JP2015135460A - 反力発生装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 反力発生部材を簡単かつ安定して支持部材に固定できるようにする。【解決手段】 反力発生装置は、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、ベース部２１−３及び脚部２１−４を弾性体により一体成形した反力発生部材２１を有する。脚部２１−４は、ベース部２１−３のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１と反対側の面と平行な断面の形状及び大きさを軸心Ｙｋに沿って所定長さに渡り同一に保って、前記反対側の面から軸心Ｙｋをドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向と平行にして延設させて柱状に形成されている。脚部２１−４の軸心方向の一部における外周面を貫通孔３１ｄ１の内側面に接触させて、反力発生部材２１は支持部３１ｄに固定されている。貫通孔３１ｄ１の内側面の少なくとも一部は、脚部２１−４の外周面に接触する位置から脚部の２１−４の軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜している。【選択図】 図３

Description

本発明は、操作子の操作に対して弾性変形による反力を発生するドーム部を有する反力発生部材を支持部材上に固定した反力発生装置に関する。

従来から、電子オルガン、電子ピアノ等の鍵盤楽器には、押鍵操作に対して反力を付与するための弾性体により構成されたドーム部（ラバードーム）を有する反力発生部材を設けることがある。例えば、下記特許文献１には、ドーム状に形成されていて軸心方向の押圧により弾性変形して弾性変形量に応じた反力を発生するドーム部、ドーム部の下端部に接続されて外側に板状に延設されたベース部、及びベース部の下面から棒状に突出した脚部を弾性体によって一体形成した反力発生部材を、鍵を上方にて揺動可能に支持する鍵フレーム（棚板）上に固定した鍵盤装置が示されている。この鍵盤装置においては、鍵フレーム上に固定した平板状の支持部材（基板）に貫通孔を設け、脚部を貫通孔に嵌挿することにより、反力発生部材を支持部材に固定するようにしている。

特開２００７−２５５７６号公報

前記従来技術においては、脚部を貫通孔に嵌挿することにより反力発生部材を支持部材に固定することが説明されているのみで、その詳しい説明はない。しかし、図面から推察すると、貫通孔は、軸心に直交する断面の形状を円形にし、かつ前記円形の直径を軸心に沿って支持部材の上面から下面まで一定にした円柱状である。また、脚部は、軸心に直交する断面の形状を円形にするとともに、その外周面を軸心の方向に対して傾斜させて先端に向かうに従って徐々に細くなっている。そして、脚部を貫通孔に侵入させて脚部のベース部の下面近傍の基部の外周面を貫通孔の上端部に接触させて、反力発生部材を支持部材上に固定している。したがって、この従来技術によれば、脚部を貫通孔に侵入させる際には、脚部の外周面と貫通孔の内側面との干渉を少なくして、脚部を貫通孔にスムーズに侵入させることはできる。しかし、このような従来技術の貫通孔及び脚部の構成では、脚部の外周面はベースの下面に向かうに従って径方向外側に傾斜しているので、反力発生部材を支持部材に固定するために脚部を貫通孔に侵入させる際、脚部の基部は径方向外側に張り出して広がる。そのため、ベース部の下面を支持部材の上面に密着させ難い。また、反力発生部材を支持部材に固定した後には、変形した脚部の基部が原形に復帰しようとする力は脚部を貫通孔から押し出す方向にも作用するので、ベース部の下面が支持部材の上面から離れ易い。その結果、この従来技術によれば、反力発生部材は、ベース部の下面を支持部材の上面に密着させて、支持部材に安定して固定されないという問題が生ずる。

本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、反力発生部材の脚部を支持部材に設けた貫通孔にスムーズに侵入させることができるとともに、反力発生部材を、ベース部の下面を支持部材の上面に密着させて支持部材上に安定して固定できる反力発生装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。

前述した目的を達成するため、本発明の特徴は、弾性体により一体形成されていて、軸心方向（Ｙｗ，Ｙｂ）の一端部から軸心方向の他端部に向かって径方向長さを徐々に増加させ、かつ軸心方向の他端部を開口させてドーム状に形成されていて、軸心方向の押圧により弾性変形して弾性変形量に応じた反力を発生するドーム部（２１ｗ１，２１ｂ１）、ドーム部の他端部に接続されて外側に延設され、ドーム部と反対側の面を平面に形成したベース部（２１−３，２１−３ｗ，２１−３ｂ）、及びベース部のドーム部と反対側の面と平行な断面の形状及び大きさを軸心に沿って所定長さに渡り同一に保って、ベース部のドーム部と反対側の面から軸心（Ｙｋ）をドーム部の軸心方向と平行にして延設させた柱状の脚部（２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂ）を有する反力発生部材（２１，２１ｗ，２１ｂ）と、ベース部のドーム部と反対側の面を設置させる設置面を有するとともに、設置面から他方の面に貫通する貫通孔（３１ｄ１〜３１ｄ３，３１ｄ１’ 〜３１ｄ３’，３１ｄ１” 〜３１ｄ３”）を有し、設置面を平面に形成した支持部材（３１ｄ，３１ｄ’，３１ｄ”，３１ｄｗ，３１ｄｂ）とを備え、脚部を貫通孔に侵入させ、かつベース部のドーム部と反対側の面を設置面に密着させて、反力発生部材を支持部材に固定するようにした反力発生装置であって、脚部の軸心方向の一部における外周面を貫通孔の内側面に接触させて反力発生部材を支持部材に固定し、かつ貫通孔の内側面の少なくとも一部を脚部の外周面に接触する位置から脚部の軸心方向（Ｙｋ）よりも径方向外側に傾斜して延設させるように、貫通孔を形成したことにある。

この場合、脚部を貫通孔に侵入させる前の状態では、脚部の軸心方向の一部の外周面に接触する位置の貫通孔の内径を、前記脚部の軸心方向の一部の外周面の外径よりも小さくするとよい。また、脚部の外周面に接触する位置は、支持部材の設置面位置、支持部材の設置面とは反対側の面位置、又は前記設置面と前記反対側の面の中間位置であるとよい。また、ドーム部は、例えば、鍵盤楽器における鍵の操作によって軸心方向に押圧されて、押圧開始から徐々に弾性変形して弾性変形量の増加に従って反力を徐々に増加させ、反力がピークに達した後に座屈変形して反力を急激に減少させる。

さらに、１つのドーム部がベース部に一体的に形成されていてもよいが、複数のドーム部がベース部に一体的に形成されていてもよい。この場合、複数のドーム部は、鍵盤楽器の複数の鍵にそれぞれ対応し、かつ軸心方向をそれぞれ同一方向とする。また、１つの脚部がベース部に一体的に形成されていてもよいが、複数の脚部がベース部に一体的に形成されていてもよい。この場合、複数のドーム部の軸心方向は、ドーム部の軸心方向に平行な同一方向である。

上記のように構成した本発明においては、貫通孔の内側面の少なくとも一部は脚部の外周面に接触する位置から脚部の軸心方向よりも径方向外側に傾斜して延設されている。したがって、ベース部のドーム部と反対側の面と平行な断面の形状及び大きさを軸心に沿って同一に保って、ベース部のドーム部と反対側の面から軸心をドーム部の軸心方向と平行にして延設しても、言い換えれば、脚部の軸心に直交する断面の形状及び大きさを軸心に沿って同一にしても、脚部を貫通孔に侵入させるときには、脚部の外周面と貫通孔の内周面との長い距離（すなわち大きな面積）に渡る接触（干渉）を避けることができ、脚部を支持部材に設けた貫通孔にスムーズに挿入できるようになる。また、本発明においては、反力発生部材を支持部材に固定した状態では、貫通孔の内側面が脚部の軸心方向の一部における外周面に接触するので、反力発生部材は支持部材に固定される。この場合、脚部の軸心に直交する断面の形状及び大きさは軸心に沿って同一であり、前記貫通孔の内側面と接触する脚部の外周面は脚部の径方向に主に変形する。したがって、この脚部の変形は、ベース部のドーム部と反対側の面の支持部材の設置面への密着に悪影響を及ぼさず、ベース部のドーム部と反対側の面を支持部材の設置面に密着させ易い。また、反力発生部材を支持部材に固定した後に、貫通孔の内側面に接触している脚部の一部が原形に復帰しようとする力は、脚部の径方向外側に作用するので、ベース部のドーム部と反対側の面と、支持部材の設置面との密着は安定して維持される。その結果、本発明によれば、ベース部のドーム部の反対側の平面を支持部材の設置面に密着させて、反力発生部材を支持部材に簡単に組み付けることができるとともに、安定して固定することができる。

また、本発明の他の特徴は、貫通孔の内側面の一部を、脚部の外周面に接触する位置から脚部の軸心方向に延設させるようにしたことにある。これによれば、脚部の軸心方向に延設させた貫通孔の内側面の一部に、前記内側面の一部に対向する脚部の外周面を接触させながら、脚部を貫通孔に侵入させれば、脚部の貫通孔への侵入方向が的確になる。その結果、本発明の他の特徴によれば、ベース部のドーム部の反対側の平面を支持部材の設置面に密着させて、反力発生部材を支持部材に簡単かつ安定して組み付けることができる。

また、本発明の他の特徴は、脚部の外周面に接触する位置は、支持部材の設置面とは反対側の面位置又は前記反対側の面位置の近傍位置であり、脚部の軸心方向の中間部分に、外側に張出して、支持部材の設置面とは反対側の面位置又は前記反対側の面位置の近傍位置にて、支持部材に係合する係合部（２１−４ａ）を設けたことにある。この場合、係合部は、例えば、外周面において、一平面（Ｋｐ）上で支持部材に接触して係合する。これによれば、反力発生部材を支持部材に組付けた後には、係合部により脚部の貫通孔からの抜け出しが防止されるので、反力発生部材は支持部材に安定して確実に固定されるようになる。

また、本発明の他の特徴は、前記一平面は、ベースのドーム部とは反対側の面に平行であることにある。この場合、係合部は、例えば、外周面において支持部材の他方の面位置にて支持部材に接触して係合するようにする。また、支持部材の他方の面に貫通孔周りに切欠き（３１ｄ５〜３１ｄ７）を設けて、係合部は、外周面において支持部材の切欠きに接触して係合するようにしてもよい。これによれば、脚部に係合部を設けても、支持部材の板厚を均一にすることができ、支持部材を簡単に製造できるようになる。

本発明の第１実施形態に係る鍵盤装置の概略側面図である。 図１の鍵盤装置の概略平面図である。 本発明の第１実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 （Ａ）〜（Ｃ）は、前記第１実施形態の変形例１〜３に係る反力発生装置における脚部の貫通孔への侵入状態を示す縦断面図である。 本発明の第２実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 （Ａ）〜（Ｃ）は、前記第２実施形態の変形例１〜３に係る反力発生装置における脚部の貫通孔への侵入状態を示す縦断面図である。 本発明の第３実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 （Ａ）〜（Ｃ）は、前記第３実施形態の変形例１〜３に係る反力発生装置における脚部の貫通孔への侵入状態を示す縦断面図である。 本発明の第４実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第５実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第６実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第７実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第８実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第９実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第１０実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第１１実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 本発明の第１２実施形態に係る反力発生装置の拡大縦断面図である。 （Ａ）は本発明の第１３実施形態に係る反力発生装置の縦断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の反力発生装置の脚部の先端部の拡大図である。 （Ａ）は前記第１３実施形態の変形例１に係る反力発生装置の縦断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の反力発生装置の脚部の先端部の拡大図である。 （Ａ）は前記第１３実施形態の変形例２に係る反力発生装置の縦断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）の反力発生装置の脚部の先端部の拡大図である。 前記第１３実施形態の変形例３に係る反力発生装置における脚部の貫通孔への侵入状態を示す縦断面図である。 本発明の第１４実施形態に係る鍵盤装置の概略側面図である。 図２２の鍵盤装置の概略平面図である。 （Ａ）は脚部を変更した変形例に係る反力発生装置における脚部の貫通孔への侵入状態を示す縦断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿って見た横断面図であり、（Ｃ）は脚部を変更した他の変形例に係る反力発生装置における脚部の（Ｂ）に対応した横断面図である。

