JP2015151146A - 給湯器の梱包体 - Google Patents
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Abstract
【課題】運搬時に安定した姿勢で保持することができ、持ち運びしやすい給湯器の梱包体を提供する。【解決手段】重量があり縦長な給湯器9を梱包する梱包体1の梱包箱2は、左右側壁の下部に手掛穴241,251を開口し、上部に手掛穴242,252を開口する。基台3は、右側壁34と左側壁35で、梱包体1を組んだ場合に手掛穴241,251と重なる位置に、手掛穴341,351を開口する。運搬者は、下部の手掛穴241または251を介して手掛穴341または351に一方の手を差し込んで梱包体1を下支えし、他方の手を、対角位置にある上部の手掛穴252または242に手を差し込んで梱包体1を支えることで、梱包体1を膝上に持ち上げて運ぶことができ、且つ運搬時のふらつきを抑制できる。【選択図】図1
Description
本発明は、給湯器の梱包体に関する。
従来、給湯器は家屋の外壁に掛け留めたり、地面に据え置いたりして設置する。給湯器の設置業者は、給湯器をトラックやワゴン車等で設置先に運んで荷台から降ろし、段ボール等の梱包体で梱包した状態のまま設置場所に運んで開梱する。給湯器は、一般に、前後方向に短く、また左右方向よりも上下方向に長い、いわゆる縦長な形状を有し(例えば特許文献1参照)、例えば20kg以上の重さを有する。このように縦長な形状で重量のある給湯器を開梱時に梱包体から取り出しやすくするため、梱包体は、給湯器を載置する基台と、底部が開放する縦長な箱体を備える。基台に給湯器を載置した状態で給湯器と基台に箱体を被せて覆い、例えばPP(ポリプロピレン)バンドで基台と箱体を結束することで、給湯器は梱包体に梱包される。梱包体の箱体は、4つの側壁のうち内面同士が互いに向き合う2つの側壁のそれぞれの上部に、持ち運びのための手掛け穴を有する。設置業者は両手をそれぞれ手掛け穴に差し込んで梱包体を持ち上げ、設置場所に運ぶ。
しかしながら、設置業者が手掛け穴に両手を掛け、梱包体を両腕にぶら下げるようにして運ぶと、箱体の側壁に膝が当たりやすい姿勢となり、運搬しにくいという問題があった。また、階段等段差のある箇所では、梱包体を膝上に持ち上げて運搬する場合が多い。この場合に、設置業者が梱包体の底面に両手を差し込み梱包体を膝上に持ち上げて運搬すると、梱包体が縦長な形状であるため上部がふらつき、不安定であった。また、梱包体底面の汚れが手に付着し、開梱時に給湯器を汚してしまう可能性があった。
本発明は、上記問題点を解決するため、運搬時に安定した姿勢で保持することができ、持ち運びしやすい給湯器の梱包体を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明の給湯器の梱包体は、段ボール板紙によって形成される梱包体であって、給湯器を載置可能な台状に形成されて、前記給湯器を直立状態に保持する基台と、少なくとも前記給湯器の上部側の角部分に配置する緩衝部材と、天壁と4つの側壁を有し、底部が開放する直方体形状に形成した箱状体であり、前記緩衝部材および前記基台ごと前記給湯器の周囲を取り囲んで覆う梱包箱とを含んで構成され、前記梱包箱は、前記4つの側壁のうちの1つの側壁である第一側壁の下部に、前記第一側壁を貫通して開口する第一開口部と前記4つの側壁のうち前記第一側壁に対向する側壁である第二側壁の上部に、前記第二側壁を貫通して開口する第二開口部とを有することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記梱包箱は、前記第一側壁の上部に、前記第一側壁を貫通して開口する第三開口部と、前記第二側壁の下部に、前記第二側壁を貫通して開口する第四開口部とをさらに有することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記基台は、前記基台の側壁のうち前記第一側壁に対向する側壁である第三側壁を貫通して開口する第五開口部と、前記基台の側壁のうち前記第二側壁に対向する側壁である第四側壁を貫通して開口する第六開口部とを有し、前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記第一開口部は、前記第五開口部の開口