JP2015137060A - 船尾管シール装置及びこれを備える船舶 - Google Patents

船尾管シール装置及びこれを備える船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】ライナーのプロペラ軸への装着作業が容易であり、長寿命に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置、及びこれを備える船舶を提供する。
【解決手段】船尾管シール装置1は、船舶の船尾に装着されるプロペラに連結されるプロペラ軸に外嵌されるライナー19と、前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリング11と、を備え、前記ライナーは、少なくとも、各々の前記シールリングの前記軸方向位置において前記プロペラ軸の外周面に接触する熱伝導部19a5と、前記軸方向における前記熱伝導部以外の領域の少なくとも一部に設けられ、前記プロペラ軸の外周面と前記ライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部19a2と、を含む。
【選択図】図3

Description

本開示は、船舶のプロペラ軸の外周に設けられる船尾管シール装置及びこれを備える船舶に係る。
従来より、船尾管から船外に延出されてプロペラが連結されるプロペラ軸の外周にプロペラ軸の軸方向に複数のシールリングが配設された船尾管シール装置が用いられている(特許文献1参照)。この船尾管シール装置は、プロペラ軸に外嵌されたライナーの外周面のプロペラ軸の軸方向に複数のシールリングが配設され、シールリングとこのシールリングのプロペラ軸の軸方向に隣接する他のシールリングによって区画される環状空間内に潤滑油を貯留するように構成されている。複数のシールリングのうち船尾側のシールリングは、船外の海水が船尾管内に流入するのを防止し、船首側のシールリングは船尾管内の潤滑油が機関室内に流入するのを防止している。
複数のシールリングが摺接するライナーはプロペラ軸の外周面に嵌合された状態で装着されるが、ライナーのプロペラ軸への挿入を容易にするため、ライナーの内周面の一部には、プロペラ軸の外周面との間に空隙形成部が形成されている。このため、ライナーのプロペラ軸の軸方向長さが長いものでも、ライナーをプロペラ軸の外周面に容易に装着することが可能である。
特許第4109374
しかしながら、近年の船舶業界の競争の激化から各部品のメンテナンスコストを削減する必要性が高まっていることから、シールリングの寿命のさらなる向上が望まれている。そのため、ライナーのプロペラ軸への装着作業の作業容易性を維持しながら、如何にしてシールリングの寿命向上を図るかが問題となる。
この点、特許文献1の船尾管シール装置では、ライナーの内周面の一部に空隙形成部を設けることでライナーのプロペラ軸への装着は容易になるかもしれないが、シールリングの寿命が必ずしも十分であるとはいえない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、ライナーのプロペラ軸への装着作業の作業容易性を維持しつつ、長期にわたり使用可能なシールリングを備えた船尾管シール装置、及びこれを備える船舶を提供することを目的とする。
本発明の幾つかの実施形態に係わる船尾管シール装置は、船舶の船尾に装着されるプロペラに連結されるプロペラ軸に外嵌されるライナーと、前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を備え、前記ライナーは、少なくとも、各々の前記シールリングの前記軸方向位置において前記プロペラ軸の外周面に接触する熱伝導部と、前記軸方向における前記熱伝導部以外の領域の少なくとも一部に設けられ、前記プロペラ軸の外周面と前記ライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部と、を含むように構成される。
上記船尾管シール装置によれば、プロペラ軸が回転すると、シールリングのライナーの外周に摺接する部分から摩擦熱が発生する。この摩擦熱の一部はシールリングの温度を上昇させる。一方、摩擦熱の一部はライナーの熱伝導部を介してプロペラ軸に放熱される。プロペラ軸は熱容量が大きな金属製であるので、ライナーを介してプロペラ軸に放熱される熱量を増大させることができる。このため、ライナーの外周に摺接する部分で発生した摩擦熱の多くを熱伝導部を介してプロペラ軸に放熱することができので、シールリングの温度上昇を抑えることができる。よって、シールリングの劣化が抑制されて、より長寿命に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。また、ライナーは、プロペラ軸の外周面とライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部を有しているので、ライナーの内周面とプロペラ軸の外周面との接触面積を小さくすることができる。よって、ライナーをプロペラ軸の外周面に嵌合させる場合、接触抵抗を抑えることができ、ライナーをプロペラ軸の外周面に容易に装着することができる。
幾つかの実施形態では、
前記ライナーは、
