JP7301691B2 - ゴム組成物、および空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
前記一般式(1)において、D50は、より具体的には、重合性モノマーを用いて架橋ゴムを膨潤させた後、重合開始剤の存在下で前記重合性モノマーを重合させることにより、ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムを準備する工程(以下、工程1ともいう)と、透過型電子顕微鏡を用いた計算機トモグラフィー法により、前記ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムの3次元画像を取得する工程(以下、工程2ともいう)と、得られた3次元画像を2値化した処理画像において、ゴムの網目構造に存在する空隙部を球体近似することにより求められる粒径に基づき、粒径の体積基準のメジアン径(D50)を算出する工程(以下、工程3ともいう)により求められる。
前記工程1は、重合性モノマーを用いて架橋ゴムを膨潤させた後、重合開始剤の存在下で前記重合性モノマーを重合させることにより、ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムを準備する工程であり、上述した公知技術の樹脂包埋設法とも呼ばれる工程である。
前記工程2は、透過型電子顕微鏡を用いた計算機トモグラフィー法により、前記ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムの3次元画像を取得する工程である。
前記工程3は、上記で得られた3次元画像を2値化した処理画像において、ゴムの網目構造に存在する空隙部を球体近似することにより求められる粒径に基づき、粒径の体積基準のメジアン径(D50)を算出する工程である。
前記一般式(1)において、膨潤度は、架橋ゴムのトルエン膨潤法によって算出され、上述のとおり、公知技術である。膨潤度は、より具体的には、架橋ゴムをトルエンに一定時間浸漬し、浸漬前後の架橋ゴムの体積変化比(浸漬後の架橋ゴム体積/浸漬前の架橋ゴム体積)を算出することにより求められる。浸漬条件は、温度25℃±2℃のトルエンに48時間浸漬すればよい。
窒素置換された耐熱反応容器に、シクロヘキサンを2.5L、テトラヒドロフランを50g、n-ブチルリチウムを0.12g、スチレンを100g、1,3-ブタジエンを400g入れ、反応温度50℃で重合を行った。重合完了後に、N,N-ビス(トリメチル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを1.7g加えて、1時間反応させた後、水素ガスを0.4MPaのゲージ圧力で供給した。次いで、水素ガス供給圧力を0.7MPa-ゲージ、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主とした触媒を用いて目的の水素添加率となるまで反応させ、溶媒を除去することにより、芳香族ビニル-共役ジエンの水添共重合体1(共重合体1ともいう)を得た。得られた水添共重合体1は、結合スチレン量が20質量%であり、ブタジエン部の水素添加率が93モル%であった。なお、結合スチレン量は、H1-NMRを用いて、スチレン単位に基づくプロトンと、ブタジエン単位(水素添加部を含む)に基づくプロトンとのスペクトル強度比から求めた。また、得られた水添共重合体1は、以下のGPCによる重量平均分子量が、標準ポリスチレンによるポリスチレン換算で35万であった。
GPCの測定は、測定装置として(株)島津製作所製「LC-10A」、カラムとしてPolymer Laboratories社製「PLgel-MIXED-C」、検出器として示差屈折率検出器(RI)、溶媒としてTHFを用いて、測定温度が40℃、流量が1.0mL/min、濃度が1.0g/L、注入量が40μLの条件にて行った。
窒素置換された耐熱反応容器に、シクロヘキサンを2.5L、テトラヒドロフランを50g、n-ブチルリチウムを0.12g、スチレンを100g、1,3-ブタジエンを400g入れ、反応温度50℃で重合を行った。重合完了後に、N,N-ビス(トリメチル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを1.7g加えて、1時間反応させ後、水素ガスを0.4MPaのゲージ圧力で供給した。次いで、水素ガス供給圧力を0.7MPa-ゲージ、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主とした触媒を用いて目的の水素添加率となるまで反応させ、溶媒を除去することにより、芳香族ビニル-共役ジエンの水添共重合体2(共重合体2ともいう)を得た。得られた水添共重合体2は、結合スチレン量が20質量%であり、ブタジエン部の水素添加率が87モル%であり、重量平均分子量が35万であった。なお、結合スチレン量および重量平均分子量は、上記の方法により算出した。
<ゴム組成物、および架橋ゴムの作製>
バンバリーミキサーを使用し、表1に示すゴム、加硫促進剤、および加硫剤を混練(排出温度は90℃)してゴム組成物を製造した。得られたゴム組成物を160℃×2時間加硫して加硫ゴムを作製した。
