JP6407645B2 - 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応 - Google Patents

芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応 Download PDF

Info

Publication number
JP6407645B2
JP6407645B2 JP2014194243A JP2014194243A JP6407645B2 JP 6407645 B2 JP6407645 B2 JP 6407645B2 JP 2014194243 A JP2014194243 A JP 2014194243A JP 2014194243 A JP2014194243 A JP 2014194243A JP 6407645 B2 JP6407645 B2 JP 6407645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optionally substituted
mmol
formula
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014194243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015086221A (ja
Inventor
内山 真伸
真伸 内山
圭一 平野
圭一 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2014194243A priority Critical patent/JP6407645B2/ja
Publication of JP2015086221A publication Critical patent/JP2015086221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6407645B2 publication Critical patent/JP6407645B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Quinoline Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、パーフルオロアルキル基又はフルオロフェニル基を有する芳香族化合物の製造方法及び該製造方法によって得られる化合物に関する。
含フッ素有機化合物は、医薬や材料化学等の種々の分野において重要な化合物であり、そのため、有機化合物へフッ素原子或いはトリフルオロメチル基等を効率的に導入する手法が盛んに研究されている。特に、パーフルオロアルキル基は、その導入によって優れた化学的安定性や熱安定性などの物性をもたらし、分子間相互作用も弱いため重要な置換基と考えられており、かかるパーフルオロアルキル基の導入手法として、近年、パーフルオロアルキル基と芳香族部位とのクロスカップリング反応が提案されている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、その反応効率や汎用性、或いは実験操作の簡便性の面で未だ十分な合成手法が確立しているとはいえない状況である。
Daugulisら、Copper−Catalyzed Arylation of 1H−Perfluoroalkanes,J.Am.Chem.Soc.2011,133,9286−9289.
そこで、本発明は、従来よりも高収率、簡便であり、かつ広い化合物に適用可能な新規パーフルオロアルキル化反応を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、ジアルキル亜鉛とヨウ化パーフルオロアルキル間でヨウ素・亜鉛の交換反応が進行し、これにより生じたパーフルオロアルキル亜鉛求核種が銅触媒による芳香族ハライドとのクロスカップリング反応に極めて有効であることを見出した。また、非プロトン性極性溶媒を用いることで上記ヨウ素・亜鉛の交換反応が促進されると共に、上記パーフルオロアルキル亜鉛求核種の安定性が向上することを見出した。これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、
(1)ジアルキル亜鉛及び銅触媒の存在下において、以下の式(1)の化合物
Figure 0006407645
(式中、Aは、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し、Xは、Br又はIから選択される脱離基を表す。)
と以下の式(2)の化合物
Figure 0006407645
(式中、Rは、C〜C20のパーフルオロアルキル又は1〜5のフルオロ基を有するフェニルを表し、Xは、Br又はIから選択される脱離基を表す。)
とを非プロトン性極性溶媒中で反応させて、以下の式(3)の化合物
Figure 0006407645
を得ることを特徴とする、含フッ素化合物の製造方法;
(2)Aが、フェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、ピリミジニル、チアゾリル、オキザゾリル、イミダゾリル、及びインドリルよりなる群から選択され、
ここで、これらのAは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいオキサボロラン−2−イル、置換されていてもよいアシル、シアノ、ニトロ、アミド、及びエステルよりなる群から独立に選択される1又は複数の同一又は異なる置換基を有していてもよく;又は、Aの環上に2つの隣接する前記置換基が存在する場合、当該2つの置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んで
いてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよい、
上記(1)に記載の製造方法;
(3)Rが、C〜C10のパーフルオロアルキル、又は以下の基
Figure 0006407645
よりなる群から選択される、上記(1)に記載の製造方法。
(4)前記非プロトン性極性溶媒が、N,N’−ジメチルプロピレン尿素である、上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の製造方法;
(5)前記ジアルキル亜鉛が、ジエチル亜鉛である、上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の製造方法;
(6)前記銅触媒が、ヨウ化銅(CuI)である、上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の製造方法;及び
(7)式(3)の化合物において、Aが同一又は異なる2以上のRを有する、上記(1)〜(6)のいずれか1に記載の製造方法
を提供するものである。
別の側面において、本発明は、
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1に記載の製造方法によって得られる、含フッ素化合物
を提供するものである。
本発明の製造方法では、ジアルキル亜鉛と非プロトン性極性溶媒の組み合わせを用いることで、ジアルキル亜鉛とヨウ化パーフルオロアルキル間でのヨウ素・亜鉛交換反応が高効率で進行し、それによって生じるパーフルオロアルキル亜鉛求核種の安定性を向上させることができるため、ほぼ副反応が生じることなく、目的とする含フッ素化合物を高収率で得ることができる。また、触媒として用いる銅錯体の使用量が低量で行うことができるという利点も有する。
当該製造方法は、幅広い多様な芳香族又はヘテロ芳香族に適用することができ、これら芳香族化合物に対して簡便な実験操作によって高い官能基許容性をもってパーフルオロアルキル基及びフルオロフェニル基等を導入することができるという効果を奏することから、医農薬品開発及び機能性分子の創製への応用が可能である点で極めて実用性に優れたものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.定義
本明細書中において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中において、「アルキル」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば炭素数1〜20個(C1〜20)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C1〜8アルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基、アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
本明細書中において、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をいう。例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ペンタンジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル及び1,4−ヘキサンジエニル)を含む。二重結合についてシス配座またはトランス配座のいずれであってもよい。
