JP2015147232A - ストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法 - Google Patents

ストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法 Download PDF

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Keisuke Yamashita
圭介 山下
正宏 友清
Masahiro Tomokiyo
正宏 友清
英気 堤
Hideki Tsutsumi
英気 堤
梶野 仁
Hitoshi Kajino
仁 梶野
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Abstract

【課題】フィルター部を通過した後の金属溶湯の湯面の変動を抑制し、圧力が安定した金属溶湯を金型へ供給することができるようにしたストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法を提供する。【解決手段】実施形態の一態様に係るストークは、管部と、フィルター部とを備える。管部は、金属溶湯が流れる流路が内部に形成される。フィルター部は、流路に設けられる。また、フィルター部は、流路における金属溶湯の流れ方向に沿って延在されるとともに、延在方向の長さが延在方向に対して垂直な方向の長さよりも長い。【選択図】図2

Description

開示の実施形態は、ストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法に関する。
従来、溶解したアルミニウム合金などの金属溶湯を金型に流し込んで鋳物を製作する装置として、低圧鋳造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。かかる鋳造装置にあっては、金属溶湯が貯留される坩堝と、金属溶湯用の流路を有するストークとを備える。ストークは、下端側が坩堝の金属溶湯に浸漬される一方、上端側が金型に接続されるように配置される。そして、坩堝が密閉された状態で金属溶湯の湯面が加圧されると、坩堝内の金属溶湯はストークの流路へ流入して上昇し、ストーク上端側にある金型へ供給されて、鋳物が製作される。
なお、上記したストークの流路にはフィルター部が設けられ、金属溶湯内の不純物が除去される。また、上記したフィルター部は円盤形状であり、その厚さが比較的薄く形成される。
特開2007−222904号公報
しかしながら、金属溶湯は、フィルター部へ流入すると流れが乱される。そのため、フィルター部が上記したような形状である場合、金属溶湯は流れが乱された状態のままフィルター部を通過することとなる。これにより、フィルター部を通過した後の金属溶湯の湯面は大きく変動し、よって安定した圧力の金属溶湯を金型へ供給できないおそれがあった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、フィルター部を通過した後の金属溶湯の湯面の変動を抑制し、圧力が安定した金属溶湯を金型へ供給することができるようにしたストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るストークは、管部と、フィルター部とを備える。管部は、金属溶湯が流れる流路が内部に形成される。フィルター部は、前記流路に設けられる。また、前記フィルター部は、前記流路における金属溶湯の流れ方向に沿って延在されるとともに、延在方向の長さが前記延在方向に対して垂直な方向の長さよりも長い。
実施形態の一態様によれば、フィルター部を通過した後の金属溶湯の湯面の変動を抑制し、圧力が安定した金属溶湯を金型へ供給することができる。
図1は、実施形態に係るストークを備えた鋳造装置の構成例を示す模式断面図である。 図2は、図1に示すストーク付近を拡大して示す模式拡大断面図である。 図3は、図2などに示された被覆部を取り出して示す模式斜視図である。 図4は、図2に示す連通路付近を拡大して示す模式拡大断面図である。 図5Aは、フィルター部の交換を説明するための模式断面図である。 図5Bは、フィルター部の交換を説明するための模式断面図である。 図5Cは、フィルター部の交換を説明するための模式断面図である。 図5Dは、フィルター部の交換を説明するための模式断面図である。 図6は、本実施形態に係るストークの製造工程および鋳造装置への組付け方法を示すフローチャートである。 図7は、本実施形態に係る鋳造方法を示すフローチャートである。 図8Aは、変形例に係るストークの模式断面図(その1)である。 図8Bは、変形例に係るストークの模式断面図(その2)である。 図8Cは、変形例に係るストークの模式断面図(その3)である。 図9は、変形例に係るストークの模式断面図(その4)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するストーク、ストークの製造方法、鋳造装置および鋳造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.鋳造装置の構成>
