JP2015143879A - 光学シート、面光源装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、柱状プリズム等による光学要素面の反対側を、最外面が粗面の凹凸塗膜や表面が平滑の耐擦傷性塗膜とした光学シートであって、しかも光学シートを2枚重ねで使用したり、ロールにして保管や運搬したりして光学シート同士で表裏が接触したり、或いは他の部材と接触したりしても、光学シート自体の表裏面が傷付き難く耐擦傷性に優れる上、輝度が向上する光学シートに関する。並びに、それを用いた面光源装置、及び該面光源装置を用いた液晶表示装置に関する。
例えば、特許文献1では、単位光学要素として三角柱単位プリズム等を配列したプリズム面の反対側の面を、高さが光源光の波長以上、100μm以下の空隙形成用の微小な突起を多数有する粗面にした光学シートが開示されている。プリズム面の反対側面を単なる平滑面とせずに、この様な粗面とすることで、光学シートのプリズム面の反対側面に導光板を隣接して配置したときに、導光板との光学密着を防止し、該光学密着による輝度の面内不均一化、干渉縞等を効果的に防げる様になる。
そこで、特許文献2では、この様な隣接配置される他の光学部材に対する傷付を防止する為に、塗膜中に含有させる微粒子として粒子径分布の半値幅が1μm以下の単分散の球状ビーズを用いる技術を提案している。
微粒子を用いて改善されたとしても、なお光学シート自身の傷付きも発生しており、その解消が望まれた。
即ち、光学シートが他の光学部材ではなく自分自身を傷付ける現象は、第1には、光学シートを面光源装置にアセンブリする前の段階で、製品として光学シートを出荷する前の段階で発生する。それは、光学シートは通常、生産性の点で帯状シートの形態で製造し、それをロールに巻き取り保管、搬送し、必要なときに、用途に応じた形状及びサイズの枚葉シートに切断して出荷する。また、枚葉シートに切断した後の光学シートは、積み重ねて保管、搬送する。これらのロール状態、及び、積み重ね状態では、光学シートの表面(最外面)と、その上に重ねられた光学シートの裏面(対向する最外面)とが互いに接触している。この状態で、保管時や運搬時の振動等によって、互いに接触する表裏面が擦られ、これが原因となって、傷付きや脱落した微粒子による更なる傷付きが発生するのである。このような傷付きは、プリズム面およびプリズム面の反対側の塗膜面(表裏面)のいずれかにも発生する。
ところで、この様な、光学シート使用時までの表裏面の傷付きは、表裏面に保護フィルムを貼り付けておき、光学シートを面光源装置等にアセンブリするときに、該保護フィルムを剥離すれば、解決する。ただ、低コスト化及び省資源の観点から、最終的には不要となる保護フィルムは、なるべくならば省略できる様にするのが好ましい。
この様に複数枚の光学シートを隣接して重ね合わせた構成を有する面光源装置、或いは該面光源装置を用いた液晶表示装置などの光学装置では、各光学シートがアセンブリされた後の状態でも、振動の影響で同様に光学シートの表裏面に傷付きが発生することがある。それは、光学装置に於いても、半製品、商品などとして保管、搬送するときに振動が加わることがあるからである。
また、光学シートを重ね合わせなくても、導光板や液晶パネル等の他の光学部材と光学シートとが隣接配置されると、他の光学部材との接触状態での保管、搬送等による振動によって、同様に光学シート自体の表裏面が傷付くことがある。
尚、その際に、プリズム等の単位光学要素の方は、比較的広い面積で外力を受けることが出来、又微粒子等の脱落し易い物を含まない為、特開2009−37204号公報記載のような柔軟で復元性を有する樹脂で構成することによって、外力による傷付きを防止する設計も可能である。一方、凹凸塗膜の方は、比較的狭い面積に応力が集中することに加えて、脱落し易い微粒子も含有する為、塗膜に復元性を付与しても傷付き防止は、依然困難であった。
但し、塗膜面の方は、該面が平滑であるが故に、逆に傷が目立ち易くなる。光学特性に影響の無い程度の傷でも、外観検査で不良と判定されたり、商品価値を低く評価されることは不可避である。一方、プリズム面の方は、プリズム面の筋状外観や集光乃至光拡散特
性に紛れて傷が視認され難い為、光学特性に影響の無い程度の傷であれば、傷は許容の余地が有る。
従って、プリズム面の反対側の塗膜面が平滑面の場合であっても、光学シート表裏面同士の摩擦に起因する傷付低減の課題は殘る。中でも特に、塗膜面の傷付き低減は重要な課題となり、保護フィルムレスを目指す場合、上記の様に、光学シート同士の接触による傷付きには対処する必要があった。
また、この様な光学シートを用いることで、該光学シート等の光学部材が傷付き難い、面光源装置と液晶表示装置を提供することである。
(1)シート状の本体部の一方の面に単位光学要素を配列してなり、該本体部の他方の面に、最外面が微小突起によって粗面を呈する凹凸塗膜又は最外面が平滑な耐擦傷性塗膜を有する光学シートであって、前記配列された単位光学要素で形成される光学要素面の硬度Heと、前記凹凸塗膜又は耐擦傷性塗膜の塗膜面の硬度Hmとについて、
JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)した鉛筆硬度で、硬度HmがF以上であり、且つ硬度Hmが硬度He以上(硬度Hm≧硬度He)であり、
且つ前記凹凸塗膜又は耐擦傷性塗膜を成す樹脂の屈折率Nmが、前記シート状の本体部に於ける該他方の面側に面する部分の屈折率Nsよりも小さい、光学シート。
(2)上記硬度He及び硬度Hmの関係が、更に、鉛筆硬度スケール上で1単位硬い硬度を+1としたときに、硬度He+3≧硬度Hm≧硬度He+2である、上記(1)の光学シート。
(3)上記(1)又は(2)のいずれかの光学シートを、表裏を同じ向きで2枚重ね合わせてなる、光学シート。
(5)上記(4)の面光源装置と、該面光源装置の出光面上に載置した透過型液晶表示パネルとを、少なくとも備えた液晶表示装置。
度がその分低下することもなく、塗膜を設けたことによって層数が増えても輝度が低下することがない。しかも、耐擦傷性を確保した上で輝度も向上できる。
また、光学シートがロール状態での保管、運搬等で振動を受けても表裏面の傷付きを防げ、外観不良等で品質が低下しない。その結果、光学シートの表裏両面に通常は使用時まで一時的に貼り付けておく保護フィルムが不要となるので、省資源、低コスト化を図ることができる。
(2)また、本発明による面光源装置及び液晶表示装置では、上述した効果の様に光学シートの表裏面の耐擦傷性が向上しているので、装置が、保管や運搬等で振動を受けても組み込まれた光学シートの表裏面の傷付きを防ぎ、品質を低下させず、輝度を向上することができる。
先ず、本発明による光学シートの一実施形態を、図1(a)の斜視図で示す。同図に示す光学シート10は、シート状の本体部1の一方の面1p(図面では図面上方の面)に、単位光学要素2として断面三角形の単位柱状プリズムをその稜線方向を互い平行にして多数配列してなるプリズム群を有し、該本体部1の他方の面1qに、最外面が粗面をなす凹凸塗膜3を有する。この凹凸塗膜3は、バインダ樹脂中に微粒子を含有する塗料で塗工形成され、微粒子の存在によって最外面に微小突起が形成されることで最外面を粗面にしたものである。そして、この光学シート10は、単位光学要素2を有する側の最外面が光学要素面Peとなり、凹凸塗膜3を有する側の最外面が塗膜面Pmとなっている。
