JP2012516686A - Cftrを発現する細胞株およびそれらを使用する方法 - Google Patents

Cftrを発現する細胞株およびそれらを使用する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012516686A
JP2012516686A JP2011548377A JP2011548377A JP2012516686A JP 2012516686 A JP2012516686 A JP 2012516686A JP 2011548377 A JP2011548377 A JP 2011548377A JP 2011548377 A JP2011548377 A JP 2011548377A JP 2012516686 A JP2012516686 A JP 2012516686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cftr
cell
cells
seq
nucleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011548377A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012516686A5 (ja
Inventor
シェクダール,カンビーズ
ランガー,ジェシカ
ベンカタチャラン,スリニバサン,ピー.
ソーチャック,デニス,ジェイ.
Original Assignee
クロモセル コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クロモセル コーポレーション filed Critical クロモセル コーポレーション
Publication of JP2012516686A publication Critical patent/JP2012516686A/ja
Publication of JP2012516686A5 publication Critical patent/JP2012516686A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5008Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics
    • G01N33/502Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics for testing non-proliferative effects
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y306/00Hydrolases acting on acid anhydrides (3.6)
    • C12Y306/03Hydrolases acting on acid anhydrides (3.6) acting on acid anhydrides; catalysing transmembrane movement of substances (3.6.3)
    • C12Y306/03049Channel-conductance-controlling ATPase (3.6.3.49)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5008Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics
    • G01N33/502Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics for testing non-proliferative effects
    • G01N33/5038Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics for testing non-proliferative effects involving detection of metabolites per se
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/90Enzymes; Proenzymes
    • G01N2333/914Hydrolases (3)
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/38Pediatrics
    • G01N2800/382Cystic fibrosis

Abstract

CFTRを安定的に発現する細胞および細胞株、ならびにそれらの細胞および細胞株の使用法を本明細書で開示する。本発明は、これらの細胞および細胞株を作製するための技術も含む。本発明の細胞および細胞株は、生理的な関連性がある。本発明の細胞および細胞株は高い感受性があり、細胞に基づくアッセイにおいて、一貫性があり信頼できる結果を提供する。

Description

本出願は、2009年2月2日に出願された米国特許仮出願第61/149,312号の利益を請求し、この内容は参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
本発明は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ならびにCFTRを安定的に発現する細胞および細胞株に関する。本発明は、かかる細胞および細胞株の作製法をさらに提供する。本明細書に提供されるCFTRを発現する細胞および細胞株は、CFTRのモジュレーターを同定するのに有用である。
嚢胞性線維症は米国において最も一般的な遺伝病であり、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)タンパク質をコードする遺伝子の変異によって引き起こされる。CFTRは、塩素イオンおよび他のアニオンを輸送する膜貫通イオンチャネルタンパク質である。塩素イオンチャネルは、肺、汗腺、膵臓、および他の組織の上皮細胞の頂端部細胞膜に存在する。CFTRはイオン流束を調節し、かつ組織中の水の移動を制御し、粘液および他の分泌物の流動性を維持するのを助ける。塩素イオン輸送は、タンパク質キナーゼAを活性化し、調節「R」領域上のチャネルをリン酸化する環状アデノシン一リン酸(cAMP)の増加によって誘導される。
