JP2015137288A - 変性ゴム及び変性ゴムの製造方法 - Google Patents

変性ゴム及び変性ゴムの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 より容易に、かつ製造コストを低減した状態で天然ゴムの物性を向上させる。
【解決手段】
モノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変性ゴム及び変性ゴムの製造方法に関する。
一般に、自動車用のタイヤやその他多数のゴム製品には天然ゴムがゴム成分の原料として使用されている。このような天然ゴムは、例えば、東南アジア等に生息する植物体(例えば、パラゴムノキ)に含まれる乳液(ラテックス)を採取し、凝固させることにより得られる。
従来、このようなラテックスは、いわゆるゴム農園から工場へ配送された後、ロールにより水分を排出させてゴムを生成し、更に高温のオーブンにて所定時間加熱することにより天然ゴムとなり、天然ゴムは梱包されて各産業製品の製造地へ輸出されることとなる。
この場合、ラテックスのまま製造地へ輸送される場合もあるが、搬送には所定の時間がかかることから輸送途中において粘度が上昇し、物性が低下してしまう場合がある。
従って、ラテックスの状態のままで搬送する場合であっても、ゴム製品にした場合の様々な物性が低下しないような手段が要請されていた。
また、従来より、天然ゴムの物性を向上させるための様々な特許的提案がなされている。このような観点から、例えば、特許文献1においては、変性効率を向上させつつ、ゲルの発生を抑制しながら変性天然ゴムを製造することができ、もって、低ロス性(低発熱性)及び耐摩耗性が優れたゴム組成物を得ることができる変性天然ゴムの製造方法、変性天然ゴム、ゴム組成物、及び、タイヤを提供することを課題としている。
そして、特許文献1所載の発明にあっては、このような課題解決のため、天然ゴムラテックスをpH10.0以上且つ50℃で1時間以上保管する保管工程と、前記保管された天然ゴムラテックスに化学的処理を施す化学的処理工程と、前記化学的処理が施された天然ゴムラテックスを凝固、乾燥する凝固乾燥工程とを含むように構成されている。
しかしながら、このような従来技術にあっては、天然ゴムラテックスをpH10.0以上且つ50℃で1時間以上保管する保管工程を有することから、工程が煩雑であると共に、加温設備を要しコストが嵩む、という不具合があった。
また、一般に、上記のような天然ゴムに硫黄を加えて加熱及び又は加圧することによりゴム分子を硫黄に架橋させて網状に結合し、物理的特性、耐薬品性、耐老化性を向上させることを「加硫」と称する。
このように天然ゴムの物性を向上させ、良好な加硫結果を得るためには、加熱又は加圧の手段(例えば、加圧加硫装置)を必要とすることから、加硫工程が煩雑であり、製造コストを低減する観点からも、より容易な手段により天然ゴムの物性を向上させうる手段が要請されていた。
特開2013―147555号公報
本発明はこのような従来からの不具合を解決するためのものであって、その課題は、より容易に、かつ製造コストを低減した状態で天然ゴムの物性を向上させることにある。
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、モノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成されることを特徴とする。
「モノテルペン」とは、イソプレン単位2個からなるC10化合物であって、一般的には揮発性で芳香性があり植物精油の構成成分である。その生合成はジメチルアリルニリン酸、(DMAP)とイソペンテニルニリン酸(IPP)の結合によって生成したゲラニルニリン酸(GPP)を生合成前躯体とするものである。構造は鎖状であり、代表的なものにゲラニオールやネロール等がある。構造の多様性は環化反応により拡大し、単環系又は二環系の環状骨格が生じ、単環系モノテルペンにはメントールや、柑橘系のリモネンがある。
「ラテックス」はゴムを生成する植物、例えば、パラゴムノキから得られる乳液であり、本発明においてはモノテルペンが混ぜ合わせる対象としては液状であることが必要である。また、「室温環境」とは、例えば、20℃である。
請求項2記載の発明にあっては、上記モノテルペンは、γ‐テルピネン、d/lリモネン、α−ピネン、β―ピネン又はミルセンの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする。
「γ―テルピネン」は、化学式がC1016であり、分子量は136.23、CAS番号は99―85―4である。上記リモネンと同様にモノテルペン炭化水素類の精油成分であり、ティートリー、スティートマージョラムに含まれている。沸点は182℃、比重は0.85g/ml
at 25℃、蒸気密度は4.7(vs air)である。
「dリモネン」とは、単環式モノテルペノイドの一種であり、化学式はC1016、分子量は136.23、天然にはd体、l体、d/l体の三種類が存在する。本発明においてはd/l体が使用される。
d/l体は、別名ジペンテンとも呼ばれ、融点は−95.9℃、沸点175.5〜176℃、化学名は1−メチル−4−(1メチルエテニル)シクロヘキセン、CAS登録番号は138−86−3である。
「ピネン」は、化学式がC1016であり、松脂や松精油の主成分である。六員環と四員環からなる炭化水素であり、二重結合の位置によりα―ピネンとβ―ピネンの2つの構造異性体がある。
「α―ピネン」は、融点−57℃、沸点155℃〜156℃、比重0.8584〜0.8600である。四員環は反応性が高く、特に酸性条件ではワーグナー・メーヤワイン転移が容易に進行する。希硫酸または無水酢酸条件ではテルピネオール誘導体やテルピンが、塩酸条件ではボルネオール又はリモネンの骨格を持つ塩化物が生成する。ヨウ素や三塩化リンでは芳香化が起こりシメンとなる。
「β―ピネン」は、融点―60℃、沸点164℃、比重0.8740である。ロースマリー、パセリ、イノンド、バラ等に含まれている。
「ミルセン」とは、モノテルペンに属するオレフィンの一種である。α―ミルセンとβ―ミルセンの2種の異性体がある。β―ミルセンは芳香を持つ無色の液体であって、室温条件下で徐々に重合する。分子式はC1016であり、分子量は136.23、CAS登録番号は123−35−3、融点は50℃、沸点は166〜168℃である。
「グラフト重合」とは、高分子同士が重合する際に起こる反応をいう。
請求項3記載の発明にあっては、上記ラテックスは、NRラテックス、NBRラテックス、CRラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、MBRラテックス、又はVPラテックスの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする.。
