JP2011174351A - 列車走行の安全性を確認する計測管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄道軌道等に近接して施工される種々の土木及び建築等の工事影響に伴う軌道レールの列車走行時の安全性、軌道路盤の安定性を計測管理する方法を提供する。
【解決手段】列車走行時の軌道レールの安全性及び、軌道路盤の安定性を計測管理する方法において、軌道レール及び、枕木等の軌道施設に設置した計測機器を利用して、軌道レールの静的計測と合わせて動的計測を実施し、その動的変形と、動的変形の経時変化で列車走行時の軌道レールの安全性及び、軌道路盤に計測機器を設置することなく、軌道路盤の安定性を確認する計測管理方法を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、鉄道施設に近接して施工する工事により影響される軌道施設の安定性、列車走行の安全性を評価する計測管理方法の技術分野に属し、特に軌道レール及び、枕木等の軌道施設に計測機器を設置し、その動的変形及び静的変形をそれぞれに計測し、その変形、及び変形の経時的な変化により列車走行時の軌道レール、近接工事中の軌道路盤の安全性を確認する計測管理方法に関するものである。
鉄道軌道等の立体交差工事や鉄道軌道等に近接して施工される土木及び建築等の工事の場合、地盤の緩み、地盤の応力解放その他の原因による影響で軌道施設、特に軌道レール、軌道路盤が変形することは避けられない。
前記立体交差工事や軌道近接工事等の原因で発生する軌道レール、軌道路盤の変形による列車走行の安全性を確認するためには、軌道レール、軌道路盤の変形の計測管理を実施することが必要不可欠である。
従来、前記立体交差工事や軌道近接工事等の影響での列車が走行する軌道レールの安全性を確認する計測管理は、軌道施設に軌道レールの静的な変形を計測するための計測機器と計測システムを設置し、列車走行のないときの静的な軌道レールの変形を計測する方法によって実施されている。
また、前記立体交差工事や軌道近接工事等の影響での列車が走行する支持地盤としての軌道路盤の安全性を確認する計測管理は、ほとんど実施されていない。
ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社「近接工事設計施工マニュアル」2008年7月発行
前記静的な軌道レールの変形の計測管理では、列車が走行していない時の軌道レールの安全性を計測管理しているだけであり、列車が走行しているときの軌道施設の安全性は計測管理されているとは言えない。列車走行時の軌道レールの変形の確認は実施されていない。軌道施設、特に、軌道レールは列車が走行するために非常に重要な軌道施設であるため、列車が走行しているときの安全性の計測管理が非常に重要な課題になると考えられる。
万が一、前記立体交差工事や軌道近接工事等の影響で軌道路盤に変形が発生した場合でも、軌道レールは非常に大きな剛性をもった材質のものであるため、すぐには軌道レールには静的な変形は現れない場合がある。静的な計測管理を実施していても、見かけ上は、静的には変形はしていないように計測されるが、軌道路盤が変形しているため、軌道レールは列車走行時には、大きく変形することが考えられる。前記、静的な軌道レールの計測管理だけでは、このような列車走行時の軌道レールの変形を確認することはできない。
しかしして、軌道路盤に変形が発生し、軌道レールに静的な変形が発生していない場合でも、そこに列車が走行した場合、軌道レールには変形が発生することが十分考えられる。軌道レールの静的な計測管理だけでは、軌道レールを走行する列車の安全性を十分に計測管理できているとは言えない。軌道レールを走行する列車の安全性を確認するためには、この見かけ上では静的に変形していないと計測される軌道レールの変形を確認する必要がある。
本発明は工事に伴い影響する軌道レールを走行する列車の安全性、安定性を確認するために、工事の影響が最初に現れる軌道路盤の変形により発生することが予測される軌道レールの動的な変形を把握するためのもので、その目的とするところは、軌道レール及び、枕木等の軌道施設に静的計測を目的に設置した計測機器を利用して、軌道レールの静的計測とあわせて、軌道レールの動的計測を実施することにより、軌道レールの列車走行時の安定性、安全性を確認する計測管理方法を提供することにある。
