JP6497505B2 - 電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置及び該ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法 - Google Patents

電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置及び該ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法

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Description

本発明は、電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置に係り、更に詳細には、ガス検出装置ガスセンサの寿命を延長できるガス検出装置及び前記ガスセンサの感度回復方法に関する。
小型化、軽量化、大容量化が可能であるリチウム二次電池等の非水電解質二次電池は、既に携帯電話用等の小型な電源等として広く利用されているが、近年では、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車用(EV)等の大型蓄電池等、高出力が要求される用途の電源としても利用度が高くなってきている。
また、将来のゼロエミッションには、非水電解質二次電池の高出力化だけでなく 耐久性の向上や長期に亘る安定性を向上させることが必要であり、非水電解質二次電池の環境負荷試験の重要性が高くなってきている。
上記非水電解質二次電池等の電気化学デバイスの環境負荷試験においては、例えば、水素や酸素の他、メタン、エタン、エチレン等の炭化水素や、ジエチルエーテル、炭酸エステル、硫化カルボニル、フルオロエタン等、電解質に由来する可燃性ガスが発生することがある。
前記環境負荷試験は、オーブンや恒温槽等の閉鎖空間で行われることが多く、前記可燃性ガスによる火災等の事故防止のため、電気化学デバイスの環境負荷試験には、可燃性ガスを検出するガス検出装置が用いられる。
従来、可燃性ガスを検出するセンサとしては、接触燃焼式、半導体式、固体電解質式等が知られており、電気化学デバイスの環境負荷試験には、低濃度ガスに対するガス検出性能が高い接触燃焼式ガスセンサが用いられる。
しかし、接触燃焼式のガスセンサは高感度な一方で、寿命が短く短期間での交換が必要であり、継続的な環境負荷試験の妨げとなるだけでなく、多大な費用を要することとなる。
特許文献1には、主ガス検出素子と前置ガス検出素子とを有し、該前置ガス検出素子が高濃度ガスを検出した場合、主ガス検出素子が高濃度ガスに暴露しないようにする保護機構を設けたガス検出装置が記載されている。そして、該ガス検出装置によれば、ガスセンサが高濃度の都市ガスに暴露することによって検出精度が低下することを防止できるとしている。
特開2001−281194号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものは、高濃度の炭化水素系ガスに暴露することを防止するものであり、低濃度のガスに長期間暴露することで検出感度が低下することは防止できない。つまり、検出感度の低下は高濃度の炭化水素系ガスだけでなく、低濃度のシリコン系ガスに長期間暴露し、ガスセンサ表面がシリコン化合物で覆われることによっても検出感度の低下が生じる。
上記シリコン系ガスは、シリコン樹脂やシリコンゴムの製造時に除去し切れなかった低分子量成分に由来するものや、劣化などの要因でシリコンポリマーの分解が起こり、低分子量のシロキサンが生成されることによるものと考えられる。
非水電解質二次電池等の電気化学デバイスにおいては、容器やシール部等にシリコン樹脂やシリコンゴム等のシリコン系部材が用いられていることが多い。加えて、評価試験を行うオーブンや恒温槽のシーリング剤等にもシリコン系化合物が多用されており、前記シロキサンによるガス検出感度の低下が問題となる。
ガスセンサにフィルタ等を設けることも考えられる。しかし、評価試験を行うオーブンや恒温槽をRT(室温)〜60℃の温度環境で使用した場合にはガスセンサに付着するシロキサンの主な成分は、環状5重合体のシロキサン([(CHSiO](D5))〜環状7重合体のシロキサン([(CHSiO](D7))が多い。