「NRラテックス」とは天然ゴムのことであり、「NBRラテックス」とはアクリロニトリル・ブタジエン系ラテックスであり、アクリロニトリルとブタジエンを主成分とする合成ラテックスである。「CRラテックス」とはクロロプレンラテックスでありクロロプレンの重合により得られるラテックスである。「SBRラテックス」とは、スチレン−ブタジエン系重合体であり、スチレン(STY)とブタジエン(BDE)を主成分とした合成ゴムラテックスである。「BRラテックス」とは、ポリブタジエンを主成分とする合成ゴムラテックスである。「MBRラテックス」とは、メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体であり、メタクリル酸メチル(MMA)とブタジエン(BDE)を主成分とする合成ゴムラテックスである。「VPラテックス」とは、スチレン−ブタジエン系重合体のラテックスである。
請求項4記載の発明は、モノテルペンを液状ラテックスに添加し凝固させる化学処理工程と、上記モノテルペンが添加され凝固したラテックスを乾燥させる乾燥工程とを有する変性ゴムの製造方法である。
また、請求項5記載の発明は、上記化学処理工程は、室温環境下で30分間放置されることを特徴とする変性ゴムの製造方法である。ここで「室温環境下」とは、例えば、20℃をいう。
また、請求項6記載の発明にあっては、 上記モノテルペンは、γ‐テルピネン、d/lリモネン、α−ピネン、β―ピネン又はミルセンの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明にあっては、上記ラテックスは、NRラテックス、NBRラテックス、CRラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、MBRラテックス、又はVPラテックスの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする。
請求項1〜7記載の発明にあっては、モノテルペンを液状ラテックスに添加し乾燥させることにより変性ゴムが得られる。得られた変性ゴムにあっては、天然ゴム特有の臭いが除去されており臭気がない。また、各物性が天然ゴムよりも大幅に向上している。即ち、硬度が上昇し、引っ張り強度も大幅に上昇し、引っ張り応力変化率も大幅に上昇している。また、耐候性にも優れ、耐薬品性にも優れている。さらに、本発明に係る変性ゴムにあっては、熱分解開始温度及びガラス転移温度もNRラテックスと変化がないことも判明している。
従って、本発明によれば、室温環境下で製造コストを上昇させることなく、各種物性が大幅に向上した変性ゴムを提供することができる、という効果を奏する。
本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料1のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料2のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料2の核磁気共鳴分光法を用いたグラフであって、13CNMR(カーボン・サーティーンNMR)スペクトルを示すグラフである。
本発明の発明者は、長年の研究の結果、モノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成される変性ゴムは各種の物性が向上していることの発見に至った。以下、実施の形態及び実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
[製造工程]
本実施の形態に係る変性ゴムは、モノテルペンを液状ラテックスに添加し凝固させる化学処理工程と、上記モノテルペンが添加され凝固したラテックスを乾燥させる乾燥工程とにより生成される。
上記化学処理工程は、モノテルペンが液状ラテックスに添加された状態で室温環境下(20℃)において30分間放置される。 上記化学処理工程においては、必要に応じて、適宜、振とう、撹拌処理を行いながらモノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ、グラフト重合を促進させる。
その後、上記乾燥工程を経ることにより、固体成分と液体成分の二相状態となった組成物が生成される。この組成物から固定成分のみを濾過、分離することにより本実施の形態に係る変性ゴムを得ることができる。
[実施例]
本件発明者は、本発明に係る製造方法に基づき、ラテックスに添加するモノテルペンの種類により異なる4つのタイプの変性ゴムを生成した。以下個別に説明する。
<試料例>
(1)試料1(AKIBA―1)
試料1は、γ―テルピネン(5g)を液状ラテックス(NRラテックス:10g)に添加し、室温(20℃)環境下において30分放置することにより得られた固体と液体の二相となっている変性ゴム物質である。即ち、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合反応が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
図1は、本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料1のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示す。
(2)試料2(AKIBA―2)
試料2は、d/lリモネン(5g)を液状ラテックス(NRラテックス:10g)に添加し、試料1と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより得られた固体と液体の二相となっている変性ゴム物質である。即ち、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合反応が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
図2は、試料2のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示し、図3は試料2の核磁気共鳴分光法による13CNMR(カーボン・サーティーンNMR)スペクトルを示す。
(3)試料3(AKIBA―3)
d/lリモネン (5g)をNBRラテックス(10g)に添加して試料1と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより固体と液体の二相となっている変性ゴム物質を得た。
「NBRラテックス」とは、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックスであり、アクリロニトリルとブタジエンを主成分とする合成ラテックスである。試料1及び2と同様に、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
(4)試料4(AKIBA―4)
