JP2015128255A - 整合回路、増幅回路、および通信装置 - Google Patents

整合回路、増幅回路、および通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】増幅器の利得の広帯域化を図ることが可能な、整合回路、増幅回路、および通信装置を提供する。【解決手段】増幅トランジスタを含む増幅器が縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる整合回路であって、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、第1のπ型のバンドパスフィルタは、第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、およびキャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、を有する、整合回路が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、整合回路、増幅回路、および通信装置に関する。
縦続接続される増幅器間のインピーダンス(impedance)を整合させる整合回路(段間整合回路)に係る技術が開発されている。整合回路に係る技術としては、例えば、下記の非特許文献1に記載の技術や、下記の特許文献1に記載の技術が挙げられる。
特開2010−200107号公報
例えば、非特許文献1に記載の技術が用いられる場合には、整合回路は、π型のハイパスフィルタ(High Pass Filter。以下「HPF」と示す。)で構成され、また、特許文献に記載の技術が用いられる場合には、整合回路は、Γ型のHPFで構成される。しかしながら、例えば、ミリ波(millimeter wave)帯などの高い周波数帯に対応するために、増幅器の利得の広帯域化を図ることが可能な、整合回路が望まれている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、増幅器の利得の広帯域化を図ることが可能な、新規かつ改良された整合回路、増幅回路、および通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、増幅トランジスタを含む増幅器が縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる整合回路であって、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、上記第1のπ型のバンドパスフィルタは、上記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および上記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、を有する、整合回路が提供される。
また、上記第1増幅器は、上記増幅トランジスタとして、第1増幅トランジスタと、上記第1増幅トランジスタとカスコード接続され、上記第1増幅トランジスタから出力される直流電流を利用して増幅動作を行う第2増幅トランジスタとを含む電流再利用型の増幅器であり、上記第1のπ型のバンドパスフィルタが有する、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、上記第2増幅トランジスタの対地容量であってもよい。
また、上記第2増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて上記ドレインと上記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、上記第1増幅トランジスタと上記第2増幅トランジスタとの間に接続される第2のπ型のバンドパスフィルタをさらに備え、上記第2のπ型のバンドパスフィルタは、上記第2増幅トランジスタの上記ソースと接続される、上記第1増幅トランジスタの出力負荷用の第4インピーダンス素子、および上記第1増幅トランジスタの対地容量と、上記第2増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第5インピーダンス素子、および、上記第2増幅トランジスタの対地容量と、上記第1増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および上記キャパシタと直列に接続される第6インピーダンス素子と、を有していてもよい。
また、上記第1増幅器と、上記第2増幅器とは、カスコード型の増幅器であってもよい。
また、上記第1インピーダンス素子のインピーダンスを調整する第1調整部をさらに備えていてもよい。
また、上記第2インピーダンス素子のインピーダンスを調整する第2調整部をさらに備えていてもよい。
また、上記第1インピーダンス素子、上記第2インピーダンス素子、および上記第3インピーダンス素子のうちの、1または2以上のインピーダンス素子は、寄生インダクタンスであってもよい。
また、上記第1インピーダンス素子は、上記第1インピーダンス素子のインダクタンスおよび上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量のキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定され、上記第2インピーダンス素子は、上記第2インピーダンス素子のインダクタンスおよび上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量のキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定され、上記第3インピーダンス素子は、上記第3インピーダンス素子のインダクタンスおよび上記キャパシタのキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定されてもよい。
また、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて上記ドレインと上記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの上記ドレインの寄生容量であってもよい。
