JP2015148492A - 加速度センサ - Google Patents

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益人 齋藤
Masato Saito
益人 齋藤
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【課題】防水性に優れた加速度センサを提供する。【解決手段】加速度を検出するセンサ素子4およびセンサ素子4の出力信号を処理する回路基板5からなるセンサ部6がケース2に支持され、また、ケース2のセンサ部6が支持されている面の反対側には、出力ケーブル10が配置される。センサ部6が密閉された第一の空間と、出力ケーブル10が配置され出力ケーブル10の取り出し孔8が形成された第二の空間を分離する。これにより水分が侵入し易い出力ケーブル10の取り出し孔8を有する第二の空間から、センサ部6を密閉する第一の空間への水分侵入を防止する。【選択図】図2

Description

本発明は、振動を検知するために用いられる加速度センサに関する。
従来、物品の表面に取り付けて、振動の状態を計測する用途に、加速度センサが用いられている。
近年、振動の状態を計測する環境も多岐に渡り、水分が付着するような環境や湿度が高い環境での計測を行う場合、加速度センサに高い防水性を要求されることが多くなってきている。防水性を向上した加速度センサとして、例えば特許文献1の圧電型振動センサ装置が提案されている。
図3は、従来の加速度センサを示す断面図である。図3に示す特許文献1の圧電型振動センサ装置は、中空パッケージ21内に圧電体を有するセンサが収納され、圧電体からの電気的出力を取り出すためのケーブル22の一端が接続され、ケーブル22の他端が中空パッケージの外部に取り出されている構成となっている。
特許文献1では、加速度センサ200において、中空パッケージ21にケーブル22を外部に取り出すための孔が形成された厚肉のケーブル取り出し部23が設けられ、ケーブル取り出し部23は孔に沿って二分割可能な構造であり、ケーブル22が孔に通されるとともに接着され、ケーブル取り出し部23の分割面の接着面積を大きくし、接着強度を増加させている。さらに、孔の周面にリング状の凸部が設けられ、ケーブル22の周囲はリング状の凸部によって取り囲まれている構成であるため、水分の浸入の防止が可能となっている。
特開平8−15005号公報
上述した特許文献1の構成では、ケーブルの曲げ方向の加圧の繰り返しや、ケーブルの劣化などにより、水分の浸入が完全に防止できず、防水性が十分ではないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、防水性に優れた加速度センサを提供することを目的とする。
本発明は、加速度を検出するセンサ素子および前記センサ素子の出力信号を処理する回路基板を有するセンサ部と、前記センサ部と電気的に接続された出力ケーブルと、前記センサ部および前記出力ケーブルを搭載するケースと、前記ケースから前記出力ケーブルが外部に取り出されてなる加速度センサであって、前記ケースの前記センサ部の搭載面の反対面に、前記出力ケーブルが配置され、前記ケースには接続ピンがハーメチックシールにより封止され、前記接続ピンを介して前記センサ部と前記出力ケーブルが電気的に接続し、前記ケースの前記センサ部の搭載面側には、前記センサ部を覆うカバーが接合されて、前記センサ部を密閉する第一の空間が形成され、前記ケースの前記出力ケーブルを有する側には、前記出力ケーブルの一部を収納し、振動検出面を有するベースが接合されて第二の空間が形成され、前記第二の空間において前記ケースには、前記出力ケーブルを外部に取り出す取り出し孔が形成され、前記第一の空間と前記第二の空間は分離されていることを特徴とする。
また、前記第二の空間には、撥水性を有する樹脂が充填されていることが好ましい。
本発明によれば、センサ部が密閉された第一の空間と、出力ケーブルが配置され出力ケーブルの取り出し孔が形成された第二の空間が分離され、空間同士が繋がりのない構成としているため、水分が比較的侵入しやすい出力ケーブル取り出し孔が形成された第二の空間からの水分は、第一の空間には侵入しないため、防水性に優れた加速度センサを提供できる。また、第二の空間に撥水性を有する樹脂を充填することにより、さらに防水性を向上することが可能となる。
