JP2015127791A - ローラ、加熱部材、及びこれを備えた画像加熱装置 - Google Patents

ローラ、加熱部材、及びこれを備えた画像加熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ベルトの部分的な昇温を抑制することを目的とする。
【解決手段】 シート(P)上の画像(T)をニップ部(N)にて加熱する定着フィルム(100)と、定着フィルムに通電してこれを発熱させる通電回路(79)と、定着フィルムに当接してニップ部を形成する加圧ローラ(110)と、定着フィルムにその内面から当接して定着フィルムを前記ニップ部にて前記加圧ローラに当接させる弾性ローラであって、複数の空隙(124)と複数のフィラー粒子(123)とを含む弾性層(122)を備えた弾性ローラ(120)と、を有する定着装置(40)において、弾性層は、弾性ローラの軸線方向における熱伝導率が弾性ローラの径方向における熱伝導率の6倍から900倍である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シート上の画像を加熱するための加熱部材、ローラ、及びこれを備えた画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置では、シート上に形成された画像を熱定着する手段として定着装置(画像加熱装置)が用いられている。また、近年では省エネルギーの観点から定着ベルト(加熱回転体)そのものに発熱体を設けた定着装置が提案されている。このような定着装置はその構成が低熱容量であるため、ウォーミングアップにかかる時間が短く、省電力で動作させることができる。
特許文献1の記載の定着装置では、抵抗発熱体層を備えた発熱ベルト(加熱回転体)の内側に弾性体ロールを配置している。このような構成により、発熱ベルトを介して弾性体ロールと加圧ロールによるニップ部を形成可能としている。また、特許文献1には、弾性体ロールに発泡体を用いる構成が開示されている。この構成により、抵抗発熱体層の熱量を効率よく画像定着に用いることが可能となり、ウォーミングアップにかかる時間を短くすることができる。
特開2009−109997号公報
しかしながら、特許文献1に記載の定着装置には次のような問題があった。それは、弾性体ロールに発砲体を用いた場合に、弾性ロールの径方向の熱伝導率だけでなく軸線方向の熱伝導率をも低下させてしまうという問題である。つまり、この定着装置は、発熱ベルトの幅よりも狭いサイズのシートを用いて連続して定着プロセスを行うと、発熱ベルトの、シートの幅よりも幅方向外側の領域が昇温してしまう虞がある。そのため、弾性体ロールの軸線方向の熱伝導率を向上させて均熱効果を高め、昇温を低減する構成とすることが望ましい。
したがって、本発明の目的は、ベルトの部分的な昇温を抑制することである。
また、本発明の他の目的は、加熱部材の部分的な昇温を抑制することである。
第1発明は、画像加熱装置において、シート上の画像をニップ部にて加熱するエンドレス状のベルトと、ベルトを発熱させる発熱手段と、ベルトと当接してニップ部を形成するニップ形成部材と、ベルトにその内面から当接してベルトをニップ部にてニップ形成部材に当接させる当接ローラであって複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層を備えた当接ローラとを有し、弾性層は当接ローラの軸線方向における熱伝導率が当接ローラの径方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とするものである。
第2発明は、シート上の画像を加熱する加熱部材において、発熱する発熱層と、発熱層よりも加熱部材の厚み方向内側に設けられた弾性層であって複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層と、を有し、弾性層は加熱部材の長手方向における熱伝導率が加熱部材の厚み方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とするものである。
第3発明は、シート上の画像をニップ部にて加熱するエンドレス状のベルトとベルトに当接してニップ部を形成するニップ形成部材とを備える画像加熱装置に用いられベルトにその内面から当接してベルトをニップ部にてニップ形成部材に当接させる当接ローラにおいて、複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層を有し、弾性層は当接ローラの軸線方向における熱伝導率が当接ローラの径方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とするものである。
本発明によれば、ベルトの部分的な昇温を抑制することができる。
また、本発明によれば、加熱部材の部分的な昇温を抑制することができる。
実施例1の画像形成装置の構成を示す断面図である。 実施例1における定着装置の構成を示す断面図である。 実施例1における定着装置への通電内容を示す説明図である。 定着フィルムの層構成を示す断面図である。 弾性ローラの構成を示す説明図である。 弾性ローラの周方向に沿った弾性層の断面図である。 弾性ローラの軸線方向に沿った弾性層の断面図である。 直径Dと長さLの関係を示した説明図である。 弾性層の熱伝導率の評価方法の説明図である。 実施例1と比較例1の立ち上がり時間の測定結果を示すグラフである。 実施例1と比較例1の非通過部の温度を測定したグラフである。 定着フィルムとシートの位置関係の説明図である。 実施例2における定着装置の構成を示す断面図である。 実施例3における定着装置の構成を示す断面図である。 定着ローラの層構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、以下の実施例では、本発明を適用することのできる画像形成装置について、電子写真プロセスを利用したタンデム型のフルカラーレーザビームプリンタを例に挙げて説明する。
[画像形成装置]
まず、画像形成装置の構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施例における画像形成装置の一例である、フルカラーレーザビームプリンタの構成を示す断面図である。以降、このフルカラーレーザビームプリンタを単にプリンタ1と呼ぶ。
図1は、プリンタ1の構成を示すシートPの搬送方向に沿った断面図である。なお、ここでいうシートPとは、トナーの画像Tが形成されるものである。シートPの具体例として、普通紙、樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムなどがある。
図1に示すように、プリンタ1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のトナーの画像Tを形成可能な画像形成部10を備えている。画像形成部10は図の左側から順にY、M、C、Bkの各色に対応した4つの感光ドラム11を備えている。4つずつある感光ドラム11及びその周囲の構成は、扱う現像剤(以下、トナーと称する)の色が異なる点以外は同様に構成されている。従って以降の説明においてはBk色に対応した感光ドラム11回りの構成を例に説明し、他の色の同様の構成については同一の符号を用いて記載し、その説明を省略する。
電子写真感光体としての感光ドラム11は不図示の駆動源(モータ)によって矢印方向(図1中の反時計回り方向)に回転駆動する。感光ドラム11の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム11、帯電器12、レーザスキャナ13、現像器14、クリーナ15、一次転写ブレード17が配置されている。
