JP6128594B2 - 脱線予兆検知システム、制御装置、脱線予兆検知方法、及び脱線予兆検知プログラム - Google Patents

脱線予兆検知システム、制御装置、脱線予兆検知方法、及び脱線予兆検知プログラム Download PDF

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Description

本発明は、脱線予兆検知システム、制御装置、脱線予兆検知方法、及び脱線予兆検知プログラムに関する。
鉄道列車の脱線の予兆を検知する技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術は、本発明者らによるもので、走行中の台車のピッチ角速度およびロール角速度を、台車枠に取り付けたセンサによって検出し、検出した台車ピッチ角速度または台車ピッチ角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなったこと、および検出した台車ロール角速度または台車ロール角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなったことを条件として脱線予兆と判定するものである。
国際公開第2010/064453号パンフレット
上記特許文献1に記載の技術によれば、予め危険な状態を把握できるので、列車走行時の安全性を向上することができる。また、低速走行において脱線を未然に防ぐことができ、その結果、列車や線路の破損を防止できる。一方で、過去の事故調査の分析を更に進めた結果、脱線の予兆である所謂乗り上がり開始から脱線に至るまでの時間が従来想定していた時間よりも更に早い場合が想定されることが確認された。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、脱線の予兆をより早く判定可能な技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記課題を解決するため、走行中の台車のロール角速度に着目し、ロール角速度の予測値に基づいて脱線予兆を判定することとした。
より詳細には、本発明は、脱線予兆検知システムに関し、列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部と、前記検知部で検知されたピッチ角速度及びロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出し、前記検知部で検知された前記ピッチ角速度と、前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する制御装置と、前記制御装置が脱線予兆と判定した場合、脱線予兆を外部に通知する出力部と、を備える。
本発明では、ロール角速度の予測値を算出し、ロール角速度の予測値に基づいて列車の脱線予兆を判定することで、ロール角速度が既定した閾値を上回るまでの時間を従来よりも短縮することができる。これにより、脱線の予兆をより早く判定することができる。その結果、予め危険な状態をより早く把握できるので、列車走行時の安全性をより向上することができる。また、列車の脱線を未然に防ぐことができ、列車や線路の破損を防止できる。
例えば特許文献1に記載の技術では、台車ピッチ角速度または台車ピッチ角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなったこと、および検出した台車ロール角速度または台車ロール角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなったことを条件として脱線予兆と判定する。そして、検出した台車ロール角速度または台車ロール角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなるまでの時間が、台車ピッチ角速度または台車ピッチ角速度の積算値が予め設定した閾値よりも大きくなるまでの時間よりも長くなっていた。本発明では、相対的に判定時間が多く必要とされたロール角速度に着目し、ロール角速度が既定した閾値を上回るまでの時間を従来よりも短縮できるよう、実測のロール角速度に変えてロール角速度の予測値を用いることとした。
既定した閾値は、列車の速度、列車の属性パラメータを適宜設定した実験やシミュレーションにより算出することができる。脱線予兆の通知には、音声による通知、表示による通知が例示される。なお、制御装置は、脱線予兆と判定した場合、例えば、散水装置を起動させ、レールと車輪のフランジ接触部分に散水することで摩擦係数を低減するようにしてもよい。これにより、列車を復線させることができ、脱線を防止することが出来る。また、制御装置は、列車を停止させるようにしてもよい。
また、前記制御装置は、前記所定時間におけるロール角速度の変化量を算出し、前記ロール角速度が所定時間経過後もこの変化で推移すると仮定して、前記所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出してもよい。これにより、ロール角速度がロール角速度の既定の閾値を実際に上回る時間よりも早い段階で、脱線予兆と判定することが可能となる。
また、前記所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間に基づいて設定することが望ましい。ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間は、列車の速度、列車の属性パラメータを適宜設定した実験やシミュレーションにより算出することができる。所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間との差分が少ないことが好ましい。
