JP2015127776A - 拡大観察装置及び拡大画像観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同軸落射照明におけるフレアの発生を防止しつつも、画質の低下を抑制する。
【解決手段】撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を撮像可能な拡大観察装置であって、観察対象に同軸落射照明光CLを照射するための同軸落射照明手段と、同軸落射照明手段で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部10と、カメラ部10と光軸を一致させて光学的に結合された対物レンズ部25と、対物レンズ部25の光軸上に配置された位相遅延素子90と、対物レンズ部25を通じてカメラ部10で得られた画像を表示させるための表示手段と、カメラ部10の光軸上であって、かつ同軸落射照明手段からの照明光を該カメラ部10の光軸と一致する方向に反射させる姿勢に固定された偏光ビームスプリッタ28とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、拡大した画像を撮像して表示するデジタルマイクロスコープや顕微鏡のような拡大観察装置、及びこれを用いた拡大画像観察方法に関する。
微小物体等の試料やワーク等の被写体を拡大して表示する拡大観察装置として、光学レンズを使った光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープ等が利用されている。デジタルマイクロスコープは、撮像光学系を介して入射する観察対象固定部に固定された観察対象からの反射光又は透過光を、2次元状に配置された画素毎に電気的に読み取るCCDやCMOS等の撮像素子で受光し、電気的に読み取られた画像をディスプレイ等の表示部に表示する。
このような撮像光学系の拡大観察装置においては、照明方法として反射光を用いた反射照明が利用されている。反射照明には、同軸落射照明(明視野照明)やリング照明(暗視野照明)等が知られている。この内、同軸落射照明はカメラの撮像面と同じ方向から照射する方法である。同軸落射照明観察を行う様子の一例を、図17Aの模式断面図に示す。この図に示すように、一般にはカメラ部10と被写体である観察対象物Sとの間にハーフミラー93を配置して同軸落射照明観察を行う。この図の例では、顕微鏡レンズ部の側面から同軸落射照明光CLを導入し、ハーフミラー93で反射させて、対物レンズ部25を透過させる。そして観察対象物Sで反射された光が、対物レンズ部25を通過してハーフミラー93に達し、このハーフミラー93を通過した光がカメラで受光されて撮像される。
このような同軸落射照明においては、観察対象物Sを観察する場合、図17Bの模式断面図において破線で示すように、光源からの照明光の一部が、観察対象物Sに達することなく対物レンズ部25で反射されてしまう。特に対物レンズ部25は、図17A、図17Bに示すように複数枚のレンズ群で構成されているため、各レンズの境界面で微小な反射が発生する。このような光は観察対象物に関する情報を含まない不要光となり、結像される画像にフレア(又はホットスポット)などと呼ばれる状態を作り出す。フレアの発生した画像の一例を図19のイメージ図に示す。フレア光の発生を抑制するために、レンズの表面にARコートを施すことが行われているものの、完全に反射を無くすことは困難であった。
このような問題に対し、撮像光学系に直線偏光板を二箇所配置し、さらに対物レンズ部の出口側にλ/4板等の位相遅延素子を配置する構成が知られている。例えば図18の模式断面図に示すように、同軸落射照明光CLをハーフミラー93に入射させる前段階に、第一偏光板91を配置する。例えば第一偏光板91が縦方向の光のみを透過させると、この偏光板を透過した同軸落射照明光CLはハーフミラー93で反射されて、対物レンズ部25に入射される。この対物レンズ部25には、出口側にλ/4板90が配置されている。この位置にあるλ/4板90の遅相軸が直線偏光の向きに対し45°となるように配置することで、図に示すように対物レンズ部25を出て観察対象物Sに照射される際、及び観察対象物Sで反射されて対物レンズ部25に再度入射される際の2回、光がλ/4板90を透過されることになる。λ/4板90を2度透過した光は、偏光方向が90°回転することになる。90°回転された光は、ハーフミラー93を通過してレンズ側に向かう。ここで、ハーフミラー93とカメラ部との間の経路に、第二偏光板92を配置し、第一偏光板91と直交する偏光のみを透過させるようにする(この例では横方向の光のみを透過させる)。この結果、対物レンズ部25から出射されて観察対象物で照射された同軸落射照明光CLは、λ/4板90を2度通過したことで90°変更されているので、第二偏光板92を通過することができ、カメラに到達する。
一方、対物レンズ部25の境界面で反射された光はλ/4板90を透過していないため、第一偏光板91を透過した横方向の光成分のみであることから、第二偏光板92を透過することができず、遮断される。この結果、対物レンズ部25で反射された光(観察対象物の情報を含まない光)成分を除去できるため、フレアを防止することが可能となる。例えば図19に示すようなフレアが発生した画像を、図20に示すようにフレアを除去した鮮明な画像とでき、精細な観察が可能となる。
なお、このような迷光や靄は、全体にかかっている場合にフレア、部分的に表れている場合にホットスポットと呼ばれることがあるが、本明細書においてはこれらを含めてフレアと呼ぶ。
しかしながら、図18の構成では、光量が低減されて画像が暗くなるという問題があった。すなわち、同軸落射照明光CLを第一偏光板91、第二偏光板92に透過させる上、ハーフミラー93で約1/2の光がカットされる結果、反射光の光量は元の照明光の1/18程度まで低下してしまう。この結果、画像が暗くなるという問題があった。特に近年は、撮像のフレームレートを上げたリアルタイム観察(動画)が求められているため、一枚あたりの画像の光量は低下する傾向にある。このため、より明るい画像が得られる構成が求められていた。また一方で、図21の模式断面図に示すようなリング照明においては、リング照明光RLを対物レンズ部25に通過させる必要がないため、構造的に対物レンズ部25で照明光が反射するフレアが発生しない。しかしながら、同一の拡大観察装置で同軸落射照明とリング照明とを切り替え可能とした系においては、本来フレアに対する対策が不要なはずのリング照明に際しても、同軸落射照明と同じ撮像光学系を用いねばらなず、必然的にハーフミラー93と第二偏光板92を透過することとなって、光量が低下してしまうという問題があった。
特開2012−145722号公報 特開2004−170574号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、同軸落射照明におけるフレアの発生を防止しつつも、画質の低下を抑制した拡大観察装置及び拡大画像観察方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために、第1の拡大観察装置によれば、撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を撮像可能な拡大観察装置であって、観察対象に同軸落射照明光を照射するための同軸落射照明手段と、前記同軸落射照明手段で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部と、前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合された対物レンズ部と、前記対物レンズ部の光軸上に配置された位相遅延素子と、前記対物レンズ部を通じて前記カメラ部で得られた画像を表示させるための表示手段と、前記カメラ部の光軸上であって、かつ前記同軸落射照明手段からの照明光を該カメラ部の光軸と一致する方向に反射させる姿勢に固定された偏光ビームスプリッタとを備えることができる。上記構成により、従来のハーフミラーに代えて偏光ビームスプリッタでもって、一組の偏光板を使用することなく迷光成分をカットすることができ、フレア光の発生を抑制できる。また偏光板を透過させないことから、光量の減少を抑え、従来よりも明るい画像を得ることが可能となる。