また、前記立体交差工事や軌道近接工事等で発生する影響が最初に現れるのは、軌道路盤である。軌道レールへの影響は時間的には軌道路盤より遅れて発生すると考えられる。そのため、軌道レールを走行する列車の安全性を確認するためには、軌道レールの静的な変形計測より軌道路盤の静的な変形計測を実施することのほうが非常に重要となる。
前記立体交差工事や軌道近接工事等の影響での列車が走行する軌道路盤の安全性を確認する計測管理は、ほとんど実施されることはない。しかし、軌道路盤に地盤変状を計測するための計測機器(層別沈下計等)を設置することにより、列車走行のないときの静的な軌道路盤の変形の計測管理を実施することは可能である。
前記、静的な軌道路盤の計測管理を実施するためには、軌道路盤に地盤変状を計測するための専用の計測機器(層別沈下計等)を設置し、その実変位を計測する必要がある。しかし、軌道路盤を計測するための専用の計測機器(層別沈下計等)を設置するときに、軌道路盤を大きく乱すため、将来的には軌道レール及び、枕木等の軌道施設を変形させることがあり、直接、軌道路盤への計測機器の設置は避けられている。
また、設置したとしても、コスト面、及び計測機器の設置工事および本体工事の工程的な制約により、非常に狭い範囲、或いは、代表的な計測ポイントでの計測管理しか実施することができないため、軌道路盤の計測管理としては不十分である。(鉄道軌道の立体交差工事や軌道に近接して施工される土木及び建築等の工事の場合、工事の施工範囲は非常に広範囲となることが多い)。
そのため、軌道レールを走行する列車の安全性の確認のための、軌道路盤の計測管理は実施されることはなく、万が一のときには対策工が遅れることが課題とされている。
本発明は工事に伴い影響する軌道レールを走行する列車の安全性、安定性を確認するために、工事の影響が最初に現れる軌道路盤の変形を計測管理するためのもので、その目的とするところは、軌道路盤に計測機器を設置することなく、軌道レール及び、枕木等の軌道施設に静的計測を目的に設置した計測機器を利用して、軌道レールの静的計測とあわせて、軌道レールの動的計測を実施することにより、軌道路盤の安定性、安全性を確認する計測管理方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は軌道レールの静的変位を計測管理することを目的として設置する計測機器を利用して、静的な軌道レールの計測管理の実施と合わせて、列車走行時の軌道レールの変位を動的に計測することにより、軌道路盤の静的変形及び、それに伴い発生すると予測される軌道レールの列車走行時の動的変形を計測管理することを特徴とする。
静的計測とは、比較的ゆるやかな現象を断続的に計測することであり、動的計測とは、速い現象を連続的に計測することである。ここでいう軌道レールの計測管理方法の場合、列車走行のない状態での軌道レールの断続的な変形の計測を静的計測と言い、軌道レールを列車が走行している時の軌道レールの連続的な変形の計測を動的計測と言う。
請求項1に記載の発明は、通常、立体交差工事や軌道近接工事等で実施する軌道レールの静的な変形を計測管理、計測監視することを目的として設置する計測機器と計測システムを動的計測に対応できる計測機器と計測システムとにすることにより、列車走行のないときの静的変形の計測とあわせて、列車走行時に発生する軌道施設の動的変形の計測を実施し、列車走行の安定性、安全性を確認することを特徴とする計測管理方法である。ここで言う軌道施設とは列車の走行に必要な施設のことであり、軌道レール、枕木、軌道バラスト、軌道路床等のことを言う。
請求項2に記載の発明は、通常、立体交差工事や軌道近接工事等で実施する軌道レールの静的な変形を計測管理、計測監視することを目的として設置する計測機器と計測システムを動的計測に対応できる計測機器と計測システムとにすることにより、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形の計測の実施により、その変形、及び変形の経時的な変化から軌道レールの列車走行時の安定性、安全性を確認することを特徴とする計測管理方法である。
請求項3に記載の発明は、通常、立体交差工事や軌道近接工事等で実施する軌道レールの静的な変形を計測管理、計測監視することを目的として設置する計測機器と計測システムを動的計測に対応できる計測機器と計測システムとにすることにより、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形の計測の実施により、その変形、及び変形の経時的な変化から、軌道路盤に計測機器を設置することなく、軌道路盤の安定性、安全性を確認することを特徴とする計測管理方法である。
