JP2015144982A - プラズマ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、該プラズマ処理の効率化を図ることができるプラズマ処理方法を提供する。【解決手段】パルス電源12からの高電圧パルスの供給に基づいて放電を発生させる放電電極部16を少なくとも有するプラズマ処理装置10を使用し、放電電極部16に窒素を含む流体を導入しながら、放電によりプラズマを発生させ、その活性種を流体と共に被処理物20に当てることにより、被処理物20の少なくとも表面を処理するプラズマ処理方法であって、流体の流速が20〜500mm/sであり、パルス電源12における放電電極部16の面積当たりの電力量が1.4?104(J/cm2)以上であり、放電電極部16の中心部から被処理物20までの離間距離が3〜1700mmである。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行うプラズマ処理方法に関する。
近時、プラズマ中の活性中性粒子を用いて、農作物や食品等の殺菌を行う試みがなされている(非特許文献1参照)。
ラジカルを生成する装置としては、上述した非特許文献1に記載された大気圧バリア放電プラズマトーチのほか、特許文献1及び2に記載された装置が知られている。
特許文献1に記載の装置は、第1の電極、第2の電極及び第3の電極からなる電極構成体を、ガスの流路の途中に設置し、第2の電極を第1の電極より上流側に設置し、第3の電極を第1の電極より下流側に設置して構成される。そして、パルス電源の一方の極を第1の電極に接続し、パルス電源の他方の極を第2の電極及び第3の電極に接続する。さらに、第1の電極を、第1のガス通過面を横切り、且つ、第1のガス通過面の一部を占めるように設置し、第2の電極及び第3の電極を、それぞれ第2のガス通過面及び第3のガス通過面を横切り、且つ、第2のガス通過面及び第3のガス通過面の一部を占めるように設置する。これにより、第1の電極より上流側及び下流側にプラズマが発生することとなる。また、第1の電極、第2の電極及び第3の電極の各末端が、放電の始点又は終点とならず、第1の電極、第2の電極及び第3の電極の耐久性が向上する。
特許文献2に記載の装置は、導電体で構成された筐体内に、流路形成物、トランス、電極構成体(陽極棒及び陰極板)、陽極側の給電経路及び陰極側の給電経路が収容されて構成される。陽極棒の延在方向と陰極板の延在方向とは非平行とされ、陽極棒及び陰極板はガス流路を横断する。陽極棒と陰極板とはガス流路の延在方向に離間して配置される。陽極棒の給電端とパルス電源の二次側巻線の正出力端とを電気的に接続し、陰極板の給電端と二次側巻線の負出力端とを電気的に接続し、さらに、筐体を陰極側の給電経路に電気的に接続する。これにより、パルス電圧の波形が乱れにくくなる。
国際公開第2011/065171号パンフレット 国際公開第2012/120928号パンフレット
IEEJ Journal,Vol.132 No.10.2012 p.702〜705「プラズマの農業応用−農産物殺菌から植物成長制御まで−」
しかしながら、非特許文献1並びに特許文献1及び2には、プラズマによって生成された活性種の見かけの寿命、対象物までの最適な離間距離等の検証がなく、プラズマ処理の効率化を実現させることが困難である。そのため、従来技術では、プラズマの発生による活性種を間接的に被処理物に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、プラズマ処理の効率化に限界が生じるという問題が内在している。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、該プラズマ処理の効率化を図ることができるプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係るプラズマ処理方法は、陽極と陰極とを有し、パルス電源からの高電圧パルスの供給に基づいて前記陽極と前記陰極間に放電を発生させる放電電極部を少なくとも有するプラズマ処理装置を使用し、前記放電電極部に窒素を含む流体を導入しながら、前記放電電極部において前記放電によりプラズマを発生させ、その活性種を前記流体と共に対象物に当てることにより、前記対象物の少なくとも表面を処理するプラズマ処理方法であって、前記流体の流速が20mm/s以上500mm/s以下であり、前記パルス電源における前記放電電極部の面積当たりの電力量が1.4×104(J/cm2)以上であり、前記放電電極部の中心部から前記対象物までの離間距離が3mm以上1700mm以下であることを特徴とする。
これにより、プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、該プラズマ処理の効率化を図ることができる。
[2] 本発明において、前記離間距離が30mm以上500mm以下であることが好ましい。
[3] 本発明において、前記パルス電源から出力される前記高電圧パルスのパルス周波数が1×103パルス/sec以上3×104パルス/sec以下であることが好ましい。
