JP2015137239A - フルオロシリル基を有する化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い発光効率を有し、かつ低分子量で容易に製造可能な新規フルオロシリル化化合物を提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。(R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルから選択される置換基に代表され;又は、隣接する2つのR1又はR2が存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、環構造を形成し、又は、1つのR1と1つのR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、環構造を形成してもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロシリル基を有する新規化合物及びその製造方法に関する。
芳香環同士がケイ素で架橋されたシラフルオレン(ジベンゾシロール)類は、有機トランジスタ、有機EL、有機薄膜太陽電池などの有機エレクトロニクス材料の構成要素としての用途が期待されており、種々の置換基を導入したシラフルオレン誘導体やシラフルオレン骨格を組み込んだポリマーなどの開発が試みられている(非特許文献1及び2)。しかしながら、その発光効率の面では必ずしも十分なものではなかった。
Yabusakiら、Chem.Eur.J.、2010、16、5581−5585 Boudreaultら、Macromol.Rapid.Commun.、2007、28、2176
そこで、本発明は、従来のシラフルオレン類よりも高い発光効率を有し、かつ低分子量で容易に製造可能である、発光材料として有用な新規化合物群を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、金属触媒存在下、2−フェニルピリジン及びその誘導体にシリル化剤を作用させることによって、2−フェニルピリジン類のオルト位を選択的にフルオロシリル化することができ、これによって得られたフルオロシリル化化合物が優れた発光特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、以下の式(1)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2015137239
ここで、式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
又は、1つのRと1つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
Phは、フェニルを表す。
本発明の化合物において、好ましくは、Rが、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から独立に選択され、
が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される。
本発明の化合物において、好ましくは、隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する。同様に、好ましくは、隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する。
本発明は、一つの好ましい態様において、以下の式(2)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2015137239
ここで、R及びRは、それぞれ前記Rの定義と同様であり、
各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;又は、隣接する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよい。好ましくは、Rは、いずれも水素原子であるか、又は少なくとも2つのRが置換されていてもよいC〜Cアルコキシである。
また、本発明は、一つの好ましい態様において、以下の式(3)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2015137239
ここで、R及びRは、それぞれ前記Rの定義と同様であり、各Rは、前記Rの定義と同様である。
また、本発明は、一つの好ましい態様において、以下の式(4)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2015137239
ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜2個の同一又は異なる置換基を表し;又は、2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、及び
10は、それぞれ前記Rの定義と同様である。
また、本発明は、一つの好ましい態様において、以下の式(5−1)又は式(5−2)で表される化合物を提供するものである。
Figure 2015137239
Figure 2015137239
ここで、R11及びR14は、それぞれ前記Rの定義と同様であり、
12は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR12が存在する場合、当該2つのR12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
13は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR13が存在する場合、当該2つのR13は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
又は、1つのR11と1つのR12、若しくは1つのR13と1つのR14が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよい。
別の側面において、本発明は、上記式(1)で表される化合物の製造方法であって、以下の式(6)で表される化合物
Figure 2015137239
(式中、R及びRは、前記と同義である。)
と、以下の式(7)で表されるシリル化剤
Figure 2015137239
(式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
と、NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(1)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
本発明は、一つの好ましい態様において、上記式(2)で表される化合物の製造方法であって、以下の式(8)で表される化合物
Figure 2015137239
(式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
と、上記式(7)で表されるシリル化剤と、NaF、KF、及びKBF4よりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(2)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
