JP2015126747A - 細胞系、ならびにそれらを作製および使用するための方法 - Google Patents

細胞系、ならびにそれらを作製および使用するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞系、ならびにそれらを作製および使用するための方法の提供。【解決手段】本発明は、新規な細胞および細胞系、ならびにそれらを作製および使用するための方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な細胞および細胞系、ならびにそれらを作製および使用するための方法に関する。
現在、製薬会社における創薬プログラムに関する産業界の平均的な失敗率は約98%であると報告されている。これはプロセスの全ての段階における失敗を含むが、高い失敗率はプロセスの効率における任意の改善に関する極端な必要性を示す。
高い失敗率に寄与する1つの要因は、創薬の間の細胞ベースの機能アッセイにおいて使用するための治療標的を発現する細胞系がないことである。明らかに、細胞ベースアッセイを使用する研究、特に創薬の研究は、細胞ベースアッセイにおいて使用するための細胞および細胞系から利益を受ける。
したがって、新規で改善された薬剤をより迅速に発見するための細胞ベースアッセイの、迅速で有効な確立に関する高い必要性が存在する。好ましくは、より有効な創薬のために、アッセイ系は、in vivoでのモジュレーターの影響のより生理的に関連する予測因子を提供すべきである。
細胞ベースアッセイに関する必要性を上回るのは、タンパク質産生、細胞ベースの療法および様々な他の用途のために改善された細胞に関する必要性である。
したがって、対象とする機能タンパク質またはRNAを発現する細胞および細胞系に関する、差し迫った必要性が存在する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、前記対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸は内因性である。他の実施形態では、対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸は導入されている。さらに他の実施形態では、対象とするタンパク質はタンパク質タグを含まない。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ二量体タンパク質はイオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ二量体タンパク質は甘味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される。他の実施形態では、対象とするヘテロ二量体タンパク質は公知のリガンドを有さない。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ二量体タンパク質は同じ型の細胞中で発現されない。いくつかの実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態において、細胞は、1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする。いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ二量体タンパク質は少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される。いくつかの実施形態において、機能アッセイは、細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、レポーター細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される。他の実施形態では、細胞は、細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している。
いくつかの実施形態において、選択圧は抗生物質である。他の実施形態では、細胞は少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下でヘテロ二量体タンパク質を発現する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、前記ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするヘテロ多量体タンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、前記ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、細胞が、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするヘテロ多量体タンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、前記ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、前記細胞が、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、前記ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、細胞が、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、前記細胞が、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする核酸は内因性である。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする核酸は導入されている。
いくつかの実施形態において、対象とするタンパク質はタンパク質タグを含まない。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ多量体タンパク質は、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される。他の実施形態では、対象とするヘテロ多量体タンパク質は、GABA、ENaCおよびNaVからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ多量体タンパク質は公知のリガンドを有さない。
いくつかの実施形態において、対象とするヘテロ多量体タンパク質は同じ型の細胞中で発現されない。他の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態において、細胞は、1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする。他の実施形態では、対象とするヘテロ多量体タンパク質は少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される。
いくつかの実施形態において、機能アッセイは、細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、レポーター細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される。他の実施形態では、ヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞は、細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している。
いくつかの実施形態において、ヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞は選択圧の不在下で培養される。いくつかの実施形態において、選択圧は抗生物質である。他の実施形態では、細胞は少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下でヘテロ多量体タンパク質を発現する、請求項35または36に記載の細胞。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、前記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または前記タンパク質が、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、前記細胞が、それが生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞を提供する。
いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質の少なくとも1つは二量体タンパク質である。他の実施形態では、対象とする二量体タンパク質はホモ二量体タンパク質である。他の実施形態では、対象とする二量体タンパク質はヘテロ二量体タンパク質である。いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質の少なくとも1つは多量体タンパク質である。他の実施形態では、対象とする多量体タンパク質はホモ多量体タンパク質である。他の実施形態では、対象とする多量体タンパク質はヘテロ多量体タンパク質である。
いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質の1つは内因性核酸によってコードされている。他の実施形態では、対象とする2つ以上のタンパク質の1つは導入核酸によってコードされている。他の実施形態では、対象とするタンパク質はタンパク質タグを含まない。
いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質の1つはイオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される。他の実施形態では、対象とするタンパク質の1つは公知のリガンドを有さない。
いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質の1つは同じ型の細胞中で発現されない。いくつかの実施形態において、2つ以上のタンパク質を発現する細胞は哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態において、2つ以上のタンパク質を発現する細胞は、1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、対象とする2つ以上のタンパク質は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される。
いくつかの実施形態において、機能アッセイは、細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、レポーター細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、2つ以上のタンパク質を発現する細胞は、細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している。
いくつかの実施形態において、2つ以上のタンパク質を発現する細胞は選択圧の不在下で培養される。いくつかの実施形態において、選択圧は抗生物質である。いくつかの実施形態において、2つ以上のタンパク質を発現する細胞は、少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で2つ以上のタンパク質を発現する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、前記対象とするRNAが導入核酸によってコードされており、前記細胞が、機能アッセイでの使用に適した形で対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、前記対象とするRNAがタグを含まず、または前記RNAが、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、対象とする少なくとも1つのRNAをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、前記対象とするRNAがタグを含まず、または前記RNAが、細胞が機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または前記細胞が選択圧の不在下で培養される細胞、またはその任意の組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、細胞は対象とする少なくとも2つのRNAを発現する。他の実施形態では、細胞は対象とする少なくとも3つのRNAを発現する。いくつかの実施形態において、細胞は導入核酸によってコードされるRNAをさらに発現する。いくつかの実施形態において、対象とするRNAは、イオンチャネルをコードするRNA、Gタンパク質共役受容体(GPCR)をコードするRNA、チロシン受容体キナーゼをコードするRNA、サイトカイン受容体をコードするRNA、核ステロイドホルモン受容体をコードするRNAおよび免疫学的受容体をコードするRNAからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、対象とするRNAは同じ型の細胞中で発現されない。いくつかの実施形態において、対象とするRNAを発現する細胞は哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態において、対象とするRNAを発現する細胞は、1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする。いくつかの実施形態において、対象とするRNAは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される。
いくつかの実施形態において、機能アッセイは、細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、レポーター細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、対象とするRNAを発現する細胞は、細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載する細胞から作製された細胞系を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象とするタンパク質を発現する細胞を作製するための方法であって、細胞が時間をわたって一貫する少なくとも1つの望ましい特性を有し、
a)対象とするタンパク質をコードするmRNAを発現する複数の細胞を提供するステップと、
b)細胞を個々の培養容器中に個々に分散させ、それによって複数の別々の細胞培養物を提供するステップと、
c)自動化細胞培養方法を使用して一組の望ましい培養条件下で細胞を培養するステップであって、条件が別々の細胞培養物のそれぞれについて実質的に同一であり、その培養中、別々の細胞培養物当たりの細胞数を培養物毎に正規化し、別々の培養物を同じスケジュールで継代することを特徴とするステップと、
d)対象とするタンパク質の少なくとも1つの望ましい特徴について別々の細胞培養物を少なくとも2回アッセイするステップと、
e)両方のアッセイで望ましい特徴を有する別々の細胞培養物を同定するステップと
を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法のステップa)中の複数の細胞を、ステップb)の分散させることの前に、ある程度の期間培養する。
いくつかの実施形態では、本発明の方法中で使用する個々の培養容器は、マルチウエルプレートの個々のウエルおよびバイアルからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、この方法は、複数の別々の細胞培養物の増殖速度を決定するステップ、および任意の群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差がステップb)とc)の間で1、2、3、4、または5時間を超えないように、その増殖速度によって別々の細胞培養物を群に分けるステップをさらに含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、1つまたは複数の別々の培養物の保存ストックを調製するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、別々の細胞培養物の1つまたは複数の複製セットのステップ、および供給源である別々の細胞培養物由来の1つまたは複数の複製セットを別々に培養するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本発明の方法のステップd)でのアッセイは、タンパク質の機能アッセイである。
いくつかの実施形態では、ステップe)で一定のままである少なくとも1つの特徴はタンパク質機能である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法のステップc)での培養はロボット細胞培養装置(robotic cell culture apparatus)におけるものである。いくつかの実施形態では、ロボット細胞培養装置はマルチチャネルロボットピペッターを含む。いくつかの実施形態では、マルチチャネルロボットピペッターは少なくとも96チャネルを含む。いくつかの実施形態では、ロボット細胞培養装置はチェリーピッキングアームをさらに含む。
いくつかの実施形態では、自動化方法は培地除去、培地交換、細胞洗浄、試薬添加、細胞の除去、細胞分散、および細胞継代の1つまたは複数を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の方法中で使用する複数の別々の細胞培養物は、少なくとも50個の培養物である。他の実施形態では、複数の別々の細胞培養物は少なくとも100個の培養物である。他の実施形態では、複数の別々の細胞培養物は少なくとも500個の培養物である。さらに他の実施形態では、複数の別々の細胞培養物は少なくとも1000個の培養物である。
いくつかの実施形態では、ATPの測定、細胞集密度の測定、光散乱、光学濃度測定からなる群より選択される方法によって増殖速度を決定する。いくつかの実施形態では、群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差は1、2、3、4、または5時間を超えない。
いくつかの実施形態では、本発明の方法のステップc)での培養は少なくとも2日間である。
いくつかの実施形態では、複数の別々の細胞培養物の増殖速度を、細胞を分散させることおよび細胞集密度を測定することによって決定する。いくつかの実施形態では、本発明の方法のそれぞれ別々の細胞培養物中の細胞を、細胞集密度の測定前に分散させる。いくつかの実施形態では、分散ステップは、トリプシンをウエルに加えて塊を除去することを含む。いくつかの実施形態では、複数の別々の細胞培養物の細胞集密度は、自動化マイクロプレートリーダーを使用して測定する。
いくつかの実施形態では、少なくとも2回の集密度測定を、増殖速度を計算する前に実施する。いくつかの実施形態では、細胞集密度を自動化プレートリーダーによって測定し、かつ増殖速度を計算するソフトウェアプログラムと共に集密度値を使用する。
いくつかの実施形態では、ステップd)での別々の細胞培養物は、脆弱性、形態、固体表面との接着性、固体表面との接着性の欠如およびタンパク質機能の1つまたは複数から選択される望ましい特質を特徴とする。
いくつかの実施形態では、本発明の方法中で使用する細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、本発明の方法中で使用する真核細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞系はNS0細胞、CHO細胞、COS細胞、HEK−293細胞、HUVEC、3T3細胞およびHeLa細胞からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、本発明の方法中で発現される対象とするタンパク質はヒトタンパク質である。いくつかの実施形態では、対象とするタンパク質はヘテロ多量体である。いくつかの実施形態では、対象とするタンパク質はGタンパク質共役受容体である。他の実施形態では、タンパク質は公知のリガンドを有さない。
いくつかの実施形態では、本発明のこの方法は、同定ステップの後に、a)望ましい培養条件下においてステップe)で同定した細胞培養物の保存アリコートを拡大増殖させるステップと、
b)a)の拡大増殖させた細胞培養物が望ましい特徴を有するかどうかを決定するステップと
をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、クローン細胞系の適合パネルであって、クローン細胞系が同じ細胞型であり、パネル中のそれぞれの細胞系が対象とするタンパク質を発現し、パネル中のクローン細胞系が同じ生理学的特性を共有するように適合されていることにより並行処理が可能となる、クローン細胞系の適合パネルを提供する。いくつかの実施形態では、生理学的特性は増殖速度である。他の実施形態では、生理学的特性は組織培養物表面との接着性である。他の実施形態では、生理学的特性はZ’係数である。他の実施形態では、生理学的特性は対象とするタンパク質をコードするRNAの発現レベルである。さらに他の実施形態では、生理学的特性は対象とするタンパク質の発現レベルである。
いくつかの実施形態では、群中のクローン細胞系の増殖速度は互いに1、2、3、4、または5時間の範囲内にある。他の実施形態では、適合パネルに使用する培養条件は、パネル中の全てのクローン細胞系で同じである。
いくつかの実施形態では、適合パネルに使用するクローン細胞系は真核細胞系である。いくつかの実施形態では、真核細胞系は哺乳動物細胞系である。いくつかの実施形態では、適合パネルにおいて使用する細胞系の細胞は、初代細胞および不死化細胞からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、適合パネルにおいて使用する細胞系の細胞は原核細胞または真核細胞である。いくつかの実施形態では、適合パネルにおいて使用する細胞系の細胞は、真核細胞であり、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、藻類、甲殻類細胞、節足動物細胞、鳥類細胞、爬虫類細胞、両生類細胞および植物細胞からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、適合パネルにおいて使用する細胞系の細胞は哺乳動物細胞であり、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ネコ、ラット、有袋動物、ネズミ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ハムスターからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、適合パネルの細胞系における細胞は、対象とするタンパク質を発現するように操作されている。いくつかの実施形態では、適合パネルの細胞系における細胞は、タンパク質をコードする、または多量体タンパク質の場合ではタンパク質のサブユニットをコードする導入核酸から対象とするタンパク質を発現する。いくつかの実施形態では、細胞は内因性核酸から対象とするタンパク質を発現し、細胞は内因性タンパク質の転写を活性化する、または多量体タンパク質の場合ではタンパク質のサブユニットの転写を活性化するように操作されている。
いくつかの実施形態では、パネルは少なくとも4個のクローン細胞系を含む。他の実施形態では、パネルは少なくとも6個のクローン細胞系を含む。さらに他の実施形態では、パネルは少なくとも25個のクローン細胞系を含む。
いくつかの実施形態では、パネル中の2個以上のクローン細胞系が対象とする同じタンパク質を発現する。他の実施形態では、パネル中の2個以上のクローン細胞系が対象とする異なるタンパク質を発現する。
いくつかの実施形態では、パネル中の細胞系が異なる形態の対象とするタンパク質を発現し、その形態はアイソフォーム、アミノ酸配列変異体、スプライス変異体、切断型、融合タンパク質、キメラ、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、パネル中の細胞系が対象とするタンパク質の群中の異なるタンパク質を発現し、対象とするタンパク質の群は、同じシグナル伝達経路中のタンパク質、類似したタンパク質の発現ライブラリー、モノクローナル抗体重鎖ライブラリー、モノクローナル抗体軽鎖ライブラリーおよびSNPからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、パネル中で発現される対象とするタンパク質は単鎖タンパク質である。いくつかの実施形態では、単鎖タンパク質はGタンパク質共役受容体である。いくつかの実施形態では、Gタンパク質共役受容体は味覚受容体である。いくつかの実施形態では、味覚受容体は苦味受容体、甘味受容体、塩味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される。
他の実施形態では、パネル中で発現される対象とするタンパク質は多量体タンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質はヘテロ二量体またはヘテロ多量体である。
いくつかの実施形態では、パネル中で発現される対象とするタンパク質は、イオンチャネル、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、適合パネル中で発現される対象とするタンパク質は上皮ナトリウムチャネル(ENaC)である。いくつかの実施形態では、ENaCはαサブユニット、βサブユニットおよびγサブユニットを含む。他の実施形態では、パネル中の細胞系は異なるENaCアイソフォームを発現する。他の実施形態では、パネル中の細胞系はENaCの異なるタンパク質分解アイソフォームを含む。いくつかの実施形態では、ENaCはヒトENaCである。いくつかの実施形態では、適合パネル中で発現されるタンパク質は電位依存性ナトリウムチャネル(NaV)である。いくつかの実施形態では、NaVは1つのαサブユニットおよび2つのβサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、NaVはヒトNaVである。
いくつかの実施形態では、適合パネル中で発現されるタンパク質は、γ−アミノ酪酸A受容体(GABA受容体)、γ−アミノ酪酸B受容体(GABA受容体)およびγ−アミノ酪酸C受容体(GABA受容体)からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、タンパク質はGABA受容体である。いくつかの実施形態では、GABA受容体は2つのαサブユニット、2つのβサブユニットおよび1つのγまたはδサブユニットを含む。
いくつかの実施形態では、パネル中のクローン細胞系が同時に、または互いに4週間を超えない内に作製される。
いくつかの実施形態では、本発明は、対象とする単量体タンパク質をコードする導入核酸から対象とする単量体タンパク質を発現する細胞であって、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養され、タンパク質の発現が3ヶ月にわたって5%を超えて変化しない細胞を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質の発現は6ヶ月にわたって5%を超えて変化しない。いくつかの実施形態では、対象とする単量体タンパク質は公知のリガンドを有さない。
いくつかの実施形態では、本発明は、
対象とするタンパク質のモジュレーターを同定するための方法であって、
a)前に記載した細胞の実施形態のいずれか1つに記載の細胞を試験化合物と接触させるステップと、
b)試験化合物と接触させなかった細胞におけるタンパク質の活性と比較した、試験化合物と接触させた細胞における対象とするタンパク質の活性の変化を検出するステップとを含み、不在下と比較して存在下で活性の差を生じる化合物が対象とするタンパク質のモジュレーターである方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、前段落の方法によって同定されたモジュレーターを提供する。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から該対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目2)
対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目3)
対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から該対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される、細胞。
(項目4)
対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される、細胞。
(項目5)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸が内因性である、項目1から4のいずれか一項に記載の細胞。
(項目6)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸が導入されている、項目2または4に記載の細胞。
(項目7)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目1から6のいずれか一項に記載の細胞。
(項目8)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の細胞。
(項目9)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が、甘味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される、項目8に記載の細胞。
(項目10)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目1から8のいずれか一項に記載の細胞。
(項目11)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が同じ型の細胞中で発現されない、項目1から10のいずれか一項に記載の細胞。
(項目12)
哺乳動物細胞である、項目1から11のいずれか一項に記載の細胞。
(項目13)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目1から12のいずれか一項に記載の細胞。
(項目14)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目15)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目16)
上記細胞が細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目17)
上記選択圧が抗生物質である、項目3から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目18)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記ヘテロ二量体タンパク質を発現する、項目3から13および17のいずれか一項に記載の細胞。
(項目19)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目20)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該細胞は、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目21)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、該細胞が生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする、細胞。
(項目22)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該細胞が該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、該細胞が生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目23)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする上記核酸が内因性である、項目19から22のいずれか一項に記載の細胞。
(項目24)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする上記核酸が導入されている、項目20または22に記載の細胞。
(項目25)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目19から24のいずれか一項に記載の細胞。
(項目26)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目19から25のいずれか一項に記載の細胞。
(項目27)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が、GABA、ENaCおよびNaVからなる群より選択される、項目26に記載の細胞。
(項目28)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目19から26のいずれか一項に記載の細胞。
(項目29)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が同じ型の細胞中で発現されない、項目19から28のいずれか一項に記載の細胞。
(項目30)
哺乳動物細胞である、項目19から29のいずれか一項に記載の細胞。
