JP2015140885A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートブリッジを抑制し、かつ断熱物品の小型化、軽量化に好適に使用できる真空断熱材を提供する。【解決手段】真空断熱材、芯材、芯材を封入する袋状のガスバリア性フィルム、並びにガスバリア性フィルムの外側に設けられた外層4から構成され、外層4が紙及び/又は不織布であり、紙及び/又は不織布が0.01〜3mmの厚さを有し、真空断熱材が板状であり、外層4が少なくとも真空断熱材の片面の一部を覆っている、真空断熱材である。【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材に関する。
近年、地球温暖化防止等の観点から省エネルギー化、省資源化が強く望まれている。特に、冷蔵庫、冷凍庫、クーラーボックス、ジャー炊飯器、給湯器、自動販売機等の家庭用、業務用電化製品、自動車、複写機、床暖房等の分野では、熱エネルギーを効率的に利用するという観点から、真空断熱材が用いられるようになっている。
真空断熱材は、芯材を袋状の包装材内に減圧密封して得られる。真空断熱材では、包装材内を高真空度に保持することにより断熱性が向上するため、包装材には、ガスバリア性の優れたフィルムを使用する必要がある。ガスバリア性フィルムとしては、ガスバリア性能及び経済的観点から、アルミ箔等の金属箔をプラスチックフィルムと積層した金属積層フィルムが好ましく使用されている。
しかしながら、上記のようなガスバリア性フィルムを用いた真空断熱材は、真空度を保持する能力に優れている一方で、真空断熱材の外周に存在するガスバリア性フィルム中の金属箔を介して高温側から低温側へ熱が伝わるという現象(ヒートブリッジ)を起こすため、断熱効果が低減されるという問題があった。
特許文献1では、ヒートブリッジを防止するために、真空断熱材に更に断熱材を積層することを提案している。しかしながら、前記積層された断熱材の厚さは5〜40mmであり、このことは、真空断熱材及び断熱材から成る積層体を組み込む冷蔵庫等の断熱物品の小型化、軽量化には不利に作用する。
また、樹脂フィルム上に金属蒸着膜を形成した蒸着フィルムを含むガスバリア性フィルムを用いた真空断熱材も知られている。一般に、真空断熱材のガスバリア性フィルム中の蒸着フィルムにおける金属蒸着膜の厚さは、0.03〜0.1μmである。この範囲の厚さの蒸着膜を有する蒸着フィルムは、ヒートブリッジによる真空断熱材の断熱性能の低下は抑えられる一方で、ガスバリア性が十分でないという難点がある。
特開平11−63375号公報
本発明の課題は、ヒートブリッジを抑制し、かつ断熱物品の小型化、軽量化に好適に使用できる真空断熱材を提供することである。
上記の課題は、ガスバリア性フィルムの外側に紙及び/又は不織布の層を設けることにより解決できることが見出された。すなわち、本発明は下記1〜11に関するものである。
1.真空断熱材であって、
前記真空断熱材が、芯材、前記芯材を封入する袋状のガスバリア性フィルム、並びに前記ガスバリア性フィルムの外側に設けられた外層から構成され、
前記外層が紙及び/又は不織布であり、
前記紙及び/又は不織布が0.01〜3mmの厚さを有し、
前記真空断熱材が板状であり、
前記外層が少なくとも前記真空断熱材の片面の一部を覆っている、
真空断熱材。
2.前記紙及び/又は不織布の目付が10〜200g/m2である、前記1に記載の真空断熱材。
3.前記外層が、前記真空断熱材の側周面を覆っている、前記1又は2に記載の真空断熱材。
4.前記外層が、前記真空断熱材の全面を覆っている、前記1〜3のいずれか1つに記載の真空断熱材。
5.前記ガスバリア性フィルムがシール層及びガスバリア層を含み、前記シール層が前記芯材と接する側にある、前記1〜4のいずれか1つに記載の真空断熱材。
6.前記ガスバリア性フィルムが更に1層以上の樹脂フィルム層を含み、前記芯材と接する側から順にシール層、ガスバリア層及び樹脂フィルム層が積層されている、前記5に記載の真空断熱材。
7.前記ガスバリア層が金属箔である、前記5又は6に記載の真空断熱材。
8.前記金属箔が1〜60μmの厚さを有する、前記7に記載の真空断熱材。
9.前記ガスバリア層が蒸着フィルムである、前記5又は6に記載の真空断熱材。
10.前記蒸着フィルムにおける蒸着膜の厚さが0.2〜3.0μmである、前記9に記載の真空断熱材。
11.吸着剤が前記芯材と共に前記袋状のガスバリア性フィルムに封入されている、前記1〜10のいずれか1つに記載の真空断熱材。
本発明により、ヒートブリッジを抑制し、かつ断熱物品の小型化、軽量化に好適に使用できる真空断熱材が提供される。