ａ．第１実施形態
以下、本発明の第１実施形態について図面を用いて説明する。図１は第１実施形態に係る鍵盤装置を右から見た概略側面図であり、図２は前記鍵盤装置の概略平面図である。なお、図１においては、鍵盤装置の前後方向を左右方向とし、鍵盤装置の上下方向を上下方向とする。そして、本明細書では、図１及び図２の左側を前側とし、かつ右側を後側として説明するとともに、図２の上下方向を横方向（左右方向）として説明する。

この鍵盤装置は、演奏者によって押離鍵操作される複数の白鍵１１ｗ及び複数の黒鍵１１ｂを備えている。白鍵１１ｗは、前後方向に長尺状に形成されるとともに下方を開放させた断面コ字状に形成されて、鍵フレーム３１の平板状の上板部３１ａ上に配置されている。鍵フレーム３１は、合成樹脂により金型を用いて成形される。ただし、鍵フレーム３１は、全体を一体成形することもあるし、複数の成形部品を組み合わせることもある。鍵フレーム３１は、上板部３１ａの前端及び後端から下方に延設された平板状の脚部３１ｂ，３１ｃを有し、脚部３１ｂ，３１ｃの下端部分にて楽器内に設けたフレームＦＲ上に固定されている。鍵フレーム３１の上板部３１ａの後端から少し前の後部の上面上には、白鍵１１ｗの内側にて対向する一対の板状の白鍵１１ｗ用の鍵支持部３２ｗが立設固定されている。鍵支持部３２ｗの上部には、互いに対向する位置にてそれぞれ外側に突出した突出部が設けられ、突出部を白鍵１１ｗの両側面後端部に設けた貫通孔に内側から回転可能に侵入させている。これにより、白鍵１１ｗは、鍵支持部３２ｗにより揺動可能に支持され、前端部を上下方向に変位させる。以下の説明では、この白鍵１１ｗの揺動中心を揺動軸Ｃｗとする。

黒鍵１１ｂは、前部上面が高くなっている形状こそ異なるが、他の構成は白鍵１１ｗと同様であり、鍵フレーム３１の平板状の上板部３１ａ上に配置されている。鍵フレーム３１の上板部３１ａの後端部の上面上には、黒鍵１１ｂの内側にて対向する一対の板状の黒鍵１１ｂ用の鍵支持部３２ｂが立設固定されている。鍵支持部３２ｂの上部にも、互いに対向する位置にてそれぞれ外側に突出した突出部が設けられ、突出部を黒鍵１１ｂの両側面後端部に設けた貫通孔に内側から回転可能に侵入させている。これにより、黒鍵１１ｂは、鍵支持部３２ｂにより揺動可能に支持され、前端部を上下方向に変位させる。以下の説明では、この黒鍵１１ｂの揺動中心を揺動軸Ｃｂとする。そして、詳しくは後述するが、反力発生部材２１のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１が白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押鍵時に同様な動作をするように、鍵支持部３２ｂを鍵支持部３２ｗよりも後方に位置させて、揺動軸Ｃｂを揺動軸Ｃｗよりも後方に位置させている。

鍵フレーム３１の上板部３１ａの上面には、白鍵１１ｗの前端部の下方位置にて鍵ガイド３３ｗが立設しており、黒鍵１１ｂの前端部の下方位置にて鍵ガイド３３ｂが立設している。鍵ガイド３３ｗ，３３ｂは白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂ内にそれぞれ摺動可能に侵入しており、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂは、それらの上下方向の揺動時に左右方向に変位しないようになっている。

白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前後方向の中央部の下方には、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押鍵操作に対して反力を付与する反力発生部材２１が設けられている。反力発生部材２１は、複数のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、複数のトップ部２１ｗ２，２１ｂ２、ベース部２１−３及び複数の脚部２１−４からなり、弾性を有するゴムにより一体成形されている。反力発生部材２１は、鍵フレーム３１の上板部３１ａに傾斜させて設けた支持部３１ｄに脚部２１−４を貫通させて、支持部３１ｄの上面にベース部２１−３の下面を密着させて固定されている。白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの下面には、反力発生部材２１の複数のトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の上面に対向する位置にて、押鍵時にトップ部２１ｗ２，２１ｂ２を上方から押圧する平板状の押圧部１１ｗ１，１１ｂ１が設けられている。なお、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の下面は平面でなくても、球面などであってもよい。また、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１を、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの内部上面から下方に突出させた十字型、Ｈ字型等のリブなどで構成してもよい。

また、この鍵盤装置は、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１と鍵支持部３２ｗ，３２ｂの中間位置にて、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂと、鍵フレーム３１の上板部３１ａとの間にそれぞれ組み込まれた白鍵１１ｗ用のスプリング３４ｗ及び黒鍵１１ｂ用のスプリング３４ｂを備えている。スプリング３４ｗ，３４ｂは、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂを上板部３１ａに対して上方に付勢している。なお、これらのスプリング３４ｗ、３４ｂは、コイル状でなくても、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂを上方に付勢することができれば、板ばねのようなスプリングでもよい。

白鍵１１ｗは、その前端部から下方に延設させた延設部１１ｗ２を備え、延設部１１ｗ２の下端には前方に突出させた係合部１１ｗ３が設けられ、係合部１１ｗ３は鍵フレーム３１の上板部３１ａに設けた貫通孔を介して、上板部３１ａの下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム３１の上板部３１ａの前端部下面には上限ストッパ部材３５ｗが設けられている。上限ストッパ部材３５ｗは、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵１１ｗの係合部１１ｗ３との当接により、白鍵１１ｗの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム３１の上板部３１ａの前端部上面には下限ストッパ部材３６ｗが設けられている。下限ストッパ部材３６ｗも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵１１ｗの前端部下面との当接により、白鍵１１ｗの前端部の下方への変位を規制する。

黒鍵１１ｂは、その前端部から下方に延設させた延設部１１ｂ２を備え、延設部１１ｂ２の下端には後方に突出させた係合部１１ｂ３が設けられ、係合部１１ｂ３は鍵フレーム３１の上板部３１ａに設けた貫通孔を介して、上板部３１ａの下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム３１の上板部３１ａの中間部下面には上限ストッパ部材３５ｂが設けられている。上限ストッパ部材３５ｂも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵１１ｂの係合部１１ｂ３との当接により、黒鍵１１ｂの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム３１の上板部３１ａの中間部上面には下限ストッパ部材３６ｂが設けられている。下限ストッパ部材３６ｂも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵１１ｂの前端部下面との当接により、黒鍵１１ｂの前端部の下方への変位を規制する。

また、鍵フレーム３１の上板部３１ａの下面であって反力発生部材２１の若干後方位置には、電気回路基板３７が上板部３１ａと平行になるように固定されている。電気回路基板３７の上面には、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂのためのドーム状の鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂがそれぞれ固定されている。鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂは、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押鍵時に、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの下面から突出させた突出部で押圧されてオフ状態からオン状態に変化して、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押離鍵操作を検出する。なお、この鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂによる押離鍵操作の検出は、楽音信号の発生制御に利用される。

次に、反力発生部材２１及びその周辺部材について、図３の縦断面図を用いて詳しく説明する。反力発生部材２１は、前述のように、複数のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、複数のトップ部２１ｗ２，２１ｂ２、ベース部２１−３及び複数の脚部２１−４からなり、弾性を有するゴムにより一体成形されている。

複数のドーム部２１ｗ１及びトップ部２１ｗ２は、白鍵１１ｗの押鍵時に押圧部１１ｗ１によりそれぞれ押圧されて、複数の白鍵１１ｗの押鍵操作に対して反力をそれぞれ付与するものである。複数のドーム部２１ｂ１及びトップ部２１ｂ２は、黒鍵１１ｂの押鍵時に押圧部１１ｂ１によりそれぞれ押圧されて、複数の黒鍵１１ｂの押鍵操作に対して反力をそれぞれ付与するものである。複数のドーム部２１ｗ１及びトップ部２１ｗ２と、複数のドーム部２１ｂ１及びトップ部２１ｂ２は、それぞれ同一の形状及び大きさを有し、前後方向の同じ位置にて横方向に一列にベース部２１−３上に配置されている（図２参照）。

ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１は、上部から下方に向かって軸心Ｙｗ，Ｙｂ回りの径（径方向長さ）を全周に渡ってそれぞれ徐々に増加させて、上方からの押圧により変形し易い薄肉のドーム状にそれぞれ形成されており、下端部を円形にそれぞれ開口させている。ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する断面形状はそれぞれ円形である。そして、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１は、上方からの押圧力の増加により弾性変形して反力をそれぞれ徐々に増加させるとともに、反力がピークに達した後に座屈変形によって反力をそれぞれ急激に減少させる。トップ部２１ｗ２，２１ｂ２は、上面が開放された円筒状にそれぞれ形成されていて、下面にてドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の上面にそれぞれ接続されている。トップ部２１ｗ２，２１ｂ２は全周にわたってそれぞれ均一の高さに設定され、その上面は平面である。トップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心はドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ同じであり、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２の上面の法線は軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向とそれぞれ平行である。なお、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２は、上方から押圧されてもほとんど変形しない。

ドーム部２１ｗ１及びトップ部２１ｗ２の軸心Ｙｗと、ドーム部２１ｂ１及びトップ部２１ｂ２の軸心Ｙｂは平行であり、それらの上部は前方に位置するように若干傾いている。これらの軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向は、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１による反力がピークに達したとき、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押圧部１１ｗ１，１１ｂ１による押圧方向と一致するようになっている。そして、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の下面（押圧面）の法線が反力ピーク時において軸心Ｙｗ，Ｙｂと平行になるように、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１は形成されている。これらの押圧方向は、白鍵１１ｗの押圧部１１ｗ１の揺動軸Ｃｗ回りの回転方向、及び黒鍵１１ｂの押圧部１１ｂ１の揺動軸Ｃｂ回りの回転方向とそれぞれ同じである。一方、演奏において、白鍵１１ｗの押鍵時における白鍵１１ｗの前端の下方への変位量と、黒鍵１１ｂの押鍵時における黒鍵１１ｂの前端の下方への変位量とをほぼ等しくする必要がある。そして、黒鍵１１ｂの前端は白鍵１１ｗの前端よりも後方に位置するので、前述のように、黒鍵１１ｂの揺動軸Ｃｂを白鍵１１ｗの揺動軸Ｃｗに比べて後方に位置させている。