また、本発明は、一つの好ましい態様において、上記式(3)で表される化合物の製造方法であって、以下の式(9)で表される化合物
Figure 2015137239
(式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
と、上記式(7)で表されるシリル化剤と、NaF、KF、及びKBF4よりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(3)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、一つの好ましい態様において、上記式(4)で表される化合物の製造方法であって、以下の式(10)で表される化合物
Figure 2015137239
(式中、R及びR10は、前記と同義である。)
と、上記式(7)で表されるシリル化剤と、NaF、KF、及びKBF4よりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(4)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、一つの好ましい態様において、上記式(5−1)又は式(5−2)で表される化合物の製造方法であって、以下の式(11−1)又は式(11−2)で表される化合物
Figure 2015137239
Figure 2015137239
(式中、R11、R12、R13、及びR14は、は、前記と同義である。)
と、上記式(7)で表されるシリル化剤と、NaF、KF、及びKBF4よりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(5−1)又は式(5−2)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法において、好ましくは、上記式(6)で表されるシリル化剤におけるXが、いずれもエチル基である。
本発明の製造方法において、好ましくは、フッ素化剤が、KFである。
本発明の製造方法において、前記パラジウム触媒が、Pd(NCCH)(BF)、Pd(OBu)、PdCl(PCy)、Pd(OAc)、及びPd(tfa)よりなる群から選択される。
本発明の化合物は、2−フェニルピリジン骨格におけるベンゼン環部位のオルト位にフルオロシリル基を有する構造とすることによって、従来のシラフルオレン誘導体に比べて、高い量子収率等の優れた発光特性が得られるという効果を奏するものである。また、当該化合物は、汎用のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製が可能なほど安定性が高く、かつ種々の有機溶媒中において蛍光発光を示すことができる。
また、本発明の製造方法によれば、2−フェニルピリジン骨格におけるベンゼン環部位のオルト位(又は2−チエニルピリジン骨格のチオフェン環の3位)に選択的にフルオロシリル基を導入することができ、非常に簡便かつ高収率で本発明の化合物を製造することができる。さらに、2−フェニルピリジン骨格上に様々な置換基や官能基を容易に導入することができ、これにより所望の用途等に応じて、蛍光色等の発光特性や溶媒への溶解性等を制御することが可能である。従って、有機トランジスタ、有機EL、有機薄膜太陽電池などの有機エレクトロニクス材料に応用可能な新規発光材料として、極めて実用性に優れたものである。
図1は、本発明の化合物(実施例1)の単結晶X線結晶構造解析によって得られた結晶構造である。 図2は、本発明の化合物(実施例1)及び比較例1の化合物の蛍光スペクトルを示すグラフである。 図3は、本発明の化合物(実施例2)の蛍光スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.定義
本明細書中において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中において、「アルキル」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば炭素数1〜20個(C1〜20)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C1〜8アルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基、アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
本明細書中において、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をいう。例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ペンタンジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル及び1,4−ヘキサンジエニル)を含む。二重結合についてシス配座またはトランス配座のいずれであってもよい。
本明細書中において、「アリール」は単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含む芳香族複素環であってもよい。この場合、これを「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶ場合もある。アリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。単環式のアリールの非限定的な例としては、フェニル基(Ph)、チエニル基(2−又は3−チエニル基)、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、2−ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリダジニル基、3−イソチアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基等が挙げられる。縮合多環式のアリールの非限定的な例としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−インデニル基、2−インデニル基、2,3−ジヒドロインデン−1−イル基、2,3−ジヒドロインデン−2−イル基、2−アンスリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、1,2−ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾフラニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フルオレニル基又はチオキサンテニル基等が挙げられる。本明細書において、アリール基はその環上に任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アリール基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール部分を含む他の置換基(例えばアリールオキシ基やアリールアルキル基など)のアリール部分についても同様である。
