JP2015127418A - 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置 - Google Patents

粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015127418A
JP2015127418A JP2015029893A JP2015029893A JP2015127418A JP 2015127418 A JP2015127418 A JP 2015127418A JP 2015029893 A JP2015029893 A JP 2015029893A JP 2015029893 A JP2015029893 A JP 2015029893A JP 2015127418 A JP2015127418 A JP 2015127418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
thermosetting resin
optical semiconductor
tablet
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015029893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5949976B2 (ja
Inventor
勇人 小谷
Hayato Kotani
勇人 小谷
直之 浦崎
Naoyuki Urasaki
直之 浦崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2015029893A priority Critical patent/JP5949976B2/ja
Publication of JP2015127418A publication Critical patent/JP2015127418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5949976B2 publication Critical patent/JP5949976B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/481Disposition
    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/48221Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/48245Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic
    • H01L2224/48247Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic connecting the wire to a bond pad of the item
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】室温付近において粉砕できる程度の剛性を有し、加工装置や成型装置への付着を十分に低減した光反射用熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体搭載用基板及び光半導体搭載用基板の製造方法、並びに光半導体装置を提供すること。【解決手段】エポキシ樹脂、融点が100℃以上の有機酸無水物を含む硬化剤及び白色顔料を含有する熱硬化性樹脂組成物の原料を混練する工程と、混練して得られた熱硬化性樹脂組成物を冷却する工程と、冷却された熱硬化性樹脂組成物を乾式粉砕する工程と、を備える、粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置に関する。
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光半導体素子と蛍光体とを組み合わせた光半導体装置は、エネルギー効率が高く、寿命が長いことから、屋外用ディスプレイ、携帯液晶バックライト、車載用途に使用され、その需要が拡大しつつある。これに伴いLEDデバイスの高輝度化が進んでおり、素子の発熱量増大によるジャンクション温度の上昇や、直接的な光エネルギーの増大による光半導体装置の劣化を防ぐことが求められている。
特許文献1には、硬化剤として酸無水物を含む熱硬化性樹脂組成物を、リフレクターの材料として用いた光半導体素子搭載用基板、及び光半導体装置が開示されている。
特開2006−140207号公報
従来、熱硬化性樹脂組成物からリフレクターを形成する方法としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物をタブレットに成形した後、トランスファーモールド成形する方式が提案されている。
熱硬化性樹脂組成物からタブレットを成形する方法としては、例えば、図1に示すような方法が挙げられる。すなわち、熱硬化性樹脂組成物の原料を供給する工程(原料供給工程)、原料を加熱し溶融させて混合する工程(混練工程)、混練後の熱硬化性樹脂組成物を冷却する工程(冷却工程)、冷却後の熱硬化性樹脂組成物を粉砕する工程(粉砕工程)、粉砕された熱硬化性樹脂組成物の粉末を成形金型に入れ打錠してタブレットを得る工程(打錠工程)を備える方法である。
ところで、タブレットの生産性を向上させる観点から、これらの工程を連続的に行うことが求められている。
しかしながら、上記粉砕工程においては、熱硬化性樹脂組成物が付着性を有していると粉砕装置内に付着し、粉砕が困難となる場合がある。また、上記打錠工程においては、成形金型の表面に粉末が付着し、打錠する際にタブレットが破壊されることがある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、室温付近において粉砕できる程度の剛性を有し、加工装置や成形装置への付着を十分に低減した光反射用熱硬化性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた光半導体搭載用基板及び光半導体搭載用基板の製造方法、並びに光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(B)硬化剤として、融点が100℃以上の有機酸無水物を用いることによって、室温付近において粉砕できる程度の剛性を有し、加工装置や成形装置への付着を十分に低減した熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)白色顔料を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、上記(B)硬化剤は、融点が100℃以上の有機酸無水物を含む、光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供する。
ここで、上記有機酸無水物が、非芳香族化合物であると、上記本発明の効果をより一層有効かつ確実に発現することができる。
また、上記有機酸無水物は、ハーゼン色数が50以下の有機酸無水物であることがより好ましい。これにより、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を光半導体搭載用基板に用いた場合に、光の反射率が向上し、光半導体装置の輝度を向上させることができる。
また、有機酸無水物は、下記式(1)、(2)、(3)及び(4)でそれぞれ表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物を含むことができる。
Figure 2015127418
上記式(1)で表わされる無水コハク酸、上記式(2)で表わされる水素化無水ピロメリット酸、上記式(3)で表わされる水素化ビフェニル酸二無水物、及び上記式(4)で表わされるテトラヒドロ無水フタル酸のうち少なくとも1種を硬化剤として用いることにより、上記本発明の効果を確実に得ることができる。
また、上記有機酸無水物の含有量が、上記(B)硬化剤の質量を基準として、3〜100質量%であることが好ましい。
また、上記(C)白色顔料が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム及び無機中空粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物を含むことが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム及び無機中空粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物を含む(C)白色顔料を用いることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の反射特性を確保でき、光学材料としての性能を十分に発揮することができる。