[4] 本発明において、前記パルス電源から出力される前記高電圧パルスのパルス周波数が3×103パルス/sec以上1×104パルス/sec以下であることが好ましい。
[5] 本発明において、前記放電電極部は、前記陽極となる1以上の第1放電電極と、前記陰極となる1以上の第2放電電極とを有し、前記流体の流通方向に沿って前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに離間して配列されていてもよい。これにより、第1放電電極及び第2放電電極間に発生する電界が最大となる方向に流体が流通することになるため、活性種の発生効率を向上させることができる。また、第1放電電極と第2放電電極との2段構造のほか、第1放電電極、第2放電電極及び第1放電電極、あるいは、第2放電電極、第1放電電極及び第2放電電極の3段構造でもよい。もちろん、4段以上の構造にしてもよい。多段構造にすることで、生成される活性種(例えばN2ラジカル)の量を増加させることができる。
[6] 前記第1放電電極は、第1導体を有する1以上の第1電極部を有し、前記第2放電電極は、第2導体を有する1以上の第2電極部を有し、前記第1電極部と前記第2電極部とが、互いに離間し、且つ、前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部とが交差した位置関係にあることが好ましい。第1電極部と第2電極部との離間距離を大きくすることで、第1電極部と第2電極部間の電圧が大きくなり、活性種の強度、例えばN2ラジカルの強度を向上させることができる。
[7] この場合、前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部とで複数の格子が形成されてもよい。格子構造とすることで、第1電極部及び第2電極部間に発生する電界を緩和させることができ、幅広のプラズマを生成することができる。これは、活性種の発生効率の向上につながる。
[8] また、前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部との交差部の数が1個/cm2以上25個/cm2以下であってもよい。
[9] この場合、前記交差部の配列ピッチが2〜15mmであってもよい。
[10] 前記交差部の配列ピッチが4〜6.5mmであることが好ましい。
[11] 高電位電極間距離/対向電極間距離の比が0.5〜3の範囲であることが好ましい。高電位電極間距離は、隣接する第1電極部の中心間の距離、すなわち、第1電極部の配列ピッチである。対向電極間距離は、第1電極部の交差部分と、第2電極部の交差部分との間の距離を示す。
[12] この場合、高電位電極間距離/対向電極間距離の比が0.8〜1.3の範囲であることがさらに好ましい。
[13] また、前記第1電極部は、前記第1導体と、該第1導体を被覆する第1セラミック層とを有し、前記第2電極部は、前記第2導体と、該第2導体を被覆する第2セラミック層とを有してもよい。
[14] 本発明において、前記パルス電源は、前記陽極及び前記陰極間に前記高電圧パルスを印加するパルス発生部と、前記陽極及び前記陰極間に放電を発生させるように前記パルス発生部を制御するパルス制御部とを有し、前記パルス発生部は、直流電源部の両端に直列接続されたトランス及びスイッチを有し、前記パルス制御部の前記スイッチに対するオン制御によって前記トランスへの誘導エネルギーの蓄積を行い、前記パルス制御部の前記スイッチに対するオフ制御によって前記トランスの二次側での前記高電圧パルスの発生を行うパルス発生回路を有してもよい。
本発明に係るプラズマ処理方法によれば、プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、該プラズマ処理の効率化を図ることができる。
本実施の形態に係るプラズマ処理方法で使用されるプラズマ処理装置を示す構成図である。 プラズマ処理装置の他の例を示す構成図である。 本実施の形態に係るプラズマ処理方法の他の使用例を示す構成図である。 放電電極部の第1放電電極及び第2放電電極の構成の一例を示す正面図である。 図5Aは図4におけるVA−VA線上の断面図であり、図5Bは図4におけるVB−VB線上の断面図である。 第1放電電極と第2放電電極間でプラズマが発生している状態を示す斜視図である。 高電位電極間距離と対向電極間距離との比(Pa/Dd)に対するn×Σ(1/k)(電界強度を印加電圧で除した(1/k)の和)の変化を示すグラフである。 パルス電源の構成を示す回路図である。 高電圧パルスのパルス周波数とパルス電源の電力量との関係を示すグラフである。 放電電極部の中心部から被処理物までの離間距離とパルス電源の電力量との関係を示すグラフである。 プラズマによって生成された活性種の見かけの寿命とパルス電源の電力量との関係を示すグラフである。 陽極を構成する第1放電電極と陰極を構成する第2放電電極間の容量と、放電電極部で発生するオゾン濃度との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るプラズマ処理方法の実施の形態例を図1〜図12を参照しながら説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