また、第2の拡大観察装置によれば、撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を撮像可能な拡大観察装置であって、観察対象に同軸落射照明光を照射するための同軸落射照明手段と、前記同軸落射照明手段で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部と、前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合可能な、第一の倍率を有する第一対物レンズ部と、前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合可能な、第一の倍率よりも高倍率の第二対物レンズ部と、前記第一対物レンズ部と第二対物レンズ部のいずれかを、前記カメラ部の光軸と一致させた位置に切り替えるための対物レンズ切替手段と、前記対物レンズ部を通じて前記カメラ部で得られた画像を表示させるための表示手段と、前記カメラ部の光軸上であって、かつ前記同軸落射照明手段からの照明光を該カメラ部の光軸と一致する方向に反射させる姿勢に固定されたハーフミラーと、前記ハーフミラーの入射側に配置され、前記同軸落射照明手段から照射された照明光の反射光を透過させる第一偏光板と、前記カメラ部の光軸上で前記ハーフミラーとの間に配置された、前記第一偏光板と直交する直線偏光を透過させる第二偏光板と、前記第一対物レンズ部に設けられた、該第一対物レンズ部と光軸を一致させて、出射側に配置された第一位相遅延素子と、前記第二対物レンズ部に設けられた、該第二対物レンズ部と光軸を一致させて、前記第一偏光板よりも入射瞳側に配置された第二位相遅延素子とを備えることができる。上記構成により、複数の対物レンズを切り替え可能としつつ、高倍率の対物レンズにおいて光量の低下を抑制できる利点が得られる。
さらに、第3の拡大観察装置によれば、さらに前記位相遅延素子の遅相軸を調整可能な位相遅延素子調整手段を備えることができる。上記構成により、位相遅延素子調整手段で遅相軸を調整することで、フレア対策した通常観察モードと、クロスニコル観察モードとを切り替えることが可能となる。
さらにまた、第4の拡大観察装置によれば、前記位相遅延素子調整手段を、前記第一位相遅延素子を前記第一対物レンズ部の光軸と一致させた状態で、該光軸周りに回転可能とする位相遅延素子回転機構とできる。上記構成により、第一位相遅延素子を回転自在としたことで、フレアを遮断させるフレア遮断位置から、45°回転させることで、逆に正反射光を完全に遮断する正反射光遮断位置として、散乱光のみを透過させることも可能となる。
さらにまた、第5の拡大観察装置によれば、前記位相遅延素子調整手段を、前記第一対物レンズ部全体を回転させることで、該第一対物レンズ部に設けられた前記第一位相遅延素子を回転させる対物レンズ回転機構とできる。上記構成により、位相遅延素子回転機構を配置した位置の異なる対物レンズ毎に、位相遅延素子回転機構をそれぞれ設けることなく、簡単な構成で位相遅延素子の回転を実現できる。
さらにまた、第6の拡大観察装置によれば、さらに観察対象の観察対象物を載置するための載置部と、前記載置部に載置された観察対象物に対して、リング状の照明光を照射するためのリング照明手段とを備えることができる。
さらにまた、第7の拡大観察装置によれば、さらに前記表示部と、前記照明手段の照明光源とを備えた本体部と、顕微鏡レンズ部とカメラ部とで構成されるヘッド部とを接続するための光学的ケーブルとを備え、前記光学的ケーブルは、中心に配置された、前記本体部に内蔵された前記照明光源からの同軸落射用照明光を伝達するための光ファイバである同軸落射用光ファイバと、前記同軸落射用光ファイバの周囲に配置された、前記リング照明用の照明光を前記照明光源から伝達するための光ファイバであるリング照明用光ファイバとを備えることができる。上記構成により、一本の光学的ケーブルでもって同軸落射用の照明光とリング照明用の照明光とを本体部からヘッド部に供給できる。
さらにまた、第8の拡大観察装置によれば、前記位相遅延素子を傾斜姿勢で前記対物レンズに固定することができる。
さらにまた、第9の拡大観察方法によれば、撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を取得する拡大観察方法であって、観察対象に対し、同軸落射照明手段で同軸落射照明光を、第一偏光板を透過させてハーフミラーで反射させ、対物レンズ部とカメラ部とで構成される撮像光学系と光軸を一致させた状態で位相遅延素子を透過させて撮像対象に照射し、その反射光を前記位相遅延素子、対物レンズ部、ハーフミラー、及び前記第一偏光板と直交する直線偏光を透過させる第二偏光板に透過させて、前記カメラ部で結像させる工程と、前記位相遅延素子を、前記撮像光学系の光軸周りに回転させ、遅延軸を45°方向にずらすことでフレア対策した通常観察モード、又は遅相軸を0°方向にずらすことでクロスニコル観察モードのいずれかに切り替える工程とを含むことができる。これにより、位相遅延素子の遅相軸を45°方向にずらすことでフレア対策した通常観察モードに、又は遅相軸を0°方向にずらすことでクロスニコル観察モードに切り替えることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る拡大観察装置の外観図である。 本発明の一実施の形態に係る拡大観察装置のブロック図である。 照明部を示す概略図である。 ヘッド部の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る拡大観察装置のヘッド部を用いて同軸落射照明を行う様子を示す模式断面図である。 図5のヘッド部を用いてリング照明を行う様子を示す模式断面図である。 図7Aは低倍率のレンズによって照明光が屈折される様子を示す模式断面図、図7Bは高倍率のレンズによって照明光が屈折される様子を示す模式断面図である。 低倍率の第一対物レンズ部を選択したヘッド部を示す模式断面図である。 高倍率の第二対物レンズ部を選択したヘッド部を示す模式断面図である。 対物レンズ切替手段を備える拡大観察装置を示す斜視図である。 実施の形態3に係る拡大観察装置のヘッド部を示す模式断面図である。 図11の位相遅延素子調整手段の一例を示す斜視図である。 図13は通常観察モードで撮像した画像を示すイメージ図である。 図14は図13と同じ観察対象物をクロスニコル観察モードで撮像した画像を示すイメージ図である。 拡大観察装置の撮像系の外観構成を示す斜視図である。 ヘッド部を揺動させる様子を示す模式図である。 図17Aはヘッド部で同軸落射照明観察を行う様子を示す模式断面図、図17Bは図17Aでフレア光が発生する様子を示す模式断面図である。 図17Aのヘッド部にフレア光対策を施した様子を示す模式断面図である。 フレア光の発生した画像の一例を示すイメージ図である。 図19の状態からフレア光の発生を抑制した画像の一例を示すイメージ図である。 リング照明観察を行う様子を示す模式断面図である。 光学的ケーブルの模式水平断面図である。 変形例に係る拡大観察装置を示す模式図である。 さらに他の変形例に係る拡大観察装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための拡大観察装置及び拡大画像観察方法を例示するものであって、本発明は拡大観察装置及び拡大画像観察方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の実施例において使用される拡大観察装置とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.x等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。なお本明細書において拡大観察装置及び拡大画像観察方法とは、拡大観察装置本体のみならず、これにコンピュータ、外部記憶装置等の周辺機器を組み合わせた拡大観察システムも含む意味で使用する。
