JP2015139012A - 水晶振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属カバーの位置合わせを容易にし、生産効率を向上させることができる水晶振動子及びその製造方法を提供する。【解決手段】 水晶素子がセラミックベースに搭載され、金属カバーによって封止される水晶振動子であって、セラミックベース11上において金属カバー21の開口部端面が搭載される位置に溝41を備え、金属カバー21の開口部端面が当該溝41に挿入されており、金属カバー21の開口部端面と溝41との間に合金3から成る封止部を備え、焼成によりベース11と金属カバー21とが接着されて密封封止されたものであり、金属カバー21の搭載時に、縁が溝内に収まって固定されるため、特別な治工具を用いなくても金属カバー21の位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させるものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶振動子及びその製造方法に係り、特に、気密性を向上させ、カバーを搭載する際の位置合わせを容易にし、生産効率を向上させることができる水晶振動子及びその製造方法に関する。
[先行技術の説明]
水晶振動子の製造は、安価で生産効率の高いシート工法で行われることが多い。
シート工法は、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状のセラミックベース上で、各領域に電極等を形成してその上に水晶素子を搭載し、それぞれの領域に金属等から成るカバーを載せて気密封止することで水晶振動子の個片を形成し、その後、シート状セラミックベースをブレイクラインで切断して個々の水晶振動子を得る方法である。
ところで、シート状セラミックベース上で個片カバーを搭載する際には、位置決めが必要となる。
特に、気密性を向上させるために、合金等の常温で粘度の小さい封止材を用いた場合、カバーを載せただけでは固定することができず、少しの振動でカバーずれが発生してしまう。
また、セラミックベースシート状でカバーの位置決めを治工具で行う場合、焼成によるセラミックシートの収縮を想定して、正確に搭載位置を決めるのは困難であった。
[関連技術]
尚、水晶振動子のベース及びカバーの構成に関する技術としては、特開2011−009808号公報「水晶振動子」(日本電波工業株式会社、特許文献1)、特開2003−318690号公報「表面実装用の水晶振動子」(日本電波工業株式会社、特許文献2)、特開2013−145964号公報「圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法」(日本電波工業、特許文献3)がある。
特許文献1には、水晶振動子において、金属カバーの開口端面に少なくとも2個の突起を有し、平板ベースの外周表面には、当該2個の突起に対応した溝が形成されていることが記載されている。
特許文献2には、表面実装用の水晶振動子において、凹状の金属カバーを平板基板に接合して、有効面積を大きくすることが記載されている。
また、特許文献3には、圧電デバイスにおいて、セラミック基板に環状溝を形成し、金属カバーの開口部端面が環状溝に入るように搭載され、ポリイミド等の樹脂又は低融点ガラスを封止材として封止することが記載されている。
特開2011−009808号公報 特開2003−318690号公報 特開2013−145964号公報
上述したように、従来の水晶振動子では、気密性を向上させるために金属封止によってセラミックベース上にカバーを接着する際に、位置合わせが困難であるという問題点があった。
尚、特許文献1〜3には、セラミックベースに溝を形成し、金属カバーの縁部を溝に挿入して、合金から成る封止材で金属封止した構成については記載されていない。
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、金属封止によって気密性を向上させ、金属カバーの位置合わせを容易にし、生産効率を向上させることができる水晶振動子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、セラミック基板に、水晶素子と、開口部を有し水晶素子を覆う金属カバーとが搭載され、セラミック基板と金属カバーとが接着されて密封封止される水晶振動子であって、セラミック基板は、金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を備え、金属カバーの開口部端面は当該溝に挿入されており、金属カバーの開口部端面と溝との間に合金から成る封止部が設けられ、溝と金属カバーの開口部端面とが金属封止によって接着されていることを特徴としている。