本明細書中において、「アリール」は単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含む芳香族複素環であってもよい。この場合、これを「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶ場合もある。アリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。単環式のアリールの非限定的な例としては、フェニル基(Phe)、チエニル基(2−又は3−チエニル基)、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、2−ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリダジニル基、3−イソチアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基等が挙げられる。縮合多環式のアリールの非限定的な例としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−インデニル基、2−インデニル基、2,3−ジヒドロインデン−1−イル基、2,3−ジヒドロインデン−2−イル基、2−アンスリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、1,2−ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾフラニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル基、ナフチリジニル、ジヒドロナフチリジニル、テトラヒドロナフチリジニル、イミダゾピリジニル、プテリジニル、プリニル、キノリジニル、インドリジニル、テトラヒドロキノリジニル、およびテトラヒドロインドリジニル、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フルオレニル基又はチオキサンテニル基等が挙げられる。本明細書において、アリール基はその環上に任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アリール基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール部分を含む他の置換基(例えばアリールオキシ基やアリールアルキル基など)のアリール部分についても同様である。
本明細書中において、「アリールアルキル」は、上記アリールで置換されたアルキルを表す。アリールアルキルは、任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリールアルキルの非限定的な例としては、ベンジル基、2−チエニルメチル基、3−チエニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−チアゾリルメチル基、4−チアゾリルメチル基、5−チアゾリルメチル基、2−オキサゾリルメチル基、4−オキサゾリルメチル基、5−オキサゾリルメチル基、1−ピラゾリルメチル基、3−ピラゾリルメチル基、4−ピラゾリルメチル基、2−ピラジニルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、4−ピリミジニルメチル基、5−ピリミジニルメチル基、1−ピロリルメチル基、2−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、1−イミダゾリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、4−イミダゾリルメチル基、3−ピリダジニルメチル基、4−ピリダジニルメチル基、3−イソチアゾリルメチル基、3−イソオキサゾリルメチル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメチル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル基等が挙げられる。
同様に、本明細書中において、「アリールアルケニル」は、上記アリールで置換されたアルケニルを表す。
本明細書中において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造であり、例えば直鎖状、分枝状、環状又はそれらの組み合わせである飽和アルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シロプロピルエチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が好適な例として挙げられる。
本明細書中において、「アリールオキシ基」とは、前記アリール基が酸素原子を介して結合する基である。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、4−チアゾリルオキシ基、5−チアゾリルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、4−オキサゾリルオキシ基、5−オキサゾリルオキシ基、1−ピラゾリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基、4−ピラゾリルオキシ基、2−ピラジニルオキシ基、2−ピリミジニルオキシ基、4−ピリミジニルオキシ基、5−ピリミジニルオキシ基、1−ピロリルオキシ基、2−ピロリルオキシ基、3−ピロリルオキシ基、1−イミダゾリルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基、3−ピリダジニルオキシ基、4−ピリダジニルオキシ基、3−イソチアゾリルオキシ基、3−イソオキサゾリルオキシ基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルオキシ基、又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルオキシ基等が例示される。
本明細書中において、「アルキレン」とは、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、メチレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジエチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,1−ジエチルトリメチレン、1,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−エチル−2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジ−n−プロピルトリメチレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アルケニレン」とは、直鎖状または分枝状の少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している不飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、エテニレン、1−メチルエテニレン、1−エチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、1,2−ジエチルエテニレン、1−エチル−2−メチルエテニレン、プロペニレン、1−メチル−2−プロペニレン、2−メチル−2−プロペニレン、1,1−ジメチル−2−プロペニレン、1,2−ジメチル−2−プロペニレン、1−エチル−2−プロペニレン、2−エチル−2−プロペニレン、1,1−ジエチル−2−プロペニレン、1,2−ジエチル
−2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、1,1−ジメチル−2−ブテニレン、1,2−ジメチル−2−ブテニレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アリーレン」及び「アリールアルキレン」は、それぞれ上記「アリール」及び「アリールアルキル」に基づく二価の基を意味する。同様に、「オキシアルキレン」及び「アリーレンオキシ」は、それぞれ上記「アルコキシ」及び「アリールオキシ」に基づく二価の基を意味する。
本明細書中において、「アルキルアミノ」及び「アリールアミノ」は、−NH基の水素原子が上記アルキル又はアリールの1又は2で置換されたアミノ基を意味する。例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ等が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」及び「アリールチオ」は、−SH基の水素原子が上記アルキル又はアリールで置換された基を意味する。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ベンジルチオ等が挙げられる。
