JP2015132475A - 電子走査式光源走査装置及び方法 - Google Patents

電子走査式光源走査装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体発光素子(半導体レーザー、発光ダイオード)を複数個マトリクス状に配列し、その点灯する組み合わせとタイミングを半導体素子により電子的あるいはソフトウェアにより制御し、発光された光をレンズによって光学的に所望の倍率で空間的に結像することによって、所定の方向に、かつ可変できる走査速度で所望の強度の移動する光ビームの生成する手段を提供する。【解決手段】半導体発光素子(半導体レーザー、発光ダイオード)を直線アレイ状に配置したものを複数のチャンネル設け、各列の点灯のタイミングと持続時間をパーソナルコンピュータまたはディジタル回路により制御することにより、任意の速度で所定の範囲を線状の光ビームの走査を可能にする。【選択図】図1

Description

本発明は非破壊検査に応用されるサーモグラフィー用の光ビーム走査装置及び方法に関するものである。
光を物質に照射して、熱に転換されたエネルギーをそこから放出される赤外放射としてとらえるサーモグラフィーは、内部が見えない固体試料内部の非破壊検査に応用されてきた。
測定対象試料に光ビームを照射するアクティブ・サーモグラフィー装置においては、試料全面を照射する手法 [文献1]、試料に点状ビームを収束して照射する手法[文献2]、ならびに試料に線状ビームを収束して照射する手法[文献3]の3つが知られている。第1の手法は測定時間の点でもっとも有利であるが、試料が熱拡散の大きな試料の場合、横方向の拡散のために熱画像がぼけるのが大きな問題である。第2の手法では、熱画像の空間分解能の点では最も有利であるが、測定時間が長いのが欠点である。第3の線状に光ビームを収束する手法は第1と第2の手法の長所を兼ね備えており、近年製品も開発されている[文献4]。
L.D.Fsavro, T.Ahmed, H.J.Jin,P.K.Kuo and R.L.Thomas:Photoacoustic and photothermalphenomena II, 490 (1990). C.Grass and D.Balageas: Proc.,QIRT-92, 19, 1992. T. Hoshimiya, J. Hoshimiyaand M.Tsuda: Proc., QIRT-2012, 186, 2012.
アクティブ・サーモグラフィーでは試料に対して光ビームを走行させる必要があり、これまでのものは機械的に走査を行っており、そのための装置は高価で重量も大きいものであった。本発明は、このような重大な技術上の隘路の問題を解決するものである。
本発明は、半導体発光素子(半導体レーザー、発光ダイオード)を複数個マトリクス状に配列し、その点灯する組み合わせとタイミングを半導体素子により電子的あるいはソフトウェアにより制御し、発光された光をレンズによって光学的に所望の倍率で空間的に結像することによって、所定の方向に、かつ可変できる走査速度で所望の強度の移動する光ビームの生成を実現するものである。
本発明で予想される装置の仕様は、次のようなものである。制御用ノートPC(LabVIEWインストール)はA4版サイズで1.0〜3.0kg程度。入出力デバイスは、IEEE1394またはUSB入出力で電源不要で軽量、直流安定化LD/LED電源は5V, 1A 程度だから、バッテリーでも駆動可。LD/LEDホルダー/レンズはアルミ製/プラスチック製で軽量。サーモトレーサーは可般型でバッテリー動作可能。
この手法によって、従来機械的スライドステージなどの効果で重量のある走査機器を必要としていた非破壊検査装置を、電子工学・情報工学的な制御によって、より軽量で安価な製品を実現して、従来の課題を解決するものである。
本発明は大型レーザーや高額な走査機構を用いずに、電子的発光デバイスを多数個用いて、安全かつ低価格な非破壊検査機器を開発する効果がある。
本検査装置は、そのシステム構成から、X線や超音波、磁気などを使った他の非破壊検査装置に比べ、装置として安価であることや特に技術的な知識やノウハウの蓄積の少ない人でもパソコンを取り扱うような手軽さで操作することが可能であることから汎用的に普及するものと期待される。
図1は本発明の請求項の1の説明をなすもので、基本的な構成を示したものである。 図2は本発明の請求項1の説明をなすもので、請求項に述べるサーモグラフィー用の光ビーム走行装置の電気信号の発生のタイミングの説明を示したものである。 図3は本発明の請求項1ならびに3の手法によるアクティブサーモグラフィー装置を用い、複数のチャンネルを有するアナログ出力端子を用いて複数のLEDからの光を試料に照射した場合の温度波形の一例を示したものである。
以下に、本発明をアクティブ・サーモグラフィー装置に応用した場合について、本発明の原理ならびに実施形態を図面に基づいて説明する。
図1の様に信号発生用パーソナルコンピューター1で発生した電気信号を複数の出力チャンネルを有する入出力装置2から出力する。各チャンネルから発生した電気信号はそれぞれ時系列として、M個のエレメントをもつN列に配列された発光ダイオード(LED)またはレーザーからなるマトリックス状光源およびその保持部3に入力し、時間的に変化する光源を生成する。個々から発生した光はレンズを含む結像光学系4により、所定の倍率で検査試料5の表面に結像される。もし、一定の時間間隔で等間隔に配置された光源が切り替えられるならば、結像される1列の線状光源は一定の速度で走査されることになる。試料の加熱によって発生した赤外線信号は、画像としてサーモカメラ6によりリアルタイムで画像化され、信号処理用パーソナルコンピューター7で処理される。
図2は、走査速度の計算式を示したものである。全部でN列ある線状光源が空間的に等間隔ΔLで配置しているものとする。この間隔は試料表面に結像される光源の像の大きさで決定されるので、その大きさはレンズの公式
(数1)
1/a+1/b=1/f , m=b/a
で決定される。ここにaはレンズから光源までの距離、bはレンズから試料表面までの距離、fはレンズの焦点距離、mは元の光源と結像される像との倍率を表す。
それぞれのチャンネルの発光パルスの持続時間をτ、チャンネル間の発光時間間隔をTとすると、線状に配列され、レンズで結像された光ビームの試料面での走行速度vは式
(数2)
V=ΔL/T
で決定される。
図3はプログラミングにより、アナログ出力端子から1秒間の電流を流した場合に複数のLEDからの光を試料に照射した場合の温度波形の一例である。画像の取得レートはリアルタイム(1秒間に30フレーム)であるので、330フレームは11秒に相当する。電流に対応して約1秒間の温度上昇が得られている。
電子的走査はソフトウェアではなくディジタル回路を用いて行うこともできる。
可搬型サイズの非破壊検査測定器が実現できれば、地震や津波などの震災により多数生じる自動車や航空機の部品、石油やガス供給施設の配管や部材などの内部亀裂や腐食などを早急に且つ簡便に非破壊的に検査できる機器の普及が強く望まれている。放射線検査は危険かつ資格が必要であり、超音波検査は機器が高額で欠陥の判別には熟練を要し、其々一般に広く普及する上で問題となっている。
本発明は、複数個組合せた高輝度発光ダイオードや半導体レーザーによる光ビームで試料面上を走査する新しいサーモグラフィー手法により、金属部品や部材の内部欠陥や腐食などを非破壊的に検査することが可能となることが期待できる。
1 信号発生用パーソナルコンピューター
2 入出力装置
3 光源保持部
4 レンズを含む結像光学系
5 検査試料
6 サーモカメラ
7 熱画像・温度波形処理用パーソナルコンピューター