d/lリモネン(5g)をクロロプレンラテックス(CR:電気化学株式会社製・商品名:ALX―600)(10g)に添加して試料1〜3と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより固体と液体の二相となっている変性ゴム物質を得た。
クロロプレンラテックスはクロロプレンの重合により得られるラテックスであり通称「CR」と称する。試料1〜3と同様に、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
<試験結果>
A IR分析試験
得られた試料1のIR(赤外分光法)分析による赤外吸収スペクトルの結果を図1に示し、試料2のIR分析による赤外吸収スペクトルの結果を図2に示す。なお、IR分析とは、測定対象物質に赤外線を照射し、透過又は反射光を分光することによりスペクトルを得て、対象物の特性を検査する方法である。
本試験においては、フーリエ変換赤外分光光度(FT−IR)法に基づき、ATR法(減衰全反射法)により測定を行った。なお、測定の前処理として試料を室温において3時間乾燥させている。
試験結果としては、試料1及び2の双方に関し、一般的に、C=C二重結合の赤外吸収が認められる1600〜1680cm−1付近において、アミドに由来すると思われる吸収及び水蒸気によるノイズが大きく、C=C二重結合の有無を確認することは困難であった。
B トルエン膨潤分析試験
試料1及び試料2に関し、トルエンに室温で67時間浸漬させた後、試料の溶解の有無及び浸漬前後の重量を測定したものである。試験結果としては、トルエンに浸漬させた結果、試料1及び2共に、完全には溶解しなかった。通常、トルエンにラテックスを浸漬させた場合には溶解することから、いずれの試料においても部分的に架橋してゲル化しているものと判断される。また、膨潤させた試料はゲル状であり、正確な重量は測定できなかったが、参考値として、重量膨潤率は試料1が3500%、試料2が3700%である。重量膨潤率測定の結果を表1に示す。
C 物性評価試験
下記要領により、標準となるNRラテックス及び試料1及び試料2に関し、JIS K 6299:2001(ゴム−試験用試料の作成方法)に基づき加硫したものを作成し比較して、本実施の形態に係る試料1及び試料2の物性を検討したものである。物性に関しては、試料の「ダイ加硫試験A法」により加硫特性の測定、デュロメータ硬さによる試料の硬さの測定、引張特性試験による試料の強度の測定、熱老化特性試験による試料の強度の測定、耐オゾン劣化試験による試料の耐候性の測定、耐液性試験による試料の耐薬品性の測定を行った。
(試験要領)
(1)JIS K 6299:2001 「ゴム−試験用試料の作製方法」
使用試験機 :高室鉄工所製 試験ロール
ロールサイズ :8″φ×18″
前ロール回転数 :18rpm
前後ロール回転比 :1:1.25
加硫条件 :150℃×8分 NR(#1)
:150℃×7分 AKIBA−1、AKIBA−2
前処理 :AKIBA−1、AKIBA−2は40℃×3時間真空
乾燥後に泥練りを実施
(2)JIS K 6300−2:2001 「未加硫ゴム−物理特性
−第2部:振動式加硫試験機による加硫特性
の求め方」
試験方法 :ダイ加硫試験A法(ねじり振動式平板ダイ加硫試験)
試験の詳細
試験温度 :150℃
振幅角度 :±1°
振動数 :1.67Hz(100cpm)
試験時間 :30分間
使用試験機 :(株)上島製作所製 加硫度試験機(FDR)VR3110
(3)JIS K 6253-3:2012 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方
−第3部:デュロメータ硬さ」
試料および試験片の詳細
試験片作成方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験の詳細
試験温度 :23℃
試験装置 :高分子計器(株)製アスカーゴム硬度計
(デュロメータ)A型
(4)JIS K 6251:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験片採取方向 :列理方向
試験片数 :8
試験の詳細
試験温度 :23℃
試験速度 :500mm/min
使用試験機 :TEC PRO社製 引張試験機 tensiTEC
試験機容量 :ロードセル式1kN
(5)JIS K 6257:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−熱老化特性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験片採取方向 :列理方向
試験片数 :8
試験の詳細
試験方法 :促進老化試験、A法、AA-2
常態調節温度 :23±2℃
試験温度 :70±1℃
試験時間 :72時間
使用試験機 :(株)東洋精機製作所製 ギャー式老化試験機
(6)JIS K 6259:2004 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−耐オゾン性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状1号形
試験片数 :3
試験の詳細
試験の種類 :静的オゾン劣化試験
状態調節温度 :28±2℃
状態調節時間 :48時間
オゾン濃度 :500±50ppb(50±5pphm)
試験温度 :40±2℃
試験時間 :24時間
引張ひずみ :20%
使用試験機 :スガ試験機(株)製
オゾンウェザーメータOMS-H
(7)JIS K 6258:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−耐液性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :20mm×50mm
試験片数 :3
試験の詳細
浸せき温度 :70±1℃
浸せき時間 :24時間
試験用液体 :試験用潤滑油NO.1油(IRM901)
使用試験機 :(株)東洋精機製作所製テストチューブ式老化試
験機
以下に、夫々の試験の結果を表により示す。
以上のように、「硬さ試験」においては、表2(3)により明らかなように、ラテックスがA71に対して、試料1はA82、試料2はA89であって、試料1及び試料2共にNRラテックスの硬度を上回っている。
また、「引張試験」においても、表2(4)から明らかなように、「100%引張応力(MPa)」に関し、NRラテックスが4.54に対し、試料1は8.75、試料2は14.9であり圧倒的にラテックスに優っている。さらに、表2(5)「促進老化試験」においても、「100%引張応力変化率」に関し、ラテックスは+16であるのに対し、試料2は+18、試料1にあっては+26であり、同様に優位となっている。
従って、これらの試験結果から、試料1及び2に関しては、グラフト重合を経て架橋が重層的に発生し、その結果、組織としてのゴムの強度が大きく、強靭になっていることが判明した。
