JP2015150968A - 乗物用シート - Google Patents
乗物用シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015150968A JP2015150968A JP2014025087A JP2014025087A JP2015150968A JP 2015150968 A JP2015150968 A JP 2015150968A JP 2014025087 A JP2014025087 A JP 2014025087A JP 2014025087 A JP2014025087 A JP 2014025087A JP 2015150968 A JP2015150968 A JP 2015150968A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- state
- seat
- gas
- openings
- adjustment member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
- Seats For Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御することにある。【解決手段】気体の通過可能な隙間を有する調節部材20が、気体の移動経路の途中に設けられるとともに、吸湿により膨張するとともに放湿により収縮する吸放湿材を備えて、調節部材20の隙間が維持される第一状態と、吸放湿材が吸湿により膨張して第一状態に比して隙間が狭小化する第二状態との間を変位可能であり、調節部材20が、第一状態から第二状態に変位して気体の移動経路が限定されることにより、送風装置の気体が、第一状態時よりも気体の流れが集約された状態でシートカバー6Sの着座側から吹き出る。【選択図】図3
Description
本発明は、送風装置を備えた乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、特許文献1に開示の乗物用シートが公知である。この乗物用シートは、シート表面を覆うシート材(風通しの良い面材)と、エアコン用ファンと、センサを有する。エアコン用ファンは、シート下部に配設されており、例えば車体前部に配置する送風装置のエアをシート材に向けて送ることができる。またセンサは、乗員の発汗を検出する部材であり、シート材の裏面側に取付けられる。
公知技術では、乗員の発汗をセンサにて検知したのち、制御部を介してエアコン用ファンを一定の期間だけ作動させることができる(ON−OFF制御できる)。
公知技術では、乗員の発汗をセンサにて検知したのち、制御部を介してエアコン用ファンを一定の期間だけ作動させることができる(ON−OFF制御できる)。
ところで特許文献1に開示の構成では、エアコン用ファンを作動させるために各種の電装部材(センサ、制御部、これらをつなぐ配線等)が必須である。このため特許文献1に開示の技術では、シート構成が複雑化するとともに、シートの省電力化にも適さないことから、すんなり採用できる構成ではなかった。
またこの種のシート構成では、シートの快適性等を考慮して、乗員の発汗時に送風が強まるとともに、発汗が収まるに従って次第に送風が弱まることが望ましい。しかし公知技術の構成では、送風装置をON−OFF制御するため、常に一定の強さで送風を行う構成であった(やや快適性に劣る構成であった)。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御することにある。
またこの種のシート構成では、シートの快適性等を考慮して、乗員の発汗時に送風が強まるとともに、発汗が収まるに従って次第に送風が弱まることが望ましい。しかし公知技術の構成では、送風装置をON−OFF制御するため、常に一定の強さで送風を行う構成であった(やや快適性に劣る構成であった)。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆する通気性を備えたシートカバーと、シートパッドに設けられて気体の通過可能な流路部とを有する。
本発明では、シート内の送風装置から送り出された気体が、流路部内で分流されつつその複数の開口から出たのちシートカバー側で広がるように移動し、シートカバーの着座側から吹き出る構成である。この種の構成では、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御できることが望ましい。
本発明では、シート内の送風装置から送り出された気体が、流路部内で分流されつつその複数の開口から出たのちシートカバー側で広がるように移動し、シートカバーの着座側から吹き出る構成である。この種の構成では、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御できることが望ましい。