また、本明細書において拡大観察装置は、拡大観察を行うシステムそのもの、ならびに撮像に関連する入出力、表示、演算、通信その他の処理をハードウェア的に行う装置や方法に限定するものではない。ソフトウェア的に処理を実現する装置や方法も本発明の範囲内に包含する。例えば汎用の回路やコンピュータにソフトウェアやプログラム、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、コンパイラ、モジュール、特定のプログラム上で動作するマクロ等を組み込んで撮像そのものあるいはこれに関連する処理を可能とした装置やシステムも、本発明の拡大観察装置に該当する。また本明細書においてコンピュータには、汎用あるいは専用の電子計算機の他、ワークステーション、端末その他の電子デバイスも包含する。さらに本明細書においてプログラムとは、単体で使用されるものに限られず、特定のコンピュータプログラムやソフトウェア、サービス等の一部として機能する態様や、必要時に呼び出されて機能する態様、OS等の環境においてサービスとして提供される態様、環境に常駐して動作する態様、バックグラウンドで動作する態様やその他の支援プログラムという位置付けで使用することもできる。
以下、図1〜図2を用いて、本発明の一実施の形態に係る拡大観察装置100を説明する。拡大観察装置100は、図1に示すように撮像系1と制御系2に大別される。撮像系1は、観察対象物Sである試料又はワークその他の被写体を照明するための照明部60と、照明部60により照明された観察対象物Sを撮像するヘッド部4を備える。ヘッド部4は、撮像素子12を含むカメラ部10と、カメラ部10の先端に着脱自在に装着される顕微鏡レンズ部20とを備える。顕微鏡レンズ部20は複数枚の光学レンズで構成された撮像光学系(レンズ光学系)を構成する。ここでは、顕微鏡レンズ部20は対物レンズ部25を含んでいる。またヘッド部4は、照明光の反射光又は透過光を受光する撮像手段として機能する。
また撮像系1は、観察対象物Sを載置する載置部30と、この載置部30とヘッド部4との光軸方向における相対距離を変化させ焦点を調整する第一焦点調整部としてZ上ステージ及びこのZ上ステージを駆動するための上ステージ昇降器16とを備える。一方ヘッド部4も、光軸方向における載置部との相対距離を変化させ焦点を調整する第二焦点調整部としてZ上ステージを備える。この載置部30上に載置された観察対象物Sに対して、撮像光学系11を介して入射され、観察対象物Sで反射された反射光又は観察対象物Sの底面側から照射された透過光を、カメラ部10の撮像素子12で電気的に読み取る。
さらに制御系2は、カメラ部10で撮像された拡大画像を表示する表示部52を有する本体部50を備える。カメラ部10は、ケーブル部3を介して本体部50と接続される。なお図1の例では、表示部52を本体部50と一体に設けているが、表示部を本体部と別部材とすることもできる。またケーブル部3は、カメラ部10の撮像素子で得られた画像情報を本体部50側に伝達するための電気的ケーブルに加えて、照明光を本体部50からヘッド部4側に伝達するための光学的ケーブル3bを備えている。ケーブル部3は、電気的ケーブルと光学的ケーブル3bと統合することもできるし、これらを個別に設けることもできる。
さらにまた載置部30は、下ステージ昇降器35による高さ方向、すなわちZ方向への移動に加えて、平面内での移動も可能としている。具体的には、X軸方向およびY軸方向に移動可能なX−Yステージを備える。また、載置部30を回転させる回転可能なステージ(θステージ)を備えることもできる。
この本体部50のブロック図を図2に示す。この図に示すように本体部50は、下ステージ昇降器35によって焦点を調整したときのステージ30と撮像光学系11の光軸方向における相対距離に関する焦点距離情報を、光軸方向とほぼ垂直な面内における観察対象物Sの2次元位置情報と共に記憶する焦点距離情報記憶部として記憶部53と、撮像素子12によって読み取られた画像を表示する表示部52と、ヘッド部4および下ステージ昇降器35とデータを通信するためのインターフェイス54とを備える。この拡大観察装置100は、撮像光学系11を介して入射するステージ30に固定された観察対象物Sからの反射光又は透過光を電気的に読み取る撮像素子12を用いて観察像を撮像し、表示部52に表示させる。
また記憶部53は、レンズ識別情報やレンズ収差情報を記憶するレンズ識別情報記憶部、あるいは各レンズ部の、収差の少ない波長成分を、レンズ部の収差情報と対応させて記憶した波長成分記憶手段としても機能する。なお記憶部53は、ハードディスクや半導体メモリ等で構成される。また各データベース毎に個別の記憶部を設けてもよい。
(レンズ識別情報)
レンズ識別情報には、レンズの型式、焦点距離の位置、レンズの筒体の長さ等の情報が含まれる。上述の通り、撮像系1と制御系2とはケーブル部3を介して接続されているので、制御系2で現在装着されているレンズの種別を判別することで、適切な制御を行える。例えば、顕微鏡レンズ部20の物理的な長さを把握することで、顕微鏡レンズ部20をZ上ステージで降下させる際に、観察対象物Sや載置部30に接触しないように降下できる下限移動距離を把握して、これよりも降下しないように制限をかけることができる。
またレンズ種別情報として、顕微鏡レンズ部の情報を直接記録する他、顕微鏡レンズ部の識別情報、例えば型式のみを記録させ、一方型式と対応する顕微鏡レンズ部の詳細情報は、予め本体部50の記憶部53等に、型式と関連付けられたルックアップテーブルとして記憶しておくこともできる。これにより、本体部50はカメラ部を通じてレンズ識別情報である型式を取得すると、この型式と対応する詳細情報を、記憶部53を参照して取得し、取得された情報に基づいて顕微鏡レンズ部に合致した制御を行うことが可能となる。この方法であれば、顕微鏡レンズ部側に保持すべき情報量を少なくしつつ、必要な情報を本体部50側で把握することが可能となる。
さらに拡大観察装置100は、カメラ部10で画像を撮像する際の条件を設定するための撮像条件や、その他の必要な各種の設定や操作を行うための操作部55と、設定された領域に対応する観察対象物Sの一部又は全部に関する記憶部53に記憶された焦点距離情報に基づいて、設定された領域に対応する観察対象物Sの光軸方向における高さを演算する制御部51を備える。この拡大観察装置100は、撮像素子12を用いて指定された領域に対応する観察対象物Sの光軸方向における平均高さ(深さ)を演算できる。
この制御部51は、光路シフト手段14を作動させる光路シフト制御手段81、複数の照明フィルタを用いて観察対象物Sの同一の視野について撮像した複数の観察像を表示部52に同時に表示した状態から、一を選択可能な画像選択手段82、画像選択手段82で選択された観察像の撮像に使用された照明フィルタの種別を含む像観察条件を、撮像条件として設定する撮像条件設定手段83、同一の観察対象物Sを異なる照明フィルタを用いて撮像した少なくとも2つの観察像を合成する画像合成手段85、画像合成手段85で観察像を合成してカラーの高解像画像観察像を取得する動作を自動で行う自動合成手段84、交換可能な複数の異なる仕様の顕微鏡レンズ部の内、現在カメラ部に装着されている顕微鏡レンズ部の収差情報に基づいて、複数の波長成分の内でこの顕微鏡レンズ部の収差の影響が相対的に少ない波長成分を選択可能な波長選択手段86、照明光源65が発する光の波長帯域に含まれる複数の異なる波長域について、いずれかの波長域に選択的に切り替え可能な照明光選択手段87等の機能を実現する。この制御部51はASICやFPGA等のゲートアレイ等で構成できる。
操作部55は本体部50又はコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータに固定されている。一般的な操作部55としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの操作部55は、拡大観察用操作プログラムの操作の他、拡大観察装置100自体やその周辺機器の操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、又は音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。図1の例では、操作部55はマウス等のポインティングデバイスで構成される。
(照明部60)