ここで、本発明は、上述した脱線予兆検知システムにおける制御装置として特定してもよい。例えば、本発明は、列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出し、前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定し、脱線予兆と判定された場合、脱線予兆検知を外部に通知する、制御装置である。
また、本発明は、上述した脱線予兆検知システム、又は制御装置で実行される脱線予兆検知方法として特定してもよい。例えば、本発明は、コンピュータが、列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する予測値算出ステップと、前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記予測値算出ステップで算出された前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する予兆判定ステップと、前記予兆判定ステップで脱線予兆と判定された場合、脱線予兆を外部に通知する通知ステップと、を含む処理を実行する脱線予兆検知方法である。
また、本発明は、上述した脱線予兆検知システム、又は制御装置で実行可能な脱線予測検知プログラムとして特定することもできる。例えば、本発明は、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する、列車に設けられた検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所
定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する予測値算出ステップと、前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記予測値算出ステップで算出された前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する予兆判定ステップと、前記予兆判定ステップで脱線予兆と判定された場合、脱線予兆を外部に通知する通知ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させる脱線予兆検知プログラムである。更に、本発明は、上記プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本発明によれば、脱線の予兆をより早く判定可能な技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係る脱線予兆検知システムの構成の概要を示す。 図2Aは、実施形態に係る脱線予兆検知システムにおけるセンサの設置例の平面図を示す。 図2Bは、実施形態に係る脱線予兆検知システムにおけるセンサの設置例の側面図を示す。 図3は、脱線予兆検知のアルゴリズムを示す。 図4は、実施形態に係る脱線予兆検知の判定処理のフローを示す。 図5は、変化量と時間との関係のグラフの一例を示す。 図6は、閾値のデータベースの一例を示す。 図7は、ロール角速度移動平均における予測効果の一例を示す。 図8は、ピッチ角速度における予測効果の一例を示す。 図9は、シミュレーションのパラメータ値を示す。 図10は、検知時間の検証結果(1)を示す。 図11は、検知時間の検証結果(2)を示す。 図12は、検知時間の検証結果(3)を示す。 図13は、検知時間の検証結果(4)を示す。 図14は、検知時間の検証結果(5)を示す。 図15は、検知時間の検証結果(6)を示す。 図16は、検知時間の検証結果(7)を示す。 図17は、検知時間の検証結果(8)を示す。 図18は、検知時間の検証結果(9)を示す。 図19は、検知時間の検証結果(10)を示す。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する事項は例示であり、本発明は、これらに限定されるものではない。
<実施形態>
<<構成>>
図1に示すように、実施形態に係る脱線予兆検知システム1は、列車2に設けられ、ECU3、速度センサ4、角速度センサ5を備える。列車2は、車体21と、車体21の下部に接続され、車体21を支持する台車22を備える。台車22は、ボギーフレーム(図1では図示せず)を備える。ボギーフレームには、ボギーフレームを跨ぐように車軸23が設けられ、車軸23の両端にはレールと接する車輪24が接続されている。なお、脱線
予兆検知システム1は、異常通報手段A(モニタ6、スピーカ7)、又は異常回避手段B(ブレーキ装置8、散水装置9)のうち少なくとも何れか一方を更に含む構成でもよい。
ECU(電子制御ユニット)3は、本発明の制御装置に相当し、CPU(Central Processing Unit)31、メモリ32を備える。ECU3は、車速センサ4、角速度センサ5
、異常通報手段A(モニタ6、スピーカ7)、異常回避手段B(ブレーキ装置8、散水装置9)と電気的に接続されている。CPU31は、メモリ32に格納されたプログラムに従って、ロール角速度の予測値の算出、列車の脱線予兆の判定等を行う。また、CPU31は、異常通報手段A(モニタ6、スピーカ7)、異常回避手段B(ブレーキ装置8、散水装置9)等の制御を行う。ECU3で実行される処理の詳細については後述する。
速度センサ4は、列車2の走行速度を検知する。
角速度センサ5は、台車22のボギーフレーム25における、列車2の前後方向のほぼ中央部かつ、列車2の幅方向の側部に設けられ、ピッチ角速度、ロール角速度を検知する。ピッチ角速度は、ピッチ(列車の幅方向を軸とした回転(又は傾斜))の角速度であり、ロール角速度は、ロール(列車の前後方向を軸とした回転(又は傾斜))である。角速度センサ5には、所謂ジャイロスコープなど、既存のセンサを適宜用いることができる。