図1は、四角い板状の真空断熱材を示す。 図2は、外層を片面の縁に設けた真空断熱材を示す。
本発明は、真空断熱材であって、
前記真空断熱材が、芯材、前記芯材を封入する袋状のガスバリア性フィルム、並びに前記ガスバリア性フィルムの外側に設けられた外層から構成され、
前記外層が紙及び/又は不織布であり、
前記紙及び/又は不織布が0.01〜3mmの厚さを有し、
前記真空断熱材が板状であり、
前記外層が少なくとも前記真空断熱材の片面の一部を覆っている、
真空断熱材である。
本発明に用いられる芯材としては、真空断熱材分野で用いられているものを特に制限なく用いることができる。具体例としては、連続気泡硬質ポリウレタンフォーム、無機繊維、有機繊維、無機粉体、エアロゲル等を使用することができる。ハンドリング、断熱性の観点から、シート状に形成された無機繊維が好ましい。無機繊維としては、ガラス繊維、アルミナやシリカ等のセラミック繊維、スラグウール繊維、ロックウール繊維等が挙げられる。これらの中では、断熱性、成形加工性等の観点から、ガラス繊維が好ましい。なお、芯材の耐熱性を向上させるため、ステンレス鋼、クロム−ニッケル系合金、高ニッケル合金、高コバルト合金等の耐熱性金属繊維を少量混合することもできる。芯材は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
本発明の真空断熱材において、吸着剤が芯材と共に袋状のガスバリア性フィルムに封入されてもよい。吸着剤は、例えば、窒素、酸素、二酸化炭素等のガス、及び/又は水分を吸着する物質である。吸着剤としては、酸化カルシウム、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、酸化バリウム、バリウム−リチウム合金又はこれらの混合物等が挙げられる。ガス吸着性能及び生産性の観点から、酸化カルシウムが好ましい。吸着剤は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
本発明に用いられるガスバリア性フィルムは、ガスバリア性を有するフィルムであれば特に制限はないが、シール層及びガスバリア層を積層したものが好ましく、芯材に接する側から順にシール層、ガスバリア層及び1層以上の樹脂フィルム層を積層したものがより好ましい。ガスバリア性フィルムの厚さは、特に制限はないが、通常50〜200μmであり、好ましくは60〜180μmである。
ガスバリア層は、ガスを透過しない層であり、真空断熱材の真空度の低下を防ぐ観点から用いられる。ガスバリア層としては、金属箔や、樹脂フィルム上に蒸着膜を形成した蒸着フィルム等が挙げられる。本発明は、ヒートブリッジの問題が生じ得るガスバリア層を有する真空断熱材におけるヒートブリッジを抑制することを目的としている。ヒートブリッジの問題が生じ得る金属箔としては、アルミニウム、金、銀、銅、マンガン、ベリリウム、モルブデン、鉄、ニッケル、チタン、ステンレス、青銅等が挙げられる。蒸着フィルムは、蒸着法、スパッタ法等により、基材上に蒸着膜を形成することにより得られる。ヒートブリッジの問題が生じ得る蒸着材料としては、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、コバルト、金、銀、銅、チタン、クロム、スズ、インジウム等の金属や、シリカ、アルミナ、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。ガスバリア性及び経済的観点から、金属箔及び蒸着材料のいずれにおいても、好ましくは、アルミニウムが用いられる。
蒸着フィルムの基材となる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、メタキシリレンジアミン・アジピン酸縮合体等のポリアミド樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エステルとメチルメタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルを部分ケン化した物等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂から製造されるフィルムが用いられる。