さらに、本発明は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、上記凹部の底面が光半導体素子搭載部であり、上記凹部の壁面の少なくとも一部が上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、光半導体素子搭載用基板を提供する。
またさらに、凹部の壁面の少なくとも一部を、上記熱硬化性樹脂組成物を用いて形成する工程を備える、光半導体素子搭載用基板の製造方法を提供する。
またさらに、底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板と、上記光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、上記凹部を充填して上記光半導体素子を封止する封止樹脂部と、を備え、上記凹部の壁面の少なくとも一部が、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる、光半導体装置を提供する。
本発明によれば、室温付近において粉砕できる程度の剛性を有し、加工装置や成形装置のへ付着を十分に低減した光反射用熱硬化性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた光半導体搭載用基板及び光半導体搭載用基板の製造方法、並びに光半導体装置を提供すことができる。
熱硬化性樹脂組成物からタブレットを作製する工程を示すフローチャートである。 熱硬化性樹脂組成物からタブレットの原料粉末を作製する工程を示す概略図である。 熱硬化性樹脂組成物から作製したタブレットを成形する工程を示す概略断面図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂(B)硬化剤及び(C)白色顔料を含有し、上記(B)硬化剤は、融点が100℃以上の有機酸無水物を含むことを特徴とする。以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物の構成成分について詳述する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(A)エポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているものを用いることができる。エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、及び、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステルが、比較的着色が少ないことから好ましい。同様の理由から、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸及びメチルナジック酸等のジカルボン酸のジグリシジルエステルも好適である。芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸等のグリシジルエステルも挙げられる。シラン化合物を有機溶媒、有機塩基及び水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造される、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンも挙げられる。また、(A)エポキシ樹脂として、グリシジル(メタ)アクリレート単量体と、これと重合可能な単量体との共重合体である、下記式(5)で示されるエポキシ樹脂を用いることもできる。
Figure 2015127418
式(5)中、Rはグリシジル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の1価の炭化水素基を示し、Rは1価の飽和炭化水素基を示す。a及びbは正の整数を示す。
(A)エポキシ樹脂は、本発明の熱硬化性樹脂組成物のよごれを抑制する観点から2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物であることが好ましく、ダイセル化学社製、製品名:EHPE3150が市販品として入手可能である。
また、(A)エポキシ樹脂は、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の着色を抑制するために、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ヒドロナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される脂肪族炭化水素基を有する脂環式エポキシ樹脂であることも好ましい。上記環式脂肪族炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。
<(B)硬化物>
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(B)硬化剤は、融点が100℃以上の有機酸無水物を含む。これにより、室温付近(0℃〜30℃)で粉砕できる程度の剛性を有し、さらに、加工装置又は成形装置への付着を十分に低減した熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。なお、本発明において「融点が100℃以上の有機酸無水物」とは、100℃未満において固体である有機酸無水物を意味し、200℃以上において軟化、分解等示す有機酸無水物を含む。
また、低融点或は低軟化点の(A)エポキシ樹脂又は(B)硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物を加熱混合し、溶融させることにより得られた混合物を再度冷却する場合に、熱硬化性樹脂組成物が固体化するまでの時間を短かくすることができる。
ここで、上記有機酸無水物が、非芳香族化合物であることが好ましい。これにより、上記の効果を確実に得ることができる。
また、上記有機酸無水物としては、例えば下記式(1)〜(4)でそれぞれ表される化合物が挙げられる。
Figure 2015127418
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記式(1)で表わされる無水コハク酸、上記式(2)で表わされる水素化無水ピロメリット酸、上記式(3)で表わされる水素化ビフェニル酸二無水物、及び、上記式(4)で表わされるテトラヒドロ無水フタル酸のうち、少なくとも1種の酸無水物を硬化剤として用いることにより、上記の効果を確実に得ることができる。
上記式(1)で表わされる化合物は、融点が120〜130℃であり、上記式(2)及び(3)で表わされる化合物は、融点が明確ではないが、100℃未満において固体であり、上記式(4)で表わされる化合物は、融点が110〜120℃である。これらの化合物は結晶性が高く、これらの化合物を混合することで、加熱混合後、室温放置した際に固化を促進し、作業性、粉砕加工等取扱いが容易になる。
また、上記有機酸無水物のハーゼン色数が、50以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。これにより、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を光半導体搭載用基板に用いた場合に、光の反射率が向上し、光半導体装置の輝度を向上させることができる。
ここで、ハーゼン色数は、ASTM D1209−1980(米国規格協会規格)に準拠して測定される値である。色数標準液は、塩化白金(IV)酸カリウム1.245g(白金として0.500g)、および塩化コバルト(II)六水和物1.000g(コバルトとして0.250g)を塩酸100mlに溶解し、さらに蒸留水で1000mlに稀釈して、これをハーゼン色数500の色数標準液とするものである。ハーゼン色数100、50、20、10などの色数標準液は、ハーゼン色数500の色数標準液をそれぞれ蒸留水で5、10、25、50倍希釈して調製して得ることができる。ハーゼン色数は、試料を規定の大きさの試験管(直径3cm、長さ約20cm)に入れて、目視で比較して同じ感じの色数標準液の番号で表示される。試験管の上面から観察した場合には、ハーゼン色数(APHA)と表記される。APHAは、アメリカ公衆衛生協会(American Pubric Health Assosiation)の略である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(B)硬化剤中に、上記式(1)〜(4)でそれぞれ表される化合物が全量含まれていてもよく、以下に示す化合物を含んでいてもよい。ただし、本発明の効果を十分に得るためには、本発明に係る有機酸無水物の含有量は、(B)硬化剤の質量を基準として、3〜100質量%であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(B)硬化剤は、2つ以上の多価カルボン酸が縮合した多価カルボン酸縮合縮合体を含んでいてもよい。「多価カルボン酸縮合体」とは、2以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸の1種又は2種以上が分子間で縮合して形成される重合体を意味する。より詳細には、多価カルボン酸縮合体は、2以上のカルボキル基を有する2分子以上のモノマーの分子間で、それぞれが有するカルボキシ基が脱水縮合することにより酸無水物基(酸無水物結合)を生成し、生成した酸無水物基によって各モノマー単位が鎖状又は環状に連結されている重合体である。多価カルボン酸縮合体は、通常、重合度の異なる複数の成分から構成され、繰り返し単位及び末端基の構成が異なる。下記式(6)で表される成分の割合は、多価カルボン酸縮合体全量を基準として60質量%以上である。