前記複数のシールリングが摺接する前記外周面を形成する外筒と、
前記外筒の内周側に設けられ、前記熱伝導部を有する内筒と、を含む
ように構成される。
この場合、外筒に摩擦熱が伝わると、この摩擦熱は内筒の熱伝導部を介してプロペラ軸に伝わって放熱される。このため、摩擦熱を確実にプロペラ軸に放熱することができる。よって、より長寿命に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。
一実施形態において、
前記内筒は、
前記複数のシールリングが設けられた領域にわたって前記軸方向に延在する筒部と、
前記筒部の内周面上に設けられ、前記プロペラ軸に向かって突出する少なくとも一つの突出部と、を含み、
前記熱伝導部は、前記少なくとも一つの突出部によって形成される。
この場合、内筒の筒部は、複数のシールリングが設けられた領域にわたって軸方向に延在しているので、シールリングがライナーに摺接する位置の周辺には必ず筒部が存在する。このため、外筒に伝わる摩擦熱の大部分を筒部に伝えることができる。このため、摩擦熱を、より確実に熱伝導部の突出部を介してプロペラ軸に放熱させることができる。よって、より長寿命に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。
一実施形態において、
前記ライナーは、
前記ライナーの外周面のうち前記複数のシールリングとの摺接部を含む第1領域を形成する第1部分と、
前記第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成され、前記ライナーの外周面のうち前記第1領域以外の第2領域を形成する第2部分と、を含むように構成される。
この場合、第2領域に第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成された第2部分を配設することで、摩擦熱が発生すると、その摩擦熱の一部は第2部分に伝わって放熱される。このため、シールリングに伝わる摩擦熱の量を抑制することができる。よって、シールリングの温度上昇に起因したシールリングの劣化が抑制されて、シールリングの寿命を延ばすことができる。
一実施形態において、
前記第2部分は、複数の凹凸が形成された外周面を有するように構成される。
この場合、摩擦熱がライナーに伝わると、この摩擦熱は第2部分に伝わるが、第2部分の外周面に複数の凹凸が形成されているので、この凹凸によって外周面の伝熱面積を拡大することができる。このため、ライナーに吸収される摩擦熱の量を増大させることができる。このため、シールリングの温度上昇をより効果的に抑制することができる。よって、さらに長期の使用に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。
一実施形態において、
前記ライナーの外周面は、前記第1部分の外周面と前記第2部分の外周面とが同一面上に存在するように、無段差形状として形成されているように構成される。
この場合、ライナーを複数のシールリングの内側に挿入する場合、各シールリングの先端部が第1部分及び第2部分のプロペラ軸の軸方向端部に接触して引っ掛かる虞はない。このため、船尾管シール装置の組み立て作業の作業性を向上させることができるとともに、シールリングが損傷する虞を防止することができる。
一実施形態において、前記熱伝導部は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている。
この場合、熱伝導部は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかを含む純金属又は合金によって構成されるので、シールリングに発生した摩擦熱を効果的に熱伝導部を介してプロペラ軸に伝えて放熱させることができる。このため、シールリングの温度上昇がより抑えられ、シールリングの温度上昇に起因したシールリングの劣化が抑制されて、シールリングの寿命を延ばすことができる。よって、さらに長期の使用に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。
また、本発明の幾つかの実施形態に係わる船尾管シール装置は、
船舶の船尾に装着されるプロペラに連結されるプロペラ軸に外嵌されるライナーと、
前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を備え、
前記ライナーは、
前記ライナーの外周面のうち前記複数のシールリングとの摺接部を含む第1領域を形成する第1部分と、
前記第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成され、前記ライナーの外周面のうち前記第1領域以外の第2領域を形成する第2部分と、を含むように構成される。
この場合、第2領域に第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成された第2部分を配設することで、摩擦熱が発生すると、その摩擦熱の一部は第2部分に伝わって放熱される。このため、シールリングに伝わる摩擦熱の量を抑制することができ、シールリングの温度上昇に起因したシールリングの劣化が抑制されて、シールリングの寿命を延ばすことができる。よって、長期の使用に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を実現できる。