これらのシロキサンは、比較的高分子量・高沸点の化合物であるが、構造が環状で分子の周囲が飽和炭化水素のメチル基で覆われているため極性が低く分子間相互作用がほとんど期待できず、これらを吸着等によって選択的に除去することは困難である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シロキサン等の汚染物によるセンサの感度低下が生じても、感度を回復でき長期に亘り繰り返し使用可能な電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置、及び、該検出装置のガスセンサの感度回復方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ガスセンサに付着した汚染物を除去し、ガスセンサの感度を回復する感度回復装置を設けることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の評価装置用ガス検出装置は、加熱状態で可燃性ガスと接触することで電気的特性が変化する接触燃焼式ガスセンサと、該ガスセンサの感度を回復する感度回復装置とを有し、上記感度回復装置が炭素数1〜5の炭化水素、アルコール、及びエーテルから成る群から選択された少なくとも一種のガスを上記ガスセンサに供給し、上記ガスセンサに付着した汚染物を燃焼除去するものであることを特徴とする。
また、本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法は、炭素数1〜5の炭化水素、アルコール、及びエーテルから成る群から選択された少なくとも一種のガスを上記ガスセンサに供給し、上記ガスセンサに付着した汚染物を燃焼除去することを特徴とする。
本発明によれば、ガスセンサの感度を回復する感度回復装置を設けることとしたため、ガスセンサの取替え作業が減少し、電気化学デバイスの継続的な環境負荷試験が可能となると共に、コストを削減できる。
本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置の使用態様の一例を示す概略図である。 本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置の使用態様の他の例を示す概略図である。 ガスセンサの検出素子の一例を示す一部を切欠きした模式図である。 ガスセンサの検出回路の一例を示す図である。 新品のガスセンサと使用後のガスセンサの汚染物を質量分析した結果を示すチャートである。 検知素子に流す電流値と多孔質体の温度との関係を示すグラフである。 電流印加時間と感度回復率との関係を示すグラフである。 回復処理を行ったガスセンサの汚染物を質量分析した結果を示すチャートである。 供給した可燃性ガスの濃度と感度回復率との関係を示すグラフである。 ガスセンサをスポットドライヤで加熱したときのセンサ温度とセンサ感度回復率との関係を示すグラフである。 ガスセンサを超音波洗浄したときの洗浄液のアルコール濃度とセンサ感度回復率との関係を示すグラフである。 回復処理前のガスセンサの感度と、回復処理による感度回復率との関係を示すグラフである。 ガスセンサの感度と経過日数との関係を示すグラフである。
本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置について詳細に説明する。
本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置は、ガスセンサと感度回復装置とを有するものであり、必要に応じて警報装置等を有する。
<ガスセンサ>
本発明における可燃性ガスを検出するガスセンサは、加熱状態で可燃性ガスとの接触により電気的特性が変化する接触燃焼式ガスセンサであり、検出素子と比較素子とで検知回路を組み、不均衡電圧(V)により可燃性ガスを検出するものである。
上記検出素子は、図3に示すように、極細の白金等の貴金属線をコイル状に巻き、これを、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの燃焼触媒をアルミナ等に担持させて焼結した多孔質体で覆い、可燃性ガスが接触することで燃焼し易いようにしたものである。
他方、比較セルは、検出素子と同様に貴金属線をコイル状に巻いたものであり、可燃性ガスが接触・燃焼しないように処理されたものである。
このような素子を用いて、図4に示すホイーストンブリッジ回路を組み、可燃性ガスが存在しない雰囲気で、ブリッジ回路が平衡状態となるよう可変抵抗を調整する。
使用時には、一般的に検出素子及び比較素子のコイル状貴金属線に190mA〜210mA通電し、セルを150℃〜280℃程度(サーモビュアーで表面温度を測定)に加熱する。
可燃性ガスが存在すると、検出素子が可燃性ガスに対する着火源となり、検出素子のみで燃焼が起こるため、検出素子の温度が上昇し、検出セルの抵抗が増加する一方、比較素子においては燃焼が起こらないため、抵抗の変化は生じない。
つまり、ガスセンサが可燃性ガスに曝されると、検出片のみが抵抗上昇するためブリッジ回路のバランスが崩れ、この変化が不均衡電圧(V)として検出される。
前記不均衡電圧とガス濃度との間には比例関係があり、不均衡電圧(V)を測定することでガス濃度を検出することができる。
しかし、上記多孔質体にシロキサンが付着すると、触媒と可燃性ガスとの接触が妨げられ、可燃性ガスが燃焼し難くなり、ガスの検出感度が低下してしまう。
前記シロキサンの沸点及び引火点は、例えば、環状5重合体のシロキサン(D5)の沸点は210℃、引火点は76℃であり、環状6重合体のシロキサン(D6)の沸点は245℃、引火点は105℃であり、また、環状7重合体のシロキサン(D7)の沸点は337℃、引火点は150℃である。
