本発明は、空気調和システムおよび空調管理プログラムに関する。
近年、スマートフォンに専用のプログラムをダウンロードし、空気調和機の運転状況を外出先から確認することができる空気調和システムが生まれてきている。例えば、特許文献1(特開2004−289505号公報)には、携帯電話などから通信ネットワークを介して遠隔にある空気調和機の操作ができるシステムが開示されている。
上記の特許文献1(特開2004−289505号公報)に開示されているシステムでは、利用者が、IDおよびパスワードを入力して、制御用プログラムのダウンロード要求を行い、携帯電話に制御用プログラムをダウンロードさせる必要がある。そして、制御対象の機器が新しくなったときには、その機器に対応する最新の制御用プログラムをダウンロードし直すことで、新しい機器の各機能が使えるようになる。
近年市販されている空気調和システムにおいても、空調管理用の専用プログラムに関しては、最新のバージョンのプログラムをダウンロードするように、或いはバージョンアップをするように、指導が為されている。
しかし、利用者は、必ずしも新しい空気調和機が発売されるたびに買い換えを行うわけではなく、数年間は同じ空気調和機を使い続けることが多い。それにも関わらず、毎年のように全ての利用者に空調管理用のプログラムのダウンロードやバージョンアップの作業を強要することは、ユーザーの利便性に反することになる。
本発明の課題は、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせることが抑制される空気調和システムおよび空調管理プログラムを提供することにある。
本発明の第1観点に係る空気調和システムは、複数の機能を有する空気調和機と、携帯端末と、情報仲介装置とを備えている。携帯端末は、空気調和機のユーザーが携帯するものであって、空気調和機を管理する空調管理プログラムを有している。情報仲介装置は、公衆回線を利用して、空気調和機と携帯端末との間で情報のやりとりを行わせる。空気調和機は、自己が有する機能に関する情報である保有機能情報を記憶している。そして、携帯端末の空調管理プログラムは、情報仲介装置を介して保有機能情報を読み取り、その保有機能情報に応じて、携帯端末のディスプレイに表示させる空気調和機管理画面を生成する。
この空気調和システムでは、空気調和機に、保有機能情報を記憶させている。そして、その保有機能情報を読み取って空気調和機管理画面を生成した空調管理プログラムが、携帯端末のディスプレイに空気調和機管理画面を表示させる。従来は、空気調和機が新しくなるたびに、それに合った新バージョンの空調管理プログラムを携帯端末にダウンロードさせる必要があったが、本発明に係る空気調和システムでは、新しくなった空気調和機が記憶している保有機能情報を用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理プログラムに持たせているため、携帯端末の空調管理プログラムを更新する必要がなくなる。すなわち、本発明に係る空気調和システムによれば、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせてしまうことが抑制される。
本発明の第2観点に係る空気調和システムは、第1観点に係る空気調和システムにおいて、情報仲介装置は、中間機器と、サーバ機器とを有している。中間機器は、空気調和機と接続される機器である。中間機器は、保有機能情報を含む空気調和機の情報を、サーバ機器に送る。サーバ機器は、公衆回線を介して携帯端末および中間機器と接続される機器である。サーバ機器は、携帯端末の要求があったときに、空気調和機の情報を携帯端末に送る。
ここでは、情報仲介機器が、少なくとも中間機器およびサーバ機器から構成されている。そして、公衆回線を介して携帯端末と接続されるサーバ機器が、携帯端末の要求に応じて、中間機器から送られてきている空気調和機の情報を携帯端末に送る役割を果たす。このように、携帯端末の要求を受けるサーバ機器を空気調和機に直に接続するのではなく、サーバ機器と空気調和機との間に中間機器を配しているため、ここでは、公衆回線を介したサーバ機器との接続機能を空気調和機に持たせる必要がなくなる。これにより、空気調和機から公衆回線を介したサーバ機器との接続機能を外し、保有機能情報を空気調和機に記憶させておくだけで、空気調和機を遠隔から携帯端末で管理することが可能になる。
本発明の第3観点に係る空気調和システムは、第2観点に係る空気調和システムにおいて、携帯端末の空調管理プログラムは、空気調和機を操作する操作コマンドをサーバ機器に送る操作機能、および/又は、空気調和機を操作する操作コマンドを中間機器に送る操作機能を有している。サーバ機器は、携帯端末から操作コマンドを受け取り、中間機器が接続されたときに中間機器に操作コマンドを送る。中間機器は、携帯端末又はサーバ機器から操作コマンドを受け取ると、空気調和機に操作コマンドを送って空気調和機を操作する。
ここでは、ユーザーは、携帯端末から空気調和機を操作することができる。
本発明の第4観点に係る空気調和システムは、第2観点又は第3観点に係る空気調和システムにおいて、中間機器は、空気調和機の情報を、サーバ機器に定期的に送る。
空気調和機および中間機器がユーザーの自宅に配備され、サーバ機器がユーザーの自宅外に配備される場合には、通信のセキュリティの制約で、サーバ機器が主体的に中間機器や空気調和機に対して情報を取得しにいくことが出来ないことがある。しかし、この空気調和システムにおいては、空気調和機の情報が定期的に中間機器からサーバ機器へと送られるため、サーバ機器は、比較的新しい空気調和機の情報を保持することになる。したがって、サーバ機器から空気調和機の情報を送ってもらう携帯端末においても、新しい空気調和機の情報に基づいた空気調和機管理画面を得ることができる。
本発明の第5観点に係る空気調和システムは、第2観点から第4観点のいずれかに係る空気調和システムにおいて、中間機器は、サーバ機器に対して携帯端末から最初にアクセスがあったときに、保有機能情報を含む空気調和機の情報を、サーバ機器に送る。サーバ機器は、中間機器に対して識別符号を付与し、中間機器から送られてくる空気調和機の情報を管理する。
ここでは、中間機器に識別符号を付与して、その識別符号を用いてサーバ機器における空気調和機の情報の管理が行われる。ユーザーは、最初に携帯端末からサーバ機器にアクセスすれば、それをトリガーにしてサーバ機器における空気調和機の情報の管理が始まるため、その後は携帯端末からサーバ機器に要求を送って空気調和機の情報を入手することが可能になる。
本発明の第6観点に係る空気調和システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る空気調和システムにおいて、保有機能情報は、第1情報から第5情報のうち少なくとも1つの情報を含んでいる。第1情報は、積算運転時間を計測する時間計測機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第2情報は、消費電力を計測する電力計測機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第3情報は、洗濯物を乾燥させるための乾燥運転機能を空気調和機が有している否かの情報である。第4情報は、空気調和機の近くに居る人の存在を検知する人検知機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第5情報は、遠隔操作によって空気調和機の風向きを変更する風向き変更機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。
ここでは、例えば保有機能情報が第1情報を含んでいる場合、現行の空気調和機が時間計測機能を持っており、次期発売の空気調和機が時間計測機能を持たないときに、ユーザーは、空気調和機を買い換えたときにも、現行の空気調和機を管理する携帯端末の空調管理プログラムを更新しなくて済む。携帯端末の空調管理プログラムは、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報から時間計測機能を備えていないことを認識できるため、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。また、ユーザーが空気調和機を買い増したときには、携帯端末の空調管理プログラムは、現行の空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を行う空気調和機管理画面を生成し、新しい空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。
本発明の第7観点に係る空調管理プログラムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る空気調和システムの携帯端末において実行される、空気調和機を管理するための空調管理プログラムである。この空調管理プログラムは、情報要求部と、情報取得部と、画面生成部とを備えている。情報要求部は、情報仲介装置に対して、保有機能情報を含む空気調和機の情報を要求する。情報取得部は、情報仲介装置から、空気調和機の情報を受け取る。画面生成部は、情報取得部が受け取った空気調和機の情報に基づいて、保有機能情報に適した空気調和機管理画面を生成する。
この空調管理プログラムは、保有機能情報を含む空気調和機の情報を受け取ることができ、保有機能情報に適した空気調和機管理画面を生成するため、保有機能が異なる空気調機であっても好適な空気調和機管理画面を携帯端末のディスプレイに表示させることができる。
本発明の第1観点に係る空気調和システムによれば、新しくなった空気調和機が記憶している保有機能情報を用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理プログラムに持たせているため、携帯端末の空調管理プログラムを更新する必要がなくなり、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせることが抑制される。
第2観点に係る空気調和システムによれば、公衆回線を介したサーバ機器との接続機能を空気調和機に持たせる必要がなくなる。
第3観点に係る空気調和システムによれば、ユーザーは、携帯端末から空気調和機を操作することができる。