モニタ6は、ECU3が脱線予兆と判定した場合、ECU3によって制御され、脱線予兆検知状態を表示する。モニタ6は、本発明の出力部の一例であり、例えば列車2の運転席付近に設置することができる。
スピーカ7は、ECU3が脱線予兆と判定した場合、ECU3の制御の下、脱線予兆検知状態を音声で出力する。スピーカ7は、本発明の出力部の一例であり、例えば列車2の運転席付近に設置することができる。
散水装置9は、ECU3によって制御され、例えば、脱線予兆が検知された場合に、列車2を複線させるため、レールと車輪のフランジ接触部分に散水し、摩擦係数を低減させる。また、ブレーキ装置8は、ECU3によって制御され、列車を停止させる。
<<脱線予兆の判定処理>>
次に脱線予兆の判定処理について説明する。図3は、脱線予兆検知のアルゴリズムを示す。また、図4は、実施形態に係る脱線予兆の判定処理のフローを示す。脱線予兆の判定処理は、ECU3のCPU31がメモリ32に格納されたプログラムを読み込むことで実行される。
ステップS01では、CPU31は、脱線予兆の判定処理に必要な情報を取得する。この情報には、列車2の走行速度、ピッチ角速度、ロール角速度が含まれる。列車2の走行速度は、速度センサ4によって検知することができる。ピッチ角速度及びロール角速度は、台車22のボギーフレーム25に設けられた角速度センサ5で検知することができる。取得した走行速度、ピッチ角速度、及びロール角速度は、メモリ32に記憶される。列車の走行速度、ピッチ角速度、及びロール角速度は、例えば、0.005sec毎に検知することができる。この検知のタイミングは、一例であり、適宜設定することができる。ピッチ角速度でカントの影響を排除し、ロール角速度でレール継ぎ目の影響を排除し、双方を脱線予兆の判定処理を行う際の判定ロジックに組み込むことで、軌道不整を排除することができる。その結果、列車2が直線状のレールを走行中の脱線予兆だけでなく、列車2が曲線状のレールを走行中の脱線予兆も判定することができる。脱線予兆の判定処理に必要な情報が取得されると、次のステップへ進む。
ステップS02では、CPU31は、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する。例えば、CPU31は、ロール角速度が記憶されたメモリ32の領域にアクセスし、ロール角速度を積分して傾斜計測時間の変化量(変位量)を算出することで直近の平均傾きを求め、直近の平均傾きが一定で推移すると仮定して、予測時間経過後のロール角速度の移動平均予測値を算出する。数1は、ロール角速度の予測値の算出式を示す。
Figure 0006128594
ここで、現在の移動平均値は、数2によって算出することができる。
Figure 0006128594
以上をグラフに表すと図5のようになる。図5は、変化量と時間との関係のグラフの一例を示す。図5に示すように、傾斜計測時間の変化量(変位量)から直近の平均傾きが求められ、直近の平均傾きが一定で推移すると仮定することで、予測時間経過後のロール角速度の移動平均予測値が算出され、メモリ32に記憶させる。ロール角速度の移動平均予測値が算出されると、次のステップへ進む。
ステップS03では、CPU31は、脱線予兆の有無を判定する。CPU31は、ピッチ角速度と、ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、脱線予兆と判定する。ピッチ角速度は、ピッチ角速度が記憶されたメモリ32の領域にCPU31がアクセスして取得される。ロール角速度の予測値は、ロール角速度の予測値が記憶されたメモリ32の領域にCPU31がアクセスして取得される。ピッチ角速度、及びロール角速度の閾値は、図6に示すように、走行速度毎に既定され、メモリ32に予め記憶することができる。従って、CPU31は、閾値が記憶されたメモリ32の領域にアクセスして、走行速度に対応する各閾値を取得する。
各閾値は、列車の速度、列車の属性パラメータを適宜設定した実験やシミュレーションにより算出することができる。属性パラメータには、列車の重量、車軸数、車輪の径など
が例示される。閾値は、検知漏れや誤検知を考慮して、車輪がレールに乗り上げた直後の物理量の最低値として設定することができる。例えば、各閾値は、第一車軸の左側の車輪の上昇量を10mm、走行速度10km/h、車輪の上昇量が10mmに至るまでの車輪の回転を1回転といった車両条件、走行条件毎に設定することができる。
CPU31は、ピッチ角速度がピッチ角速度の閾値を上回り、かつ、ロール角速度の予測値が、ロール角速度の閾値を上回った場合、脱線予兆と判定する。この場合、ステップS04へ進む。一方、脱線予兆検知と判定されなかった場合、再度ステップS01へ戻る。
ステップS04では、CPU31は、散水装置9を制御し列車2を復線させ、又はブレーキ装置8を制御し、列車2を停止させる。また、CPU31は、脱線予兆検知したことをモニタ6に表示させ、警告する。また、CPU31は、脱線予兆検知したことをスピーカ7を通じて音声出力し、警告する。
<<効果>>
第一実施形態に係る脱線予兆検知及び回避システム1では、ロール角速度の予測値を算出し、ロール角速度の予測値に基づいて列車2の脱線予兆を判定することで、ロール角速度が既定した閾値を上回るまでの時間を従来よりも短縮することができる。これにより、脱線の予兆をより早く検知することができる。その結果、予め危険な状態を把握できるので、列車2が走行する際の安全性を向上することができる。その結果、列車2の脱線を未然に防ぐことができ、列車2や線路の破損を防止できる。その効果の例を図7に示す。図7は、傾斜計測時間を0.05sec、予測時間を0.20secとした場合の予測効果を示し、後述するシミュレーションの実験番号4(図13)に対応する。図7では、ロール角速度の予測値を用いることで、脱線予兆を検知する時間がA点からB点へ約100ms短縮されている。
