JP2015147508A5 - - Google Patents

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船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置
本発明は、船舶推進用のガス燃料エンジン(デュアルフューエルエンジン及びガス専焼エンジン)に、液化ガスから生成した燃料ガスを効率的かつ安全に供給することができる液化ガス供給装置に関するものである。
特許文献1には、浮動型LNG貯蔵及び再ガス化ユニットの発明が開示されている。この発明に係る浮動型LNG貯蔵及び再ガス化ユニットは、LNG貯蔵タンク2と、動力装置3と、気化ユニット5とを含み、動力装置3が、気化ユニット用の熱を生成するように構成されている。動力装置3は、単一の加熱回路4に接続される多数の熱源を備えている。当該ユニットの全体としての効率を増大するために、単一の加熱回路は、気化ユニット5に直接又は間接的に接続される。具体的には、この浮動型LNG貯蔵及び再ガス化ユニットは、通常、永久的に係留された基地であって、推進手段を有さない海洋船の形態であるものとされている。
特許文献2には、蒸気推進設備を持たない液化天然ガス搬送体上で液化天然ガスの再ガス化を行うための方法および装置の発明が開示されている。この発明に係る再ガス化システムは、通常は船のプロペラシャフトおよびプロペラを駆動するディーゼルエンジンやガスタービン推進設備を再ガス化システムの熱源として利用するものとされている。この再ガス化システムは、排気ガス熱交換器と電気温水器と補助的ヒータとから構成される熱入力源を備えており、温水循環ループに対して熱を供給することができる。液化天然ガスは、温水循環ループまたは加熱媒体循環ループに対して接触し、再ガス化される。船からは、海中導管を通して、再ガス化された天然ガスが、陸上設備へと搬送される。
特表2011−504991号公報 特許第4261582号公報
前記特許文献1及び2に記載された発明は、いずれも停船時や係留時に船舶のエンジンを熱源として利用し、液化天然ガスをガス化しようとするものである。これらの技術によれば、船舶のエンジンは、液化天然ガスをガス化するための熱源として利用されているだけであり、船舶の航行時に推力を得るための手段として運転の制御が行なわれているわけでなない。このため、これらの発明では、エンジンの始動時に必要な冷却水の加温や運転時に必要な冷却水の冷却を含めた航行に必要な複雑な運転制御についての考慮が全くない。従って、ガス燃料エンジンで駆動される船舶において、航行中に前記発明のような手法で液化天然ガスをガス化してガス燃料エンジンに供給しようとしても、液化天然ガスのガス化及びガス燃料エンジンに対する供給を安定的に行うことができず、結局、ガス燃料エンジンを船舶の航行に適した安定した状態で運転することが困難であるという問題があった。
本発明は、以上説明した先行技術における課題を解決するためになされたものであり、燃料として搭載している液化ガスを効率的かつ安全にガス化して船舶推進用のガス燃料エンジンに安定的に供給することができ、船舶の航行に適した安定した状態でガス燃料エンジンを運転することができる船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段を、本発明の各請求項の記載に基づいて説明する。なお、課題を解決するための手段の説明では、便宜上「発明を実施するための最良の形態」において各構成を示す参照符合を用いたが、これは本発明の技術的範囲を実施形態の内容に限定することを意味するものではない。本項の後に説明する「効果」における参照符合の使用も同趣旨である。
請求項1に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
前記液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102と、
記ガス燃料エンジン106からの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、前記ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と
備えたことを特徴としている。
請求項2に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102と、
前記ガス燃料エンジン106の回転により駆動する機付ポンプ301を介在し、該ガス燃料エンジン106からの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と、
海水を冷媒とするクーラ308を介在し、前記機関冷却水循環路200に設けられる機関冷却水の冷却バイパス路201と、
ヒータ307を介在し、前記機関冷却水循環路200に設けられる機関冷却水の加熱バイパス路203と、
前記機付ポンプ301を迂回するバイパス路202または前記冷却バイパス路201を除く前記機関冷却水循環路200の他のバイパス路203に設けられ、前記機付ポンプ301が停止中に当該機付ポンプ301を迂回して機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302,303と、
を備えたことを特徴としている。
請求項2に係る発明の構成において、ヒータ307と、ガス燃料エンジン106の回転により駆動する機付ポンプ301とが、前記機関冷却水循環路200に設けられる位置は、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側でも下流側でもよい。
請求項2に係る発明の構成において、ヒータ307は、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設けるのが好ましい。これは、ヒータ307を当該気化器107,102の下流側に設ける場合に比して、ガス燃料エンジン106の始動前には、より高温の機関冷却水を前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入させることができ、気化器107,102によるLNGの気化量をより多くすることができるからである。
請求項2に係る発明の構成において、機付ポンプ301は、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側、すなわちガス燃料エンジン106の上流側に設けるのが好ましい。これは、ガス燃料エンジン106の下流側に設けるとガス燃料エンジン106内の機関冷却水路の圧力損失等により機付ポンプ301がキャビティションを起しやすいが、このような不都合を確実に回避することができるためである。
請求項2に係る発明の構成において、電動ポンプ302,303は、停止中に前記機付ポンプ301による機関冷却水の循環を妨げないように、どこかのバイパス路(冷却バイパス路201を除く)に配置されなければならない。したがって、例えば機付ポンプ301を迂回するように機関冷却水循環路200に設けたバイパス路に電動ポンプ302,303を設けてもよいし、また、これとは別に前記機関冷却水循環路200の何れかの位置に設けた他のバイパス路に電動ポンプ302,303を設けても差し支えない。これにより、電動ポンプ302,303は、機付ポンプ301が停止中に運転することができるとともに、必要により機付ポンプ301が稼働中も併走して稼働することができる。
請求項2に係る発明の構成において、「機付ポンプ301を迂回するバイパス路」とは、単純に機付ポンプ301のみを迂回するバイパス路であってもよいし、前記加熱バイパス路203が機付ポンプ301を迂回して前記機関冷却水循環路200に合流する構成とされた場合には、機付ポンプ301を迂回する加熱バイパス路203であってもよい。
請求項3に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102と、
前記ガス燃料エンジン106の回転により駆動する機付ポンプ301を介在し、該ガス燃料エンジン106からの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と、を備え、
海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201と、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203とが、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側に設けられ、
前記機付ポンプ301が停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302が、当該機付ポンプ301を迂回するバイパス路202(当該機付ポンプ301を迂回する加熱バイパス路203を含む)または前記冷却バイパス路201を除く前記機関冷却水循環路200の他のバイパス路(当該機付ポンプ301を迂回しない加熱バイパス路203を含む)に設けられたことを特徴としている。
請求項4に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102と、
前記ガス燃料エンジン106の回転により駆動する機付ポンプ301を介在し、該ガス燃料エンジン106からの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と、を備え、
海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201と、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203とが、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設けられ、
前記機付ポンプ301が停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302が、当該機付ポンプ301を迂回するバイパス路202(当該機付ポンプ301を迂回するように使用される前記加熱バイパス路203を含む)または前記冷却バイパス路201を除く前記機関冷却水循環路200の他のバイパス路(前記加熱バイパス路203を含む)に設けられたことを特徴としている。
請求項5に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102と、
前記ガス燃料エンジン106の回転により駆動する機付ポンプ301を介在し、該ガス燃料エンジン106からの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と、を備え、
海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201が前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側に設けられ、
ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203が、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設けられ、
前記機付ポンプ301が停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302が、当該機付ポンプ301を迂回するバイパス路(当該機付ポンプ301を迂回するように使用される前記加熱バイパス路203を含む)または前記冷却バイパス路201を除く前記機関冷却水循環路200の他のバイパス路(前記加熱バイパス路203を含む)に設けられたことを特徴としている。