また、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて上記ドレインと上記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの上記ゲートの寄生容量であってもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、入力された信号を増幅する増幅トランジスタをそれぞれ含み、縦続接続される複数の増幅器と、縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる1または2以上の整合回路とを備え、上記整合回路は、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、上記第1のπ型のバンドパスフィルタは、上記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および上記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、を有する、増幅回路が提供される。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、信号を受信する、または信号を送信する通信アンテナと、上記通信アンテナにおいて受信された信号、または、上記通信アンテナから送信する信号を増幅する増幅回路と、を備え、上記増幅回路は、入力された信号を増幅する増幅トランジスタをそれぞれ含み、縦続接続される複数の増幅器と、縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる1または2以上の整合回路とを備え、上記整合回路は、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、上記第1のπ型のバンドパスフィルタは、上記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、上記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、上記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および上記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、を有する、通信装置が提供される。
本発明によれば、増幅器の利得の広帯域化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る整合回路の構成の一例を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る整合回路が用いられることによる効果の一例を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る整合回路が用いられることによる効果の一例を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路におけるシミュレーション(simulation)結果の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る整合回路が用いられることによる効果の一例を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る通信装置の構成の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本発明の実施形態に係る整合回路、増幅回路)
以下、本発明の実施形態に係る整合回路が、本発明の実施形態に係る増幅回路を構成する場合を例に挙げて、本発明の実施形態に係る整合回路と本発明の実施形態に係る増幅回路との構成の一例について説明する。
本発明の実施形態に係る増幅回路は、縦続接続(カスケード接続)される複数の増幅器と、本発明の実施形態に係る整合回路とを備える。本発明の実施形態に係る増幅回路を構成する増幅器それぞれは、入力された信号を増幅する増幅トランジスタ(transistor)を含む。また、本発明の実施形態に係る増幅回路は、バイアス回路(bias circuit)など、増幅動作に係る他の構成を有していてもよい。
本発明の実施形態に係る整合回路は、縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる。また、本発明の実施形態に係る整合回路は、π型のバンドパスフィルタ(Band Pass Filter。以下「BPF」と示す。)を備える。
ここで、本発明の実施形態に係る“一の構成要素と、他の構成要素とを、接続する”とは、“当該一の構成要素と当該他の構成要素とが、さらに他の構成要素を介さずに、電気的に接続されていること”、または、“当該一の構成要素と当該他の構成要素とが、さらに他の構成要素を介して、電気的に接続されていること”をいう。
以下、本発明の実施形態に係る増幅回路を構成するn段目(nは、1以上の整数)の増幅器、およびn+1段目の増幅器間のインピーダンスを整合させる整合回路に着目して、本発明の実施形態に係る整合回路の構成の一例について説明する。また、以下では、本発明の実施形態に係る整合回路の構成と併せて、本発明の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路の構成の一例を示す。
また、以下では、本発明の実施形態に係る増幅回路を構成する増幅器が、増幅トランジスタとしてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を備え、ソース接地増幅器である場合を例に挙げる。なお、本発明の実施形態に係る増幅回路を構成する増幅器が備える増幅トランジスタがMOSFETに限られず、また、本発明の実施形態に係る増幅回路を構成する増幅器が、ソース接地増幅器に限られないことは、言うまでもない。
[1]第1の実施形態に係る整合回路と、第1の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路
図1は、本発明の第1の実施形態に係る整合回路100の構成の一例を示す説明図である。
図1では、整合回路100の前段の増幅器であるn段目の増幅器を構成する増幅トランジスタM(n)と、整合回路100の後段の増幅器であるn+1段目の増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)とを併せて示している。増幅トランジスタM(n)と増幅トランジスタM(n+1)とは、ゲート(gate)と、ドレイン(drain)と、ソース(source)とを有し、ゲートに印加される電圧に応じて選択的にソース−ドレイン間が導通する。図1では、増幅トランジスタM(n)と増幅トランジスタM(n+1)とがnチャネル型のMOSFETである例を示しており、増幅トランジスタM(n)と増幅トランジスタM(n+1)とは、ソースが接地されている。以下では、本発明の実施形態に係る整合回路の前段の増幅器を「第1増幅器」と示し、また、本発明の実施形態に係る整合回路の後段の増幅器を「第2増幅器」と示す。