一実施形態において、
前記第2部分は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている。
この場合、ライナーの第2部分は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかを含む純金属又は合金によって構成されるので、摩擦熱が発生すると、その摩擦熱の一部は熱伝導率が高い第2部分に伝わって放熱される。このため、シールリングに伝わる摩擦熱の量をより抑制することができる。よって、シールリングの温度上昇に起因したシールリングの劣化がより抑制されて、シールリングの寿命を延ばすことができる。
本発明の幾つかの実施形態に係わる船舶は、
船尾に装着されるプロペラと、
前記プロペラに連結されるプロペラ軸と、
前記プロペラ軸の径方向外側からの海水の流入や該前記プロペラ軸の径方向外側に存在する潤滑油の前記船尾内への流入を阻止するための船尾管シール装置と、を備え、
前記船尾管シール装置は、
前記プロペラ軸に外嵌されるライナーと、
前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を含み、
前記ライナーは、
少なくとも、各々の前記シールリングの前記軸方向位置において前記プロペラ軸の外周面に接触する熱伝導部と、
前記軸方向における前記熱伝導部以外の領域の少なくとも一部に設けられ、前記プロペラ軸の外周面と前記ライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部と、を含むように構成される。
上記船舶によれば、プロペラ軸が回転すると、シールリングのライナーの外周面に摺接する部分から摩擦熱が発生する。この摩擦熱の一部はシールリングの温度を上昇させる。一方、摩擦熱の一部はライナーの熱伝導部を介してプロペラ軸に放熱される。プロペラ軸は熱容量が大きな金属製であるので、ライナーを介してプロペラ軸に放熱される熱量を増大させることができる。このため、ライナーの外周面に摺接する部分で発生した摩擦熱の多くを熱伝導部を介してプロペラ軸に放熱することができ、シールリングの温度上昇を抑えることができる。よって、シールリングの劣化が抑制されて、より長寿命に耐えうるシールリングを備えた船尾管シール装置を有した船舶を実現できる。また、ライナーは、プロペラ軸の外周面とライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部を有しているので、ライナーの内周面とプロペラ軸の外周面との接触面積を小さくすることができる。このため、ライナーをプロペラ軸の外周面に装着する場合において、接触抵抗を抑えることができる。よって、ライナーをプロペラ軸の外周面に容易に装着可能な船尾管シール装置を備えた船舶を実現できる。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、ライナーのプロペラ軸への装着作業の作業容易性を維持しつつ、長期にわたり使用可能なシールリングを備えた船尾管シール装置及びこれを備える船舶を提供することができる。
船尾管シール装置及びこれを備える船舶の構成例を示す内部構造図である。 一実施形態に係わるシールリングを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 一実施形態に係わるライナーを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 一実施形態に係わる外筒と内筒を含むライナーを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 一実施形態に係わる突出部を含むライナーを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 一実施形態に係わる第2部分及び突出部を含むライナーを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 一実施形態に係わる第2部分を含むライナーを備える船尾管シール装置の部分断面図である。 図6に示すライナーのVI−VI矢視に相当する部分の断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の船尾管シール装置及びこれを備える船舶の実施形態について説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。先ず、船舶を説明する前に、船尾管シール装置について説明する。
船尾管シール装置1は、図1(内部構造図)に示すように、プロペラ3が端部に連結された推進用のプロペラ軸5と、プロペラ軸5に外嵌されるライナー19と、船尾Sの船外に取り付けられ船尾S内に装着された船尾管7から船外側に延出するプロペラ軸5を挿通するハウジング9と、ハウジング9の内周側とプロペラ軸5の外周側との間をシールする複数のシールリング11と、シールリング11とこのシールリング11のプロペラ軸5の軸方向に隣接する他のシールリング11によって区画される環状空間13内に貯留される潤滑油15と、を有している。