本明細書中において、「アリールアルキル」は、上記アリールで置換されたアルキルを表す。アリールアルキルは、任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリールアルキルの非限定的な例としては、ベンジル基、2−チエニルメチル基、3−チエニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−チアゾリルメチル基、4−チアゾリルメチル基、5−チアゾリルメチル基、2−オキサゾリルメチル基、4−オキサゾリルメチル基、5−オキサゾリルメチル基、1−ピラゾリルメチル基、3−ピラゾリルメチル基、4−ピラゾリルメチル基、2−ピラジニルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、4−ピリミジニルメチル基、5−ピリミジニルメチル基、1−ピロリルメチル基、2−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、1−イミダゾリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、4−イミダゾリルメチル基、3−ピリダジニルメチル基、4−ピリダジニルメチル基、3−イソチアゾリルメチル基、3−イソオキサゾリルメチル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメチル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル基等が挙げられる。
同様に、本明細書中において、「アリールアルケニル」は、上記アリールで置換されたアルケニルを表す。
本明細書中において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造であり、例えば直鎖状、分枝状、環状又はそれらの組み合わせである飽和アルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が好適な例として挙げられる。
本明細書中において、「アリールオキシ基」とは、前記アリール基が酸素原子を介して結合する基である。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、4−チアゾリルオキシ基、5−チアゾリルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、4−オキサゾリルオキシ基、5−オキサゾリルオキシ基、1−ピラゾリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基、4−ピラゾリルオキシ基、2−ピラジニルオキシ基、2−ピリミジニルオキシ基、4−ピリミジニルオキシ基、5−ピリミジニルオキシ基、1−ピロリルオキシ基、2−ピロリルオキシ基、3−ピロリルオキシ基、1−イミダゾリルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基、3−ピリダジニルオキシ基、4−ピリダジニルオキシ基、3−イソチアゾリルオキシ基、3−イソオキサゾリルオキシ基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルオキシ基、又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルオキシ基等が例示される。
本明細書中において、「アルキレン」とは、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、メチレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジエチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,1−ジエチルトリメチレン、1,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−エチル−2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジ−n−プロピルトリメチレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アルケニレン」とは、直鎖状または分枝状の少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している不飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、エテニレン、1−メチルエテニレン、1−エチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、1,2−ジエチルエテニレン、1−エチル−2−メチルエテニレン、プロペニレン、1−メチル−2−プロペニレン、2−メチル−2−プロペニレン、1,1−ジメチル−2−プロペニレン、1,2−ジメチル−2−プロペニレン、1−エチル−2−プロペニレン、2−エチル−2−プロペニレン、1,1−ジエチル−2−プロペニレン、1,2−ジエチル−2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、1,1−ジメチル−2−ブテニレン、1,2−ジメチル−2−ブテニレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アリーレン」及び「アリールアルキレン」は、それぞれ上記「アリール」及び「アリールアルキル」に基づく二価の基を意味する。同様に、「オキシアルキレン」及び「アリーレンオキシ」は、それぞれ上記「アルコキシ」及び「アリールオキシ」に基づく二価の基を意味する。
本明細書中において、「アルキルアミノ」及び「アリールアミノ」は、−NH基の水素原子が上記アルキル又はアリールの1又は2で置換されたアミノ基を意味する。例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ等が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」及び「アリールチオ」は、−SH基の水素原子が上記アルキル又はアリールで置換された基を意味する。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ベンジルチオ等が挙げられる。
本明細書中において用いられる「アミド」とは、RNR’CO−(R=アルキルの場合、アルカミノカルボニル−)およびRCONR’−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルアミノ−)の両方を含む。
本明細書中において用いられる「エステル」とは、ROCO−(R=アルキルの場合、アルコキシカルボニル−)およびRCOO−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルオキシ−)の両方を含む。