Figure 2015127418
上記式(6)中、Rは、2価の有機基であり、Rは、1価の有機基であり、nは1以上の整数を示す。nは、1〜200の整数であることが好ましい。
は飽和炭化水素環を有する2価の飽和炭化水素基であることが好ましい。Rが飽和炭化水素環を有する飽和炭化水素基であることにより、当該多価カルボン酸縮合体はエポキシ樹脂の透明な硬化物を形成させることが可能である。同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rの飽和炭化水素環はハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基で置換されていてもよい。飽和炭化水素環を置換する炭化水素基は好ましくは飽和炭化水素基である。飽和炭化水素環は単環でもよいし、2以上の環から構成される縮合環、ポリシクロ環、スピロ環又は環集合であってもよい。Rの炭素数は好ましくは3〜15である。
は上記式(6)で表される成分(重合体)を得るために用いられるモノマーとしての多価カルボン酸からカルボキシル基を除いて誘導される基である。モノマーとしての多価カルボン酸は、重縮合の反応温度よりも高い沸点を有することが好ましい。
より具体的には、Rはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ヒドロナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される2価の基であることが好ましい。Rがこれらの基であることにより、透明で熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。これら環式飽和炭化水素は、ハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基(好ましくは飽和炭化水素基)で置換されていてもよい。
特に、Rは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はこれらの誘導体からカルボキシル基を除いて誘導される基であることが好ましい。すなわち、Rは下記式(7)で表される2価の基であることが好ましい。下記式(7)中、mは0〜4の整数を示す。Rはハロゲン原子又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜4の炭化水素基を示す。mが2〜4であるとき、複数のRは同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
Figure 2015127418
上記式(6)中の末端基であるRは酸無水物基又はカルボン酸エステル基で置換されていてもよい1価の炭化水素基を示す。2個のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素数2〜15の脂肪族若しくは芳香族モノカルボン酸(安息香酸等)からカルボキシル基を除くことにより誘導される1価の基であってもよい。
は、好ましくは、下記式(8)で表される1価の基、又は、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、アダマンタン、水素化ナフタレン及び水素化ビフェニルから選ばれる環式脂肪族炭化水素から水素原子を除くことにより誘導される1価の基である。Rがこれらの基であることにより、熱による着色の少ない硬化物が得られるという効果がより一層顕著に奏される。また、Rがこれらの基であると、多価カルボン酸縮合体中のカルボン酸残基の濃度が低減すると共に、分子量の分散を抑えることができる。
Figure 2015127418
が上記式(7)で表される2価の基であり、同時に、Rが上記式(8)で表される1価の基であってもよい。すなわち、本実施形態に係る多価カルボン酸縮合体は、上記式(6)で表される成分として、下記式(1a)で表される成分を含んでいてもよい。
Figure 2015127418
上記式(1a)のnは、上記式(6)のnと同様に、1以上の整数を示し、好ましくは1〜200の整数である。
多価カルボン酸縮合体の重量平均分子量(Mw)は、200〜20000であることが好ましい。Mwが200未満では、粘度が低くなりすぎて熱硬化性樹脂組成物のトランスファー成形時の熱硬化性樹脂組成物の汚れの発生を抑制し難くなる傾向があり、20000を超えると、エポキシ樹脂との相溶性が低下する傾向や、熱硬化性樹脂組成物のトランスファー成形時の流動性が低下する傾向がある。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて下記条件で測定することで得られる。
(GPC条件)
ポンプ:L−6200型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:TSKgel―G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL(東ソー株式会社製、商品名)
検出器:L−3300RI型(株式会社日立製作所製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:30℃
流量:1.0mL/分
多価カルボン酸縮合体は、多価カルボン酸及び必要に応じて用いられるモノカルボン酸を含む反応液中で脱水縮合させることにより得られる。例えば、下記式(9)で表されるジカルボン酸及び下記式(10)で表されるモノカルボン酸を含む反応液中で、それぞれが有するカルボキシル基を分子間で脱水縮合させる工程を備える方法によって得ることができる。
Figure 2015127418

Figure 2015127418
脱水縮合の反応液は、例えば、多価カルボン酸及びモノカルボン酸と、これらを溶解する無水酢酸又は無水プロピオン酸、塩化アセチル、脂肪族酸塩化物及び有機塩基(トリメチルアミン等)から選ばれる脱水剤とを含有する。例えば、反応液を5〜60分にわたって窒素雰囲気下で還流した後、反応液の温度を180℃まで上昇させて窒素気流下の開放系で、生成する酢酸及び水を留去することにより重縮合を進行させる。揮発成分の発生が認められなくなった時点で、反応容器内を減圧しながら180℃の温度で3時間にわたって、より好ましくは8時間にわたって溶融状態で重縮合を進行させる。生成した多価カルボン酸縮合体を、無水酢酸等の非プロトン性溶媒を用いた再結晶や再沈殿法によって精製してもよい。
なお、脱水縮合反応において、所望のICIコーンプレート粘度、重量平均分子量、軟化点が得られるように適宜反応条件を変えることができ、上記反応条件に限られるものではない。例えば、多価カルボン酸縮合体の縮合反応前の、多価カルボン酸とモノカルボン酸の仕込み組成比により、生成物のICIコーンプレート粘度、重量平均分子量および軟化点を所望の値に調整することができる。多価カルボン酸の比率が多くなるほど、ICIコーンプレート粘度、重量平均分子量、軟化点が増加する傾向にある。
多価カルボン酸縮合体は、モノカルボン酸の2分子との縮合物、多価カルボン酸とモノカルボン酸との縮合物、多価カルボン酸及びモノカルボン酸の未反応物、並びに、無水酢酸及び無水プロピオン酸等の反応試薬と多価カルボン酸又はモノカルボン酸とが縮合反応して生成する酸無水物のような副生成物を含んでいる場合がある。これら副生成物は、精製によって除いてもよく、また、混合物のまま硬化剤として用いることも出来る。
多価カルボン酸縮合体の軟化点は、40℃〜180℃であることが好ましい。軟化点が40℃未満では熱硬化性樹脂組成物の製造時においてハンドリング性、混練性及び白色顔料の分散性が低下し、トランスファー成形時の熱硬化性樹脂組成物の汚れの発生を効果的に抑え難くなる傾向がある。軟化点が180℃を超えると、トランスファー成形によって170℃〜190℃に加熱した場合に樹脂組成物中に硬化剤が溶け残る可能性があり、均一な成形体が得られ難くなる傾向がある。