また、図1において、後述するインピーダンス素子Lの下端とグランド(ground)との間に接続された“MIM TL”は、AC(Alternating Current)短絡用キャパシタ(capacitor)である。換言すると、“MIM TL”は、MIMキャパシタを使用したTransmission Line(または、”0Ω transmission line”とも表される。)である。以下では、インピーダンス素子LとMIM TLとの接続点を「ACgndノード」と示す。
また、図1では、電圧が印加されるVg端子からバイアス抵抗Rを介して、第2増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)のゲート端子に対してゲート電圧が供給される。ここで、増幅トランジスタM(n+1)のゲート端子に対して供給されるゲート電圧は、バイアス電圧に該当し、図1では、Vg端子およびバイアス抵抗Rが、バイアス回路に相当する。
また、図1において、後述するインピーダンス素子Lの上端と電源電圧avdd(n)との間に接続された“MIM TL”は、AC短絡用キャパシタである。ここで、インピーダンス素子Lの上端と電源電圧avdd(n)との間に接続された“MIM TL”は、例えば、インピーダンス素子Lの上端のインピーダンスが、0(ゼロ(zero))となるように容量値設計されることが肝要である。
整合回路100は、π型のBPFを備える。以下では、図1に示す整合回路100を構成するπ型のBPF、または、整合回路100を構成するπ型のBPFと同一のπ型のBPFを、「第1のπ型のBPF」と示す。
整合回路100を構成する第1のπ型のBPFは、“インピーダンス素子L(第1のインピーダンス素子)、および第1増幅器を構成する増幅トランジスタM(n)の対地容量C”と、“キャパシタC、およびインピーダンス素子L(第3のインピーダンス素子)”と、“インピーダンス素子L(第2インピーダンス素子)、および、第2増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)の対地容量C”とを有する。
インピーダンス素子Lは、第1増幅器の出力負荷用のインピーダンス素子である。また、インピーダンス素子Lは、第2増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)に対応するバイアス回路用のインピーダンス素子である。
キャパシタCは、第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断する。つまり、キャパシタCは、第1増幅器を構成する増幅トランジスタM(n)と第2増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)とのDC(Direct Current)電位を分離する役目、すなわち、DCブロック(block)を行う役目を果たす。
インピーダンス素子Lは、キャパシタCと直列に接続され、第1増幅器と第2増幅器との間のインピーダンス整合を向上させる役目を果たす。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る整合回路100の構成の一例を説明するための説明図であり、キャパシタCと直列に接続されるインピーダンス素子Lが備えられる意義を説明するための図である。図2のA1は、インピーダンス素子Lが備えられない場合の等価回路を示しており、図2のA2は、図2のA1に示す構成における、第1増幅器と第2増幅器との間のインピーダンス整合の一例を示している。また、図2のB1は、インピーダンス素子Lが備えられる場合の等価回路を示しており、図2のB2は、図2のB1に示す構成における、第1増幅器と第2増幅器との間のインピーダンス整合の一例を示している。
インピーダンス素子Lが備えられない場合には、キャパシタCの容量が小さくなる程、第1増幅器と第2増幅器との間のインピーダンス整合は悪くなる。そこで、整合回路100では、インピーダンス素子LをキャパシタCと直列に接続させることによって、整合をとる。
インピーダンス素子L〜Lとしては、例えば、マイクロストリップライン(microstripline)の寄生インダクタンス(inductance)が挙げられる。また、例えば、インピーダンス素子L〜Lのうちの1または2以上は、インピーダンスを有する任意の回路素子であってもよい。また、インピーダンス素子L〜Lは、例えば、LC共振周波数(LおよびC
およびC、LおよびCそれぞれにおけるLC共振周波数)が、ミリ波帯(例えば、30[GHz]〜)など所定の帯域内となるように、素子の大きさ、すなわちインダクタンスが設定される。
第1増幅器を構成する増幅トランジスタM(n)の対地容量Cとしては、例えば、増幅トランジスタM(n)のドレインの寄生容量Cdsが挙げられる。また、例えば、増幅トランジスタM(n)の対地容量Cには、基板レイアウト(layout)に係る寄生容量が含まれていてもよい。また、例えば、増幅トランジスタM(n)の対地容量Cは、キャパシタなどの回路素子であってもよい。
第2増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)の対地容量Cは、例えば、増幅トランジスタM(n+1)のゲートの寄生容量Cgsが挙げられる。また、例えば、増幅トランジスタM(n+1)の対地容量Cには、基板レイアウトに係る寄生容量が含まれていてもよい。また、例えば、増幅トランジスタM(n+1)の対地容量Cは、キャパシタなどの回路素子であってもよい。
整合回路100は、例えば図1に示すような、第1のπ型のBPFで構成される。
ここで、整合回路100が設けられることによる効果の一例を示す。
図3A、図3Bは、本発明の第1の実施形態に係る整合回路100が用いられることによる効果の一例を説明するための説明図である。図3Aは、整合回路100が用いられることによる効果を示すための比較例であり、HPFで構成される整合回路の等価回路図(図3Aに示すA)と、整合回路としてHPFが用いられる場合におけるシミュレーション結果の一例(図3Aに示すB)とを示している。また、図3Bは、第1のπ型のBPFで構成される整合回路100の等価回路図(図3Bに示すA1、B1)と、整合回路100が用いられる場合におけるシミュレーション結果の一例(図3Bに示すA2、B2)とを示している。また、図3Bに示すB1は、実際のトランジスタ固有の内在寄生容量(Cgs、Cgd)などが考慮されたLC設定値が設定された、第1のπ型のBPFの一例を示しており、図3Bに示すB2は、図3BのB1に示す第1のπ型のBPFにおけるシミュレーション結果の一例を示している。
