JP2015148535A - ラマン散乱光測定方法及びラマン散乱光測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ラマン散乱光の振動数と入射光の振動数の差(ラマンシフト)は物質の構造に特有の値をとることから、ラマン効果は赤外分光法と同様に分子の構造や状態を知るための非破壊分析法として利用されている。
一方、蛍光は、X線や紫外線、可視光線が照射されてそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出するものである。
ラマン分光測定は、一般に、試料に狭線幅(狭波長帯域)のレーザー光を励起光として照射し、試料より生じた測定光のうち励起光とは異なる波長を有するものの波長と強度を測定する。一般に励起光より長波長の測定光を測定することになる。そのため、ラマン散乱光の測定時には、励起光によって蛍光も発生し、ラマン散乱光と蛍光が同時に測定されることが多いとともに、ラマン散乱光は蛍光に比べ微弱である場合が多い。
このようなラマン散乱光のスペクトルを測定する場合に、その形状の特徴を利用して、解析処理により蛍光を除去する方法が多数報告されている。例えば、特許文献1には、励起レーザーの波長をシフトさせ、差分スペクトルより所望のラマンスペクトルを得る方法が記されている。
ラマン分光測定において、一般にCCDを用いて高速にスペクトルを取得することが行われている。この際、微弱なラマン散乱光を検出するために、冷却CCDを用いることが多い。また、非常に高い波長分解能が要求されるため、精細な回折素子が必要とされる。
このようにラマン分光測定は分光器と検出器に求められる性能が高く、装置のコストも蛍光測定と比較して高くなってしまう。そのため、蛍光測定とは異なる情報が得られる点では有用とされているが、ラマン測定が蛍光測定の代替として用いられることは非常に少ない。
同様の観点で、スペクトル測定は行わずに特定波長のラマン光強度を測定する簡便な測定系が有用である。例えば、免疫測定法において、一般に蛍光標識がなされるが、ラマンピークの分布波長が既知の物質を標識する場合があり、当該分布波長における散乱光の強度によって標識を検出することができる。
しかしながら、単に特定波長の強度のみを測定する場合には、そこからラマン散乱光の寄与を抽出することはできないため、何らかの方策をもってラマン散乱光と蛍光とを区別する必要がある。
前記放射光から特定波長域の光を選択する波長選択手段と、当該波長選択手段で選択された光の強度を測定する検出器とを用い、
前記波長選択手段により前記ラマンピークの少なくとも一部が選択されるように励起レーザー光を前記測定対象物に照射し、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定する一の測定と、
前記波長選択手段による前記ラマンピークの選択量が前記一の測定時に比較して異なるように前記一の測定時の励起レーザー光に対して波長シフトした励起レーザー光を前記測定対象物に照射し、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定する他の測定と、を行い、
前記一の測定による測定値と前記他の測定による測定値との差分を前記ラマンピークの強度として算出するラマン散乱光測定方法である。
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記補正用検出器により測定された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法である。
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源駆動電流検出手段により検出された駆動電流量に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法である。
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法である。
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度とに強度差が生じないことを目標に、前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法である。
前記測定対象物から放たれたラマン散乱光を含む放射光から特定波長域の光を選択する波長選択手段と、
前記波長選択手段で選択された光の強度を測定する検出器と、
制御演算手段とを備え、前記励起レーザー光に応じた分布波長が既知のラマンピークの強度を測定するラマン散乱光測定装置であって、
前記制御演算手段は、