また、本発明は、セラミック基板に、水晶素子と、開口部を有し水晶素子を覆う金属カバーとが搭載され、セラミック基板と金属カバーとが接着されて密封封止される水晶振動子であって、セラミック基板は、金属カバーの開口部端面と接する部分及び当該部分の内側全体を含む領域に凹部を備え、金属カバーの開口部端面は凹部に挿入されており、金属カバーの開口部端面と凹部との間に合金から成る封止部が設けられ、凹部と金属カバーの開口部端面とが金属封止によって接着されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記水晶振動子において、封止部が、予めセラミック基板側に形成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記水晶振動子において、封止部が、予め金属カバーの開口部端面に形成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記水晶振動子において、金属カバーの開口部端面が、フランジ形状であることを特徴としている。
また、本発明は、上記水晶振動子において、金属カバーの開口部端面が、突出部を備えた形状であることを特徴としている。
また、本発明は、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、各領域において、金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を形成する処理と、各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、溝に合金から成る封止部を形成する処理と、各領域に水晶素子を搭載する処理と、水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を溝に挿入して設置する処理と、溝と金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、各処理が施されたシート状セラミック基板をブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、各領域において、金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を形成する処理と、各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、各領域に水晶素子を搭載する処理と、金属カバーの開口部端面に合金から成る封止部を形成する処理と、水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を溝に挿入して設置する処理と、溝と金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、各処理が施されたシート状セラミック基板をブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、各領域において、金属カバーの開口部端面と接する部分及び当該部分の内側全体を含む領域に凹部を形成する処理と、各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、凹部の底面の外周部分に合金から成る封止部を形成する処理と、各領域に水晶素子を搭載する処理と、水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を前記凹部に挿入して設置する処理と、凹部と金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、各処理が施されたシート状セラミック基板をブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、各領域において、金属カバーの開口部端面と接する部分及び当該部分の内側全体を含む領域に凹部を形成する処理と、各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、各領域に水晶素子を搭載する処理と、金属カバーの開口部端面に合金から成る封止部を形成する処理と、水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を凹部に挿入して設置する処理と、凹部と金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、各処理が施されたシート状セラミック基板をブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、セラミック基板に、水晶素子と、開口部を有し水晶素子を覆う金属カバーとが搭載され、セラミック基板と金属カバーとが接着されて密封封止される水晶振動子であって、セラミック基板は、金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を備え、金属カバーの開口部端面は当該溝に挿入されており、金属カバーの開口部端面と溝との間に合金から成る封止部が設けられ、溝と金属カバーの開口部端面とが金属封止によって接着されている水晶振動子としているので、封止材として粘度の低い合金を使う場合でも、特別な治工具を用いずに金属カバーの位置決めを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、金属封