JP2015150996A - 風圧荷重によるトロリ線偏位の推定方法及び推定装置、電気鉄道のトロリ線割り込み事故防止のための運転規制方法及び運転規制装置 - Google Patents
風圧荷重によるトロリ線偏位の推定方法及び推定装置、電気鉄道のトロリ線割り込み事故防止のための運転規制方法及び運転規制装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 トロリ線に当たっている風に起因するトロリ線偏位を推定する方法を提供する。また、電気鉄道のトロリ線がパンタグラフすり板から外れてしまう割り込み事故防止のための、より合理的な運転規制方法を提供する。【解決手段】 トロリ線20をレール直角方向に支持する曲線引金具25にかかる荷重を測定する。測定した荷重から、トロリ線20にかかる風圧荷重を分布荷重として推定する。推定した風圧荷重によるトロリ線の最大偏位を推定する。推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定める。【選択図】図1
Description
本発明は、電気鉄道におけるトロリ線(架線)に当たっている風の荷重(風圧荷重)に起因するトロリ線偏位を推定する方法及び推定装置に関する。また、電気鉄道のトロリ線がパンタグラフすり板から外れてしまう割り込み事故防止のための運転規制方法及び運転規制装置に関する。
台風や春一番、冬の季節風などの強風時には、鉄道列車の運休や徐行などの運転規制が行われることがある。例えば、JR東日本株式会社の在来線では、沿線に設置した風速計の測定風速20km/s以上で徐行、25km/s以上で運転見合わせとしている(2013年10月現在の同社HP「よくいただくお問い合わせ」)。大きい川の鉄橋や高い高架線路では特に風が強くなるため、運転見合わせとなりやすい路線や区間も存在するようである。
このような強風による列車の運転規制(運休,徐行)は,車両の脱線・転覆を防ぐためだけでなく,風による架線のはらみ(横ズレ)により生じうるパンタグラフの架線外れ事故(「架線割り込み事故」という)を防ぐためにも行われる。転覆・脱線については車両条件や風向などにより風速規制値の細分化を行うことで過剰な運転規制を抑制しようとする動きがある(下記非特許文献1参照)。しかし,架線割り込み事故については,同事故を防止しつつ過剰な運転規制を避ける方策の提案は、今のところなされていないと思われる。
日比野,"強風時の新しい運転規制方法の検討",JREast Technical Review,2011年4月
日比野,"強風時の新しい運転規制方法の検討",JREast Technical Review,2011年4月
ここで、代表的なパンタグラフの舟体の構造を参照しつつ、架線割り込み事故の形態について説明する。
図7は、パンタグラフの上部(舟体付近)の構造の例を示す正面図である。
このパンタグラフ1は、トロリ線20と摺動するすり板体11を保持する舟体10を備える。舟体10は、電気鉄道車両の屋根に起立倒伏可能に設置された枠組(図示されず)に支持されている。
図7は、パンタグラフの上部(舟体付近)の構造の例を示す正面図である。
このパンタグラフ1は、トロリ線20と摺動するすり板体11を保持する舟体10を備える。舟体10は、電気鉄道車両の屋根に起立倒伏可能に設置された枠組(図示されず)に支持されている。
舟体10は、車体の幅方向(車幅方向)に沿って延びる箱状体である。舟体10は、一例でアルミニウム合金等で作製される。舟体10の上面には、すり板11が取り付けられている。すり板11は、一例で鉄系や銅系の焼結合金、あるいは、カーボン系材料等で作製される。このすり板11がトロリ線20に直接接触する。舟体10は、両端付近で左右の舟支え13に支持されているものや、中央付近で支持されているもの(図示されず)がある。左右方向を外方向に延びるホーン14は、舟支え13に取り付けられているものや、舟体10に取り付けられているもの(図示されず)がある。
トロリ線20及びパンタグラフ1に関する車幅方向の数値例について説明する。まず、トロリ線20は、すり板11の偏摩耗防止のため、車幅方向に±250mm(一例)の「左右偏位」(トロリ線の平面視でジグザグ形、図4参照)を設けて設置されている。図7中では、「B1」でトロリ線20の偏位幅を示す。すり板11の幅「B2」は、トロリ線偏位幅B1よりも広い±675mm(一例)である。左右のホーン14の最外端間の幅B3は、±940mm(一例)である。なお、車両は左右に揺れる(ローリング)ので、その際にパンタグラフ舟体の車幅方向中心も左右に150mm程度動くことがある。その他、軌道曲線とトロリ線の直線とのズレで±100mm程度が見込まれる。
