JP2015148338A - ギヤモータ - Google Patents

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【課題】ギヤモータの冷却効率を向上させる。【解決手段】ギヤモータ100では、モータ10と減速機20とが連結されている。モータ10は、中空部12bが形成されたモータ軸12と、モータ軸12と一体的に回転する冷却ファン68と、モータ軸中空部12bに配置されモータ軸12よりも熱伝達率の高い熱伝達部材70と、を有する。熱伝達部材70は減速機20の内部に延在されて、減速機20の構成部材に接触する。【選択図】図1

Description

本発明は、ギヤモータに関する。
モータと減速機とを組み合わせたギヤモータが知られている。ギヤモータでは、モータのモータ軸と減速機の入力軸とが連結され、モータの回転力が減速して出力される(例えば特許文献1を参照)。
特開2008−286357号公報
減速機内では歯車等の構成部品が高速で回転するため、ギヤモータ内で減速機からの発熱量が特に大きくなる。しかしながら、一般的に減速機の冷却効率は低い。冷却が不足して減速機が高熱になると、シールやオイルの劣化、油膜の減少による早期の軸受損傷といった問題が生じうる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ギヤモータの冷却効率を向上させる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、減速機とモータが連結されたギヤモータである。モータは、中空部が形成されたモータ軸と、モータ軸中空部に配置されモータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材と、を有し、熱伝達部材は減速機の内部に延在されて、減速機の構成部材に接触する。
この態様によると、主な発熱源である減速機の構成部材に、モータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材を接触させることで、減速機からモータ側への熱の輸送効率が改善されるので、ギヤモータの冷却効率が向上する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ギヤモータの冷却効率が向上する。
本発明の一実施形態に係るギヤモータの構成を示す図である。 本発明の別の実施形態に係るギヤモータの構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態に係るギヤモータの構成を示す図である。 図3の実施形態の変形例を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る、モータ10および減速機20から構成されるギヤモータ100を示す。図1は、ギヤモータ100の中心軸を含む鉛直面で切断したときの断面図である。
モータ10は、例えばかご形誘導電動機である。
ステータ34は、同一形状に型抜きされた多数の薄板状(例えば、厚さ0.5mm)の電磁鋼板を積層して形成される。ステータ34は、モータケーシング60の内周に、例えば焼き嵌めによって嵌合される。ステータ34に形成された複数のスロット(図示せず)には銅線のコイル38が所定回数だけ巻回されている。
ロータ36も、ステータ34と同様に同一の円形状に型抜きされた多数の薄板状の電磁鋼板を積層して形成される。ロータ36には、中央にモータ軸12を挿通するための円形穴36aが形成されるとともに、その外周側には、径方向に延びる複数の同一形状のスロット(図示せず)が等間隔に形成されている。ロータ36の円形穴36aは、モータ軸12に締まり嵌めによって固定される。
ロータ36に形成されたスロット内には、アルミニウムまたは銅などの導体がダイキャスト鋳造により鋳込まれている。ロータ36の両端面には、スロット内の導体と一体構造となる短絡環37が形成される。
モータケーシング60は、例えばアルミダイキャスト製、鋳鉄製または鋼板製であり、ロータ36およびステータ34の重量を支持するとともに、ステータ等で発生する熱をモータ外部に放熱する役割も有する。放熱性能を高めるために、モータ軸と平行な方向に延びる多数の放熱フィン62がモータケーシング60の外周に形成されている。
モータ軸12は、減速機側の軸受52と、モータ後端側の軸受17とでステータ34に対して回転自在に支持されている。軸受52は、モータケーシング60の外周から内径側に延び出す減速機側カバー14の内周に形成された軸受装着部14aに嵌合される。減速機側カバー14とモータ軸12の間は、回転シール44により密封される。軸受17は、モータケーシング60の外周から内径側に延び出す後端側カバー15の内周に形成された軸受装着部15aに嵌合される。
減速機側カバー14および後端側カバー15とモータケーシング60とは、それぞれボルト64、66によって締結される。