本明細書中において、「アシル」は、脂肪族アシル基又は芳香族アシル基のいずれであってもよく、芳香族基を置換基として有する脂肪族アシル基であってもよい。アシル基は1個又は2個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。例えば、アシル基としてアルキルカルボニル基(アセチル基など)、アルキルオキシカルボニル基(アセトキシカルボニル基など)、アリールカルボニル基(ベンゾイル基など)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基など)、アラルキルカルボニル基(ベンジルカルボニル基など)、アルキルチオカルボニル基(メチルチオカルボニル基など)、アルキルアミノカルボニル基(メチルアミノカルボニル基など)、アリールチオカルボニル基(フェニルチオカルボニル基など)、又はアリールアミノカルボニル基(フェニルアミノカルボニル基など)などのアシル基を挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらのアシル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
本明細書中において用いられる「アミド」とは、RNR’CO−(R=アルキルの場合、アルカミノカルボニル−)およびRCONR’−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルアミノ−)の両方を含む。
本明細書中において用いられる「エステル」とは、ROCO−(R=アルキルの場合、アルコキシカルボニル−)およびRCOO−(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルオキシ−)の両方を含む。
本明細書中において、「環構造」という用語は、二つの置換基の組み合わせによって形成される場合、複素環または炭素環基を意味し、そのような基は飽和、不飽和、または芳香族であることができる。例えば、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、モルホリニル、ピペルジニル、イミダゾリル、ピロリジニル、およびピリジルなどが挙げられる。本明細書中において、置換基は、別の置換基と環構造を形成することができ、そのような置換基同士が結合する場合、当業者であれば、特定の置換、例えば水素への結合が形成されることを理解できる。従って、特定の置換基が共に環構造を形成すると記載されている場合、当業者であれば、当該環構造は通常の化学反応によって形成することができ、また容易に生成することを理解できる。かかる環構造およびそれらの形成過程はいずれも、当業者の認識範囲内である。
2.パーフルオロアルキル化反応(含フッ素化合物の製造方法)
本発明の製造方法は、芳香環又はヘテロ芳香環にパーフルオロアルキル基等を選択的に導入するものであり、具体的には、
ジアルキル亜鉛及び銅触媒の存在下において、以下の式(1)の化合物
Figure 0006407645
と以下の式(2)の化合物
Figure 0006407645
とを非プロトン性極性溶媒中で反応させ、
当該反応によって以下の式(3)の含フッ素化合物
Figure 0006407645
を製造するものである。当該製造方法は、非常に簡便かつ高い収率での上記式(3)の含フッ素化合物を得ることができる点で非常に優れており、さらに、種々の官能基を有する幅広い反応基質に対しても用いることができるという利点を有する。なお、式(3)における環Aには、同一又は異なる2以上のRが存在してもよい。
上記式(1)の化合物は、本発明の製造方法によってパーフルオロアルキル基等が導入される化合物であって、式(1)において、Aは、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表す。好ましくは、Aは、フェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、ピリミジニル、チアゾリル、オキザゾリル、イミダゾリル、又はインドリルである。ここで、Aのアリール又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換され
ていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいジオキサボロラン−2−イル、置換されていてもよいアシル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される1又は複数の同一又は異なる置換基を有していてもよい。
また、好ましくは、Aの環上に2つの隣接する前記置換基が存在する場合、当該2つの置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよい。例えば、Aがフェニルの場合に、これに結合する2つ置換基が当該フェニル基とともにアントラキノン環を形成することができる。
上記式(2)の化合物は、式(1)の化合物に導入されるパーフルオロアルキル基等を有する化合物である。式(2)において、Rは、C〜C20のパーフルオロアルキル又は1〜5のフルオロ基を有するフェニルを表す。好ましくは、Rが、C〜C10のパーフルオロアルキル、又は以下のフルオロフェニル基
Figure 0006407645
よりなる群から選択されることができる。ここで、当該フルオロフェニル基は、フルオロ基が1〜4個の場合には、フルオロ基以外の置換基を有していてもよい。
上記式(1)及び(2)において、Xは脱離基であって、好ましくは、それぞれ独立にBr又はIから選択されることができ、同一又は異なることもできる。好ましくは、式(1)及び(2)におけるXは、いずれもIである。上記のように式(3)における環Aに同一又は異なる2以上のRが存在する場合、式(1)におけるXが複数存在することによって環Aにそのような複数のRを導入することができる。
本発明の製造方法において、ジアルキル亜鉛は、上記式(2)のパーフルオロアルキルを有する化合物との間で脱離基・亜鉛の交換反応により、パーフルオロアルキル亜鉛求核種を生じさせるために用いられる。これにより生じたパーフルオロアルキル亜鉛求核種が後述の銅触媒を介して上記式(1)の芳香族ハライドとのクロスカップリング反応が生じ、パーフルオロアルキル化された上記式(3)の含フッ素化合物が生成する。本発明の製造方法において用いられるジアルキル亜鉛は、好ましくはジメチル亜鉛又はジエチル亜鉛であり、より好ましくはジエチル亜鉛である。
本発明の製造方法において、銅触媒は、上述のとおり、パーフルオロアルキル亜鉛求核種と式(1)の化合物との間のクロスカップリング反応における触媒として機能するものである。かかる銅触媒としては、当該技術分野において公知の銅触媒を用いることができるが、非限定的な例として、ヨウ化銅(CuI)、塩化銅(CuClまたはCuCl)、臭化銅(CuBr)、CuCN、CuCl・Phen(1,10−フェナントロリン)、CuCl・IPr(1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリジン)などが挙げられる。好ましくは、CuIである。
本発明の製造方法において用いられる溶媒は、非プロトン性極性溶媒が好ましい。非プロトン性極性溶媒の非限定的な例は、N,N’−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)などが挙げられる。好ましくは、N,N’−ジメチルプロピレン尿素である。かかる非プロトン性極性溶媒を用いることで上記ヨウ素・亜鉛の交換反応が促進されると共に、上記パーフルオロアルキル亜鉛求核種の安定性が向上し、これにより望ましくない副反応の発生を抑制することができる。
その他、当該製造方法における反応温度や反応時間等の反応条件は、後述の実施例において代表的な例として詳細に記載するが、必ずしもそれらに限定されるわけではなく、当該技術分野における当業者であれば、有機合成における一般的な知識に基づいてそれぞれ適宜選択可能である。
また、本発明の製造方法において用いられる上記原料物質である式(1)及び(2)の化合物の合成方法に関しては、当該技術分野における当業者であれば有機合成における一般的な知識に基づいて十分に理解できるものである。
3.パーフルオロアルキル化化合物(含フッ素化合物)
本発明は、上記製造方法の生成物として得られる式(3)で表される含フッ素化合物にも関する。かかる含フッ素化合物の具体例としては、これらに限定されるものではないが、以下の構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006407645
Figure 0006407645
Figure 0006407645
Figure 0006407645
Figure 0006407645
これら本発明の化合物は、塩として存在する場合がある。塩としては、例えば、塩基付加塩、酸付加塩、アミノ酸塩などを挙げることができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩などの有機アミン塩を挙げることができ、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。アミノ酸塩としてはグリシン塩などを例示することができる。
また、本発明の化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の範囲に包含される。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、エタノール、アセトン、イソプロパノールなどの溶媒を例示することができる。
