JP2008268347A - 可撓性スリーブ及び像加熱装置 - Google Patents

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祥一郎 池上
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Abstract

【課題】離型性を確保するとともにコバ削れの発生を抑制させることが可能な可撓性スリーブを提供する。
【解決手段】離型層43cは、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成されるとともに、材料の構成比率が、長手方向の位置によって異なるように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真式プリンタ、複写機、及び、静電記録装置等の画像形成装置に用いられる像加熱装置及び可撓性スリーブに関するものである。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される像加熱装置(以下、定着装置と呼ぶ)においては、いわゆる熱ローラ方式の定着装置が広く用いられている。熱ローラ方式の定着装置は、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させるものである。
また一方で、スタンバイ時に定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えたフィルム加熱方式の定着装置が実用化されている。フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に提案され実用化されている。
図7に代表的なフィルム加熱方式の定着装置を表す概略構成図を示す。
図7に示す定着装置では、断熱性ホルダ52に保持されたセラミックヒータ51と加圧ローラ50との間に樹脂性や金属性の高熱伝導フィルム53(可撓性スリーブ、以下、定着フィルムと記す)を挟んで定着ニップ部Nが形成されている。そして、その定着ニップ部Nに、未定着トナー画像が形成担持された記録材を導入して加熱定着を行う。
良好な定着画像を得る為の十分な定着ニップ部Nを形成する手段として、ヒータ51及び定着フィルム53を含む定着部材は、加圧ローラ50に対して不図示の加圧バネ等によって、加圧ローラ50の弾性に抗して押圧されている。また、定着部材の長手方向に渡って、略均一な幅の定着ニップ部Nを安定して形成する為に逆Uの字形状に成型した金属製のステー54を介して断熱性ホルダ52の長手方向に略均一な加圧力を与えている。
このようなフィルム加熱方式の定着装置で用いられている代表的なヒータ51を図8に示す。このようなヒータは、例えば特許文献5に提案されている。図8に示すように、このようなヒータはアルミナや窒化アルミなどの平板細長形状をした高絶縁性基板51aの一面に通電発熱抵抗層51bを形成したものであり、その発熱抵抗層はガラス膜51cで保護されている。定着フィルムはこの保護ガラス膜と摺動するように接触して回転する。あるいは、セラミック基板のもう一方の面に摺動性の良いガラス膜が形成され、その摺動ガラス膜と定着フィルムが摺動するように用いられる。従って、抵抗発熱体の熱はヒータの長手全域に渡って塗工されたガラス膜を介して定着フィルムに伝達される。
このようなフィルム加熱方式の定着装置を用いたプリンタ、複写機等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの速さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウエイトタイムの短縮化など、従来の方式に比べて多くの利点を有している。ここで、従来の方式とは、上記したように熱ローラ等を用いて加熱定着させる方式である。
ところで、近年、複写機・プリンタ等の画像形成装置はプリントスピードや立上げの高速化、省エネやコンパクト化といった様々な課題がある。そして、各パーツの高速化に伴い、部材への負荷も増大することにより、耐久性が求められている。
上記フィルム加熱方式の定着装置では、記録材端部と接触するフィルム部分での、フィ
ルム表層における離型層の削れ、剥がれ(以下「コバ削れ」という)が生ずることが懸念されている。この現象は、特に耐久が長くなると顕著になり、フィルム加熱方式の定着装置における高寿命化のネックとなってくる。
この対策としては、離型層の削れ量をあらかじめ考慮して、離型層の厚みを厚くするという方法がある(例えば、特許文献6参照)。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平6−5356号公報 特開平6−175519号公報
しかしながら、従来のようなフィルム加熱方式においては、離型層を含めたフィルム総厚は定着性に直接影響を与えるため、高速化に支障をきたすことが懸念される。
その他の対策としては、離型層の材質を改善するという試みもある。この試みは、PFAとPTFEを混合した離型層を一様に形成することにより、離型性とコバ削れへの耐性の両立を目指す方法によるものである。これは、離型層として良く用いられる材料としてはPFA、PTFE等があり、一般に離型性はPFAが優れており、コバ削れへの耐性としてはPTFEが優れていることによるものである。