照明部60は、撮像素子12に結像される観察対象物Sを照明する照明光を生成する。照明部60の照明光源は、本体部50に内蔵され、光学的ケーブル3bを介して照明光がヘッド部4の照明部60に伝達される。なお照明部60は、ヘッド部4に組み込み式としたり、ヘッド部4と脱着可能な別体とする構成のいずれも採用できる。また照明光の照明方式としては、落射照明や透過照明等が適宜利用できる。落射照明とは、観察対象物の上方から照明光を落とす照明方法であり、リング照明や同軸落射照明等が含まれる。図1に示す照明部60は、観察対象物Sに同軸落射光を照射するための同軸落射照明部62(図3参照)と、リング状の光源からリング状照明光を照射するためのリング照明部63と、透過光を照射するための透過照明部64を備えている。これらの照明は、光学的ケーブル3bを介して本体部50と接続される。本体部50は光学的ケーブル3bを接続するコネクタを備えると共に、コネクタを介して光学的ケーブル3bに光を送出するための照明光源65を内蔵する(図3参照)。またリング照明部63は、全周照明と側射照明を切り替えることができる。これを実現するため、リング照明部63として複数のLEDを環状に配置し、一部のLEDをON/OFFする構成や、照明光の一部をカットするターレット式のマスクを配置する構成等が利用できる。これら照明光の点灯制御や切り替えは、照明光制御部66で行われる。照明光制御部66は、照明光を切り替えるための照明光切替部61を備えている。
照明部60の詳細を、図3の模式断面図に示す。照明部60は、同軸落射照明部62とリング照明部63を備えている。同軸落射照明とは、カメラの撮像面と同じ方向から照射する方法であり、明視野照明とも呼ばれる。同軸落射照明は、例えばシリコンウェハやLCDパネルなど特に鏡面ワークの凸凹を見る場合に効果的となる。照明部60の点灯制御は、照明光制御部66で行われる。また照明光制御部66は照明光切替部61を備えており、照明切替部61は、同軸落射照明部62とリング照明部63とを切り替え可能としている。また照明切替部61は、同軸落射照明部62とリング照明部63とを比率を変えて混合させるように構成することもできる。
(照明光源65)
照明光源65としては、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)や半導体レーザ(Laser Diode:LD)といった半導体発光素子が利用できる。例えば、図3に示すようにR、G、Bの波長域を有するLED65r、65g、65bを用意し、各LEDの点灯により照明光を赤色、緑色、青色にそれぞれ切り替えたり、これらの混色によって白色光を得ることができる。また、白色LEDを別途用意することもできる。特にLEDはON/OFF応答性に優れるため、測定のスループットを向上できる利点も得られる。また長寿命で低消費電力であり、発熱量も少なく、機械的衝撃に強いといった特長も備える。あるいは、光源光の紫外線や可視光線で励起される蛍光体等の波長変換部材を利用した光源とすることもできる。これにより、1個のLEDでも白色光を発光できる。さらに、可視光以外に紫外光や赤外光を照射可能なLEDを光源として用いることもできる。例えば赤外光による観察は、不良品の解析や生体組織の組織分布等において有用である。なお照明光源には半導体発光素子に限らず、幅広い波長域の白色光を発する白色光源として、ハロゲンランプ、キセノンランプ、HIDランプ等を利用してもよい。また可視光のみならず赤外光を照射可能な光源としてもよい。特にハロゲンランプは、発光波長の波長域が広いため好ましい。また、単一の光源を利用するのみならず、複数の光源を備え、これらを同時に点灯して混色光を照明光としたり、あるいは切り替えて照明することもできる。
なお、照明光源は本体部に内蔵する構成に限られない。例えば、載置部や顕微鏡レンズ部に設けることもできる。変形例として図23に示す拡大観察装置400は、載置部30側に照明光源として、透過照明光源65Bを設けている。また図24に示す拡大観察装置500は、顕微鏡レンズ部20側に同軸落射照明やリング照明用の照明光源65Cを備えている。このような構成により、光ファイバ等で照明光を本体部側からヘッド部側に伝達する必要をなくし、外部に引き出すケーブルを少なくして構成を簡素化できる利点が得られる。また、ヘッド部側の内部においても、照明光源からの光を光ファイバで分岐する他、直接照明に高輝度のLED等の半導体発光素子を設けてもよい。特にLEDは、従来のハロゲンランプなどと比べて小型で発熱量も少なく、長寿命でメンテナンスフリー化も図ることができる。
このように、赤色、緑色、青色に発光可能な照明光源を用意することで、従来の白色光源のようなフィルタを不要にでき、またフィルタの切り替えといった機械的な動作を不要となり、電気信号のみでの安定した高速な照明光切り替えが実現される。またLEDは長寿命であるため、電球の交換等のメンテナンス作業も省力化できる。さらに、半導体発光素子はバルブに比べ小型であるため、複数種類の発光素子を省スペースで配置できる利点もある。さらにまた、例えば赤外光発光素子や紫外光発光素子も備えることで、照明光を可視光のみならず赤外光、紫外光等に切り替えることが容易に行える。さらに、低消費電力で冷却ファンも小型化或いは省略でき、静音性にも優れる。このようにして、異なる波長域の発光素子を複数備える照明光源を照明光選択手段87で制御し、所望の波長域の発光素子を選択して点灯し照明光を照射することができる。
また照明光源や照明フィルタ手段には、RGB3原色の他、これらの補色(例えばシアン・マゼンダ・イエロー)を適宜利用することもできる。その他、フィルタとして紫外光や赤外光を透過させるフィルタを利用することもできる。
(実施の形態1)
(同軸落射照明観察)
ヘッド部4の断面図を図4に示す。このヘッド部4は、観察対象に同軸落射照明光を照射するための同軸落射照明部62と、同軸落射照明部62で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部10と、カメラ部10と光軸を一致させて光学的に結合された対物レンズ部25と、対物レンズ部25と光軸を一致させて配置された位相遅延素子90を備えている。
(照明部60)
上述の通り照明部60は、同軸落射照明部62とリング照明部63を備えている。同軸落射照明部62を用いた同軸落射照明観察の詳細を、図4を模式化した図5の模式断面図に示す。ここでは、ヘッド部4はカメラ部10と、偏光ビームスプリッタ28と、対物レンズ部25とを備えている。これらは、光軸AXを一致させた状態で光学的に結合されており、撮像光学系を構成する。また対物レンズ部25には、位相遅延素子90が光軸AX上に配置されている。
(照明接続部29)
さらにヘッド部4は、照明部60と接続するための照明接続部29を備えている。照明接続部29は、ヘッド部4の側面に突出して設けられ、本体部50に内蔵された光源からの光を伝達する光学的ケーブル3bを接続可能としている。すなわち光学的ケーブル3bを通じて伝達された照明光が、照明接続部29を介してヘッド部4に導入される。また顕微鏡レンズ部を交換した際には光学的ケーブル3bを接続し直すように、照明接続部29は光学的ケーブル3bを挿抜可能としている。
さらにまた同軸落射照明部62とリング照明部63に対してそれぞれ照明光を供給するよう、光学的ケーブル3bと照明接続部29は、照明光の経路を個別に設けることもできる。例えば、本体部50とヘッド部4とを接続するための光学的ケーブル3bに、本体部50に内蔵された照明光源からの同軸落射用照明光を伝達するための同軸落射用光ファイバと、リング照明用の照明光を照明光源から伝達するためのリング照明用光ファイバ3b2とを含める。図22の模式水平断面図に示す例では、光学的ケーブル3bの中心に同軸落射用光ファイバ3b1を配置し、リング照明用光ファイバ3b2を同軸落射用光ファイバ3b1の周囲に配置することで、これらの光ファイバを一本のケーブルに纏め、取り回しをよくすることができる。
また照明接続部29もこれに応じて、光学的ケーブル3bとの接続コネクタ29bにおいて、同軸落射照明光CLとリング照明光RLの経路を分離している。同軸落射照明光CLは、接続コネクタ29bの中心部から照明接続部29に導入された後、図5に示すように偏光ビームスプリッタ28で反射されて、撮像光学系の光軸AXと一致される。一方リング照明光RLは、図6に示すように、接続コネクタ29bの周辺部から照明接続部29に導入された後、偏光ビームスプリッタ28に入射されることなく、対物レンズ部25の周囲に設けられたリング照明部63に送られる。このようにリング照明光RLは撮像光学系に導入されることなく、観察対象物Sに対して直接照射される。