そこで本発明では、気体の通過可能な隙間を有する調節部材が、気体の移動経路の途中に設けられる。調節部材は、吸湿により膨張するとともに放湿により収縮する吸放湿材を備えて、調節部材の隙間が維持される第一状態と、吸放湿材が吸湿により膨張して第一状態に比して隙間が狭小化する第二状態との間を変位可能である。
そして調節部材が、第一状態から第二状態に変位して気体の移動経路が限定されることにより、送風装置の気体が、第一状態時よりも気体の流れが集約された状態でシートカバーの着座側から吹き出る構成である。
本発明では、調節部材内の吸放湿材の挙動(シンプルな構成)により、気体の流れを拡散又は集約する(送風を制御する)ことができる。
そして調節部材が、第一状態から第二状態に変位して気体の移動経路が限定されることにより、送風装置の気体が、第一状態時よりも気体の流れが集約された状態でシートカバーの着座側から吹き出る構成である。
本発明では、調節部材内の吸放湿材の挙動(シンプルな構成)により、気体の流れを拡散又は集約する(送風を制御する)ことができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートであって、複数の開口の一部に調節部材が嵌装されるとともに、複数の開口の他部には調節部材が非嵌装状態とされる。
そして調節部材が第一状態から第二状態に変位することで、複数の開口の一部からの送風が規制されて気体の移動経路が限定されるとともに、複数の開口の他部に気体の流れが集約される構成である。
本発明では、流路部の一部の開口に調節部材を嵌装すること(更にシンプルな構成)により、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を制御することができる。
そして調節部材が第一状態から第二状態に変位することで、複数の開口の一部からの送風が規制されて気体の移動経路が限定されるとともに、複数の開口の他部に気体の流れが集約される構成である。
本発明では、流路部の一部の開口に調節部材を嵌装すること(更にシンプルな構成)により、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を制御することができる。
本発明に係る第1発明によれば、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御することができる。また第2発明によれば、更にシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置の送風を性能よく制御することができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図6を参照して説明する。各図には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド(4P,6P)と、シートパッドに被覆されるシートカバー(4S,6S)を有する。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド(4P,6P)と、シートパッドに被覆されるシートカバー(4S,6S)を有する。
[シートバック]
本実施例のシートバック6は、上述の基本構成(6P,6S)と、送風装置8と、後述の構成(流路部10,調節部材20)を有する(図1〜図3を参照)。
送風装置8は、シート内(シートパッド6Pの裏面側)に配設された中空の箱体(円筒状)であり、送風機構を内蔵する。送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。
本実施例のシートバック6は、上述の基本構成(6P,6S)と、送風装置8と、後述の構成(流路部10,調節部材20)を有する(図1〜図3を参照)。
送風装置8は、シート内(シートパッド6Pの裏面側)に配設された中空の箱体(円筒状)であり、送風機構を内蔵する。送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。
そして本実施例では、後述するように送風装置8から吹出された気体が、シートパッド6P(流路部10)を通過してシートカバー6Sの着座側から吹き出る。
この種の構成では、シートの快適性などを考慮して、乗員の発汗時に送風が強まるとともに発汗が収まるに従って次第に送風が弱まる(制御される)ことが望ましい。
そこで本実施例では、後述のシンプルな構成(調節部材20)にて、送風装置8の気体を適宜分散又は集約するなどして、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御することとした。以下、各構成について詳述する。
