JP2015145155A - 自動制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が行われやすくすることの可能な自動制動制御装置を提供する。【解決手段】自車両と障害物との衝突予測時間が閾値よりも小さいときに実行される自動制動の期間において、アクセルペダルの踏み込み操作に関するデータと、ギヤの分離操作に関するデータとを取得する通信部11Aと、アクセル開度が増えるようにアクセルペダルが踏み込まれていること、および、ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件である解除条件が成立するか否かを判断する優先機能判断部11Cと、解除条件が成立すると優先機能判断部11Cが判断したときに、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を解除させる信号を出力する通信部11Aとを備える。【選択図】図1

Description

本開示の技術は、自車両が障害物に衝突する可能性があると判断したとき、自車両の自動制動を制御する自動制動制御装置に関する。
自車両が、障害物、例えば、自車両の前を走行している車両などに衝突する可能性があると判断したとき、自車両の自動制動を制御する自動制動制御装置が知られている。自動制動制御装置は、自車両の自動制動が開始されたときのアクセルペダルの開度と、自車両の自動制動が開始されて以降のアクセルペダルの開度とを比べる。そして、自動制動制御装置は、2つの開度の差である操作量が所定の閾値以上であると判断したとき、運転者が、自車両の加速によって障害物を避ける意思を有するとみなして、自動制動制御装置による自車両の自動制動を解除する(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−175810号公報
ところで、マニュアルトランスミッションを搭載する車両における通常のシフトダウン操作では、ギヤの受ける負荷を低減させることを目的として、まず、クラッチペダルの踏み込みによってギヤの分離操作が行われ、次いで、エンジンの回転数と車速とを合わせるためにアクセルペダルが踏み込まれる。そして、エンジンの回転数と車速度とが合った状態から、シフトレバーの操作によってシフトダウンが行われる。
ここで、トラックやバスなどの大型車両では、車両の重量に対する車両の駆動力の割合が小さいため、シフトダウンが行われるときのアクセルペダルの踏み込み量が大きくなりやすい。そのため、アクセルペダルの操作量のみによって、自車両の自動制動が解除されてしまうと、シフトダウンのためのアクセルペダルの操作にもかかわらず、自動制動制御装置による自車両の自動制動が解除されてしまうこともある。
本開示の技術は、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が行われやすくすることの可能な自動制動制御装置を提供することを目的とする。
本開示の技術における自動制動制御装置の一態様は、自車両と障害物との衝突予測時間が閾値よりも小さいときに実行される自動制動の期間において、アクセルペダルの踏み込み操作に関するデータと、ギヤの分離操作に関するデータとを取得する取得部と、アクセル開度が増えるように前記アクセルペダルが踏み込まれていること、および、前記ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件である解除条件が成立するか否かを判断する判断部と、前記解除条件が成立すると前記判断部が判断したときに、前記自動制動を制動装置に解除させる信号を出力する出力部と、を備える。
上述したように、マニュアルトランスミッションを搭載する車両における通常のシフトダウン操作では、まず、クラッチペダルの踏み込みによってギヤの分離操作が行われ、次いで、エンジンの回転数と車速とを合わせるためにアクセルペダルが踏み込まれる。そして、エンジンの回転数と車速とが合った状態から、シフトレバーの操作によってシフトダウンが行われる。
ここで、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ、ギヤの分離操作が行われていないと見なされる運転状態とは、上述したシフトダウン操作とは異なり、運転者が自車両の加速を意図している状態である。それゆえに、本開示の技術における自動制動制御装置の一態様によれば、運転者の意図した加速の操作を自動制動の期間において検出して自動制動を解除させることが可能である。結果として、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が行われやすくすることが可能である。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様は、前記判断部が、前記自動制動の前に前記ギヤの分離操作が終了してからシフトダウンに要する期間と見なされる期間が経過するまで、前記ギヤの分離操作は行われていると判断する。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様によれば、ギヤの分離操作が行われていなくても、シフトダウンに要する期間と見なされる期間中は、ギヤの分離操作が行われていると判断する。そのため、障害物を避けるための加速によるアクセルペダルの操作が、シフトダウンのためのアクセルペダルの操作からより確実に分離される。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様は、前記解除条件が、単位時間あたりのアクセル開度の勾配が急加速と見なされる勾配以上であることを含む。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様によれば、運転者によるアクセルペダルの操作が、障害物を避ける加速のためのアクセルペダルの操作である確率が、より高くなる。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様は、前記解除条件が、前記自動制動の期間において前記ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度を基準として急加速と見なされる割合以上に前記アクセル開度が増大することを含む。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様によれば、ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度を基準とするアクセル開度の増大が、急加速と見なされる割合以上であることが、自動制動を解除するための条件に含まれる。それゆえに、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が、さらに行われやすくなる。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様は、前記解除条件が、アクセル開度が全開であると見なされる値以上であることを含む。
本開示の技術における自動制動制御装置の他の態様によれば、アクセル開度が全開であると見なされる値以上であることが、自動制動を解除するための条件に含まれるため、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が、さらに行われやすくなる。
本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第1実施形態における制動制御ECUを含む車両制御システムの電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 第1実施形態における制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 第1実施形態における制動制御ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態における制動制御ECUの作用を説明するためのタイミングチャートである。 第1実施形態における制動制御ECUの作用を説明するためのタイミングチャートである。 本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第2実施形態における制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 第2実施形態における制動制御ECUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態における制動制御ECUの作用を説明するためのグラフである。 本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第3実施形態における制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 第3実施形態における制動制御ECUの作用を説明するためのタイミングチャートである。 本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第4実施形態おける制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 第4実施形態における制動制御ECUの作用を説明するためのタイミングチャートである。 変形例における障害物検出の概念を示す概念図である。 変形例における制動制御ECUの一部構成を示すブロック図である。 変形例における制動制御ECUの作用を説明するためのタイミングチャートである。