<シミュレーション>
図9は、シミュレーションのパラメータ値を示し、図10から図18は、検知時間の検証結果(1)から(9)であり、ロール角速度移動平均予測有りの場合の検知時間を示す。シミュレーションは、実際の列車を想定し、予兆予測検知における傾斜計測時間と予測時間を図10の通り、夫々のパラメータ値を変化させ、最適な傾斜計測時間及び予測時間を検証することで実行した。図10から図18に示すように、傾斜計測時間を減らすことにより、検知時間は微減し、予測時間を増やすことにより、検知時間が減少することが確認できる。傾斜計測時間を50[ms]とし、予測時間を200[ms]に設定した場合がピッチ角速度の検知時間とほぼ同じとなることが確認できる。
<変形例>
第一実施形態では、ロール角速度の予測値を算出し、ロール角速度の予測値を用いて、脱線予兆を検知したが、ピッチ角速度についても予測値を用いるようにしてもよい。ピッチ角速度の予測値は、例えば、CPU31が、所定時間におけるピッチ角速度の変化量を算出し、算出したピッチ角速度が所定時間経過後もこの変化で推移すると仮定して、所定時間経過後のピッチ角速度の予測値を算出することができる。図8は、ピッチ角速度における予測効果の一例を示す。図8は、傾斜計測時間を0.05sec、予測時間を0.20secとした場合の予測効果を示し、シミュレーションの実験番号4(図19)に対応する。図19は、検知時間の検証結果(10)であり、ピッチ角速度の予測有りの場合の検知時間を示す。図8では、ピッチ角速度の予測値を用いることで、脱線予兆を検知する時間がA点からB点へ約50ms短縮されている。
なお、上記した種々の内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於いて可能な限
り組合せることができる。
1・・・脱線予兆検知システム
2・・・列車
3・・・ECU
4・・・速度センサ
5・・・角速度センサ
A・・・異常通報手段
B・・・異常回避手段

Claims (5)

  1. 列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部と、
    前記検知部で検知されたピッチ角速度及びロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出し、前記検知部で検知された前記ピッチ角速度と、前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する制御装置と、
    前記制御装置が脱線予兆と判定した場合、脱線予兆を外部に通知する出力部と、を備え
    前記所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間に基づいて設定される
    脱線予兆検知システム。
  2. 前記制御装置は、前記所定時間におけるロール角速度の変化量を算出し、前記ロール角速度が所定時間経過後もこの変化で推移すると仮定して、前記所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する、請求項1に記載の脱線予兆検知システム。
  3. 列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出し、前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定し、脱線予兆と判定された場合、脱線予兆検知を外部に通知し、前記所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間に基づいて設定される、制御装置。
  4. コンピュータが、
    列車に設けられ、走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する予測値算出ステップと、
    前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記予測値算出ステップで算出された前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する予兆判定ステップと、
    前記予兆判定ステップで脱線予兆と判定された場合、脱線予兆を外部に通知する通知ステップと、を含む処理を実行し、
    前記所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間に基づいて設定される、
    脱線予兆検知方法。
  5. 走行中の列車のピッチ角速度及びロール角速度を検出する、列車に設けられた検知部で検知された台車のピッチ角速度及び台車のロール角速度を記憶装置に記憶させ、ロール角速度の履歴に基づいて所定時間経過後のロール角速度の予測値を算出する予測値算出ステップと、
    前記検知部で検知された前記台車のピッチ角速度と、前記予測値算出ステップで算出された前記ロール角速度の予測値が、夫々既定した閾値を上回った場合、前記列車の脱線予兆と判定する予兆判定ステップと、
    前記予兆判定ステップで脱線予兆と判定された場合、脱線予兆を外部に通知する通知ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムであり、
    前記所定時間は、前記ピッチ角速度が当該ピッチ角速度の既定の閾値を上回る時間に基づいて設定される、
    脱線予兆検知プログラム。
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