言い換えれば、押鍵時における白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端の下方への変位量をほぼ等しくするという条件下で、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１を前後方向の同一位置にて横方向に一列に配置するとともに軸心Ｙｗ，Ｙｂをそれぞれ同一方向とし、かつドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反力ピーク時における押圧部１１ｗ１，１１ｂ１による押圧方向（すなわち、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の揺動軸Ｃｗ，Ｃｂ回りの回転方向）と一致させるために、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動軸Ｃｗ，Ｃｂの前後位置が設定される。ただし、白鍵１１ｗの押圧部１１ｗ１の下面位置は、黒鍵１１ｂの押圧部１１ｂ１の下面位置よりも若干高い。なお、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の下面位置を異ならせるのに代えて、白鍵１１ｗ用のトップ部２１ｗ２の軸心Ｙｗの方向の長さを、黒鍵１１ｂ用のトップ部２１ｂ２の軸心Ｙｂの方向の長さよりも若干長くするようにしてもよい。

ベース部２１−３は、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の下面に連続して接続されて、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の下端から外側に板状に延設されている。ベース部２１−３は、平面視で横方向に長尺の長方形状であり（図２参照）、かつ上下方向に厚肉に形成されて、その横方向に直交する縦断面形状は前端を後端よりも厚く構成した台形である。ベース部２１−３の上面及び下面も平面であり、その上面は、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交していて、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の上部内面及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の上面と平行である。ベース部２１−３の下面は、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付け固定時においては、支持部３１ｄの上面に密着する。この場合、ベース部２１−３の下面の上面に対する角度θｐ１、すなわちべース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２に等しい。この第１実施形態では、支持部３１ｄは厚さを均一にした平板であって、その上面と下面は平行であり、板厚方向Ｄｐは支持部３１ｄの上面及び下面と直交する方向である。なお、図３のＰ１はベース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

ベース部２１−３の下面には、複数の脚部２１−４が一体的に形成されている。複数の脚部２１−４は、ベース部２１−３の下面の適宜箇所から下方に円柱状に突出しており、先端部の径を徐々に小さくしている。脚部２１−４の先端部以外の部分の軸心Ｙｋ回りの外径は同じである。すなわち、脚部２１−４の軸心Ｙｋに直交する断面の形状及び大きさは、べース部２１−３のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の面（べース部２１−３の下面）近傍及び先端部以外において軸心Ｙｋに沿って同一である。すなわち、脚部２１−４の軸心Ｙｋに直交する断面の形状及び大きさは、軸心Ｙｋに沿って所定長さに渡り同一である。そして、脚部２１−４は、べース部２１−３の下面と平行な断面の形状及び大きさを軸心Ｙｋに沿って所定長さに渡り同一に保って、べース部２１−３の下面から軸心Ｙｋをドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｋと平行に延設されている。なお、このべース部２１−３の下面と平行な断面の形状は楕円形である。複数の脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向はいずれも同じであり、共にドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心Ｙｗ，Ｙｂと平行である。これにより、金型を用いて反力発生部材２１を成形する際には、細い脚部２１−４及び薄肉のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１を無理抜きすることなく、反力発生部材２１を簡単に成形できる。

このように構成した反力発生部材２１の複数の脚部２１−４を支持部３１ｄに設けた複数の貫通孔３１ｄ１にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１は支持部３１ｄ上に固定されている。貫通孔３１ｄ１は、支持部３１ｄを貫通する孔である。この貫通孔３１ｄ１について具体的に説明すると、支持部３１ｄの下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ１の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄの上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ１の形状も円形であるが、その内径は前記下面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ１の内側面は、上方から下方に向かうに従って内径が小さくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ１の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄの下面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ１の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ１の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。なお、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ１の内周面と接触するとは、脚部２１−４の外周面が貫通孔３１ｄ１の内周面と接触することを意味するもので、この記載は他の実施形態でも用いる。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度θｐ３とする。この場合、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は前述した角度θｐ１，θｐ２にそれぞれ等しい。

ここで、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ１の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄの下面よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄの下面よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、下方から上方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ１は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第１実施形態では、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ１は、型成形により容易に形成される。

また、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けにおいては、前述のように、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ１にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図３の右側面を貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄに押し込む。この場合、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ１の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ１内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、脚部２１−４をさらに貫通孔３１ｄ１内に押し込めば、支持部３１ｄの下面位置における貫通孔３１ｄ１の内径は脚部２１−４の外径よりも若干小さいので、貫通孔３１ｄ１の内側面下端部が脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向の一部にて脚部２１−４の外周面に全周に渡って接触して、貫通孔３１ｄ１内の内側面下端部と接触する脚部の一部が変形するので、反力発生部材２１は支持部３１ｄに固定される。この場合、貫通孔３１ｄ１の内側面に接触する脚部２１−４の外周面部分は、軸心Ｙｋの方向に短くても、軸心Ｙｋの方向に直交する方向に大きく変形して、脚部２１−４は大きな力で貫通孔３１ｄ１内に安定して保持される。

また、この場合、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１（すなわち、ベース部２１−３の下面の上面に対する角度θｐ１）は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しいので、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄの上面と平行になる。したがって、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄの上面に当接して、反力発生部材２１は支持部３１ｄの上面に密着して固定される。

さらに、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄの内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄの内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。したがって、この脚部２１−４の外周面の変形は、ベース部２１−３の下面の支持部３１ｄの上面への密着に悪影響を及ぼさず、ベース部２１−３の下面を支持部３１ｄの上面に密着させ易い。また、反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定した後に、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用するので、ベース部２１−３の下面と、支持部３１ｄの上面との密着は安定して維持される。その結果、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄの設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

次に、前記のように構成した第１実施形態に係る鍵盤装置の動作について説明する。演奏者が白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂを押し始めると、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂは、スプリング３４ｗ，３４ｂの反力に抗して、揺動軸Ｃｗ，Ｃｂ回りにそれぞれ揺動を開始し、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部が下方に変位して係合部１１ｗ３，１１ｂ３が上限ストッパ部材３５ｗ，３５ｂから離れ、その後、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１が反力発生部材２１のトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の上面の後側端部に当接する。そして、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂがさらに押されると、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部がさらに下方に変位して、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の押圧により反力発生部材２１のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１が全周に渡ってほぼ均等に変形し始める。これにより、演奏者は、スプリング３４ｗ，３４ｂによる反力に加えて、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の徐々に増加する反力を感じ始める。この場合のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の変形は軸心Ｙｗ，Ｙｂに対してほぼ対称である。

ただし、実際には、反力発生部材２１ｗ，２１ｂは揺動軸Ｃｗ，Ｃｂ回りに回動動作する白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂによってそれぞれ押圧され、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２に対する白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押圧方向は白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの回動動作に応じて多少変化するので、前記ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の変形は厳密には軸心Ｙｗ，Ｙｂに対して対称ではない。しかし、前記押圧方向の変化は僅かであり、かつ反力のピーク時には、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の下面の法線が軸心Ｙｗ，Ｙｂに対して平行である状態で、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２が白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂによってそれぞれ押圧されるので、前記ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の変形は実質的に軸心Ｙｗ，Ｙｂに対して対称であるとみなしてよい。

白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂがさらに押されると、反力発生部材２１ｗ，２１ｂの反力がピークに達して、その後に、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１が座屈変形し始める。この場合のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の座屈は、全周にわたってほぼ同時に起こる。これにより、演奏者の押鍵に対する反力発生部材２１ｗ，２１ｂの反力は急激に減少し、演奏者は明確なクリック感を感じる。なお、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂは、この座屈よりも若干遅れて、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの下面から突出させた突出部の押圧によりオフ状態からオン状態に変化する。この鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂのオン状態への変化に応答して、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号を発生し始める。

さらに、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂが押されると、前記反力の急激な減少後、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１はさらに変形して反力を増加させる。その後、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端下面が下限ストッパ部材３６ｗ，３６ｂに当接して、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動は終了する。この状態では、反力発生部材２１ｗ，２１ｂの弾性変形も終了する。

そして、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂが離鍵されると、反力発生部材２１のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びスプリング３４ｗ，３４ｂの反力により、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部は上方に変位する。この白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部が上方へ変位して戻る過程においては、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂはオン状態からオフ状態に変化して、図示しない楽音信号発生回路は楽音信号の発生停止を制御する。また、この白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部が上方へ戻る過程においては、反力発生部材２１ｗ，２１ｂは原形に復帰し始める。さらに、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの前端部が上方へ変位すると、係合部１１ｗ３，１１ｂ３は上限ストッパ部材３５ｗ，３５ｂに当接して、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂは離鍵状態に戻る。そして、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押離鍵動作が終了する。

このように構成された鍵盤装置においては、前述のように、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄの設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。そして、鍵盤装置の動作においては、前記のように支持部３１ｄに組み付けられた反力発生部材２１のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１は、反力ピーク時に、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押圧部１１ｗ１，１１ｂ１によってドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押圧されるので、演奏者は良好な押鍵操作感覚を得ることができる。

なお、上記第１実施形態においては、反力発生部材２１のべース部２１−３上に５つのドーム部２１ｗ１，２１ｂ１を配置した例について説明した。しかし、このドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の数は、「５」より大きくても小さくてもよい。特に、本発明においては、べース部２１−３上に配置されるドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の数を１つ、すなわち１つの白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂに対して１つのドーム部２１ｗ１，２１ｂ１を有する多数の反力発生部材２１を配置するようにしてもよい。また、上記第１実施形態では、反力発生部材２１に１０本の脚部２１−４を設けたが、この脚部２１−４の数も１０本以外の適当な数にしてもよい。なお、これらの第１実施形態の変形例は、後述する他の実施形態及び他の変形例にも適用される。

なお、前記第１実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、下記変形例１〜３のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。なお、下記変形例１〜３においては、下記変更箇所以外は、前記第１実施形態の場合と同じである。

ａ１．変形例１
まず、前記第１実施形態の変形例１について説明する。変形例１においては、図４（Ａ）に示すように、貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１を前記第１実施形態の場合に比べて、上方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１の内周面に接触する支持部３１ｄの下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにした。この変形例１においても、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面から上面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例１では、貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ１の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ１内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例１においても、前記第１実施形態の場合と同様に、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ１の下面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ａ２．変形例２
次に、前記第１実施形態の変形例２について説明する。変形例２においては、図４（Ｂ）に示すように、貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ２を前記第１実施形態の場合に比べて、上方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１の内周面に接触する支持部３１ｄの下面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにした。この変形例２においても、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面から上面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例２では、前記第１実施形態の場合と同様に、貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行であるので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができる。また、この場合も、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ１の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ１内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例２においても、前記第１実施形態の場合と同様に、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ１の下面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ａ３．変形例３
次に、前記第１実施形態の変形例３について説明する。変形例３においては、図４（Ｃ）に示すように、前記変形例１と同様に、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１の内周面に接触する支持部３１ｄの下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにし、かつ前記変形例２と同様に、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１の内周面に接触する支持部３１ｄの下面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにした。この変形例３においても、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面から上面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例３では、貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ１の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ１内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例３においても、前記第１実施形態の場合と同様に、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ１の下面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ａ４．他の変形例
前記第１実施形態、及びその変形例１乃至３においては、支持部３１ｄを型成形する際には、支持部３１ｄの下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取るようにした。しかし、成形型の抜き取り方向は、貫通孔３２ｄ１の内側面Ｉｎ１の方向と内側面Ｉｎ２の方向との間の方向であれば、いずれの方向であってもよい。なお、この変形に関しては、後述する第２乃至第１２実施形態及びそれらの変形例においても適用される。ただし、貫通孔３２ｄ１に関しては、各実施形態及びその変形例における貫通孔３１ｄ２，３１ｄ３，３１ｄ’〜３１ｄ３’ ，３１ｄ”〜３１ｄ３”にそれぞれ適宜読み換えるものとする。また、第３実施形態及びその変形例３、第６実施形態、第９実施形態及び第１２実施形態においては、内側面Ｉｎ１及び内側面Ｉｎ２を、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２及び内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２にそれぞれ読み換えるものとする。

