JP2015128866A - 空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法および空気入りタイヤの生カバー材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】生カバー材料の成形における不具合の発生を適切に抑制して、空気入りタイヤの生産性を向上させることができる空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法および前記製造方法を用いて製造された空気入りタイヤの生カバー材料を提供する。
【解決手段】ストリップワインド工法を用いて、円筒状の成形ドラムに帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、空気入りタイヤの生カバー材料を製造する空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法であって、積層される複数のゴム層のうち最上層のゴム層を形成する工程が、ゴムストリップを3段以上巻き重ねてゴム層を形成する工程である空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】ストリップワインド工法を用いて、円筒状の成形ドラムに帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、空気入りタイヤの生カバー材料を製造する空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法であって、積層される複数のゴム層のうち最上層のゴム層を形成する工程が、ゴムストリップを3段以上巻き重ねてゴム層を形成する工程である空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤの生カバー材料(以下、単に「生カバー材料」ともいう)の製造方法および前記製造方法を用いて製造された生カバー材料に関する。
空気入りタイヤの製造においては、各部位における要求特性が異なるため、トレッドゴム、サイドウォールゴム、インナーライナーゴムなど種々のゴム材料が使用されており、近年、成形ドラム上に帯状のゴムストリップを連続的に螺旋状に巻き重ねるストリップワインド工法(STW工法)を用いて、これらのゴム材料となる種々の生カバー材料を順次形成し、積層することにより、生カバーを成形することが行われている(例えば特許文献1)。
図2は、上記したSTW工法を用いた生カバー材料の一例として、ロートレッド(生トレッド)を挙げ、その形成手順を説明する図である。図2に示すように、ロートレッド1は、アンダートレッド層11、ベーストレッド層12、キャップトレッド層13を貼り合わせることにより形成されており、キャップトレッド層13は、ハンプ位置が他の位置よりも厚くなるように形成されている。
図3は、従来のキャップトレッド層のハンプ位置付近を模式的に示す断面図である。図3に示すように、このキャップトレッド層13は、ゴムストリップGを巻き重ねて第1段目の層13aを形成した後に、第1段目の層13aの上にゴムストリップGをさらに巻き重ねた第2段目の層13bを形成する2段構造を有している。
しかしながら、このようなロートレッドの成形に際して、トレッドとして適切なゲージ(厚み)を確保する必要があり、上記のように2段構造のキャップトレッド層13を形成する場合、ハンプ位置においては他の位置よりも厚くなるように、ゴムストリップGの巻き付け角度を大きくして敷き詰める、即ち、ゴムストリップGを立てた状態で巻き重ねる必要があった。この場合、第1段目の層13aのゴムストリップGと、第2段目の層13bのゴムストリップGとは点で接触した状態となるため、第1段目の層13aと第2段目の層13bとの間に空隙残りが生じやすくなり、空気入りタイヤの生産性を低下させる原因になっていた。
そこで本発明は、上記したキャップトレッド層における空隙残りなど、生カバー材料の成形における不具合の発生を適切に抑制して、空気入りタイヤの生産性を向上させることができる空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法および前記製造方法を用いて製造された空気入りタイヤの生カバー材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
ストリップワインド工法を用いて、円筒状の成形ドラムに帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、空気入りタイヤの生カバー材料を製造する空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法であって、
積層される複数の前記ゴム層のうち最上層のゴム層を形成する工程が、前記ゴムストリップを3段以上巻き重ねてゴム層を形成する工程であることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