第4観点に係る空気調和システムによれば、サーバ機器が比較的新しい空気調和機の情報を保持することになり、サーバ機器から空気調和機の情報を送ってもらう携帯端末においても、新しい空気調和機の情報に基づいた空気調和機管理画面を得ることができる。
第5観点に係る空気調和システムによれば、ユーザーは、最初に携帯端末から中間機器にアクセスすれば、その後は携帯端末からサーバ機器に要求を送って空気調和機の情報を入手することが可能になる。
第6観点に係る空気調和システムによれば、ユーザーは、例えば空気調和機を買い換えたときにも、現行の空気調和機を管理する携帯端末の空調管理プログラムを更新しなくて済む。
第7観点に係る空調管理プログラムによれば、保有機能が異なる空気調機であっても好適な空気調和機管理画面を携帯端末のディスプレイに表示させることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和システムの概略構成図。
空気調和機の制御部およびそれに接続されたアダプタの制御ブロック図。
携帯端末の制御部およびサーバの制御ブロック図。
空気調和機の保有機能情報の内容を示す図。
サーバのアダプタ別データベースに格納されているデータの内容を示す図。
初期設定時にスマートフォンのタッチパネルに表示される空気調和機の一覧画面を示す図。
初期設定時にスマートフォンのタッチパネルに表示される空気調和機の設定画面を示す図。
ユーザーが選択した空気調和機の空気調和機管理画面の一例を示す図。
消費電力の計測機能を持たない空気調和機の空気調和機管理画面の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空気調和システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
(1)空気調和システムの概略構成
図1に、空気調和システム100の全体構成を示す。空気調和システム100は、情報仲介装置としてのサーバ40およびアダプタ20a,20b,・・・を介して、ユーザーが保有する携帯端末50から所望の空気調和機10a,10b,・・・の情報を取得したり、所望の空気調和機10a,10b,・・・を操作したりするためのシステムである。
インターネットを含む公衆回線80と、建物30内に敷設されているローカルエリアネットワーク(以下、LANという)81とを接続するルータ21が、建物30に設置されている。LAN81は、ルータ21の機能を利用した無線LANであり、空気調和機10a,10b,・・・に有線で接続されたアダプタ20a,20b,・・・が無線接続されている。なお、アダプタ20a,20b,・・・の他に、建物30内で使用される図示しないパソコン、プリンタ等のネットワーク機器がLAN81に更に接続されていてもよい。
携帯端末50によるサーバ40を介した空気調和機10a,10b,・・・の管理をするためには、事前に各空気調和機10a,10b,・・・をサーバ40に登録しておく必要がある。
なお、理解を容易にするため、図1には建物30を1つだけ示しているが、実際の空気調和システム100には、複数の建物30に散在する空気調和機10a,10b,・・・が含まれる。すなわち、公衆回線80によって建物30の遠隔に設置されているサーバ40は、空気調和機の製造会社や販売会社、あるいはメンテナンス会社によって運営されるものであり、多数の建物30内の空気調和機の情報がサーバ40内に蓄積されている。
(2)空気調和システムの詳細構成
(2−1)空気調和機
図1に示すように、空気調和機10a,10b,・・・は、建物30の各部屋30a,30b,・・・の中に設置される室内機11a,11b,・・・と、建物30の外に設置される室外機12a,12b,・・・とから構成されている。なお、室内機11a,11b,・・・は、後述するアダプタ20a,20b,・・・と1対1で接続されている。
空気調和機10aと、他の空気調和機10b,・・・とは、基本構成が同じである。以下、空気調和機10aを例にとって説明を行う。
室内機11aと室外機12aとは、冷媒配管を介して接続されており、図示しない圧縮機や熱交換器等から構成される冷媒回路を形成している。
図2に示すように、空気調和機10aは、各種センサを有している。例えば、室内機11aは、室内機11aの設置されている部屋30aの温度を検出する室内温度センサ14aを有している。また、室内機11aは、空気調和機10aの運転中に、その部屋30aに居る人の有無を検知する人検知センサ14cを有している。人検知センサ14cとしては、例えば赤外線センサが採用される。一方、室外機12aは、建物30付近の外気の温度を検出する外気温度センサ14bを有している。
また、空気調和機10aは、制御部13を有している。制御部13は、空気調和機10aに含まれる室内機11aおよび室外機12aの制御ユニットから構成されている。
制御部13は、リモコン15を介して部屋30aに居るユーザーから入力される空気調和機10aに対する運転指令に従って、空気調和機10aの運転を制御する、すなわち、冷媒回路に含まれる圧縮機等の動作を制御する。
また、制御部13は、空気調和機10aに関する機器データ25aをアダプタ20aに送信する。例えば、制御部13は、リモコン15を介して入力された室内機11aに対する制御指令の内容を示すデータを、アダプタ20aに送信する。運転指令の内容を示すデータとは、空気調和機10aの運転開始/運転停止、運転モード(冷房モード、暖房モード、送風モードなど)、設定温度、などである。アダプタ20aに送られる機器データ25aには、後述する保有機能情報18a、積算運転時間18b、消費電力18cなども含まれている。
また、制御部13は、室内温度および外気温度に関する温度データ25bを、更にアダプタ20aに送信する。具体的には、制御部13は、室内温度センサ14aによって検出された室内温度データ、および外気温度センサ14bによって検出された外気温度データを、アダプタ20aに送信する。
また、制御部13は、人検知センサ14cの検知結果に基づいて、室内機11aの設置された部屋30aにおける人の有無を判断する。具体的には、制御部13は、人検知センサ14cによって所定時間(例えば5分)継続して人の存在が検知されない場合には、部屋30aに人が居ない不在状態であると判断する。一方で、制御部13は、不在状態であると判断した後に、人検知センサ14cによって人が検知された場合には、部屋30aに人が居る在室状態であると判断する。そして、制御部13は、これら判断結果である不在/在室に関するデータ25cを、アダプタ20aに送信する。
また、制御部13は、アダプタ20aから送信されてくる制御指令を実行する。アダプタ20aから送信されてくる制御指令とは、例えば、室内機11aに対する運転指令や、特定の機器データをアダプタ20aに送信するよう命じる指令である。
制御部13は、CPUの他に、RAMやROMから成る記憶部18を備えている。記憶部18には、ROMに記憶された保有機能情報18a、RAMに記憶された積算運転時間18bや消費電力18cなどが存在している。積算運転時間18bは、タイマ17によりカウントされた空気調和機10aの累積の運転時間である。消費電力18cは、電力計14dによって計測された空気調和機10aの消費した電力である。
保有機能情報18aは、空気調和機10aが保有する機能に関する情報である。保有機能情報18aは、図4に示すように、空気調和機が備え得る多数の機能のうち、その空気調和機10aが実際に保有している機能、保有していない機能を区別した情報である。空気調和システム100においては、保有機能情報18aが、第1情報(図4の記号XX1)、第2情報(図4の記号XX2)、第3情報(図4の記号XX3)、第4情報(図4の記号XX4)および第5情報(図4の記号XXX)を含んでいる。第1情報は、積算運転時間を計測する時間計測機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第2情報は、消費電力を計測する電力計測機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第3情報は、洗濯物を乾燥させるための乾燥運転機能を空気調和機10aが有している否かの情報である。第4情報は、空気調和機10aの近くに居る人の存在を検知する人検知機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第5情報は、遠隔操作によって空気調和機10aの吹出空調空気の風向きを変更する風向き変更機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。図4に示す保有機能情報18aによれば、空気調和機10aは、洗濯物乾燥運転を行う機能と、遠隔操作による風向き変更機能とは備えておらず、積算運転時間の計測機能、消費電力の計測機能および人検知機能を備えていることがわかる。
上述のように、保有機能情報18aは、機器データ25aの一部としてアダプタ20aに送られ、アダプタ20aの記憶部24aに記憶される。
(2−2)情報仲介装置
情報仲介装置は、公衆回線80を利用して、空気調和機10a,10b,・・・と携帯端末50との間で情報のやりとりを行わせるための装置である。空気調和システム100では、情報仲介装置が、アダプタ20a,20b,・・・、ルータ21、およびサーバ40から構成されている。
(2−2−1)アダプタ
アダプタ20a,20b,・・・は、空気調和機10a,10b,・・・をLAN81に接続するためのネットワークアダプタであって、本実施形態では室内機11a,11b,・・・に外付けされている。なお、アダプタ20a,20b,・・・は室内機11a,11b,・・・に内蔵されていてもよい。
アダプタ20aと、他のアダプタ20b,・・・と全く同じ構成である。以下、アダプタ20aを例にとって説明を行う。
アダプタ20aは、図2に示すように、CPUの他に、無線通信部22aや記憶部24aを有している。アダプタ20aは、ネットワーク間での通信プロトコルの相違を吸収する通信機能の他、空気調和機10a,10b,・・・を制御する制御機能を有している。アダプタ20aは、室内機11aの制御部13と有線で接続されており、また図示は省略しているが室内機11aから電源を受けて作動する。
記憶部24aには、機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などが記憶されている。上述のように、これらのデータ25a,25b,25c,・・・は、空気調和機10aからアダプタ20aに送信されてくる空気調和機10aに関するデータである。そして、アダプタ20aは、定期的に(ここでは1分毎に)、それらのデータ25a,25b,25c,・・・を空気調和機10aの情報としてまとめ、公衆回線80を介してサーバ40に送信している。