[第1実施形態]
図1から図8を参照して、本開示の自動制動制御装置を制動制御ECU(ECUはEngine Control Unit の略である)として具体化した第1実施形態を説明する。以下では、車両制御システムの電気的構成、制動制御ECUの詳細な構成、制動制御ECUの処理、および、制動制御ECUの作用を順番に説明する。
[車両制御システムの電気的構成]
図1を参照して、制動制御ECUを含む車両制御システムの電気的構成を説明する。
図1が示すように、車両制御システムは、制動制御ECU11、周辺監視装置12、エンジンECU13、ゲートウェイECU21、電子ブレーキシステムECU31、車両制御ECU32、および、メーターECU33を備えている。制動制御ECU11、周辺監視装置12、および、エンジンECU13は所定の通信プロトコルでの通信を行う第1通信線N1に接続し、電子ブレーキシステムECU31、車両制御ECU32、および、メーターECU33は、第1通信線N1での通信プロトコルとは相互に異なる通信プロトコルでの通信を行う第2通信線N2に接続している。ゲートウェイECU21は、通信プロトコルの変換を行って、通信プロトコルが相互に異なる第1通信線N1と第2通信線N2との間を中継している。
制動制御ECU11は、通信部11A、制動開始判断部11B、および、優先機能判断部11Cを備えている。通信部11Aは、第1通信線N1に出力された各種の測定結果を取得する取得部としての機能を有している。通信部11Aは、さらに、優先機能判断部11Cの判断結果に基づく信号を出力する出力部としての機能も有している。
制動開始判断部11Bは、衝突予測時間TTCを算出する機能と、衝突予測時間TTCから自動制動の開始を判断する機能とを有している。制動開始判断部11Bは、1つの減速度での自動制動の開始のみを判断してもよいし、相互に異なる複数の減速度のうち、1つの減速度での自動制動の開始と、1つの減速度での自動制動と他の減速度での自動制動との切り替えを判断してもよい。
優先機能判断部11Cは、自車両の運転状態が、電子ブレーキシステムECU31が実行する自動制動を無効にして、運転者による自車両の操作を優先させる状態であるオーバーライド状態であるか否かを判断する機能を有している。
周辺監視装置12は、自車両の進行方向において自車両と障害物との距離を測定して、測定結果を第1通信線N1に出力する。周辺監視装置12は、さらに、自車両の進行方向において自車両と障害物との相対速度を測定して、測定結果を第1通信線N1に出力する。周辺監視装置12は、赤外線レーダーやミリ波レーダーなどのレーダーとカメラとから構成されてもよいし、レーダーのみから構成されてもよいし、カメラのみから構成されてもよい。
エンジンECU13は、アクセルセンサ13Aに接続している。アクセルセンサ13Aは、アクセルペダルの踏み込み量を測定して、エンジンECU13を通じて測定結果を第1通信線N1に出力する。
ゲートウェイECU21は、衝突センサ21Aおよび解除スイッチ21Bに接続している。衝突センサ21Aは、自車両と障害物との衝突を検出して、ゲートウェイECU21を通じて検出結果を第1通信線N1に出力する。解除スイッチ21Bは、制動制御ECUによる車両の自動制動を制御する処理を無効するための無効操作を検出して、ゲートウェイECU21を通して検出結果を第1通信線N1に出力する。
電子ブレーキシステムECU31は、ABS(ABSはAntilock Brake System の略である)バルブ31Aに接続している。電子ブレーキシステムECU31は、制動制御ECU11からの信号を受けてABSバルブ31Aを駆動することにより、自車両における自動制動を実行する。
車両制御ECU32は、クラッチストロークセンサ32Aに接続している。クラッチストロークセンサ32Aは、クラッチペダルの踏み込み量を測定して、車両制御ECU32を通して測定結果を第2通信線N2に出力する。
メーターECU33は、警報表示機33Aおよび警報ブザー33Bに接続している。メーターECU33は、制動制御ECU11からの信号を受けて警報表示機33Aを駆動することにより、自車両において第1制動あるいは第2制動が実行中であることを表示する。メーターECU33は、制動制御ECU11からの信号を受けて警報ブザー33Bを駆動することにより、自車両において第1制動あるいは第2制動が実行中であることを音により警報する。
[制動制御ECUの機能]
図2および図3を参照して、制動制御ECU11の機能のうち、制動開始判断部11Bの機能、および、優先機能判断部11Cの機能を説明する。以下では、まず、図2を参照して制動開始判断部11Bの機能を説明し、次に、図3を参照して優先機能判断部11Cの機能を説明する。
図2が示すように、制動開始判断部11Bは、推定部11B1と判断部11B2とを備えている。推定部11B1は、通信部11Aの取得した相対速度の測定結果Vmと、通信部11Aの取得した相対距離の測定結果Smとを受けて、2つの測定結果Vm,Smから衝突予測時間TTCを推定する。
判断部11B2は、推定部11B1の推定した衝突予測時間TTCを受けて、衝突予測時間TTCが所定の閾値TThよりも小さいか否かを判断する。閾値TThは、予め定められた値である。閾値TThは、例えば、第1制動を開始させる信号を操舵回避限界よりも前に制動制御ECU11が出力するように設定されている。判断部11B2は、衝突予測時間TTCが閾値TThよりも小さいと判断したとき、自動制動を実行するための条件が成立している状態であることを示す状態信号であって、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを出力する。一方で、判断部11B2は、衝突予測時間TTCが閾値TTh以上であると判断したとき、自動制動を実行するための条件が成立していない状態であることを示す状態信号であって、PCSフラグがオフ状態であることを示す状態信号Fpcsを出力する。
図3が示すように、優先機能判断部11Cは、第1解除判断部11C1、第2解除判断部11C2、および、オーバーライド判断部11C3を備えている。第1解除判断部11C1には、通信部11Aの取得したクラッチストロークCstrと、判断部11B2の出力した状態信号Fpcsが入力される。第1解除判断部11C1は、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを受け、かつ、クラッチペダルが運転者によって踏み込まれていない状態であるオフ状態であることを示すクラッチストロークCstrを受けるとき、第1解除状態であることを示す状態信号Staを出力する。
第1解除判断部11C1は、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを受け、かつ、クラッチペダルが運転者によって踏み込まれている状態であるオン状態であることを示すクラッチストロークCstrを受けるとき、第1解除状態ではないことを示す状態信号Staを出力する。
第1解除判断部11C1は、さらに、クラッチストロークCstrの状態が、オン状態からオフ状態に変わっても、オフ状態を示すクラッチストロークCstrを受けてから2秒よりも短い期間は、クラッチペダルがオン状態であると見なす。このとき、第1解除判断部11C1は、第1解除状態ではないことを示す状態信号Staを出力する。
なお、第1解除判断部11C1は、オン状態を示すクラッチストロークCstrから、オフ状態を示すクラッチストロークCstrに変わるとき、時間の計測を開始する機能を有している。第1解除判断部11C1は、オン状態を示すクラッチストロークCstrからオフ状態を示すクラッチストロークCstrに変わるたびに、それ以前に計測した時間の値をリセットして、かつ、新たに時間の計測を開始する。
第2解除判断部11C2には、通信部11Aの取得したアクセル開度Apedlと、判断部11B2の出力した状態信号Fpcsとが入力される。第2解除判断部11C2は、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを受けているとき、アクセル開度Apedlから、第2解除状態であることを示す状態信号Stbと、第2解除状態ではないことを示す状態信号Stbとのいずれの状態信号Stbを出力するかを判断する。
すなわち、第2解除判断部11C2は、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が、急加速と見なされる勾配以上であって、かつ、アクセル開度Apedlが全開であると見なされる値以上であるとき、第2解除状態であることを示す状態信号Stbを出力する。具体的には、第2解除判断部11C2は、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が220%以上であって、かつ、アクセル開度Apedlが90%以上であるとき、第2解除状態であることを示す状態信号Stbを出力する。
これに対して、第2解除判断部11C2は、第2解除状態であることを示す状態信号Stbを出力する条件が成立していないと判断したとき、第2解除状態ではないことを示す状態信号Stbを出力する。
オーバーライド判断部11C3には、通信部11Aの取得したアクセル開度Apedlと、第1解除判断部11C1の出力した状態信号Staと、第2解除判断部11C2の出力した状態信号Stbとが入力される。オーバーライド判断部11C3は、PCSフラグがオン状態であるときに、ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度を基準とする。そして、オーバーライド判断部11C3は、急加速と見なされる割合以上にアクセル開度が増大し、かつ、第1解除状態であることを示す状態信号Staと、第2解除状態であることを示す状態信号Stbとを受けるとき、以下の状態信号を出力する。すなわち、自動制動に対するオーバーライドにオン状態を設定するための状態信号Fovdを出力する。