位置と重なる位置に開口し、前記第四開口部は、前記第六開口部の開口位置と重なる位置に開口することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記第二開口部、前記第三開口部、前記第五開口部および前記第六開口部は、それぞれ、開口形状の上辺の少なくとも一部を残す前記開口形状の切り込みを設け、開口部位を内部側に折り込んで形成したことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項3または4に記載の発明の構成に加え、前記基台は、前記第三側壁および前記第四側壁の内部側で、前記第五開口部および前記第六開口部のそれぞれの開口位置に、前記第五開口部および前記第六開口部を介して外部からそれぞれ挿入される指を収納する第一収納部が設けられたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記緩衝部材は、前記梱包箱の内部で前記第二開口部および前記第三開口部のそれぞれの開口位置よりも上側に配置され、且つ、前記第二開口部および前記第三開口部を介して外部からそれぞれ挿入される指を収納する第二収納部を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項3から6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記基台は、底壁において、前記第三側壁側の端部と、前記第四側壁側の端部とに、それぞれ、前記底壁を貫通して開口する第七開口部を備えたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の給湯器の梱包体は、請求項3から7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記梱包箱において、前記第四開口部は、前記梱包箱の上下方向と直交する水平方向で前記第一開口部の対角となる位置に開口し、前記第三開口部は、前記第一開口部と前記上下方向に揃う位置に開口し、前記第二開口部は、前記水平方向で前記第三開口部の対角となる位置に開口することを特徴とする。
請求項1に係る発明の給湯器の梱包体において、運搬時に、運搬者は、第一側壁の下部に設けた第一開口部に一方の手を差し込んで梱包体を膝上に持ち上げ、下支えする。この状態では内部に梱包する給湯器の形状および重さに起因して梱包体の上部がふらつく可能性があるが、運搬者は、第二側壁の上部に設けた第二開口部に他方の手を差し込んで梱包体の上部を支えることができるので、梱包体のふらつきを抑制することができる。故に運搬者は運搬時に梱包体を安定した姿勢で運ぶことができる。また、膝上に持ち上げることで、梱包体の側壁に膝が当たらず、運搬しやすい。
請求項2に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項1に係る発明の効果に加え、運搬者は、第一開口部に右手を差し込み、第二開口部に左手を差し込んで梱包体を持ち運んでもよいし、第三開口部に右手を差し込み、第四開口部に左手を差し込んで梱包体を持ち運んでもよい。したがって、運搬者の利き手に応じた持ち方で梱包体を保持して運搬することができる。
請求項3に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項2に係る発明の効果に加え、運搬者は、第一開口部または第四開口部に手を差し込んで梱包体を持つ場合、第一開口部または第四開口部を介し、基部が有する第五開口部または第六開口部に手を差し込むことができる。したがって、運搬者が梱包体を持ち上げるとき、給湯器の重みを梱包箱と基台に分散して持ち上げることができるので、梱包箱の第一開口部または第四開口部に応力がかかって梱包箱が破れることを防止できる。
請求項4に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項3に係る発明の効果に加え、運搬者が開口部に手を差し込んで梱包体を持ち上げる場合に、指の掛かる部分が開口部位を折り込んだ折り曲げ部分になる。開口部形成によって生じたエッジ部分に指が当たらないので、運搬者は指が痛くなりにくい。また、内部側に折り込んだ開口部分が梱包箱の側壁を補強するので、梱包箱の破れを防止できる。
