JP2015127261A - エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法 - Google Patents

エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乗りかご内の乗客の乗り心地を損なうことなく、診断モードでない通常運転時においてもブレーキの制動力を診断することができるエレベータの制御装置およびエレベータの制御方法を得る。
【解決手段】乗りかご(1)の走行開始前に、乗りかごの走行方向と同方向に予め第1トルク指令値をモータ(6)に印加させた状態で、ブレーキ(7)の制動力を徐々に開放して乗りかごを走行開始させ、走行開始時のブレーキコイルの電流値とアンバランストルクの値との整合性をチェックすることにより、ブレーキの制動力を診断する。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレベータの乗りかごを駆動する巻上機を制動するブレーキを診断するエレベータの制御装置およびエレベータの制御方法に関するものである。
従来の一般的なトラクション方式のエレベータでは、乗りかごと釣り合い錘が、昇降路内において主ロープによって連結され、主ロープは巻上機につるべ式に掛けられている。ここで、巻上機は、綱車、モータ、およびブレーキによって構成されており、主ロープは、綱車に掛けられている。また、綱車はモータと連結されており、エレベータの制御装置の制御部は、モータの回転速度または回転位置を、エンコーダやレゾルバ等の回転センサによる検出値を基に制御することで、かごを滑らかに昇降させる。また、ブレーキは綱車の回転を制動する。
このようなトラクション方式のエレベータでは、乗りかごが停止中には、ブレーキによって綱車の回転を静止させ、かごを静止保持させている。また、乗りかごが走行中に何らかの異常を検出した場合には、ブレーキ制動によって乗りかごを緊急停止させる。
このように、ブレーキは、乗りかごを静止させるために必要であり、その制動力は、適正な状態に維持される必要がある。
このような、綱車を制動するブレーキを診断することができる従来のエレベータの制御装置としては、ブレーキコイルに電流を流してブレーキシューを吸引することによりブレーキ制動力を解除するタイプのブレーキを備え、このブレーキの制動力を、綱車の回転数を検出するエンコーダを利用して診断するものがある(例えば、特許文献1の第3頁第0010段落、図1、図2参照)。
特許文献1のエレベータの制御装置では、まず、エレベータの運転モードを診断モードへ切り替えるとともに、乗りかご側と釣り合い錘側との間に重量の不均衡がある状態でかごを停止させている。そして、ブレーキコイルへの吸引電流を制御してブレーキ制動を徐々に開放し、エンコーダの回転によって、かごの移動を検知している。この結果、かごの走行開始時点における吸引電流から、ブレーキの制動力を測定することができる。
国際公開番号WO2011/101978号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1のエレベータの制御装置では、ブレーキの制動力の測定を、乗客のいない診断モードにおいて実施するようにしている。このため、ブレーキの制動力の測定を常時行うことができなかった。
また、乗客が乗りかごに乗車した状態でブレーキの診断を実施するために、例えば、乗りかごの走行開始時にブレーキの制動力を測定しようとすると、ブレーキ解除時に乗りかごと釣り合い錘の重量差によるアンバランストルクによって、乗りかごが予期せぬ方向に動く可能性がある。このため、乗客が不安になったり、乗客の乗り心地に悪影響を与えたりするおそれがあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗りかご内の乗客の乗り心地を損なうことなく、診断モードでない通常運転時においてもブレーキの制動力を診断することができるエレベータの制御装置およびエレベータの制御方法を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの制御装置は、回転可能な綱車と、綱車を駆動するモータと、綱車の回転を制動するブレーキとを備えて構成される巻上機を有し、綱車に巻き掛けられた主ロープにより吊り下げられた乗りかごと釣り合い錘を、巻上機を制御することにより昇降させるエレベータの制御装置であって、モータの回転位置または回転速度を検出する位置・速度検出器と、位置・速度検出器により検出されるモータの回転位置または回転速度が所望の応答となるようにモータへのトルク指令値を制御するモータ制御部と、ブレーキのブレーキシューを吸引するブレーキコイルの電流を制御することによりブレーキを制動または制動解除するブレーキ制御部とを有するとともに、乗りかごの通常運転時にブレーキの制動力を診断する制御部と、乗りかごの重量と釣り合い錘の重量とのアンバランストルクを、トルク指令値に基づいて演算するアンバランストルク演算手段とを備え、制御部は、乗りかごの走行開始前に、乗りかごの走行方向と同方向に予め第1トルク指令値を印加するとともに、第1トルク指令値を、第1の点検値として制御部内の記憶部に記憶し、第1トルク指令値を印加させた状態で、ブレーキコイルの電流値を徐々に増加させるように制御することでブレーキの制動力を徐々に開放して乗りかごを走行開始させるとともに、走行開始時のブレーキコイルの電流値を、第2の点検値として記憶部に記憶し、記憶部に記憶した第1の点検値および第2の点検値と、アンバランストルク演算手段により演算された走行開始時におけるアンバランストルクの値との整合性をチェックすることにより、ブレーキの制動力を診断するものである。