CFTRは、ABCトランスポーターファミリーの一員である。CFTRは、2つのATP−結合カセットを含む。ATP結合、加水分解およびcAMP−依存性リン酸化には、チャネル開口が必要とされる。CFTRは、24個のエクソンからなる単一の巨大遺伝子によってコードされる。CFTRイオンチャネル機能は、嚢胞性線維症、先天性精管欠損、分泌性下痢、および肺気腫を含む広範な障害と関連する。これまでに、1000以上の異なる変異がCFTRにおいて同定された。最も一般的なCFTRの変異は、そのアミノ酸配列の508番目の残基に位置するフェニルアラニンの欠損(ΔF508)である。この変異は、嚢胞性線維症患者の約70%に存在する。
CFTRモジュレーターを同定し、試験するためのハイスループットな形式、特に、CFTRファミリーの様々なメンバーの変異体と比較することができるハイスループットな形式の影響を受けやすい頑強な、生理的に関連する細胞に基づく系がないことにより、CFTRを特異的に標的とする新しい、改良された治療の発見は妨げられてきた。細胞に基づく系は、結合アッセイのみを提供する無細胞系とは対照的に、化合物の機能アッセイを提供するので、創薬およびバリデーションに好ましい。さらに、細胞に基づく系は、細胞毒性を同時に試験するという利点を有する。理想的には、細胞に基づく系は、標的タンパク質も安定的に発現しなければならない。細胞に基づく系は再現性のあることも望ましい。本発明は、これらの問題に取り組む。
出願者らは、CFTRの様々な型を発現する新しく有用な細胞および細胞株ならびに細胞株の収集物を見出した。これらの細胞、細胞株、およびそれらの収集物は、CFTRの機能を調べ、かつCFTRモジュレーターをスクリーニングするための細胞に基づくアッセイ、特に、ハイスループットアッセイに有用である。
したがって、本発明は、CFTR、例えば、機能的CFTRまたは変異体(例えば、機能不全)CFTRを安定的に発現するように遺伝子工学処理をした細胞または細胞株を提供する。いくつかの実施形態において、このCFTRは、細胞の中で、それをコードする導入核酸から発現する。いくつかの実施形態において、このCFTRは、細胞の中で、遺伝子工学処理による遺伝子活性化によって活性化される内在性核酸から発現する。
本発明の細胞または細胞株は真核細胞(例えば、哺乳類細胞)であってもよく、任意選択で、CFTRを内因的に発現しない(または、遺伝子活性化の場合は、遺伝子活性化に先立ってCFTRを内因的に発現しない)。これらの細胞は初代細胞または不死化細胞であってもよく、例えば、霊長類(例えば、ヒトもしくはサル)、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、もしくはハムスター)、または昆虫(例えば、ショウジョウバエ)起源の細胞であってもよい。いくつかの実施形態において、これらの細胞は分極した単分子層を形成することができる。本発明の細胞または細胞株の中で発現するCFTRは、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、イヌ、ウシ、ブタ、または霊長類(例えば、ヒト)などの哺乳類であってもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株は、アッセイ、例えば、ハイスループットな細胞に基づくアッセイの中で少なくとも0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8または0.85のZ’因子を有する。いくつかの実施形態において、本発明の細胞または細胞株は、選択圧、例えば、抗生物質がない状態で維持される。いくつかの実施形態において、これらの細胞または細胞株によって発現させられるCFTRは、任意のポリペプチドタグを含まない。いくつかの実施形態において、これらの細胞または細胞株は、自己蛍光タンパク質(例えば、黄色蛍光タンパク質(YFR)またはその変異型)を含む任意の他の導入タンパク質を発現しない。
いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株は、選択圧がない状態で、一貫したレベルで、少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間CFTRを安定的に発現する。
本発明の別の態様において、これらの細胞または細胞株は、ヒトCFTRを発現する。このCFTRは、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;配列番号2と少なくとも95%の配列相同性を有するポリペプチド;ストリンジェントな条件下で、配列番号1とハイブリダイズする核酸によってコードされるポリペプチド;配列番号2の対立遺伝子変異型であるポリペプチドであってもよい。このCFTRは、配列番号1に記載の配列を有する核酸;ストリンジェントな条件下で、配列番号1とハイブリダイズする核酸;配列番号2のポリペプチドをコードする核酸;配列番号1と少なくとも95%の配列相同性を有する核酸;または配列番号1の対立遺伝子変異型である核酸によってコードされてもよい。このCFTRは、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または配列番号4に記載の核酸配列によってコードされるポリペプチドであってもよい。
別の態様において、本発明はCFTRの異なる型(すなわち、変異型)を発現する細胞または細胞株の収集物を提供する。いくつかの実施形態において、この収集物の中の細胞または細胞株は、少なくとも2種類、少なくとも5種類、少なくとも10種類、少なくとも15種類、少なくとも20種類の異なる細胞または細胞株を含み、各々は、少なくともCFTRの異なる型(すなわち、変異型)を発現する。いくつかの実施形態において、生理的特性(例えば、細胞型、代謝、細胞継代(歳)、増殖率、組織培養表面への接着、Z’因子、CFTRの発現レベル)を共有するように、この収集物の中の細胞または細胞株を一致させ、並行処理および正確なアッセイの読み取りを可能にする。これらは、例えば、自動化により達成可能である同一条件下で、これらの細胞および細胞株を作製および増殖させることによって達成することができる。いくつかの実施形態において、このZ’因子を、タンパク質輸送補正物質(protein trafficking corrector)がない状態で決定する。タンパク質輸送補正物質は、変異体CFTRと、その膜貫通レベルにおいて直接的または間接的に相互作用することによって、不適切に折り畳まれたCFTR変異体の成熟を助け、この変異体CFTRが細胞膜に到達するように促進する物質である。