本実施の形態に係るプラズマ処理方法は、例えば図1に示すプラズマ処理装置10を使用して行われる。
このプラズマ処理装置10は、高電圧パルスを発生するパルス電源12と、パルス電源12からの高電圧パルスの印加によってプラズマを発生するリアクタ14とを有する。
リアクタ14は、陽極と陰極とを有し、且つ、パルス電源12からの高電圧パルスの供給に基づいて陽極と陰極間に放電を発生させる放電電極部16と、放電電極部16に窒素を含む流体を案内する流体案内部18とを有する。
そして、このプラズマ処理装置10は、放電電極部16に流体を導入しながら、放電電極部16において放電によりプラズマを発生させ、その活性種を流体と共に被処理物20に当てて、該被処理物20の少なくとも表面を処理する。従って、このプラズマ処理装置10を例えば殺菌処理に適用して殺菌装置とすることで、被処理物20の殺菌を行うことができる。被処理物20は例えばヒータ(図示せず)を有する基台22上に載置され、所定温度範囲に保温されていることが好ましい。もちろん、流体案内部18にヒータを設けて、流体を保温するようにしてもよい。流体の温度を高くすることで、処理時間(殺菌処理や表面処理等の時間)を短くすることができ、処理効率の向上につながる。なお、流体の温度は、例えば殺菌処理であれば50℃〜60℃が好ましく、金属の表面処理等であれば、70℃〜80℃が好ましい。
また、放電電極部16と被処理物20との間には、放電電極部16を通過する流体(活性種を含む流体)に酸素が混入しないように、下部に排気部24を有する筒状のチューブ25(例えばアクリル製のチューブ)で覆うことが好ましい。チューブ25の形状としては、図1に示すように、径が一定の筒状でもよいし、図2に示すように、流体の出力方向に向かって径が大きくなるスカート状でもよい。図2の例は、被処理物20の平面サイズが、放電電極部16の平面サイズよりも小さい場合でもよいし、大きい場合でもよい。
「活性種」は、ラジカル(オクテット則を満たさない中性非発光種)、励起種(分子/原子が高速な電子の衝突により、内部エネルギー状態が変化したもの(励起状態))、イオン、発光種、さらに活性種が流体分子と反応して生成した分子(例えばオゾン)等を指す。
被処理物20の平面サイズは、図1の例では、放電電極部16の平面サイズよりも小さい場合を示しているが、放電電極部16の平面サイズと同じあるいは大きくてもよい。平面サイズが放電電極部16の平面サイズよりも大きい被処理物20に対してプラズマ処理を行う場合は、図3に示すように、流体案内部18及び放電電極部16を被処理物20に沿って移動(走査)しながら被処理物20の表面(及び裏面)をプラズマ処理してもよい。この場合、図1や図2に示すチューブ25を取り付けて移動させることが好ましい。
放電電極部16は、図4に示すように、陽極となる第1放電電極26Aと、陰極となる第2放電電極26Bと、これら第1放電電極26A及び第2放電電極26Bを所定の位置関係で保持するケース28(図1参照)とを有する。第1放電電極26Aと第2放電電極26Bは、流通方向に沿って第1放電電極26Aと第2放電電極26Bとが互いに離間して配列される。これにより、第1放電電極26A及び第2放電電極26B間に発生する電界が最大となる方向に流体が流通することになるため、活性種の発生効率を向上させることができる。また、第1放電電極26Aと第2放電電極26Bとの2段構造のほか、第1放電電極26A、第2放電電極26B及び第1放電電極26A、あるいは、第2放電電極26B、第1放電電極26A及び第2放電電極26Bの3段構造でもよい。もちろん、4段以上の構造にしてもよい。多段構造にすることで、生成される活性種(この場合、N2ラジカル)の量を増加させることができる。
図4に示すように、第1放電電極26Aは、第1方向(x方向)に延び、且つ、第1方向と直交する第2方向(y方向)に配列した棒状の複数の第1導体30Aと、複数の第1導体30Aをつなぐ第1共通導体32Aと、少なくとも第1導体30Aを被覆する第1セラミック層34Aとを有する。第1導体30Aと該第1導体30Aを被覆する第1セラミック層34Aの部分を第1電極部36Aと記す。
第2放電電極26Bは、第2方向(y方向)に延び、且つ、第1方向(x方向)に配列した棒状の複数の第2導体30Bと、複数の第2導体30Bをつなぐ第2共通導体32Bと、少なくとも第2導体30Bを被覆する第2セラミック層34Bとを有する。第2導体30Bと該第2導体30Bを被覆する第2セラミック層34Bの部分を第2電極部36Bと記す。
第1導体30A及び第2導体30Bとしては、銅、鉄、タングステン、ステンレス、白金等を用いることができる。第1セラミック層34A及び第2セラミック層34Bとしては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等を用いることができる。