請求項5に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項3または4に係る発明の効果に加え、運搬者は、第五開口部および第六開口部に手を差し込んだ場合に第一収納部に指を収納できるので、梱包体を持ち運びしやすい。
請求項6に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項5に係る発明の効果に加え、運搬者は、第二開口部および第三開口部に手を差し込んだ場合に第二収納部に指を収納できるので、梱包体を持ち運びしやすい。
請求項7に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項3から6のいずれかに係る発明の効果に加え、運搬者は、基台の底壁に設けた第七開口部に手を差し込んで梱包体を持てば、梱包体を下方から支えつつ確実に保持することができ、梱包体を安定した姿勢で運ぶことができる。
請求項8に係る発明の給湯器の梱包体では、請求項3から7のいずれかに係る発明の効果に加え、運搬者が、第一開口部および第四開口部よりも第二開口部および第三開口部を運搬者に近い側に配置した向きで梱包体を持ち上げれば、梱包体の上部を運搬者側に傾けて梱包体を持つことができるので、梱包体の重みの一部を運搬者の胸部で支えることができ、ふらつきを抑制することができる。また、第二開口部と第三開口部に手を差し込んで梱包体をぶら下げるように持つ場合においても、梱包体を対角に挟み、給湯器の重心を両手の中心に位置させる持ち方で持つことができる。故に運搬者は運搬時に梱包体を安定した姿勢で運ぶことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の梱包体1は、ガスふろ給湯器(以下では単に「給湯器」とよぶ。)9を直立させた状態(上下方向の向きを設置時の向きにした状態)で内部に収容し、梱包するための箱体である。以下では説明の便宜上、給湯器9が梱包体1内に収容される向きを基準に梱包体1の向きを定めるものとする。具体的に、図1、図2において、左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方を、それぞれ、梱包体1の前方、後方、右方、左方とする。
図1、図2に示すように、梱包体1は、梱包箱2、基台3、緩衝部材4,5を備える。図1に示すように、梱包箱2は、段ボール板紙を直方体形状に組んだ箱体である。梱包箱2は、天壁21と4つの側壁(前側壁22、後側壁23、右側壁24、左側壁25)を備え、底部が開放する。梱包箱2は、上下方向の長さが左右方向および前後方向の長さよりも長く、また、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い、いわゆる縦長な形状を有する。
梱包箱2は、右側壁24と左側壁25のそれぞれの下部で前後方向の略中央に、梱包体1を運搬する運搬者が手を差し込むことができる手掛穴241,251を開口する。手掛穴241,251は、前後方向に長く上下方向に短い矩形形状で、角部内側が曲線状に丸めて形成されている。手掛穴241,251は、右側壁24,左側壁25のそれぞれの下部において、後述する基台3の手掛穴341,351の開口位置に対応する位置に開口し、手掛穴341,351を梱包体1の外部に露出する。手掛穴241,251は上下方向の大きさが基台3の手掛穴341,351よりも大きく、梱包体1を組んだ状態において、手掛穴241,251の上端がそれぞれ手掛穴341,351の上辺342,352の位置に配置される。
梱包箱2は、右側壁24と左側壁25のそれぞれの上部で前後方向の略中央に、梱包体1を運搬する運搬者が手を差し込むことができる手掛穴242,252を開口する。手掛穴242,252は、前後方向に延びる長円形状を有する。具体的に、手掛穴242,252は、上辺243,253を残して長円状の切り込みを設け、切り込み内に残る板部244,254を、上辺243,253を折り目にして梱包箱2内へ折り込むことによって開口する。梱包体1が給湯器9を内部に梱包した状態において、手掛穴242,252の上辺243,253の形成位置は、それぞれ、後述する緩衝部材4,5の右側壁44、左側壁54の下端441,551の位置に配置される。