前記励起光照射手段を制御して、前記波長選択手段により前記ラマンピークの少なくとも一部が選択されるように励起レーザー光を前記測定対象物に照射させ、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定させ、その測定値を取得する一の測定と、
前記励起光照射手段を制御して、前記波長選択手段による前記ラマンピークの選択量が前記一の測定時に比較して異なるように前記一の測定時の励起レーザー光に対して波長シフトした励起レーザー光を前記測定対象物に照射させ、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定させ、その測定値を取得する他の測定と、
前記一の測定による測定値と前記他の測定による測定値との差分を前記ラマンピークの強度として算出する演算と、
を実行可能にされてなるラマン散乱光測定装置である。
前記補正用波長選択手段で選択された光の強度を測定する補正用検出器とを備え、
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記補正用検出器により測定された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置である。
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源駆動電流検出手段により検出された駆動電流量に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置である。
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置である。
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度とに強度差が生じないことを目標に、前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を制御可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置である。
さらに前記制御演算手段は、前記波長変調制御を行ったときに前記検出器から出力される測定信号から当該波長変調の周期に同期する信号を同期検波する同期検波回路を備えることを特徴とする請求項15から請求項19のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置である。
まず、本発明のラマン散乱光測定方法の実施形態につき説明する。本実施形態は、そのラマンスペクトルが既知の物質の、測定対象となる試料中での含有量を測定する場合などに利用できる。少なくとも測定対象となる1又は2以上のラマンピークの分布波長が既知であることが必要となる。
測定の流れの基本的な例を図1に示した。図1(a)は光学系における流れを、図1(b)は電気系における処理の流れを模式的に示している。
本方法においては、図1(a)に示すような狭線幅の励起レーザー光a1(中心波長q1)を測定対象物10に照射し、当該測定対象物10から放たれたラマン散乱光を含む放射光b1から、当該励起レーザー光a1に応じてラマンシフトしたラマンピークr1、r2、r3の強度を測定する。図1においてはラマンピークr3が測定対象となっている場合を示す。放射光b1には蛍光が含まれるが、これを相殺するために次に説明する差分演算を行う。差分をとるためにラマンピークの選択量が異なる複数の測定を行う。便宜上、ラマンピークの選択量が比較的大きくなる方を第1測定とし、小さくなる方を第2測定として説明する。第1測定と第2測定の順序は問わない。また、第1測定による測定値と第2測定による測定値とが等しくなること、第1測定と第2測定との間にさらに他の測定が断続的又は連続的に存在していてその測定値を利用することを妨げるものではない。
測定にあたっては、放射光b1、b2から特定波長域(選択域c11)の光を選択する波長選択手段としてのバンドパスフィルタc1と、バンドパスフィルタc1で選択された光の強度を測定する検出器e1とを用いる。
図1(a)に示すように、ラマンピークr3の少なくとも一部がバンドパスフィルタc1の選択域c11に入り、選択光d1に含まれるように、励起レーザー光a1の発振波長及び選択域c11を予め設定しておく。
検出器e1によって選択光d1の強度P1が測定される(処理ブロック20)。