る光学要素面Peの硬度Heと、凹凸塗膜3又は耐擦傷性塗膜4(両者を総称して、単に「塗膜」或いは「塗膜3、4」とも呼称する)によって形成された塗膜面Pmの硬度Hmとについて、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して荷重1000g、速
度1mm/sの条件で測定した鉛筆硬度で、硬度HmがF以上とし、且つ、硬度Hm≧硬度He、つまり硬度Hmが硬度He以上としてある。
更に好ましくは、硬度He+3≧硬度Hm≧硬度He+2とする領域Ebとすることで、光学要素面Peが硬すぎることで(脆くなる為か)傷付くのを防げる。
次に、本発明において用いる主要な用語について、その定義をここで説明しておく。
「光学要素面Pe」は、一方の面1pに単位光学要素2が隙間なく配列され一方の面1pが埋め尽くされるときは、配列された単位光学要素2のみの面となる。また、一方の面1pに単位光学要素2が隙間を空けて配列されるときは、配列された単位光学要素2との面に加えて更に該隙間に於ける一方の面1pを含む面となる。
「光学要素側」を「出光側」とする向きで光学シート10を使用する場合は、「光学要素側」は光学シート10をディスプレイに適用した時にディスプレイ画像を観察する「観察者側」となる。
「表裏面」とは、光学要素面Peと塗膜面Pmとの相互関係を問題とするときに、該両面を総括する呼称である。ここで、表(面)や裏(面)の語は、特に画像観察者や光源等を基準として表側や裏側の面を意味するものでは無い。
又、「光学シートを、表裏を同じ向きで2枚重ね合わせてなる」とは、2枚以上の光学シート10a、10b、・・を図3の如く(2枚の場合を図示)、各光学要素面Pe、Pe、・・が全て同一方向(図3に於いては、上方)を向くようにして重ね合わせ、1つの光学シート10bの光学要素面Peが隣接する光学シート10aの塗膜面Pmと対面するようにすることを意味する。
「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味する。すなわち、或る程度の割合の可視光が、光学シート10を構成する面においてスネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。したがって、例えば、本体部1の他方の面1qの十点平均粗
さRz(JISB0601:1994年版)が最短の可視光波長(0.38μm)未満となっていれば、十分、平滑に該当する。
形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「三角形」、「円形」、「楕円形」、「平行」、「直交」、「折れ線」等の用語は、厳密な意味に縛られることなく、製造技術における限界や成型時の誤差も含めて、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差、許容範囲、乃至は均等範囲を含めて解釈される用語である。
以下、光学シートについて、各層について更に説明する。
本体部1としては、ポリリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の透明樹脂材料、或いはガラス、セラミックス等の透明無機材料を用いることができる。
本体部1は「シート状」であるが、ここで「シート」とは、「フィルム」、「板」の概念も含むものであり、これらの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。つまり、厚みや剛性によって区別されるものではない。例えば、本体部1の厚さは、25μm〜5mm等である。
但し、生産性に優れる点では、光学シートはロールに巻き取れる可撓性を有することが好ましく、この点では、剛直な所謂板乃至は基板と呼ばれるものではない方が好ましい。この点を考慮すると、本体部1の厚さは、25μ〜500μm程度が好ましい。
なお、本体部1の他方の面1qは、塗膜3、4が形成される面であり、通常は平滑面であるが、非平滑面とすることも出来る。
また、本体部1の一方の面1p及び他方の面1qは、共に通常は平面であり、本体部1は板のときは平板状となる。
なお、本体部1及び単位光学要素2からなる光学シート10の部分は、従来公知の方法及び透明材料より形成することができる。例えば、単位光学要素2が配列されて形成される光学要素群と本体部1とを、溶融押出法、射出成形法、熱プレスによるエンボス法等の成形法で同一材料で一体的に成形して形成することができる。或いは、予め成膜乃至は成形した本体部1に対して、樹脂液を接触させ且つ該樹脂液を成形型と前記本体部1とで挟んだ状態で、硬化反応等の化学反応或いは冷却によって固化させて、表面にプリズム形状など光学要素群を賦形する成形法によって、異なる層として形成することもできる。なお、樹脂液に紫外線や電子線等の電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を使用して電離放射線で硬化させる場合は、所謂2P法(フォトポリマー法)と呼ばれている。このとき、本体部1として樹脂シート等の透明基材を用いると、透明基材上に樹脂層からなる光学要素群が形成される。つまり、隣接する光学要素2同士の間に谷部でも僅かな厚みの樹脂層が形成される。この様なときは、本体部1は、該谷部の樹脂層の厚みに該当する、谷部及び谷部以外の部分での樹脂層と、透明基材とから構成され、透明基材上に形成した樹脂層の厚みの一部を含むことになる。
該電離放射線硬化性樹脂としては、凹凸塗膜の樹脂として後述する各種のモノマー及び/又はプレポリマーの中から、塗膜面Pmの鉛筆硬度と光学要素面Peの鉛筆硬度との間の特定の関係を満たすような材料を選択する。
単位光学要素2は、代表的には単位柱状プリズムであるが、この他、マイクロレンズ(マイクロレンズが多数が配列したものが、フライアイレンズ或いは蝿の目レンズなどと呼ばれている)など、従来公知の各種単位光学要素を適宜採用することができる。
以下、ここでは単位柱状プリズムについて、更に説明する。
単位柱状プリズムは、代表的には主切断面の形状が、本体部1側を底辺とする三角形形状の単位プリズムである。この様な、単位柱状プリズムとしては、従来公知の各種プリズムを適宜採用することができる。また、主切断面形状は、三角形、四角形、五角形、六角形等の様な直線のみからなる形状の他、一部に曲線がある形状、曲線のみからなる形状(例えば、円、楕円、抛物線、双曲線、正弦曲線等の曲線の一部)も含み得る。
なお、主切断面形状が円、楕円等の曲線一部の場合は、単位柱状レンズと呼ぶこともでき、本発明に於ける単位柱状プリズムには単位柱状レンズも含み得る。
また、単位柱状プリズムとして、特許第3119471号公報、特表2002−504698号公報等に記載の稜線の高さが折れ線状に変化し一定でない形状は、プリズム面側での光滲潤や干渉縞等の光学密着に起因する諸問題を防げる点で、好ましい形状の一種である。なお、稜線の高さを折れ線状に変化させた単位柱状プリズムを配列したプリズム群を製造するには、例えば、従来からこの種のプリズム群の製造に利用されているシリンダ状(円筒状)成形型を、切削バイトで作製するときに、切削バイトの切削深さを折れ線状に変化させつつ切削していくことで、容易に製造できる。