また、記憶部24aには、サーバアドレスが予め記憶されている。さらに、記憶部24aには、サーバ40によってアダプタ20aに対して割り当てられた機器IDも記憶される。アダプタ20aの識別符号である機器IDは、サーバ40でアダプタ20aを一意に識別する情報となる。
(2−2−2)ルータ
ルータ21は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、両ネットワークを相互接続させる通信機器である。ルータ21は、アダプタ20a,20b,・・・がLAN81に接続されると、アダプタ20a,20b,・・・の存在を自動的に検出し、アダプタ20a,20b,・・・のネットワーク情報の登録を行う。これにより、アダプタ20a,20b,・・・は、LAN81内の他のネットワーク機器、および公衆回線80上(インターネット上)のネットワーク機器との通信が可能になる。
この空気調和システム100においては、ルータ21が建物30内のLAN81を構築する役割も果たしている。
(2−2−3)サーバ
サーバ40は、空調管理サービスを行うために公衆回線80上(インターネット上)に設けられた、サーバソフトウェアを稼働させるコンピュータである。図3に示すように、サーバ40は、記憶部43を有している。
記憶部43には、空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを蓄積するためのデータベースが存在する。具体的には、記憶部43には、アダプタ別データベース43aが存在する。サーバ40は、アダプタ20aから定期的に送られてくる空気調和機の機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などを、アダプタ別に蓄積している。このアダプタ別データベース43aでは、図5に示すように、空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データが、それらの空気調和機10a,10b,・・・に接続されているアダプタ20a,20b,・・・に割り当てられた機器IDに関連付けられた態様で格納されている。
なお、アダプタ別データベース43aでは、アダプタの接続された空気調和機の情報が、そのアダプタとは異なる関連アダプタが接続されている空気調和機の情報と一緒に、1つのレコードとして格納されている。例えば、後述するように、同じ携帯端末50から初期設定が為された2つのアダプタ20a,20bがあるときに、両アダプタ20a,20bは相互に関連する関連アダプタであるとサーバ40は認識する。
また、アダプタ別データベース43aには、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーによる各種設定情報も格納されている。登録された空気調和機10a,10b,・・・が接続されているアダプタ20a,20b,・・・の機器ID、空気調和機10a,10b,・・・に対してユーザーが任意で設定した機器名称、空気調和機10a,10b,・・・が保有する機能に関する保有機能情報18a、空気調和機10a,10b,・・・の設定温度、空気調和機10a,10b,・・・の外部からの操作の可否(ON/OFF)、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーに割り当てられているログインIDおよびパスワードを含むユーザーの個人情報、などが1つのレコードとして格納されている。パスワードは、ユーザーが公衆回線80経由でサーバ40にログインIDを使ってログインする際のログイン権限を認証するためのものである。
サーバ40は、空調管理アプリケーション54を実行しているユーザーの携帯端末50からの要求に応じて、アダプタ別データベース43aに格納されている各種データを、公衆回線80を介してユーザーの携帯端末50に送信する。
また、サーバ40は、公衆回線80を介して携帯端末50から受信した空気調和機10a,10b,・・・を操作するための操作コマンドを、アダプタ20a,20b,・・・からのアクセスがあったときにアダプタ20a,20b,・・・へ送信する。
(2−3)携帯端末
携帯端末50は、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーが携帯するものであって、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型パソコンなどの可搬性のコンピュータ、が挙げられる。以下、携帯端末としてスマートフォン50が採用された場合を例にとって説明する。
図3に示すように、スマートフォン50は、CPU、第1無線通信部51a、第2無線通信部51b、記憶部53などを含む制御部52のほか、入出力機能を担うタッチパネル55を備えている。第1無線通信部51aは、公衆回線80への接続機能を有している。第2無線通信部51bは、Wi−Fi通信を行うもので、建物30内において公衆回線80を介さずにLAN81を介してアダプタ20a,20b,・・・に接続する役割を果たす。タッチパネル55は、表示画面として機能するとともに、操作ボタンとしての機能を果たす。操作ボタンは、表示画面上に表示された画像中に含まれるボタンである。
スマートフォン50には、スマートフォン50によって空気調和機10a,10b,・・・を管理するための空調管理アプリケーション54が搭載されている。空調管理アプリケーション54は、ユーザーが、公衆回線80を介してサーバ40からダウンロードする。ユーザーは、空調管理アプリケーション54によって生成されタッチパネル55に提供される画像を介して、空気調和機10a,10b,・・・の情報を監視したり、空気調和機10a,10b,・・・の操作を行ったりすることができる。この空調管理アプリケーション54は、接続先であるサーバ40のインターネット上のアドレスを最初から保持している。
(3)初期設定
空気調和システム100は、空気調和機10a,10b,・・・にアダプタ20a,20b,・・・を接続し、アダプタ20a,20b,・・・をルータ21に認識させ、上述のようにユーザーが空調管理アプリケーション54をダウンロードしてスマートフォン50にインストールし、更に自宅などの建物30内でユーザーが初期設定を行うことによって使えるようになる。
空気調和機10a,10b,・・・にアダプタ20a,20b,・・・を接続すると、アダプタ20a,20b,・・・は、まず、機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などの空気調和機10a,10b,・・・の情報を取得し、その記憶部24aに記憶する。次に、アダプタ20a,20b,・・・の無線接続設定の機能を使い、ユーザーがアダプタ20a,20b,・・・をルータ21に認識させ、LAN81にアダプタ20a,20b,・・・を接続させる。
次に、ユーザーは、建物30内において、スマートフォン50にインストールした空調管理アプリケーション54を立ち上げる。すると、空調管理アプリケーション54を実行しているスマートフォン50(以下、単に空調管理アプリケーション54という)は、第2無線通信部51bおよびルータ21を介して、LAN81に接続されているアダプタ20a,20b,・・・を探し、その一覧を図6に示すようにタッチパネル55に表示する。
図6に示す画面上でユーザーが「未設定1」の機器のアイコンをタップして「編集」ボタン56aを押すと、機器名称や設置場所の入力、その他の設定を行うための次画面(図7参照)が表示される。ここで、例えば、機器名称として「リビングエアコン」といった入力を行うと、次からは空気調和機の一覧画面において「未設定1」の代わりに「リビングエアコン」と表示される。
また、図7に示す「外から操作設定」を選択し、その設定を「OFF」から「ON」に変更すると、その空気調和機を建物30の外から操作するための初期設定を行うように、空調管理アプリケーション54がユーザーに操作を促す。ここで、ユーザーは、ログインIDとパスワードを設定する。同じLAN81上の2つ以上のアダプタ20a,20b,・・・があると空調管理アプリケーション54が認識をしている場合、ユーザーは、それらのアダプタ20a,20b,・・・を同じログインIDおよびパスワードで管理することができる。同じ設定にした場合、外から空気調和機10a,10b,・・・を監視、操作するときに、空気調和機一覧画面において複数の機器が表示され選択可能とされる。
ログインIDおよびパスワードの設定が為されると、アダプタ20a,20b,・・・は、ルータ21を介して、自動的にサーバ40にアクセスする。このときに、アダプタ20a,20b,・・・は、自身を特定する情報をサーバ40に送信する。サーバ40は、そのアダプタ20a,20b,・・・からのアクセスを受けたときに、上述のように、アダプタ20a,20b,・・・に機器IDを割り当て、その機器IDによってアダプタ別データベース43aにレコードを付け加える。アダプタ20a,20b,・・・は、サーバ40から機器IDが送信されてくると、その自身の機器IDを記憶部24aに記憶する。次に、アダプタ20a,20b,・・・は、サーバ40からの要求に応じて、記憶部24aにある保有機能情報18aを含む空気調和機10a,10b,・・・の情報をサーバ40に送信する。サーバ40は、アダプタ20a,20b,・・・から送られてきた空気調和機10a,10b,・・・の情報を、アダプタ20a,20b,・・・の機器IDに関連づけた形で記憶部43のアダプタ別データベース43aに入れる。サーバ40は、ユーザーが最初にスマートフォン50で外からログインIDおよびパスワードを使ってアクセスしてきたときに、アダプタ20a,20b,・・・に対して空気調和機10a,10b,・・・の情報を要求する。
なお、アダプタ別データベース43aの機器ID別の各レコードは、そのアダプタ20a,20b,・・・の設定を行った空調管理アプリケーション54においてユーザーが決めたログインIDおよびパスワードとも関連づけられている。そして、同じログインIDおよびパスワードで管理される複数のアダプタ20a,20b,・・・に関しては、サーバ40のアダプタ別データベース43aにおいて、機器ID毎のレコードを図5に示すように1つのレコードにまとめて保存してもよい。