本明細書中において、「環構造」という用語は、二つの置換基の組み合わせによって形成される場合、複素環または炭素環基を意味し、そのような基は飽和、不飽和、または芳香族であることができる。例えば、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モルホリニル、ピペルジニル、イミダゾリル、ピロリジニル、およびピリジルなどが挙げられる。本明細書中において、置換基は、別の置換基と環構造を形成することができ、そのような置換基同士が結合する場合、当業者であれば、特定の置換、例えば水素への結合が形成されることを理解できる。従って、特定の置換基が共に環構造を形成すると記載されている場合、当業者であれば、当該環構造は通常の化学反応によって形成することができ、また容易に生成することを理解できる。かかる環構造およびそれらの形成過程はいずれも、当業者の認識範囲内である。
2.フロオロシリル化化合物
本発明の化合物は、2−フェニルピリジン骨格におけるベンゼン環部位のオルト位(又は2−チエニルピリジン骨格のチオフェン環の3位)にフルオロジフェニルシリル基を有する構造の化合物であり、当該フルオロジフェニルシリル基のSi素原子とピリジン環状部位のN原子との間に非共有結合の相互作用を示すことを特徴とするものである。当該相互作用によって本発明の化合物はシラフルオレン(ジベンゾシロール)に類似する構造を取るといえるが、以下に示すように、シラフルオレンではSi原子がベンゼン環と共有結合して5員環構造を形成するのに対し、本発明の化合物では、非共有結合であるルイス酸−塩基相互作用である点で大きく相違する。
Figure 2015137239
そして、後述の実施例において示すように、かかる非共有結合性の相互作用によって、本発明の化合物は従来のシラフルオレンよりも高い蛍光量子収率を示す。
本発明の化合物は、式(1)〜(5−2)で示される構造を有する(以下、それぞれ「式(1)の化合物」〜「式(5−2)の化合物」ともいう。)。当該式(1)〜(5−2)の化合物は、2−フェニルピリジン骨格におけるベンゼン環部位のオルト位(又は、ベンゼン環をチオフェン環に置き換えた2−チエニルピリジン骨格のチオフェン環の3位)にフルオロジフェニルシリル基を有する点で共通する。
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
式(1)中のRは、ベンゼン環部位に連結している基であり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基であることができる。好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から独立に選択される置換基である。より好ましくは、−C(=O)OC〜Cアルキルは、−C(=O)OCHである。
また、ベンゼン環上に、隣接する2つのRが存在する場合には、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成することもできる。好ましくは、当該環構造はベンゼン環であり、その場合、式(1)の化合物は2−ナフチルピリジン骨格を有することを意味する。
式(1)中のRは、ピリジン環部位に連結している基であり、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基であることができる。好ましくは、Rが、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される置換基である。
また、ピリジン環上に、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成することもできる。好ましくは、当該環構造はベンゼン環であり、その場合、式(1)の化合物は2−フェニルキノリン又は2−フェニルイソキノリン骨格を有することを意味する。
さらに、1つのRと1つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成することもできる。これは、RとRが、式(1)中のベンゼン環とピリジン環を連結する結合を環内に含む環構造を形成する態様を表したものである。例えば、式(1)の化合物が、後述の実施例における実施例20の化合物のようなベンゾキノリン骨格を有する場合等が挙げられる。
式(2)〜(4)におけるR、R、R、R、及びR10は、いずれもピリジン環の連結する基であり、上記Rと同様に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基であることができる。好ましくは、R、R、R、R、及びR10が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される置換基である。また、ピリジン環上に隣接する2つの基が存在する場合、これら2つの基は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成することもできる点も、上記Rと同様であり、好ましくは、当該環構造はベンゼン環である。
式(2)中のRはナフタレン環に連結している基であり、式(3)におけるRはベンゼン環に連結している基であり、式(4)におけるRはチエニル環に連結している基であるが、いずれも上記Rと同様の置換基群から選択することができ、すなわち、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルであることができる。好ましくは、R及びRは、水素原子である。好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から独立に選択される。より好ましくは、−C(=O)OC〜Cアルキルは、−C(=O)OCHである。
また、R及びRについては、それらがナフタレン環又はチエニル環上に、隣接する2つの基が存在する場合、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成することもできる点も、上記Rと同様であり、好ましくは、当該環構造はベンゼン環である。
さらに、式(5−1)及び式(5−2)の化合物は、2つの式(1)の化合物のベンゼン環部位をアルキニレンで連結させた構造を有するものである。R11及びR14はいずれも上記Rと同様の置換基群から選択することができ、R12及びR13はいずれも上記Rと同様の置換基群から選択することができる。
いずれの式中におけるシリル基は、1つのフルオロ基と2つのジフェニル基で置換されたシリル基(すなわち、フルオロジフェニルシリル基)が用いられている。当該フルオロ基は、電子求引性基として働き、シリル基のSi原子とピリジン環骨格上のN原子との相互作用において重要な役割を担っていると考えられる。従って、本発明の化合物においては、フルオロジフェニルシリル基が最も好ましいが、シリル基のSi原子とピリジン環骨格上のN原子との相互作用が生じる限り、その他のシリル基を用いることも許容される。
以上のR〜R14は、後述の原料物質である2−フェニルピリジン化合物(その誘導体)及びシリル化剤における置換基に由来するものであり、これら原料物質の置換基を修飾することで、最終的な化合物における置換基を制御することができる。これにより、本発明の化合物における所望の用途等に応じて、蛍光色等の発光特性や溶媒への溶解性等を制御することが可能となる。
3.製造方法
本発明の化合物は、金属触媒存在下、2−フェニルピリジン及びその誘導体にシリル化剤を作用させることによって製造することができる。当該製造方法では、2−フェニルピリジン骨格におけるベンゼン環部位のオルト位(又は2−チエニルピリジン骨格のチオフェン環の3位)に選択的にフルオロシリル基を導入することができる。当該製造方法は、非常に簡便かつ高い収率で本発明の化合物を得ることができる点で非常に優れており、さらに、官能基を修飾した幅広い反応基質に対しても用いることができるという利点を有する。