船尾管7は、その船尾側端部がボルト17等の締結手段によって船尾Sに固定され、船尾管7の船首側端部は船尾S内で船首側へ延びて固定支持されている。プロペラ軸5は船尾管7内に挿通されて船外に延出した状態で支持される。プロペラ軸5の船外に延出した側の端部にはプロペラ3が設けられている。プロペラ3は、プロペラ軸5の外周に外嵌されたライナー19に固定されている。このため、プロペラ3はプロペラ軸5と一体に回転する。プロペラ軸5は、船内Bに設けられた図示しないエンジンからの動力を受けて回転する。
ライナー19は、プロペラ軸5の外周に外嵌された円筒状の胴部19aと、胴部19aのプロペラ側端部に設けられて径方向外側へ突出する環状のフランジ部19fとを有してなる。このフランジ部19fにプロペラ3がボルト20を介して固定されている。ライナー19は、金属材料製(例えば、高クロムステンレス鋼)である。ライナー19の詳細については後述する。
このライナー19の胴部19aの外周には、プロペラ軸5の軸方向において互いに異なる軸方向位置Pa、Pb、Pcに配置された3つのシールリング11が配設されている。なお、船尾S側の軸方向位置Paに配置されたシールリング11を第1シールリング11aと記し、第1シールリング11aよりも船内B側の軸方向位置Pbに配置されたシールリング11を第2シールリング11bと記し、第2シールリング11bよりも船内B側の軸方向位置Pcに配置されたシールリング11を第3シールリング11cと記す。これらのシールリング11は、ライナー19の胴部19aの外周に接触した状態で配設されている。シールリング11の詳細については後述する。船尾管シール装置1の最も船尾S側のライナー19の胴部19aの外周には、漁網防止リング23が装着されて、漁網等の海水中の異物の侵入を防止している。
幾つかの実施形態では、ハウジング9は、5つに分割された分割ハウジング10(以下、船尾S側から船内B側に向かって、第1分割ハウジング10a、第2分割ハウジング10b、第3分割ハウジング10c、第4分割ハウジング10d、第5分割ハウジング10eと記す。)が積層状態に重なってボルト25によって一体に船尾S側の船体に固定されている。分割ハウジング10には、シールリング11を保持するための環状溝10fが分割ハウジング10の幅方向一方側の側面又は両側面に設けられている。これらの環状溝10fは、プロペラ軸5の軸方向に隣接する分割ハウジング10が一体的に固定されると、隣接する分割ハウジング10に設けられた環状溝10f同士が対向配置されて協働してシールリング11を挟持する。
最も船尾S側に配置された第1シールリング11aとその船内B側に隣接する第2シールリング11bとは、プロペラ軸5側(半径方向内側)に近づく従って船尾S側へ延びるように半径方向に対して傾斜して、海水が船内B側に流入するのを防ぐ働きをする。また、船内B側に最も近い位置に配設された第3シールリング11cは、プロペラ軸5側(半径方向内側)に近づくに従って船内B側へ延びるように半径方向に対して傾斜して、船内B側の潤滑油が船外に漏れ出すのを防ぐ働きをする。
また、幾つかの実施形態では、第1シールリング11aと第2シールリング11bと第3分割ハウジング10cとによって区画される領域に、第1環状空間13a(13)が形成され、第2シールリング11bと第3シールリング11cと第4分割ハウジング10dとによって区画される領域には、第2環状空間13b(13)が形成され、第3シールリング11cと第5分割ハウジング10eとによって区画される領域には、第3環状空間13c(13)が形成されている。これら第1環状空間13a、第2環状空間13b、第3環状空間13cのそれぞれには、連通油路14(図3参照)を介して図示しない油溜りタンクに連通して潤滑油15が貯留されている。
シールリング11は、ゴム等のエラストマーの弾性部材からなり、ゴム材料としては、耐水、耐油に優れるフッ素ゴム(例えば、デュポン社製の商品名バイトン)、またはニトリルゴム(NBR)によって形成されている。
シールリング11は、円環状に形成されている。なお、第1シールリング11aと第2シールリング11bと第3シールリング11cとは同一形状であるので、第1シールリング11aについて説明する。なお、第3シールリング11cは第1シールリング11aのプロペラ軸5に対する挿着方向を反対にしただけであり、第1シールリング11aと同一の形状を有している。第1シールリング11aの円環部分の断面形状は一定の断面形状を有し、プロペラ軸5の中心軸線Xを含む平面に対して直交する方向から見たときの断面図を図2に示す。
幾つかの実施形態では、第1シールリング11aは、図2(断面図)に示すように、隣接する2つの第2分割ハウジング10b及び第3分割ハウジング10cの側面に形成された環状溝10f、10fに嵌合するキー部11a1と、キー部11a1からプロペラ軸5の中心軸線Xに対して略直交する方向に向ってプロペラ軸5側へ延びるヒール部11a2と、ヒール部11a2の先端からプロペラ軸5側に進むに従って船尾S側(プロペラ3側)(図1参照)へ傾斜して延びる腕部11a3と、腕部11a3の先端に形成されてライナー19の外周に密接するリップ部11a4とを有して構成され、リップ部11a4の内側にプロペラ軸5が挿通する孔部11a7が形成されている。
