JP2015140141A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 左右のダンパーハウジングを接続する閉断面のストラットタワーバーの溶接部の寸法や重量を増加させることなく、その溶接強度を高める。【解決手段】 左右のダンパーハウジング14を接続する閉断面のストラットタワーバー17の車幅方向中央部で上部板材18および下部板材19を車幅方向にシーム溶接W4し、シーム溶接W4した部分の車幅方向外側で上部板材18および下部板材19をスポット溶接W5することで、口開き変形に対する強度が高いシーム溶接W4の利点と、剥離強度が高いスポット溶接W5の利点とを併せ持たせることができる。シーム溶接W4のナゲット幅wと車体の通常のスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≰w/d≰0.36に設定したので、シーム溶接W4により溶接代の幅を減少させて重量を軽減しながらスポット溶接と同等の剪断強度を確保することができる。【選択図】 図3

Description

本発明は、少なくとも上部板材および下部板材を接合して閉断面に構成したストラットタワーバーで左右のダンパーハウジングを接続する自動車の車体構造に関する。
アウターパネルのフランジおよびインナーパネルのフランジ間にリーンフォースメントを挟んで溶接することで閉断面のフロントピラーを構成するものにおいて、アウターパネルのフランジおよびインナーパネルのフランジをずらして配置し、アウターパネルのフランジおよびリーンフォースメントを2枚重ねでシーム溶接するとともに、インナーパネルのフランジおよびリーンフォースメントを2枚重ねでシーム溶接することで、3枚重ねのシーム溶接を避けて溶接強度を確保するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2009−255800号公報 米国特許第8240747号明細書
ところで上記従来のものは、アウターパネルのフランジおよびリーンフォースメントを2枚重ねで接合するシーム溶接と、インナーパネルのフランジおよびリーンフォースメントを2枚重ねで接合するシーム溶接とが所定距離離れて平行に行われるため、アウターパネルおよびインナーパネルのフランジの幅が必然的に大きくなり、溶接部の寸法が大型化するだけでなく、フランジの幅が増加した分だけ重量も増加する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、左右のダンパーハウジングを接続する閉断面のストラットタワーバーの溶接部の寸法や重量を増加させることなく、その溶接強度を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、少なくとも上部板材および下部板材を接合して閉断面に構成したストラットタワーバーで左右のダンパーハウジングを接続する自動車の車体構造であって、前記ストラットタワーバーの車幅方向中央部で前記上部板材および前記下部板材を車幅方向にシーム溶接するとともに、前記シーム溶接した部分の車幅方向外側で前記上部板材および前記下部板材を該シーム溶接よりも剥離強度が高い接合手段で接合し、前記シーム溶接のナゲット幅wと車体の通常のスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≦w/d≦0.36に設定したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ストラットタワーバーをダッシュパネルアッパーの前端に接合したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記ダッシュパネルアッパーは横壁と、前記横壁の前端から上方に立ち上がる縦壁と、前記縦壁の上端から前方に延びるフランジとを備え、前記フランジを前記上部板材の後端に接合し、前記横壁を前記下部板材の後端に接合することで、前記縦壁で前記ストラットタワーバーの後面を閉塞して閉断面を構成し、前記ストラットタワーバーの車幅方向中央部の前後方向幅を車幅方向外端部の前後方向幅よりも小さくしたことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記ダンパーハウジングの車幅方向内壁とフロントサイドフレームの上壁とを上下方向に接続する接続部材を備え、前記接続部材の上端を前記ストラットタワーバーに接続したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記接続部材を前記ストラットタワーバーの前記上部板材および前記下部板材に少なくとも3枚重ねでスポット溶接したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項4または請求項5の構成に加えて、前記接続部材はエンジンまたはトランスミッションを支持する支持部材を備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記上部板材の車幅方向外端部の下面に第1補強部材を重ねて接合したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、フロントガラスロアサポートの前端と前記ストラットタワーバーとを第2補強部材で接続したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