初期設定後、ユーザーがスマートフォン50で空調管理アプリケーション54を起動すると、ログインIDおよびパスワードの入力箇所を含む初期画面がスマートフォン50のタッチパネル55に表示される。このとき、ユーザーは、初期画面に含まれるログインIDおよびパスワードの入力箇所に、提供されたログインIDおよび設定したパスワードを入力しなければ、空調管理アプリケーション54によってサーバ40の記憶部43に保存されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を見たり空気調和機10a,10b,・・・を操作したりすることができない。このようにして、空気調和システム100では、不正な遠隔操作を防止している。
(4)空調管理アプリケーションを用いた外部からの空気調和機の監視、操作
空調管理アプリケーション54は、種々の機能を有しているが、基本的な機能部として、空調機情報要求部54a、空調機情報取得部54bおよび管理画面生成部54cを備えている。
建物30の外部において、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動され、ユーザーによってログインIDおよびパスワードが入力されると、空調機情報要求部54aが、ログインIDに関連づけられた全てのアダプタ20a,20b,・・・に接続されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を、第1無線通信部51aを介してサーバ40に要求する。かかる情報送信要求を受けて、サーバ40は、アダプタ別データベース43aからログインIDに関連づけられているアダプタ20a,20b,・・・が接続された空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを、スマートフォン50に送信する。この空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データには、保有機能情報18aを含む機器データ25a、設定温度などの温度データ25b、などが含まれている。
この空気調和機10a,10b,・・・に関するデータは、空調管理アプリケーション54の空調機情報取得部54bにて受信され、スマートフォン50のメモリに一時的に記憶される。そして、保有機能情報18aなどの空気調和機10a,10b,・・・に関するデータに基づいて、空調管理アプリケーション54の管理画面生成部54cが、タッチパネル55に表示させる監視・操作用の空気調和機管理画面を生成する。
具体的には、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動されると、まず、監視や操作が可能な空気調和機10a,10b,・・・の一覧画像が表示される。そして、ユーザーが、タッチパネル55上の一覧画像に含まれる空気調和機10a,10b,・・・のアイコンを1つタップすると、例えば図8に示すような「リビングエアコン」の監視・操作用の空気調和機管理画面が表示される。管理画面生成部54cは、一時記憶されている空気調和機10a,10b,・・・に関するデータを参照し、29℃という室内温度、33℃という室外温度、50%という室内湿度、運転/停止状態、冷房という運転モード、27℃という設定温度、などの表示画像を含む空気調和機管理画面を生成する。また、管理画面生成部54cは、その「リビングエアコン」の保有機能情報18aに応じて、空気調和機画面の構成を変える。図8に示す空気調和機管理画面では、図4の保有機能情報18aが示すように「リビングエアコン」に消費電力の計測機能が備わっていることに応じて、消費電力の表示画面に遷移するための「消費電力」ボタン55bが、リモート操作の操作画面に遷移するための「リモート操作」ボタン55aと、その他の監視画面に遷移するための「その他」ボタン55cとの間に表示される。
仮に、ユーザーがリビングエアコンを買い換えて、新しいリビングエアコンが消費電力の計測機能を持たない空気調和機であった場合には、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報18aの内容が変わり、それがアダプタ20aおよびサーバ40が記憶する保有機能情報18aにも反映されて、空調管理アプリケーション54の空調機情報取得部54bが受信する保有機能情報18aも変わる。すると、その保有機能情報18aに応じて空気調和機管理画面を生成する管理画面生成部54cは、消費電力の計測機能を持たない新しい「リビングエアコン」に応じた形の空気調和機管理画面を生成する。その空気調和機管理画面を、図9に示す。この空気調和機管理画面には、「リモート操作」ボタン55aと「その他」ボタン55cとの間に、何もボタンが表示されない。
また、空調管理アプリケーション54は、空気調和機管理画面を介して、ユーザーから空気調和機10a,10b,・・・の操作入力を受け付ける。ユーザーが図8に示す空気調和機管理画面において「停止」ボタン55eを押すと、「リビングエアコン」を運転状態から停止状態にする操作コマンドがサーバ40に送られ、サーバ40はアダプタ20a,20b,・・・がアクセスしてきたときに操作コマンドをアダプタ20a,20b,・・・に送る。操作コマンドを受け取ったアダプタ20a,20b,・・・は、その操作コマンドに合った指令、すなわちここでは停止指令を空気調和機10a,10b,・・・に送る。逆に、「リビングエアコン」が停止状態にあるときに、空気調和機管理画面において「運転」ボタン55dを押すと、「リビングエアコン」を運転状態に変える操作コマンドがサーバ40に送られる。さらに、他の「運転モード」ボタン55f、「設定温度」ボタン55g、「設定しつど」ボタン55hを押して、ユーザーが操作入力を行うと、空調管理アプリケーション54から操作コマンドがサーバ40に送られる。
(5)空調管理アプリケーションを用いた建物内からの空気調和機の監視、操作
建物30の内部において、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動され、ユーザーによってログインIDおよびパスワードが入力されると、空調機情報要求部54aが、アダプタ20a,20b,・・・に接続されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を、第2無線通信部51bを介してアダプタ20a,20b,・・・に要求する。かかる情報送信要求を受けて、アダプタ20a,20b,・・・、記憶部24aに記憶されている空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを、スマートフォン50に送信する。この空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データには、保有機能情報18aを含む機器データ25a、設定温度などの温度データ25b、などが含まれている。
その後の、監視・操作用の空気調和機管理画面の生成までは、建物30の外部におけるスマートフォン50の空調管理アプリケーション54の動作と同じである。
また、ユーザーからの空気調和機10a,10b,・・・の操作入力の受け付けまでは、建物30の外部におけるスマートフォン50の空調管理アプリケーション54の動作と同様である。但し、建物30の内部においては、操作コマンドが、スマートフォン50から第2無線通信部51bを介してアダプタ20a,20b,・・・に送信される。スマートフォン50から操作コマンドを直接受け取ったアダプタ20a,20b,・・・は、その操作コマンドに合った指令を空気調和機10a,10b,・・・に送る。
(6)特徴
(6−1)
空気調和システム100では、空気調和機10a,10b,・・・に、保有機能情報18aを予め記憶させている。そして、その保有機能情報18aを読み取って空気調和機管理画面を生成した空調管理アプリケーション54が、スマートフォン50のタッチパネル55に空気調和機管理画面を表示させる。従来は、空気調和機10a,10b,・・・が新しくなるたびに、それに合った新バージョンの空調管理アプリケーションをスマートフォン50にダウンロードさせる必要があったが、空気調和システム100では、新しくなった空気調和機10a,10b,・・・が記憶している保有機能情報18aを用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理アプリケーション54に持たせているため、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54を更新する必要がなくなる。すなわち、空気調和システム100によれば、現在の保有機能情報18aの機能項目にない未知の機能が新たに空気調和機に搭載されない限り、ユーザーに空調管理アプリケーション54の更新作業の手間をかけさせることがない。
例えば、保有機能情報18aが、現行の空気調和機10bが時間計測機能を持っており、次期発売の空気調和機が時間計測機能を持たないときに、ユーザーは、空気調和機を買い換えたときにも、現行の空気調和機10bを管理するスマートフォン50の空調管理アプリケーション54を更新しなくて済む。スマートフォン50の空調管理アプリケーション54は、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報から時間計測機能を備えていないことを認識できるため、空調管理アプリケーション54の管理画面生成部54cが、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。また、ユーザーが空気調和機を買い増したときには、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54は、現行の空気調和機10bに関しては、時間計測に関する表示等を行う空気調和機管理画面を生成し、新しい空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。
(6−2)