さらに、本発明の化合物は、1以上の不斉炭素を有し、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合もあり得るが、その場合、純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.合成
[実施例1]
2-ノナフルオロブチル安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
撹拌子を備えた10 mLのシュレンク管をラバーセプタムで密閉し、減圧下でヒートガンを用いて乾燥し(約400℃)、その後アルゴンで充填した。さらに減圧-アルゴン充填を2回繰り返してシュレンク管内を完全にアルゴン雰囲気下にした。これに溶媒として0.5 mLのN,N’-ジメチルプロピレン尿素(以下DMPU)、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol、2.25当量)をシリンジを用いて室温にて順次加えた。さらに求電子剤として0.5 mmolの208.2 mgの2-ヨード安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol、1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)を加え、ラバーセプタムをガラス栓に置き換えた後に90℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に放冷した後に1 Nの塩酸20 mLで反応を停止し、総量100 mLのジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後にロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:7)で精製し、226.2 mgの目的物を得た(89%、淡黄色油状物)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.65-7.54 (m, 4H), 4.30 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.72 (quin, J = 7.1 Hz, 2H), 1.43-1.22 (m, 20H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -81.0 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -105.2 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -120.2 (d, J = 9.4 Hz, 2F), -125.8 (t, J = 16.5 Hz, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 166.9, 132.9 (t, J = 3.8 Hz), 130.9, 129.0, 128.5, 128.1, 127.5 (t, J = 7.5 Hz), 127.3, 125.0 (t, J = 23.9 Hz), 117.9-109.0 (m, 4C), 65.4, 30.9, 28.6, 28.6, 28.5, 28.5, 28.3, 28.2, 27.3, 24.8, 21.7, 13.1.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C23H29F9NaO2 +] 531.1916, found: 531.1919.
Elemental Analysis: Calcd for C23H29F9O2: C, 54.33; H, 5.75. Found: C, 54.50; H,5.72.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 2930, 2857, 1742, 1231, 1200, 1134, 1073, 1050, 10
04, 826, 760, 741, 688.
[実施例2]
2-ノナフルオロブチル安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、184.7 mgの2-ブロモ安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)の混合物を120℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:7)で精製し、217.7 mgの目的物を得た(86%、淡黄色油状)。
[実施例3]
2-ノナフルオロブチル安息香酸-p-トリルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、169.1 mgの2-ヨード安息香酸-4-トリルエステル(0.5 mmol:1当量)、18.0 mgの 1,10-フェナントロリン(0.1mmol:0.2等量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:4)で精製し、204.8 mgの目的物を得た(95%、白色固体)。
Mp: 57.5-57.9℃ (無色針状固体、ヘキサンから再結晶)
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.78 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.73-7.61 (m, 3H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 2.37 (s, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.9 (t, J = 14.1 Hz, 3F), -104.7 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -120.2 (q, J = 9.4Hz, 2F), -125.7 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 166.4, 148.3, 136.0, 132.9, 132.1, 130.6, 130.1, 129.5, 128.7 (t, J = 7.5 Hz), 126.4 (t, J = 23.9 Hz), 120.9, 118.9-114.2 (m,4C), 20.9.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C18H11F9NaO2 +] 453.0507, found 453.0517.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 1743, 1509, 1346, 1262, 1227, 1188, 1131, 1096, 1065, 880, 822, 803, 742, 684.
[実施例4]
2-ヘプタデカフルオロオクチル安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、627.9 mgのヨウ化ヘプタデカフルオロオクチル(1.15 mmol:2.3当量)、208.2 mgの2-ヨード安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:7)で精製し、305.4 mgの目的物を得た(86%、淡黄色油状)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.65-7.54 (m, 4H), 4.30 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.72 (quin, J = 7.1 Hz, 2H), 1.42-1.22 (m, 20H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.8 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -105.0 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -119.2 (s, 2F), -121.4 (s, 2F), -121.8 (d, J = 56.5 Hz, 4F), -122.7 (s, 2F), -126.1 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 168.0, 133.0 (t, J = 3.1 Hz), 132.0, 130.1, 129.2, 128.6 (t, J = 7.5 Hz), 126.2 (t, J = 23.9 Hz), 120.7-106.2 (m, 4C), 66.4, 32.0, 29.7, 29.6, 29.5, 29.4, 29.3, 28.4, 25.9, 22.7, 14.1.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C27H29F17NaO2 +] 731.1788, found: 731.1793.