図5A及び図5Bに示すように、第1導体30A及び第2導体30Bの各直径d1及びd2は200〜1000μmである。また、第1導体30Aを被覆する第1セラミック層34A及び第2導体30Bを被覆する第2セラミック層34Bは共に、内部に50μm以上の気孔を有しない。なお、パーセンテージで表されるくらいに気孔率が大きいとセラミックスにかかる電圧でたちまち絶縁破壊するおそれがある。全体で1個でも50μmの閉気孔があるだけで、該閉気孔の部分から絶縁破壊し、アークプラズマとなりセラミックスが溶解するおそれがある。理想的には閉気孔は存在せず、材料中に分散する閉気孔の径が全て10μm未満であることが望ましい。
第1電極部36Aを軸方向に直交する方向に切断した断面において、第1導体30Aの面積をAa1、第1セラミック層34Aの面積をAb1とし、第2電極部36Bを軸方向に直交する方向に切断した断面において、第2導体30Bの面積をAa2、第2セラミック層34Bの面積をAb2としたとき、
0.1<Aa1/Ab1<1.0
0.08<Aa2/Ab2<2.0
である。
第1セラミック層34A及び第2セラミック層34Bが厚いと電界強度が低下し、電子に与えるエネルギーが下がり、ラジカルの発生が少なくなる。これは、第1導体30Aと第2導体30B間の誘電体が増えることに相当するため、見かけ上、容量成分が増加し、急峻な電圧上昇率(dV/dt)を得難くなる。そこで、上述した範囲であることが望ましい。
第1導体30A及び第2導体30Bの各直径d1及びd2は電界強度に影響を与える。特に、高電圧がかかる陽極(第1導体30A)は直径d1が小さいほどその表面の電界強度は高くなる。従って、第1導体30A及び第2導体30Bは細い方が好ましいが、強度及び形状を保つためには限界がある。そこで、第1導体30Aの直径d1は、0.2〜0.5mm、第1セラミック層34Aの厚みt1は0.25〜0.65mmが好ましい。また、第2導体30Bの直径d2は、0.5〜1.0mm、第2セラミック層34Bの厚みt2は0.25〜1.25mmが好ましい。
ケース28は、中央に流体が流通する例えば円形の貫通孔が設けられ、外周部の内部には、第1共通導体32A(図4参照)とパルス電源12からの正極側配線40A(図1参照)との図示しない接続部分と、第2共通導体32B(図4参照)とパルス電源12からの負極側配線40B(図1参照)との図示しない接続部分とが収容されている。
そして、第1放電電極26Aと第2放電電極26Bをケース28内に取り付けた際に、複数の第1電極部36Aと複数の第2電極部36Bとが互いに対向し、且つ、放電電極部16に対する流体の流通方向から見たときに、第1電極部36Aと第2電極部36B(図4参照)とが交差した位置関係(ねじれの位置関係)で保持される。すなわち、第1導体30Aと第2導体30Bとが交差した位置関係(ねじれの位置関係)で保持される。このとき、第1電極部36Aと第2電極部36Bとが交差した部分がケース28の貫通孔を通じて露出した状態となる。第1電極部36Aと第2電極部36Bとの離間距離を大きくすることで、第1電極部36Aと第2電極部36B間の電圧が大きくなり、N2ラジカル強度を向上させることができる。
放電電極部16に対する流体の流通方向から見たときに、図4に示すように、第1電極部36A(第1導体30A)と第2電極部36B(第2導体30B)とで複数の格子が形成される。格子構造とすることで、第1電極部36A及び第2電極部36B間に発生する電界を緩和させることができ、幅広のプラズマを生成することができる。これは、N2ラジカルの発生効率の向上につながる。この場合、第1電極部36A(第1導体30A)と第2電極部36B(第2導体30B)との交差部の数としては1個/cm2以上25個/cm2が選択可能である。また、交差部の配列ピッチは2〜15mmが選択可能であり、好ましくは3〜15mm、さらに好ましくは4〜6.5mmである。なお、交差部とは、第1電極部36Aと第2電極部36Bとが交差した部分を意味する。また、後述するように、第1電極部36Aの交差部分とは、第1電極部36Aのうち、交差部に対応した部分を意味する。同様に、第2電極部36Bの交差部分とは、第2電極部36Bのうち、交差部に対応した部分を意味する。
陰極である第2電極部36Bの配列ピッチPbは、例えば1〜10mm程度に小さくてもよいが、陽極である第1電極部36Aの配列ピッチPaは、第2電極部36Bとの間隙dc(図5A及び図5B参照)と正の相関をとるように設定することが好ましい。
そして、パルス電源12の正極が第1放電電極26A(陽極)に接続され、パルス電源12の負極が第2放電電極26B(陰極)に接続される。これにより、第1放電電極26Aから第2放電電極26Bに向かう電界が第1電極部36Aと第2電極部36Bとの間隙に印加される。その結果、第2電極部36Bのうち、第1電極部36Aと対向する面の近傍にイオンシース層(イオンがたくさん集まった状態)が形成され、第1電極部36Aと第2電極部36Bとの間隙にプラズマが発生する。図6に第1放電電極26Aの第1電極部36Aと第2放電電極26Bの第2電極部36B間でプラズマが発生している状態を示す。