(偏光ビームスプリッタ28)
偏光ビームスプリッタ28は、同軸落射照明光CLを撮像光学系の光軸AXと一致する方向に反射させる姿勢に固定されている。図5の例では、45°の姿勢でヘッド部4に固定されており、照明接続部29を介して水平方向から照射された同軸落射照明光CLを鉛直下方の載置部30に向かって反射させる。なお図5において、偏光板等を透過できる光の成分を模式的に示すために、光の位相の方向を縦横の矢印で示している。さらに位相遅延素子60による光の位相の遅延が発生している様子は、回転する矢印で示している。
従来の同軸落射照明では、図17Bの模式断面図に示したように、照明光が対物レンズ部25を透過する構成上、対物レンズ部25の各界面で生じる反射(図17Bにおいて破線で示す。)が迷光となって、もや状のフレアの発生が避けられない。なお、このような迷光やもやは、画面の全体にかかっている場合にフレア、部分的に表れている場合にはホットスポット等と呼ばれることがあるが、本明細書においてはこれらを含めてフレアと呼ぶ。
フレアを回避するために、従来は図18の模式断面図に示すような第一偏光板91とハーフミラー93、λ/4板90、第二偏光板92の組み合わせが採用されていた。第一偏光板91は、入射される光の内、縦方向の偏光成分(「P偏光」等と呼ばれることもある。)のみを通過させる。一方で第一偏光板91は、縦方向偏光成分と直交する横方向の偏光成分(「S偏光」等と呼ばれることもある。)のみを通過させる。このような構成において照明光は、第一偏光板91を通過した後、ハーフミラー93で反射されて、カメラ部10や対物レンズ部25の撮像光学系の光軸AXと一致される。その後、対物レンズ部25を通過した後観察対象物Sに向かって照射される。観察対象物Sで反射された反射光(正反射光)は、再び対物レンズ部25を通過してハーフミラー93に至り、ハーフミラー93を透過してカメラ部10で受光される。ここで、対物レンズ部25の下面にはλ/4板90が配置される。これにより、照明光は往路と復路で2回λ/4板90を通過することになり、偏光方向が90°回転する。この結果、第二偏光板92を透過することが可能となり、カメラ部10で結像される。しかしながらこの構成では、照明光が第一偏光板91、ハーフミラー93、第二偏光板92を通過する度毎に光量が低減される結果、最終的にカメラ部10で得られる光量は元の照明光の約1/18程度に低下してしまうという問題があった。この結果、撮像される画像が暗くなってしまう。特に近年ではカメラ部10の撮像フレームレートの高速化が求められているため、一枚あたりの画像の撮像時間が短くなる結果、光量も少なくなる傾向がある。このため、撮像光学系で得られる光量が少ないと、さらに画像が暗くなるという問題があった。
そこで実施の形態1では、このような光量の低下を抑えることを目的として、撮像光学系に第一偏光板91、ハーフミラー93、第二偏光板92を用いる構成に代えて、上述の通り偏光ビームスプリッタ28を用いている。偏光ビームスプリッタ28は、縦方向偏光成分はすべて反射させ、横方向偏光成分はすべて透過させるという性質を備えている。この結果、図5において偏光ビームスプリッタ28に入射される照明光は、縦方向偏光成分が偏光ビームスプリッタ28で反射され、横方向偏光成分は透過されてカットされる。そして偏光ビームスプリッタ28で反射された照明光は、対物レンズ部25の下部に設けられた位相遅延素子90を透過し、さらに観察対象物Sで反射された反射光が再度位相遅延素子90を通過して、位相が90°遅延される。この結果、反射光は横方向偏光成分と同等となって、偏光ビームスプリッタ28を透過することができ、カメラ部10に到達する。この構成によれば、照明光の損失は偏光ビームスプリッタ28による反射、透過のみで済むため、従来の第一偏光板91、ハーフミラー93、第二偏光板92を用いた構成に比べて2〜3倍の光量を確保でき、より明るい画像を得ることができる。特に偏光ビームスプリッタは、ハーフミラー93と偏光板の機能を実現できる上、理想的にはエネルギー損失がないので、反射光の光量を相対的に増加でき好ましい。このように本実施の形態では、リング照明と同軸落射照明で光源を共通化しつつも、各照明光の経路を分離している。これにより、個別に光源を設けることなく複数の照明を提供できる。
(リング照明)
また、図5の例では同軸落射照明のような明視野照明を行う様子を説明したが、同じヘッド部4を用いて遮光照明、例えばリング照明を行うこともできる。同軸落射照明部に加えてリング照明部を備えるヘッド部4を図6の模式断面図に示す。この図に示すように、リング照明の場合は、対物レンズ部25を通すことなく照明光を観察対象物Sに照射するため、対物レンズ部25に起因するフレア等の問題は生じない。このため、フレアを除去するための構造は本来的に不要である。にも拘わらず従来は、同軸落射照明に切り替えた際にフレア対策が必要となるため、共通のヘッド部4でもって同軸落射照明とリング照明を実現する場合は、同軸落射照明用のフレア対策構造がリング照明においても残る結果、光量が低下する問題を避けられなかった。このような問題に対し、リング照明の際にはλ/4板を光軸上から排除するなどの機械構成を採用することも考えられるものの、この場合は照明光の切り替えに際して光学部材の挿抜動作が必要となり、手間がかかる上、このような切り替え動作を手動又は自動で行うための機械構造も必要となって、装置も複雑高度化するという問題があった。
そこで実施の形態1に係る構成では、ハーフミラーと偏光板に代えて偏光ビームスプリッタを用いたことで、光の損失を抑制した結果、リング照明に切り替えても、同じハードウェア構成のままで光量の抑制をビームスプリッタのみとすることができ、ハーフミラーと同様の約1/2の損失という最低限に抑え、余分な減光を回避した明るい画像の取得が可能となる。この構成により、同軸落射照明からリング照明への切り替え時にλ/4板の排除などの作業を不要にでき、単に照明光を同軸落射照明とリング照明とで切り替える、またはこれらを混合させるのみで足りるため、照明光の切り替え作業を極めて短時間でスムーズに行うことが可能で、使い勝手のよい照明光の切り替えが実現される。
また、このような同軸落射照明やリング照明に限らず、他の反射照明、例えば発光面をリング状でなくライン状に構成したライン状照明、観察対象物の影を作らないように照明光を拡散させた拡散照明を行うのに適したドーム式照明、アーチ型照明、あるいはアーム状に延びた光源を利用するスポットライト状のアーム照明やこのようなアームを複数備えるツインアーム照明等を利用することも可能である。さらに、反射照明に限らず、透過照明を用いることも可能である。透過照明は、観察対象物の底面側から照明光を照射して輪郭を観察する用途などに適している。
(位相遅延素子90)
位相遅延素子90には、λ/4板、λ板、(1/2)λ板、(3/4)λ板、(5/8)λ板等が利用でき、典型的にはλ/4板が利用される。なおλ/4板は、この境界面で反射が生じないように傾斜させて配置することが好ましい。
(実施の形態2)
一方で、拡大観察装置においては、対物レンズを交換して倍率を変更することが行われている。この場合は、倍率や開口度等の異なる複数の対物レンズを用意して、これらを観察用途や目的に応じて選択することとなる。例えば対物レンズ切替手段26(詳細は後述)を用いて、複数の対物レンズを手軽に切り替え可能とする。このような場合において、同軸落射照明を行う際には従来よりフレアの発生が問題となっていることは上述の通りである。このようなフレアの発生量は、対物レンズの倍率によって異なる。すなわち、対物レンズが低倍率の場合は、フレアの発生が顕著であるものの、高倍率の場合はフレアの発生が少なく、それ程目立たない。これは、低倍率の場合は、レンズの曲率の関係から、迷光が画面の中心に集光される傾向を持っているためである。
その一方で、フレアの発生を抑止するため、図18のように2枚の偏光板91、92とλ/4板90を組み合わせた構成が用いられている。この構成では、上述の通りλ/4板90で同軸落射照明光CLの偏光方向を90°回転させて、第一偏光板91と直交する方向の光のみを透過させるようにした第二偏光板92を透過させる一方、フレア光は第二偏光板92を透過させないことで、フレアを効果的に抑制できる。