また、前記第１実施形態及びその変形例１乃至３においては、貫通孔３１ｄ１の形状を円錐台に形成した。したがって、前記第１実施形態及びその変形例２では脚部２１−４の外周面は貫通孔３１ｄ１の内側面Ｉｎ１には軸心Ｙｋの方向に沿った直線で接する。しかし、これに代えて、前記第１実施形態及びその変形例２における貫通孔３１ｄ１において、内側面（直線）Ｉｎ１の周方向近傍位置の内側面の軸心Ｙｋに直交する断面形状を円形にして、脚部２１−４の外周面が内側面（直線）Ｉｎ１の周方向近傍位置の内側面に軸心Ｙｋに沿って面接触するようにしてもよい。また、前記第１実施形態の変形例１及び変形例３では脚部２１−４の外周面は貫通孔３１ｄ１の内側面には軸心Ｙｋの方向に沿って接しないようにした。しかし、これに代えて、前記第１実施形態の変形例１及び変形例３における貫通孔３１ｄにおいて、紙面垂直方向における幅を脚部２１−４の直径と同じになるように、貫通孔３１ｄの軸心Ｙｋに直交する断面を長円形状にして、脚部２１−４の外周面が紙面垂直方向において貫通孔３１ｄの内側面に接触するようにしてもよい。なお、これらの変形に関しては、後述する第２乃至第１３実施形態においても適用される。ただし、貫通孔３１ｄ１及び内側面Ｉｎ１に関しては、各実施形態及びその変形例における、貫通孔３１ｄ２，３１ｄ３，３１ｄ’〜３１ｄ３’ ，３１ｄ”〜３１ｄ３”及び内側面Ｉｎ１，Ｉｎ１１，Ｉｎ１２にそれぞれ適宜読み換えるものとする。

ｂ．第２実施形態
次に、上記第１実施形態の貫通孔３１ｄ１とは異なる貫通孔３１ｄ２を支持部３１ｄに設けた第２実施形態について、図５を用いて説明する。この第２実施形態における貫通孔３１ｄ２は次のように構成されている。支持部３１ｄの上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ２の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄの下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ２の形状も円形であるが、その内径は前記上面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ２の内側面は、上方から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ２の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄの上面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ２の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ２の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第１実施形態で説明したように、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図５においても、Ｐ１は、べース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ２の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄの上面よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄの上面よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、上方から下方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ２は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第２実施形態では、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ２は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第１実施形態と同じであるので、上記第１実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けにおいては、上記第１実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ２にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図５の左側面を貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄに押し込む。この場合、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ２の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ２内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄの上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２内にさらに押し込む。この状態では、上記第１実施形態の場合と同様に、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄの上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄの上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄの上面位置における貫通孔３１ｄ２の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定することができる。さらに、この第２実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ２の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ２の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第２実施形態においても、上記第１実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄの設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

なお、前記第２実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、下記変形例１〜３のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。なお、下記変形例１〜３においては、下記変更箇所以外は、前記第２実施形態の場合と同じである。

ｂ１．変形例１
まず、前記第２実施形態の変形例１について説明する。変形例１においては、図６（Ａ）に示すように、貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ１を前記第２実施形態の場合に比べて、下方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２の内周面に接触する支持部３１ｄの上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにした。この変形例１においても、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面から下面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例１では、貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ２の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ２内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例１においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ２の上面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｂ２．変形例２
次に、前記第２実施形態の変形例２について説明する。変形例２においては、図６（Ｂ）に示すように、貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ２を前記第２実施形態の場合に比べて、下方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２の内周面に接触する支持部３１ｄの上面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにした。この変形例２においても、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面から下面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例２では、前記第２実施形態の場合と同様に、貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行であるので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができる。また、この場合も、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ２の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ２内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例２においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ２の上面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｂ３．変形例３
次に、前記第２実施形態の変形例３について説明する。変形例３においては、図６（Ｃ）に示すように、前記変形例１と同様に、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２の内周面に接触する支持部３１ｄの上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにし、かつ前記変形例２と同様に、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２の内周面に接触する支持部３１ｄの上面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにした。この変形例３においても、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの下面から上面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例３では、貫通孔３１ｄ２の内側面Ｉｎ１は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ２の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ２内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例３においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ２の上面と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｃ．第３実施形態
次に、上記第１及び第２実施形態の貫通孔３１ｄ１，３１ｄ２とは異なる貫通孔３１ｄ３を支持部３１ｄに設けた第３実施形態について、図７を用いて説明する。この第３実施形態における貫通孔３１ｄ３は次のように構成されている。支持部３１ｄの上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）と下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）との中間位置における貫通孔３１ｄ３の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄの上面位置及び下面位置における貫通孔３１ｄ３の形状もそれぞれ円形であるが、それらの内径は前記中間位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ３の内側面の上部は中間位置から上方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されているとともに、貫通孔３１ｄ３の内側面の下部は中間位置から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ３の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄの前記中間位置における貫通孔３１ｄ３の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第１及び第２実施形態で説明したように、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図７においても、Ｐ１は、べース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、貫通孔３１ｄ３の前記中間位置よりも上部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄの前記中間位置よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右上側の内側面）をＩｎ１１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄの前記中間位置よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左上側の内側面）をＩｎ２１とする。内側面Ｉｎ１１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から上方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２１の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに平行である。

また、貫通孔３１ｄ３の前記中間位置よりも下部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄの前記中間位置よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左下側の内側面）をＩｎ１２とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄの前記中間位置よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右下側の内側面）をＩｎ２２とする。内側面Ｉｎ１２の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から下方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ３は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第３実施形態では、貫通孔３１ｄ３は前記中間位置を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ３は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第１及び第２実施形態と同じであるので、上記第１及び第２実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けにおいては、上記第１及び第２実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ３にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図７の右側面を貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１１に当接させるとともに、脚部２１−４の図７の左側面を貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１２に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄに押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ３の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ３内に内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄの上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３内にさらに押し込む。この状態では、上記第１及び第２実施形態の場合と同様に、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄの上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄの上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄの前記中間位置における貫通孔３１ｄ３の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定することができる。さらに、この第３実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ３の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ３の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第３実施形態においても、上記第１及び第２実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄの設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

なお、前記第３実施形態においては、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向を支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、下記変形例１〜３のように、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２，Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向は変更可能である。なお、下記変形例１〜３においては、下記変更箇所以外は、前記第３実施形態の場合と同じである。

ｃ１．変形例１
まず、前記第３実施形態の変形例１について説明する。変形例１においては、図８（Ａ）に示すように、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１１を前記第３実施形態の場合に比べて上方に向かって外側に広がるようにするとともに、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１２を前記第３実施形態の場合に比べて下方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ１１が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにした。この変形例１においても、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置から上面及び下面に向かってそれぞれ広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例１では、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２は共に脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ３の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ３内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例１においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ３の前記中間位置と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｃ２．変形例２
次に、前記第３実施形態の変形例２について説明する。変形例２においては、図８（Ｂ）に示すように、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ２１を前記第３実施形態の場合に比べて上方に向かって外側に広がるようにするとともに、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ２２を前記第３実施形態の場合に比べて下方に向かって外側に広がるようにした。すなわち、内側面Ｉｎ２１が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにした。この変形例２においても、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置から上面及び下面に向かってそれぞれ広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例２では、前記第３実施形態の場合と同様に、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行であるので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って侵入させることができる。また、この場合も、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ３の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ３内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例２においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ３の上面と脚部２１−４の前記中間位置との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｃ３．変形例３
次に、前記第３実施形態の変形例３について説明する。変形例３においては、図８（Ｃ）に示すように、前記変形例１と同様に、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにし、かつ前記変形例２と同様に、内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３の内周面に接触する支持部３１ｄの中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにした。この変形例３においても、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置から上面及び下面に向かって広がるように円錐台状に形成されているので、貫通孔３１ｄ３は支持部３１ｄの前記中間位置を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより簡単に形成される。

また、この変形例３では、貫通孔３１ｄ３の内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２は脚部２１−４の軸心Ｙｋと平行でないので、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って侵入させることができない。しかし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３に侵入させる際には、脚部２１−４を、貫通孔３１ｄ３の内側面に長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）させることなく、貫通孔３１ｄ３内に軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入させることができる。そして、この変形例３においても、支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ３の前記中間位置と脚部２１−４の外周面との係合、及びベース部２１−３の下面と支持部３１ｄの設置面（上面）との密着により、反力発生部材２１を支持部３１ｄに簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

ｄ．第４実施形態
次に、水平に対して傾斜させた上記第１実施形態の支持部３１ｄに代えて、支持部３１ｄ’を水平に配置するようにした第４実施形態について、図９を用いて説明する。この第４実施形態においても、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心Ｙｗ，Ｙｂは、上記第１実施形態と同様に、上方向にて図示左側に傾斜している。そのために、ベース部２１−３は、上記第１実施形態の場合とは逆に、図示右側部分が図示左側部分よりも厚肉に形成されている。ただし、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２及び脚部２１−４の形状は上記第１実施形態の場合と同じである。また、ベース部２１−３の上面及び下面が平面である点、軸心Ｙｗ，Ｙｂがベース部２１−３の上面に直交している点、及び脚部２１−４の軸心Ｙｋが軸心Ｙｗ，Ｙｂに平行である点も上記第１実施形態の場合と同じである。さらに、支持部３１ｄ’は水平であるが、支持部３１ｄ’の上面及び下面も平面である点、及び支持部３１ｄ’の板厚が均一である点も上記第１実施形態の場合と同じである。

そして、図９においても、ベース部２１−３の上面に平行であり（すなわち、軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交し）、かつ軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の上面にて交差する平面をＰ１で表す。また、この場合も、支持部３１ｄ’の板厚方向をＤｐとすると、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面Ｐ１とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２に等しい。

この第４実施形態においても、支持部３１ｄ’には貫通孔３１ｄ１’が形成されており、貫通孔３１ｄ１’は次のように構成されている。支持部３１ｄ’の下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ１’の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ’の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ１’の形状も円形であるが、その内径は前記下面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ１’の内側面は、下方から上方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

この貫通孔３１ｄ１’の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合も、支持部３１ｄ’の下面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ１’の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ１’の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。そして、この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ１’の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄ’の下面よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄ’の下面よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、下方から上方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ１’は、上述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第４実施形態では、貫通孔３１ｄ１’は支持部３１ｄ’の下面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ１’は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第１実施形態と同じであるので、上記第１実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ’への組み付けにおいては、上記第１実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ１’にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ’上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図示左側面を貫通孔３１ｄ１’の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ’に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ１’の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ１’内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１’内にさらに押し込む。この状態では、上記第１実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ’の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ’の下面位置における貫通孔３１ｄ１’の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定することができる。さらに、この第４実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ１’の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ１’の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第４実施形態においても、上記第１実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ’の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第４実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、この第４実施形態においても、上記第１実施形態の変形例１〜３（図４（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の下面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の下面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。

また、前記第４実施形態では、支持部３１ｄ’を水平に配置したが、支持部３１ｄ’を水平に配置しなくてもよい。この第４実施形態における上記第１実施形態との大きな相違点は、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心Ｙｗ，Ｙｂが、支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐに対して上記第１実施形態の場合とは反対側、すなわち図９の上方にて左側に傾いていることにある。したがって、支持部３１ｄ’が水平でなくても、軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向が板厚方向Ｄｐに対して前述のような関係にあれば、前記第４実施形態で説明した反力発生部材２１及び支持部３１ｄ’の構造は適用される。なお、この点に関しては、後述する第５及び第６実施形態においても適用されることである。

