JP2015143766A - 導電性材料前駆体の現像処理方法および導電性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】線幅が増加することなく高い導電性が得られる導電性材料前駆体の現像処理方法、および高い導電性が得られる導電性材料を提供する。【解決手段】支持体上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体の現像処理方法であって、該現像処理は露光済みの導電性材料前駆体を現像液中へ浸漬する浸漬現像と、該現像液中から出て水洗が開始されるまでの空中現像からなり、浸漬現像時間をTd、空中現像時間をTwとした場合に、Tw/Td比が0.1〜1.3であり、かつTdが17〜42秒である。【選択図】なし

Description

本発明は、支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体の現像処理方法、および導電性材料に関する。
近年、電気回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途において導電性材料の需要が急速に伸びている。中でも、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の入力手段として利用されるタッチパネル用途での需要が増加している。
タッチパネル用途の電極(導電性材料)としては、光透過性支持体の少なくとも一方の面に、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって光透過性の導電膜を設けたものがよく知られている。また上記ドライプロセス以外にも、導電性高分子化合物、CNT、例えば金属ナノワイヤなどの金属微粒子のネットワーク構造を使用したウエットプロセスによる導電膜も提案されている。
現在、光透過性の導電膜として主流なのはITO導電膜である。しかしながらITO導電膜は、屈折率が大きく光の表面反射が大きいため、全光線透過率が低下する問題、あるいは可撓性が低いため屈曲した際にITO導電膜に亀裂が生じて電気抵抗値が高くなる問題等があった。また使用するインジウムの枯渇の懸念、生産コスト高も問題点として挙げられる。
ITOに代わる導電膜を有する導電性材料として、基板上に薄い触媒層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層およびレジスト層で保護された下地金属を除去することにより、導電性パターンを形成するセミアディティブ方法が、例えば特開2007−287994号公報、特開2007−287953号公報などに開示されている。
また近年、銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる方法も提案されている。例えば特開2003−77350号公報(特許文献1)、特開2005−250169号公報(特許文献2)および特開2006−260888号公報(特許文献3)等では、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体を露光した後、露光済みの導電性材料前駆体を可溶性銀塩形成剤および還元剤を含有する現像液中で現像し金属銀パターン(導電性パターン)を形成させる銀錯塩拡散転写法を利用した技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より細い線幅で高い導電性を得ることができるので、全光線透過率が高く、かつ低抵抗な導電性材料を得ることができる。また、この方法で得られた導電性材料はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点がある。
更に、銀錯塩拡散転写法を利用して導電性材料を製造した場合、特開2007−225884号公報に記載された連続露光装置や、特開2006−190535号公報(特許文献4)に記載された現像処理装置を使用することにより、ロール状に巻き取られた長尺の支持体上に、数多くの導電性パターンを形成し、その後ロール状に巻き取るという、いわゆるロール・ツー・ロールの製造方法にて導電性材料を製造することができるため、生産性に優れるという利点がある。
上記した銀錯塩拡散転写法を利用して導電性パターンを形成する場合、露光後の現像処理においては十分な現像期間を確保する必要がある。これは該導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層の溶解を防止するために、現像液の温度を25℃以下の比較的低い温度にて現像処理を行う必要があるためである。しかし十分な現像期間を確保する目的で、該導電性材料前駆体を現像槽中で何度もターンさせると、ガイドローラー等による傷やムラが生じる場合があった。一方、現像槽中でのターン回数を減少させると、現像液を貯留する現像槽が大きくなり、大量の現像液が必要となるため合理的でない。
このような理由から、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体の現像処理は、露光済みの導電性材料前駆体を現像液中へ浸漬する浸漬現像と、該現像液中から出て水洗が開始されるまでの空中現像の2工程によって現像処理を行うことが好ましく、このような現像処理装置としては、前述の特許文献4の他にも、例えば特開2007−240593号公報(特許文献5)、特開2007−207646号公報(特許文献6)、特開2008−251275号公報(特許文献7)等に記載される現像処理装置が知られている。
特開2003−77350号公報 特開2005−250169号公報 特開2006−260888号公報 特開2006−190535号公報 特開2007−240593号公報 特開2007−207646号公報 特開2008−251275号公報
しかしながら金属パターンを有する導電性材料では、導電性を有する金属細線部(画像部)と光透過性を有する開口部(非画像部)が存在するため、パターンが視認されやすくなる問題がある。近年、スマートフォンやタブレット端末等の小型ディスプレイ用途では静電容量方式のタッチパネルが好適に利用されるが、このような用途では視認距離が短くなるため、金属パターンが視認されやすいという問題はより顕著となる。