このように構成された第1シールリング11aは、内側の孔部11a7にプロペラ軸5が挿入された状態において、腕部11a3がプロペラ軸5から離れる方向に弾性変形するとともに、プロペラ軸5に外嵌されたライナー19の外周に摺接するリップ部11a4の端部(以下、「摺接部11a6」と記す。)が接触幅Wを有して弾性変形する。従って、第1シールリング11aは摺接部11a6を介して所定の接触圧を有するとともに接触幅Wを有してプロペラ軸5に接触するので、海水が船内B側に流入するのを防ぐことができる。
この第1シールリング11aの第1環状空間13a側には、第1シールリング11aのヒール部11a2及び腕部11a3に沿って第1シールリング11aのリップ部11a4側に延びて腕部11a3を支持するバックアップリング10gが配設されている。このバックアップリング10gは、前述した第3分割ハウジング10c及び第4分割ハウジング10d(図1参照)にも形成されている。
幾つかの実施形態では、シールリング11が摺接するライナー19は、図3(部分断面図)に示すように、胴部19aの径方向内側にプロペラ軸5の外形よりも大きな内径を有した内周面19a1が形成されている。このため、ライナー19がプロペラ軸5の外周面5aに装着されると、プロペラ軸5の外周面5aとライナー19の内周面19a1との間に空隙gが形成される。なお、この空隙gを形成する内周面19a1を含む胴部19aの部分を以下、「空隙形成部19a2」と記す。
ライナー19の内周面19a1には、3つの第1シールリング11a、第2シールリング11b、第3シールリング11cの各軸方向位置Pa、Pb、Pcにおいてプロペラ軸5側へ突出する突出部19a3が形成されている。これらの突出部19a3の先端部は、ライナー19のプロペラ軸5への装着時に、プロペラ軸5の外周面5aに密着した状態で接触する。このため、プロペラ軸5の回転時に、第1シールリング11aがライナー19の胴部19aの外周面19a4に摺接すると、第1シールリング11aの摺接部11a6において摩擦熱が発生するが、この摩擦熱の一部は、軸方向位置Paにおけるライナー19の胴部19a及び突出部19a3(以下、これらを合わせて「熱伝導部19a5」と記す。)を介してプロペラ軸5に放熱される。
以上説明したように、幾つかの実施形態に係わる船尾管シール装置1によれば、ライナー19の胴部19aには、熱伝導部19a5と空隙形成部19a2が交互に連続してプロペラ軸5の軸方向に形成されている。このため、胴部19aのプロペラ軸5の軸方向長さXに対して、プロペラ軸5の外周面5aに接触する複数(本実施の形態では3つ)の突出部19a3の先端部の軸方向長さLの合算値を、小さくすることができる。このため、ライナー19をプロペラ軸5の外周面5aに嵌合させる場合、プロペラ軸5の外周面5aに接触するライナー19の内面側の接触面積の拡大を抑制することができ、ライナー19をプロペラ軸5の外周面5aに装着する作業の作業性を向上させることができる。
また、船尾管シール装置1によれば、プロペラ軸5の回転時に、第1シールリング11aの摺接部11a6がライナー19の外周面19a4に摺接すると、摺接部11a6において摩擦熱が発生する。この摩擦熱の一部は潤滑油15に吸収され、また摩擦熱の一部は第1シールリング11aの温度を上昇させ、また摩擦熱の一部はライナー19に伝わる。
ライナー19に伝わった摩擦熱の一部は、ライナー19の熱伝導部19a5を通って熱容量が大きいプロペラ軸5に放熱される。このため、摺接部11a6において発生する摩擦熱の多くをライナー19の熱伝導部19a5を介してプロペラ軸5に放熱させることができる。よって、第1シールリング11aに伝わる摩擦熱の量を抑制することができ、第1シールリング11aの温度上昇に起因した第1シールリング11aの劣化が抑制されて、第1シールリング11aの寿命を延ばすことができる。よって、長期の使用に耐えうるシールリング11を備えた船尾管シール装置1を実現できる。また、潤滑油15に吸収された摩擦熱は、この摩擦熱によって潤滑油15の温度を上昇させるが、この潤滑油15に逃げた摩擦熱も熱伝導部19a5が吸収してプロペラ軸5で放熱させて逃がすことができる。
次に、図4〜図8に示す例示的な実施形態の個別的内容について説明する。図4に示す例示的な実施形態では、ライナー19の胴部19aは、複数のシールリング11が摺接する外周面19a4を形成する外筒19bと、外筒19bの内側に嵌合して設けられる内筒19cとを有してなる。外筒19bは円筒状に形成され、外筒19bの肉厚tは内筒19cの肉厚sよりも薄い。
内筒19cは、複数(本実施の形態では3つ)のシールリング11が設けられた領域を超えてプロペラ軸5の軸方向に延在する筒部19c1と、筒部19c1の内周面上に設けられ、プロペラ軸5に向かって突出する複数(本実施の形態では4つ)の突出部19c2と、を有してなる。筒部19c1は円筒状に形成され、筒部19c1の肉厚uは外筒19bの肉厚tよりも厚い。突出部19c2は円環状に形成されて筒部19c1の内周面に一体的に形成されている。突出部19c2は、第1シールリング11a、第2シールリング11b、第3シールリング11cの各軸方向位置Pa、Pb、Pcにおいて筒部19c1の内周面からプロペラ軸5側へ突出して形成されている。なお、突出部19c2は筒部19c1と一体に形成される場合に限るものではなく、筒部19c1と別体に形成されて筒部19c1の内周面に取り付けられてもよい。