ここで言う静的変形を計測管理することを目的として設置する計測機器を、動的計測にも対応させることとは、動的計測に必要な計測応答周波数を備えた計測機器にすることである。また、静的変形を計測管理することを目的として設置する計測システムを、動的計測にも対応させることとは、動的計測に必要な計測応答周波数を備えた計測システムにすることである。
本発明は軌道施設の静的変形を計測管理することを目的として設置する計測機器と計測システムを利用し、軌道施設の静的変形計測と、軌道施設を走行する列車に合わせて軌道施設の動的変形を計測し、その軌道施設の静的計測と動的計測で、軌道施設を走行する列車の安定性、安全性を確認することを特徴とすることから、従来の静的な計測管理では把握できなかった近接工事による軌道施設の変形に伴う列車走行時の軌道レールの動的変形を把握することができ、列車走行時の軌道施設の安全性を確認する計測管理ができるという列車走行の安全面で優れた効果を奏するものである。
本発明は軌道レールの静的変形を計測管理することを目的として設置する計測機器と計測システムを利用し、軌道レールの静的変形計測と、軌道レールを走行する列車に合わせて軌道レールの動的変形を計測し、その軌道レールの動的の変形、及び変形の経時的な変化で、軌道路盤の静的変形と軌道レールの動的変形を予測することにより、軌道路盤及び軌道レールの安定性、安全性を確認することを特徴とすることから、従来の軌道路盤に計測機器を設置しなければ確認できなかった軌道路盤の変形を、計測機器を設置することなく計測管理でき、且つ、軌道レールの列車走行時の軌道レールの変形を計測管理できるという列車走行の安全性で優れた効果を奏するとともに、工事の経済性での優れた効果も奏するものである。
本発明を実施するための計測機器の断面図である。(A)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での斜め上方より見た横断面図である。(B)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での斜め下方より見た横断面図である。(C)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での縦断面図である。 本発明を実施するための計測機器を連結し、測定ケースに挿入設置した時の断面図である。 本発明を実施するための計測機器を測定ケースに挿入設置し、測定ケースを軌道レールに固定設置した時の斜視図である。 本発明を実施するための計測データの評価モデル図である。 本発明を実施するための静的計測データと動的計測データの関係を示した模式図である。(a)は軌道レールの静的な隆起変形量と動的最大変形量との関係を示す図であり、(b)は軌道レールの静的な沈下変形量と動的最大変形量との関係を示す図である。
発明の実施するための形態
次に本発明を、計測管理を実施するために使用する計測機器の実施の形態から説明する。図1は本発明を実施するための計測機器の断面図である。(A)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での斜め上方より見た横断面図である。(B)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での斜め下方より見た横断面図である。(C)は計測機器を測定ケースに挿入設置した場合での縦断面図である。図2は本発明を実施するための計測機器を連結ロッドで連結し、測定ケースに挿入設置した時の断面図である。図3は本発明を実施するための計測機器を測定ケースに挿入設置し、測定ケースを軌道レールに固定設置した時の斜視図である。
図1において1は本発明を実施するために使用する計測機器(以下レール変位計と呼ぶ)である。レール変位計は出願(申請)番号2009−97458に示す計測機器である。レール変位計はひずみゲージを利用した変位計で、該変位計の中心部で折れ曲り変形、回転変形が発生することにより折れ曲がり角度、ねじれ角度を計測し、該角度より軌道レールの変形(軌道レールの高低狂い、通り狂い、水準狂いの3項目)を算出することの出来る計測機器である。ここで言う、本発明を実施するための計測機器とは、動的計測に必要な計測応答周波数を備えた計測機器であればどのようなものでも良いが、軌道レールを計測管理する必要上、上記3項目の軌道狂いを1台の計測機器で計測できるものが経済的に良い。