励起レーザー光a2は、ラマンピークr3の選択量が第1測定時に比較して減少するように第1測定時の励起レーザー光a1に対して波長シフトした励起レーザー光である。第2測定時、測定対象物10から放たれたラマン散乱光を含む放射光b2には、励起レーザー光a2に応じてラマンシフトしたラマンピークr1s、r2s、r3sが含まれる。図1においては、第1測定の励起レーザー光a1に対して第2測定の励起レーザー光a2を短波長側にシフトした場合を示す。これに応じて第1測定時のラマンピークr1、r2、r3が短波長側にシフトしたものがラマンピークr1s、r2s、r3sに相当する。そして、第1測定時の選択光d1に含まれるラマンピークr3の量より、第2測定時の選択光d2に含まれるラマンピークr3sの量が減少した場合を示す。このように第2測定時にラマンピークの選択量が減少するように励起レーザー光a2の励起レーザー光a1に対するシフトする方向及びシフト量を設定しておく。
検出器e1によって選択光d2の強度P2が測定される(処理ブロック20)。
なお、選択量は、波長選択手段によって分離選択された光の強度をいい、当該光の強度を測定する検出器の出力値によって示される。
蛍光は、励起レーザー光の波長シフトによる影響を受けないから、放射光b1と放射光b2とで変化しない、従って選択光d1と選択光d2とで変化しない。したがって、以上の処理によって蛍光量は相殺される。
また、選択光d1と選択光d2とでラマンピークの選択量が異なるから、ラマン信号強度を得ることができる。
ラマン信号強度をより明確に得るためには、P1−P2の差分が大きく得られるようにすることが好ましい。そのためには、第1測定時にラマンピークr3の全部が選択域c11に入り、第2測定時にラマンピークr3sの全部が選択域c11から外れることが理想である。
しかしながら、第1測定時にラマンピークr3の全部が選択域c11に入っていない場合や、第2測定時にラマンピークr3sの全部が選択域c11から外れていない場合でも、選択量に差が生じていれば、P1−P2の差分を得ることができる。第1測定時のラマンピークの選択量及び第2測定時のラマンピークの選択量を、互いに異なり、それぞれ一定にしておくことにより、上述したラマンスペクトルが既知の物質の、測定対象となる試料中での含有量に応じてP1−P2の差分によるラマン信号強度が変化し、有益な測定結果を得ることができる。
ラマンピークr1、r2についても測定対象とする場合は、ラマンピークr1、r2についても対応する波長選択手段を設け、第1測定、第2測定及び差分演算を行う。
次に、励起レーザー光を波長変調させ、かつ、測定値P1,P2を補正する場合につき図2を参照して説明する。
図2に測定の流れに沿って各段階S1〜S11を示す。段階S1〜S5は光学系における流れに属し、段階S6〜S11は電気系における処理の流れに属する。
図2に示した測定方法は、図1に示した測定方法と基本的な部分で共通しており、同様の部分は共通の符号を示して説明を省略する。
図2に示す測定方法にあっては、第1測定時の前記励起レーザー光a1の波長と、第2測定時の励起レーザー光a2の波長との間で周期的に励起レーザー光を波長変調させ、これを試料10に照射する。試料10に照射する励起レーザー光を波長変調するには、例えば、単一のレーザーダイオードを用い、その駆動温度又は駆動電流を変調することで発振波長を変調する方法、2つの発振波長の異なるレーザーダイオードの光路を周期的に切り替えて波長を変調する方法、単一のレーザーダイオードを用い、その外部の波長選択素子で波長を選択して変調する方法などをとることができる。例として変調周波数として10Hz‐1MHz程度、励起波長差(変調振幅)は0.5nm‐5nm程度を挙げることができる。
図2に示す測定方法にあっては、バンドパスフィルタc1及び検出器e1に加え、第1測定時及び第2測定時のいずれの時にもラマンピークをその選択域c21に含むことのない補正用波長選択手段としてのバンドパスフィルタc2と、バンドパスフィルタc2で選択された光の強度を測定する補正用検出器e2を用いて、上記変化分を低減する補正を行う。
バンドパスフィルタc1,c2、検出器e1及び補正用検出器e2の構成例を図3に示す。図3に示すように試料10から集光した放射光b1、b2に対し直列かつ斜方入射するようにバンドパスフィルタc1,c2を配置し、それぞれ反射選択させることによってその選択光d1,d2を検出器e1に、選択光d3,d4を補正用検出器e2に入力する構成である。
バンドパスフィルタc2の選択域c21を、図2の段階S4に示すようにバンドパスフィルタc1の選択域c11とは異なる波長域に設定するととともに、段階S5に示すようにラマンピークが入らず、極力蛍光のみを選択する波長域に設定する。
第2測定として、狭線幅の励起レーザー光a2を測定対象物10に照射し、バンドパスフィルタc1により選択された光(選択光d2として図示)の強度を検出器e1により測定すると同時にバンドパスフィルタc2により選択された光(選択光d4として図示)の強度を検出器e2により測定する(段階S1−S6)。検出器e1によって選択光d2の強度P2が測定され、検出器e2によって選択光d4の強度P4が測定される(段階S6)。