本発明の加速度センサを示す斜視図。 本発明の加速度センサを示す断面図。 従来の加速度センサを示す断面図。
以下、本発明による加速度センサの実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の加速度センサを示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態の加速度センサ100は、内部にセンサ部を収納する筐体として、枠状でセンサ部の搭載面を有するケース2と、ケース2の外周部分に接合する、枠状で蓋を有するカバー1、カバー1と反対側に接合され、振動検出面を有するベース3で構成されている。ケース2の側面からは外側に向けて出力ケーブル10が取り出されている。また、出力ケーブル10のケース2から外部へ取り出した部分には、出力ケーブル10の保護と防水のため保護部材13が設けられている。ベース3の底面側を振動検出面とし、振動検出面に測定対象物を接触させることで測定を行うことが可能となる。
本実施の形態において、筐体であるカバー1、ケース2、ベース3は、それぞれSUSで形成されている。筐体の材質は、耐水性や加工性等を考慮し、適宜選択できる。ケース2とカバー1およびベース3の接合には、防水性、作業性を考慮して、レーザー溶接等を用いるのが望ましい。また、出力ケーブル10の保護部材13は、出力ケーブル10を外部の衝撃等から保護しかつ防水できる構成であればよく、熱収縮チューブ等が使用できる。また、筐体と同じ材料を用い接合することも可能である。
図2は、本発明の加速度センサを示す断面図である。図2に示すように、本実施の形態の加速度センサ100は、加速度を検出するセンサ素子4およびセンサ素子4の出力信号を処理する回路基板5からなるセンサ部6が、ケース2に支持され、また、ケース2のセンサ部6が支持されている面の反対側には、出力ケーブル10が配置されている構成となっている。
ケース2は、センサ部6および出力ケーブル10を両面に配置する搭載部2aと、搭載部2aの外周部から搭載部2aの面に対して直交し両方向に延出する側面2bで構成されている。ケース2の側面2bにおけるセンサ部6が支持されている方向の端部にはカバー1が接合され、センサ部6を密閉する構成としている。さらに、ケース2の側面2bにおける出力ケーブル10を配置している方向の端部には、ベース3が接合され、出力ケーブル10の一部を収納する構成としている。また、ケース2における出力ケーブル10を配置している側の側面2bには、出力ケーブル10を取り出すための取り出し孔8が設けられ、出力ケーブル10が外部へ取り出される構成としている。
本実施の形態では、ケース2とカバー1との接合により形成された、センサ部6を密閉する第一の空間と、ケース2とベース3との接合により形成された、出力ケーブル10および出力ケーブル10の取り出し孔8を有する第二の空間を分離した構成としている。このように第一の空間と第二の空間の間に空間の繋がりの無い構成とすることにより、高い防水性を要求される環境での使用において、水分が侵入し易い出力ケーブル10の取り出し孔8を有する第二の空間から、センサ部6を密閉する第一の空間への水分侵入を防止することができる。したがって、防水に対する冗長性が向上し、信頼性が高い加速度センサを提供することが可能となる。
さらに、第二の空間には、撥水性を有する樹脂が充填されていることが望ましい。この構造により、防水性がより向上するとともに、重心が第二の空間へ偏るため、測定時の加速度センサの姿勢が安定するという効果も得られる。撥水性を有する樹脂として、シリコン樹脂やアクリル樹脂が好ましく使用可能であるが、これに限定されず、ケースやベースとの密着性がよいもの、密封されるため、ガス放出の少ないものが望ましい。また、樹脂の硬化については、熱硬化型、湿気硬化型等、硬化方法は限定されないため、作業性等を考慮して適宜選択可能である。
本実施の形態では、ケース2の搭載部2aにおいて、センサ部6が支持されている面の反対側の面には、接続基板7が固定されており、接続基板7に出力ケーブル10の一端が接続している。
また、ケース2の搭載部2aには、金属製の接続ピン9がハーメチックシール、すなわち搭載部2aを貫通し気密性を保った状態で封止されており、接続ピン9は、搭載部2aを貫通して、センサ部6側と出力ケーブル10側に突出し、センサ部6と出力ケーブル10にそれぞれ電気的に接続される。出力ケーブル10と接続ピン9の接続は、本実施の形態のように、接続基板7を介して行うことにより、接続ピン9と出力ケーブル10を直接接続するよりも作業性がよく、接続がより確実となる。
接続ピン9は、複数用いてもよく、その場合、センサ部6と接続基板7を電気的に接続する接続ピン9の他に、グランド接続用の接続ピンを設けることも可能である。グランド接続用の接続ピンは、ケース2等の筐体と電気的に接続することにより、シールド効果によるノイズの影響の低減を図ることが可能となる。
接続基板7に一端が接続した出力ケーブル10は、上述したようにケース2の側面2bに設けられた取り出し孔8から外部へ取り出される。このとき、出力ケーブル10の取り出し孔8に対応する取り出し部には、被覆11やシールド部材12、保護部材13等が形成され、出力ケーブル10を保護するとともに取り出し孔8を塞ぐ構成とするのが望ましい。
ケース2の側面2bに設けられた取り出し孔8には段差が設けられていてもよい。本実施の形態において、取り出し孔は、ケース2の側面2bの内側が狭く、外側が広くなるように段差を形成している。この構成により、例えばシールド部材12を段差部分に接触させ、出力ケーブル10の位置決めを行うこともでき作業性を良くする効果が得られる。また、水分の侵入経路を長くすることができ、防水性をさらに向上する効果が得られる。
以上説明した通り、本実施の形態によれば、防水性に優れた加速度センサを提供することが可能となる。
また、本実施の形態では、第一の空間において、センサ部6を構成する回路基板5は、センサ素子4と離間して積層配置され、回路基板5の外周はケース2に固定される構成となっている。この構成により、回路基板5の固定が堅牢となり、耐衝撃性が向上し、ノイズの発生を抑制し、加速度センサ100の剛性が向上することによる共振周波数が高くなる効果も得られる。加速度センサ100の測定周波数は、共振周波数より低い帯域が用いられるため、加速度センサ100の共振周波数が高いほど、広い周波数帯域での測定が可能となる。
さらに、本実施の形態では、各構成部材を順に組み上げることで製造が可能であるため、製造が容易で、量産性に優れた加速度センサを提供することも可能となる。
1 カバー
2 ケース
2a 搭載部
2b 側面
3 ベース
4 センサ素子
5 回路基板
6 センサ部
7 接続基板
8 取り出し孔
9 接続ピン
10 出力ケーブル
11 被覆
12 シールド部材
13 保護部材
100、200 加速度センサ
21 中空パッケージ
22 ケーブル
23 ケーブル取り出し部

Claims (2)

  1. 加速度を検出するセンサ素子および前記センサ素子の出力信号を処理する回路基板を有するセンサ部と、前記センサ部と電気的に接続された出力ケーブルと、前記センサ部および前記出力ケーブルを搭載するケースと、前記ケースから前記出力ケーブルが外部に取り出されてなる加速度センサであって、
    前記ケースの前記センサ部の搭載面の反対面に、前記出力ケーブルが配置され、
    前記ケースには接続ピンがハーメチックシールにより封止され、前記接続ピンを介して前記センサ部と前記出力ケーブルが電気的に接続し、
    前記ケースの前記センサ部の搭載面側には、前記センサ部を覆うカバーが接合されて、前記センサ部を密閉する第一の空間が形成され、
    前記ケースの前記出力ケーブルを有する側には、前記出力ケーブルの一部を収納し、振動検出面を有するベースが接合されて第二の空間が形成され、
    前記第二の空間において前記ケースには、前記出力ケーブルを外部に取り出す取り出し孔が形成され、
    前記第一の空間と前記第二の空間は分離されていることを特徴とする加速度センサ。
  2. 前記第二の空間には、撥水性を有する樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
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