ここで、単位柱状プリズム及びそれからなる光学要素群(プリズム群)の寸法の具体例を示せば、単位柱状プリズムの底面の幅(プリズム配列方向での寸法)は10〜500μm、稜線を形成する頂部の高さは5〜250μm、主切断面形状は二等辺三角形状のとき稜線を形成する頂角は80〜110°好ましくは90°である。
塗膜のうち凹凸塗膜3の形態は、少なくともバインダ樹脂を含み、外部(周囲の雰囲気等)に露出した最外面が粗面となった透明な層である。凹凸塗膜3は、微粒子を含まない
構成であり、成形型によって塗膜表面に凹凸(粗面)を形成したものでも良いし、或はバインダ樹脂と微粒子とを含む構成とし、微粒子の塗膜表面への突出によって凹凸を形成しても良い。以下、特に、バインダ樹脂に微粒子を含む形態について詳述する。
この様な形態の場合、凹凸塗膜3は、バインダ樹脂と微粒子を必須成分とし、更に必要に応じて、各種添加剤、溶剤等を含む樹脂組成物(塗液、塗料)によって塗布形成することができる。樹脂組成物が溶剤を含むことによって、固化時に塗膜体積収縮による膜厚減少によって、微粒子の部分が浮き上がる様に突出した微小突起が形成され、凹凸塗膜3の表面、つまり塗膜面Pmが粗面として形成される。又、バインダ樹脂を架橋反応、附加重合反応等によって硬化する樹脂を用い、硬化時の体積收縮によって、微粒子が凹凸塗膜表面に突出して、粗面が形成される様にしても良い。
尚、上記微粒子を含む何れの形態に於いても、突出した微粒子表面は、バインダ樹脂で被覆される形態、或はバインダ樹脂で被覆されない形態の何れも可能である。但し、突出した微粒子の脱落防止、及び本発明が目指す光学シート自体の表裏面に対する傷付き防止効果の更なる向上の為には、突出した微粒子表面をバインダ樹脂が被覆する形態の方が好ましい。
上記バインダ樹脂としては、第1には、微粒子をバインダ樹脂マトリック中に強固に固定し、凹凸塗膜3自体の本体部1からの剥離を防ぐ観点から、本体部1及び微粒子との密着性が強い透明な樹脂を適宜採用すると良い。
この様なバインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂、或いは、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂などの透明な樹脂を使用できる。例えば、熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等であり、熱硬化性樹脂は熱硬化性アクリル系樹脂、熱硬化性ポリエステル系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂等であり、電離放射線硬化性樹脂は紫外線や電子線等の電離放射線の照射で硬化する、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等である。なお、硬化性樹脂の場合は、硬化剤、重合開示剤などが該樹脂成分の一部として含み得る。
上記各種バインダ樹脂のなかでも、特に電離放射線硬化性樹脂は、硬化が迅速で生産性に優れる上、形成される凹凸塗膜3の塗膜強度を強くでき耐擦傷性を優れたものに出来る点で好ましい。
上記モノマー(単量体)としては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなど
オキセタン類等が挙げられる。
この他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
更に、上記バインダ樹脂としては、第2には、輝度を向上させる観点から、該樹脂の屈折率Nmを、本体部1に於ける塗膜面に面する部分(他方の面1qに面する部分)を成す樹脂の屈折率Nsに比べて小さいものを採用する。この結果、光学シート10の入光面側に設けた凹凸塗膜3の塗膜面で生じ得る拡散や反射等による光の損失を抑制できる結果、その分、輝度を向上できることになる。また、空気層との界面での屈折率差は、屈折率Nsの本体部1の面が露出している場合よりも、該屈折率Nsよりも小さい屈折率Nmの凹凸塗膜3の面が露出している場合の方が、小さい。従って、この点でも、空気との屈折率差が小さい凹凸塗膜3の存在によって、その分、輝度を向上できることになる。
)1/2は( )の平方根を意味する)現実に使用可能な材料でこの関係を厳密に満たすの
ことは、一般的には、難しいことが多いが、可能な範囲内で極力この関係に近付く設計とするのが良い。
凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmを、本体部1の屈折率Nsよりも小さくするには、本体部1が例えばポリエチレンテレフタレートからなる場合、屈折率Nsを1.65とすれば、凹凸塗膜3を成す樹脂は、屈折率Nm<1.65、である樹脂を使用すれば良く、特に、Nm=(1.65)1/2=1.29が最適である。
原子含有モノマー以外にフッ素原子非含有モノマーを併用したポリマー(共重合体)でも良く、フッ素原子非含有モノマーを併用により、ポリマー自体で屈折率、密着性などの物性調整を行ってもよい。
フッ素原子含有ポリマーとしては、塗膜強度や硬化が迅速な点で電離放射線硬化性のものを好ましく用いることができる。例えば、フッ素原子含有アクリレート系電離放射線硬化性樹脂である。フッ素原子含有ポリマーによれば、屈折率Nmを1.45以下にすることが可能である。また、フッ素原子含有アクリレート系電離放射線硬化性樹脂は、フッ素原子を含有していないフッ素原子非含有アクリレート系電離放射線硬化性樹脂を併用しても良い。例えば、多官能アクリレート系モノマーの併用などである。
中実の無機微粒子としては、シリカ(屈折率1.45)、弗化マグネシウム(屈折率1.38)、Na3AlF6(屈折率1.33)等があり、平均粒子径は例えば10nm〜100nmである。また、中空状微粒子としては、内部に空洞を有する中空シリカが代表的であり、平均粒子径は例えば平均粒子径は例えば10nm〜100nmである。
なお、低屈折率剤は、その屈折率低下効果の点で、バインダ樹脂に対して通常50〜200wt%の範囲で使用される。
凹凸塗膜3を、前記した様に、バインダ樹脂と共に表面凹凸形成の為に微粒子を必須成分とし構成する場合、該微粒子としては、光学シートとしての基本性能である光透過性を損なわない様に透明性を有する微粒子を用いることができる。なかでも、粒子形状が球状の球状粒子が微粒子として好ましい。なお、球状とは粒子形状が球状乃至はそれに近い略球状の粒子である。粒子形状を球状とすることで、微粒子によって凹凸塗膜3の表面に生成される微小突起の頂上部及びその周辺の形状を、角ばった形状ではなく、丸みを帯びた形状にして生成できる。しかも、更に、微小突起部分で微粒子が露出せず、球状粒子の微粒子をバインダ樹脂で被覆する形態とした場合は、微粒子が脱落し難くなる上、バインダ樹脂自体が接触する部分となる。その結果、微小突起を形状的に滑り易い形状にできるので、光学シートに接触する光学部材、或いは該光学シート自体(それも微小突起の先端など微小突起自体)を摩擦等によって傷付き難くして、接触部の欠け等の防止に効果的となる。