電子写真感光体としての感光ドラム11は、帯電器12によってその表面をあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、画像情報に応じた静電潜像を形成される。この潜像は、現像器14によって現像されて、黒色のトナーの画像になる。このとき他の色についても同様の工程がおこなわれる。そして、各感光ドラム11上の画像Tは、一次転写ブレード17によって、像担持体である中間転写ベルト31に順次一次転写される。一次転写後、感光ドラム11に転写されず残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。こうして、感光ドラム11の表面は清浄になり、次の画像形成が可能な状態となる。
一方、給送カセット20又はマルチ給送トレイ25に置かれたシートPは、給送機構(不図示)によって1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、シートPを一旦停止させて、シートPが搬送方向に対して斜行している場合はその向きを真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナーの画像Tと同期を取って、シートPを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。転写ベルト上のカラーの画像Tは、転写体である例えば転写ローラ35によってシートPに転写される。その後、シートPは定着装置40に向かって送り込まれる。そして、シート上の画像Tは、定着装置40によって加熱、加圧されることでシートPに定着される。
シートPの片面だけに画像Tを形成する場合、切り換えフラッパ61の切り換えにより、排出ローラ63を介してシートPはプリンタ1外に排出される。シートPの排出先は、プリンタ1の側面に配置されている排出トレイ64か、プリンタ1の上面に配置されている排出トレイ65のどちらかである。切り換えフラッパ61が破線の位置にある場合には、シートPはフェイスアップ(画像Tが上側)で排出トレイ64上に排出される。切り換えフラッパ61が実線の位置にある場合には、シートPは、フェイスダウン(画像Tが下側)で排出トレイ65に排出される。
シートPの両面に画像Tを形成する場合、既に定着装置40によって画像Tを定着されているシートPは、まず、実線の位置にいるフラッパ61によって上方へ案内される。そしてその後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路73によってスイッチバック搬送されることで表裏反転する。その後、シートPは、両面搬送路70を経てレジストローラ対23に送り込まれ、片面の画像形成と同様の処理を施される。つまり、シートPは、画像Tが定着済みの面とは反対の面に新たな画像Tを形成されて、排出トレイ64または排出トレイ65上に排出される。なお、フラッパ61、搬送路73等で構成される構成は、反転手段の一例である。
[定着装置]
次に、プリンタ1に用いられる画像加熱装置としての定着装置40の構成について、図を用いて詳細に説明する。図2は、定着装置40の構成を示す断面図である。図3は、定着装置への通電構成を説明するための説明図である。なお、図3において、弾性ローラ120の図示を省略している。
本実施例では、図2に示すように、ベルトとしての定着フィルム100と加圧ローラ110との間にニップ部Nを形成し、シートP上の画像Tをニップ部Nで熱定着するフィルム定着方式の定着装置40を用いる。フィルム定着方式の定着装置40は、その構成の熱容量が小さいため昇温性能にすぐれており、省エネルギーで動作する点を特徴する。さらには、本実施例では、定着フィルム100を加圧ローラ110に向けて押圧する押圧部材としてスポンジ状の弾性層122を有する弾性ローラ120を用いている。そのため、定着フィルム100の熱が弾性ローラ120の径の中心方向(芯金121方向)に移動しにくい。つまり、定着フィルム100の熱を効率よく画像Tの熱定着に用いることができる。このように、本実施例では定着フィルム100(加熱部材)の熱が定着フィルム100の径方向内側へと移動するのを抑制することを目的の一つとする。したがって、本実施例は定着フィルム100のように発熱する加熱部材を用いた定着装置40に適用される。以下、定着装置40の構成について説明する。
加熱フィルム(加熱部材)としての定着フィルム100は、発熱層102への通電により電気抵抗による発熱をして、シートP上の画像Tをニップ部Nにて加熱する円筒状(エンドレス状)のフィルム(ベルト)である。本実施例における定着フィルム100の外径は約φ30mmであり、幅方向(図2中の奥手前方向)の長さは約300mmである。定着フィルム100の内部には、弾性ローラ120を定着フィルム100の内面に接触するように配置している。定着フィルム100の層構成については詳細を後述する。
ニップ形成部材としての加圧ローラ110は、定着フィルム100との間でニップ部Nを形成するローラ部材である。加圧ローラ110は、金属製の芯金111の上に弾性層112が、弾性層112の上に離型層113が順に積層された多層構造となっている。芯金111の材料の例としてはSUS(ステンレス鋼)、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、Al(アルミニウム)等が挙げられる。弾性層112の例としては弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層等が挙げられる。離型層113の材料の例としては次のようなフッ素樹脂材料が挙げられる。フッ素樹脂材とは、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)・PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)・FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)である。
本実施例の加圧ローラ110は、外径が約φ30mmであり、幅方向の長さが約300mmの円筒形状のローラである。詳細には、ステンレス製の芯金111上に、厚み約3mmの絶縁性のシリコーンゴムの弾性層112を設け、弾性層の表層にPFAの離型層113を設けている。
また、芯金111はモータM(駆動手段)に機械的に接続されており、モータMが通電を受けて駆動するのにともない加圧ローラ110が図中矢印方向(反時計回り方向)に回転する。そして、回転する加圧ローラ110は、ニップ部Nでの摩擦により定着フィルム100を図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転させる。また、定着フィルム100の回転に伴い、定着フィルム100の内面に接触する弾性ローラ120が、定着フィルム100の内面との摩擦により図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転する。
当接ローラとしての弾性ローラ120は、定着フィルム100をその内面から加圧ローラ110に向かって押圧するローラである。弾性ローラ120は、芯金121の外側に弾性層122が設けられた構成であり、その外径は、定着フィルム100の内径よりも若干小さく設けられているため、定着フィルム100の内周に挿入可能となっている。なお、弾性層122の柔軟性によっては、定着フィルム100の内径よりも若干大きな径の弾性ローラ120を圧縮した状態で定着フィルム100の内周に挿入してもよい。このように構成することで、定着フィルム100と全内周面と弾性ローラ120の全外周面が接触し、定着フィルムと弾性ローラの位置関係がずれにくくなる。本実施例では、定着フィルム100の幅方向の両端にフランジ(不図示)を設けることで、定着フィルム100が弾性ローラ120の軸線方向に寄り移動することを規制している。