なお、以上説明した請求項2乃至5に記載の各発明は、冷却バイパス路201と加熱バイパス路203の各々を気化器102,107の上流側と下流側のいずれに設けるかに関して非限定とするか、又は限定する場合にはどのように限定するかについて差異を有している。しかしながら、これらの差異が液化ガス供給装置としての効果に与える影響については一概に断定することは困難である。すなわち、液化ガス供給装置としての効果の程度は、冷却バイパス路201と加熱バイパス路203の位置だけでなく、ガス燃料エンジン106自体の能力や各気化器102、107の能力等にも依存するので、必ずしも請求項4に記載の構成が最も好ましいとは限らない。
請求項2や請求項3に記載の構成が好ましい場合もありうるし、さらには請求項5の構成と逆の構成が好ましい場合もありうる。請求項5の構成と逆の構成とは、海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201を、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設け、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203を、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側に設ける構成である。このような構成も本願発明の範囲内の構成であり、これによっても、ガス燃料エンジン106の能力や各気化器102、107の能力等の条件によっては、本発明の他の構成と同等又はそれ以上の好適な結果が得られる場合もある。
請求項6に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、
液化ガス貯蔵タンク101と、
前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、
液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106としてのデュアルフューエルエンジンに供給する供給気化器102と、
前記デュアルフューエルエンジンの回転により駆動する機付ポンプ301を介在し、該デュアルフューエルエンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジン106に返送する機関冷却水循環路200と、
海水を冷媒とするクーラ308を介在し、前記機関冷却水循環路200に設けられた機関冷却水の冷却バイパス路201と、
機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302とヒータ307とを介在し、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102と機付ポンプ301とを迂回する機関冷却水の加熱バイパス路203と、
を備えることを特徴としている。
なお、以上説明した請求項1乃至6の発明におけるガス燃料エンジン106をデュアルフューエルエンジンとして運転する場合、又は請求項6の発明におけるデュアルフューエルエンジンであるガス燃料エンジン106を運転する場合には、初期のディ−ゼル油での「ディーゼルモード(DEモード)」運転を長く行い、機関冷却水を所定の温度に昇温するようにすれば、ヒータ307を省略することができる。この記述から明らかなように、本願の各請求項2乃至6から構成要件としてのヒータ307を除いた発明も、現在の特許請求の範囲には記載されていないものの、本願の開示の範囲内のものである。
請求項7に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置において、
液化ガス貯蔵タンク101のタンク上部にあるガス状態の液化ガス燃料のみを前記供給気化器102に供給する燃料ガスラインを備えたことを特徴としている。
すなわち、以上説明した請求項1〜6に記載の発明において、液化ガス貯蔵タンク101のタンク上部にあるガス状態の液化ガス燃料のみを供給気化器102に供給する燃料ガスラインを設け、気化供給器102への液体状態の液化ガス燃料の供給を停止すると共に、当該燃料ガスラインによりガス状態の液化ガス燃料を供給気化器102に供給加温した後ガス燃料エンジン106に供給して、ガス燃料エンジン106を例えば負荷率0〜30%程度の負荷範囲内で運転することにより、液化ガス貯蔵タンク101内の圧力を下げるようなLNGタンク減圧運転を行えるように構成することができる。
請求項8に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジン106の液化ガス供給装置において、
前記機付ポンプ301の吐出側の前記機関冷却水循環路200と、前記機付ポンプ301を迂回するバイパス路とに、それぞれ逆止弁を介在させた後、合流させることを特徴としている。
請求項8に係る発明の構成において、「機付ポンプ301を迂回するバイパス路」とは、単純に機付ポンプ301のみを迂回するバイパス路であってもよいし、前記加熱バイパス路203が機付ポンプ301を迂回して前記機関冷却水循環路200に合流する構成とされた場合には、機付ポンプ301を迂回する加熱バイパス路203であってもよい。
請求項9に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジン106の液化ガス供給装置において、
前記機関冷却水循環路200に、機関冷却水中の気体を除くと共に該機関冷却水の温度による容積の膨脹・収縮を吸収する脱気膨脹タンク310が介在していることを特徴としている。
請求項10に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジン106の液化ガス供給装置において、
供給気化器102とガス燃料エンジン106との間にバッファタンク103が設けられ、該バッファタンク103が、ガス燃料エンジン106の定格負荷運転で例えば3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を有することを特徴としている。
請求項11に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジン106の液化ガス供給装置において、
ガス燃料エンジン106の起動前において、該ガス燃料エンジン106の出口での機関冷却水の温度がTL( 45℃以上55℃未満の範囲の内の所定温度、すなわち45℃≦TL<55℃)である場合、電動ポンプ302とヒータ307とを起動して該ヒータ307に機関冷却水を流して該機関冷却水を加温し、前記ガス燃料エンジン106の出口での機関冷却水の温度がTH( 55℃以上64℃未満の範囲の内の所定温度、すなわち55℃≦TH<64℃) である場合、少なくともヒータ307を停止状態に保持し、
前記前記ガスエンジンの起動後における前記ガス燃料エンジン106の出口での機関冷却水の温度がTF( 75℃以上90℃未満の範囲の内の所定温度、すなわち75℃≦TF<90℃) となるようにクーラ308に流れる機関冷却水量を調整することを特徴としている。
請求項11に係る発明の構成において、「少なくともヒータ307を停止状態に保持し」とは、前記ガス燃料エンジン106の出口の機関冷却水の温度がTHである場合に一般的に選択される運転状態、すなわちヒータ307による加熱は停止するが電動ポンプ302は稼働し続ける状態と、温度計309での温度測定が多少不正確になる可能性があっても電動ポンプ302とヒータ307の両方を停止とする状態の両方を含む。
以上、課題を解決するための手段の説明に用いた各請求項の記載における各用語の定義は以下の通りである。
気化器107,102の熱源となる「機関冷却水」とは、ガスエンジン( デュアルフューエルエンジンを含む) の空気冷却器、シリンダライナ及びシリンダヘッド( 燃料噴射弁を含む) を順次冷却する冷却水を意味する。従って、エンジン高温冷却水回路、エンジン低温冷却水回路、潤滑油回路、エンジンジャケット水回路及び排気ガス熱交換器を循環する冷却水とは、冷却する対象が異なる点において技術的に意味する範囲が異なる。
「クーラ308」とは、前記「機関冷却水」を冷却するすべての冷却手段を意味し、例えば、シェル&チューブ式の熱交換器、プレート式熱交換器等を指す。
「ヒータ307」とは、前記「機関冷却水」を加熱又は加温するすべての加熱手段又は加温手段を意味し、例えば、電気ヒータ等による電気式加熱器を指す。
請求項1に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、前記液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102との両方の気化器に機関冷却水を通し、該機関冷却水の熱を有効に利用して両気化器107,102で液化ガスを加熱するようにした。これにより、液化ガス貯蔵タンク101内を所定の圧力に維持して、その圧力で液化ガス燃料を供給気化器102に的確に供給するとともに、機関冷却水の熱を有効利用してガス燃料を的確に生成することができ、ガス燃料エンジン106の高負荷運転に際しても十分なLNGガス量をガス燃料エンジン106に供給することができる。
請求項2に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、冷却バイパス路201と加熱バイパス路203の各々を、気化器102、107の上流側に設けるのか、又は下流側に設けるのかについて、その他の構成に応じて任意の構成を採用することができ、それに応じた効果を得ることができる。すなわち、冷却及び加熱の両バイパス路と気化器の位置関係を請求項2では限定していないが、液化ガス供給装置としての性能は、当該位置関係だけでなく、ガス燃料エンジン106の能力や各気化器102、107の能力等にも依存するので、単純にどのような配置関係がよいとは断定できない。従って、この請求項2に記載された発明によれば、液化ガス供給装置が適用されるガス燃料エンジン106の能力や、液化ガス供給装置の構成の一部である各気化器102、107の能力等に応じ、最も的確な液化ガス供給能力が得られるように、冷却及び加熱の両バイパス路と気化器の位置関係を選択できるという効果が得られる。
なお、冷却及び加熱の両バイパス路と気化器の位置関係を具体的に設定した場合を規定した請求項が3乃至5であり、これら特有の効果については以下に説明する。
請求項3に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201が前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側に設けることにより、当該気化器の上流側に冷却バイパス路201を設ける場合に比して、より高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。したがって、気化器による熱回収率はよくなる。
請求項4に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203が前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設けることにより、当該気化器の下流側に加熱バイパス路203を設ける場合に比して、ガス燃料エンジン106の始動前にはより高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。したがって、気化器によるLNGの気化量がより多くなる。