図3Aに示すBと、図3Bに示すA2とを比較すると、第1のπ型のBPFで構成される整合回路100は、HPFが用いられる場合と比較して広帯域特性と帯域内の利得平坦性とが改善されていることが分かる。また、図3Bに示すA2と、図3Bに示すB2とを比較すると、図3BのB2に示すように、実際のトランジスタ固有の内在寄生容量(Cgs、Cgd)などが考慮されたLC設定値が設定されることによって、高周波側の利得平坦性がさらに改善されることが分かる。
したがって、第1の実施形態に係る整合回路100が用いられることによって、増幅器の利得の広帯域化を図ることができる。
図4は、第1の実施形態に係る整合回路100が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路におけるシミュレーション結果の一例を示す説明図である。
図4に示すように、ミリ波帯(例えば、30[GHz]〜)において36[%]の広帯域特性(66.1[GHz]〜94.8[GHz])が実現されている。また、3dB帯域の帯域内利得偏差は、約2.5[dB]であり、良好な利得平坦性が実現されている。
したがって、第1の実施形態に係る整合回路100が用いられることによって、複数段の増幅器を有する本発明の実施形態に係る増幅回路では、良好な広帯域利得特性および帯域内利得平坦性が実現される。
[2]第2の実施形態に係る整合回路と、第2の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路
次に、可変周波数を実現することが可能な、第2の実施形態に係る整合回路の構成の一例を説明すると共に、第2の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路の一例を示す。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る整合回路200の構成の一例を示す説明図である。図5では、図1と同様に、整合回路200の前段の増幅器であるn段目の増幅器を構成する増幅トランジスタM(n)と、整合回路200の後段の増幅器であるn+1段目の増幅器を構成する増幅トランジスタM(n+1)とを併せて示している。
図5に示す整合回路200は、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と基本的に同様の構成を有するが、インピーダンス素子Lのインピーダンスを調整する第1調整部と、インピーダンス素子Lを調整する第2調整部とをさらに備える。
図5では、第1調整部の一例として、インピーダンス素子Lの上端と電源電圧avdd(n)との間に接続された“Variable MIM TL”を示している。また、図5では、第2調整部の一例として、インピーダンス素子Lの下端とグランドとの間に接続された“Variable MIM TL”を示している。
図5に示す“Variable MIM TL”は、例えば、トランジスタなどのスイッチング素子(switching element)や、スイッチング回路を含み、スイッチング素子などにおけるスイッチング動作によって、インピーダンス素子Lおよび/またはインピーダンス素子Lのインピーダンスを調整する。
図1において出力負荷インピーダンスは、インピーダンス素子LだけではなくMIM TLの僅かな寄生インダクタンス成分(〜10[pH])の影響を受ける。そのため、π型BPFからなる利得の周波数特性が低周波側にシフトする問題が起こり得る。MIM TLを構成するMIMキャパシタの実際のレイアウトには有限の大きさが有り、例えばミリ波帯のような高周波帯では無視できない寄生インダクタンス成分(〜10[pH])が存在する。この僅かなインダクタンス成分が出力負荷インピーダンスの増加を招き周波数特性を低周波側にシフトさせる。
出力負荷インピーダンス素子(マイクロストリップライン)の終端、換言すると出力負荷インピーダンス素子とMIMキャパシタとの接点が、インピーダンス・ゼロとなることが望ましい。そこで、例えばミリ波帯などの所定の周波数帯の動作周波数成分をAC接地する目的で、小さなMOMキャパシタ(櫛形メタル間容量を利用する構造)などを上記MIMキャパシタと並列に接続する(出力負荷インピーダンス素子端とグランド間に配置)。さらに、上記MOMキャパシタのグランド側端子にMOSトランジスタを用いたスイッチを挿入することにより、出力負荷インピーダンスをオン・オフ制御信号に応じてインピーダンスを変化させる。
MOSトランジスタのスイッチがオフであれば、上記MOMキャパシタは容量として機能せず、MIMキャパシタによる寄生インダクタンス(〜10[pH])の影響を受け出力負荷インピーダンスは僅かではあるが10[pH]程度大きく見えることになり、利得の周波数帯域は低い方へシフトする。一方、MOSトランジスタのスイッチがオンであれば、上記MOMキャパシタがミリ波帯などの所定の周波数帯でAC接地として機能し、上記サイズの大きいMIMキャパシタに起因する寄生インダクタンス(〜10[pH])がキャンセルされるように働くため出力負荷インピーダンスは僅かではあるが小さく見え、利得の周波数帯域は高い方へシフトする。
整合回路200では、上記の通り、僅かなインピーダンスの変化を利用して、ミリ波帯にて利得の周波数帯域を変化させることが可能である。ここで、上記MOSトランジスタのスイッチ制御は、図1におけるインピーダンス素子Lとバイアス供給ラインのインピーダンス素子Lとの一方または双方に適用することができる。
ここで、図5に示す“Variable MIM TL”(第1調整部、第2調整部)は、例えば、伝達されるオン・オフ制御信号に基づいてインピーダンス素子L、Lのインピーダンスを調整する。
本発明の実施形態に係るオン・オフ制御信号は、例えば、第1調整部と第2調整部とが有するスイッチング素子などにおけるスイッチング動作を制御する役目を果たす。例えば、本発明の実施形態に係る増幅回路や、後述する本発明の実施形態に係る通信装置が備える、制御部(後述する)において生成され、当該制御部から伝達される。制御部(後述する)は、例えば、アンテナ(antenna)を介して送受信する信号の周波数などに基づいて、オン・オフ制御信号を生成する。また、本発明の実施形態に係るオン・オフ制御信号は、例えば、上記制御部(図示せず)と同様の機能を有する外部装置(外部デバイス(device)や外部回路)において生成され、当該外部装置から通信を介して伝達されてもよい。