別の態様において、本発明は本発明の細胞または細胞株を作製する方法であって、(a)CFTR(例えば、ヒトCFTR)をコードする核酸を含むベクターを、宿主細胞に導入するか、または内在性CFTR(例えば、ヒトCFTR)の発現を活性化する1つ以上の核酸配列を導入するステップ;(b)ステップ(a)において産生されるCFTRの発現を検出する分子ビーコンまたは蛍光プローブを、その宿主細胞に導入するステップ;(c)CFTRを発現する細胞を単離するステップを含む方法である。いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(c)において単離される細胞から細胞株を作製する追加のステップを含む。これらの宿主細胞は、哺乳類細胞などの真核細胞であってもよく、任意選択でCFTRを内在的に発現しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株を作製する方法は、蛍光活性化細胞選別装置(fluorescence
activated cell sorter)を利用して、CFTRを発現する細胞を単離する。いくつかの実施形態において、本収集物の細胞または細胞株を並行して作製する。
別の態様において、本発明はCFTRの機能のモジュレーターを同定する方法であって、本発明の細胞もしくは細胞株またはこれらの細胞株の収集物を試験化合物に曝露するステップ;かつ細胞においてCFTR機能の変化を検出し、ここで、この試験化合物がCFTRモジュレーターであることを変化が示すステップを含む方法である。いくつかの実施形態において、この検出ステップは、膜電位アッセイ、黄色蛍光タンパク質(YFP)クエンチングアッセイ、電気生理学的アッセイ、結合アッセイ、またはUssing
chamberアッセイであり得る。いくつかの実施形態において、この検出ステップのアッセイを、タンパク質輸送補正物質がない状態で行う。本方法で使用する試験化合物は、小分子、化学成分、ポリペプチド、または抗体を含んでもよい。他の実施形態において、この試験化合物は、化合物のライブラリーであってもよい。このライブラリーは、小分子ライブラリー、コンビナトリアルライブラリー、ペプチドライブラリー、または抗体ライブラリーであってもよい。
さらなる態様において、本発明は、一貫したレベルで、長期にわたって、CFTRを安定的に発現するように遺伝子工学処理された細胞を提供する。この細胞を、
a)CFTRをコードする(1つまたは複数の)mRNAを発現する多数の細胞を提供するステップと;
b)個々の培養容器の中でこれらの細胞を1つ1つ分散させ、それによって多数の別々の細胞培養物を提供するステップと;
c)培養条件が別々の細胞培養物の各々と実質的に同一であり、培養中、別々の細胞培養物あたりの細胞数を正規化し、これらの別々の培養物を同じスケジュールで継代するという点において特徴づけられる自動化細胞培養法を用いて、一連の所望の培養条件下でこれらの細胞を培養するステップと;
d)別々の細胞培養物をアッセイし、少なくとも2回このCFTRの発現を測定するステップと;
e)一貫したレベルでCFTRを発現する別々の細胞培養物を、両方のアッセイにおいて同定し、それによって前記細胞を取得するステップと
を含む方法によって、作製してもよい。
別の態様において、本発明はCFTRを内在的に発現する細胞を単離する方法であって、
a)細胞の集団を提供するステップと;
b)CFTRの発現を検出する分子ビーコンをこれらの細胞に導入するステップと;
c)CFTRを発現する細胞を単離するステップと
を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、この細胞の集団は、CFTRを内在的に発現しない細胞を含む。いくつかの実施形態において、CFTRを発現する単離細胞は、前記単離に先立って、CFTRを発現することを知られていない。いくつかの実施形態において、本方法は、前記ステップCの単離に先立って、遺伝的可変性を増加させるステップをさらに含む。
別の態様において、本発明は、細胞原形質膜上でのCFTRの発現レベルを増加させるために、式
Figure 2012516686
N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸
の化合物を含む組成物の使用を提供する。
図1A及び1Bは作製された、CFTRを安定的に発現する細胞株が顕著に増強されかつ頑強なCFTR表面発現を示すグラフである。活性化CFTR発現に応答するイオン流束を、ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイによって測定した。図1Aは、CFTRを安定的に発現する細胞株1と、CFTRを一過的にトランスフェクトした細胞およびCFTRを含まない対照細胞とを比較したグラフである。図1Bは、(図1A由来の)CFTRを安定的に発現する細胞株1と、CFTRを安定的に発現する、作製された他のクローン(M11、J5、E15、およびO1)とを比較したグラフである。 CFTRのハイスループット適合蛍光膜電位アッセイの用量反応曲線である。このアッセイは、作製された、CFTRを安定的に発現する細胞株の、フォルスコリン(CFTRアゴニスト)に対する反応を測定した。試験細胞株におけるフォルスコリンのEC50値は256nMであった。ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイに関して、少なくとも0.82のZ’値が得られた。 図3A〜3FはCFTR−ΔF508を安定的に発現するCHO細胞クローンを、CHO細胞の集団由来の無反応性クローンから同定することができることを示すグラフである。CFTR−ΔF508を安定的に発現するクローンは、タンパク質輸送補正物質(Chembridge社の化合物番号5932794a(SanDiego,CA))が存在するかしないかに関わらず、細胞内区画の中の捕捉からCFTR−ΔF508の細胞表面発現を助けることができた。この化合物は、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸であり、式
Figure 2012516686
を有する。無反応性クローンは、タンパク質輸送補正物質の存在下または非存在下のいずれか一方において、細胞内区画の中に捕捉されているCFTR−ΔF508の細胞表面発現を助けることができなかった。活性化CFTR−ΔF508発現に応答するイオン流束を、ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイによって測定した。図3Aは、青色膜電位色素およびタンパク質輸送補正物質(15〜25μM)の存在下で、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、CFTR−ΔF508を安定的に発現するクローンの薬理反応を示すグラフである。図3Bは、青色膜電位色素およびタンパク質輸送補正物質(15〜25μM、図3A内と同じ)の存在下で、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、無反応性クローンの薬理反応を示すグラフである。図3Cは、AnaSpec社の膜電位色素およびタンパク質輸送補正物質(15〜25μM、図3A、3B内と同じ)の存在下で、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、CFTR−ΔF508を安定的に発現するクローンの薬理反応を示すグラフである。図3Dは、AnaSpec社の膜電位色素およびタンパク質輸送補正物質(15〜25μM、図3A、3B、3C内と同じ)の存在下で、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、無反応性クローンの薬理反応を示すグラフである。図3Eは、AnaSpec社の膜電位色素の存在下で、タンパク質輸送補正物質を用いないで、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、CFTR−ΔF508を安定的に発現するクローンの薬理反応を示すグラフである。図3Fは、AnaSpec社の膜電位色素の存在下で、タンパク質輸送補正物質を用いないで、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)のアゴニスト混合物(黒色のトレース)またはDMSO+緩衝液(灰色のトレース)のいずれか一方によって検証した時の、無反応性クローンの薬理反応を示すグラフである。
特に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。例示的な方法および物質を以下に記載するが、本明細書記載の方法および物質と類似のまたは同等の方法および物質を、本発明の実施または試験の際に使用することもできる。本明細書で言及される全ての公表文献および他の参考文献は、参照によりその全体が組込まれる。係争の場合、定義を含む本明細書を照合するだろう。いくつかの文書が本明細書で引用されるが、この引用によって、これらの文章の全てが当技術分野の周知の事実の一部を形成するということを承認するわけではない。本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「comprise」、という単語、または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、既定の整数または整数群を含むことをほのめかすが、任意の他の整数または整数群を排除するわけではないことが理解されるであろう。文脈に特に必要とされない限り、単数用語は複数形を含み、複数用語は単数形を含まなければならない。材料、方法、および実施例は単に例示的なものであり、限定するように意図するものではない。
本発明をさらに容易に理解することを可能にするために、特定の用語を最初に定義する。追加の定義を、発明を実施するための形態を通じて説明する。
「安定な」または「安定的に発現する」という用語は、「安定発現」および「一過的発現」という用語が当業者に理解されるように、本発明の細胞および細胞株を、一過的発現を有する細胞と区別することを意味する。
「細胞株」または「クローン細胞株」という用語は、全てが単一起源細胞の子孫である細胞の集団をいう。本明細書で使用するように、細胞株をインビトロ細胞培養で維持し、一定分量を凍結し、クローン細胞バンクを確立してもよい。
「ストリンジェントな条件」または「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、1種類以上の核酸プローブを核酸試料とハイブリダイズさせ、試料中の標的核酸と特異的に結合しなかったプローブを洗い落とすための温度および塩の条件を表す。ストリンジェントな条件は当業者に知られており、Current
Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6の中で見つけることができる。水性法および非水性法がこの参考文献に記載されており、いずれかを使用することができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例として、6×SSC中での約45℃におけるハイブリダイゼーション、続いて、0.2×SSC、0.1%SDS中での60℃における少なくとも1回の洗浄が挙げられる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件のさらなる例として、6×SSC中での約45℃におけるハイブリダイゼーション、続いて、0.2×SSC、0.1%SDS中での65℃における少なくとも1回の洗浄が挙げられる。ストリンジェントな条件には、0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS中での65℃におけるハイブリダイゼーション、続いて、0.2×SSC、0.1%SDS中での65℃における少なくとも1回の洗浄が含まれる。