図2に示すように、基台3は、梱包体1内で、給湯器9を直立させた状態で保持する台座として機能する。基台3は、段ボール板紙を折り込んで、梱包箱2より高さが低い台状に組んだ箱体である。基台3は、梱包箱2の天壁21と略同じ大きさで板状の底壁(図示略)と、高さが梱包箱2より低い4つの側壁(前側壁32、後側壁33、右側壁34、左側壁35)を有し、上部が開放する。基台3は、右側壁34および左側壁35のそれぞれの略中央に、前後方向に延びる長円形状を有し、梱包体1を運搬する運搬者が手を差し込むことができる手掛穴341,351(図1参照)を開口する。図1に示すように、手掛穴341,351は、上辺342,352を残して長円状の切り込みを設け、切り込み内に残る板部343,353を、上辺342,352を折り目にして梱包箱2内へ折り込むことによって開口する。前述した通り、手掛穴341,351の開口位置は、梱包体1を組んだ状態において、梱包箱2の手掛穴241,251を介して梱包体1の外部に露出する位置である。内部側に折り込んだ板部343,353が、右側壁34,左側壁35を補強するので、運搬時に基台3の破れを防止できる。また、前述したように、手掛穴241,251の上端がそれぞれ手掛穴341,351の上辺342,352の位置に配置されるため、運搬者が梱包体1を持ち上げるとき、給湯器9の重みを梱包箱2と基台3に分散して持ち上げることができる。故に、梱包箱2の手掛穴241,251に応力がかかって梱包箱2が破れることを防止できる。
基台3は、右側壁34の左側に、所定距離を離して右側壁34と向き合う右内壁344を配置する。同様に、基台3は、左側壁35の右側に、所定距離を離して左側壁35と向き合う左内壁354を配置する。右側壁34と右内壁344との間、および左側壁35と左内壁354との間の部位は、それぞれ、内部で前後方向両側において仕切られており、指を収納可能な間隙を有する収納部345,355が形成されている。前述した手掛穴341,351は、それぞれ、収納部345,355内に連通する。故に、梱包体1の運搬者は、梱包体1を持つ場合に、梱包箱2の手掛穴241,251および基台3の手掛穴341,351を通して収納部345,355内に指を挿入し、収納することができる。運搬者は、収納部345,355内で持ちやすい位置に指を配置することができ、梱包体1を持ち運びしやすい。
図2に示すように、基台3は、底壁(図示略)上で、前側壁32、後側壁33、右内壁344および左内壁354に囲まれた部分に、段ボール板紙を台状に組んだ載置部36を有する。載置部36は、基台3に給湯器9を載置した場合に、給湯器9の底面が当接する部位である。載置部36は、それぞれ、右内壁344,左内壁354よりも上下方向の長さが短い。右内壁344で載置部36よりも上方に突出する部分は、基台3に給湯器9を載置した場合に、給湯器9の右側面で下側の角部が当接する。同様に、左内壁354で載置部36の上方に突出する部分は、基台3に給湯器9を載置した場合に、給湯器9の左側面で下側の角部が当接する。
また、基台3は、載置部36の後側に、段ボール板紙をブロック状に組み、右側壁34,左側壁35の端部間を接続する後接部347を有する。後接部347は、基台3に給湯器9を載置した場合に、それぞれ給湯器9の背面に当接する。さらに、載置部36の前側(前側壁32寄り)の部位には、給湯器9の前面パネルから上下左右方向に突出する鍔状の部位が係合する溝部(図示略)が形成されている。溝部は載置部36から接続して右内壁344、左内壁354にも形成されている。このように基台3は、載置部36上に給湯器9を載置した場合に、給湯器9の下側の右角部と左角部を位置決めして直立状態に保持する。梱包体1を組んだ場合に、基台3は外面が梱包箱2の内面に当接する。よって、基台3が保持する給湯器9は、下側の角部が基台3を介して梱包箱2の内面に位置決めされる(図1参照)。
図1、図2に示すように、緩衝部材4,5は、梱包体1内で給湯器9上部の右角部と左角部に配置し、梱包箱2内面から給湯器9を離した状態に位置決めする部材として機能する。緩衝部材4,5は、それぞれ基台3の両側の端部と同様な構成で段ボール板紙を折り込んで、梱包箱2よりも高さが低く、且つ左右方向の長さも短いブロック状に組んだ箱体である。