また、この発明に係るエレベータの制御方法は、この発明に係るエレベータの制御装置において用いられるエレベータの制御方法であって、制御部において、乗りかごの走行開始前に、乗りかごの走行方向と同方向に予め第1トルク指令値を印加するとともに、第1トルク指令値を、第1の点検値として制御部内の記憶部に記憶するステップと、第1トルク指令値を印加させた状態で、ブレーキコイルの電流値を徐々に増加させるように制御することでブレーキの制動力を徐々に開放して乗りかごを走行開始させるとともに、走行開始時のブレーキコイルの電流値を、第2の点検値として記憶部に記憶するステップと、記憶部に記憶した第1の点検値および第2の点検値と、アンバランストルク演算手段により演算された走行開始時におけるアンバランストルクの値との整合性をチェックすることにより、ブレーキの制動力を診断するステップとを有するものである。
この発明によれば、乗りかごを滑らかに走行開始させるために、乗りかごの走行方向に予めモータトルクを印加した上で、ブレーキの制動力を徐々に開放するようにしている。また、乗りかごの重量と釣り合い錘の重量とのアンバランストルクと、ブレーキ電流値およびモータトルク値との整合性をチェックすることにより、通常運転時におけるブレーキの制動力を診断するようにしている。この結果、乗りかご内の乗客の乗り心地を損なうことなく、診断モードでない通常運転時においてもブレーキの制動力を診断することができるエレベータの制御装置およびエレベータの制御方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置の動作を示す図である。
以下、本発明におけるエレベータの制御装置およびエレベータの制御方法の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置を示す構成図である。図1において、綱車3には主ロープ4を介して、乗りかご1及び釣り合い錘2が吊り下げられている。主ロープ4は、例えば、複数本のロープ又は複数本のベルトにより構成されている。
綱車3はモータ6により駆動され、乗りかご1が昇降される。モータ6はその回転を制動するためのブレーキ7を有し、ブレーキ7は、ブレーキ制御部8aにより制動及び、制動解除の動作が行われる。ブレーキ7はディスクブレーキやドラムブレーキ等により構成されており、ブレーキコイルの電流を制御することで制動及び、制動解除の動作が行われる。乗りかご1の走行時には、ブレーキ制御部8aは、ブレーキコイルに電流を流して付勢し、ブレーキシューを吸引してブレーキ7の制動解除を行う。乗りかご1が停止中にはブレーキ7は制動状態となり、ブレーキコイルの電流はゼロである。
モータ6には位置・速度検出器5が接続されている。位置・速度検出器5はモータ6の位置または速度を検出するための検出器であり、一般的にエンコーダやレゾルバが用いられ、モータ6の回転量に応じたパルスや電圧が出力される。
制御部8は、前述のブレーキ制御部8aと、モータ制御部8bとを有して構成される。モータ制御部8bは、モータ6の回転位置または回転速度を制御する装置であり、位置・速度検出器5により検出されたモータ6の回転位置、または回転速度が所望の応答となるように制御する装置である。一般的に、モータ6の回転位置を制御する場合は位置制御系が構成され、モータ6の回転速度を制御する場合は速度制御系が構成される。
図2は、本発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置の動作を示す図である。以下では、モータ6の制御に速度制御系を用いた場合について、図2を用いて本実施の形態1のエレベータの制御装置の動作について説明する。
図2の上段は、ブレーキコイルに流れるブレーキ電流の時間波形を示している。また、図2の中段は、モータ制御部8bで演算されるトルク指令値を示している。ここで、モータ制御部8bは、乗りかご1の速度が所望の速度となるようなモータ6のトルク指令値を演算し、モータ6を駆動する。また、図2の下段は、乗りかご1の速度指令値を示しており、乗りかご1の速度が乗りかご1の速度指令値と一致するように、モータ6が駆動される。
STEP1:
図2に示す時刻t0において、エレベータの起動指令が入力される。ここで、エレベータの起動指令は、乗り場ボタンによるかご呼びや、乗りかご1内での行き先ボタンにより入力される。エレベータの起動指令が入力されると、モータ制御部8bは第1トルク指令値τr0を出力し、モータ6は、トルクτr0を発生する。
このとき、第1トルク指令値τr0はかごの走行方向と、同方向のトルクを発生する。つまり、モータ制御部8bは、行き先階が現在の停止階よりも上方の場合には、乗りかご1が上昇する方向にトルクを発生し、行き先階が現在の停止階よりも下方の場合には、乗りかご1が下降する方向にトルクを発生する。また、第1トルク指令値τr0の大きさは、ブレーキ7のブレーキ制動力が開放された時に、行き先階方向に対して逆走しないように、例えば、上昇時は想定される乗りかご1内の最大積載量を考慮するようにし、下降時は想定される乗りかご1内の最小積載量を考慮するようにする。このとき、制御部8は、第1トルク指令値τr0を、第1の点検値として制御部8内の記憶部(図示せず)に記憶しておく。