ストリップワインド工法を用いて、円筒状の成形ドラムに帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、空気入りタイヤの生カバー材料を製造する空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法であって、
積層される複数の前記ゴム層のうち最上層のゴム層を形成する工程が、前記ゴムストリップを3段以上巻き重ねてゴム層を形成する工程であることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記最上層のゴム層を形成するゴムストリップを、前記成形ドラムの径方向に3〜4段巻き重ねることにより形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記最上層のゴム層を形成するゴムストリップを、前記成形ドラムの径方向に3〜4段巻き重ねることにより形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
積層される複数の前記ゴム層が、第1の配合のゴムで形成された第1ゴム層と、第2の配合のゴムで形成された第2ゴム層と、第3の配合のゴムで形成された第3ゴム層の3層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
積層される複数の前記ゴム層が、第1の配合のゴムで形成された第1ゴム層と、第2の配合のゴムで形成された第2ゴム層と、第3の配合のゴムで形成された第3ゴム層の3層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記第1ゴム層および前記第2ゴム層をそれぞれ1段構造として、それぞれ1つのアプリケーターにより形成し、前記第3ゴム層を2つのアプリケーターの同時挙動により形成することを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記第1ゴム層および前記第2ゴム層をそれぞれ1段構造として、それぞれ1つのアプリケーターにより形成し、前記第3ゴム層を2つのアプリケーターの同時挙動により形成することを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、
前記空気入りタイヤの生カバー材料が、重荷重空気入りタイヤの生カバー材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記空気入りタイヤの生カバー材料が、重荷重空気入りタイヤの生カバー材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、
前記空気入りタイヤの生カバー材料が、ロートレッドであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記空気入りタイヤの生カバー材料が、ロートレッドであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、
前記ロートレッドを、トレッドとブレーカーとの密着を促進するためのアンダートレッド層と、車両走行時に前記トレッドの発熱を抑制するためのベーストレッド層と、路面に接地して駆動するためのキャップトレッド層とを積層して貼り合わせることにより製造することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記ロートレッドを、トレッドとブレーカーとの密着を促進するためのアンダートレッド層と、車両走行時に前記トレッドの発熱を抑制するためのベーストレッド層と、路面に接地して駆動するためのキャップトレッド層とを積層して貼り合わせることにより製造することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項8に記載の発明は、
積層させた複数のゴム層を、トレッドステッチャーローラーを用いて押圧することによりトレッドステッチを行うトレッドステッチ工程をさらに有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
積層させた複数のゴム層を、トレッドステッチャーローラーを用いて押圧することによりトレッドステッチを行うトレッドステッチ工程をさらに有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項9に記載の発明は、
前記ゴムストリップの幅が23〜28mm、厚みが1.0〜1.5mmであり、
前記トレッドの総幅が250〜300mm、最も厚みが厚い部分であるハンプ位置の厚みが25〜35mm、前記トレッドの端部から前記ハンプ位置までの距離が30〜40mmであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
前記ゴムストリップの幅が23〜28mm、厚みが1.0〜1.5mmであり、
前記トレッドの総幅が250〜300mm、最も厚みが厚い部分であるハンプ位置の厚みが25〜35mm、前記トレッドの端部から前記ハンプ位置までの距離が30〜40mmであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法である。
また、請求項10に記載の発明は、