請求項5に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201が、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の下流側に設けられているので、当該気化器107,102の上流側に冷却バイパス路201を設ける場合に比して、より高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。
また、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203が、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102の上流側に設けられているので、当該気化器107,102の下流側に加熱バイパス路203を設ける場合に比して、ガス燃料エンジン106の始動前にはより高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。したがって、気化器による熱回収率が最も高くなる。
請求項6に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、デュアルフューエルエンジンにおいて、前記液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102の両方に機関冷却水を通し、該機関冷却水の熱を有効に利用して両気化器107,102において液化ガスを加熱するようにした。これにより、液化ガス貯蔵タンク101内を所定の圧力に維持して、その圧力で液化ガス燃料を供給気化器102に的確に供給でき、デュアルフューエルエンジンであるガス燃料エンジン106の高負荷運転に際しても十分なLNGガス量をガス燃料エンジン106に供給することができる。
さらに請求項6に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、機関冷却水を循環移送する電動ポンプ302とヒータ307とを介在し、前記機関冷却水循環路200の前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102と機付ポンプ301とを迂回する機関冷却水の加熱バイパス路203を設けているので、デュアルフューエルエンジンとして使用する場合の暖機時に冷却水を両気化器107,102に回さずに直接エンジンに戻すルートを選択することができ、機関冷却水が機付ポンプ301をバイパスして循環するようにすることができる。すなわち、デュアルフューエルエンジンは始動時にはDEモードで駆動するため、燃料ガスは不要であるから、船舶の停止中にエンジンを暖機するためには機関冷却水を単に循環させればよく、LNGを加熱して燃料ガスを発生させる必要はない。このため、ヒータ307で加熱した機関冷却水を両気化器107,102に回すことなく、下流のエンジンに直接戻すことができる。
請求項7に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、液化ガス貯蔵タンク101のタンク上部にあるガス燃料のみを燃料ガスラインを介して供給気化器102に供給できるので、液化ガス貯蔵タンク101に液化ガスを補充する際や、当該船舶のドック入り等の際に便宜が得られるように、液化ガス貯蔵タンク101内の圧力を下げるLNGタンク減圧運転を行うことができるという効果が得られる。
具体的に液化ガス貯蔵タンク101の前記減圧運転例を各図面に示した実施形態のレベルで説明すると、まず、前記燃料ガスラインの電動開閉弁112を全開し、気化供給器102へ液体状態の液化ガス燃料を供給する供給ラインの電動開閉弁110を全閉とし、ガス燃料エンジン106の負荷率を例えば0〜30%として、調圧弁108の設定値を所定の圧力(例えば0.1以上〜0.3MPa以下)とすることにより運転を行う
なお、タンク内圧が所定の圧力(0.1以上〜0.3MPa以下)まで下がったら、再び電動開閉弁110を全開とし、電動開閉弁112を全閉とし通常のガス燃料運転を継続することもできるし、自動開閉弁109と電動開閉弁112と遮断弁105を全閉とし、ガス燃料運転を終了することもできる。
請求項8に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、機付ポンプ301の吐出側の前記機関冷却水循環路200と、機付ポンプ301を迂回するバイパス路に、それぞれ逆止弁を設けたので、遠隔操作できる自動バイパス切換弁等の複雑・高価な制御装置が不要となり、機付ポンプ301と電動ポンプ302の切換や併走運転を単なるオン−オフ制御で可能とすることができる。
請求項9に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、機関冷却水循環路200に脱気膨脹タンク310を設けたので、機関冷却水中の気体を除くと共に該機関冷却水の温度による容積の膨脹・収縮を吸収することができる。
請求項10に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、供給気化器102とガス燃料エンジン106の間にバッファタンク103を設けたので、ガス化燃料の発熱変動量を抑制することができる。また、バッファタンク103は、ガス燃料エンジン106が定格負荷運転で3分間に消費する容量以上のガス燃料を貯えることにより、ガス燃料エンジン106の運転の安定性を向上させることができる。
請求項11に記載された船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置によれば、起動前のガス燃料エンジン106の出口における機関冷却水の温度に応じて電動ポン302やヒータ307の運転を制御することにより、クーラに流れる機関冷却水量を調整して、起動後のガス燃料エンジンの出口における機関冷却水の温度を必要な所定範囲内に納めることができる。
第1実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第2実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第3実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第4実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第5実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第6実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 第7実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。 各実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置に設けられる脱気膨脹タンクの構造図である。 各実施形態に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置に設けられたバッファタンクがガス化燃料の発熱変動量を抑制していることを示す図であって、分図(a)はバッファタンクの入口側に設けた発熱量計の指示値の時間変動を示すグラフであり、分図(b)はバッファタンクの出口側に設けた発熱量計の指示値の時間変動を示すグラフである。
以下、本発明に係る船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の実施形態を説明する。
各実施形態に係る液化ガス供給装置は、ガス燃料エンジンで推進する船舶に搭載して液化ガスをガス化し、これを航行用、推進用の燃料として当該船舶のガス燃料エンジンに安定的に供給するための装置である。従って、本願発明は、燃料として搭載している液化ガスを効率的かつ安全にガス化してガス燃料エンジンに安定的に供給し、船舶の航行に適した状態でガス燃料エンジンを運転することができることを特徴としており、この点において、停船時や係留時に船舶のエンジンを単なる熱源として利用し、液化天然ガスをガス化する従来の技術とは構造、運転乃至制御手法等において根本的に相違する。なお、実施形態の船舶推進ガス燃料エンジン(以下、単にガス燃料エンジン又はエンジン等と呼ぶ)には、ガスモードとディーゼルモードの両モードを選択して運転できるデュアルフューエルエンジンと、ガス燃料のみを燃料とするガス専燃エンジンの両方が含まれる。
1.第1実施形態(図1、請求項1、請求項2及び請求項5に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、以下、まず図1を参照して構成の概要を説明し、次にガス燃料エンジンをデュアルフューエルエンジンとして運転する場合の手順等について説明する。
(1) 構成
図1は、第1実施形態に係るガス燃料エンジンの液化ガス供給装置の装置系統図である。図1には船舶の船体自体は示していないが、この図示しない船舶に、図1に示すガス燃料エンジン106と液化ガス供給装置が搭載されている。液化ガス供給装置は、ガス燃料エンジン106に供給されるガス燃料の原料となる液化ガスを貯えた液化ガス貯蔵タンク101を含み、ガス燃料エンジン106を冷却するための機関冷却水循環路200を循環する機関冷却水の熱を利用することにより、液化ガス貯蔵タンク101の液化ガスを気化してガス燃料とし、これをガス燃料エンジン106に供給するように構成されている。
本実施形態の構成を、機関冷却水循環路200の上流側から順次説明する。機関冷却水循環路200は、ガス燃料エンジン106の被冷却部位(例えば空気冷却器、シリンダライナ及び燃料噴射弁を含むシリンダヘッド) の冷却水出口OUTと冷却水入口INを結ぶ配管であり、冷却水入口INの近傍に設けられた後述する機付ポンプ301によって機関冷却水を循環させて冷却を行う。
ガス燃料エンジン106には回転計111が設けられている。また、ガス燃料エンジン106の機関冷却水循環路200には、冷却水出口OUTの近傍において温度計309が設けられている。これら回転計111及び温度計309の検出値は、後述する本装置の運転手順において説明するように、ガス燃料エンジン106又は液化ガス供給装置の運転制御に利用される。
機関冷却水循環路200において、温度計309の下流側には、脱気器として機能する分岐311が設けられている。分岐311の上側出口は脱気膨張タンク310の底部に連通されており、下側出口は機関冷却水循環路200の下流側に接続されている。なお、分岐311及び脱気膨張タンク310は、機関冷却水中に含まれる気泡を除去するための設備であり、その詳細は後述する別項8「各実施形態に共通の構成について」において説明する。脱気膨張タンク310の底部に接続連通された機関冷却水の戻り管R1は機関冷却水循環路200に接続されている。
機関冷却水循環路200において、分岐311の下流側には制御の必要に応じてモータで選択的に駆動される電動ポンプ302とヒータ307が設けられた加熱バイパス路203が設けられている。また、加熱バイパス路203においてヒータ307 の下流側、および、加熱バイパス路203と機関冷却水循環路200との合流点近傍の機関冷却水循環路200には逆止弁CVがそれぞれ設けられている。ヒータ307は、例えば電気式加熱器等で構成することができる。さらに、このヒータ307の加熱バイパス路203が設けられている下流の機関冷却水循環路200には、液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102が、互いに並列に介在接続されている。なお、両気化器107,102は機関冷却水循環路200に対して直列に接続されてもよく、その場合には各種条件等に応じて何れかの一方を上流にすればよい。