この種の構成では、シートの快適性などを考慮して、乗員の発汗時に送風が強まるとともに発汗が収まるに従って次第に送風が弱まる(制御される)ことが望ましい。
そこで本実施例では、後述のシンプルな構成(調節部材20)にて、送風装置8の気体を適宜分散又は集約するなどして、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御することとした。以下、各構成について詳述する。
(シートカバー)
シートカバー6Sは、着座面をなす面材であり、適度な通気性(例えば200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・secの通気度)を有する(図1及び図3を参照)。ここでシートカバー6Sの材質は特に限定しないが、布帛(織物,編物,貫通孔を備えた不織布)、貫通孔を備えた皮革(天然皮革,合成皮革)を例示できる。なおシートカバー6Sの裏面に、高通気性の裏材(スラブウレタン、綿材、3Dネット体(繊維を三次元状に編製してなる部材)等)を配設することもできる。
シートカバー6Sは、着座面をなす面材であり、適度な通気性(例えば200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・secの通気度)を有する(図1及び図3を参照)。ここでシートカバー6Sの材質は特に限定しないが、布帛(織物,編物,貫通孔を備えた不織布)、貫通孔を備えた皮革(天然皮革,合成皮革)を例示できる。なおシートカバー6Sの裏面に、高通気性の裏材(スラブウレタン、綿材、3Dネット体(繊維を三次元状に編製してなる部材)等)を配設することもできる。
(シートパッド)
シートパッド6Pは、乗員を弾性的に支持可能な部材(略長方形状)であり、後述の流路部10を有する(図2及び図3を参照)。シートパッド6Pの材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂を例示できる。
そして本実施例では、シートパッド6Pをシートカバー6Sで被覆するに際して、これらの間(後述の流路部の開口が形成される部分)に気体の通過可能な隙間9を形成する。
シートパッド6Pは、乗員を弾性的に支持可能な部材(略長方形状)であり、後述の流路部10を有する(図2及び図3を参照)。シートパッド6Pの材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂を例示できる。
そして本実施例では、シートパッド6Pをシートカバー6Sで被覆するに際して、これらの間(後述の流路部の開口が形成される部分)に気体の通過可能な隙間9を形成する。
(流路部)
流路部10は、気体の通過可能なシートパッド6P内の通路(空間)であり、シートパッド6Pの表裏面に連通する(図1〜図3を参照)。
本実施例の流路部10は、シートパッド6P内で枝分かれしており、シートパッド6P裏面の連通口14(図示省略)と、枝分かれ部16と、複数の開口(後述)を有する。枝分かれ部16は、シートパッド6P内を縦横に延びる流路部部分であり、裏面側の連通口14に連通するとともに、着座側に向けて略円筒状に延びつつ各開口に連通する。
本実施例では、シートパッド6P裏面の連通口14を、ダクト(図示省略)を介して送風装置8に連通させる。こうして送風装置8の気体が、連通口14から流路部10内に入り込み、枝分かれ部16で分流されて、複数の開口を通じてシートカバー6S側に吹出されることとなる。
流路部10は、気体の通過可能なシートパッド6P内の通路(空間)であり、シートパッド6Pの表裏面に連通する(図1〜図3を参照)。
本実施例の流路部10は、シートパッド6P内で枝分かれしており、シートパッド6P裏面の連通口14(図示省略)と、枝分かれ部16と、複数の開口(後述)を有する。枝分かれ部16は、シートパッド6P内を縦横に延びる流路部部分であり、裏面側の連通口14に連通するとともに、着座側に向けて略円筒状に延びつつ各開口に連通する。
本実施例では、シートパッド6P裏面の連通口14を、ダクト(図示省略)を介して送風装置8に連通させる。こうして送風装置8の気体が、連通口14から流路部10内に入り込み、枝分かれ部16で分流されて、複数の開口を通じてシートカバー6S側に吹出されることとなる。
複数の開口(第一開口11a,11b,第二開口12a,12b,第三開口13a,13b)は、それぞれシートパッド6Pの着座側(シートカバーを臨む側)に開口する。
本実施例では、各開口(いずれも同形同寸の円形状)が、シートパッド6Pの中央側部(乗員の側方)にそれぞれ配置する。例えば一対の第一開口11a,11bが、シートパッド6P中央の上部位置に適宜の間隔をあけて形成される。また一対の第三開口13a,13bが、シートパッド6P中央の下部位置に適宜の間隔をあけて形成される。そして一対の第二開口12a,12bが、シートパッド6P中央の中間位置に適宜の間隔をあけて形成されて、例えば乗員腰部の近傍に配置する。