多価カルボン酸縮合体の軟化点は、主鎖の構造の選択と重量平均分子量の調整で所望の範囲にすることができる。一般に、モノマーとして長鎖の二価カルボン酸を用いると軟化点を低くすることができ、また、極性の高い構造を導入すると軟化点を高くすることができる。また、一般に、重量平均分子量を大きくすれば軟化点を低下させることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(B)硬化剤として、上記多価カルボン酸縮合体と共に、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されている硬化剤を併用することができる。このような硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に限定されないが、無色又は淡黄色であることが好ましい。このような硬化剤として、例えば、酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体系硬化剤、フェノール系硬化剤が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
イソシアヌル酸誘導体としては、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
これらの硬化剤の中では、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸又は1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレートを用いることが好ましい。また、上記硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。これらの併用可能な硬化剤を含む場合、上記多価カルボン酸縮合体との配合比率を変えることによって、(B)硬化剤の全体としての粘度を調整することができ、好ましい。
上述の併用可能な硬化剤は、分子量が100〜400であることが好ましい。また、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香環を有する酸無水物よりも、芳香環の不飽和結合のすべてを水素化した無水物が好ましい。酸無水物系硬化剤として、ポリイミド樹脂の原料として一般的に使用される酸無水物を用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(B)硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましく、熱硬化性樹脂組成物の硬化物のよごれを抑制するという観点から、50〜120質量部であることがより好ましい。
また、(B)硬化剤は、(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な(B)硬化剤中の活性基(酸無水物基又は水酸基)が0.5〜0.9当量となるように配合することが好ましく、0.7〜0.8当量となることがより好ましい。上記活性基が0.5当量未満では、熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が遅くなると共に、得られる硬化物のガラス転移温度が低くなり、充分な弾性率が得られ難くなる傾向がある。一方、上記活性基が0.9当量を超えると、硬化物の強度が低下する傾向がある。
<(C)白色顔料>
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、(C)白色顔料としては、公知のものを使用することができ、特に限定されない。(C)白色顔料としては、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー等のクレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、無機中空粒子が挙げられる。中でも特に、(C)白色顔料は、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウム及び無機中空粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機物を含むことが好ましい。無機中空粒子としては、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス(白砂)が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物が、(C)白色顔料を含むことにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物は優れた反射率を有することとなり、光半導体搭載用基板に備えられる光反射用材料として用いた場合に、高輝度の光半導体装置を得ることができる。
白色顔料の粒径は、中心粒径が0.1〜50μmであることが好ましい。中心粒径が0.1μm未満であると粒子が凝集しやすく分散性が低下する傾向があり、50μmを超えると熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物の反射特性が十分に得られ難くなる。
(C)白色顔料の配合量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物全体に対して、10〜85体積%であることが好ましく、20〜75体積%であることがより好ましい。この配合量が10体積%未満であると硬化後の熱硬化性樹脂組成物の光反射特性が十分に得られ難い傾向があり、85体積%を超えると熱硬化性樹脂組成物の成形性が低下する傾向がある。
<その他の成分>
(硬化促進剤)
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤の硬化反応を促進させるような触媒機能を有するものであれば、特に限定されることなく用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化促進剤の中でも、アミン化合物、イミダゾール化合物又は有機リン化合物を用いることが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。イミダゾール化合物として、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。有機リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートが挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜8重量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量が、0.01質量部未満では、十分な硬化促進効果を得られない場合があり、8質量部を超えると、熱硬化性油脂組成物の硬化物に変色が見られる場合がある。
(カップリング剤)
熱硬化性樹脂組成物には、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤と、(C)白色顔料との接着性を向上させる観点からカップリング剤を添加することが好ましい。カップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シランカップリング剤及びチタネート系カップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系が挙げられ、任意の添加量で用いることができる。なお、カップリング剤の配合量は、熱硬化性樹脂組成物全体に対して5質量%以下であることが好ましい。
また、本実施形態の樹熱硬化性脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、離型剤、イオン捕捉剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記した各種成分を均一に分散混合することで得ることができ、その手段や条件等は特に限定されない。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物を製造する方法について説明する。熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、例えば熱硬化性樹脂組成物をトランスファー成形することにより製造される。熱硬化性樹脂組成物は、液体、固体、ペースト等、いずれの状態であってもよいが、トランスファー成形の際、成形金型に注入する前段階の形状をタブレットとする観点から、固体であることが好ましく、剛性を有する固体であることがより好ましい。