具体的には、オーバーライド判断部11C3は、第1解除状態であることを示す状態信号Staを受けている期間において、アクセル開度が44%以上増大し、かつ、第2解除状態であることを示す状態信号Stbを受けるとき、自車両の運転状態が、自動制動に対するオーバーライドにオン状態を設定するための状態信号Fovdを出力する。
これに対して、オーバーライド判断部11C3は、自動制動に対するオーバーライドにオン状態を設定するための状態信号Fovdを出力する条件が成立しないと判断したとき、オーバーライドがオフ状態であることを示す状態信号Fovdを出力する。
制動制御ECU11は、優先機能判断部11Cがオーバーライド状態ではないことを示す状態信号Fovdを出力しているとき、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を継続させるための信号を生成する。一方で、制動制御ECU11は、優先機能判断部11Cがオーバーライド状態であることを示す状態信号Fovdを出力しているとき、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を解除させるための信号を生成する。
[制動制御ECUの処理]
図4を参照して制動制御ECU11が実行する処理の流れを説明する。制動制御ECU11は、以下に説明する処理を所定の周期、例えば、50msの周期で繰り返し実行している。
図4が示すように、制動制御ECU11は、周辺監視装置12の出力した2つの測定結果Vm,Sm、および、クラッチストロークCstrを取得し(ステップS11)、衝突予測時間TTCを推定して、閾値TThと衝突予測時間TTCとを比べる(ステップS12)。制動制御ECU11は、衝突予測時間TTCが閾値TThよりも小さいと判断したとき、衝突予測時間TTCが閾値TThを下回ることを示す信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を開始させる(ステップS12:YES、ステップS13)。
一方で、制動制御ECU11は、衝突予測時間TTCが閾値TTh以上であると判断したとき(ステップS12:NO)、衝突予測時間TTCが閾値TThを下回るまで、ステップS11の処理と、ステップS12の処理とを繰り返し実行する。制動制御ECU11は、ステップS11の処理と、ステップS12の処理とを繰り返し実行している間にわたって、ステップS11にて取得する各データを蓄積し続ける。
制動制御ECU11は、さらに、周辺監視装置12の出力した2つの測定結果Vm,Sm、クラッチストロークCstr、および、アクセル開度Apedlを取得する(ステップS14)。制動制御ECU11は、クラッチストロークCstrが操作状態から非操作状態に変わるとき、時間の計測を開始する。制動制御ECU11は、ステップS14で取得したデータに基づき、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かを判断する(ステップS15)。制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき(ステップS15:YES)、自動制動を解除することを示す信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を解除させる(ステップS15:YES、ステップS16)。制動制御ECU11は、ステップS16の処理を実行すると、一連の処理を一旦終了する。
一方で、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態でないと判断したとき、自動制動を終了するための終了条件が成立しているか否かを判断する(ステップS15:NO、ステップS17)。自動制動を終了するための終了条件は、例えば、衝突センサ21Aが、自車両と障害物との衝突を検出していること、衝突予測時間TTCが上述した閾値TThよりも大きいこと、および、障害物が検出されていないことなどを含んでいる。制動制御ECU11は、終了条件が成立していないと判断したとき(ステップS17:NO)、ステップS14の処理、および、ステップS15の処理を実行する。そして、制動制御ECU11は、ステップS17の条件が成立せず、かつ、ステップS15の条件が成立しない間は、ステップS14の処理、ステップS15の処理、および、ステップS17の処理を繰り返し実行する。
制動制御ECU11は、終了条件が成立していると判断したとき、制動制御ECU11は、自動制動を終了するための信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を終了させる(ステップS17:YES、ステップS19)。制動制御ECU11は、ステップS18の処理を実行すると、再びステップS11の処理から順番に実行する。
[制動制御ECUの作用]
図5および図6を参照して、制動制御ECU11の作用を説明する。
図5が示すように、タイミングt1にて、第1解除判断部11C1は、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを出力し、かつ、クラッチペダルが踏み込まれていないことを示すクラッチストロークCstrを受ける。クラッチストロークCstrがオフ状態を示しているとき、アクセル開度Apedlは開度A1である。
そして、タイミングt1とタイミングt2との間で、アクセル開度Apedlが増大を開始し、タイミングt2にて、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が、K%/sec、例えば、220%/secになる。次いで、タイミングt3にて、クラッチストロークCstrがオフ状態を示しているときのアクセル開度Apedlを基準とするアクセル開度Apedlの増大が、D%、例えば、44%になる。このとき、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配は、K%/secに維持されている。タイミングt4にて、アクセル開度Apedlが、例えば、90%以上になる。このとき、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配は、K%/secに維持されている。
そのため、タイミングt4にて、制動制御ECU11が、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断するための条件、すなわち、解除条件に含まれる以下の条件が全て成立する。
・PCSフラグがオン状態を示していること
・クラッチストロークCstrがオフ状態を示していること
・単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配がK%/sec以上であること
・クラッチストロークCstrがオフ状態を示しているときを基準とするアクセル開度の増大がD%以上であること
・アクセル開度Apedlが所定の開度以上であること
それゆえに、タイミングt4にて、制動制御ECU11は、自動制動の解除条件が成立していると判断して、オン状態を示す状態信号Fovdを出力する。これにより、電子ブレーキシステムECU31による自動制動が解除される。
このように、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ、ギヤの分離操作が行われていない運転状態とは、シフトダウンが実行されるときのアクセルペダルの操作とは異なり、運転者が自車両の加速を意図している状態である。そのため、制動制御ECU11の一態様によれば、運転者の意図した加速の操作を自動制動の期間において検出して自動制動を解除させることが可能である。それゆえに、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が行われやすくすることが可能である。
一方で、図6が示すように、タイミングt0にて、制動制御ECU11は、クラッチストロークCstrがオン状態からオフ状態に変わることを受けて、タイミングt0から時間の計測を開始する。そして、タイミングt1にて、第1解除判断部11C1は、PCSフラグにオン状態を設定するための状態信号Fpcsを出力する。クラッチストロークCstrがオフ状態を示しているとき、アクセル開度Apedlは開度A1である。
そして、タイミングt1とタイミングt2との間で、アクセル開度Apedlが増大を開始し、タイミングt2にて、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が、K%/secになる。次いで、タイミングt3にて、クラッチストロークCstrがオフ状態を示しているときのアクセル開度Apedlを基準とするアクセル開度Apedlの増大が、D%になる。このとき、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配は、K%/secに維持されている。タイミングt4にて、アクセル開度Apedlが、例えば、90%以上になる。このとき、単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配は、K%/secに維持されている。ただし、タイミングt0から所定の期間、例えば、2秒以上が経過していないため、制動制御ECU11は、タイミングt4においても自車両の運転状態がオーバーライド状態でないと判断する。