タンク昇圧気化器107において、機関冷却水循環路200から供給された熱を受け取る被加熱側の導入配管PA1は、液化ガス貯蔵タンク101の底部に連通しており、液化ガスをタンク昇圧気化器107に導けるようになっている。この導入配管PA1には、液化ガスの供給制御用に電動開閉弁109が設けられている。また、機関冷却水循環路200から供給された熱を受け取る被加熱側の排出配管PB1は、液化ガス貯蔵タンク101の頂部に連通しており、タンク昇圧気化器107で気化されて生じた燃料ガスを液化ガス貯蔵タンク101の頂部に供給できるようになっている。この排出配管PB1には、燃料ガスの圧力制御用に調圧弁108が設けられている。
供給気化器102において、機関冷却水循環路200から供給された熱を受け取る被加熱側の導入配管は、2つに分岐している。一方の導入配管PA2は、電動開閉弁110を介して液化ガス貯蔵タンク101の底部に連通しており、液化ガスを供給気化器102に導けるようになっている。また、燃料ガスラインの一部である他方の導入配管PA3は、電動開閉弁112及び逆止弁CVを介して液化ガス貯蔵タンク101の頂部に連通しており、必要に応じてガス状態の液化ガス燃料のみを供給気化器102に導けるようになっている。さらに、機関冷却水循環路200から供給された熱で液化ガスが気化されて生成された燃料ガスを送り出す被加熱側の排出配管PB2には、バッファタンク103と、調圧弁104と、遮断弁105が直列に接続され、さらにガス燃料エンジン106に接続されている。
機関冷却水循環路200において、タンク昇圧気化器107と供給気化器102の下流側には、モータで開閉制御される電動温調三方弁305が設けられている。この電動温調三方弁305は、その入口が機関冷却水循環路200の上流側に接続され、第1の出口が機関冷却水循環路200の下流側に接続され、第2の出口が機関冷却水循環路200の下流側に冷却バイパス路201に接続されている。この冷却バイパス路201の一部はクーラ308内に配置されている。クーラ308は、例えばシェル&チューブ式の熱交換器や、プレート式熱交換器で構成することができる。クーラ308内には冷媒としての海水が機付ポンプ312及び冷却配管PCによって船外から供給され、機関冷却水を冷却した海水は船外に排出されるように構成されている。詳細は後述するが、前述した温度計309が検知した機関冷却水の温度に基づき、フィードバック制御によって電動温調三方弁305を適宜制御することにより、クーラ308に流す機関冷却水の量を制御し、機関冷却水の温度を制御することができる。
機関冷却水循環路200において、電動温調三方弁305及び冷却バイパス路201の下流には、前述したように、脱気膨張タンク310から導かれた冷却水の戻り管R1が接続されている。そして、この戻り管R1の接続点よりも下流側の機関冷却水循環路200には、上流側から機付ポンプ301と逆止弁CVが直列に接続され、ガス燃料エンジン106の冷却水入口INに接続されている。
機関冷却水循環路200において、戻り管R1の接続点の下流かつ機付ポンプ301の上流側の位置と、機付ポンプの下流にある逆止弁の出口側とガス燃料エンジン106の冷却水入口INとの間の位置は、バイパス路202,210によって接続連通されている。すなわち、バイパス路202,210は機付ポンプ301を迂回している。バイパス路202には、制御の必要に応じてモータで選択的に駆動される電動ポンプ303が設けられている。また、バイパス路210とバイパス路202において電動ポンプ303の下流側には、逆止弁CVがそれぞれ設けられている。すなわち、バイパス路202,210の各逆止弁CVの出口側が、機付ポンプ301の下流に設けられた逆止弁CVの出口側に接続されている。
なお、本実施形態では、電動ポンプ303は前記機付ポンプ301を迂回するバイパス路202に設けることとしたが、前記冷却バイパス路201を除く前記機関冷却水循環路200の他のバイパス路に設けるものとしてもかまわない。
また、図1中には示していないが、本実施形態は、以上説明した本実施形態の各構成部分を統括的に制御する制御手段としてのエンジン制御装置(単に制御装置又は制御機器等とも呼ぶ)を含んでいる。このエンジン制御手段は、「エンジン」との語が付されているものの、ガス燃料エンジン106と液化ガス供給装置の両方を制御するものである。なお、ガス燃料エンジン106と液化ガス供給装置が、互いに連携して機能する別々の制御手段によってそれぞれ制御されるものとしてもよい。
また、以上「構成」の項にて言及されていない内容については、以下の「運転手順」の説明を援用して構造の説明に代えるものとする。
(2) デュアルフューエルエンジンとしての運転手順
次に、本実施形態のガス燃料エンジン106をデュアルフューエルエンジンとして運転する場合の手順について説明する。以下に説明する手順又は制御の内容は、前述した制御手段としてのエンジン制御装置が、操作者が必要に応じて行う手動操作を受けて、本実施形態の各部を制御することにより実行されるものである。
〈運転準備〉
1)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにしてエンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせる。
2)電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば75℃以上90℃未満の範囲の内の所定温度) となるように、フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になるが、この状態でも、機関停止中は熱源が無いため、温度計309の温度T1がTFを越えることは無く、機関停止中の電動温調三方弁305はクーラ308側が全閉である。なお、電動温調三方弁305は、電動モータにより駆動され、電流信号により開度が調整され、二方向の出口の流量が調整される。
3)エンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせると電動ポンプ302はON状態となる。温度計309の温度T1が所定の温度TL( 例えば45℃以上55℃未満の範
囲の内の所定温度) 又はこれ未満の温度であれば、ヒータ307を手動または自動にてONにする。一方、温度計309の温度T1が所定の温度TH(例えば55℃以上64℃未満の範囲の内の所定温度)であれば、ヒータ307を手動または自動でOFFにする。
4)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにすると電動開閉弁109電動開閉弁110が全開となる。
5)電動開閉弁109を通ったLNGは自重でタンク昇圧気化器107に流れ、気化・膨張して高圧となる。気化したLNGは、調圧弁108で調圧されて液化ガス貯蔵タンク101内に入り、内部のLNGに圧力を加えて押し出す。
〈運転開始〉
6)エンジン制御装置の「始動」SWを手動でONにする。制御装置、センサー等の故障のインターロックが掛かっていなければ、始動のシーケンスが走り出し「DEモード」(ディーゼルエンジンモード)の運転となる。なお、上記運転準備で機関冷却水の温度T1が、温度TLの範囲を超え(例えば60℃) 、温度THの範囲に入っていても、始動のシーケンスは走り出す。
7)ガス燃料エンジン106が回転し、機付ポンプ301、機付ポンプ312が回転する。海水は、機付ポンプ312が回転することにより船外から取り込まれ、クーラ308等に供給され冷却水として用いられた後、船外に排出される。
8)ガス燃料エンジン106の回転数Nを回転計111にて読み込む。
9)エンジンが始動し、回転数Nが所定回転数N1(例えば毎分150回転)以上となったら、電動ポンプ302がOFF状態になる。なお、ヒータ307はこの時に自動でOFFにする場合と手動にて別タイミングでOFF状態にする場合がある。電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度範囲TF( 例えば80℃)となった後は、前記フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になる。
〈ガス運転開始〉
10) エンジン制御装置の運転モードを手動で「GEモード」(ガスエンジンモード)にする。遮断弁105が開く。ただし、機関冷却水温度T1が、温度範囲THを下回っている場合(例えば50℃)の場合は、自動でキャンセルされ「DEモード」になる。遮断弁105が開くと、液化ガス貯蔵タンク101からLNGが押し出される。押し出されたLNGは、電動開閉弁110を介して供給気化器102を通り、気化される。気化されたLNGは、バッファタンク103を介して調圧弁104で調圧されて遮断弁105を通り、デュアルフューエルエンジンであるガス燃料エンジン106に供給される。
11) なお、気化されたLNGは、バッファタンク103の中を通り、発熱量変動が抑制される。なお、バッファタンク103による発熱量変動の抑制効果については後出の別項8「各実施形態に共通の構成について」において説明する。バッファタンク103の容積は、運転を安定化させるため、デュアルフューエルエンジンが定格負荷運転で例えば3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を保有出来るものが好ましい。
12) 調圧弁104の出口の圧力は制御装置によりエンジンの負荷・運転状況に応じて調整される。
〈LNGタンク減圧運転〉
13) 液化ガス貯蔵タンク101にLNGを補充する際やドック入り等の際には、液化ガス貯蔵タンク101の圧力を下げるために、「GEモード」にて、エンジンの負荷率を下げ(例えば25%)、調圧弁108の設定値を所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下げ、電動開閉弁112を全開、電動開閉弁110を全閉として運転をする場合がある。これを「LNGタンク減圧運転」と呼ぶ。
14) 液化ガス貯蔵タンク101の内圧が所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下がった場合は、電動開閉弁112を全閉とし、「LNGタンク減圧運転」は終了する。
15) 「LNGタンク減圧運転」終了後は、再び電動開閉弁110を全開としてGEモードを継続する場合と、電動開閉弁110は全閉のままとし、「ガス運転終了」に移行する場合がある。
〈ガス運転終了〉
16) 制御装置の運転モードを「GEモード」から「DEモード」に手動で切り替える。なお、ガス運転用機器が故障した場合および、「LNGタンク減圧運転」後は、自動で「DEモード」に切り替わることがある。
17) これにより電動開閉弁109と電動開閉弁110と遮断弁105が全閉となる。
以上により、ディーゼル燃料による運転となる。
〈運転終了〉
18) エンジンの制御装置において「停止動作」SWを手動でONにする。
19) ガス燃料エンジン106の回転数Nが下がり、所定回転数N1未満となったら、電動ポンプ303がONになる。
20) 電動ポンプ303がONとなった後、所定時間(例えば5分程度)が経過したら、電動ポンプ303がOFFになる。
このように、本実施形態によれば、液化ガス貯蔵タンク101内を所定の圧力に維持して、その圧力で液化ガス燃料を供給気化器102に的確に供給するとともに、機関冷却水の熱を有効利用してガス燃料を的確に生成することができ、デュアルフューエルエンジンのガスエンジンモードに際しても十分なLNGガス量をエンジン106に供給することができる。