尚、実施の形態のスポット溶接W5は本発明の接合手段に対応する。
請求項1の構成によれば、少なくとも上部板材および下部板材を接合して閉断面に構成したストラットタワーバーで左右のダンパーハウジングを接続するので、前輪から左右のストラットタワーバーにアンバランスな荷重が入力しても、剛性の高いストラットタワーバーで車体の捩じれを抑制することができる。
ストラットタワーバーの車幅方向中央部で上部板材および下部板材を車幅方向にシーム溶接したので、ストラットタワーバーに曲げ荷重が加わったときにシーム溶接により上部板材および下部板材が口開き変形するのを防止することができ、しかもシーム溶接した部分の車幅方向外側で上部板材および下部板材を該シーム溶接よりも剥離強度が高い接合手段で接合したので、ストラットタワーバーに剥離荷重が加わったときにシーム溶接の端部の剥離を接合手段により防止することができる。
シーム溶接のナゲット幅wと車体の通常のスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≦w/d≦0.36に設定したので、シーム溶接により溶接代の幅を減少させて重量を軽減しながらスポット溶接と同等の剪断強度を確保することができる。
また請求項2の構成によれば、ストラットタワーバーをダッシュパネルアッパーの前端に接合したので、ストラットタワーバーの剛性がダッシュパネルアッパーにより高められ、左右のダンパーハウジングの支持剛性を高めるためにストラットタワーバーの板厚を増加させる必要がなくなって軽量化が可能になるだけでなく、剛性が高まった分だけストラットタワーバーの車幅方向中央部の前後方向幅を減少させてエンジンルームに搭載される機器との干渉を防止することができる。
また請求項3の構成によれば、ダッシュパネルアッパーは横壁と、横壁の前端から上方に立ち上がる縦壁と、縦壁の上端から前方に延びるフランジとを備え、フランジを上部板材の後端に接合し、横壁を下部板材の後端に接合することで、縦壁で前記ストラットタワーバーの後面を閉塞して閉断面を構成するので、ストラットタワーバーの剛性を高めて車体の捩じれを抑制できるだけでなく、ストラットタワーバーの車幅方向中央部の前後方向幅を車幅方向外端部の前後方向幅よりも小さくしたので、エンジンルームに搭載される機器がストラットタワーバーと干渉するのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、ダンパーハウジングの車幅方向内壁とフロントサイドフレームの上壁とを上下方向に接続する接続部材を備え、接続部材の上端をストラットタワーバーに接続したので、ストラットタワーバーを剛性の高いフロントサイドフレームおよびダンパーハウジングに接続部材に接続して補強することで、車体の捩じれを抑制することができる。
また請求項5の構成によれば、接続部材をストラットタワーバーの上部板材および下部板材に少なくとも3枚重ねでスポット溶接したので、接続部材で上部板材および下部板材のシーム溶接の端部を補強し、シーム溶接の端部の剥離を一層確実に防止することができる。
また請求項6の構成によれば、接続部材はエンジンまたはトランスミッションを支持する支持部材を備えるので、大重量のエンジンやトランスミッションを強度の高い接続部材およびダンパーハウジングで強固に支持することができる。
また請求項7の構成によれば、上部板材の車幅方向外端部の下面に第1補強部材を重ねて接合したので、シーム溶接の端部近傍におけるストラットタワーバーの剛性を高め、シーム溶接の剥離を一層確実に防止することができる。
また請求項8の構成によれば、フロントガラスロアサポートの前端とストラットタワーバーとを第2補強部材で接続したので、フロントガラスの重量をフロントガラスロアサポートから第2補強部材を介してストラットタワーバーに伝達することで、フロントガラスを強固に支持することができる。
シーム溶接した部材およびスポット溶接した部材を比較する図。 シーム溶接およびスポット溶接を併用した部材の説明図。 自動車の車体前部の斜視図。 図3の4方向矢視図。 図4の5−5線断面図。 図4の6−6線断面図。 図4の7−7線断面図。 図4の8−8線断面図。
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1(A)は一対のハット状断面の鋼板を、それらの接合フランジにおいて重ね合わせた状態でシーム溶接して閉断面に構成した部材を示しており、図1(B)は同じくスポット溶接したものを示している。スポット溶接のピッチは自動車の車体の溶接おいて一般的に使用されている30mmである。