STEP2:
ブレーキ制御部8aは、時刻t0からブレーキ電流を増加させ、ブレーキ制動力を弱める。ブレーキ制動力が弱まった結果、ブレーキ制動力が、乗りかご1の重量と釣り合い錘2の重量のアンバランストルクとトルクτr0との和よりも小さくなったタイミングで、綱車3が回転を始めて、乗りかご1が走行開始する。このタイミングは、図2において時刻t1となる。このとき、制御部8は、時刻t1におけるブレーキ電流Ibkを、第2の点検値として制御部8内の記憶部に記憶しておく。
なお、乗りかご1が走行開始する時刻t1は、位置・速度検出器5の出力信号により検出することができる。例えば、位置・速度検出器5にエンコーダを採用する場合は、パルス変化が予め定めた既定値を超えた場合に、乗りかご1が走行開始したと検出する。このとき、モータトルクは、乗りかご1が行き先階方向に移動するように印加されているため、乗りかご1は行き先階方向に移動する。なお、時刻t0からブレーキ電流を増加させる際に、その増加率が小さくなるように制御し、徐々にブレーキ電流を増加させるようにしてもよく、これによって、時刻t1でのブレーキ電流Ibkをより精度良く検出することができる。
STEP3:
次に、ブレーキ電流Ibkを記憶したタイミングと同時または直後の時刻t1(以下、単に「時刻t1」という)において、モータ制御部8bは、速度制御系の動作を開始させる。このとき、速度制御系は、速度指令値を生成し、生成した速度指令値にモータ6の回転速度が追従するようなトルク指令値を演算し、モータ6を制御する。
また、時刻t1において、ブレーキ制御部8aは、ブレーキ7の制動を完全に開放するためにブレーキ電流を増加させ、ブレーキ7が完全に吸引された後、吸引状態を保持するための保持電流に切り替える。通常、保持電流は吸引時の電流よりも小さな値となる。
速度指令値の例として、図2の下段に示すように、時刻t1から乗りかご1の走行を開始するような速度指令値とする。図2では、乗りかご1の加速度が、時刻t1から一定になるような滑らかに増速させる速度指令値を出力している。
STEP4:
乗りかご1の走行が終了し、行き先階に停止後、ブレーキ制御部8aは、ブレーキ電流をゼロまで減少させ、ブレーキ7の制動により、乗りかご1を静止保持させる。その後、モータ制御部8bは、トルク指令値をゼロとして、モータ6の動作を停止させる。
STEP5:
モータ制御部8bは、乗りかご1が走行中のトルク指令値に基づいて、エレベータの走行開始時の乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクを演算する。これは、例えば図2に示すように、乗りかご1が一定速度で走行中の期間ΔT1でのトルク指令値を用いて演算することができる。または、乗りかご1が行き先階に停止してトルク指令がゼロとなるまでの期間ΔT2でのトルク指令値を用いてもよい。
期間ΔT1におけるトルク指令値は、乗りかご1と釣り合い錘2との重量アンバランストルクに、乗りかご1が走行時のロストルクと、乗りかご1位置の変化による主ロープ4や制御ケーブル等の重量変化分とを加えたものとなっている。このため、例えば、期間ΔT1でのトルク指令値の平均値から、前記ロストルクと主ロープ4や制御ケーブル等の重量変化分を減じたものを、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクとして演算する。なお、走行時のロストルクは、予め既定の値とするか、走行時に計測あるいは同定したものを用いる。また、主ロープ4や制御ケーブル等の重量変化分は、それらの単位重量値は既知であるため、乗りかご1の移動距離と前記単位重量から演算により求めることができる。
期間ΔT2におけるトルク指令値は、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクに、乗りかご1の位置の変化による主ロープ4や制御ケーブル等の重量変化分を加えたものとなっている。このため、例えば、期間ΔT2でのトルク指令値の平均値から、主ロープ4や制御ケーブル等の重量変化分を減じたものを、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクとして演算する。
STEP6:
次に、このようにして求めた乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクと、記憶部に記憶した第1トルク指令値τr0(第1の点検値)と、ブレーキ電流Ibk(第2の点検値)との整合性をチェックすることにより、ブレーキ制動力が正常か否かを判定する。具体的には、以下の手順でチェックする。
まず、乗りかご1が走行開始した時点(時刻t1に相当)でのブレーキ制動力を、ブレーキ電流Ibkから求める。これは、事前に測定しておいた、ブレーキ電流とブレーキ制動力との関係に基づいて求める。例えば、ブレーキ電流に対応付けられたブレーキ制動力のテーブルを参照することによって求めてもよいし、ブレーキ電流からブレーキ制動力への換算式によって求めてもよい。なお、エレベータの保守時に、ブレーキ電流とブレーキ制動力の関係を測定し、更新するようにしてもよい。