アミノ酸配列および/または核酸配列に関連する「パーセント同一の」または「パーセント同一性」という用語は、少なくとも2種類の異なる配列間での類似度をいう。このパーセント同一性を、標準的な整列アルゴリズム、例えば、Altshulら((1990)J.Mol.Biol.,215:403−410)によって記載されたBasic
Local Alignment Tool(BLAST);Needlemanら((1970)J.MoL.BIoL.,48:444−453)のアルゴリズム;またはMeyersら((1988)Comput.Appl.Biosci.,4:11−17)のアルゴリズムによって決定することができる。一組のパラメーターは、ギャップペナルティが12、ギャップ伸長ペナルティが4、およびフレームシフトギャップペナルティが5であるBlosum
62スコア行列であってもよい。2種類のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性を、PAM120重量残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティおよび4のギャップペナルティを用いて、ALIGNプログラム(2.0版)に組込まれたE.MeyersおよびW.Miller((1989)CABIOS,4:11−17)のアルゴリズムを用いて決定することもできる。パーセント同一性を、通常、類似の長さの配列を比較することによって計算する。タンパク質解析ソフトウェアは、保存的アミノ酸置換を含む様々な置換、欠失および他の修飾に割り当てられる類似性の尺度を用いて類似配列を一致させる。例えば、GCGWisconsin
Package(Accelrys,Inc.)は、初期設定のパラメーターを用いて、異なる生物種由来の相同ポリペプチドなどの密接に関連するポリペプチド間、または野生型タンパク質とその変異体との間の配列相同性を決定することができる「Gap」および「Bestfit」などのプログラムを含む。例えば、GCG6.1版を参照されたい。初期設定または推奨パラメーターを用いるFASTAを用いて、ポリペプチド配列も比較することができる。GCG6.1版のFASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)のプログラムは、問い合わせ配列と検索配列との間で、最高の重複領域の整列およびパーセント配列相同性を提供する(Pearson,Methods Enzymol.183:63−98(1990);Pearson,Methods Mol.Biol.132:185−219(2000))。同一性について比較されるポリペプチド配列の長さは、一般に、少なくとも約16アミノ酸残基、通常少なくとも約20残基、さらに通常少なくとも約24残基、典型的に少なくとも約28残基、および好ましくは約35残基より多いであろう。同一性について比較されるDNA配列の長さは、一般に、少なくとも約48核酸残基、通常少なくとも約60核酸残基、さらに通常少なくとも約72核酸残基、典型的に少なくとも約84核酸残基、および好ましくは約105核酸残基より多いであろう。
アミノ酸配列およびヌクレオチド配列と関連する「並べられるように実質的に」、「実質的同一性」または「実質的相同性」という語句は、関連性のあるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列が、並べられる配列と同一であるか、または並べられる配列と比較して、(保存的アミノ酸置換を通して)違いを有することを意味する。ごくわずかな違いには、特定領域の50アミノ酸配列中の1または2置換などの少ないアミノ酸変化が含まれる。ごくわずかな違いは、有害効果を有してもよい。
「増強物質」、「補正物質」、「アゴニスト」または「活性化因子」という用語は、CFTRの生理学的機能を活性化する、例えば、CFTRを介してイオンコンダクタンスを高める化合物または物質をいう。本明細書で使用される増強物質、補正物質または活性化因子は、CFTRに、またはCFTRの特定の一部の異なる型(例えば、変異型)に作用してもよい。
「阻害物質」、「アンタゴニスト」または「遮断薬」という用語は、CFTRの生理学的機能を減少させる、例えば、CFTRを介してイオンコンダクタンスを減少させる化合物または物質をいう。本明細書で使用される阻害物質または遮断薬は、CFTRに、またはCFTRの特定の一部の異なる型(例えば、変異型)に作用してもよい。
「モジュレーター」という用語は、積極的または消極的のいずれか一方で、CFTRの構造、高次構造、生化学的もしくは生物物理学的特性、または生化学的もしくは生物物理学的機能性を変える化合物または物質をいう。このモジュレーターは、部分的アゴニストまたはアンタゴニスト、選択的アゴニストまたはアンタゴニストおよびインバースアゴニストを含むCFTRアゴニスト(増強物質、補正物質、もしくは活性化因子)またはアンタゴニスト(阻害物質もしくは遮断薬)であり得、アロステリックモジュレーターであり得る。モジュレーターの修飾活性が、CFTRの異なる条件もしくは濃度下で、またはCFTRの異なる型(例えば、変異型)に関して変化しても、モジュレーターは物質または化合物である。本明細書で使用されるモジュレーターは、CFTRのイオンコンダクタンス、CFTRの別の調節化合物に対する反応、またはCFTRの選択性に影響を与えてもよい。モジュレーターは、別のモジュレーターがCFTRの機能に影響を与える能力も変化させてもよい。モジュレーターは、CFTRの異なる型(例えば、変異型)の全てまたは特定の一部に作用してもよい。モジュレーターには、増強物質、補正物質、活性化因子、阻害物質、アゴニスト、アンタゴニスト、および遮断薬が含まれるが、これらに限定されない。モジュレーターには、タンパク質輸送補正物質も含まれる。