空気調和システム100では、空気調和機10a,10b,・・・とスマートフォン50とを仲介する情報仲介機器として、アダプタ20a,20b,・・・と、ルータ21と、サーバ40とを利用している。そして、公衆回線80を介してスマートフォン50と接続されるサーバ40が、スマートフォン50の要求に応じて、アダプタ20a,20b,・・・から送られてきている空気調和機10a,10b,・・・の情報をスマートフォン50に送る役割を果たす。このように、スマートフォン50の要求を受けるサーバ40を空気調和機10a,10b,・・・に直に接続するのではなく、サーバ40と空気調和機10a,10b,・・・との間にアダプタ20a,20b,・・・を配しているため、ここでは、公衆回線80を介したサーバ40との接続機能を空気調和機10a,10b,・・・に持たせる必要がなくなっている。これにより、空気調和機10a,10b,・・・から公衆回線80を介したサーバ40との接続機能を外し、保有機能情報18aを空気調和機10a,10b,・・・に記憶させておくだけで、空気調和機10a,10b,・・・を遠隔からスマートフォン50で管理することが可能になっている。
(6−3)
空気調和システム100では、アダプタ20a,20b,・・・が、空気調和機10a,10b,・・・の情報をサーバ40に定期的に送っている。建物30のLAN81に対して、外部のサーバ40からのアクセスはセキュリティの観点から制限されていることが多いが、ここでは1分毎にアダプタ20a,20b,・・・からサーバ40へと空気調和機10a,10b,・・・の情報が送られ、サーバ40のアダプタ別データベース43aが更新されているため、サーバ40から空気調和機10a,10b,・・・の情報を送ってもらうスマートフォン50の空調管理アプリケーション54においても、新しい空気調和機10a,10b,・・・の情報に基づいた空気調和機管理画面を生成することができている。
(6−4)
空気調和システム100では、サーバ40がアダプタ20a,20b,・・・に機器IDを付与して、その機器IDを識別符号として用いてサーバ40における空気調和機10a,10b,・・・の情報の管理が行われている。具体的には、アダプタ別データベース43aが、機器ID別に空気調和機10a,10b,・・・の情報のレコードを作成し、保持している。
したがって、ユーザーの立場から見れば、最初にスマートフォン50からサーバ40にアクセスすれば、それをトリガーにしてサーバ40における空気調和機10a,10b,・・・の情報の管理が自動的に始まり、その後は、スマートフォン50からサーバ40に要求を送れば、建物30の外部において空気調和機10a,10b,・・・の情報を入手することが可能になっている。
10a,10b,・・・ 空気調和機
18a 保有機能情報
20a,20b,・・・ アダプタ(情報仲介装置;中間機器)
40 サーバ(情報仲介装置;サーバ機器)
50 スマートフォン(携帯端末)
54 空調管理アプリケーション(空調管理プログラム)
54a 空調機情報要求部(情報要求部)
54b 空調機情報取得部(情報取得部)
54c 管理画面生成部(画面生成部)
55 タッチパネル(ディスプレイ)
80 公衆回線
100 空気調和システム
本発明は、空気調和システムおよび空調管理プログラムに関する。
近年、スマートフォンに専用のプログラムをダウンロードし、空気調和機の運転状況を外出先から確認することができる空気調和システムが生まれてきている。例えば、特許文献1(特開2004−289505号公報)には、携帯電話などから通信ネットワークを介して遠隔にある空気調和機の操作ができるシステムが開示されている。
上記の特許文献1(特開2004−289505号公報)に開示されているシステムでは、利用者が、IDおよびパスワードを入力して、制御用プログラムのダウンロード要求を行い、携帯電話に制御用プログラムをダウンロードさせる必要がある。そして、制御対象の機器が新しくなったときには、その機器に対応する最新の制御用プログラムをダウンロードし直すことで、新しい機器の各機能が使えるようになる。
近年市販されている空気調和システムにおいても、空調管理用の専用プログラムに関しては、最新のバージョンのプログラムをダウンロードするように、或いはバージョンアップをするように、指導が為されている。
しかし、利用者は、必ずしも新しい空気調和機が発売されるたびに買い換えを行うわけではなく、数年間は同じ空気調和機を使い続けることが多い。それにも関わらず、毎年のように全ての利用者に空調管理用のプログラムのダウンロードやバージョンアップの作業を強要することは、ユーザーの利便性に反することになる。
本発明の課題は、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせることが抑制される空気調和システムおよび空調管理プログラムを提供することにある。
本発明に係る空気調和システムは、複数の機能を有する空気調和機と、携帯端末と、情報仲介装置とを備えている。携帯端末は、空気調和機のユーザーが携帯するものであって、空気調和機を管理する空調管理プログラムを有している。情報仲介装置は、通信回線を利用して、空気調和機と携帯端末との間で情報のやりとりを行わせる。空気調和機は、自己が有する機能に関する情報である保有機能情報を記憶している。そして、携帯端末の空調管理プログラムは、情報仲介装置を介して保有機能情報を読み取り、その保有機能情報に応じて、携帯端末のディスプレイに表示させる空気調和機管理画面を生成する。
この空気調和システムでは、空気調和機に、保有機能情報を記憶させている。そして、その保有機能情報を読み取って空気調和機管理画面を生成した空調管理プログラムが、携帯端末のディスプレイに空気調和機管理画面を表示させる。従来は、空気調和機が新しくなるたびに、それに合った新バージョンの空調管理プログラムを携帯端末にダウンロードさせる必要があったが、本発明に係る空気調和システムでは、新しくなった空気調和機が記憶している保有機能情報を用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理プログラムに持たせているため、携帯端末の空調管理プログラムを更新する必要がなくなる。すなわち、本発明に係る空気調和システムによれば、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせてしまうことが抑制される。
本発明の別の観点に係る空気調和システムでは、保有機能情報は、第1情報から第5情報のうち少なくとも1つの情報を含んでいる。第1情報は、積算運転時間を計測する時間計測機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第2情報は、消費電力を計測する電力計測機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第3情報は、洗濯物を乾燥させるための乾燥運転機能を空気調和機が有している否かの情報である。第4情報は、空気調和機の近くに居る人の存在を検知する人検知機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。第5情報は、遠隔操作によって空気調和機の風向きを変更する風向き変更機能を空気調和機が有しているか否かの情報である。
ここでは、例えば保有機能情報が第1情報を含んでいる場合、現行の空気調和機が時間計測機能を持っており、次期発売の空気調和機が時間計測機能を持たないときに、ユーザーは、空気調和機を買い換えたときにも、現行の空気調和機を管理する携帯端末の空調管理プログラムを更新しなくて済む。携帯端末の空調管理プログラムは、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報から時間計測機能を備えていないことを認識できるため、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。また、ユーザーが空気調和機を買い増したときには、携帯端末の空調管理プログラムは、現行の空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を行う空気調和機管理画面を生成し、新しい空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。
本発明に係る空調管理プログラムは、上記の空気調和システムの携帯端末において実行される、空気調和機を管理するための空調管理プログラムである。この空調管理プログラムは、情報要求部と、情報取得部と、画面生成部とを備えている。情報要求部は、情報仲介装置に対して、保有機能情報を含む空気調和機の情報を要求する。情報取得部は、情報仲介装置から、空気調和機の情報を受け取る。画面生成部は、情報取得部が受け取った空気調和機の情報に基づいて、保有機能情報に適した空気調和機管理画面を生成する。
この空調管理プログラムは、保有機能情報を含む空気調和機の情報を受け取ることができ、保有機能情報に適した空気調和機管理画面を生成するため、保有機能が異なる空気調機であっても好適な空気調和機管理画面を携帯端末のディスプレイに表示させることができる。
本発明に係る空気調和システムによれば、新しくなった空気調和機が記憶している保有機能情報を用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理プログラムに持たせているため、携帯端末の空調管理プログラムを更新する必要がなくなり、ユーザーに空調管理プログラムの更新作業の手間をかけさせることが抑制される。
また、本発明に係る空調管理プログラムによれば、保有機能が異なる空気調機であっても好適な空気調和機管理画面を携帯端末のディスプレイに表示させることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和システムの概略構成図。
空気調和機の制御部およびそれに接続されたアダプタの制御ブロック図。
携帯端末の制御部およびサーバの制御ブロック図。
空気調和機の保有機能情報の内容を示す図。
サーバのアダプタ別データベースに格納されているデータの内容を示す図。
初期設定時にスマートフォンのタッチパネルに表示される空気調和機の一覧画面を示す図。
初期設定時にスマートフォンのタッチパネルに表示される空気調和機の設定画面を示す図。
ユーザーが選択した空気調和機の空気調和機管理画面の一例を示す図。
消費電力の計測機能を持たない空気調和機の空気調和機管理画面の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空気調和システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
(1)空気調和システムの概略構成
図1に、空気調和システム100の全体構成を示す。空気調和システム100は、情報仲介装置としてのサーバ40およびアダプタ20a,20b,・・・を介して、ユーザーが保有する携帯端末50から所望の空気調和機10a,10b,・・・の情報を取得したり、所望の空気調和機10a,10b,・・・を操作したりするためのシステムである。