そして、タイミングt4を過ぎ、かつ、タイミングt0から2秒以上が経過する前に、アクセル開度Apedlが減少を開始する。このように、制動制御ECU11は、PCSフラグがオン状態において、オフ状態を示すクラッチストロークCstrを受けても、シフトダウンに要する期間と見なされる期間中は、クラッチストロークCstrがオン状態であると見なす。こうした構成であれば、障害物を避けるための加速によるアクセルペダルの操作は、シフトダウンのためのアクセルペダルの操作からより確実に分離される。
以上説明したように、第1実施形態の制動制御ECU11によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)運転者の意図した加速の操作を自動制動の期間において検出して自動制動を解除させることが可能である。結果として、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって制動の解除が行われやすくすることが可能である。
(2)ギヤの分離操作が行われていなくても、シフトダウンに要する期間と見なされる期間中は、ギヤの分離操作が行われていると判断する。そのため、障害物を避けるための加速によるアクセルペダルの操作が、シフトダウンのためのアクセルペダルの操作からより確実に分離される。
(3)単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が急加速と見なされる勾配以上であることが、自動制動を解除するための条件に含まれるため、運転者によるアクセルペダルの操作が、障害物を避ける加速のためのアクセルペダルの操作である確率が、より高くなる。
(4)ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度Apedlを基準とするアクセル開度Apedlの増大が、急加速と見なされる割合以上であることが、自動制動を解除するための条件に含まれる。それゆえに、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が、さらに行われやすくなる。
(5)アクセル開度Apedlが全開であると見なされる値以上であることが、自動制動を解除するための条件に含まれるため、障害物を避けるための加速に限ったアクセルペダルの操作によって自動制動の解除が、さらに行われやすくなる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・アクセル開度Apedlが全開であると見なされる値以上であることは、自動制動を解除するための条件に含まれなくてよい。こうした構成であっても、少なくともアクセル開度が増えるようにアクセルペダルが踏み込まれていること、および、ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件が、自動制動を解除するための条件である以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度Apedlを基準とするアクセル開度Apedlの増大が、急加速と見なされる割合以上であることは、自動制動を解除するための条件に含まれなくてもよい。こうした構成であっても、少なくともアクセル開度が増えるようにアクセルペダルが踏み込まれていること、および、ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件が、自動制動を解除するための条件である以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・単位時間あたりのアクセル開度Apedlの勾配が急加速と見なされる勾配以上であることは、自動制動を解除するための条件に含まれなくてもよい。こうした構成であっても、少なくともアクセル開度が増えるようにアクセルペダルが踏み込まれていること、および、ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件が、自動制動を解除するための条件である以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・制動制御ECU11は、クラッチストロークCstrがオン状態からオフ状態に変わったときから、ギヤの分離操作が行われていないと見なしてもよい。こうした構成であっても、少なくともアクセル開度が増えるようにアクセルペダルが踏み込まれていること、および、ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件が、自動制動を解除するための条件である以上は、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
・閾値TThは、第1制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる信号を操舵回避限界よりも後に出力するような値に設定されてもよい。
[第2実施形態]
図7から図9を参照して、本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、制動制御ECU11が、第1減速度を得るための第1制動と、第1減速度よりも高い第2減速度を得るための第2制動とを切り替える点が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する目的で、制動制御ECUの機能、制動制御ECUの処理、および、制動制御ECUの作用を順番に説明する。
[制動制御ECUの機能]
図7を参照して、制動制御ECU11の機能のうち、制動開始判断部11Bの機能を説明する。
図7が示すように、制動開始判断部11Bは、さらに、推定部11B3と、判断部11B4とを備えている。推定部11B3は、測定結果Vm、第2減速度a2、および、目標距離Mを受けて、測定結果Vm、第2減速度a2、および、目標距離Mとから、以下の式1によって停止予定距離Saを算出する。目標距離Mは、自車両が停止したときの自車両と障害物との間の距離における目標値である。
Sa=(Vm/2・a2)+M … (式1)
第1減速度a1は、予め定められた大きさの減速度であって、例えば、自車両が障害物を回避するための横力が確保できる減速度である。第1減速度a1は、例えば、3.5m/sである。第2減速度a2は、予め定めされた大きさの減速度であって、例えば、自車両が生じさせることのできる減速度の最大値である。第2減速度a2は、例えば、6.5m/sである。
目標距離Mは、予め定められた距離であってもよいし、制動制御ECU11による変更が可能な距離であってもよい。目標距離は、例えば数mである。停止予定距離Saに、自車両が停止したときの自車両と障害物との間の距離である目標距離Mが含まれるため、自車両は、障害物から所定の距離だけ離れた状態で停止しやすい。そのため、自車両が障害物に衝突することが回避されやすい。
判断部11B4は、推定部11B3の算出した停止予定距離Saと、測定結果Smとを受けて、停止予定距離Saと測定結果Smとを比べて、以下の式2が成立すると判断したとき、第1制動から第2制動への切り替えを判断する。
第1制動は、所定の走行状態において第1減速度a1が得られる自動制動であり、第2制動は、同じく所定の走行状態において第1減速度a1よりも高い第2減速度a2が得られる自動制動である。
Sm−{(Vm/2・a2)+M}<0 …(式2)
制動制御ECU11は、判断部11B4による第1制動から第2制動への切り替えの判断に基づいて、電子ブレーキシステムECU31に第2制動を実行させるための信号を生成する。
[制動制御ECUの処理]
図8を参照して制動制御ECU11が実行する処理の流れを説明する。第2実施形態の制動制御ECU11の実行する処理の流れは、第1実施形態の制動制御ECU11と比べて、ステップS12よりも後の処理の流れが異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する。
図8が示すように、制動制御ECU11は、上述したステップS11、および、ステップS12の処理を実行したとき、制動制御ECU11は、衝突予測時間TTCが閾値TThよりも小さいと判断する。このとき、制動制御ECU11は、衝突予測時間TTCが閾値TThを下回ることを示す信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に第1制動を開始させる(ステップS12:YES、ステップS23)。
一方で、制動制御ECU11は、衝突予測時間TTCが閾値TTh以上であると判断したとき(ステップS12:NO)、衝突予測時間TTCが閾値TThを下回るまで、ステップS11の処理と、ステップS12の処理とを繰り返し実行する。
制動制御ECU11は、さらに、周辺監視装置12の出力した2つの測定結果Vm,Sm、クラッチストロークCstr、および、アクセル開度Apedlを取得し(ステップS24)、停止予定距離Saを推定して、相対距離の測定結果Smと停止予定距離Saとを比べる(ステップS25)。制動制御ECU11は、測定結果Smが停止予定距離Saよりも小さいと判断したとき、第1制動から第2制動に切り替えることを示す信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に第2制動を開始させる(ステップS25:YES、ステップS26)。