モータ軸12の減速機側の先端12aは、減速機20の内部まで延在し、減速機20の入力軸としても機能する。モータ軸と減速機の入力軸とを別々に構成し、両者をカップリングやスプライン嵌め合い等により連結してもよい。
モータ10の後端には、冷却ファン68が配置される。冷却ファン68の軸部68aは、モータ軸12の後端面にボルト76によって締結される。より具体的には、モータ軸12の後端面と冷却ファン68(の軸部68a)の軸方向端面とを対向させた状態で、ボルト76によって締結される。冷却ファン68は熱伝達率の高い材料、例えばアルミニウム製であると好ましい。
冷却ファン68は、ファンカバー19によって覆われている。ファンカバー19は、冷却ファン68により発生した風を、モータケーシング60の外周に形成された放熱フィン62に導く役割も有している。
減速機20は、偏心揺動噛合型と呼ばれる遊星歯車減速機の一種である。モータ軸12と一体に構成される入力軸12aは、後述する外歯歯車24、26の半径方向中央に配置されている。入力軸12aの外周には、該入力軸12aと軸心のずれた偏心体18、20が固定または嵌合されている。偏心体18、20は、互いに180度の位相差を有して偏心している。なお、図1では偏心体18、20は一体に構成されているが、それぞれ別体で構成し入力軸12aに別々に固定または嵌合されてもよい。あるいは、偏心体18、20と入力軸12aとを一体に構成してもよい。
各偏心体18、20の外周には、ころ軸受21、23を介して二枚の外歯歯車24、26が揺動可能に外嵌されている。外歯歯車24、26は、それぞれ内歯歯車28に内接噛合している。
内歯歯車28は、内歯を構成する円筒状の内歯ピン28Aと、内歯ピン28Aを貫通してこれを回転自在に保持する保持ピン28Bと、保持ピン28Bを回転自在に支持するとともに、減速機ケーシング32と一体化された内歯歯車本体28Cとで、主に構成されている。
外歯歯車24、26のモータ10と反対側には、減速機20の出力軸16と一体に構成されたキャリア体16aが配置されている。キャリア体16aの外周に沿って形成される貫通穴16bには、軸方向に延びる複数本の内ピン40が嵌合されている。
外歯歯車24には、その軸心からオフセットされた位置に複数個の同径の貫通穴が等間隔に形成されている。これらの貫通穴には、キャリア体16aから延びる内ピン40がそれぞれ挿通される。外歯歯車24の外周には波形の歯が形成されており、この歯が内歯歯車28の内歯ピン28A上を接触しつつ移動することで、中心軸を法線とする面内で外歯歯車24が揺動できるようになっている。外歯歯車24に対して180度の位相差がある点以外は外歯歯車26も同様である。
減速機20の出力軸16は、一対の軸受54、56を介して、減速機ケーシング32に回転自在に支持されている。モータ10のモータ軸12と減速機20の出力軸16とは、同軸に配置される。
減速機ケーシング32と出力軸16の間は、回転シール46により密封される。減速機ケーシング32の内部には冷却液が封入される。この冷却液は、減速機内の軸受および摺動部の潤滑液の役割も同時に果たしている。
以下、モータ10の駆動時の減速機20の作用を説明する。
モータ10が駆動されると、ステータ34に対してロータ36およびモータ軸12が回転し、モータ軸と一体である減速機20の入力軸12aが回転する。入力軸12aが回転すると、偏心体18、20の外周が偏心運動を行い、ころ軸受21、23を介して外歯歯車24、26が揺動する。この揺動により、外歯歯車24、26の外歯と内歯歯車28の内歯ピン28Aとの噛合位置が順次ずれてゆく現象が生じる。
外歯歯車24、26と内歯歯車28との歯数差は、本実施形態においては「1」に設定されている。また、内歯歯車28は減速機ケーシング32と一体であるため、内歯歯車28の自転は拘束されている。このため、入力軸12aが一回回転する毎に、自転が拘束されている内歯歯車28に対して外歯歯車24、26が歯数差に相当する分だけ自転(回転)することになる。この自転は、外歯歯車24、26の貫通穴に挿入されている内ピン40を介してキャリア体16aに伝達される。この結果、入力軸12aの回転により、1/(外歯歯車の歯数)に減速された回転速度にて、キャリア体16aおよび一体である出力軸16が回転する。
モータ10の駆動時には、減速機20のころ軸受21、23や回転シール44とモータ軸12との接触部が最も高速で回転するため、図1中にAで示す部分の発熱量がギヤモータ100内で特に大きくなる。また、モータ10のロータ36には誘導電流が流れるため、図1中にBで示す部分の発熱量も大きくなる。
部分A、Bにおける発熱を速やかに冷却ファン68に伝達するために、本実施形態では、モータ軸12内に熱伝達部材70を配置している。