段階S1において励起レーザー光を波長変調させているので、この変調周期に同期して段階S6において検出器e1から測定値P1、P2・・・が交互に出力され、さらにこれと同期して、測定値P1が出力される時には検出器e2から測定値P3が、測定値P2が出力される時には検出器e2から測定値P4が出力される。
検出器e1,e2としてフォトダイオード、光電子増倍管等を適用して実施できる。選択光d1,d2は検出器e1,e2により電圧信号に変換される。
段階S8に示すように測定信号P1/P3,P2/P4・・・が交互に出力される。かかる測定信号P1/P3,P2/P4・・・も、励起レーザー光の波長変調に同期して周期的に強度が変化する。
次の段階S9のロックイン検波回路f2において励起レーザー光の波長変調の信号を参照して測定信号P1/P3,P2/P4・・・をロックイン検波することで、当該波長変調に同期した信号のみを取り出す。このとき、取り出す信号は、波長変調の周期に同期する信号のほか、その1/2の周期に同期する信号とすることが有効である(詳細を後述する)。
一方、回路f3によって補正用検出器e2の出力信号P3,P4・・・を平滑化するか又は、信号P3をサンプリングして出力する。
以上のプロセスにより既知のラマンピークの信号強度を測定することができる。
なお、段階S10で強度比を強度に戻したが、強度比のまま測定値として表示出力等してもよい。この強度比も上述したラマンスペクトルが既知の物質の、測定対象となる試料中での含有量を指標する量的変化を示すからである。
次に、波形図を参照して励起光及びフィルタの波長の設定、さらには同期検波の詳細につき説明する。
図4から図8にバンドパスフィルタc1の選択域c11とその中心波長qc、第1測定時のラマンピークrとその中心波長q、第2測定時のラマンピークrsとその中心波長qsを示した。図4(a) 、図5(a)、図6(a)、図7(a)及び図8(a)には、第1測定時にバンドパスフィルタc1よって選択される選択光d1に相当する面積部分を網掛けで示した。図4(b) 、図5(b)、図6(b)、図7(b)及び図8(b)には、第2測定時にバンドパスフィルタc1よって選択される選択光d2に相当する部分を網掛けで示した。
図4に示す例にあっては、選択光d1の相当面積と選択光d2の相当面積とが等しくなっており、測定値P1=測定値P2、すなわち、差分P1−P2が0となってしまうから、有効な測定を行うことができない。図4では中心波長q及び中心波長qsが共に選択域c11に入っている。中心波長q及び中心波長qsが共に選択域c11の両外側に相対するように外れている場合にも、同様に測定値P1=測定値P2となる状態が生じうる。
例えば図5に示すように、第1測定時にラマンピークrの中心波長qが選択域c11に含まれ、第2測定時にラマンピークrsの中心波長qsが選択域から外れる関係に各波長を設定する。この関係であれば、第1測定時に対して第2測定時においてラマンピークの選択量が減少する。第1測定時のラマンピークrに対する第2測定時のラマンピークrsの波長シフト方向は、図5においては長波長側としたが、長波長側と短波長側のいずれでもよい。
図5から図8に示すように、第2測定時のラマンピークrsの中心波長qsと選択域c11の中心波長qcとの波長差が、第1測定時のラマンピークrの中心波長qと選択域c11の中心波長qcとの波長差より大きく設定して、少なくともラマンピークrの一部が選択域c11に入り、かつ、少なくともラマンピークrsの一部が選択域c11から外れることにより、第1測定時に対して第2測定時においてラマンピークの選択量が減少する。
例えば図6に示すように第1測定時にラマンピークrの中心波長qが選択域c11に含まれ、第2測定時にラマンピークrsの中心波長qsが選択域に含まれる場合、図7に示すように第1測定時にラマンピークrの中心波長qが選択域c11から外れ、第2測定時にラマンピークrsの中心波長qsが選択域から外れる場合などが有り得る。
図8に示すように、選択域c11の中心波長qcに対し、第1測定時及び第2測定時のラマンピークr、rsの中心波長q、qsがともに長波長側又は短波長側のうち同じ側に外れるように設定することで、第1測定時に対して第2測定時においてラマンピークの選択量が必ず減少するように確保することができる。図8においては、中心波長qcに対し中心波長q、qsがともに短波長側にシフトした場合を示したが、もちろん長波長側にシフトしても効果に遜色はない。また、図8においては、第1測定時にラマンピークrの中心波長qが選択域c11に入っていないが、第1測定時にラマンピークrの中心波長qが選択域c11に入っていることが好ましい。図8に示すように第2測定時にラマンピークrsの中心波長qsは、選択域c11から外れていることが好ましい。