ｅ．第５実施形態
次に、上記第４実施形態の貫通孔３１ｄ１’とは異なる貫通孔３１ｄ２’を支持部３１ｄ’に設けた第５実施形態について、図１０を用いて説明する。この第５実施形態における貫通孔３１ｄ２’は次のように構成されている。支持部３１ｄ’の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ２’の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ’の下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ２’の形状も円形であるが、その内径は前記上面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ２’の内側面は、上方から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ２’の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄ’の上面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ２’の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ２’の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第４実施形態で説明したように、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図１０においても、Ｐ１は、ベース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ２’の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄ’の上面よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄ’の上面よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、上方から下方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ２’は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第５実施形態では、貫通孔３１ｄ２’は支持部３１ｄ’の上面を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ２’は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第４実施形態と同じであるので、上記第４実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ’への組み付けにおいては、上記第４実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ２’にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ’上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図１０の右側面を貫通孔３１ｄ２’の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ’に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ２’の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ２’内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２’内にさらに押し込む。この状態では、上記第４実施形態の場合と同様に、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ’の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ’の上面位置における貫通孔３１ｄ２’の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定することができる。さらに、この第５実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ２’の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ２’の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第５実施形態においても、上記第４実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ’の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第５実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、この第５実施形態においても、上記第２実施形態の変形例１〜３（図６（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の上面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の上面位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。

ｆ．第６実施形態
次に、上記第４及び第５実施形態の貫通孔３１ｄ１’，３１ｄ２’とは異なる貫通孔３１ｄ３’を支持部３１ｄ’に設けた第６実施形態について、図１１を用いて説明する。この第６実施形態における貫通孔３１ｄ３’は次のように構成されている。支持部３１ｄ’の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）と下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）との中間位置における貫通孔３１ｄ３’の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ’の上面位置及び下面位置における貫通孔３１ｄ３’の形状もそれぞれ円形であるが、それらの内径は前記中間位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ３’の内側面の上部は中間位置から上方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されているとともに、貫通孔３１ｄ３’の内側面の下部は中間位置から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ３’の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄ’の前記中間位置における貫通孔３１ｄ３’の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第４及び第５実施形態で説明したように、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図１１においても、Ｐ１は、ベース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、貫通孔３１ｄ３’の前記中間位置よりも上部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３’の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄ’の前記中間位置よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左上側の内側面）をＩｎ１１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄ’の前記中間位置よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右上側の内側面）をＩｎ２１とする。内側面Ｉｎ１１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から上方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２１の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐに平行である。

また、貫通孔３１ｄ３’の前記中間位置よりも下部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３’の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、軸心Ｙｋが支持部３１ｄ’の前記中間位置よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右下側の内側面）をＩｎ１２とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち直線Ｌｐが支持部３１ｄ’の前記中間位置よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左下側の内側面）をＩｎ２２とする。内側面Ｉｎ１２の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から下方に向かって直線Ｌｐ（板厚方向Ｄｐ）に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２２の延設方向は、直線Ｌｐすなわち支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐに平行である。なお、貫通孔３１ｄ３’は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第６実施形態では、貫通孔３１ｄ３’は前記中間位置を境に板厚方向Ｄｐに成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ３’は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第４及び第５実施形態と同じであるので、上記第４及び第５実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ’への組み付けにおいては、上記第４及び第５実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ３’にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ’上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図示左側面を貫通孔３１ｄ３’の内側面Ｉｎ１１に当接させるとともに、脚部２１−４の図示右側面を貫通孔３１ｄ３’の内側面Ｉｎ１２に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ’に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ３’の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ３’内に内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３’内にさらに押し込む。この状態では、上記第４及び第５実施形態の場合と同様に、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ’の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ’の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ’の前記中間位置における貫通孔３１ｄ３’の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定することができる。さらに、この第６実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ３’の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ３’の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第６実施形態においても、上記第４及び第５実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ’の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ’に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第６実施形態においては、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向を支持部３１ｄ’の板厚方向Ｄｐと平行にした。しかし、この第６実施形態においても、上記第３実施形態の変形例１〜３（図８（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２，Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１１が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２１が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３’の内周面に接触する支持部３１ｄ’の中間位置から、直線Ｌｐの方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにしてもよい。

ｇ．第７実施形態
次に、上記第１乃至第３実施形態の場合と同様に、支持部３１ｄ”を水平に対して傾斜させるが、支持部３１ｄ”の貫通孔３１ｄ１”を形成する際に、型抜き方向を支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとは異なる方向、例えば図１２の上下方向にするようにした第７実施形態について、図１２を用いて説明する。この第７実施形態においても、上記第１実施形態と同様にドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心Ｙｗ，Ｙｂは上方向にて図示左側に傾斜しており、ベース部２１−３は図示左側部分が図示右側部分よりも厚肉に形成されている。ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２及び脚部２１−４の形状も上記第１実施形態の場合と同じである。また、ベース部２１−３の上面及び下面が平面である点、軸心Ｙｗ，Ｙｂがベース部２１−３の上面に直交している点、及び脚部２１−４の軸心Ｙｋが軸心Ｙｗ，Ｙｂに平行である点も上記第１実施形態の場合と同じである。さらに、支持部３１ｄ”の上面及び下面も平面である点、及び支持部３１ｄ”の板厚が均一である点も上記第１実施形態の場合と同じである。

そして、図１２においても、ベース部２１−３の上面に平行であり（すなわち、軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交し）、かつ軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の上面にて交差する平面をＰ１で表す。また、この場合も、支持部３１ｄ”の板厚方向をＤｐとすると、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面Ｐ１とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２に等しい。

この第７実施形態においても、支持部３１ｄ”には貫通孔３１ｄ１”が形成されており、貫通孔３１ｄ１”は次のように構成されている。支持部３１ｄ”の下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ１”の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ”の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ１”の形状も円形であるが、その内径は前記下面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ１”の内側面は、下方から上方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

この貫通孔３１ｄ１”の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合も、支持部３１ｄ”の下面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ１”の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ１”の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。そして、この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ１”の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、直線Ｌｐが支持部３１ｄ”の下面よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち軸心Ｙｋが支持部３１ｄ”の下面よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、下方から上方に向かって図示型抜き方向である上下方向に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、前記上下方向である。なお、貫通孔３１ｄ１”は、上述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第７実施形態では、貫通孔３１ｄ１”は支持部３１ｄ”の下面を境に図示型抜き方向である上下方向に成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ１”は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第１実施形態と同じであるので、上記第１実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ”への組み付けにおいては、上記第１実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ１”にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ”上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図示左側面を貫通孔３１ｄ１”の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ”に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ１”の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ１”内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１”内にさらに押し込む。この状態では、上記第１実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ”の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ”の下面位置における貫通孔３１ｄ１”の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定することができる。さらに、この第７実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ１”の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ１”の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第７実施形態においても、上記第１実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ”の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第７実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を図示型抜き方向である上下とした。しかし、この第４実施形態においても、上記第１実施形態の変形例１〜３（図４（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の下面位置から、図示上下方向である型抜き方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ１”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の下面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ１”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の下面位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるようにしてもよい。

ｈ．第８実施形態
次に、上記第７実施形態の貫通孔３１ｄ１”とは異なる貫通孔３１ｄ２”を支持部３１ｄ”に設けた第８実施形態について、図１３を用いて説明する。この第８実施形態における貫通孔３１ｄ２”は次のように構成されている。支持部３１ｄ”の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）における貫通孔３１ｄ２”の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ”の下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）における貫通孔３１ｄ２”の形状も円形であるが、その内径は前記上面位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ２”の内側面は、上方から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ２”の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄ”の上面（すなわち、脚部２１−４が全周に渡って貫通孔３１ｄ２”の内周面と接触する平面位置）における貫通孔３１ｄ２”の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第７実施形態で説明したように、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図１３においても、Ｐ１は、ベース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、想定した平面と、貫通孔３１ｄ２”の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、直線Ｌｐが支持部３１ｄ”の上面よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右側の内側面）をＩｎ１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち軸心Ｙｋが支持部３１ｄ”の上面よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左側の内側面）をＩｎ２とする。内側面Ｉｎ１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、上方から下方に向かって図示型抜き方向である上下方向に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２の延設方向は、前記上下方向である。なお、貫通孔３１ｄ２”は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第８実施形態では、貫通孔３１ｄ２”は支持部３１ｄ”の上面を境に図示型抜き方向である上下方向に成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ２”は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第７実施形態と同じであるので、上記第７実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ”への組み付けにおいては、上記第７実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ２”にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ”上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図示右側面を貫通孔３１ｄ２”の内側面Ｉｎ１に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ”に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ２”の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ２”内に内側面Ｉｎ１に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ２”内にさらに押し込む。この状態では、上記第７実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ”の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ”の上面位置における貫通孔３１ｄ２”の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定することができる。さらに、この第８実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ２”の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ２”の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第８実施形態においても、上記第７実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ”の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第８実施形態においては、内側面Ｉｎ１の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２の延設方向を図示型抜き方向である上下方向とした。しかし、この第８実施形態においても、上記第２実施形態の変形例１〜３（図６（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の上面位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１が、貫通孔３１ｄ２”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の上面位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２が、貫通孔３１ｄ２”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の上面位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。

ｉ．第９実施形態
次に、上記第７及び第８実施形態の貫通孔３１ｄ１”，３１ｄ２”とは異なる貫通孔３１ｄ３”を支持部３１ｄ”に設けた第９実施形態について、図１４を用いて説明する。この第９実施形態における貫通孔３１ｄ３”は次のように構成されている。支持部３１ｄ”の上面位置（すなわち脚部２１−４の侵入側位置）と下面位置（すなわち脚部２１−４の突出側位置）との中間位置における貫通孔３１ｄ３”の形状は脚部２１−４の軸心Ｙｋを中心とする円形であり、その内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さい。また、支持部３１ｄ”の上面位置及び下面位置における貫通孔３１ｄ３”の形状もそれぞれ円形であるが、それらの内径は前記中間位置の内径よりも大きく、その中心は脚部２１−４の軸心Ｙｋとは異なる。そして、貫通孔３１ｄ３”の内側面の上部は中間位置から上方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されているとともに、貫通孔３１ｄ３”の内側面の下部は中間位置から下方に向かうに従って内径が大きくなる円錐台状に形成されている。

そして、この貫通孔３１ｄ３”の内側面の傾斜角度は、次のように設定されている。この場合、支持部３１ｄ”の前記中間位置における貫通孔３１ｄ３”の中心位置を通る板厚方向Ｄｐの直線をＬｐとする。また、脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとが成す角度をθｐ３とする。この場合も、脚部２１−４の軸心Ｙｋはドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂとそれぞれ平行であり、直線Ｌｐは板厚方向Ｄｐと同じであるので、角度θｐ３は、上記第７及び第８実施形態で説明したように、ベース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１、及び軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２にそれぞれ等しい。なお、図１４においても、Ｐ１は、ベース部２１−３の上面に平行な平面、すなわち軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面を示している。

この場合も、軸心Ｙｋと直線Ｌｐを含む平面を想定する。そして、貫通孔３１ｄ３”の前記中間位置よりも上部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３”の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、直線Ｌｐが支持部３１ｄ”の前記中間位置よりも上方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示左上側の内側面）をＩｎ１１とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち軸心Ｙｋが支持部３１ｄ”の前記中間位置よりも上方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示右上側の内側面）をＩｎ２１とする。内側面Ｉｎ１１の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から上方に向かって図示型抜き方向である上下方向に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２１の延設方向は、前記上下方向である。