図1は、実施形態に係るストークを備えた鋳造装置の構成例を示す模式断面図である。なお、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸、紙面における左右方向をX軸、紙面奥から手前方向をY軸とした3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の図でも示されることがある。
また、この明細書では「X軸」や「Z軸」などと表現して説明することがあるが、これらは鋳造装置を構成する各要素が図示された状態で配置されたときのX軸、Z軸方向を意味するものであって、表現した方向に限定されるものではない。
図1に示すように、鋳造装置1は、坩堝10と、炉体20と、ストーク30と、金型40とを備えた、いわゆる低圧鋳造装置(差圧鋳造装置)である。
坩堝10は、内部に空間11を有する形状に形成される。坩堝10の空間11部分には、金属溶湯50が貯留される。金属溶湯50は、溶解されたアルミニウム合金であるが、これに限定されるものではなく、たとえば亜鉛、マグネシウム合金などその他の金属を溶解したものであってもよい。
また、坩堝10は、鉛直方向の上側、すなわちZ軸の正方向側が開口される。坩堝10の開口部分には、蓋部12が取り付けられ、坩堝10は密閉状態とされる。また、蓋部12は、圧縮空気を坩堝10の空間11へ供給する空気供給路12aが形成される。なお、坩堝10の形状は、図1に示されるものに限られず、要は金属溶湯50を密閉状態で貯留できればどのような形状であってもよい。
炉体20は、上記した坩堝10を収納する略直方体状の容器である。炉体20は、図示しないヒータを備え、坩堝10に貯留された金属溶湯50を加熱・保温する。
ストーク30は、金属溶湯50用の流路31が内部に形成される管部32と、流路31に設けられるフィルター部33とを備える。また、ストーク30は、下端側が坩堝10の金属溶湯50に浸漬される一方、上端側が金型40に接続されるように配置される。なお、ストーク30の構成については、後に詳説する。
金型40は、上型41と、下型42とを備える。上型41と下型42とは嵌合可能に構成され、嵌合した状態の上型41と下型42との間に、キャビティ43が形成される。また、上型41には、駆動シリンダ44がピストンロッド45を介して接続される。したがって、図示しない制御装置によって駆動シリンダ44が制御されて、ピストンロッド45が鉛直方向に上下動すると、それに伴って上型41も鉛直方向に上下動させられる。このように、上型41および下型42は分離可能とされる。
ここで、上記の如く構成された鋳造装置1における鋳造方法について説明する。先ず、圧縮空気が図1に矢印Aで示すように空気供給路12aを介して坩堝10内に供給されると、金属溶湯50の湯面50aが矢印Bで示すように加圧される。これにより、金属溶湯50は、矢印Cで示すようにストーク30の流路31へ流入して、フィルター部33で濾過されつつ流路31内を上昇し(矢印D参照)、金型40のキャビティ43へ供給される。
その後、金型40は冷却されて金属溶湯50が固化する。そして、上型41が駆動シリンダ44で上方へ移動させられ、固化した金属溶湯50、すなわち鋳物(図示せず)が金型40から取り出される。なお、上記した鋳造方法については後にも説明する。
ところで、坩堝10内の金属溶湯50は、ストーク30の流路31に設けられたフィルター部33を通過して金型40へ供給される。
しかしながら、たとえば仮に、フィルター部のZ軸方向の厚さが比較的薄く形成された場合、安定した圧力の金属溶湯を金型へ供給できないおそれがあった。すなわち、金属溶湯は、フィルター部へ流入すると流れが乱されるため、上記のようにフィルター部の厚さが薄いと、流れが乱された状態のままフィルター部を通過することとなる。このような場合、フィルター部を通過した後の金属溶湯の湯面は、波を打って大きく変動し、よって安定した圧力の金属溶湯を金型へ供給できず、結果として製品(鋳物)の品質が低下するおそれがあった。