本実施例の弾性ローラ120は、定着フィルム100の内部に挿入する構成となっており、弾性ローラ120と定着フィルム100の位置関係が接着剤等によって固定されていない。そのため、弾性ローラ120が強い外力を受ける等して、芯金121と定着フィルム100とで周速度差を生じる場合であっても、弾性ローラ120と定着フィルム100が摺動可能であるから、弾性層122がねじれてしまうことが無い。
芯金121は、鉄やアルミニウム等の金属を材料とした軸状の部材である。本実施例ではステンレス製の芯金を用いた。芯金121の軸線方向の両端部は、回転軸受け(不図示)を介して加圧機構(不図示)に回転可能に保持されている。そして、加圧機構が芯金121の両端部を加圧ローラ110に向けて加圧することで、弾性ローラ120は定着フィルム100を介して加圧ローラ110を所定の押圧力で押圧する。そして、加圧ローラ110が押圧されて弾性層112が変形することで所定幅の定着ニップNが形成される。本実施例に於ける加圧機構(不図示)による加圧力は一端側が約156.8N、総加圧力が約313.6N(約32kgf)である。
図6は、弾性ローラ120の周方向断面に沿った弾性層122の断面図である。図7は、弾性ローラ120の軸線方向に沿った弾性層122の断面図である。
弾性層122はシリコーンゴムのベースポリマー126をベースとして構成されている。弾性層122の厚みはニップ部Nを所望の幅に形成できれば特に限定されないが、2mm〜10mmが好ましい。本実施例ではニップ部Nの幅(図2の左右矢印方向の幅)が約5mmとなるよう弾性層122の厚みを約3mmとした。図6及び図7に示すように、弾性層122には、複数の空隙124が設けられており、針状フィラー123(フィラー粒子)が添加されている。弾性層122のこの構成によって弾性ローラ120は、その長手方向において熱伝導率が高く、その径方向において熱伝導率が低い構成となっている。弾性層122の詳細については後述する。
ところで、定着フィルム100に部材が当接する場合、前記部材は定着フィルム100との接触面積が大きいほど定着フィルム100と熱交換を行うことができる。したがって、定着フィルム100の非通過部の昇温を抑制することを目的とする場合、前記部材は定着フィルム100と、より多く当接することが望ましい。
そこで本実施例では、弾性ローラ120と定着フィルム100の接触面積を、ニップ部Nにおける定着フィルム100と加圧ローラ110の接触面積よりも広くなるように構成している。言い換えると、定着フィルム100とのその周方向における接触長さは、加圧ローラ110よりも弾性ローラ120の方が長くなるように構成されている。
本実施例では、加圧機構による押圧力を受けて弾性変形した状態の弾性ローラ120が、定着フィルム100の内周面の約50%に接触するように構成している。つまり、弾性ローラ120は、定着フィルム100とのその周方向における接触長さが約45mmとなるように配置されている。つまり、弾性ローラ120と定着フィルム100の接触長さは、ニップ部Nにおける定着フィルム100と加圧ローラ110の接触長さ(約5mm)の約9倍である。しかしながら、定着フィルム100と弾性ローラ120の接触長さは、上述した値のみには限られない。加圧ローラ110よりも定着フィルム100との接触長さが大きくなれば、弾性ローラ120の寸法及び配置は適宜設計可能である。例えば、定着フィルム100の全内周に弾性ローラ120が当接するように、定着フィルム100の内径と弾性ローラ120の外径を同径にしてよい。
したがって、仮に加圧ローラ110と弾性ローラ120に同一の部材が用いた場合であっても、弾性ローラ120は加圧ローラ110よりも効率的に定着フィルム100の非通過部昇温を抑制することができる。
サーミスタ118は非接触の温度検知手段であり、定着フィルム100の表面の温度を検出している。そして、検知した表面温度に応じた出力を制御回路150等に送信している。制御回路150については後述する。
給電部材81(81a、81b)は、定着フィルム100と接触することで電気的な接続を行う一対の部材である。図3に示すように、給電部材81aは定着フィルム100の幅方向一端側において定着フィルム100の電極105aに当接している。給電部材81bは定着フィルム100の幅方向他端側において、電極105bに当接している。
本実施例における給電部材81は、ステンレス製の板ばね形状の部材であり、定着フィルム100の外周面に向かって押圧された状態で配置されている。そして、給電部材81は回転する定着フィルム100に摺動しながら接触する。なお、給電部材81の形状は板バネ形状のみには限られない。例えば、摺動しながら接触するブラシ形状であってもよく、また、定着フィルム100に従動回転するコロ形状であってもよい。
図3に示すように、電極105(105a、105b)は、給電部材81と接触することで電気的に接続する定着フィルム100の導電部位である。電極105aは給電部材81aと接触して電気的に接続する。電極105bは給電部材81bと接触して電気的に接続する。電極105は、定着フィルム100の幅方向(加圧ローラ110の軸線方向と略平行な方向)における両端部において定着フィルム100の全周にわたって設けられている。電極105をこのような形状にすることで、給電部材81が回転する定着フィルム100に対して常に電気的に接続する。
発熱手段(給電手段)としての通電回路79は、給電部材81及び電極105を介して定着フィルム100に電力を供給する回路である。通電回路79と電気的に接続された給電部材81は電極105と接触することで、定着フィルム100に通電する。定着フィルム100に電力を供給する方法は交流電圧を印加するものと、直流電圧を印加するものと、これらを重畳したものと、がある。本実施例では、実効値が約100Vの交流電圧を印加することで定着フィルム100に給電している。
図3に示すように、定着装置40は、制御回路150によって、その通電内容を制御されている。制御回路150はサーミスタ118、通電回路79、モータMと接続されており、各種実行指示に対応する信号を出力することでこれらを制御する。
制御回路150は、各種制御に伴う演算を行うCPUと、各種プログラムを記憶したROM等の不揮発媒体を備えた回路である。このROMにはプログラムが記憶されており、CPUがこれを読みだして実行することで、各種制御を実行する。なお、制御回路150としては、同様の機能を果たせばASIC等の集積回路などでもよい。
制御回路150はサーミスタ118からの出力を所定の周期でサンプリングしており、こうして得られた定着フィルム100の温度情報を通電回路79への通電制御に反映させる。尚、本実施例の定着装置での上記制御は、シートPに画像を定着するための温度を鑑みて、サーミスタ118の検知温度が一定となるように制御している。
また、制御回路150はモータMの回転制御を行っている。制御回路150は、モータMを介して加圧ローラ110と定着フィルム100を所定の速度で回転させることで、定着処理にともないニップ部Nにて狭持搬送されるシートPが、所定のプロセススピードとなるように調整している。
[定着フィルム層構成]
次に、定着フィルム100の構成について図面を用いて詳細に説明する。図4は定着フィルム100の層構成を示す断面図である。図4において、矢印方向が定着フィルム100の内面側である。本実施例における定着フィルム100は、内面側から外面側へ順に、基層101、発熱層102、離型層104を備えた3層複合構造である。また、定着フィルム100の幅方向端部には、発熱層102の代わりに電極105が設けられている。