このようにして求めた重量アンバランストルクと第1トルク指令値τr0の和は、ブレーキ制動力が正常である場合には、ブレーキ制動力と釣り合っているはずである。よって、重量アンバランストルクと第1トルク指令値τr0との和を求め、更に、その和とブレーキ電流から求めたブレーキ制動力との差を求め、この差が基準範囲内である場合には、ブレーキ制動力が正常であると判定する。一方、この差が基準範囲を外れる場合には、ブレーキ制動力に異常があると判定する。
ブレーキ制動力が異常と判定された場合には、エレベータのサービス停止や、保守会社への通報等の措置をとる。
このように、乗りかご1の走行方向にモータトルクを印加し、乗りかご1の走行開始を検出すると同時に速度指令値を出力して乗りかご1を走行させるようにしたことで、乗りかご1の動作と同時に走行開始され、しかも、乗りかご1の走行開始検出時の動きは乗りかご1の走行方向となるため、乗りかご1の走行開始検出時の動きから乗りかご1の走行へ滑らかに繋げることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、乗りかごが走行方向と逆方向に動くことがなくなるために、乗りかご内の乗客の乗り心地を損なうことなく、ブレーキの制動力を診断することができる。
また、ブレーキ制動力の診断モードに移行せずに、通常サービス中にブレーキ制動力の計測が行えるため、エレベータのサービス低下を発生させることなく、任意の走行タイミングでブレーキ制動力を測定することができる。例えば、走行毎にブレーキ制動力の計測を行うことができるため、より早いタイミングでブレーキ制動力の異常を検出することが可能となり、ブレーキ制動力の異常に起因する危険動作を未然に防止することが出来る。
また、走行開始時における乗りかごと釣り合い錘のアンバランストルクを、乗りかごが走行中のトルク指令値に基づいて演算することができるため、安価に実現できる。
なお、STEP2において、乗りかご1の走行開始の検出を位置・速度検出器5によって検出したが、モータ6の誘起電圧の変化によって検出してもよいし、主ロープ4の移動量を計測することによって検出してもよい。また、乗りかご1の速度や加速度を直接検出することによって検出してもよい。
また、STEP3において、乗りかご1の速度指令値として、時刻t1以降の微速走行時間を長めにとるようにしてもよい。また、位置・速度検出器5で検出された速度と滑らかに繋がるように速度指令値を出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態1では、モータ制御部8bが速度制御系を構成する場合について述べたが、位置制御系を構成する場合についても同様の方法を用いて実施することができる。このとき、STEP3では、速度制御系の替わりに位置制御系を動作し、位置制御系は位置指令値を生成する。また、その他の任意の制御方法を用いることもできる。
また、STEP3において、時刻t1から一定期間だけ、位置制御系または速度制御系の応答速度を標準的な応答速度よりも大きく設定するようにしてもよい。例えば、位置制御系または速度制御系が、PI制御により構成されている場合は、比例ゲインまたは積分ゲインの値によって応答速度を調整することができるため、これらの値を変化させる。このようにすることで、STEP3での制御系動作時において、指令値への追従性能が上がるため、より乗り心地を向上させることができる。
また、STEP5において、エレベータの走行開始時の乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクの演算は、図2に示す期間ΔT1と期間ΔT2の両方で実施して、平均をとるようにしてもよい。このようにすることで、演算精度を向上させることができる。さらに、乗りかご1が加減速中の間のトルク指令値から求めるようにしてもよい。このとき、乗りかご1の加減速度とトルク指令値から、乗りかご1内の積載荷重を含むエレベータの慣性モーメントを求め、事前に求めた乗りかご1内の積載荷重を含まない場合のエレベータの慣性モーメントとの差に基づいて、乗りかご1内の積載荷重を演算し、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクを演算する。
また、重量アンバランストルクの演算に、トルク指令値を用いたが、実トルクを計測しても良いし、モータ6の電流値からトルク成分を抽出して用いてもよい。
また、モータ制御部8bが、トルク指令値に基づいてモータ6の回転位置または回転速度が所望の応答となるようにモータ6の電流を制御するケースでは、前記電流を制御する際に用いるモータ6への電流指令値のトルク成分を抽出して、トルク指令値の代わりに用いてもよい。
同様に、前述の各STEPにおけるトルク指令値の代わりに、モータ6の実トルク値、モータ6の電流値のトルク成分値、またはモータ6の電流指令値のトルク成分値のいずれか1つを用いてもよい。
例えば、STEP1においては、第1の点検値として、時刻t0における、モータ6の実トルク値、モータ6の電流値のトルク成分値、またはモータ6の電流指令値のトルク成分値のいずれか1つを用いることが可能である。