筒部19c1及び突出部19c2は、熱伝導率の高い金属、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている。なお、筒部19c1及び突出部19c2は、これらの両方が熱伝導率の高い金属で構成される場合に限るものではなく、筒部19c1及び突出部19c2のうち少なくとも突出部19c2が熱伝導率の高い金属で構成されていればよい。
このように、ライナー19を外筒19と内筒19cで構成し、内筒19cを筒部19c1と突出部19c2で構成し、突出部19c2を複数のシールリング11の各軸方向位置Pa、Pb、Pcにおいて筒部19c2の内周面からプロペラ軸5側へ突出して形成し、さらに筒部19c1と突出部19c2を熱伝導率の高い金属で構成することで、シールリング11がライナー19に摺接する位置の周辺には必ず熱伝導率の高い筒部19c1が存在している。このため、外筒19bに伝わる摩擦熱の大部分を筒部19c1に伝えることができる。このため、突出部19c2を介して筒部19c1に伝わった摩擦熱をプロペラ軸5に放熱することができる。よって、第1シールリング11aに伝わる摩擦熱の量をより抑制することができ、第1シールリング11aの温度上昇に起因した第1シールリング11aの劣化をより抑制することができる。また、潤滑油15に吸収された摩擦熱は、熱伝導率の高い筒部19c1及び突出部19c2によって吸収されて、この吸収された摩擦熱をプロペラ軸5で放熱させて逃がすことができる。
なお、外筒19bは、その外周面にシールリング11が摺接するので、耐摩耗性が必要とされる。一方、内筒19cは外筒19bに伝わる熱をプロペラ軸5に伝える伝熱性能が必要とされる。このため、内筒19cは耐摩耗性が不要である。従って、内筒19cは、耐摩耗性が確保されることを前提として、シールリング11の数や船舶の機種変更等に応じて材料や形状を変更することができる。
図5に示す例示的な実施形態では、複数の突出部19c2が外筒19bの内周面19b1に直接に設けられている。即ち、図5に示すように、内周面19b1には、第1シールリング11a、第2シールリング11b、第3シールリング11cの各軸方向位置Pa、Pb、Pcに対応する位置に係合溝19b2が設けられ、各係合溝19b2に突出部19c2が装着されている。これらの突出部19c2は、係合溝19b2内に嵌合させて設けてもよいし、突出部19c2と外筒19bとの熱膨張差を利用して係合溝19b2内に取り付けてもよい。係合溝19b2によって胴部19bに対する突出部19c2の位置決めがされる。複数の突出部19c2の各肉厚yは、外筒19bの肉厚tよりも厚い。
このように、外筒19bの内周面19b1に突出部19c2を設けることで、プロペラ軸5の回転時に第1シールリング11aのリップ部11a4の摺接部11a6がライナー19(図1参照)の外筒19bに摺接すると、摺接部11a6から摩擦熱が発生するが、この摩擦熱の一部は潤滑油15に吸収され、摩擦熱の一部は第1シールリング11aの温度を上昇させ、また摩擦熱の一部はライナー19に伝わる。ここで、突出部19c2は、第1シールリング11aが設けられた軸方向位置Paに配設されているので、第1シールリング11aがライナー19の外筒19bに摺接する軸方向位置paの周辺には必ず熱伝導率の高い突出部19c2が存在する。このため、外筒19bに伝わる摩擦熱の大部分を突出部19c2に伝えることができる。このため、外筒19bに伝わる摩擦熱を突出部19c2を介してプロペラ軸5に放熱させることができる。よって、第1シールリング11aに伝わる摩擦熱の量をより抑制することができ、第1シールリング11aの温度上昇に起因した第1シールリング11aの劣化をより抑制することができる。よって、長期の使用に耐えうるシールリング11を備えた船尾管シール装置1を実現できる。また、潤滑油15に吸収された摩擦熱は、外筒19bを介して熱伝導率の高い突出部19c2が吸収して、この吸収された摩擦熱をプロペラ軸5で放熱させて逃がすことができる。
図6に示す例示的な実施形態では、図6に示すように、ライナー19は、上述した図3に示すライナー19を基本構造とし、ライナー19の胴部19aの外周面19a4のうち複数のシールリング11との摺接部11a6を含む第1領域A1を第1部分19dとして形成され、ライナー19の胴部19aの外周面19a4のうち第1領域A1以外の第2領域A2を第2部分19eとして形成されている。第2部分19eは、第1部分19dよりも熱伝導率が高い材料で構成され、第1部分19dの外周面19d1と第2部分19eの外周面19e1とは同一面上に存在するように、無段差状に形成されている。図6に示す実施形態では、第1部分19dは上述した胴部19a(図3参照)と同一材料及び形状に形成されている。