従って、金属パターンが視認されない難視認性を確保するには、線幅が10μm以下、より好ましくは6μm以下の金属パターンを有する導電性材料が求められる。しかしながら、上記した線幅を有する極細線パターンによって十分な導電性を確保することはきわめて困難であり、線幅が増加することなく高い導電性が得られる導電性材料前駆体の現像処理方法、および高い導電性が得られる導電性材料が求められていた。
本発明の目的は、線幅が増加することなく高い導電性が得られる導電性材料前駆体の現像処理方法、および高い導電性が得られる導電性材料を提供することにある。
本発明の目的は以下の手段によって達成された。
1.支持体上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体を露光し、現像処理することで導電性パターンを形成させる導電性材料前駆体の現像処理方法であって、該現像処理は露光済みの導電性材料前駆体を現像液中へ浸漬する浸漬現像と、該現像液中から出て水洗が開始されるまでの空中現像からなり、浸漬現像時間をTd、空中現像時間をTwとした場合に、Tw/Td比が0.1〜1.3であり、かつTdが17〜42秒であることを特徴とする導電性材料前駆体の現像処理方法。
2.上記1に記載の導電性材料前駆体の現像処理方法によって得られた導電性材料。
本発明により、線幅が増加することなく高い導電性が得られる導電性材料前駆体の現像処理方法、および高い導電性が得られる導電性材料を提供することが可能となる。
以下に、本発明の導電性材料前駆体の現像処理方法について詳細に説明する。
<現像処理>
本発明の導電性材料前駆体の現像処理方法において現像処理は、金属銀パターンを形成する部分のハロゲン化銀を溶解してハロゲン化銀乳剤層中に拡散させ、これにより生じた銀イオンを物理現像核上で還元し、金属銀パターンを析出させる工程である。該ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀粒子は感光性を有する。ネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により光が照射された部分のハロゲン化銀粒子はハロゲン化銀乳剤層中で還元され、その後の水洗処理で現像後のハロゲン化銀乳剤層等と共に水洗除去され、光透過性の開口部を形成する。一方、未露光部のハロゲン化銀は、ハロゲン化銀乳剤層中で直ちに還元されず、現像液が含有する可溶性銀錯塩形成剤の作用によって、ハロゲン化銀乳剤層中に溶解・拡散され、その後、物理現像核近傍にて還元され、金属銀パターンが析出する。ポジ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合はこの逆となる。すなわち露光により光を照射した部分が金属銀パターンとなり、未露光部が開口部となる。
本発明において現像処理は、露光済みの導電性材料前駆体を現像液中へ浸漬して現像する浸漬現像と、該現像液中から出て水洗が開始されるまでの間で現像が進行する空中現像からなる。現像槽に貯留された現像液から取り出された導電性材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面には、現像液が保持されている。導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層や必要に応じて設けられる中間層および保護層等は、浸漬現像により膨潤されるため、現像液を保持することが可能となる。そして空中現像では、この保持された現像液によって、該導電性材料前駆体が現像液中に浸漬されていなくても、現像は進行することとなる。
本発明において浸漬現像時間Tdとは、露光を施した導電性材料前駆体が現像液中に浸かっている時間であり、空中現像時間Twは、現像液中から導電性材料前駆体が引き上げられてから水洗工程が開始されるまでの時間(現像済みのハロゲン化銀乳剤層等を除去するための温水が給されるまでの時間)である。そして本発明の導電性材料前駆体の現像処理方法においては、Tw/Td比が0.1〜1.3であり、かつTdを17〜42秒とすることが必要である。このような条件で現像することにより、金属銀パターンの線幅が10μm以下、更には6μm以下であっても、導電性と光透過性を高いレベルで両立させることが可能である。またTw/Td比を0.4〜1.0とすることがより好ましく、更にはTw/Td比を0.4〜1.0とし、かつTdを25〜35秒とすることが特に好ましい。これにより導電性と光透過性をより高いレベルで両立させることが可能となる。
本発明において導電性材料前駆体を現像する現像液の温度は25℃以下であることが好ましく、より好ましくは18℃〜25℃である。また空中現像時の温度は特に限定しないが、現像処理装置内の温度、あるいは室温は、15℃〜35℃の範囲であることが好ましい。
本発明の現像処理方法を実施するにあたり、使用する現像処理装置としては、前述した特許文献4〜7に記載される現像処理装置等を利用することができる。浸漬現像時間Tdと空中現像時間Twの調整は、現像工程中で導電性材料前駆体の搬送速度を変化して調整することも可能であるが、現像槽中のパスライン長と、現像液中から導電性材料前駆体が引き上げられてから水洗工程が開始されるまでのパスライン長を適宜調整することが好ましい。これによりロール・ツー・ロールの製造方法にて導電性材料を製造する際にも、安定した品質の導電性材料を製造することができる。
<水洗除去>
現像処理後に行う水洗除去は、現像処理後のハロゲン化銀乳剤層や保護層、および中間層等の各構成層を除去し、支持体に金属銀パターンを露出させる工程である。この工程で用いる水洗液としては水が好ましい。また水は緩衝成分を含有してもよく、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有してもよい。