なお、本発明の実施形態に係る第1調整部と第2調整部との構成は、スイッチング素子などで構成されることに限られない。例えば、本発明の実施形態に係る第1調整部と第2調整部とは、インピーダンス素子L、Lのインピーダンスを調整することが可能な、任意の構成をとることが可能である。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る整合回路200が用いられることによる効果の一例を説明するための説明図である。図6のAは、整合回路200の等価回路を示し、図6のBは、整合回路200が用いられる場合にインピーダンス素子L、Lのインピーダンスを変化させた場合におけるシミュレーション結果の一例を示している。
例えば図6のBに示すように、インピーダンス素子L、Lのインピーダンスが変化することによって、増幅器の利得の周波数特性が、平行にシフト(shift)する。
よって、第2の実施形態に係る整合回路200は、インピーダンス素子L、Lのインピーダンスを調整することによって、可変周波数を実現することができる。
また、整合回路200は、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と基本的に同様の構成を有するので、第1の実施形態に係る整合回路100と同様の効果を奏することができる。
また、第2の実施形態に係る整合回路200が用いられることによって、複数段の増幅器を有する本発明の実施形態に係る増幅回路では、第1の実施形態に係る整合回路100が用いられる場合と同様に、良好な広帯域利得特性および帯域内利得平坦性が実現される。
なお、第2の実施形態に係る整合回路の構成は、図5に示す例に限られない。例えば、第2の実施形態に係る整合回路は、第1調整部と第2調整部とのうちの一方を備える構成であってもよい。第1調整部と第2調整部とのうちの一方を備える構成であっても、インピーダンス素子L、またはインピーダンス素子Lのインピーダンスが変化することによって、増幅器の利得の周波数特性を、平行にシフトさせることが可能である。よって、第1調整部と第2調整部とのうちの一方を備える構成であっても、インピーダンス素子Lまたはインピーダンス素子Lのインピーダンスを調整することによって、可変周波数を実現することができる。
[3]第3の実施形態に係る整合回路と、第3の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路
本発明の実施形態に係る整合回路が適用される、本発明の実施形態に係る増幅器は、図1や図5に示す第1増幅器、第2増幅器に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る増幅回路が備える増幅器は、カスコード(cascode)型の増幅器であってもよい。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図である。図7は、本発明の実施形態に係る増幅器がカスコード型の増幅器である場合において、第3の実施形態に係る整合回路として、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の構成を有する第1のπ型のBPFが適用された例を示している。
図7に示す増幅トランジスタM(n)は、ソース接地トランジスタであり、図7に示す増幅トランジスタMCA(n)は、第1増幅器のカスコード段のトランジスタである。また、図7に示す増幅トランジスタM(n+1)は、ソース接地トランジスタであり、図7に示す増幅トランジスタMCA(n+1)は、第2増幅器のカスコード段のトランジスタである。
図7に示すように、第3の実施形態に係る整合回路100は、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同一の構成を有するので、第1の実施形態に係る整合回路100と同様の機能を有する。よって、本発明の実施形態に係る整合回路が適用される増幅器である第1増幅器および第2増幅器が、カスコード型の増幅器であっても、第3の実施形態に係る整合回路100が用いられることによって、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の効果を奏することができる。
また、第3の実施形態に係る整合回路100が用いられることによって、複数段の増幅器を有する本発明の実施形態に係る増幅回路では、第1の実施形態に係る整合回路100が用いられる場合と同様に、良好な広帯域利得特性および帯域内利得平坦性が実現される。
なお、図7では、カスコード型の増幅器に対して、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の構成を有する第1のπ型のBPFが適用された例を示しているが、カスコード型の増幅器に対して、図5に示す第2の実施形態に係る整合回路200と同様の構成を有するπ型のBPFを適用することも可能である。
[4]第4の実施形態に係る整合回路と、第3の実施形態に係る整合回路が適用された本発明の実施形態に係る増幅回路
本発明の実施形態に係る整合回路が適用される増幅器は、図1や図5に示す第1増幅器、第2増幅器や、図7に示すカスコード型の増幅器に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る増幅回路が備える増幅器は、電流再利用型の増幅器であってもよい。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る整合回路の構成の一例を示す説明図であり、本発明の実施形態に係る増幅回路が備える増幅器が、電流再利用型の増幅器である場合において適用される整合回路の構成の一例を示している。
本発明の実施形態に係る増幅回路が備える、電流再利用型の第1増幅器は、増幅トランジスタとして、第1増幅トランジスタM(n)と、第2増幅トランジスタM(n)_auxとを含む。第2増幅トランジスタM(n)_auxは、第1増幅トランジスタM(n)とカスコード接続され、第1増幅トランジスタM(n)から出力される直流電流を利用して増幅動作を行う。
また、本発明の実施形態に係る増幅回路が備える、電流再利用型の第2増幅器は、増幅トランジスタとして、第1増幅トランジスタM(n+1)と、第2増幅トランジスタM(n+1)_auxとを含む。第2増幅トランジスタM(n+1)_auxは、第1増幅トランジスタM(n+1)とカスコード接続され、第1増幅トランジスタM(n+1)から出力される直流電流を利用して増幅動作を行う。
ここで、第2増幅トランジスタM(n)_auxと第2増幅トランジスタM(n+1)_auxとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを有し、ゲートに印加される電圧に応じて選択的にソース−ドレイン間が導通する。図8では、第2増幅トランジスタM(n)_auxと第2増幅トランジスタM(n+1)_auxとがnチャネル型のMOSFETである例を示している。また、第2増幅トランジスタM(n)_auxと第2増幅トランジスタM(n+1)_auxとのソースは、AC短絡用キャパシタである“MIM TL”によりAC接地されている。