また、貫通孔３１ｄ３”の前記中間位置よりも下部において、想定した平面と、貫通孔３１ｄ３”の内側面とが交差する一対の内側面（すなわち一対の直線）のうちで、直線Ｌｐが支持部３１ｄ”の前記中間位置よりも下方にて軸心Ｙｋに対して傾いている側にある内側面（図示右下側の内側面）をＩｎ１２とする。また、前記一対の内側面のうちの他方の内側面、すなわち軸心Ｙｋが支持部３１ｄ”の前記中間位置よりも下方にて直線Ｌｐに対して傾いている側にある内側面（図示左下側の内側面）をＩｎ２２とする。内側面Ｉｎ１２の延設方向は、軸心Ｙｋと平行であり、前記中間位置から下方に向かって図示型抜き方向である上下方向に対して外側に広がっている。一方、内側面Ｉｎ２２の延設方向は、前記上下方向である。なお、貫通孔３１ｄ３”は、前述のように鍵フレーム３１を合成樹脂で型成形した際に形成されるものであり、この第９実施形態では、貫通孔３１ｄ３”は前記中間位置を境に図示型抜き方向に成形型を抜き取ることにより形成される。したがって、貫通孔３１ｄ３”は、型成形により容易に形成される。他の構成は、上記第７及び第８実施形態と同じであるので、上記第７及び第８実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄ”への組み付けにおいては、上記第７及び第８実施形態の場合と同様に、複数の脚部２１−４を複数の貫通孔３１ｄ３”にそれぞれ侵入させて圧入することにより、反力発生部材２１が支持部３１ｄ”上に固定される。この組み付けにおいては、脚部２１−４の図示左側面を貫通孔３１ｄ３”の内側面Ｉｎ１１に当接させるとともに、脚部２１−４の図示右側面を貫通孔３１ｄ３”の内側面Ｉｎ１２に当接させながら、反力発生部材２１を軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に押して支持部３１ｄ”に押し込む。これにより、脚部２１−４は、貫通孔３１ｄ３”の内側面と長い距離（すなわち大きな面積）に渡って接触（干渉）することなく、貫通孔３１ｄ３”内に内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２に沿って軸心Ｙｋの方向にスムーズに侵入する。

そして、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接するまで、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ３”内にさらに押し込む。この状態では、上記第７及び第８実施形態の場合と同様に、べース部２１−３の下面とドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する平面とが成す角度θｐ１は、軸心Ｙｗ，Ｙｂと支持部３１ｄ”の板厚方向Ｄｐとが成す角度θｐ２（及び脚部２１−４の軸心Ｙｋと直線Ｌｐとがなす角度θｐ３）に等しい。したがって、ベース部２１−３の下面は板厚方向Ｄｐと直交して支持部３１ｄ”の上面と平行になり、ベース部２１−３の下面全体が支持部３１ｄ”の上面に当接する。また、この状態では、支持部３１ｄ”の前記中間位置における貫通孔３１ｄ３”の内径は脚部２１−４の円柱状部分の外径よりも若干小さいので、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定することができる。さらに、この第９実施形態においても、脚部２１−４の先端部（貫通孔３１ｄ３”の内側面に接触しない部分）以外の部分の外径は同じであり、貫通孔３１ｄ３”の内側面と接触する脚部２１−４の外周面は径方向に主に変形する。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に固定した後には、脚部２１−４の変形した部分が原形に復帰しようとする力は、脚部２１−４の径方向外側に作用する。その結果、この第９実施形態においても、上記第７及び第８実施形態の場合と同様に、ベース部２１−３の下面すなわちドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反対側の平面を支持部３１ｄ”の設置面（上面）に密着させて、反力発生部材２１を支持部３１ｄ”に簡単かつ安定して組み付け及び固定することができる。

前記第９実施形態においては、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２の延設方向を脚部２１−４の軸心Ｙｋの方向と平行にし、かつ内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向を図示型抜き方向である上下方向とした。しかし、この第９実施形態においても、上記第３実施形態の変形例１〜３（図８（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２，Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向は変更可能である。すなわち、内側面Ｉｎ１１が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。また、内側面Ｉｎ２１が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して上方に延設されるとともに、内側面Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して下方に延設されるようにしてもよい。さらに、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、軸心Ｙｋの方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにし、かつ内側面Ｉｎ２１，Ｉｎ２２が、貫通孔３１ｄ３”の内周面に接触する支持部３１ｄ”の中間位置から、図示型抜き方向である上下方向よりも径方向外側に傾斜して上方及び下方にそれぞれ延設されるようにしてもよい。

ｊ．第１０実施形態
次に、上記第１実施形態（図３）の一部を変形した第１０実施形態について、図１５を用いて説明する。この第１０実施形態においても、上記第１実施形態と同様に、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１及びトップ部２１ｗ２，２１ｂ２の軸心Ｙｗ，Ｙｂは上方向にて図示左側に傾斜しているが、ベース部２１−３の厚さは全体に渡って均一である。また、支持部３１ｄの上面及び下面も平面である点、及び支持部３１ｄの板厚が均一である点も上記第１実施形態の場合と同じである。この場合も、白鍵１１ｗ，１１ｂによる反力発生部材２１の押圧方向は、上記第１実施形態と同様に、軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向である。したがって、支持部３１ｄの上面及び下面が、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂによる反力発生部材２１の押圧方向に直交するように、支持部３１ｄが設けられていることになる。すなわち、支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐは、軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向と平行である。

そして、ベース部２１−３以外の反力発生部材２１のドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２及び脚部２１−４の形状、並び支持部３１ｄに貫通孔３１ｄ１の形状も上記第１実施形態の場合と同じである。ただし、この第１０実施形態においては、支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐは脚部２１−４の軸心方向と同じであるので、脚部２１−４の外周面に接する内側面Ｉｎ１を、図１５のように、貫通孔３１ｄ１の図示右側の内側面としてもよいが、図示左側の内側面としてもよい。さらに、他の構成に関しても、上記第１実施形態と同じであるので、上記第１実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。

この第１０実施形態においても、支持部３１ｄには貫通孔３１ｄ１の内側面は、上記第１実施形態と同様に、下方から上方に向かって上下方向に対して外側に広がっている。したがって、この場合も、貫通孔３１ｄ１は支持部３１ｄの下面を境に図示型抜き方向である上下方向に成形型を抜き取ることにより形成される。また、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けも、上記第１実施形態の場合と同様である。したがって、この第１０実施形態においても、上述した第１実施形態と全く同じ効果が得られる。

なお、この第１０実施形態においても、上記第１実施形態の変形例１〜３（図４（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。

ｋ．第１１実施形態
次に、上記第２実施形態（図５）の一部を変形した第１１実施形態について、図１６を用いて説明する。この第１１実施形態においては、ベース部２１−３の厚さを上記第１０実施形態のように全体に渡って均一にしている。すなわち、支持部３１ｄが、その上面及び下面を白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂによる反力発生部材２１の押圧方向に直交させるように設けられている。他の構成は、上記第２実施形態の場合と同じであるので、上記第２実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。ただし、この第１１実施形態においても、支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐは脚部２１−４の軸心方向と同じであるので、脚部２１−４の外周面に接する内側面Ｉｎ１を、図１６のように、貫通孔３１ｄ２の図示左側の内側面としてもよいが、図示右側の内側面としてもよい。

この第１１実施形態においても、支持部３１ｄには貫通孔３１ｄ２の内側面は、上記第２実施形態と同様に、上方から下方に向かって上下方向に対して外側に広がっている。したがって、この場合も、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの上面を境に図示型抜き方向である上下方向に成形型を抜き取ることにより形成される。また、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けも、上記第２実施形態の場合と同様である。したがって、この第１１実施形態においても、上述した第２実施形態と全く同じ効果が得られる。

なお、この第１１実施形態においても、上記第２実施形態の変形例１〜３（図６（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１，Ｉｎ２の延設方向は変更可能である。

ｌ．第１２実施形態
次に、上記第３実施形態の一部を変形した第１２実施形態について、図１７を用いて説明する。この第１２実施形態においては、ベース部２１−３の厚さを上記第１０及び第１１実施形態のように全体に渡って均一にしている。すなわち、支持部３１ｄが、その上面及び下面を白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂによる反力発生部材２１の押圧方向に直交させるように設けられている。他の構成は、上記第３実施形態の場合と同じであるので、上記第３実施形態の場合と同一符号を付して、その説明を省略する。ただし、この第１２実施形態においても、支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐは脚部２１−４の軸心方向と同じである。したがって、図１７のように、脚部２１−４の外周面に接する内側面Ｉｎ１１を貫通孔３１ｄ３の図示右側の内側面としてもよいが、図示左側の内側面としてもよい。また、脚部２１−４の外周面に接する内側面Ｉｎ１２を貫通孔３１ｄ３の図示左側の内側面としたが、図示右側の内側面としてもよい。

この第１２実施形態においても、支持部３１ｄには貫通孔３１ｄ３の内側面は、上記第２実施形態と同様に、中間位置から上方及び下方に向かって上下方向に対して外側にそれぞれ広がっている。したがって、この場合も、貫通孔３１ｄ２は支持部３１ｄの中間位置を境に図示型抜き方向である上下方向に成形型を抜き取ることにより形成される。また、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組み付けも、上記第３実施形態の場合と同様である。したがって、この第１２実施形態においても、上述した第３実施形態と全く同じ効果が得られる。

なお、この第１２実施形態においても、上記第３実施形態の変形例１〜３（図８（Ａ）〜（Ｃ）参照）のように、内側面Ｉｎ１１，Ｉｎ１２，Ｉｎ２１，Ｉｎ２２の延設方向は変更可能である。

ｍ．第１３実施形態
次に、脚部２１−４を支持部３１ｄの貫通孔３１ｄ１に貫通させた後、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１の支持部３１ｄの下面に係合させるようにした第１３実施形態について説明する。図１８（Ａ）は第１３実施形態に係る反力発生部材２１の縦断面図であり、図１８（Ｂ）は図１８（Ａ）の反力発生部材２１の脚部２１−４の先端部の拡大図である。

この反力発生部材２１においては、脚部２１−４の先端近傍の中間部には、全周に渡って外側に張出した係合部２１−４ａが脚部２１−４と一体に設けられている。係合部２１−４ａは、その縦断面形状を略半円形に形成し、その上端部すなわち先端とは反対側の張出し位置を全周に渡って一平面内に位置させている。この平面を、図示２点鎖線Ｋｐで示す。なお、この係合部２−４ａは、反力発生部材２１の成型時に多少の無理抜きより形成される。そして、反力発生部材２１を支持部３１ｄに組み付けた状態では、係合部２１−４ａが、平面Ｋｐ位置にて、支持部３１ｄの下面における貫通孔３１ｄ１の開口部の全周に渡って接触するようになっている。他の構成は、上記第１実施形態と同じであり、同一符号を付して、その説明を省略する。

このように構成した第１３実施形態においても、上記第１実施形態の場合と同様に、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に圧入することにより、反力発生部材２１は支持部３１ｄに固定される。ただし、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に侵入させる際には、脚部２１−４の係合部２１−４ａが貫通孔３１ｄ１の内周面と僅かに干渉するので、上記第１実施形態の場合に比べれば、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に若干貫通させ難い。しかし、前記干渉は僅かであるので、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組付けは問題なく行われる。そして、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの組付け状態では、上記第１実施形態と同様に、ベース部２１−３下面は支持部３１ｄの上面に密着するので、反力発生部材２１は支持部３１ｄに安定して固定される。