しかしながら、図18の構成では、低倍率の対物レンズにおいては効果的に機能するものの、高倍率の対物レンズにおいては、画質の劣化を招くという問題があった。すなわち、フレアの発生量は上述の通り、対物レンズの倍率によって異なる。具体的には、低倍率の対物レンズの場合はフレアの発生量が多く、図18の構成によるフレアの抑制効果も高い。その一方で、高倍率の対物レンズにおいては、元々フレアの発生量が少ないため、その抑制効果も低くなる。逆にλ/4板90を対物レンズ部25の出射面に配置することによって、図7A及び図7Bに示すように、倍率が高い程λ/4板に入射される照明光の角度も垂線に対して大きくなり、その分界面での屈折も大きくなり、結像性能に狂いが生じて画像の劣化が生じる。言い換えると、フレア抑制効果は低倍率の対物レンズの際には有効であるが、高倍率の対物レンズの場合は、フレア抑制効果が弱い上、画像の劣化が顕著になるという問題があった。かといって、高倍率の対物レンズにλ/4板を設けないこととすると、照明光の偏光方向が90°回転しないため第二偏光板を通過することができず、観察自体ができなくなってしまう。
このような課題を解決するために、対物レンズの倍率による画質劣化の影響を低減することを目的として、本発明者らは鋭意研究を重ね、実施の形態2に係る拡大観察装置を開発することに成功した。この拡大観察装置は、図8、図9に示すように、対物レンズ部25A、25Bの倍率に応じて位相遅延素子90A、90Bの配置位置を変更している。具体的には、図8の模式断面図に示す低倍率の第一対物レンズ部25Aでは、第一位相遅延素子90Aを第一対物レンズ部25Aの出射瞳側に配置している。また図9の模式断面図に示す高倍率の第二対物レンズ部25では、第二位相遅延素子90Bを第二対物レンズ部25の入射瞳側に配置している。
このように、元々フレアの影響が大きい低倍率の場合は、図8に示すように位相遅延素子90を対物レンズ部25の出射側に配置することで、フレアの抑制効果を発揮させる。一方で高倍率の対物レンズの場合は、図9に示すように位相遅延素子90の位置を、対物レンズ部25の出射瞳側でなく、入射瞳側に配置するよう変更している。対物レンズ部25の入射瞳側では、出射瞳側に比べて図7Aに示すように入射光の角度が高くなく、相対的に平行光に近いため、界面での屈折の影響も少なくなる。よって、位相遅延素子90を設けたことによる像の歪みが低減され、画像の劣化が大幅に低減される。一方で、対物レンズ部25の入射瞳側に位相遅延素子90を配置すると、対物レンズ部25を構成するレンズ群の界面で反射されるフレア光も位相遅延素子90自体を透過するため、フレア光の遮断効果は損なわれてしまう。しかしながら、高倍率の対物レンズにおいては本来的にフレアの影響が殆ど表れない、この点は問題とならない。また、位相遅延素子90を対物レンズ部25に含めることで、照明光の位相を90°遅らせる効果を維持できるため、反射光が第二偏光板92を透過することが可能となって、カメラ部10で正しく結像できる。この構成では、照明光は第一偏光板91で縦偏光され、ハーフミラーで反射されて観察対象物に向かう光は入射時と反射時にλ/4板90を透過する。
このように、実施の形態1に係る拡大観察装置は、低倍率の対物レンズ部25でフレアを抑制する機能を付加しつつも、高倍率の対物レンズにおいて問題となっていた画像の劣化を解消することが可能となり、倍率や開口数(NA)の異なる複数の対物レンズ部25を交換可能或いは切り替え可能とした構成において、高品質な画像の結像が実現される。
なお、位相遅延素子90の位置は、同軸落射照明光CLが対物レンズ部25に入射する前、すなわち対物レンズ部25の入射瞳側に配置することが好ましいが、入射瞳の近傍側に配置すれば足り、例えば対物レンズ部を複数のレンズ部で構成する場合は、入射瞳側の対物レンズ同士の間に配置することも可能である。
さらに他の例として、高倍率での観察時には、偏光板や位相遅延素子を設けない構成とすることもできる。具体的には、対物レンズを高倍率のタイプに交換した際に、偏光板や位相遅延素子を光路上から排除するように手動で挿抜式あるいは切り替え式としたり、電動でこれらの部材の挿入位置、排除位置に移動できるような移動機構を設ける構成などが考えられる。この構成であれば、フレアの影響が少ない高倍率での観察時においてはフレア対策機構を排除できるので、これらに起因する画質の劣化を回避できる。反面、手動による挿抜式の場合は挿抜の手間がかかり、自動による切り替え式の場合は電動移動機構やその制御系等を設ける必要があり、構成が複雑化する。
(対物レンズ切替手段26)
また実施の形態2に係る拡大観察装置は、第一対物レンズ部25Aと第二対物レンズ部25のいずれかを、カメラ部10の光軸と一致させた位置に切り替えるための対物レンズ切替手段26を備えている。具体的には、図10に示す拡大観察装置200のように、ヘッド部4の先端に設けられた複数の対物レンズ部25A、25Bを、ヘッド部4を揺動させる面に対して垂直な面内で揺動させて切り替えるようにしている。また対物レンズ切替手段はこの構成に限られず、複数の対物レンズ部を切り替え可能な任意の構成が利用できる。例えば複数の対物レンズ部を円錐面に配置して、ターレット式に旋回させることで対物レンズ部を切り替え可能とした構成とすることもできる。
(実施の形態3)
以上の位相遅延素子90は、遅相軸が45°ずれるような姿勢、すなわち撮像光学系の光軸周りにおける回転角度で配置することで、フレア対策効果を発揮している。仮に遅相軸を0°方向となるように配置すれば、照明光の位相の遅延が生じないため、正反射光は第二偏光板92を通過できず、完全に遮断されることとなる。しかしながら一方では、観察対象物において偏光状態が乱された光(ここでは総括的に拡散光と呼ぶ)は第二偏光板92を通過できる。いいかえると、正反射光を完全に遮断して、散乱光のみを抽出するクロスニコル観察が実現できる。
(位相遅延素子調整手段94)
そこで、このような性質を利用して、位相遅延素子90を撮像光学系の光軸に対して回転させる機構を設けることで、遅相軸を自在に調整でき、フレア対策した通常観察モードと、クロスニコル観察モードとを切り替え可能とすることもできる。このような構成を備える拡大観察装置を実施の形態3として、図11に示す。この図に示す拡大観察装置は、図5と同じ構成を備えつつ、対物レンズ部25に位相遅延素子90を回転させるための位相遅延素子調整手段94を備えている。位相遅延素子調整手段94は、対物レンズの内部で位相遅延素子を光軸周りに回転させる。ここでは、図12の斜視図に示すように、位相遅延素子調整手段94として、位相遅延素子90と連結された取っ手95を、対物レンズ部25周りに形成されたスリット96を介して対物レンズ部25から突出させている。ユーザは手動で取っ手95を対物レンズ部25の周囲に沿って摺動させることで、内部の位相遅延素子90を回転させることができる。この構成であれば、極めて簡単な構造で一層遅延素子を回転させて、遅相軸を45°の位置と0°の位置とに切り替えることが可能となる。例えば、位相遅延素子90であるλ/4板を遅相軸45°となるよう回転角度を調整することで通常観察モードとなり、図13のイメージ図に示すような画像が得られる。この図に示すように通常観察モード正反射光を透過させつつ、フレア光は除去されている。一方で、遅相軸が0°となるようλ/4板90の回転角度を調整することでクロスニコル観察モードとなり、図14のイメージ図に示すような画像が得られる。ここでは、正反射光やフレア光は除去されるが、拡散光は除去されず、ぎらつきのない画像を得ることができる。このように位相遅延素子調整手段94は、観察モードを切り替える観察モード切替手段としても機能する。
また、位相遅延素子調整手段94はこの構成に限られず、位相遅延素子を回転可能な任意の構成が適宜採用できる。例えば対物レンズ部自体を光軸回りに回転させることで、位相遅延素子の遅延軸を調整させる構成としてもよい。あるいはモータで位相遅延素子を回転させることで、自動でフレア対策した通常観察モードと、クロスニコル観察モードとを切り替え可能とすることも可能である。さらに、以上の例では位相遅延素子を対物レンズ部の筐体内に組み込んだ例を説明したが、対物レンズ部に外付けで位相遅延素子を組み合わせる構成としてもよいことは言うまでも無い。