止によって長期に亘って気密性を保持することができ、信頼性を向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、各領域において、金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を形成する処理と、各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、溝に合金から成る封止部を形成する処理と、各領域に水晶素子を搭載する処理と、水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を溝に挿入して設置する処理と、溝と金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、各処理が施されたシート状セラミック基板をブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたとしているので、シート工法において、粘度の低い合金を封止材として用いる場合でも、金属カバーの位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、金属封止によって長期に亘って気密性を保持することができ、信頼性の高い水晶振動子を実現することができる効果がある。
本発明の実施の形態に係る第1の水晶振動子の概略断面図である。 第1の水晶振動子におけるベース11の構成を示す概略平面図である。 第1の水晶振動子のシート状態における模式説明図である。 本発明の実施の形態に係る第2の水晶振動子の説明図である。 本発明の実施の形態に係る第3の水晶振動子の構成を示す説明図である。 第4の水晶振動子の概略断面図である。 第5の水晶振動子の構成を示す説明図である。 第6の水晶振動子の概略断面図である。 両持ちタイプの水晶振動子に用いられるベースの構成を示す概略平面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る水晶振動子は、水晶素子がセラミックベースに搭載され、金属カバーによって封止される水晶振動子であって、セラミックベース上において金属カバーの開口部の縁(開口部端面)が搭載される位置に溝を備え、金属カバーの開口部端面が当該溝に挿入され、当該溝と開口部端面との間に合金から成る封止部が設けられ、金属封止によってベースと金属カバーとが接着されて密封封止されたものであり、金属カバーの搭載時に、縁が溝内に収まって固定されるため、特別な治工具を用いなくても金属カバーの位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、長期に亘って気密性を保持して信頼性を向上させることができるものである。
また、本発明の実施の形態に係る水晶振動子の製造方法は、シート状セラミックベースにおいて、個々の水晶振動子が形成される領域毎に、当該領域において金属カバーの開口部の縁が搭載される位置に溝を形成し、当該溝の内部に合金から成る封止部を形成し、金属カバーの開口部端面を当該溝に挿入して、金属封止するものであり、シート工法を用いた場合でも金属カバーの位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、気密性を向上させて信頼性の高い水晶振動子を実現することができるものである。
[第1の水晶振動子の構成:図1]
本発明の実施の形態に係る第1の水晶振動子について図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る第1の水晶振動子の概略断面図である。
尚、本実施の形態に係る水晶振動子は、ベースとカバーの形状が特徴となっており、図1及び以降の断面図では電極や水晶素子等は省略して説明する。
図1に示すように、第1の水晶振動子は、セラミック等から成るベース11の上部に金属製のカバー21が搭載され、内部の空間に水晶素子(図示省略)が封入された構成である。ベース11と金属カバー21とは、合金3によって金属封止されている。ベース11は、請求項におけるセラミック基板に相当し、合金3は、封止部に相当している。
また、水晶素子としては、例えば矩形の水晶片から成るものや音叉型のものがある。
第1の水晶振動子では、金属カバー21は、開口部を下に向けた略箱型の形状となっている。
また、ベース11には、金属カバー21の縁に相当する開口部端面が挿入される溝41が形成されている。
溝41は、ベース11上に金属カバー21が正常な位置に搭載された場合に、金属カバー21の開口部端面と接する位置に形成されたものであり、焼成処理によってベース11が収縮してもよいように、開口部端面の幅より若干広めの幅に形成されている。
更に、ベース11の溝41と、金属カバー21の開口部端面との間には、合金3から成る封止部が形成されている。
そして、ベース11上に金属カバー21を搭載する際には、金属カバー21の開口部端面が溝41に挿入されて金属封止されることにより、合金3が融けてベース11と金属カバー21とが接着されるものである。