基層101は定着フィルム100のベースとなる層で、耐熱性の材料が使用される。熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、基層101の厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上がよい。耐熱性材料としては例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PTFE、PFA、FEP等の樹脂ベルト、更にはSUS、ニッケルなどの金属ベルトを使用できる。
本実施例では、厚さが約30μm、直径が約30mmの円筒状ポリイミドベルトを用いた。尚、基層20aとして導電性を有する材料を用いる場合は、基層101と発熱層102との間にポリイミドなどを用いた絶縁層を設けるとよい。
離型層104はシートPの剥離製を向上させるための層である。離型層104としては必要な厚さ、機械的及び電気的強度に応じてPFAチューブとPFAコートを使い分けることが出来る。本実施例では厚さ約20μmのPFAチューブを用いた。また、離型層104はシリコーン樹脂から成る接着剤により発熱層102と接着されている。
抵抗発熱層である発熱層102は、導電粒子としてのカーボンを含有したポリイミド樹脂を均一な厚さで基層101上に塗布した抵抗発熱体である。発熱層102の総抵抗値は約10.0Ωである。従って、電圧が約100Vの交流電源を通電する際に発生する電力は約1000Wである。尚、この抵抗値は定着装置として必要な発熱量によって適宜決定すればよく、カーボンの混合比率により適宜調整することができる。
更に、定着フィルム100の両端部には電極105が形成されており、電極105は発熱層102の両端に電気的に接続されている。本実施例では、電極105に、銀・パラジウムを含んだ導電特性を有する材料を用いている。
[弾性層]
次に、本実施例の特徴的な構成である弾性ローラ120の弾性層122について説明する。本実施例の定着装置40では、定着フィルム100の内面に弾性ローラ120を設けることで、定着フィルム100の幅方向の熱移動(均熱効果)を向上させている。つまり、定着フィルム100の熱が、弾性ローラ120を介して定着フィルムの幅方向に移動可能となっている。このような構成により、定着フィルム100の幅よりも狭いサイズのシートPを用いて連続して定着プロセスを行ったときに生じる非通過部の昇温を低減している。ここでいう非通過部昇温とは、定着フィルム100の、シートPと接触しない(外側の)領域が定着プロセスの実効に伴い異常に昇温してしまう現象である。
本実施例では、上述した構成において弾性ローラ120の弾性層122を特徴的な構成とすることで、より良好な効果を奏する定着装置40を提供可能としている。その特徴的な構成とは、弾性層122中に複数の空隙を形成し、針状フィラー123を添加することによって行われている。このような構成の弾性層122を備えた弾性ローラ120を用いることにより、定着装置40は、定着プロセスの立ち上がり時間と非通過部昇温の抑制効果を良好なものとしている。次に、弾性層122の構成について、図を用いて詳細に説明する。
図6及び図7に示すように、本実施例の弾性ローラ120の弾性層122には、針状フィラー123(フィラー粒子)が添加されている。図6によれば、針状フィラー123の直径Dの断面が主として観察することができる。図7によれば、針状フィラー123の長さLの部分が主として観察することができる。図8は直径Dと長さLの関係を示した説明図である。
針状フィラー123はその長さL方向において熱伝導パスとなり長さL方向の熱伝導率を増加させることができる。したがって、弾性ローラ120の軸線方向に沿って針状フィラー123を配向することで、弾性ローラ120の軸方向の熱伝導率を高めることができる。
また、図6及び図7において空隙124を観察することができる。この空隙124は、弾性層122をベースポリマー126にて形成する際に、吸水性ポリマーに水を含ませた含水材料を添加し、後に脱水することによって形成される隙間(空洞)である。空隙124は弾性層122を低熱伝導性にするとともに、見かけ密度を低下させることにより、容積比熱を低減することができる。なお、見かけ密度とは、空隙を含んだ体積を基にした密度である。
このようにして、空隙124によって弾性層122を低熱容量化して、針状フィラー123によって弾性層122の軸方向の熱伝導率を高めることで、弾性層122は軸線方向では高熱伝導性であり、径方向では低熱伝導性となっている。
本実施例の弾性層122は、以下に記した特徴を有しているために、非通過部昇温を抑制しつつ、立ち上がり時間短縮を実現することができる。
本実施例の弾性層122は、弾性ローラ120の軸線方向の熱伝導率λ1と弾性ローラ120の厚み方向(弾性ローラ120の径方向)の熱伝導率λ2の比であるλ1/λ2が6以上900以下である。つまり、λ1はλ2の6倍から900倍である。以降、比λ1/λ2を熱伝導率比αと記す。熱伝導率比αは、この範囲において高ければ高いほど、幅方向に熱を均一にしつつ、厚み方向への熱の逃げを抑制する。そのため、弾性ローラ120は非通過部昇温の抑制と立ち上がり時間の迅速化とを両立することができる。
なお、熱伝導率比αが6未満だと非通過部昇温の抑制の効果が十分に得られない場合がある。また、熱伝導率比αを900倍よりも大きくしようとすると、弾性層122における針状フィラー123や空隙124の割合が増えて加工成形が困難である。
なお、熱伝導率比αは以下のようにして求められる。まず、図5に示すように、弾性層122の任意の部位として、領域Fの範囲をサンプル125として剃刀で切りだす。次に、後述する方法によって軸方向の熱伝導率λ1と厚み方向の熱伝導率λ2を各々5回測定する。そして測定結果の平均値を用いてその比を算出することで熱伝導率比αを求めることができる。
図9を用いて、弾性層122の幅方向熱伝導率λ1及び厚み方向熱伝導率λ2の測定について説明する。図9は、熱伝導率の評価方法の説明図である。弾性層122から周方向(15mm)×幅方向(15mm)となるように切り出したサンプル125を複数重ね合わせることで、図9に記載するような厚み約15mmの熱伝導率の評価用試料を作成する。このとき、積み重ねたサンプル125が動かないように固定することが好ましい。ここでは、厚さ約0.07mm、幅約10mmのテープTAで被測定試料を固定した。また、精度のよい計測を行うために、被測定面の平面度を揃えるために剃刀にて被測定面及び被測定面裏面をカットする。こうして作成した被測定試料を2セット用意する。
幅方向熱伝導率λ1を測定する際は、図9に示すように、被測定試料の軸方向に直行する面でセンサSを挟みこみ、測定を行う。厚み方向熱伝導率λ2の測定する際は、上記と同様の方法で被測定試料の向きを変えて測定する。上述した測定はホットディスク法熱物性測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を使用した異方熱伝導率測定である。
このときの、弾性層122の厚み方向(弾性ローラ径方向)の熱伝導率は0.08W/(m・K)以上0.4W/(m・K)以下であることが望ましい。より好ましくは、0.2W/(m・K)以下であり、さらに好ましくは0.2W/(m・K)以下である。本実施例の構成で厚み方向の熱伝導率を0.08W/(m・K)よりも低くしようとした場合、弾性層122における針状フィラー123や空隙124の割合が増えて加工成形が困難である。
また、弾性層122の厚み方向の熱伝導率が0.4W/(m・K)よりも高い場合では、立ち上がり時間の短縮の効果が十分に得られない。弾性層122の厚み方向の熱伝導率が0.2W/(m・K)以下である場合、空隙のないソリッドタイプのシリコーンゴムと同程度に低い熱伝導率となる。そのため、針状フィラー123を添加したことによる弾性層122の厚み方向の高熱伝導化の影響が無視出来る程度となる。また、弾性層122の厚み方向の熱伝導率が0.11W/(m・K)以下である場合、定着部材として一般的に用いられる種々のソリッドゴム材料と比べても顕著な低熱伝導性を有する。