(支持台40)
拡大観察装置100の撮像系1の外観構成の一例を図15に示す。この図に示す撮像系1は、観察対象物Sを載置する載置部30とヘッド部4を支持する支持台40を備えている。支持台40は、載置部30を水平面内あるいは上下移動可能な状態に保持するステージ固定機構42と、載置部30を保持した状態でヘッド部4を傾斜させるヘッド傾斜機構44を備えている。これらステージ固定機構42及びヘッド傾斜機構44は、ベース部41に固定されている。ベース部41は平板状として、安定的に支持台40を自立させる。
(ステージ固定機構42)
ステージ固定機構42は、載置部30を水平面内(XY軸方向)及び垂直方向(Z軸方向)に移動可能な一以上の移動機構を介して、載置部30を支持台40に固定している。具体的には、ここでは移動機構として、載置部30をZ軸方向に移動させるためのZ軸方向移動機構(第一焦点調整部)、載置部30をXY軸方向に移動させるためのXY軸移動機構、載置部30をθ方向に回転させるための回転移動機構が利用できる。図15に示す例では、Z軸移動機構としてベース部41上に昇降可能に固定されたスライダ32でもって下ステージ昇降器35を実現し、さらに回転移動機構として、スライダ32上に固定された中間連結部34でもって載置部30を回転可能とし、加えてXY軸移動機構として、中間連結部34上に固定されたXYステージでもって、載置部30をXY軸方向に移動可能としている。
(ヘッド傾斜機構44)
一方ヘッド傾斜機構44は、ヘッド部4を載置部30に対して傾斜させるため、図16の斜視図に示すようにベース部41に揺動軸45を介して揺動自在に連結された揺動部46と、揺動部46にヘッド部4を固定するためのヘッド固定部48とを備える。揺動部46は、ベース部41から上方に突出する姿勢に設けられた揺動支柱47と、揺動軸45とを備える。またヘッド固定部48は、揺動支柱47にヘッド部4を、ほぼ平行な姿勢で固定するヘッド用アーム49を備える。揺動支柱47は、下端に揺動軸45を設けており、揺動軸45を中心として旋回するようにベース部41に支持される。またヘッド用アーム49は、ヘッド部4を載置部30の上方に保持するよう、揺動支柱47の上部から中間部の位置で、揺動支柱47をクランプするなどして固定される。またヘッド用アーム49の先端には、ヘッド部4を固定する固定機構が設けられる。ここでは、固定機構はヘッド部4の外周を囲むリング状に形成されて、リング状の中心にヘッド部4を挿入して、周囲の複数の位置から止めねじで螺合されて固定される。
ベース部41の上面には、下方に向かって末広がりとしたブロック41aが固定され、このブロック41aの上部に軸受部41bを形成している。軸受部41bは、離間して固定された一対のガイド部41cを備えており、一対のガイド部41cは側面視において凹形状に形成されている。各ガイド部41cは、Y軸方向に平行な軸を中心軸として形成された円形の孔部を開口している。これらの孔部には揺動軸45がY軸方向に沿って嵌合されている。この例では、揺動軸45に目盛を設けており、ヘッド部4を揺動させる角度を目盛でもって目視できるように構成している。
また拡大観察装置200は、図10の斜視図に示すように、ヘッド部4の先端に設けられた第一対物レンズ部25A、第二対物レンズ部25Bを、ヘッド部4を揺動させる面に対して垂直な面内で揺動させて切り替える対物レンズ切替手段26を備えている。このように、ヘッド部4の揺動面と、対物レンズ部25を切り替えるための揺動面とを直交させることで、ヘッド部4を傾斜させた状態で対物レンズ部25を切り替える際に、対物レンズの先端が観察対象物に接触する事態を回避できる。この際、各対物レンズ部の長さが等しくなるように予め設計しておく。
(カメラ部10)
ヘッド部4は、撮像素子を有するカメラ部10と、カメラ部10の先端に着脱自在に装着される顕微鏡レンズ部20とを備える。カメラ部10は、照明部60により照明された観察対象物Sから、撮像光学系11を介して入射する反射光を電気的に読み取る撮像素子12を備える。撮像素子12は、この例ではCMOSを利用しているが、CCD等、他の受光素子も利用できる。また顕微鏡レンズ部20は、対物レンズ部25に加え、レンズ本体21と、このレンズ本体21の端面に装着されてレンズ接続面を構成するマウント部22とを備えている。またマウント部22は、可撓性を有するレンズ側ケーブル24を介して顕微鏡レンズ部20と電気的に接続されている。これにより、顕微鏡レンズ部20のレンズ識別情報は、レンズ側ケーブル24を介してマウント部20のレンズ側接続端子に送出される。
(表示部52)
またこのような画像データや記憶部53に保持された設定内容は、表示部52にて表示させることができる。表示部52はCRTや液晶ディスプレイ、有機EL等のモニタが利用できる。また、制御部51に対して、ユーザが各種操作を行うための操作部55を接続している。操作部55はコンソールやマウス等の入力デバイスである。なおこの例においても表示部や操作部は、本体部50と一体的に組み込むことも、外付けの部材とすることもできる。さらに表示部をタッチパネルで構成すれば、表示部と操作部を一体に構成することもできる。
ここで下ステージ昇降器35の動作について説明する。本体部50は、モータ制御回路36に対してステッピングモータ37の制御に関する制御データを入力することによって、載置部30と、撮像光学系11および撮像素子12を有するヘッド部4との光軸方向における相対距離、ここではz方向における高さを変化させる。具体的には、本体部50は、下ステージ昇降器35の制御に必要な制御データをモータ制御回路36に入力することによってステッピングモータ37の回転を制御し、載置部30の高さz(z方向の位置)を昇降させる。ステッピングモータ37は、回転に応じた回転信号を生成する。本体部50は、モータ制御回路36を介して入力される回転信号に基づいて、載置部30と撮像光学系11の光軸方向における相対距離に関する情報としての載置部30の高さzを記憶する。この載置部30は、観察対象物Sに対して観察位置の位置決めを行う観察位置決め手段として機能する。
なお、下ステージ昇降器35はこのような電動式に限られず、手動式で昇降させる構成としてもよいことはいうまでもない。
さらに本実施の形態においては、載置部30の高さを変化させることによって載置部30と撮像光学系11の光軸方向における相対距離を変化させるのみならず、撮像光学系の高さ、すなわちヘッド部4の高さも変化可能としている。ヘッド部4は本体部50とケーブル部3により接続される。これにより、ヘッド部4で取得したデータはケーブル部3を介して本体部50に送出され、本体部50側で必要な処理を行うことができる。
撮像素子12は、x方向およびy方向に2次元状に配置された画素毎に受光量を電気的に読み取ることができる。撮像素子12上に結像された観察対象物Sの像は、撮像素子12の各画素において受光量に応じて電気信号に変換され、撮像素子制御回路13においてさらにデジタルデータに変換される。本体部50は、撮像素子制御回路13において変換されたデジタルデータを受光データDとして、光軸方向(図2中のz方向)とほぼ垂直な面内(図2中のx、y方向)における観察対象物Sの2次元位置情報としての画素の配置情報(x、y)と共に記憶部53に記憶する。ここで、光軸方向とほぼ垂直な面内とは、厳密に光軸に対して90°をなす面である必要はなく、その撮像光学系および撮像素子における解像度において観察対象物Sの形状を認識できる程度の傾きの範囲内にある観察面であればよい。
また、以上の説明では載置部30の一例として、観察対象物Sが載置部30に載置される例を示したが、例えば載置部の代わりにアームを取り付け、その先端に観察対象物Sを固定する構成とすることもできる。さらにヘッド部4は、カメラ取り付け部43に装着して使用する他、脱着可能として手持ち等の方法により所望の位置、角度に配置することもできる。
本発明の拡大観察装置、拡大画像観察方法、拡大画像観察プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、顕微鏡や反射、透過型等のデジタルマイクロスコープ、デジタルカメラに好適に利用できる。また、本技術を蛍光顕微鏡に適用する場合、照明光に対する観察対象物からの反射光若しくは透過光は、励起光として読み替えることができる。