Elemental Analysis: Calcd for C27H29F17O2: C, 45.77; H, 4.13. Found: C, 46.05; H, 4.07.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 2927, 2859, 1741, 1239, 1205, 1150, 1115, 1073, 1050, 946, 764, 726, 706, 657.
[実施例5]
2-ヘプタデカフルオロオクチル安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.3 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、748.5 mgの臭化ヘプタデカフルオロオクチル(1.5 mmol:3当量)を混合し、反応溶液を77℃で3時間撹拌した。室温に放冷した後、0.2 mLのDMPU、208.2 mgの2-ヨード安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)を加え、混合物を90℃で13時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:7)で精製し、332.1 mgの目的物を得た(94%、淡黄色油状)。
[実施例6]
2-ペンタフルオロフェニル安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、337.2 mgのペンタフルオロヨードベンゼン(1.15 mmol:2.3当量)、208.2 mgの2-ヨード安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:7)で精製し、200.9 mgの目的物を得た(88%、白色針状固体)。
Mp: 30.2-30.5℃ (白色針状固体、メタノールから再結晶)
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.16 (dd, J = 1.5 Hz, 8.0 Hz, 1H), 7.64 (dt, J = 1.5 Hz, 7.5 Hz, 1H), 7.57 (dt, J = 1.3 Hz, 7.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.17 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.59 (quin, J = 6.7 Hz, 2H), 1.30-1.26 (m, 20H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -141.8 (dd, J = 9.4 Hz, 23.5 Hz, 2F), -155.9
(t, J = 21.2 Hz, 1F), -163.12 (dt, J = 21.2 Hz, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 164.8, 144.0-143.8 (m, 1C), 142.0-141.9 (m, 1C), 140.7-140.4 (m, 1C), 138.7-138.4 (m, 1C), 137.6-137.3 (m, 1C), 135.6-135.3 (m, 1C), 131.3, 131.0, 130.2, 129.7, 128.6, 126.2, 115.0 (dt, J = 3.8 Hz, 18.9 Hz, 1C), 64.5, 28.6, 28.6, 28.5, 28.3, 28.2, 27.5, 24.9, 21.7, 13.1.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C25H29F5NaO2 +] 479.1980, found: 479.1987.
Elemental Analysis: Calcd for C25H29F5O2: C, 65.78; H, 6.40. Found: C, 65.61; H, 6.16.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 2926, 2856, 1725, 1526, 1497, 1290, 1262, 1139, 1127, 1089, 1061, 983, 870, 795, 732.
[実施例7]
2-(2,6-ジフルオロフェニル)安息香酸ドデシルエステルの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.50当量)、275.9 mgの2,6-ジフルオロ-1-ヨードベンゼン(1.15 mmol:2.3当量)を混合し、反応溶液を77℃で3時間撹拌した。室温に放冷した後、208.2 mgの2-ヨード安息香酸ドデシルエステル(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)を加え、混合物を120℃で13時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 2:7)で精製し、149.0 mgの目的物を得た(74%、無色油状)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.10 (dd, J = 1.3 Hz, 7.8 Hz, 1H), 7.59 (dt, J = 1.3 Hz, 7.6 Hz, 1H), 7.50 (dt, J = 1.3 Hz, 7.6 Hz, 1H), 7.33-7.27 (m, 1H), 6.95 (m, 2H), 4.11 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.46 (quin, J = 6.9 Hz, 2H), 1.34-1.19 (m, 20H), 0.88 (t, J=7.0 Hz, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -113.67 (t, J = 7.1 Hz, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 165.7, 159.9 (d, J = 6.3 Hz), 157.9 (d, J = 7.5 Hz), 140.2, 131.0, 130.7, 130.1, 129.7, 128.9, 127.9 (t, J = 10.1 Hz), 127.5, 117.6 (t, J = 20.8 Hz), 110.0 (m), 64.2, 28.6, 28.6, 28.6, 28.5, 28.5, 28.3, 28.2, 27.6, 27.3, 25.0, 24.8, 21.7.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C25H32F2NaO2 +] 425.2262, found: 425.2267.
Elemental Analysis: Calcd for C25H32F2O2: C, 74.60; H, 8.01. Found: C, 74.30; H, 7.93.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 2925, 2854, 1726, 1630, 1590, 1466, 1278, 1258, 1232, 1128, 1093, 1066, 1046, 1000, 957, 788, 760, 726, 706.
[実施例8]
1-ノナフルオロブチルアントラキノンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、167.1 mgの1-ヨードアントラキノン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:4)で精製し、128.7 mgの目的物を得た(60%、黄色粉末状固体)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.65 (dd, J = 1.5 Hz, 8.0 Hz, 1H), 8.27-8.25 (m, 2H), 8.08 (dd, J = 1.3 Hz, 7.3 Hz, 1H), 7.92 (t, J = 7.8 Hz, 1H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.6 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -98.6 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -116.4 (s, 2F), -125.99- -126.04 (m, 2F).