そこで、本実施形態に係るストーク30にあっては、フィルター部33を通過した後の金属溶湯50の湯面の変動を抑制し、圧力が安定した金属溶湯50を金型40へ供給することができるような構成とした。以下、そのストーク30の構成について、図2以降を参照して詳しく説明する。
<2.ストークの構成>
図2は、図1に示すストーク30付近を拡大して示す模式拡大断面図である。図2に示すように、ストーク30は、上記した管部32およびフィルター部33を備え、坩堝10の蓋部12に取り付けられる。
管部32は、略円筒状であり、その内部に金属溶湯50が流れる流路31が形成される。また、管部32および流路31は、鉛直方向に沿って伸びるような長尺状に形成される。なお、上記では、管部32が略円筒状であるように構成したが、これに限定されるものではなく、流路31が形成されていれば、略角筒状などその他の形状であってもよい。
フィルター部33は、通過する金属溶湯50の不純物を除去する機能を有し、たとえば多孔質アルミナを用いることができる。なお、フィルター部33の材質は、上記したアルミナに限定されるものではなく、たとえば炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムなどであってもよい。
また、フィルター部33は、上記した流路31の全域あるいは略全域に亘って充填されるように設けられる。詳説すると、フィルター部33は、流路31における金属溶湯50の流れ方向(Z軸方向。長手方向)に沿って延在されるように形成される。この明細書においては、フィルター部33が延在される方向を「延在方向」といい、フィルター部33は、延在方向が鉛直方向に沿った状態(換言すれば、延在方向と鉛直方向とが平行または略平行な状態)で流路31に設けられる。
また、フィルター部33は、延在方向の長さL33が延在方向に対して垂直な方向の長さ(すなわちフィルター部33のX軸方向の幅)W33よりも長くなるように設定される。具体的には、フィルター部33の幅W33を1とした場合、幅W33と延在方向の長さL33とのアスペクト比は、たとえば1:1.1〜20、好ましくは1:2〜13、さらに好ましくは1:3〜10となるように設定されることが望ましい。アスペクト比が1.1より小さいと、後述する整流効果が十分に得られない。また、アスペクト比が20より大きい場合、ストーク30およびフィルター部33の長さが長くなるため、コストの増加を招くことがある。
このように、フィルター部33の延在方向の長さL33を幅W33よりも長くして、縦長の形状となるように構成したことから、圧力が安定した金属溶湯50を金型40へ供給することができる。
すなわち、金属溶湯50は、矢印Dで示すようにフィルター部33を流れる。その際、金属溶湯50は、フィルター部33の下端33a側に流入した直後は流れが乱されるものの、その後フィルター部33の内部を流れる間に整流される。
そして、整流された金属溶湯50がフィルター部33の上端33bから吐出されることとなる。これにより、フィルター部33を通過した後の金属溶湯50の湯面50b(図2において一点鎖線で示す)の変動を抑制することができ、圧力が安定した金属溶湯50を金型40へ供給することができる。
また、圧力が安定した金属溶湯50を金型40へ供給することで、金型40のキャビティ43の細部まで金属溶湯50が行き渡り易くなることから、鋳造装置1で製作される鋳物の品質を向上させることが可能となる。
また、フィルター部33は、金型40へ供給されるときの金属溶湯50の流れ方向(矢印D)における下流側の孔径が上流側の孔径に比べて小さくなるように一体的に形成されるのが望ましい。詳しくはたとえば、フィルター部33は、上流側の孔径が比較的大きい、すなわち目が粗くなるように設定される一方、下流側へいくにつれて孔径が徐々に小さくなる、すなわち目が緻密になるように設定されるのが望ましい。たとえば、上流側の孔径と下流側の孔径との孔径比は、2〜20:1程度が好ましく、さらに好ましくは5〜15:1程度が望ましい。
これにより、金属溶湯50は、孔径が小さいフィルター部33の下流側へいくほど効率良く整流され、よってフィルター部33を通過した後の金属溶湯50の湯面50bの変動をより一層抑制することができる。
また、フィルター部33は、上記のように構成されることから、比較的大きな不純物を上流側で、比較的小さい不純物を下流側で捕獲することができ、よって金属溶湯50を効率良く濾過することができる。