金属封止の処理としては、レーザ、電子ビーム、真空リフロー等があり、合金3を溶融して金属カバー21をベース11上に密着させるものである。
そして、第1の水晶振動子では、ベース11に金属カバー21を搭載する際に、金属カバー21の縁を溝41に入れるだけで、所定の位置に固定され、更にずれにくいため、金属カバー21の位置合わせを容易に行うことができるものである。
また、それにより、金属カバー21の位置ずれを防ぐと共に、金属封止により気密性の高い水晶振動子を提供することができるものである。
[第1の水晶振動子のベース11:図2]
第1の水晶振動子におけるベース11の構成について図2を用いて説明する。図2は、第1の水晶振動子におけるベース11の構成を示す概略平面図である。
図2に示すように、第1の水晶振動子のベース11は、外周に近い部分に環状の溝41が形成され、溝41の内側の領域には、ベースの上面と下面とを電気的に接続する貫通ビア51と、水晶素子を保持する水晶保持端子52a、52b、52cとが形成されている。図2の例は、片持ちタイプの水晶振動子の場合の電極配置を示している。
そして、溝41で囲まれた領域内に水晶素子が搭載された後、金属カバー11の開口部端面が溝41にはめ込まれて合金3により接着され、図1の状態となるものである。
[実施の形態に係る水晶振動子の製造方法:図3]
次に、本発明の実施の形態に係る水晶振動子の製造方法(本製造方法)について、第1の水晶振動子の場合を図3を用いて説明する。図3は、第1の水晶振動子のシート状態における模式説明図である。
図3に示すように、本製造方法では、シート状セラミックベース10を用いてシート工法により水晶振動子を形成する。
シート状セラミックベース10は、ブレイクライン111によってマトリクス状に分割された複数の領域(図3では4つの領域)を備えており、各領域に水晶振動子を形成する。当該各領域は、図1及び図2に示したベース11となるものである。
まず、シート状セラミックベース10の各領域において、エッチング等によりビアホールを形成する。
そして、エッチング等により所定の位置に溝41を形成する。
その後、シート状セラミックベースを焼成する。
次に、蒸着又はスパッタリング等により金属膜を形成後エッチングして、ビアホール内及びその周囲の電極を形成して貫通ビア51を形成すると共に、水晶保持端子52a、52b、52c等の金属パターンを形成する。貫通ビア51は、気密性が保持されるよう形成する。
図3の左上、左下、右下の領域は、貫通ビア51及び水晶保持端子52a、52b、52cが形成された状態を示している。
次に、溝41の内部に合金3から成る封止部を形成する。
合金3としては、金スズ(AuSn)、銀スズ(AgSn)等の合金が用いられ、印刷又はメッキ(電解又は無電解)で封止部が形成される。
本水晶振動子及び本製造方法では、封止部として合金3を用いている点が特徴となっている。
先行技術では、封止部を樹脂又は低融点ガラスで形成した構成が記載されているが、樹脂は水分に対する耐性が小さく、多湿環境では水分が水晶振動子内に浸入して特性が劣化してしまう。
また、低融点ガラスは衝撃に弱く、振動が多い車載用等にはあまり適していない。
これらに比べて、本水晶振動子は、合金3によって金属封止することにより、真空状態を長期間保持することができ、長期に亘って高精度の周波数を出力する信頼性の高い水晶振動子を実現できるものである。
また、ここでは封止部を溝41の内部に形成しているが、金属カバー21の開口部端面側に形成してもよい。
そして、水晶保持端子52a、52b、52cの上に、導電性接着剤等を介して水晶素子を搭載する。
更に、水晶素子及び電極パターンを覆うように、各領域に金属カバー21を搭載する。図3の右上の領域は、金属カバー21が搭載された状態を示している。
その際、図1に示したように、金属カバー21の開口部端面を溝41に挿入して搭載し、その状態でレーザ照射処理等の金属封止処理を行う。
金属封止処理により合金3が融けて、ベース11と金属製カバー21とが接着され、水晶素子が気密封止される。
第1の水晶振動子では、ベース11に金属カバー21の位置決めのガイドとなる溝41を形成していることにより、金属カバー21の搭載時には、金属カバー21の縁を溝41に挿入するだけで正しい位置に搭載することができ、特別な治工具を不要とし、作業効率を向上させることができるものである。
尚、図3では、金属カバー21の形状と溝41の形状とが一致していないが、金属カバー21の形状及び溝41の形状及び寸法は、金属カバー21の開口部端面が溝41に挿入可能となる形状及び寸法としており、焼成時のシート状セラミックベース10の収縮も考慮して決定されている。
そして、金属封止後のシート状セラミックベース10をブレイクライン111に沿って切断することにより、個々の水晶振動子が形成される。
このようにして、本製造方法が行われる。
[第2の水晶振動子:図4]
次に、本発明の実施の形態に係る第2の水晶振動子について図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る第2の水晶振動子の説明図であり、(a)は概略断面図、(b)はベースの概略平面図である。