また、この第１３実施形態においては、係合部２１−４ａが、貫通孔３１ｄ１の外周側にて支持部３１ｄの下面に全周に渡って接触して係合する。したがって、この場合には、脚部２１−４の貫通孔３１ｄ１からの抜けが防止されて、反力発生部材２１は堅固に支持部３１ｄに固定されるようになる。また、係合部２１−４ａの上端は、平面Ｋｐ内で支持部３１ｄの下面と全周に渡って接触して支持部３１ｄに係合するので、反力発生部材２１の支持部３１ｄへの固定が安定する。

なお、この第１３実施形態のように脚部２１−４に係合部２１−４ａを設けて反力発生部材２１を支持部３１ｄに固定することは、脚部２１−４を支持部３１ｄに設けた貫通孔３１ｄ１の突出側にて係合させるように、貫通孔３１ｄ１の突出側の内径を侵入側の内径よりも小さくした上述した実施形態及び変形例にも適用される。すなわち、図４（Ａ）〜（Ｃ）に示した第１実施形態の変形例１〜３、図９に示した第４実施形態及びその変形例、並びに図１２に示した第７実施形態及びその変形例にも適用される。この点に関しては、下記変形例１〜３においても同様である。

ｍ１．変形例１
次に、前記第１３実施形態の変形例１について、図面を用いて説明する。図１９（Ａ）は変形例１に係る反力発生部材２１の縦断面図であり、図１９（Ｂ）は図１９（Ａ）の反力発生部材２１の脚部２１−４の先端部の拡大図である。

変形例１においては、支持部３１ｄの下面には、貫通孔３１ｄ１の外側にて下方に突出した縦断面形状を３角形とする突出部３１ｄ４が支持部３１ｄと一体形成されている。突出部３１ｄ４の下端面は平面である。貫通孔３１ｄ１は、突出部３１ｄ４内にも連続しており、脚部２１−４の係合部２１−４ａは、前記第１３実施形態と同様に、突出部３１ｄ４の下端面である平面Ｋｐ位置にて、突出部３１ｄ４の下面の貫通孔３１ｄ１の開口部に全周に渡って接触している。他の構成は、上記第１３実施形態と同じであり、同一符号を付して、その説明を省略する。

このように構成した変形例１においても、上記第１３実施形態の場合と同様に、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に圧入することにより、反力発生部材２１は支持部３１ｄに固定されるとともに、ベース部２１−３下面は支持部３１ｄの上面に密着する。また、係合部２１−４ａが、貫通孔３１ｄ１の外周側にて突出部３１ｄ４の下面に全周に渡って接触して係合する。したがって、この変形例１によっても、脚部２１−４の貫通孔３１ｄ１からの抜けが防止されて、反力発生部材２１は堅固に支持部３１ｄに安定して固定されるようになる。

ｍ２．変形例２
次に、前記第１３実施形態の変形例２について説明する。図２０（Ａ）はこの変形例２に係る反力発生部材２１の縦断面図であり、図２０（Ｂ）は図２０（Ａ）の反力発生部材２１の脚部２１−４の先端部の拡大図である。

変形例２においては、貫通孔３１ｄ１の下端部の内周面を、下方に向かって大径になるように全周に渡って縦断面形状を３角形状に切り欠いた凹部（切欠き部）３１ｄ５を有する。なお、この凹部３１ｄ５の形成のために、支持部３１ｄの型成形の際に、凹部３１ｄ５の上端位置を境に支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに型抜きをする必要がある。そして、脚部２１−４の係合部２１−４ａは、前記第１３実施形態と同様に、係合部２１−４ａの上端近傍の平面Ｋｐ位置にて、この凹部３１ｄ５に全周に渡って接触している。他の構成は、上記第１３実施形態と同じであり、同一符号を付して、その説明を省略する。

このように構成した変形例２においても、上記第１３実施形態の場合と同様に、脚部２１−４を貫通孔３１ｄ１に圧入することにより、反力発生部材２１は支持部３１ｄに固定されるとともに、ベース部２１−３下面は支持部３１ｄの上面に密着する。また、係合部２１−４ａが、貫通孔３１ｄ１の内周面に設けた凹部３１ｄ５に全周に渡って接触して係合する。したがって、この変形例２によっても、脚部２１−４の貫通孔３１ｄ１からの抜けが防止されて、反力発生部材２１は堅固に支持部３１ｄに安定して固定されるようになる。

ｍ３．変形例３
次に、第１３実施形態の変形例３について説明する。前記変形例２では、貫通孔３１ｄ１の下端部の内周面を全周に渡って縦断面形状を３角形状に切り欠いた凹部（切欠き部）３１ｄ５を形成するようにした。しかし、この凹部３１ｄ５の縦断面形状は３角形状でない他の形状にすることも可能である。例えば、図２１の変形例３に示すように、支持部３１ｄの下面部に貫通孔３１ｄ１の外側全周に渡って切欠いた、支持部３１ｄの上面及び下面に平行な平面を底面とする凹部（切欠き部）３１ｄ６を設けて、凹部３１ｄ６の底面に係合部２１−４ａを係合させるようにしてもよい。この場合、係合部２１−４ａが支持部３１ｄと係合する平面Ｋｐは、２点鎖線で示すように、凹部３１ｄ６の底面となる。なお、凹部３１ｄ６の形成のために、支持部３１ｄの型成形の際に、平面Ｋｐを境に支持部３１ｄの板厚方向Ｄｐに型抜きをする必要がある。

ｎ．第１４実施形態
上記第１乃至第１３実施形態においては、白鍵１１ｗの鍵支持部３２ｗを黒鍵１１ｂの鍵支持部３２ｂよりも前方に配置するようにした。しかし、白鍵１１ｗの鍵支持部３２ｗと黒鍵１１ｂの鍵支持部３２ｂを前後方向にて同一位置に配置するようにしてもよい。次に、前記のように鍵支持部３２ｗ，３２ｂを配置した第１１実施形態について、図面を用いて説明する。図２２は第１４実施形態に係る鍵盤装置を右から見た概略側面図であり、図２３は前記鍵盤装置の概略平面図である。

この第１４実施形態においては、上記第１実施形態と同様に構成した鍵支持部３２ｗ，３２ｂは、鍵フレーム３１の上板部３１ａの後部の上面であって、前後方向の位置を一致させて配置されている。また、スプリング３４ｗ，３４ｂは、鍵フレーム３１の上板部３１ａの中間部の上面であって、前後方向の位置を一致させて配置されている。そして、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂと延設部１１ｂ２との前後方向における中間位置には、白鍵１１ｗ用の反力発生部材２１ｗ及び黒鍵１１ｂ用の反力発生部材２１ｂが配置されている。反力発生部材２１ｗは、反力発生部材２１ｂよりも若干前方に位置する。そして、白鍵１１ｗの反力発生部材２１ｗに対向する下面には押圧部１１ｗ１が設けられているとともに、黒鍵１１ｂの反力発生部材２１ｂに対向する下面には押圧部１１ｂ１が設けられている。

反力発生部材２１ｗは、複数のドーム部２１ｗ１、複数のトップ部２１ｗ２、ベース部２１−３ｗ及び複数の脚部２１−４ｗからなり、弾性を有するゴムにより一体成形されている。べース部２１−３ｗは上記第１実施形態の反力発生部材２１のべース部２１−３と同様に構成されているが、べース部２１−３ｗ上には、白鍵１１ｗ用の複数のドーム部２１ｗ１及び複数のトップ部２１ｗ２のみが設けられている。また、複数の脚部２１−４ｗは適宜箇所に設けられているが、それらの位置に関しては、上記第１実施形態の脚部２１−４とは異なっていてもよい。反力発生部材２１ｂは、複数のドーム部２１ｂ１、複数のトップ部２１ｂ２、ベース部２１−３ｂ及び複数の脚部２１−４ｂからなり、弾性を有するゴムにより一体成形されている。べース部２１−３ｂは上記第１実施形態の反力発生部材２１のべース部２１−３と同様に構成されているが、べース部２１−３ｂ上には、黒鍵１１ｂ用の複数のドーム部２１ｂ１及び複数のトップ部２１ｂ２のみが設けられている。また、複数の脚部２１−４ｂは適宜箇所に設けられているが、それらの位置に関しては、上記第１実施形態の脚部２１−４とは異なっていてもよい。

このように構成された反力発生部材２１ｗ，２１ｂは、鍵フレーム３１の上板部３１ａの支持部３１ｄｗ，３１ｄｂに設けた貫通孔に脚部２１−４ｗ，２１−４ｂを圧入することにより、支持部３１ｄｗ、３１ｄｂにそれぞれ固定されている。支持部３１ｄｗ，３１ｄｂも、上記第１実施形態の支持部３１ｄと同様に構成され、支持部３１ｄｗ、３１ｄｂには、上記第1実施形態の貫通孔３１ｄ１と同じ貫通孔が形成されている。そして、支持部３１ｄｗ，３１ｄｂは、それらの前端を後端よりも下方に位置させるように傾斜させているが、支持部３１ｄｂの傾斜は支持部３１ｄｗの傾斜に比べて大きい。これにより、ドーム部２１ｂ１及びトップ部２１ｂ２の軸心は、ドーム部２１ｗ１及びトップ部２１ｂ２の軸心よりも上方にて大きく前側に傾斜している。

これは、次の理由による。上述したように、演奏においては、白鍵１１ｗの押鍵時における白鍵１１ｗの前端の下方への変位量と、黒鍵１１ｂの押鍵時における黒鍵１１ｂの前端の下方への変位量とをほぼ等しくする必要がある。一方、この第１４実施形態の場合、白鍵１１ｗの揺動軸Ｃｗと黒鍵１１ｂの揺動軸Ｃｂは前後方向において同じ位置にあり、白鍵１１ｗ用の反力発生部材２１ｗと黒鍵１１ｂ用の反力発生部材２１ｂは近接している。したがって、黒鍵１１ｂの押圧部１１ｂ１の回転方向は白鍵１１ｗの押圧部１１ｗ１の回転方向よりも下方にて大きく後側に傾斜することになる。そして、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反力ピーク時における押圧部１１ｗ１，１１ｂ１による押圧方向が、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の両軸心方向とそれぞれ一致させるためには、ドーム部２１ｂ１及びトップ部２１ｂ２の軸心を、ドーム部２１ｗ１及びトップ部２１ｂ２の軸心よりも上方にて大きく前側に傾斜させる必要があるからである。また、押圧部１１ｗ１，１１ｂ１の下面の法線方向を、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の反力ピーク時にドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の両軸心方向と一致させるために、押圧部１１ｂ１の下面は、押圧部１１ｗ１の下面よりも前方にて大きく上側に傾斜している。他の構成は上記第１実施形態と同じであるので、同一符号を付して、その説明を省略する。

このように構成した第１４実施形態においても、反力発生部材２１ｗ，２１ｂは上記第１実施形態の反力発生部材２１と同様に構成され、脚部２１−４ｗ，２１−４ｂと支持部３１ｄｗ，３１ｄｂに設けた貫通孔との関係も、上記第１実施形態の脚部２１−４と支持部３１ｄに設けた貫通孔３１ｄ１との関係と同じである。したがって、この第１４実施形態によっても、上記第１実施形態と同様な効果が期待される。