各構成層の水洗除去方法としては、該水洗液を、シャワー方式やスリット方式等を単独あるいは組み合わせて使用し、現像後の導電性材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面に給し、その水圧やスクラビングローラ等を利用して、前記した各構成層を除去することが望ましい。水洗除去に使用する水洗液の温度は、除去効率の観点から、30〜40℃の範囲であることが好ましい。
<導電性材料前駆体>
次に本発明に用いる導電性材料前駆体について説明する。本発明に用いる導電性材料前駆体は、支持体上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する。
<支持体>
本発明の導電性材料が有する支持体としては、ガラスやフレキシブル性を有する樹脂フィルムが挙げられるが、取扱い性が優れている点で、フレキシブル性を有する樹脂フィルムが好適に用いられる。支持体に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂フィルムの厚さは、20〜300μmであることが好ましい。なお支持体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは88%以上である。
<易接着層>
支持体は易接着層を有することが好ましい。この易接着層は樹脂フィルム上に塗布する層の塗布性、および樹脂フィルムと塗膜の密着性を向上させることができる。易接着層としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等の親水性バインダー、あるいは各種高分子ラテックスを含有する易接着層等が挙げられる。高分子ラテックスは水分散液を用い、易接着層は水系塗工により形成されることが望ましい。更に易接着層はシリカなどのマット剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。また支持体は耐傷性を目的としたハードコート層(HC層)や、反射率低減を目的としたアンチリフレクション層(AR層)等公知の層を有していてもよい。
<物理現像核層>
本発明に用いる導電性材料前駆体が有する物理現像核層は、物理現像核を含有する。該物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が利用可能であり、例えば、金、銀等の金属コロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核を含有する物理現像核層は、コーティング法または浸漬処理法によって、支持体上あるいは前記した易接着層上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で0.1〜10mg/mが適当である。
また物理現像核層は物理現像核微粒子の安定性および拡散転写銀の定着性を目的として、水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。水溶性高分子化合物の含有量は、物理現像核に対して10〜500質量%が好ましい。水溶性高分子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられ、またゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等のタンパク質、カラギーナン、ヒアルロン酸などムコ多糖類、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)2.6.4章記載のアミノ化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンの共重合体、ジアリルアミンと無水マレイン酸との共重合体、ジアリルアミンと二酸化硫黄との共重合体などが挙げられる。これら水溶性高分子化合物の中ではタンパク質やポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のアミノ基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。
更に物理現像核層は、高分子ラテックスを含有することもできる。高分子ラテックスは水分散液を用い、水系塗工することが好ましい。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどの重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ポリエステル、各種ウレタン等がある。
物理現像核層には、前記した水溶性高分子化合物の架橋剤(硬膜剤)を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を二個以上有する化合物、エポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテルやポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等、あるいはこれら以外に「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2・6・7章、5・2章、9・3章など記載の架橋剤等の公知の高分子架橋剤を含有させることもできる。好ましくはグリオキサール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤はグリオキサールである。架橋剤は、物理現像核層に含まれる水溶性高分子化合物に対して0.1〜80質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましい。
物理現像核層の塗布には、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の塗布方式で塗布することができる。
<ハロゲン化銀乳剤層>