本実施例では、各開口(いずれも同形同寸の円形状)が、シートパッド6Pの中央側部(乗員の側方)にそれぞれ配置する。例えば一対の第一開口11a,11bが、シートパッド6P中央の上部位置に適宜の間隔をあけて形成される。また一対の第三開口13a,13bが、シートパッド6P中央の下部位置に適宜の間隔をあけて形成される。そして一対の第二開口12a,12bが、シートパッド6P中央の中間位置に適宜の間隔をあけて形成されて、例えば乗員腰部の近傍に配置する。
(調節部材)
調節部材20は、気体の移動経路の途中に設けられる部材であり、その内部などに吸放湿材を有する(図3を参照)。
本実施例の調節部材20は、気体の通過可能な隙間を有する略円筒状の部材であり、複数の開口に隙間なく嵌装可能である。この種の調節部材20(素材)として、裏材で例示した素材(3Dネット体など)、布帛、連続気孔を有する部材(例えば焼結金属からなる多孔体)、を用いることができる。
また吸放湿材は、吸湿により膨張するとともに放湿により収縮する材料(典型的にポリマー)であり、調節部材20(隙間)に保持される。この種の吸放湿材として、自身の体積の数十倍から数百倍もの水分を吸収保持可能な材料が好ましく、この種の材料として各種の吸湿性ポリマー(例えばポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩類)を例示できる。吸放湿材の形状は、不定形状、ビーズ状、線状(繊維状)の各種の形状を取り得る。また吸放湿材を、通気性を備えて膨張収縮可能な袋体内に封入することもできる。
そして本実施例では、第一開口11a,11bと第三開口13a,13b(複数の開口の一部)にそれぞれ調節部材20を嵌装する(図3を参照)。また第二開口12a,12b(複数の開口の他部)には、調節部材20が非嵌装状態とされる。
調節部材20は、気体の移動経路の途中に設けられる部材であり、その内部などに吸放湿材を有する(図3を参照)。
本実施例の調節部材20は、気体の通過可能な隙間を有する略円筒状の部材であり、複数の開口に隙間なく嵌装可能である。この種の調節部材20(素材)として、裏材で例示した素材(3Dネット体など)、布帛、連続気孔を有する部材(例えば焼結金属からなる多孔体)、を用いることができる。
また吸放湿材は、吸湿により膨張するとともに放湿により収縮する材料(典型的にポリマー)であり、調節部材20(隙間)に保持される。この種の吸放湿材として、自身の体積の数十倍から数百倍もの水分を吸収保持可能な材料が好ましく、この種の材料として各種の吸湿性ポリマー(例えばポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩類)を例示できる。吸放湿材の形状は、不定形状、ビーズ状、線状(繊維状)の各種の形状を取り得る。また吸放湿材を、通気性を備えて膨張収縮可能な袋体内に封入することもできる。
そして本実施例では、第一開口11a,11bと第三開口13a,13b(複数の開口の一部)にそれぞれ調節部材20を嵌装する(図3を参照)。また第二開口12a,12b(複数の開口の他部)には、調節部材20が非嵌装状態とされる。
そして調節部材20は、例えば乗員の発汗に応じて、第一状態から第二状態に変位可能である。
第一状態の調節部材20は、調節部材20の隙間が維持されており、気体が通過可能である。ここで第一状態時の調節部材20の通気性は、シートカバー6Sと同程度の通気性を有することが好ましい。
また第二状態の調節部材20は、吸放湿材が吸湿により膨張して調節部材20の隙間が第一状態に比して狭小化した状態とされる。このため第二状態の調節部材20は、第一状態時に比して気体の通過が規制された状態とされ、例えば通気度が200cc/cm2・sec未満(好ましくは0cc/cm2・sec〜100cc/cm2・secの範囲)になる。
第一状態の調節部材20は、調節部材20の隙間が維持されており、気体が通過可能である。ここで第一状態時の調節部材20の通気性は、シートカバー6Sと同程度の通気性を有することが好ましい。
また第二状態の調節部材20は、吸放湿材が吸湿により膨張して調節部材20の隙間が第一状態に比して狭小化した状態とされる。このため第二状態の調節部材20は、第一状態時に比して気体の通過が規制された状態とされ、例えば通気度が200cc/cm2・sec未満(好ましくは0cc/cm2・sec〜100cc/cm2・secの範囲)になる。
[乗物用シートの使用]
図1〜図3を参照して、送風装置8の気体が、流路部10内で分流されつつその複数の開口から出たのちシートカバー6S側で広がるように移動する。