ガスバリア層の厚さは特に制限はないが、金属箔の場合は、1〜60μmであり、好ましくは5〜30μmである。厚さが1μm以上であれば、金属箔の強度が高く、ピンホールの形成等が抑えられる。厚さが60μm以下であれば、ヒートブリッジの影響による真空断熱材の断熱性能の低下を本発明により抑制することができる。蒸着フィルムの場合は、ガスバリア層の厚さは、10〜60μm、好ましくは12〜30μmであり、そのうち蒸着膜の厚さは、0.2〜3.0μm、好ましくは0.5〜2.0μmである。蒸着膜の厚さが0.2μm以上であればガスバリア性を発揮でき、3.0μm以下であれば蒸着膜形成の技術的な困難さは大きくはない。
ガスバリア層に用いられる金属箔や蒸着フィルムは公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
シール層は、加熱により融着可能な樹脂である。熱融着可能な樹脂であれば、特に制限はない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアクリロニトリル、PET、エチレン−ビニルアルコール共重合体、又はそれらの混合体からなるフィルム等を用いることができる。好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体が用いられる。ポリエチレンは、0.90〜0.98g/cm3の密度のものが好ましい。ポリプロピレンは、0.85〜0.95g/cm3の密度のものが好ましい。シール層の厚さは特に制限はないが、通常10〜100μmであり、好ましくは25〜60μmである。シール層に用いられる樹脂は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
樹脂フィルム層は、ガスバリア層を保護する目的で、ガスバリア層上に任意に設けられる層である。樹脂フィルム層としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、メタキシリレンジアミン・アジピン酸縮合体等のポリアミド樹脂;ポリビニルアルコール、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エステルとメチルメタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂から製造されるフィルムが用いられる。好ましくは、PET、ナイロン6又はナイロン66である。これらの樹脂フィルムには、有機質、無機質のフィラーを添加することもできる。これらの樹脂は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。樹脂フィルム層には、ガスバリア性フィルムのガスバリア性能を更に向上させるために、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルアルコール等のビニルモノマーを重合、共重合させて得られるガスバリア性樹脂を塗布したり、積層したり、それらの粒子を樹脂フィルム層中に混合分散させることもできる。樹脂フィルム層の厚さは特に制限はないが、通常5〜40μmであり、好ましくは10〜30μmである。樹脂フィルム層に用いられる樹脂は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
ガスバリア性フィルムは、袋状に形成される。袋状とは、中に芯材及び吸着剤を入れられる形状である。ガスバリア性フィルムを袋状に形成する工程には、特に制限はない。例えば、ガスバリア性フィルムがシール層有する場合に、互いのシール層が接するように2枚のガスバリア性フィルムを重ねて、芯材及び吸着剤を納める部位の周りを、芯材及び吸着剤の挿入のための開口部を残して熱融着することにより、ガスバリア性フィルムを袋状に形成してもよい。
本発明に用いられる外層は、紙及び/又は不織布である。外層は、真空断熱材の厚みの増加を最小限に抑えながらヒートブリッジを抑制するために用いられる。
紙とは、植物繊維その他の繊維を膠着させて製造した物である。有機繊維及び無機繊維のいずれも紙の材料として使用し得る。紙の材料となる有機繊維としては、例えば、植物由来の繊維、合成繊維等があり、紙の材料となる無機繊維は、例えば、鉱物、金属からなる繊維、合成繊維等がある。
不織布とは、繊維シート、ウェブまたはバットで、線が一方向またはランダムに配向しており、交流、及び/又は融着、及び/又は接着によって繊維間が結合されたものである。有機繊維及び無機繊維のいずれも不織布の材料として使用し得る。不織布の材料となる有機繊維は天然繊維及び化学繊維を含み、天然繊維としては綿、羊毛、フェルト、麻、パルプ、絹等があり、化学繊維としてはレーヨン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維、アセテート等がある。不織布の原料となる無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維等がある。好ましい材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンである
紙及び不織布は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
外層の厚さは、0.01mm〜3mmであり、好ましくは0.03〜0.5mmである。外層の厚さが0.01mm以上であれば、ヒートブリッジを抑制することができ、3mm以下であれば、真空断熱材の厚みの増加を最小限に抑えることができる。
外層の目付は特に制限はないが、好ましくは10〜200g/m2であり、より好ましくは20〜100g/m2である。目付が10g/m2以上であればヒートブリッジ低減の効果が得られ、目付が200g/m2以下であれば剛性が高くなりすぎず、加工が容易となる。
また、外層によるヒートブリッジ抑制効果は、用いられる外層の色によっても変化し得る。
外層は、例えば、ラミネートによって、ガスバリア性フィルムの、芯材と接しない側(真空断熱材の外側)に接着される。ラミネートの方法としては、ドライラミネート、押し出しラミネート、ホットメルトラミネート、ウェットラミネート、サーマルラミネート等が挙げられる。
本発明の真空断熱材は、板状である。板状とは、薄く平たい形状を言い、対向する2つの面(図1の上面1及び下面2)及びこれら2つの面を接続する側周面(図1の4つの側面3)を有する。
外層は、板状の真空断熱材の少なくとも片面の一部を覆っており、好ましくは、使用する際に熱源側に配置される面の縁を枠状に覆っている(図2の符号4)。外層は、好ましくは真空断熱材の側周面も覆っており、より好ましくは真空断熱材の全面(すなわち、両面及び側周面)を覆っている。外層が真空断熱材の少なくとも片面の一部を覆っていると、ヒートブリッジを抑制することができる。また、複数の真空断熱材を組み合わせて用いる場合には、真空断熱材同士の継ぎ目部分における熱の漏洩を防ぐために、側周面を外層で覆うことが有利である。
本発明は、加工された板状の真空断熱材を含む。例えば、真空断熱材は、適用する対象の形状に沿うように、面に窪みを設けられていてもよい。また、真空断熱材は、折り曲げてL字状にされていてもよく、丸めて中空の円柱状にされていてもよい。上記のような加工が容易にできる真空断熱材を提供する観点からも、本発明の外層の材質及び厚さは適切である。
真空断熱材において、通常、芯材及び吸着剤が減圧密封されている部位の周りには、ガスバリア性フィルムのシール層同士が接着した「耳部」が形成される。耳部は、芯材に沿って耳部を折る「耳折り」によって折りたたまれてもよい。
本発明の真空断熱材の厚さは、通常1〜40mmであり、好ましくは3〜30mmである。耳折りをした真空断熱材の場合、前記真空断熱材の厚さは、耳折りされた耳部を含む厚さをいう。
本発明の真空断熱材の製造方法に特に制限はない。例えば、製造方法は、ガスバリア性フィルムを袋状に形成する工程、袋状のガスバリア性フィルム内に芯材を配置する工程、ガスバリア性フィルムで芯材を減圧密封する工程、外層をガスバリア性フィルムの外側に接着する工程、を含んでもよい。あるいは、製造方法は、外層をガスバリア性フィルムの芯材と接しない側に接着して、ガスバリア性フィルムと外層とが一体化した外皮材を得る工程、外皮材を袋状に形成する工程、袋状の外皮材内に芯材及び吸着剤を配置する工程、外皮材で芯材を減圧密封する工程、を含んでもよい。前もってガスバリア層と外層とが一体化した外皮材を準備する場合に、得られる真空断熱材の耳折りの際の加工性に優れた外皮材を提供する観点からも、本発明の外層の厚さ及び材質は適切である。
本発明の真空断熱材は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、クーラーボックス、ジャー炊飯器、給湯器、自動販売機等の家庭用、業務用電化製品、自動車、複写機、床暖房等に適用できる。
以下、本発明の真空断熱材について、実施例により詳細に説明する。しかしながら、本発明は、実施例に制限されるものではない。
ポリエチレン(密度0.94g/cm3、厚さ50μm)、アルミ箔(厚さ6.5μm)及びポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)をこの順に積層して構成されたガスバリア性フィルムのポリエチレンテレフタレート面上に、不織布(目付30g/m2、厚さ200μm、白色)をドライラミネートにより更に積層して、外皮材1を作成した。外皮材1を80℃で1時間乾燥した。各層の積層に用いたウレタン系接着剤の層を含む外皮材1の厚さは、0.3mmであった。