本発明の導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の当業界では周知の方法が用いられる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径の揃ったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80mol%以上含有するのが好ましく、特に90mol%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状など)、八面体状、十四面体状など様々な形状であることができる。
ハロゲン化銀乳剤の製造において、必要に応じて、ハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させてもよい。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて、分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀乳剤は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じて、ポジ感光性を持つ直接反転乳剤としてもよい。これにより、ネガ型をポジ型に、ポジ型をネガ型に変換することができる。直接反転乳剤に関しては、特開平8−17120号公報、同平8−202041号公報に記載されている方法によって作製することができる。
ハロゲン化銀乳剤層はハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしてバインダーを含有する。バインダーとしては天然ポリマー、水溶性の合成ポリマー、非水溶性の合成ポリマーが挙げられる。
天然ポリマーとしてはゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質、澱粉、デキストリン等の多糖類、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、キトサン、ヒアルロン酸などを用いることができ、その中でも最も好ましい天然ポリマーはゼラチンである。またコハク化ゼラチンなど公知の方法で修飾した天然ポリマーを用いることもできる。
水溶性の合成ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、ポリリジン、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、これらのグラフト重合ポリマーなども用いることができる。
非水溶性の合成ポリマーとしての高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明の導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層の銀/バインダー質量比は2以上であることが好ましく、ハロゲン化銀乳剤を銀換算で3g/m以上含有することが好ましい。更に好ましくは銀/バインダー質量比が2.5〜3.5、ハロゲン化銀乳剤塗布量は銀換算で3.5〜4.0g/mである。銀/バインダー質量比は高すぎるとハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしてのバインダーの割合が不足することとなり、塗布液中でハロゲン化銀粒子の沈降が起きやすくなるため好ましくない。また、塗布銀量を増やしすぎることは、ウォッシュオフ性を悪化させる、あるいは長い現像時間を必要とする、支持体に近い側のハロゲン化銀乳剤粒子の感光性が低下するなどの問題が生じる場合がある。
ハロゲン化銀乳剤層は架橋剤を含有することができる。かかる架橋剤としては、前述した物理現像核層に用いるような架橋剤を挙げることができる。架橋剤を用いる場合は、現像処理において、現像後に不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、これを妨げない範囲で用いることが必要となる。
またハロゲン化銀乳剤層は、現像主薬を含有してもよい。現像主薬としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができ、後述する現像液が含有する現像主薬が挙げられる。これらを2種類以上併用して用いることができる。これら現像主薬は塗液に溶解させても各層に含有させてもよいし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
ハロゲン化銀乳剤層には更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。また界面活性剤および増粘剤等の各種塗布助剤を含有することができる。
<その他の構成層>
本発明に用いる導電性材料前駆体は、必要に応じて、裏塗り層、中間層および保護層等の非感光性層を有することができる。本発明の導電性材料前駆体において、保護層はハロゲン化銀乳剤層の傷付きなどから保護する効果に加え、現像処理で導電性材料前駆体中の銀が系外に拡散するのを抑制し、物理現像核上への銀の析出効率を高める効果がある。従って、保護層はハロゲン化銀乳剤層の上に設けることが好ましい。本発明の導電性材料前駆体において、中間層はアルカリ処理液で銀錯塩拡散転写現像し、温水で水洗するときに物理現像核層上の不要になった層の除去を促進するのに好適である。従って中間層は物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に設けることが好ましい。これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層であり、前述のハロゲン化銀乳剤層が含有する天然ポリマーや水溶性の合成ポリマーを用いることができる。非感光性層の水溶性高分子化合物量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/mの範囲が好ましい。また、これら非感光性層には水溶性高分子化合物の架橋剤を用いることができるが、現像後に不要なハロゲン化銀乳剤層等を少なくとも水洗除去するため、これを妨げない範囲で用いることが望ましい。