該レール変位計は軌道レールの3項目の軌道狂いの静的変形を計測管理するために開発されたもので、ひずみゲージの抵抗変化を利用して変形を計測するものである。該ひずみケージを計測原理としている変位計であることにより、静的な計測はもちろんのこと、動的な計測に必要な応答周波数を兼ね備えているので、動的計測に対応することができる。
軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レール等にレール変位計を設置する。該レール変位計を軌道近接工事等の影響範囲に該レール変位計を連結ロッドで連結して設置する。動的及び、静的な計測管理するためのレール変位計は数mから数百mの範囲内で何台連結して設置しても計測することは可能である。レール変位計の設置間隔は小さいほうが、軌道レール、軌道路盤の狭い範囲での変形にも対応でき、軌道レール、軌道路盤の計測管理での安全面での精度は良くなる。レール変位計の固定は軌道レールに、取り付け専用の冶具を利用して直接設置するほか、軌道枕木に設置しても良い。
該レール変位計を設置するにあたって、該レール変位計を専用の測定ケース内に、該レール変位計に、該測定ケース内に保持するためにローラー及びバネローラー等を取り付けて挿入設置する。該測定ケースに挿入設置して計測することにより、動的及び、静的に計測される変形を軌道レールの変形に近似させる効果があるとともに、軌道レールのメンテナンス時の軌道整備員との接触による損傷を防止することができる。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するための計測データの採取方法は計測目的が軌道レールの動的な計測と静的な計測の両方であるため、計測システムも両方の計測ができる計測システムを構築するものとする。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するための計測データの採取時間は、動的計測は列車が走行する時間に合わせて実施し、静的計測は列車走行のないときの時間で定期的に実施するものとする。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するための計測データの採取計測ポイントが多くなる場合には、計測ケーブルで軌道内が混雑することを防止するため、ネットワークシステムを構築し、1本の計測ケーブルで計測可能なものとする。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するための計測システムは、計測データを計算処理、表示処理、出力処理、警報処理するための測定機器類を組み込みこんだシステムで、静的計測、動的計測ともリアルタイムに計測を実施でき、計測データの異常値出力での迅速な対応が可能のものとする。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レールの動的変形を計測する。計測する動的な変形は軌道レールに列車が走行しているときのものである。軌道レールの計測ポイント上を走行する列車が通過したときの軌道レールの変形を計測する。ここで言う動的な変形とは、一般的に軌道レールを整備するときの静的な変形の基準となる項目と同じような管理項目の変形のことを言う。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レールの動的変形を計測する。計測は走行列車に合わせたものである。計測している時間は先頭車両が計測ポイントを通過する直前から通過完了するまでの時間とする。その時間を約数十Hzから数百Hzの周期で動的計測する。この計測するサンプリング周期は列車の速度に十分対応したものとする。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レールの動的変形を計測する。計測を開始する時間的なタイミングは計測場所の外側で走行列車の進入方向の位置に列車進入を感知するスイッチを設置し、スイッチが感知すると計測を開始するシステムを構築し、前記計測終了時間はあらかじめ列車速度より計測ポイントの設置範囲内の通過所要時間を計算し決定しておく。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レールの静的な変形を計測する。計測は列車走行のない時間帯を利用して定期的に実施する。
該レール変位計を利用した静的な軌道レールの計測は列車が軌道レール上を安全に走行することができる状態であることを確認するためのもので、列車が走行したときに安全であることを確認するものではない。