制動制御ECU11は、第2制動を終了するための終了条件が成立しているか否かを判断する(ステップS27A,S27B)。第2制御を終了するための終了条件は、例えば、衝突センサ21Aが、自車両と障害物との衝突を検出していること、衝突予測時間TTCが上述した閾値TThよりも大きいこと、および、障害物が検出されていないことなどを含んでいる。制動制御ECU11は、終了条件が成立していると判断すると(ステップS27:YES)、第2制動を終了するための信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に第2制動を終了させる(ステップS28)。制動制御ECU11は、ステップS28の処理を実行すると、一連の処理を一旦終了する。これに対して、制動制御ECU11は、終了条件が成立していないと判断すると(ステップS27B:NO)、ステップS27Bの条件が成立するまで、ステップS27Aの処理、および、ステップS27Bを繰り返し実行する。
一方で、制動制御ECU11は、停止予定距離Saが測定結果Sm以上であると判断したとき、自車両の運転状態が、オーバーライド状態であるか否かを判断する(ステップS29)。制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第1制動を解除するための信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に第1制動を解除させる(ステップS29:YES、ステップS30)。制動制御ECU11は、ステップS30の処理を実行すると、再びステップS11の処理から順番に実行する。
これに対して、制動制御ECU11は、オーバーライド状態でないと判断したとき、第1制動を終了するための終了条件が成立しているか否かを判断する(ステップS29:NO、ステップS31)。第1制動を終了するための終了条件は、例えば、上述した第2制動を終了するための条件と同じ条件を含む。制動制御ECU11は、終了条件が成立していないと判断したとき(ステップS31:NO)、ステップS24の処理、ステップS25の処理、および、ステップS29の処理を実行する。そして、制動制御ECU11は、ステップS31の条件が成立せず、ステップS25の条件が成立せず、かつ、ステップS29の条件が成立しない間は、ステップS24の処理、ステップS25の処理、ステップS29、および、ステップS31の処理を繰り返し実行する。
制動制御ECU11は、終了条件が成立していると判断したとき、制動制御ECU11は、第1制動を終了するための信号を第1通信線N1に出力して、電子ブレーキシステムECU31に第1制動を解除させる(ステップS31:YES、ステップS32)。制動制御ECU11は、ステップS32の処理を実行すると、再びステップS11の処理から順番に実行する。
[制動制御ECUの作用]
図9を参照して、制動制御ECU11の作用を説明する。図9は、第1制動が実行されているときの停止予定距離Saと相対速度との関係を黒四角で示し、第2制動が実行されているときの停止予定距離Saと相対速度との関係を白抜きの四角で示している。また、図9は、上述した式1により推定された停止予定距離Saを白抜きの丸で示している。さらに、図9は、自車両における相対速度と相対距離との関係を示している。なお、以下では、停止予定距離Saと相対距離との関係を説明する便宜上、相互に異なる取得周期にて、同じ相対速度が得られた場合を対応付けて説明する。
図9が示すように、点P1において、相対速度が速度Vm0であり、相対距離が距離S0である。このとき、衝突予測時間TTCが閾値TThを下回るため、第1制動が開始される。
自車両が、例えば、大型車両の一例である大型トラックであって、それが満載の状態であるとき、大型車両の一例である大型バスが満員の状態であるとき、路面の摩擦係数が小さいとき、あるいは、タイヤがすり減っているときなど、第1制動での減速度は第1減速度a1よりも小さくなる。減速度が第1減速度a1よりも小さい第1走行状態では、点P1が取得された取得周期よりも後の取得周期に取得された相対距離であって、相対速度がVm1であるときの相対距離は、点PA1が示すように、距離Sm1Aである。
一方で、自車両が、例えば、大型トラックであって、それが空載の状態であるとき、大型バスが空車の状態であるとき、路面の摩擦係数が大きいとき、あるいは、タイヤが新品の状態であるときなど、第1制動での減速度が第1減速度a1よりも大きくなる。減速度が第1減速度a1よりも大きい第2走行状態では、点P1が取得された取得周期よりも後の取得周期に取得された相対距離であって、相対速度がVm1であるときの相対距離は、点PB1が示すように、距離Sm1Bであり、距離Sm1Bは、上述した距離Sm1Aよりも大きい。ただし、速度Vm1では、距離Sm1Aおよび距離Sm1Bの両方が、各取得周期で取得された相対速度である速度Vm1に基づく停止予定距離Sa1よりも大きい。つまり、制動制御ECU11は、電子ブレーキシステムECU31に第1制動を維持させる。
これに対して、第1走行状態で、点PA1よりも後の取得周期で取得された相対距離であって、相対速度が速度Vm2であるときの相対距離は、点PA2が示すように、距離Sm2Aである。そして、距離Sm2Aは、この取得周期で取得された速度Vm2に基づく停止予定距離Sa2よりも小さい。そのため、制動制御ECU11は、電子ブレーキシステムECU31に第2制動を開始させる。
一方で、第2走行状態で、点PB1よりも後の取得周期で取得された相対距離であって、相対速度が速度Vm2であるときの相対距離は、点PB2が示すように、距離Sm2Bである。そして、距離Sm2Bは、この取得周期で取得された速度Vm2に基づく停止予定距離Sa2よりも大きい。そのため、制動制御ECU11は、電子ブレーキシステムECU31に第1制動を維持させる。
このように、測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第1制動から第2制動に切り替わる。そして、停止予定距離Saは、自車両に対して期待される第2減速度a2と、実際の相対速度とに基づく値であるから、自車両における実際の減速度が第1減速度a1よりも小さいほど、第2制動の開始が早まる。反対に、自車両における実際の減速度が第1減速度a1よりも大きいほど、第2制動の開始が遅くなる。それゆえに、自車両の走行状態に合った自動制動の切り替えが可能である。
また、自動車の自動制動が開始されたときから、第2減速度a2での自動制動が開始される構成と比べて、自車両と障害物との間の距離が小さい状態で、より高い減速度での自車両の自動制動が行われる。そのため、自車両が第2減速度a2を得るために減速している間の減速度のばらつきが小さくなるため、停止予定距離に対する実際の停止距離のばらつきも小さくなる。
以上説明したように、第2実施形態の制動制御ECU11によれば、上述した(1)から(5)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(6)測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第1制動から第2制動に切り替わる。そして、停止予定距離Saは、自車両に対して期待される第2減速度a2と、実際の相対速度とに基づく値であるから、自車両における実際の減速度が第1減速度a1よりも小さいほど、第2制動の開始が早まる。反対に、自車両における実際の減速度が第1減速度a1よりも大きいほど、第2制動の開始が遅くなる。それゆえに、自車両の走行状態に合った自動制動の切り替えが可能である。
(7)第1制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる信号が、操舵回避限界よりも前に出力されるため、自車両は、第1制動が開始されている状態で、障害物Bを回避するための操舵によって旋回される可能性がある。そして、第1制動にて設定される第1減速度a1は、自車両が障害物を回避するための横力を確保できる減速度であることから、自車両が、操舵によって障害物を回避することのできる可能性が高くなる。
(8)停止予定距離Saに、自車両が停止したときの自車両と障害物との間の距離である目標距離Mが含まれるため、自車両は、障害物から所定の距離だけ離れた状態で停止しやすい。そのため、自車両が障害物に衝突することが回避されやすい。
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後にも、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第2制動を解除するための信号を出力すればよい。こうした構成では、制動制御ECU11は、上述したステップS26の処理を実行した後に、ステップS24、ステップS25、ステップS29からステップS32の処理を実行すればよく、この際、ステップS25の処理に代えて、ステップS27Bの処理を実行すればよい。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後にのみ、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を行ってもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第2制動を解除するための信号を出力すればよい。こうした構成では、制動制御ECU11は、ステップS23の処理を実行した後に、ステップS24の処理を省略して、ステップS25の処理を実行すればよい。そして、制動制御ECU11は、ステップS25の条件が成立しないと判断したとき、ステップS29の処理を省略して、ステップS31の処理を実行すればよい。さらに、制動制御ECU11は、上述したステップS26の処理を実行した後に、ステップS24、ステップS25、ステップS29からステップS32の処理を実行すればよく、この際、ステップS25の処理に代えて、ステップS27Bの処理を実行すればよい。