上記した各構成層中には、ハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることができる。ハレーション防止剤としては、上記裏塗り層あるいは、例えば易接着層、物理現像核層等のハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に設けられる層に用いることができ、これら2つ以上の層に分けて用いてもよい。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に用いることが好ましい。これら非増感性染料または顔料の添加量は目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、約0.01〜約1g/mの範囲が好ましい。
上記した各構成層中には、必要に応じて公知の写真用添加剤、界面活性剤、マット剤、滑剤や、前述したハロゲン化銀乳剤層と同様な現像主薬等を含有することができる。
<露光>
上記した導電性材料前駆体は、現像処理に先立ち像様に露光される。露光方法としては、透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を有する側の面を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いて走査露光する方法等がある。また特開2007−225884号公報に記載される連続露光装置も好適に利用される。
<現像液>
本発明に用いる現像液は、可溶性銀塩形成剤および還元剤を含有する現像液であることが好ましい。また該現像液は現像可能となる潜像核を有するハロゲン化銀の還元を可能とするためのアルカリ性剤を含有することが好ましい。アルカリ性剤として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3リン酸ナトリウム、あるいは各種アミン化合物が挙げられる。現像液のpHは10以上が好ましく更に11〜14の範囲が好ましい。
現像液が含有する還元剤(現像主薬)としては、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン、アスコルビン酸等が挙げられ、これらを2種類以上併用してもよい。現像主薬の使用量は1〜100g/Lであることが好ましい。
可溶性銀錯塩形成剤としては、具体的にはチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノールなどのチオエーテル類、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸およびその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤の中で特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また可溶性銀錯塩形成剤量としては0.1〜40g/L、好ましくは1〜20g/Lである。
現像液はその他に、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウムに代表される保恒剤、上記した現像液のpHを好ましい範囲に保つための、炭酸塩やリン酸塩に代表される緩衝剤を含有することが好ましい。更に臭化物イオン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等、現像核を持たないハロゲン化銀粒子が還元されないように加えられるカブリ防止剤を含有させることができる。
本発明の現像処理方法によって形成される導電性パターンは、メッシュパターンであることが好ましく、該メッシュパターンの形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形等の(正)n角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも正方形もしくは菱形であることが好ましい。また導電性パターンは、線幅が10μm以下のメッシュパターンを有することが好ましく、より好ましくは6μm以下である。メッシュパターンの線幅は、得られる導電性材料の光透過性の観点からより狭いことが望ましい。
また該導電性パターンが、抵抗膜式タッチパネルや静電容量方式タッチパネルで使用される透明電極パターンとして使用される場合、導電性パターンは上記したメッシュパターンと共に周辺配線部を有することが好ましい。周辺配線部はメッシュパターンにおいて感知された電気信号を外部に取り出すための配線であり、通常このような配線はディスプレイ上にて目立たなくすることを目的に、また表示装置に対するディスプレイ部の割合を高めるため、可能な限りディスプレイの枠部分に集中するように配置される。周辺配線部のラインアンドスペース幅としては、500μm以下が好ましく、270μm以下がより好ましく、更には135μm以下がより好ましい。なおラインアンドスペース幅とはライン(配線)とスペース(非配線)の幅であり、例えばラインアンドスペース幅が500μm以下であるとは、ライン(配線)とスペース(非配線)の幅が、共に500μm以下であることを意味する。
周辺配線部の形成方法としては、前述の銀錯塩拡散転写法を利用して導電性パターンを形成する方法であっても良いし、あるいは印刷方式、フォトリソグラフィー方式等であっても良い。印刷方式としては、特開昭55−91199号公報に開示されたような、金属銀インキやペーストをスクリーン印刷等の手段によって印刷した後、導電性を付与するために焼成する方法や、国際公開第04/39138号パンフレットに開示されたような、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料等を印刷した後、無電解銀めっきを施して導通パターンを付与する方法等を用いることができる。
フォトリソグラフィー方式には、均一な金属銀層を有する支持体上にフォトレジストを塗布し、露光、現像後、レジストが剥離された金属銀層をエッチング除去し導電性パターンを得るサブトラクティブ方式をとるもの、特開平11−170421号公報に開示されたような、無電解めっき触媒を含有するレジストを基板上に塗布し、露光、現像し未露光部のレジストを除去後、無電解銀めっきすることにより導通パターンを得るアディティブ方式をとるもの等を用いることができる。