前記立体交差工事や軌道近接工事等の実施がなければ静的な計測による軌道レールの計測管理で列車の走行時の安全は確認することが可能であると考えることができるが、しかし、前記立体交差工事や軌道近接工事等の影響があると考えられる場合には静的な計測管理だけでは十分とは言えない。
該レール変位計を利用した軌道レールの動的な変形及び、軌道路盤の静的な変形を計測管理するために軌道レールの動的変形を計測し計測管理を実施する。計測管理する項目は、該レール変位計を使用したときには、軌道レールの鉛直方向の変位(軌道レール高低狂い)、水平方向の変位(軌道レール通り狂い)、ねじれ方向の変位(軌道レール水準狂い)の3種類の項目について実施することができる。これらは、軌道レールを整備するときに指標となる測定管理項目で、静的な軌道レールの変形を計測監視する項目と同様である。
軌道レールは、列車が走行すると、列車が重量物であるため、その積載荷重により大なり小なり常に動的に変形する。該動的変形量は軌道レールを支えている軌道路盤の地質的性質、性状が異なれば、動的変形の大きさもそれぞれ異なる。しかし、計測ポイントが常に同じ位置、場所であるとすれば、その場所では地質的性質、性状は同じなので、列車走行時の該動的変形量の最大変形量を比較した場合、大きな差は生じないと考えられる。
軌道レールは、列車が走行すると、列車が重量物であるため、その積載荷重により大なり小なり常に動的に変形する。該動的変形量は軌道レールを走行する列車の重量の差により大きさはそれぞれ異なる。しかし、計測ポイントが常に同じ位置、場所で、計測時間が常に同じ曜日で且つ、同じ時間帯であれば、走行列車の重量は、同種類の走行列車であり、乗車人員もほぼ同じであるので、列車走行時の該動的変形量の最大変形量を比較した場合、大きな差は生じないと考えられる。
軌道レールは、列車が走行すると、列車が重量物であるため、その積載荷重により大なり小なり常に動的に変形する。該動的変形量は軌道レールを走行する列車の走行速度の差により大なり小なり動的変形量が異なる。しかし、計測ポイントが常に同じ位置、場所で、計測時間が常に同じ曜日で且つ、同じ時間帯であれば、軌道レールを走行する列車の速度は列車の運行時間の正確性を考えると、走行区間での差はありますが、計測ポイント上での同じ区間、同じ位置では同様の速度であるので、列車走行時の該動的変形量の最大変形量を比較した場合、大きな差は生じないと考えられる。
前記理由により1日のうちの走行列車で、軌道レールの動的な変形を計測したとき、該動的な変形はそれぞれの走行列車では異なりますが、同様な時間帯、同様な計測ポイントでの通過する走行列車で見た場合、該動的な変形量の最大変形量は軌道路盤の状況に変形が発生しない限り同様な計測値になると考える。
今、立体交差工事や軌道近接工事等の原因により軌道路盤に影響が発生し始め、軌道路盤は沈下変形したが、まだ軌道レールには影響が小さい場合を考える。この場合、軌道路盤には具体的な変形が現れているが、軌道レールにはまだ、具体的に静的な変形は発生していない。このとき、同様な時間帯、同様な計測ポイントで列車走行時の軌道レールの鉛直方向(高低)の動的な変形を計測したとき、その動的な変形の最大変形量は、この値が軌道路盤に変形が発生する前の軌道レールの最大変形量と比較して大きくなっていることがわかる。
立体交差工事や軌道近接工事等の原因により軌道路盤に影響が発生した時と発生していない時の、列車走行時の軌道レールの鉛直方向(高低)の動的な変形の最大変形量の差は静的な計測管理だけでは把握できないものである。しかし、列車走行時の軌道レールの安全性を管理するうえでは、動的な変形の最大変形量を把握することは非常に重要なことである。
上記発生した軌道レールの動的な変形の最大変形量を、静的な計測で得られた変形量と置き換えて軌道の変形を見たとき、この状態は列車が走行しているときに軌道レールを静的計測した変形と考えることができる。このことは、軌道レールに異常があった場合に実施される軌道整備で使用する軌道レールの静的な軌道整備基準値(高低、通り、水準)と対比することができるので、この軌道レールの該変形の最大変形量の大きさを計測することにより、軌道レールの安全性の計測管理を実施することが可能であるといえる。
しかしして、軌道レールに計測機器を設置し、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形を計測し、その変形、及び変形の経時的な変化を把握することにより、軌道レールの列車走行時の安定性、安全性を確認する計測管理が可能となる。