また、ブレーキ制御部8aがブレーキコイルの電流を制御する際に、電流制御系を構成する場合には、前述の各STEPにおいて、ブレーキ電流値として、ブレーキコイルの電流値の代わりに、電流制御系で用いるブレーキコイルの電流指令値を用いてもよい。
例えば、STEP1においては、第2の点検値として、時刻t1における、走行開始時のブレーキコイルの電流指令値を用いることが可能である。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、乗りかご1が走行中におけるモータ6へのトルク指令値に基づいて、走行開始時におけるアンバランストルクを演算する方法について説明した。これに対して、本実施の形態2では、乗りかご1内の積載荷重を測定する荷重検出器を備え、荷重検出器31が検出する乗りかご1内の積載量に基づいて、走行開始時におけるアンバランストルクを演算する方法について説明する。また、乗りかご1の走行方向に予め印加する第1トルク指令値τr0を、荷重検出器が検出する乗りかご1内の積載量に応じて設定する方法についても説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置を示す構成図である。図3に示す本実施の形態2のエレベータの制御装置は、荷重検出器31をさらに備えていることを特徴としている。また、本実施の形態2の制御部38は、荷重検出器31が検出する乗りかご1内の積載量に基づいて、走行開始時におけるアンバランストルクを演算する。図1と同じ符号を記したその他の構成および機能は、先の実施の形態1と同様である。
荷重検出器31は、乗りかご1内の積載荷重を検出する装置であり、例えば床下に設置したロードセル等で実現できる。また、主ロープ4の張力や、伸び量を計測することによっても実現できる。
図4は、本発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置の動作を示す図である。以下、ブレーキ制動力の計測手順について図4を用いて説明する。
STEP1:
図4に示す時刻t0において、エレベータの起動指令が入力される。エレベータの起動指令は、乗り場ボタンによるかご呼びや、乗りかご1内での行き先ボタンにより入力される。次に、荷重検出器31によって乗りかご1内の積載荷重が計測され、モータ制御部38bに送られる。モータ制御部38bは、第1トルク指令値τr0’を出力し、モータ6はトルクτr0’を発生する。
このときの、第1トルク指令値τr0’の大きさは、ブレーキ7の制動の開放時に、乗りかご1が行き先階方向に走行する大きさのトルクを発生するように、荷重検出器31によって計測された乗りかご1内の荷重値に基づいて設定される。例えば、第1トルク指令値τr0’の大きさは、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクを相殺し、かつ、乗りかご1の行き先階方向に積載量換算で定格積載量の10〜20%程度のトルクが加わるような大きさとする。
このとき、制御部38は、第1トルク指令値τr0’と乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクとの和、つまり、ブレーキ7によって保持されているトルクの値であるブレーキトルクτbkを、第1の点検値として制御部38内の記憶部(図示せず)に記憶しておく。
STEP2:
先の実施の形態1と同様である。
STEP3:
先の実施の形態1と同様の動作をさせてもよいが、以下の動作を追加してもよい。
時刻t1において、モータ制御部38bは、トルク指令値を、第1トルク指令値τr0’から、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクを軽減させるようにした第2トルク指令値τr1に変更し、速度制御系を動作させる。なお、トルクτr1は、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクと釣り合う大きさとしてもよい。このとき、モータトルクにより乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクは相殺される。その後の動作は、先の実施の形態1と同様である。
STEP4:
先の実施の形態1と同様である。
STEP5:
省略することができる。
STEP6:
STEP1で記憶したブレーキ7が保持していたブレーキトルクτbk(第1の点検値)と、STEP2で記憶したブレーキ電流Ibk(第2の点検値)との整合性チェックし、ブレーキ7の制動力が正常か否かを判定する。具体的には、先の実施の形態1と同様の手順を用いることによって、乗りかご1の動作を開始した時点でのブレーキ制動力をブレーキ電流Ibkから求める。そして、ブレーキ制動力とSTEP1で記憶したブレーキトルクτbkとの差を求め、この差が基準範囲内である場合には、ブレーキ制動力が正常であると判定する。また、差が基準範囲を外れる場合には、ブレーキ制動力に異常があると判定する。なお、ブレーキトルクτbkは、重量アンバランストルクと、第1トルク指令値τr0’の和であり、本ステップは実質的に、先の実施の形態1のSTEP6と同様の判定を行っている。
ブレーキ制動力が異常と判定された場合には、エレベータのサービス停止や、保守会社への通報等の措置をとる。