図2に示すように、緩衝部材4は、前後方向において梱包箱2の天壁21と略同じ大きさに延びる板状の天壁41と、高さが梱包箱2より低い4つの側壁(前側壁42、後側壁43、右側壁44、左側壁45)を有する。緩衝部材4は、右側壁44の左側に、所定距離を離して右側壁44と向き合う右内壁444を配置する。右側壁44および右内壁444は、左側壁45よりも上下方向に長く延びる。前側壁42の形状は、左側壁45と右内壁444との間で上下方向の長さの異なる部分が欠けた略L字状の凹多角形である。左側壁45は、後端部において下方に突出し、下端が右側壁44および右内壁444の下端に揃う。よって、後側壁43の形状は矩形である。緩衝部材5も同様に、前後方向において梱包箱2の天壁21と略同じ大きさに延びる板状の天壁51と、高さが梱包箱2より低い4つの側壁(前側壁52、後側壁53、左側壁54、右側壁55)を有する。緩衝部材5は、左側壁54の右側に、所定距離を離して左側壁54と向き合う左内壁554を配置する。左側壁54および左内壁554は、右側壁55よりも上下方向に長く延びる。前側壁52の形状は、右側壁55と左内壁554との間で上下方向の長さの異なる部分が欠けた略L字状の凹多角形である。右側壁55は、後端部において下方に突出し、下端が左側壁54および左内壁554の下端に揃う。よって、後側壁53の形状は矩形である。
緩衝部材4は、左側壁45の下端と右内壁444の側面とを接続し、水平方向に延びる板状の天接部446を有する。同様に、緩衝部材5は、右側壁55の下端と左内壁554の側面とを接続し、水平方向に延びる板状の天接部556を有する。給湯器9の上部右角部は、天接部446と右内壁444とに当接し、上部左角部は、天接部556と左内壁554とに当接する。天接部446の前側(前側壁42寄り)の部位と、天接部556の前側(前側壁52寄り)の部位には、それぞれ、給湯器9の前面パネルから上下左右方向に突出する鍔状の部位が係合する溝部(図示略)が形成されている。溝部は天接部446,556から接続して左側壁45,右側壁55にもそれぞれ形成されている。また、給湯器9背面の上部は、緩衝部材4の左側壁45と緩衝部材5の右側壁55がそれぞれ後端部において下方に突出する部分に当接する。このように緩衝部材4,5は、それぞれ給湯器9上部の右角部と左角部を覆うように配置される。梱包体1を組んだ場合に、緩衝部材4,5は外面が梱包箱2の内面に当接する。よって、緩衝部材4,5に当接する給湯器9は、上部の右角部と左角部がそれぞれ緩衝部材4,5を介して梱包箱2の内面に位置決めされる(図1参照)。
図1に示すように、右側壁44と右内壁444との間、および左側壁54と左内壁554との間の部位は、それぞれ、内部で前後方向両側において仕切られており、指を収納可能な間隙を有する収納部445,555が形成されている。梱包箱2の手掛穴242,252の上辺243,253は、梱包体1を組んだ状態において、それぞれ、緩衝部材4,5の右側壁44,左側壁54の下端441,551(図1参照)に位置する。梱包箱2の内部へ折り込んだ板部244,254は、それぞれ、右側壁44,左側壁54の下端441,551から収納部445,555内に挿入される。言い換えると、緩衝部材4,5の右側壁44,左側壁54の下端441,551は、梱包箱2の右側壁24,左側壁25と板部244,254との間に挟まれる。これにより、内部側に折り込んだ板部244,254が、緩衝部材4,5の右側壁44,左側壁54とともに梱包箱2の右側壁24,左側壁25を補強するので、運搬時に梱包箱2の破れを防止できる。また、手掛穴242,252の切り込み形成によって生じたエッジは、板部244,254の折り目に覆われて露出しない。運搬者は、梱包体1を持つ場合、梱包箱2の手掛穴242,252を通して収納部445,555内に指を挿入し、収納することができる。故に運搬者は、収納部445,555内で持ちやすい位置に指を配置することができ、梱包体1を持ち運びしやすい。また、運搬者の指が掛かる部分には板部244,254を折り込んだ折り目が配置される。故に、手掛穴242,252の形成によって生じたエッジ部分に指が当たらないので、運搬者は指が痛くなりにくい。
このような構成の梱包体1を持ち運ぶ場合、運搬者は、梱包箱2上部の手掛穴242,252と、梱包箱2下部の手掛穴241,251および基台3の手掛穴341,351とを任意に組み合わせて手を差し込み、多様な持ち方で運搬することができる。例えば、梱包体1を運搬用のトラック等の荷台から降ろす場合、運搬者は、梱包箱2下部の手掛穴241または251を介して基台3の手掛穴341または351に手を掛け、手を痛めず容易に荷台奥から梱包体1を引き出すことができる。例えば、平坦な場所で梱包体1を運搬する場合、運搬者は、梱包箱2上部の手掛穴242と252に手を差し込み、梱包体1を両腕にぶら下げることで、梱包体1を高く持ち上げずとも運搬することができる。