具体的には、上記式(1)で表される化合物は、
i)以下の式(6)で表される2−フェニルピリジン化合物
Figure 2015137239
(式中、R及びRは、前記と同義である。)、
ii)以下の式(7)で表されるシリル化剤
Figure 2015137239
及び、iii)フッ素化剤を含む溶液中にパラジウム触媒を添加して反応を進行させることによって、式(1)の化合物を得ることができる。
上記式(7)のシリル化剤において、NX及び1,3,2−ジオキサボロランー2イルは、脱離基であり、これらに限定されず、当該技術分野において公知の脱離基を用いることもできる。式中、NXにおける各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。好ましくは、いずれもエチル基である。
また、フッ素化剤は、シリル基にフッ素原子を導入できるフッ化物塩や含フッ素化合物であることができるが、好ましくは、アルカリ金属塩であり、より好ましくは、NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択される。
同様に、上記式(2)〜(5−2)の化合物は、原料物質の構造を上記(1)の製造方法の場合と変更することで得ることができる。すなわち、上記式(6)で表される2−フェニルピリジン化合物に変えて、以下の式(8)〜(11−2)の化合物:
Figure 2015137239
(式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
Figure 2015137239
(式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
Figure 2015137239
(式中、R及びR10は、前記と同義である。)
Figure 2015137239
Figure 2015137239
(式中、R11、R12、R13、及びR14は、前記と同義である。)
を上記式(7)のシリル化剤及び上記フッ素化剤と反応させることによって、それぞれ式(2)〜(5−2)の化合物を製造することができる。
上記反応において用いられる触媒は、パラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒の例としては、Pd(NCCH)(BF)、Pd(OBu)、PdCl(PCy)、Pd(OAc)、及びPd(tfa)が挙げられるが、好ましくは、Pd(NCCH)(BF)である。また、反応溶液中に触媒を添加する際には、K等の酸化剤を併せて添加することが好ましい。
上記反応に用いられる溶媒は、原料物質である2−フェニルピリジン(及びその誘導体)とシリル化剤を溶解させるものであれば任意の有機溶媒を用いることができるが、好ましくは、キシレン、トルエン、ヘキサン、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、又はジメチルスルホキシドであり、より好ましくは、キシレン又はトルエンである。
その他、当該製造方法における反応温度や反応時間等の反応条件は、後述の実施例において代表的な例として詳細に記載するが、必ずしもそれらに限定されるわけではなく、当該技術分野における当業者であれば、有機合成における一般的な知識に基づいてそれぞれ適宜選択可能である。
また、本発明の製造方法において用いられる上記原料物質である原料物質である2−フェニルピリジン(及びその誘導体)及びシリル化剤の合成方法に関しては、当該技術分野における当業者であれば有機合成における一般的な知識に基づいて十分に理解できるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.合成
[実施例1]
Figure 2015137239
アルゴン雰囲気下で、2−フェニルピリジン(31.0mg、0.200mmol)、1−ジエチルアミノ−1−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1−ジフェニルシラン(76.0mg、0.300mmol)およびフッ化カリウム(35.0mg、0.600mmol)をキシレン(0.60mL)に加え、135℃で15分加熱撹拌した。そこにペルオキソ二硫酸カリウム(162mg、0.600mmol)およびパラジウム触媒Pd(NCCH)(BF)(4.4mmolmg、10μmol)を加え、135℃で24時間加熱撹拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、フルオロシリル化体が白色の固体として得られた(60.0mg、84%)。得られた化合物の単結晶X線結晶構造解析により、シリル基のSi原子とピリジン環のN原子の間には強い相互作用があることが明らかになった(図1)。
[実施例2]
Figure 2015137239
アルゴン雰囲気下で、1,2−ビス(2−ヘキシロキシ−5-(2−ピリジニル)フェニル)エチン(53.3mg、0.100mmol)、1−ジエチルアミノ−1−(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1−ジフェニルシラン(114mg、0.300mmol)およびフッ化カリウム(35.0mg、0.600mmol)をキシレン(0.60mL)に加え、135℃で15分加熱撹拌した。そこにペルオキソ二硫酸カリウム(162mg、0.600mmol)およびパラジウム触媒Pd(NCCH)(BF)(4.4mmolmg、10μmol)を加え、135℃で8時間加熱撹拌した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、フルオロシリル化体が白色の固体として得られた(56.9mg、68%)。
[実施例3〜17]
実施例1で用いた2−フェニルピリジンに種々の置換基を導入した化合物を出発物質として、以下の表1〜4に示すフルオロシリル化化合物を合成した。
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
Figure 2015137239
[実施例18〜21]
同様に、実施例1で用いた2−フェニルピリジンの環構造を変化させた化合物を出発物質として、以下の表5に示すフルオロシリル化化合物を合成した。
Figure 2015137239
2.触媒の検討
実施例1の化合物について、種々の触媒を用いて合成を行った。比較のため、用いた触媒以外は同一の反応条件とした(KF 3当量;K 2当量; 溶媒 トルエン;反応温度100℃)。得られた結果を表6に示す。
Figure 2015137239
表6の結果から、パラジウム触媒ではいずれも生成反応が進行したのに対し、それ以外の金属触媒では生成物は得られなかった。この結果は、本発明の製造方法におけるフルオロシリル化としては、パラジウム触媒が好ましいことを示唆するものである。
3.フッ素化剤の検討
実施例1の化合物について、種々のフッ素化剤を用いて合成を行った。比較のため、用いたフッ素化剤以外は同一の反応条件とした(Pd(NCCH)(BF) 5.0mol%;K 2当量; 溶媒 トルエン;反応温度100℃)。得られた結果を表7に示す。
Figure 2015137239
表7の結果から、本発明の製造方法におけるフルオロシリル化としては、アルカリ金属フッ化物塩やテトラフルオロホウ酸が好ましいことが分かった。