また、弾性層122の幅方向(弾性ローラ軸線方向)の熱伝導率は0.48W/(m・K)以上360W/(m・K)以下であることが望ましい。
次に、弾性層122の構成要素である、ベースポリマー126、針状フィラー123、空隙124について詳細に説明する。
[ベースポリマー]
弾性層122のベースポリマー126は付加硬化型液状シリコーンゴムを架橋硬化することで得られる。付加硬化型液状シリコーンゴムとは、ビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(甲)と、Si−H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(乙)とを有する未架橋シリコーンゴムである。
付加硬化型液状のシリコーンゴムは加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi−Hが付加反応することで架橋硬化が進行する。このとき反応を促進する触媒として(甲)には白金化合物を含有するのが一般的である。この付加硬化型液状シリコーンゴムは、本発明の目的を損なわない範囲でその流動性を調節できる。
[針状フィラー]
針状フィラー123としては、図8で示す様に、直径Dに対する長さLの比が大きい、すなわちアスペクト比が高い材料を使用することができる。なお、針状フィラー底面の形状は円状でも角状でも構わず、配向する材料で有れば適用可能である。
上述した条件を満たす材料の例としては、ピッチ系炭素繊維が挙げられる。特に、熱伝導率λが500W/(m・K)以上であるピッチ系炭素繊維を用いることが、本実施例においては望ましい。また、ピッチ系炭素繊維が針状であることにより、本実施例においては望ましい。針状のピッチ系炭素繊維の具体的な形状として、図8において直径Dが5〜11μm(平均直径)でありかつ長さL(平均長さ)が50μm以上1000μm以下程度のものが例示でき、工業的に入手容易である。
針状フィラー123の材料のその他の例としては、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、セピオライト、針状酸化スズ、針状水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
また、弾性層122中の針状フィラー123の含有量は5%以上(5体積%以上)かつ40%以下(40体積%以下)であること事が好ましい。なぜならば、この含有量が5体積%を下回ると、弾性層122の、弾性ローラ120の軸線方向の熱伝導率が低く、期待する非通過部昇温を抑制する効果が得られないからである。また、この含有量上限の40体積%を上回ると、弾性層122が固くなって弾性変形をしづらくなり、ニップ部Nに所望の定着ニップ幅を得ることが困難となる。
なお、上記の針状フィラー123の含有量、平均長さ、熱伝導率は以下のようにして求めることができる。
弾性層中の針状フィラー123の含有量(体積%)の測定方法は次のとおりである。まず弾性層122の任意の部分を切り出し、その25℃環境下における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(以下、この体積をVallと記す)。次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。こうして針状フィラー123を取り出すことで、針状フィラー123の重量を求める。
なお、弾性層122中に針状フィラー123以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態となる。
その場合、針状フィラーと無機フィラーが混在させた状態で25℃環境下における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(以下、この体積をVと記す)。その後、空気雰囲気下で700℃・1時間加熱することにより、針状フィラー123が熱分解除去する。残った無機フィラーの25℃環境下における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)を用いて測定する(以下、この体積をVと記す)。これらの値を基に、次の式から針状フィラー123の重量が求めることができる。
針状フィラーの体積(体積%)={(V−V)/Vall}×100
針状フィラー123の平均長さは、シリコーンゴム成分加熱除去後に残った針状フィラー123を顕微鏡で観察する一般的な方法により計測することができる。
針状フィラー123の熱伝導率は、熱拡散率と定圧比熱と密度から次の式で求めることができる。
熱伝導率=熱拡散率×定圧比熱×密度
なお、熱拡散率は、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(商品名:TC−7000、アルバック理工株式会社製)により測定する。定圧比熱は、示差走査熱量測定装置(商品名:DSC823e、メトラートレド株式会社製)により測定する。密度は、乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する。
また、本実施例の針状フィラー123の計測値としては、計5個の切断サンプルの平均値によって求めた含有量、平均長さ、熱伝導率を採用している。
[空隙]
本実施例の空隙124の形成には、吸水性ポリマーに水を含ませた含水材料を用いて空隙を形成する方式(特開2002−114860公報に記載)を用いている。これは、発泡剤や、中空粒子等の空隙形成手段では針状フィラー123の配向阻害を起こす場合があるためである。
弾性層122の幅方向の熱伝導率は、針状フィラー123の配向状態に大きく影響されるため、針状フィラー123の配向が阻害されると、非通過部昇温を抑制する効果が低減するため、好ましくない。一方、含水材料を用いて空隙を形成する方式では、針状フィラーの配向阻害を低減することができる。また、上記中空粒子を用いる空隙形成手段のような硬い殻がない為、含水ゲル分散状態時においてその径が小さい。そのため、ベースポリマー126が流動している状態時において、針状フィラー123の配向を阻害するような影響が少ない。なお、強度や画質への影響の観点から、空隙124の径は20μmを下回ることが好ましい。
弾性層122の空隙率は20%以上(20体積%以上)、70%以下(70体積%以下)が好適である。20体積%を下回る場合では、期待する立ち上がり時間短縮効果を得ることが困難である。70体積%よりも多くの空隙を形成しようとする場合は、弾性層122の成型が困難である。なお、空隙率が高い方が立ち上がり時間短縮できるため、より好ましい空隙率は35体積%以上、70体積%以下である。
弾性層122の表面からの深さ約500μmまでの領域の空隙率は次のように求める事ができる。まず、カミソリを用いて、弾性層の表面から深さ約500μmまでの領域を任意の面で切断して評価サンプルとして取得する。そして、このサンプルの25℃環境下における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(上記Vall)。
次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱する。そうすることで、シリコーンゴム成分を分解・除去する(以下、この時の重量減少をМpと記す)。こうして針状フィラー123を取り出すことで、針状フィラー123の重量を求める。
なお、弾性層122中に針状フィラー以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態である。その場合、針状フィラー123と無機フィラーを混在させた状態で25℃環境下における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(上記Vall)。これらの値を基に、次の式から空隙率を求めることができる。なお、シリコーンポリマーの密度は約0.97g/cmとして計算した(以下、この密度をρpと記す)。