そして、階段等、段差のある場所を運搬する場合、図3に示すように、運搬者は、例えば、梱包箱2の手掛穴241を介して基台3(図1参照)の手掛穴341に左手を差し込み、右手を対角位置の手掛穴252に差し込んで、梱包体1の底部を膝上に持ち上げる。梱包体1は、給湯器9を梱包するため、重量があって縦長な形状である。故に、このような持ち方をすることで、運搬者は、基台3の手掛穴341に差し込んだ右手で梱包体1を下支えし、左手で手掛穴252を持って梱包体1の上部を支えることができるので、梱包体1のふらつきを抑制することができる。これにより、運搬者は、梱包体1を安定した姿勢で運ぶことができる。また、梱包体1を膝上に持ち上げることで、梱包箱2の側壁(特に前側壁22または後側壁23)に膝が当たらないので、梱包体1を運搬しやすい。
また、運搬者は、梱包箱2の手掛穴251を介して基台3の手掛穴351に右手を差し込んで下支えし、左手を対角位置にある梱包箱2の手掛穴242に差し込んで梱包体1を持ち、上部のふらつきを抑制してもよい。梱包体1が、梱包箱2の上部において左右二カ所に手掛穴242,252を有し、下部において左右二カ所に手掛穴241,251に重なる基台3の手掛穴341,351を有することで、運搬者は、利き手に応じた持ち方で梱包体1を保持して運搬することができる。
本実施形態において、右側壁24が本発明における「第一側壁」に相当し、左側壁25が「第二側壁」に相当する。手掛穴241が「第一開口部」に相当し、手掛穴252が「第二開口部」に相当する。手掛穴242が「第三開口部」に相当し、手掛穴251が「第四開口部」に相当する。右側壁34が「第三側壁」に相当し、左側壁35が「第四側壁」に相当する。手掛穴341が「第五開口部」に相当し、手掛穴351が「第六開口部」に相当する。板部244,254,343,353が、「開口部位」に相当する。収納部345,355が「第一収納部」に相当し、収納部445,555が「第二収納部」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、基台3の底壁(図示略)に、手掛穴を設けてもよい。この場合、右側の手掛穴は、底壁の右側縁端寄りの位置で、右側壁34と右内壁344との間の収納部345内に連通する位置に開口するとよい。右側の手掛穴は、右側壁34寄りの側辺を残して本実施形態同様の長円状の切り込みを設け、切り込み内に残る板部を、側辺を折り目にして収納部345内へ折り込んで開口する。同様に、左側の手掛穴は、底壁の左側縁端寄りの位置で、左側壁35と左内壁354との間の収納部355内に連通する位置に開口するとよい。左側の手掛穴も、左側壁35寄りの側辺を残して長円状の切り込みを設け、切り込み内に残る板部を、側辺を折り目にして収納部355内へ折り込んで開口する。なお、この場合、梱包箱2の手掛穴241,251(図2参照)は設けない。運搬者は、梱包体1を運ぶ場合に、底壁に設けた左右の手掛穴に手を差し込んで梱包体1を持てば、梱包体1を下方から支えつつ確実に保持することができるので、梱包体1を安定した姿勢で運ぶことができる。また、収納部345,355内に折り込んだ板部が梱包箱2の右側壁24,左側壁25とともに右側壁34,左側壁35を補強するので、運搬時に梱包箱2や基台3の破れを防止できる。さらに、運搬者は、収納部345,355内で持ちやすい位置に指を配置することができ、梱包体1を持ち運びしやすい。そして、運搬者の指が掛かる部分には板部を折り込んだ折り目が配置されるので、底壁左右の手掛穴の形成によって生じたエッジ部分に指が当たらず、指が痛くなりにくい。本変形例において、基台3の底壁に手掛穴を設けた場合の右側壁34,左側壁35が、それぞれ、請求項7における「第五側壁」,「第六側壁」に相当する。また、基台3の底壁に手掛穴を設けた場合の当該手掛穴が「第七開口部」に相当する。