4.蛍光特性の評価
実施例1及び2の化合物について蛍光スペクトル測定を行った。得られた蛍光スペクトルをそれぞれ図2及び3に示す。溶媒はいずれもTHFであり、励起波長は、それぞれ280nm、360nm、及び320nmである。図1には比較例として、シラフルオレン化合物(比較例1)の蛍光スペクトルも併せて示している。また、これら化合物について得られた量子収率を表8に示す。
Figure 2015137239
また、比較例として、本発明の化合物以外について量子収率を測定した結果を表9に示す。
Figure 2015137239
表8及び表9の結果から、実施例1の化合物では、量子収率0.50であったのに対し、Si原子が共有結合で環を形成している比較例1のシラフルオレン化合物では量子収率0.06であった。また、ピリジン環上の窒素原子を有しない比較例2では、実施例1と同じフロオロシリル基を有するにもかかわらず量子収率が0.01に過ぎなかった。これらの結果は、シリル基のSi原子とピリジン環のN原子が非共有結合で相互作用する本発明の化合物の構造とすることによって、量子収率が著しく向上することを実証するものである。
また、シリル基にフッ素原子を有しない比較例3、さらに、フルオロ基を有するもののそれ以外の置換基が実施例1と異なるシリル基を有する比較例4及び5では、いずれも量子収率は低いものであった。従って、本発明の化合物におけるフルオロジフェニルシリル基の導入が、発光特性の向上に有益であることが示唆される。

Claims (28)

  1. 以下の式(1)で表される化合物。
    Figure 2015137239
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    又は、1つのRと1つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
    Phは、フェニルを表す。)
  2. が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から独立に選択され、
    が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項1に記載の化合物。
  4. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項1に記載の化合物。
  5. 以下の式(2)で表される化合物。
    Figure 2015137239
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;又は、隣接する2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
    Phは、フェニルを表す。)
  6. が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択され、
    が、いずれも水素原子であるか、又は少なくとも2つのRが置換されていてもよいC〜Cアルコキシであり、
    が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される、
    請求項5に記載の化合物。
  7. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項5に記載の化合物。
  8. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項5に記載の化合物。
  9. 以下の式(3)で表される化合物。
    Figure 2015137239
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し、
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのRが存在する場合、当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
    Phは、フェニルを表す。)
  10. が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択され、
    が、いずれも水素原子であり、
    が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される、
    請求項9に記載の化合物。
  11. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項9に記載の化合物。
  12. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項9に記載の化合物。
  13. 以下の式(4)で表される化合物。
    Figure 2015137239
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜2個の同一又は異なる置換基を表し;又は、2つのRが存在する場合、隣接する当該2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    10は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR10が存在する場合、当該2つのR10は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
    Phは、フェニルを表す。)
  14. が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から独立に選択され、
    10が、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から独立に選択される、
    請求項13に記載の化合物。
  15. 隣接する2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項13に記載の化合物。
  16. 隣接する2つのR10が、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項13に記載の化合物。
  17. 以下の式(5−1)又は式(5−2)で表される化合物。
    Figure 2015137239
    Figure 2015137239
    (式中、R11は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR11が存在する場合、当該2つのR11は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    12は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR12が存在する場合、当該2つのR12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    13は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR13が存在する場合、当該2つのR13は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    14は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;又は、隣接する2つのR14が存在する場合、当該2つのR14は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成し、