この様な球状の微粒子、つまり球状粒子としては、アクリル樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ポリウレタン樹脂ビーズ等の樹脂ビーズの他、ガラスビーズ、シリカビーズ等の無機質ビーズを用いることができる。
ところで、この表面凹凸形成用の微粒子を、前記した低屈折率剤と兼用させることも出来る。但しその為には、低屈折率化効果の点で、バインダ樹脂に対して50〜200wt
%程度などと、同レベルで含有させる必要がある。しかし、こうすると、表面凹凸形成用の微粒子の方はバインダ樹脂に対して通常最大でも5wt%以下で含有させるのが好ましいので、該微粒子によって、表面凹凸を意図した様に形成することが難しくなり、且つ光拡散性が必要以上に強くなり過ぎる。従って、表面凹凸形成用の微粒子は、光学密着防止用の可視光線波長以上の微小突起を形成するのに足る1〜10μm程度の粒径で、且つバインダ樹脂と極力屈折率が近い物とし、一方、低屈折率剤としての無機微粒子や中空状微粒は、不要な光拡散発現を回避する為に、可視光線の最小波長未満である0.01〜0.2μm程度の粒径で、且つ屈折率もNm=(Ns)1/2の関係を極力満たす物とし、各々
にその機能を分担させ併用するのが好ましい。
もっとも、あえて、粒子径の大きいものを採用して、適度に拡散させる機能を付与する形態を排除するものではない。一方、球状粒子の(個々の粒子の)最小径が1μm未満となると、凹凸塗膜3を形成する塗料組成物での球状粒子の分散に高度の技術が必要になるとともに、粗面の凹凸の突起高さ(十点平均粗さRzで評価)を必要とされる0.78μm以上確保することが難しくなり、また材料自体が高価となる等の点で好ましくない。
なお、球状粒子など微粒子の含有量は、バインダ樹脂に対して、例えば2〜15質量%とする。微粒子の含有量を調整することで、微小突起の面密度を調整することができる。
なお、凹凸塗膜3中には、滑剤、分散剤、安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤など、公知の各種添加剤を含み得る。これらは、前記凹凸塗膜3を形成する為の樹脂組成物中に添加して使用する。
滑剤としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤、ラウリン酸などの脂肪酸系滑剤、ステアリルアルコールなどの高級アルコール系滑剤、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪族アミド系滑剤、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミド系滑剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩からなる金属石鹸系滑剤、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート、硬化油等の脂肪酸エステル系滑剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等のシリコーン系滑剤、を挙げることができる。
また、変性シリコーンオイルとしては、上記以外にも、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
また、本発明による光学シートは、図2の断面図で例示する実施形態の様に、即ち上記した凹凸塗膜3に代えて、表面が平滑な耐擦傷性塗膜4を有するものでも良い。この場合、塗膜面Pmは、耐擦傷性塗膜4によって平滑面となる。
この様な耐擦傷性塗膜4は、上記した凹凸塗膜の形成に用いる樹脂組成物から、該凹凸形成用の微粒子を除いた樹脂組成物によって、形成することができる。よって、樹脂成分は同様なものを適宜採用すれば良く、また、前記微粒子以外の例えば、低屈折率樹脂、低屈折率剤、滑剤などの各種添加剤は同様に添加することができ、また、屈折率の大小関係の設定も同様であるので、ここでは更なる説明は省略する。
本発明では、光学シート10の単位光学要素2側の最外面である光学要素面Peの硬度Heと、凹凸塗膜3側の粗面を成す最外面、或いは耐擦傷性塗膜4側の平滑面を成す最外面、であるところの塗膜面Pmの硬度Hmとについて、鉛筆硬度で特定の硬度とする。
ここで、硬度He及び硬度Hmに関する鉛筆硬度とは、JIS K5600−5−4(
1999年版)に準拠して荷重1000g、速度1mm/sの条件で測定した鉛筆硬度のことを意味する。そして、凹凸塗膜3又は耐擦傷性塗膜4の塗膜面Pmの硬度Hmを鉛筆硬度でF以上とし、且つ、該硬度Hmが、反対側の面の光学要素面Peの鉛筆硬度による硬度He以上(Hm≧He)とする。これを、図1(b)のグラフで示せば、硬度Hm及び硬度Heを領域Eaに含まれる硬度及びその関係とする。
なお、硬度Hmを硬度He以上とするのは、塗膜面Pmの硬度Hmを光学要素面Peの方の硬度He以上にしないと、塗膜面Pmが、傷付き易いからである。また、光学要素面Peは外力が加えられた時は変形し外力から開放された時は元に戻る様に軟らかくすることで傷付きを防ぐ必要が有り、又通常そのように設計される。
また、塗膜面Pmが、特に、平滑面を有する耐擦傷性塗膜4の場合(この様に耐擦傷性塗膜4を有する形態は、該耐擦傷性塗膜4への接触を想定する面は、接触面が粗面を成す光拡散シート等の光学部材の面であるか、或いは本光学シート10の光学要素面Peである。)は、前記凹凸塗膜3の様に、外力に対する粗面を成す凹凸形状の維持を考慮する必要はないが、平滑面に凹みが生じそれが回復せず残ると光学欠陥につながり、且つ平滑面であるが故に逆に光学欠陥が目立つので、外力に対する変形に耐える必要が有る。これに加えて、光学要素面Peは元々凹凸を有し、多少傷が付いても比較的目立ち難いのに対し、耐擦傷性塗膜の塗膜面Pmの方は元々表面が平滑の為、少しでも傷が付くと目立ち易い為でもある。その為、この場合も、硬度Hmは硬度He以上とするのが好ましい。
なお、鉛筆硬度のスケールとは、軟らかい方から硬い方に向かって順に、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H等のことである。また、この鉛筆硬度のスケールで、例えば、「HB」に対して「+1単位」とは1つ上の硬度単位である「F」を意味し、「+2単位」とは2つ上の硬度単位である「H」を意味する。従って、例えば、HeがHBならば、硬度He+3≧硬度Hm≧硬度He+2とは、2H≧硬度Hm≧Hを意味する。
本発明による光学シート10は、図3(a)の断面図で概念的に示す様に、2枚重ね合わせた状態の光学シート10Aとしても良い。この2枚重ね合わせた状態とは、上下の光学シート10a,10b同士が間に空間を空けて配置されることではなく、互いに接触しており隣接配置されることを意味する。同図の場合は、下側の光学シート10bの光学要素面Peと、上側の光学シート10aの塗膜面Pmとが互いに接触した構成である。
また、図3(a)では、塗膜面Pmを成す塗膜は凹凸塗膜3であり、光学シート10a、及び光学シート10bが共に凹凸塗膜3を有する。