電車線路において、トロリ線20が複数本存在する部分も多い。一本のトロリ線の長さは例えば1500m程度であり、その区切り毎に二本のトロリ線が移行する区間(オーバーラップ区間)が存在する。複数の電車線の交差部分(線路分岐部)でも複数のトロリ線が存在する。
これらの事情を考慮し、「架線割り込み事故」発生防止のために、トロリ線の風による「はらみ」(横ズレ)は、±500mm程度以下とすることが安全である。
「架線割り込み事故」発生防止のための鉄道運転規制は、現行の沿線における測定風速に基づく規制ではなく、トロリ線のはらみ量を推定することで合理的な規制を行うことが望ましい。もっとも、風速と風向からトロリ線はらみ量を推定することは可能であるが,現行のJR在来線では風杯型風速計による風速測定が一般的であるため,風向を把握することができない。また,設置コストの制約から,風向・風速計の設置箇所数には制限がある。
本発明は、電気鉄道におけるトロリ線(架線)に当たっている風の荷重(風圧荷重)に起因するトロリ線偏位を推定する方法及び推定装置を提供することを目的とする。また、電気鉄道のトロリ線がパンタグラフすり板から外れてしまう割り込み事故防止のための、より合理的な運転規制方法及び運転規制装置を提供することを目的とする。
本発明のトロリ線偏位推定方法は、 電気鉄道の電車線に当たる風に起因するトロリ線の偏位を推定する方法であって、 前記トロリ線を支持する曲線引金具又は振止金具にかかる荷重を測定し、 該荷重から、前記トロリ線にかかる風圧荷重による前記トロリ線の最大偏位を推定することを特徴とする。
本発明のトロリ線偏位推定装置は、 電気鉄道の電車線に当たる風に起因するトロリ線の偏位を推定する装置であって、 前記トロリ線を支持する曲線引金具又は振止金具(以下、両者を併せて「曲線引金具」ということもある)にかかる荷重を検出するセンサと、 該荷重から、前記トロリ線にかかる風圧荷重による前記トロリ線の最大偏位を推定する手段と、 を備えることを特徴とする。
電車線は、電車のパンタグラフが直接摺動するトロリ線や、該トロリ線を吊る吊架線あるいは補助吊架線、それらの線間のハンガーやドロッパーなどの総称である。「トロリ線偏位」は、軌道中心(設計上の電車線中心)から実際のトロリ線までのレール直交方向の距離である。このトロリ線偏位は、パンタグラフすり板の局所摩耗の防止用の人為的な偏位と、風による電車線のはらみに起因するものの合計である。
電車線は、上述のように、トロリ線と吊架線、各種電車線金具を含む。電車線全体に対する風による抗力(以下,抗力と記す)は、吊架線とトロリ線の抗力が支配的であり、電車線金具の抗力はそれらよりもかなり小さい。また,吊架線とトロリ線の抗力は,吊架線支持点と曲線引金具(振止金具を含む)に分散するが,吊架線とトロリ線の抗力が同等であると仮定すると,吊架線支持部と曲線引金具に作用する力も同等になる。そのため,曲線引金具に作用する荷重を測定することにより,トロリ線に作用する分布荷重を推定することができ,これによりトロリ線のはらみを推定することができる。
本発明の電気鉄道の運転規制方法は、上記トロリ線偏位推定方法により推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定めることを特徴とする。
また、本発明の電気鉄道の運転規制装置は、上記トロリ線偏位推定装置により推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定める手段を、さらに備えることを特徴とする。
また、本発明の電気鉄道の運転規制装置は、上記トロリ線偏位推定装置により推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定める手段を、さらに備えることを特徴とする。
上記技術課題を解決するためには,線路沿線の風速に基づいて運転規制を行うのではなく、より直接的に風圧荷重によるトロリ線のはらみ量に基づいて運転規制を行うことがより合理的である。本発明の手法は,曲線引金具に作用する左右方向(レール直角方向)荷重を測定することにより,電車線のはらみ量を推定するものである。