    又は、1つのR11と1つのR12、若しくは1つのR13と1つのR14が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよく、及び
    Phは、フェニルを表す。)
  18. 11及びR14が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC〜Cアルキル、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、フェニル、−CF、ニトロ、及び−C(=O)OC〜Cアルキルよりなる群から選択され、
    12及びR13が、それれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、及び−CFよりなる群から選択される、
    請求項17に記載の化合物。
  19. 隣接する2つのR11又は隣接する2つR14が、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項17に記載の化合物。
  20. 隣接する2つのR12又は隣接する2つR13が、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成する、請求項17に記載の化合物。
  21. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の式(6)で表される化合物
    Figure 2015137239
    (式中、R及びRは、前記と同義である。)
    と;以下の式(7)で表されるシリル化剤
    Figure 2015137239
    (式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
    と;NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(1)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法。
  22. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の式(8)で表される化合物
    Figure 2015137239
    (式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
    と;以下の式(7)で表されるシリル化剤
    Figure 2015137239
    (式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
    と;NaF、KF、及びKBF4よりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(2)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法。
  23. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の式(9)で表される化合物
    Figure 2015137239
    (式中、R、R、及びRは、前記と同義である。)
    と;以下の式(7)で表されるシリル化剤
    Figure 2015137239
    (式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
    と;NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(3)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法。
  24. 請求項13〜16のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の式(10)で表される化合物
    Figure 2015137239
    (式中、R及びR10は、前記と同義である。)
    と;以下の式(7)で表されるシリル化剤
    Figure 2015137239
    (式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
    と;NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(4)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法。
  25. 請求項17〜20のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    以下の式(11−1)又は式(11−2)で表される化合物
    Figure 2015137239
    Figure 2015137239
    (式中、R11、R12、R13、及びR14は、前記と同義である。)
    と;以下の式(7)で表されるシリル化剤
    Figure 2015137239
    (式中、各Xは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立にC〜Cアルキルである。)
    と;NaF、KF、及びKBFよりなる群から選択されるフッ素化剤とを含む溶液中に、パラジウム触媒を添加することによって式(5−1)又は式(5−2)の化合物を得ることを特徴とする、該製造方法。
  26. Xが、いずれもエチル基である、請求項21〜25のいずれか1項に記載の製造方法。
  27. 前記フッ素化剤が、KFである、請求項21〜26のいずれか1項に記載の製造方法。
  28. 前記パラジウム触媒が、Pd(NCCH)(BF)、Pd(OBu)、PdCl(PCy)、Pd(OAc)、及びPd(tfa)よりなる群から選択される、請求項21〜27のいずれか1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101850953B1 (ko) 2017-07-03 2018-04-20 서울대학교 산학협력단 호모시스테인 검출용 전기화학발광 프로브
CN109608488A (zh) * 2018-12-24 2019-04-12 五邑大学 一种2-苯基邻位取代三乙基硅喹啉类化合物的合成方法
CN109651421A (zh) * 2018-12-24 2019-04-19 五邑大学 一种2-芳基邻位取代三乙基硅吡啶类化合物的合成方法

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CN109651421B (zh) * 2018-12-24 2021-02-19 五邑大学 一种2-芳基邻位取代三乙基硅吡啶类化合物的合成方法
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