モータ軸12の内部には、軸方向に延びる貫通穴である中空部12bが形成されている。この中空部12b内に、モータ軸(例えば、銅または鋼鉄製)よりも熱伝達率の高い、棒状の熱伝達部材70が挿入される。したがって、モータ軸12の全長にわたって、熱伝達部材70は中空部12bの内周と接触している。熱伝達部材70は、モータ軸12の先端、すなわち減速機20の入力軸12aの部分まで延在している。このように、主たる発熱源である減速機20の内部まで熱伝達部材70を延在させ内周に直接接触させることで、減速機20からモータ軸後端にある冷却ファン68までの熱の輸送効率が改善されるので、ギヤモータ100の冷却効率が向上する。
熱伝達部材70は、異方性を有していることが好ましい。つまり、熱伝達部材70の軸方向の熱伝達率が、径方向の熱伝達率よりも大きいことが好ましい。このような材料の例としてはグラファイトを積層して製作したものがある。異方性はないものの、熱伝達効率の高いアルミニウム基セラミックス複合材料を熱伝達部材として用いてもよい。
中空部12b内に熱伝達部材70を挿入した後に、中空部12bの内周と熱伝達部材70との間の隙間を埋めるために、モータ軸をメッキ液に浸漬して中空部12bの内周にメッキを施してもよい。但し、隙間を埋める部材を配置できれば、メッキに限定されない。
なお、モータ軸12と減速機の入力軸12aとが別体である場合でも、モータ軸の中空部と入力軸の中空部とを連通させて、一本の熱伝達部材をそれぞれの中空部内に挿入するようにすれば、モータ軸と入力軸とが一体である場合と同様の効果が得られる。
冷却ファン68の軸部68aには、モータ軸12の中空部12bと同心同径の中空部68bが形成されている。モータ軸12の中空部12bと冷却ファンの中空部68bとを連通させて、熱伝達部材70の後端70bをこの冷却ファン68の中空部68bまで延在させて内周に直接接触させることで、熱伝達部材70から冷却ファン68への熱伝達効率をさらに高めることができる。なお、冷却ファン68の径方向内側まで熱伝達部材70の後端が届いていれば、中空部68bは図1に示すような貫通穴でなく、後端が閉じていてもよい。
図1中のA部およびB部では、発熱源であるころ軸受21、23、回転シール44またはロータ36からモータ軸12を通して熱伝達部材70に熱を伝達させる一方で、それ以外の部分では、熱伝達部材70からモータ軸12への熱伝達をできるだけ抑制する方が、冷却ファン68への熱の輸送効率の観点からは望ましい。そこで、A部およびB部以外の部分(すなわち、ロータ36と減速機20の間の部分、およびロータ36と冷却ファン68の間の部分)のいずれかまたは両方で、モータ軸の中空部12bと熱伝達部材70との間に筒状の空間が形成されるように、中空部12bを加工してもよい。具体的には、A部およびB部以外の部分では、A部およびB部よりも中空部12bの内径を大きくするか、あるいは、A部およびB部以外の部分における熱伝達部材70の外形を、A部およびB部における熱伝達部材の外形よりも小さくしてもよい。このような空間を設けることで、空気が断熱材となり熱伝達部材70からモータ軸12への熱伝達を抑制することができる。
熱伝達部材が積層構造を有するグラファイトである場合、熱伝達部材70の軸方向中間部では積層方向を軸方向にするとともに、熱伝達部材70の減速機側端部70aと冷却ファン側端部70bのいずれかまたは両方では、積層方向が径方向になるようにグラファイトを作成してもよい。こうすると、減速機側端部70aでは、減速機20から熱伝達部材70への熱輸送効率が高まり、中間部では、減速機側端部70aから冷却ファン側端部70bへの熱輸送効率が高まり、冷却ファン側端部70bでは、熱伝達部材70から冷却ファン68への熱輸送効率が高くなるので、ギヤモータ100の冷却効率をさらに高めることができる。
図2は、本発明の別の実施形態に係るギヤモータ200の構成を示す断面図である。図1に示したギヤモータ100では、減速機20とロータ36からの発熱を、一本の熱伝達部材70にて冷却ファン68へと輸送している。これに対し、図2に示すギヤモータ200では、モータ軸12の中空部12bの内径を拡大した拡径部12cがロータ付近(ロータの径方向内側部分)から後端まで形成されており、拡径部12c内に第2熱伝達部材74が追加されている。この第2熱伝達部材74は、熱伝達部材70の外周に筒状に配置され、ロータ36からモータ軸12の後端まで延び、拡径部12cの内周に接触する。ファンの中空部68bも拡開して、ファンの径方向内側まで第2熱伝達部材74を延在させてもよい。このような第2熱伝達部材を設けることで、熱伝達経路の断面積が増加するので、ロータ36からの発熱をより効果的に冷却ファン68まで輸送することができ、ギヤモータ100の冷却効率をさらに高めることができる。なお、熱伝達部材70の外周と第2熱伝達部材74の内周とは接触していない方が好ましい。