2.第2実施形態(図2、請求項1、請求項2及び請求項3に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、以下、まず第1実施形態(図1)と異なる構成を説明し、次にガス専焼エンジンとして運転する場合の手順について説明する。
なお、本項以下の各実施形態の説明及び図面の記載においては、共通する用語、符合、説明等は前出の実施形態と同一の意味を有するものとし、必要に応じて前出の説明を援用し、繰り返しを省略するものとする。
(1) 構成
本実施形態では、第1実施形態(図1)では、機関冷却水循環路200においてタンク昇圧気化器107及び供給気化器102の上流に設けられていた電動ポンプ302とヒータ307が、両気化器107,102の下流側にあるバイパス路としての加熱バイパス路203に設けられている。また、電動ポンプ303は設けられていない。
(2) ガス専焼エンジンとしての運転手順
〈運転準備〉
1)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにしてエンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせる。
2)電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TFとなるように、フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になるが、この状態でも、機関停止中は熱源が無いため、温度計309の温度T1が温度TFを越えることは無く、機関停止中の電動温調三方弁305はクーラ308側が全閉である。なお、電動温調三方弁305は、電動モータにより駆動され、電流信号により開度が調整され、二方向の出口の流量が調整される。
3)エンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせると電動ポンプ302はON状態となる。温度計309の温度T1が所定の温度TL又はこれ未満の温度であれば、ヒータ307を手動または自動にてONにする。一方、温度計309の温度T1が所定の温度THであれば、ヒータ307を手動または自動でOFFにする。
4)制御装置の「運転準備」SWを手動でONにすると電動開閉弁109電動開閉弁110が全開となる。
5)電動開閉弁109を通ったLNGは自重でタンク昇圧気化器107に流れ、気化・膨張して高圧となる。気化したLNGは、調圧弁108で調圧されて液化ガス貯蔵タンク101内に入り、内部のLNGに圧力を加えて押し出す。
〈運転開始〉
6)制御装置の「始動」SWを手動でONにする。制御機器、センサー等の故障のインターロックが掛かっていなければ、始動のシーケンスが走り出し、遮断弁105が開き、液化ガス貯蔵タンク101内のLNGが外に押し出される。押し出されたLNGは、電動開閉弁110を介して供給気化器102を通り、気化される。気化されたLNGは、バッファタンク103を介して調圧弁104で調圧され、遮断弁105を通ってガス専焼エンジンとしてのガス燃料エンジン106に供給される。なお、気化されたLNGは、バッファタンク103の中を通り、発熱量変動が抑制される。バッファタンク103の容積は、ガス専焼エンジンが定格負荷運転で3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を保有出来るものが好ましい。調圧弁104の出口の圧力は制御装置によりエンジンの負荷・運転状況に応じて調整される。なお、上記運転準備で機関冷却水の温度T1が、温度TLの範囲を超え(例えば60℃) 、温度THの範囲に入っていても、始動のシーケンスは走り出す。
7)ガス燃料エンジン106が回転し、機付ポンプ301、機付ポンプ312が回転する。海水は、機付ポンプ312が回転することにより船外から取り込まれ、クーラ308等に供給され冷却水として用いられた後、船外に排出される。
8)ガス燃料エンジン106の回転数Nを回転計111にて読み込む。
9)ガス燃料エンジン106が始動し、回転数Nが所定回転数N1(例えば毎分150回転)以上となったら、電動ポンプ302がOFF状態になる。なお、ヒータ307はこの時に自動でOFFにする場合と、手動にて別タイミングでOFF状態にする場合がある。電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば80℃) になった後は、前記フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になる。
〈LNGタンク減圧運転〉
10) 液化ガス貯蔵タンク101にLNGを補充する際やドック入り等の際には、液化ガス貯蔵タンク101の圧力を下げるために、エンジンの負荷率を下げ(例えば25%)、調圧弁108の設定値を所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下げ、電動開閉弁112を全開、電動開閉弁110を全閉とし、運転をする場合がある。
11) 液化ガス貯蔵タンク101の内圧が所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下がった場合は、電動開閉弁112を全閉とし、「LNGタンク減圧運転」は終了する。
12) 「LNGタンク減圧運転」終了後は、再び電動開閉弁110を全開として運転を継続する場合と、電動開閉弁110は全閉のままとし、「運転終了」に移行する場合がある。
〈運転終了〉
13) エンジンの制御装置の「停止動作」SWを手動でONにする。
14) これにより電動開閉弁109と電動開閉弁110と遮断弁105が全閉となる。
15) ガス燃料エンジン106の回転数Nが下がり、所定回転数N1未満となったら、電動ポンプ302がONになる。
16) 電動ポンプ302がONとなった後、所定時間(例えば5分程度)が経過したら、電動ポンプ302がOFFになる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、海水を冷媒とするクーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201を、機関冷却水循環路200のタンク昇圧気化器107と供給気化器102の下流側に設けたので、当該気化器の上流側に冷却バイパス路201を設ける場合に比して、より高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。したがって、気化器による熱回収率はよくなる。
なお、以上説明したように、第1及び第2実施形態によれば、機付ポンプ301が故障した場合、電動ポンプ302、303を回すことにより、機関冷却水を循環することができる。液化ガス貯蔵タンク101の頂部を、電動開閉弁112と逆止弁CVを介して供給気化器102に接続する燃料ガスライン(導入配管PA3)は、液化ガス貯蔵タンク101の気圧が所定圧力以上になった場合に、電動開閉弁112を開くことにより、供給気化器102を通過するLNGの供給ライン(排出配管PB2)に液化ガス貯蔵タンク101内の気体(燃料ガス)を逃がすためのラインである。
3.第3実施形態(図3、請求項1、請求項2及び請求項3に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、図2と異なる構成を説明する。
第2実施形態(図2)では、電動ポンプ302とヒータ307が設けられた加熱バイパス路203が、機付ポンプ301を迂回するバイパス路として設けられていたが、本実施形態(図3)では、電動ポンプ302とヒータ307が設けられた加熱バイパス路203は機付ポンプ301を迂回しておらず、機付ポンプ301の上流の機関冷却水循環路200に設けられたバイパス路となっている。そして、この加熱バイパス路203におけるヒータ307の下流には逆止弁CVが設けられ、また、この加熱バイパス路203によって迂回されている機関冷却水循環路200の中途にも逆止弁CVが設けられている。
そして本実施形態(図3)では、機付ポンプ301を迂回するバイパス路202が機関冷却水循環路200に設けられている。すなわち、このバイパス路202は、機関冷却水循環路200における機付ポンプ301の吸引側及び吐出側にそれぞれ近接した位置を接続する管路である。そして、このバイパス路202には逆止弁CVが設けられ、また、この加熱バイパス路203によって迂回されている機付ポンプ301の吐出側にも逆止弁CVが設けられている。
本実施形態(図3)は、第2実施形態(図2)と同様、加熱バイパス路203及び冷却バイパス路201が、タンク昇圧気化器107及び供給気化器102の下流にある点で共通しており、第2実施形態と略同様の手順で運転することができ、略同様の効果を得ることができる。
4.第4実施形態(図4、請求項1、請求項2及び請求項4に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、以下、まず図2乃至図3と異なる構成を説明し、次にガス専焼エンジンとして運転する場合の手順について説明する。
(1) 構成
第2実施形態(図2)と第3実施形態(図3)は、加熱バイパス路203及び冷却バイパス路201が、タンク昇圧気化器107及び供給気化器102の下流にある点で共通していたが、本実施形態(図4)は、加熱バイパス路203及び冷却バイパス路201が、いずれもタンク昇圧気化器107及び供給気化器102の上流にある点で、これらの前記各実施形態と相違している。
すなわち、本実施形態(図4)では、分岐311の下流と、タンク昇圧気化器107及び供給気化器102の上流の間にある機関冷却水循環路200に、冷却バイパス路201が設けられている。また、機関冷却水循環路200には、この冷却バイパス路201及び電動温調三方弁305をバイパスするように、加熱バイパス路203が設けられている。本実施形態では、電動ポンプ302とヒータ307が設けられた加熱バイパス路203は機付ポンプ301を迂回しておらず、機関冷却水循環路200に設けられたバイパス路となっている点では第3実施形態(図3)と同様である。そして、この加熱バイパス路203におけるヒータ307の下流には逆止弁CVが設けられており、また、この加熱バイパス路203によって迂回されている機関冷却水循環路200には、電動温調三方弁305及び冷却バイパス路201の下流側に逆止弁CVが設けられている。
そして本実施形態(図4)では、第3実施形態(図3)と同様、機付ポンプ301を迂回するバイパス路202が機関冷却水循環路200に設けられている。すなわち、このバイパス路202は、機関冷却水循環路200における機付ポンプ301の吸引側及び吐出側にそれぞれ近接した位置を接続する管路である。そして、このバイパス路202には逆止弁CVが設けられ、また、このバイパス路202によって迂回されている機付ポンプ301の吐出側にも逆止弁CVが設けられている。
(2) ガス専焼エンジンとしての運転手順
〈運転準備〉
1)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにしてエンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせる。
2)電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば80℃)となるように、フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になるが、この状態でも、機関停止中は熱源が無いため、温度計309の温度T1が温度TFを越えることは無く、機関停止中の電動温調三方弁305はクーラ308側が全閉である。なお、電動温調三方弁305は、電動モータにより駆動され、電流信号により開度が調整され、二方向の出口の流量が調整される。