この部材に曲げモーメントが作用したとき、離散的なスポット溶接の場合には隣接する溶接部と溶接部との間が口開き変形して隙間が発生し易くなるが、連続的なシーム溶接の場合には口開き変形が発生しないために曲げ強度が向上し、鋼板を薄肉化して軽量化を図ることができ、しかもシーム溶接のナゲット幅はスポット溶接のナゲット径よりも小さいため、その差分だけ接合フランジの幅を狭くして更なる軽量化を図ることができる。それに対し、前記部材に剥離荷重が作用したとき、ナゲット幅が小さいシーム溶接の場合は溶接端部から剥離が発生し易くなるが、ナゲット径が大きいスポット溶接の場合には剥離が発生し難くなる。
またシーム溶接で30mm間隔のスポット溶接と同等の剪断強度を得るためには、シーム溶接のナゲット幅をwとし、自動車の車体溶接に使用される一般的なスポット溶接のナゲット径をdとしたとき、安全率を含めて、0.29≦w/d≦0.36が成立することが必要である。シーム溶接のナゲット幅wが小さすぎてw/dが0.29未満になると剪断強度が不足してしまい、シーム溶接のナゲット幅wが大きすぎてw/dが0.36を越えると母材である鋼材自体の破断が発生してしまう。
従って、図2に示すように、二つの鋼材の接合部の長手方向中央部をシーム溶接して曲げ荷重に対する強度を高め、シーム溶接の両端部をスポット溶接して剥離荷重に対する強度を高めることで、シーム溶接の利点およびスポット溶接の利点を両立させ、軽量でありながら曲げ強度および剥離強度の高い部材を得ることができる。しかもシーム溶接のナゲット幅wとスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≦w/d≦0.36に設定することで、自動車の車体溶接に使用される一般的なスポット溶接と同等の剪断強度を確保することができる。
このとき、シーム溶接の両端のスポット溶接を、それと同等以上の剥離強度を有するボルトやリベットで置き換えても同様の作用効果を達成することができる。
次に、上述したシーム溶接およびスポット溶接の組み合わせを適用した実施の形態を、図3〜図8に基づいて説明する。尚、本明細書において、前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図3〜図6に示すように、フロアパネル11の前端から起立するダッシュパネルロア12の前面から左右一対のフロントサイドフレーム13,13が前方に延びており、ダッシュパネルロア12の前面およびフロントサイドフレーム13,13の車幅方向外側面に左右一対のダンパーハウジング(ストラットタワー)14,14が接続される。ダンパーハウジング14,14の内部には、前輪のサスペンション装置のダンパー(不図示)が収納される。ダッシュパネルロア12に接続された断面L字状のフロントガラスロアサポート15は、ダッシュパネルロア12の上端から上方に延びる縦壁15aと、縦壁15aの上端から前方に延びてフロントガラスの下端を支持する横壁15bとを備える。ダッシュパネルアッパー16は、後端のフランジ16aをダッシュパネルロア12の縦壁15aの上下方向中間部にスポット溶接W1され、そこから前方に延びる横壁16bの前端に車幅方向に延びるストラットタワーバー17が接続され、ストラットタワーバー17によって左右一対のダンパーハウジング14,14の上端間が接続される。
ストラットタワーバー17は、上壁18aを有する平板状の上部板材18と、前壁19aおよび下壁19bを有する下部板材19と、ダッシュパネルアッパー16の横壁16bの前端を上方に折り曲げた縦壁16cとで矩形状閉断面に構成される。より具体的には、下部板材19の下壁19bの後端に設けたフランジ19cとダッシュパネルアッパー16の横壁16bとがスポット溶接W2され、上部板材18の上壁18aの後端に設けたフランジ18bとダッシュパネルアッパー16の縦壁16cの上端を前方に折り曲げたフランジ16dとがスポット溶接W3され、上部板材18の上壁18aの前端に設けたフランジ18cと下部板材19の前壁19aの上端を前方に折り曲げたフランジ19dとがシーム溶接W4およびスポット溶接W5される。そしてストラットタワーバー17の上部板材18の上壁18aの車幅方向外端部は、それぞれダンパーハウジング14の上壁14aにスポット溶接W6される。
前記シーム溶接W4および前記スポット溶接W5は図2で説明したものに相当し、シーム溶接W4はストラットタワーバー17の車幅方向中間部において上部板材18のフランジ18cおよび下部板材19のフランジ19dを連続的に接合し、スポット溶接W5はシーム溶接W4の車幅方向外側部分を複数個所で離散的に接合する。本実施の形態では、スポット溶接W5のナゲット径dは車体の一般的なスポット溶接のナゲット径dと同じであり、シーム溶接W4のナゲット幅wは前記ナゲット径dに対して0.29≦w/d≦0.36の関係が成立するように設定される。
ストラットタワーバー17を上方から見たとき、ストラットタワーバー17の車幅方向中央部における前後方向の幅Aが、車幅方向外端部における前後方向の幅Bよりも大きくなるように、ストラットタワーバー17の前縁が後方に向けてに凸に湾曲している(図4参照)。