第4の実施形態に係る整合回路は、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の構成を有する第1のπ型のBPFを備え、第1のπ型のBPFは、電流再利用型の第1増幅器と、電流再利用型の第2増幅器との間に接続される。第4の実施形態に係る整合回路における、第1のπ型のBPFが有する第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量としては、第2増幅トランジスタM(n)_auxの対地容量C1bが該当する。
また、第4の実施形態に係る整合回路は、電流再利用型の増幅器を構成する第1増幅トランジスタと第2増幅トランジスタとの間に接続される、π型のBPFをさらに備える(図8に示す300A、300B)。以下では、電流再利用型の増幅器を構成する第1増幅トランジスタと第2増幅トランジスタとの間に接続されるπ型のBPFを、「第2のπ型のBPF」と示す。
第1増幅器に対応する第2のπ型のBPF(図8に示す300A)を例に挙げて、第4の実施形態に係る整合回路を構成する第2のπ型のBPFの構成について説明する。なお、第2増幅器に対応する第2のπ型のBPF(図8に示す300B)は、第1増幅器に対応する第2のπ型のBPF(図8に示す300A)と同様の構成をとる。
第4の実施形態に係る整合回路を構成する第2のπ型のBPFは、“インピーダンス素子L1a(第4のインピーダンス素子)、および第1増幅器を構成する第1増幅トランジスタM(n)の対地容量C1a”と、“キャパシタC2a、およびインピーダンス素子L2a(第6のインピーダンス素子)”と、“インピーダンス素子L3a(第5インピーダンス素子)、および、第2増幅トランジスタM(n)_auxの対地容量C3a”とを有する。
インピーダンス素子L1aは、第1増幅トランジスタの出力負荷用のインピーダンス素子であり、第2増幅トランジスタM(n)_auxのソースと接続される。また、インピーダンス素子L3aは、第2増幅トランジスタM(n)_auxに対応するバイアス回路用のインピーダンス素子である。
キャパシタC2aは、第1増幅トランジスタM(n)の出力の直流成分を遮断する。つまり、キャパシタC2aは、第1増幅トランジスタM(n)と第2増幅トランジスタM(n)_auxとのDC電位を分離する役目、すなわち、DCブロックを行う役目を果たす。
インピーダンス素子L2aは、キャパシタC2aと直列に接続される。インピーダンス素子L2aは、図1に示す第1のπ型のBPFが備えるインピーダンス素子Lと同様に、第1増幅トランジスタM(n)と第2増幅トランジスタM(n)_auxとの間のインピーダンス整合を向上させる役目を果たす。
インピーダンス素子L1a〜L3aとしては、例えば、マイクロストリップラインの寄生インダクタンスが挙げられる。また、例えば、インピーダンス素子L1a〜L3aのうちの1または2以上は、インピーダンスを有する任意の回路素子であってもよい。
第1増幅トランジスタM(n)の対地容量C1aとしては、例えば、第1増幅トランジスタM(n)のドレインの寄生容量Cdsが挙げられる。また、例えば、第1増幅トランジスタM(n)の対地容量C1aには、基板レイアウトに係る寄生容量が含まれていてもよい。また、例えば、第1増幅トランジスタM(n)の対地容量C1aは、キャパシタなどの回路素子であってもよい。
第2増幅トランジスタM(n+1)の対地容量C3aは、例えば、第2増幅トランジスタM(n)_auxのゲートの寄生容量Cgsが挙げられる。また、例えば、第2増幅トランジスタM(n)_auxの対地容量C3aには、基板レイアウトに係る寄生容量が含まれていてもよい。また、例えば、第2増幅トランジスタM(n)_auxの対地容量C3aは、キャパシタなどの回路素子であってもよい。
第4の実施形態に係る整合回路を構成する、電流再利用型の増幅器に対応する第2のπ型のBPFは、例えば図8に示すように、第1のπ型のBPFと同様の構成を有する。
第4の実施形態に係る整合回路は、第1増幅器と第2増幅器との間に接続される第1のπ型のBPFと、各増幅器を構成する第1増幅トランジスタと第2増幅トランジスタとの間に接続される第2のπ型のBPFとを有する。ここで、第4の実施形態に係る整合回路を構成する第1のπ型のBPFは、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100を構成する第1のπ型のBPFと同一の構成を有する。また、第4の実施形態に係る整合回路を構成する第2のπ型のBPFは、第1の実施形態に係る整合回路100を構成する第1のπ型のBPFと同様の構成を有する。
よって、本発明の実施形態に係る整合回路が適用される増幅器である第1増幅器および第2増幅器が、電流再利用型の増幅器であっても、第4の実施形態に係る整合回路が用いられることによって、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の効果を奏することができる。
また、第4の実施形態に係る整合回路が用いられることによって、複数段の増幅器を有する本発明の実施形態に係る増幅回路では、第1の実施形態に係る整合回路100が用いられる場合と同様に、良好な広帯域利得特性および帯域内利得平坦性が実現される。
なお、図8では、第1増幅器と第2増幅器との双方が、電流再利用型の増幅器である例を示しているが、第1増幅器と第2増幅器との一方が電流再利用型の増幅器であってもよい。また、図8では、第1増幅器と第2増幅器との間に接続される第1のπ型のBPFとして、図1に示す第1の実施形態に係る整合回路100と同様の構成を有する第1のπ型のBPFが適用された例を示しているが、図5に示す第2の実施形態に係る整合回路200と同様の構成を有するπ型のBPFを適用することも可能である。
(本発明の実施形態に係る通信装置)
次に、上述した本発明の実施形態に係る増幅回路が適用される、本発明の実施形態に係る通信装置の構成の一例ついて説明する。以下では、本発明の実施形態に係る通信装置が、外部装置から無線で送信された信号を受信する受信機能を有する受信装置である場合を主に例に挙げる。なお、本発明の実施形態に係る通信装置は、外部装置に対して無線で信号を送信する送信機能を有する送信装置であってもよく、また、受信機能と送信機能との双方を有する送受信装置であってもよい。
図9は、本発明の実施形態に係る通信装置400の構成の一例を示す説明図である。通信装置400は、例えば、通信アンテナ402と、増幅回路404と、検波回路406と、バッファ408とを備える。