なお、上記したフィルター部33において、下流側の孔径が上流側の孔径に比べて小さくなる構造は、どのようなものであってもよい。具体的にたとえば、フィルター部33の孔径が下流側へいくにつれて連続的に小さくなる構造であっても、段階的に小さくなるように層状とする多層構造であってもよい。
また、上記では、フィルター部33は、上流側と下流側とで孔径が相違するように構成されるが、これは例示であって限定されるものではない。すなわち、たとえばフィルター部33の孔径が上流側から下流側に亘って均一あるいは略均一であってもよく、そのような場合でも、フィルター部33は金属溶湯50を十分に整流させることが可能である。
なお、図2に示す例では、フィルター部33が流路31の全域あるいは略全域に亘って設けられるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、たとえばフィルター部33は、延在方向の長さL33が流路31の金属溶湯50の流れ方向の長さL31に対して10%以上、好ましくは50%以上であればよい。なお、図2では、長さL33が流路31の長さL31に対して10%のフィルター部33を想像線で示した。
詳しくは、フィルター部33の長さL33が流路31の長さL31に対して10%未満の場合、金属溶湯50は、フィルター部33の内部で十分に整流されることなく、フィルター部33を通過し、湯面50bが過度に変動するおそれがある。よってフィルター部33の長さL33は、流路31の長さL31に対して10%以上であるのが望ましい。
ストーク30の説明を続けると、流路31は、フィルター部33の下端33a側と対応する位置31aの幅W31aとフィルター部33の上端33b側と対応する位置31bの幅W31bとが異なるテーパ状に形成されることが望ましい。
具体的に流路31は、側面視において鉛直方向の上方側が下方側に比べて拡幅するテーパ状に形成される。すなわち、流路31は、フィルター部33の下端33a側と対応する位置31aの幅W31aがフィルター部33の上端33b側と対応する位置31bの幅W31bよりも小さいテーパ状に形成されることが望ましい。
なお、上記したように管部32は略円筒状であるから、上記した幅W31a、W31bは流路31の径(直径)ともいえる。したがって、流路31は、金属溶湯50の流れ方向(矢印D)において上流側から下流側(鉛直軸の負側から正方向)へ向かうにつれて拡径する逆テーパ状に形成される、ともいえる。
フィルター部33は、流路31に充填されることから、フィルター部33の周縁33cも、流路31と同様なテーパ状とされる。換言すれば、フィルター部33は、円錐台状に形成される。
このように、流路31およびフィルター部33をテーパ状とすることで、フィルター部33が流路31から鉛直方向の下向きへ脱落するのを防止することができる。さらには、フィルター部33を管部32から容易に取り出すことができるが、これについては後に説明する。なお、図2などにおいては、テーパ状であることを明示するため、流路31およびフィルター部33の周縁33cの傾斜角度などを誇張して図示している。
また、管部32の外周縁32aの上方には、フランジ部32bが突設される。フランジ部32bは、蓋部12に設けられた第1保持部13と第2保持部14とによって挟持され、これによってストーク30は蓋部12に取り付けられて保持される。
上記した第1、第2保持部13,14は、蓋部12から取り外し可能となるように構成される。したがって、第1、第2保持部13,14が蓋部12から取り外されると、ストーク30も、それに伴って蓋部12から取り外されることとなる。このストーク30の取り外しは、たとえば後述するフィルター部33の交換などメンテナンス作業の際に行われる。
また、図2に示すように、ストーク30はさらに、被覆部34を備えることが望ましい。被覆部34は、管部32とフィルター部33との間に設けられる。
図3は、図2などに示された被覆部34を取り出して示す模式斜視図である。図3に示すように、被覆部34は、シート状の部材であり、比較的高温に耐えることが可能で金属溶湯50を吸収し難い素材、たとえばアルミナなどを用いて製作することができる。なお、被覆部34の材質は、上記したアルミナに限定されるものではなく、たとえば金属溶湯50に対する耐久性に優れた素材であればどのようなものであってもよい。
被覆部34は、流路31の形状に沿うような形とされる。具体的には、流路31はテーパ状であることから、被覆部34は、図3に示すような漏斗状に形成される。そして、被覆部34の内部に、図3に想像線で示すフィルター部33が収まる。したがって、フィルター部33は、管部32に直接接触せず、周縁33cが被覆部34に被覆された状態で流路31に設けられる。