[実施例9]
2-(2-ノナフルオロブチルフェニル)-4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、165.0 mgの2-(2-ヨードフェニル)-4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16.5時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:10)で精製し、136.7 mgの目的物を得た(65%、白色固体)。なお1,3,5-トリメチルベンゼンを内部標準物質として用いて粗生成物から 1H NMRで収率を算出したところ、88%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.62 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.58-7.45 (m, 3H), 1.35 (s, 12H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.99- -81.03 (m, 3F), -106.0 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -120.7 (q, J = 9.4 Hz, 2F), -125.67- -125.73 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 133.7, 131.6 (t, J = 23.3 Hz), 129.5, 127.4 (t, J = 7.5 Hz), 119.0-109.3 (m, 4C), 84. 5, 24.6.
Elemental Analysis: Calcd for C25H29F5O2: C, 45.53; H, 3.82. Found: C, 45.70; H, 3.72.
[実施例10]
2-ノナフルオロブチル-6-メトキシナフタレンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、142.0 mgの2-ヨード-6-メトキシナフタレン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で40時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ)で精製し、153.9 mgの目的物を得た(82%、白色固体)。
Mp: 73.2-73.4 ℃ (無色針状固体、ヘキサンより再結晶)
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.03 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.24 (dd, J = 2.5Hz, 9.0 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 3.95 (s, 1H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -81.0 (t, J = 9.4 Hz, 3F), --110.1 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -122.5 (q, J = 9.4 Hz, 2F), -125.5- -125.6 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 159.5, 136.2, 130.4, 127.7, 127.5 (t, J = 7.5 Hz), 127.4, 119.0-113.8 (m, 4C), 105.6, 55.4.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C17H11F9NaO+] 376.0510, found: 376.0510.
Elemental Analysis: Calcd for C17H11F9O: C, 47.89; H, 2.41. Found: C, 47.62; H, 2.57.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 1629, 1610, 1490, 1351, 1274, 1189, 1131, 1084, 1027, 908, 861, 838, 784, 746, 722.
[実施例11]
tert-ブチル-((3-ノナフルオロブチルベンジル)オキシ)ジメチルシラン:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.25 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、174.2 mgのtert-ブチル-((3-ノナフルオロブチルベンジル)オキシ)ジメチルシラン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:20)で精製し、104.0 mgの目的物を得た(47%、黄色油状)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.60-7.42 (m, 4H), 4.50 (s, 2H), 0.95 (s, 9H), 0.10 (s, 6H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -81.0 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -110.9 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -122.8 (q, J = 9.4 Hz, 2F), -125.50- -125.56 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 142.4, 129.5, 128.9 (t, J = 23.9 Hz), 128.5,
125.9, 125.3 (t, J = 6.9 Hz), 124.3 (t, J = 6.9 Hz), 119.0-108.3 (m, 4C), 64.3, 25.9, 18.4, -5.3.
Elemental Analysis: Calcd for C17H21F9OSi: C, 46.36; H, 4.81. Found: C, 46.38; H, 4.80.
[実施例12]
2-クロロ-ノナフルオロブチルピリジンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1 Mのヘキサン溶液:1.42当量)、397.8 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.15 mmol:2.3当量)、119.7 mgの2-クロロ-ヨードピリジン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:10)で精製し、91.8 mgの目的物を得た(55%、黄色油状)。なお1,3,5-トリメチルベンゼンを内部標準物質として用いて粗生成物から 1H NMRで収率を算
出したところ、82%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 5.5 Hz, 2.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -81.1 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -111.6 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -122.7 (d, J = 4.7 Hz, 2F), -125.49-125.54 (m, 2F)
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 155.6, 148.2 (t, J = 30 Hz), 137.1 (t, J = 25 Hz), 124.4, 124.0 (t, J = 100 Hz), 120.7 (t, J = 132.5 Hz), 118.4 (t, J = 130 Hz), 117.0 (t, J = 127.5 Hz), 116.1 (t, J = 130 Hz), 114.9 (t, J = 127.5 Hz), 109.9-107.8 (m).
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C9H4ClF9NNa+] 331.9889, found: 331.9890.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 1595, 1567, 1467, 1352, 1231, 1199, 1133, 1110, 871, 817, 746, 716.
[実施例13]
2-ノナフルオロブチルピラジンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1 Mのヘキサン溶液:1.42当量)、397.8 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.15 mmol:2.3当量)、103.0 mgの2-ヨードピラジン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:1)で精製し、70.2 mgの目的物を得た(47%、褐色油状)。なお1,3,5-トリメチルベンゼンを内部標準物質として用いて粗生成物から 1H NMRで収率を算出したところ、89%であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.98 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.76 (s, 1H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -81.2 (t, J = -12.8 Hz, 3F), -111.6 (t, J = -14.1 Hz, 2F), -122.8 (d, J = 4.7 Hz, 2F), -125.55- -125.61 (m, 2F).
13C NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 147.7, 144.4, 143.9 (t, J = xx Hz), 143.6 (t, J = 20 Hz), 118.5-108.3 (m).
ATR-FTIR (cm-1, neat): 2922, 2850, 1355, 1219, 1136, 1115, 1035, 1017, 888, 825, 772,732, 710.