100、200、400、500…拡大観察装置
1…撮像系
2…制御系
3…ケーブル部;3b…光学的ケーブル;
3b1…同軸落射用光ファイバ;3b2…リング照明用光ファイバ
4…ヘッド部
10…カメラ部
11…撮像光学系
12…撮像素子;13…撮像素子制御回路
16…上ステージ昇降器
20…顕微鏡レンズ部;21…レンズ本体
22…マウント部;24…レンズ側ケーブル
25…対物レンズ部;25A…第一対物レンズ;25B…第二対物レンズ
26…対物レンズ切替手段
28…偏光ビームスプリッタ
29…照明接続部;29b…接続コネクタ
30…載置部
32…スライダ
34…中間連結部
35…下ステージ昇降器
36…モータ制御回路
37…ステッピングモータ
40…支持台
41…ベース;41a…ブロック;41b…軸受部;41c…ガイド部
42…ステージ固定機構
43…カメラ取り付け部
44…ヘッド傾斜機構
45…揺動軸
46…揺動部
47…揺動支柱
48…ヘッド固定部
49…ヘッド用アーム
50…本体部;51…制御部;52…表示部
53…記憶部;54…インターフェイス;55…操作部
60…照明部
61…照明切替部
62…同軸落射照明部
63…リング照明部
64…透過照明部
65…照明光源;65r、65g、65b…LED
65B…透過照明光源;65C…リング照明用照明光源
66…照明光制御部
81…光路シフト制御手段
82…画像選択手段
83…撮像条件設定手段
84…自動合成手段
85…画像合成手段
86…波長選択手段
87…照明光選択手段
90…位相遅延素子;90A…第一位相遅延素子;90B…第二位相遅延素子
91…第一偏光板
92…第二偏光板
93…ハーフミラー
94…位相遅延素子調整手段
95…取っ手
96…スリット
S…観察対象物
AX…光軸
CL…同軸落射照明光
RL…リング照明光

Claims (9)

  1. 撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を撮像可能な拡大観察装置であって、
    観察対象に同軸落射照明光を照射するための同軸落射照明手段と、
    前記同軸落射照明手段で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部と、
    前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合された対物レンズ部と、
    前記対物レンズ部の光軸上に配置された位相遅延素子と、
    前記対物レンズ部を通じて前記カメラ部で得られた画像を表示させるための表示手段と、
    前記カメラ部の光軸上であって、かつ前記同軸落射照明手段からの照明光を該カメラ部の光軸と一致する方向に反射させる姿勢に固定された偏光ビームスプリッタと
    を備えることを特徴とする拡大観察装置。
  2. 撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を撮像可能な拡大観察装置であって、
    観察対象に同軸落射照明光を照射するための同軸落射照明手段と、
    前記同軸落射照明手段で照射された照明光の反射光を受光する撮像素子を有するカメラ部と、
    前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合可能な、第一の倍率を有する第一対物レンズ部と、
    前記カメラ部と光軸を一致させて光学的に結合可能な、第一の倍率よりも高倍率の第二対物レンズ部と、
    前記第一対物レンズ部と第二対物レンズ部のいずれかを、前記カメラ部の光軸と一致させた位置に切り替えるための対物レンズ切替手段と、
    前記対物レンズ部を通じて前記カメラ部で得られた画像を表示させるための表示手段と、
    前記カメラ部の光軸上であって、かつ前記同軸落射照明手段からの照明光を該カメラ部の光軸と一致する方向に反射させる姿勢に固定されたハーフミラーと、
    前記ハーフミラーの入射側に配置され、前記同軸落射照明手段から照射された照明光の反射光を透過させる第一偏光板と、
    前記カメラ部の光軸上で前記ハーフミラーとの間に配置された、前記第一偏光板と直交する直線偏光を透過させる第二偏光板と、
    前記第一対物レンズ部に設けられた、該第一対物レンズ部と光軸を一致させて、出射側に配置された第一位相遅延素子と、
    前記第二対物レンズ部に設けられた、該第二対物レンズ部と光軸を一致させて、前記第一偏光板よりも入射瞳側に配置された第二位相遅延素子と
    を備えることを特徴とする拡大観察装置。
  3. 請求項2に記載の拡大画像観察装置において、さらに
    前記位相遅延素子の遅相軸を調整可能な位相遅延素子調整手段を備えてなることを特徴とする拡大観察装置。
  4. 請求項3に記載の拡大画像観察装置において、
    前記位相遅延素子調整手段が、前記第一位相遅延素子を、前記第一対物レンズ部の光軸と一致させた状態で、該光軸周りに回転可能とする位相遅延素子回転機構であることを特徴とする拡大観察装置。
  5. 請求項3に記載の拡大画像観察装置において、
    前記位相遅延素子調整手段が、前記第一対物レンズ部全体を回転させることで、該第一対物レンズ部に設けられた前記第一位相遅延素子を回転させる対物レンズ回転機構であることを特徴とする拡大観察装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一に記載の拡大画像観察装置において、さらに
    観察対象の観察対象物を載置するための載置部と、
    前記載置部に載置された観察対象物に対して、リング状の照明光を照射するためのリング照明手段とを備えることを特徴とする拡大観察装置。
  7. 請求項6に記載の拡大画像観察装置において、さらに
    前記表示部と、前記照明手段の照明光源とを備えた本体部と、
    顕微鏡レンズ部とカメラ部とで構成されるヘッド部とを接続するためのケーブル部と、
    を備え、
    前記ケーブル部は、
    中心に配置された、前記本体部に内蔵された前記照明光源からの同軸落射用照明光を伝達するための光ファイバである同軸落射用光ファイバと、
    前記同軸落射用光ファイバの周囲に配置された、前記リング照明用の照明光を前記照明光源から伝達するための光ファイバであるリング照明用光ファイバと
    を備えることを特徴とする拡大観察装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一に記載の拡大観察装置であって、
    前記位相遅延素子が傾斜姿勢で前記対物レンズに固定されてなることを特徴とする拡大観察装置。
  9. 撮像対象に照明光を照射し、該照明光の反射光の受光量を検出して、撮像対象の画像を取得する拡大観察方法であって、
    観察対象に対し、同軸落射照明手段で同軸落射照明光を、第一偏光板を透過させてハーフミラーで反射させ、対物レンズ部とカメラ部とで構成される撮像光学系と光軸を一致させた状態で位相遅延素子を透過させて撮像対象に照射し、その反射光を前記位相遅延素子、対物レンズ部、ハーフミラー、及び前記第一偏光板と直交する直線偏光を透過させる第二偏光板に透過させて、前記カメラ部で結像させる工程と、
    前記位相遅延素子を、前記撮像光学系の光軸周りに回転させ、遅延軸を45°方向にずらすことでフレア対策した通常観察モード、又は遅相軸を0°方向にずらすことでクロスニコル観察モードのいずれかに切り替える工程と、
    を含むことを特徴とする拡大観察方法。
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JP2016177169A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 オリンパス株式会社 顕微鏡装置
JP2017146496A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 三菱電機株式会社 照明用光源
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