・停止予定距離Saは、目標距離Mを含んでいなくともよい。こうした構成であっても、測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第1制動から第2制動に切り替わる以上は、上述した(6)に準じた効果を得ることはできる。
・第1制動における第1減速度a1の大きさは、自車両が障害物を回避するための横力が確保されない大きさであってもよい。こうした構成であっても、測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第1制動から第2制動に切り替わる以上は、上述した(6)に準じた効果を得ることはできる。
・閾値TThは、第1制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる信号を操舵回避限界よりも後に出力するような値に設定されてもよい。こうした構成であっても、測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第1制動から第2制動に切り替わる以上は、上述した(6)に準じた効果を得ることはできる。
[第3実施形態]
図10および図11を参照して、本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第2実施形態と比べて、制動制御ECU11が第2制動を実行させるための信号を出力した後の処理が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する。また、図10では、第3実施形態において第2実施形態と同等の構成には、第2実施形態と同じ符号を付すことで詳しい説明を省略しつつ、制動制御ECUの機能、および、制動制御ECUの作用を順番に説明する。
[制動制御ECUの機能]
図10を参照して、制動制御ECU11の機能のうち、推定部11B3の機能、および、判断部11B4の機能を説明する。
図10が示すように、推定部11B3は、第2実施形態の推定部11B3と同様、上述した式1によって、停止予定距離Saを算出する。推定部11B3は、さらに、測定結果Vm、第3減速度a3、および、目標距離Mを受けて、測定結果Vm、第3減速度a3、および、目標距離Mから、以下の式3によって停止予定距離Saを推定する。
Sa=(Vm/2・a3)+M … (式3)
なお、第2減速度a2は、予め定めされた大きさの減速度であって、第1減速度a1よりも高い減速度である。第2減速度a2は、例えば、自車両が生じさせることのできる減速度の最大値に近い値である。第3減速度a3は、予め定めされた大きさの減速度であって、第2減速度a2よりも高い減速度である。第3減速度a3は、例えば、自車両が生じさせることのできる減速度の最大値である。
判断部11B4は、第2実施形態の判断部11B4と同様、上述した式2が成立するか否かを判断し、式2が成立すると判断したとき、第1制動から第2制動への切り替えを判断する。判断部11B4は、さらに、推定部11B3が上述した式3に基づき推定した停止予定距離Saと、測定結果Smとを受けて、停止予定距離Saと測定結果Smとを比べて、以下の式4が成立すると判断したとき、第2制動から第3制動への切り替えを判断する。
Sm−{(Vm/2・a3)+M}<0 …(式4)
制動制御ECU11は、判断部11B4による第2制動から第3制動への切り替えの判断に基づいて、電子ブレーキシステムECU31がABSバルブ31Aを駆動して第3制動を実行するための信号を生成する。第3制動は、所定の走行状態において第2減速度a2よりも高い減速度である第3減速度a3が得られる自動制動である。
[制動制御ECUの作用]
図11を参照して制動制御ECU11の作用を説明する。図11は、第1制動から第3制動の各々における減速度と、自車両の走行時間との関係の一例を示すタイミングチャートである。
図11が示すように、自車両が走行しているとき、制動制御ECU11は、まず、タイミングt1にて、第1減速度a1を得るための第1制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。次いで、制動制御ECU11は、タイミングt2にて、第1減速度a1よりも高い第2減速度a2を得るための第2制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。そして、制動制御ECU11は、タイミングt3にて、第2減速度a2よりも高い第3減速度a3を得るための第3制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。
制動制御ECU11は、第2減速度a2を用いて推定された停止予定距離Saよりも測定された相対距離が小さいときに、自車両の自動制動を第2制動から第3制動に切り替える。そして、停止予定距離Saは、自車両に対して期待される第3減速度a3と、実際の相対速度とに基づく値であるから、自車両における実際の減速度が第2減速度a2よりも小さいほど、第3制動の開始が早まる。反対に、自車両における実際の減速度が第2減速度a2よりも大きいほど、第3制動の開始が遅くなる。それゆえに、自車両の走行状態に合った自動制動の切り替えが可能である。
制動制御ECU11は、減速度の大きさを3つの段階で変え、かつ、減速度の大きさが次第に大きくなる順番で減速度を変える。なお、第1減速度a1から第2減速度a2への減速度の増加度合いが増分Δa12であり、第2減速度a2から第3減速度a3への減速度の増加度合いが増分Δa23である。増分Δa12と増分Δa23とは、相互に同じ大きさであってもよいし、相互に異なる大きさであってもよい。増分Δa12と増分Δa23とが相互に異なる大きさであるとき、増分Δa23が増分Δa12よりも大きくてもよいし、増分Δa23が増分Δa12よりも小さくてもよい。増分Δa23が増分Δa12よりも大きいとき、第1制動、および、第2制動にて、操舵による障害物の回避に必要な横力が得られやすい。
以上説明したように、第3実施形態の制動制御ECU11によれば、上述した(1)から(5)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(9)測定された相対距離が第3減速度a3を用いて推定した停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第2制動から第3制動に切り替わる。そして、停止予定距離Saは、自車両に対して期待される第3減速度a3と、実際の相対速度とに基づく値であるから、自車両における実際の減速度が第2減速度よりも小さいほど、第3制動の開始が早まる。反対に、自車両における実際の減速度が第2減速度a2よりも大きいほど、第3制動の開始が遅くなる。それゆえに、自車両の走行状態に合った自動制動の切り替えが可能である。
(10)第3減速度a3を用いて推定した停止予定距離Saに、自車両が停止したときの自車両と障害物との間の距離である目標距離Mが含まれるため、自車両は、障害物から所定の距離だけ離れた状態で停止しやすい。そのため、自車両が障害物に衝突することが回避されやすい。
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後にも、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第2制動を解除するための信号を出力すればよい。
・制動制御ECU11は、第3制動を開始した後にも、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第3制動を解除するための信号を出力すればよい。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後、および、第3制動を開始した後の両方にて、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよい。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後のみ、あるいは、第3制動を開始した後のみに、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよい。
・第3減速度a3を用いて算出される停止予定距離Saは、目標距離Mを含んでいなくともよい。こうした構成であっても、測定された相対距離が停止予定距離Saよりも小さいときに、自車両の自動制動が第2制動から第3制動に切り替わる以上は、上述した(9)に準じた効果を得ることはできる。
・第2減速度a2を用いて推定される停止予定距離Saが含む目標距離Mと、第3減速度a3を用いて推定される停止予定距離Saが含む目標距離Mとは、相互に同じであってもよいし、相互に異なってもよい。
・制動制御ECU11は、相互に高さの異なる3つの減速度aを備え、第1制動と第2制動との切り替え、および、第2制動と第3制動との切り替えを行う。これに限らず、制動制御ECU11は、相互に高さの異なる4つの減速度を備える構成であってもよい。こうした構成では、制動制御ECU11は、第4減速度a4を用いて推定された停止予定距離Saと、測定した相対距離とを比べ、相対距離が停止予定距離Saよりも小さいと判断したとき、第3減速度a3による第3制動から、第4減速度による第4制動に切り替えればよい。あるいは、制動制御ECU11は、5つ以上の減速度を備える構成でもよい。