ストラットタワーバー17の車幅方向外端部の上部板材18の下面に前後方向に延びる板状の第1補強部材20が重ね合わされる(図2および図6参照)。第1補強部材20の後端はダッシュパネルアッパー16のフランジ16dおよび上部板材18のフランジ18bの下面に3枚重ねで重ね合わされ、前記スポット溶接W3の一つにより一体に溶接される。また第1補強部材20の前端は上部板材18のフランジ18cおよび下部板材19のフランジ19d間に挟まれて3枚重ねで重ね合わされ、前記スポット溶接W5の一つにより一体に溶接される。
またストラットタワーバー17の車幅方向略中央部が、前後方向に延びる板状の第2補強部材21を介してフロントガラスロアサポート15に接続される(図2および図6参照)。第2補強部材21の前端はストラットタワーバー17の縦壁16cの上端にスポット溶接W7され、第2補強部材21の後端はフロントガラスロアサポート15の横壁15bの前端にスポット溶接W8される。
図3、図7および図8に示すように、前壁22a、側壁22bおよび後壁22cを有して車幅方向外側に向けて開放する断面コ字状の接続部材22により、フロントサイドフレーム13の上壁とストラットタワーバー17の下部板材19とが接続される。接続部材22の前壁22aおよび後壁22cはダンパーハウジング14の側壁14bに接続されて閉断面を構成する。また接続部材22の上端のフランジ22dは、上部板材18のフランジ18cと下部板材19のフランジ19dとに3枚重ねで重ね合わされ、前記スポット溶接W5により一体に溶接され、かつ接続部材22の上端のフランジ22eは、ダッシュパネルアッパー16の横壁16bと下部板材19のフランジ19cとに3枚重ねで重ね合わされ、前記スポット溶接W2により一体に溶接される。
接続部材22の前壁22aおよび側壁22bからダンパーハウジング14の側壁14bに跨がるように、上下一対の支持部材23,24が所定間隔で水平に溶接される。そしてエンジンルームに搭載された不図示のエンジンやトランスミッションのマウントが上下一対の支持部材23,24に挟まれるように支持される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
左右の前輪の一方が段差等に乗り上げると左右のダンパーハウジング14,14の一方だけに荷重が入力されて車体が捩じれるように変形するが、左右のダンパーハウジング14,14をストラットタワーバー17で接続し、かつストラットタワーバー17をダッシュパネルアッパー16およびフロントガラスロアサポート15を介してダッシュパネルロア12に接続することで、車体剛性を高めて変形を防止することができる。
特に、ストラットタワーバー17は、ダッシュパネルアッパー16の縦壁16c、上部板材18の上壁18a、下部板材19の前壁19aおよび下壁19bにより閉断面を構成するので、ストラットタワーバー17の剛性を高めて車体の捩じれを効果的に抑制することができる。しかもストラットタワーバー17の車幅方向中央部の前後方向幅Aは車幅方向外端部の前後方向幅Bよりも小さいので、エンジンルームに搭載される機器がストラットタワーバー17と干渉するのを防止することができる。
またダンパーハウジング14の側壁14bとフロントサイドフレーム13の上壁とを上下方向に接続する接続部材22を備え、接続部材22の上端をストラットタワーバー17に接続したので、ストラットタワーバー17を剛性の高いフロントサイドフレーム13およびダンパーハウジング14に接続部材22を介して接続して補強することで、車体の捩じれを抑制することができる。
ストラットタワーバーの17の車幅方向中間部では、上部板材18のフランジ18cと下部板材19のフランジ19dとが車幅方向にシーム溶接W4されるので、ストラットタワーバー17に曲げ荷重が加わったときに上部板材18および下部板材19が口開き変形するのを防止することができ、しかもシーム溶接W4した部分の車幅方向外側で上部板材18のフランジ18cと下部板材19のフランジ19dとをシーム溶接W4よりも剥離強度が高いスポット溶接W5で溶接したので、ストラットタワーバー17に剥離荷重が加わったときにシーム溶接W4の端部の剥離をスポット溶接W5により防止し、シーム溶接W4およびスポット溶接W5の利点を有効に発揮させてストラットタワーバー17の強度を高めることができる。
また図1および図2で説明したように、シーム溶接W4のナゲット幅wと、前記スポット溶接W5を含む車体の通常のスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≦w/d≦0.36に設定したので、シーム溶接W4により前記上部板材18および下部板材19のフランジ18c,19dの幅を減少させて重量を軽減しながら、スポット溶接と同等の剪断強度を確保することができる。
またストラットタワーバー17をダッシュパネルアッパー16の前端に接合したので、ストラットタワーバー17の剛性がダッシュパネルアッパー16により高められ、左右のダンパーハウジング14,14の支持剛性を高めるためにストラットタワーバー17の板厚を増加させる必要がなくなって軽量化が可能になるだけでなく、剛性が高まった分だけストラットタワーバー17の車幅方向中央部の前後方向幅Aを減少させてエンジンルームに搭載される機器との干渉を防止することができる。
