JP2015141135A - ガスサンプリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のガスサンプリング装置は、被検知ガスをサンプリングして当該被検知ガスの濃度を測定する。本実施形態では、エタンを精度よく検知して、サンプリングした被検知ガスに都市ガスが含まれるか否かを判定する態様について説明する。
ガス成分分離部10は、可燃性ガスの分子量に応じて流動遅延を生じさせてガス成分毎に分離可能に構成すれば、どのような態様であってもよい。本実施形態では、ガス成分分離部10は、都市ガスのガス成分のうち、メタンとエタンを分離するための分離剤が充填してあるカラムにより構成した場合について説明する。当該分離剤は活性炭が用いられる。当該分離剤は活性炭に限らず、都市ガスのガス成分を分離する場合には、酸化カルシウム(CaO)、二酸化珪素(SiO2)、活性アルミナ、PEG系部材、ユニカーボン部材、多孔質ポリマー等の少なくとも何れかを含有して構成すればよく、例えば酸化カルシウムと酸化珪素の混合粉末とすることも可能である。分離された各ガス成分はタイムラグをもって流動する。
ガス成分分離部10は、1つだけでなく複数設定することも可能であり、本実施形態では2つのガス成分分離部10(第一ガス成分分離部10a、第二ガス成分分離部10b)を備えた場合について説明する。このように複数のガス成分分離部10を備えることで、サンプリングしたガスが高濃度であっても、被検知ガスをガス成分毎に確実に分離することができる。
ガス成分分離部10は、分離剤に応じて適切な温度(例えば45℃)に維持して分離を行なうとよい。
本実施形態では、流路50を分岐する分岐手段20を5つ(第一分岐手段20a〜第五分岐手段20e)備えた場合について説明する。当該分岐手段20は、例えば三方弁を使用することができるが、このような態様に限定されるものではない。
第一分岐手段20aは、ノズルなどで構成されたガス入口部1よりサンプリングしたガス、即ち、雰囲気ガス(1a)、或いは、地中よりサンプリングした被検知ガス(1b)の何れをガスサンプリング装置Xの内部に投入するかを切り替える。
第二分岐手段20bは、投入したガスにおいて、ガス成分分離部10を流下させるか否かを切り替える。
第三分岐手段20cは、第一ガス成分分離部10aからのガスを分岐する。
第四分岐手段20d,第五分岐手段20eは、ガス成分分離部10からのガスを分岐する。
これら分岐手段20a〜20eの開閉は、制御手段(図外)によって制御するとよい。
本実施形態のガス検知部30は、濃度測定部40および第五分岐手段20eの下流に配設する。また、本実施形態におけるガス検知部30は、ガス成分分離部10により分離されたガス成分を検知可能な半導体式ガス検知素子を使用した場合について説明する。
このように構成された半導体式ガス検知素子は、可燃性ガスのうち分子量が大きいガス成分ほど高感度を示すものとなる。
濃度測定部40は、被検知ガスの濃度を検出する。本実施形態では、濃度測定部40として接触燃焼式ガス検知素子を使用した場合について説明する。
遅延部60は、濃度測定部40および第五分岐手段20eの間に備える。本実施形態の遅延部60は、流動経路をコイル状に形成することにより、可燃性ガスの流動遅延を生じさせているが、このような態様に限定されるものではない。
ガスサンプリング装置Xの電源は電池を用いるとよいが、これに限られるものではない。電池を用いることによって、ガスサンプリング装置Xを小型化することができる。電池を使用する場合は、できるだけ電力の消費を抑えるのが好ましいため、ポンプを小型化することや、パージモードを加熱しないで行っても加熱して行った場合と同様の効果が認められる態様を採用することが好ましい(後述の実施例2,3参照)。
上述したガスサンプリング装置Xは、複数の分岐手段20を備えており、動作態様に応じてガスを流下させる経路を変更することができる。本実施形態では、(i)被検知ガス
測定モード、(ii)ガス成分検知モード、(iii)パージモード、の3つのモードについて説明する。
被検知ガス測定モードでは、地中に埋設したガス管付近に含まれる被検知ガスの濃度を検出する。例えば、都市ガス13Aは、可燃性ガスとしてメタン、エタン、プロパンおよびブタンが含まれている。被検知ガス測定モードでは、これら全ての可燃性ガスの濃度を検出する。従って、このモードでは、ガス成分を分離するガス成分分離部10を流下させずに濃度測定部40を流下させるように各分岐手段20a〜20eを制御する(図2(a))。
ガス成分検知モードでは、被検知ガスに含まれる所望のガス成分(エタンなど)の濃度を検出する。従って、このモードでは、まず被検知ガスを流下させてガス貯留部2に貯留し(流下させる経路は、図2(a)のフローと同じ)、その後、流路を切り替えてガス成分を分離するガス成分分離部10に雰囲気ガスを流下させて、他のガスと分離して流動した所望のガス成分がガス検知部30を流下するように各分岐手段20a〜20eを制御する(図2(b))。被検知ガスを流す順番は、第一ガス成分分離部10a、第二ガス成分分離部10bの順である。