Claims (4)

  1. 複数個の半導体発光素子(1)を配列にし、その点灯をマトリクス状の半導体素子(2)により電子的に制御し、さらにそこから発光した光を球面レンズあるいはシリンドリカルレンズ(3)によって結像することによって、対象となる固体試料(4)表面に、点状の光線あるいは線状の光ビームを任意の時刻および時間幅で、かつ任意の配置ならびに順序で、発生させることを特徴とする装置。
  2. 複数個の半導体発光素子を配列にし、その点灯をマトリクス状の半導体素子およびソフトウェアにより制御し、さらにそこから発光した光を球面レンズあるいはシリンドリカルレンズによって結像することによって、対象となる固体試料表面に、点状の光線あるいは線状の光ビームを任意の時刻および時間幅で、かつ任意の配置ならびに順序で、発生させることを特徴とする装置。
  3. 請求項1、あるいは2の原理を応用し、照射位置の組み合わせの選択、ならびに光学系の調整によって試料に任意の寸法の直線状の光ビームを結像して所定の方向に任意の速度で走査し、かつ熱画像を取得することを特徴とするアクティブサーモグラフィー装置。
  4. 請求項1、あるいは2の原理を応用し、照射位置の組み合わせの選択、ならびに光学系の調整によって試料に任意の寸法の直線状の光ビームを結像して所定の方向に任意の速度で走査し、かつ光音響像を取得することを特徴とする光音響トモグラフィー装置。

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