図1及び図2中に示したように第1測定時の励起レーザー光の中心波長をq1、第2測定時の励起レーザー光の中心波長をq2とする。
例えば、2つの発振波長の異なるレーザーダイオードの光路を周期的に切り替えて波長を変調する方法による場合のように、測定対象物に照射される励起レーザー光の中心波長が図10(a)に示すように明確に切り替わる場合には、図10(b)に示すような理想的なパルス形状の検出器e1の出力信号を得ることができる。図10(a)に示す波長変調と同じ周期で同期検波することによって、上述したようにラマン信号強度(強度比)を得ることができる。
これに対し、例えばレーザーダイオードの駆動温度又は駆動電流を変調することで発振波長を変調する方法による場合のように、測定対象物に照射される励起レーザー光の中心波長が連続的に変化する場合を考える。
さらに具体的に図11及び図12によって示す例にあっては、励起レーザー光の中心波長がq1の時の選択光d1に相当する面積が最大で、励起レーザー光の中心波長がq2の時の選択光d2に相当する面積が最小となり、中心波長q1とq2の間の期間における選択光dmに相当する面積は、最大値と最小値の間の値となる。したがって、選択光dmに相当する検出強度をPmとするとき、検出器e1によって出力される信号P1,Pm,P2は、P1>Pm>P2の大小関係となって、図12(b)に示すような波形で連続的に変化する。
この場合も、図12(b)に示す信号波形は、図12(a)に示す波長変調と同期するから、図12(a)に示す波長変調と同じ周期で同期検波することによって、上述したようにラマン信号強度(強度比)を得ることができる。
図14(b)に示す例では測定値P1≠測定値P2であるから、図14(a)に示す波長変調の周期で同期検波することによっても測定するは可能である。また、図14(b)に示すように最大値Pmaxの繰り返しは、図14(a)に示す波長変調の周期のほぼ1/2の周期で現れるから、図14(a)に示す波長変調の周期の1/2の周期で同期検波することによっても、上述したようにラマン信号強度(強度比)を得ることができる。波長変調の周期の1/2の周期で同期検波する技術は、上述した図4の測定値P1=測定値P2となる例の場合でも、P1とP2の間に現れるPmaxとP1(P2)との差分をとり有効な測定を行うことができる点でも意義がある。なお、図14(b)に示す状況から、以下に説明するキャリブレーションを実施してP1=Pmaxとなるように再設定しその状況を解消した上で(その結果図12(b)に示す状況となる)、励起レーザー光の波長変調の周期で同期検波することによって測定してもよい。
バンドパスフィルタの透過(反射)波長、レーザーの発振波長、測定対象物質のラマン散乱ピーク波数は、基本的には既知の情報である。しかし、温度や部品・製造ロット毎のばらつき、経年変化によって各々変化し得る。そのために、バンドパスフィルタc1の選択域とラマンピークが重なることが無かったり、重なることがあっても差分P1−P2が0になったり(例えば図4の場合)、十分に大きくならなかったりする場合が生じ得る。これを防ぐためのキャリブレーションが必要となる。
レーザーの発振波長は、一般に駆動温度、駆動電流によって変化する。バンドパスフィルタの透過又は反射による選択域はフィルタに対する光の入射角度によって変化する。
そのため第1測定及び第2測定に先立ち、以下の手順1又は手順2を行ってキャリブレーションすることができる。
さらに、図15(c)で最小値Pminが得られた時に図15(a)でラマンピークr11、r13が選択域c11から最も外れている状態にあるから、最大値Pminに対応する図15(b)中の発振波長q11又はq13を第2測定時のレーザーの発振波長として設定する。したがって、発振波長q11又はq13に対応するレーザーの駆動温度及び駆動電流を制御条件として設定する。
これにより第1測定時には、選択光d1の強度P1が最大となることを確保することができる。なお、第2測定時にはラマンピークが選択域c11から十分に外れるように、第2測定時の励起レーザー光の中心波長q2を、第1測定時の中心波長q1に対し所定の波長差をもって固定しておく。
次に、以上説明したラマン散乱光測定方法を実施するラマン散乱光測定装置の構成例につき説明する。
図16に示す測定装置101にあっては、励起光照射手段30と、制御演算手段40と、上述した波長選択手段としてのバンドパスフィルタc1、c2と、検出器e1,e2を備える。制御演算手段40は、上述したキャリブレーションを実行する機能を有し、適宜キャリブレーションを行って第1測定による測定値P1を最大に、第2測定による測定値P2が最小に設定した後に、上記測定方法1又は測定方法2で説明した測定の制御と演算を実行する。