また、図4に示すように、梱包箱702の右側壁724の上部に設ける手掛穴742を後方寄りの位置に形成し、左側壁725の上部に設ける手掛穴752を、前方寄りの対角位置に形成してもよい。同様に、梱包箱702の右側壁724の下部に設ける手掛穴741を後方寄りの位置に形成し、左側壁725の下部に設ける手掛穴751を、前方寄りの対角位置に形成してもよい。右側壁724において、上部の手掛穴742と下部の手掛穴741は、上下方向に揃う位置に開口する。また、左側壁725において、上部の手掛穴752と下部の手掛穴751も、上下方向に揃う位置に開口する。あるいは、手掛穴742を右側壁724上部の前方寄りの位置に形成し、手掛穴752を後方寄りの対角位置に形成してもよい。この場合には、手掛穴741を右側壁724下部の前方寄りの位置に形成し、手掛穴751を後方寄りの対角位置に形成する。すなわち、右側壁724上部の手掛穴742の形成位置と、左側壁725下部の手掛穴751の形成位置とが、水平方向において対角位置となるように形成する。同様に、左側壁725上部の手掛穴752の形成位置と、右側壁724下部の手掛穴741の形成位置とが、水平方向において対角位置となるように形成する。なお、図示しないが、基台3の手掛穴341,351は、本実施形態同様に、手掛穴741,751の形成位置と重なる位置に形成する。
このように、梱包箱702の下部の手掛穴741と上部の手掛穴752を水平方向において対角となる位置にそれぞれ形成し、同様に、上部の手掛穴742と下部の手掛穴751を水平方向の対角位置にそれぞれ形成する。上部の手掛穴742または752を運搬者に近い側に配置した向きで梱包体1を持ち上げれば、運搬者は、梱包体1の上部を運搬者側に傾けて梱包体1を持つことができ、梱包体1の重みの一部を運搬者の胸部で支えられるので、ふらつきを抑制できる。また、梱包箱702の上部の手掛穴742,752に手を差し込んで梱包体1をぶら下げるように持つ場合、運搬者は、梱包体1を対角に挟み、給湯器9の重心を両手の中心に位置させる持ち方で持つことができる。故に運搬者は運搬時に梱包体1を安定した姿勢で運ぶことができる。なお、本変形例において、手掛穴751が、請求項8における「第四開口部」に相当し、手掛穴741が、請求項8における「第一開口部」に相当する。手掛穴742が、請求項8における「第三開口部」に相当し、手掛穴752が、請求項8における「第二開口部」に相当する。
梱包体1を構成する梱包箱2、基台3および緩衝部材4,5は、段ボール板紙を組んだものであるが、板紙状態から梱包箱2、基台3および緩衝部材4,5それぞれの形状に形成する組み方については言及しない。段ボール板紙を組んだ結果、梱包箱2、基台3および緩衝部材4,5それぞれが上記説明した形状をなし、構成部位(手掛穴等)が本実施形態で説明した部位に形成されればよい。また、梱包箱2、基台3および緩衝部材4,5は、それぞれ、一枚の段ボール板紙を組んで形成してもよいし、二枚以上の段ボール板紙を組んで形成してもよい。
また、梱包体1は、給湯器9を基台3に載せ、上部角部に緩衝部材4,5を配置し、梱包箱2を被せて全体を覆った。この状態で、梱包箱2および基台3の周囲にPPバンドを巻いて、梱包体1を固定してもよい。または、梱包箱2と基台3とを接着剤、ステープル等で接着または固定してもよい。あるいは、梱包箱2および基台3の周囲をラップ等で包み、梱包体1を固定してもよい。また、基台3と緩衝部材4,5は、上記説明した手掛穴、収納部等の部位を有する発泡スチロールを用いて形成してもよい。また、梱包体1は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック素材で作成した段ボール板紙を組んで形成してもよい。
1 梱包体
2,702 梱包箱
3 基台
4,5 緩衝部材
5 緩衝部材
9 給湯器
21 天壁
24,34 右側壁
25,35 左側壁
241,242,251,252,
341,351,
741,742,751,752 手掛穴
244,254,343,353 板部
345,355,445,555 収納部
2,702 梱包箱
3 基台
4,5 緩衝部材
5 緩衝部材
9 給湯器
21 天壁
24,34 右側壁
25,35 左側壁
241,242,251,252,
341,351,
741,742,751,752 手掛穴
244,254,343,353 板部
345,355,445,555 収納部
Claims (8)
- 段ボール板紙によって形成される梱包体であって、