ここで、本発明の熱硬化性樹脂組成物の好適な一実施形態として、本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる粉末、タブレット及びその製造方法について、図2及び3を参照しながら説明する。図2は、本発明の熱硬化性樹脂組成物を原料として用い、タブレットの原料となる粉末を製造する方法を示す概略図である。図3は、タブレットを成形する方法を示す概略断面図である。
本実施形態のタブレットの原料となる粉末の製造方法は、(I)原料供給工程、(II)混練工程、(III)シート化工程及び(IV)粉砕工程を備える。
(I)原料供給工程
上述した、本発明の熱硬化性樹脂組成物の構成成分である原料を、原料供給部11に供給する。
(II)混練工程
原料供給部11から供給された原料を、ニーダー、ロールミル、エクストルーダー等の混練機12によって混練する。原料を混練する際には、各成分の分散性を向上する観点から、溶融状態で、スクリューを備える混練機を用いることが好ましい。混練の条件は、各成分の種類や配合量により適宜決定すればよく、例えば、40℃〜150℃で0.5〜40分間混練することが好ましく、50℃〜130℃で1〜20分間混練することがより好ましい。混練温度が40℃未満であると、各成分を混練させ難くなり、分散性も低下する傾向にあり、150℃を超えると、樹脂組成物の高分子量化が進行し、樹脂組成物が硬化してしまう可能性がある。また、混練時間が5分未満であると、トランスファー成形時に樹脂バリが発生してしまう可能性がある。混練時間が40分を超えると、樹脂組成物の高分子量化が進行し、樹脂組成物が硬化してしまう可能性がある。
(II)混練工程では、まず、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤を予め混合する予備混合を行い、その後、他の成分を加えて、上記の混練を行ってもよい。(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤を用いて予備混合を行うことで得られる熱硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が向上し、トランスファー成形時の成形性により優れるものとなる。
予備混合工程における、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤からなる予備混合物の粘度は、100〜150℃で10〜10000mPa・sであることが好ましく、100℃での粘度が10〜10000mPa・sであることがより好ましい。該粘度が10mPa・s未満ではトランスファー成形時にバリが発生しやすくなり、10000mPa・sを超えると成形時の流動性が低下し、金型に熱硬化性樹脂組成物を流し込み難くなり、成形性が低下する傾向がある。
予備混合工程において、析出物が発生することによって、予備混合物の粘度が増加することを防ぐ観点から、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤からなる硬化反応物であるゲル等が析出して、析出物による予備混合物に白濁が生じないように混合条件を調製することが好ましい。「析出物による白濁」とは、電磁波の可視光領域における散乱があることを示す。より具体的には光のレイリー散乱、ミー散乱、回折散乱現象を生じるような、散乱中心を有する微粒子が存在しないことを示す。
予備混合工程において、具体的には、(A)エポキシ100質量部及び(B)硬化剤120質量部を耐熱ガラス製の容器に秤量し、この混合容器をシリコーンオイルや水等の流体を媒体としたヒーターを用いて、35〜180℃で加熱する方法を用いることができる。加熱方法としては上記の方法に限定されるものではなく、熱電対、電磁波照射等を用いることができ、さらに溶解を促進するために超音波を照射してもよい。
また、予備混合工程において、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤は、熱硬化性樹脂組成物に配合する(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤の一部を予備混合することが可能である。具体的には、(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、(B)硬化剤120質量部含む熱硬化性樹脂組成物を製造する場合、まず、(A)エポキシ樹脂50質量部及び(B)硬化剤120質量部を耐熱ガラス製の容器に秤量し、この混合容器をシリコーンオイルや水などの流体を媒体としたヒーターを用いて35〜180℃で加熱することで予備混合物を得る。そして、得られた予備混合物と、残りの(A)エポキシ樹脂50質量部、(C)白色顔料及びその他の成分とを混練機12等により混合し、熱硬化性樹脂組成物を製造してもよい。
(III)シート形成工程
混練機12から押し出された混練後の熱硬化性樹脂組成物は、室温付近に冷却された二つの回転ロール13の間で、例えば、圧縮、延伸されることによりシート化される。このようにして、シート状の熱硬化性樹脂組成物20が形成される。熱硬化性樹脂組成物が融点100℃以上の有機酸無水物を含むことにより、シート形成工程において、回転ロール表面への混練物の付着を抑制することもできる。
(III)シート形成工程においては、回転ロールによりシート化された熱硬化性樹脂組成物は、搬送コンベア14上でスポットクーラ等により空冷される。
(IV)粉砕工程
シート化された熱硬化性樹脂組成物20は、室温付近において乾式粉砕が可能である。本工程においては、シート化された熱硬化性樹脂組成物20を乾式粉砕する。乾式粉砕は、例えば、高速攪拌ミル、ヘンシェルミキサ、パワーミル、ジェットミル、ロールグラニュレータなどの粉砕装置15を用いて行うことができる。これらの粉砕装置15は、目的の粉末粒径により使い分けることができる。シート状の熱硬化性樹脂組成物20が室温付近(0〜30℃)で粉砕できる程度の剛性を有していない(柔軟性を有する)と、摩擦による発熱が生じ、この発熱により、熱硬化性樹脂組成物が粉砕装置15内で付着し、加工が困難となるある場合がある。本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、熱硬化性樹脂組成物の粉砕装置15内への付着を抑制できる。
また、(IV)粉砕工程においては、粉砕装置15の後段に、微粉末化装置16を備えることが好ましい。これにより、粉砕装置15で得られた粉末を、微粉末化装置16を用いてさらに微粉末化して、タブレットの成形性及びタブレットの強度を向上させることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、粉末状の熱硬化性樹脂組成物30の微粉末化装置16への付着もまた抑制でき、微粉末化装置16からの粉末状の熱硬化性樹脂組成物30の吐出量が多い場合でも、微粉末化装置16の目詰まりが抑制される。
なお、(IV)粉砕工程を経て得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物30から、後述するようにタブレットを製造する場合において、タブレットを連続自動成形する際には、粉末の熱硬化性樹脂組成物をテーブルフィーダにより定量供給することが好ましい。テーブルフィーダを用いる場合には、粉砕装置15としてパワーミルを用い、加工された粉末を使用することが好ましい。本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、粉末状の熱硬化性樹脂組成物30のテーブルフィーダへの付着もまた抑制できる。
上述のようにして、タブレットの原料粉末を製造することができる。以上説明した原料粉末の製造方法によれば、粉末を連続的に製造することができる。これにより、原料粉末及びタブレットの大量生産が可能となる。
[タブレットの製造方法]
本実施形態に係るタブレットの製造方法は、タブレットの原料粉末を加圧成形する工程(打錠工程)を備える。本実施形態に係るタブレットの原料粉末を加圧成形することにより、タブレットを作製することができる。図3(a)、(b)に示すように、粉末を充填するための円筒形状の孔を有する第一の成形型(臼型状成形型)21に、原料粉末24を充填し、当該第一の成形型の円筒形状の孔に密着し、かつ、当該孔から出し入れ可能な大きさを有する円筒状の第二の成形型(杵型状成形型)22,23を用いて原料粉末24を加圧することにより、円筒形状に成形された熱硬化性樹脂組成物25が得られる。加圧成形は、例えば、室温において、5〜50MPa、0.1〜5秒間、0.1〜10tの加圧条件で行うことができる。