ポリエチレン(密度0.94g/cm3、厚さ50μm)、アルミ箔(厚さ6.5μm)、ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)及びポリアミド(厚さ15μm)をこの順に積層して構成されたガスバリア性フィルムのポリエチレンテレフタレート面上に、紙(目付70g/m2、厚さ80μm、白色)をドライラミネートにより更に積層して、外皮材2を作成した。外皮材2を80℃で1時間乾燥した。各層の積層に用いたウレタン系接着剤の層を含む外皮材2の厚さは、0.19mmであった。
ポリエチレン(密度0.94g/cm3、厚さ50μm)、アルミ箔(厚さ6.5μm)、ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)及びポリアミド(厚さ15μm)をこの順に積層して構成されたガスバリア性フィルム1を準備した。各層の積層に用いたウレタン系接着剤の層を含むガスバリア性フィルム1の厚さは、0.1mmであった。
実施例1
2枚の外皮材1を、互いのポリエチレン層が接するように重ね、芯材の挿入のための開口部を残して外周部をヒートシールし、袋状に形成した。
ガラス繊維マット(密度64kg/m3、バインダーの樹脂付着量が1.4%、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂バインダーにて180℃の熱風で2分間硬化させて成形した)を積層し、150℃で30分乾燥して芯材を得た。
芯材及び酸化カルシウムを袋状の外皮材に挿入した。芯材及び酸化カルシウムが入った外皮材を真空包装機内に置き、真空包装機内をペニング真空計で1Pa以下の測定値が得られるまで減圧し、ヒートシールして外皮材の開口部を密封し、耳部を有する真空断熱材を得た。耳折り後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ9mmの大きさであった。
実施例2
2枚の外皮材1の代わりに外皮材1及びガスバリア性フィルム1を1枚ずつ使用した以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。得られた真空断熱材の耳部を、ガスバリア性フィルム1側に耳折りした。耳折り後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ10mmの大きさであった。
実施例3
2枚の外皮材1の代わりに2枚の外皮材2を使用した以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。耳折り後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ9mmの大きさであった。
実施例4
2枚の外皮材1の代わりに外皮材2及びガスバリア性フィルム1を1枚ずつ使用した以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。得られた真空断熱材の耳部を、ガスバリア性フィルム1側に耳折りした。耳折り後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ10mmの大きさであった。
実施例5
2枚の外皮材1の代わりに2枚のガスバリア性フィルム1を使用した以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。耳折り後、折られた耳部のない側の面全体に紙(目付70g/m2、厚さ80μm、白色)を貼った。紙を貼った後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ10mmの大きさであった。
比較例1
2枚の外皮材1の代わりに2枚のガスバリア性フィルム1を使用した以外は、実施例1と同様にして真空断熱材を得た。耳折り後の真空断熱材は、縦350mm、横250mm、厚さ10mmの大きさであった。
ヒートブリッジ抑制効果確認試験
一斗缶の側面を、実施例1で製造した真空断熱材で、真空断熱材の折られた耳部のある側の面が外側(一斗缶に接しない側)となるように覆い、一斗缶の上下の面を発泡断熱材で覆った。一斗缶に水及びバケツ用ヒーター(八光電気社製(100V 500W))を入れ、水温が90℃になるように加熱した。ヒーターを止め、水温が89℃に下がった時点でヒーターを点け、水温が90℃に達するとヒーターを止めることを繰り返し、水温を89℃〜90℃に保つために要したヒーターの消費電力を、ログサーモ(八光電気社製)を用いて測定した。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.19kWhであった。