図4(a)に示すように、第2の水晶振動子では、金属カバー21は、図1に示した第1の水晶振動子と同一形状であるが、ベース12の形状が第1の水晶振動子とは異なっている。
第2の水晶振動子のベース12について説明する。
図4(a)に示すように、第2の水晶振動子のベース12は、外周部を除く内側の領域全体に凹部71を備えた形状である。
また、図4(b)に示すように、ベース12の凹部71は、図1〜3に示したベース11における溝41及びその内側の領域全体を含むように形成されており、凹部71内に貫通ビア51、水晶保持端子52a、52b、52cが形成される。
第2の水晶振動子の製造方法は、第1の水晶振動子と同様である。
凹部71は、シート状セラミックベースの収縮を考慮して、金属カバー21の開口部より若干大きめに形成されている。
更に、凹部71の底面の外周部分には、合金3から成る封止部が形成されており、この合金3の上に金属ケース21が搭載されて、金属封止によって接着される。封止部は、金属カバー21の開口部端面の側に形成しておいてもよい。
そして、金属カバー21が搭載される際には、凹部71の内側面に沿って金属カバー21の端面が凹部の底面に接するように搭載される。
第2の水晶振動子においても、凹部71からはみ出さないように金属カバー21を搭載すれば、特別な治工具が無くても、容易に所定の位置に搭載することができるものである。
また、シート状セラミックベースとして2層構造のものを用いた場合には、下層部上面が凹部71の底面となるよう、下層部の上に、凹部71に相当する部分に貫通孔を備えた上層部を搭載して形成することも可能である。
[第3の水晶振動子:図5]
次に、本発明の実施の形態に係る第3の水晶振動子について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る第3の水晶振動子の構成を示す説明図であり、(a)は、金属カバーの概略断面図であり、(b)は、ベースの概略平面図であり、(c)はベースに金属カバーが搭載された状態の概略断面図である。
図5(a)に示すように、第3の水晶振動子の金属カバー22は、開口部の周囲が外側に折り曲げられてフランジ22aを備えた形状となっている。フランジ22aの下面を開口部端面とする。
また、図5(b)に示すように、ベース12には、金属カバー22のフランジ22aが搭載される位置に、フランジ22aが収まる幅を備えた溝42が形成されている。尚、金属パターンは省略するが、溝42の内側の領域に形成されている。
そして、図5(c)に示すように、ベース12の溝42の内部又はフランジ22aの下面には、合金3から成る封止部が形成され、金属カバー22のフランジ22aがベースの溝42に挿入されて金属封止の処理によって、金属カバー22とベース13とが接着される。
第3の水晶振動子においても、金属カバー22のフランジ22aが溝42に収まって固定されるため、金属カバー22の搭載時に容易に位置決めすることができるものである。
[第4の水晶振動子:図6]
次に、本発明の実施の形態に係る第4の水晶振動子について図6を用いて説明する。図6は、第4の水晶振動子の概略断面図である。
図6に示すように、第4の水晶振動子は、図5(a)に示した金属カバー22と、凹部72を備えたベース14とを組み合わせた構成である。
第4の水晶振動子では、凹部72は、金属カバー22のフランジ22aの高さとほぼ同等の深さであり、開口部に形成されたフランジ22aの外周部が完全に収まる大きさに形成されている。
また、貫通ビアや水晶保持端子等の金属パターンは、凹部72内において、フランジ22aが搭載される領域を除く中心寄りの部分に形成されている。
凹部72の周辺部又はフランジ22aの下部には、合金3から成る封止部が形成されており、金属カバー22がベース14の凹部72内に搭載されて金属封止され、金属カバー22とベース14とが位置ずれすることなく接着される。
[第5の水晶振動子:図7]
次に本発明の実施の形態に係る第5の水晶振動子について図7を用いて説明する。図7は、第5の水晶振動子の構成を示す説明図であり、(a)は、金属カバーの概略断面図であり、(b)は、ベースの概略平面図であり、(c)はベースに金属カバーが搭載された状態の概略断面図である。
図7(a)に示すように、第5の水晶振動子の金属カバー23は、開口部の縁に、突出部23aを備えている。突出部23aは、開口部の縁から下向きに細く突出した部分であり、ここでは、突出部23aの先端下面を開口部端面とする。
また、図5(b)に示すように、ベース15には、金属カバー23の突出部23aが搭載される位置に、突出部23aが挿入可能な幅を備えた溝43が形成されている。金属パターンは、溝43の内側の領域に形成されている。
そして、図7(c)に示すように、ベース15の溝43の内部又は金属カバー23の突出部23aの先端部分に、合金3から成る封止部が形成され、突出部23aが溝43に挿入されて金属封止され、金属カバー23とベース15とが接着される。
第5の水晶振動子では、金属カバー23の突出部23aを溝43に挿入すれば、ずれが生じないので、容易に位置決め可能となるものである。
[第6の水晶振動子:図8]