ガスセンサの通常使用時は、検知素子が150℃〜280℃程度に加熱されているため、ガスセンサの使用によって前記シロキサンは堆積しないとも考えられるが、感度低下した検知素子からはシロキサン分子が検出されている。
詳細なメカニズムが明らかにされているわけではないが、シロキサンガスは多孔質体の持つ細孔内に入り込み、濃縮されて液体又は固体に相転移して安定化するため、前記温度では燃焼することなく、多孔質体の表面を覆って検知感度を低下させているものと推測される。
<感度回復装置>
本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置は、ガスセンサの感度を回復する感度回復装置を有する。
前記感度回復装置は、検知素子に付着したシロキサン等の汚染物を除去できればよく、汚染物を燃焼、揮発又は洗浄し、除去するものを用いることができる。中でも、検知素子を加熱し、検知素子表面で可燃性ガスを燃焼させて、付着したシロキサン等の汚染物を燃焼除去するものであることが好ましい。
検知素子に通電して多孔質体が加熱された状態で可燃性ガスを供給することで、多孔質体の表面で継続して燃焼が起こるため、多孔質体の細孔に侵入したシロキサンを燃焼させることができ、検出感度が回復する。すなわち、燃焼したシロキサンは二酸化珪素(SiO)や一酸化珪素(SiO)となり、CH等の吸着サイトを失うため多孔質体から脱離する。仮に、二酸化珪素等が多孔質体表面に残ったとしても細孔を有するため、可燃性ガスと触媒との接触を妨げなくなると考えられる。
可燃ガスの供給は、図1に示すように、検知対象ガスをガスセンサに送る検知ガス吸引管に可燃性ガスを流し、検知素子に可燃性ガスを供給してもよく、また、図2に示すように、検知素子に可燃性ガスを直接吹き付けてもよい。
前記可燃性ガスとしては、燃焼によって酸性ガス等のガスが発生せず、かつ、電気化学デバイスの評価環境下で気体であれば特に制限はなく使用できる。例えば、炭素数1〜5の炭化水素、アルコール、エーテル等を挙げることができ、これらは一種又は2種以上を混合して用いてもよい。中でもイソブタンは燃焼熱が大きく、常温常圧で気体であり、好ましく使用できる。
可燃性ガスを供給し、汚染物を燃焼させるときの検知素子の温度は、300℃以上500℃以下であることが好ましく、さらに350℃以上460℃以下であることが好ましい。300℃未満では燃焼除去が十分でないことがあり、500℃を超えた状態で長時間センサを加熱するとセンサ寿命が低下する。
前記検知素子の温度は、検知素子に流す電流や検知素子に供給する可燃性ガスの濃度により調節することができる。
供給する可燃性ガスの濃度は、爆発下限(LEL)の50%以上、爆発上限以下であることが好ましく、70(LEL%)以上であることがより好ましい。高濃度の可燃性ガスを検知素子に供給することで多孔質体表面での燃焼が連続して起こり、シロキサンの燃焼除去が促進される。
50%未満では、シロキサンが充分燃焼せずに検知感度が回復しないことがあり、爆発上限値を超えた状態で長時間可燃性ガスを供給し続けるとセンサ寿命が低下する。
また、100(LEL)%以上の可燃ガスの供給時間は、0.1秒以上5秒以下であることが好ましく、1秒以上3秒以下であることが好ましい。短時間でシロキサンを燃焼させることで触媒の劣化を防止できる。0.1秒未満では検知素子の検知感度が充分回復しないことがあり、5秒を超えるとセンサ寿命が低下することがある。
前記感度回復時に検知素子に流す電流は、通常使用時の1.1倍〜1.3倍であることが好ましい。通常使用時よりも電流を多く流すことで多孔質体の温度が上昇する。例えば、センサ電流の通常設定が210mAである場合は、230mA〜270mA程度である。1.1倍以下では汚染物の除去が充分でない場合があり、1.3倍を超えると触媒が劣化しセンサ寿命が低下することがある。
上記検知素子の温度は、熱画像計測装置(サーモグラフィー)で測定することができ、例えば、サーモビジョンCPA8200:チノー社製を使用できる。
感度回復処理は、タイマー回路を備える可燃ガスの自動噴射システムにより、定期的に自動で行ってもよく、また、上記ガスセンサの可変抵抗よって校正ができないときや、ガスセンサの感度が規定値以下に低下したときに行ってもよい。
<電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置>
図1は、本発明の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置の使用状態の一例を示す図である。非水電解質二次電池等の電気化学デバイス1は、恒温槽2等の閉鎖空間で環境試験される。
電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置3は、必要に応じてフィルタ4を介して検知ガス吸引管5により恒温槽2と接続され、図示しない吸引装置により恒温槽2内の検知ガスを吸引する。