このとき、接続部材22の上端のフランジ22d,22eをストラットタワーバー17の上部板材18および下部板材19に少なくとも3枚重ねでスポット溶接W2,W5したので(図7参照)、接続部材22で上部板材18および下部板材19のシーム溶接W4の端部を補強し、シーム溶接W4の端部の剥離を一層確実に防止することができる。しかも接続部材22はエンジンまたはトランスミッションを支持する支持部材23,24を備えるので、大重量のエンジンやトランスミッションを強度の高い接続部材23,24およびダンパーハウジング14で強固に支持することができる。
また上部板材18の車幅方向外端部の下面に第1補強部材20,20を重ねて接合したので(図6参照)、シーム溶接W4の端部近傍におけるストラットタワーバー17の剛性を一層高め、シーム溶接W4の剥離を一層確実に防止することができる。更に、フロントガラスロアサポート15の前端とストラットタワーバー17とを第2補強部材21で接続したので(図5参照)、フロントガラスの重量をフロントガラスロアサポート15から第2補強部材20,20を介してストラットタワーバー17に伝達することで、フロントガラスを強固に支持することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、シーム溶接W4の両端のスポット溶接W5は、それと同等の剥離強度を有するボルトやリベットで置き換えることができる。
13 フロントサイドフレーム
14 ダンパーハウジング
15 フロントガラスロアサポート
16 ダッシュパネルアッパー
16b 横壁
16c 縦壁
16d フランジ
17 ストラットタワーバー
18 上部板材
19 下部板材
20 第1補強部材
21 第2補強部材
22 接続部材
23 支持部材
24 支持部材
A ストラットタワーバーの車幅方向中央部の前後方向幅
B ストラットタワーバーの車幅方向外端部の前後方向幅
W4 シーム溶接
W5 スポット溶接(接合手段)

Claims (8)

  1. 少なくとも上部板材(18)および下部板材(19)を接合して閉断面に構成したストラットタワーバー(17)で左右のダンパーハウジング(14)を接続する自動車の車体構造であって、
    前記ストラットタワーバー(17)の車幅方向中央部で前記上部板材(18)および前記下部板材(19)を車幅方向にシーム溶接(W4)するとともに、前記シーム溶接(W4)した部分の車幅方向外側で前記上部板材(18)および前記下部板材(19)を該シーム溶接(W4)よりも剥離強度が高い接合手段(W5)で接合し、前記シーム溶接(W4)のナゲット幅wと車体の通常のスポット溶接のナゲット径dとの関係を、0.29≦w/d≦0.36に設定したことを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 前記ストラットタワーバー(17)をダッシュパネルアッパー(16)の前端に接合したことを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記ダッシュパネルアッパー(16)は横壁(16b)と、前記横壁(16b)の前端から上方に立ち上がる縦壁(16c)と、前記縦壁(16c)の上端から前方に延びるフランジ(16d)とを備え、前記フランジ(16d)を前記上部板材(18)の後端に接合し、前記横壁(16b)を前記下部板材(19)の後端に接合することで、前記縦壁(16c)で前記ストラットタワーバー(17)の後面を閉塞して閉断面を構成し、前記ストラットタワーバー(17)の車幅方向中央部の前後方向幅(A)を車幅方向外端部の前後方向幅(B)よりも小さくしたことを特徴とする、請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 前記ダンパーハウジング(14)の車幅方向内壁とフロントサイドフレーム(13)の上壁とを上下方向に接続する接続部材(22)を備え、前記接続部材(22)の上端を前記ストラットタワーバー(17)に接続したことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  5. 前記接続部材(22)を前記ストラットタワーバー(17)の前記上部板材(18)および前記下部板材(19)に少なくとも3枚重ねでスポット溶接(W5)したことを特徴とする、請求項4に記載の自動車の車体構造。
  6. 前記接続部材(22)はエンジンまたはトランスミッションを支持する支持部材(23,24)を備えることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の自動車の車体構造。
  7. 前記上部板材(18)の車幅方向外端部の下面に第1補強部材(20)を重ねて接合したことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  8. フロントガラスロアサポート(15)の前端と前記ストラットタワーバー(17)とを第2補強部材(21)で接続したことを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
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