[実施例14]
5-ノナフルオロブチル-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H, 2H)-ジオンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1.02 Mのヘキサン溶液:1.5当量)、386.5 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.125 mmol:2.25当量)、133.0 mgの5-ヨード-1,3-ジメチルピリミジン-2,4(1H, 2H)-ジオン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で40時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:2)で精製し、101.3 mgの目的物を得た(57%、褐色個体)。
Mp: 69.1-69.6 ℃ (白色ブロック状、ヘキサンより再結晶)
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 7.59 (s, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.37 (s, 3H)
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.9 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -109.9 (t, J = 14.1 Hz, 2F), -121.9 (q, J = 9.4 Hz, 2F), -125.9- -126.0 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 158.4, 150.8, 145.6 (t, J = 10.0 Hz), 118.9-108.7 (4C), 38.0, 28.2, 102.3 (t, J = 23.9 Hz).
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C10H7F9N2NaO2 +] 381.0256, found: 381.0265.
Elemental Analysis: Calcd for C10H7F9N2O2: C, 7.82; H, 33.53; N, 1.97. Found: C, 7.98; H, 33.30; N, 2.06.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 1725, 1664, 1490, 1452, 1378, 1351, 1228, 1200, 1132, 1081, 877, 802, 779, 761, 737, 722, 694.
[実施例15]
8-ノナフルオロブチル-1,3,7-トリメチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオンの合成:
Figure 0006407645
実施例1に従い、0.5 mLのDMPU、0.71 mLのジエチル亜鉛(1 Mのヘキサン溶液:1.42当量)、397.8 mgのヨウ化ノナフルオロブチル(1.15 mmol:2.3当量)、160.0 mgの8-ヨード-1,3,7-トリメチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン(0.5 mmol:1当量)、9.5 mgのヨウ化銅(0.05 mmol:0.1当量)、18.0 mgの1,10-フェナントロリン(0.1 mmol:0.2当量)の混合物を90℃で16時間加熱した。実施例1と同様の後処理を行い、粗成生物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 1:10)で精製し、123.6 mgの目的物を得た(60%、白色個体)。
Mp: 114.8-115.2 ℃ (白色針状、塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒より再結晶)
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ (ppm) 4.19 (t, J = 1.5 Hz, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.42 (s, 3H).
19F NMR (471 MHz, CDCl3): δ (ppm) -80.9 (t, J = 9.4 Hz, 3F), -109.1 (t, J = 11.8 Hz, 2F), -121.85- -121.90 (m, 2F), -125.4- -125.5 (m, 2F).
13C NMR (126 MHz, CDCl3): δ (ppm) 155.6, 151.4, 147.1, 137.9 (t, J = 117.5 Hz), 118.6 (t, J = 135 Hz), 116.3 (t, J = 130 Hz), 113.9 (t, J = 135 Hz), 112.1-111.6 (m), 110.7-109.8 (m), 109.0-108.7 (m), 33.9, 30.0, 28.3.
HRMS (ESI): m/z: calcd for [M + Na+, C12H10F9N4NaO2 +] 413.0660, found: 413.0661.
Elemental Analysis: Calcd for C12H9F9N4O2: N, 13.59; C, 34.97; H, 2.20. Found: N, 13.29; C,34.76; H, 2.31.
ATR-FTIR (cm-1, neat): 1708, 1672, 1231, 1201, 1135, 826, 741.
[実施例16〜18]
実施例1と同様の手法により、以下の反応式
Figure 0006407645
におけるパーフロオロアルキル部位Rf及び脱離基Xを変化させた化合物を出発物質として、以下の表1に示すパーフロオロアルキル化化合物を合成した。その収率を併せて表中に示す。
Figure 0006407645
[実施例19〜41]
同じく、実施例1〜18と同様の手法により、反応温度等の条件を適宜変更し、芳香族部位及びヘテロ芳香族部位を変化させた化合物を出発物質として、以下の表2に示すパーフロオロアルキル化化合物を合成した。その収率を併せて表中に示す。
Figure 0006407645
Figure 0006407645
Figure 0006407645
これらの実施例において、反応性が低い臭化アリールを用いる際には反応温度を120℃に昇温すると目的物の収率が向上した。反応性が低い基質を用いる際には反応時間を40時間に延長すると目的物の収率が向上した。また、
反応性が低い基質を用いる際には配位子であるフェナントロリンを0.2当量添加することで目的物の収率が改善した。
[実施例42〜46]
同じく、実施例1〜41と同様の手法により、試薬量比や反応温度等の条件を適宜変更し、種々の芳香族部位化合物に複数のパーフロオロアルキル部位Rfを導入した以下の表3に示すパーフロオロアルキル化化合物を合成した。その収率を併せて表中に示す。
Figure 0006407645
2.反応条件の検討
実施例1の反応において、溶媒や基質の添加量、銅触媒の反応条件について比較検討を行った結果を表3に示す。
Figure 0006407645
表4において、ジエチル亜鉛(EtZn)は1.06Mのn−ヘキサン溶液であり、「Phen」は1,10−フェナントロリン、「IPr」は1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデンを表す。また、収率は、ドデカンを内部標準とするガスクロマトグラフィーを用いて算出した。
表4の結果から、溶媒としては非プロトン性極性溶媒、なかでもDMPUが好ましいことが分かった。また、触媒としては、CuBr及びCuIが特に好ましいことが分かった。

Claims (7)

  1. ジアルキル亜鉛及び銅触媒の存在下において、以下の式(1)の化合物
    Figure 0006407645
    (式中、Aは、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表し、Xは、Br又はIから選択される脱離基を表す。)
    と以下の式(2)の化合物
    Figure 0006407645
    (式中、Rは、C〜C20のパーフルオロアルキル又は1〜5のフルオロ基を有するフェニルを表し、Xは、Br又はIから選択される脱離基を表す。)