以上のように、実施の形態2によれば、STEP1で荷重検出器の検出値を利用して第1トルク指令値τr0’を決定しているために、乗りかご内の積載重量に関わらず、例えば、乗りかごと釣り合い錘の重量アンバランストルクを相殺し、かつ、乗りかごの走行方向(行き先階方向)に積載量換算で定格積載量の10〜20%程度のトルクが加わるような大きさの第1トルク指令値τr0の大きさとすることができる。これにより、ブレーキ制動力が開放されて乗りかごが動き出した瞬間(時刻t1)での乗りかごの動き出し速度を、常に小さくすることができるため、先の実施の形態1と比較して、乗り心地をより安定的に改善することができる。
また、荷重検出器の検出値を用いることで、STEP3において、時刻t1において、モータ制御部は、トルク指令値を、乗りかごと釣り合い錘の重量アンバランストルクを軽減する第2トルク指令値τr1に変更し、速度制御系を動作させることができる。これにより、モータトルクと乗りかごと釣り合い錘の重量アンバランストルクをさらに均衡させることができるため、ブレーキ制動力が開放された直後の乗りかごの動き出し速度をより小さくすることができ、先の実施の形態1と比較して、乗り心地をさらに改善することができる。また、STEP5を省略することができるため、制御部の演算量を削減することができる。
なお、本実施の形態2におけるSTEP5およびSTEP6は、先の実施の形態1と同様の方法とすることもできる。この場合、STEP1では、ブレーキトルクτbkの代わりに第1トルク指令値τr0を記憶しておき、ブレーキトルクτbk相当の値をトルク指令値から換算して求めることとなる。このため、荷重検出器31の検出誤差が比較的大きい場合には、先の実施の形態1で述べた方法の方が、より精度よくブレーキ制動力の計測を行うことができる。
また、本実施の形態2では、モータ制御部38bが速度制御系を構成する場合について述べたが、位置制御系を構成する場合についても同様な方法で実施することができる。このとき、STEP3では速度制御系の替わりに位置制御系を動作し、位置制御系は位置指令値を生成する。また、モータ6の制御は、その他の任意の制御方法を用いることができる。
また、先の実施の形態1と同様に、STEP3において、時刻t1から一定期間だけ、位置制御系または速度制御系の応答速度を標準的な応答速度よりも大きく設定してもよい。このようにすることで、STEP3での制御系動作時において、指令値への追従性能が上がるため、より乗り心地を向上させることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、乗りかご1の走行開始時において、速度制御系または位置制御系における指令値がゼロとなるように制御する方法について説明する。これにより、ブレーキ7の制動力開放時の乗りかご1の走行開始速度を抑えて、乗り心地をさらに向上させることができる。
本実施の形態3は、先の実施の形態1または先の実施の形態2において、動作を一部変更したものである。以下では、先の実施の形態1に対する相違点を中心に説明する。
STEP1:時刻t0でエレベータの起動指令が入力されると、モータ制御部8bは、第1トルク指令値τr0を出力するとともに、速度制御系を動作させる。このとき、速度制御系の速度指令値はゼロとする。なお、位置制御系を用いる場合は位置制御系を動作させ、位置指令値はゼロとする。つまり、ブレーキ7の制動力が解除された後に、乗りかご1が静止するようにモータ制御部8bを動作させる。その他は、先の実施の形態1と同様である。
STEP2の動作は、先の実施の形態1と同様である。ただし、速度制御系または位置制御系が動作しているため、ブレーキ制動力が小さくなって乗りかご1が動作し始めた時点で、乗りかご1の動作を抑制する、つまり、乗りかご1を静止保持するように制御系が動作する。
STEP3:速度制御系または位置制御系は、STEP1で動作させているので、継続して動作させる。そして、先の実施の形態1と同様に、速度制御系の速度指令値または位置制御系の位置指令値を出力する。
STEP4〜STEP6の動作は、先の実施の形態1と同様である。
本実施の形態3では、ブレーキ7の開放前に、速度制御系または位置制御系を動作させ、その指令値をゼロで動作させることで、ブレーキ7の開放時の乗りかご1の動き出し速度を抑制することが可能となり、より乗り心地を向上させることができる。これにより、例えばトルクτr0が大きすぎた場合においても、走行開始時の動きをより滑らかにでき、乗り心地が向上する。
なお、STEP1において、速度制御系または位置制御系を動作させるため、STEP1において第1トルク指令値τr0の値をゼロとしてもよい。この場合、ブレーキ7の開放時に、乗りかご1が行き先階方向と反対側に動きだす場合もあるが、速度制御系または位置制御系が動作しているため、乗りかご1の動き出しを抑制することができる。
また、STEP1において、速度制御系または位置制御系の応答速度を、標準的な値よりも大きく設定することで、ブレーキ7の開放時の乗りかご1の動き出しを抑制することができる。ただし、制御系の応答速度を大きくすると、制御系が不安定になりやすいため、STEP3において、一定時間経過後、または非ゼロの速度指令値または位置指令値を出力したタイミング、またはブレーキシューが完全に吸引されたタイミングで制御系の応答速度を標準的な大きさに戻すようにしてもよい。
また、本実施の形態3では、非ゼロの速度指令値または位置指令値が出力されるまでは、かごを静止保持させる制御が働くため、STEP3において、速度指令値または位置指令値を出力するタイミングを遅らせることが出来る。