本発明の現像処理方法により得られた導電性パターンは、導電性のフレを解消する目的で、例えば特開2013−196779号報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体による処理を施しても良い。また経時による導電性の低下を改善する目的で、例えば特開2008−34366号公報に記載されているような、銀パターンのX線回折法での2θ=38.2°のピークの半値幅が0.41以下とする後処理(以下、後処理と称する)を施しても良い。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明における導電性材料前駆体を得るために、支持体として、易接着層を有する厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製ルミラーU34、全光線透過率は92%)を用いた。この支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布、乾燥した。なお得られた裏塗り層における吸収極大波長における吸光度は0.8であった。
<アンチハレーション層組成>1m当たり
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
染料1 200mg
上記のようにして得られた裏塗り層を有する支持体とは反対側の面に、下記のようにして作製した硫化パラジウムゾルを含有する物理現像核層塗液を塗布、乾燥した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製>1m当たり
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 3mg
デナコールEX−830 10mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
エポミンSP−200 0.02g
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核層の上にスライドコーターにて重層塗布し、導電性材料前駆体を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.3gのゼラチンを含む。
<中間層塗液の調製>1m当たり
シーピーガムFA 0.03g
(DSP五協フード&ケミカル(株)製)
界面活性剤(S−1) 10mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成>1m当たり
ゼラチン 0.2g
ハロゲン化銀乳剤 3.8g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成>1m当たり
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 15mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得られた導電性材料前駆体を、以下の露光および現像処理を実施することにより導電性材料を作製した。
<露光>
水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅5μmで格子間隔300μmの菱形のメッシュパターンが描画された透過原稿を、上記で得られた導電性材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面に密着させ、露光した。
<現像>
上記のように露光した導電性材料前駆体を、特開2006−190535号公報に記載される現像処理装置を用い、下記組成の現像液(20℃)中に表1に示す時間で浸漬現像と空中現像を実施し、40℃の温水シャワーで水洗し、乾燥した。空中現像した際の機内温度は25℃であり、前記した水洗により、ハロゲン化銀乳剤層や裏塗り層、中間層および保護層等は除去され、金属銀パターンが支持体上に露出した。なお浸漬現像と空中現像の調整は、現像槽中のパスライン長と、現像液中から導電性材料前駆体が引き上げられてから水洗工程が開始されるまでのパスライン長を変更することで調整した。
<現像液>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 130g
N−メチルエタノールアミン 3g
臭化カリウム 0.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
得られた金属銀パターンの線幅および導電性を下記の通り評価した。
<線幅評価>
上記のようにして得られた金属銀パターンの線幅を共焦点顕微鏡(Lasertec(株)製OPTELICS C130)を用いて測定した。この結果を表1に示す。
<導電性評価>
上記のようにして得られた金属銀パターンの表面抵抗率を、(株)三菱化学アナリティック製、ロレスタGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。この結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の現像処理方法によって、線幅が増加することなく高い導電性を有する導電性材料が得られることが判る。

.

Claims (2)

  1. 支持体上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体を露光し、現像処理することで導電性パターンを形成させる導電性材料前駆体の現像処理方法であって、該現像処理は露光済みの導電性材料前駆体を現像液中へ浸漬する浸漬現像と、該現像液中から出て水洗が開始されるまでの空中現像からなり、浸漬現像時間をTd、空中現像時間をTwとした場合に、Tw/Td比が0.1〜1.3であり、かつTdが17〜42秒であることを特徴とする導電性材料前駆体の現像処理方法。
  2. 前記請求項1に記載の導電性材料前駆体の現像処理方法によって得られた導電性材料。
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