軌道レールの動的な変形は軌道路盤に静的な変形が生じないと発生しない。軌道路盤の静的な変形量は軌道レールの動的な変形量と比例的な関係にあると考えることができる。軌道路盤の静的な変形が進行していくと、軌道レールの動的な変形も進行していくという関係にある。このことから、軌道レールの動的な変形を計測管理することにより、軌道路盤の静的な変形量、及び静的な変形の進行状況を計測管理することができる。
軌道レールの動的変形の最大変形量は、軌道路盤の静的な変形量より大きくなることはない。しかし、軌道路盤の静的な変形量は、軌道レールの動的変形の最大変形量と比較して、軌道路盤に陥没等の非常に狭い場所での特別な状況でないかぎり、同等程度のものと考えることができる。よって、軌道レールの動的変形の最大変形量を計測することにより、軌道路盤の変形の計測管理を実施することができる。
しかしして、軌道レールに計測機器を設置し、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形を計測し、その変形、及び変形の経時的な変化を把握することにより、軌道路盤に計測機器を設置することなく、軌道路盤の安定性、安全性を確認する計測管理が可能となる。
図4は列車走行時の軌道レールの動的変形の計測データを利用した軌道レール、軌道路盤の計測管理方法の評価モデル図(軌道レールの高低狂いを想定)である。グラフで縦軸は軌道レールの動的変形の最大変形量の大きさを示す。横軸は時間経過を示す。グラフの隆起側及び、沈下側の一点鎖線の直線は軌道レールの静的変形での軌道整備の必要性の目安となる範囲を示す。この範囲の外側(最大変形量が大の方向)では軌道整備が必要となることを示す。グラフ中、点線のラインは動的計測で得られた最大変形量の大きさとその経時変化の状況を示す例である。
グラフ中でa期間は動的計測で得られた最大変形量の大きさが一定の計測値であることを示す。これは、軌道路盤に静的変形が生じてないので、軌道レールの動的変形の計測データに変化がないことを示している期間である。このときの最大変形量はゼロにはならず、ある一定の計測値で推移する。この期間は、立体交差工事や軌道近接工事等の原因による軌道路盤への影響はないと考えられ、また、軌道レールの動的変形も管理基準値の範囲内で一定であるので、軌道レールの列車走行時及び、軌道路盤の安全管理上の検討、対策工は必要ないと評価できる期間である。
グラフ中でb期間は、立体交差工事や軌道近接工事等の原因による軌道レール、軌道路盤への影響が発生し始め、なおかつ、影響が継続していると考えられ期間である。軌道レール、軌道路盤の安全管理上の検討、対策工が必要であると評価しなければならない期間である。この期間では、軌道路盤に変形が発生しおり、軌道レールの動的な変形も大きくなる傾向にあるので、その最大変形量を軌道レールの軌道整備基準値(静的値)と比較して安全であるかどうかの検討を第一に実施すべきである。次に、この期間での、軌道レールの動的変形から軌道路盤の静的な変形が時間の進行とともに、大きさがどの程度になり、収束するのがいつごろになるのかの検討も実施すべきである。
グラフ中でc期間は立体交差工事や軌道近接工事等の原因による軌道レール、軌道路盤への影響がなくなり、軌道レールの動的変形が収束したと考えられる期間である。もしb期間の段階で対策工を実施していなければ、この期間に軌道レールを正常状態に戻すべき対策工を実施すべきである。
図5は、立体交差工事や軌道近接工事等の原因による軌道路盤の変形により発生する軌道レールの静的変形量と動的最大変形量を断面的に示した模式図である。軌道レールの静的計測の計測結果で得られた変形量と動的計測の計測結果より得られた最大変形量の関係を示したものである。(a)は軌道レールが軌道路盤の変形により静的に隆起変形したときの変形量と軌道レールの動的最大変形量との関係を示したものである。(b)は軌道レールが軌道路盤の変形により静的に沈下変形したときの変形量と軌道レールの動的最大変形量との関係を示したものである。
図5(a)、(b)で、中央の実線は正常状態での軌道レールの位置を断面的に表したものである。中央の実線より上側に示されたラインは軌道レールが隆起変形したことを示す。中央の実線より下側に示されたラインは軌道レールが沈下変形したことを示す。図中、一点鎖線のラインは静的計測の変形を断面的に表わしたものであり、破線のラインは動的計測の最大変形量を断面的に表したものである。