本発明によれば、高価な風向・風速計を用いることなく、風圧荷重に起因するトロリ線偏位を推定する方法及び装置を提供できる。また、風圧荷重によるトロリ線のはらみ量に基づいて運転規制を行うので、より合理的な電気鉄道の運転規制を実現できる。
以下、本発明のトロリ線偏位を推定する方法・推定装置、及び、電気鉄道の運転規制方法・規制装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
C;軌道(電車線)前後方向中心線
1;パンタグラフ、10;舟体、11;すり板、13;舟支え、14;ホーン、
20;トロリ線、21;支持構造物(電柱など)、23−1、23−2、23−3;屈曲点、25;曲線引金具、26;吊架線、27;ハンガー
30;電柱、31;水平パイプ、32;支持金具、33;イヤー、34;アーム、39;引手金具部
41;歪ゲージ(風圧荷重センサ)、43;信号線(有線)、45;FMテレメータ
47;無線、51;受信機、53;トロリ線偏位推定部、55;規制判定部
57;電車運行指令、59;各電車・駅
1;パンタグラフ、10;舟体、11;すり板、13;舟支え、14;ホーン、
20;トロリ線、21;支持構造物(電柱など)、23−1、23−2、23−3;屈曲点、25;曲線引金具、26;吊架線、27;ハンガー
30;電柱、31;水平パイプ、32;支持金具、33;イヤー、34;アーム、39;引手金具部
41;歪ゲージ(風圧荷重センサ)、43;信号線(有線)、45;FMテレメータ
47;無線、51;受信機、53;トロリ線偏位推定部、55;規制判定部
57;電車運行指令、59;各電車・駅
まず、図4及び図5を参照しつつ、架線(トロリ線)の構造及び曲線引金具の概要について説明する。
図4は、電気鉄道の軌道及び電車線を模式的に表す平面図である。図5は、電車線及びその支持構造物の一部を示す斜視図である。図4において長手方向に延びる一点鎖線(軌道中心C)が、電気鉄道の軌道の車幅方向中心線であり、かつ電車線の中心線である。ここで、電車線とは、パンタグラフと直接摺動接触するトロリ線20だけでなく、図5に示されるような、トロリ線20を吊る吊架線26あるいは補助吊架線(図示されず)、それらの線間のハンガー27やドロッパー(図示されず)などの総称である。図4においては、代表的に、トロリ線20として示す。
図4は、電気鉄道の軌道及び電車線を模式的に表す平面図である。図5は、電車線及びその支持構造物の一部を示す斜視図である。図4において長手方向に延びる一点鎖線(軌道中心C)が、電気鉄道の軌道の車幅方向中心線であり、かつ電車線の中心線である。ここで、電車線とは、パンタグラフと直接摺動接触するトロリ線20だけでなく、図5に示されるような、トロリ線20を吊る吊架線26あるいは補助吊架線(図示されず)、それらの線間のハンガー27やドロッパー(図示されず)などの総称である。図4においては、代表的に、トロリ線20として示す。
トロリ線20は、複数の屈曲点23−1、23−2、23−3で屈曲することにより、軌道中心Cに対してジグザグを描くように配置されている。これは、パンタグラフすり板(図7の符号11)の局所的摩耗を防ぐためである。このジグザグを「左右偏位」と呼ぶ。左右偏位の具体例は±150〜250mm、周期80〜120mである。図4に示すように、トロリ線20の左右偏位の屈曲点23−1、23−2、23−3の各々には、曲線引金具25が配置されており、トロリ線20を車幅方向に引っ張るようになっている。曲線引金具25は、支持構造物21に支持されている。支持構造物21は、例えば、図5に示される電柱30や水平パイプ31などを含む。なお、曲線引金具は、トロリ線20の左右偏位の屈曲点23−1、23−2、23−3の他に、電車線中心線の屈曲点(カーブや分岐・合流)にも設けられている。
図6は、本発明の実施形態に係るトロリ線偏位推定装置及び電気鉄道運転規制装置に用いられる曲線引金具を示す正面図である。この曲線引金具25は、支持構造物(図4符合21)に含まれる水平パイプ31のような支持部材に取り付けられる。このような曲線引金具25は、トロリ線20に作用する風圧荷重などの引張力に耐えうる強度を有する。