しかし、図3(b)に示す様に、塗膜面Pmを成す塗膜が耐擦傷性塗膜4であり、光学シート10a、及び光学シート10bが共に耐擦傷性塗膜4を有する形態もあり得る。或いは、図示は略すが、光学シート10a、及び光学シート10bの何れか一方が凹凸塗膜3を有し他方が耐擦傷性塗膜4を有する形態もあり得る。
また、光学シートを2枚重ねするとき、重ね合わせる光学シート同士は、単位光学要素2の内容、及び、塗膜面Pmを形成する凹凸塗膜3同士や耐擦傷性塗膜4同士の内容が全く同じ物でも良いが、(前記の如くの鉛筆硬度の関係が満たされる限りは)異なるものでも良い。
なお、本発明の光学シート10は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、上記した層以外のその他の層を含んでいても良い。
例えば、帯電防止層を更に設けても良い。帯電防止層によって、埃等の異物付着を低減し、付着した異物による傷付きを防止できる。なお、帯電防止層を別途設けず、本体部1、単位光学要素2、塗膜3、4(凹凸塗膜3或いは耐擦傷性塗膜4)のいずれか1以上に、帯電防止剤を添加して帯電防止機能を付与しても良い。
また、光学シート10の入光面とする面に、該面直下の層よりも相対的に低屈折率の低屈折率層からなる反射防止層を設けても良い。光学シート10への入射光の反射損失を低減出来る。例えば、塗膜面Pmを入光面とする場合に、凹凸塗膜3上に反射防止層を設ける等である。
本発明による面光源装置は、少なくとも、光源と、該光源からの光を一方の面から入光し他方の面に出光する上記した光学シート10と備える、面状に光を放射する光源装置である。光学シート10以外の構成要素である、光源やその他必要に応じて配置される光学部材など、またそれらの配置関係などは、従来公知の面光源装置の各種光学部材及び配置を、適宜採用することができる。
板32と、該導光板32の出光面上に隣接配置された光学シート10とを、少なくとも備えた構成である。光源31、導光板32、或いはその他必要に応じて設けられるその他光学部材は、図示はしないが、公知のものを適宜採用すれば良い。なお、同図に例示の面光源装置30に於いては、光学シート10の向きは、その光学要素面Peを図面上方の出光面側とする向きの配置の形態例である。
一方、光学シート10の塗膜面Pmは導光板32側であり、塗膜面Pmは、光学シート10と接触する他の光学部材20である導光板32の出光面に接触している。しかし、同図の形態では、光学シート10は凹凸塗膜3を有し、この凹凸塗膜3によって導光板32との光学密着が防止されており、該光学密着による輝度の面内不均一化、干渉縞等を効果的に防げる構成となっている。更に、塗膜面Pmの耐擦傷性が向上しているので、光学シート自身の傷付き、この場合には、接触している導光板32の出光面との接触による傷付きを、防ぐことのできる構成となっている。
また、図4の面光源装置はエッジライト型の実施形態であったが、直下型の面光源装置でも良い。また、光源31は、線状の冷陰極管等の蛍光灯の他、点状のLED(発光ダイオード)、或いは面状のEL(電場発光体)等が使用される。導光板32には、例えば、透明なアクリル樹脂等が使用され、その出光面に対峙する面には印刷等により光拡散部が設けられる。
また、光源31に対して、光源31からの光を導光板32や光学シート10側へ向ける為に反射板等の反射部材を通常は備える。反射部材は金属等の高反射率の材料で構成される。その他、必要に応じて、光拡散板、偏光分離フィルム、位相差板などの光学部材が更に配置される。
本発明による液晶表示装置は、少なくとも、バックライトとしての上記面光源装置と、該面光源装置の出光面上に配置される透過表示可能な液晶パネルとを備える表示装置である。該面光源装置内に前記本発明による光学シート10が備えられている。この様な面光源装置、及び液晶パネル以外の構成部材、例えば、防眩フィルム等の光学部材、パネル駆動回路などは、従来公知の液晶表示装置の構成部材を、適宜採用することができる。
例えば、図4で例示の様な液晶表示装置40では、上記した面光源装置30をバックライトとして、その出光面上に、透過型の液晶パネル41を隣接配置してある。従って、該面光源装置30の出光面は、同図に示す様に、光学シート10の光学要素面Peであったから該光学要素面Peが、光学シート10と接触する他の光学部材20として、液晶パネ
ル41の背面と接触している。なお、接触する液晶パネル41の背面は通常は偏光板が積層されている。そして、液晶パネル41の画像は、面光源装置30からの光によって、図面上方の観察者Vによって観察される。
このような構成の液晶表示装置として、光学シート10と液晶パネルとが隣接配置されていても、光学要素面Peの耐擦傷性が向上しているので、光学シート自身の傷付きを防げる構成となっている。また、輝度が向上する構成となっている。
各種鉛筆硬度の凹凸塗膜を形成するために、次の各組成の塗料を準備した。
紫外線硬化型フッ素原子含有ポリマー(屈折率1.41) 99質量部
(オプスター(登録商標)JN35、JSR(株)製、固形分15wt%、溶媒メチルイソブチルケトン)
微粒子(平均粒子径5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ)1質量部
(綜研化学株式会社製、MX−500H)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
紫外線硬化型フッ素原子含有ポリマー(屈折率1.41) 80質量部
(オプスター(登録商標)JN35、JSR(株)製、固形分15wt%、溶媒メチルイソブチルケトン)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(屈折率1.51) 19質量部
微粒子(平均粒子径5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ)1質量部
(綜研化学株式会社製、MX−500H)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ペンタエリスリトールトリアクリレート(屈折率1.51) 80質量部
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)19質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
微粒子(平均粒子径5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ)1質量部
(綜研化学株式会社製、MX−500H)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ジペンタエリスリトールへキサアクリレート(屈折率1.51) 29質量部
(KAYARAD(登録商標)DPHA、日本化薬(株)製)
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)70質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