なお、この第１４実施形態に係る鍵盤装置を、上記第１実施形態の変形例１〜３、第２乃至第１３実施形態及びそれらの各種変形例のように変形することも可能である。

ｏ．他の変形例及び他の適用例
次に、他の変形例及び本発明の他の適用例について説明する。上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、軸心Ｙｋに直交する脚部２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂの横断面形状を円形とした。しかし、これらの横断面形状は、円形でなくても、楕円、長楕円形などでもよい。この場合、貫通孔３１ｄ１〜３１ｄ３，３１ｄ１’〜３１ｄ３’，３１ｄ１”〜３１ｄ３”の横断面形状を、脚部２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂの横断面形状に対応させるとよい。

また、脚部２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂに、外周面上から軸心Ｙｋに向かって切欠いて軸心Ｙｋに沿って延設させた溝を設けるようにしてもよい。図２４（Ａ）は、第1実施形態の脚部２１−４を変形した反力発生部材２１における脚部２１−４の貫通孔３１ｄ１への侵入状態を示す縦断面図であり、図２４（Ｂ）は図２４（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿って見た横断面図（すなわち、支持部３１ｄの下面近傍から上方に見た脚部２１−４の横断面図）である。この変形例においては、脚部２１−４の外周面上から軸心Ｙｋに向かって３角形状に切欠いて軸心Ｙｋに沿って延設させた４つの溝２１−４ｘが脚部２１−４に設けられている。このように構成した変形例においては、脚部２１−４の軸心方向Ｙｋの一部（この場合、支持部３１ｄの下面位置）の外周面が全周に渡って連続的に貫通孔３１ｄ１の内側面に接触するわけではなく、溝２１−４ｘ（切欠き）を除いた脚部２１−４の外周面の全てが貫通孔３１ｄ１の内側面に接触する。つまり、切欠き部を除いた部分が外周面となる。しかし、これによっても、上記第１実施形態の場合と同様に、反力発生部材２１は、脚部２１−４の外周面と貫通孔３１ｄ１の内側面との係合により、支持部３１ｄに固定される。その結果、この変形例においても、上記第１実施形態と同様な効果が期待される。

また、前記変形例の溝２１−４ｘに代えて、図２４（Ｃ）に示すように、１対の内側面が互いに平行に外周面からほぼ軸心Ｙｋに向かうようにするとともに、先端を半円状にして切欠いて軸心Ｙｋに沿って延設させた１つの溝２１−４ｙを脚部２１−４に設けるようにしてもよい。なお、図２４（Ｃ）は前記図２４（Ｂ）に対応した脚部２１−４の横断面図である。また、このような溝２１−４ｘ，２１−４ｙの数及び切欠き形状は種々に変更可能である。さらに、この溝２１−４ｘ，２１−４ｙは、上記第１実施形態の変形例、上記第２乃至第１４実施形態及びそれらの各種変形例にも適用される。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂに直交する断面形状を円形にしたが、この断面形状は円形に限らず、楕円形、長楕円形などでもよい。なお、この場合も、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１は、周方向の全体に渡り、下方に向かって径方向長さを徐々に増加させた形状である。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂを回転軸を中心に揺動させるようにした例について説明した。しかし、これに限らず、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの後端に板状の薄肉部を設け、薄肉部の後端を支持部材に支持させることにより、薄肉部の弾性変形により白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂを揺動させるようにしたヒンジ型の揺動支点を利用するものでもよい。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂとは独立して反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを設けるようにした。しかし、これに代えて、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂを反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂと同様に構成して、鍵スイッチ３８ｗ，３８ｂを反力発生部材として利用するようにしてもよい。この場合、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１を内側部分と外側部分との２段構成とし、内側部分と外側部分との間に円筒状の変形量の少ないスイッチ部分を設ける。そして、外側部分の変形により押鍵に対して増加する反力を発生するとともにスイッチ部分で基板に設けた接点を開閉するようにし、かつ内側部分の変形により座屈変形を伴う押鍵に対する反力を発生するようにするとよい。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを支持部３１ｄ，３１ｄ’，３１ｄ”，３１ｄｗ，３１ｄｂに固定して、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押圧部１１ｗ１，１１ｂ１により反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを押圧するようにした。しかし、これに代えて、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂに固定して、鍵フレーム３１の上板部３１ａにおける反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂに対向する位置に押圧部を設け、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動により、前記押圧部により反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂが押圧されるようにしてもよい。ただし、この場合には、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂのドーム部２１ｗ１，２１ｂ１、トップ部２１ｗ２，２１ｂ２、ベース部２１−３，２１−３ｗ，２１−３ｂ及び脚部２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂは、上記実施形態の場合とは上下が逆になる。なお、この場合には、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを別々に成形して、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂに個別に固定する必要がある。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂにより反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを直接押圧するようにした。しかし、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動により連動して揺動する揺動体が間接的に反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを押圧するようにした鍵盤装置にも、本発明に係る反力発生装置は適用され得る。すなわち、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動により連動して揺動する揺動体（例えば、ハンマー）を設け、揺動体に押圧部を設けるとともに、支持部材の押圧部に対向する位置に反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを設ける。これによっても、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押離鍵操作に対して、上記各種実施形態及びそれらの変形例と同様な効果を期待できる。また、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを揺動体側に設けて、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂに対向する位置に押圧部を設けるようにしてもよい。

また、上記各種実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂがほぼ上下方向に延設されるように、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを固定する例について説明した。しかし、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂが上下方向でない方向に延設されるように、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂが固定される場合もある。例えば、白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの揺動軸Ｃｗ，Ｃｂの近傍から白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの延設方向（すなわち水平方向）と異なる方向（例えば、直角方向）に一体的に延設する延設部材を白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂに設けて、延設部材が白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂの押鍵により延設方向とほぼ直角方向（例えば、略水平方向）に揺動するようにする。この場合、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを前記延設部材に固定し、又は前記延設部材に対向する位置に固定すると、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂが上下方向以外の方向（例えば、水平方向）となるように、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂは固定されることになる。また、ハンマーなどの揺動体を用いる場合にも、揺動体の揺動方向によっては、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の軸心Ｙｗ，Ｙｂは上下方向以外の方向になるように、反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂは固定されることになる。要するに、本発明においては、ドーム部２１ｗ１，２１ｂ１の開口側にて反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを支持部材に固定すればよく、軸心Ｙｗ，Ｙｂの方向に関しては、上下方向以外の種々の方向が考えられる。

さらに、本発明に係る反力発生装置は、鍵盤装置の白鍵１１ｗ及び黒鍵１１ｂ以外の操作子にも適用され得る。すなわち、手、足などにより操作される操作子に対しても、上記実施形態及び変形例のような反力発生部材２１，２１ｗ，２１ｂを用いて、操作子の操作に対して反力を与えるようにしてもよい。なお、この場合の操作子は、揺動中心を中心にして揺動するものに限らず、ドーム部の軸心方向に沿って平行移動するような操作子であってもよい。

１１ｗ…白鍵、１１ｂ…黒鍵、１１ｗ１，１１ｂ１…押圧部、２１，２１ｗ，２１ｂ…反力発生部材、２１ｗ１，２１ｂ１…ドーム部、２１ｗ２，２１ｂ２…トップ部、２１−３，２１−３ｗ，２１−３ｂ…ベース部、２１−４，２１−４ｗ，２１−４ｂ…脚部、２１−４ａ…係合部、３１…鍵フレーム、３１ａ…上板部、３１ｄ，３１ｄ’，３１ｄ”，３１ｄｗ，３１ｄｂ…支持部、３１ｄ１〜３１ｄ３，３１ｄ１’〜３１ｄ３’，３１ｄ１”〜３１ｄ３”…貫通孔、３１ｄ４…突出部、３１ｄ５，３１ｄ６…凹部（切欠き）、３２ｗ，３２ｂ…鍵支持部、３４ｗ，３４ｂ…スプリング、Ｙｂ，Ｙｗ…ドーム部の軸心（軸心方向）、Ｙｋ…脚部の軸心（軸心方向）、Ｄｐ…板厚方向、Ｉｎ１，Ｉｎ11，Ｉｎ12，Ｉｎ２，Ｉｎ21，Ｉｎ22…内側面、Ｋｐ…係合面（平面）、Ｌｐ…直線

Claims (8)

1. 弾性体により一体形成されていて、
   軸心方向の一端部から軸心方向の他端部に向かって径方向長さを徐々に増加させ、かつ軸心方向の他端部を開口させてドーム状に形成されていて、軸心方向の押圧により弾性変形して弾性変形量に応じた反力を発生するドーム部、
   前記ドーム部の他端部に接続されて外側に延設され、前記ドーム部と反対側の面を平面に形成したベース部、及び
   前記ベース部の前記ドーム部と反対側の面と平行な断面の形状及び大きさを軸心に沿って所定長さに渡り同一に保って、前記ベース部の前記ドーム部と反対側の面から軸心を前記ドーム部の軸心方向と平行にして延設させた柱状の脚部を有する反力発生部材と、
   前記ベース部の前記ドーム部と反対側の面を設置させる設置面を有するとともに、前記設置面から他方の面に貫通する貫通孔を有し、前記設置面を平面に形成した支持部材とを備え、
   前記脚部を前記貫通孔に侵入させ、かつ前記ベース部の前記ドーム部と反対側の面を前記設置面に密着させて、前記反力発生部材を前記支持部材に固定するようにした反力発生装置であって、
   前記脚部の軸心方向の一部における外周面を前記貫通孔の内側面に接触させて前記反力発生部材を前記支持部材に固定し、かつ前記貫通孔の内側面の少なくとも一部を前記脚部の外周面に接触する位置から前記脚部の軸心方向よりも径方向外側に傾斜して延設させるように、前記貫通孔を形成したことを特徴とする反力発生装置。
2. 前記貫通孔の内側面の一部を、前記脚部の外周面に接触する位置から前記脚部の軸心方向に延設させるようにしたことを特徴とする請求項１に記載の反力発生装置。
3. 前記脚部を前記貫通孔に侵入させる前の状態では、前記脚部の軸心方向の一部の外周面に接触する位置の前記貫通孔の内径を、前記脚部の軸心方向の一部の外周面の外径よりも小さくした請求項１又は２に記載の反力発生装置。
4. 前記脚部の外周面に接触する位置は、前記支持部材の設置面位置、前記支持部材の設置面とは反対側の面位置、又は前記設置面と前記反対側の面の中間位置である請求項１乃至３のうちのいずれ一つに記載の反力発生装置。
5. 前記脚部の外周面に接触する位置は、前記支持部材の設置面とは反対側の面位置又は前記反対側の面位置の近傍位置であり、
   前記脚部の軸心方向の中間部分に、外側に張出して、前記支持部材の設置面とは反対側の面位置又は前記反対側の面位置の近傍位置にて、前記支持部材に係合する係合部を設けた請求項１乃至３のうちのいずれか一つに記載の反力発生装置。
6. 前記係合部は、外周面において、一平面上で前記支持部材に接触して係合する請求項５に記載の反力発生装置。
7. 前記一平面は、前記ベースの前記ドーム部とは反対側の面に平行である請求項４に記載の反力発生装置。
8. 前記ドーム部は、鍵盤楽器における鍵の操作によってそれぞれ軸心方向に押圧されて、押圧開始から徐々に弾性変形して弾性変形量の増加に従って反力を徐々に増加させ、反力がピークに達した後に座屈変形して反力を急激に減少させる請求項１乃至７のうちのいずれか一つに記載の反力発生装置。

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