図6中において、符号31は水平パイプ、32は支持金具、33はイヤー、20はトロリ線、34はアームである。水平パイプ31は、電柱などの構築物に支持されている。水平パイプ31に支持金具32が固定され、さらにこの支持金具32にアーム34が鉛直平面上で自由な回転ができるように支持されている。アーム34の先端にはイヤー33が接続されており、このイヤー33によってトロリ線20が把持される。従って、トロリ線20は、引張力に対する水平方向の動きは固定され、鉛直方向の動きは自由になっている。
本実施形態において、曲線引金具25のアームの曲線部34bに、風圧荷重センサとしての歪ゲージ41が貼られている。風圧荷重センサとしては、歪ゲージの他に、ロードセルやFBGセンサなどを用いることができる。風圧荷重センサは、曲線引金具25のアームの直線部34aやイヤー部33、引手金具部39などに取り付けることもできる。
歪ゲージ41には信号線(有線)43が接続されており、同信号線43は曲線引金具25近くのFMテレメータ45まで延びている。FMテレメータ45は、水平パイプ31あるいは電柱30(図5参照)の上などに固定されている。
図1は、本発明の実施形態に係るトロリ線偏位推定装置及び電気鉄道運転規制装置の概要を示すブロック図である。トロリ線偏位推定装置及び電気鉄道運転規制装置は、上述の歪みゲージ41及びFMテレメータ45の他に、受信機51と、トロリ線偏位推定部53とを含んでいる。FMテレメータ45は、無線で歪信号を近くの受信機51まで送信する。受信機51は、電柱30の近くなどに配置されている。受信機51は、歪信号を、トロリ線偏位推定部53に送信し、同部53は、後述する手法により、風圧荷重によるトロリ線偏位を推定(計算)する。トロリ線偏位推定部53で推定されたトロリ線偏位の最大値は、規制判定部55に送られる。規制判定部55は、推定されたトロリ線偏位の最大値と規制値(例えば400mm)とを比較して、運転規制の要否・程度を判定する。トロリ線偏位推定部53及び規制判定部55の機能は、コンピュータ装置(図示されず)のプロセッサーが、記憶媒体(図示されず)に記憶されたプログラムをロードして実行することにより、実現される。判定された運転規制の内容は、電車運行指令57から、各電車・駅59に伝達・指示される。
図2は、本発明の実施形態に係るトロリ線偏位推定方法及び電気鉄道運転規制方法における、トロリ線偏位推定部などの作用を示すフローチャートである。まず、上述の歪ゲージなどにより曲線引金具に作用する荷重を測定する(S1)。この曲線引金具に作用する荷重から、トロリ線偏位推定部53が、トロリ線に作用する風圧荷重を分布荷重として推定する(S2)。ここでは、ハンガ軸力の水平成分を無視している。但し、無視しない場合でも、数値計算によりその力を計算することで取扱いは可能である。次に、この風圧荷重から、トロリ線偏位推定部53が、トロリ線偏位の最大値と、その最大偏位の発生箇所を推定する(S3)。この推定したトロリ線偏位の最大値が規制値を超過しているか否かを、規制判定部55が判定する(S4)。「超過(YES)」の場合は運転規制を実施し(S5)、「超過せず(NO)」の場合は運転規制を行わない(S6)。
次に、曲線引金具に作用する荷重から、トロリ線に作用する風圧荷重を分布荷重として推定する手法、並びに、この風圧荷重から、トロリ線偏位の最大値と、その最大偏位の発生箇所を推定する手法の具体例を説明する。
図3は、図1のトロリ線偏位推定方法における、風荷重によるトロリ線偏位の計算モデルを示す平面図である。
図3は、図1のトロリ線偏位推定方法における、風荷重によるトロリ線偏位の計算モデルを示す平面図である。
図3のように,x軸を軌道中心,y軸を軌道に垂直で且つ曲線引金具に支持された屈曲点23−2を通る線とするx-y座標を設定する。この系において,曲線引金具25に作用する荷重をF,屈曲点23−2の両側の電車線支持間隔(径間長)をそれぞれS1,S2,屈曲点23−2と屈曲点23−3の無風時の電車線偏位をy2,y3,トロリ線張力をTとする。無風時に、x軸に対する屈曲点23−2の両側のトロリ線20の交差角度がそれぞれθ1,θ2であるとすると、無風時のトロリ線張力Tは、T=F/(sinθ1+sinθ2)である。また,屈曲点23−2の曲線引金具に作用するトロリ線の風荷重は,径間長S1の径間と径間長S2の径間のそれぞれ半分ずつによるものと仮定する。
このとき,トロリ線20に作用する単位長さ当たりの力δFは、曲線引金具25に作用する荷重Fのうち風荷重によるものをdFとすると、下記(1)の式で表される。