ここで、第1電極部36Aを高電位電極とし、第2電極部36Bを接地電極とした場合の好ましい設置範囲について説明する。これは、第2電極部28Bを高電位電極とし、第1電極部28Aを接地電極とした場合にも同様である。
先ず、第2電極部36Bの延在方向をx方向とし、第2電極部36B上の第1電極部36Aとの交差部分をx方向の原点0としたとき、1本の第1電極部36Aと1本の第2電極部36B間のx方向の電界強度E(x)は、第1電極部36A上の第2電極部36Bとの交差部分と第2電極部36Bとの間の距離をk(x)とし、印加電圧をVとしたとき、
E(x)=V/k(x)
となる。
なお、距離k(x)は、第1電極部36Aの交差部分と、第2電極部36Bの交差部分との間の距離(対向電極間距離)をDd(図5A参照)としたとき、k(x)=√(Dd2+x2)から求めることができる。
従って、電界強度E(x)は原点0が最も強く、xが大きくなるほど次第に弱くなる。つまり、1/k(x)はx方向の電界強度への寄与度を示す係数と考えてもよい。
従って、両側の低電界強度から中心(原点)の高電界強度までx方向に沿って足した電界(厳密には積分した電界)が第1電極部36A上の第2電極部36Bとの交差部分に集中し、プラズマを立てる(生成する)。
このようなことから、xが大きくなるほど次第に電界強度は弱くなるものの、第1電極部36Aへの電界集中は高まることとなる。すなわち、第1電極部36Aの配列ピッチPaが広がるほど足し合わせる交差部分への電界が増え、放電し易くなり、プラズマが安定する。従って、第1電極部36Aは、周囲に同電位の第1電極部36Aが存在しない1本のときが最も電界集中するため、放電が安定する。また、xが大きい方からの電界強度への寄与度は小さいため、寄与度の小さい距離に別の第1電極部36Aを置いた方がトータルのプラズマ領域が広がり活性種の発生量が増える。
しかし、第1電極部36Aを増やしすぎると、以下のような問題が発生するおそれがある。すなわち、最も外側の第1電極部36Aの交差部分については、片側に第1電極部36Aが存在しないため、周辺部からの電界強度がさらに加わることになる。この場合に、第1電極部36Aを増やすと、第1電極部36Aの配列ピッチPaが狭くなるため、最も外側の第1電極部36Aにかかる電界強度が他の第1電極部36Aよりも強くなり、周辺部のみにプラズマが立つという非効率な状態になるおそれがある。
次に、Pa/Ddに対するn×Σ(1/k)について図7のグラフを参照しながら説明する。
Σ(1/k)は、電界強度を印加電圧で除した(1/k)の和である。nは、第1電極部36Aと第2電極部36Bとの交差部の個数である。第1電極部36Aの配列ピッチPaが広がると、第1電極部36Aにかかる電界強度は高くなるが、交差部の個数nは少なくなる。従って、n×Σ(1/k)は、第1電極部36A上の第2電極部36Bとの交差部分に第2電極部36Bからかかる電界強度の累積値に比例する値に、交差部の個数nを掛けて得られる値、すなわち、CPG面内のプラズマ発生部位(交差部)の累積電界強度の総和値を示す。この総和値は、活性種発生量と正の相関を持つ値である。
Pa/Ddに対するn×Σ(1/k)の関係は、図7に示すように、Pa/Ddが小さければ、n×Σ(1/k)が大きくなり、理想的には好ましいが、距離Ddを一定にして配列ピッチPaを小さくすると、上述したように、最も外側の第1電極部36Aにかかる電界強度が他の第1電極部36Aよりも強くなり、周辺部のみにプラズマが立つという非効率な状態となる。すなわち、放電が不安定で不均一となる。これは、配列ピッチPaを一定にして距離Ddを大きくしても同様である。また、反対に、距離Ddを一定にして配列ピッチPaを大きくすると、交差部に集中する電界強度が高くなるため、放電は強くなるが、交差部が少なくなるため、ストリーマが少なくなるという問題が生じる。これは、配列ピッチPaを一定にして距離Ddを小さくしても同様である。
このことは、単にn×Σ(1/k)が大きければよいというわけではなく、活性種を生成するストリーマ放電を発生させるには、好ましい範囲が存在することを示している。具体的には、第1電極部36A(高電位電極)の配列ピッチPa(高電位電極間距離)と対向電極間距離Ddの比(Pa/Dd)が0.5〜3の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、Pa/Ddが0.8〜1.3の範囲である。
ここで、パルス電源12の構成について図8を参照しながら説明する。
パルス電源12は、図8に示すように、陽極及び陰極間に高電圧パルスを印加するパルス発生部50と、陽極と陰極間に放電を発生させるようにパルス発生部50を制御するパルス制御部52とを有する。
パルス発生部50は、例えば下記構成を有するパルス発生回路54を有する。すなわち、このパルス発生回路54は、直流を供給する直流電源56と直流電源56からの直流の供給を安定させるキャパシタ58とを有する直流電源部60と、誘導エネルギーを蓄積するトランス62と、トランス62の一次巻線64への直流の供給経路66と、供給経路66を開閉するMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスタ)68及びSIサイリスタ70と、SIサイリスタ70のゲートへのバイアス付与経路72と、SIサイリスタ70のゲートへ電流が流入することを抑制し、SIサイリスタ70のゲートから電流が流出することを許容するダイオード74と、トランス62の二次巻線76からのパルス電圧の出力経路78とを有する。一方、パルス制御部52は、MOSFET68を駆動する駆動回路80を有する。
SIサイリスタ70及びMOSFET68は、ターンオンしたときに供給経路66を閉じ、ターンオフしたときに供給経路66を開くように、供給経路66に直列に挿入される。一次巻線64の一端82aは、直流電源56の正極及びキャパシタ58の一端に接続され、SIサイリスタ70のアノードは一次巻線64の他端82bに接続され、SIサイリスタ70のカソードはMOSFET68のドレインに接続され、MOSFET68のソースは直流電源56の負極及びキャパシタ58の他端に接続される。SIサイリスタ70のゲートは、バイアス付与経路72によりダイオード74を経由して一次巻線64の一端82aに接続される。ダイオード74のカソードは、一次巻線64の一端82aに接続され、ダイオード74のアノードは、SIサイリスタ70のゲートに接続される。ダイオード74により、SIサイリスタ70が電圧駆動により正バイアスされ、電流駆動により負バイアスされる。トランス62に代えて単一の巻線を備えるインダクタを使用し、インダクタから直接的にパルス電圧を出力してもよい。
そして、駆動回路80からMOSFET68へのオン信号の入力が始まり、MOSFET68がターンオンすると、SIサイリスタ70のゲートが正バイアスされ、SIサイリスタ70もターンオンする。これにより、供給経路66が閉じられる。供給経路66が閉じられると、一次巻線64への直流の供給が始まり、トランス62への誘導エネルギーの蓄積が始まる。
駆動回路80からMOSFET68へのオン信号の入力が終わり、MOSFET68がターンオフすると、一次巻線64に発生した誘導起電力により、SIサイリスタ70のゲートが負バイアスされ、SIサイリスタ70も高速にターンオフする。これにより、供給経路66が高速に開かれる。供給経路66が高速に開かれると、相互誘導により二次巻線76に誘導起電力が発生し、二次巻線76から正極84と負極86との間に立ち上がり時の電圧Vの時間上昇率dV/dtが著しく大きいパルス電圧が出力される。
パルス電圧のパルス幅は、半値全幅(FWHM)で10〜1000nsであることが望ましく、立ち上がり時の電圧Vの時間上昇率dV/dtは、30〜3000kV/μsであることが望ましく、単位時間当たりの繰り返し数(パルス周波数)は、1.0×103パルス/sec(1.0kpps)以上3×104パルス/sec以下であることが望ましい。さらに望ましくは、3.0×103パルス/sec以上1×104パルス/sec以下である。
パルス電源12のより詳細な動作原理は、例えば飯田克二、佐久間健:「SIサイリスタによる極短パルス発生回路(IES回路)」、SIデバイスシンポジウム講演論文集(2002)に記載されている。
一方、流体案内部18は、図1〜図3に示すように、流体を放電電極部16に対して均一に供給する整流網部88を有する。
整流網部88は、図示しないが、1以上の整流網と、整流網を両側(上流側及び下流側)から押さえる押さえ枠とを有する。整流網の開口率は10〜45%が望ましい。
そして、本実施の形態に係るプラズマ処理方法は、放電電極部16に窒素を含む流体を導入しながら、放電電極部16において放電によりプラズマを発生させ、その活性種を流体と共に被処理物20に当てることにより、被処理物20の少なくとも表面を処理する。
この場合、パルス電源12における放電電極部16の面積当たりの電力量は1.4×104(J/cm2)以上であることが好ましい。これにより、活性種の見かけの寿命として最大で4.5秒を実現することができる。流体の流速を20mm/s以上500mm/s以下とすることで、図1に示すように、放電電極部16の中心部から被処理物20までの離間距離Laを3mm以上1700mm以下にすることができる。ここで、活性種の見かけの寿命とは、プラズマによって生成された活性種の実際の寿命ではなく、被処理物の表面での滅菌が確認された場合における離間距離Laを流体の流速で除した値(時間)を示す。これは、プラズマ中で発生した活性種がそのまま被処理物に到達する場合や、プラズマ中で発生した活性種に起因してプラズマから離れた場所で生成された別の活性種が被処理物に到達する場合等が考えられるからである。
すなわち、本実施の形態においては、プラズマによって生成された活性種を間接的に対象物(被処理物20)に当てて殺菌等のプラズマ処理を行う場合に、該プラズマ処理の効率化を図ることができる。
ここで、プラズマ処理方法での殺菌特性について、図9〜図12を参照しながら説明する。
図9は、被処理物20の雰囲気を1気圧、ケースの貫通孔の径を30mm、流体である窒素ガスの供給流量を2リットル/min、離間距離Laを194mmとした場合に、高電圧パルスのパルス周波数とパルス電源12の電力量との関係を示すグラフである。図9において、殺菌効果があったポイントを「●」で示し、殺菌効果がなかったポイントを「×」で示す。縦軸の電力量は対数目盛である。
図9に示すように、1.5kppsでは2.0×105(J)以上で殺菌効果があり、2.5kppsでは1.0×105(J)以上で殺菌効果があることがわかる。
図10は、被処理物20の雰囲気を1気圧、ケースの貫通孔の径を30mm、窒素ガスの供給流量を2リットル/min、パルス周波数を1.5kppsとした場合に、離間距離Laとパルス電源12の電力量との関係を示すグラフである。図10において、殺菌効果があったポイントを「■」で示し、殺菌効果がなかったポイントを「×」で示す。縦軸の電力量は対数目盛である。
図10に示すように、離間距離Laが34mmでは6.0×104(J)以上で殺菌効果があり、194mmでは2.0×105(J)以上で殺菌効果があることがわかる。なお、窒素を含む流体の流速は47mm/sであったことから、離間距離Laが194mmの場合から換算して、活性種の見かけの寿命が少なくとも4.12秒であることがわかる。
図11は、被処理物20の雰囲気を1気圧、ケースの貫通孔の径を30mm、窒素ガスの供給流量を2リットル/min、パルス周波数を1.5kppsとした場合に、活性種の見かけの寿命とパルス電源12の電力量との関係を示すグラフである。縦軸の電力量は対数目盛である。
図11に示すように、パルス電源12の電力量を大きくするに従って、活性種の見かけの寿命が長くなり、パルス電源12の電力量が1.0×155(J)以上であれば、見かけの寿命として2秒以上を実現することができ、実用性に富むことがわかる。
図12は、陽極を構成する第1放電電極26Aと陰極を構成する第2放電電極26B間の容量と、放電電極部16で発生するオゾン濃度との関係を示すグラフである。ここでは、流体としての空気の供給流量を860リットル/min、パルス周波数を1.0kppsとした。第1放電電極26Aと第2放電電極26B間の容量は、第1電極部36Aと第2電極部36Bとの交差部の数で示した。図12では、第1電極部36Aと第2電極部36Bとが共に1本の場合の交差部の数を1×1と示し、以下同様に、2×2、3×3、・・・7×7と示した。
図12に示すように、交差部の数が増えるに従って、すなわち、第1放電電極26Aと第2放電電極26B間の容量が大きくなるに従って、発生するオゾン濃度も高くなっていることがわかる。交差部を増やす構造としては、第1放電電極26Aの第1電極部36Aの本数と、第2放電電極26Bの第2電極部36Bの本数を増やすようにしてもよいし、例えば第2放電電極26Bを間に挟んで、第2放電電極26Bの両側にそれぞれ第1放電電極26Aを設置し、3段構造にしてもよい。もちろん、4段以上の構造にしてもよい。
なお、第1放電電極26A及び第2放電電極26Bを作製する場合は、ゲルキャスト法を用いることが好ましい。ゲルキャスト法では、金型内に、第1導体30Aをセットし、セラミック粉末、分散媒、及びゲル化剤を含むスラリーを注型した後に、このスラリーを温度条件や架橋剤の添加等によりゲル化させることにより固化し、成形して、その後、焼成することで、第1放電電極26Aを作製する。第2放電電極26Bも同様の方法により、作製することができる。このゲルキャスト法によれば、スラリーの低粘度状態を介して第1導体30Aと混合させるため、混合後に空隙が残存しにくい。そのため、成形後に、焼成を行って第1放電電極26Aを作製しても、第1セラミック層34Aは緻密な状態が保たれる。第2セラミック層34Bにおいても同様である。
なお、本発明に係るプラズマ処理方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…プラズマ処理装置 12…パルス電源
14…リアクタ 16…放電電極部
18…流体案内部 20…被処理物
26A…第1放電電極 26B…第2放電電極
30A…第1導体 30B…第2導体
34A…第1セラミック層 34B…第2セラミック層
36A…第1電極部 36B…第2電極部

Claims (14)

  1. 陽極と陰極とを有し、パルス電源からの高電圧パルスの供給に基づいて前記陽極と前記陰極間に放電を発生させる放電電極部を少なくとも有するプラズマ処理装置を使用し、前記放電電極部に窒素を含む流体を導入しながら、前記放電電極部において前記放電によりプラズマを発生させ、その活性種を前記流体と共に対象物に当てることにより、前記対象物の少なくとも表面を処理するプラズマ処理方法であって、
    前記流体の流速が20mm/s以上500mm/s以下であり、
    前記パルス電源における前記放電電極部の面積当たりの電力量が1.4×104(J/cm2)以上であり、
    前記放電電極部の中心部から前記対象物までの離間距離が3mm以上1700mm以下であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理方法において、
    前記離間距離が30mm以上500mm以下であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 請求項1又は2記載のプラズマ処理方法において、
    前記パルス電源から出力される前記高電圧パルスのパルス周波数が1×103パルス/sec以上3×104パルス/sec以下であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 請求項1又は2記載のプラズマ処理方法において、
    前記パルス電源から出力される前記高電圧パルスのパルス周波数が3×103パルス/sec以上1×104パルス/sec以下であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、
    前記放電電極部は、前記陽極となる1以上の第1放電電極と、前記陰極となる1以上の第2放電電極とを有し、
    前記流体の流通方向に沿って前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに離間して配列されていることを特徴とするプラズマ処理方法。
  6. 請求項5記載のプラズマ処理方法において、
    前記第1放電電極は、第1導体を有する1以上の第1電極部を有し、
    前記第2放電電極は、第2導体を有する1以上の第2電極部を有し、
    前記第1電極部と前記第2電極部とが、互いに離間し、且つ、前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部とが交差した位置関係にあることを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 請求項6記載のプラズマ処理方法において、
    前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部とで複数の格子が形成されることを特徴とするプラズマ処理方法。
  8. 請求項6又は7記載のプラズマ処理方法において、
    前記放電電極部に対する前記流体の流通方向から見たときに、前記第1電極部と前記第2電極部との交差部の数が1個/cm2以上25個/cm2以下であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  9. 請求項8記載のプラズマ処理方法において、
    前記交差部の配列ピッチが2〜15mmであることを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 請求項9記載のプラズマ処理方法において、
    前記交差部の配列ピッチが4〜6.5mmであることを特徴とするプラズマ処理方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、
    高電位電極間距離/対向電極間距離の比が0.5〜3の範囲であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  12. 請求項6〜10のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、
    高電位電極間距離/対向電極間距離の比が0.8〜1.3の範囲であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  13. 請求項6〜12のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、
    前記第1電極部は、前記第1導体と、該第1導体を被覆する第1セラミック層とを有し、
    前記第2電極部は、前記第2導体と、該第2導体を被覆する第2セラミック層とを有することを特徴とするプラズマ処理方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のプラズマ処理方法において、
    前記パルス電源は、前記陽極及び前記陰極間に前記高電圧パルスを印加するパルス発生部と、前記陽極及び前記陰極間に放電を発生させるように前記パルス発生部を制御するパルス制御部とを有し、
    前記パルス発生部は、直流電源部の両端に直列接続されたトランス及びスイッチを有し、前記パルス制御部の前記スイッチに対するオン制御によって前記トランスへの誘導エネルギーの蓄積を行い、前記パルス制御部の前記スイッチに対するオフ制御によって前記トランスの二次側での前記高電圧パルスの発生を行うパルス発生回路を有することを特徴とするプラズマ処理方法。
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