なお、本実施の形態3では、先の実施の形態1に対して相違点を中心に説明したが、先の実施の形態2においても同様に適用可能である。
また、モータ6の制御に速度制御系と位置制御系を用いた場合について説明したが、任意の制御方法を用いることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4は、ブレーキ制動力の計測を行う条件を、乗りかご1の位置によって決定するものである。本実施の形態4では、乗りかご1が、最上階付近以外の位置にある場合にのみブレーキ制動力の計測を行う。例えば、乗りかご1位置が最上階以外の場合、または予め設定した階よりも下方にある場合、または最下階にある場合に行う。これにより、ブレーキ7の開放時の乗りかご1の動き出し速度を抑えることができ、乗り心地が向上する。本実施の形態4は、先の実施の形態1〜3に対して適用可能である。
一般的に、乗りかご1と釣り合い錘2の重量差による走行開始時の乗りかご1の振動は、重量差が同じ場合でも、乗りかご1位置が最上階に近づくにつれて大きくなる傾向がある。これは乗りかご1が最上階に近い方が、乗りかご1上部から巻上機までの主ロープ4の長さが短くなり、当該部分の主ロープ4の剛性が大きくなることに起因する。このため、乗り心地が悪くなりやすい最上階付近を除外してブレーキ制動力の診断を行うことによって、エレベータの乗り心地を悪化させずにブレーキ制動力の診断を行うことが出来る。
なお、据付時、またはエレベータのサービス時にブレーキ制動力の計測を全階床で実施し、時刻t1での乗りかご1の動き出し速度に基づいて乗り心地を判定し、動き出し速度が基準値を下回る階のみでブレーキ制動力の計測を行うようにしてもよい。また、乗りかご1の動き出し速度を計測する替わりに、乗りかご1内の加速度を計測するようにしてもよい。
実施の形態5.
本実施の形態5は、ブレーキ制動力の計測を行う条件を乗りかご1の積載荷重によって決定するものである。本実施の形態5では、乗りかご1積載荷重がゼロ付近以外の積載状態にある場合にのみブレーキ制動力の計測を行う。例えば、乗りかご1の積載荷重が、定格積載荷重の半分、または予め設定した積載荷重値よりも大きい場合に行う。これにより、ブレーキ7の開放時の乗りかご1の動き出し速度を抑えることができ、乗り心地が向上する。本実施の形態5は、先の実施の形態2〜4に対して、乗りかご1の荷重検出器31を有する場合に適用可能である。
例えば、先の実施の形態2のSTEP1において、乗りかご1と釣り合い錘2の重量アンバランストルクを相殺し、かつ、かごの走行方向に積載量換算で定格積載量のX%(Xは任意の値)のトルクが加わるような大きさのトルク指令値の大きさを加えたとき、乗りかご1の積載荷重が小さい方が、ブレーキ7の開放時のかご振動が大きくなる傾向がある。これは、乗りかご1の積載荷重が小さい方が、巻上機で駆動する部分の慣性が小さいため、重量アンバランストルクに対する乗りかご1の動きだし速度が大きくなることに起因する。
このため、乗り心地が悪くなりやすい積載荷重がゼロ付近(乗客が少ない場合に相当)を除外してブレーキ制動力の計測を行うことによって、エレベータの乗り心地を悪化させずにブレーキ制動力の計測を行うことが出来る。
なお、据付時または、エレベータのサービス中に、ブレーキ制動力の計測を積載荷重が異なる条件で実施し、時刻t1での乗りかご1の動き出し速度に基づいて乗り心地を判定し、動き出し速度が基準値を下回る積載荷重の場合のみ、ブレーキ制動力の計測を行うようにしてもよい。また、前記において、乗りかご1の動き出し速度を計測する替わりに、乗りかご1内の加速度を計測するようにしてもよい。
1 乗りかご、2 釣り合い錘、3 綱車、4 主ロープ、5 位置・速度検出器、6 モータ、7 ブレーキ、8、38 制御部、8a、38a ブレーキ制御部、8b、38b モータ制御部、31 荷重検出器。

Claims (11)

  1. 回転可能な綱車と、前記綱車を駆動するモータと、前記綱車の回転を制動するブレーキとを備えて構成される巻上機を有し、前記綱車に巻き掛けられた主ロープにより吊り下げられた乗りかごと釣り合い錘を、前記巻上機を制御することにより昇降させるエレベータの制御装置であって、
    前記モータの回転位置または回転速度を検出する位置・速度検出器と、
    前記位置・速度検出器により検出される前記モータの回転位置または回転速度が所望の応答となるように前記モータへのトルク指令値を制御するモータ制御部と、前記ブレーキのブレーキシューを吸引するブレーキコイルの電流を制御することにより前記ブレーキを制動または制動解除するブレーキ制御部とを有するとともに、前記乗りかごの通常運転時に前記ブレーキの制動力を診断する制御部と、
    前記乗りかごの重量と前記釣り合い錘の重量とのアンバランストルクを、前記トルク指令値、実トルク値、前記モータの電流値のトルク成分値、または前記モータの電流指令値のトルク成分値のいずれか1つに基づいて演算するアンバランストルク演算手段と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記乗りかごの走行開始前に、前記乗りかごの走行方向と同方向に予め第1トルク指令値を印加するとともに、前記第1トルク指令値印加時の、前記トルク指令値、実トルク値、前記モータの電流値のトルク成分値、または前記モータの電流指令値のトルク成分値のいずれか1つを、第1の点検値として前記制御部内の記憶部に記憶し、