微粒子(平均粒子径5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ)1質量部
(綜研化学株式会社製、MX−500H)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(屈折率1.51) 80質量部
(KAYARAD(登録商標)DPHA、日本化薬(株)製)
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)19質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
微粒子(平均粒子径5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ)1質量部
(綜研化学株式会社製、MX−500H)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
各種鉛筆硬度の耐擦傷性塗膜を形成するために、次の各組成の塗料を準備した。
紫外線硬化型フッ素原子含有ポリマー(屈折率1.41) 100質量部
(オプスター(登録商標)JN35、JSR(株)製、固形分15wt%、溶媒メチルイソブチルケトン)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
紫外線硬化型フッ素原子含有ポリマー(屈折率1.41) 80質量部
(オプスター(登録商標)JN35、JSR(株)製、固形分15%、溶媒メチルイソブチルケトン)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(屈折率1.51) 20質量部
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ペンタエリスリトールトリアクリレート(屈折率1.51) 80質量部
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)20質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ジペンタエリスリトールへキサアクリレート(屈折率1.51) 30質量部
(KAYARAD(登録商標)DPHA、日本化薬(株)製)
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)70質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(屈折率1.51) 80質量部
(KAYARAD(登録商標)DPHA、日本化薬(株)製)
紫外線硬化型硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(屈折率1.52)20質量部
(紫光(登録商標)UV1700B、日本合成化学工業(株)製)
光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 1質量部
(Irgacure(登録商標)184)
溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比) 適量
図1(a)の様な、単位光学要素2として単位柱状プリズムを採用した光学シート10を作製した。
先ず、成形型として単位柱状プリズムからなるプリズム群とは逆凹凸形状の型面を有する金属製のシリンダ状の成形型を用意した。そして、この成形型に、下記単位光学要素形成用の樹脂組成の透明なアクリル系の紫外線硬化性樹脂液を塗布し、更にその上に、厚み188μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム:屈折率1.65)を重ねた状態で、高圧水銀灯からの紫外線照射によって該樹脂液を硬化させた。そして、単位光学要素2として単位柱状プリズムがその稜線を互いに平行に、シート状の本体部1の一方の面1pに配列して成るプリズム群を有する、プリズムシート部材を作製した。
プレポリマー(カプロラクトン変性ウレタンアクリレート) 11質量部
プレポリマー(トリレンジイソシアネート系ウレタンアクリレート) 8質量部
2官能モノマー(ビスフェノールAジアクリレート) 47質量部
3官能モノマー(グリセリンエポキシトリアクリレート) 30質量部
開始剤 2.5質量部
(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)
滑剤(リン酸エステル系滑剤) 1質量部
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeがB、塗膜面Pmの硬度
HmがFを示した。また、本体部1を成す樹脂の屈折率Nsは1.63凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.47であった。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A3に変更した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度HmはHを示した。また、本体部1の屈折率Ns1.63に対して、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A1に変更した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度HmはHBを示した。また、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.41であった。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A4に変更した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度Hmは2Hを示した。また、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.52であった。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A5に変更した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度Hmは3Hを示した。また、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例A2に於いて、凹凸塗膜形成用塗料は組成A3のままとして、単位光学要素形成用の樹脂組成物を次の組成に変更し、実施例A2と同様にして光学シートを作製した。
光学要素形成用の樹脂組成物は、プレポリマーとしてカプロラクトン変性ウレタンアクリレートとエチレンオキサイド変性ビフェニロキシエチルアクリレートとを用い、これに更に2官能モノマーとしてネオペンチルグリコールメタクリレートとビスフェノールAジアクリレートとを用い、3官能モノマーとしてグリセリンエポキシトリアクリレートを用いたもので、更に開始剤としてビスアシルフォスフィンオキサイド系開始剤及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)を添加し、リン酸エステル系滑剤を添加した樹脂組成物である。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度HmはHを示した。なお、本体部1の屈折率Ns1.63に対して、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.51である。