こうして本実施例では、送風装置8の気体が、その移動経路で次第に分散されながらシートカバー6Sの着座側から吹き出る(比較的広範囲から吹き出る)。この種の構成では、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御できることが望ましい。
図1〜図3を参照して、送風装置8の気体が、流路部10内で分流されつつその複数の開口から出たのちシートカバー6S側で広がるように移動する。
こうして本実施例では、送風装置8の気体が、その移動経路で次第に分散されながらシートカバー6Sの着座側から吹き出る(比較的広範囲から吹き出る)。この種の構成では、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御できることが望ましい。
そこで本実施例では、調節部材20が、第一開口11a,11bと第三開口13a,13bに嵌装されて、気体の移動経路の途中に配置する(図3を参照)。
そして調節部材20が、乗員の発汗時において、第一状態から第二状態に変位することで、第一開口11a,11bと第二開口12a,12bからの送風が規制される(気体の移動経路が限定される)。これにより専ら第二開口12a,12bに気体の流れが集約されて(気体の移動経路を狭めて気体の流れが集約されて)シートカバー6Sから吹き出ることで、乗員の発汗時に送風が強まることとなる。特に本実施例では、第二開口12a,12bに気体の流れが集約されることで、乗員腰部(シートに比較的強く押付けられる部位)付近の送風を強めることができる。
そして乗員の発汗が収まるに従って、吸放湿材が次第に収縮して調節部材20の隙間が広がる(第一状態となる)。これにより第一開口11a,11bと第二開口12a,12bと第三開口13a,13bから気体が吹き出て(気体が分散して)、乗員に緩やかに送風することができる。
こうして本実施例によれば、乗員が発汗しつつシートに着座した際に送風を強めることで、素早く乗員を冷やすことができる。また乗員の発汗が収まるにつれて、送風を次第に弱めつつ広範囲に送ることができる(快適性に優れる構成である)。
そして調節部材20が、乗員の発汗時において、第一状態から第二状態に変位することで、第一開口11a,11bと第二開口12a,12bからの送風が規制される(気体の移動経路が限定される)。これにより専ら第二開口12a,12bに気体の流れが集約されて(気体の移動経路を狭めて気体の流れが集約されて)シートカバー6Sから吹き出ることで、乗員の発汗時に送風が強まることとなる。特に本実施例では、第二開口12a,12bに気体の流れが集約されることで、乗員腰部(シートに比較的強く押付けられる部位)付近の送風を強めることができる。
そして乗員の発汗が収まるに従って、吸放湿材が次第に収縮して調節部材20の隙間が広がる(第一状態となる)。これにより第一開口11a,11bと第二開口12a,12bと第三開口13a,13bから気体が吹き出て(気体が分散して)、乗員に緩やかに送風することができる。
こうして本実施例によれば、乗員が発汗しつつシートに着座した際に送風を強めることで、素早く乗員を冷やすことができる。また乗員の発汗が収まるにつれて、送風を次第に弱めつつ広範囲に送ることができる(快適性に優れる構成である)。
以上説明したとおり本実施例によれば、調節部材20の吸放湿材の挙動により、電装部材を極力用いることなく、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を好適に制御できる。このように電装部材を極力用いないことで、シート構成がシンプル化されるとともに、製造コストの削減に資する構成となる。
また本実施例では、流路部10の一部の開口に調節部材20を嵌装することにより(シンプルな構成により)、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を制御できる。
このため本実施例によれば、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御することができる。
また本実施例では、流路部10の一部の開口に調節部材20を嵌装することにより(シンプルな構成により)、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を制御できる。
このため本実施例によれば、よりシンプルな構成で、乗員の発汗に応じて送風装置8の送風を性能よく制御することができる。
[変形例1]
ここで調節部材の構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。
例えば本変形例では、調節部材20Aを、全ての開口(11a,11b,12a,12b,13a,13b)上にそれぞれ固定する(図4及び図5を参照)。各調節部材20Aは、それぞれ輪状の部材であり、その中央に各開口と同形同寸の通気孔(貫通孔)を有する。そして各調節部材20Aが、シートパッド6Pとシートカバー6Sの間に配置しつつ、これらに密着する(気体が漏れる隙が生じにくい構成とされる)。