「機能的CFTR」という語句は、既知の活性化因子(例えば、アピゲニン、フォルスコリンまたはIBMX−[3−イソブチル−1−メチルキサンチン])または既知の阻害物質(例えば、クロマノ−ル293B、グリベンクラミド、ロニダミン、NPPB−[5−ニトロ−2−(3−フェニルプロピルアミノ)安息香酸]、DPC−[ジフェニルアミン−2−カルボン酸塩]もしくはニフルム酸)、または他の既知のモジュレーター(例えば、9−AC−[アントラセン−9−カルボン酸]、もしくはクロロトキシン)に対して、遺伝子工学処理を施すことなくCFTRを正常に発現する細胞におけるCFTRと実質的に同じ方法で反応するCFTRをいう。CFTRの作用は、例えば、生理学的活性、および薬理反応によって決定され得る。生理学的活性には塩素イオンコンダクタンスが含まれるが、それに限定されない。薬理反応には、フォルスコリン単独による活性化、フォルスコリン、アピゲニンおよびIBMX[3−イソブチル−1−メチルキサンチン]の混合物による活性化が含まれるが、これらに限定されない。
「異種の」または「導入される」CFTRタンパク質は、このCFTRタンパク質が宿主に導入されるポリヌクレオチドによってコードされることを意味する。
本発明は、CFTRを発現するように遺伝子工学処理をした新規の細胞および細胞株に関する。いくつかの実施形態において、本発明の新規の細胞または細胞株は、機能的な、野生型CFTR(例えば、配列番号2)を発現する。いくつかの実施形態において、このCFTRは変異型CFTR(例えば、CFTRΔF508;配列番号7)である。例示的なCFTR変異型を、表1および2において説明する(www.Genet.sickkids.on.ca/cftr/Homeで利用可能な、嚢胞性線維症遺伝子解析コンソーシアムによって開発されたデータベースから得られる変異情報に基づいて、これらの表をまとめた)。本発明によると、このCFTRは、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、イヌ、ウシ、ブタ、または霊長類(例えば、ヒト)を含む任意の哺乳類に由来し得る。いくつかの実施形態において、この新規の細胞または細胞株は、導入される機能的CFTR(例えば、トランスジーンによってコードされるCFTR)を発現する。いくつかの実施形態において、この新規の細胞または細胞株は、遺伝子活性化技術によって活性化される内在性CFTR遺伝子によってコードされる、天然に存在するCFTRを発現する。好ましい実施形態において、この細胞および細胞株はCFTRを安定的に発現する。本発明のCFTRを発現する細胞および細胞株は、従来法によって作製された細胞および細胞株と比較して、特性が高まった。例えば、このCFTR細胞およびCFTR細胞株は、(抗生物質などの選択圧がない培養下で維持される時でさえ)発現の安定性が増加し、かつ細胞に基づくアッセイにおいて高いZ’値を有する。本発明の細胞および細胞株は、検出可能なシグナル対ノイズのシグナル、例えば、1:1より大きいシグナル対ノイズのシグナルを提供する。本発明の細胞および細胞株は、膜電位アッセイなどのハイスループットアッセイにおいて使用される時、信頼性のある読み出し情報を提供し、当技術分野においてゴールドスタンダードであると考えられているアッセイの結果と一致し得る結果をもたらすが、あまりに労働集約型であるため、ハイスループットにならない(例えば、電気生理学的アッセイ)。特定の実施形態において、このCFTRは、ポリペプチドタグを含まない。
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686


Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
Figure 2012516686
(参考文献)
表2の中の参考文献:
[1]Riordan J.R.etal.,Science 245:1066−1073(1989)[PubMed:2475911]
[2]Zielenski J.etal.,Genomics 10:214−228(1991)[PubMed:1710598]
[3]Stacy R.etal.,Submitted(JAN−2006)to the EMBL/GenBank/DDBJ databases
[4]Hillier L.W.etal.,Nature 424:157−164(2003)[PubMed:12853948]
[5]Scherer S.W.etal.,Science 300:767−772(2003)[PubMed:12690205]
[6]Picciotto M.R.etal.,J.Biol.Chem.267:12742−12752(1992)[PubMed:1377674]
[7]Chang X.−B.etal.,J.Biol.Chem.269:18572−18575(1994)[PubMed:7518437]
[8]Neville D.C.A.etal.,Protein Sci.6:2436−2445(1997)[PubMed:9385646]
[9]Pagani F.etal.,J.Biol.Chem.275:21041−21047(2000)[PubMed:10766763]
[10]Cheng J.etal.,J. Biol.Chem.277:3520−3529(2002)[PubMed:11707463]
[11]Park M.etal.,J.Biol.Chem.277:50503−50509(2002)[PubMed:12403779]
[12]Swiatecka−Urban A.etal.,J.Biol.Chem.279:38025−38031(2004)[PubMed:15247260]
[13]McIntosh I.etal.,FASEB J.6:2775−2782(1992)[PubMed:1378801]
[14]Aznarez I.etal.,Hum.Mol.Genet.12:2031−2040(2003)[PubMed:12913074]
[15]Chappe V.etal.,J.Physiol.(Lond.)548:39−52(2003)[PubMed:12588899]
[16]Wang Y.etal.,EMBO J.25:5058−5070(2006)[PubMed:17053785]
[17]Hoedemaeker F.J.etal.,Proteins 30:275−286(1998)[PubMed:9517543]
[18]Karthikeyan S.etal.,J.Biol.Chem.276:19683−19686(2001)[PubMed:11304524]
[19]Tsui L.−C.etal.,Hum.Mutat.1:197−203(1992)[PubMed:1284534]