3)エンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせた状態で、温度計309の温度T1が所定の温度TL( 例えば50℃) であれば、ヒータ307、電動ポンプ302はO
N状態となる。一方、温度計309の温度T1が所定の温度TH(例えば60℃) であ
れば、ヒータ307、電動ポンプ302はOFF状態となる。従って、機関冷却水の温
度T1は、温度TL( 例えば50℃)を超え温度TH(例えば60℃程度)の状態に保持されるよう制御される。なお、運転準備開始時点において、機関冷却水の温度T1が、温度TLを超えた状態(例えば60℃) では、電動ポンプ302を作動させない。このため、機関冷却水の温度T1を正確に測定することができない。しかし、冷却水の熱源はエンジンであり、冷却水が循環していない場合、T1がエンジンの温度より高くなることはなく、冷却水温度はTF以下であれば問題がない。よって、冷却水温度T1を精度よく測定するために電動ポンプ302をあえて回す必要はない。
4)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにすると電動開閉弁109電動開閉弁110が全開となる。
5)電動開閉弁109を通ったLNGは自重でタンク昇圧気化器107に流れ、気化・膨張して高圧となる。気化したLNGは、調圧弁108で液化ガス貯蔵タンク101内のLNGを押し出すように調圧される。
〈運転開始〉
6)エンジン制御装置の「始動」SWを手動でONにする。制御機器、センサー等の故障のインターロックが掛かっていなければ、始動のシーケンスが走り出し、遮断弁105
が開き、液化ガス貯蔵タンク101からLNGが押し出される。押し出されたLNGは、電動開閉弁110を介して供給気化器102を通り、気化される。気化されたLNGは、バッファタンク103を介して調圧弁104で調圧され、遮断弁105を通ってガス専焼エンジンに供給される。なお、気化されたLNGは、バッファタンク103の中を通り、発熱量変動が抑制される。バッファタンク103の容積は、ガス専焼エンジンが定格負荷運転で3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を保有出来るものが好ましい。調圧弁104の出口の圧力はエンジン制御装置によりエンジンの負荷・運転状況に応じて調整される。なお、上記運転準備で機関冷却水の温度T1が、温度TLの範囲を超え(例えば60℃) 、温度THの範囲に入っていても、始動のシーケンスは走り出す。
7)ガス燃料エンジン106が回転し、機付ポンプ301、機付ポンプ312が回転する。海水は、機付ポンプ312が回転することにより船外から取り込まれ、クーラ308等に供給され冷却水として用いられた後、船外に排出される。
8)ガス燃料エンジン106の回転数Nを回転計111にて読み込む。
9)エンジンが始動し、回転数Nが所定回転数N1(例えば毎分150回転)以上とな
ったら、電動ポンプ302、ヒータ307がOFF状態になる。電動温調三方弁305
は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば80℃) となった後は、前記フ
ィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になる。
〈LNGタンク減圧運転〉
10) 液化ガス貯蔵タンク101にLNGを補充する際やドック入り等の際には、液化ガス貯蔵タンク101の圧力を下げるために、エンジンの負荷率を下げ(例えば25%)、調圧弁108の設定値を所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下げ、電動開閉弁112を全開、電動開閉弁110を全閉とし、運転をする場合がある。
11) 液化ガス貯蔵タンク101の内圧が所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下がった場合は、電動開閉弁112を全閉とし、「LNGタンク減圧運転」は終了する。
12) 「LNGタンク減圧運転」の終了後は、再び電動開閉弁110を全開として運転を継続する場合と、電動開閉弁110は全閉のままとし、「運転終了」に移行する場合がある。
〈運転終了〉
13) エンジンの制御装置の「停止動作」SWを手動でONにする。
14) これにより電動開閉弁109と電動開閉弁110と遮断弁105が全閉となる。
15) ガス燃料エンジン106の回転数Nが下がり、所定回転数N1未満となったら、電動ポンプ302がONになる。
16) 電動ポンプ302がONとなった後、所定時間(例えば5分程度)が経過したら、電動ポンプ302がOFFになる。
以上説明したように、第4実施形態によれば、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203を、機関冷却水循環路200のタンク昇圧気化器107と供給気化器102の上流側に設けたので、両気化器107,102の下流側に加熱バイパス路203を設ける場合に比して、ガス燃料エンジン106の始動前にはより高温の機関冷却水が前記タンク昇圧気化器107と前記供給気化器102に流入することになる。したがって、気化器によるLNGの気化量がより多くなる。
5.第5実施形態(図5、請求項1、請求項2及び請求項4に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、第4実施形態(図4)と異なる構成を説明する。
すなわち、本実施形態(図5)では、クーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201と、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203が、機関冷却水循環路200のタンク昇圧気化器107と供給気化器102の上流側に設けられている点において、第4実施形態(図4)と構成が共通しているが、次の点において異なっている。すなわち、本実施形態(図5)では、加熱バイパス路203の最上流と機関冷却水循環路200の分岐点には電動三方弁304が設けられており、この電動三方弁304の流路の切り換えにより、加熱バイパス路203の選択的な使用が可能となっている。このため、加熱バイパス路203と、加熱バイパス路203によって迂回されている機関冷却水循環路200には、第4実施形態(図4)の同位置に見られるような逆止弁CVは存在しない。
また、本実施形態(図5)では、第4実施形態(図4)と同様、機付ポンプ301を迂回するバイパス路202が機関冷却水循環路200に設けられているが、当該バイパス路202の最上流と機関冷却水循環路200の分岐点には電動三方弁306が設けられており、この電動三方弁306の流路の切り換えにより、当該バイパス路202の選択的な使用が可能となっている。このため、バイパス路202と、バイパス路202によって迂回されている機関冷却水循環路200には、第4実施形態(図4)の同位置に見られるような逆止弁CVは存在しない。
本実施形態(図5)は、第4実施形態(図4)と同様、加熱バイパス路203及び冷却バイパス路201が、タンク昇圧気化器107及び供給気化器102の上流にある点で共通しており、第4実施形態と略同様の手順で運転することができ、略同様の効果を得ることができる。
6.第6実施形態(図6、請求項1、請求項2、請求項4及び請求項6に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用されるものであり、第4実施形態(図4)と異なる構成を説明する。
すなわち、本実施形態(図6)では、クーラ308を介在した機関冷却水の冷却バイパス路201と、ヒータ307を介在した機関冷却水の加熱バイパス路203が、機関冷却水循環路200のタンク昇圧気化器107と供給気化器102の上流側に設けられている点において、第4実施形態(図4)と構成が共通しているが、次の点において異なっている。すなわち、本実施形態(図6)では、加熱バイパス路203において、ヒータ307の下流側に電動三方弁304が設けられ、その電動三方弁304の第1の出口が逆止弁CVを介して機関冷却水循環路200に接続されていると共に、当該接続点の上流近傍の機関冷却水循環路200にも逆止弁CVが設けられている。そして、この電動三方弁304の第2の出口が、機付ポンプ301を迂回するバイパス路202の逆止弁CVの上流側に接続されている。このような構成によれば、この電動三方弁304を切り換えることにより、デュアルフューエルエンジンとして使用する場合の暖機時に冷却水を両気化器107,102に回さずに直接エンジンに戻すルートを選択することができ、またデュアルフューエルエンジンにおけるGEモード又はガス専燃エンジンとして使用する場合に、機関冷却水が機付ポンプ301をバイパスして循環するようにすることができる。
本実施形態(図6)は、第4実施形態(図4)及び第5実施形態(図5)と同様、加熱バイパス路203及び冷却バイパス路201が、タンク昇圧気化器107及び供給気化器102の上流にある点で共通しており、第4及び第5実施形態と略同様の手順で運転することができ、略同様の効果を得ることができる。
7.第7実施形態(図7、請求項1、請求項2及び請求項6に対応)
本実施形態は、デュアルフューエルエンジンに適用されるものであり、ガス専燃エンジンには適用できない。以下、まず第6実施形態(図6)と異なる構成を説明し、次に運転手順について説明する。
(1) 構成
デュアルフューエルエンジンとガス専燃エンジンの両方に適用できる第6実施形態(図6)では、前述したように加熱バイパス路203に設けた電動温調三方弁304を切り換えることにより、機関冷却水を両気化器107,102に回すか、これらをバイパスしてエンジンに戻すかを選択することができた。しかしながら、本実施形態はデュアルフューエルエンジンのみに適用されるものであるため、加熱バイパス路203には電動温調三方弁は存在せず、加熱バイパス路203の下流側は逆止弁CVを介して機付ポンプ301の吐出側に接続されている。すなわち、デュアルフューエルエンジンは始動時にはDEモードで駆動するため、燃料ガスは不要であるから、船舶の停止中にエンジンを暖機するためには機関冷却水を単に循環させればよく、LNGを加熱して燃料ガスを発生させる必要はない。このため、ヒータ307で加熱した機関冷却水は両気化器107,102に回すことなく、下流のエンジンに直接戻せばよい。
(2) デュアルフューエルエンジンであるガスエンジンの運転手順
〈運転準備〉
1)エンジン制御装置の「運転準備」SWを手動でONにしてエンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせる。
2)電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば80℃)となるように、フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になるが、この状態でも、機関停止中は熱源が無いため、温度計309の温度T1が温度TFを越えることは無く、機関停止中の電動温調弁305はクーラ308側が全閉である。なお、電動温調三方弁305は、電動モータにより駆動され、電流信号により開度が調整され、二方向の出口の流量が調整される。