励起光照射手段30は、光源31及び波長変更手段32を備え、狭線幅の励起レーザー光を測定対象物10に照射可能で、測定対象物10に照射する励起レーザー光の波長を変更可能なものである。光源31としてはレーザーダイオード等が適用される。
制御演算手段40は、制御部41及び演算部42を備える。これらはコンピュータとそのプログラムで実現されるもので足りる。制御部41は、波長制御信号g1を波長変更手段に与え、上述したように励起レーザー光の波長を変化させるとともに、その変化に同期した同期信号g2を演算部42に与える。演算部42は同期信号g2を受信検出することで励起レーザー光の波長変化に同期し、検出器e1,e2から出力される信号に対する上述した演算処理を実行し、ラマン信号強度(強度比)を算出する。なお、測定方法1を実行する場合は、検出器e2の出力は使用しない。
本測定装置102においては、制御演算手段40は、第1測定時及び第2測定時に光源強度検出手段33により出力される光源強度信号g3に基づき、演算部42において第1測定による測定値及び第2測定による測定値を補正して、上述した励起光の強度差に起因した変化分を低減させる補正演算を実行する機能を有する。
また、それに代わる処理として制御演算手段40は、第1測定時及び第2測定時に光源強度検出手段33により出力される光源強度信号g3に基づき、第1測定時の励起レーザー光の強度と第2測定時の励起レーザー光の強度とに強度差が生じないことを目標に、制御部41から励起光照射手段30に光量制御信号g4を出力して、第1測定時及び第2測定時の励起レーザー光の強度を制御する機能を有する。
なお、光源強度検出手段33に代えて、光源31の駆動電流量を検出する光源駆動電流検出手段を適用し、光源強度と光源の駆動電流量とは対応関係を有するから、検出される光源の駆動電流量に基づき、上記の補正演算又は強度差を無くす制御を行ってもよい。
Claims (25)
- 狭線幅の励起レーザー光を測定対象物に照射し、当該測定対象物から放たれたラマン散乱光を含む放射光から、当該励起レーザー光に応じた分布波長が既知のラマンピークの強度を測定するラマン散乱光測定方法であって、
前記放射光から特定波長域の光を選択する波長選択手段と、当該波長選択手段で選択された光の強度を測定する検出器とを用い、
前記波長選択手段により前記ラマンピークの少なくとも一部が選択されるように励起レーザー光を前記測定対象物に照射し、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定する一の測定と、
前記波長選択手段による前記ラマンピークの選択量が前記一の測定時に比較して異なるように前記一の測定時の励起レーザー光に対して波長シフトした励起レーザー光を前記測定対象物に照射し、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定する他の測定と、を行い、
前記一の測定による測定値と前記他の測定による測定値との差分を前記ラマンピークの強度として算出するラマン散乱光測定方法。 - 前記一の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域に含まれ、前記他の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域から外れることを特徴とする請求項1に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域に含まれ、前記他の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域に含まれることを特徴とする請求項1に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域から外れ、前記他の測定時に前記ラマンピークの中心波長が前記波長選択手段による選択域から外れることを特徴とする請求項1に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記波長選択手段による選択域の中心波長に対し、前記一の測定時及び前記他の測定時の前記ラマンピークの中心波長がともに長波長側又は短波長側のうち同じ側に外れ、かつ、前記他の測定時の前記ラマンピークの中心波長と前記波長選択手段による選択域の中心波長との波長差が、前記一の測定時の前記ラマンピークの中心波長と前記波長選択手段による選択域の中心波長との波長差より大きいことを特徴とする請求項1に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分が低減するように、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定時及び前記他の測定時のいずれの時にもラマンピークをその選択域に含むことのない補正用波長選択手段と、当該補正用波長選択手段で選択された光の強度を測定する補正用検出器とを用い、