また、表2(6)に示す「静的オゾン劣化試験」は、オゾン(O)は、自然大気中に存在する3つの酸素原子からなる酸素の同素体であるが、酸素原子からなるオゾンは強力な酸化作用を有し、特に、屋外で使用されるゴム製品、プラスチック、繊維等の亀裂やひび割れを発生させる原因となっていることから本実施の形態に係る変性ゴムの物性を判断する一要素として行われたものである。
試験の結果、表2(6)から明らかなように、試料1及び2の双方共に「異常なし」であり、本実施の形態に係る変性ゴムは耐候性に優れていることが判明している。
表2(7)に示す「浸漬試験」は、例えば、ゴムがパッキン等として形成されて使用された場合には、耐油性及び耐薬品性が問題となることから、耐油性及び耐薬品性の観点からの試験である。
試験の結果、「質量変化率」及び「体積変化率」共にNRラテックスよりも小さく、耐油性及び耐薬品性の点も問題がないことが判明した。従って、本実施の形態に係る変性ゴムが例えば、パッキン等として形成されて使用された場合であっても、油及び薬品に対して、良好なシール性を確保することができることが確認された。
D 臭気試験
本実施の形態に係る変性ゴムに関する臭気試験を行った。即ち、表6に示すように本発明において使用されたモノテルペン(d/lリモネン、d―リモネン、α―ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン)をNRラテックス(10ml)に所定量添加し、及び、一晩放置して乾燥フィルム化させたものに関し臭気を検査したものである。
表3に示すように、3g及び5gを添加した場合にはNRラテックスの臭いが消えて無臭となり、さらに、乾燥フィルム状態となった場合には全く無臭に到ったものである。
臭気試験に関しては、d/ lリモネン及びα−ピネンに関し、さらに以下の試験を実施した。
具体的な試験方法は、JIS K 6299:2001に基づき、試験ロール(高室鉄工所製)を使用し、ロールサイズ8‘’φ×18‘’で、前ロール回転数18rpm、前後ロール回転比1:1.25で、NRゴムを素練りした後、秤量し、試料と一緒に予めロール温度を室温に調整したロールで20分間混練を実施し、官能試験用サンプルを作成した。
上記官能試験サンプルを使用して、試験片20gをできるだけ均一に500ml三角フラスコに入れてふたをして23℃の試験室に24時間放置した後、三角フラスコのふたを開け、パネラーが一人づつ順ににおい試験を実施した。評価するパネラーは5人である。その結果を表4及び5に示す。
その結果、試料1、2及び4に関し、非常に良好な無臭の結果を得ることができた。従って、本実施の形態において得られた変性ゴムにおいては、天然ゴム特有の臭いが除去されており臭気がないことが判明した。従って、本実施の形態において使用されたモノテルペンをNRラテックス(天然ゴム)に添加することにより、天然ゴム特有の臭気を除去できるものである。
E 熱分析試験
さらに、試料2を用いて、NRラテックスと対比させて熱分析試験を以下の要領で行った。
即ち、前処理として、試料2(AKIBA−2:NRラテックス−d/lリモネン反応物)を40℃で3時間真空乾燥させた後に測定を行った。一方、NRラテックスは未処理のまま測定を行った。
「熱分解開始温度」は熱重量測定(TG)法に基づき測定した。「熱重量測定法」は、試料の温度を一定のプログラムに従って変化させながら、試料の質量を温度の関数として測定する方法であり、試料を加熱する際に試料の質量変化を連続的に測定する方法である。
「熱分解開始温度」は、温度を次第に上昇させた場合、試料の重量の減少が始まる温度のことをいう。この場合、重量の減少は高温度で樹脂の酸化が進行するために発生する。
また、「ガラス転移温度」を示差走査熱量分析(DSC)法により測定した。
「示差走査熱量分析」とは、測定試料と基準物質との間の熱量の差を計測し、ガラス転移点を測定する熱分析の手法である。「ガラス転移点」とは、非結晶固体材料にガラス転移が起きる温度をいう。
なお、試験装置としてはメトラートレド製 DSC822を使用し、温度プログラムは−140℃−(10℃/min)→25℃ とし、窒素(40ml/min)雰囲気において、試料質量は10mgで行った。
本試験結果から、熱分解開始温度に関しては、試料2はNRラテックスとほぼ同一であり変化はないことが判明した。また、ガラス転移温度に関しても、「補外ガラス転移開始温度(Tig)」、「中間点ガラス転移温度(Tmg)」、「補外ガラス転移終了温度(Teg)」の全てに関し試料2はNRラテックスと同一であることが判明した。
従って、試験の結果、本実施の形態に係る変性ラテックスにあっては、熱分解開始温度もガラス転移温度もNRラテックスと変化がないことが明らかになった。
F 混練プラストミル試験
また、上記試料1〜5とは別個に、リモネン−S−チオコール−SHを適宜添加して得た試料(D)に関し、NRラテックスのみを添加した試料(A)と対比して、混練プラストミルによりJIS K 6299:2001に準拠して、物性試験を行い本実施の形態に係る変性ゴムの各物性を確認した。その結果を表7〜9に示す。
即ち、混練プラストミルを使用して、引張強度、延伸性等に関する物性を自動車のタイヤに使用される標準配合の試料との対比において検討したものである。この場合、上記のように「A」は自動車のタイヤに使用される標準配合の試料を表し、「D(チオコール)」は本試験用試料を表す。
その結果、表9に示すように、「加硫ゴム物性試験」において、「D」はTB(引張強度)及びEB(延伸性)において、「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、また、「耐熱老化性試験」においても、TB及びEBは「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、「耐熱老化性試験」においても「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、「耐油性試験」においても「A」と同等又はそれ以上の数値を示した。このことから、本実施の形態に係る変性ゴムは、自動車のタイヤ等に関しても問題なく使用できることが判明した。
本発明は広く変性ゴム及びその製造方法に適用することができることから、産業上の利用可能性を有している。
請求項1〜7記載の発明にあっては、モノテルペンを液状ラテックスに添加し乾燥させることにより変性ゴムが得られる。得られた変性ゴムにあっては、天然ゴム特有の臭いが除去されており臭気がない。また、各物性が天然ゴムよりも大幅に向上している。即ち、硬度が上昇し、引っ張り強度も大幅に上昇し、引っ張り応力変化率も大幅に上昇している。また、耐候性にも優れ、耐薬品性にも優れている。さらに、本発明に係る変性ゴムにあっては、熱分解開始温度及びガラス転移温度もNRラテックスと変化がないことも判明している。