3)エンジンの補機類の自動制御用シーケンスを走らせた状態で、温度計309の温度T1が所定の温度TL以下( 例えば40℃)であれば、ヒータ307、電動ポンプ302はON状態となる。一方、温度計309の温度T1が所定の温度TH( 例えば60℃) であれば、ヒータ307、電動ポンプ302はOFF状態となる。従って、機関冷却水の温度T1は、温度TL( 例えば50℃)を超え温度TH(例えば60℃程度)の状態に保持されるよう制御される。なお、運転準備開始時点において、機関冷却水の温度T1が、温度TL(例えば50℃)であれば電動ポンプ302を作動させない。このため、機関冷却水の温度T1を正確に測定することができない。しかし、冷却水の熱源はエンジンであり、冷却水が循環していない場合、T1がエンジンの温度より高くなることはなく、冷却水温度はTFよりも低ければ問題がない。よって、冷却水温度T1を精度よく測定するために電動ポンプ302をあえて回す必要はない。
〈運転開始〉
4)エンジン制御装置の「始動」SWを手動でONにする。制御機器、センサー等の故障のインターロックが掛かっていなければ、始動のシーケンスが走り出し「DEモード」の運転となる。なお、上記運転準備で機関冷却水の温度T1が、温度TLの範囲を超え(例えば60℃) 、温度THの範囲に入っていても、始動のシーケンスは走り出す。
5)ガス燃料エンジン106が回転し、機付ポンプ301、機付ポンプ312が回転する。海水は、機付ポンプ312が回転することにより船外から取り込まれ、クーラ308等に供給され冷却水として用いられた後、船外に排出される。
6)ガス燃料エンジン106の回転数Nを回転計111にて読み込む。
7)エンジンが始動し、回転数Nが所定回転数N1(例えば毎分150回転)以上となったら、電動ポンプ302、ヒータ307がOFF状態になる。電動温調三方弁305は、温度計309の温度T1が所定の温度TF( 例えば80℃)となれば、前記フィードバック制御にてクーラ308に流す機関冷却水の量を調整する状態になる。
〈ガス運転開始〉
8)エンジン制御装置の運転モードを手動で「GEモード」にする。すると電動開閉弁109電動開閉弁110が全開となると共に、遮断弁105が開く。ただし、機関冷却水温度T1が、温度範囲THを下回っている場合(例えば50℃)は、自動でキャンセルされ「DEモード」になる。なお、初めての運転等、配管内にLNG気化ガスが無い場合(調圧弁104の上流の図示しない圧力計が所定圧以上になっていない場合)、GEモードになった時からタイマーが作動し、所定時間(例えば数十秒)後に、遮断弁105が開くようになっている。
9)電動開閉弁109を通ったLNGは自重でタンク昇圧気化器107に流れ、気化・膨張して高圧となる。気化したLNGは、調圧弁108で液化ガス貯蔵タンク101内のLNGを押し出すように調圧される。液化ガス貯蔵タンク101の外に押し出されたLNGは、電動開閉弁110を介して供給気化器102を通り、気化される。気化されたLNGは、バッファタンク103を介して調圧弁104で調圧され、遮断弁105を通ってデュアルフューエルエンジンに供給用される。
10) なお、気化されたLNGは、バッファタンク103の中を通り、発熱量変動が抑制される。バッファタンク103の容積は、デュアルフューエルエンジンが定格負荷運転で例えば3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を保有出来るものが好ましい。
11) 調圧弁104の出口の圧力はエンジン制御装置によりエンジンの負荷・運転状況に応じて調整される。
以上によりガス燃料にての運転となる。
〈LNGタンク減圧運転〉
12) 液化ガス貯蔵タンク101にLNGを補充する際やドック入り等の際には、液化ガス貯蔵タンク101内の圧力を下げるために、「GEモード」にて、エンジンの負荷率を下げ(例えば25%)、調圧弁108の設定値を所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下げ、電動開閉弁112を全開、電動開閉弁110を全閉とし、運転をする場合がある。
13) 液化ガス貯蔵タンク101内の圧力が所定の圧力(例えば0.25MPa)まで下がった場合は、電動開閉弁112を全閉とし、「LNGタンク減圧運転」は終了する。
14) 「LNGタンク減圧運転」終了後は、再び電動開閉弁110を全開としてGEモードを継続する場合と、電動開閉弁110は全閉のままとし、「ガス運転終了」に移行する場合がある。
〈ガス運転終了〉
15) エンジン制御装置の運転モードを「GEモード」から「DEモード」に手動で切り替える。なお、ガス運転用機器が故障した場合は自動で「DEモード」に切り替わるようにしてもよい。
16) これにより電動開閉弁109と電動開閉弁110と遮断弁105が全閉となる。
以上により、ディーゼル燃料による運転となる。
〈運転終了〉
17) エンジンの制御装置の「停止動作」SWを手動でONにする。
18) ガス燃料エンジン106の回転数Nが下がり、所定回転数N1未満となったら、電動ポンプ302がONになる。
19) 電動ポンプ302がONとなった後、所定時間(例えば5分程度) が経過したら、電動ポンプ302がOFFになる。
以上説明したように、第7実施形態によれば、デュアルフューエルエンジンにおいて、液化ガス貯蔵タンク101内を昇圧するタンク昇圧気化器107と、液化ガス貯蔵タンク101からの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジン106に供給する供給気化器102の両方に機関冷却水を通し、機関冷却水の熱を有効に利用して両気化器107,102において液化ガスを加熱するようにした。これにより、液化ガス貯蔵タンク101内を所定の圧力に維持して、その圧力で液化ガス燃料を供給気化器102に的確に供給でき、デュアルフューエルエンジンであるガス燃料エンジン106の高負荷運転に際しても十分なLNGガス量をガス燃料エンジン106に供給することができる。
8.各実施形態に共通の構成について(図8及び9、請求項9及び10に対応)
1)脱気膨張タンク310等について(図8)
分岐311は管状の部材であり、内部は空洞である。その頂部内面は泡が溜まらないように曲面形状となっている。エンジンの冷却水出口OUTに接続された機関冷却水循環路200の上流側は、分岐311の周壁中央に対して略直交するように接続されている。分岐311の上側出口からの配管R2は脱気膨張タンク310の底部を貫通して底部の上方まで延設されており、分岐311の下側出口は機関冷却水循環路200の下流側に接続されている。脱気膨張タンク310は機関冷却水循環路200の最も高い位置に配置される。脱気膨張タンク310は略円筒形の容器であり、その上面は直接又は間接的に外気に解放されている。脱気膨張タンク310の内部は、縦の仕切り板50によって2つの空間S1,S2に分けられているが、仕切り板50の下の隅部は切り欠かれて解放されているため、その2つの空間S1,S2は互いに連通しており、水は両空間S1,S2の間を自由に移動できる。そして、前述したように、分岐311の上側出口からの配管R2は、脱気膨張タンク310の一方の空間S1に連通するように、底板を一方の位置で貫通しており、当該配管R2の開口は当該タンク310内において底板よりも上方の位置にある。また、機関冷却水循環路200の下流側につながる戻り管R1は、脱気膨張タンク310の他方の空間S2に連通するように、底板の他方の位置に接続開口されている。
以上の構成において、機関冷却水循環路200から分岐311中に入った機関冷却水は、分岐311の周壁の内面に衝突して上下に分かれるとともに、水に含まれていた気体成分は分離されて泡として顕在化する。上方に導かれた機関冷却水及び前記泡は上方にある脱気膨張タンク310の一方の空間S1に入る。泡は脱気膨張タンク310内の水中を上昇して大気中に解放される。分岐311の周壁の内面に衝突して気体成分が除かれ、下方に導かれた機関冷却水は、機関冷却水循環路200の下流側に流れていく。
脱気膨張タンク310内の機関循環水は、泡が導かれた一方の空間S1とは仕切り板50で隔離された他方の空間S2の最低部から、戻り管R1を経て機関冷却水循環路200へ戻る。ここで、一方の空間S1において、泡が導入される位置は底板よりも上方であり、仕切り板50で当該一方の空間S1から隔離された他方の空間S2において、水を導出する戻り管R1は最も低い底板に開口している。このため、脱気膨張タンク310の内部において、一方の空間S1の内部の相対的に高い位置で放出された泡が、これとは隔離された他方の空間S2に移動し、その最も低い底板に開口した戻り管R1に入り込む可能性は低い。従って、機関循環水中の気体すなわち泡は確実に外界に放出、除去され、機関冷却水循環路200に再び戻ることはない。
なお、供給気化器102の不具合により、LNGが気化されて生成された燃料ガスが機関循環水中に混入する可能性を考慮しなければならない場合が考えられる。そのような不具合が仮に発生したとしても、機関循環水に混入した燃料ガスは、この脱気膨張タンク310内に集められて放散されるため、脱気膨張タンク310の解放された上部付近にガス検知手段を設けて燃料ガスを検知できるようにしておけば、上述したような供給気化器102の不具合が仮に発生したとしても、遅滞なくこれを検知して必要な安全処置を講じることができ、危険の発生を未然に回避することができる。具体的には、デュアルフューエルエンジンとして運転している場合には、GEモードからDEモードに切り換えることで危険を回避でき、ガス専燃エンジンとして運転している場合には、運転を直ちに停止することで危険を回避することができる。
2)バッファタンク103による発熱量変動の抑制効果について(図9)
気化されたLNGは、バッファタンク103の中を通ることにより発熱量の変動が抑制される。前記各実施形態において、各図に示したように、ガス燃料の供給系にはバッファタンク103が設けられている。このバッファタンク103の入口側と出口側には、図示はしないが、それぞれ発熱量計が設けられている。この発熱量計の指示値の時間的変動を示すグラフによってバッファタンク103による発熱量の変動抑制の作用、効果を説明する。
図9(a)はバッファタンク103の入口側に設けられた発熱量計の指示値の時間変化を示しており、図9(b)はバッファタンク103の出口側に設けられた発熱量計の指示値の時間変化を示している。この発熱量計はガスの密度から発熱量を所定の基準値との比較値(相対値)で示すことができ、いずれのグラフも各実施形態のシステムを起動してから40分経過するまでの変動を一例として示している。
各実施形態のシステムにおいてガス燃料エンジン106を運転した場合、船舶の運行状況その他の条件の変動等に起因してエンジンの運転出力には変動が生じるのが普通である。このため、機関冷却水循環路200を循環する機関冷却水の温度にも変動が生じることは避けられず、供給気化器102においてLNGを気化する機関冷却水のエネルギーにも変動が生じ、その結果、LNGを気化して得られる燃料ガスの成分には変動が生じる。なぜなら、LNGに熱を与えて気化した場合、燃料ガスにはメタン、ブタン等の各種ガス成分が含まれるが、その与える熱の多寡によってガス成分の構成比率が変動するからであり、その結果として得られた燃料ガスとしての発熱量には変動が生じる。このような状態は、エンジンを運転する際には好ましくないので、エンジンに供給される燃料ガスの発熱量はなるべく均一であることが好ましい。
そこで、各実施形態においては、供給気化器102とガス燃料エンジン106の間に相当量の燃料ガスを貯えられるバッファタンク103を設けた。これにより、供給気化器102から供給される燃料ガスに発熱量の変動があったとしても、これをバッファタンク103に貯蔵することにより混合し、均一な状態にしてから送り出すことができる。すなわち、バッファタンク103から供給される燃料ガスは、発熱量が均一化されており、従ってガス燃料エンジン106の出力が安定化する。