しかしながら、この場合、離型性とコバ削れへの耐性の両方を、ある程度まで犠牲にするということを意味する。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、離型性を確保するとともにコバ削れの発生を抑制させることが可能な可撓性スリーブを提供することを目的とする。さらには、高画質を維持したまま高速化と耐久性を向上させた像加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
トナー像が形成された記録材を加熱する像加熱装置に用いられ、記録材を加熱する際に前記記録材に接する表層を有する可撓性スリーブにおいて、
前記表層は、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成されるとともに、材料の構成比率が、像加熱装置に用いられた場合の記録材搬送方向に直交する方向であって記録材と接する接線方向の位置によって異なるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、離型性を確保するとともにコバ削れの発生を抑制させることが可能な可撓性スリーブを提供することが可能となる。さらには、高画質を維持したまま高速化と耐久性を向上させた像加熱装置を提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置)
図1は、実施例1に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1において、像担持体としての感光ドラム1は、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されることで構成されている。
感光ドラム1は図1に示す矢印方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電手段としての帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、レーザスキャナ3より、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法(一成分絶縁性トナーを用いた接触現像法)などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写手段としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで、感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように、センサ8にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。
所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは像加熱装置としての加熱定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は加熱定着装置6内に設けられた排出センサであり、記録材がトップセンサ8と排出センサの間で紙詰まり(ジャム)などを起こした際に、それを検知する為のセンサである。
(加熱定着装置)
図2は、加熱定着装置6の概略構成模式図であり、(a)は断面図、(b)はヒータ断面図、(c)は斜視図である。
この加熱定着装置6は基本的には互いに圧接してニップ部Nを形成する定着アセンブリ(定着部材)10と加圧ローラ20よりなるフィルム加熱方式の加熱定着装置である。
図2(a),(c)に示すように、定着アセンブリ10は、主に、可撓性スリーブとしての定着フィルム13、加熱ヒータ11、ヒータを保持する断熱ホルダ12、及び、金属ステー14から構成されている。ここで、金属ステー14は、加圧バネ15より加圧力を受けて断熱ホルダ12を加圧ローラ20に抗して押圧するものである。
(定着フィルム)
定着フィルム13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS(ステンレス鋼)、Al、Ni、Cu、Zn等の純金属、あるいは合金を基層として形成されている。
樹脂製の基層の場合は熱伝導性を向上させるために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な
強度を持ち、耐久性に優れた定着フィルム13として、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって、定着フィルム13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。
さらに、オフセット防止や記録材の分離性の確保のために表層にはPTFE、PFA、FEP、ETFE、CTFE、PVDF等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂が混合ないし単独で被覆され離型性層(離型層)が形成される。本実施例では、表層は、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成している。
ここで、PTFEは、ポリテトラフルオロエチレンであり、PFAは、テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPは、テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。また、ETFEは、エチレン
テトラフルオロエチレン共重合体であり、CTFEは、ポリクロロトリフルオロエチレンであり、PVDFは、ポリビニリデンフルオライドである。