・制動制御ECU11は、測定された相対距離が第2減速度a2を用いて推定された停止予定距離Saよりも小さいと判断したとき、第2制動から第3制動に切り替え、解除条件が成立すると判断するとき、第3制動を解除する。これに限らず、制動制御ECU11は、測定された相対距離が第2減速度a2を用いて推定された停止予定距離Saよりも小さいと判断して以降は、以下のような処理を行ってもよい。すなわち、制動制御ECU11は、解除条件が成立すると判断するまでの間、各取得周期で取得された測定結果Vm,Smと、そのときの減速度とを用いて停止予定距離Saを推定して、各取得周期での相対距離と停止予定距離Saとを比べる。そして、制動制御ECU11は、相対距離が停止予定距離Saを下回っている間は、相対距離が停止予定距離Sa以上になるまで、所定の減速度ずつ減速度を高める構成でもよい。
[第4実施形態]
図12および図13を参照して、本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第2実施形態と比べて、制動制御ECU11が第1制動を実行させるための信号を出力した後の処理が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する。また、図12では、第4実施形態において第2実施形態と同等の構成には、第2実施形態と同じ符号を付すことで詳しい説明を省略しつつ、制動制御ECUの機能、および、制動制御ECUの作用を順番に説明する。
[制動制御ECUの機能]
図12を参照して、制動制御ECU11の機能のうち、推定部11B3の機能、および、判断部11B4の機能を説明する。
図12が示すように、制動制御ECU11は、第2実施形態とは異なり、第1推定部11B5と第2推定部11B6との2つの推定部から構成される。2つの推定部のうち、第1推定部11B5は、第2実施形態の推定部11B3と同様、上述した式1によって、第2減速度a2に基づく第1停止予定距離Sa1を推定する。一方で、第2推定部11B6は、第3実施形態と同様、上述した式3によって、第3減速度a3に基づく第2停止予定距離Sa2を推定する。
つまり、推定部11B3は、第1推定部11B5と第2推定部11B6とから構成されることによって、第2減速度a2を用いた第1停止予定距離Sa1の推定と、第3減速度a3を用いた第2停止予定距離Sa2の推定とを同時に実行している。
判断部11B4は、測定結果Smと、第1推定部11B5が推定した第1停止予定距離Sa1とを比べ、かつ、測定結果Smと、第2推定部11B6が推定した第2停止予定距離Sa2とを比べる。判断部11B4は、測定結果Smが第2停止予定距離Sa2よりも小さいと判断したとき、第1制動から第3制動への切り替えを判断する。判断部11B4は、測定結果Smが第2停止予定距離Sa2以上であり、かつ、測定結果Smが第1停止予定距離Sa1よりも小さいと判断したとき、第1制動から第2制動への切り替えを判断する。
制動制御ECU11は、判断部11B4による第1制動から第2制御への切り替えの判断に基づいて、電子ブレーキシステムECU31がABSバルブ31Aを駆動して第2制動を実行するための信号を生成する。制動制御ECU11は、判断部11B4による第1制動から第3制動への切り替えの判断に基づいて、電子ブレーキシステムECU31がABSバルブ31Aを駆動して第3制動を実行するための信号を生成する。第2制動は、第1実施形態と同様、第1減速度a1よりも高い減速度である第2減速度a2を得るための自動制動であり、第3制動は、第2実施形態と同様、第2減速度a2よりも高い減速度である第3減速度a3を得るための自動制動である。
[制動制御ECUの作用]
図13を参照して制動制御ECU11の作用を説明する。図13は、第1制動における減速度、および、第2制動あるいは第3制動のいずれかにおいて期待される減速度と、自車両の走行時間との関係の一例を示すタイミングチャートである。なお、図13では、第1制動から第3制動に切り替えられるときの減速度と走行速度との関係が実線で示される一方、第1制動から第2制動に切り替えられるときの減速度と走行速度との関係が破線で示されている。
図13が示すように、自車両が走行しているとき、制動制御ECU11は、まず、タイミングt1にて、第1減速度a1での第1制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。次いで、制動制御ECU11は、第1制動から第3制動に切り替えるための条件が成立したと判断したとき、タイミングt2にて、第3減速度a3での第3制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。一方で、制動制御ECU11は、第1制動から第3制動に切り替えるための条件が成立せず、かつ、第1制動から第2制動に切り替えるための条件が成立したと判断したとき、タイミングt2にて、第2減速度a2での第2制動を電子ブレーキシステムECU31に開始させる。
このように、制動制御ECU11は、複数の減速度から1つの減速度を選択して、自車両と障害物との間の相対距離が小さいほど、相対的に高い減速度で、電子ブレーキシステムECU31に自動制動を開始させる。そのため、第1減速度a1から1つの減速度に切り替えられる構成と比べて、第1減速度a1による第1制動から、より走行状態に合った減速度による自動制動に切り替えられる。
以上説明したように、第4実施形態の制動制御ECU11によれば、上述した(1)から(5)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)第1減速度a1から1つの減速度に切り替えられる構成と比べて、第1減速度a1による第1制動から、より走行状態に合った減速度による自動制動に切り替えられる。
なお、上述した第4実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後にも、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第2制動を解除するための信号を出力すればよい。
・制動制御ECU11は、第3制動を開始した後にも、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよく、制動制御ECU11は、自車両の運転状態がオーバーライド状態であると判断したとき、第3制動を解除するための信号を出力すればよい。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後、および、第3制動を開始した後の両方にて、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよい。
・制動制御ECU11は、第2制動を開始した後のみ、あるいは、第3制動を開始した後のみに、自車両の運転状態がオーバーライド状態であるか否かの判断を実行してもよい。
・第2減速度a2を用いて推定される停止予定距離Saが含む目標距離Mと、第3減速度a3を用いて推定される停止予定距離Saが含む目標距離Mとは、相互に同じであってもよいし、相互に異なってもよい。
・制動制御ECU11は、第1減速度a1による第1制動から、第2減速度a2による第2制動、および、第3減速度a3による第3制動のいずれかに切り替える。これに限らず、制動制御ECU11は、第1制動から、相互に異なる3つ以上の減速度による自動制動のいずれかに切り替える構成でもよい。
[変形例]
図14から図16を参照して、本開示の自動制動制御装置を制動制御ECUとして具体化した変形例を説明する。変形例は、上述した第1実施形態から第4実施形態と比べて、障害物を検出する機能が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明し、変形例において第1実施形態と同等の構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことで詳しい説明を省略しつつ、障害物検出の概要、制動制御ECUの機能、および、制動制御ECUの作用を順番に説明する。なお、変形例は、第1実施形態から第4実施形態のいずれとも組み合わせて実施することが可能である。
[障害物検出の概要]
図14を参照して障害物検出の概要を説明する。
図14が示すように、自車両SCは周辺監視装置12を搭載し、周辺監視装置12は、例えば、ミリ波レーダー12Aとカメラ12Bとから構成されている。周辺監視装置12は、ミリ波レーダー12Aの測定結果と、カメラ12Bの測定結果とを用いて障害物B、例えば歩行者の自車両SCに対する位置を検出する。周辺監視装置12において、障害物Bを検出できる空間の範囲は、ミリ波レーダー12Aとカメラ12Bとの間で相互に異なる。ミリ波レーダー12Aの障害物Bを検出できる範囲は、測定範囲12AZであり、カメラ12Bの障害物Bを検出できる範囲は、測定範囲12BZである。
ミリ波レーダー12Aの測定結果を用いた障害物Bの検出は、ミリ波の反射波の検出に基づくことから、例えば、歩行者のようにミリ波の反射率の低い障害物Bの検出の精度は、例えば、車両のようにミリ波の反射率の高い障害物Bの検出の精度よりも低い。一方で、カメラ12Bの測定結果を用いた障害物Bの検出は、カメラ12Bが生成する撮像データの画像処理に基づくことから、カメラ12Bの画角からはみ出た障害物Bの検出の精度は、カメラ12Bの画角の中に含まれる障害物Bの検出の精度よりも低い。
そのため、ミリ波レーダー12Aによれば、カメラ12Bと比べて、自車両SCからの距離が大きい障害物Bであって、低反射の障害物Bを検出できるものの、検出した結果の信頼性が低い。一方で、カメラ12Bによれば、ミリ波レーダー12Aと比べて、低反射の障害物Bを検出した結果の信頼性は高いものの、自車両SCから所定の距離の範囲に位置する障害物Bしか検出できない。
[制動制御ECUの機能]