従って、本発明によれば、室温環境下で製造コストを上昇させることなく、各種物性が大幅に向上した変性ゴムを提供することができる、という効果を奏する。
また、液状ラテックスにモノテルペンを少量添加した際には、液状ラテックスの経時的な粘度上昇を抑制することができ、長距離の搬送を行った際にも低粘度に保ち、物性の低下を抑えることができる、という効果も奏する。
本発明は、変性ゴム及び変性ゴムの製造方法に関する。
一般に、自動車用のタイヤやその他多数のゴム製品には天然ゴムがゴム成分の原料として使用されている。このような天然ゴムは、例えば、東南アジア等に生息する植物体(例えば、パラゴムノキ)に含まれる乳液(ラテックス)を採取し、凝固させることにより得られる。
従来、このようなラテックスは、いわゆるゴム農園から工場へ配送された後、ロールにより水分を排出させてゴムを生成し、更に高温のオーブンにて所定時間加熱することにより天然ゴムとなり、天然ゴムは梱包されて各産業製品の製造地へ輸出されることとなる。
この場合、ラテックスのまま製造地へ輸送される場合もあるが、搬送には所定の時間がかかることから輸送途中において粘度が上昇し、物性が低下してしまう場合がある。
従って、ラテックスの状態のままで搬送する場合であっても、ゴム製品にした場合の様々な物性が低下しないような手段が要請されていた。
また、従来より、天然ゴムの物性を向上させるための様々な特許的提案がなされている。このような観点から、例えば、特許文献1においては、変性効率を向上させつつ、ゲルの発生を抑制しながら変性天然ゴムを製造することができ、もって、低ロス性(低発熱性)及び耐摩耗性が優れたゴム組成物を得ることができる変性天然ゴムの製造方法、変性天然ゴム、ゴム組成物、及び、タイヤを提供することを課題としている。
そして、特許文献1所載の発明にあっては、このような課題解決のため、天然ゴムラテックスをpH10.0以上且つ50℃で1時間以上保管する保管工程と、前記保管された天然ゴムラテックスに化学的処理を施す化学的処理工程と、前記化学的処理が施された天然ゴムラテックスを凝固、乾燥する凝固乾燥工程とを含むように構成されている。
しかしながら、このような従来技術にあっては、天然ゴムラテックスをpH10.0以上且つ50℃で1時間以上保管する保管工程を有することから、工程が煩雑であると共に、加温設備を要しコストが嵩む、という不具合があった。
また、一般に、上記のような天然ゴムに硫黄を加えて加熱及び又は加圧することによりゴム分子を硫黄に架橋させて網状に結合し、物理的特性、耐薬品性、耐老化性を向上させることを「加硫」と称する。
このように天然ゴムの物性を向上させ、良好な加硫結果を得るためには、加熱又は加圧の手段(例えば、加圧加硫装置)を必要とすることから、加硫工程が煩雑であり、製造コストを低減する観点からも、より容易な手段により天然ゴムの物性を向上させうる手段が要請されていた。
特開2013―147555号公報
本発明はこのような従来からの不具合を解決するためのものであって、その課題は、より容易に、かつ製造コストを低減した状態で天然ゴムの物性を向上させることにある。
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、d/lリモネン又はγ‐テルピネンNRラテックス又はNBRラテックス対して、d/lリモネン又はγ‐テルピネンとNRラテックス又はNBRラテックスの割合が1:2(重量比)となるように混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成されることを特徴とする。
「モノテルペン」とは、イソプレン単位2個からなるC10化合物であって、一般的には揮発性で芳香性があり植物精油の構成成分である。その生合成はジメチルアリルニリン酸、(DMAP)とイソペンテニルニリン酸(IPP)の結合によって生成したゲラニルニリン酸(GPP)を生合成前躯体とするものである。構造は鎖状であり、代表的なものにゲラニオールやネロール等がある。構造の多様性は環化反応により拡大し、単環系又は二環系の環状骨格が生じ、単環系モノテルペンにはメントールや、柑橘系のリモネンがある。
「ラテックス」はゴムを生成する植物、例えば、パラゴムノキから得られる乳液であり、本発明においてはモノテルペンが混ぜ合わせる対象としては液状であることが必要である。また、「室温環境」とは、例えば、20℃である。
「γ―テルピネン」は、化学式がC 10 16 であり、分子量は136.23、CAS番号は99―85―4である。上記リモネンと同様にモノテルペン炭化水素類の精油成分であり、ティートリー、スティートマージョラムに含まれている。沸点は182℃、比重は0.85g/mlat 25℃、蒸気密度は4.7(vs air)である。
「dリモネン」とは、単環式モノテルペノイドの一種であり、化学式はC 10 16 、分子量は136.23、天然にはd体、l体、d/l体の三種類が存在する。本発明においてはd/l体が使用される。
d/l体は、別名ジペンテンとも呼ばれ、融点は−95.9℃、沸点175.5〜176℃、化学名は1−メチル−4−(1メチルエテニル)シクロヘキセン、CAS登録番号は138−86−3である。
「ピネン」は、化学式がC 10 16 であり、松脂や松精油の主成分である。六員環と四員環からなる炭化水素であり、二重結合の位置によりα―ピネンとβ―ピネンの2つの構造異性体がある。
「α―ピネン」は、融点−57℃、沸点155℃〜156℃、比重0.8584〜0.8600である。四員環は反応性が高く、特に酸性条件ではワーグナー・メーヤワイン転移が容易に進行する。希硫酸または無水酢酸条件ではテルピネオール誘導体やテルピンが、塩酸条件ではボルネオール又はリモネンの骨格を持つ塩化物が生成する。ヨウ素や三塩化リンでは芳香化が起こりシメンとなる。
「β―ピネン」は、融点―60℃、沸点164℃、比重0.8740である。ロースマリー、パセリ、イノンド、バラ等に含まれている。
「ミルセン」とは、モノテルペンに属するオレフィンの一種である。α―ミルセンとβ―ミルセンの2種の異性体がある。β―ミルセンは芳香を持つ無色の液体であって、室温条件下で徐々に重合する。分子式はC 10 16 であり、分子量は136.23、CAS登録番号は123−35−3、融点は50℃、沸点は166〜168℃である。
「グラフト重合」とは、高分子同士が重合する際に起こる反応をいう。
「NRラテックス」とは天然ゴムのことであり、「NBRラテックス」とはアクリロニトリル・ブタジエン系ラテックスであり、アクリロニトリルとブタジエンを主成分とする合成ラテックスである。「CRラテックス」とはクロロプレンラテックスでありクロロプレンの重合により得られるラテックスである。「SBRラテックス」とは、スチレン−ブタジエン系重合体であり、スチレン(STY)とブタジエン(BDE)を主成分とした合成ゴムラテックスである。「BRラテックス」とは、ポリブタジエンを主成分とする合成ゴムラテックスである。「MBRラテックス」とは、メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体であり、メタクリル酸メチル(MMA)とブタジエン(BDE)を主成分とする合成ゴムラテックスである。「VPラテックス」とは、スチレン−ブタジエン系重合体のラテックスである。