一方、第2部分19eは筒状に形成され、胴部19aの外周面19a4において第2領域A2に形成された環状溝19a6に装着されている。第2部分19eは、熱伝導率が高い材料、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている。なお、第2部分19eは、胴部19aと別体に構成される場合に限るものではなく、第2部分19eを胴部19aと一体として形成してもよい。この場合には、第2部分19eを含む空隙形成部19a2を熱伝導率が高い材料で形成し、第1部分19dを含む熱伝導部19a5を第2部分19eよりも熱伝導性の低い金属で形成する。
このように、ライナー19の外周面19a4のうち第1領域A1以外の第2領域A2を第1部分19dよりも熱伝導率が高い材料の第2部分19eとして形成することで、第1シールリング11aの摺接部11a6で摩擦熱が発生すると、その摩擦熱の一部はライナーの熱伝導部19a5を介してプロペラ軸5に放熱される。また摩擦熱の一部は第2部分19eに伝わって放熱される。このため、第1シールリング11aに伝わる摩擦熱の量をより抑制することができ、第1シールリング11aの温度上昇に起因した第1シールリング11aの劣化がより抑制されて、第1シールリング11aの寿命を延ばすことができる。よって、長期の使用に耐えうるシールリング11を備えた船尾管シール装置1を実現できる。また、摺接部11a6で発生した摩擦熱の一部は潤滑油15に吸収されるが、この潤滑油15に吸収された摩擦熱は、熱伝導率の高い第2部分19eが吸収して逃がすことができる。
図7に示す例示的な実施形態は、ライナー19として既存のライナー19'(胴部19aの内周面19a1に突出部19a3(図6参照)が存在しないもの)を改良して使用する場合である。このライナー19'は、上述した図6に示すライナー19から熱伝導部19a5を取り除いて空隙形成部19a2をプロペラ軸5の軸方向に連続形成して構成される。このライナー19'の外周面19a4には、上述した第1部分19d及び第2部分19eが形成されている。第1部分19d及び第2部分19eについては、図6に記載のものと同一であるので、説明は省略する。
このように、ライナー19'の外周面19a4のうち第1領域A1以外の第2領域A2を第1部分19dよりも熱伝導率が高い材料の第2部分19eとして形成することで、第1シールリング11aの摺接部11a6で摩擦熱が発生すると、その摩擦熱の一部は第2部分19eに伝わって放熱される。このため、第1シールリング11aに伝わる摩擦熱の量を抑制することができ、第1シールリング11aの温度上昇に起因した第1シールリング11aの劣化が抑制されて、第1シールリング11aの寿命を延ばすことができる。よって、長期の使用に耐えうるシールリング11を備えた船尾管シール装置1を実現できる。また、ライナー19'は、既存のライナー19'に第2部分19eを設けるだけなので、ライナー19'の製造コストの上昇を抑えることができる。
なお、図6及び図7に示す筒状の第2部分19eには、図8(断面図)に示すように、その外周面19e1にライナー19の軸方向に延在して外周面19e1の周方向に所定間隔を有して形成された複数の凹凸19e2が設けられてもよい。このように、第2部分19eの外周面19e1に複数の凹凸19e2を形成することで、この凹凸19e2によって外周面19e1の伝熱面積を拡大することができる。このため、ライナー19,19'に伝わる摩擦熱の量を拡大することができる。このため、シールリング11の温度上昇をより効果的に抑制することができる。よって、さらに長期の使用に耐えうるシールリング11を備えた船尾管シール装置1を実現できる。
次に、上述した船尾管シール装置1を備える船舶の例示的な実施形態について図1を参照しながら説明する。船舶50は、図1に示すように、船尾S内に船尾管7が船体51の前後方向に延びた状態で取り付けられている。この船尾管7内にはプロペラ軸5が挿通され、プロペラ軸5の船尾側端部は船尾管7から船外側に延出している。この船尾管7から船外側へ延出するプロペラ軸5を囲むようにして船尾管シール装置1が配設されている。
プロペラ軸5は、船尾管シール装置1を突き抜けるように配置され、船尾管シール装置1から延出するプロペラ軸5の先端部に複数のプロペラ3が設けられている。
このように、船体51の船尾Sに船尾管シール装置1を設けることで、上述したように、海水が船内B側に流入するのを防ぐことができるとともに、船内B側の潤滑油が船外に漏れ出すのを防ぐことができる。また、長期にわたり使用可能なシールリング11を有した船尾管シール装置1を備える船舶50を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、上述した各種実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 船尾管シール装置
3 プロペラ
5 プロペラ軸
5a、19a4、19d1、19e1 外周面
7 船尾管
9 ハウジング
10 分割ハウジング
10a 第1分割ハウジング
10b 第2分割ハウジング
10c 第3分割ハウジング
10d 第4分割ハウジング
10e 第5分割ハウジング
10f 環状溝
10g バックアップリング
11 シールリング
11a 第1シールリング
11b 第2シールリング
11c 第3シールリング
11a1 キー部
11a2 ヒール部
11a3 腕部
11a4 リップ部
11a6 摺接部
11a7 孔部
13 環状空間
13a 第1環状空間
13b 第2環状空間