インターネットを含む公衆回線80と、建物30内に敷設されているローカルエリアネットワーク(以下、LANという)81とを接続するルータ21が、建物30に設置されている。LAN81は、ルータ21の機能を利用した無線LANであり、空気調和機10a,10b,・・・に有線で接続されたアダプタ20a,20b,・・・が無線接続されている。なお、アダプタ20a,20b,・・・の他に、建物30内で使用される図示しないパソコン、プリンタ等のネットワーク機器がLAN81に更に接続されていてもよい。
携帯端末50によるサーバ40を介した空気調和機10a,10b,・・・の管理をするためには、事前に各空気調和機10a,10b,・・・をサーバ40に登録しておく必要がある。
なお、理解を容易にするため、図1には建物30を1つだけ示しているが、実際の空気調和システム100には、複数の建物30に散在する空気調和機10a,10b,・・・が含まれる。すなわち、公衆回線80によって建物30の遠隔に設置されているサーバ40は、空気調和機の製造会社や販売会社、あるいはメンテナンス会社によって運営されるものであり、多数の建物30内の空気調和機の情報がサーバ40内に蓄積されている。
(2)空気調和システムの詳細構成
(2−1)空気調和機
図1に示すように、空気調和機10a,10b,・・・は、建物30の各部屋30a,30b,・・・の中に設置される室内機11a,11b,・・・と、建物30の外に設置される室外機12a,12b,・・・とから構成されている。なお、室内機11a,11b,・・・は、後述するアダプタ20a,20b,・・・と1対1で接続されている。
空気調和機10aと、他の空気調和機10b,・・・とは、基本構成が同じである。以下、空気調和機10aを例にとって説明を行う。
室内機11aと室外機12aとは、冷媒配管を介して接続されており、図示しない圧縮機や熱交換器等から構成される冷媒回路を形成している。
図2に示すように、空気調和機10aは、各種センサを有している。例えば、室内機11aは、室内機11aの設置されている部屋30aの温度を検出する室内温度センサ14aを有している。また、室内機11aは、空気調和機10aの運転中に、その部屋30aに居る人の有無を検知する人検知センサ14cを有している。人検知センサ14cとしては、例えば赤外線センサが採用される。一方、室外機12aは、建物30付近の外気の温度を検出する外気温度センサ14bを有している。
また、空気調和機10aは、制御部13を有している。制御部13は、空気調和機10aに含まれる室内機11aおよび室外機12aの制御ユニットから構成されている。
制御部13は、リモコン15を介して部屋30aに居るユーザーから入力される空気調和機10aに対する運転指令に従って、空気調和機10aの運転を制御する、すなわち、冷媒回路に含まれる圧縮機等の動作を制御する。
また、制御部13は、空気調和機10aに関する機器データ25aをアダプタ20aに送信する。例えば、制御部13は、リモコン15を介して入力された室内機11aに対する制御指令の内容を示すデータを、アダプタ20aに送信する。運転指令の内容を示すデータとは、空気調和機10aの運転開始/運転停止、運転モード(冷房モード、暖房モード、送風モードなど)、設定温度、などである。アダプタ20aに送られる機器データ25aには、後述する保有機能情報18a、積算運転時間18b、消費電力18cなども含まれている。
また、制御部13は、室内温度および外気温度に関する温度データ25bを、更にアダプタ20aに送信する。具体的には、制御部13は、室内温度センサ14aによって検出された室内温度データ、および外気温度センサ14bによって検出された外気温度データを、アダプタ20aに送信する。
また、制御部13は、人検知センサ14cの検知結果に基づいて、室内機11aの設置された部屋30aにおける人の有無を判断する。具体的には、制御部13は、人検知センサ14cによって所定時間(例えば5分)継続して人の存在が検知されない場合には、部屋30aに人が居ない不在状態であると判断する。一方で、制御部13は、不在状態であると判断した後に、人検知センサ14cによって人が検知された場合には、部屋30aに人が居る在室状態であると判断する。そして、制御部13は、これら判断結果である不在/在室に関するデータ25cを、アダプタ20aに送信する。
また、制御部13は、アダプタ20aから送信されてくる制御指令を実行する。アダプタ20aから送信されてくる制御指令とは、例えば、室内機11aに対する運転指令や、特定の機器データをアダプタ20aに送信するよう命じる指令である。
制御部13は、CPUの他に、RAMやROMから成る記憶部18を備えている。記憶部18には、ROMに記憶された保有機能情報18a、RAMに記憶された積算運転時間18bや消費電力18cなどが存在している。積算運転時間18bは、タイマ17によりカウントされた空気調和機10aの累積の運転時間である。消費電力18cは、電力計14dによって計測された空気調和機10aの消費した電力である。
保有機能情報18aは、空気調和機10aが保有する機能に関する情報である。保有機能情報18aは、図4に示すように、空気調和機が備え得る多数の機能のうち、その空気調和機10aが実際に保有している機能、保有していない機能を区別した情報である。空気調和システム100においては、保有機能情報18aが、第1情報(図4の記号XX1)、第2情報(図4の記号XX2)、第3情報(図4の記号XX3)、第4情報(図4の記号XX4)および第5情報(図4の記号XXX)を含んでいる。第1情報は、積算運転時間を計測する時間計測機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第2情報は、消費電力を計測する電力計測機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第3情報は、洗濯物を乾燥させるための乾燥運転機能を空気調和機10aが有している否かの情報である。第4情報は、空気調和機10aの近くに居る人の存在を検知する人検知機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。第5情報は、遠隔操作によって空気調和機10aの吹出空調空気の風向きを変更する風向き変更機能を空気調和機10aが有しているか否かの情報である。図4に示す保有機能情報18aによれば、空気調和機10aは、洗濯物乾燥運転を行う機能と、遠隔操作による風向き変更機能とは備えておらず、積算運転時間の計測機能、消費電力の計測機能および人検知機能を備えていることがわかる。
上述のように、保有機能情報18aは、機器データ25aの一部としてアダプタ20aに送られ、アダプタ20aの記憶部24aに記憶される。
(2−2)情報仲介装置
情報仲介装置は、公衆回線80を利用して、空気調和機10a,10b,・・・と携帯端末50との間で情報のやりとりを行わせるための装置である。空気調和システム100では、情報仲介装置が、アダプタ20a,20b,・・・、ルータ21、およびサーバ40から構成されている。
(2−2−1)アダプタ
アダプタ20a,20b,・・・は、空気調和機10a,10b,・・・をLAN81に接続するためのネットワークアダプタであって、本実施形態では室内機11a,11b,・・・に外付けされている。なお、アダプタ20a,20b,・・・は室内機11a,11b,・・・に内蔵されていてもよい。
アダプタ20aと、他のアダプタ20b,・・・と全く同じ構成である。以下、アダプタ20aを例にとって説明を行う。
アダプタ20aは、図2に示すように、CPUの他に、無線通信部22aや記憶部24aを有している。アダプタ20aは、ネットワーク間での通信プロトコルの相違を吸収する通信機能の他、空気調和機10a,10b,・・・を制御する制御機能を有している。アダプタ20aは、室内機11aの制御部13と有線で接続されており、また図示は省略しているが室内機11aから電源を受けて作動する。
記憶部24aには、機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などが記憶されている。上述のように、これらのデータ25a,25b,25c,・・・は、空気調和機10aからアダプタ20aに送信されてくる空気調和機10aに関するデータである。そして、アダプタ20aは、定期的に(ここでは1分毎に)、それらのデータ25a,25b,25c,・・・を空気調和機10aの情報としてまとめ、公衆回線80を介してサーバ40に送信している。
また、記憶部24aには、サーバアドレスが予め記憶されている。さらに、記憶部24aには、サーバ40によってアダプタ20aに対して割り当てられた機器IDも記憶される。アダプタ20aの識別符号である機器IDは、サーバ40でアダプタ20aを一意に識別する情報となる。
(2−2−2)ルータ
ルータ21は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、両ネットワークを相互接続させる通信機器である。ルータ21は、アダプタ20a,20b,・・・がLAN81に接続されると、アダプタ20a,20b,・・・の存在を自動的に検出し、アダプタ20a,20b,・・・のネットワーク情報の登録を行う。これにより、アダプタ20a,20b,・・・は、LAN81内の他のネットワーク機器、および公衆回線80上(インターネット上)のネットワーク機器との通信が可能になる。
この空気調和システム100においては、ルータ21が建物30内のLAN81を構築する役割も果たしている。
(2−2−3)サーバ
サーバ40は、空調管理サービスを行うために公衆回線80上(インターネット上)に設けられた、サーバソフトウェアを稼働させるコンピュータである。図3に示すように、サーバ40は、記憶部43を有している。
記憶部43には、空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを蓄積するためのデータベースが存在する。具体的には、記憶部43には、アダプタ別データベース43aが存在する。サーバ40は、アダプタ20aから定期的に送られてくる空気調和機の機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などを、アダプタ別に蓄積している。このアダプタ別データベース43aでは、図5に示すように、空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データが、それらの空気調和機10a,10b,・・・に接続されているアダプタ20a,20b,・・・に割り当てられた機器IDに関連付けられた態様で格納されている。