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記補正用検出器により測定された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の光源の駆動電流量を検出する光源駆動電流検出手段を用い、
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源駆動電流検出手段により検出された駆動電流量に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を検出する光源強度検出手段を用い、
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して前記変化分を低減させることを特徴とする請求項6に記載のラマン散乱光測定方法。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を検出する光源強度検出手段を用い、
前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度とに強度差が生じないことを目標に、前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。 - 前記一の測定時の前記励起レーザー光の波長と、前記他の測定時の前記励起レーザー光の波長との間で周期的に励起レーザー光を波長変調させたときに前記検出器から出力される測定信号から当該波長変調の周期に同期する信号を同期検波することでラマンピークの強度を測定することを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定時の前記励起レーザー光の波長と、前記他の測定時の前記励起レーザー光の波長との間で周期的に励起レーザー光を波長変調させたときに前記検出器から出力される測定信号から当該波長変調の周期の1/2の周期に同期する信号を同期検波することでラマンピークの強度を測定することを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定及び前記他の測定に先立ち、励起レーザー光の波長シフト制御を行いつつ較正試料を前記測定対象物としたときの前記検出器から出力される測定信号のピークを特定した後、当該ピークを前記ラマンピークとして前記一の測定時の励起レーザー光の制御条件及び前記他の測定の励起レーザー光の制御条件を設定することを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。
- 前記一の測定及び前記他の測定に先立ち、前記波長選択手段の選択域の波長シフト制御を行いつつ較正試料を前記測定対象物としたときの前記検出器から出力される測定信号の最大値を特定した後、前記波長選択手段の選択域を当該最大値を得た時のものに固定することを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定方法。
- 狭線幅の励起レーザー光を測定対象物に照射可能で、当該測定対象物に照射する前記励起レーザー光の波長を変更可能な励起光照射手段と、
前記測定対象物から放たれたラマン散乱光を含む放射光から特定波長域の光を選択する波長選択手段と、
前記波長選択手段で選択された光の強度を測定する検出器と、
制御演算手段とを備え、前記励起レーザー光に応じた分布波長が既知のラマンピークの強度を測定するラマン散乱光測定装置であって、
前記制御演算手段は、
前記励起光照射手段を制御して、前記波長選択手段により前記ラマンピークの少なくとも一部が選択されるように励起レーザー光を前記測定対象物に照射させ、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定させ、その測定値を取得する一の測定と、
前記励起光照射手段を制御して、前記波長選択手段による前記ラマンピークの選択量が前記一の測定時に比較して異なるように前記一の測定時の励起レーザー光に対して波長シフトした励起レーザー光を前記測定対象物に照射させ、前記波長選択手段により選択された光の強度を前記検出器により測定させ、その測定値を取得する他の測定と、
前記一の測定による測定値と前記他の測定による測定値との差分を前記ラマンピークの強度として算出する演算と、
を実行可能にされてなるラマン散乱光測定装置。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時のいずれの時にもラマンピークをその選択域に含むことのない補正用波長選択手段と、