    前記第1トルク指令値を印加させた状態で、前記ブレーキコイルの電流値を徐々に増加させるように制御することで前記ブレーキの制動力を徐々に開放して前記乗りかごを走行開始させるとともに、前記走行開始時の前記ブレーキコイルの電流値、または前記走行開始時の前記ブレーキコイルの電流指令値を、第2の点検値として前記記憶部に記憶し、
    前記記憶部に記憶した前記第1の点検値および前記第2の点検値と、前記アンバランストルク演算手段により演算された前記走行開始時における前記アンバランストルクの値との整合性をチェックすることにより、前記ブレーキの制動力を診断する
    エレベータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータの制御装置において、
    前記アンバランストルク演算手段は、前記乗りかごが走行中における前記モータへの前記トルク指令値に基づいて、前記走行開始時における前記アンバランストルクを演算する
    エレベータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエレベータの制御装置において、
    前記乗りかご内の積載量を検出する荷重検出器をさらに備え、
    前記アンバランストルク演算手段は、前記トルク指令値の代わりに、前記荷重検出器が検出する前記乗りかご内の積載量に基づいて、前記走行開始時における前記アンバランストルクを演算し、
    前記制御部は、前記荷重検出器が検出する前記乗りかご内の積載量に応じて、前記第1トルク指令値を設定する
    エレベータの制御装置。
  4. 請求項3に記載のエレベータの制御装置において、
    前記モータ制御部は、前記乗りかごが走行開始後に、前記トルク指令値を、前記第1トルク指令値から、前記アンバランストルクを軽減させるようにした第2トルク指令値に変更する
    エレベータの制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のエレベータの制御装置において、
    前記制御部は、前記乗りかごが昇降路の予め設定した階よりも下方に存在する場合にのみ、前記ブレーキの制動力の診断を実施する
    エレベータの制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のエレベータの制御装置において、
    前記制御部は、前記乗りかごの積載荷重が予め設定した値を超える積載状態にある場合にのみ、前記ブレーキの制動力の診断を実施する
    エレベータの制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のエレベータの制御装置において、
    前記モータ制御部は、前記モータの速度を制御する速度制御系、または、前記モータの位置を制御する位置制御系を有し、前記乗りかごが走行開始後に前記トルク指令値を制御することで、前記乗りかごの走行を前記速度制御系または前記位置制御系により制御する
    エレベータの制御装置。
  8. 請求項7に記載のエレベータの制御装置において、
    前記モータ制御部は、前記乗りかごの走行開始前および走行開始時に、前記速度制御系における速度指令値または前記位置制御系における位置指令値がゼロとなるように制御する
    エレベータの制御装置。
  9. 請求項7または8に記載のエレベータの制御装置において、
    前記モータ制御部は、前記乗りかごが走行開始後の一定期間内は、前記一定期間経過後よりも、前記速度制御系または前記位置制御系の応答速度を大きく設定する
    エレベータの制御装置。
  10. 請求項9に記載のエレベータの制御装置において、
    前記モータ制御部は、前記乗りかごが走行開始してから、前記モータ制御部が非ゼロの速度指令値または位置指令値を出力するまで、または前記ブレーキシューが完全に吸引されるまでを、前記一定期間として設定する
    エレベータの制御装置。
  11. 請求項1に記載のエレベータの制御装置において、用いられるエレベータの制御方法であって、
    前記制御部において、
    前記乗りかごの走行開始前に、前記乗りかごの走行方向と同方向に予め第1トルク指令値を印加するとともに、前記第1トルク指令値を、第1の点検値として前記制御部内の記憶部に記憶するステップと、
    前記第1トルク指令値を印加させた状態で、前記ブレーキコイルの電流値を徐々に増加させるように制御することで前記ブレーキの制動力を徐々に開放して前記乗りかごを走行開始させるとともに、前記走行開始時の前記ブレーキコイルの電流値を、第2の点検値として前記記憶部に記憶するステップと、
    前記記憶部に記憶した前記第1の点検値および前記第2の点検値と、前記アンバランストルク演算手段により演算された前記走行開始時における前記アンバランストルクの値との整合性をチェックすることにより、前記ブレーキの制動力を診断するステップと
    を有するエレベータの制御方法。
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