上記した被覆部34を備えることで、たとえばフィルター部33を交換する際、フィルター部33を管部32から容易に取り外すことが可能となるが、これについては後述する。
図2の説明に戻ると、管部32は、中間フランジ部35を介して金型40に接続される。中間フランジ部35は、金型40と管部32との間に設けられる。管部32と中間フランジ部35との間にはパッキング材36(たとえばOリング)が介挿され、金属溶湯50が漏洩するのを防止する。同様に、金型40と中間フランジ部35との間にもパッキング材が介挿されるが、図2では図示を省略した。
また、中間フランジ部35は、管部32の流路31と金型40のキャビティ43(図1参照)とを連通する連通路37が形成される。したがって、坩堝10の金属溶湯50は、流路31、連通路37を通って金型40のキャビティ43へ供給される。
上記した連通路37の幅W37と管部32の流路31の幅W31bとは、互いに異なる値に設定されることが望ましい。具体的にたとえば、流路31は、フィルター部33の上端33b側と対応する位置31bの幅W31bが連通路37の幅W37よりも大きくなるように設定される。逆に言えば、連通路37の幅W37は、流路31の幅W31bよりも小さくなるように設定される。
これにより、フィルター部33の鉛直方向における移動を規制することができる。これについて図4を参照して説明する。図4は、連通路37付近を拡大して示す模式拡大断面図である。
図4に示すように、フィルター部33は、金属溶湯50が金型40へ向けて流動する際、矢印Eで示す如く流路31から浮き上がって上方へ移動することがある。そのような場合であっても、閉曲線Fで囲んで示すように、フィルター部33は、中間フランジ部35の連通路37に引っ掛かり、それ以上の移動が規制される。
すなわち、流路31および中間フランジ部35を上記の如く構成することで、中間フランジ部35をフィルター部33のストッパーとして機能させることができ、フィルター部33が過度にズレるのを抑制することができる。
<3.フィルター部の交換>
フィルター部33は、除去した金属溶湯50の不純物が蓄積されることから、定期的に交換する必要がある。ここでは、そのフィルター部33の交換について説明する。なお、以下で説明するフィルター部33の交換手順は、あくまでも一例であって限定されるものではない。
図5A〜図5Dは、本実施形態に係るストーク30におけるフィルター部33の交換を説明するための模式断面図である。なお、図5Aは、第1、第2保持部13,14を坩堝10の蓋部12から取り外し、ストーク30が蓋部12から取り外された状態を示す。また、図5Aに示す管部32の向きを「正位置」ということがある。
先ず図5Aで示されるストーク30に対し、鉛直方向の上下が逆転するように回転させる。そして、たとえば図示しない工具を用いて、フィルター部33をZ軸の正方向から負方向へ向けて押し出す(図5B参照)。
ところで仮に、フィルター部が管部に直接接触するようにして配置された場合、金属溶湯はフィルター部と管部との間で固化して、フィルター部を管部から取り出し難くなることがある。
そこで、本実施形態に係るストーク30においては、フィルター部33が、被覆部34によって被覆されており、管部32には直接接触していない。また、被覆部34は、上記したように、金属溶湯50を吸収し難い素材で製作される。
このことから、金属溶湯50は管部32と被覆部34との間で固化し難く、よって被覆部34をフィルター部33ごと管部32から容易に取り出すことができる。さらに、流路31が図5Bにおいて鉛直下向き方向へ拡幅するテーパ状であることから、フィルター部33および被覆部34を鉛直下向き方向へより一層容易に取り出すことができる。
次いで、図5Cに示すように、管部32を再度回転させて元の正位置へ戻し、新しい被覆部34Nを管部32に取り付ける。なお、図5Cおよび図5Dでは、理解の便宜のため、新しい被覆部を符号34N、新しいフィルター部を符号33Nで示した。
次いで、図5Dに示すように、新しいフィルター部33Nを、被覆部34Nが取り付けられた管部32の流路31へ挿入して取り付け、交換作業が終了する。
なお、上記では、被覆部34N、フィルター部33Nの順で管部32に取り付ける場合を例にとって説明したが、たとえば既に被覆部34Nで被覆されたフィルター部33Nを、管部32の流路31に挿入して取り付けるようにしてもよい。
<4.ストークの製造方法および鋳造装置への組付け方法>
次に、ストーク30の製造方法および鋳造装置1への組付け方法について説明する。図6は、本実施形態に係るストーク30の製造工程および鋳造装置1への組付け方法を示すフローチャートである。