(項目31)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目19から30のいずれか一項に記載の細胞。
(項目32)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目33)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目34)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目35)
選択圧の不在下で培養される、項目21から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目36)
上記選択圧が抗生物質である、項目35に記載の細胞。
(項目37)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記ヘテロ多量体タンパク質を発現する、項目35または36に記載の細胞。
(項目38)
対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の該対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目39)
2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目40)
対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の該対象とするタンパク質を発現する細胞であって、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目41)
2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目42)
対象とする少なくとも1つのタンパク質が二量体タンパク質である、項目38から41のいずれか一項に記載の細胞。
(項目43)
上記対象とする二量体タンパク質がホモ二量体タンパク質である、項目42に記載の細胞。
(項目44)
上記対象とする二量体タンパク質がヘテロ二量体タンパク質である、項目42に記載の細胞。
(項目45)
対象とする少なくとも1つのタンパク質が多量体タンパク質である、項目38から41のいずれか一項に記載の細胞。
(項目46)
上記対象とする多量体タンパク質がホモ多量体タンパク質である、項目45に記載の細胞。
(項目47)
上記対象とする多量体タンパク質がヘテロ多量体タンパク質である、項目45に記載の細胞。
(項目48)
上記タンパク質の1つが内因性核酸によってコードされている、項目38から47のいずれか一項に記載の細胞。
(項目49)
上記タンパク質の1つが導入核酸によってコードされている、項目39または41に記載の細胞。
(項目50)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目38から49のいずれか一項に記載の細胞。
(項目51)
上記対象とするタンパク質の1つが、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目38から49のいずれか一項に記載の細胞。
(項目52)
上記対象とするタンパク質の1つが公知のリガンドを有さない、項目38から51のいずれか一項に記載の細胞。
(項目53)
上記対象とするタンパク質の1つが同じ型の細胞中で発現されない、項目38から52のいずれか一項に記載の細胞。
(項目54)
哺乳動物細胞である、項目38から53のいずれか一項に記載の細胞。
(項目55)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目38から54のいずれか一項に記載の細胞。
(項目56)
上記対象とする2つ以上のタンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目57)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目58)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目59)
選択圧の不在下で培養される、項目40から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目60)
上記選択圧が抗生物質である、項目59に記載の細胞。
(項目61)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記2つ以上のタンパク質を発現する、項目59または60に記載の細胞。
(項目62)
対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、該対象とするRNAが導入核酸によってコードされており、該細胞が機能アッセイでの使用に適した形で該対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、該対象とするRNAがタグを含まず、または該RNAが、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目63)
対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、該細胞は、該対象とする少なくとも1つのRNAをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、該対象とするRNAがタグを含まず、または該RNAが、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目64)
対象とする少なくとも2つのRNAを発現する、項目62または63に記載の細胞。
(項目65)
対象とする少なくとも3つのRNAを発現する、項目62または63に記載の細胞。
(項目66)
導入核酸によってコードされるRNAをさらに発現する、項目64から65のいずれか一項に記載の細胞。
(項目67)
上記対象とするRNAが、イオンチャネルをコードするRNA、Gタンパク質共役受容体(GPCR)をコードするRNA、チロシン受容体キナーゼをコードするRNA、サイトカイン受容体をコードするRNA、核ステロイドホルモン受容体をコードするRNAおよび免疫学的受容体をコードするRNAからなる群より選択される、項目62から66のいずれか一項に記載の細胞。
(項目68)
上記対象とするRNAが同じ型の細胞中で発現されない、項目62から67のいずれか一項に記載の細胞。
(項目69)
哺乳動物細胞である、項目62から68のいずれか一項に記載の細胞。
(項目70)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目62から69のいずれか一項に記載の細胞。
(項目71)
上記対象とするRNAが少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目62から70のいずれか一項に記載の細胞。
(項目72)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目62から71のいずれか一項に記載の細胞。
(項目73)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目61から72のいずれか一項に記載の細胞。
(項目74)
項目1から73のいずれか一項に記載の細胞から作製された細胞系。
(項目75)
対象とするタンパク質を発現する細胞を作製するための方法であって、該細胞が時間をわたって一貫する少なくとも1つの望ましい特性を有し、
a)該対象とするタンパク質をコードするmRNAを発現する複数の細胞を提供するステップと、
b)細胞を個々の培養容器中に個々に分散させ、それによって複数の別々の細胞培養物を提供するステップと、
c)自動化細胞培養方法を使用して一組の望ましい培養条件下で該細胞を培養するステップであって、該条件が該別々の細胞培養物のそれぞれについて実質的に同一であり、該培養中、別々の細胞培養物当たりの細胞数を培養物毎に正規化し、該別々の培養物を同じスケジュールで継代することを特徴とする、ステップと、
d)該対象とするタンパク質の少なくとも1つの望ましい特徴について該別々の細胞培養物を少なくとも2回アッセイするステップと、
e)両方のアッセイで該望ましい特徴を有する別々の細胞培養物を同定するステップであって、該細胞がその細胞(a cell that)であるステップ、と
を含む、方法。
(項目76)
ステップa)における複数の細胞を、ステップb)の分散させることの前に、ある程度の期間培養する、項目75に記載の方法。
(項目77)
上記個々の培養容器がマルチウエルプレートの個々のウエルおよびバイアルからなる群より選択される、項目75に記載の方法。
(項目78)
複数の上記別々の細胞培養物の増殖速度を決定するステップ、および任意の群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差がステップb)とc)の間で1、2、3、4、または5日を超えないように、その増殖速度によって該別々の細胞培養物を群に分けるステップをさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目79)
1つまたは複数の上記別々の培養物の保存ストックを調製するステップをさらに含む、項目75または項目78に記載の方法。
(項目80)
上記別々の細胞培養物の1つまたは複数の複製セットのステップ、および供給源である上記別々の細胞培養物由来の該1つまたは複数の複製セットを別々に培養するステップをさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目81)
ステップd)でのアッセイが上記タンパク質の機能アッセイである、項目75に記載の方法。
(項目82)
ステップe)で一定のままである上記少なくとも1つの特徴がタンパク質機能である、項目75に記載の方法。
(項目83)
ステップc)での上記培養がロボット細胞培養装置におけるものである、項目75に記載の方法。
(項目84)
上記ロボット細胞培養装置がマルチチャネルロボットピペッターを含む、項目83に記載の方法。
(項目85)
上記マルチチャネルロボットピペッターが少なくとも96チャネルを含む、項目84に記載の方法。
(項目86)
上記ロボット細胞培養装置がチェリーピッキングアームをさらに含む、項目84に記載の方法。
(項目87)
上記自動化方法が培地除去、培地交換、細胞洗浄、試薬添加、細胞の除去、細胞分散、および細胞継代の1つまたは複数を含む、項目75に記載の方法。
(項目88)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも50個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目89)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも100個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目90)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも500個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目91)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも1000個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目92)
ATPの測定、細胞集密度の測定、光散乱、光学濃度測定からなる群より選択される方法によって上記増殖速度を決定する、項目78に記載の方法。
(項目93)
上記群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差が1、2、3、4、または5時間を超えない、項目78に記載の方法。
(項目94)
ステップc)での培養が少なくとも2日間である、項目75に記載の方法。
(項目95)
複数の上記別々の細胞培養物の増殖速度を上記細胞を分散させることおよび細胞集密度を測定することによって決定する、項目78に記載の方法。
(項目96)
上記それぞれ別々の細胞培養物中の細胞を細胞集密度の測定前に分散させる、項目95に記載の方法。
(項目97)
上記分散ステップがトリプシンを上記ウエルに加えて塊を除去することを含む、項目95または96に記載の方法。
(項目98)
複数の上記別々の細胞培養物の細胞集密度を、自動化マイクロプレートリーダーを使用して測定する、項目95に記載の方法。
(項目99)
少なくとも2回の集密度測定を、増殖速度を計算する前に実施する、項目95に記載の方法。
(項目100)
上記細胞集密度を自動化プレートリーダーによって測定し、かつ増殖速度を計算するソフトウェアプログラムと共に該集密度値を使用する、項目98に記載の方法。
(項目101)
ステップd)での別々の細胞培養物が、脆弱性、形態、固体表面との接着性、固体表面との接着性の欠如およびタンパク質機能の1つまたは複数から選択される望ましい特質を特徴とする、項目75に記載の方法。
(項目102)
上記細胞が真核細胞である、項目75に記載の方法。
(項目103)
上記真核細胞が哺乳動物細胞である、項目75に記載の方法。
(項目104)
上記哺乳動物細胞系がNS0細胞、CHO細胞、COS細胞、HEK−293細胞、HUVEC、3T3細胞およびHeLa細胞からなる群より選択される、項目75に記載の方法。
(項目105)
上記対象とするタンパク質がヒトタンパク質である、項目75に記載の方法。
(項目106)
上記対象とするタンパク質がヘテロ多量体である、項目75に記載の方法。
(項目107)
上記対象とするタンパク質がGタンパク質共役受容体である、項目75に記載の方法。
(項目108)
上記タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目75に記載の方法。
(項目109)
上記同定ステップの後に、
a)望ましい培養条件下においてステップe)で同定した細胞培養物の保存アリコートを拡大増殖させるステップと、
b)該a)の拡大増殖させた細胞培養物が望ましい特徴を有するかどうかを決定するステップと
をさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目110)
クローン細胞系の適合パネルであって、該クローン細胞系が同じ細胞型であり、該パネル中のそれぞれの細胞系が対象とするタンパク質を発現し、該パネル中のクローン細胞系が同じ生理学的特徴を共有するように適合されていることにより並行処理が可能となる、クローン細胞系の適合パネル。
(項目111)
上記生理学的特徴が増殖速度である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目112)
上記生理学的特徴が組織培養物表面との接着性である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目113)
上記生理学的特徴がZ’係数である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目114)
上記生理学的特徴が上記対象とするタンパク質をコードするRNAの発現レベルである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目115)
上記生理学的特徴が上記対象とするタンパク質の発現レベルである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目116)
上記パネル中のクローン細胞系の増殖速度が互いに1、2、3、4、または5時間の範囲内にある、項目111に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目117)
上記培養条件が上記パネル中の全てのクローン細胞系で同じである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目118)
上記クローン細胞系が真核細胞系である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目119)
上記真核細胞系が哺乳動物細胞系である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目120)
上記細胞系の細胞が初代細胞および不死化細胞からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目121)
上記細胞系の細胞が原核細胞または真核細胞である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目122)
上記細胞系の細胞が真核細胞であり、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、藻類、甲殻類細胞、節足動物細胞、鳥類細胞、爬虫類細胞、両生類細胞および植物細胞からなる群より選択される、項目121に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目123)
上記細胞系の細胞が哺乳動物細胞であり、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ネコ、ラット、有袋動物、ネズミ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ハムスターからなる群より選択される、項目122に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目124)
上記細胞系の細胞が上記対象とするタンパク質を発現するように操作されている、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目125)
上記細胞系の細胞が、上記対象とするタンパク質をコードする、または多量体タンパク質の場合では該タンパク質のサブユニットをコードする導入核酸から該タンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目126)
上記細胞が内因性核酸から上記対象とするタンパク質を発現し、該細胞が内因性タンパク質の転写を活性化する、または多量体タンパク質の場合では該タンパク質のサブユニットの転写を活性化するように操作されている、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目127)
上記パネルが少なくとも4個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目128)
上記パネルが少なくとも6個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目129)
上記パネルが少なくとも25個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目130)
上記パネル中の2つ以上のクローン細胞系が対象とする同じタンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目131)
上記パネル中の2つ以上のクローン細胞系が対象とする異なるタンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目132)
上記パネル中の細胞系が異なる形態の対象とするタンパク質を発現し、該形態がアイソフォーム、アミノ酸配列変異体、スプライス変異体、切断型、融合タンパク質、キメラ、またはそれらの組合せからなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目133)
上記パネル中の細胞系が対象とするタンパク質の群中の異なるタンパク質を発現し、該対象とするタンパク質の群が同じシグナル伝達経路中のタンパク質、類似したタンパク質の発現ライブラリー、モノクローナル抗体重鎖ライブラリー、モノクローナル抗体軽鎖ライブラリーおよびSNPからなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目134)
上記対象とするタンパク質が単鎖タンパク質である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目135)
上記単鎖タンパク質がGタンパク質共役受容体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目136)
上記Gタンパク質共役受容体が味覚受容体である、項目135に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目137)
上記味覚受容体が苦味受容体、甘味受容体、塩味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される、項目136に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目138)
上記タンパク質が多量体タンパク質である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目139)
上記タンパク質がヘテロ二量体またはヘテロ多量体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目140)
上記タンパク質が、イオンチャネル、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目141)
上記タンパク質が上皮ナトリウムチャネル(ENaC)である、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目142)
上記ENaCがαサブユニット、βサブユニットおよびγサブユニットを含む、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目143)
上記パネル中の細胞系が異なるENaCアイソフォームを発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目144)
上記パネル中の細胞系がENaCの異なるタンパク質分解アイソフォームを含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目145)
上記ENaCがヒトENaCである、項目141から143のいずれか一項に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目146)
上記タンパク質が電位依存性ナトリウムチャネル(NaV)である、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目147)
上記NaVが1つのαサブユニットおよび2つのβサブユニットを含む、項目146に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目148)
上記NaVがヒトNaVである、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目149)
上記タンパク質がγ−アミノ酪酸A受容体(GABA受容体)、γ−アミノ酪酸B受容体(GABA受容体)およびγ−アミノ酪酸C受容体(GABA受容体)からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目150)
上記タンパク質がGABA受容体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目151)
上記GABA受容体が2つのαサブユニット、2つのβサブユニットおよび1つのγまたはδサブユニットを含む、項目150に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目152)
上記パネル中のクローン細胞系が同時に、または互いに4週間を超えない内に作製された、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目153)
対象とする単量体タンパク質をコードする導入核酸から該対象とする単量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該細胞は選択圧の不在下で培養され、かつ該タンパク質の発現が3ヶ月にわたって30%を超えて変化しない、細胞。
(項目154)
上記タンパク質の発現が6ヶ月にわたって30%を超えて変化しない、項目153に記載の細胞。
(項目155)
上記対象とするタンパク質が公知のリガンドを有さない、項目153または154に記載の細胞。
(項目156)
対象とするタンパク質のモジュレーターを同定するための方法であって、該細胞は:
a)項目1から74のいずれか一項に記載の細胞を試験化合物と接触させるステップと、
b)該試験化合物と接触させなかった細胞における該タンパク質の活性と比較した、該試験化合物と接触させた細胞における該対象とするタンパク質の活性の変化を検出するステップと
を含み、不在下と比較して存在下で活性の差を生じる化合物が該対象とするタンパク質のモジュレーターである、方法。
(項目157)
項目156に記載の方法によって同定されたモジュレーター。
(項目158)
項目156に記載の方法によって同定されたモジュレーター。
(項目159)
上記対象とするRNAがsiRNAまたはアンチセンスRNAである、項目63に記載の細胞。
(項目160)
対象とする少なくとも1つのタンパク質を発現する細胞であって、該対象とするタンパク質が公知のリガンドを有さないか、または該対象とするタンパク質の機能的発現を検出する公知のアッセイが存在せず、かつ該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない細胞。
(項目161)
上記対象とするタンパク質が少なくとも2、3、4、5、または6つのサブユニットを含む、項目159に記載の細胞。
(項目162)
上記対象とするタンパク質が
Figure 2015126747
からなる群より選択される表3に示すヒト遺伝子記号によって特定されるオーファン受容体である、項目159に記載の細胞。
(項目163)
上記対象とするタンパク質の少なくとも1つのサブユニットが遺伝子活性化によって発現される、項目159に記載の細胞。
(項目164)
上記対象とするタンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸から発現される、項目159に記載の細胞。
(項目165)
上記対象とするタンパク質が公知のリガンドを有さない、項目159に記載の細胞。
(項目166)
上記対象とするタンパク質が公知の機能を有さない、項目159に記載の細胞。
(項目167)
上記対象とするタンパク質が公知のリガンドを有さず、公知の機能も有さない、項目159に記載の細胞。
(項目168)
上記タンパク質の発現が3ヶ月にわたって5%を超えて変化しない、項目153に記載の細胞。
(項目169)
細胞系を生成するための方法であって、同一培養条件下で複数の並行培養物中の複数の細胞系を培養するステップ、および時間をわたって一貫した状態のままである少なくとも1つの特徴を有する細胞系を同定するステップを含む、方法。
(項目170)
上記複数の並行培養物が少なくとも50個の細胞培養物を含む、項目168に記載の方法。
(項目171)
上記複数の並行培養物が少なくとも100個の細胞培養物を含む、項目168に記載の方法。
(項目172)
上記複数の並行培養物が少なくとも200個の細胞培養物を含む、項目168に記載の方法。
他に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。例示的な方法および材料は以下に記載するが、本明細書に記載するのと類似または同等である方法および材料を、本発明を実施または試験する際に使用することもできる。係争の場合、定義を含めて本明細書を照合する。
本明細書で言及する全ての刊行物および他の参照文献は、それらの全容が参照によって組み込まれている。いくつかの文書を本明細書で引用するが、この引用は、任意のこれらの文書が当技術分野における共通の一般知識の一部分を形成することを認めるものではない。
本明細書および特許請求の範囲を通じて、語句「comprise」、または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、言及する整数または整数群を含むことを暗示するが、任意の他の整数または整数群を排除するわけではないことを理解されたい。文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、かつ複数形の用語は単数形を含むものとする。材料、方法、および実施例は単なる例示的なものであり、限定することを意図するものではない。
本発明をさらに容易に理解することを可能にするために、特定の用語を最初に定義する。追加的な定義は詳細な説明を通じて述べる。
用語「安定な発現」および「一過性発現」は当業者によって理解され得るので、用語「安定な」または「安定に発現する」は、本発明の細胞および細胞系と、タンパク質を一過性に発現する細胞を区別することを意味する。
本明細書で使用する、対象とする「機能性」RNAまたはタンパク質は、細胞ベースアッセイにおいて1:1を超えるシグナル対ノイズ比を有するRNAまたはタンパク質である。いくつかの実施形態では、対象とする機能性タンパク質またはRNAは、天然に存在するまたは内因的に発現されるタンパク質またはRNAの1つまたは複数の生物活性を有する。
用語「細胞系」または「クローン細胞系」は、一種の原型細胞の子孫である細胞の集団を指す。本明細書で使用するように、細胞系をin vitroの細胞培養で維持し、アリコートに凍結してクローン細胞の塊を樹立することができる。
用語「ストリンジェントな条件」または「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、1つまたは複数の核酸プローブと核酸サンプルをハイブリダイズさせるため、およびサンプル中の標的核酸と特異的に結合しなかったプローブを洗浄除去するための温度および塩条件を記載する。ストリンジェントな条件は当業者には公知であり、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、N.Y.(1989年)、6.3.1〜6.3.6巻中で見ることができる。水性および非水性の方法がこのプロトコル中に記載されており、かつ一方を使用することができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の一例は、約45℃における6×SSC中でのハイブリダイゼーション、次に60℃における0.2×SSC、0.1%SDS中での少なくとも1回の洗浄である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の別の例は、約45℃における6×SSC中でのハイブリダイゼーション、次に65℃における0.2×SSC、0.1%SDS中での少なくとも1回の洗浄である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、65℃における0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS中でのハイブリダイゼーション、次に65℃における0.2×SSC、1%SDSでの少なくとも1回の洗浄も含む。
アミノ酸および/または核酸配列に関する語句「同一である割合」または「同一率」は、少なくとも2つの異なる配列間の類似性を指す。同一率は、標準的なアラインメントアルゴリズム、例えばAltshulら((1990年)J.Mol.Biol.、215巻:403〜410頁)によって記載されたBasic Local Alignment Tool(BLAST)、Needlemanら((1970年)J.Mol.Biol.、48巻:444〜453頁)のアルゴリズム、またはMeyersら((1988年)Comput.Appl.Biosci.、4巻:11〜17頁)のアルゴリズムによって決定することができる。一組のパラメーターは、Blosum62スコアリングマトリクス、および12のギャップペナルティー、4のギャップエクステンションペナルティー、および5のフレームシフトギャップペナルティーであってよい。2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列間の同一率は、PAM120 weight residue table、12のギャップ長ペナルティーおよび4のギャップペナルティーを使用する、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE. MeyersおよびW. Miller((1989年)CABIOS、4巻:11〜17頁)のアルゴリズムを使用して決定することもできる。同一率は通常、類似した長さの配列を比較することによって計算する。
タンパク質分析ソフトウェアは、保存的アミノ酸置換を含めた、様々な置換、欠失および他の修飾に割り当てた類似性の測定値を使用して類似したアミノ酸配列を一致させる。例えば、GCG Wisconsin Package(Accelrys、Inc.)は、異なる種由来の相同ポリペプチドなどの密接に関連するポリペプチド間、または野生型タンパク質とそのムテインの間の配列同一性を決定するためにデフォルトパラメーターと共に使用することができる、「Gap」および「Bestfit」などのプログラムを含有する。例えば、GCGバージョン6.1を参照。ポリペプチド配列は、デフォルトまたは推奨パラメーターを使用するFASTAを使用して比較することもできる。GCGバージョン6.1FASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)におけるプログラムは、クエリ配列と検索配列の間の最大重複領域のアラインメントおよび配列同一率を与える(Pearson、Methods Enzymol.183巻:63〜98頁(1990年);Pearson、Methods Mol. Biol.132巻:185〜219頁(2000年))。
同一性に関して比較するポリペプチド配列の長さは、一般に少なくとも約16アミノ酸残基、通常少なくとも約20残基、さらに通常は少なくとも約24残基、典型的には少なくとも約28残基、および好ましくは約35残基超であり得る。同一性に関して比較するDNA配列の長さは、一般に少なくとも約48核酸残基、通常少なくとも約60核酸残基、さらに通常は少なくとも約72核酸残基、典型的には少なくとも約84核酸残基、および好ましくは約105核酸残基超であり得る。
アミノ酸またはヌクレオチド配列に関する語句「言及するように実質的に」、「実質的に同一」または「実質的に相同」は、関連アミノ酸またはヌクレオチド配列がコンパレータ配列と同一であり得る、またはコンパレータ配列と比較してわずかな違い(例えば、保存的アミノ酸置換またはこのような置換をコードする核酸)を有することを意味する。わずかな違いは、指定領域の50アミノ酸配列およびこれらの配列をコードする核酸中の1つまたは2つの置換などの少数のアミノ酸の変化を含む。
モジュレーターは、対象とするタンパク質の活性を変える任意の物質または化合物を含む。モジュレーターは、部分的アゴニストもしくはアンタゴニスト、選択的アゴニストもしくはアンタゴニストおよび逆アゴニストを含めた、アゴニスト(増強剤もしくは活性剤)またはアンタゴニスト(阻害剤もしくは遮断薬)であってよく、かつアロステリックモジュレーターであってもよい。物質または化合物は、その調節活性が異なる条件もしくは濃度下で、または異なる形の対象とするタンパク質に関して変わる場合でさえモジュレーターである。他の態様では、モジュレーターは別のモジュレーターの能力を変えて、対象とするタンパク質の機能に影響を与えることができる。
用語「増強剤」、「アゴニスト」または「活性剤」は、対象とするタンパク質の1つまたは複数の活性を増大する化合物または物質を指す。
用語「阻害剤」、「アンタゴニスト」または「遮断薬」は、対象とするタンパク質の1つまたは複数の活性を低減または遮断する化合物または物質を指す。
本発明は、ヘテロ多量体タンパク質およびそれに対するリガンドが公知ではないタンパク質などの複合タンパク質を含めた、対象とする機能性RNAまたは対象とする機能性タンパク質を安定に発現する細胞に関する緊急の必要性に見合う細胞から作製される、新規な細胞および細胞系を初めて提供する。本発明の細胞および細胞系は、対象とするRNAまたはタンパク質の一貫した、機能的発現が望ましい任意の使用に適している。本出願人は、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、および分泌タンパク質、ならびにこれらの様々な組合せを含めた、様々なタンパク質、単一サブユニットとヘテロ多量体の両方(ヘテロ二量体および3つ以上の異なるサブユニットを有するタンパク質含む)に関するこの記載に見合う細胞系を作製した。
一態様では、本発明の細胞および細胞系は、細胞ベースアッセイにおける使用に適している。このような細胞および細胞系は、時間をわたって対象とするタンパク質の一貫した再現可能な発現をもたらし、したがってこのようなアッセイにおいて特に有利である。
別の態様では、本発明は、生物分子の産生に適した細胞および細胞系を提供する。このように使用するための細胞および細胞系は、例えば機能的であるかまたは機能的になることができるタンパク質またはポリペプチドの一貫した発現によって特徴付けられる。
本発明は、対象とするRNAまたはタンパク質を安定に発現する細胞および細胞系を作製するための方法をさらに提供する。本発明の方法を使用して、多量体タンパク質(例えば、ヘテロ多量体タンパク質)などの複合タンパク質および細胞毒性であるタンパク質を含めて、機能型で任意の望ましいタンパク質を発現する細胞および細胞系を作製することができる。本明細書で開示するこの方法は、本発明より前に以前に作成されなかった、機能性タンパク質を安定に発現する操作された細胞および細胞系の作製を可能にする。理論に拘泥するものではないが、本発明の方法は任意の望ましい組の条件下での非常に多数の細胞および細胞系の調査を可能にするので、それは小集団中で作製されず、または他の形で見ることができず、かつ望ましい条件下で機能型の望ましいタンパク質を発現するのに最適である稀な細胞の同定を可能にすると考えられる。
さらなる態様では、本発明は、細胞系の適合パネル、すなわち、1つまたは複数の生理学的特性に適合するクローン細胞系の集合を提供する。本発明のこの方法は、同一条件下での多数の細胞系の維持および特徴付けを可能にするので、類似した生理学的特性を有する任意の数の細胞系を同定することができる。本発明の方法を使用して、任意の望ましい数の細胞系または構造を含む適合パネルを作製することができる。このような適合パネルは、細胞密度を含めた同一条件下で維持することができ、したがって、高スループットスクリーニング、および細胞系間の差を比較および同定することが望ましい他の使用に有用である。増殖速度に関して適合した細胞系の適合パネルも、本発明の範囲内である。
別の態様では、本発明は、以前に知られていない機能のタンパク質および/またはそれに対するリガンドが以前に同定されていないタンパク質を発現する、細胞または細胞系を作製するための方法を提供する。このようなタンパク質は、公知の天然に存在するタンパク質、以前に知られていない天然に存在するタンパク質、以前に知られていない形態の公知の天然に存在するタンパク質または前述のいずれかの修飾形態であってよい。
任意の望ましい細胞型を本発明の細胞に使用することができる。細胞は原核生物または真核生物であってよい。細胞はそれらの天然状態またはそれ以外で対象とするタンパク質を発現することができる。使用することができる真核生物細胞には、酵母細胞などの真菌細胞、植物細胞および動物細胞があるが、これらだけには限られない。使用することができる動物細胞には、哺乳動物細胞および昆虫細胞があるが、これらだけには限られない。初代細胞または不死化細胞は、真核生物の中胚葉、外胚葉または内胚葉層に由来する可能性がある。細胞は、内皮、表皮、間葉性、神経、腎臓、肝臓、造血、または免疫細胞であってよい。例えば、細胞は、腸陰窩または絨毛細胞、クララ細胞、結腸細胞、腸細胞、杯細胞、腸クロム親和性細胞、腸内分泌細胞であってよい。この方法中で有用である哺乳動物細胞には、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(ラット、マウス、ハムスター、モルモット含む)、有袋動物、ウサギ、イヌおよびネコがあるが、これらだけには限られない。細胞は、分化細胞、または胚肝細胞を含めた肝細胞であってよい。
本発明の細胞は、初代、形質転換した、腫瘍形成的に形質転換した、ウイルスにより形質転換した、不死化、条件付きで形質転換した、外植片、組織切片、動物、植物、真菌、原生生物、古細菌および真正細菌、哺乳動物、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、および節足動物、鳥類、ニワトリ、爬虫類、両生類、カエル、トカゲ、ヘビ、魚、ムシ、イカ、ロブスター、ウニ、ウミウシ、ホヤ、ハエ、イカ、ヒドラ、節足動物、甲虫、ニワトリ、ヤツメウナギ、メダカ、ゼブラフィッシュ、フグ、およびゼブラフィッシュの細胞であってよい。
さらに、血液/免疫細胞、内分泌腺(甲状腺、副甲状腺、副腎)、GI(口、胃、腸)、肝臓、膵臓、胆嚢、呼吸器(肺、気管、咽頭)、軟骨、骨、筋肉、皮膚、毛髪、泌尿器(腎臓、膀胱)、生殖(精子、卵子、精巣、子宮、卵巣、陰茎、膣)、感覚(目、耳、鼻、口、舌、感覚神経)、B細胞、T細胞(細胞毒性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、制御T細胞、Tヘルパー細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞などの血液/免疫細胞、顆粒細胞(好塩基性顆粒球、好酸性顆粒球、好中性顆粒球/過分葉好中球)、単球/マクロファージ、赤血球細胞(網状赤血球)、マスト細胞、血小板/巨核球、樹状細胞、甲状腺(甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞)、副甲状腺(副甲状腺主細胞、好酸性細胞)、副腎(クロム親和性細胞)などの内分泌細胞、グリア細胞(星状細胞、小膠細胞)、大細胞性神経分泌細胞、星細胞、核鎖細胞、ベッチャー細胞、下垂体性、(性腺刺激細胞、皮質刺激細胞、甲状腺刺激細胞、ソマトトロピン産生細胞、プロラクチン産生細胞)などの神経系細胞、肺細胞(I型肺細胞、II型肺細胞)、クララ細胞、杯細胞などの呼吸器系細胞、心筋細胞、周皮細胞などの循環系細胞、胃(胃主細胞、壁細胞)、杯細胞、パネート細胞、G細胞、D細胞、ECL細胞、I細胞、K細胞、腸内分泌細胞、腸クロム親和性細胞、APUD細胞、肝臓(肝細胞、クッパー細胞)、膵臓(β細胞、α細胞)、胆嚢などの消化系細胞、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞(steoclast)、歯細胞(セメント芽細胞、エナメル芽細胞)、軟骨細胞などの軟骨/骨/筋肉/外皮系細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞、皮膚/毛髪細胞:毛胞、ケラチン生成細胞、メラニン形成細胞、筋肉細胞:筋細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、足細胞、糸球体傍細胞、糸球体内メサンギウム細胞/糸球体外メサンギウム細胞、近位尿細管刷子縁細胞、緻密斑細胞などの泌尿器系細胞、精虫、セルトリ細胞、ライディッヒ細胞、卵子、卵胞細胞などの生殖系細胞、皮質細胞、嗅上皮の器官、温度感受性感覚ニューロン、メルケル細胞、嗅覚受容体ニューロン、痛感ニューロン、光受容体細胞、味蕾細胞、前庭毛髪細胞、頸動脈小体細胞などの感覚細胞などの細胞は、本発明の細胞または細胞系を作製するのに有用である。
有用である植物細胞は根、茎および葉を含み、植物組織は分裂組織、柔組織、厚角組織、厚壁組織、分泌組織、木質部、師部、表皮、周皮(樹皮)を含む。
本発明の細胞および細胞系に有用である細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、樹立ニューロン細胞系、褐色細胞腫、神経芽細胞腫、線維芽細胞、横紋筋肉腫、後根神経節細胞、NS0細胞、
Figure 2015126747
または任意の樹立細胞系(極性または非極性)またはAmerican Type Culture Collection(ATCC、10801 University Blvd.Manassas、Va.20110〜2209 USA)またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC、Salisbury Wiltshire SP4 0JG、イングランド)などの貯蔵施設から入手可能な任意の細胞系もあるが、これらだけには限られない。
さらに、本発明の方法中で有用である細胞は、血清含有培地、無血清培地、如何なる動物由来の産物も含まない完全に定義された培地中での増殖の影響を受けやすい哺乳動物細胞、これらの状態の1つから別の状態に転換することができる細胞である。
本発明の細胞は、対象とするタンパク質をコードする核酸(またはヘテロ多量体タンパク質の場合、そのタンパク質のサブユニットの1つまたは複数をコードする核酸)がその中に導入された細胞を含む。操作された細胞は、対象とするタンパク質をコードする内因性配列の転写活性化に関する(またはヘテロ多量体タンパク質の1つまたは複数のサブユニットをコードする内因性配列の転写活性化に関する)核酸がその中に導入された細胞も含む。操作された細胞は、活性化化合物との接触によって活性化される対象とするタンパク質をコードする核酸を含む細胞も含む。操作された細胞は、前述の組合せ、すなわちそれをコードする導入核酸からヘテロ多量体タンパク質の1つまたは複数のサブユニットを発現する細胞、および遺伝子活性化によってタンパク質の1つまたは複数のサブユニットを発現する細胞をさらに含む。
任意の核酸を、公知の手段を使用して細胞に導入することができる。細胞に核酸を導入するための技法は周知であり、当業者によって容易に理解される。この方法には、トランスフェクション、ウイルスによる送達、タンパク質またはペプチド媒介の挿入、共沈殿法、脂質ベースの送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション、リポポリアミン送達、デンドリマー送達試薬、エレクトロポレーションまたはロボット送達があるが、これらだけには限られない。トランスフェクション試薬の例は
Figure 2015126747
である。
ヘテロ多量体タンパク質の2つ以上のサブユニットをコードする配列、または2つ以上の異なる対象とするタンパク質をコードする配列などの、2つ以上のヌクレオチド配列が導入される場合、配列は同じベクター上、または好ましくは別のベクター上に導入することができる。DNAはゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたはこれらの混合物であってよい。いくつかの実施形態では、対象とするタンパク質または対象とする一部分のタンパク質をコードする核酸は、タンパク質の生理学的機能と比較して細胞の機能を変える可能性がある追加的アミノ酸と共に対象とするタンパク質が発現されるように、追加的配列を含まない。
いくつかの実施形態では、対象とするタンパク質をコードする核酸は、野生型タンパク質をコードする核酸配列と比較して、1つまたは複数の置換、挿入、突然変異または欠失を含む。突然変異を含む核酸を含む実施形態では、突然変異はランダム突然変異または部位特異的突然変異であってよい。これらの核酸の変化はアミノ酸置換をもたらす可能性がある、またはその可能性はない。いくつかの実施形態では、核酸は対象とするタンパク質をコードする核酸の断片である。断片であるかまたはこのような修飾を有する核酸は、対象とするタンパク質の少なくとも1つの生物学的特性を保持するポリペプチドをコードする。
本発明は、その配列が対象とするタンパク質をコードする「野生型」配列と少なくとも約85%同一である核酸、またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸を、安定に発現する細胞および細胞系も包含する。いくつかの実施形態では、配列同一率は、これらの配列と比較して、少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上である。本発明は、対象とするタンパク質をコードする核酸が、野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、細胞および細胞系も包含する。
いくつかの実施形態では、細胞または細胞系は、野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸と比較して、少なくとも1つの置換を含むタンパク質をコードする核酸配列を含む。置換は10、20、30、または40未満のヌクレオチドを含んでよく、またはヌクレオチド配列の1%、5%、10%または20%と一致または同等であってよい。いくつかの実施形態では、置換配列は、野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列(例えば、それらと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い割合で同一である配列)をコードする核酸と実質的に同一であってよく、または野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる配列であってよい。
いくつかの実施形態では、細胞または細胞系は、野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸への挿入、またはそこからの欠失を含むタンパク質をコードする核酸配列を含む。挿入または欠失は、10、20、30、または40未満のヌクレオチドであってよく、またはヌクレオチド配列の1%、5%、10%または20%と一致または同等であってよい。いくつかの実施形態では、挿入または欠失の配列は、野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列(例えば、それらと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い割合で同一である配列)をコードする核酸と実質的に同一であってよく、または野生型配列またはヒト以外の種由来の対応する核酸、またはこれらの核酸のいずれかと同じアミノ酸配列をコードする核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる配列であってよい。
いくつかの実施形態では、核酸の置換または修飾は、アミノ酸の置換などのアミノ酸の変化をもたらす。例えば、対象とする野生型タンパク質またはヒト以外の種由来の対応するアミノ酸のアミノ酸残基は、保存的または非保存的置換によって置換することができる。いくつかの実施形態では、原型と修飾アミノ酸配列の間の配列同一性は、それらと実質的に同一である配列(例えば、それらと少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い割合で同一である配列)と約1%、5%、10%または20%異なり得る。
「保存的アミノ酸置換」は、側鎖R基および親アミノ酸残基と類似した化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する別のアミノ酸残基によって、アミノ酸残基が置換される置換である。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、配列同一率または類似性の程度を上方調節して、置換の保存性を補正することができる。この調節を行うための手段は当業者には周知である。例えば、Pearson、Methods Mol.Biol.243巻:307〜31頁(1994年)を参照のこと。
類似した化学的特性の側鎖を有するアミノ酸の群の例には、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;2)脂肪族ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;5)塩基性側鎖:リシン、アルギニン、およびヒスチジン;6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸;および7)イオウ含有側鎖:システインおよびメチオニンがある。好ましい保存的アミノ酸置換群は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸−アスパラギン酸、およびアスパラギン−グルタミンである。あるいは、保存的アミノ酸置換は、Gonnetら、Science256巻:1443〜45頁(1992年)中に開示された、PAM250対数尤度マトリクスにおいて正の値を有する任意の変化である。「適度に保存的な」置換は、PAM250対数尤度マトリクスにおいて負でない値を有する任意の変化である。
対象とするタンパク質における保存的修飾は、非修飾タンパク質のそれと類似した(すなわち、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%同じ)機能および化学特徴を有するタンパク質をもたらし得る。
一実施形態では、宿主細胞は胚幹細胞であり、したがって、対象とするタンパク質を産生するトランスジェニック動物の作製の基盤として使用される。対象とする機能性タンパク質を安定に発現する胚幹細胞は直接生物に移植することができ、またはそれらの核を他のレシピエント細胞に移すことができ、次いでこれらを移植することができ、またはそれらを使用してトランスジェニック動物を作製することができる。いくつかの実施形態では、望ましい一過性および/または組織特異的発現がある動物中で、タンパク質を発現させることが可能である。
当業者によって理解されるように、選択した宿主細胞と共に使用するのに適した任意のベクターを使用して、宿主細胞中に対象とするタンパク質をコードする核酸を導入することができる。例えば、2つ以上の異なるサブユニットまたは2つ以上の対象とするタンパク質を導入するために、2つ以上のベクターを使用する場合、ベクターは同じ型であってよく、または異なる型であってよい。
宿主細胞中に核酸を導入するために使用することができるベクターの例には、プラスミド、レトロウイルスおよびレンチウイルスを含めたウイルス、コスミド、人工染色体があるが、これらだけには限られず、例えば、pCMVScript、pcDNA3.1 Hygro、pcDNA3.1neo、pcDNA3.1puro、pSV2neo、pIRESpuro、pSV2zeoを含むことができる。本発明の細胞および細胞系を作製するのに有用である例示的な哺乳動物発現ベクターには、pFN11A(BIND)Flexi(登録商標)、pGL4.31、pFC14A(HaloTag(登録商標)7)CMV Flexi(登録商標)、pFC14K(HaloTag(登録商標)7)CMV Flexi(登録商標)、pFN24A(HaloTag(登録商標)7)CMVd3 Flexi(登録商標)、pFN24K(HaloTag(登録商標)7)CMVd3 Flexi(登録商標)、HaloTag(商標)pHT2、pACT、pAdVAntage(商標)、pALTER(登録商標)−MAX、pBIND、pCAT(登録商標)3−ベーシック、pCAT(登録商標)3−対照、pCAT(登録商標)3−エンハンサー、pCAT(登録商標)3−プロモーター、pCI、pCMVTNT(商標)、pG5luc、pSI、pTARGET(商標)、pTNT(商標)、pF12ARM Flexi(登録商標)、pF12KRM Flexi(登録商標)、pReg neo、pYES2/GS、pAd/CMV/V5−DESTGateway(登録商標)ベクター、pAd/PL−DEST(商標)Gateway(登録商標)ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)27ベクター、Gateway(登録商標)pEF−DEST51ベクター、Gateway(登録商標)pcDNA(商標)−DEST47ベクター、pCMV/Bsdベクター、pEF6/HisA、B、&c、pcDNA(商標)6.2−DEST、pLenti6/TR、pLP−AcGFP1−C、pLPS−AcGFP1−N、pLP−IRESneo、pLP−TRE2、pLP−RevTRE、pLP−LNCX、pLP−CMV−HA、pLP−CMV−Myc、pLP−RetroQおよびpLP−CMVneoがある。
いくつかの実施形態では、ベクターは構成的または条件付きプロモーターなどの発現制御配列を含み、構成的プロモーターを使用することが好ましい。当業者はこのような配列を選択することができるはずである。例えば、適切なプロモーターには、CMV、TK、SV40およびEF−1αがあるが、これらだけには限られない。いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導的、温度制御型、組織特異的、抑制、熱ショック、分化、細胞系統特異的、真核生物、原核生物、または一過性プロモーター、または前述のいずれかの1つまたは複数の非修飾もしくは突然変異誘発、ランダム、シャッフル配列の組合せもしくは組換え体である。他の実施形態では、対象とするタンパク質は遺伝子活性化またはエピソームによって発現される。
いくつかの実施形態では、ベクターは選択可能なマーカーまたは薬剤耐性遺伝子を欠いている。他の実施形態では、ベクターは、薬剤または抗生物質耐性を与えるタンパク質、またはより一般的には細胞に選択圧をかける任意の産物などの、選択可能なマーカーをコードする核酸を場合によっては含む。2つ以上のベクターを使用する場合、それぞれのベクターは同じまたは異なる薬剤耐性または他の選択圧マーカーを有する可能性がある。2つ以上の薬剤耐性または選択圧マーカーが同じである場合、薬剤のレベルを増大することによって同時選択を実施することができる。適切なマーカーは当業者には周知であり、以下の:ネオマイシン/G418、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、メトトレキセートおよびブラトサイジンのいずれか1つに対する耐性を与えるポリペプチド産物だけには限られないが、これらを含む。薬剤選択(または任意の他の適切な選択マーカーを使用する選択)は、本発明の細胞および細胞系を作製する際に必要とされるステップではないが、薬剤耐性を与えるようにトランスフェクト構築体を設計するという条件で、それを使用して安定にトランスフェクトされた細胞のトランスフェクト細胞集団を増大することができる。対象とするタンパク質を発現する細胞の後の選択を、シグナル伝達プローブを使用して実施する場合、トランスフェクション直後の選択は、安定にではなく一過性にのみトランスフェクトされ得るいくらかの陽性細胞をもたらす可能性がある。しかしながら、トランスフェクト細胞中の一過性発現の低下を可能にする十分な細胞継代を実施することによって、この影響を最小にすることができる。
いくつかの実施形態では、タンパク質をコードする核酸配列はタグをさらに含む。このようなタグは、例えば、HISタグ、mycタグ、ヘマグルチニン(HA)タグ、タンパク質C、VSV−G、FLU、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質、FLAG、BCCP、マルトース結合タンパク質タグ、Nus−タグ、Softag−1、Softag−2、Strep−タグ、S−タグ、チオレドキシン、GST、V5、TAPまたはCBPをコードすることができる。タンパク質の発現レベル、細胞内局在、タンパク質−タンパク質相互作用、対象とするタンパク質の制御、またはタンパク質の機能を決定するためのマーカーとして、タグを使用することができる。タグを使用してタンパク質を精製または分画化することもできる。
対象とするRNAを発現する細胞および細胞系の場合、RNAは、アンチセンスRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、導入RNA(tRNA)、構造RNA、リボソームRNA、異種核RNA(hnRNA)および低分子核RNA(snRNA)を含めた任意の型であってよい。
本発明の細胞および細胞系が対象とする機能性タンパク質を発現する実施形態では、タンパク質は、単鎖タンパク質、多重鎖タンパク質、ヘテロ多量体タンパク質だけには限られないが、これらを含めた任意のタンパク質であってよい。多量体タンパク質の場合、いくつかの実施形態では、細胞は天然タンパク質を構成するサブユニットの全てを発現する。タンパク質は「野生型」配列を有する可能性があり、または変異体であってよい。いくつかの実施形態では、細胞は、対立遺伝子多型、スプライス変異体、切断型、アイソフォーム、キメラサブユニット、およびアミノ酸置換(保存的または非保存的)を含む突然変異形、化学的に修飾されたアミノ酸を含む修飾アミノ酸、および非天然アミノ酸を含めたサブユニットの1つまたは複数の変異体を含むタンパク質を発現する。本発明の細胞または細胞系によって発現されるヘテロ多量体タンパク質は、2種以上に由来する、対象とするタンパク質の種ホモログなどに由来するサブユニットを含む可能性がある。
いくつかの実施形態では、本発明の細胞は2つ以上の対象とする機能性タンパク質を発現する。本発明によれば、このような発現は、対象とするタンパク質の全部または一部をコードする核酸の導入から、内因性配列からの対象とするタンパク質の全部または一部の転写を活性化する核酸の導入から、またはこれらの任意の組合せからであってよい。細胞は任意の望ましい数の対象とするタンパク質を発現することができる。様々な実施形態において、細胞は3、4、5、6、またはそれより多くの対象とするタンパク質を発現する。例えば本発明は、対象とする経路中で機能性タンパク質、酵素経路、シグナル伝達経路制御経路などを含めた相互作用経路からタンパク質を安定に発現する細胞および細胞系を企図する。
特に、本発明の方法中で使用する細胞または細胞系によって発現されるタンパク質は、それに対する安定した機能の細胞系が以前に利用されていないタンパク質である。理論に拘泥するものではないが、このような細胞系がこれまで可能ではなかったいくつかの理由には、タンパク質が非常に複雑であること、およびタンパク質を発現する多数の細胞を調製せずに、タンパク質が適切に構築されたそれを同定することができなかったこと、または機能型のタンパク質を発現する細胞または細胞系を同定する際に使用するためのタンパク質のリガンドもしくはモジュレーターが公知ではないこと、または、タンパク質を本来発現しない状況などのその本来の状況外で発現されるとき、タンパク質が細胞毒性であることがあると考えられる。
細胞内、表面または分泌状態のいずれかの任意の対象とするタンパク質を絶えず発現する、本発明の細胞および細胞系を作製することができる。このようなタンパク質には、ヘテロ多量体イオンチャネル、リガンド依存性(GABAA受容体など)、イオンチャネル(CFTRなど)、ヘテロ多量体イオンチャネル、電位依存性(NaVなど)、ヘテロ多量体イオンチャネル、非リガンド依存性(上皮ナトリウムチャネル、ENaC)、ヘテロ二量体GPCR(オピオイド受容体、甘味、うま味および苦味を含めた味覚受容体など)、他のGPCR、オーファンGPCR、GCC、オピオイド受容体、成長ホルモン受容体、エストロゲン/hgh、核または膜結合、TGF受容体、PPAR核ホルモン受容体、ニコチン酸/AchおよびB−細胞/T−細胞受容体などの免疫受容体がある。
本発明の細胞および細胞系は、表2〜13中に列挙する任意のタンパク質またはタンパク質の組合せ(哺乳動物Gタンパク質、ヒトオーファンGPCR、ヒトオピオイド受容体、ヒト嗅覚受容体、イヌ嗅覚受容体、モスキート嗅覚受容体、他のヘテロ多量体受容体およびGABA受容体)を含めた機能性タンパク質を発現することができる。
本発明の細胞および細胞系は、細胞が時間をわたって対象とする機能性タンパク質の一貫した発現をもたらすことが望ましい場合の任意の使用に、それらを特に有利にするいくつかの属性を有する。タンパク質の発現およびタンパク質の機能に適用する用語「安定な」または「一貫した」は、用語「安定な発現」および「一過性発現」が当業者によって理解されるように、本発明の細胞および細胞系と一過性発現または様々な機能を有する細胞を区別することを意味する。本発明の細胞または細胞系は、少なくとも2〜4日間で10%未満の変動がある機能性タンパク質の安定または一貫した発現を有する。
様々な実施形態において、本発明の細胞または細胞系は対象とする機能性RNAまたはタンパク質を発現する、すなわち、細胞は少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200日または200日超の増殖後に一貫して機能性であり、この場合一貫した発現または一貫して機能性は、2〜4日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%、5〜15日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%または12%、16〜20日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%または20%、21〜30日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、30〜40日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%、41〜45日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%、45〜50日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%、45〜50日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%、50〜55日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%、50〜55日間の連続細胞培養で1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%、55〜75日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%、75〜100日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%、101〜125日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%、126〜150日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%、151〜175日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%、176〜200日間の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%、200日超の連続細胞培養で1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%,40%または45%を超えて変化しない発現のレベルを指す。
機能性タンパク質の安定した発現に加えて望ましい特性を有する細胞を選択することができる。検出することができる任意の望ましい特性を選択することができる。当業者はこのような特徴を理解するはずである。非限定的な例として、このような特性には、脆弱性、形態、固体表面との接着性、トリプシンまたは細胞解離試薬による単分散、自動培養条件との適合性、血清含有状態下での性能、無血清状態中での性能、無血清懸濁状態への転換性、塊を形成する傾向、継代後に単分散細胞層を形成する傾向、復元力、異なる力の流体添加ステップの下で増殖チャンバー表面に接着した状態である傾向、非断片状態の核、細胞内空砲の欠如、微生物汚染の欠如、マイコプラズマの欠如、ウイルス汚染の欠如、クローン性、ウエル内の細胞の全体的な物理的特性の一貫性、室温未満/室温/室温超での増殖に関する傾向、様々な時間期間に関する様々な温度の耐性に関する傾向、プラスミド/オリゴヌクレオチド/蛍光プローブ/ペプチド/タンパク質/化合物を均一に取り込む細胞の傾向、DMSO/EtOH/MeOH、有機溶媒/洗浄剤とのインキュベーションに耐える細胞の傾向、一定UPR誘導に耐える細胞の傾向、DTTへの曝露に耐える細胞の傾向、ウイルス/レンチウイルス/コスミドベクターに感染する細胞の傾向、望ましい(1つまたは複数の)RNA/(1つまたは複数の)タンパク質の内因的発現またはその欠如、染色体数、染色体異常、5/6/7/8/9pHでの増殖しやすさ、UV/突然変異誘発物質/照射に対する耐性、改変/手作業/スケールアップ増殖条件(すなわち、リアクターを含む)下で前述の特徴を維持する能力がある。