    とを非プロトン性極性溶媒中で反応させて、以下の式(3)の化合物
    Figure 0006407645
    を得ることを特徴とする、含フッ素化合物の製造方法。
  2. Aが、フェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピラジル、キノリル、ピリミジニル、チアゾリル、オキザゾリル、イミダゾリル、及びインドリルよりなる群から選択され、ここで、これらのAは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいオキサボロラン−2−イル、置換されていてもよいアシル、シアノ、ニトロ、アミド、及びエステルよりなる群から独立に選択される1又は複数の同一又は異なる置換基を有していてもよく;又は、Aの環上に2つの隣接する前記置換基が存在する場合、当該2つの置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の環構造を形成してもよい、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. が、C〜C10のパーフルオロアルキル、又は以下の基
    Figure 0006407645
    よりなる群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記非プロトン性極性溶媒が、N,N’−ジメチルプロピレン尿素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記ジアルキル亜鉛が、ジエチル亜鉛である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記銅触媒が、ヨウ化銅(CuI)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 式(3)の化合物において、Aが同一又は異なる2以上のRを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
JP2014194243A 2013-09-27 2014-09-24 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応 Expired - Fee Related JP6407645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014194243A JP6407645B2 (ja) 2013-09-27 2014-09-24 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013201232 2013-09-27
JP2013201232 2013-09-27
JP2014194243A JP6407645B2 (ja) 2013-09-27 2014-09-24 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015086221A JP2015086221A (ja) 2015-05-07
JP6407645B2 true JP6407645B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=53049395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014194243A Expired - Fee Related JP6407645B2 (ja) 2013-09-27 2014-09-24 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6407645B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7150713B2 (ja) 2017-06-26 2022-10-11 日本曹達株式会社 ヘテロアリールピリミジン化合物および有害生物防除剤
WO2023137309A2 (en) 2022-01-14 2023-07-20 Enko Chem, Inc. Protoporphyrinogen oxidase inhibitors

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5011891B1 (ja) * 1969-04-11 1975-05-07
JP2704200B2 (ja) * 1988-07-04 1998-01-26 日本電信電話株式会社 含フツ素ピロメリット酸無水物及びその製造方法
JPH049342A (ja) * 1990-04-26 1992-01-14 Hitachi Chem Co Ltd パーフルオロアルキルデユレンの製造法
CN101291940B (zh) * 2005-08-19 2012-05-30 凯密特尔有限责任公司 高反应性的锌形态,其制备方法和该高反应性锌形态的用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015086221A (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI454471B (zh) 製備細胞凋亡促進劑之方法
EP3376865B1 (en) 4-((6-(2,4-difluorophenyl)-1,1-difluoro-2-hydroxy-3-(1h
JP6633539B2 (ja) 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−置換−ピリジン−2−イル)−3−(1h−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オールおよびその調製工程
Maldonado et al. Synthesis and arylation of unprotected sulfonimidamides
JP2016512823A5 (ja)
JP2018535262A (ja) 4−((6−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−オキソエチル)ピリジン−3−イル)オキシ)ベンゾニトリル及び製造方法
Wang et al. Direct isoperfluoropropylation of arenediazonium salts with hexafluoropropylene
JP6407645B2 (ja) 芳香族化合物のパーフルオロアルキル化反応
JP7049604B2 (ja) ペンタフルオロスルファニル芳香族化合物の製造方法
JP5077969B2 (ja) 2−置換5−(1−アルキルチオ)アルキルピリジンの調製方法
JP2015172005A (ja) 鉄触媒によるカップリング化合物の製造方法
JP6705458B2 (ja) トリアゾール化合物の製造方法
CN110790689B (zh) 一种1,1-二氟-2-异腈-乙基苯基砜类化合物的合成方法
JP2019142828A (ja) 4,5−ジシアノ−2−(フルオロアルキル)イミダゾールの製造方法
JP2021511325A (ja) スルフェントラゾンの合成のための方法
JP2015137239A (ja) フルオロシリル基を有する化合物及びその製造方法
CN105636938B (zh) 制备3-烷硫基-2-溴吡啶的方法
KR20140028069A (ko) 이미다졸 유도체의 제조 방법
US10669250B2 (en) Hypervalent iodine CF2CF2X reagents and their use
KR101580821B1 (ko) 디메틸설폭사이드 용매하에서 호기성 산화법을 이용한 퀴나졸리논 유도체의 제조방법
CN111836811A (zh) 制备可溶性鸟苷酸环化酶刺激剂的方法
JP2020503336A (ja) 殺有害生物化合物の調製方法
JP7349551B2 (ja) 含フッ素ピリミジン化合物およびその製造方法
EP3562808B1 (en) Processes for the preparation of pesticidal compounds
JP2011148751A (ja) 含窒素縮合複素環化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6407645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees