JP5966071B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力センサに関し、特に、圧力検出素子を収容した受圧空間に液体を封入した液封入式の圧力センサに関する。
従来、圧力検出素子が収容された受圧空間内に液体を封入し、圧力検出室に外部から加えられた圧力を液体を介して圧力検出素子に伝えることで、圧力検出素子から外部圧力に応じた電圧信号を出力する圧力センサが種々提案されている。
上記液封入式圧力センサの一例として、特許文献1には、バリアダイアフラムを介して伝達された圧力をセンサチップ(圧力検出素子)によって検出し、検出した圧力を電圧に変換し、円盤状の位置決めガラス(ベース)に同心円上に配置された複数の電極ピン(リードピン)を介して外部に出力する圧力センサが記載されている。
また、圧力センサの圧力検出素子から出力された電圧は、製造時や部品のばらつきによりそのまま外部出力とすることはできず、圧力センサの特性に応じた補正が必須となる。電圧補正は、特許文献2に記載のように、一般には、予め補正情報をリードオンリーメモリへ記憶させ、圧力計測時に記憶した情報を読み出して電圧を補正することにより行われる。
この場合、リードピンは、出力用の他、上記電圧補正用(以下、「調整用」という)のものも配設される。出力用リードピンは、配線基板に半田付けされ、圧力検出素子からの電圧信号を配線基板を介して、例えば当該圧力センサの中心から引き出される外部出力用リード線へ伝達するが、調整用リードピンは、専ら製造の際に補正情報を記憶する場合にのみ用いられ、外部出力用リード線と接続されない。また、出力用リードピンと調整用リードピンは、圧力検出素子の構造や上記調整作業のし易さを考慮し、各グループ毎に区分して配設されるのが通常である。
特開2001−41838号公報 特開昭62−175631号公報
しかし、上記従来の圧力センサにおいては、出力用リードピンとリード線の軸心がずれているため、圧力センサの製造時等に出力用リードピンがリード線方向に引っ張られると、大きく変形するおそれがあった。また、リードピンは、貫通孔との間をハーメチックシールによって封止されるが、上記引っ張りによって、ハーメチックシールそのものが破壊されるおそれもあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、圧力検出部の気密性を維持すると共に、出力用リードピン周りの構造上の脆弱性を改善した圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ベース及び該ベースの中央部に設けられた圧力検出素子を有する圧力検出部と、前記圧力検出素子の中心軸から偏心するように前記ベースを貫通して該貫通部においてハーメチックシールにより封止され、一端が前記圧力検出素子に電気的に接続され、他端が前記圧力検出部の外部に突出する複数の出力用リードピンと、前記圧力検出素子の中心軸から偏心するように前記ベースを貫通して該貫通部においてハーメチックシールにより封止され、一端が前記圧力検出素子に電気的に接続され、他端が前記圧力検出部の外部に突出し、前記複数の出力用リードピンと離間する複数の調整用リードピンと、前記圧力検出部側の端部が前記複数の出力用リードピンの中心軸から偏心するように設けられた複数の外部出力用リード線と、前記複数の出力用リードピン及び前記複数の外部出力用リード線の前記圧力検出部側の端部が互いに電気的に接続され、前記ベースから離間した位置に配置された配線基板と、前記圧力検出部及び前記配線基板、並びに該配線基板に接続された前記複数の出力用リードピン、前記複数の調整用リードピン及び前記複数の外部出力用リード線の該配線基板側を収容するカバーとを備えた圧力センサにおいて、前記配線基板が前記複数の調整用リードピン側まで延長され、前記複数の調整用リードピンが前記配線基板に固定され、少なくとも前記配線基板を埋めるように前記カバーの内部には接着剤が充填されたことを特徴とする。
そして、本発明によれば、出力用リードピンだけでなく、電圧補正用等として用いられる調整用リードピンも合わせて配線基板へ固定したため、出力用リードピン、配線基板及び調整用リードピンの全体構造の強度が高まり、リード線方向の引っ張りにより生じるリードピンの変形を防止することができる。また、圧力検出部の気密性を維持するとともに、ハーメチックシールそのものが破壊されることを防止することができる。
さらに上記圧力センサにおいて、前記複数の出力用リードピン及び前記複数の調整用リードピンは、略円環状に配列され、該円環の中心に対して反対側に位置することができる。このような各リードピンの配列により、リードピンの変形やハーメチックシールの破壊がさらに効果的に防止される。
以上のように、本発明によれば、圧力センサの圧力検出部の気密性を維持すると共に、出力用リードピン周りの構造上の脆弱性を改善することができる。
本発明にかかる圧力センサの一実施の形態を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A線矢視図であって、ケースを外した状態を示す。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる圧力センサの一実施の形態を示し、この圧力センサ1は、内部に圧力検出素子21を有すると共に、流体流入部22が接続される圧力検出部2と、圧力検出部2を囲繞すると共に、圧力検出素子21に接続される配線基板(以下、「基板」という)31や外部出力用リード線32を収容するコネクタ接続部3とを備える。
圧力検出部2は、圧力検出素子21と、べース23と、べース23に対向して配置された受け部材24と、べース23と受け部材24とで挟持されたダイアフラム25とを備える。ベース23とダイアフラム25との間の受圧空間26には、液体(オイル)が封入される。圧力検出素子21は、受圧空間26の内部でベース23に固定される。受け部材24とダイアフラム25との間には圧力導入空間としての加圧空間27が形成され、加圧空間27には流体流入部22の内部空間が連通する。
ベース23は、蓋状に形成され、べース23の下面には圧力検出素子21が固定される。受け部材24は、上方が開口する皿状に形成され、中心部開口に流体流入部22がろう付け固定される。ダイアフラム25は、その外周縁部がベース23の鍔部と受け部材24の鍔部との間に挟み込まれ、これら3つの部材23〜25は、ダイアフラム25の外周縁部が露出する外周縁部分においてレーザー溶接等によって同時に溶接され、圧力検出部2として一体化される。受圧空間26は、べース23を貫通して形成された充填孔(不図示)から液体(オイル)が注入された後、べース23の上面において、充填孔がボール28によって封じられる。
圧力検出素子21は、例えば、ピエゾ素子であって、このピエゾ素子は、強誘電体の一種であって圧電素子とも呼ばれ、振動や圧力等の力が加わると電圧が発生し、逆に電圧が加えられると伸縮する。
圧力検出素子21は、ベース23に形成された貫通孔23aを挿通する出力用リードピン33(33A〜33C)及び調整用リードピン36(36A〜36E)にワイヤ29を介して電気的に接続される。出力用リードピン33は、圧力検出素子21で検出された圧力に応じた電圧信号を外部に出力するためのものであり、調整用リードピン36は、上述のように、製造時の電圧補正用等に用いられるものである。
また、出力用リードピン33(33A〜33C)、及び5本の調整用リードピン36のうちの2本(36B、36C)は、各々の上端部が基板31に固定される。基板31の表面には、出力用リードピン33A〜33Cを接続し固定するための、金属箔からなる3つの配線パターン50が形成されると共に、2本の調整用リードピン36B、36Cを固定するための2つの金属箔51が形成されている。
3つの配線パターン50は、各出力用リードピン33A〜33Cと、コネクタ34を介して基板31に接続される3つの外部出力用リード線32の各々とを接続するために形成されている。
2つの金属箔51は、調整用リードピン36B、36Cの各々を基板31に固定するためだけに設けられており、各金属箔51に調整用リードピン36B、36Cの各々を接続しても、各リードピン36B、36Cは、他のリードピンと接続されたり、外部出力用リード線と接続されたりすることはなく、これらと電気的には遮断されている。
図1に示されるように、出力用リードピン33A〜33C及び調整用リードピン36A〜36Eが、圧力検出素子21を中心として略円環上に配置されており、かつ外部出力用リード線32が圧力検出素子21の中心軸方向(当該圧力センサ1の中心軸方向)に引き出すようにされている場合、出力用リードピン33A〜33Cと外部出力用リード線32とは偏心しているから、単にこれらを基板31で接続しただけでは、外部出力用リード線32に引張力等が加えられたときに、出力用リードピン33A〜33Cに横方向の応力が加わってこれが変形し、また各リードピン33A〜33Cを取り囲む後述のハーメチックシール23bが破壊されるおそれがある。
しかし、本実施例のように、圧力検出素子21(換言すれば、上記の円環の中心)に対して各出力用リードピン33A〜33Cと反対側に位置する調整用リードピン(本実施例の場合は符号36B及び36C)を基板31に固定することにより、外部出力用リード線32に引張力等が加えられても、出力用リードピン33A〜33Cに横方向の応力が加わることがなく、この結果、各出力用リードピン33A〜33C(及び調整用リードピン36B、36C)を取り囲むハーメチックシール23bが破壊されるおそれがない。
このように、出力用リードピン33だけでなく、本来、基板31に固定する必要がない調整用リードピン36をも基板31に固定した点が本発明の特徴であり、これによって、出力用リードピン33、基板31及び調整用リードピン36(36B、36C)の全体構造の強度が高まり、出力用リードピン33の周りの構造上の脆弱性を改善することができる。
ベース23の貫通孔23aは、出力用リードピン33及び調整用リードピン36を挿通させた後、ハーメチックシール23bによって液体(オイル)漏れがないように封じられる。基板31には、コネクタ34が取り付けられ、圧力検出素子21からの電圧信号は、出力用リードピン33、基板31及びコネクタ34を介して外部出力用リード線32から外部へと取り出される。
コネクタ接続部3は、ベース23に外側から嵌合して受け部材24の側方を覆うように圧力検出部2を収容するカバー35を備える。カバー35は、基板31及びコネクタ34を覆うコネクタケースとしても機能する。このカバー35は、PPE等の合成樹脂製で形成され、コネクタ34を覆う上端部は、外部出力用リード線32を囲繞するように縮径され、圧力検出部2を収容する下端部側は、筒状スカート状に延びる大径状に形成される。
カバー35は、大径端部側において、その内周側にべース23の外径と略同径の環状段部35aが形成され、ベース23は、その外径角部である環状角部23cにおいて環状段部35aに嵌合座着するように載置される。
カバー35の内部空間は、カバー35に装入されたべース23で区切られ、空間41が形成される。出力用リードピン33と、調整用リードピン36と、基板31と、コネクタ34と、外部出力用リード線32とは、空間41に収容される。空間41には、カバー35や外部出力用リード線32との接着性及び弾性の大きいウレタン樹脂等の接着剤が充填され、その後、硬化される。この接着剤は、出力用リードピン33、調整用リードピン36、基板31、コネクタ34及び外部出力用リード線32が埋設状態になるように空間41に充填されるので、基板31やコネクタ34等の部品に対して封止機能を奏する。
また、この接着剤の硬化にはある程度の時間を要するが、接着剤の硬化に至るまでの間に外部出力用リード線に引張力等が加えられても、前述のように、リードピンの変形やハーメチックシール23bの破壊が防止される。もちろん、接着剤の硬化後も上記変形や破壊の防止効果は達成される。
上記構成を有する圧力センサ1は、流体流入部22から流入した流体の圧力変化によって加圧空間27の圧力が変化し、ダイアフラム25を変形させる。ダイアフラム25の変形により受圧空間26の内部に封入されている液体(オイル)の圧力が変化し、その圧力変化が圧力検出素子21へ伝播する。圧力検出素子21により検出された圧力は、電圧に変換され、その際、圧力センサ1の特性に応じた所定の電圧補正がなされる。補正後の電圧信号は、出力用リードピン33、基板31及びコネクタ34を介して外部出力用リード線32へ伝送される。
尚、上記実施の形態においては、5本の調整用リードピン36のうちの2本(36B、36C)を基板31に固定したが、5本の調整用リードピン36の3本以上を基板31に固定してもよい。
1 圧力センサ
2 圧力検出部
3 コネクタ接続部
21 圧力検出素子
22 流体流入部
23 べース
23a 貫通孔
23b ハーメチックシール
23c 環状角部
24 受け部材
25 ダイアフラム
26 受圧空間
27 加圧空間
28 ボール
29 ワイヤ
31 配線基板
32 外部出力用リード線
33(33A〜33C) 出力用リードピン
34 コネクタ
35 カバー
35a 環状段部
36(36A〜36E) 調整用リードピン
41 空間
50 配線パターン
51 金属箔

Claims (2)

  1. ベース及び該ベースの中央部に設けられた圧力検出素子を有する圧力検出部と、
    前記圧力検出素子の中心軸から偏心するように前記ベースを貫通して該貫通部においてハーメチックシールにより封止され、一端が前記圧力検出素子に電気的に接続され、他端が前記圧力検出部の外部に突出する複数の出力用リードピンと、
    前記圧力検出素子の中心軸から偏心するように前記ベースを貫通して該貫通部においてハーメチックシールにより封止され、一端が前記圧力検出素子に電気的に接続され、他端が前記圧力検出部の外部に突出し、前記複数の出力用リードピンと離間する複数の調整用リードピンと、
    前記圧力検出部側の端部が前記複数の出力用リードピンの中心軸から偏心するように設けられた複数の外部出力用リード線と、
    前記複数の出力用リードピン及び前記複数の外部出力用リード線の前記圧力検出部側の端部が互いに電気的に接続され、前記ベースから離間した位置に配置された配線基板と、 前記圧力検出部及び前記配線基板、並びに該配線基板に接続された前記複数の出力用リードピン、前記複数の調整用リードピン及び前記複数の外部出力用リード線の該配線基板側を収容するカバーとを備えた圧力センサにおいて、
    前記配線基板が前記複数の調整用リードピン側まで延長され、
    前記複数の調整用リードピンが前記配線基板に固定され、
    少なくとも前記配線基板を埋めるように前記カバーの内部には接着剤が充填されたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記複数の出力用リードピン及び前記複数の調整用リードピンは、略円環状に配列され、該円環の中心に対して反対側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
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