なお、アダプタ別データベース43aでは、アダプタの接続された空気調和機の情報が、そのアダプタとは異なる関連アダプタが接続されている空気調和機の情報と一緒に、1つのレコードとして格納されている。例えば、後述するように、同じ携帯端末50から初期設定が為された2つのアダプタ20a,20bがあるときに、両アダプタ20a,20bは相互に関連する関連アダプタであるとサーバ40は認識する。
また、アダプタ別データベース43aには、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーによる各種設定情報も格納されている。登録された空気調和機10a,10b,・・・が接続されているアダプタ20a,20b,・・・の機器ID、空気調和機10a,10b,・・・に対してユーザーが任意で設定した機器名称、空気調和機10a,10b,・・・が保有する機能に関する保有機能情報18a、空気調和機10a,10b,・・・の設定温度、空気調和機10a,10b,・・・の外部からの操作の可否(ON/OFF)、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーに割り当てられているログインIDおよびパスワードを含むユーザーの個人情報、などが1つのレコードとして格納されている。パスワードは、ユーザーが公衆回線80経由でサーバ40にログインIDを使ってログインする際のログイン権限を認証するためのものである。
サーバ40は、空調管理アプリケーション54を実行しているユーザーの携帯端末50からの要求に応じて、アダプタ別データベース43aに格納されている各種データを、公衆回線80を介してユーザーの携帯端末50に送信する。
また、サーバ40は、公衆回線80を介して携帯端末50から受信した空気調和機10a,10b,・・・を操作するための操作コマンドを、アダプタ20a,20b,・・・からのアクセスがあったときにアダプタ20a,20b,・・・へ送信する。
(2−3)携帯端末
携帯端末50は、空気調和機10a,10b,・・・のユーザーが携帯するものであって、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型パソコンなどの可搬性のコンピュータ、が挙げられる。以下、携帯端末としてスマートフォン50が採用された場合を例にとって説明する。
図3に示すように、スマートフォン50は、CPU、第1無線通信部51a、第2無線通信部51b、記憶部53などを含む制御部52のほか、入出力機能を担うタッチパネル55を備えている。第1無線通信部51aは、公衆回線80への接続機能を有している。第2無線通信部51bは、Wi−Fi通信を行うもので、建物30内において公衆回線80を介さずにLAN81を介してアダプタ20a,20b,・・・に接続する役割を果たす。タッチパネル55は、表示画面として機能するとともに、操作ボタンとしての機能を果たす。操作ボタンは、表示画面上に表示された画像中に含まれるボタンである。
スマートフォン50には、スマートフォン50によって空気調和機10a,10b,・・・を管理するための空調管理アプリケーション54が搭載されている。空調管理アプリケーション54は、ユーザーが、公衆回線80を介してサーバ40からダウンロードする。ユーザーは、空調管理アプリケーション54によって生成されタッチパネル55に提供される画像を介して、空気調和機10a,10b,・・・の情報を監視したり、空気調和機10a,10b,・・・の操作を行ったりすることができる。この空調管理アプリケーション54は、接続先であるサーバ40のインターネット上のアドレスを最初から保持している。
(3)初期設定
空気調和システム100は、空気調和機10a,10b,・・・にアダプタ20a,20b,・・・を接続し、アダプタ20a,20b,・・・をルータ21に認識させ、上述のようにユーザーが空調管理アプリケーション54をダウンロードしてスマートフォン50にインストールし、更に自宅などの建物30内でユーザーが初期設定を行うことによって使えるようになる。
空気調和機10a,10b,・・・にアダプタ20a,20b,・・・を接続すると、アダプタ20a,20b,・・・は、まず、機器データ25a、温度データ25b、不在/在室データ25c、などの空気調和機10a,10b,・・・の情報を取得し、その記憶部24aに記憶する。次に、アダプタ20a,20b,・・・の無線接続設定の機能を使い、ユーザーがアダプタ20a,20b,・・・をルータ21に認識させ、LAN81にアダプタ20a,20b,・・・を接続させる。
次に、ユーザーは、建物30内において、スマートフォン50にインストールした空調管理アプリケーション54を立ち上げる。すると、空調管理アプリケーション54を実行しているスマートフォン50(以下、単に空調管理アプリケーション54という)は、第2無線通信部51bおよびルータ21を介して、LAN81に接続されているアダプタ20a,20b,・・・を探し、その一覧を図6に示すようにタッチパネル55に表示する。
図6に示す画面上でユーザーが「未設定1」の機器のアイコンをタップして「編集」ボタン56aを押すと、機器名称や設置場所の入力、その他の設定を行うための次画面(図7参照)が表示される。ここで、例えば、機器名称として「リビングエアコン」といった入力を行うと、次からは空気調和機の一覧画面において「未設定1」の代わりに「リビングエアコン」と表示される。
また、図7に示す「外から操作設定」を選択し、その設定を「OFF」から「ON」に変更すると、その空気調和機を建物30の外から操作するための初期設定を行うように、空調管理アプリケーション54がユーザーに操作を促す。ここで、ユーザーは、ログインIDとパスワードを設定する。同じLAN81上の2つ以上のアダプタ20a,20b,・・・があると空調管理アプリケーション54が認識をしている場合、ユーザーは、それらのアダプタ20a,20b,・・・を同じログインIDおよびパスワードで管理することができる。同じ設定にした場合、外から空気調和機10a,10b,・・・を監視、操作するときに、空気調和機一覧画面において複数の機器が表示され選択可能とされる。
ログインIDおよびパスワードの設定が為されると、アダプタ20a,20b,・・・は、ルータ21を介して、自動的にサーバ40にアクセスする。このときに、アダプタ20a,20b,・・・は、自身を特定する情報をサーバ40に送信する。サーバ40は、そのアダプタ20a,20b,・・・からのアクセスを受けたときに、上述のように、アダプタ20a,20b,・・・に機器IDを割り当て、その機器IDによってアダプタ別データベース43aにレコードを付け加える。アダプタ20a,20b,・・・は、サーバ40から機器IDが送信されてくると、その自身の機器IDを記憶部24aに記憶する。次に、アダプタ20a,20b,・・・は、サーバ40からの要求に応じて、記憶部24aにある保有機能情報18aを含む空気調和機10a,10b,・・・の情報をサーバ40に送信する。サーバ40は、アダプタ20a,20b,・・・から送られてきた空気調和機10a,10b,・・・の情報を、アダプタ20a,20b,・・・の機器IDに関連づけた形で記憶部43のアダプタ別データベース43aに入れる。サーバ40は、ユーザーが最初にスマートフォン50で外からログインIDおよびパスワードを使ってアクセスしてきたときに、アダプタ20a,20b,・・・に対して空気調和機10a,10b,・・・の情報を要求する。
なお、アダプタ別データベース43aの機器ID別の各レコードは、そのアダプタ20a,20b,・・・の設定を行った空調管理アプリケーション54においてユーザーが決めたログインIDおよびパスワードとも関連づけられている。そして、同じログインIDおよびパスワードで管理される複数のアダプタ20a,20b,・・・に関しては、サーバ40のアダプタ別データベース43aにおいて、機器ID毎のレコードを図5に示すように1つのレコードにまとめて保存してもよい。
初期設定後、ユーザーがスマートフォン50で空調管理アプリケーション54を起動すると、ログインIDおよびパスワードの入力箇所を含む初期画面がスマートフォン50のタッチパネル55に表示される。このとき、ユーザーは、初期画面に含まれるログインIDおよびパスワードの入力箇所に、提供されたログインIDおよび設定したパスワードを入力しなければ、空調管理アプリケーション54によってサーバ40の記憶部43に保存されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を見たり空気調和機10a,10b,・・・を操作したりすることができない。このようにして、空気調和システム100では、不正な遠隔操作を防止している。
(4)空調管理アプリケーションを用いた外部からの空気調和機の監視、操作
空調管理アプリケーション54は、種々の機能を有しているが、基本的な機能部として、空調機情報要求部54a、空調機情報取得部54bおよび管理画面生成部54cを備えている。
建物30の外部において、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動され、ユーザーによってログインIDおよびパスワードが入力されると、空調機情報要求部54aが、ログインIDに関連づけられた全てのアダプタ20a,20b,・・・に接続されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を、第1無線通信部51aを介してサーバ40に要求する。かかる情報送信要求を受けて、サーバ40は、アダプタ別データベース43aからログインIDに関連づけられているアダプタ20a,20b,・・・が接続された空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを、スマートフォン50に送信する。この空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データには、保有機能情報18aを含む機器データ25a、設定温度などの温度データ25b、などが含まれている。
この空気調和機10a,10b,・・・に関するデータは、空調管理アプリケーション54の空調機情報取得部54bにて受信され、スマートフォン50のメモリに一時的に記憶される。そして、保有機能情報18aなどの空気調和機10a,10b,・・・に関するデータに基づいて、空調管理アプリケーション54の管理画面生成部54cが、タッチパネル55に表示させる監視・操作用の空気調和機管理画面を生成する。