電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置3は、検知ガス吸引管5から導入した検知ガスをガスセンサ31に送り可燃性ガスを検出する。そして可燃性ガスを検出すると必要に応じて警報装置32から警報を発する。
ガスセンサ31の感度が低下し感度回復処理を行う際には、感度回復装置はバルブ33で恒温槽2側経路を遮断し、可燃性ガスボンベ34側を開く。そして、ガス噴射制御部35で可燃性ガスの流量を調節してガスセンサ31に可燃性ガスを供給し、ガスセンサ31に付着した汚染物を燃焼させて除去する。
なお、感度回復装置のガス噴射制御部35は、感度回復処理を制御するものであり、タイマー回路を備え自動的に感度回復処理を行うこともできる。
また、電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置3のガスセンサ31は、図2に示すように、前記恒温槽2等の閉鎖空間内に設置されてもよく、感度回復処理を行う際には、ガスセンサ31に可燃性ガスを直接吹き付けて汚染物を燃焼除去し感度を回復させる。
なお、図1、図2には、ガスボンベに充填された可燃性ガスを用いた例を示したが、可燃性ガスはガスボンベに充填されている必要はなく、都市ガス等を直接用いてもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
未使用のガスセンサ(可燃ガスセンサ:C−10S:光明理化学工業株式会社製)の多孔質体と、検出感度が20%〜50%程度に低下したガスセンサの多孔質体とを、質量分析(GC−MS)、発光分析(IPC)、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)で分析した。
分析用のサンプルは、検出感度が20%〜50%程度に低下した可燃ガスセンサを可燃ガス検出器より取出し、図3に示す担体を丸ごと1個切除し作製した。
未使用の検出素子の多孔質体からは汚染物が検出されなかったが、検出感度が低下したガスセンサの多孔質体には、環状5重合体のシロキサン(D5)〜環状7重合体のシロキサン(D7)が付着していることが確認された。質量分析の結果を図5に示す。
上記検出感度は以下のようにして求めた。
イソブタン(太陽日酸社製、Airバランス:3500ppm)を標準ガスとして使用し、前記標準ガスの濃度値から次式(1)を用いて検出感度を求めた。
Figure 0006497505
また、感度回復率を次式(2)により求めた。
Figure 0006497505
ガスセンサに電流を流し、ガスセンサの多孔質体の温度を熱画像計測装置(サーモビジョンCPA8200:チノー社製)で測定した。
電流値と多孔質体の温度との関係を図6に示す。
[比較例1]
上記検出感度が低下したガスセンサに、流量1.5L/minで可燃性ガス(イソブタン、太陽日酸社製、Airバランス:3500ppm)を200秒間流し、可燃性ガスの濃度を爆発下限値(LEL)の19.4LEL%として、通常使用時の検知器メーカ推奨電流(210mA)で通電し、多孔質体を280℃に加熱した。このガスセンサの感度回復率は0%であった。
なお、イソブタンの爆発限界は1.8〜8.4vol%(空気中)であり、100(LEL%)は、1.8vol%(空気中)である。
また、可燃性ガスの濃度は、未使用センサをイソブタンで校正し、可燃ガスをサンプリングバッグ内に注入した後空気にて希釈してプロットに示す各ガス濃度になるように調整後、感度低下したセンサに調整ガスを流して測定した。
[実施例1]
ガスセンサに流す電流を230mAに替え、多孔質体を350℃に加熱する他は比較例1と同様にして感度回復を行った。電流印加時間に対する感度回復率の結果を図7に示す。また、質量分析の結果を図8に示す。感度回復を行ったガスセンサから、環状5重合体のシロキサン(D5)、環状6重合体のシロキサン(D6)が検出されたが、その量はごく僅かであり、シロキサンが除去されることが確認された。
[実施例2]
ガスセンサに流す電流を270mAに替え、多孔質体を500℃に加熱する他は比較例1と同様にして感度回復を行った。電流印加時間と感度回復率の結果を図7に示す。
[実施例3]
ガスセンサに230mAの電流を流して多孔質体を350℃に加熱し、可燃性ガス(液化石油ガス、共用ガスボンベ(HTRC2.1、TokyoPipe社製))の濃度を替えて30秒間供給した。
液化石油ガスの濃度と感度回復率との関係を図9に示す。
図9より可燃性ガスの濃度が50(LEL%)であるとセンサ感度回復の効果が表れ、70(LEL%)を超えるとほぼ完全に回復することがわかる。
参考例1
上記検出感度が低下したガスセンサを、可燃性ガスを供給せずにスポットドライヤで300℃に加熱した。センサ感度が10%回復した。
[比較例2]
加熱温度を300℃未満にすること以外は参考例1と同様にしてガスセンサを加熱した。
