JP2015145555A - かつら用毛髪の染色方法、及び、かつらの製造方法 - Google Patents
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上記特許文献1記載の染色方法では、脱色工程の後、毛髪の染色しない部分を密封し包んで毛髪の染色しようとする部分を露出させ、この状態の毛髪を染色剤の水溶液の中に入れて染色するという手法をとっている。
かつらは、薄毛を隠すなどの用途に用いられるため、自然に見えることが非常に重要である。
また、上記かつら用毛髪の染色方法において、上記多段染色工程及び上記仕上げ染色工程のうち少なくとも一方では、上記かつら用毛髪の毛束の内部に棒状部材を配置した状態で、上記かつら用毛髪を染色するようにしてもよい。
また、上記かつら用毛髪の染色方法において、上記棒状部材は、上記毛束を染料に沈めるための錘になるようにしてもよい。
また、上記かつらの製造方法において、上記かつら用毛髪の染色方法の上記多段染色工程では、上記かつら用毛髪の長さ方向の中央部分を挟んだ一端側と他端側とで色が対称となるよう、上記かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色し、上記植毛工程では、上記中央部分又はその近傍において上記かつら用毛髪を上記かつらベースに植毛するようにしてもよい。
図1は、本発明の一実施の形態に係るかつら用毛髪の染色方法及びかつらの製造方法を示すフローチャートである。
図3は、本実施の形態における棒状部材を示す斜視図である。
図4A〜図4Cは、本実施の形態における棒状部材が配置されたかつら用毛髪の毛束を示す説明図である。
図1に示すように、かつら用毛髪の染色方法は、表面処理工程(S1)と、脱色工程(S2)と、予備染色工程(S3)と、多段染色工程(S4)と、仕上げ染色工程(S5)と、を備える。
以下、各工程を順に説明するが、事前に、例えば人毛であるかつら用毛髪の色、毛長、毛絡み、厚さ、引っ張り強度・伸び度等を測定する測定工程、白髪等の異なる色の毛髪を除去して毛長ごとに選別する選別工程などを行ってもよい。
洗浄の後、ネットでかつら用毛髪を包み、釜に敷き詰める。そして、例えば、100kgの40℃の温水に、2500gの工業塩、700gのバソランDC(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)、400gのリン酸、1000gの硫酸を加え、かつら用毛髪を例えば5時間かき混ぜる。取り出したかつら用毛髪は水で洗い流す。
まず、ネットでかつら用毛髪を包み、釜に敷き詰める。そして、例えば、100kgの60℃の温水に、100gのハイドロキノン、30gの洗剤、1000gの炭酸ナトリウム、500gのチオ硫酸ナトリウム、1000gのメチルセルロース、2000gの硫酸アンモニウム、6000gの過酸化水素水溶液、2000gのアンモニアを加えて、かつら用毛髪を1時間かけて脱色する。
次に、予備染色工程(S3)では、脱色されたかつら用毛髪の全体を染色する。
次に、多段染色工程(S4)では、かつら用毛髪の染色をしない部分に被覆部を設け、この被覆部の領域を増やしながら(変更しながら)かつら用毛髪を染色することで、予備染色されたかつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色する。
なお、図3に示すように、本実施の形態の棒状部材4は、複数の孔4aが形成された円筒状(筒状)を呈する。また、棒状部材4は、毛束を染料に沈めるための錘になるように、金属等の比重の大きい材料からなるようにするとよい。
この多段染色工程(S4)では、かつら用毛髪の長さ方向の中央部分を挟んだ一端側と他端側とで色が対称となるよう、かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色する。
まず、全てのラップを外し、流水により防染剤及び余分な染料を落とす。
これにより、上述の多段染色工程(S4)により段階的に染色された色を残しつつ、各段階の色の違いをわかりづらくして、かつら用毛髪を自然に見えるようにする。
そして、シリコーンコーティングなどの後処理が行われる。
例えば、図5に示すように、かつら用毛髪3は、長さ方向の中央部分を挟んだ一端側3−1と他端側3−2とで色が対称となるように染色されているため、植毛工程(S6)では、かつら用毛髪3を上記中央部分又はその近傍においてかつらベース2に植毛する。本実施の形態では、かつら用毛髪3を結びつけてかつらベース2に植毛するため、結び目3aが上記中央部分又はその近傍に位置することになる。
また、かつらベース2としては、ネットではなく人工樹脂からなる人工皮膚やそれ以外のものであってもよい。
2 かつらベース
3 かつら用毛髪
3a 結び目
4 棒状部材
4a 孔
5 ラップ
6 ゴム
Claims (9)
- かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色する多段染色工程と、
多段染色された前記かつら用毛髪の全体を同時に染色する仕上げ染色工程と、
を備えることを特徴とするかつら用毛髪の染色方法。 - 前記かつら用毛髪を脱色する脱色工程と、
脱色された前記かつら用毛髪の全体を染色する予備染色工程と、
を更に備え、
前記多段染色工程では、前記予備染色工程で予備染色された前記かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色する、
ことを特徴とする請求項1記載のかつら用毛髪の染色方法。 - 前記多段染色工程では、前記かつら用毛髪の染色をしない部分に被覆部を設け、該被覆部の領域を変更しながら前記かつら用毛髪を染色することで、該かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色し、
前記仕上げ染色工程では、前記被覆部を取り外してから、前記かつら用毛髪の全体を同時に染色する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のかつら用毛髪の染色方法。 - 前記多段染色工程では、前記被覆部の領域を増やしながら前記かつら用毛髪を染色することを特徴とする請求項3記載のかつら用毛髪の染色方法。
- 前記多段染色工程及び前記仕上げ染色工程のうち少なくとも一方では、前記かつら用毛髪の毛束の内部に棒状部材を配置した状態で、前記かつら用毛髪を染色することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のかつら用毛髪の染色方法。
- 前記棒状部材は、複数の孔が形成された筒状を呈することを特徴とする請求項5記載のかつら用毛髪の染色方法。
- 前記棒状部材は、前記毛束を染料に沈めるための錘になることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のかつら用毛髪の染色方法。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項記載のかつら用毛髪の染色方法により染色されたかつら用毛髪をかつらベースに植毛する植毛工程を備えることを特徴とするかつらの製造方法。
- 前記かつら用毛髪の染色方法の前記多段染色工程では、前記かつら用毛髪の長さ方向の中央部分を挟んだ一端側と他端側とで色が対称となるよう、前記かつら用毛髪を段階的に異なる色となるように染色し、
前記植毛工程では、前記中央部分又はその近傍において前記かつら用毛髪を前記かつらベースに植毛する、
ことを特徴とする請求項8記載のかつらの製造方法。
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