図15を参照して制動制御ECU11の機能を説明する。
制動制御ECU11において、上述した通信部11Aは、ミリ波レーダー12Aの出力した検出強度Drdを取得し、かつ、カメラ12Bの出力した検出結果Dpicを取得する。
図15が示すように、制動制御ECU11は、障害物Bの存在する可能性があるか否かを検出強度Drdから判断する判断部11Dを備えている。判断部11Dは、検出強度Drdが障害物Bによる検出強度ではないと判断するためのレベルL1と、検出強度Drdが障害物Bによる検出強度であると判断するためのレベルL2とを検出強度Drdの範囲に設定している。
判断部11Dは、検出強度DrdがレベルL1よりも小さいか否かを判断し、検出強度DrdがレベルL1よりも小さいと判断するとき、判断部11Dは、検出強度Drdが障害物Bによるものではないと判断する。このとき、判断部11Dは、現在の自車両SCの走行状態が、障害物Bが存在しない走行状態であることを示す状態信号St1を出力する。
判断部11Dは、検出強度DrdがレベルL2よりも大きいか否かを判断し、検出強度DrdがレベルL2よりも大きいと判断するとき、判断部11Dは、検出強度Drdが障害物Bによるものであると判断する。このとき、判断部11Dは、現在の自車両SCの走行状態が、障害物Bが存在する走行状態であることを示す状態信号St1を出力する。
一方で、判断部11Dは、検出強度DrdがレベルL1以上レベルL2以下であるか否かを判断する。判断部11Dは、検出強度DrdがレベルL1以上レベルL2以下であると判断したとき、現在の自車両SCの走行状態が、仮検出状態であることを示す状態信号St1を出力する。
制動制御ECU11は、状態信号St1とカメラ12Bの検出結果Dpicとから障害物Bの有無を判断する判断部11Eを備えている。判断部11Eは、状態信号St1の入力状態が変わるまで、変わる時点よりも前の状態信号St1を保持し続ける。
判断部11Eは、仮検出状態を示す状態信号St1を受け続けている状態で、障害物Bが存在しないことを示すカメラ12Bの検出結果Dpicを入力し続けるとき、以下の状態信号St2を出力する。すなわち、判断部11Eは、自車両SCの走行状態が、カメラ12Bの画角の中には低反射の障害物Bの存在しない走行状態St21であることを示す状態信号St2を出力する。
判断部11Eは、仮検出状態を示す状態信号St1を受け続けている状態で、障害物Bが存在することを示すカメラ12Bの検出結果Dpicを受けるとき、自車両SCの走行状態が、低反射の障害物Bの存在する本検出状態St22であることを示す状態信号St2を出力する。
判断部11Eは、障害物Bが存在することを示すカメラ12Bの検出結果Dpicを受けた後、障害物Bが存在しないことを示すカメラ12Bの検出結果Dpicを受けても、判断部11Dの出力する状態信号St1が変わらない限り、本検出状態St22であることを示す状態信号St2を出力し続ける。
判断部11Eは、障害物Bが存在しない状態信号St1、あるいは、障害物Bが存在する状態信号St1を受けるとき、低反射の障害物Bの存在しない走行状態であることを示す状態信号St2を出力する。
[制動制御ECUの作用]
図16を参照して制動制御ECU11の作用を説明する。なお、図16では、カメラ12Bによって障害物Bが検出されたときの信号の状態が実線で示され、カメラ12Bによって障害物Bが検出されないときの信号の状態が破線で示されている。
図16が示すように、判断部11Dは、タイミングt0にて、仮検出状態であることを示す状態信号St1を出力し、判断部11Eは、タイミングt1にて、障害物Bが存在していることを示す検出結果D1を受けて、本検出状態St22であることを示す状態信号St2を出力する。そして、タイミングt2にて、判断部11Eは、障害物Bが存在しないことを示す検出結果D0を受けても、状態信号St1が変わらないため、本検出状態St22であることを示す状態信号St2を出力し続ける。
そのため、ミリ波レーダー12Aにおける検出結果の信頼性が低い低反射の障害物Bをカメラ12Bによって障害物Bとして特定することができ、かつ、カメラ12Bにおける検出結果の信頼性が低い画角をはみ出た障害物Bをミリ波レーダー12Aによって追尾できる。それゆえに、制動制御ECU11によれば、検出結果の信頼性が高い状態で、低反射の障害物Bをより広い範囲で検出することができる。
これにより、判断部11Eが、本検出状態St22を示す状態信号St2を出力している状態であれば、カメラ12Bが障害物Bを検出していなくとも、制動制御ECU11が、上述した処理を実行することが可能である。しかも、自車両SCが大型トラックなどの大型車両であるとき、上述した衝突予測時間TTCが閾値TThよりも小さくなる程度に自車両SCと障害物Bとの間の距離が小さいとき、障害物Bは、カメラ12Bの画角からはみ出ている可能性が高い。そのため、上述した周辺監視装置12によれば、運転者によって認識されていない障害物Bと、自車両SCとの衝突が回避される可能性も高くなる。
なお、低反射の障害物Bは、歩行者である可能性が高い。そのため、判断部11Dが、仮検出状態であることを示す状態信号St1を出力しているとき、制動制御ECU11は、状態信号St1が他の検出状態を示すときよりも第1減速度a1が高まるように第1減速度a1を設定してもよい。
また、判断部11Eが、本検出状態St22を示す状態信号St2を出力しているとき、制動制御ECU11は、状態信号St2が他の検出状態を示すときよりも第2減速度a2が高まるように第2減速度a2を設定してもよい。
さらに、制動制御ECU11は、割り込み処理部を備えてもよい。割り込み処理部は、本検出状態St22であることを示す状態信号St2を入力して、第1制動から、第1制動よりも減速度の大きい自動制動への切り替えを判断する処理を停止させ、強制的に第1制動よりも減速度の大きい自動制動に移行する処理を実行させる。
なお、上述した変形例は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・判断部11Eは、障害物Bが存在する走行状態であることを示す状態信号St1を受け続けている状態で、障害物Bが存在することを示すカメラ12Bの検出結果Dpicを受けるとき、自車両SCの走行状態が、障害物Bの存在する本検出状態St22であることを示す状態信号St2を出力する構成でもよい。
[他の変形例]
・上記各実施形態、および、変形例において、制動制御ECU11の有する機能は、上述したソフトウェアとそれを実行するハードウェアとによって実現することも可能であるし、あるいは、ソフトウェアの一部の機能を、それを専用とする複数のハードウェアによって実現することも可能である。なお、第4実施形態のように、第2減速度a2を用いた停止予定距離Saの推定と、第3減速度a3を用いた停止予定距離Saの算出とが同時に行われる構成では、各停止予定距離Saを算出するためのハードウェアが個別に必要である。
・上記各実施形態、および、変形例において、制動制御ECU11の有する機能の一部は、制動装置に対する自動制動の切り替えの流れや自動制動の解除判断の流れが同じである範囲において、電子ブレーキシステムECUやゲートウェイECUなどの他のECUによって担われてもよい。
11…制動制御ECU、11A…通信部、11B…制動開始判断部、11B1,11B3…推定部、11B2,11B4,11D,11E…判断部、11C…優先機能判断部、11B5…第1推定部、11B6…第2推定部、11C1…第1解除判断部、11C2…第2解除判断部、11C3…オーバーライド判断部、12…周辺監視装置、12A…ミリ波レーダー、12B…カメラ、13…エンジンECU、13A…アクセルセンサ、21…ゲートウェイECU、21A…衝突センサ、21B…解除スイッチ、31…電子ブレーキシステムECU、31A…ABSバルブ、32…車両制御ECU、32A…クラッチストロークセンサ、33…メーターECU、33A…警報表示機、33B…警報ブザー、B…障害物、SC…自車両、Apedl…アクセル開度、N1…第1通信線、N2…第2通信線。

Claims (5)

  1. 自車両と障害物との衝突予測時間が閾値よりも小さいときに実行される自動制動の期間において、アクセルペダルの踏み込み操作に関するデータと、ギヤの分離操作に関するデータとを取得する取得部と、
    アクセル開度が増えるように前記アクセルペダルが踏み込まれていること、および、前記ギヤの分離操作が行われていないと見なされることの論理積条件である解除条件が成立するか否かを判断する判断部と、
    前記解除条件が成立すると前記判断部が判断したときに、前記自動制動を制動装置に解除させる信号を出力する出力部と、
    を備える自動制動制御装置。
  2. 前記判断部は、前記自動制動の前に前記ギヤの分離操作が終了してからシフトダウンに要する期間と見なされる期間が経過するまで、前記ギヤの分離操作は行われていると判断する
    請求項1に記載の自動制動制御装置。
  3. 前記解除条件は、単位時間あたりのアクセル開度の勾配が急加速と見なされる勾配以上であることを含む
    請求項1または2に記載の自動制動制御装置。
  4. 前記解除条件は、前記自動制動の期間において前記ギヤの分離操作が行われていないと見なされたときのアクセル開度を基準として急加速と見なされる割合以上に前記アクセル開度が増大することを含む
    請求項3に記載の自動制動制御装置。
  5. 前記解除条件は、アクセル開度が全開であると見なされる値以上であることを含む
    請求項4に記載の自動制動制御装置。
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