被覆の方法としては、定着フィルム13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を定着フィルム13の表面に被せる方式であってもよい。又は、定着フィルム13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。
(加圧ローラ)
加圧ローラ20は、SUS、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、Al等の金属製芯金21の外側に、弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層等の弾性層22からなる弾性ローラである。ここで、弾性ソリッドゴム層は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成したものである。また、弾性スポンジゴム層は、より断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成したものである。また、弾性気泡ゴム層は、シリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めたものである。この上にパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の離型性層を形成してあってもよい。
(加熱ヒータ)
図2(b)に示すように、加熱部材としての加熱ヒータ11は、定着フィルム13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。
加熱ヒータ11においては、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性セラミック基板11aが、低熱容量のプレート状に設けられている。そして絶縁性セラミック基板11aの表面には長手方向に沿って、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO(酸化ルテニウム)、TaN(窒化タンタル)等の通電発熱抵抗層11bが、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により形成されている。ここで、長手方向とは、記録材が搬送される記録材搬送方向に直交する方向であり、加圧ローラ20の軸方向である。
この加熱ヒータ11が定着フィルム13と接する面には、熱効率を損なわない範囲で通電発熱抵抗層を保護する保護層11cが設けられている。保護層の厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が望ましく、ガラスやフッ素樹脂コート等が施されている。
加熱ヒータ11を保持する断熱ホルダ12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成さる。熱伝導率が低いほど加圧ローラ20への熱伝導が良くなるので、樹脂層中にガラスバルーンやシリカバルーン等のフィラーを内包して
あっても良い。定着フィルム13の回転を案内する役目も持つ。
14は金属ステーであり、断熱ホルダ12と接触し、定着アセンブリ全体の撓みや捩れを抑制する。
(加熱定着装置の駆動及び制御方法)
定着アセンブリ10は、次のような構成により加圧ローラ20の弾性に抗して押圧され、定着ニップ部Nを形成する。すなわち、図2(c)に示すように、金属ステー14は、その長手方向の両端が断熱ホルダ12から突き出ていて、ステー両端部にあるバネ受け部14aがバネ受け部材を介してコイルバネ15によって加圧される。荷重はステー足部14bを介して断熱ホルダ12の長手方向に渡って均一に伝達される。
定着ニップ部Nでは、加圧力によって定着フィルム13が加熱ヒータ11と加圧ローラ20の間に挟まれることで撓み、加熱ヒータ11の加熱面に密着した状態になる。
加圧ローラ20は芯金21の端部に設けられた不図示の駆動ギアにより、図2(a)の矢印の方向に回転する駆動力を得る。駆動力は制御手段を統制する不図示のCPUからの指令に従い、不図示のモータより伝達される。
この加圧ローラの回転駆動に伴って、定着フィルム13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。定着フィルム13と加熱ヒータ11との間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑材を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑え、滑らかに定着フィルム13が回転可能となる。
加熱ヒータ11の温度制御はセラミック基板の背面に設けた不図示のサーミスタ等温度検知素子の信号に応じて、CPUが通電発熱抵抗層に印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し適切に制御することで、定着ニップ内の温度を所望の定着設定温度に保つ。
未定着トナー画像を保持した記録材Pは所定のタイミングに、不図示の供給手段によって適宜供給され、定着ニップ内に搬送され加熱定着が行われる。定着ニップより排出された記録材Pは不図示の排出ガイドに案内されて排出される。
(本実施例における定着フィルムの特徴)
以下、本実施例の特徴について説明する。
図3は、本実施例の定着フィルム13の特徴を説明するための概念図である。図4は、本実施例の定着フィルム13の断面構造を説明するための図である。図5は、本実施例において、フッ素樹脂の定着フィルム長手方向における成膜状況を説明するための図である。
本実施例の定着フィルム13は、図4に示す3層構造になっており、基層43aは絶縁・耐熱性のポリイミドであり、その上に導電性のプライマ層43bを被覆した後に、フッ素樹脂を離型層(表層)43cとして成膜している。