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料である。
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料である。
本発明によれば、キャップトレッド層における空隙残りなど、生カバー材料の成形における不具合の発生を適切に抑制して、空気入りタイヤの生産性を向上させることができる空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法および前記製造方法を用いて製造された空気入りタイヤの生カバー材料を提供することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法は、従来の生カバー材料の製造方法と同様に、STW工法を用いて、円筒状の成形ドラムに、帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、生カバー材料を製造する製造方法である。以下、生カバー材料の一例としてロートレッドを挙げて、その製造方法について具体的に説明する。
本実施の形態において、このロートレッドの製造方法は、第1ゴム層(アンダートレッド層)形成工程、第2ゴム層(ベーストレッド層)形成工程、第3ゴム層(キャップトレッド層)形成工程を有しており、各工程で形成されたゴム層を貼り合わせることにより、生カバー材料としてのロートレッドを成形する。
(1)アンダートレッド層形成工程
アンダートレッド層は、空気入りタイヤにおいてトレッドとブレーカーの密着を促進させるために設けられるゴム層であり、アンダートレッド層用に配合されたゴムストリップを、1つのSTW用のアプリケーター(STWap)を用いて、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるように螺旋状に巻き重ねることにより、アンダートレッド層11が形成される(図2参照)。
アンダートレッド層は、空気入りタイヤにおいてトレッドとブレーカーの密着を促進させるために設けられるゴム層であり、アンダートレッド層用に配合されたゴムストリップを、1つのSTW用のアプリケーター(STWap)を用いて、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるように螺旋状に巻き重ねることにより、アンダートレッド層11が形成される(図2参照)。
(2)ベーストレッド層形成工程
ベーストレッド層は、車両走行時の発熱を抑制するために設けられるゴム層であり、アンダートレッド層形成工程と同様に、1つのアプリケーターを用いて、ベーストレッド層用に配合されたゴムストリップを、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるようにアンダートレッド層11上に螺旋状に巻き重ねることにより、ベーストレッド層12が形成される(図2参照)。
ベーストレッド層は、車両走行時の発熱を抑制するために設けられるゴム層であり、アンダートレッド層形成工程と同様に、1つのアプリケーターを用いて、ベーストレッド層用に配合されたゴムストリップを、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるようにアンダートレッド層11上に螺旋状に巻き重ねることにより、ベーストレッド層12が形成される(図2参照)。
(3)キャップトレッド層形成工程
キャップトレッド層は、空気入りタイヤにおいて路面に接地して駆動するために設けられるゴム層であり、ベーストレッド層12上に、キャップトレッド層用に配合されたゴムストリップを、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるように螺旋状に巻き重ねることにより、キャップトレッド層13が形成される(図2参照)。
キャップトレッド層は、空気入りタイヤにおいて路面に接地して駆動するために設けられるゴム層であり、ベーストレッド層12上に、キャップトレッド層用に配合されたゴムストリップを、成形ドラムの一端側から他端側に向けて、ゴムストリップの側縁が互いに重なるように螺旋状に巻き重ねることにより、キャップトレッド層13が形成される(図2参照)。
以上の各工程は、基本的に従来の生カバー材料の製造方法と同じである。しかし、本実施の形態においては、最上層のゴム層であるキャップトレッド層を形成する工程が、キャップトレッド層用に配合されたゴムストリップを3段以上巻き重ねて、所定の厚み、即ち、従来のキャップトレッド層と同じ厚みのゴム層を形成する工程である点において従来と異なる。
図1は本実施の形態に係る空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法におけるキャップトレッド層のハンプ位置付近を模式的に示す断面図である。
本実施の形態では、成形ドラムの一端側から他端側に向けて挙動させるアプリケーターを2つ用意し、それぞれの端部から他端部に向けて同時に挙動させて、ゴムストリップを巻き重ねることにより、キャップトレッド層13の第1段目の層13aと第2段目の層13bを形成する。即ち、図2に示すように、キャップトレッドSTWap第1挙動方向と、キャップトレッドSTWap第2挙動方向の2方向から同時にゴムストリップを巻き重ねる。このとき、成形ドラムの中央部において2つのSTWapが交差して他端部に至ることにより、第1段目の層と第2段目の層が形成される。