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、主な発熱源である減速機の構成部材および/またはモータのロータに、モータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材を接触させることで、減速機および/またはロータから冷却ファンへの熱の輸送効率が改善されるので、ギヤモータの冷却効率を向上させることができる。
図1および2では、熱伝達部材の端部が冷却ファンの軸部の径方向内側まで延びている構造を示したが、熱伝達部材がモータ軸の中空部内で終了していてもよい。この場合、冷却ファンの軸部をモータ軸の端面にボルト等で結合するか、またはモータ軸の外周に嵌合してもよい。このような構成でも、モータ軸と冷却ファン軸部との間で熱伝達が行われるので、ある程度の冷却効率の改善を達成することができる。
熱伝達部材70を接触させる減速機の構成部材は、減速機の入力軸12aの内周に限定されず、減速機の構成部材のうち特に発熱の大きい部材を適宜選択して接触させればよい。
上述した実施の形態においては、熱伝達部材を減速機内部に延在させて減速機の構成部材に接触させることを述べた。しかし、ギヤモータを構成するモータのモータ容量や減速機の減速機構の組合せによっては、減速機における発熱よりもモータにおける発熱の方が特に問題となる場合がある。
このような場合には、熱伝達部材を減速機の構成部材に接触させず、モータ軸の内周にのみ接触させた方がよい場合もある。例えば、図1において、ロータ36の径方向内側の部分からファン68の径方向内側の部分にわたって熱伝達部材70を中空部12bに配置する。そして、熱伝達部材70の全長を中空部12bおよび68bの内周と接触させるか、あるいはロータ36およびファン68の径方向内側の部分のみで中空部12bおよび68bの内周と接触させる。この場合、ロータ36よりも減速機側の領域には熱伝達部材70は配置されない。したがって、中空部12bは、モータ軸12を貫通していてもよいし、ロータ36よりも減速機側の領域が中実であってもよい。
このような構造の場合には、本願発明をモータの発明として捉え、以下のように表現することができる。
中空部が形成されたモータ軸と、該モータ軸と一体的に回転するロータとを有するモータであって、前記モータ軸と一体的に回転する冷却ファンと、前記モータ軸中空部に配置され前記モータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材と、を有し、該熱伝達部材は、ロータの径方向内側において中空部内周と接触するとともに、冷却ファン側に向けて延在されていることを特徴とするモータ。
このような構造の場合、熱伝達部材は冷却ファンの径方向内側にまで延在されているのが好ましく、冷却ファンの中空部内周に接触しているとさらに好ましい。
上記では、冷却ファンを備えるギヤモータについて説明したが、本発明は、冷却ファンを備えないギヤモータにも適用することができる。
図3は、本発明のさらに別の実施形態に係るギヤモータ300の構成を示す断面図である。図1、2に示したギヤモータ100、200と同様の構成には、同様の符号が付されている。
ギヤモータ300では、熱伝達部材70は、モータ後端部側の軸受17の径方向内側まで延在し、モータ軸12の中空部12b内で終了して、モータ軸12の後端に露出している。さらに、熱伝達部材70は、モータ軸12の後端側で拡径部70cを形成している。また、図2のギヤモータ200と同様に、モータ軸12の中空部12bの内径を拡大した拡径部12cがロータ付近(ロータの径方向内側部分)から後端まで形成されており、拡径部12c内に第2熱伝達部材74が配置されている。この第2熱伝達部材74は、熱伝達部材70の外周に筒状に配置される。第2熱伝達部材74は、ロータ36からモータ軸12の後方に延び、モータ後端側の軸受17の径方向内側まで延在するが、内側にある熱伝達部材70よりも短くなっている。つまり、熱伝達部材70の方が、第2熱伝達部材74よりもモータ後方側まで延びている。このようにすると、軸受17の径方向内側で、熱伝達部材70と第2熱伝達部材74の後端部(拡径部70c)の両方をモータ軸12の内周と接触させることができ、減速機20とロータ36からの発熱を、熱伝達部材70または第2熱伝達部材74、モータ軸12、軸受17、および後端側カバー15を通して熱輸送して、モータの外部に放熱することができる。
以上説明したように、この実施形態によれば、主な発熱源である減速機の構成部材および/またはモータのロータに、モータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材を接触させることで、減速機および/またはロータからモータ外部への熱の輸送効率が改善されるので、ギヤモータの冷却効率を向上させることができる。