前記補正用波長選択手段で選択された光の強度を測定する補正用検出器とを備え、
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記補正用検出器により測定された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の光源の駆動電流量を検出する光源駆動電流検出手段を備え、
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源駆動電流検出手段により検出された駆動電流量に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を検出する光源強度検出手段を備え、
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定による測定値及び前記他の測定による測定値を補正して、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度との強度差に起因する前記差分の変化分を低減させる演算を実行可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置。 - 前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を検出する光源強度検出手段を備え、
前記制御演算手段は、前記一の測定時及び前記他の測定時に前記光源強度検出手段により検出された強度に基づき、前記一の測定時の励起レーザー光の強度と前記他の測定時の励起レーザー光の強度とに強度差が生じないことを目標に、前記一の測定時及び前記他の測定時の前記励起レーザー光の強度を制御可能にされてなることを特徴とする請求項15に記載のラマン散乱光測定装置。 - 前記制御演算手段は、前記励起光照射手段を制御して、前記一の測定時の前記励起レーザー光の波長と、前記他の測定時の前記励起レーザー光の波長との間で周期的に励起レーザー光を波長変調させる波長変調制御を可能にされ、
さらに前記制御演算手段は、前記波長変調制御を行ったときに前記検出器から出力される測定信号から当該波長変調の周期に同期する信号を同期検波する同期検波回路を備えることを特徴とする請求項15から請求項19のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。 - 前記制御演算手段は、前記励起光照射手段を制御して、励起レーザー光の波長シフト制御を行いつつ前記検出器から出力される測定信号のピークを特定した後、当該ピークを前記ラマンピークとして前記一の測定時の励起光照射手段の制御条件及び前記他の測定の励起光照射手段の制御条件を設定する機能を有する請求項15から請求項20のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。
- 前記制御演算手段は、前記波長選択手段の選択域の波長シフト制御を行いつつ前記検出器から出力される測定信号の最大値を特定した後、前記一の測定及び前記他の測定を行う際の前記波長選択手段の選択域を当該最大値を得た時のものに固定する機能を有する請求項15から請求項20のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。
- 前記励起光照射手段は、前記励起レーザー光の光源の温度を制御する温度制御素子を備え、前記制御演算手段からの制御信号に基づき当該温度制御素子を駆動して前記温度を変更することで前記測定対象物に照射する前記励起レーザー光の波長を変更可能にされてなる請求項15から請求項22のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。
- 前記励起光照射手段は、前記励起レーザー光の光源の駆動電流量を制御する光源駆動回路を備え、前記制御演算手段からの制御信号に基づき当該光源駆動回路を駆動して前記駆動電流量を変更することで前記測定対象物に照射する前記励起レーザー光の波長を変更可能にされてなる請求項15から請求項22のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。
- 前記励起光照射手段は、互いに波長域の異なる狭線幅の励起レーザー光を出射する2以上の光源を備え、前記制御演算手段からの制御信号に基づき当該2以上の光源の中から選択される前記測定対象物に照射する励起レーザー光の光源を変更することで、前記測定対象物に照射する前記励起レーザー光の波長を変更可能にされてなる請求項15から請求項22のうちいずれか一に記載のラマン散乱光測定装置。
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