次に、本発明の実施の形態に係る第6の水晶振動子について図8を用いて説明する。図8は、第6の水晶振動子の概略断面図である。
図8に示すように、第6の水晶振動子は、図7(a)に示した金属カバー23と、凹部73を備えたベース16とを組み合わせた構成である。
第6の水晶振動子では、凹部73の深さは、金属カバー23の突出部23aの高さとほぼ同等であり、金属カバー23の開口部の縁に形成された突出部23aが収まる大きさに形成されている。
合金3は、ベース16の凹部の周辺部、又は金属カバー23の突出部23aの先端部分に形成され、金属カバー23が凹部73内に搭載されて金属封止され、金属カバー23とベース15とが接着されるものである。
[両持ちタイプのベース:図9]
上述した水晶振動子は、いずれも片持ちタイプであったが、両持ちタイプとしてもよい。
図9は、両持ちタイプの水晶振動子に用いられるベースの構成を示す概略平面図である。図9では、上述した第1の水晶振動子を、両持ちタイプの水晶振動子として構成する場合のベースを示している。
図9に示すように、両持ちタイプ用のベースは、図2に示したベース11と同様に、金属カバーの開口部端面が搭載される位置に、当該開口部端面が挿入される溝41を備えており、溝41に囲まれた領域に貫通ビア51及び水晶保持端子52が形成されている。
水晶保持端子52の形状及び配置が、図2のベース11とは異なっており、同一形状の水晶保持端子52が、ベース17の中心に対して点対称となるよう配置されている。
第2〜第6の水晶振動子についても、同様に両持ちタイプに適用することができるものである。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る水晶振動子によれば、水晶素子がセラミックベースに搭載され、金属カバーによって封止される水晶振動子であって、セラミックベース11上において金属カバー21の開口部の縁が搭載される位置に溝41を備え、金属カバー21の開口部端面が当該溝41に挿入されており、金属カバー21の開口部端面と溝41との間に合金3から成る封止部を備え、金属封止によりベース11と金属カバー21とが接着されて密封封止されたものであり、金属カバー21の搭載時に、縁が溝内に収まって固定されるため、特別な治工具を用いなくても金属カバー21の位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、金属封止によって長期に亘って気密性を保持することができ、信頼性を向上させることができる効果がある。
また、本発明の実施の形態に係る水晶振動子の製造方法によれば、シート状セラミックベース10において、個々の水晶振動子が形成される領域毎に、当該領域において金属カバー21の開口部の縁が搭載される位置に溝41を形成し、溝41の内部に合金3から成る封止材を形成し、金属カバー21の開口部端面を当該溝に挿入して、金属封止するものであり、シート工法を用いた場合でも金属カバー21の位置合わせを容易に行うことができ、生産効率を向上させると共に、金属封止によって長期に亘って気密性を保持することができ、信頼性の高い水晶振動子を実現することができる効果がある。
本発明は、金属封止によって気密性を向上させ、カバーを搭載する際の位置合わせを容易にし、生産効率を向上させることができる水晶振動子及びその製造方法に適している。
11,12,13,14,15,16,17...ベース、 21,22,23...金属カバー、 22a...フランジ、 23a...突出部、 3...合金、 41,42,43...溝、 51...貫通ビア、 52...水晶保持端子、 71,72,73...凹部

Claims (10)

  1. セラミック基板に、水晶素子と、開口部を有し前記水晶素子を覆う金属カバーとが搭載され、前記セラミック基板と前記金属カバーとが接着されて密封封止される水晶振動子であって、
    前記セラミック基板は、前記金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を備え、
    前記金属カバーの開口部端面は前記溝に挿入されており、
    前記金属カバーの開口部端面と前記溝との間に合金から成る封止部が設けられ、
    前記溝と前記金属カバーの開口部端面とが金属封止によって接着されていることを特徴とする水晶振動子。
  2. セラミック基板に、水晶素子と、開口部を有し前記水晶素子を覆う金属カバーとが搭載され、前記セラミック基板と前記金属カバーとが接着されて密封封止される水晶振動子であって、
    前記セラミック基板は、前記金属カバーの開口部端面と接する部分及び前記部分の内側全体を含む領域に凹部を備え、
    前記金属カバーの開口部端面は前記凹部に挿入されており、
    前記金属カバーの開口部端面と前記凹部との間に合金から成る封止部が設けられ、
    前記凹部と前記金属カバーの開口部端面とが金属封止によって接着されていることを特徴とする水晶振動子。
  3. 封止部が、予めセラミック基板側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水晶振動子。