図9(a)に示すように、バッファタンク103に送り込まれる供給気化器102からの燃料ガスは発熱量の時間変動が大きい。特にエンジンの始動時には発熱量が大きく変動し、0.95から1.09もの変動幅があり、さらに始動後、相当の時間が経過しても変動幅は0.96から1.02よりも小さくなることはない。
これに対し、図9(b)に示すように、バッファタンク103からエンジンに供給される燃料ガスは発熱量の時間変動が小さく、安定している。エンジンの始動時には発熱量の変動幅が1.00から1.02と小さく、さらに始動後、10分経過以降はほとんど発熱量の変動がなく、安定している。
このため、各実施形態のシステムによれば、各項にて説明した通り、機関冷却水の熱を有効に利用して製造した燃料ガスにより液化ガス貯蔵タンク101内を所定の圧力に維持し、その圧力で液化ガス燃料を供給気化器102に的確に供給し、機関冷却水の熱を有効利用してガス燃料を的確に生成することができるため、ガス燃料エンジン106の高負荷運転に際して十分な燃料ガスをガス燃料エンジン106に供給できる効果が得られるわけであるが、さらに、燃料ガスを一旦バッファタンク103に貯めて燃料ガスの発熱量を安定化させてから供給することにより、ガス燃料エンジン106の運転がさらに一層安定化するという顕著な相乗効果を得ることができる。
9.各実施形態と請求項の対応について
各実施形態に関する以上の説明(項目番号1〜8)では、各項目の表題において各実施形態に対応する請求項の番号を示したが、これは例示であり、その中には各実施形態に対応するものとして示していないものもある。しかしながら、各実施形態の項目の表題に示していない請求項に係る発明の内容も、当該請求項の記載及び明細書の記載の全趣旨を参照すれば、本願の開示の範囲内のものであることは明らかである。
すなわち、請求項2は、請求項3乃至6に記載された発明の内容をより上位の概念で記載した内容であり、本明細書の記載、例えば実施形態2乃至8の内容により十分にサポートされている。
また、請求項5は、冷却バイパス路201が前記両気化器107,102の下流にあり、加熱バイパス路203が前記両気化器107,102の上流にある点を構成要件としており、従って請求項3乃至4に記載された発明の各構成要件を適宜組み合わせて得られる内容であり、本明細書の記載、例えば実施形態2乃至5及び8の内容によりに十分にサポートされている。
また、言うまでもなく、従属項である請求項7、8、11の各内容については各実施形態中で十分に説明されている。
101…液化ガス貯蔵タンク
102…供給気化器
103…バッファタンク
106…ガス燃料エンジン
107…タンク昇圧気化器
200…機関冷却水循環路
201…冷却バイパス路
203…加熱バイパス路
202…機付ポンプを迂回するバイパス路
302…機関冷却水を循環移送する電動ポンプ
307…ヒータ
308…クーラ
310…脱気膨張タンク
PA3…燃料ガスラインとしての導入配管
CV…逆止弁

Claims (11)

  1. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化ガス貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    前記液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンに供給する供給気化器と、
    記ガス燃料エンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、前記ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と
    備えたことを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  2. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化ガス貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンに供給する供給気化器と、
    前記ガス燃料エンジンの回転により駆動する機付ポンプを介在し、該ガス燃料エンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と、
    海水を冷媒とするクーラを介在し、前記機関冷却水循環路に設けられる機関冷却水の冷却バイパス路と、
    ヒータを介在し、前記機関冷却水循環路に設けられる機関冷却水の加熱バイパス路と、
    前記機付ポンプを迂回するバイパス路または前記冷却バイパス路を除く前記機関冷却水循環路の他のバイパス路に設けられ、前記機付ポンプが停止中に当該機付ポンプを迂回して機関冷却水を循環移送する電動ポンプと、
    を備えたことを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  3. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンに供給する供給気化器と、
    前記ガス燃料エンジンの回転により駆動する機付ポンプを介在し、該ガス燃料エンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と、を備え、
    海水を冷媒とするクーラを介在した機関冷却水の冷却バイパス路と、ヒータを介在した機関冷却水の加熱バイパス路とが、前記機関冷却水循環路の前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器の下流側に設けられ、
    前記機付ポンプが停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプが、当該機付ポンプを迂回するバイパス路または前記冷却バイパス路を除く前記機関冷却水循環路の他のバイパス路に設けられたことを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  4. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンに供給する供給気化器と、
    前記ガス燃料エンジンの回転により駆動する機付ポンプを介在し、該ガス燃料エンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と、を備え、
    海水を冷媒とするクーラを介在した機関冷却水の冷却バイパス路と、ヒータを介在した機関冷却水の加熱バイパス路とが、前記機関冷却水循環路の前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器の上流側に設けられ、
    前記機付ポンプが停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプが、当該機付ポンプを迂回するバイパス路または前記冷却バイパス路を除く前記機関冷却水循環路の他のバイパス路に設けられたことを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  5. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンに供給する供給気化器と、
    前記ガス燃料エンジンの回転により駆動する機付ポンプを介在し、該ガス燃料エンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と、を備え、
    海水を冷媒とするクーラを介在した機関冷却水の冷却バイパス路が前記機関冷却水循環路の前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器の下流側に設けられ、
    ヒータを介在した機関冷却水の加熱バイパス路が、前記機関冷却水循環路の前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器の上流側に設けられ、
    前記機付ポンプが停止中に機関冷却水を循環移送する電動ポンプが、当該機付ポンプを迂回するバイパス路または前記冷却バイパス路を除く前記機関冷却水循環路の他のバイパス路に設けられたことを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  6. 液化ガス貯蔵タンクと、
    前記液化貯蔵タンク内を昇圧するタンク昇圧気化器と、
    液化ガス貯蔵タンクからの液化ガス燃料を気化してガス燃料エンジンとしてのデュアルフューエルエンジンに供給する供給気化器と、
    前記デュアルフューエルエンジンの回転により駆動する機付ポンプを介在し、該デュアルフューエルエンジンからの機関冷却水を、前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器とに並列又は直列に通して、該ガス燃料エンジンに返送する機関冷却水循環路と、
    海水を冷媒とするクーラを介在し、前記機関冷却水循環路に設けられた機関冷却水の冷却バイパス路と、
    機関冷却水を循環移送する電動ポンプとヒータとを介在し、前記機関冷却水循環路の前記タンク昇圧気化器と前記供給気化器と機付ポンプとを迂回する機関冷却水の加熱バイパス路と、
    を備えることを特徴とする船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  7. 液化ガス貯蔵タンクのタンク上部にあるガス状態の液化ガス燃料のみを前記供給気化器に供給する燃料ガスラインを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  8. 前記機付ポンプの吐出側の前記機関冷却水循環路と、前記機付ポンプを迂回するバイパス路とに、それぞれ逆止弁を介在させた後、合流させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  9. 前記機関冷却水循環路に、機関冷却水中の気体を除くと共に該機関冷却水の温度による容積の膨脹・収縮を吸収する脱気膨脹タンクが介在していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  10. 供給気化器とガス燃料エンジンとの間にバッファタンクが設けられ、該バッファタンクが、ガス燃料エンジンの定格負荷運転で3分間に消費する燃料ガスの量と同等以上の容量を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
  11. ガス燃料エンジンの起動前において、該ガス燃料エンジンの出口での機関冷却水の温度がTL( 45℃以上55℃未満の範囲の内の所定温度) 又はTL未満である場合、電動ポンプとヒータとを起動して該ヒータに機関冷却水を流して該機関冷却水を加温し、前記ガス燃料エンジンの出口での機関冷却水の温度がTH( 55℃以上64℃未満の範囲の内の所定温度) である場合、少なくともヒータを停止状態に保持し、
    前記前記ガスエンジンの起動後における前記ガス燃料エンジンの出口での機関冷却水の温度がTF( 75℃以上90℃未満の範囲の内の所定温度) となるようにクーラに流れる機関冷却水量を調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の船舶推進ガス燃料エンジンの液化ガス供給装置。
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