その後、第2段目の層の両端部において、図1に示すように、巻き重ねの進行方向を折り返し、ゴムストリップの巻き重ねを継続することにより、第2段目の層13b上に第3段目の層13cを形成する。これにより、図1のaの破線で囲った部分のように、ゴムストリップが3段積層されたキャップトレッド層13が形成される。
(4)トレッドステッチ工程
そして、本実施の形態では、3段構造のキャップトレッド層13を形成した後、トレッドステッチャーローラーStを用いて、形成された各層をキャップトレッド層13上から押圧することにより、各層を貼り合わせるトレッドステッチを行い、ロートレッド1の成形を完了する。
そして、本実施の形態では、3段構造のキャップトレッド層13を形成した後、トレッドステッチャーローラーStを用いて、形成された各層をキャップトレッド層13上から押圧することにより、各層を貼り合わせるトレッドステッチを行い、ロートレッド1の成形を完了する。
このように、本実施の形態によれば、従来と同じ厚みのキャップトレッド層13を形成する際に、従来よりも多い3段構造にしているため、ハンプ位置におけるゴムストリップの巻き付け角度を、従来の2段構造の場合に比べて小さくしても(ゴムストリップを寝かせた状態にしても)、トレッドとして適切な厚みが確保されたキャップトレッド層13を形成することができる。これにより、キャップトレッド層13を構成する各段のゴムストリップGが相互に面で接するようになるため、各段のゴムストリップGの間に空隙残りが発生することを抑制して、空気入りタイヤの生産性を向上させることができる。
また、巻き付け角度を小さくすることにより、ショルダー部bにおいてもゴムストリップGが面で接触するようになるため、トレッドステッチ時にトレッドステッチャーローラーStの負荷によって、ショルダー部bにゴムストリップ剥がれ(B/SH:ベアーショルダー)が生じることを防止することができる。
なお、キャップトレッド層13は、3段以上の構造であれば特に限定されないが、製造コストや製造効率の向上などの観点から、3〜4段構造であることが好ましい。
そして、上記のようにしてロートレッド1を成形するためには、ゴムストリップの寸法としては、幅は23〜28mm、厚みは1.0〜1.5mmであることが好ましく、このようなゴムストリップを用いて成形されるロートレッド1の寸法としては、総幅wが250〜300mm、ハンプ位置厚みtが25〜35mm、ハンプ位置とトレッドエッジ位置との距離lが30〜40mmであることが好ましい。この場合、より確実に寝かせた(角度が小さい)状態でゴムストリップを巻き重ねることが可能となるため、空隙残りの発生をより確実に抑制することができる。
また、キャップトレッド層形成工程において、2つのアプリケーターを、上記のように同時挙動させることにより、キャップトレッド層を構成する段数を増やした場合でも、高い生産効率を維持したまま、空隙残りの発生を防止することができ、より適切に生産性を向上させることができる。
なお、上記した生カバー材料の製造方法は、ロートレッド以外の生カバー材料の製造にも用いることができるが、目標となるゲージ(厚み)が厚く、従来からゴムストリップの巻き付け角度が大きくなる傾向があるロートレッドの成形に特に好ましく用いることができる。また、第1〜第3ゴム層の配合は、一般に、それぞれ異なっているが、同じ配合のゴム層であってもよい。
そして、このような生カバー材料の製造方法は、目標となるゲージ(厚み)が特に厚い重荷重用空気入りタイヤの生カバー材料の製造に適用した場合、さらに顕著な効果を得ることができる。
次に実施例により、本発明をより具体的に説明する。
1.試験用タイヤの作製
実施例として、上記の実施の形態に係る生カバー材料の製造方法を用いて生カバーを成形した後、加硫して試験用タイヤを作製した。試験用タイヤは、重荷重用空気入りタイヤであり、タイヤサイズが315/80R22.5および275/80R22.5の2種類の試験用タイヤを、半数ずつ、合計で105本作製した。
実施例として、上記の実施の形態に係る生カバー材料の製造方法を用いて生カバーを成形した後、加硫して試験用タイヤを作製した。試験用タイヤは、重荷重用空気入りタイヤであり、タイヤサイズが315/80R22.5および275/80R22.5の2種類の試験用タイヤを、半数ずつ、合計で105本作製した。
また、比較例として、従来の生カバー材料の製造方法を用いて、同サイズの2種類の試験用タイヤを、半数ずつ、合計で29509本作製した。なお、実施例と比較例において、同サイズのもの同士では、目的とするロートレッドの厚みは同じであり、ゴムストリップの巻き付け量は略同等である。
2.評価
加硫後の試験用タイヤの外観を目視すると共に、接触検査を行うことにより、空隙残り(A/T(エアートレッド))、ロートレッド表面と金型との圧着不足によって加硫後に生じるトレッド表面の傷残り(B/T(ベアートレッド))、ショルダー部分のゴムストリップ剥がれによって加硫後に生じる傷(B/SH(ベアーショルダー))の各不具合が発生したタイヤ数を計測し、各不具合の発生率を算出した。結果を表1に示す。