[20]Cutting G.R.etal.,Nature 346:366−369(1990)[PubMed:1695717]
[21]Kerem B.−S.etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:8447−8451(1990)[PubMed:2236053]
[22]Dolganov G.etal.,Genomics 10:266−269(1991)[PubMed:1710600]
[23]Jones C.T.etal.,Hum.Mol.Genet.1:11−17(1992) [PubMed:1284466]
[24]Cheadle J.P.etal.,Hum.Mol.Genet.1:123−125(1992) [PubMed:1284468]
[25]Lissens W.etal.,Hum.Mol.Genet.1:441−442(1992) [PubMed:1284530]
[26]Shackleton S.etal.,Hum.Mol.Genet.1:439−440(1992)[PubMed:1284529]
[27]Zielenski J.etal.,Am.J.Hum.Genet.52:609−615(1993)[PubMed:7680525]
[28]Mercier B.etal.,Genomics 16:296−297(1993)[PubMed:7683628]
[29]Nunes V.etal.,Hum.Mol.Genet.2:79−80(1993) [PubMed:7683954]
[30]Chillon M.etal.,Hum.Mol.Genet.2:1741−1742(1993)[PubMed:7505694]
[31]Gasparini P.etal.,Hum.Mutat.2:389−394(1993)[PubMed:7504969]
[32]Ghaneb N.etal.,Genomics 21:434−436(1994)[PubMed:7522211]
[33]Boteva K.etal.,Hum.Genet.93:529−532(1994)[PubMed:7513296]
[34]Doerk T.etal.,Hum.Genet.94:533−542(1994)[PubMed:7525450]
[35]Greil I.etal.,Hum.Hered.44:238−240(1994)[PubMed:7520022]
[36]Petreska L.etal.,Hum.Mol.Genet.3:999−1000(1994)[PubMed:7524913]
[37]Schaedel C.etal.,Hum.Mol.Genet.3:1001−1002(1994)
[PubMed:7524909]
[38]Chillon M.etal.,Hum.Mutat.3:223−230(1994)[PubMed:7517264]
[39]Bienvenu T.etal.,Hum.Mutat.3:395−396(1994)[PubMed:8081395]
[40]Mercier B.etal.,Am.J.Hum.Genet.56:272−277(1995)[PubMed:7529962]
[41]Jezequel P.etal.,Clin.Chem.41:833−83V(1995)[PubMed:7539342]
[42]Brancolini V.etal.,Hum.Genet.96:312−318(1995)[PubMed: 7544319]
[43]Desgeorges M.etal.,Hum.Genet.96:717−720(1995)[PubMed:8522333]
[44]Zielenski J.etal.,Hum.Mutat.5:43−47(1995) [PubMed:7537150]
[45]Verlingue C.etal.,Hum.Mutat.5:205−209(1995) [PubMed:7541273]
[46]Romey M.−C.etal.,Hum.Mutat.6:190−191(1995) [PubMed:7581407]
[47]Leoni G.B.etal.,J.Pediatr.127:281−283(1995) [PubMed:7543567]
[48]Ferec C.etal.,Mol.Cell.Probes 9:135−137(1995)[PubMed:7541510]
[49]Messaoud T.etal.,Eur.J.Hum.Genet.4:20−24(1996)[PubMed:8800923]
[50]Nasr S.Z.etal.,Hum.Mutat.7:151−154(1996)[PubMed:8829633]
[51]Petreska L.etal.,Hum.Mutat.7:374−37V(1996)[PubMed:8723693]
[52]Bienvenu T.etal.,Hum.Mutat.7:376−377(1996)[PubMed:
8723695]
[53]Hughes D.J.etal.,Hum.Mutat.8:340−347(1996) [PubMed:8956039]
[54]Zielenski J.etal.,Hum.Mutat.9:183−184(1997)[PubMed:9067761]
[55]Clavel C.etal.,Hum.Mutat.9:368−369(1997)[PubMed:9101301]
[56]Gouya L.etal.,Hum.Mutat.10:86−87(1997)[PubMed:9222768]
[57]Casals T.etal.,Hum.Mutat.10:387−392(1997)[PubMed:9375855]
[58]Shrimpton A.E.etal.,Hum.Mutat.10:436−44II(1997)[PubMed:9401006]
[59]Friedman K.J.etal.,Am.J.Hum.Genet.62:195−196(1998)[PubMed:9443874]
[60]Onay T.etal.,Hum.Genet.102:224−230(1998)[PubMed:9521595]
[61]Bombieri C.,Hum.Genet.103:718−722(1998)
[PubMed:9921909]
[62]Vankeerberghen A.etal.,Hum.Mol.Genet.