なお、熱伝達部材70の後端部は、拡径部70cを有さず、図4に示すように同径のままの後端部70dとしてもよい。この場合、モータ軸後端部の内周を内側に突出させることで、突出部の内周と熱伝達部材70の後端部70dとが接触する。こうすることで、熱伝達部材70および第2熱伝達部材74の両方からの熱を、モータ軸12、軸受17、および後端側カバー15を通してモータ外部に放熱することができる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、減速機の減速機構として、入力軸(偏心体軸)が内歯歯車の中心に配置されるタイプの揺動内接噛合型の減速機構を採用することを述べた。しかしながら、本発明に係るモータと共に用いられる減速機の減速機構はこれに限定されない。例えば、単純遊星歯車減速機構や、内歯歯車の中心からオフセットした位置に複数本の偏心体軸が配置されるタイプの遊星歯車減速機構を採用してもよい。また、入力軸と出力軸が同軸である一段の減速機構でなく、多軸または多段の減速機構であってもよい。
実施の形態では、ケーシングを固定し、キャリア体から回転を出力するように、偏心揺動噛合型の減速機構を構成することを述べた。しかしながら、キャリア体を固定し、ケーシングから回転を出力するように減速機構を構成してもよい。
実施の形態では、モータとしてかご形誘導電動機を採用することを述べたが、モータの種類は特に限定されず、例えばIPM(Interior Permanent Magnet)モータやSPM(Surface Permanent Magnet)モータなどの同期電動機を採用してもよい。
10 モータ、 12 モータ軸、 12a 入力軸、 12b モータ軸中空部(入力軸中空部)、 20 減速機、 36 ロータ、 68 冷却ファン、 68b 冷却ファン中空部、 70 熱伝達部材、 74 第2熱伝達部材、 100、200、300 ギヤモータ。

Claims (14)

  1. 減速機とモータが連結されたギヤモータであって、
    前記モータは、中空部が形成されたモータ軸と、前記モータ軸の中空部に配置され前記モータ軸よりも熱伝達率の高い熱伝達部材と、を有し、
    前記熱伝達部材は前記減速機の内部に延在されて、該減速機の構成部材に接触することを特徴とするギヤモータ。
  2. 前記熱伝達部材は、前記モータ軸の後端部側を支持する軸受の径方向内側まで延在することを特徴とする請求項1に記載のギヤモータ。
  3. 前記減速機の入力軸に入力軸中空部が形成され、前記熱伝達部材が前記入力軸中空部に挿入されその内周に接触することを特徴とする請求項1または2に記載のギヤモータ。
  4. 前記モータ軸と前記減速機の入力軸とが一体に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のギヤモータ。
  5. 前記モータ軸中空部および/または前記入力軸中空部と前記熱伝達部材との間の隙間を埋める部材をさらに有することを特徴とする請求項3または4に記載のギヤモータ。
  6. 前記熱伝達部材と前記モータ軸中空部との間に空間があることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のギヤモータ。
  7. 前記モータのロータと前記モータ軸の後端部側を支持する軸受との間に延びる第2熱伝達部材をさらに有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のギヤモータ。
  8. 前記熱伝達部材の方が、前記第2熱伝達部材よりもモータ後方側まで延び、前記熱伝達部材の後端部が前記モータ軸内周と接触していることを特徴とする請求項7に記載のギヤモータ。
  9. 前記モータ軸と一体的に回転する冷却ファンをさらに有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のギヤモータ。
  10. 前記熱伝達部材は前記冷却ファンの径方向内側まで延在されることを特徴とする請求項9に記載のギヤモータ。
  11. 前記冷却ファンに前記モータ軸中空部と連通するファン中空部が形成され、前記熱伝達部材が前記ファン中空部に挿入されその内周に接触することを特徴とする請求項9または10に記載のギヤモータ。
  12. 前記第2伝達部材は、前記モータのロータと前記冷却ファンとの間に延びることを特徴とする、請求項7を引用する請求項9ないし11のいずれかに記載のギヤモータ。
  13. 前記モータのロータの径方向内側で前記モータ軸中空部の内周と前記熱伝達部材とが接触し、前記ロータと前記減速機の間の部分および前記ロータと前記冷却ファンとの間の部分の少なくとも一方で、前記モータ軸中空部と前記熱伝達部材との間に空間があることを特徴とする請求項9に記載のギヤモータ。
  14. 前記熱伝達部材は積層構造を有する部材であり、該熱伝達部材の減速機側端部およびモータ後端部側端部と中間部とで積層方向が異なることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のギヤモータ。
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