図6に示すように、先ず管部32を準備する(ステップS1)、詳しくは金属溶湯50が流れる長尺状の流路31が内部に形成された管部32を準備する。
具体的にたとえば、管部32は、CIP(Cold Isostatic Pressing。冷間静水圧プレス)によって製作される。すなわち、先ず主原料粉末と焼結助剤と溶媒とを湿式混合し、スプレードライ処理により顆粒化する。そして、得られた顆粒を図示しない成形器へ投入する。
上記した主原料粉末としては、窒化珪素粉末を用いることができる。また、焼結助剤としては、イットリウム(Y)を含むものを用いることができるが、これは例示であって限定されるものではない。すなわち、焼結助剤は、たとえばイッテルビウム(Yb)やルテチウム(Lu)など、その他の元素を含むものであってもよい。また、溶媒としては、蒸留水を用いることができるが、これに限らず、水やアルコール系であってもよい。
成形器は、CIP用の成形器である。図示は省略するが、成形器は、有底円筒状のゴム型の中に、金属製で棒状の中芯が立設されるように構成される。また、ゴム型と中芯との間には隙間が形成される。かかる隙間に上記した顆粒が投入されて充填されるようにする。
次いで、ゴム型を外部から加圧して顆粒を圧縮成形させる成形処理を行って、成形品を作製する。そして、成形品を成形器から抜き出し、焼結炉に入れて焼結させることで、図2などに示される管部32が完成する。
図6の説明を続けると、次いで被覆部34を管部32に取り付ける(ステップS2)。その後、フィルター部33を管部32の流路31に取り付ける(ステップS3)。そして、ストーク30を鋳造装置1に組付ける(ステップS4)。具体的には、フィルター部33および被覆部34が取り付けられた管部32を坩堝10の蓋部12に取り付けるとともに、管部32の上方に中間フランジ部35を介して金型40を接続することで、ストーク30の鋳造装置1への組付けが完了する。
<5.鋳造方法>
次に、鋳造装置1を用いた鋳造方法について説明する。図7は、本実施形態に係る鋳造方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、先ず金属溶湯50を、図示しない給湯路を介して坩堝10へ供給して貯留する(ステップS10)。次いで、坩堝10に貯留された金属溶湯50の温度を、炉体20のヒータで所定の値に調節する(ステップS11)。
次いで、金型40の上型41と下型42とを駆動シリンダ44を用いて嵌合させ、キャビティ43を形成する(ステップS12)。なお、上型41と下型42とを嵌合させる工程の順番は、上記に限定されるものではない。すなわち、上型41および下型42は金属溶湯50が供給される前に嵌合していればよく、よってたとえばステップS10の前段、または後段で嵌合させる工程を行うようにしてもよい。
その後、圧縮空気を空気供給路12aから坩堝10内へ供給して金属溶湯50の湯面50aを加圧し、それによって金属溶湯50をストーク30を介して金型40のキャビティ43へ供給する(ステップS13。図1の矢印A〜D参照)。このとき、金属溶湯50はストーク30を通過するため、安定した圧力の金属溶湯50を金型40へ供給できることは、上述した通りである。
そして、図示しない冷却装置などを用いて金型40を冷却し、金属溶湯50を固化させる(ステップS14)。次いで、金型40の上型41を駆動シリンダ44で上方へ移動させ、固化した金属溶湯50、すなわち鋳物を金型40から取り出す(ステップS15)。
上述してきたように、本実施形態に係るストーク30は、管部32と、フィルター部33とを備える。管部32は、金属溶湯50が流れる長尺状の流路31が内部に形成される。フィルター部33は、流路31に設けられる。また、フィルター部33は、流路31における金属溶湯50の流れ方向に沿って延在されるとともに、延在方向の長さL33が延在方向に対して垂直な方向の長さW33よりも長い。これにより、フィルター部33を通過した後の金属溶湯50の湯面50bの変動を抑制し、圧力が安定した金属溶湯50を金型40へ供給することができる。
図8A〜図8Cは、変形例に係るストーク30の模式断面図である。
図2などに示す例では、フィルター部33が流路31の全域に亘って設けられるようにしたが、フィルター部33の形状は、それに限定されないことは、上述した通りである。具体的には、フィルター部33の長さL33は流路31の長さL31に対して10%以上、好ましくは50%以上であればよい。その場合、フィルター部33の流路31に対する配置は、流路31内であればいずれの場所であってもよい。