また、通信装置400は、例えば、制御部(図示せず)や、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory。図示せず)などを備えていてもよい。通信装置400は、例えば、データ(data)の伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続する。
ここで、制御部(図示せず)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や各種処理回路などで構成され、通信装置400全体を制御する。また、制御部(図示せず)は、例えば、図9に示す増幅回路404、検波回路406、およびバッファ408(buffer)を備えていてもよい。
ROM(図示せず)は、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
通信アンテナ402は、信号を受信する。通信アンテナ402は、例えば、1または2以上のアンテナ素子を有する。
通信アンテナ402が受信する信号としては、例えば、ミリ波帯の信号が挙げられる。なお、通信アンテナ402が受信する信号は、ミリ波帯の信号に限られず、マイクロ波(microwave)帯などの他の周波数帯の信号であってもよい。また、通信アンテナ402が受信する信号としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの所定の変調方式で変調された信号が挙げられる。
増幅回路404は、通信アンテナにおいて受信された信号を増幅する。増幅回路404としては、例えば、上述した第1の実施形態に係る整合回路〜第4の実施形態に係る整合回路が適用された、本発明の実施形態に係る増幅回路が挙げられる。増幅回路404は、例えば、IC(Integrated Circuit)で実現される。
検波回路406は、通信アンテナ402において受信され、増幅回路404において増幅された信号を検波し、変調される前の信号を取り出す。
バッファ408は、検波回路406において取り出された信号をバッファリング(buffering)する。バッファ408においてバッファリングされた信号は、例えば、通信装置400が備える処理部(図示せず)や、外部装置において処理される。
本発明の実施形態に係る通信装置400は、例えば図9に示す構成を有する。ここで、通信装置400は、本発明の実施形態に係る増幅回路である増幅回路404を備える。
よって、通信装置400が備える増幅回路404では、増幅器の利得の広帯域化を図ることができ、また、良好な広帯域利得特性と帯域内利得平坦性とが実現される。
また、良好な広帯域利得特性と帯域内利得平坦性とが実現されるので、通信装置400では、外部装置との間において、ミリ波帯などの広帯域の信号を利用した高速大容量伝送を実現することができる。
なお、本発明の実施形態に係る通信装置の構成は、図9に示す構成に限られない。
例えば、本発明の実施形態に係る通信装置は、バッファ408を備えていなくてもよい。また、例えば、外部装置において、増幅回路404において増幅された信号が検波される場合には、本発明の実施形態に係る通信装置は、検波回路406を備えていなくてもよい。
また、上述したように、本発明の実施形態に係る通信装置は、送信機能を有していてもよい。
本発明の実施形態に係る通信装置が、送信機能を有する場合、増幅回路404は、送信する信号を増幅する。つまり、本発明の実施形態に係る増幅回路は、送信装置における広帯域パワーアンプの役目を果たすことも可能である。
また、本発明の実施形態に係る通信装置が、送信機能を有する場合、通信アンテナ402は、増幅回路404において増幅された信号を送信する。
また、本発明の実施形態に係る通信装置が、送信機能を有する場合、本発明の実施形態に係る通信装置は、所定の変調方式で変調を行う変調回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。変調回路(図示せず)をさらに備える場合には、増幅回路404は、変調回路(図示せず)において変調された信号を増幅する。
上記では、本発明の実施形態に係る整合回路を備える本発明の実施形態に係る増幅回路が適用される装置として、通信装置を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、携帯電話や、スマートフォン(smart phone)、タブレット型(tablet-type)の装置、テレビ受像機(television receiver)、表示装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、ゲーム機、PC(Personal Computer)などのコンピュータなど、通信機能を有する様々な機器に適用することができる。また、本発明の実施形態に係る増幅回路が適用される装置は、上記のような機器に組み込むことが可能な、無線通信デバイスであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100、200 整合回路
400 通信装置
402 通信アンテナ
404 増幅回路
406 検波回路
408 バッファ

Claims (12)

  1. 増幅トランジスタを含む増幅器が縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる整合回路であって、
    前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、
    前記第1のπ型のバンドパスフィルタは、
    前記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および前記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする、整合回路。
  2. 前記第1増幅器は、前記増幅トランジスタとして、第1増幅トランジスタと、前記第1増幅トランジスタとカスコード接続され、前記第1増幅トランジスタから出力される直流電流を利用して増幅動作を行う第2増幅トランジスタとを含む電流再利用型の増幅器であり、
    前記第1のπ型のバンドパスフィルタが有する、前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、前記第2増幅トランジスタの対地容量であることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  3. 前記第2増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて前記ドレインと前記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、