空隙率(体積%)=[{(Vall−(Мp×ρp+V)}/Vall]×100
なお、本実施例の空隙量の計測では、計5個の評価サンプルについての平均値を採用している。
[立ち上がり時間測定]
次に本実施例の立ち上がり時間の速さについてその効果の検証をおこなう。ここでの検証は、図3に示す定着装置40において、本実施例と比較例1とで弾性ローラ120の構成を変えて行なった対照実験である。
本実施例の弾性ローラ120は、針状フィラー123の含有量を約10体積%とし、弾性層122の空隙率を約45体積%とした。比較例1の弾性ローラ120としては、針状フィラー123を添加しない空隙率が45体積%の発泡性断熱ローラを用いた。
この二つの条件下において、加圧ローラ110が駆動している状態で電力1100Wを投入し、定着フィルム100の表面の温度上昇の様子を計測して図10に示す。図10は、本実施例と比較例の立ち上がり時間の測定結果を示すグラフである。図10のグラフは、縦軸が定着フィルム100の表面温度(℃)であり、横軸が経過時間(s)である。なお、このときの室温は約23℃であり、電力ON時を経過時間0秒としている。
図10のグラフにおける実線は本実施例における立ち上がり温度曲線を示しており、破線は比較例1における立ち上がり温度曲線を示している。図10のグラフにおいて、本実施例と比較例1の立ち上がり温度曲線の様子を比較すると、ほぼ同一の立ち上がり特性を示していることがわかる。なお、時間が経過するにつれて比較例1のほうがやや優位な特性を示すが、許容の範囲である。なぜならば、実使用時の定着フィルム100の目標温度は150℃であり、そこまでにかかる立ち上がり時間で比較するとどちらも7秒程度となるからである。
[非通過部昇温測定]
次に本実施例の非通過部昇温の抑制効果の検証をおこなう。ここでの検証は、図3に示す定着装置40において、本実施例と比較例1とで弾性ローラ120の構成を変えて行う対照実験である。図11は、本実施例と比較例において、定着フィルム100の非通過部の温度を測定したグラフである。図12は、定着フィルム100とシートPの位置関係の説明図である。
本実施例の弾性ローラ120は、針状フィラー123の含有量を10体積%とし、弾性層122の空隙率を45体積%とした。比較例1の弾性ローラ120としては、針状フィラー123を添加しない空隙率が45体積%の発泡性断熱ローラを用いた。
この二つの条件下において、シートPとしてのA4Rサイズの普通紙(80g/mm)を30PPMの速度で200枚連続通過した時の非通過部昇温の様子を計測して図11に示す。図11のグラフは縦軸が定着ベルト(定着フィルム)の表面温度(℃)であり、横軸が経過時間(s)である。なお、このときの通過部温度は本実施例と比較例1において同じ温度となるように制御されている。図中の実線が本実施例の結果を示しており、破線は比較例1の結果を示している。
これによれば、本実施例の非通過部の温度は比較例1の非通過部の温度よりも約10℃低い。したがって、弾性ローラ120に針状フィラー123を10体積%だけ含有させることで、10℃分の改善効果があることが確認できる。
なお、本実施例ではA4RサイズのシートPを例に検証したが、ハガキ、A5、B4、A4、などの種々の幅サイズのシートPにおいても同様の効果を得ることができた。また、本実施例ではシートPとして普通紙を例に検証したが、厚紙、薄紙、その他シートにおいても同様の効果を得ることができた。
なお、通過部温度とはシートPが通過する中心付近の温度であり、非通過部温度とはシートPが通過しない定着フィルム100の両端域の温度のことである。より詳細には、約300mm幅の定着フィルム100において、A4RサイズのシートPが通過する中央約210mmの領域が通過部(通過領域)である。また、定着フィルム100において、A4RサイズのシートPが通過しない領域が非通過部(通過領域)である。また、図12中のポイントAは通過領域の中央に位置し、ここで計測される温度が通過域温度に対応している。図12中のポイントBとCは両端にある非通過領域のそれぞれの中央部に位置し、これらの位置で計測される温度の平均値が非通過部温度に対応している。
以上、本実施例の立ち上がり時間の速さ効果と非通過部昇温の抑制効果についての検証をおこなった。
表1は上記の検証結果に、空隙がないソリッドタイプのシリコーンゴムで成形された弾性ローラ120を用いた場合の比較例2の検証結果を加えて、その特性を比較した表である。
表1によれば、本実施例は、立ち上がり時間の速さの効果と非通過部昇温の抑制効果がともに良好な結果を示している。一方で、比較例1は非通過部昇温の抑制効果に難があり、比較例2は立ち上がり時間の速さの効果に難がある。
表1によれば、本実施例は、立ち上がり時間の速さ効果と非通過部昇温の抑制効果がともに良好な結果を示している。
したがって、本実施例によれば、小サイズのシートPを連続して定着処理した際に生じる定着フィルム100の非通過部の昇温を低減することができる。本実施例によれば、定着フィルム100の迅速な立ち上がり特性を維持することができる。本実施例によれば、定着フィルム100の迅速な立ち上がり特性と非通過部の昇温の低減を両立することができる。
次に実施例2について説明する。実施例1では、通電による発熱する定着フィルム100の内面に弾性ローラ120を配置する構成を説明した。実施例2では、電磁誘導により発熱する定着ベルト200の内面に弾性ローラ120を配置した構成の例を説明する。
図13は本実施例で用いた定着装置40の基本構成である。実施例2では、弾性ローラ120および加圧ローラ110を含む定着装置の基本的な構成は実施例1と同じである。本実施例では、定着ベルト200の構成およびそれを発熱させるための構成が異なっている。以下の説明では、実施例1と同様の構成については同様の記号を付し、その説明を省略する。
加熱フィルム(加熱部材)としての定着ベルト200は金属層を有する無端状(エンドレス状)のベルト(フィルム)である。加圧ローラ110は定着ベルト200の外周と接するように配設されたローラである。弾性ローラ120は、定着ベルト200の内側に配置され、定着ベルト200を介して加圧ローラ110を押圧し、ニップ部Nを形成するローラである。
本実施例の定着装置40は、ニップ部NにおいてシートPを挟持搬送する。そして、シートPに熱と圧力を加えてシートP上の画像TをシートPに熱定着させている。
定着ベルト200は、金属層(不図示)とその外周に設けられた弾性層(不図示)とその外周に設けられた離型層(不図示)とからなるベルトである。前記金属層の厚みは、励磁コイル220に流す高周波電流の周波数と前記金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。前記金属層としては、ニッケルや鉄合金、銅、銀などが挙げられ、本実施例の前記金属層は直径が約30mmで厚みが約40μmのニッケル材料である。また、前記弾性層はゴムによる層などが挙げられ、本実施例では厚みは約300μmで、JIS−Aで約20度の硬度を持ち、熱伝導率は約0.8W/mKである耐熱性シリコーンゴムである。また、前記離型層としてはフッ素樹脂層が挙げられ、本実施例の離型層としては厚み約30μmのPFAの層である。
図13に示すように、励磁コイル220は、定着ベルト200の外周面に対向するように配置され、定着ベルト200の幅方向に沿って巻かれた電線である。
定着ベルト200を発熱させる発熱装置としての励磁コイル220には、20〜50kHzの高周波電流が印加されており、励磁コイル220はこの高周波電流に応じた磁界を発生させている。