多孔質体の温度とセンサ感度回復率との関係を、参考例1の結果と合わせて図10に示す。
図10より、300℃未満ではセンサ感度はほとんど回復しないが、およそ300℃から感度回復が始まることがわかる。
参考例2
上記検出感度が低下したガスセンサを、工業用エタノールを用いて10分間超音波洗浄した。
[比較例3]
濃度を替えた工業用エタノール水溶液を用いる他は参考例2と同様にしてガスセンサを10分間超音波洗浄した。
工業用エタノール濃度と感度回復率との関係を、参考例2の結果と合わせて図11に示す。
図11より、工業用エタノール水溶液では感度回復しないが、工業用エタノールで洗浄することで、若干の感度回復が見られることがわかる。
[実施例6]
使用期間が2〜9か月の検出感度が異なるガスセンサに、それぞれ230mAの電流を流し、濃度が70(LEL%)の可燃性ガス(液化石油ガス、品名:共用ガスボンベ(HTRC2.1、TokyoPipe社製)を30秒間供給した。
回復処理前の感度と感度回復率との関係を図12に示す。
図12より、回復処理前の感度に関係なく、感度を80%以上まで回復できることがわかる。
[参考例]
新品のガスセンサの感度が低下する経過と、回復処理をしたガスセンサの感度低下の経時変化を測定した。回復処理をしたガスセンサは新品のガスセンサとほぼ同様の感度が保たれていた。新品のガスセンサと回復処理5回目のガスセンサのセンサ感度と使用経過日数の関係を図13に示す。
1 電気化学デバイス
2 恒温槽
3 電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置
4 フィルタ
5 検知ガス吸引管
31 ガスセンサ
32 警報装置
33 バルブ
34 可燃性ガスボンベ
35 ガス噴射制御部

Claims (10)

  1. 電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置であって、
    可燃性ガスを検出するガスセンサと該ガスセンサの感度を回復する感度回復装置とを有し、
    上記ガスセンサが、接触燃焼式ガスセンサであり、
    上記感度回復装置が、炭素数1〜5の炭化水素、アルコール、及びエーテルから成る群から選択された少なくとも一種のガスを上記ガスセンサに供給し、上記ガスセンサに付着した汚染物を燃焼除去するものであることを特徴とする電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  2. 上記ガスが、イソブタンであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  3. 上記感度回復装置が、ガス供給装置を有し、ガスセンサを300℃以上500℃以下に加熱し、上記ガスセンサに上記ガスを供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  4. 記ガスの濃度が、爆発下限値の50%以上であることを特徴とする請求項に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  5. 上記ガスの供給時間が0.1秒〜5秒であることを特徴とする請求項に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  6. 恒温槽内の可燃性ガスを検出するものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つの項に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  7. 上記電気化学デバイスが、非水電解質二次電池であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つの項に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置。
  8. 電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法であって、
    上記ガスセンサが、接触燃焼式ガスセンサであり、
    炭素数1〜5の炭化水素、アルコール、及びエーテルから成る群から選択された少なくとも一種のガスを上記ガスセンサに供給し、上記ガスセンサに付着した汚染物を燃焼除去することを特徴とする電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法。
  9. 上記ガスが、イソブタンであることを特徴とする請求項8に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法。
  10. ガスセンサを300℃以上500℃以下で加熱し、上記ガスを供給することを特徴とする請求項8又は9に記載の電気化学デバイス評価装置用ガス検出装置のガスセンサの感度回復方法。
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