加硫後の試験用タイヤの外観を目視すると共に、接触検査を行うことにより、空隙残り(A/T(エアートレッド))、ロートレッド表面と金型との圧着不足によって加硫後に生じるトレッド表面の傷残り(B/T(ベアートレッド))、ショルダー部分のゴムストリップ剥がれによって加硫後に生じる傷(B/SH(ベアーショルダー))の各不具合が発生したタイヤ数を計測し、各不具合の発生率を算出した。結果を表1に示す。
表1より、比較例では各種の不具合が生じていたが、実施例では不具合が発生していないことが確認された。このことから、ゴムストリップを3段以上巻き重ねてキャップトレッド層を成形することにより、ロートレッドの空隙残り(エアートレッド)の発生などの各種の不具合を適切に抑制できることが確認された。
また、実施例および比較例について、ロートレッド成形に要するサイクルタイムを測定したところ、実施例のロートレッド成形のサイクルタイムは、少なくとも比較例と同等であり、実施例を適用しても、著しい生産性の低下を招かないことが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 ロートレッド(生トレッド)
11 アンダートレッド層
12 ベーストレッド層
13 キャップトレッド層
13a 第1段目の層
13b 第2段目の層
13c 第3段目の層
b ショルダー部
G ゴムストリップ
St トレッドステッチャーローラー
l ハンプ位置とトレッドエッジ位置との距離
t ハンプ位置厚み
w 総幅
11 アンダートレッド層
12 ベーストレッド層
13 キャップトレッド層
13a 第1段目の層
13b 第2段目の層
13c 第3段目の層
b ショルダー部
G ゴムストリップ
St トレッドステッチャーローラー
l ハンプ位置とトレッドエッジ位置との距離
t ハンプ位置厚み
w 総幅
Claims (10)
- ストリップワインド工法を用いて、円筒状の成形ドラムに帯状のゴムストリップを螺旋状に順次巻き重ねて、各々が所定の厚みに形成されたゴム層を複数積層して貼り合わせることにより、空気入りタイヤの生カバー材料を製造する空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法であって、
積層される複数の前記ゴム層のうち最上層のゴム層を形成する工程が、前記ゴムストリップを3段以上巻き重ねてゴム層を形成する工程であることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。 - 前記最上層のゴム層を形成するゴムストリップを、前記成形ドラムの径方向に3〜4段巻き重ねることにより形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 積層される複数の前記ゴム層が、第1の配合のゴムで形成された第1ゴム層と、第2の配合のゴムで形成された第2ゴム層と、第3の配合のゴムで形成された第3ゴム層の3層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 前記第1ゴム層および前記第2ゴム層をそれぞれ1段構造として、それぞれ1つのアプリケーターにより形成し、前記第3ゴム層を2つのアプリケーターの同時挙動により形成することを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 前記空気入りタイヤの生カバー材料が、重荷重空気入りタイヤの生カバー材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 前記空気入りタイヤの生カバー材料が、ロートレッドであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 前記ロートレッドを、トレッドとブレーカーとの密着を促進するためのアンダートレッド層と、車両走行時に前記トレッドの発熱を抑制するためのベーストレッド層と、路面に接地して駆動するためのキャップトレッド層とを積層して貼り合わせることにより製造することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 積層させた複数のゴム層を、トレッドステッチャーローラーを用いて押圧することによりトレッドステッチを行うトレッドステッチ工程をさらに有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。
- 前記ゴムストリップの幅が23〜28mm、厚みが1.0〜1.5mmであり、
前記トレッドの総幅が250〜300mm、最も厚みが厚い部分であるハンプ位置の厚みが25〜35mm、前記トレッドの端部から前記ハンプ位置までの距離が30〜40mmであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの生カバー材料の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする空気入りタイヤの生カバー材料。
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