ここで,トロリ線20を弦と仮定すると,径間長S2の径間におけるδFに対する電車線の変位量y(x)は,下記(2)の微分方程式で表される。
ここで,トロリ線20を弦と仮定すると,径間長S2の径間におけるδFに対する電車線の変位量y(x)は,下記(2)の微分方程式で表される。
従って、電車線の変位y(x)は、下記(5)となる。
ここで,∂y/∂x=0となる地点xmaxにおいて変位量が最大となる。地点xmaxと最大変位量ymaxは,下記(6)となる。
但し、xmaxが、0>xmax若しくはS2<xmaxである場合は、∂y/∂x=0となる地点xmaxが、0<x<S2の範囲にない。この場合は、最大変位の地点は屈曲点23−2又は屈曲点23−3となるので、運行上問題ない。
ここで,∂y/∂x=0となる地点xmaxにおいて変位量が最大となる。地点xmaxと最大変位量ymaxは,下記(6)となる。
但し、xmaxが、0>xmax若しくはS2<xmaxである場合は、∂y/∂x=0となる地点xmaxが、0<x<S2の範囲にない。この場合は、最大変位の地点は屈曲点23−2又は屈曲点23−3となるので、運行上問題ない。
曲線引金具25に作用する荷重Fとしては、測定した荷重の最大値を用いてもよい。また、測定した時刻歴データを、移動平均処理、あるいはローパスフィルタ処理して、風荷重を評価してもよい。
径間長S1の径間についても上記と同様の方法で最大変位量を推定することができる。推定した変位量が規制値(例えば400mm)を超える場合は、電気鉄道の運転規制を行う。規制値以下の場合は,電車線に起因する運転規制を解除する。
上述の態様においては、曲線引金具にかかる荷重Fのうち風荷重によるものdFの測定結果から、トロリ線にかかる単位長さあたりの風圧荷重δFを推定し、この風圧荷重δFからトロリ線の最大変位量ymaxを推定する場合について説明したが、本発明は、上述の態様に限定されない。例えば、特定の曲線引金具にかかる荷重Fと、最大変位量ymaxとの関係を予め算出し、ルックアップテーブル(図示されず)として記憶しておいて、荷重Fの測定結果に基づいてルックアップテーブルを検索することにより、最大変位量ymaxを推定してもよい。
風の空間方向の相関長は、電車線長に比べて非常に短いため、隣接する複数径内でそれぞれ曲線引金具又は振止金具の軸力を測定することで、最大変位量の推定精度が向上する。
Claims (7)
- 電気鉄道の電車線に当たる風に起因するトロリ線の偏位を推定する方法であって、
前記トロリ線を支持する曲線引金具又は振止金具にかかる荷重を測定し、
該荷重から、前記トロリ線にかかる風圧荷重による前記トロリ線の最大偏位を推定することを特徴とするトロリ線偏位推定方法。 - 前記トロリ線にかかる風圧荷重を分布荷重として推定し、推定した前記風圧荷重による前記トロリ線の最大偏位を推定することを特徴とする請求項1に記載のトロリ線偏位推定方法。
- 前記曲線引金具又は振止金具にかかる荷重の時刻歴データを、移動平均処理又はローパスフィルタ処理して、前記トロリ線の最大偏位を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載のトロリ線偏位推定方法。
- 複数の曲線引金具又は複数の振止金具にかかる荷重をそれぞれ測定して、前記トロリ線の最大偏位を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトロリ線偏位推定方法。
- 電気鉄道の電車線に当たる風に起因するトロリ線の偏位を推定する装置であって、
前記トロリ線を支持する曲線引金具又は振止金具にかかる荷重を検出するセンサと、
該荷重から、前記トロリ線にかかる風圧荷重による前記トロリ線の最大偏位を推定する手段と、
を備えることを特徴とするトロリ線偏位推定装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のトロリ線偏位推定方法により推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定めることを特徴とする電気鉄道の運転規制方法。
- 請求項5記載のトロリ線偏位推定装置により推定したトロリ線偏位を規制値と比較して運転規制の要否を定める手段をさらに備えることを特徴とする電気鉄道の運転規制装置。
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