パージモードでは、ガス成分分離部10の内部に留まっている可燃性ガスを清浄な空気(雰囲気ガス)によって押し出すように、各分岐手段20a〜20eを制御する(図2(c))。即ち、パージモードでは、被検知ガス検知モードでガス成分分離部10を流下するガスの方向と反対の方向で空気を流すことにより、ガス成分分離部10の内部に留まっている可燃性ガスを除去する。第一ガス成分分離部10aおよび第二ガス成分分離部10bに直列的に空気を流して両ガス成分分離部10a、10bをパージする場合には、空気を流す順番は、第二ガス成分分離部10b、第一ガス成分分離部10aの順である。このパージモードは、都市ガスの漏洩検知が終了した後などに行なうとよい。
れる被検知ガスの濃度を濃度測定部40にて検出する。このとき、例えば被検知ガスにメタンが含まれていた場合、地中に埋設したガス管等から漏洩した都市ガス由来のメタンであるか、自然発生したメタンが可燃性ガスとして検出される。そのため、所定時間(約10秒)経過後に、(ii)ガス成分検知モードに切り替えて被検知ガスに含まれる所望のガス成分(エタン)の有無をガス検知部30にて検出する。このとき、当該ガス検知部30にてエタンが検出されれば、都市ガスの漏洩が検知されたと確実に判定できる。一方、(ii)ガス成分検知モードにおいてエタンが検出されない場合は、(i)被検知ガス測定モ
ードで検出された可燃性ガスは都市ガスではなく自然発生したメタンであると判定できる。
知モードを行なうことができる。これにより、地中に埋設したガス管付近に存在する被検知ガスや当該被検知ガスに含まれる所望のガス成分の有無を検知することができる。
特に、本構成では、ガス成分分離部10によりガス成分を分離することで、所望のガス成分(エタン)の濃度を確実に検知できる。即ち、都市ガス漏洩の有無を判断する基準を、都市ガスの副成分ガスであるエタン検知の有無を考慮して、確実に都市ガスの検知識別が行える。
上述した実施形態におけるパージモードとは異なる態様のパージモードについて説明する(図3,4)。本実施形態では、2つのガス成分分離部10a,10bを設け、濃度測定部40はガス検知部30と直列になるように配設し、分岐手段20a〜20hを制御する。
また、上記のように様々なパージを行うことができるので、ガス成分分離部10の使用状態や残留物の付着の程度によって、最適な残留物の除去を行うことができる。
上述した実施形態では、濃度測定部40は、ガス成分分離部10の下流に配設した場合について説明した。しかし、このような態様に限らず、濃度測定部40をガス成分分離部10の上流、例えば、第一分岐手段20aおよび第二分岐手段20bの間に配設してもよい(図外)。
ガス成分分離部に充填される分離剤を種々変更して、メタンおよびエタンの分離の様子を調べた。
サンプルガスの濃度は、メタン440ppm、エタン30ppmとし、ガス注入量を5mL/分とした。
ガスサンプリング装置Xとして機能するために、所定の流量は確保する必要がある。本発明のガスサンプリング装置Xは、小型化実現のために、ポンプも小型化したものを用いるのがよい。また、電力消費の観点からも、小型化したポンプを用いるのがよい。しかしながら、小型化したポンプを使用すれば、ポンプの能力に制限がかかる。そのため、例えば100mL/分のガス流量を達成するのに必要な圧力を評価した。
上述したパージモード(逆パージ)において、可燃性ガス(プロパン)の除去の程度を、順パージ(順方向に流下)の場合と比較した。この比較は、流下させる空気の温度を、20℃および40℃(加熱)について行った。
実施例1〜3より、分離剤として活性炭を用いることで、カラムの長さが短くても(充填量が少なくても)十分なガス成分の分離を行うことができるので、例えば小型のポンプを用いる場合でも、十分なガス成分の分離を行うことができることがわかる。
また、カラムの長さを短くし、分離剤として活性炭を用いることで加熱を行わなくても、十分な残留物の除去を行うことができることがわかる。
従って、電池を電源としても、十分なガス成分の分離と残留物の除去を実現することができることがわかる。
10 ガス成分分離部
20 分岐手段
30 ガス検知部
40 濃度測定部
60 遅延部
Claims (1)
- 被検知ガスをガス成分毎に分離するガス成分分離部と、
前記ガス成分分離部の下流に配設し、被検知ガスの濃度を検出する濃度測定部と、
前記濃度測定部および分岐手段の下流に配設し、所望のガス成分の濃度を検出するガス検知部と、を備え、
前記濃度測定部および前記分岐手段の間に、ガスの流動遅延を生じさせる遅延部を備えたガスサンプリング装置。
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