上記で得られた加硫ゴムの試験片(約0.03g)に、スチレンモノマー(3.2g)を加えて、室温で48時間浸漬し、膨潤させた。その後、重合開始剤として、AIBN(8.2mg)を加えて、ウォーターバスで80℃、6時間の条件下で加熱することによりスチレンモノマーを重合し、ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムの試験片を準備した(以上、工程1)。上記で得られたゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムの試験片を、クライオミクロトームで100nmの厚さに薄片化した。続いて、薄片化した試験片を乗せたグリッドを2%四酸化オスミウム水溶液の蒸気で4時間染色した。走査透過型電子顕微鏡として、Thermo TEM(Talos F 200X)を用い、STEMモード、加速電圧200kV、検出器HAADF、傾斜角度-70°~70°で傾斜および測定を繰り返し、得られた複数の画像をトモグラフィー法で3次元画像を再構築した(以上、工程2)。さらに、画像解析ソフト(Avizo)を用いて、上記で得られた3次元画像(画像領域が900×900×110nm)を2値化し、網目構造の空隙部(膨潤部)を抽出仕分け処理後、ゴム網目に囲まれた空隙部(膨潤部)を球形近似し、各空隙部(各膨潤部)の球の粒径を求め、粒径の体積基準のメジアン径(D50)を算出した(以上、工程3)。結果を表1に示す。
上記で得られた加硫ゴムの試験片を、アセトンで80℃、7時間ソックスレー抽出し、乾燥させた。続いて、得られた試験片から、5mm×20mm×2mmの試験片を作製し、密閉容器を用いて、約80mLのトルエンで48時間浸漬膨潤させた。トルエン浸漬前後の架橋ゴムの体積変化比(浸漬後の架橋ゴム体積/浸漬前の架橋ゴム体積)を膨潤度として算出した。さらに、架橋密度をFlory-Rehnerの式を用いて算出した。結果を表1に示す。
各実施例および比較例において、バンバリーミキサーを使用し、表1に示す原料を混練(排出温度は90℃)してゴム組成物を製造した。得られたゴム組成物を160℃×2時間加硫して加硫ゴムを作製した。また、得られた各々の架橋ゴムを用い、D50、膨潤度、および架橋密度を測定した。結果を表1に示す。ただし、実施例5および比較例3は、シリカ(フィラー)を含むため、シリカ(フィラー)の体積分率を考慮し、粒径の体積基準のメジアン径は、式(1):D50´=D50×{1/(1-Vf)}(式(1)中、Vfは架橋ゴムのシリカ(フィラー)体積分率を表す。)として算出した。なお、実施例5および比較例3のVfは0.236および0.237である。
JIS K6264に準じて、ランボーン摩耗試験機を用いて、荷重3kg、スリップ率20%、温度23℃、落砂量20g/分で摩耗量を測定し、摩耗量の逆数について実施例1~4、比較例2および比較例4は比較例1の値を100とし、実施例5は比較例3の値を100とした指数で示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
JIS K6394に準じて、東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度60℃で損失係数tanδを測定し、実施例1~4、比較例2および比較例4は比較例1の値を100とした指数で示し、実施例5は比較例3の値を100とした指数で示した。指数が小さいほど発熱し難く、低発熱性に優れることを示す。
JIS K6300-2に準拠し、レオメーターを用いて、温度160℃×2時間で測定時のトルクの最大値をMH、最小値をMLとしたときのMH-ML(単位:dNm)を算出し、架橋度の指標とした。
共重合体2は、製造例2で合成した共重合体2;
共重合体3は、スチレン-ブタジエンゴム(結合スチレン量が20%、商品名:「HPR350」、JSR(株)製);
シリカは、シリカ(商品名:「ニップシールAQ」、東ソー・シリカ(株)製);
シランカップリング剤は、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(商品名:「Si69」、エボニック・デグザ製);
加硫促進剤1は、スルフェンアミド系加硫促進剤(商品名:「ソクシノールCZ」、住友化学(株)製);
加硫促進剤2は、チウラム系加硫促進剤(商品名:「ノクセラーTOT-N」、大内新興化学工業(株)製)
加硫剤は、硫黄(商品名:「粉末硫黄」、鶴見化学工業(株)製);を示す。
Claims (1)
- ゴム成分として、水素添加率が60モル%以上であるスチレン-ブタジエンゴム水添共重合体を含み、かつ架橋密度が1.0×10 -7 mоl/cm 3 以上1.0×10 -2 mоl/cm 3 以下である架橋ゴムを準備する工程と、
重合性モノマーを用いて前記架橋ゴムを膨潤させた後、重合開始剤の存在下で前記重合性モノマーを重合させることにより、ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムを準備する工程と、
透過型電子顕微鏡を用いた計算機トモグラフィー法により、前記ゴムの網目構造が固定化した架橋ゴムの3次元画像を取得する工程を有し、
得られた3次元画像を2値化した処理画像において、ゴムの網目構造に存在する空隙部を球体近似することにより求められる粒径に基づき、粒径の体積基準のメジアン径(D50)を算出して、
一般式(1):D50/膨潤度≧8(一般式(1)中、膨潤度は、前記架橋ゴムのトルエン膨潤法によって算出される体積変化比を表す。)である条件を満たす架橋ゴムの網目構造を評価する方法。
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