本実施例の離型層43cにおいては、材料の構成比率が、長手方向の位置によって異なるように構成されていることを特徴とする。
これは、記録材搬送方向に離型層43cの断面をとった場合、当該断面における材料の構成比率が、長手方向の位置によって異なるように構成されているということもできる。ここで、長手方向とは、上述したように記録材搬送方向に直交する方向であって、定着フ
ィルム13(離型層43c)が記録材と接する接線方向(記録材の幅方向)である。
そして、定着フィルム13の離型層43cにおいて、PTFEの含有率は、中央部(中央領域、)43eよりも両端部(両端領域)43dの方が大きくなるように構成されている。本実施例の定着フィルム13の離型層43cにおいては、中央部43eにPFAの含有率の高いフッ素樹脂が成膜され、両端部43dにPTFEの含有率の高いフッ素樹脂が成膜されている。
本実施例では、基層43aの厚みは67μm、体積抵抗は1014Ω/□以上である。プライマ層43bは、表面抵抗10Ω/□、厚み4μmである。そして、その上に、中央部43eはPFAの微導電フッ素樹脂を、両端部43dにはPFAとPTFEの質量比を振った微導電フッ素樹脂を厚み15μmでスプレー塗布を施して離型層43cを構成した。
この場合のフッ素樹脂の定着フィルム長手方向における成膜状況の概念図が図5に示されている。
定着フィルム13の離型層43cにおいて、PFAの含有率が高い領域は、記録材の最大サイズにおける記録材幅方向の端部領域、好ましくは、画像領域を基準として設定している。本実施例では、離型層43cにおいて、PFAの含有率が高い領域は、LTRサイズ紙(紙幅216mm)における画像領域(206mm)に一致させている。ここで、記録材幅方向とは、記録材の搬送方向に直交する方向であって、記録材の幅方向である。そして、記録材の最大サイズにおける記録材幅方向の両端部間(本実施例では画像領域)が、定着フィルム13の中央部43eであり、中央部以外(本実施例では、画像領域以外)が定着フィルム13の両端部43dである。
このように構成することで、PFAの離型性の高さにより、高画質状態をロバストに提供することが可能となる。
最大サイズ紙の画像領域よりも外側の領域には、PTFEの含有率の高いフッ素樹脂が成膜されており、この領域は削れに対する耐性が高くなっている。これにより、記録材の搬送に伴って受ける損傷が軽減でき、長寿命・安定動作が可能となる。
本実施例の効果を確認するため、定着フィルムの端部構成を変え、室温23℃、湿度50%の環境下において22ppm(page per minute)のスピードでLT
Rサイズ紙を連続通紙し、コバ削れの程度を比較した。温調制御は180℃に設定している。定着フィルム中央部分はPFAを成膜しており、この部分の材質は固定している。
実験結果を表1に示す。
Figure 2008268347

尚、表1におけるコバ削れの評価では、離型層が削れ、プライマ層が露出すれば△、プライマ層も削れて基層までダメージを与えれば×としている。一般的に離型層が破壊されると、フィルムの帯電状態が崩れるため、オフセットに代表される画像問題が発生する。
表1に示す実験結果から、端部の離型層において、PTFEの含有率を上げることにより、コバ削れへの耐性が強化でき、耐久性の向上を実現できることがわかる。
また、表1からわかるように、離型層43cのうち両端部におけるPTFEの含有率が50重量%以上となるように構成されることが好ましい。また、離型層43cのうち中央部43eにおけるPFAの含有率が50重量%以上となるように構成されることが好ましい。
以上説明したように、本実施例によれば、画像領域においては十分な離型性を確保すると同時に、コバ削れを防ぐことが可能となる。これにより、印刷速度の高速化においても、画質の向上と耐久性の向上を同時に満足することが可能となる。
以下に、本発明の実施例2に係る可撓性スリーブについて説明する。
本実施例に係る可撓性スリーブとしての定着フィルム23は、離型層(表層)43cの材料構成が実施例1の定着フィルム13と異なるのみで、それ以外の構成は実施例1の定着フィルム13同様である。以下の説明では、本実施例の特徴部分についてのみ説明する。なお、実施例1と同様の構成部分については同一の符号を付している。
本実施例の定着フィルム23は、実施例1の定着フィルム13同様、3層構造になっており(図4参照)、基層43aは絶縁・耐熱性のポリイミドであり、その上に導電性のプライマ層43bを被覆した後に、フッ素樹脂を離型層43cとして成膜している。
図6は、本実施例において、フッ素樹脂の定着フィルム長手方向における成膜状況を説明するための図である。
以下、本実施例の特徴について説明する。
本実施例では、コバ削れが問題となる定着フィルム23の両端部43dの離型層43cの材料構成に特徴を有している。
すなわち、定着フィルム23の両端部43dの離型層43cは、プライマ層43b(基層)上に形成される第1層(下層)43fと、プライマ層43bに第1層43fが形成された状態で長手方向全域にわたって形成される第2層(上層)43gとから構成される。ここで、本実施例の離型層43cにおいては、先ず両端部43dにPTFEの含有率の高いフッ素樹脂により構成される第1層43fを成膜し、その後、長手方向全域にPFAの含有率の高いフッ素樹脂により構成される第2層43gを成膜している。これにより、本実施例の離型層43cにおいて、両端部43dは、第1層43fと第2層43gからなる2層構造となり、中央部43eは第2層43gにより構成される。
