)中の、前記ニッケル化合物(F)のNi換算の固形分質量(F)と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量(A)との比(F/A)が0.02〜0.16
  3. 前記第2の表面処理液(Y)が、以下の(VII)の条件下でフッ素樹脂エマルション(G)を含有する請求項1または2に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
    (VII)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記フッ素樹脂エマルション(G)の固形分質量(G)と、前記第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(G/Y)が0.001〜0.100
  4. 前記第2の表面処理液(Y)が、以下の(VIII)の条件下でワックス(H)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
    (VIII)前記第2の表面処理液(Y)中の、前記ワックス(H)の固形分質量(H)と、前記第2の表面処理液(Y)の全固形分質量(Y)との比(H/Y)が0.001〜0.100
  5. 請求項1〜4のいずれか1項中の第1の表面処理液(X)を亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記亜鉛系めっき鋼板の表面に第1皮膜を形成する工程と、
    請求項1〜4のいずれか1項中の第2の表面処理液(Y)を前記第1皮膜の表面に塗布し、加熱乾燥して、前記第1皮膜の表面に第2皮膜を形成する工程と、
    を有し、前記第1および第2皮膜からなる表面処理皮膜の合計付着量を、片面当たり0.2〜2.0g/mとすることを特徴とする表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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