請求項2記載の発明にあっては、d/lリモネン又はγ‐テルピネンをNRラテックス又はNBRラテックスに対して、d/lリモネン又はγ‐テルピネンとNRラテックス又はNBRラテックスの割合が1:2(重量比)となるように添加し凝固させる化学処理工程と、上記d/lリモネン又は上記γ‐テルピネンが添加され凝固したラテックスを乾燥させる乾燥工程とを有する変性ゴムの製造方法。
請求項3記載の発明にあっては、上記化学処理工程は、室温環境下で30分間放置されることを特徴とする変性ゴムの製造方法である。ここで「室温環境下」とは、例えば、20℃をいう。
請求項1〜3記載の発明にあっては、モノテルペンを液状ラテックスに添加し乾燥させることにより変性ゴムが得られる。得られた変性ゴムにあっては、天然ゴム特有の臭いが除去されており臭気がない。また、各物性が天然ゴムよりも大幅に向上している。即ち、硬度が上昇し、引っ張り強度も大幅に上昇し、引っ張り応力変化率も大幅に上昇している。また、耐候性にも優れ、耐薬品性にも優れている。さらに、本発明に係る変性ゴムにあっては、熱分解開始温度及びガラス転移温度もNRラテックスと変化がないことも判明している。
従って、本発明によれば、室温環境下で製造コストを上昇させることなく、各種物性が大幅に向上した変性ゴムを提供することができる、という効果を奏する。
本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料1のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料2のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料2の核磁気共鳴分光法を用いたグラフであって、13CNMR(カーボン・サーティーンNMR)スペクトルを示すグラフである。
本発明の発明者は、長年の研究の結果、モノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成される変性ゴムは各種の物性が向上していることの発見に至った。以下、実施の形態及び実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
[製造工程]
本実施の形態に係る変性ゴムは、モノテルペンを液状ラテックスに添加し凝固させる化学処理工程と、上記モノテルペンが添加され凝固したラテックスを乾燥させる乾燥工程とにより生成される。
上記化学処理工程は、モノテルペンが液状ラテックスに添加された状態で室温環境下(20℃)において30分間放置される。 上記化学処理工程においては、必要に応じて、適宜、振とう、撹拌処理を行いながらモノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ、グラフト重合を促進させる。
その後、上記乾燥工程を経ることにより、固体成分と液体成分の二相状態となった組成物が生成される。この組成物から固定成分のみを濾過、分離することにより本実施の形態に係る変性ゴムを得ることができる。
[実施例]
本件発明者は、本発明に係る製造方法に基づき、ラテックスに添加するモノテルペンの種類により異なる4つのタイプの変性ゴムを生成した。以下個別に説明する。
<試料例>
(1)試料1(AKIBA―1)
試料1は、γ―テルピネン(5g)を液状ラテックス(NRラテックス:10g)に添加し、室温(20℃)環境下において30分放置することにより得られた固体と液体の二相となっている変性ゴム物質である。即ち、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合反応が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
図1は、本発明に係る変性ゴムの一実施の形態により得られた試料1のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示す。
(2)試料2(AKIBA―2)
試料2は、d/lリモネン(5g)を液状ラテックス(NRラテックス:10g)に添加し、試料1と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより得られた固体と液体の二相となっている変性ゴム物質である。即ち、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合反応が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
図2は、試料2のIR(赤外分光法)分析の赤外吸収スペクトルを示し、図3は試料2の核磁気共鳴分光法による13CNMR(カーボン・サーティーンNMR)スペクトルを示す。
(3)試料3(AKIBA―3)
d/lリモネン (5g)をNBRラテックス(10g)に添加して試料1と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより固体と液体の二相となっている変性ゴム物質を得た。
「NBRラテックス」とは、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックスであり、アクリロニトリルとブタジエンを主成分とする合成ラテックスである。試料1及び2と同様に、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
(4)試料4(AKIBA―4)
d/lリモネン(5g)をクロロプレンラテックス(CR:電気化学株式会社製・商品名:ALX―600)(10g)に添加して試料1〜3と同様に、室温(20℃)環境下において30分放置することにより固体と液体の二相となっている変性ゴム物質を得た。
クロロプレンラテックスはクロロプレンの重合により得られるラテックスであり通称「CR」と称する。試料1〜3と同様に、上記の室温環境下において30分放置される間にグラフト重合が起きて架橋され、固形の変性ゴムが生成されているものである。
<試験結果>
A IR分析試験
得られた試料1のIR(赤外分光法)分析による赤外吸収スペクトルの結果を図1に示し、試料2のIR分析による赤外吸収スペクトルの結果を図2に示す。なお、IR分析とは、測定対象物質に赤外線を照射し、透過又は反射光を分光することによりスペクトルを得て、対象物の特性を検査する方法である。
本試験においては、フーリエ変換赤外分光光度(FT−IR)法に基づき、ATR法(減衰全反射法)により測定を行った。なお、測定の前処理として試料を室温において3時間乾燥させている。