こうして各調節部材20Aが第一状態の際は、送風装置8の気体が、流路部10内で分流されつつその複数の開口(通気孔)から出たのちシートカバー6S側で広がるように移動する(図5を参照)。
ここで調節部材の構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。
例えば本変形例では、調節部材20Aを、全ての開口(11a,11b,12a,12b,13a,13b)上にそれぞれ固定する(図4及び図5を参照)。各調節部材20Aは、それぞれ輪状の部材であり、その中央に各開口と同形同寸の通気孔(貫通孔)を有する。そして各調節部材20Aが、シートパッド6Pとシートカバー6Sの間に配置しつつ、これらに密着する(気体が漏れる隙が生じにくい構成とされる)。
こうして各調節部材20Aが第一状態の際は、送風装置8の気体が、流路部10内で分流されつつその複数の開口(通気孔)から出たのちシートカバー6S側で広がるように移動する(図5を参照)。
そして本変形例では、各調節部材20Aが、乗員の発汗時に第一状態から第二状態に変位する。これにより各通気口から出た気体が、各開口周囲に配置する各調節部材20Aに邪魔されて、シートカバー6Sに沿って広がれない状態とされる(気体の移動経路が限定される)。
これにより各開口から出た気体が、シートカバー6Sに沿って広がることなく各開口部分に集約されてシートカバー6Sから吹き出ることとなる。こうして本変形例によれば、各開口から出た気体がシートカバー6Sから直接的に吹出されることで、乗員の発汗時に送風が強まることとなる。
これにより各開口から出た気体が、シートカバー6Sに沿って広がることなく各開口部分に集約されてシートカバー6Sから吹き出ることとなる。こうして本変形例によれば、各開口から出た気体がシートカバー6Sから直接的に吹出されることで、乗員の発汗時に送風が強まることとなる。
[変形例2]
また変形例2では、調節部材20Bが、その中央に配置する集約部材30にて連通した状態とされる(図6を参照)。集約部材30は、円錐状の中空部材であり、その両端が開放状である(一端側の開口部が狭く、他端側の開口部が広い)。
本変形例では、集約部材30の一端側をシートカバー6S側に向けつつ、例えば第一開口11aに調節部材20Bを嵌装する。そして調節部材20Bが第一状態の場合、送風装置8の気体が、調節部材20Bと集約部材30を通過しつつ第一開口11aから吹き出る。また乗員が発汗した場合には、調節部材20Bが第二状態となることで、気体が、集約部材30のみを通過しつつ第一開口11aから吹き出る。このとき気体が、集約部材30の他端から一端に向けて移動するに従って次第に流速が高まりつつ吹出されることとなる(より好適に気体を集約させることができる)。
また変形例2では、調節部材20Bが、その中央に配置する集約部材30にて連通した状態とされる(図6を参照)。集約部材30は、円錐状の中空部材であり、その両端が開放状である(一端側の開口部が狭く、他端側の開口部が広い)。
本変形例では、集約部材30の一端側をシートカバー6S側に向けつつ、例えば第一開口11aに調節部材20Bを嵌装する。そして調節部材20Bが第一状態の場合、送風装置8の気体が、調節部材20Bと集約部材30を通過しつつ第一開口11aから吹き出る。また乗員が発汗した場合には、調節部材20Bが第二状態となることで、気体が、集約部材30のみを通過しつつ第一開口11aから吹き出る。このとき気体が、集約部材30の他端から一端に向けて移動するに従って次第に流速が高まりつつ吹出されることとなる(より好適に気体を集約させることができる)。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、調節部材20等の構成(形状,寸法,配設位置,配設数等)を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。調節部材の形状や寸法は、流路部の開口に応じて適宜変更可能である。また調節部材は、複数の開口のいずれかに嵌装することができ、また吸湿可能であるかぎり気体の移動経路内で適宜の位置(例えば流路部内やシートカバー裏面)に固定できる。なお実施例1と各変形例の調節部材を組み合わせて使用することもできる。
(2)また本実施形態では、流路部10の構成(形状,寸法,配設位置等)を例示したが、同部の構成を限定する趣旨ではない。例えば開口は、シート構成に応じて2以上形成することができ、その形成位置や形状や寸法も適宜変更可能である。また枝分かれ部の形状や寸法も、形成すべき開口の構成に応じて適宜変更可能である。なお変形例にかかる集約部材の形状や寸法は、気体の流速を高めることができる限り、各種の形状(ラッパ状,角錐状など)を取り得る。