上記の加圧成形後、成形された熱硬化性樹脂組成物25を抜き出し、図3(c)に示すようなタブレット26を得る。本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる原料粉末から成形された熱硬化性樹脂組成物25は、第一及び第二の成形型の表面に付着し難く、ひび割れ等が生じにくいため、良好な外観を有するタブレット26を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、高い耐熱性を必要とする電気絶縁材料、光半導体封止材料、接着材料、塗料材料並びにトランスファー成形用エポキシ樹脂成形材料など様々な用途において有用である。特に、本発明の熱硬化性樹脂組成物により製造されるタブレット26は、トランスファー成形用の材料として特に有用である。
[光半導体素子搭載用基板]
本発明の半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、凹部の底面が光半導体素子搭載部であり、凹部の壁面の少なくとも一部が本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものである。図4は、本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。光半導体素子搭載用基板110は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105と、リフレクター103とを備え、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105とリフレクター103とから形成された凹部200を有している。すなわち、凹部200の底面はNi/Agめっき104が形成された金属配線105から構成され、凹部200の壁面はリフレクター103から構成されるものであり、リフレクター103は、上記本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる成形体である。
本発明の光半導体素子搭載用基板の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いたトランスファー成形により製造することができる。図5は、本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。光半導体素子搭載用基板は、例えば、金属箔から打ち抜きやエッチング等の公知の方法により金属配線105を形成し、電気めっきによりNi/Agめっき104を施す工程(図5(a))、次いで、該金属配線105を所定形状の金型151に配置し、金型151の樹脂注入口150から本発明の熱硬化性樹脂組成物を注入し、所定の条件でトランスファー成形する工程(図5(b))、そして、金型151を外す工程(図5(c))を経て製造することができる。このようにして、光半導体素子搭載用基板には、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクター103に周囲を囲まれてなる光半導体素子搭載領域(凹部)200が形成される。好ましくは本発明の熱硬化性樹脂組成物により製造されるタブレット26は、予め30℃〜100℃に加熱することによって、金型151に注入し易い粘度にしておくとよい。なお、上記トランスファー成形の条件としては、金型温度170〜200℃、成形圧力0.5〜20MPaで60〜120秒間、アフターキュア温度120℃〜180℃で1〜3時間が好ましい。
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、上記光半導体素子搭載用基板と、光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、凹部を充填して光半導体素子を封止する封止樹脂部とを備えるものである。
図6は、本発明の光半導体素子搭載用基板110に光半導体素子100を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。図6に示すように、光半導体素子100は、光半導体素子搭載用基板110の光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に搭載され、金属配線105とボンディングワイヤ102により電気的に接続される。図7及び8は、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図7及び8に示すように、光半導体装置は、光半導体素子搭載用基板110と、光半導体素子搭載用基板110の凹部200内の所定位置に設けられた光半導体素子100と、凹部200を充填して光半導体素子を封止する蛍光体106を含む透明封止樹脂101からなる封止樹脂部とを備えており、光半導体素子100とNi/Agめっき104が形成された金属配線105とがボンディングワイヤ102又ははんだバンプ107により電気的に接続されている。
図9もまた、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図9に示す光半導体装置では、リフレクター303が形成されたリード304上の所定位置にダイボンド材306を介してLED素子300が配置され、LED素子300とリード304とがボンディングワイヤ301により電気的に接続され、蛍光体305を含む透明封止樹脂302によりLED体素子300が封止されている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<合成例A1>
[多価カルボン酸縮合体の作製]
繰り返し単位用モノマーとして、125gの水素化テレフタル酸(東京化成社製)と、両末端用のモノマーとして、126gの水素化−1,2−無水トリメリット酸(三菱ガス化学社製)とを、無水酢酸中で5〜60分にわたって窒素雰囲気下で還流した後、温度を180℃まで上昇させ、窒素気流下、開放系で反応させ、生成した酢酸及び水を留去した。揮発成分が認められなくなったところで、反応容器内を減圧しながら180℃の温度で1〜15時間にわたって溶融縮合し、多価カルボン酸縮合体を得た。
[多価カルボン酸縮合体の特性評価]
合成例A1で得られた多価カルボン酸縮合体の重量平均分子量、150℃における粘度、軟化点及び外観を評価した。その結果を表1に示す。
なお、重量平均分子量は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した。
・装置:ポンプ(株式会社日立製作所製、商品名:L−6200型)、カラム(東ソー株式会社製、商品名:TSKgel―G5000HXL、TSKgel−G2000HXL)、検出器(株式会社日立製作所製、商品名:L−3300RI型)
・溶離液:テトラヒドロフラン、流量1.0mL/分
・測定温度:30℃
粘度測定は、Reseach Equipment(London)LTD.製のICIコーンプレート型粘度計を用いて行った。
軟化点は、JISK2207に準拠し、環球式軟化点試験法を用いて測定した。外観については目視で判断した。
Figure 2015127418
上記合成例A1で得られた多価カルボン酸縮合体は、軟化点及び粘度ともに熱硬化性樹脂組成物を製造するには非常に扱い易い性状となり、硬化剤の一部として熱硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる。
<実施例1〜11、比較例1〜7>
[熱硬化性樹脂組成物の作製]
表2、3に示した配合比(質量部)に従い、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤を予備混合した後、残りの成分を加え、ミキサーを用いて十分混合した後、ミキシングロールにより所定条件で溶融混練し、冷却した後、25℃において粉砕を行い、実施例1〜11及び比較例1〜7の熱硬化性樹脂組成物を作製した。
[熱硬化性樹脂組成物の評価]
(光反射性試験)
得られた熱硬化性樹脂組成物を成形金型温度:180℃、成形圧力:6.9MPa、キュア時間:90秒の条件でトランスファー成形した後、150℃で2時間ポストキュアして、厚み1.0mmのテストピースを作製した。積分球型分光光度計V−750型(日本分光株式会社製、商品名)を用いて、波長460nmにおける上記テストピースの初期光学反射率(光反射率)を測定した。そして、下記の評価基準により光反射特性を評価した。結果を表2、3に示す。
A:光波長460nmにおいて光反射率80%以上
B:光波長460nmにおいて光反射率70%以上、80%未満
C:光波長460nmにおいて光反射率70%未満
(混練後の性状評価)
表2、3に示した配合比(質量部)に従い、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤を予備混合した後、残りの成分を加え、ミキサーを用いて十分混合した後、小平製作所製2本ロールミルを用いて溶融混練を行なった。60℃で15分間混練した。得られた混練物を25℃で1時間放置した際の性状を、下記の評価基準により評価した。結果を表2、3に示す。
A:固体、柔軟性なし
B:固体、柔軟性あり