試験結果としては、試料1及び2の双方に関し、一般的に、C=C二重結合の赤外吸収が認められる1600〜1680cm−1付近において、アミドに由来すると思われる吸収及び水蒸気によるノイズが大きく、C=C二重結合の有無を確認することは困難であった。
B トルエン膨潤分析試験
試料1及び試料2に関し、トルエンに室温で67時間浸漬させた後、試料の溶解の有無及び浸漬前後の重量を測定したものである。試験結果としては、トルエンに浸漬させた結果、試料1及び2共に、完全には溶解しなかった。通常、トルエンにラテックスを浸漬させた場合には溶解することから、いずれの試料においても部分的に架橋してゲル化しているものと判断される。また、膨潤させた試料はゲル状であり、正確な重量は測定できなかったが、参考値として、重量膨潤率は試料1が3500%、試料2が3700%である。重量膨潤率測定の結果を表1に示す。
C 物性評価試験
下記要領により、標準となるNRラテックス及び試料1及び試料2に関し、JIS K 6299:2001(ゴム−試験用試料の作成方法)に基づき加硫したものを作成し比較して、本実施の形態に係る試料1及び試料2の物性を検討したものである。物性に関しては、試料の「ダイ加硫試験A法」により加硫特性の測定、デュロメータ硬さによる試料の硬さの測定、引張特性試験による試料の強度の測定、熱老化特性試験による試料の強度の測定、耐オゾン劣化試験による試料の耐候性の測定、耐液性試験による試料の耐薬品性の測定を行った。
(試験要領)
(1)JIS K 6299:2001 「ゴム−試験用試料の作製方法」
使用試験機 :高室鉄工所製 試験ロール
ロールサイズ :8″φ×18″
前ロール回転数 :18rpm
前後ロール回転比 :1:1.25
加硫条件 :150℃×8分 NR(#1)
:150℃×7分 AKIBA−1、AKIBA−2
前処理 :AKIBA−1、AKIBA−2は40℃×3時間真空
乾燥後に泥練りを実施
(2)JIS K 6300−2:2001 「未加硫ゴム−物理特性
−第2部:振動式加硫試験機による加硫特性
の求め方」
試験方法 :ダイ加硫試験A法(ねじり振動式平板ダイ加硫試験)
試験の詳細
試験温度 :150℃
振幅角度 :±1°
振動数 :1.67Hz(100cpm)
試験時間 :30分間
使用試験機 :(株)上島製作所製 加硫度試験機(FDR)VR3110
(3)JIS K 6253-3:2012 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方
−第3部:デュロメータ硬さ」
試料および試験片の詳細
試験片作成方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験の詳細
試験温度 :23℃
試験装置 :高分子計器(株)製アスカーゴム硬度計
(デュロメータ)A型
(4)JIS K 6251:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験片採取方向 :列理方向
試験片数 :8
試験の詳細
試験温度 :23℃
試験速度 :500mm/min
使用試験機 :TEC PRO社製 引張試験機 tensiTEC
試験機容量 :ロードセル式1kN
(5)JIS K 6257:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−熱老化特性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状3号形
試験片採取方向 :列理方向
試験片数 :8
試験の詳細
試験方法 :促進老化試験、A法、AA-2
常態調節温度 :23±2℃
試験温度 :70±1℃
試験時間 :72時間
使用試験機 :(株)東洋精機製作所製 ギャー式老化試験機
(6)JIS K 6259:2004 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−耐オゾン性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :ダンベル状1号形
試験片数 :3
試験の詳細
試験の種類 :静的オゾン劣化試験
状態調節温度 :28±2℃
状態調節時間 :48時間
オゾン濃度 :500±50ppb(50±5pphm)
試験温度 :40±2℃
試験時間 :24時間
引張ひずみ :20%
使用試験機 :スガ試験機(株)製
オゾンウェザーメータOMS-H
(7)JIS K 6258:2010 「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム
−耐液性の求め方」
試料および試験片の詳細
試験片作製方法 :プレス成型シートより打抜き加工
試験片形状 :20mm×50mm
試験片数 :3
試験の詳細
浸せき温度 :70±1℃
浸せき時間 :24時間
試験用液体 :試験用潤滑油NO.1油(IRM901)
使用試験機 :(株)東洋精機製作所製テストチューブ式老化試
験機
以下に、夫々の試験の結果を表により示す。
以上のように、「硬さ試験」においては、表2(3)により明らかなように、ラテックスがA71に対して、試料1はA82、試料2はA89であって、試料1及び試料2共にNRラテックスの硬度を上回っている。
また、「引張試験」においても、表2(4)から明らかなように、「100%引張応力(MPa)」に関し、NRラテックスが4.54に対し、試料1は8.75、試料2は14.9であり圧倒的にラテックスに優っている。さらに、表2(5)「促進老化試験」においても、「100%引張応力変化率」に関し、ラテックスは+16であるのに対し、試料2は+18、試料1にあっては+26であり、同様に優位となっている。
従って、これらの試験結果から、試料1及び2に関しては、グラフト重合を経て架橋が重層的に発生し、その結果、組織としてのゴムの強度が大きく、強靭になっていることが判明した。
また、表2(6)に示す「静的オゾン劣化試験」は、オゾン(O)は、自然大気中に存在する3つの酸素原子からなる酸素の同素体であるが、酸素原子からなるオゾンは強力な酸化作用を有し、特に、屋外で使用されるゴム製品、プラスチック、繊維等の亀裂やひび割れを発生させる原因となっていることから本実施の形態に係る変性ゴムの物性を判断する一要素として行われたものである。
試験の結果、表2(6)から明らかなように、試料1及び2の双方共に「異常なし」であり、本実施の形態に係る変性ゴムは耐候性に優れていることが判明している。
表2(7)に示す「浸漬試験」は、例えば、ゴムがパッキン等として形成されて使用された場合には、耐油性及び耐薬品性が問題となることから、耐油性及び耐薬品性の観点からの試験である。
試験の結果、「質量変化率」及び「体積変化率」共にNRラテックスよりも小さく、耐油性及び耐薬品性の点も問題がないことが判明した。従って、本実施の形態に係る変性ゴムが例えば、パッキン等として形成されて使用された場合であっても、油及び薬品に対して、良好なシール性を確保することができることが確認された。
D 臭気試験