本発明の細胞および細胞系は、従来の方法によって作製された細胞および細胞系と比較して増強された特性を有する。例えば、本発明の細胞および細胞系は、(例えば抗生物質および他の薬剤を含めた選択圧がない培養中に維持されたときでさえ)発現および/または発現レベルの改善された安定性を有する。他の実施形態では、本発明の細胞および細胞系は、様々なアッセイ中で高いZ’値を有する。さらに他の実施形態では、本発明の細胞および細胞系は、より従来通りに操作された細胞と比較して、生理的に関連があるタンパク質の活性のその発現の状況において改善されている。これらの特性は、任意の用途、モジュレーターを同定するためのアッセイ、細胞療法、タンパク質産生または任意の他の用途のいずれかに使用される本発明の細胞および細胞系の能力が向上および改善し、同定したモジュレーターの機能性を改善する。
本発明の細胞および細胞系のさらなる有利な特性は、それらが薬剤または他の選択圧の不在下で対象とするタンパク質を安定に発現することである。したがって、好ましい実施形態では、本発明の細胞および細胞系を如何なる選択圧もなしで培養中維持する。さらなる実施形態では、細胞および細胞系を如何なる薬剤または抗生物質もなしで維持する。本明細書で使用するように、細胞の維持は、タンパク質発現に関して記載したようにそれらを選択した後に、細胞を培養することを指す。維持は、細胞選別前に選択圧(例えば、抗生物質)下で細胞を増殖する任意選択のステップは指さず、この場合、細胞中に導入された(1つまたは複数の)マーカーは混合集団中で安定したトランスフェクタントを増大することができる。
本発明の細胞および細胞系の無薬剤および無選択圧での細胞維持は、いくつかの利点をもたらす。例えば、薬剤耐性細胞は、適切なレベルで対象とするコトランスフェクトトランス遺伝子を発現することができない。その選択は、トランス遺伝子有りまたはなしで、薬剤耐性遺伝子を取り込んだ細胞の生存に依存するからである。さらに、選択薬剤および他の選択圧因子は突然変異を誘発することが多く、または他の場合は細胞の生理機能に干渉し、細胞ベースアッセイにおいて歪曲した結果をもたらす。例えば、選択薬剤はアポトーシスに対する感受性を低減する(Robinsonら、Biochemistry、36(37)巻:11169〜11178頁(1997年))、DNA修復および薬剤代謝を増大する(Deffieら、Cancer Res.48(13)巻:3595〜3602頁(1988年))、細胞のpHを増大する(Thiebautら、J Histochem Cytochem.38(5)巻:685〜690頁(1990年);Roepeら、Biochemistry.32(41)巻:11042〜11056頁(1993年);Simonら、Proc Natl Acad Sci U S A.91(3)巻:1128〜1132頁(1994年))、リソソームおよびエンドソームのpHを低減する(Schindlerら、Biochemistry.35(9)巻:2811〜2817頁(1996年);Altanら、J Exp Med.187(10)巻:1583〜1598頁(1998年))、原形質膜電位を低減する(Roepeら、Biochemistry.32(41)巻:11042〜11056頁(1993年))、塩化物(Gillら、Cell.71(1)巻:23〜32頁(1992年))およびATP(Abrahamら、Proc Natl Acad Sci U S A.90(1)巻:312〜316頁(1993年))に対する原形質膜の伝導性を増大する、かつ小胞輸送の速度を増大する(Altanら、Proc Natl Acad Sci U S A.96(8)巻:4432〜4437頁(1999年))ことができる。したがって、本発明の細胞および細胞系は、選択圧によって引き起こされる人工産物がないスクリーニングアッセイを可能にする。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の細胞および細胞系は、細胞選別の前または後に、抗生物質などの選択圧因子と共に培養せず、したがって、濃縮細胞集団で始めないときでも、望ましい特性を有する細胞および細胞系は選別によって単離される。
本発明の細胞および細胞系は、発現および発現レベル(RNAまたはタンパク質)の文脈で、従来の方法によって作製された細胞および細胞系と比較して改善された安定性を有する。このような安定な発現によって特徴付けられる細胞および細胞系を同定するために、細胞または細胞系の対象とするタンパク質の発現を時間行程で測定し、発現レベルを比較する。安定した細胞形は、時間行程を通じて(RNAまたはタンパク質)を発現し続ける。本発明のいくつかの態様では、時間行程は少なくとも1週間、2週間、3週間など、または少なくとも1ヶ月、または少なくとも2、3、4、5、6、7、8または9ヶ月、またはこの間の任意の時間であってよい。
単離した細胞および細胞系は、PCR、RT−PCR、qRT−PCRおよび一終点RT−PCRなどによりさらに特徴付けして、発現される絶対量および相対量(対象とするマルチサブユニットタンパク質または多重タンパク質の場合)(RNA)を決定することができる。マルチサブユニットタンパク質のサブユニットの発現レベルは、本発明の細胞および細胞系中ではほぼ同じであることが好ましい。
他の実施形態では、対象とする機能性タンパク質の発現を時間をわたってアッセイする。これらの実施形態では、時間行程で機能アッセイの結果を比較することによって、安定な発現を測定する。機能アッセイに基づく細胞および細胞系の安定性のアッセイは、タンパク質(RNAまたはタンパク質)を安定に発現するだけでなく、さらにそのタンパク質を安定に産生し適切にプロセシング(例えば、翻訳後修飾、サブユニット構築、および細胞内の局在化)して機能性タンパク質を産生する、細胞および細胞系を同定する利点を与える。
本発明の細胞および細胞系は、それらのZ’係数によって証明される高い再現性を有するアッセイをもたらす、さらなる有利な特性を有する。参照によりその全容が本明細書に組み込まれている、Zhang JH、Chung TD、Oldenburg KR、「A Simple Statistical Parameter for Use in Evaluation and Validation of High Throughput Screening Assays.」J. Biomol. Screen.1999年;4(2)巻:67〜73頁を参照。それが細胞または細胞系が絶えずモジュレーターに応答し得る程度を反映するので、Z’の値は細胞または細胞系の質と関係がある。Z’は、マルチウエルプレート中での参照化合物機能的応答のシグナル対ノイズ範囲およびシグナル変動(すなわち、ウエルからウエル)を考慮に入れた統計的計算値である。陽性対照を含む多数のウエルおよび陰性対照を含む多数のウエルから得たZ’データを使用して、Z’を計算する。3倍したそれらの組合せ標準偏差とそれらの平均値での差異係数の比を1から引いて、以下の等式に従いZ’を与える:
Z’係数=1−((3σ陽性対照+3σ陰性対照)/(μ陽性対照−μ陰性対照))
係数が1.0である場合、それは理想的なアッセイを示す可能性があり、理論上最大のZ’は変動がなくダイナミックレンジが無限である。本明細書で使用する「高Z’’’」は、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.75または少なくとも0.8、または0.6と1.0の間の任意の小数のZ’のZ’係数を指す。複合標的の場合、高Z’は少なくとも0.4以上のZ’を意味する。0に近い値は、陽性対照と陰性対照の間に重複があることをそれが示すので望ましくない。当業界では、簡潔な細胞ベースアッセイのために、0.3までのZ’値は最低限度の値であると考え、0.3と0.5の間のZ’値は許容可能であると考え、かつ0.5を超えるZ’値は優れていると考える。高いZ’値、ただしZ’細胞ベースの系は複雑であるので、無細胞または生化学アッセイは低い傾向がある細胞ベースの系の値に近づく可能性がある。
当業者が理解するように、単鎖タンパク質さえも発現する従来の細胞を使用する細胞ベースアッセイは、典型的には0.5〜0.6より高いZ’を得ることはない。マルチサブユニットタンパク質の(導入コード配列または遺伝子活性化のいずれかから)発現が操作されている細胞は、当技術分野で報告される場合でも、それらの追加的複雑性のために低くなる。このような細胞は、結果が再現的ではないため、アッセイで使用するには信頼性がない。他方で、本発明の細胞および細胞系は高いZ’値を有し、有利なことにアッセイ中で一貫した結果をもたらす。実際、本発明の細胞および細胞系は、それらは一般に従来作製された細胞を超える値を有するので、高スループットスクリーニング(HTS)適合アッセイの基盤をもたらす。本発明のいくつかの態様では、細胞および細胞系は、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、または少なくとも0.8のZ’をもたらす。さらに、本発明の細胞および細胞系に関する少なくとも0.3〜0.4のZ’値は、対象とするタンパク質が多重遺伝子標的であるので有利である。本発明の他の態様では、本発明の細胞および細胞系は、細胞を多数の継代、例えば5と20の間の任意の整数を含めた5〜20継代で維持した後でさえ、少なくとも0.7、少なくとも0.75または少なくとも0.8のZ’をもたらす。本発明のいくつかの態様では、細胞および細胞系は、間の任意の期間を含めて、1、2、3、4または5週間または2、3、4、5、6、7、8または9ヶ月維持した細胞および細胞系において、少なくとも0.7、少なくとも0.75または少なくとも0.8のZ’をもたらす。
さらなる態様では、本発明は、本発明の細胞および細胞系を作製するための方法を提供する。一実施形態では、この方法は、
a)対象とするタンパク質をコードするmRNAを発現する複数の細胞を提供するステップと、
b)細胞を個々の培養容器中に個々に分散させ、それによって複数の別々の細胞培養物を提供するステップと、
c)自動化細胞培養方法を使用して一組の望ましい培養条件下で細胞を培養するステップであって、条件が別々の細胞培養物のそれぞれについて実質的に同一であり、その培養中、別々の細胞培養物当たりの細胞数を培養物毎に正規化し、別々の培養物を同じスケジュールで継代することを特徴とするステップと、
d)対象とするタンパク質の少なくとも1つの望ましい特徴について別々の細胞培養物を少なくとも2回アッセイするステップと、
e)両方のアッセイで望ましい特徴を有する別々の細胞培養物を同定するステップと
を含む。
この方法に従い、望ましい培養条件セットの下で細胞を培養する。条件は任意の望ましい条件であってよい。当業者は、どんなパラメーターが培養条件セット内に含まれるか理解し得る。例えば、培養条件には、培地(基本培地(DMEM、MEM、RPMI、無血清、血清含有、完全に化学的に定義済みの、動物由来の化合物を含まない)、一価および二価イオン(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)濃度、添加する追加成分(アミノ酸、抗生物質、グルタミン、グルコースまたは他の炭素供給源、HEPES、チャネル遮断薬、他の標的のモジュレーター、ビタミン、微量元素、重金属、補因子、増殖因子、抗アポトーシス試薬)、新たな培地または条件付き培地、HEPES含有、pH、特定栄養素の枯渇または制限(アミノ酸、炭素供給源))、分裂/継代前に細胞が到達することができる集密度のレベル、細胞の栄養層、またはガンマ線照射細胞、CO、3ガス系(酸素、窒素、二酸化炭素)、湿度、温度、静止状態または攪拌機上などがあるが、これらだけには限られず、これらは当業者には周知であろう。
細胞培養条件は便宜上、または細胞の特定の望ましい用途に選択することができる。有利なことに本発明は、特定の望ましい用途に最適である細胞および細胞系を提供する。すなわち、特定の望ましい用途の条件下で細胞を培養する本発明の実施形態では、その望ましい用途の条件下で望ましい特徴を有する細胞を選択する。
例証として、細胞が接着性であることが望ましいプレート中でのアッセイにおいて細胞を使用する場合、そのアッセイの条件下で接着性を示す細胞を選択することができる。同様に、タンパク質産生に細胞を使用する場合、細胞はタンパク質産生に適した条件下で培養することができ、この用途に有利な特性を選択することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のこの方法は、別々の細胞培養物の増殖速度を測定する追加的ステップを含む。当業者には周知であろう様々な技法手段のいずれかを使用して、増殖速度を決定することができる。このような技法には、ATP、細胞集密度、光散乱、光学濃度(例えば、DNAに関してOD260)の測定があるが、これらだけには限られない。選択した培養条件外で費やす培養時間の量を最小にする手段を使用して、増殖速度を決定することが好ましい。
いくつかの実施形態では、細胞集密度を測定し、増殖速度は集密度値から計算する。いくつかの実施形態では、細胞を分散させ、改善精度で細胞集密度を測定する前に塊を除去する。細胞を単分散するための手段は周知であり、例えば、測定する培養物に分散試薬を加えることによって実施することができる。分散剤は周知で容易に入手可能であり、トリプシンなどの酵素分散剤、およびEDTAベースの分散剤を含むが、これらだけには限られない。HAMILTON VECTORなどのその目的の市販のソフトウェアを使用して、集密日から増殖速度を計算することができる。自動顕微鏡プレートリーダーなどを使用する自動集密度測定が特に有用である。集密度を測定するプレートリーダーは市販されており、CLONE SELECT IMAGER(Genetix)を含むが、これだけには限られない。典型的には、細胞集密度の少なくとも2回の測定は増殖速度を計算する前に実施する。増殖速度を決定するために使用する集密度値の数値は、培養に好都合であるまたは培養に適している任意の数値であってよい。例えば、集密度は多数回、例えば1週間、2週間、3週間、または望ましい任意の長さの時間および任意の頻度で測定することができる。
増殖速度が公知であるとき、本発明の方法に従い、複数の別々の細胞培養物を増殖速度の類似性によって数群に分ける。培養物を群に分けて増殖速度の区分にすることによって、群中の培養物をまとめて操作し、それによって培養物間の変動を低減する別の正規化レベルをもたらすことができる。例えば、区分中の培養物を同時に継代し、同時に望ましい試薬で処理することなどが可能である。さらに、機能アッセイの結果は、典型的にはアッセイウエル中の細胞密度に依存する。個々のクローンの真の比較は、それらを同じ密度でプレーティングしアッセイすることによってのみ実施される。群に分けて特定の増殖速度のコホートにすることによって特定の密度でクローンをプレーティングすることができ、これによって高スループット形式でクローンを機能的に特徴付けることができる。
それぞれの群中の増殖速度の範囲は、任意の好都合な範囲であってよい。細胞を同時に継代することができ細胞数の頻繁な再正規化を回避する、増殖速度の範囲を選択することが特に有利である。増殖速度群は、厳密な群分けに関して非常に狭い範囲、例えば互いに1時間以内の平均倍増時間を含むことができる。しかしながらこの方法によれば、範囲は互いに2時間まで、3時間まで、4時間まで、5時間までまたは10時間まで、またはさらに広範囲であってよい。区分中の増殖速度が同じではなく、したがっていくつかの培養物中の細胞数が他より速く増大するとき、再正規化の必要が生じる。区分中の全ての培養物に関して実質的に同一な条件を維持するために、定期的に細胞を除去して区分中の数を再正規化することが必要である。増殖速度が異なるほど、より頻繁に再正規化が必要とされる。
ステップd)では、細胞および細胞系を、ゲノムによってコードされる細胞過程の変化、ゲノムによって制御される細胞過程の変化、染色体活性のパターンの変化、染色体サイレンシングのパターンの変化、遺伝子サイレンシングのパターンの変化、遺伝子活性化のパターンまたは効率の変化、遺伝子発現のパターンまたは効率の変化、RNA発現のパターンまたは効率の変化、RNAi発現のパターンまたは効率の変化、RNAプロセシングのパターンまたは効率の変化、RNA輸送のパターンまたは効率の変化、タンパク質翻訳のパターンまたは効率の変化、タンパク質フォールディングのパターンまたは効率の変化、タンパク質構築のパターンまたは効率の変化、タンパク質修飾のパターンまたは効率の変化、タンパク質輸送のパターンまたは効率の変化、細胞表面への膜タンパク質の輸送のパターンまたは効率の変化、増殖速度の変化、細胞の大きさの変化、細胞形状の変化、細胞形態の変化、RNA含有率の変化、タンパク質含有率の変化、水含有率の変化、脂質含有率の変化、リボソーム含有量の変化、ミトコンドリア含有量の変化、ER質量の変化、原形質膜表面積の変化、細胞体積の変化、原形質膜の脂質組成の変化、核エンベロープの脂質組成の変化、原形質膜のタンパク質組成の変化、核エンベロープのタンパク質組成の変化、いくつかの分泌小胞の変化、いくつかのリソソームの変化、いくつかの空胞の変化、細胞の能力または可能性の変化、タンパク質産生、タンパク質分泌、タンパク質フォールディング、タンパク質構築、タンパク質修飾、酵素によるタンパク質の修飾、タンパク質グリコシル化、タンパク質リン酸化、タンパク質脱リン酸化、代謝産物生合成、脂質生合成、DNA合成、RNA合成、タンパク質合成、栄養吸収、細胞増殖、有糸分裂、減数分裂、細胞分裂、脱分化、幹細胞への形質転換、多能性細胞への形質転換、全能性細胞への形質転換、任意の臓器(すなわち、肝臓、肺、皮膚、筋肉、膵臓、脳、精巣、卵巣、血液、免疫系、神経系、骨、心臓血管系、中枢神経系、胃腸管、胃、甲状腺、舌、胆嚢、腎臓、鼻、眼、爪、毛髪、味蕾)の幹細胞系への形質転換、分化した任意の細胞型(すなわち、筋肉、心筋、ニューロン、皮膚、膵臓、血液、免疫、赤血球細胞、白血球細胞、キラーT細胞、腸内分泌細胞、味覚、分泌細胞、腎臓、上皮細胞、内皮細胞、核酸配列の導入に使用することができる既に列挙した任意の動物またはヒト細胞型も含む)への形質転換、DNAの取り込み、小分子の取り込み、蛍光プローブの取り込み、RNAの取り込み、固体表面との接着性、無血清状態との適合、無血清懸濁状態との適合、スケールアップ細胞培養との適合、大規模な細胞培養のための使用、創薬における使用、高スループットスクリーニングにおける使用、機能性細胞ベースアッセイにおける使用、膜電位アッセイにおける使用、カルシウムフラックスアッセイにおける使用、Gタンパク質レポーターアッセイにおける使用、レポーター細胞ベースアッセイにおける使用、ELISA試験における使用、in vitroアッセイにおける使用、in vivo適用例のための使用、二次試験における使用、化合物試験における使用、結合アッセイにおける使用、パニングアッセイにおける使用、抗体パニングアッセイにおける使用、イメージングアッセイにおける使用、顕微鏡イメージングアッセイにおける使用、マルチウエルプレートにおける使用、自動化細胞培養との適合、小型自動化細胞培養との適合、大規模自動化細胞培養との適合、マルチウエルプレート(6、12、24、48、96、384、1536またはさらに高密度)中での細胞培養との適合、細胞チップにおける使用、スライド上での使用、ガラススライド上での使用、スライドまたはガラススライド上でのマイクロアレイ用、免疫蛍光性試験用、タンパク質精製における使用、生物製剤生産における使用、工業用酵素の生産における使用、研究用試薬の生産における使用、ワクチン開発における使用、細胞療法における使用、動物またはヒトへの移植における使用、細胞により分泌される因子の単離における使用、cDNAライブラリーの調製、RNAの精製、DNAの精製、病原体、ウイルスまたは他の作用物質による感染、病原体、ウイルスまたは他の作用物質による感染に対する耐性、薬剤に対する耐性、自動小型細胞培養条件下で維持される適性、タンパク質結晶学を含めた特徴付け用のタンパク質の産生における使用、ワクチン開発、免疫応答の刺激、抗体産生もしくは作製または抗体の試験だけには限られないが、これらを含めた、任意の生理学的特性に関して試験および選択することができる。当業者は、前述の特性のいずれかに適した試験を容易に理解し得る。
本発明の細胞および細胞系および/または本発明の適合パネルを特徴付けするために使用することができる試験には、アミノ酸分析、DNAの配列決定、タンパク質の配列決定、NMR、タンパク質輸送に関する試験、核細胞質間輸送に関する試験、タンパク質の細胞内局在性に関する試験、核酸の細胞内局在性に関する試験、顕微鏡的分析、超顕微鏡的分析、蛍光顕微鏡検査法、電子顕微鏡検査法、共焦点顕微鏡検査法、レーザーアブレーション技術、細胞計数および透析があるが、これらだけには限られない。当業者は、前述の試験のいずれの使用の仕方も理解しているはずである。
例えば薬剤スクリーニング用に、細胞または細胞系の集合または群を作製するとき、集合または群中の細胞または細胞系は、1つまたは複数の選択した生理学的特性に関してそれらが同じである(実質的に同じを含む)ように適合させることが可能である。この文脈での「同じ生理学的特性」は、選択した生理学的特性が集合または群中のメンバー間で十分類似しており、したがって、細胞の集合または群が薬剤スクリーニングアッセイにおいて信頼できる結果をもたらすことができること、例えば、薬剤スクリーニングアッセイにおける読み出し値の変化は、細胞中の固有の変動が原因ではなく、例えば、異なる形のタンパク質を発現する細胞に対する試験化合物の異なる生物学的活性が原因であり得ることを意味する。例えば、細胞または細胞系は、同じ増殖速度、すなわち細胞集合または群のメンバー間で1、2、3、4、または5時間を超えない差がある増殖速度を有するように適合させることが可能である。これは例えば、それらの増殖速度によって細胞を5、6、7、8、9、または10群に選別すること、および同じ選別群由来の細胞を使用して群を作製することによって実施することができる。細胞増殖速度の決定法は当技術分野で周知である。群中の細胞または細胞系は、同じZ’係数(例えば、0.1を超えて異ならないZ’係数)、タンパク質の発現レベル(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、または30%を超えて異ならないCFTRの発現レベル)、RNAの発現レベル、組織培養物表面との接着性などを有するように適合させることも可能である。適合細胞および細胞系は、例えば自動並行処理によって得られる同一条件下で増殖して、選択した生理学的特性を維持することができる。
一実施形態では、同組の条件下で増殖速度に関して群を適合させる。本明細書で適合パネルとも呼ぶこのような群は、2つ以上の細胞系間の実験変数の影響を比較することが望ましい、広範囲の細胞ベースの試験において使用するのに非常に望ましい。増殖速度に関して適合した細胞系は時間をわたってウエル当たりほぼ同じ数の細胞を維持し、したがって、群中の細胞系間の栄養分などの増殖条件の変動は低減する。
本発明によれば、適合パネルは、細胞の特徴、群の目的用途、群の大きさ、培養条件などを含めたいくつかの要因に応じて、任意の望ましい範囲内の増殖速度を有する可能性がある。このような要因は当業者によって容易に理解され得る。
増殖速度は任意の適切および好都合な手段によって決定することができ、唯一の要件は、適合パネルに関する細胞系の全てに関する増殖速度を同じ手段によって決定することである。増殖速度を決定するための多数の手段は、本明細書に記載するように公知である。
本発明の適合パネルは、任意の数のクローン細胞系を含むことができる。群中のクローン細胞系の最大数はそれぞれの用途およびユーザーに関して異なり、維持することができる最大数であってよい。様々な実施形態中で、群は2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くのクローン細胞系、例えば、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも48、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも96、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも384、少なくとも400またはそれより多くのクローン細胞系を含むことができる。
本発明によれば、群は複数のクローン細胞系、すなわち異なる片親細胞から作製する複数の細胞系を含む。任意の望ましい細胞型を、適合パネルの作製において使用することができる。群は全て同じ細胞型の細胞系、または異なる細胞型の細胞系を含むことができる。
群中のクローン細胞系は、1つまたは複数の対象とするタンパク質を安定に発現する。安定した発現は、群の望ましい用途に適しているが、少なくとも、適合パネル中での選択および使用を可能にするほど十分長い任意の長さの時間であってよい。
適合パネル中のクローン細胞系は、いずれも対象とする同じ1つまたは複数のタンパク質を発現する可能性があり、または群中のいくつかのクローン細胞系は、異なる対象とするタンパク質を発現する可能性がある。
いくつかの実施形態では、適合パネルは、異なる対象とするタンパク質を発現する1つまたは複数のクローン細胞系を含む。すなわち、可能な限り多くの異なる対象とするタンパク質が望ましいので、群中の第1のクローン細胞系は第1の対象とするタンパク質を発現することができ、群中の第2のクローン細胞系は第2の対象とするタンパク質を発現することができ、第3のクローン細胞系は第3の対象とするタンパク質などを発現することができる。異なる対象とするタンパク質は、対象とするタンパク質の、異なるアイソフォーム、対立遺伝子多型、スプライス変異体、または突然変異(突然変異または切断配列を含むが、これらだけには限られない)、キメラまたは酵素を含めた化学修飾形態であってよい。いくつかの実施形態では、異なるタンパク質は、苦味受容体の群またはキナーゼの群などの、機能的に定義した群のタンパク質のメンバーであってよい。いくつかの実施形態では、異なるタンパク質は、同じまたは関連シグナル伝達経路の一部分であってよい。(ヘテロ二量体を含めた)ヘテロ多量体タンパク質を含むさらに他の群において、群は2つ以上の異なるサブユニットの組合せ〜全ての考えられるサブユニットの組合せを含むことができる。これらの組合せは、サブユニット配列変異体、サブユニットアイソフォームの組合せ、種間のサブユニットの組合せおよびサブユニット型の組合せを含むことができる。
例えば、γ−アミノ酪酸(GABA)受容体は、2つのαサブユニット、2つのβサブユニットおよび1つのγサブユニットを典型的には含む。6つのαアイソフォーム、5つのβアイソフォーム、4つのγアイソフォーム、およびδ、π、θおよびεサブユニットが存在する。本発明は、α、β、γ、δ、π、εおよびθサブユニットのそれぞれの考えられる組合せを含む群を含めた、これらのサブユニットのいずれかの2つ以上の組合せを含む群を企図する。さらに、GABA受容体ファミリーはGABAおよびGABA受容体も含む。本発明は、GABA、GABAおよびGABAサブユニットの任意の組合せを含む群も企図する。いくつかの実施形態では、このような群はヒトGABAサブユニット、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)GABA受容体、マウス、ラットまたはヒトGABA受容体群などの哺乳動物GABA受容体群、またはこれらの混合物を含む。
さらなる例では、本発明は、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)ENaC、マウス、ラットまたはヒトENaC群などの任意の哺乳動物ENaC群、またはこれらの混合物を含めた、1つまたは複数の上皮ナトリウムチャネル(ENaC)群を企図する。GABA受容体と同様に、完全ENaCは多数のサブユニット:αまたはδ、βおよびγを含む。本発明はENaCサブユニットの少なくとも2つの異なる組合せを有する群を企図し、異種由来のサブユニットの組合せ、アイソフォーム、対立遺伝子多型、SNP、キメラサブユニット、修飾および/または非天然アミノ酸および酵素修飾などの化学修飾されたサブユニットを含む形の組合せを含めた、ENaCサブユニットの全ての考えられる組合せも企図する。本発明は、その内容が参照によりその全てが本明細書に組み込まれている国際出願PCT/US09/31936中で述べられた、任意のENaC形を含む群も企図する。
さらなる特定の実施形態では、表10中に列挙する天然(タグなし)機能性苦味受容体を発現する細胞系を含む25の苦味受容体の適合パネル。いくつかの実施形態では、群は増殖速度に関して適合させる。いくつかの実施形態では、群は増殖速度および対象とする他の生理学的特性に関して適合させる。いくつかの実施形態では、群中の細胞系は並行して作製および/または並行してスクリーニングした。
非限定的な例ではない、群およびそれらの使用のさらなる例示的な例は、以下の:例えば香りをプロファイリングするため、またはモジュレーターを発見するための嗅覚受容体(昆虫、イヌ、ヒト、ベッドバグ)の群、すなわち、細胞中へのモノクローナル抗体または非タンパク質薬剤を含めた、タンパク質などのカーゴ(カーゴはGFPまたはAPなどの受容体であってよい)に内在化するために働くペプチドを発見するための、試験ペプチドと融合した遺伝子を発現する細胞の群である。この実施形態に関して、この群の細胞由来の上清を、内在化の評価のために他の細胞に加えることが可能であった。このような実施形態では、細胞型特異的送達を評価するために、群は異なる細胞型を含むことができる。活性mAbを同定するための異なるモノクローナル抗体重鎖/軽鎖の組合せを発現する細胞系の群。抗体群は、例えば血清中での安定性、結合親和性などの改善された特徴を有する抗体を同定するための、一連の誘導体型のモノクローナル抗体を与えることも可能である。さらに別の群を使用して、様々なシグナル伝達分子の存在下において、異なるGタンパク質などの標的タンパク質を発現することが可能である。さらに別の型の群を使用して、改善された活性/安定性に関して標的タンパク質の変異体を試験することが可能である。群は単一ヌクレオチド多型(SNP)または他の突然変異形の標的タンパク質を含み、サブセット、多くの形または全ての形に作用するモジュレーターを選択することが可能である。他の群を使用して、タンパク質またはタンパク質のアイソフォーム(GABAまたは他のCNSイオンチャネルなど)のファミリーに対する試験化合物の活性のパターンを定義することが可能である。したがって作用が異なる化合物をさらなる試験において使用して、in vivoでの対応するサブユニットの組合せの機能/役割/局在を決定することが可能である。試験化合物は、このような影響と関連し得るサブユニットの組合せを決定するための、臨床試験で失敗した公知のモジュレーター、または有害な的外れの影響を有する化合物であり得る。さらに他の群を、多数の標的亜型での化合物の活性の確実な評価に関する並行スクリーニングのHTSにおいて使用して、望ましい標的で活性があり最小の的外れの影響を有する化合物の発見を容易にすることが可能である。
群は任意の望ましいタンパク質群を含むことができ、かつ全てのこのような群は本発明によって企図される。
本発明の適合パネルは、連続的に、並行して、または両方の組合せで、その群の異なる細胞系を生成することによって作製することができる。例えば、それぞれの細胞系を個別に作製し、次いでそれらを適合させることが可能である。より好ましくは、細胞系間の差を最小にするために、連続的に作製した細胞系を同じ段階または継代数で凍結して、並行して解凍することができる。さらにより好ましくは、細胞系を並行して作製する。
好ましい実施形態では、群中の細胞系は並行してスクリーニングまたはアッセイする。
本発明によれば、適合パネルの細胞系を、同じ培養培地、温度などだけには限られないが、これらを含めた同じ細胞培養条件下に維持する。群中の全ての細胞系を、細胞型、増殖速度を含めたいくつかの要因に応じて任意の望ましい頻度であってよい、同じ頻度で継代する。理解されるように、群の細胞系から細胞系でほぼ同じ数の細胞を維持するために、細胞数は定期的に正規化しなければならない。
本発明の方法によれば、増殖速度を測定するステップの前に個々の培養中に細胞または細胞系を分散させる限り、任意の細胞培養形式で細胞を培養することができる。例えば、便宜上、細胞を望ましい条件下での培養用に最初にプールして、次いでウエルまたは容器当たり1細胞で個々の細胞を分離することができる。
任意の好都合な数のウエルを有するマルチウエル組織培養プレート中で、細胞を培養することができる。このようなプレートは容易に市販され、当業者には周知であろう。いくつかの場合、細胞はバイアル中または任意の他の好都合な形式中で培養することが好ましい可能性があり、様々な形式が当業者には公知であり、容易に市販される。
増殖速度を測定するステップを含む実施形態では、増殖速度を測定する前に、それらを培養条件に順応させるのに十分な期間、細胞を培養する。当業者によって理解されるように、その時間の長さは細胞型、選択する条件、培養形式などのいくつかの要因に応じて変わり、かつ1日から数日、1週間以上までの任意の量の時間であってよい。
好ましくは、複数の別々の細胞培養物中のそれぞれ個々の培養物を、標準メンテナンススケジュールを含めた以下に論じる実質的に同一な条件下に維持する。この方法の別の有利な特徴は、多数の個々の培養物を同時に維持することができ、したがって、非常に稀である場合でも、望ましい組の特質を有する細胞を同定することができることである。これらおよび他の理由で、本発明によれば、複数の別々の細胞培養物を、それぞれのウエルに関して条件が実質的に同一であるように自動化細胞培養法を使用して培養する。自動化細胞培養は、手作業の細胞培養に固有の不可避な変化を予防する。
任意の自動化細胞培養システムを本発明の方法中で使用することができる。いくつかの自動化細胞培養システムが市販されており、当業者には周知であろう。いくつかの実施形態では、自動システムはロボットシステムである。好ましくはシステムは、独立に移動するチャネル、マルチチャネルヘッド(例えば96先端ヘッド)およびグリッパーまたはチェリーピッキングアーム、および手順中に滅菌状態を維持するためのHEPA濾過デバイスを含む。ピペッター中のチャネルの数は、培養の形式に適していなければならない。好都合なピペッターは、例えば96または384のチャネルを有する。このようなシステムは公知であり市販されている。例えば、MICROLAB STAR(商標)機器(Hamilton)は本発明の方法中で使用することができる。自動システムは、様々な望ましい細胞培養作業を実施することができなければならない。このような作業は当業者には公知であろう。それらは、培地除去、培地交換、試薬添加、細胞洗浄、洗浄溶液の除去、分散剤添加、培養容器からの細胞の除去、培養容器への細胞の添加などを含むが、これらだけには限られない。
本発明の細胞または細胞系の作製は、任意の数の別々の細胞培養を含むことができる。しかしながら、細胞数が増大すると、方法によって与えられる利点は増大する。この方法中で利用することができる細胞数または別々の細胞培養に対する、理論上の上限は存在しない。本発明によれば、別々の細胞培養の数は2以上であってよいが、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多くの別々の細胞培養、例えば、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも48、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも96、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも384、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも500,000以上であることがさらに有利である。
いくつかの実施形態では、記載するように培養する本発明の細胞および細胞系は、対象とするタンパク質の全部もしくは一部をコードする導入核酸、または対象とするタンパク質の全部もしくは一部をコードする配列の転写を活性化する導入核酸であってよい対象とする核酸に、陽性であるとして事前に選択した細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように培養する細胞は、対象とするタンパク質をコードするmRNAに陽性であるとして選択した細胞である。
本発明の細胞および細胞系を作製するために、例えば、米国特許第6,692,965号およびWO/2005/079462中に記載された技術を使用することができる。これらの文書はいずれも、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。この技術は、任意の望ましい数のクローン(数百から数千のクローン)などの数百万の細胞のリアルタイムの評価をもたらす。(例えば、FACS機器を用いた)フローサイトメトリーによる細胞選別または(例えば、MACS機器を用いた)磁気による細胞選別などの細胞選別技術を使用して、ウエル当たり1細胞を(96ウエル培養プレートなどの)培養容器中に高い統計的信頼度で自動的に配置する。この技術の速度および自動化は、多重遺伝子組換え細胞系を容易に単離するのを可能にする。
この技術を使用して、対象とするタンパク質のRNA配列を、分子指標または蛍光プローブとも呼ばれるシグナリングプローブを使用して検出することができる。いくつかの実施形態では、コード配列を含有するベクターは、RNAタグ配列をコードする他の配列を有する。「タグ配列」は、シグナリングプローブによって検出され得る発現されるRNAまたはRNAの一部分である核酸配列を指す。シグナリングプローブは様々なRNA配列を検出することができ、それらのいずれかを、ペプチドをコードするタグおよび前に記載したタンパク質タグを含めた、タグとして使用することができる。タグの配列と相補的である部分を含むようにプローブを設計することによって、シグナリングプローブはタグを対象とすることができる。タグの配列は、対象とするタンパク質の転写産物と同時転写されシグナリングプローブ結合の標的配列を含むプラスミドの3’非翻訳領域であってよい。産生するタンパク質をタグ化することを望むかどうかに応じて、タグの配列は遺伝子のメッセージのタンパク質コード部分と一致してよく、またはそれと一致しなくてよい。したがってタグの配列は、シグナリングプローブによる検出のために翻訳する必要はない。タグの配列は、同じであるかまたは異なる多数の標的配列を含むことができ、この場合1つのシグナリングプローブはそれぞれの標的配列とハイブリダイズする。タグの配列は対象とするRNAをコードする遺伝子内に位置する可能性があり、またはタグの配列は5’または3’非翻訳領域内に位置する可能性がある。タグの配列は二次構造を有するRNAであってよい。その構造は3アーム接合構造であってよい。いくつかの実施形態では、シグナリングプローブは、対象とするタンパク質のコード配列内の配列を検出する。
細胞へのDNA構築体のトランスフェクションおよび(使用する場合)後の薬剤選択後、または遺伝子活性化後、そのそれぞれが異なるタグの配列を標的化し標識が異なる分子指標(例えば蛍光プローブ)を細胞に導入することができ、フローサイトメトリーによるセルソーターを使用してそれらのシグナルに陽性である細胞を単離する(多ラウンドの選別を実施することができる)。一実施形態では、フローサイトメトリーによるセルソーターはFACS機器である。レーザー使用可能な分析および処理を使用する陰性細胞のMACS(磁気による細胞選別)またはレーザーアブレーションも使用することができる。高スループットスクリーニングと適合性があるプレートリーダーを含めた、他の蛍光プレートリーダーを使用することもできる。シグナル陽性細胞は(1つまたは複数の)導入配列の少なくとも1つのコピーを取り込み、それをそれらのゲノムに組み込むことができる。次いで対象とするタンパク質のメッセージを導入した細胞を同定する。例えば、コード配列は細胞中のゲノムの異なる位置に組み込むことができる。導入配列の発現レベルは、コピー数または組み込み部位に基づいて変わる可能性がある。さらに、1つまたは複数の導入核酸がエピソーム性または遺伝子活性化の結果である、対象とするタンパク質を含む細胞を得ることができる。
本発明中で有用であるシグナリングプローブは当技術分野で公知であり、一般に標的配列と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、およびプローブが標的配列と結合しないときシグナルが放射されず、かつプローブが標的配列と結合するときシグナルが放射されるように配列したシグナル放射システムである。非限定的な例示として、シグナリングプローブは、クエンチャーとフルオロフォアが非結合プローブ中で1つになるようにプローブ中に位置する、フルオロフォアおよびクエンチャーを含むことができる。プローブと標的配列の間の結合によって、クエンチャーとフルオロフォアが分離し、シグナルの放射をもたらす。例えば、国際公開WO/2005/079462は、本発明の細胞および細胞系の作製において使用することができる、いくつかのシグナリングプローブを記載する。細胞中に核酸を導入するための前に記載した方法を使用して、シグナリングプローブを導入することができる。
タグの配列を使用する場合、それぞれのベクター(複数のベクターを使用する場合)は同じまたは異なるタグの配列を含むことができる。タグの配列が同じであるかまたは異なろうと、シグナリングプローブは、例えば異なる色のフルオロフォアなどの異なるシグナル放射体を含むことができ、したがって、それぞれのサブユニットの発現を別々に検出することができる。例証として、対象とする第1のmRNAを特異的に検出するシグナリングプローブは赤色のフルオロフォアを含むことができ、対象とする第2のmRNAを検出するプローブは緑色のフルオロフォアを含むことができ、かつ対象とする第3のmRNAを検出するプローブは青色のフルオロフォアを含むことができる。当業者は、三重にトランスフェクトした細胞においてシグナリングプローブで3つのサブユニットの発現を差異的に検出するための、他の手段を理解しているはずである。
一実施形態では、シグナリングプローブは、対象とするタンパク質をコードするRNAの一部分、または5’または3’非翻訳領域の一部分のいずれかと相補的であるように設計する。対象とするメッセンジャーRNAを認識するように設計されたシグナリングプローブが、誤って内因的に発現された標的配列を検出することができる場合でさえ、トランスフェクト細胞によって産生される対象とする配列の割合と比較したこれらの割合は、選別機が2つの細胞型を区別することができるような割合である。
対象とするタンパク質の発現レベルは、細胞から細胞、細胞系から細胞系で変わる可能性がある。細胞または細胞系中での発現レベルも、DNAメチル化および遺伝子サイレンシングおよびトランス遺伝子コピーの消失などの、後成的事象が原因で時間をわたって低減する可能性がある。これらの変動は、様々な要因、例えば、細胞によって取り込まれたトランス遺伝子のコピー数、トランス遺伝子のゲノム組み込みの部位、およびゲノム組み込み後のトランス遺伝子の完全性に起因する可能性がある。FACSまたは他の細胞選別法(すなわち、MACS)を使用して、発現レベルを評価することができる。他の複数のシグナリングプローブの導入を使用して、例えば、最初に単離された任意の1つまたは複数のRNAに関して細胞が時間をわたって陽性状態であるかどうか、およびどの程度陽性状態であるかを決定することができる。
場合によっては、1つまたは複数の増殖速度群に関する培養物の1つまたは複数の複製セットを調製することができる。いくつかの場合、1つまたは複数の増殖速度群の複製セットを凍結して、例えば、凍結ストックとして働かせることが有利である可能性がある。しかしながら、本発明の方法によれば、凍結細胞ストックは、その作製中に望むほど頻繁に、かつ任意の地点および可能な限り多くの地点で作製することができる。細胞培養物を凍結するための方法は当業者には周知である。例えば、複製セットは任意の温度で、例えば−70°〜−80℃で凍結することができる。一実施形態では、70〜100%の集密度に達するまで細胞をインキュベートした。次に、培地を吸引し、90%FBSと10%培地の溶液をプレートに加え、断熱し凍結した。
本発明は、異なる培養条件を使用した任意の数の複製セットでの方法の実施を企図する。すなわち、このこの方法は、任意の望ましい数のセットの条件の、第1セットの培養条件下での第1の複数(セット)の別々の細胞培養物、および第1の条件と異なる第2セットの条件下で培養される第2セットの別々の細胞培養物などで形成され得る。異なるセットの条件を使用するこの方法は、同時または連続的または両方の組合せ(例えば2セット同時、次に3セットなど)で実施することができる。
対象とするタンパク質の一貫した機能的発現がある細胞を選択するための、本明細書に記載する方法の1つの利点は、細胞中の特定の核酸の存在によってではなく、機能によって細胞が選択されることである。対象とするタンパク質をコードする核酸を含む細胞はそれを発現することができず、またはそのタンパク質が産生される場合でさえ、多くの理由で、タンパク質は機能的ではなく、または「天然」機能、すなわち、タンパク質を本来発現するその通常の状態での細胞中の機能と比較して改変された機能を有する可能性がある。機能に基づいて細胞を選択することによって、本明細書に記載する方法は新規な機能型を同定することができる。例えば、同じ試験化合物または一連の化合物などを用いて、同じアッセイ中で様々な程度の機能を有する多数の細胞を同定することができる。異なる機能は一連の機能「プロファイル」をもたらす。このようなプロファイルは、例えば異なる機能型のタンパク質に異なる影響を与える化合物を同定するのに有用である。このような化合物は、特定の組織または疾患状態などにおいて機能型のタンパク質を同定するのに有用である。
対象とする複合タンパク質または多種タンパク質を発現する細胞を含めた、本発明の細胞および細胞系を作製するための方法のさらなる利点は、従来の方法より有意に少ない時間で細胞を作製できることである。例えば、機能アッセイに必要とされる細胞数、増殖速度による選別を実施するかどうか、および他の要因を含めたいくつかの要因に応じて、明らかに機能的なタンパク質を発現する細胞をわずか2日、または1週間で作製することができるが、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、またはさらに6ヶ月の作製時間さえも、複合タンパク質または多種タンパク質に関してさえ、従来の方法によって可能であったより有意に速い。
別の態様において本発明は、本発明の細胞および細胞系の使用法を提供する。本発明の細胞および細胞系は、対象とする機能性タンパク質が必要とされる任意の適用例において使用することができる。細胞および細胞系は、例えばin vitroの細胞ベースアッセイまたはin vivoのアッセイにおいて使用することができ、この場合細胞を動物(例えば、非ヒト哺乳動物)に移植して、例えばモジュレーターをスクリーニングする、結晶学および結合試験用のタンパク質を産生する、および化合物の選択性および投与、受容体/化合物の結合反応速度および安定性、および細胞生理学(例えば、電気生理学、タンパク質輸送、タンパク質フォールディング、およびタンパク質制御)に対する受容体発現の影響を調べる。本発明の細胞および細胞系をノックダウン試験において使用して、対象とするタンパク質の役割を調べることもできる。
本発明の細胞および細胞系を使用して、機能アッセイ、バイオパンニング(例えば、ファージディスプレイライブラリーを使用する)、遺伝子チップ試験に関して可溶性の生物学的競合剤を同定する、遺伝子発現、ツーハイブリッド試験において生じる変化を評価する、細胞系中のタンパク質−タンパク質相互作用、特異的サブユニットのノックダウンを同定する、その役割、電気生理学、タンパク質輸送の試験、タンパク質フォールディングの試験、タンパク質制御の試験、タンパク質に対する抗体の産生、プローブとタンパク質の単離、蛍光プローブとタンパク質の単離、全体的な遺伝子発現/プロセシングに対するタンパク質の発現の影響の試験、全体的なタンパク質発現およびプロセシングに対するタンパク質の発現の影響の試験、および細胞の構造、特性、特徴に対するタンパク質の発現の影響の試験を評価することもできる。
さらに本発明の細胞および細胞系は、DNA、RNAまたはタンパク質を含めた対象とするタンパク質(DNA、RNAまたはタンパク質)、化学量論、タンパク質フォールディング、構築、膜組込みまたは表面提示、立体配座、活性状態、活性化電位、応答、機能、および細胞ベースアッセイの機能を特徴付けるのに有用であり、対象とするタンパク質は、細胞中に導入された1つまたは複数の標的遺伝子によって、または導入および内因的に発現された配列の任意の組合せによってこれらの全ての構成成分が与えられる、多重遺伝子系、複合体または経路を含む。
本発明は、対象とするタンパク質を発現する複数の細胞系の作製を可能にする。本発明のクローン細胞系は異なる絶対および相対レベルのこのような発現を有し得る。いくつかの公知の参照化合物を用いて、このようなクローンの大群を活性に関してスクリーニングすることができる。このように、それぞれの単離細胞系は、タンパク質の異なる機能的発現の活性を示す試験化合物に対する応答の「フィンガープリント」を有し得る。したがって細胞系は、化合物に対するこのような応答の類似性に基づいて群に分けることができる。それぞれ機能的に異なる発現プロファイルを示す少なくとも1つの細胞系を、さらなる試験用に選択することができる。したがって、これらの細胞系の集合を使用して、多数の化合物をスクリーニングすることができる。このように、1つまたは複数の対応する異なる機能型のタンパク質を選択的に調節する化合物を同定することができる。したがって、これらのモジュレーターを二次アッセイまたはin vivoモデルにおいて試験して、これらのアッセイまたはモデル中でどれが活性を示すかを決定することができる。これに関して、モジュレーターを参照化合物として使用して、どの対応する機能型のタンパク質が存在し、または利用する二次アッセイまたはモデル系において役割を果たすことができるかを同定することが可能である。このような試験を使用して、in vivoに存在する可能性がある機能型のタンパク質、および生理的に関連する可能性がある機能型のタンパク質を決定することができる。これらのモジュレーターを使用して、どの機能的に異なる形が特定の表現型または疾患などの生理機能に関与するかを識別することが可能である。
十分特徴付けされていないタンパク質の細胞系の作製時にも、この方法は有用である。このようなタンパク質に関して、公知の化合物に対するそれらの機能的応答の性質に関する情報が、あまり存在しないことが多い。クローンの活性を評価するための確立した機能基準のこのような欠如は、生理的に関連する細胞系を作製する際の1つの課題であり得る。前に記載したこの方法は、十分特徴付けられておらずこのような情報が欠如しているタンパク質に関してさえ、生理的に関連する細胞系を得るための方法をもたらす。生理的に関連する形のタンパク質を含む細胞系は、タンパク質を含む遺伝子の発現に起因し得る機能型のいくつかまたは全てを示すクローンを追跡することによって得ることができる。
本発明の細胞および細胞系を使用して、様々なモジュレーターに対するそれらの応答に基づきin vivo形のタンパク質の同一性と公知の形のタンパク質の同一性を関連付けることによって、異なる病状における対象とする異なる形のタンパク質の役割を同定することができる。これは、タンパク質と関係がある病状の高効率標的化治療用の、疾患または組織特異的モジュレーターの選択を可能にする。
モジュレーターを同定するために、タンパク質が機能性であると予想される条件下で試験化合物に本発明の細胞または細胞系を曝し、次いで適切な対照、例えば、試験化合物に曝されていない細胞と比較して、タンパク質活性の統計上有意な変化(例えば、p<0.05)を検出する。公知のアゴニストまたはアンタゴニストを使用する陽性および/または陰性対照および/または対象とするタンパク質を発現する細胞も使用することができる。当業者は、様々なアッセイパラメーター、例えばシグナル対ノイズ比を最適化することができることを理解するはずである。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の本発明の細胞または細胞系を、複数の試験化合物、例えば試験化合物のライブラリーに曝す。このような試験化合物のライブラリーは、本発明の細胞系を使用してスクリーニングし、対象とするタンパク質の1つまたは複数のモジュレーターを同定することができる。試験化合物は、小分子、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣体、抗体またはその抗原結合部分、天然化合物、合成化合物、抽出物、脂質、洗浄剤などを含めた化学成分であってよい。抗体の場合、それらは非ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体であってよい。抗体は、抗体断片(例えば、FabおよびFab、Fab’、F(ab’)2,、Fd、Fv、dAbなど)を含めた、任意の抗体の重鎖および軽鎖または抗原結合部分の完全補体を含む完全抗体、単鎖抗体(scFv)、単鎖ドメイン抗体、重鎖または軽鎖可変領域の全てまたは抗原結合部分であってよい。
いくつかの実施形態では、試験化合物に曝す前に、本発明の細胞または細胞系を、例えば、哺乳動物または他の動物酵素、植物酵素、細菌酵素、タンパク質修飾酵素および脂質修飾酵素を含めた酵素を用いた前処理によって修飾することができる。このような酵素は、例えば、キナーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼ、グリコシダーゼ、オキシレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ細菌プロテアーゼ、消化管由来のプロテアーゼ、GI管由来のプロテアーゼ、唾液中、口腔中のプロテアーゼ、リゾール細胞/細菌由来のプロテアーゼなどを含むことができる。あるいは、細胞および細胞系を最初に試験化合物に曝し、次に酵素処理して、その処理によってタンパク質の修飾を変える化合物を同定することができる。
いくつかの実施形態では、大きな化合物の集合を、例えば96ウエル、384ウエル、1536ウエルまたはそれより高密度の形式を使用して、細胞ベース、機能性、高スループットスクリーニング(HTS)においてタンパク質調節活性に関して試験する。いくつかの実施形態では、試験化合物のライブラリーを含めた、1つの試験化合物または多数の試験化合物を、2つ以上の本発明の細胞または細胞系を使用してスクリーニングすることができる。
いくつかの実施形態では、本発明の細胞および細胞系は、対象とするタンパク質のモジュレーターに対する高い感受性を有する。本発明の細胞および細胞系は、タンパク質に関する生理的範囲のEC50またはIC50値でモジュレーターにも応答する。本明細書で使用するように、EC50は、細胞または細胞系中で半最大活性化応答を誘導するのに必要とされる化合物または物質の濃度を指す。本明細書で使用するように、IC50は、細胞または細胞系中で半最大阻害応答を誘導するのに必要とされる化合物または物質の濃度を指す。EC50およびIC50値は、当技術分野で周知である技法、例えば、化合物または物質の濃度とタンパク質発現細胞系の応答を関連付ける用量応答曲線を使用して決定することができる。
本発明の細胞および細胞系のさらなる有利な特徴は、これらの細胞および細胞系を使用して一次スクリーニングにおいて同定したモジュレーターが、二次機能アッセイにおいて機能的であることである。当業者が理解するように、一次スクリーニングアッセイにおいて同定した化合物は、典型的にはコンビナトリアルケミストリー、医療化学または合成化学などによって、その誘導体またはアナログが二次機能アッセイにおいて機能的であるように修飾しなければならない。しかしながら、本発明の細胞および細胞系の高い生理的関連性のため、これらの細胞および細胞系を使用して同定した多くの化合物は、さらなる修飾なしで機能的である。いくつかの実施形態では、一次アッセイにおいて同定した少なくとも25%、30%、40%、50%またはより多くのモジュレーターが、二次アッセイにおいて機能的である。さらに、本発明の細胞系は、「標準的」アッセイに匹敵する機能アッセイにおいて働く。例えば、GABA A受容体を発現する本発明の細胞系は、膜電位アッセイおよび電気生理学においてほぼ同様に働く。
本発明のこれらおよび他の実施形態は、以下の非限定的な実施例でさらに例示することができる。
(実施例1)
安定なGABA発現細胞系の作製
発現ベクターの作製
pCMV−SCRIPT(Stratagene)に基づいて、合理的なクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターを作製し、CMVおよびSV40真核生物プロモーター;SV40およびHSV−TKポリアデニル化配列;マルチクローニング部位;Kozak配列;ならびにネオマイシン/カナマイシン耐性カセットを含む、対象とする遺伝子の転写および翻訳に必要な様々な構成要素を含めた。
ステップ1−トランスフェクション
本発明者らは、293T細胞およびCHO細胞の両方をトランスフェクトした。実施例ではCHO細胞に着目し、このCHO細胞を、1つはヒトGABAαサブユニット(配列番号GABA1−GABA4)をコードしており、1つはヒトGABAβ3サブユニット(配列番号GABA5)をコードしており、もう1つはヒトGABAγ2サブユニット(配列番号GABA6)をコードしている3つの別個のプラスミドで、以下のα1β3γ2s(α1)、α2β3γ2s(α2)、α3β3γ2s(α3)およびα5β3γ2s(α5)の組合せで同時トランスフェクトした。当業者に理解されるように、選択された宿主細胞と一緒に使用するのに適当な任意の試薬を使用して、適切な最適化によって宿主細胞中に核酸、例えば、プラスミド、オリゴヌクレオチド、標識オリゴヌクレオチドを誘導することができる。宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、Lipofectamine、Lipofectamine2000、Oligofectamine、TFX試薬、Fugene6、DOTAP/DOPE、Metafectine、またはFecturinを含むがこれらに限定されない。
本発明の方法において薬剤選択は任意であるが、本発明者らは1つのプラスミド当たり1つの薬剤耐性マーカーを含めた。配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルリングプローブによる検出用のタグをコードしている非翻訳配列もまた、薬剤耐性マーカーをコードしている配列に加えて存在していた。利用された標的配列は、GABA標的配列1(配列番号GABA7)、GABA標的配列2(配列番号GABA8)およびGABA標的配列3(配列番号GABA9)であった。これらの例において、GABAαサブユニット遺伝子含有ベクターはGABA標的配列1を含み、GABAβサブユニット遺伝子含有ベクターはGABA標的配列2を含み、GABAγサブユニット遺伝子含有ベクターはGABA標的配列3を含んでいた。
ステップ2−選択ステップ
トランスフェクトした細胞を、HAMF12−FBS中で2日間、続いて抗生物質含有HAMF12−FBS中で14日間増殖させた。抗生物質含有期間は、以下の通り抗生物質を培地に添加した:ピューロマイシン(3μg/ml)、ハイグロマイシン(150μg/ml)、およびG418/ネオマイシン(300μg/ml)。
ステップ3−細胞の継代培養
抗生物質選択に続いて蛍光プローブの誘導前に、抗生物質の不在下で細胞を6〜18回継代培養して、治まるまでの選択期間にわたって、不安定な発現のための時間を与えた。
ステップ4−細胞の蛍光プローブへの曝露
細胞を回収し、GABAシグナルリングプローブ(配列番号GABA10〜GABA12)でトランスフェクトした。当業者に理解されるように、選択された宿主細胞と一緒に使用するのに適当な任意の試薬を使用して、適切な最適化によって宿主細胞中に核酸、例えば、プラスミド、オリゴヌクレオチド、標識オリゴヌクレオチドを誘導することができる。宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、Lipofectamine、Lipofectamine2000、Oligofectamine、TFX試薬、Fugene6、DOTAP/DOPE、Metafectine、またはFecturinを含むがこれらに限定されない。
GABAシグナルリングプローブ1はGABA標的配列1に結合し、GABAシグナルリングプローブ2はGABA標的配列2に結合し、GABAシグナルリングプローブ3はGABA標的配列3に結合する。次いで細胞を分析のために回収し、蛍光活性化セルソーター(下記)を使用して選別した。
シグナルリングプローブによって検出される標的配列
Figure 2015126747
シグナルリングプローブ
100μMストックとして供給
Cy5と同様のスペクトル特性を有するQuasar Dye(BioSearch)を使用した同様のプローブを、ある特定の実験において使用した。場合によっては、DNAプローブではなく5−MedCおよび2−アミノdAミックスマープローブを使用したことも留意されたい。
Figure 2015126747
Figure 2015126747
BHQ3はBHQ2またはプローブ1もしくはプローブ2中の金粒子と置換することができることに留意されたい。
Figure 2015126747
BHQ1はBHQ2またはプローブ3中のDabcylと置換することができることに留意されたい。
ステップ5−陽性細胞の単離
蛍光活性化セルソーターを使用した分析および選別のために、細胞を解離させ、回収した。標準的な分析方法を使用して、バックグラウンドを超える蛍光を発している細胞にゲートをかけ、バーコード付き96ウェルプレート中のゲートに入った個々の細胞を単離した。ゲートの階層は以下の通りであった:ゲートの階層:コインシデンスゲート>シングレットゲート>ライブゲート>ソートゲート。このゲーティング方法で、バーコード付き96ウェルプレート中への選別用に上位0.04〜0.4%のトリプル陽性細胞をマークした。
ステップ6−ステップ1〜5および/または3〜5の追加サイクル
より多くの細胞を得るために、ステップ1〜5および/または3〜5を繰り返した。ステップ1〜5の独立した2回のラウンドを終了させ、これらの各サイクルについて、独立したラウンドで合計して少なくとも3回のステップ3〜5の内部サイクルを行った。
ステップ7−細胞集団の増殖速度の推定
プレートを、Hamilton Microlabstar自動化液体ハンドラーへ移した。細胞を、2〜3日馴化した増殖培地:100単位/mlのペニシリンに加えて0.1mg/mlのストレプトマイシンを添加した新しい増殖培地(増殖培地はハムF12/10%FBS)の1:1の混合物中で5〜7日間インキュベートし、次いで0.25%トリプシンを用いてトリプシン化により分散させて塊を最小化し、新しい96ウェルプレートに移した。クローンを分散させた後、プレートを画像化してウェルの集密度を決定した(Genetix)。プレート全体での信頼性の高い画像取得のために、各プレートに焦点を合わせた。記録された集密度が70%を超えるものは、信頼性なしとした。集密度の測定値は、9日間(分散後1〜10日)にわたって3日間毎に取得し、増殖速度を計算するために使用した。
ステップ8−増殖速度推定値による細胞集団の区分
ステップ7における分散ステップ後10〜11日間の増殖速度によって細胞を区分した(独立して群に分け、コホートとしてプレーティングした)。下流のハンドリングのために区分を独立して回収し、個々の96ウェルプレート上にプレーティングしたが、特定の1区分当たりに複数の標的プレートが存在したはずである。増殖速度の隔たりを考慮することおよび細胞集団の総数の高い割合が含まれている範囲を一括して扱うことによって、区分を計算した。選別の繰返し(ステップ5を参照されたい)に応じて、5〜6個の増殖区分を1〜4日の区画とともに使用した。したがって各区分は、繰返しに応じて12〜14.4時間の増殖速度または集団倍加時間に対応していた。
ステップ9−並行処理の速度を速め、ストリンジェントなQCを提供するためのレプリカプレーティング
標準的な一定条件(加湿された37℃の、5%CO/95%空気)下で、抗生物質を含まないハムF12培地/10%FBS中で、プレートをインキュベートした。細胞のプレートを、4セットの標的プレートを生じるように分割した(セットは全増殖区分を有する全プレートからなり、これらのステップによって確実に最初のセットの4個の複製が存在する)。2個までの標的プレートセットを、低温保存に付し(下記参照)、継代のためおよび機能アッセイ実験のために残りのセットを拡大し、さらにレプリカをプレーティングした。各独立して行われたプレートのセットについて、異なる別の組織培養試薬、インキュベーター、担当者および二酸化炭素発生源を使用した。全ての組織培養試薬の適切な作製および品質を確実にするために、品質管理ステップを行った:使用するために調製された培地の各ボトルに添加された各成分培地は、1つの指定されたフードにおいて1人の指定された個人が、このフードにおいてはその試薬だけを用いて添加し、第2の指定された個人がミスを回避するためにモニターした。液体ハンドリングの条件は、ウェル間のクロスコンタミネーションを除去するように設定した。全てのステップについて新しいチップを使用するか、またはストリンジェントなチップ洗浄プロトコールを使用した。正確な容量の移し替え、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティング速度および配置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置のために、液体ハンドリング条件を設定した。
ステップ10−細胞集団の初期継代ストックの凍結
少なくとも2個のプレートのセットを、−70〜−80℃で凍結した。各セットのプレートを、まず70〜100%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび10%DMSOを添加した。プレートをパラフィルムでシールし、次いで個々に1〜5cmの発泡体で囲み、−80℃の冷凍庫中に置いた。
ステップ11−VSFを作製するための初期の形質転換ステップのための方法および条件
残りのプレートのセットを、ステップ9(上記)に記載の通り維持した。全ての細胞分割は、培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体ハンドリングステップを使用して行った。
ステップ12−増殖速度の余分な変動を補正するための正規化方法
全ての細胞集団について、細胞および培養条件の一貫性および基準化を照合した。増殖速度のわずかな差によるプレート間のいかなる差も、プレート全体の細胞数の定期的な正規化によって照合されたはずである。
ステップ13−細胞集団の特徴付け
細胞を6〜8週間の細胞培養に維持して、これらの条件下でin vitro進化させた。この期間中、本発明者らは大きさ、形態、脆弱性、トリプシン化もしくは解離に対する応答、解離後の円形度/平均円形度、生存百分率、微小集密傾向、または培養プレート表面への接着性などの細胞維持の他の特徴を観察した。
ステップ14−VSF条件下での細胞集団の潜在的機能性の評価
機能的基準を使用して細胞集団を試験した。膜電位アッセイキット(Molecular Devices/MDS)を、製造業者の使用説明書に従って使用した。細胞を、多数の異なる密度で96または384ウェルプレートにおいて試験し、応答を分析した。プレーティング後の様々な時点、例えば、プレーティング後12〜48時間を使用した。異なる密度のプレーティングについてもまた、アッセイ応答の違いについて試験した。
ステップ15
低い継代数およびより高い継代数で行った実験の機能的応答を比較して、3〜9週間の範囲の所定の期間にわたって最も一貫した応答を有する細胞を同定した。形態、微小集密傾向、およびプレーティング後に培養基質に付着するまでの時間を含む、時間をわたって変化した細胞の他の特徴もまた書き留める。
ステップ16
機能的なおよび他の基準を満たす細胞集団をさらに評価して、生存可能で、安定かつ機能的な細胞系を作製するのに最も扱いやすい細胞集団を決定した。選択した細胞集団を、より大きい組織培養容器において拡大増殖させ、上記の特徴付けステップをこれらの条件下で継続または反復した。この時点で、一貫した信頼性のある継代のために、追加の基準化ステップを導入した。これらのステップは、種々のプレーティング細胞密度、継代時間、培養皿のサイズ/フォーマットおよびコーティング、フルイディクス最適化、細胞解離の最適化(型、使用する量、および時間の長さ)、ならびに洗浄ステップを含んでいた。培養下で4週間にわたって数日毎に試験した場合、アッセイZ’スコアは安定であった。
また、各継代での細胞の生存率を決定した。手作業による操作を増やし、細胞をより注意深く観察および監視した。この情報を使用して、望ましい特性を保有している最終的な細胞系の同定および選択を支援した。一貫した増殖、適切な接着性、ならびに機能的応答を示す最終的な細胞系および予備の細胞系を選択した。
ステップ17−細胞バンクの確立
最終的な細胞系および予備の細胞系に対応する低継代の凍結プレート(上記参照)を37℃で融解し、ハムF12/10%FBSで2回洗浄し、加湿した37℃/5%CO2条件においてインキュベートした。次いで細胞を2〜3週間拡大増殖させた。それぞれ1000万個の細胞を有する25個のバイアルからなる各最終および予備細胞系の細胞バンクを確立した。
ステップ18
細胞バンクの少なくとも1つのバイアルを融解し、培養下で拡大増殖させた。得られた細胞を、それらがもともと選択された理由となった同じ特徴を満たすことを確認するために試験した。
(実施例2)
GABAリガンドに対するGABA細胞系の応答の検証
GABA(α1β3γ2s(α1)、α2β3γ2s(α2)、α3β3γ2s(α3)およびα5β3γ2s(α5)のサブユニットの組合せ)GABA、内因性GABAリガンドを発現しているCHO細胞系の応答を評価した。細胞系のGABAとの相互作用を、以下のプロトコールを使用して、GABAに対する応答においてGABAの膜電位を測定することによって評価した。
細胞を、増殖培地(FBSおよびグルタミンを添加したハムF−12培地)中で、384ウェルプレートにおいてウェル当たり10〜25000細胞で、アッセイの24時間前にプレーティングした。培地除去に続いて、ロードバッファー(137mMのNaCl、5mMのKCl、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中で希釈した膜電位色素を添加した。インキュベーションは1時間であり、その後プレートを高スループット蛍光プレートリーダー(Hamamastu FDSS)に載せた。GABAリガンドを、MPアッセイバッファー(137mMのNaCl、5mMのKグルコネート、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中で望ましい濃度まで希釈し(必要な場合は、GABAの段階希釈液を作製した、使用された濃度:3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1μM、3μM、10μM)、各ウェルに加えた。プレートを90秒間読み取った。
表GABA1(下記)は、それぞれの生成した細胞系がGABAリガンドに対して応答することを示す。これらの結果は、作製されたGABA細胞系が予想通り内因性リガンドに対して応答し、高スループットスクリーニングアッセイにおいて使用するために生理学的に適切であることを示す。さらに、複製ウェルはウェル毎に正確なEC50値を生じ、GABA細胞系の高い再現性を示した。膜電位アッセイを使用して生じたZ’値は、α1β3γ2s 0.58、α2β3γ2s 0.67、α3β3γ2s 0.69およびα5β3γ2s 0.62であった。
(実施例3)
公知のGABAモジュレーターを使用したGABA細胞系のさらなる検証
GABA細胞系および膜電位アッセイを、実施例2に記載の方法によって、30μM、10μM、3μM、1μM、300nM、100nMおよび30nMのビククリン(公知のアンタゴニスト)のアッセイバッファーにおける段階希釈液を使用して検証した。
ビククリンは、EC50濃度のGABAの存在下において全ての4つのGABA細胞系と相互作用することが判明した。これらの結果は、作製されたGABA細胞系が予想通りこの公知のGABAモジュレーターに対して応答し、高スループットスクリーニングアッセイにおいて使用するために生理学的および薬理学的に適切であることを示す。
(実施例4)
膜電位アッセイを使用した天然のGABA機能についてのGABA発現細胞系の特徴付け
GABA(α1β3γ2s(α1)、α2β3γ2s(α2)、α3β3γ2s(α3)およびα5β3γ2s(α5)のサブユニットの組合せ)発現CHO細胞系の、LOPAC1280(Library of Pharmacologically Active Compounds)由来の1280種の化合物との相互作用を評価した(Sigma−RBI Prod.No.LO1280)。LOPAC1280ライブラリーは、文書により十分に立証された薬理学的活性を有する高純度の小有機リガンドを含む。細胞系の試験化合物との相互作用を、以下のプロトコールを使用して、試験化合物に対する応答においてGABAの膜電位を測定することによって評価した。
細胞を、増殖培地(FBSおよびグルタミンを添加したハムF−12培地)中で、384ウェルプレートにおいてウェル当たり10〜25000細胞で、アッセイの24時間前にプレーティングした。培地除去に続いて、ロードバッファー(137mMのNaCl、5mMのKCl、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中で希釈した膜電位色素を添加した。インキュベーションは1時間であり、その後プレートを高スループット蛍光プレートリーダー(Hamamastu FDSS)に載せた。試験化合物を、MPアッセイバッファー(137mMのNaCl、5mMのKグルコネート、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中で望ましい濃度まで希釈し(必要な場合は、それぞれの試験化合物の段階希釈液を作製した、使用された濃度:3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1μM、3μM、10μM)、各ウェルに加えた。プレートを90秒間読み取った。
結果
作製したGABA細胞系に対する各化合物の活性を測定し、GABA(内因性リガンド)以上の活性を示す化合物を陽性ヒットとしてスコアを付けた。スクリーニングした1280種の化合物のうち34種が、GABAより良いとは言わないが同程度に少なくとも1つの細胞系(すなわち、α1、α2、α3およびα5のいずれか)を活性化した。これらの化合物のうち17種の、作製したGABA細胞系との相互作用を以下の用量反応試験において確認した。GABAが存在する必要があるモジュレーター、部分的アゴニストおよび低力価化合物は一覧表に含めなかった。
スクリーニングアッセイは、LOPACライブラリーにおけるそれぞれのGABAアゴニストを特定した:GABA(内因性リガンド)、プロポフォール、イソグバシン塩酸塩、ムシモール臭化水素酸塩、ピペリジン−4−スルホン酸、3−α,21−ジヒドロキシ−5−α−プレグナン−20−オン(神経ステロイド)、5−α−プレグナン−3α−オール−11,20−ジオン(神経ステロイド)、5−α−プレグナン(pegnan)−3α−オール−20−オン(神経ステロイド)、およびトラカゾラート。結果は、作製したGABA細胞系が生理学的に適切に応答する(例えば、これらは内因性受容体のアゴニストに対して応答する)ことを示す。これらの8個のアゴニストのEC50値を決定したものが、表GABA1(下記)に含まれる。
スクリーニングアッセイはまた、GABAアゴニストとして記載されていないがGABAに関連する別の活性を有していることが公知の、本発明者らがエタゾラート(ホスホジエステラーゼ阻害剤)、アンドロステロン(ステロイドホルモン)、クロルメザノン(筋弛緩薬)、およびイベルメクチン(塩素チャネルに作用することが公知の駆虫薬)と表した、LOPACライブラリー中の4個の化合物も特定した。これらの4個の化合物のEC50値を決定したものを、表GABA1(下記)に要約した。
スクリーニングアッセイは、これまでGABAと相互作用することが知られていなかった、LOPACライブラリー中の4個の化合物をさらに特定した。これらの新規な化合物は以下を含む:ジピリミドール(アデノシンデアミナーゼ阻害剤)、ニクロサミド(駆虫薬)、チルホシンA9(PDGFR阻害剤)、およびI−Ome−チルホシンAG538(IGF RTK阻害剤)。これらの4個の化合物のEC50値を決定したものを、表GABA1(下記)に要約した。
表GABA1に要約されたスクリーニングアッセイ結果:
Figure 2015126747
Figure 2015126747
(実施例5)
電気生理学的アッセイを使用した天然のGABA機能についてのGABA−CHO細胞の特徴付け
以下の電圧固定プロトコールを使用した:膜電位を−60mVの保持電位に固定した。バッファーで中間洗浄をしてGABA濃度を増加させながら(0.10〜100μM)2秒の印加によって、電流を誘発した。
全細胞受容体電流は、100μMのGABAに応答してα2、α3、およびα5GABA細胞系と、GABAの増加する濃度(ログ単位で0.10〜100μM)に応答してα1GABA細胞系をたどり、上記の高スループットスクリーニングアッセイに加えて旧来の電気生理学アッセイにおいてGABA細胞系の使用が可能であることを裏付ける。これらの電気生理学アッセイ結果は、実施例2の膜電位アッセイとともに、本発明において作製したGABA細胞系の生理的および薬理学的な適切性を裏付ける。電気生理学は、GABA受容体モジュレーターの検出の信頼性のある方法として認められている。本発明者らのデータは、本発明の細胞系が膜電位アッセイを使用して同様に信頼性のある結果をもたらすことができることを示す。先行技術の細胞系は、電気生理学よりも安価で迅速なこの膜電位アッセイを効率的に利用するための十分な信頼性または感度がない。したがって、本発明の細胞系は、電気生理学を使用して利用できるよりもはるかに大きな規模でのスクリーニングを可能にする(電気生理学を使用して1日当たり100回未満と比較して膜電位アッセイを使用して1日当たり10000回のアッセイ)。
(実施例6)
ハロゲン化物感受性meYFPを使用した天然のGABA機能についての細胞内リードアウトアッセイの特徴付け
GABA(α1β3γ2s(A1)、α2β3γ2s(A2)、α3β3γ2s(A3)およびα5β3γ2s(A5)のサブユニットの組合せ)を発現している本発明のCHO細胞の、試験化合物に対する応答を、細胞内リードアウトアッセイのための以下のプロトコールを使用して評価した。
細胞を、増殖培地(FBSおよびグルタミンを添加したハムF−12培地)中で、384ウェルプレートにおいてウェル当たり10〜25000細胞で、アッセイの24時間前にプレーティングした。培地除去の後、ローディングバッファー(135mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、10mMのHEPES、10mMのグルコース)を添加し、1時間インキュベーションした。次いでアッセイプレートをFDSS(Hamamatsu Corporation)に載せた。試験化合物(例えば、GABAリガンド)を、アッセイバッファー(150mMのNal、5mMのKCl、1.25mMのCaCl、1mMのMgCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中で望ましい濃度まで希釈し(必要な場合は、それぞれの試験化合物の段階希釈液を作製した、使用された有効濃度:3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1μM、3μM、10μM)、各ウェルに加えた。プレートを90秒間読み取った。
GABAリガンド濃度の増加に応答して、GABA−meYFP−CHO細胞は、meYFPシグナルの消光が増加することを示す。この消光を使用して、GABA活性化の用量反応曲線を計算することができる。細胞内リードアウトアッセイにより作製されたGABA用量反応曲線は、実施例3に記載の膜Potential Blueアッセイによって作製された曲線と類似している。これらのデータは、本発明の細胞がGABAモジュレーターを決定するための細胞内リードアウトアッセイにおいて使用可能であることを示す。
(実施例8)
安定なGC−C発現細胞系の作製
293T細胞を、標準的な技術を使用してヒトGC−C遺伝子(配列番号GCC3)をコードするプラスミドでトランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)
本発明の方法において薬剤選択は任意であるが、本発明者らはヒトGC−C遺伝子をコードするプラスミド中に1つの薬剤耐性マーカーを含めた。GC−C配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルリングプローブによる検出用のタグをコードしている非翻訳配列もまた、薬剤耐性マーカーをコードしている配列に加えて存在していた。利用した標的配列は、GC−C標的配列1(配列番号GCC1)であった。この実施例において、GC−C遺伝子含有ベクターはGC−C標的配列1を含んでいた。
トランスフェクトした細胞を、DMEM−FBS培地中で2日間、その後500μg/mlのハイグロマイシン含有DMEM−FBS中で10日間、次いでDMEM−FBS中で残りの時間、合計して4〜5週間(それぞれの単離に応じて)、シグナルリングプローブ添加の前にDMEM/10%FBS中で増殖させた。
抗生物質での集積に続いて、抗生物質選択の不在下で細胞を8〜10回継代培養し、治まるまでの選択期間にわたって、不安定な発現のための時間を与えた。
細胞を回収し、標準的な技術を使用してGC−Cシグナルリングプローブ1(配列番号GCC2)でトランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)次いで分析のために細胞を解離させ、回収し、蛍光活性化セルソーターを使用して選別した。
Figure 2015126747
加えて、Cy5と同様のスペクトル特性を有するQUASAR(登録商標)Dye(BioSearch)を使用した同様のプローブを、ある特定の実験において使用した。いくつかの実験において、DNAプローブではなく5−MedCおよび2−アミノdAミックスマーを使用した。
蛍光活性化セルソーターを使用した分析および選別のために、細胞を解離させ、回収した。標準的な分析方法を使用して、バックグラウンドを超える蛍光を発している細胞を通過させ、バーコード付き96ウェルプレート中のゲートに入った個々の細胞を単離した。以下のゲートの階層を使用した:プロットFAM対Cy5においてコインシデンスゲート→シングレットゲート→ライブゲート→ソートゲート:0.3%の生細胞。
より多くの細胞を得るために、上記のステップを繰り返した。全ての上記のステップを2ラウンド行った。加えて、細胞の継代培養、シグナルリングプローブへの曝露および蛍光活性化セルソーターの一連のステップによる陽性細胞の単離を、それぞれのトランスフェクションラウンドについて合計で2回行った。
プレートを、MICROLAB STAR(商標)(Hamilton Robotics)へ移した。細胞を、100Uのペニシリンおよび0.1mg/mlのストレプトマイシンを添加した、新しい完全増殖培地および2日馴化した増殖培地の1:1の混合物100μl中で9日間インキュベートし、2回のトリプシン化により分散させて塊を最小化し、新しい96ウェルプレートに移した。プレートを画像化してウェルの集密度を決定した(Genetix)。プレート全体での確実な画像取得のために、各プレートに焦点を合わせた。記録された集密度が70%を超えるものは、信頼性なしとした。集密度の測定値は連続する3日間で取得し、増殖速度を計算するために使用した。
分散ステップ後3日間の増殖速度によって細胞を区分した(独立して群に分け、コホートとしてプレーティングした)。それぞれの4つの増殖区分を個々の96ウェルプレートに分けたが、いくつかの増殖区分は複数の96ウェルプレートになった。増殖速度の隔たりを考慮することおよび細胞集団の総数の高い割合が含まれている範囲を一括して扱うことによって、区分を計算した。区分を計算して、増殖速度の12時間での差をコンピューターに取り込んだ。
細胞は1日未満〜2週間超の倍加時間を有し得る。増殖速度によって同時に合理的に区分することができる最も多様なクローンを処理するために、1区分当たり0.25〜0.7日の倍加時間を有する3〜9区分を使用することが好ましい。当業者は、特定の状況のために区分の厳密性および区分の数を調整可能であること、および細胞を細胞周期に同調させた場合、区分の厳密性および区分の数をさらに調整可能であることを理解するはずである。
正規化した一定条件(DMEM/FBS、37℃、5%CO)下で、抗生物質なしでプレートをインキュベートした。細胞のプレートを、5セットの96ウェルプレート(3セットは凍結用、1セットはアッセイ用および1セットは継代用)を生じるように分割した。それぞれのプレートのセットについて、異なる別の組織培養試薬、インキュベーター、担当者および二酸化炭素発生源を、作業の流れの下流で使用した。全ての組織培養試薬の適切な作製および品質を確実にするために、品質管理ステップを行った:使用するために調製された培地の各ボトルに添加された各成分培地は、1つの指定されたフードにおいて1人の指定された個人が、このフードにおいてはその試薬だけを用いて添加し、第2の指定された個人がミスを回避するために監視する。液体ハンドリングの条件は、ウェル間のクロスコンタミネーションを除去するように設定した。全てのステップについて新しいチップを使用するか、またはストリンジェントなチップ洗浄プロトコールを使用した。正確な容量の移し替え、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティング速度および配置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置のために、液体ハンドリング条件を設定した。
1セットのプレートを−70〜−80℃で凍結した。セットのプレートを、まず70〜100%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび10%DMSOを添加した。プレートをパラフィルムで個々にシールし、1〜5cmの発泡体で囲み、冷凍庫中に置いた。
残りの2セットのプレートを、上述の通り正規化した一定条件下に維持した。全ての細胞分割は、培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体ハンドリングステップを使用して行った。
全ての細胞集団について、細胞および培養条件の一貫性および基準化を照合した。増殖速度のわずかな差によるプレート間の差は、プレート全体の細胞数の定期的な正規化によって照合され、リアレイ後3継代生じた。アウトライアーである細胞集団を検出して排除した。
細胞を3〜6週間維持して、これらの条件下でin vitro進化させた。この期間中、本発明者らは大きさ、形態、微小集密傾向、脆弱性、トリプシン化に対する応答およびトリプシン化後の平均円形度、または培養プレート表面への接着性および液体添加時のブローオフ耐性などの細胞維持の他の特徴を観察した。
機能的基準を使用して細胞集団を試験した。製造業者の使用説明書:(http://www.assaydesigns.com/objects/catalog//product/extras/900〜014.pdf)に従ってDirect Cyclic GMP Enzyme Immunoassay Kit(Cat.900〜014;AssayDesigns,Inc.)を使用した。細胞を、4つの異なる密度で96または384ウェルプレートにおいて試験し、反応を分析した。本発明のGC−C発現細胞系について以下の条件を使用した:
クローンスクリーニング:アッセイ48時間前に集密96ウェルプレートの1:2および1:3分割、30分のグアニリン処理。
用量反応試験:ウェル当たり20000、40000、60000、80000、120000および160000の密度、30分のグアニリン処理(実施例9参照)。
Z’試験:ウェル当たり160000および200000の密度を使用、30分のグアニリン処理(実施例10参照)。
低い継代数およびより高い継代数で行った実験の機能的反応を比較して、4〜10週間の範囲の所定の期間にわたって最も一貫した反応を有する細胞を同定した。時間をわたって変化した他の細胞の特徴もまた書き留めた。
機能的なおよび他の基準を満たす細胞集団をさらに評価して、生存可能で、安定かつ機能的な細胞系を作製するのに最も扱いやすい細胞集団を決定した。選択した細胞集団を、より大きい組織培養容器において拡大増殖させ、上記の特徴付けステップをこれらの条件下で継続または反復した。この時点で、一貫した信頼性のある継代のために、種々の細胞密度;プレーティング時間;細胞培養継代の長さ;細胞培養皿フォーマットおよびコーティング;速度およびせん断力を含むフルイディクス最適化;継代時間;および洗浄ステップなどのさらなる基準化ステップを導入した。また、各継代での細胞の生存率を決定した。手作業による操作を増やし、細胞をより注意深く観察および監視した。この情報を使用して、望ましい特性を保有している最終的な細胞系の同定および選択を支援した。このプロセスに従ってこれらの条件下で作製したときに適切な接着性/粘着性および増殖速度ならびに均一なプレーティング(微小集密がない)を示す最終的な細胞系および予備の細胞系(合計20クローン)を選択した。
DMEM/10%FBS/HEPES/L−Glu中で24ウェル、6ウェルおよび10cmディッシュによってリアレイした96ウェルプレートの凍結していない集団を拡大増殖させることによって、選択した20個のクローンのそれぞれにつき最初の凍結ストックのバイアル3個を作製した。最終的な細胞系および予備の細胞系に対応する低継代の凍結ストックを37℃で融解し、FBS含有DMEMで2回洗浄し、同様にインキュベートした。次いで細胞を2〜4週間拡大増殖させた。2個の最終的なクローンを選択した。
最初の凍結の1個のクローン由来の1個のバイアルを融解し、培養下で拡大増殖させた。得られた細胞を、それらがもともと選択された理由となった同じ特徴を満たすことを確認するために試験した。20個〜100個超のバイアルからなる各細胞系の細胞バンクを確立することができる。
細胞系が生存可能であり、安定かつ機能的であることを確認するために、以下のステップもまた実施することができる:細胞バンクの少なくとも1つのバイアルを融解し、培養下で拡大増殖させた;得られた細胞を、もともと選択された理由となった同じ特徴を満たすかどうかを決定するために試験する。
(実施例9)
天然のGC−C機能についての細胞系の特徴付け
cGMP検出のための競合的ELISAを使用して、作製したGC−C発現細胞系における天然のGC−C機能を特徴付けした。GC−C発現細胞を、10%ウシ胎仔血清、グルタミンおよびHEPESを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で標準的な細胞培養条件下に維持し、T175cmフラスコにおいて増殖させた。ELISAのために、細胞をコート96ウェルプレート(ポリ−D−リシン)にプレーティングした。
細胞処理および細胞溶解プロトコール
細胞を無血清培地で2回洗浄し、1mMのIBMXとともに30分間インキュベートした。次いで望ましい活性化剤(すなわち、グアニリン、0.001〜40μM)を細胞に添加し、30〜40分間インキュベートした。上清を除去し、細胞をTBSバッファーで洗浄した。細胞を0.1NのHClで溶解した。これに続いて0.1NのHClで溶解し、−20℃/室温で凍結/融解サイクルを行った。解凍した溶解物(試料をエッペンドルフチューブ中で10000rpmでスピンした)を遠心分離にかけて、細胞破片をペレット化した。次いで、透明になった上清溶解物をELISAプレートに移した。
ELISAプロトコール
別途指定のない限り、室温で以下のステップの全てを行った。ELISAプレートを、コーティングバッファー(炭酸/重炭酸Naバッファー、0.1M最終、pH9.6)において抗IgG抗体により4℃で一晩コートした。次いでプレートを洗浄バッファー(TBS−Tween20、0.05%)で洗浄し、その後ブロッキング試薬を添加した。ブロッキング試薬とともに37℃で1時間インキュベーション後、プレートを洗浄バッファーで洗浄した。次いでウサギ抗cGMPポリクローナル抗体(Chemicon)を加え、その後1時間インキュベーションし、続いて洗浄バッファーで洗浄した。次いで細胞溶解物を加え、1時間インキュベートした後に続いてcGMP−ビオチンコンジュゲート(1および10nMの8−ビオチン−AET−cGMP(Biolog))を添加した。プレートを2時間インキュベートし、次いで洗浄バッファーで洗浄した。ストレプトアビジン−アルカリホスフェートを次いで添加し、1時間インキュベートし、次いで洗浄バッファーで洗浄した。プレートを、PNPP基質(Sigma)と少なくとも1時間(好ましくは2〜5時間)インキュベートした。次いで吸光度をSAFIRE(商標)プレートリーダー(Tecan)において405nmで読み取った。
ELISAにおいて細胞溶解物を使用しなかった場合に最大吸光度が見られた(対照)。100nMのグアニリン(クローン)で処理した、作製したGC−C発現細胞系の細胞溶解物で吸光度の減少(cGMPレベルの増加に対応)が観察された。
100nMグアニリンで処理した、作製したGC−C発現細胞系におけるcGMPレベルもまた、Direct Cyclic GMP Enzyme Immunoassay Kit(Cat.900〜014;AssayDesigns,Inc.)を使用して、GC−Cを発現していない親細胞系対照試料(示さず)と比較した。GC−C発現細胞系は、グアニリンで処理した、および処理していない親細胞よりも大幅な吸光度の減少(cGMPレベルの増加に対応)を示した。
グアニリン用量反応実験のために、96ウェルプレート中で20000、40000、60000、80000、120000および160000細胞/ウェルの密度でプレーティングされた、作製したGC−C発現細胞系の細胞を、グアニリン濃度を増加させながら30分間試験した。cGMPレベルの変化の関数としての細胞応答(すなわち、吸光度)(Direct Cyclic GMP Enzyme Immunoassay Kit(Cat.900〜014;AssayDesigns,Inc.を使用して測定した場合)を、SAFIRE(商標)プレートリーダー(Tecan)を使用して検出した。次いでデータをグアニリン濃度の関数としてプロットし、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して非線形回帰分析を使用して分析し、1.1nMのEC50値を得た。作製したGC−C発現細胞系は、低濃度のグアニリンで処理した場合、別の細胞系において以前報告されているもの(3.5pmol/ml)(Forteら、Endocr.140(4):1800〜1806頁(1999年))と比較してより高いレベルのcGMP(6pmol/ml)を示し、クローンの効力を示す。
(実施例10)
GC−C発現細胞系Z’値の生成
作製したGC−C発現細胞系のZ’を、直接競合ELISAアッセイを使用して計算した。ELISAはDirect Cyclic GMP Enzyme Immunoassay Kit(Cat.900〜014;AssayDesigns,Inc.)を使用して行った。特に、Z’アッセイでは、96ウェルアッセイプレート中の24個の陽性対照ウェル(160000または200000細胞/ウェルの密度でプレーティングした)を、DMEM培地において40μMグアニリンのGC−C活性化カクテルおよびIBMXで30分間試験した。96ウェルアッセイプレートの体積および表面積を考慮すると、この量のグアニリンは、Forteら(1999年)Endocr.140(4)、1800〜1806頁によって使用された10μMに匹敵する濃度をもたらす。DMEM/IMBXにおいてクローン細胞を含有する同数のウェルを、ビヒクル単独で(アクチベーターの不在下で)試験した。2つの条件における吸光度(cGMPレベルに対応)を、SAFIRE(商標)プレートリーダー(Tecan)を使用して監視した。2つの条件における平均および標準偏差を計算し、Zhangら、J Biomol Screen、4(2):67〜73頁(1999年))の方法を使用してZ’をコンピューターで計算した。作製したGC−C発現細胞系のZ’値を0.72と決定した。
(実施例11)
短絡電流測定
GC−C発現細胞(初代または不死化上皮細胞、例えば、肺、腸、乳房、子宮、または腎臓の)を培養インサート(Snapwell、Corning Life Sciences)上にプレーティングして7〜14日後に、ウッシングチャンバー実験を行った。培養インサート上の細胞をすすぎ、ウッシング型装置(EasyMount Chamber System、Physiologic Instruments)中にマウントし、(mMで)120NaCl、25NaHCO、3.3KHPO、0.8KHPO、1.2CaCl、1.2MgCl、および10グルコースを含む、連続的にガスが供給され37℃に維持されているリンゲル液(O中5%CO、pH7.4)に浸した。ヘミチャンバーをマルチチャネル電圧電流クランプ(VCC−MC8、Physiologic Instruments)に接続する。電極[寒天橋(1M KCl中4%)Ag−AgCl]を使用し、インサートを0mVに電圧固定する。経上皮電流、電圧および抵抗を、実験継続中10秒毎に測定する。200mOhm未満の抵抗を有する膜を廃棄する。この第2のアッセイは、適切な細胞型(すなわち、緊密な連結を形成する細胞)において導入されたGC−CはCFTR活性を変化させ、また経上皮電流を調節しているという確証を与え得る。
(実施例12)
安定なCFTR発現細胞系の作製
発現構築体の作製
pCMV−SCRIPT(Stratagene)に基づいて、合理的なクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターを作製し、CMVおよびSV40真核生物プロモーター;SV40およびHSV−TKポリアデニル化配列;マルチクローニング部位;Kozak配列;ならびに薬剤耐性カセットを含む、対象とする遺伝子の転写および翻訳に必要な様々な構成要素を含めた。
細胞系の作製
ステップ1:トランスフェクション
CHO細胞を、標準的な技術を使用してヒトCFTR(配列番号CFTR1)をコードするプラスミドでトランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)
本発明の細胞または細胞系を作製するために薬剤選択は任意であるが、本発明者らはプラスミド中に1つの薬剤耐性マーカーを含めた(すなわち、ピューロマイシン)。CFTR配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルリングプローブによる検出用のCFTR標的配列をコードしている非翻訳配列もまた、薬剤耐性マーカーをコードしている配列に加えて存在していた。利用された標的配列はCFTR標的配列1(配列番号CFTR2)であり、この実施例において、CFTR遺伝子含有ベクターはCFTR標的配列1(配列番号CFTR2)を含んでいた。
ステップ2:選択
トランスフェクトした細胞を、抗生物質を含まないハムF12−FBS培地中で2日間、続いて12.5μg/mlのピューロマイシン含有ハムF12−FBS培地中で10日間増殖させた。次いで細胞を残りの時間、シグナルリングプローブ添加の前に、抗生物質を含まないハムF12−FBS培地に移した。
ステップ3:細胞の継代培養
抗生物質での集積に続いて、抗生物質選択の不在下で細胞を5〜14回継代培養し、治まるまでの選択期間にわたって、不安定な発現のための時間を与えた。
ステップ4:細胞の蛍光プローブへの曝露
細胞を回収し、標準的な技術を使用してCFTRシグナルリングプローブ1(配列番号CFTR3)でトランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)CFTRシグナルリングプローブ1(配列番号CFTR3)は、CFTR標的配列1(配列番号CFTR2)に結合した。次いで細胞を分析のために回収し、蛍光活性化セルソーターを使用して選別した。
Figure 2015126747
加えて、Cy5と同様のスペクトル特性を有するQuasar(登録商標)Dye(BioSearch)を使用した同様のプローブを、ある特定の実験において使用した。いくつかの実験において、DNAプローブではなく5−MedCおよび2−アミノdAミックスマーを使用した。非標的FAM標識プローブもまた、ローディング対照として使用した。
ステップ5:陽性細胞の単離
蛍光活性化セルソーターを使用した分析および選別のために、細胞を解離させ、回収した。標準的な分析方法を使用して、バックグラウンドを超える蛍光を発している細胞を通過させ、バーコード付き96ウェルプレート中のゲートに入った個々の細胞を単離した。以下のゲートの階層を使用した:プロットFAM対Cy5においてコインシデンスゲート→シングレットゲート→ライブゲート→ソートゲート:0.1〜0.4%の細胞。
ステップ6:ステップ1〜5および/または3〜5追加サイクル
より多くの細胞を得るために、ステップ1〜5および/または3〜5を繰り返した。ステップ1〜5の2回のラウンドを行い、これらの各ラウンドについて、2回のステップ3〜5の内部サイクルを行った。
ステップ7:細胞集団の増殖速度の推定
プレートを、Microlab Star(Hamilton Robotics)へ移した。細胞を、100単位/mlのペニシリンおよび0.1mg/mlのストレプトマイシンを添加した、新しい完全増殖増殖培地および2〜3日馴化した増殖培地の1:1の混合物100μl中で9日間インキュベートした。次いで1回または2回のトリプシン化により分散させて塊を最小化し、その後新しい96ウェルプレートに移した。プレートを画像化してウェルの集密度を決定した(Genetix)。プレート全体での確実な画像取得のために、各プレートに焦点を合わせた。記録された集密度が70%を超えるものは、信頼性なしとした。集密度の測定値は、分散後1〜10日の連続した日に取得し、増殖速度を計算するために使用した。
ステップ8:増殖速度推定値による細胞集団の区分
ステップ7における分散ステップ後2週間未満の増殖速度によって細胞を区分した(独立して群に分け、コホートとしてプレーティングした)。それぞれの3つの増殖区分を個々の96ウェルプレートに分けたが、いくつかの増殖区分は複数の96ウェルプレートになった。増殖速度の隔たりを考慮することおよび細胞集団の総数の高い割合を一括して扱うことによって、区分を計算した。区分を計算して、増殖速度の12〜16時間での差をコンピューターに取り込んだ。
細胞は1日未満〜2週間超の倍加時間を有し得る。増殖速度によって同時に合理的に区分することができる最も多様なクローンを処理するために、1区分当たり0.25〜0.7日の倍加時間を有する3〜9区分を使用することが好ましい場合がある。当業者は、特定の状況のために区分の厳密性および区分の数を調整可能であること、および細胞をその細胞周期に同調させる場合、区分の厳密性および区分の数をさらに調整可能であることを理解するはずである。
ステップ9:並行処理の速度を速め、ストリンジェントな品質管理を提供するためのレプリカプレーティング
正規化した一定条件(すなわち、ハムF12−FBS培地、37℃/5%CO2)下で、抗生物質なしでプレートをインキュベートした。細胞のプレートを、4セットの96ウェルプレート(3セットは凍結用、1セットはアッセイおよび継代用)を生じるように分割した。それぞれのプレートのセットについて、異なる別の組織培養試薬、インキュベーター、担当者および二酸化炭素発生源を使用した。全ての組織培養試薬の適切な作製および品質を確実にするために、品質管理ステップを行った:使用するために調製された培地の各ボトルに添加された各成分培地は、1つの指定されたフードにおいて1人の指定された個人が、このフードにおいてはその試薬だけを用いて添加し、第2の指定された個人がミスを回避するために監視した。液体ハンドリングの条件は、ウェル間のクロスコンタミネーションを除去するように設定した。全てのステップについて新しいチップを使用するか、またはストリンジェントなチップ洗浄プロトコールを使用した。正確な容量の移し替え、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティング速度および配置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置のために、液体ハンドリング条件を設定した。
ステップ10:細胞集団の初期継代ストックの凍結
3セットのプレートを−70〜−80℃で凍結した。セットのプレートを、まず70〜100%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび10%DMSOを添加した。プレートをパラフィルムで個々にシールし、1〜5cmの発泡体で個々に囲み、その後−80℃の冷凍庫中に置いた。
ステップ11:生存可能で安定かつ機能的な(VSF)細胞系を作製するための初期の形質転換ステップのための方法および条件
残りのプレートのセットを、ステップ9に記載の通り維持した。全ての細胞分割は、培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体ハンドリングステップを使用して行った。
ステップ12:増殖速度の余分な変動を補正するための正規化方法
全ての細胞集団について、細胞および培養条件の一貫性および基準化を照合した。増殖速度のわずかな差によるプレート間の差は、プレート全体の細胞数の定期的な正規化によって照合され、リアレイ後8継代毎に生じた。アウトライアーである細胞集団を検出して排除した。
ステップ13:細胞集団の特徴付け
細胞をリアレイ後6〜10週間培養下に維持して、これらの条件下でin vitro進化させた。この期間中、本発明者らは大きさ、形態、微小集密度傾向、脆弱性、トリプシン化に対する応答およびトリプシン化後の平均円形度、または培養プレート表面への接着性および液体添加時のブローオフ耐性などの細胞維持の他の特徴を観察した。
ステップ14:VSF条件下での細胞集団の潜在的機能性の評価
機能的基準を使用して細胞集団を試験した。膜電位色素キット(Molecular Devices、MDS)を、製造業者の使用説明書に従って使用した。
細胞を、様々な密度で384ウェルプレートにおいて(すなわち、12.5×10〜20×10細胞/ウェル)試験し、反応を分析した。細胞プレーティングとアッセイ読み取りとの間の時間を試験した。色素濃度も試験した。用量反応曲線およびZ’スコアをいずれも、潜在的機能性の評価の一環として計算した。
以下のステップ(すなわち、ステップ15〜18)もまた、最終および予備の生存可能で安定かつ機能的な細胞系を選択するために実施することができる。
ステップ15:
低い継代数およびより高い継代数で行った実験の機能的反応を比較して、所定の期間(例えば、3〜9週間)にわたって最も一貫した反応を有する細胞を同定する。時間をわたって変化する他の細胞の特徴もまた書き留める。
ステップ16:
機能的なおよび他の基準を満たす細胞集団をさらに評価して、生存可能で、安定かつ機能的な細胞系を作製するのに最も扱いやすい細胞集団を決定する。選択した細胞集団を、より大きい組織培養容器において拡大増殖させ、上記の特徴付けステップをこれらの条件下で継続または反復する。この時点で、一貫した信頼性のある継代のために、種々の細胞密度;プレーティング時間;細胞培養継代の長さ;細胞培養皿フォーマットおよびコーティング;速度およびせん断力を含むフルイディクス最適化;継代時間;および洗浄ステップなどのさらなる基準化ステップを導入する。
加えて、各継代での細胞の生存率を決定する。手作業による操作を増やし、細胞をより注意深く観察および監視する。この情報を使用して、望ましい特性を保有している最終的な細胞系の同定および選択を支援する。このプロセスに従ってこれらの条件下で作製したときに適切な接着性/粘着性、増殖速度および均一なプレーティング(微小集密がない)を示す最終的な細胞系および予備の細胞系を選択する。
ステップ17:細胞バンクの確立
最終的な細胞系および予備の細胞系に対応する低継代の凍結ストックを37℃で融解し、ハムF12−FBSで2回洗浄し、次いでハムF12−FBS中でインキュベートする。次いで細胞を2〜4週間拡大増殖させる。各最終および予備細胞系のクローンの細胞バンクを確立し、各クローン細胞について25個のバイアルを低温保存する。
ステップ18:
細胞バンクの少なくとも1つのバイアルを融解し、培養下で拡大増殖させる。得られた細胞を、それらがもともと選択される理由となる同じ特徴を満たすかどうかを判定するために試験する。
(実施例13)
天然のCFTR機能についての安定な細胞系の特徴付け
作製した安定なCFTR発現細胞系における天然のCFTR機能を特徴付けるために、本発明者らは、高スループット適合性蛍光膜電位アッセイを使用した。
CFTRを安定に発現しているCHO細胞系を、10%ウシ胎仔血清およびグルタミンを添加したハムF12培地中で標準的な細胞培養条件下に維持した。アッセイの前日に、細胞をストックプレートから回収し、黒色透明底384ウェルアッセイプレート中にプレーティングした。アッセイプレートを、37℃の細胞培養インキュベーター中に5%CO下で22〜24時間維持した。次いで培地をアッセイプレートから除去し、ローディングバッファー(137mMのNaCl、5mMのKCl、1.25mMのCaCl、25 mMのHEPES、10mMのグルコース)中で希釈した青色膜電位色素(Molecular Devices Inc.)を添加して37℃で1時間インキュベートさせた。次いでアッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)に載せ、化合物バッファー(137mMのグルコン酸ナトリウム、5mMのグルコン酸カリウム、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中に希釈したフォルスコリンおよびIBMXのカクテルを添加した。
蛍光膜電位アッセイの代表的なデータは、安定なCFTR発現CHO細胞系(細胞系1、M11、J5、E15、およびO15)において機能的CFTRに起因し得るイオンフラックスがすべて、アッセイ応答によって示されるようにCFTRを欠く対照細胞よりも高いことを示した。
安定なCFTR発現CHO細胞系(細胞系1、M11、J5、E15、およびO15)における機能的CFTRに起因し得るイオンフラックスもまた、一過性のCFTRトランスフェクトCHO細胞よりすべて高かった。一過性のCFTRトランスフェクト細胞は、CHO細胞を10cm組織培養皿当たり500〜1600万でプレーティングし、トランスフェクション前に18〜20時間それをインキュベーションすることによって作製した。脂質トランスフェクション試薬およびCFTRをコードするプラスミドからなるトランスフェクション複合体を、各ディッシュに直接加えた。次いで細胞を37℃でCOインキュベーターにおいて6〜12時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を取り、黒色透明底384ウェルアッセイプレート中にプレーティングし、上述した蛍光膜電位アッセイを使用して機能についてアッセイした。
フォルスコリン用量反応実験のために、384ウェルプレート中で15000細胞/ウェルの密度でプレーティングされた、作製した安定なCFTR発現細胞系の細胞を、公知のCFTRアゴニストであるフォルスコリン濃度を増加させながら試験した。細胞蛍光の変化の関数としての細胞応答を、蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)によって時間をわたって監視した。次いでデータをフォルスコリン濃度の関数としてプロットし、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して非線形回帰分析を使用して分析し、256nMのEC50を得た。作製したCFTR発現細胞系は、別の細胞系において以前報告されたフォルスコリンEC50(250〜500nM)(Galiettaら、Am J Physiol Cell Physiol.281(5):C1734〜1742頁(2001年))の範囲内のフォルスコリンのEC50値を示し、クローンの効力を示す。
(実施例14)
CFTR細胞ベースアッセイのZ’値の決定
作製した安定なCFTR発現細胞系についてのZ’値を、高スループット適合性蛍光膜電位アッセイを使用して計算した。実施例13のプロトコールに実質的に従って、蛍光膜電位アッセイプロトコールを行った。特に、Z’アッセイでは、384ウェルアッセイプレート中の24個の陽性対照ウェル(15000細胞/ウェルの密度でプレーティングした)を、フォルスコリンのCFTR活性化カクテルおよびIBMXで試験した。同数のウェルを、ビヒクル単独でおよびDMSOを含有して(アクチベーターの不在下で)試験した。2つの条件における細胞応答を、蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)を使用して監視した。2つの条件における平均および標準偏差を計算し、Zhangら、J Biomol Screen、4(2):67〜73頁(1999年)に開示されている方法を使用してZ’をコンピューターで計算した。作製した安定なCFTR発現細胞系のZ’値を0.82以上と決定した。
(実施例15)
CFTRモジュレーターの高スループットスクリーニングおよび同定
高スループット適合性蛍光膜電位アッセイを使用して、CFTRモジュレーターをスクリーニングおよび同定する。アッセイの前日に、細胞をストックプレートから抗生物質を含まない増殖培地中に回収し、黒色透明底384ウェルアッセイプレート中にプレーティングする。アッセイプレートを、37℃の細胞培養インキュベーター中に5%CO下で19〜24時間維持する。次いで培地をアッセイプレートから除去し、ロードバッファー(137mMのNaCl、5mMのKCl、1.25mMのCaCl、25 mMのHEPES、10mMのグルコース)中で希釈した青色膜電位色素(Molecular Devices Inc.)を添加し、細胞を37℃で1時間インキュベートする。試験化合物を、ジメチルスルホキシドにおいて可溶化し、アッセイバッファー(137mMのグルコン酸ナトリウム、5mMのグルコン酸カリウム、1.25mMのCaCl、25mMのHEPES、10mMのグルコース)中に希釈し、次いで384ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレートに載せる。細胞および化合物プレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)に載せ、3分間運転して試験化合物活性を同定する。次いで機器は、300nM〜1μMの濃度のフォルスコリン溶液を細胞に添加して、事前に添加された化合物のモジュレーターまたはブロッカー活性を観察できるようにする。化合物の活性を、試験化合物の細胞への添加後および/またはその後のアゴニスト添加後に生じた蛍光の変化を測定することによって決定する。
(実施例16)
短絡電流測定を使用した天然のCFTR機能についての安定なCFTR発現細胞系の特徴付け
CFTR発現細胞(肺および腸を含むがこれらに限定されない初代または不死化上皮細胞)を培養インサート(Snapwell、Corning Life Sciences)上にプレーティングして7〜14日後に、ウッシングチャンバー実験を行った。培養インサート上の細胞をすすぎ、ウッシング型装置(EasyMount Chamber System、Physiologic Instruments)中にマウントし、120mMのNaCl、25mMのNaHCO、3.3mMのKHPO、0.8mMのKHPO、1.2mMのCaCl、1.2mMのMgCl、および10mMのグルコースを含む、連続的にガスが供給され37℃に維持されているリンゲル液(O中5%CO、pH7.4)に浸す。ヘミチャンバーをマルチチャネル電圧電流クランプ(VCC−MC8 Physiologic Instruments)に接続する。電極[寒天橋(1M KCl中4%)Ag−AgCl]を使用し、インサートを0mVに電圧固定する。経上皮電流、電圧および抵抗を、実験継続中10秒毎に測定する。200mΩ未満の抵抗を有する膜を廃棄する。
(実施例17)
電気生理学的アッセイを使用した天然のCFTR機能についての安定なCFTR発現細胞系の特徴付け
手作業による、および自動化された電気生理学アッセイがともに開発されており、両方ともこの系をアッセイするために適用することができるが、下記が手作業によるパッチクランプ実験のためのプロトコールである。
細胞を低密度で播種し、プレーティングの2〜4日後に使用する。ホウケイ酸ガラスピペットを火炎処理して2〜4メガΩのチップ抵抗を得る。電流をサンプリングし、低域をフィルターする。細胞外(浴槽)溶液は、150mMのNaCl、1mMのCaCl、1mMのMgCl、10mMのグルコース、10mMのマンニトール、および10mMのTES、pH7.4を含有する。ピペット溶液は、120mMのCsCl、1mMのMgCl、10mMのTEA−Cl、0.5mMのEGTA、1mMのMg−ATP、および10mMのHEPES(pH7.3)を含有する。膜電位を−80mV〜−100mVに変化させることによって、膜コンダクタンスを監視する。段階的に20mVずつ−100mV〜+100mVの電圧パルスを印加することによって、電流−電圧曲線を生成する。
(実施例18)
安定なNaV1.7ヘテロ三量体発現細胞系の作製
発現構築体の作製
pCMV−SCRIPT(Stratagene)に基づいて、合理的なクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターを作製し、CMVおよびSV40真核生物プロモーター;SV40およびHSV−TKポリアデニル化配列;マルチクローニング部位;Kozak配列;ならびにネオマイシン/カナマイシン耐性カセット(またはアンピシリン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ゼオシン耐性カセット)を含む、対象とする遺伝子の転写および翻訳に必要な様々な構成要素を含めた。
細胞系の作製
ステップ1:トランスフェクション
標準的な技術を使用して、293T細胞を、1つはヒトNaV1.7αサブユニット(配列番号NAV−1)をコードしており、1つはヒトNaV1.7β1サブユニット(配列番号NAV−2)をコードしており、もう1つはヒトNaV1.7β2サブユニット(配列番号NAV−3)をコードしている3つの別個のプラスミドで同時トランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)
本発明の細胞または細胞系を作製するために薬剤選択は任意であるが、本発明者らはプラスミド当たり1つの薬剤耐性マーカーを含めた。配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルリングプローブによる検出用のNaV標的配列をコードしている非翻訳配列もまた、薬剤耐性マーカーをコードしている配列に加えて存在していた。利用されたNaV標的配列は、NaV標的配列1(配列番号NAV−4)、NaV標的配列2(配列番号NAV−5)およびNaV標的配列3(配列番号NAV−6)であった。この実施例において、NaV1.7αサブユニット遺伝子含有ベクターはNaV標的配列1(配列番号NAV−4)を含み、NaV1.7β1サブユニット遺伝子含有ベクターはNaV標的配列2(配列番号NAV−5)を含み、NaV1.7β2サブユニット遺伝子含有ベクターはNaV標的配列3(配列番号NAV−6)を含んでいた。
ステップ2:選択ステップ
トランスフェクトした細胞を、DMEM−FBS培地中で2日間、続いて抗生物質含有DMEM−FBS培地中で10日間増殖させた。抗生物質含有期間は、以下の通り抗生物質を培地に添加した:ピューロマイシン(0.1μg/ml)、ハイグロマイシン(100μg/ml)、およびゼオシン(200μg/ml)。
ステップ3:細胞の継代培養
抗生物質での集積に続いて、抗生物質選択の不在下で細胞を6〜18回継代培養し、治まるまでの選択期間にわたって、不安定な発現のための時間を与えた。
ステップ4:細胞の蛍光プローブへの曝露
細胞を回収し、標準的な技術を使用してシグナルリングプローブ(配列番号NAV−7、NAV−8、NAV−9)でトランスフェクトした。(宿主細胞中に核酸を誘導するために使用することができる試薬の例は、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE,MetafectineまたはFECTURIN(商標)を含むがこれらに限定されない。)
NaVシグナルリングプローブ1(配列番号NAV−7)はNaV標的配列1(配列番号NAV−4)に結合し、NaVシグナルリングプローブ2(配列番号NAV−8)はNaV標的配列2(配列番号NAV−5)に結合し、NaVシグナルリングプローブ3(配列番号NAV−9)はNaV標的配列3(配列番号NAV−6)に結合した。次いで分析のために細胞を解離させ、回収し、蛍光活性化セルソーターを使用して選別した。
シグナルリングプローブによって検出される標的配列
NaV1.7サブユニット遺伝子導入には、以下のタグ配列を使用した。
Figure 2015126747
シグナルリングプローブ
100μMストックとして供給
Figure 2015126747
NaVシグナルリングプローブ1および2中のBHQ3は、BHQ2または金粒子で置換することができる。NaVシグナルリングプローブ3中のBHQ1は、BHQ2、金粒子またはDABCYLで置換することができる。
加えて、Cy5と同様のスペクトル特性を有するQuasar(登録商標)Dye(BioSearch)を使用した同様のプローブを、ある特定の実験において使用した。いくつかの実験において、DNAプローブではなく5−MedCおよび2−アミノdAミックスマープローブを使用した。
ステップ5:陽性細胞の単離
標準的な分析方法を使用して、バックグラウンドを超える蛍光を発している細胞を通過させ、96ウェルプレートの所定のゲートに直接入った細胞を単離した。フローサイトメトリーによる細胞選別は、1ウェル当たり1個の細胞が入るように操作した。選択後、細胞を薬剤を含まない培地中で拡大増殖させた。以下のゲートの階層を使用した:プロットFAM対Cy5においてコインシデンスゲート→シングレットゲート→ライブゲート→ソートゲート:0.1〜1.0%の生細胞。
ステップ6:ステップ1〜5および/または3〜5の追加サイクル
より多くの細胞を得るために、ステップ1〜5および/または3〜5を繰り返した。ステップ1〜5の独立した少なくとも4回のラウンドを終了させ、これらの各サイクルについて、各独立したラウンドについて少なくとも2回のステップ3〜5の内部サイクルを行った。
ステップ7:細胞集団の増殖速度の推定
プレートを、Microlabstar自動化液体ハンドラー(Hamilton Robotics)へ移した。細胞を、100単位/mlのペニシリンおよび0.1mg/mlのストレプトマイシンを添加した、新しい完全増殖培地(DMEM/10%FBS)および2〜3日馴化した増殖培地の1:1の混合物中で5〜7日間インキュベートした。次いでトリプシン化により分散させて塊を最小化し、新しい96ウェルプレートに移した。クローンを分散させた後、プレートを画像化してウェルの集密度を決定した(Genetix)。プレート全体での確実な画像取得のために、各プレートに焦点を合わせた。記録された集密度が70%を超えるものは、信頼性なしとした。集密度の測定値は、9日間(すなわち、分散後1〜10日)にわたって3日間毎に取得し、増殖速度を計算するために使用した。
ステップ8:増殖速度推定値による細胞集団の区分
ステップ7における分散ステップ後10〜11日間の増殖速度によって細胞を区分した(独立して群に分け、コホートとしてプレーティングした)。下流のハンドリングのために区分を独立して回収し、個々の96ウェルプレート上にプレーティングしたが、いくつかの増殖区分は複数の96ウェルプレートを生じた。増殖速度の隔たりを考慮することおよび細胞集団の総数の高い割合を一括して扱うことによって、区分を計算した。ステップ5に記載の選別の反復に応じて、5〜9個の増殖区分を1〜4日の区画とともに使用した。したがって各区分は、繰返しに応じて8〜14.4時間の増殖速度または集団倍加時間に対応していた。
細胞は1日未満〜2週間超の倍加時間を有し得る。増殖速度によって同時に合理的に区分することができる最も多様なクローンを処理するために、1区分当たり0.25〜0.7日の倍加時間を有する3〜9区分を使用することが好ましい。当業者は、特定の状況のために区分の厳密性および区分の数を調整可能であること、および細胞をその細胞周期に同調させる場合、区分の厳密性および区分の数をさらに調整可能であることを理解するはずである。
ステップ9:並行処理の速度を速め、ストリンジェントな品質管理を提供するためのレプリカプレーティング
標準的な一定条件(加湿された37℃の、5%CO2)下で、抗生物質を含まないDMEM−10%FBS培地中でプレートをインキュベートした。細胞のプレートを、4セットの標的プレートを生じるように分割した。これらの4セットのプレートは、全増殖区分を有する全プレートを含んでいたため、最初のセットの4個の複製が確実に存在していた。3個までの標的プレートセットを低温保存に付し(ステップ10に記載)、継代および機能アッセイ実験のために残りのセットを拡大し、さらにレプリカをプレーティングした。下流のレプリカプレートについて、異なる別の組織培養試薬、インキュベーター、担当者および二酸化炭素発生源を使用した。全ての組織培養試薬の適切な作製および品質を確実にするために、品質管理ステップを行った:使用するために調製された培地の各ボトルに添加された各成分培地は、1つの指定されたフードにおいて1人の指定された個人が、このフードにおいてはその試薬だけを用いて添加し、第2の指定された個人がミスを回避するために監視した。液体ハンドリングの条件は、ウェル間のクロスコンタミネーションを除去するように設定した。全てのステップについて新しいチップを使用するか、またはストリンジェントなチップ洗浄プロトコールを使用した。正確な容量の移し替え、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティング速度および配置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置のために、液体ハンドリング条件を設定した。
ステップ10:細胞集団の初期継代ストックの凍結
3セットのプレートを−70〜−80℃で凍結した。各セットのプレートを、まず70〜80%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび5%〜10%のDMSOを添加した。プレートをパラフィルムでシールし、1〜5cmの発泡体で個々に囲み、その後−80℃冷凍庫中に置いた。
ステップ11:生存可能で安定かつ機能的な(VSF)細胞系を作製するための初期の形質転換ステップのための方法および条件
残りのプレートのセットを、ステップ9に記載の通り維持した。全ての細胞分割は、培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体ハンドリングステップを使用して行った。いくつかのアッセイプレーティングステップでは、細胞をトリプシンではなく細胞解離バッファー(例えば、CDB、InvitrogenまたはCellStripper、CellGro)で解離させた。
ステップ12:増殖速度の余分な変動を補正するための正規化方法
全ての細胞集団について、細胞および培養条件の一貫性および基準化を照合した。増殖速度のわずかな差によるプレート間の差を、2〜8継代毎にプレート全体の細胞数の定期的な正規化によって照合した。アウトライアーである細胞集団を検出して排除した。
ステップ13:細胞集団の特徴付け
細胞を3〜8週間維持して、これらの条件下でin vitro進化させた。この期間中、本発明者らは大きさ、形態、脆弱性、トリプシン化もしくは解離に対する反応、解離後の円形度/平均円形度、生存百分率、微小集密度傾向、または培養プレート表面への接着性などの細胞維持の他の特徴を観察した。
ステップ14:VSF条件下での細胞集団の潜在的機能性の評価
機能的基準を使用して細胞集団を試験した。膜電位アッセイキット(Molecular Devices/MDS)を、製造業者の使用説明書に従って使用した。細胞を、多数の異なる密度で96または384ウェルプレートにおいて試験し、反応を分析した。プレーティング後の様々な時点、例えば、プレーティング後12〜48時間を使用した。異なる密度のプレーティングもまた、アッセイ反応の違いについて試験した。
ステップ15:
低い継代数およびより高い継代数で行った実験の機能的反応を比較して、3〜9週間の範囲の所定の期間にわたって最も一貫した反応を有する細胞を同定した。時間をわたって変化した他の細胞の特徴もまた書き留めた。
ステップ16:
機能的なおよび他の基準を満たす細胞集団をさらに評価して、生存可能で、安定かつ機能的な細胞系を作製するのに最も扱いやすい細胞集団を決定した。選択した細胞集団を、より大きい組織培養容器において拡大増殖させ、上記の特徴付けステップをこれらの条件下で継続または反復した。この時点で、一貫した信頼性のある継代のために、種々のプレーティング細胞密度;継代時間;培養皿のサイズ/フォーマットおよびコーティング);フルイディクス最適化;細胞解離の最適化(例えば、型、使用する量、および時間の長さ);および洗浄ステップなどのさらなる基準化ステップを導入した。基準化のために温度差もまた使用した(すなわち、30℃対37℃)。
加えて、各継代での細胞の生存率を決定した。手作業による操作を増やし、細胞をより注意深く観察および監視した。この情報を使用して、望ましい特性を保有している最終的な細胞系の同定および選択を支援した。一貫した増殖、適切な接着性、および機能的反応を示す最終的な細胞系および予備の細胞系を選択した。
ステップ17:細胞バンクの確立
最終的な細胞系および予備の細胞系に対応する上述した低継代の凍結プレートを37℃で融解し、DMEM−10%FBSで2回洗浄し、加湿した37℃/5%CO2条件においてインキュベートした。次いで細胞を2〜3週間拡大増殖させた。15〜20個のバイアルからなる各最終および予備細胞系の細胞バンクを確立した。
ステップ18:
以下のステップもまた、細胞系が生存可能で安定かつ機能的であることを確認するために実施することができる。細胞バンクの少なくとも1つのバイアルを融解し、培養下で拡大増殖させる。得られた細胞を、それらがもともと選択される理由となった同じ特徴を満たすかどうかを判定するために試験した。
(実施例19)
安定なNaV1.7発現細胞系における異種NaV1.7サブユニットの相対的発現の特徴付け
定量的RT−PCR(qRT−PCR)を使用して、作製した安定なNaV1.7発現細胞系における異種ヒトNaV1.7α、β1、およびβ2サブユニットの相対的発現を決定した。RNA抽出キット(RNeasy Mini Kit、Qiagen)を使用して、1〜3×10個の哺乳動物細胞から全RNAを精製した。厳密なDNase処理プロトコール(TURBO DNA−free Kit、Ambion)に従ってDNase処理を行った。逆転写酵素キット(SuperScript III、Invitrogen)を使用して、20μLの反応量で1μgのDNAフリー全RNAおよび250ngのランダムプライマー(Invitrogen)を用いて最初のcDNA鎖合成を行った。逆転写酵素を含まない試料およびRNAを含まない試料を、この反応の陰性対照として使用した。サーマルサイクラー(Mastercycler、Eppendorf)において以下の条件で合成を行った:25℃で5分、50℃で60分;反応停止は70℃で15分間行った。
遺伝子発現の分析のために、qRT−PCRのためのプライマーおよびプローブ(MGB TaqManプローブ、Applied Biosystems)を、標的配列(配列番号NAV−4、NAV−5、NAV−6)に特異的にアニールするように設計した。試料正規化のために、対照(グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH))Pre−Developed Assay試薬(TaqMaN、Applied Biosystems)を使用した。陰性対照および陽性対照(プラスミドDNA)を含む反応は、反応量50μLで40ngのcDNAを用いて3連で設定した。それぞれの3つの発現しているNaV1.7サブユニットの相対量を決定した。全ての3つのサブユニットが、作製した安定なNaV1.7発現細胞系において良好に発現した。
(実施例20)
電気生理学的アッセイを使用した天然のNaV機能についての安定なNaV1.7発現細胞系の特徴付け
自動化パッチ−クランプシステムを使用して、作製した安定なNaV1.7α、β1およびβ2サブユニット発現HEK293T細胞系からのナトリウム電流を記録した。以下に説明したプロトコールもまた、QPatch、SophionまたはPatchliner、Nanion systemsに使用することができる。細胞外リンゲル液は、室温で140mMのNaCl、4.7mMのKCl、2.6mMのMgCl、11mMのグルコースおよび5mMのHEPES、pH7.4を含有していた。細胞内リンゲル液は、120mMのCsF、20mMのCs−EGTA、1mMのCaCl、1mMのMgCl、および10mMのHEPES、pH7.2を含有していた。実験は室温で実施した。
安定なNaV1.7α、β1およびβ2サブユニット発現細胞を、実施例18に記載の通り、標準的な培養プロトコールで増殖させた。細胞を回収し、連続的に撹拌しながら4時間まで、パッチの質または能力を大幅に変化させずに懸濁状態に保った。標準的なパッチプレートを使用して、電気生理学的実験(全細胞)を行った。パッチ−クランプホール(チップにおいてマイクロエッチングされた)は直径約1μmであり、約2MΩの抵抗を有する。膜電位を−100mVの保持電位に固定した。
HEK293T細胞において安定に発現される電位依存性ヒトNaV1.7ナトリウムチャネルの電流電圧関係および不活性化特徴を特徴付けた。−100mVの保持電位で−80mV〜+50mVの20msの脱分極パルスに応答して、ナトリウム電流を測定した。ピークナトリウムチャネル電流について得られた電流−電圧(I−V)関係を特徴付けた。活性化閾値は−35mV(活性化中間点、Va=−24.9mV±3.7mV)であり、最大電流振幅は−10mVで得られた。ナトリウムチャネルの不活性化グラフをプロットした。膜電位を−100mVの保持電位に保ち、続いて−110mV〜+10mVの範囲の条件付け電位に1000msシフトし、最後に0mVへのスラップの後電流を測定した。得られた電流振幅は、不活性化状態にあるナトリウムチャネルの割合を示す。−85mVよりも負の電位でチャネルは大部分が閉鎖状態であったが、−50mVより高い電位では大部分が不活性化状態であった。曲線はBoltzmann適合を表し、これにより定常状態不活性化のV1/2は−74mVと推定された。作製した安定なNaV1.7発現細胞系の電流−電圧プロファイルは、以前報告されている電流−電圧プロファイル(Va=−28.0mV±1.1mV;V1/2=−71.3mV±0.8mV)(Sheets ら、J Physiol.581(Pt3):1019〜1031頁(2007年))と一致する。
(実施例21)
膜電位アッセイを使用した天然のNaV機能についての安定なNaV1.7発現細胞系の特徴付け
作製した安定なNaV1.7α、β1およびβ2サブユニット発現細胞を、10%ウシ胎仔血清、グルタミンおよびHEPESを添加したダルベッコ改変イーグル培地中で標準的な細胞培養条件下に維持した。アッセイ前日に、細胞解離バッファー、例えば、CDB(GIBCO)または細胞剥離剤(Mediatech)を使用して細胞をストックプレートから回収し、増殖培地中384ウェルプレートに10000〜25000細胞/ウェルでプレーティングした。アッセイプレートを、37℃の細胞培養インキュベーター中に5%CO2下で22〜24時間維持した。次いで培地をアッセイプレートから除去し、ロードバッファー(137mMのNaCl、5mMのKCl、1.25mMのCaCl2、25 mMのHEPES、10mMのグルコース)中で希釈した青色蛍光膜電位色素(Molecular Devices Inc.)を添加した。細胞を青色膜電位色素とともに37℃で1時間インキュベートした。次いでアッセイプレートを高スループット蛍光プレートリーダー(Hamamastu FDSS)に載せた。蛍光プレートリーダーは、1秒に1回撮られた細胞プレートの画像中の細胞蛍光を測定し、相対蛍光単位としてデータを表示する。
安定なNaV1.7発現細胞および対照細胞(すなわち、HEK293T親細胞)の、バッファーおよびチャネル活性化剤(すなわち、ベラトリジンおよびサソリ毒(SV))の添加に対するアッセイ応答を測定した。最初の添加ステップ(すなわち、添加1)において、試験化合物を添加していないバッファーのみを添加した。望ましい場合には、試験化合物をこのステップで添加することができる。第2の添加ステップにおいて、ナトリウムチャネルアクチベーターであるベラトリジンおよびサソリ毒を、アッセイバッファー中で望ましい濃度(すなわち、25μMのベラトリジンおよび5〜25μg/mlのサソリ毒)まで希釈し、384ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレート中に添加した。結合すると、ベラトリジンおよびサソリ毒タンパク質は、活性化および不活性化動態の変更を含む機構の組合せによって電位依存性ナトリウムチャネルの活性を調節する。安定なNaV1.7発現細胞において得られたナトリウムチャネルの活性化は細胞膜電位を変化させ、蛍光シグナルが増加する。上述した機能アッセイはまた、NaV1.7イオンチャネルにおける試験化合物の相対的効力を特徴付けるためにも使用することができる。
(実施例22)
NaV1.7のβサブユニットによるαサブユニットの制御の特徴付け
βサブユニットによるαサブユニット遺伝子発現の制御
HEK293T細胞のプールを操作して、それぞれのプラスミドDNAまたはαおよび対照プラスミドのモル比(例えば、α:β1:β2=1:1:1)を操作することによって、様々な比のαおよびβサブユニットを発現させた。薬剤選択後、6個の異なる細胞プールにおけるサブユニット発現を、実施例19に記載のqRT−PCRによって評価した。比較qRT−PCRは、3つ全てのヒトNaV1.7サブユニット(すなわち、α、β1、およびβ2)を同時トランスフェクトした場合に、αサブユニットおよび対照プラスミドのみをトランスフェクトした場合と比較して、薬剤選択された細胞検出におけるαサブユニット発現が増加することを示した。βサブユニット転写産物の存在はαサブユニット遺伝子発現に影響を及ぼし、生理学的に適切な機能アッセイで3つ全てのNaV1.7サブユニットを同時発現することの重要性を示している。
βサブユニットによる薬理学的特性の制御
膜電位細胞ベースアッセイを使用して、3つ全てのNaV1.7サブユニット(すなわち、α、β1、およびβ2)を安定に同時発現している細胞およびNaV1.7αサブユニットのみを安定に発現している対照細胞の、試験化合物に対する応答を測定した。実施例21のプロトコールに実質的に従って行った膜電位アッセイにおいて、2つの化合物(すなわち、C18およびK21)を試験した。特にこの実施例では、試験化合物を最初の添加ステップにおいて添加した。
C18およびK21は、クローンC44(NaV1.7α、β1、およびβ2サブユニットを発現)の応答を増強し、クローンC60(NaV1.7αサブユニットのみを発現)の応答を阻害した。2つの試験化合物のアッセイ応答は、それぞれの2つのクローンについて、バッファー単独の応答に対して正規化した。
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(項目1)
対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から該対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目2)
対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目3)
対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする導入核酸から該対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される、細胞。
(項目4)
対象とするヘテロ二量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするヘテロ二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、選択圧の不在下で培養される、細胞。
(項目5)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸が内因性である、項目1から4のいずれか一項に記載の細胞。
(項目6)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質の第2サブユニットをコードする核酸が導入されている、項目2または4に記載の細胞。
(項目7)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目1から6のいずれか一項に記載の細胞。
(項目8)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の細胞。
(項目9)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が、甘味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される、項目8に記載の細胞。
(項目10)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目1から8のいずれか一項に記載の細胞。
(項目11)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が同じ型の細胞中で発現されない、項目1から10のいずれか一項に記載の細胞。
(項目12)
哺乳動物細胞である、項目1から11のいずれか一項に記載の細胞。
(項目13)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目1から12のいずれか一項に記載の細胞。
(項目14)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目15)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目16)
上記細胞が細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目1、2および5から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目17)
上記選択圧が抗生物質である、項目3から13のいずれか一項に記載の細胞。
(項目18)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記ヘテロ二量体タンパク質を発現する、項目3から13および17のいずれか一項に記載の細胞。
(項目19)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目20)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該細胞は、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするヘテロ二量体タンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目21)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットが導入核酸によってコードされており、該細胞が生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする、細胞。
(項目22)
対象とするヘテロ多量体タンパク質を発現する細胞であって、該ヘテロ多量体タンパク質が少なくとも3つのサブユニットを含み、該細胞が該対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、該細胞が生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目23)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする上記核酸が内因性である、項目19から22のいずれか一項に記載の細胞。
(項目24)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットをコードする上記核酸が導入されている、項目20または22に記載の細胞。
(項目25)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目19から24のいずれか一項に記載の細胞。
(項目26)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目19から25のいずれか一項に記載の細胞。
(項目27)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が、GABA、ENaCおよびNaVからなる群より選択される、項目26に記載の細胞。
(項目28)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目19から26のいずれか一項に記載の細胞。
(項目29)
上記対象とするヘテロ二量体タンパク質が同じ型の細胞中で発現されない、項目19から28のいずれか一項に記載の細胞。
(項目30)
哺乳動物細胞である、項目19から29のいずれか一項に記載の細胞。
(項目31)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目19から30のいずれか一項に記載の細胞。
(項目32)
上記対象とするヘテロ多量体タンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目33)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目34)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目19、20および23から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目35)
選択圧の不在下で培養される、項目21から31のいずれか一項に記載の細胞。
(項目36)
上記選択圧が抗生物質である、項目35に記載の細胞。
(項目37)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記ヘテロ多量体タンパク質を発現する、項目35または36に記載の細胞。
(項目38)
対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の該対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目39)
2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まないか、または該タンパク質が、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目40)
対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする導入核酸から2つ以上の該対象とするタンパク質を発現する細胞であって、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目41)
2つ以上の対象とするタンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、該対象とするタンパク質の少なくとも1つをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とする細胞。
(項目42)
対象とする少なくとも1つのタンパク質が二量体タンパク質である、項目38から41のいずれか一項に記載の細胞。
(項目43)
上記対象とする二量体タンパク質がホモ二量体タンパク質である、項目42に記載の細胞。
(項目44)
上記対象とする二量体タンパク質がヘテロ二量体タンパク質である、項目42に記載の細胞。
(項目45)
対象とする少なくとも1つのタンパク質が多量体タンパク質である、項目38から41のいずれか一項に記載の細胞。
(項目46)
上記対象とする多量体タンパク質がホモ多量体タンパク質である、項目45に記載の細胞。
(項目47)
上記対象とする多量体タンパク質がヘテロ多量体タンパク質である、項目45に記載の細胞。
(項目48)
上記タンパク質の1つが内因性核酸によってコードされている、項目38から47のいずれか一項に記載の細胞。
(項目49)
上記タンパク質の1つが導入核酸によってコードされている、項目39または41に記載の細胞。
(項目50)
上記対象とするタンパク質がタンパク質タグを含まない、項目38から49のいずれか一項に記載の細胞。
(項目51)
上記対象とするタンパク質の1つが、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目38から49のいずれか一項に記載の細胞。
(項目52)
上記対象とするタンパク質の1つが公知のリガンドを有さない、項目38から51のいずれか一項に記載の細胞。
(項目53)
上記対象とするタンパク質の1つが同じ型の細胞中で発現されない、項目38から52のいずれか一項に記載の細胞。
(項目54)
哺乳動物細胞である、項目38から53のいずれか一項に記載の細胞。
(項目55)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目38から54のいずれか一項に記載の細胞。
(項目56)
上記対象とする2つ以上のタンパク質が少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目57)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目58)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目38、39および42から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目59)
選択圧の不在下で培養される、項目40から55のいずれか一項に記載の細胞。
(項目60)
上記選択圧が抗生物質である、項目59に記載の細胞。
(項目61)
少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、選択圧の不在下で上記2つ以上のタンパク質を発現する、項目59または60に記載の細胞。
(項目62)
対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、該対象とするRNAが導入核酸によってコードされており、該細胞が機能アッセイでの使用に適した形で該対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、該対象とするRNAがタグを含まず、または該RNAが、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目63)
対象とする少なくとも1つのRNAを発現する細胞であって、該細胞は、該対象とする少なくとも1つのRNAをコードする内因性核酸の転写を活性化するように操作されており、機能アッセイでの使用に適した形で該対象とする少なくとも1つのRNAを産生することを特徴とし、該対象とするRNAがタグを含まず、または該RNAが、該細胞が該機能アッセイ中で少なくとも0.4のZ’係数を有するようにその形で一貫して再現性よく産生されるか、または該細胞が選択圧の不在下で培養されるか、またはそれらの任意の組合せである、細胞。
(項目64)
対象とする少なくとも2つのRNAを発現する、項目62または63に記載の細胞。
(項目65)
対象とする少なくとも3つのRNAを発現する、項目62または63に記載の細胞。
(項目66)
導入核酸によってコードされるRNAをさらに発現する、項目64から65のいずれか一項に記載の細胞。
(項目67)
上記対象とするRNAが、イオンチャネルをコードするRNA、Gタンパク質共役受容体(GPCR)をコードするRNA、チロシン受容体キナーゼをコードするRNA、サイトカイン受容体をコードするRNA、核ステロイドホルモン受容体をコードするRNAおよび免疫学的受容体をコードするRNAからなる群より選択される、項目62から66のいずれか一項に記載の細胞。
(項目68)
上記対象とするRNAが同じ型の細胞中で発現されない、項目62から67のいずれか一項に記載の細胞。
(項目69)
哺乳動物細胞である、項目62から68のいずれか一項に記載の細胞。
(項目70)
1を超えるシグナル対ノイズ比、時間をわたって安定であること、発現の消失を伴わない選択圧なしでの増殖、生理的なEC50値、および生理的なIC50値からなる群より選択される追加の望ましい特性を有することをさらに特徴とする、項目62から69のいずれか一項に記載の細胞。
(項目71)
上記対象とするRNAが少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、および少なくとも9ヶ月から選択される期間1つの形で一貫して再現性よく産生される、項目62から70のいずれか一項に記載の細胞。
(項目72)
上記機能アッセイが細胞ベースアッセイ、蛍光細胞ベースアッセイ、高スループットスクリーニングアッセイ、受容体細胞ベースアッセイ、Gタンパク質媒介細胞ベースアッセイ、およびカルシウムフラックス細胞ベースアッセイからなる群より選択される、項目62から71のいずれか一項に記載の細胞。
(項目73)
細胞ベースの高スループットスクリーニングでの利用に適している、項目61から72のいずれか一項に記載の細胞。
(項目74)
項目1から73のいずれか一項に記載の細胞から作製された細胞系。
(項目75)
対象とするタンパク質を発現する細胞を作製するための方法であって、該細胞が時間をわたって一貫する少なくとも1つの望ましい特性を有し、
a)該対象とするタンパク質をコードするmRNAを発現する複数の細胞を提供するステップと、
b)細胞を個々の培養容器中に個々に分散させ、それによって複数の別々の細胞培養物を提供するステップと、
c)自動化細胞培養方法を使用して一組の望ましい培養条件下で該細胞を培養するステップであって、該条件が該別々の細胞培養物のそれぞれについて実質的に同一であり、該培養中、別々の細胞培養物当たりの細胞数を培養物毎に正規化し、該別々の培養物を同じスケジュールで継代することを特徴とする、ステップと、
d)該対象とするタンパク質の少なくとも1つの望ましい特徴について該別々の細胞培養物を少なくとも2回アッセイするステップと、
e)両方のアッセイで該望ましい特徴を有する別々の細胞培養物を同定するステップであって、該細胞がその細胞(a cell that)であるステップ、と
を含む、方法。
(項目76)
ステップa)における複数の細胞を、ステップb)の分散させることの前に、ある程度の期間培養する、項目75に記載の方法。
(項目77)
上記個々の培養容器がマルチウエルプレートの個々のウエルおよびバイアルからなる群より選択される、項目75に記載の方法。
(項目78)
複数の上記別々の細胞培養物の増殖速度を決定するステップ、および任意の群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差がステップb)とc)の間で1、2、3、4、または5日を超えないように、その増殖速度によって該別々の細胞培養物を群に分けるステップをさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目79)
1つまたは複数の上記別々の培養物の保存ストックを調製するステップをさらに含む、項目75または項目78に記載の方法。
(項目80)
上記別々の細胞培養物の1つまたは複数の複製セットのステップ、および供給源である上記別々の細胞培養物由来の該1つまたは複数の複製セットを別々に培養するステップをさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目81)
ステップd)でのアッセイが上記タンパク質の機能アッセイである、項目75に記載の方法。
(項目82)
ステップe)で一定のままである上記少なくとも1つの特徴がタンパク質機能である、項目75に記載の方法。
(項目83)
ステップc)での上記培養がロボット細胞培養装置におけるものである、項目75に記載の方法。
(項目84)
上記ロボット細胞培養装置がマルチチャネルロボットピペッターを含む、項目83に記載の方法。
(項目85)
上記マルチチャネルロボットピペッターが少なくとも96チャネルを含む、項目84に記載の方法。
(項目86)
上記ロボット細胞培養装置がチェリーピッキングアームをさらに含む、項目84に記載の方法。
(項目87)
上記自動化方法が培地除去、培地交換、細胞洗浄、試薬添加、細胞の除去、細胞分散、および細胞継代の1つまたは複数を含む、項目75に記載の方法。
(項目88)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも50個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目89)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも100個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目90)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも500個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目91)
複数の上記別々の細胞培養物が少なくとも1000個の培養物である、項目75に記載の方法。
(項目92)
ATPの測定、細胞集密度の測定、光散乱、光学濃度測定からなる群より選択される方法によって上記増殖速度を決定する、項目78に記載の方法。
(項目93)
上記群中で最も速い増殖速度と最も遅い増殖速度との差が1、2、3、4、または5時間を超えない、項目78に記載の方法。
(項目94)
ステップc)での培養が少なくとも2日間である、項目75に記載の方法。
(項目95)
複数の上記別々の細胞培養物の増殖速度を上記細胞を分散させることおよび細胞集密度を測定することによって決定する、項目78に記載の方法。
(項目96)
上記それぞれ別々の細胞培養物中の細胞を細胞集密度の測定前に分散させる、項目95に記載の方法。
(項目97)
上記分散ステップがトリプシンを上記ウエルに加えて塊を除去することを含む、項目95または96に記載の方法。
(項目98)
複数の上記別々の細胞培養物の細胞集密度を、自動化マイクロプレートリーダーを使用して測定する、項目95に記載の方法。
(項目99)
少なくとも2回の集密度測定を、増殖速度を計算する前に実施する、項目95に記載の方法。
(項目100)
上記細胞集密度を自動化プレートリーダーによって測定し、かつ増殖速度を計算するソフトウェアプログラムと共に該集密度値を使用する、項目98に記載の方法。
(項目101)
ステップd)での別々の細胞培養物が、脆弱性、形態、固体表面との接着性、固体表面との接着性の欠如およびタンパク質機能の1つまたは複数から選択される望ましい特質を特徴とする、項目75に記載の方法。
(項目102)
上記細胞が真核細胞である、項目75に記載の方法。
(項目103)
上記真核細胞が哺乳動物細胞である、項目75に記載の方法。
(項目104)
上記哺乳動物細胞系がNS0細胞、CHO細胞、COS細胞、HEK−293細胞、HUVEC、3T3細胞およびHeLa細胞からなる群より選択される、項目75に記載の方法。
(項目105)
上記対象とするタンパク質がヒトタンパク質である、項目75に記載の方法。
(項目106)
上記対象とするタンパク質がヘテロ多量体である、項目75に記載の方法。
(項目107)
上記対象とするタンパク質がGタンパク質共役受容体である、項目75に記載の方法。
(項目108)
上記タンパク質が公知のリガンドを有さない、項目75に記載の方法。
(項目109)
上記同定ステップの後に、
a)望ましい培養条件下においてステップe)で同定した細胞培養物の保存アリコートを拡大増殖させるステップと、
b)該a)の拡大増殖させた細胞培養物が望ましい特徴を有するかどうかを決定するステップと
をさらに含む、項目75に記載の方法。
(項目110)
クローン細胞系の適合パネルであって、該クローン細胞系が同じ細胞型であり、該パネル中のそれぞれの細胞系が対象とするタンパク質を発現し、該パネル中のクローン細胞系が同じ生理学的特徴を共有するように適合されていることにより並行処理が可能となる、クローン細胞系の適合パネル。
(項目111)
上記生理学的特徴が増殖速度である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目112)
上記生理学的特徴が組織培養物表面との接着性である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目113)
上記生理学的特徴がZ’係数である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目114)
上記生理学的特徴が上記対象とするタンパク質をコードするRNAの発現レベルである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目115)
上記生理学的特徴が上記対象とするタンパク質の発現レベルである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目116)
上記パネル中のクローン細胞系の増殖速度が互いに1、2、3、4、または5時間の範囲内にある、項目111に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目117)
上記培養条件が上記パネル中の全てのクローン細胞系で同じである、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目118)
上記クローン細胞系が真核細胞系である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目119)
上記真核細胞系が哺乳動物細胞系である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目120)
上記細胞系の細胞が初代細胞および不死化細胞からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目121)
上記細胞系の細胞が原核細胞または真核細胞である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目122)
上記細胞系の細胞が真核細胞であり、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、藻類、甲殻類細胞、節足動物細胞、鳥類細胞、爬虫類細胞、両生類細胞および植物細胞からなる群より選択される、項目121に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目123)
上記細胞系の細胞が哺乳動物細胞であり、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ネコ、ラット、有袋動物、ネズミ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ハムスターからなる群より選択される、項目122に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目124)
上記細胞系の細胞が上記対象とするタンパク質を発現するように操作されている、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目125)
上記細胞系の細胞が、上記対象とするタンパク質をコードする、または多量体タンパク質の場合では該タンパク質のサブユニットをコードする導入核酸から該タンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目126)
上記細胞が内因性核酸から上記対象とするタンパク質を発現し、該細胞が内因性タンパク質の転写を活性化する、または多量体タンパク質の場合では該タンパク質のサブユニットの転写を活性化するように操作されている、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目127)
上記パネルが少なくとも4個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目128)
上記パネルが少なくとも6個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目129)
上記パネルが少なくとも25個のクローン細胞系を含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目130)
上記パネル中の2つ以上のクローン細胞系が対象とする同じタンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目131)
上記パネル中の2つ以上のクローン細胞系が対象とする異なるタンパク質を発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目132)
上記パネル中の細胞系が異なる形態の対象とするタンパク質を発現し、該形態がアイソフォーム、アミノ酸配列変異体、スプライス変異体、切断型、融合タンパク質、キメラ、またはそれらの組合せからなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目133)
上記パネル中の細胞系が対象とするタンパク質の群中の異なるタンパク質を発現し、該対象とするタンパク質の群が同じシグナル伝達経路中のタンパク質、類似したタンパク質の発現ライブラリー、モノクローナル抗体重鎖ライブラリー、モノクローナル抗体軽鎖ライブラリーおよびSNPからなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目134)
上記対象とするタンパク質が単鎖タンパク質である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目135)
上記単鎖タンパク質がGタンパク質共役受容体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目136)
上記Gタンパク質共役受容体が味覚受容体である、項目135に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目137)
上記味覚受容体が苦味受容体、甘味受容体、塩味受容体およびうま味受容体からなる群より選択される、項目136に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目138)
上記タンパク質が多量体タンパク質である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目139)
上記タンパク質がヘテロ二量体またはヘテロ多量体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目140)
上記タンパク質が、イオンチャネル、イオンチャネル、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、チロシン受容体キナーゼ、サイトカイン受容体、核ステロイドホルモン受容体および免疫学的受容体からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目141)
上記タンパク質が上皮ナトリウムチャネル(ENaC)である、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目142)
上記ENaCがαサブユニット、βサブユニットおよびγサブユニットを含む、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目143)
上記パネル中の細胞系が異なるENaCアイソフォームを発現する、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目144)
上記パネル中の細胞系がENaCの異なるタンパク質分解アイソフォームを含む、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目145)
上記ENaCがヒトENaCである、項目141から143のいずれか一項に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目146)
上記タンパク質が電位依存性ナトリウムチャネル(NaV)である、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目147)
上記NaVが1つのαサブユニットおよび2つのβサブユニットを含む、項目146に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目148)
上記NaVがヒトNaVである、項目140に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目149)
上記タンパク質がγ−アミノ酪酸A受容体(GABA受容体)、γ−アミノ酪酸B受容体(GABA受容体)およびγ−アミノ酪酸C受容体(GABA受容体)からなる群より選択される、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目150)
上記タンパク質がGABA受容体である、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目151)
上記GABA受容体が2つのαサブユニット、2つのβサブユニットおよび1つのγまたはδサブユニットを含む、項目150に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目152)
上記パネル中のクローン細胞系が同時に、または互いに4週間を超えない内に作製された、項目110に記載のクローン細胞系の適合パネル。
(項目153)
対象とする単量体タンパク質をコードする導入核酸から該対象とする単量体タンパク質を発現する細胞であって、該細胞は、生物学的に活性な形もしくは生物学的に活性になることができる形で該対象とするタンパク質を産生することを特徴とし、該細胞は選択圧の不在下で培養され、かつ該タンパク質の発現が3ヶ月にわたって30%を超えて変化しない、細胞。
(項目154)
上記タンパク質の発現が6ヶ月にわたって30%を超えて変化しない、項目153に記載の細胞。
(項目155)
上記対象とするタンパク質が公知のリガンドを有さない、項目153または154に記載の細胞。
(項目156)
対象とするタンパク質のモジュレーターを同定するための方法であって、該細胞は:
a)項目1から74のいずれか一項に記載の細胞を試験化合物と接触させるステップと、
b)該試験化合物と接触させなかった細胞における該タンパク質の活性と比較した、該試験化合物と接触させた細胞における該対象とするタンパク質の活性の変化を検出するステップと
を含み、不在下と比較して存在下で活性の差を生じる化合物が該対象とするタンパク質のモジュレーターである、方法。
(項目157)
項目156に記載の方法によって同定されたモジュレーター。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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