(3)また本実施形態では、専らシートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッション等の各種シート構成部材に適用可能である。また空調装置は、適宜気体を吹出し又は吸い込み可能な構成とすることもできる。また空調装置の配設箇所も適宜変更可能であり、また同装置の配置箇所に応じて流路部の構成を変更できる。また本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
(1)本実施形態では、調節部材20等の構成(形状,寸法,配設位置,配設数等)を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。調節部材の形状や寸法は、流路部の開口に応じて適宜変更可能である。また調節部材は、複数の開口のいずれかに嵌装することができ、また吸湿可能であるかぎり気体の移動経路内で適宜の位置(例えば流路部内やシートカバー裏面)に固定できる。なお実施例1と各変形例の調節部材を組み合わせて使用することもできる。
(2)また本実施形態では、流路部10の構成(形状,寸法,配設位置等)を例示したが、同部の構成を限定する趣旨ではない。例えば開口は、シート構成に応じて2以上形成することができ、その形成位置や形状や寸法も適宜変更可能である。また枝分かれ部の形状や寸法も、形成すべき開口の構成に応じて適宜変更可能である。なお変形例にかかる集約部材の形状や寸法は、気体の流速を高めることができる限り、各種の形状(ラッパ状,角錐状など)を取り得る。
(3)また本実施形態では、専らシートバック6を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートクッション等の各種シート構成部材に適用可能である。また空調装置は、適宜気体を吹出し又は吸い込み可能な構成とすることもできる。また空調装置の配設箇所も適宜変更可能であり、また同装置の配置箇所に応じて流路部の構成を変更できる。また本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 送風装置
6S シートカバー
6P シートパッド
10 流路部
11a,11b 第一開口
12a,12b 第二開口
13a,13b 第三開口
14 連通口
16 枝分かれ部
20 調節部材
30 集約部材
4 シートクッション
6 シートバック
8 送風装置
6S シートカバー
6P シートパッド
10 流路部
11a,11b 第一開口
12a,12b 第二開口
13a,13b 第三開口
14 連通口
16 枝分かれ部
20 調節部材
30 集約部材
Claims (2)
- シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドを被覆する通気性を備えたシートカバーと、前記シートパッドに設けられて気体の通過可能な流路部とを有し、
シート内の送風装置から送り出された気体が、前記流路部内で分流されつつその複数の開口から出たのち前記シートカバー側で広がるように移動し、前記シートカバーの着座側から吹き出る構成の乗物用シートにおいて、
前記気体の通過可能な隙間を有する調節部材が、前記気体の移動経路の途中に設けられるとともに、吸湿により膨張するとともに放湿により収縮する吸放湿材を備えて、前記調節部材の隙間が維持される第一状態と、前記吸放湿材が吸湿により膨張して第一状態に比して前記隙間が狭小化する第二状態との間を変位可能であり、
前記調節部材が、第一状態から第二状態に変位して前記気体の移動経路が限定されることにより、前記送風装置の気体が、第一状態時よりも前記気体の流れが集約された状態で前記シートカバーの着座側から吹き出る構成の乗物用シート。 - 前記複数の開口の一部に前記調節部材が嵌装されるとともに、前記複数の開口の他部には前記調節部材が非嵌装状態とされ、
前記調節部材が第一状態から第二状態に変位することで、前記複数の開口の一部からの送風が規制されて前記気体の移動経路が限定されるとともに、前記複数の開口の他部に前記気体の流れが集約される構成の請求項1に記載の乗物用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014025087A JP2015150968A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 乗物用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014025087A JP2015150968A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 乗物用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015150968A true JP2015150968A (ja) | 2015-08-24 |