そして、本実施例の定着フィルム23においては、第1層43fを構成する材料の構成比率はPTFEが最も大きく、第2層43gを構成する材料の構成比率はPFAが最も大きくなるように設けられている。そして、第1層43fのPTFE(第1層のPTFE)の含有率は50重量%以上であることが好ましく、第2層43gのPFA(第2層のPFA)の含有率は50重量%以上であることが好ましい。
本実施例においても、基層43aの厚みは67μm、体積抵抗は1014Ω/□以上である。プライマ層43bは、表面抵抗10Ω/□、厚み4μmである。そして、その上に、両端部43dはPTFEの微導電フッ素樹脂を厚み7μmでスプレー塗布し、その後、全域に対して厚み15μmに成膜するようスプレー塗布を施して離型層43cを構成した。
PTFEの含有率が高い領域は、最大サイズ紙における画像領域端を基準に、その外側の領域として規定している(図4参照)。本実施例では長手方向が232mmのフィルムを用いており、LTRサイズ紙(紙幅216mm)における画像領域が206mmであることから、両端13mmの領域が相当している。
この場合のフッ素樹脂の定着フィルム長手方向における成膜状況の概念図が図6に示されている。
上述したような構成により、定着フィルム全域において良好な離型性を持たせることができると同時に、コバ削れによる損傷をPTFEの含有率の高い層において食い止め、リークの発生を防ぐことができる。したがって、高画質と耐久性の両立を実現することができる。
本実施例の効果を確認するため、定着フィルムの端部構成を変え、室温23℃、湿度50%の環境下において22ppmのスピードでLTRサイズ紙を連続通紙し、コバ削れの程度を比較した。温調制御は180℃に設定している。
実験結果を表2に示す。
Figure 2008268347

PFAのみで離型層を形成すると100K通紙時点でコバ削れにより画像不良が発生するが、本実施例では、下層にPTFEを配置しているので、上層のPFAは削れるものの、PTFE層でコバ削れの進展を止めることができた。これにより、高画質を保ったまま耐久性を向上させることが可能となる。すなわち、実施例1同様の効果を得ることが可能となる。
本発明に係る画像形成装置を表す概略断面図。 本発明に係る像加熱装置を表す概略構成図。 実施例1の定着フィルムを説明する概略構成図。 実施例1の定着フィルムの断面構造を説明する概略構成図。 実施例1のフッ素樹脂成膜状況を説明する概略構成図。 実施例2のフッ素樹脂成膜状況を説明する概略構成図。 従来例のフィルム加熱方式の像加熱装置を表す概略断面図である。 従来例のフィルム加熱方式の像加熱装置のヒータを表す概略断面図である。
符号の説明
6 加熱定着装置
13 定着フィルム
43a 基層
43b プライマ層
43c 離型層
43d 端部
43e 中央部
P 記録材

Claims (9)

  1. トナー像が形成された記録材を加熱する像加熱装置に用いられ、記録材を加熱する際に前記記録材に接する表層を有する可撓性スリーブにおいて、
    前記表層は、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成されるとともに、材料の構成比率が、像加熱装置に用いられた場合の記録材搬送方向に直交する方向であって記録材と接する接線方向の位置によって異なるように構成されていることを特徴とする可撓性スリーブ。
  2. 前記表層のPTFEの含有率は、前記接線方向において、中央部よりも両端部の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性スリーブ。
  3. 前記中央部及び前記両端部は、像加熱装置により加熱される記録材のうち最大サイズの記録材の前記接線方向の両端部を基準として設定され、
    最大サイズの記録材の前記接線方向の両端部間が前記中央部と設定され、前記中央部以外が前記両端部と設定されることを特徴とする請求項2に記載の可撓性スリーブ。
  4. 前記表層のうち前記両端部におけるPTFEの含有率が、50重量%以上となるように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の可撓性スリーブ。
  5. 前記表層のうち前記中央部におけるPFAの含有率が、50重量%以上となるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の可撓性スリーブ。
  6. 前記表層は、基層に対して前記接線方向の両端部に形成される第1層と、前記第1層が形成された前記基層に対して前記接線方向の全域に形成される第2層とを有し、
    前記第1層を構成する材料の構成比率は、PTFEが最も大きく、
    前記第2層を構成する材料の構成比率は、PFAが最も大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可撓性スリーブ。
  7. 前記第1層のPTFEの含有率は、50重量%以上であることを特徴とする請求項6に記載の可撓性スリーブ。
  8. 前記第2層のPFAの含有率は、50重量%以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の可撓性スリーブ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の可撓性スリーブを備え、
    トナー像が形成された記録材に前記可撓性スリーブを接触させて前記記録材を加熱することを特徴とする像加熱装置。
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