実施例2で製造した真空断熱材を用いて、真空断熱材の折られた耳部のある側の面が外側(一斗缶に接しない側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.15kWhであった。
実施例2で製造した真空断熱材を用いて、真空断熱材の折られた耳部のある側の面が内側(一斗缶に接しする側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.17kWhであった。
実施例3で製造した真空断熱材を用いて、真空断熱材の折られた耳部のある側が外側(一斗缶に接しない側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.15kWhであった。
実施例4で製造した真空断熱材を用いて、真空断熱材の折られた耳部のある側が外側(一斗缶に接しない側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.15kWhであった。
実施例5で製造した紙を貼った真空断熱材を用いて、真空断熱材の紙の貼付面が内側(一斗缶に接しする側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.19kWhであった。
比較例で製造した真空断熱材を用いて、真空断熱材の折られた耳部のある側が外側(一斗缶に接しない側)となるようにして、同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.29kWhであった。
参考例
一斗缶のいずれの面も真空断熱材又は断熱材で覆われていない場合の消費電力を調べるために、真空断熱材及び断熱材を用いずに同様の試験を行なった。水温を89℃〜90℃に3時間保つために要したヒーターの消費電力は、0.93kWhであった。
本発明の真空断熱材は、冷蔵庫、冷凍庫、クーラーボックス、ジャー炊飯器、給湯器、自動販売機等の家庭用、業務用電化製品、自動車、複写機、床暖房等の、ヒートブリッジを抑制し、かつ断熱物品の小型化、軽量化に好適に使用できる真空断熱材が要望される分野において有用である。
1 上面
2 下面
3 側周面
4 外層

Claims (11)

  1. 真空断熱材であって、
    前記真空断熱材が、芯材、前記芯材を封入する袋状のガスバリア性フィルム、並びに前記ガスバリア性フィルムの外側に設けられた外層から構成され、
    前記外層が紙及び/又は不織布であり、
    前記紙及び/又は不織布が0.01〜3mmの厚さを有し、
    前記真空断熱材が板状であり、
    前記外層が少なくとも前記真空断熱材の片面の一部を覆っている、
    真空断熱材。
  2. 前記紙及び/又は不織布の目付が10〜200g/m2である、請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記外層が、前記真空断熱材の側周面を覆っている、請求項1又は2に記載の真空断熱材。
  4. 前記外層が、前記真空断熱材の全面を覆っている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  5. 前記ガスバリア性フィルムがシール層及びガスバリア層を含み、前記シール層が前記芯材と接する側にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空断熱材。
  6. 前記ガスバリア性フィルムが更に1層以上の樹脂フィルム層を含み、前記芯材と接する側から順にシール層、ガスバリア層及び樹脂フィルム層が積層されている、請求項5に記載の真空断熱材。
  7. 前記ガスバリア層が金属箔である、請求項5又は6に記載の真空断熱材。
  8. 前記金属箔が1〜60μmの厚さを有する、請求項7に記載の真空断熱材。
  9. 前記ガスバリア層が蒸着フィルムである、請求項5又は6に記載の真空断熱材。
  10. 前記蒸着フィルムにおける蒸着膜の厚さが0.2〜3.0μmである、請求項9に記載の真空断熱材。
  11. 吸着剤が前記芯材と共に前記袋状のガスバリア性フィルムに封入されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の真空断熱材。
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