すなわち、たとえば、フィルター部33を、図8Aに示すような流路31の上端側に位置させてもよく、あるいは図8Bに示すような流路31の下端側、図8Cに示すような流路31の中央部に位置させるようにしてもよい。フィルター部33は、図8A〜図8Cに示すいずれの位置に配置された場合であっても、通過する金属溶湯50を整流でき、通過後の金属溶湯50の湯面50bの変動を抑制することができる。
なお、上記において、ストーク30の流路31は、下端の幅W31aが上端の幅W31bよりも小さいテーパ状に形成されるが、これに限定されるものではない。図9は、その変形例に係るストーク30の模式断面図である。
具体的には図9に示すように、ストーク30の流路31は、下端の幅W31aが上端の幅W31bよりも大きいテーパ状に形成されるようにしてもよい。これにより、例えばフィルター部33は、金属溶湯50が金型40へ向けて流動する場合であっても、流路31から浮き上がって上方へ移動することがなく、よってフィルター部33が過度にズレるのを抑制することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 鋳造装置
10 坩堝
12 蓋部
20 炉体
30 ストーク
31 流路
32 管部
33 フィルター部
34 被覆部
35 中間フランジ部
37 連通路
40 金型
43 キャビティ
50 金属溶湯

Claims (10)

  1. 金属溶湯が流れる流路が内部に形成される管部と、
    前記流路に設けられるフィルター部と
    を備え、
    前記フィルター部は、
    前記流路における金属溶湯の流れ方向に沿って延在されるとともに、延在方向の長さが前記延在方向に対して垂直な方向の長さよりも長いこと
    を特徴とするストーク。
  2. 前記フィルター部は、
    前記延在方向が鉛直方向に沿った状態で前記流路に設けられ、
    前記流路は、
    前記フィルター部の下端側と対応する位置の幅と前記フィルター部の上端側と対応する位置の幅とが異なるテーパ状に形成されること
    を特徴とする請求項1に記載のストーク。
  3. 前記流路は、
    前記フィルター部の下端側と対応する位置の幅が前記フィルター部の上端側と対応する位置の幅よりも小さいテーパ状に形成されること
    を特徴とする請求項2に記載のストーク。
  4. 前記管部は、
    前記流路と金型のキャビティとを連通する連通路を有する中間フランジ部を介して前記金型に接続されるとともに、
    前記フィルター部は、
    前記延在方向が鉛直方向に沿った状態で前記流路に設けられ、
    前記流路は、
    前記フィルター部の上端側と対応する位置の幅が前記連通路の幅よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のストーク。
  5. 前記フィルター部は、
    前記延在方向の長さが前記流路の前記流れ方向の長さに対して10%以上であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のストーク。
  6. 前記管部と前記フィルター部との間に設けられ、前記フィルター部の周縁を被覆する被覆部
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のストーク。
  7. 前記フィルター部は、
    金属溶湯の流れ方向における下流側の孔径が上流側の孔径に比べて小さくなるように一体的に形成されること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のストーク。
  8. 金属溶湯が流れる流路が内部に形成された管部を準備する工程と、
    前記流路における金属溶湯の流れ方向に沿って延在されるとともに、延在方向の長さが前記延在方向に対して垂直な方向の長さよりも長いフィルター部を前記流路に取り付ける工程と
    を含むことを特徴とするストークの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のストーク
    を備えることを特徴とする鋳造装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のストークを介して金属溶湯を金型へ供給する工程
    を含むことを特徴とする鋳造方法。
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