C:液体、流動性あり
(粉砕性の評価)
スクリーン網目にφ3(径:3mm)を選定し、粉砕装置(ダルトン社製、製品名:P−5)を用いて、上述のように作製した熱硬化性樹脂組成物を粉砕した。100g/minの速度で熱硬化性樹脂組成物を断続的に供給し、粉砕性を評価した。結果を表2、3に示す。
A:良好な粉末が得られる。
B:装置に張り付く成分が見られるが、問題なく粉末が得られる。
C:粉砕不可能(液状、および柔らかすぎて排出されない)
(打錠性の評価)
打錠機(粉末機械工業社製、製品名:FK−10)を使用し、粉末充填部の径の大きさがφ13mmであり、ストロークが60mmである第一の金型を使用した。打錠圧が0.5〜3tの範囲になるよう材料を第一の金型に供給し、6個/分の速度で成形した。打錠後のタブレットが良好に成形できること及び、第二の金型に張り付く程度を下記基準に基づき判定した。結果を表2、3に示す。
A:良好なタブレットが得られる。
B:装置に張り付く成分が見られるが、問題なくタブレットが得られる。
C:打錠不可能(液状、やわらかすぎて成形不可能)。
(タブレットの外観評価)
上述のようにして作製したタブレットの外観を、下記基準に基づき評価した。結果を表2、3に示す。
A:クラックやカケがない。
B:微小なクラックやカケが見られるが、強度は問題がない。
C:クラックやカケが見られる。
Figure 2015127418
Figure 2015127418
*1:トリスグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100、日産化学社製、商品名:TEPIC−S)
*2:ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製 製品名:リカシッドHH)
*3:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製 商品名:HN5500)
*4:無水コハク酸(新日本理化工業社製 商品名:リカシッドSA)
*5:水素化無水ピロメリット酸(岩谷瓦斯化学社製 商品名:PMDAHS)
*6:水素化ビフェニル酸二無水物(岩谷瓦斯化学社製 商品名:HBPDA)
*7:テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製 製品名:リカシッドTH)
*8:中空粒子(住友3M社製、商品名:S60−HS)
*9:酸化チタン(石原産業社製、商品名:CR−63)
*10:テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチエート(日本化学工業社製、商品名:PX−4ET)
*11:トリメトキシエポキシシラン(東レダウコーニング社製、商品名:A−187)
*12:溶融シリカ(電気化学工業社製、商品名:FB−950)
*13:溶融シリカ(電気化学工業社製、商品名:S0−25R)
表2、3に示したように、上記式(1)〜(4)でそれぞれ表わされる酸無水物を(B)硬化剤として含む熱硬化性樹脂組成物は、溶融混練後、25℃において、柔軟性のない固体であった。そして、粉砕装置に付着を生じることなく粉砕できた。得られた粉末をタブレットに成形する際には、金型への粉末の付着は見られず、また、タブレットはひび割れを生じておらず良好な外観を有していた。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、光反射特性に優れていた。無水コハク酸は比較例6、7に示したように(C)白色顔料を含まない場合には、硬化物の変色が著しい。しかしながら、実施例1、2、10に示したように(C)白色顔料として、中空粒子及び酸化チタンを用いる場合には、硬化物は変色しないことが判明した。
10…原料粉末製造装置、11…原料供給部、12…混練機、13…回転ロール、14…搬送コンベア、15…粉砕装置、16…微粉末化装置、20…シート状の熱硬化性樹脂組成物、13、24…粉末状の熱硬化性樹脂組成物、21…第一の成形型、22、23…第二の成形型、25…加圧成形中の熱硬化性樹脂組成物、26…タブレット、100…光半導体素子、101…透明封止樹脂、102…ボンディングワイヤ、103…熱硬化性樹脂組成物の硬化物(リフレクター)、104…Ni/Agめっき、105…金属配線、106…蛍光体、107…はんだバンプ、110…光半導体素子搭載用基板、200…光半導体素子搭載領域、150…樹脂注入口、151…金型、300…LED素子、301…ボンディングワイヤ、302…透明封止樹脂、303…リフレクター、304…リード、305…蛍光体、306…ダイボンド材。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂、融点が100℃以上の有機酸無水物を含む硬化剤及び白色顔料を含有する熱硬化性樹脂組成物の原料を混練する工程と、
    混練して得られた熱硬化性樹脂組成物を冷却する工程と、
    冷却された熱硬化性樹脂組成物を乾式粉砕する工程と、
    を備える、粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記硬化剤が、多価カルボン酸縮合体をさらに含む、請求項1に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記有機酸無水物が、非芳香族化合物である、請求項1又は2に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記有機酸無水物のハーゼン色数が、50以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記混錬して得られた熱硬化性樹脂組成物をシート化する工程をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記混錬する工程が、エポキシ樹脂及び硬化剤を予め混合する予備混合を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法により製造された粉末状熱硬化性樹脂組成物を加圧成型する工程を備える、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法。
  8. 前記加圧成形する工程が、円筒形状の孔を有する成形体を用いて行われる、請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法。
  9. 前記加圧成形する工程が、5〜50MPa、0.1〜10tの加圧条件で行われる、請求項7又は8に記載の熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法。
  10. 底面及び壁面から構成される凹部を有する光半導体素子搭載用基板と、
    前記光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、
    前記凹部を充填して前記光半導体素子を封止する封止樹脂部と、
    を備え、
    前記凹部の壁面の少なくとも一部が、請求項7〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法により製造された熱硬化性樹脂組成物タブレットをトランスファー成形して形成されたものである、光半導体装置。
JP2015029893A 2015-02-18 2015-02-18 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置の製造方法 Active JP5949976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029893A JP5949976B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029893A JP5949976B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010090672A Division JP5699443B2 (ja) 2010-04-09 2010-04-09 光反射用熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015127418A true JP2015127418A (ja) 2015-07-09