実施例A5に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A4に変更した他は、実施例A5と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度Hmは2Hを示した。なお、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.52である。
実施例A5に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を組成A5に変更した他は、実施例A3と同
様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度Hmは3Hを示した。なお、凹凸塗膜3を成す樹脂の屈折率Nmは1.51である。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜形成用塗料を、組成B2の耐擦傷性塗膜形成用塗料に変更して耐擦傷性塗膜4を形成した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度HmはFを示した。また、本体部1の屈折率Ns1.63に対して、平滑な耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.47であった。
又、塗膜面Pmの最外面のRz(JIS B0601(1994年版)規定)は0.16μmであった。
実施例B1に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を、組成B3に変更した他は、実施例B1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度HmはHを示した。また、本体部1の屈折率Ns1.63に対して、平滑な耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例B1に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を、組成B1に変更した他は、実施例B1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度HmはHBを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.41であった。
実施例B1に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を組成B4に変更した他は、実施例B1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度Hmは2Hを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.52であった。
実施例B1に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を組成B5に変更した他は、実施例B1と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはBで、塗膜面Pmの硬度Hmは3Hを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例B2に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料は組成B3のままとして、単位光学要素形成用の樹脂組成物を次の組成に変更し、実施例B2と同様にして光学シートを作製した。
光学要素形成用の樹脂組成物は、プレポリマーとしてカプロラクトン変性ウレタンアクリレートとエチレンオキサイド変性ビフェニロキシエチルアクリレートとを用い、これに更に2官能モノマーとしてネオペンチルグリコールメタクリレートとビスフェノールAジアクリレートとを用い、3官能モノマーとしてグリセリンエポキシトリアクリレートを用いたもので、更に開始剤としてビスアシルフォスフィンオキサイド系開始剤及び1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)を添加し、リン酸エステル系滑剤を添加した樹脂組成物である。なお、この樹脂組成物は、実施例A5での単位光学要素形成用の樹脂組成物と同じである。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度HmはHを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例B3に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を組成B4に変更した他は、実施例B3と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度Hmは2Hを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.52であった。
実施例B3に於いて、耐擦傷性塗膜形成用塗料を組成B5に変更した他は、実施例B3と同様にして光学シートを作製した。
得られた光学シートの鉛筆硬度は、光学要素面Peの硬度HeはHBで、塗膜面Pmの硬度Hmは3Hを示した。また、耐擦傷性塗膜4を成す樹脂の屈折率Nmは1.51であった。
実施例A1に於いて、凹凸塗膜3の形成を省略した他は、実施例A1と同様にして光学シートを作製した。この光学シートは、本体部1と単位光学要素2とからなり、単位光学要素2形成側とは反対側の本体部1の面が露出した構成のものである。
実施例A5に於いて、凹凸塗膜3の形成を省略した他は、実施例A5と同様にして光学シートを作製した。この光学シートは、本体部1と単位光学要素2とからなり、単位光学要素2形成側とは反対側の本体部1の面が露出した構成のものである。
上記の各実施例及び各比較例で得た光学シートについて、鉛筆硬度と耐擦傷性を評価した。また、輝度も測定した。尚、光学要素面Peの鉛筆硬度試験は、鉛筆をプリズム稜線方向に移動させて行った。
0g、速度1mm/sの条件で測定する。
(2)耐擦傷性は、透明なアクリル樹脂板の間に、1辺の長さが5cmの正方形に裁断した10枚の光学シートを、各光学要素面を下側に向けて且つ各単位光学要素つまり単位柱状プリズムの配列方向を同じ方向に揃えて重ね、更にその上から前記と同じ透明なアクリル樹脂板を重ねて、四辺周囲を粘着テープで固定したものを、振動試験機(アイデッスク株式会社製、BF−50UL)の水平な加振台の上に固定し、更にその上から荷重10gの重りを載せて固定した状態で、上下及び左右の3軸同時振動を加える。振動は、加速度7.3G、周波数67Hzである。そして、振動を加えた後の光学シートについて、その表面具合を倍率500倍の顕微鏡による目視観察で確認する。そして、光学要素面Peについては単位柱状プリズムの稜線部分の長さ3mmに亘った領域を観察し、塗膜面Pmについては面積9mm2の正方形の領域を観察して、傷の発生状況の有無で優劣を評価する