磁性コア210はコイル6より発生した交流磁束を効率よく定着ベルト200に導く役割をする。磁性コア210の材質として、高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いると良い。本実施例の磁性コア210にはフェライトを用いた。
サーミスタ118は温度センサであり、定着ベルト200の表面温度を検出している。そして検出した結果を制御回路150に送信している。
IH電源250は、定着ベルト200が回転している状態において、励磁コイル220に20〜50kHzの高周波電流が印加する。
加圧ローラ110はモータMに機械的に接続されている。制御回路150による通電を受けてモータMが駆動すると、加圧ローラ110は図中矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動する。そして、回転する加圧ローラ110は、ニップ部Nでの摩擦により定着フィルム100を図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転させる。また定着フィルム100の回転に伴い、定着フィルム100の内面に接触する弾性ローラ120が、定着フィルム100の内面との摩擦により図中矢印方向(時計回り方向)に従動回転する。
制御回路150は、モータMと、IH電源250と、サーミスタ118との間で信号をやり取り可能に接続されている。
制御回路150はサーミスタ118からの出力を定期的にサンプリングしており、サーミスタ118が検知した定着ベルト200の温度に基づき、IH電源を制御している。詳細には、サーミスタ118の検知する温度が、定着処理に用いる目標温度(本実施例では150℃)に維持されるように、IH電源250の実効電圧を調整している。
IH電源250の実効電圧が低下すると、励磁コイル220に流れる電流が減少し、励磁コイル220から発生する磁束が減少する。励磁コイル220から発生する磁束が低下すると、定着ベルト200の発熱量が低下する。IH電源250の実効電圧が上昇すると、励磁コイル220に流れる電流が増加し、励磁コイル220から発生する磁束が増加する。
このようにして、定着ベルト200の温度は制御回路150によって制御される。
制御回路150は、画像形成時にモータMの通電内容を制御することによって、定着ベルト200と、加圧ローラ110と、弾性ローラ120とを所定の速度で回転駆動させる。これにより、定着処理時のシートPが所定のプロセススピードで定着ベルト200と加圧ローラ110とで挟持搬送される。
上述した実施例2の定着装置40において、実施例1と同様の検証を行った結果、実施例1と同様の効果を確認することができた。
したがって、本実施例によれば、小サイズのシートPを連続して定着処理した際に生じる定着ベルト200の非通過部の昇温を低減することができる。本実施例によれば、定着ベルト200の迅速な立ち上がり特性を維持することができる。本実施例によれば、定着ベルト200の迅速な立ち上がり特性と非通過部の昇温の低減を両立することができる。
次に実施例3の定着装置40について説明する。図14は、実施例3における定着装置40の構成を示す断面図である。図15は、定着ローラ300の層構成を示す断面図である。実施例1では、発熱層102を有する定着フィルム100の内周面に弾性層122を有する弾性ローラ120を当接させる定着装置40について説明した。実施例3では、発熱層102と弾性層122を備える定着ローラ300を用いる定着装置40について説明する。実施例3は、上述した構成により、実施例1において定着フィルム100が軸線方向に寄り移動してしまう課題について解決することができる。なお、実施例3の定着装置40は、実施例1の定着装置40の基本構成と同様に構成されている。そのため、実施例1と同様の構成については同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
加熱部材(加熱ローラ)としての定着ローラ300は、発熱層102への通電により電気抵抗による発熱をして、シートP上の画像Tをニップ部Nにて加熱するローラ(加熱部材)である。本実施例における定着フィルム100の外径は約φ30mmであり、後述する芯金121を除いた幅方向(図2中の奥手前方向、回転軸線方向)の長さは約300mmである。本実施例の定着ローラ300は、加圧ローラ110の駆動回転に従動回転する構成となっている。しかしながら、モータMから直接的に駆動を伝達される構成としてもよい。
本実施例の定着ローラ300は、回転中心から外周に向けて順に芯金121、弾性層122、基層101、発熱層102、離型層104を備えた多層複合構造である。また、定着ローラ300の幅方向両端部においては、発熱層102が設けられておらず、電極105a、105bが設けられている。
芯金121は、ステンレスを材料とする軸状の部材である。芯金121の軸線方向の両端部は、回転軸受け(不図示)を介して加圧機構(不図示)に回転可能に保持されている。そして、加圧機構(不図示)が芯金121の両端部を加圧ローラ110に向けて加圧することで、弾性ローラ120は定着フィルム100を介して加圧ローラ110を押圧する。
弾性層122は、芯金121上に設けられた、シリコーンゴムのベースポリマー126をベースとして構成される層である。本実施例では弾性層の厚みを約3mmとした。弾性層122は、ベースポリマー126内に空隙124と針状フィラー123を含有している。そのため、その長手方向において熱伝導率が高く、その径方向において熱伝導率が低い構成となっている。
基層101は、発熱層102、電極105a、電極105bを支持するためのベースとなる層で、耐熱性の材料が使用される。本実施例の基層101は、ポリイミドを材料とする厚さ約30μmの層である。基層101の内周面側は、耐熱性の接着剤によって弾性層122に接着されている。本実施例ではシリコーン樹脂からなる接着剤を用いた。
なお、本実施例では、層101の内周全面に弾性層122を接着しているが、基層の一部(例えば、幅方向の端部)のみを接着する構成であってもよい。
離型層104はシートPの剥離製を向上させるための層である。本実施例では厚さ約20μmのPFAチューブを用いた。また、離型層104はシリコーン樹脂から成る接着剤により発熱層102に接着されている。
抵抗発熱層である発熱層102は、通電によって発熱する抵抗発熱体である。発熱層102は、導電粒子としてのカーボンを含有したポリイミド樹脂を均一な厚さで基層101上に塗布することで形成される。
電極105(105a、105b)は、給電部材81と接触することで電気的に接続する定着フィルム100の導電部位である。電極105は発熱層102の両端に接続されている。
上述した定着ローラ300を用いる定着装置40において、実施例1と同様の検証を行った結果、実施例1と同様の効果を確認することができた。
したがって、本実施例によれば、小サイズのシートPを連続して定着処理した際に生じる定着ローラ300の非通過部の昇温を低減することができる。本実施例によれば、定着ローラ300の迅速な立ち上がり特性を維持することができる。本実施例によれば、定着ローラ300の迅速な立ち上がり特性と非通過部の昇温の低減を両立することができる。
また、本実施例によれば、上述したように、実施例1において定着フィルム100が軸線方向に寄り移動してしまう課題について解決することができる。そのため、この課題を解決する点においては実施例3の構成が好ましい。
しかしながら、実施例3では弾性層122と基層101を接着剤で接着しているため、加熱部材の熱容量が増加してしまう虞がある。また、実施例3では弾性層122と基層101を接着剤で接着しているため、弾性層122に応力集中が発生して弾性層122に負荷がかかり耐久性が低下する虞がある。そのため低熱量と耐久性の観点では実施例1の構成が好ましい。