13c 第3環状空間
14 連通油路
15 潤滑油
17 ボルト
19 ライナー
19a 胴部
19a1 内周面
19a2 空隙形成部
19a3、19c2 突出部
19a5 熱伝導部
19a6 環状溝
19b 外筒
19b1 内周面
19c 内筒
19c1 筒部
19d 第1部分
19e 第2部分
19e2 凹凸
19f フランジ部
20、25 ボルト
23 漁網防止リング
50 船舶
51 船体
A1 第1領域
A2 第2領域
B 船内
g 空隙
Pa、Pb、Pc 軸方向位置
S 船尾
W 接線幅
X 中心軸線

Claims (10)

  1. 船舶の船尾に装着されるプロペラに連結されるプロペラ軸に外嵌されるライナーと、
    前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を備え、
    前記ライナーは、
    少なくとも、各々の前記シールリングの前記軸方向位置において前記プロペラ軸の外周面に接触する熱伝導部と、
    前記軸方向における前記熱伝導部以外の領域の少なくとも一部に設けられ、前記プロペラ軸の外周面と前記ライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部と、を含む
    ことを特徴とする船尾管シール装置。
  2. 前記ライナーは、
    前記複数のシールリングが摺接する前記外周面を形成する外筒と、
    前記外筒の内周側に設けられ、前記熱伝導部を有する内筒と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の船尾管シール装置。
  3. 前記内筒は、
    前記複数のシールリングが設けられた領域にわたって前記軸方向に延在する筒部と、
    前記筒部の内周面上に設けられ、前記プロペラ軸に向かって突出する少なくとも一つの突出部と、を含み、
    前記熱伝導部は、前記少なくとも一つの突出部によって形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の船尾管シール装置。
  4. 前記ライナーは、
    前記ライナーの外周面のうち前記複数のシールリングとの摺接部を含む第1領域を形成する第1部分と、
    前記第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成され、前記ライナーの外周面のうち前記第1領域以外の第2領域を形成する第2部分と、を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の船尾管シール装置。
  5. 前記第2部分は、複数の凹凸が形成された外周面を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の船尾管シール装置。
  6. 前記ライナーの外周面は、前記第1部分の外周面と前記第2部分の外周面とが同一面上に存在するように、無段差形状として形成されている
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の船尾管シール装置。
  7. 前記熱伝導部は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている
    ことを特徴とする請求項1及至6の何れか一項に記載の船尾管シール装置。
  8. 船舶の船尾に装着されるプロペラに連結されるプロペラ軸に外嵌されるライナーと、
    前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を備え、
    前記ライナーは、
    前記ライナーの外周面のうち前記複数のシールリングとの摺接部を含む第1領域を形成する第1部分と、
    前記第1部分よりも熱伝導率が高い材料で構成され、前記ライナーの外周面のうち前記第1領域以外の第2領域を形成する第2部分と、を含む
    ことを特徴とする船尾管シール装置。
  9. 前記第2部分は、銀、銅、金、アルミニウム、タングステンの何れかの純金属又は合金よって構成されている
    ことを特徴とする請求項4又は8に記載の船尾管シール装置。
  10. 船尾に装着されるプロペラと、
    前記プロペラに連結されるプロペラ軸と、
    前記プロペラ軸の径方向外側からの海水の流入や該前記プロペラ軸の径方向外側に存在する潤滑油の前記船尾内への流入を阻止するための船尾管シール装置と、を備え、
    前記船尾管シール装置は、
    前記プロペラ軸に外嵌されるライナーと、
    前記ライナーの外周面に摺接するように、前記プロペラ軸の軸方向において互いに異なる軸方向位置に配置される複数のシールリングと、を含み、
    前記ライナーは、
    少なくとも、各々の前記シールリングの前記軸方向位置において前記プロペラ軸の外周面に接触する熱伝導部と、
    前記軸方向における前記熱伝導部以外の領域の少なくとも一部に設けられ、前記プロペラ軸の外周面と前記ライナーとの間に空隙を形成するための空隙形成部と、を含む
    ことを特徴とする船舶。
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