。傷が無い(0個)の場合は良好(OK)、1箇所以上の場合は不良(NG)と判定した。
(3)輝度は、三星電子社製の液晶テレビジョン受像装置(品番:UN40B6000VF)の画面側から液晶表示板および各種光学部材を除去して、エッジライト型面光源装置(最表面が導光板)を取り出し、該面光源装置の出光面上(導光板上)に各実施例及び比較例の光学シートを、その塗膜面Pm側を導光板側に向けて載置して、該導光板の法線方に於ける輝度を測定し、評価した。輝度は、輝度計(株式会社トプコン製、BM−7)を用いて計測、評価を行なった。評価の方法は、比較例A1及び実施例A1〜A4、並びに、比較例B1及び実施例B1〜B4は、塗膜を設けず単位光学要素2がこれらと同一樹脂の比較例C1の輝度を100%とした時の百分率で評価し、実施例A5〜A7及び実施例B5〜B7は、塗膜を設けず単位光学要素2がこれらと同一樹脂の比較例C2の輝度を100%とした時の百分率で評価した。
そして、凹凸塗膜3を有する形態について、各実施例及び比較例の鉛筆硬度での硬度He及び硬度Hmと、耐擦傷性と、塗膜屈折率と、正面方向の輝度を、表1と図1(b)に示す。図1(b)中、総合評価として、塗膜面Pm、光学要素面Pe共に耐擦傷性が良好であったものは○印でプロットし、塗膜面Pmのみ耐擦傷性が良好であったものは△でプロットし、塗膜面Pm、光学要素面Pe共に不良であったものは×印でプロットした。表1に於いても同樣の総合評価を記入した。また、これら○印、△印、及び×印の脇に沿えてあるアルファベットA〜Hが、表1中で各実施例及び比較例に対応する記号である。例えば、点AのHe=BでHm=HBの座標(B,HB)は比較例A1に対応する。
表1及び図1(b)に示す様に、鉛筆硬度及びその関係について前記した関係を満足する各実施例は耐擦傷性が良好(○又は△)となったが、満足しない比較例A1は不良(×:NG)となった。
光学要素面Peの硬度HeがBの系列の実施例A1、A2、A3、A4及び比較例A1では、塗膜面Pmの硬度HmがHBとFより−1軟らかいと塗膜面Pmが削られ(比較例A1、A点)、総合評価は不良(×)と評価され、又塗膜面の硬度HmがF以上の場合、少なくとも塗膜面Pmの削れは無く、総合評価は良好(△又は○)と評価された。尚、塗膜面Pmの硬度Hmが2H、3Hと、光学要素面Peの硬度HeのBよりも+4、+5と硬いと(実施例A3のD点、実施例A4のE点)、今度は光学要素面Peが削られた。
光学要素面Peの硬度HeがHBの系列の実施例A5〜A6及び実施例A7では、塗膜面Pmの硬度HmがH、2Hと、光学要素面Peの硬度HeのHBに対して+2、+3と硬いときは光学要素面Peの削れは発生しないが(実施例A5のF点、実施例A64のG点、総合評価○)、塗膜面Pmの硬度Hmが3Hと、光学要素面Peの硬度HeのHBに対して+4まで硬くなると光学要素面Peが削られた(実施例A7のH点、総合評価△)。
なお、図1(b)に於いて、耐擦傷性塗膜4に関するプロットは、前記凹凸塗膜3に関するプロットと、結果的に同一座標にプロットされた。
表1に示す様に、本体部1の塗膜面に面する部分(PETフィルム)の屈折率1.65よりも低い屈折率の樹脂からなる塗膜を形成した実施例A1〜A7及び比較例A1は、何れも100%を超過し、入光面にこの様な塗膜が未形成の比較例C1の輝度(100%)よりも高輝度となった。
表2及び図1(b)に示す様に、鉛筆硬度及びその関係について前記した関係を満足する各実施例は耐擦傷性が良好(○又は△)となったが、満足しない比較例B1は不良(×:NG)となった。
光学要素面Peの硬度HeがBの系列の実施例B1、B2、B3、B4及び比較例B1では、塗膜面Pmの硬度HmがHBとFより−1軟らかいと塗膜面Pmが削られ(比較例B1、A点)、総合評価は不良(×)と評価され、又塗膜面の硬度HmがF以上の場合、少なくとも塗膜面Pmの削れは無く、総合評価は良好(△又は○)と評価された。尚、塗膜面Pmの硬度Hmが2H、3Hと、光学要素面Peの硬度HeのBよりも+4、+5と硬いと(実施例B3のD点、実施例B4のE点)、今度は光学要素面Peが削られた。
光学要素面Peの硬度HeがHBの系列の実施例B5〜B6及び実施例B7では、塗膜面Pmの硬度HmがH、2Hと、光学要素面Peの硬度HeのHBに対して+2、+3と硬いときは光学要素面Peの削れは発生しないが(実施例B5のF点、実施例B6のG点、総合評価○)、塗膜面Pmの硬度Hmが3Hと、光学要素面Peの硬度HeのHBに対して+4まで硬くなると光学要素面Peが削られた(実施例B7のH点、総合評価△)。
表2に示す様に、本体部1の塗膜面に面する部分(PETフィルム)の屈折率1.65よりも低い屈折率の樹脂からなる塗膜を形成した実施例B1〜B7及び比較例B1は、何れも100%を超過し、入光面にかかる塗膜が未形成の比較例C2の輝度(100%)よりも高輝度となった。
1p 一方の面
1q 他方の面
2 単位光学要素
3 凹凸塗膜
4 耐擦傷性塗膜
10,10a,10b 光学シート
10A 2枚重ねの光学シート
20 接触する他の光学部材(導光板、液晶パネルなど)
30 (エッジライト型の)面光源装置
31 光源
32 導光板
40 液晶表示装置
41 液晶パネル
He 光学要素面の鉛筆硬度
Hm 塗膜面の鉛筆硬度
nd 法線
Nm 塗膜の屈折率
Ns シート状の本体部の屈折率
Pe 光学要素面
Pm 塗膜面
V 観察者
Claims (5)
- シート状の本体部の一方の面に単位光学要素を配列してなり、該本体部の他方の面に、最外面が微小突起によって粗面を呈する凹凸塗膜又は最外面が平滑な耐擦傷性塗膜を有する光学シートであって、前記配列された単位光学要素で形成される光学要素面の硬度Heと、前記凹凸塗膜又は耐擦傷性塗膜の塗膜面の硬度Hmとについて、
JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)した鉛筆硬度で、硬度HmがF以上であり、且つ硬度Hmが硬度He以上(硬度Hm≧硬度He)であり、
且つ前記凹凸塗膜又は耐擦傷性塗膜を成す樹脂の屈折率Nmが、前記シート状の本体部に於ける該他方の面側に面する部分の屈折率Nsよりも小さい、光学シート。 - 上記硬度He及び硬度Hmの関係が、更に、鉛筆硬度スケール上で1単位硬い硬度を+1としたときに、硬度He+3≧硬度Hm≧硬度He+2である、請求項1記載の光学シート。
- 請求項1又2記載の光学シートを、表裏を同じ向きで2枚重ね合わせてなる、光学シート。
- 光源と、該光源からの光を一方の面から入射し他方の面に出光する請求項1〜3のいずれかに記載の光学シートとを、少なくとも備えた面光源装置。
- 請求項4記載の面光源装置と、該面光源装置の出光面上に載置した透過型液晶表示パネルとを、少なくとも備えた液晶表示装置。
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