  4. 封止部が、予め金属カバーの開口部端面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水晶振動子。
  5. 金属カバーの開口部端面が、フランジ形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の水晶振動子。
  6. 金属カバーの開口部端面が、突出部を備えた形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の水晶振動子。
  7. ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、
    前記各領域において、前記金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を形成する処理と、
    前記各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、
    前記溝に合金から成る封止部を形成する処理と、
    前記各領域に水晶素子を搭載する処理と、
    前記水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を前記溝に挿入して設置する処理と、
    前記溝と前記金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、
    前記各処理が施されたシート状セラミック基板を前記ブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴とする水晶振動子の製造方法。
  8. ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、
    前記各領域において、前記金属カバーの開口部端面と接する位置に溝を形成する処理と、
    前記各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、
    前記各領域に水晶素子を搭載する処理と、
    前記金属カバーの開口部端面に合金から成る封止部を形成する処理と、
    前記水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を前記溝に挿入して設置する処理と、
    前記溝と前記金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、
    前記各処理が施されたシート状セラミック基板を前記ブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴とする水晶振動子の製造方法。
  9. ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、
    前記各領域において、前記金属カバーの開口部端面と接する部分及び前記部分の内側全体を含む領域に凹部を形成する処理と、
    前記各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、
    前記凹部の底面の外周部分に合金から成る封止部を形成する処理と、
    前記各領域に水晶素子を搭載する処理と、
    前記水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を前記凹部に挿入して設置する処理と、
    前記凹部と前記金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、
    前記各処理が施されたシート状セラミック基板を前記ブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴とする水晶振動子の製造方法。
  10. ブレイクラインで区切られた複数の領域を備えたシート状セラミック基板において水晶振動子を製造する製造方法であって、
    前記各領域において、前記金属カバーの開口部端面と接する部分及び前記部分の内側全体を含む領域に凹部を形成する処理と、
    前記各領域に貫通ビア及び電極パターンを形成する処理と、
    前記各領域に水晶素子を搭載する処理と、
    前記金属カバーの開口部端面に合金から成る封止部を形成する処理と、
    前記水晶素子を覆う金属カバーの開口部端面を前記凹部に挿入して設置する処理と、
    前記凹部と前記金属カバーの開口部端面とを金属封止により接着する処理と、
    前記各処理が施されたシート状セラミック基板を前記ブレイクラインに基づいて切断する処理とを備えたことを特徴とする水晶振動子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107517044A (zh) * 2017-08-10 2017-12-26 烟台明德亨电子科技有限公司 一种整板smd石英晶体谐振器基板结构及其加工方法
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