図5(a)の場合では、軌道レールの列車走行時の動的な変形を計測管理するときの最大変形量は、静的変形量aを動的最大変形量bから差し引いたものとし、軌道整備基準値等と比較検討することが適当と考える。図5(b)の場合では、軌道レールの列車走行時の動的な変形を計測管理するときの最大変形量は、静的変形量aと動的最大変形量bを加算したものとし、軌道整備基準値等と比較検討することが適当と考える。
図5(a)、(b)で一点鎖線のラインは静的計測の変形を断面的に表したもので、従来の近接工事等で実施している静的計測管理の指標である。この指標での安全性の判断は、軌道レールを支持している軌道バラスト、軌道路盤がどのような異常状態であっても軌道レールが静的に変形していなければ正常である、安全であるということである。これらは列車が走行していないときにあてはまることで、列車の走行時にはあてはまらないことである。
軌道レールには列車が走行し、軌道バラスト、軌道路盤が異常状態であれば、軌道レールは大きく変形する。本発明ではこの静的計測の変形では確認することができなかった列車走行時の変形を、静的計測の変形量と図5中の破線のラインの動的計測の最大変形量とをあわせて計測管理することにより、軌道レールの列車走行時の変形と、軌道路盤の近接工事中での変形を確認するものである。
また、軌道レールに計測機器を設置し、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形を計測し、その変形、及び変形の経時的な変化を把握する指標を動的最大変形量のほかに、動的計測の最大振幅という指標で計測管理しても良い。
また、計測対象は軌道施設だけに限定することなく、他の交通施設等でも、同様に静的計測管理とあわせて動的計測管理を実施することにより、施設の安定性及び、移動体の走行時の安全性を計測管理することもできる。
以上のことより、本発明は軌道施設の静的変形を計測管理することを目的として設置する計測機器と計測システムを利用し、静的計測とあわせて、軌道施設の列車走行時の軌道施設の動的変形を計測することにより、その軌道施設の動的の変形、及び変形の経時的な変化で、列車走行時の軌道施設の安定性、安全性を計測管理することができ、尚且つ、軌道路盤に計測機器を設置することなく、立体交差工事や軌道近接工事等の最中の軌道路盤の安定性、安全性を計測管理することができる。
1 レール変位計
2 第一管体
3 第二管体
4 バネローラー
5 ローラー
6 嵌合部
7 嵌合ビス
8 連結ロッド
9 測定ケース
10 取り付け専用治具
11 測定ケース固定治具
12 測定ケース取り付け部
13 軌道レール取り付け部
14 軌道レール

Claims (3)

  1. 列車走行の安定性、安全性を確認する計測管理方法において、軌道施設に計測機器を設置し、列車走行のないときの静的変形の計測とあわせて、列車走行時に発生する軌道施設の動的変形の計測を可能とするシステムを利用して、静的計測と動的計測で軌道施設の安定性、安全性を確認することを特徴とする計測管理方法。
  2. 列車走行の安定性、安全性を確認する計測管理方法において、軌道施設に計測機器を設置し、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形を計測し、その変形、及び変形の経時的な変化により軌道レールの安定性、安全性を確認することを特徴とする請求項1に記載の計測管理方法。
  3. 列車走行の安定性、安全性を確認する計測管理方法において、軌道施設に計測機器を設置し、列車走行時に発生する軌道レールの動的変形を計測し、その変形、及び変形の経時的な変化により、軌道路盤に計測機器を設置することなく、軌道路盤の安定性、安全性を確認することを特徴とする請求項1に記載の計測管理方法。
JP2010056665A 2010-02-23 2010-02-23 列車走行の安全性を確認する計測管理方法 Pending JP2011174351A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102944221A (zh) * 2012-12-04 2013-02-27 天津市市政工程设计研究院 运营轨道竖向位移自动化监测系统
CN105651250A (zh) * 2016-04-13 2016-06-08 安徽华电工程咨询设计有限公司 一种山区塔基断面测量尺
KR20190032879A (ko) * 2017-09-20 2019-03-28 이근호 철도레일의 계측방법

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