本実施の形態に係る変性ゴムに関する臭気試験を行った。即ち、表6に示すように本発明において使用されたモノテルペン(d/lリモネン、d―リモネン、α―ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン)をNRラテックス(10ml)に所定量添加し、及び、一晩放置して乾燥フィルム化させたものに関し臭気を検査したものである。
表3に示すように、3g及び5gを添加した場合にはNRラテックスの臭いが消えて無臭となり、さらに、乾燥フィルム状態となった場合には全く無臭に到ったものである。
臭気試験に関しては、d/ lリモネン及びα−ピネンに関し、さらに以下の試験を実施した。
具体的な試験方法は、JIS K 6299:2001に基づき、試験ロール(高室鉄工所製)を使用し、ロールサイズ8‘’φ×18‘’で、前ロール回転数18rpm、前後ロール回転比1:1.25で、NRゴムを素練りした後、秤量し、試料と一緒に予めロール温度を室温に調整したロールで20分間混練を実施し、官能試験用サンプルを作成した。
上記官能試験サンプルを使用して、試験片20gをできるだけ均一に500ml三角フラスコに入れてふたをして23℃の試験室に24時間放置した後、三角フラスコのふたを開け、パネラーが一人づつ順ににおい試験を実施した。評価するパネラーは5人である。その結果を表4及び5に示す。
その結果、試料1、2及び4に関し、非常に良好な無臭の結果を得ることができた。従って、本実施の形態において得られた変性ゴムにおいては、天然ゴム特有の臭いが除去されており臭気がないことが判明した。従って、本実施の形態において使用されたモノテルペンをNRラテックス(天然ゴム)に添加することにより、天然ゴム特有の臭気を除去できるものである。
E 熱分析試験
さらに、試料2を用いて、NRラテックスと対比させて熱分析試験を以下の要領で行った。
即ち、前処理として、試料2(AKIBA−2:NRラテックス−d/lリモネン反応物)を40℃で3時間真空乾燥させた後に測定を行った。一方、NRラテックスは未処理のまま測定を行った。
「熱分解開始温度」は熱重量測定(TG)法に基づき測定した。「熱重量測定法」は、試料の温度を一定のプログラムに従って変化させながら、試料の質量を温度の関数として測定する方法であり、試料を加熱する際に試料の質量変化を連続的に測定する方法である。
「熱分解開始温度」は、温度を次第に上昇させた場合、試料の重量の減少が始まる温度のことをいう。この場合、重量の減少は高温度で樹脂の酸化が進行するために発生する。
また、「ガラス転移温度」を示差走査熱量分析(DSC)法により測定した。
「示差走査熱量分析」とは、測定試料と基準物質との間の熱量の差を計測し、ガラス転移点を測定する熱分析の手法である。「ガラス転移点」とは、非結晶固体材料にガラス転移が起きる温度をいう。
なお、試験装置としてはメトラートレド製 DSC822を使用し、温度プログラムは−140℃−(10℃/min)→25℃ とし、窒素(40ml/min)雰囲気において、試料質量は10mgで行った。
本試験結果から、熱分解開始温度に関しては、試料2はNRラテックスとほぼ同一であり変化はないことが判明した。また、ガラス転移温度に関しても、「補外ガラス転移開始温度(Tig)」、「中間点ガラス転移温度(Tmg)」、「補外ガラス転移終了温度(Teg)」の全てに関し試料2はNRラテックスと同一であることが判明した。
従って、試験の結果、本実施の形態に係る変性ラテックスにあっては、熱分解開始温度もガラス転移温度もNRラテックスと変化がないことが明らかになった。
F 混練プラストミル試験
また、上記試料1〜5とは別個に、リモネン−S−チオコール−SHを適宜添加して得た試料(D)に関し、NRラテックスのみを添加した試料(A)と対比して、混練プラストミルによりJIS K 6299:2001に準拠して、物性試験を行い本実施の形態に係る変性ゴムの各物性を確認した。その結果を表7〜9に示す。
即ち、混練プラストミルを使用して、引張強度、延伸性等に関する物性を自動車のタイヤに使用される標準配合の試料との対比において検討したものである。この場合、上記のように「A」は自動車のタイヤに使用される標準配合の試料を表し、「D(チオコール)」は本試験用試料を表す。
その結果、表9に示すように、「加硫ゴム物性試験」において、「D」はTB(引張強度)及びEB(延伸性)において、「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、また、「耐熱老化性試験」においても、TB及びEBは「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、「耐熱老化性試験」においても「A」と同等又はそれ以上の数値を示し、「耐油性試験」においても「A」と同等又はそれ以上の数値を示した。このことから、本実施の形態に係る変性ゴムは、自動車のタイヤ等に関しても問題なく使用できることが判明した。
本発明は広く変性ゴム及びその製造方法に適用することができることから、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. モノテルペンを液状ラテックスに混ぜ合わせ室温環境下でグラフト重合させることにより生成されることを特徴とする変性ゴム。
  2. 上記モノテルペンは、γ‐テルピネン、d/lリモネン、α−ピネン、β―ピネン又はミルセンの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項1記載の変性ゴム。
  3. 上記ラテックスは、NRラテックス、NBRラテックス、CRラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、MBRラテックス、又はVPラテックスの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項1記載の変性ゴム。
  4. モノテルペンを液状ラテックスに添加し凝固させる化学処理工程と、上記モノテルペンが添加され凝固したラテックスを乾燥させる乾燥工程とを有する変性ゴムの製造方法。
  5. 上記化学処理工程は、室温環境下で30分間放置されることを特徴とする請求項4記載の変性ゴムの製造方法。
  6. 上記モノテルペンは、γ‐テルピネン、d/lリモネン、α−ピネン、β―ピネン又はミルセンの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項4記載の変性ゴム。
  7. 上記ラテックスは、NRラテックス、NBRラテックス、CRラテックス、SBRラテックス、BRラテックス、MBRラテックス、又はVPラテックスの群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする請求項4記載の変性ゴム。
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