JP5949976B2 JP5949976B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=53837551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029893A Active JP5949976B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5949976B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226721A (ja) * 2016-06-20 2017-12-28 信越化学工業株式会社 光半導体素子封止用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52126427A (en) * 1976-04-16 1977-10-24 Kao Corp Resinous composition for powder coating
JPS6035018A (ja) * 1983-08-05 1985-02-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 素子封止に好適なエポキシ樹脂組成物
WO2007015426A1 (ja) * 2005-08-04 2007-02-08 Nichia Corporation 発光装置及びその製造方法並びに成形体及び封止部材
JP2007077333A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法、封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2008106226A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性光反射用樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板とその製造方法および光半導体装置
JP2008255327A (ja) * 2007-03-13 2008-10-23 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性光反射用樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板とその製造方法および光半導体装置
JP2009001752A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52126427A (en) * 1976-04-16 1977-10-24 Kao Corp Resinous composition for powder coating
JPS6035018A (ja) * 1983-08-05 1985-02-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 素子封止に好適なエポキシ樹脂組成物
WO2007015426A1 (ja) * 2005-08-04 2007-02-08 Nichia Corporation 発光装置及びその製造方法並びに成形体及び封止部材
JP2007077333A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料の製造方法、封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2008106226A (ja) * 2006-09-26 2008-05-08 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性光反射用樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板とその製造方法および光半導体装置
JP2008255327A (ja) * 2007-03-13 2008-10-23 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性光反射用樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板とその製造方法および光半導体装置
JP2009001752A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Nitto Denko Corp 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226721A (ja) * 2016-06-20 2017-12-28 信越化学工業株式会社 光半導体素子封止用白色熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置
US10388837B2 (en) 2016-06-20 2019-08-20 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. White heat-curable epoxy resin composition for optical semiconductor element encapsulation and optical semiconductor device using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP5949976B2 (ja) 2016-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5516165B2 (ja) 熱硬化性成形材料
TWI483962B (zh) 轉移成型用組成物、光半導體元件搭載用基板及其製造方法以及光半導體裝置
JP6096090B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法並びに光半導体装置
JP5359349B2 (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP5699443B2 (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP6512228B2 (ja) 光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP5936804B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP2010254919A (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP5838636B2 (ja) 熱硬化性樹脂粉末組成物、熱硬化性樹脂タブレット、光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置
JP5544987B2 (ja) 多価カルボン酸縮合体、熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP5949976B2 (ja) 粉末状熱硬化性樹脂組成物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物タブレットの製造方法、及び光半導体装置の製造方法
KR101475366B1 (ko) 다가 카르복시산 축합체, 열경화성 수지 조성물, 광 반도체 소자 탑재용 기판 및 그 제조 방법, 및 광 반도체 장치
JP5401907B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物の製造方法、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに、光半導体装置
JP2015017271A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP6056925B2 (ja) 熱硬化性樹脂粉末組成物、熱硬化性樹脂タブレット、光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置
JP7459878B2 (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置
JP2012162729A (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置
JP2017147454A (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物の製造方法及び光半導体素子搭載用基板の製造方法
JP2014195081A (ja) 光反射用熱硬化性樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160523

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5949976

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350