給湯器を載置可能な台状に形成されて、前記給湯器を直立状態に保持する基台と、
少なくとも前記給湯器の上部側の角部分に配置する緩衝部材と、
天壁と4つの側壁を有し、底部が開放する直方体形状に形成した箱状体であり、前記緩衝部材および前記基台ごと前記給湯器の周囲を取り囲んで覆う梱包箱と
を含んで構成され、
前記梱包箱は、
前記4つの側壁のうちの1つの側壁である第一側壁の下部に、前記第一側壁を貫通して開口する第一開口部と
前記4つの側壁のうち前記第一側壁に対向する側壁である第二側壁の上部に、前記第二側壁を貫通して開口する第二開口部と
を有することを特徴とする給湯器の梱包体。 - 前記梱包箱は、
前記第一側壁の上部に、前記第一側壁を貫通して開口する第三開口部と、
前記第二側壁の下部に、前記第二側壁を貫通して開口する第四開口部と
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の給湯器の梱包体。 - 前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記基台は、
前記基台の側壁のうち前記第一側壁に対向する側壁である第三側壁を貫通して開口する第五開口部と、
前記基台の側壁のうち前記第二側壁に対向する側壁である第四側壁を貫通して開口する第六開口部と
を有し、
前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記第一開口部は、前記第五開口部の開口位置と重なる位置に開口し、前記第四開口部は、前記第六開口部の開口位置と重なる位置に開口することを特徴とする請求項2に記載の給湯器の梱包体。 - 前記第二開口部、前記第三開口部、前記第五開口部および前記第六開口部は、それぞれ、開口形状の上辺の少なくとも一部を残す前記開口形状の切り込みを設け、開口部位を内部側に折り込んで形成したことを特徴とする請求項3に記載の給湯器の梱包体。
- 前記基台は、前記第三側壁および前記第四側壁の内部側で、前記第五開口部および前記第六開口部のそれぞれの開口位置に、前記第五開口部および前記第六開口部を介して外部からそれぞれ挿入される指を収納する第一収納部が設けられたことを特徴とする請求項3または4に記載の給湯器の梱包体。
- 前記梱包体が前記給湯器を梱包した状態において、前記緩衝部材は、前記梱包箱の内部で前記第二開口部および前記第三開口部のそれぞれの開口位置よりも上側に配置され、且つ、前記第二開口部および前記第三開口部を介して外部からそれぞれ挿入される指を収納する第二収納部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の給湯器の梱包体。
- 前記基台は、底壁において、前記第三側壁側の端部と、前記第四側壁側の端部とに、それぞれ、前記底壁を貫通して開口する第七開口部を備えたことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の給湯器の梱包体。
- 前記梱包箱において、前記第四開口部は、前記梱包箱の上下方向と直交する水平方向で前記第一開口部の対角となる位置に開口し、
前記第三開口部は、前記第一開口部と前記上下方向に揃う位置に開口し、
前記第二開口部は、前記水平方向で前記第三開口部の対角となる位置に開口することを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の給湯器の梱包体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014025192A JP2015151146A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 給湯器の梱包体 |
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JP (1) | JP2015151146A (ja) |
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- 2014-02-13 JP JP2014025192A patent/JP2015151146A/ja active Pending
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