    前記第1増幅トランジスタと前記第2増幅トランジスタとの間に接続される第2のπ型のバンドパスフィルタをさらに備え、
    前記第2のπ型のバンドパスフィルタは、
    前記第2増幅トランジスタの前記ソースと接続される、前記第1増幅トランジスタの出力負荷用の第4インピーダンス素子、および前記第1増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第2増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第5インピーダンス素子、および、前記第2増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第1増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および前記キャパシタと直列に接続される第6インピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする、請求項2に記載の整合回路。
  4. 前記第1増幅器と、前記第2増幅器とは、カスコード型の増幅器であることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  5. 前記第1インピーダンス素子のインピーダンスを調整する第1調整部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  6. 前記第2インピーダンス素子のインピーダンスを調整する第2調整部をさらに備えることを特徴とする、請求項1、または5に記載の整合回路。
  7. 前記第1インピーダンス素子、前記第2インピーダンス素子、および前記第3インピーダンス素子のうちの、1または2以上のインピーダンス素子は、寄生インダクタンスであることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  8. 前記第1インピーダンス素子は、前記第1インピーダンス素子のインダクタンスおよび前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量のキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定され、
    前記第2インピーダンス素子は、前記第2インピーダンス素子のインダクタンスおよび前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量のキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定され、
    前記第3インピーダンス素子は、前記第3インピーダンス素子のインダクタンスおよび前記キャパシタのキャパシタンスによる共振周波数が、所定の帯域内となるように、インダクタンスが設定されることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  9. 前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて前記ドレインと前記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、
    前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの前記ドレインの寄生容量であることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  10. 前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタは、ドレインと、ソースと、印加される電圧に応じて前記ドレインと前記ソースとを選択的に導通させるゲートとを有し、
    前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量は、前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの前記ゲートの寄生容量であることを特徴とする、請求項1に記載の整合回路。
  11. 入力された信号を増幅する増幅トランジスタをそれぞれ含み、縦続接続される複数の増幅器と、
    縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる1または2以上の整合回路とを備え、
    前記整合回路は、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、
    前記第1のπ型のバンドパスフィルタは、
    前記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および前記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする、増幅回路。
  12. 信号を受信する、または信号を送信する通信アンテナと、
    前記通信アンテナにおいて受信された信号、または、前記通信アンテナから送信する信号を増幅する増幅回路と、
    を備え、
    前記増幅回路は、
    入力された信号を増幅する増幅トランジスタをそれぞれ含み、縦続接続される複数の増幅器と、
    縦続接続された増幅器間のインピーダンスを整合させる1または2以上の整合回路とを備え、
    前記整合回路は、前段の増幅器である第1増幅器と、後段の増幅器である第2増幅器との間に接続される第1のπ型のバンドパスフィルタを備え、
    前記第1のπ型のバンドパスフィルタは、
    前記第1増幅器の出力負荷用の第1インピーダンス素子、および前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタに対応するバイアス回路用の第2インピーダンス素子、および、前記第2増幅器を構成する増幅トランジスタの対地容量と、
    前記第1増幅器を構成する増幅トランジスタの出力の直流成分を遮断するキャパシタ、および前記キャパシタと直列に接続される第3インピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする、通信装置。
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