なお、本実施例では芯金121と弾性層122を一体に設けているが、定着装置40はこの構成には限られない。例えば、芯金121と弾性層122を別体として設けてもよい。つまり、芯金121と弾性層122を接着しない構成としてもよい。このとき、定着装置40は、弾性層122、基層101、発熱層102、離型層104、電極105からなる中空状のローラを、芯金121が加圧ローラ110に向けて押圧する構成となる。さらには、弾性層122の内周面にポリイミドなどからなる摺動層を設けて、摺動層と摺動するパッド部材を芯金121の代わりに押圧部材として用いてもよい。
(その他の実施例)
以上、本発明を適用することができる実施例について説明したが、本発明を適用できる範囲において、実施例に記載の構成を適宜変更してもよい。
複数の弾性ローラ120に架け渡された定着フィルム100を備えたベルトユニットであってもよい。しかしながら、低熱容量化の観点から、実施例1のように一つの弾性ローラ120によってその内面を支持された構成が望ましい。
定着フィルム100とニップ部Nを形成するものは、加圧ローラ110のようなローラ形状の部材のみには限られない。例えば、複数の支持ローラに支持された加圧ベルトであってもよい。
加熱フィルムは、定着フィルム100のように加圧ローラ110に従動回転するものに限られない。例えば、モータMによって駆動回転する弾性ローラ120に従動回転する構成であってもよい。また、加圧ローラ110と弾性ローラ120が各々回転する構成であってもよい。
プリンタ1を例に説明した画像形成装置は、フルカラーの画像を形成する画像形成装置に限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
以上の説明における画像加熱装置は、未定着のトナーの画像TをシートPに定着する装置のみには限られない。例えば、半定着済みの画像TをシートPに定着させる装置や、定着済みの画像に対して加熱処理を施す装置であってもよい。したがって、画像加熱装置としての定着装置40は、例えば、画像の光沢や表面性を調節する表面加熱装置であってもよい。
40 定着装置(画像加熱装置)
79 通電回路(発熱手段)
100 定着フィルム(ベルト)
110 加圧ローラ(ニップ形成部材)
120 弾性ローラ(当接ローラ)
122 弾性層
123 針状フィラー
124 空隙
150 制御回路
P シート
T 画像
N ニップ

Claims (17)

  1. シート上の画像をニップ部にて加熱するエンドレス状のベルトと、
    前記ベルトを発熱させる発熱手段と、
    前記ベルトと当接して前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記ベルトにその内面から当接して前記ベルトを前記ニップ部にて前記ニップ形成部材に当接させる当接ローラであって、複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層を備えた当接ローラと、を有し、
    前記弾性層は、前記当接ローラの軸線方向における熱伝導率が前記当接ローラの径方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記弾性層の熱伝導率は、前記当接ローラの径方向において0.08W/(m・K)以上且つ0.4W/(m・K)以下であり、且つ、前記当接ローラの軸線方向において0.48W/(m・K)以上且つ360W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記弾性層中における前記空隙の体積の割合が20%以上且つ70%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記弾性層中における前記複数のフィラー粒子の体積の割合が5%以上且つ40%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  5. 前記ベルトの周方向において、前記ベルトと前記当接ローラとが接触する幅は前記ニップ部の幅よりも長いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記ニップ形成部材を介して前記ベルトを回転駆動する駆動手段を有し、前記当接ローラは前記ベルトに対して従動回転することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記ベルトは給電によって発熱する抵抗発熱層を備え、前記発熱手段は前記抵抗発熱層に給電する給電手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  8. シート上の画像を加熱する加熱部材において、発熱する発熱層と、前記発熱層よりも前記加熱部材の厚み方向内側に設けられた弾性層であって複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層と、を有し、
    前記弾性層は、前記加熱部材の長手方向における熱伝導率が前記加熱部材の厚み方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とする加熱部材。
  9. 前記弾性層の熱伝導率は、前記加熱部材の厚み方向において0.08W/(m・K)以上且つ0.4W/(m・K)以下であって、且つ、前記加熱部材の長手方向において0.48W/(m・K)以上且つ360W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項8に記載の加熱部材。
  10. 前記弾性層中における前記空隙の体積の割合が20%以上且つ70%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の加熱部材。
  11. 前記弾性層中における前記フィラー粒子の体積の割合が5%以上且つ40%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の加熱部材。
  12. 加熱ローラであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の加熱部材。
  13. 請求項8乃至12のいずれか1項に記載の加熱部材と、前記加熱部材の前記発熱層に給電してこれを発熱させる発熱手段と、を有し、
    前記加熱部材によりシート上の画像を加熱することを特徴とする画像加熱装置。
  14. シート上の画像をニップ部にて加熱するエンドレス状のベルトと、前記ベルトに当接して前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、を備える画像加熱装置に用いられ、前記ベルトにその内面から当接して前記ベルトを前記ニップ部にて前記ニップ形成部材に当接させる当接ローラにおいて、
    複数の空隙と複数のフィラー粒子を含む弾性層を有し、
    前記弾性層は、前記当接ローラの軸線方向における熱伝導率が前記当接ローラの径方向における熱伝導率の6倍から900倍であることを特徴とする当接ローラ。
  15. 前記弾性層の熱伝導率は、前記当接ローラの径方向において0.08W/(m・K)以上且つ0.4W/(m・K)以下であり、且つ、前記当接ローラの軸線方向において0.48W/(m・K)以上且つ360W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項14に記載の当接ローラ。
  16. 前記弾性層中における前記空隙の体積の割合が20%以上且つ70%以下であることを特徴とする請求項14又は15に記載の当接ローラ。
  17. 前記弾性層中における前記複数のフィラー粒子の体積の割合が5%以上且つ40%以下であることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の当接ローラ。
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