具体的には、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動されると、まず、監視や操作が可能な空気調和機10a,10b,・・・の一覧画像が表示される。そして、ユーザーが、タッチパネル55上の一覧画像に含まれる空気調和機10a,10b,・・・のアイコンを1つタップすると、例えば図8に示すような「リビングエアコン」の監視・操作用の空気調和機管理画面が表示される。管理画面生成部54cは、一時記憶されている空気調和機10a,10b,・・・に関するデータを参照し、29℃という室内温度、33℃という室外温度、50%という室内湿度、運転/停止状態、冷房という運転モード、27℃という設定温度、などの表示画像を含む空気調和機管理画面を生成する。また、管理画面生成部54cは、その「リビングエアコン」の保有機能情報18aに応じて、空気調和機画面の構成を変える。図8に示す空気調和機管理画面では、図4の保有機能情報18aが示すように「リビングエアコン」に消費電力の計測機能が備わっていることに応じて、消費電力の表示画面に遷移するための「消費電力」ボタン55bが、リモート操作の操作画面に遷移するための「リモート操作」ボタン55aと、その他の監視画面に遷移するための「その他」ボタン55cとの間に表示される。
仮に、ユーザーがリビングエアコンを買い換えて、新しいリビングエアコンが消費電力の計測機能を持たない空気調和機であった場合には、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報18aの内容が変わり、それがアダプタ20aおよびサーバ40が記憶する保有機能情報18aにも反映されて、空調管理アプリケーション54の空調機情報取得部54bが受信する保有機能情報18aも変わる。すると、その保有機能情報18aに応じて空気調和機管理画面を生成する管理画面生成部54cは、消費電力の計測機能を持たない新しい「リビングエアコン」に応じた形の空気調和機管理画面を生成する。その空気調和機管理画面を、図9に示す。この空気調和機管理画面には、「リモート操作」ボタン55aと「その他」ボタン55cとの間に、何もボタンが表示されない。
また、空調管理アプリケーション54は、空気調和機管理画面を介して、ユーザーから空気調和機10a,10b,・・・の操作入力を受け付ける。ユーザーが図8に示す空気調和機管理画面において「停止」ボタン55eを押すと、「リビングエアコン」を運転状態から停止状態にする操作コマンドがサーバ40に送られ、サーバ40はアダプタ20a,20b,・・・がアクセスしてきたときに操作コマンドをアダプタ20a,20b,・・・に送る。操作コマンドを受け取ったアダプタ20a,20b,・・・は、その操作コマンドに合った指令、すなわちここでは停止指令を空気調和機10a,10b,・・・に送る。逆に、「リビングエアコン」が停止状態にあるときに、空気調和機管理画面において「運転」ボタン55dを押すと、「リビングエアコン」を運転状態に変える操作コマンドがサーバ40に送られる。さらに、他の「運転モード」ボタン55f、「設定温度」ボタン55g、「設定しつど」ボタン55hを押して、ユーザーが操作入力を行うと、空調管理アプリケーション54から操作コマンドがサーバ40に送られる。
(5)空調管理アプリケーションを用いた建物内からの空気調和機の監視、操作
建物30の内部において、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54が起動され、ユーザーによってログインIDおよびパスワードが入力されると、空調機情報要求部54aが、アダプタ20a,20b,・・・に接続されている空気調和機10a,10b,・・・の情報を、第2無線通信部51bを介してアダプタ20a,20b,・・・に要求する。かかる情報送信要求を受けて、アダプタ20a,20b,・・・、記憶部24aに記憶されている空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データを、スマートフォン50に送信する。この空気調和機10a,10b,・・・に関する各種データには、保有機能情報18aを含む機器データ25a、設定温度などの温度データ25b、などが含まれている。
その後の、監視・操作用の空気調和機管理画面の生成までは、建物30の外部におけるスマートフォン50の空調管理アプリケーション54の動作と同じである。
また、ユーザーからの空気調和機10a,10b,・・・の操作入力の受け付けまでは、建物30の外部におけるスマートフォン50の空調管理アプリケーション54の動作と同様である。但し、建物30の内部においては、操作コマンドが、スマートフォン50から第2無線通信部51bを介してアダプタ20a,20b,・・・に送信される。スマートフォン50から操作コマンドを直接受け取ったアダプタ20a,20b,・・・は、その操作コマンドに合った指令を空気調和機10a,10b,・・・に送る。
(6)特徴
(6−1)
空気調和システム100では、空気調和機10a,10b,・・・に、保有機能情報18aを予め記憶させている。そして、その保有機能情報18aを読み取って空気調和機管理画面を生成した空調管理アプリケーション54が、スマートフォン50のタッチパネル55に空気調和機管理画面を表示させる。従来は、空気調和機10a,10b,・・・が新しくなるたびに、それに合った新バージョンの空調管理アプリケーションをスマートフォン50にダウンロードさせる必要があったが、空気調和システム100では、新しくなった空気調和機10a,10b,・・・が記憶している保有機能情報18aを用いて空気調和機管理画面を生成する機能を空調管理アプリケーション54に持たせているため、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54を更新する必要がなくなる。すなわち、空気調和システム100によれば、現在の保有機能情報18aの機能項目にない未知の機能が新たに空気調和機に搭載されない限り、ユーザーに空調管理アプリケーション54の更新作業の手間をかけさせることがない。
例えば、保有機能情報18aが、現行の空気調和機10bが時間計測機能を持っており、次期発売の空気調和機が時間計測機能を持たないときに、ユーザーは、空気調和機を買い換えたときにも、現行の空気調和機10bを管理するスマートフォン50の空調管理アプリケーション54を更新しなくて済む。スマートフォン50の空調管理アプリケーション54は、新しい空気調和機が記憶している保有機能情報から時間計測機能を備えていないことを認識できるため、空調管理アプリケーション54の管理画面生成部54cが、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。また、ユーザーが空気調和機を買い増したときには、スマートフォン50の空調管理アプリケーション54は、現行の空気調和機10bに関しては、時間計測に関する表示等を行う空気調和機管理画面を生成し、新しい空気調和機に関しては、時間計測に関する表示等を省いた空気調和機管理画面を生成することになる。
(6−2)
空気調和システム100では、空気調和機10a,10b,・・・とスマートフォン50とを仲介する情報仲介機器として、アダプタ20a,20b,・・・と、ルータ21と、サーバ40とを利用している。そして、公衆回線80を介してスマートフォン50と接続されるサーバ40が、スマートフォン50の要求に応じて、アダプタ20a,20b,・・・から送られてきている空気調和機10a,10b,・・・の情報をスマートフォン50に送る役割を果たす。このように、スマートフォン50の要求を受けるサーバ40を空気調和機10a,10b,・・・に直に接続するのではなく、サーバ40と空気調和機10a,10b,・・・との間にアダプタ20a,20b,・・・を配しているため、ここでは、公衆回線80を介したサーバ40との接続機能を空気調和機10a,10b,・・・に持たせる必要がなくなっている。これにより、空気調和機10a,10b,・・・から公衆回線80を介したサーバ40との接続機能を外し、保有機能情報18aを空気調和機10a,10b,・・・に記憶させておくだけで、空気調和機10a,10b,・・・を遠隔からスマートフォン50で管理することが可能になっている。
(6−3)
空気調和システム100では、アダプタ20a,20b,・・・が、空気調和機10a,10b,・・・の情報をサーバ40に定期的に送っている。建物30のLAN81に対して、外部のサーバ40からのアクセスはセキュリティの観点から制限されていることが多いが、ここでは1分毎にアダプタ20a,20b,・・・からサーバ40へと空気調和機10a,10b,・・・の情報が送られ、サーバ40のアダプタ別データベース43aが更新されているため、サーバ40から空気調和機10a,10b,・・・の情報を送ってもらうスマートフォン50の空調管理アプリケーション54においても、新しい空気調和機10a,10b,・・・の情報に基づいた空気調和機管理画面を生成することができている。
(6−4)
空気調和システム100では、サーバ40がアダプタ20a,20b,・・・に機器IDを付与して、その機器IDを識別符号として用いてサーバ40における空気調和機10a,10b,・・・の情報の管理が行われている。具体的には、アダプタ別データベース43aが、機器ID別に空気調和機10a,10b,・・・の情報のレコードを作成し、保持している。
したがって、ユーザーの立場から見れば、最初にスマートフォン50からサーバ40にアクセスすれば、それをトリガーにしてサーバ40における空気調和機10a,10b,・・・の情報の管理が自動的に始まり、その後は、スマートフォン50からサーバ40に要求を送れば、建物30の外部において空気調和機10a,10b,・・・の情報を入手することが可能になっている。
10a,10b,・・・ 空気調和機
18a 保有機能情報
20a,20b,・・・ アダプタ(情報仲介装置;中間機器)
40 サーバ(情報仲介装置;サーバ機器)
50 スマートフォン(携帯端末)
54 空調管理アプリケーション(空調管理プログラム)
54a 空調機情報要求部(情報要求部)
54b 空調機情報取得部(情報取得部)
54c 管理画面生成部(画面生成部)
55 タッチパネル(ディスプレイ)
80 公衆回線
100 空気調和システム