Family
ID=53893691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014025087A Pending JP2015150968A (ja) | 2014-02-13 | 2014-02-13 | 乗物用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015150968A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200481770Y1 (ko) * | 2016-02-03 | 2016-11-07 | 최정곤 | 공기압을 이용한 자동차용 시트카바 |
CN111347951A (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 马勒国际有限公司 | 儿童座椅组件 |
JP2021019820A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 株式会社タチエス | 車両用シートのトリムカバー |
WO2022244506A1 (ja) * | 2021-05-19 | 2022-11-24 | 株式会社デンソー | 車両用シート |
-
2014
- 2014-02-13 JP JP2014025087A patent/JP2015150968A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200481770Y1 (ko) * | 2016-02-03 | 2016-11-07 | 최정곤 | 공기압을 이용한 자동차용 시트카바 |
CN111347951A (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 马勒国际有限公司 | 儿童座椅组件 |
JP2021019820A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 株式会社タチエス | 車両用シートのトリムカバー |
WO2022244506A1 (ja) * | 2021-05-19 | 2022-11-24 | 株式会社デンソー | 車両用シート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6293199B2 (ja) | シートの調節方法、熱調節シート、および調節流体の供給方法 | |
US9403460B2 (en) | Vehicle seating assembly having a climate controlled seat utilizing a plenum volume and flexible hoses | |
CN210852140U (zh) | 车辆座椅总成及车辆 | |
JP2010052494A (ja) | シート送風装置 | |
KR102013227B1 (ko) | 통합 블로워를 갖는 유체 분배 인서트 | |
JP2015150968A (ja) | 乗物用シート | |
JP2003285629A (ja) | 車両用シート空調装置 | |
JP2000333782A (ja) | 車両用シート | |
JP2007520288A (ja) | 車両シート | |
JP2012218655A (ja) | 車両用シート | |
JPH01218410A (ja) | 座席用クツシヨン | |
WO2018105264A1 (ja) | 座席空調装置 | |
WO2006045577A1 (de) | Fahrzeugsitz | |
JP6423732B2 (ja) | 車両用シート | |
JP2008529621A (ja) | 車両シート及びそのクッション | |
JP2012228333A (ja) | 通気性シート構造 | |
JP2013147225A (ja) | 車両用シート | |
JP2018039298A (ja) | 車両用シート | |
US20140346820A1 (en) | Seat and its use | |
JP2018038810A (ja) | 座席 | |
CN203126585U (zh) | 车辆用座椅空调装置 | |
WO2018224061A1 (en) | Air conditioning diffuser | |
JP2012224228A (ja) | 車両用シート | |
KR101501077B1 (ko) | 차량의 시트 하부 통풍 장치 | |
JP2006137362A (ja) | 座席用空調装置 |