7:1761−1769(1998)[PubMed:9736778]
[63]Malone G.etal.,Hum.Mutat.11:152−157(1998)[PubMed:9482579]
[64]Leoni G.B.etal.,Hum.Mutat.11:337−337(1998)[PubMed:9554753
[65]Feldmann D.etal.,Hum.Mutat.Suppl.1:S78−S80(1998)[PubMed:9452048]
[66]Casals T.etal.,Hum.Mutat.Suppl.1:S99−S102(1998)[PubMed:9452054]
[67]Shackleton S.etal.,Hum.Mutat.Suppl.1:S156−S157(1998)[PubMed:9452073]
[68]Bienvenu T.etal.,Hum.Mutat.12:213−214(1998) [PubMed:10651488]
[69]de Meeus A.etal.,Hum.Mutat.12:480−480(1998)
[70]Picci L.etal.,Hum.Mutat.13:173−173(1999)[PubMed:10094564]
他の態様において、本発明は、CFTR(例えば、野生型または変異体のCFTR)を発現する新規の細胞および細胞株の作製方法ならびに使用方法を提供する。他の態様において、本発明の細胞および細胞株を使用して、CFTRの特定型(例えば、変異型)に特異的なモジュレーター、例えば、CFTRの塩素イオンコンダクタンス機能またはCFTRのフォルスコリンに対するCFTRの反応に影響を与えるモジュレーターを含むCFTR機能のモジュレーターをスクリーニングすることができる。これらのモジュレーターは、病態または疾患組織において、例えば、変異体CFTRを標的とする治療薬として有用である。CFTRに関連する疾患および症状には、嚢胞性線維症、肺疾患(例えば、慢性閉塞性の肺疾患および肺水腫)、胃腸の症状(例えば、CF病、腸洗浄、過敏性腸症候群、便秘、下痢、コレラ、ウイルス性胃腸炎、吸収不良症候群、および短腸症候群)、内分泌症状(例えば、CF患者の膵機能障害)、不妊(例えば、精子の運動性および精子の受精能獲得問題ならびに不適な頸管粘液)、口渇、ドライアイ、緑内障、ならびに粘膜および/または上皮の液体吸収ならびに粘膜および/または上皮の液体分泌の調節における他の不全が含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、本発明の細胞または細胞株は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200日間、または200日以上の間、一貫した発現レベルでCFTRを発現する。ここで一貫した発現とは、2〜4日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%を上回って変化しない発現レベル;5〜15日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%または12%を上回って変化しない発現レベル;16〜20日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%または20%を上回って変化しない発現レベル;21〜30日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%を上回って変化しない発現レベル;30〜40日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%を上回って変化しない発現レベル;41〜45日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%を上回って変化しない発現レベル;45〜50日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%を上回って変化しない発現レベル;45〜50日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%を上回って変化しない発現レベル;50〜55日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%を上回って変化しない発現レベル;50〜55日にわたる連続細胞培養において2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%を上回って変化しない発現レベル;55〜75日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%を上回って変化しない発現レベル;75〜100日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベル;101〜125日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベル;126〜150日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベル;151〜175日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベル;176〜200日にわたる連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベル;200日を越える連続細胞培養において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%を上回って変化しない発現レベルをいう。
いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株はCFTRを発現し、これらの細胞および細胞株の1つ以上の生理的特性は、長期にわたって実質的に一定のままである。生理的特性には、CFTRの発現は別として、細胞もしくは細胞株の全ての観察可能で、検出可能なまたは測定可能な特性が含まれる。
いくつかの実施形態において、CFTRの発現は、1つ以上の生理的特性を変えることができる。生理的特性の変更には、CFTRの発現に起因する生理的特性の全ての変化、例えば、生理的特性の刺激、活性化、もしくは増加、または生理的特性の阻害、遮断、もしくは減少が含まれる。これらの実施形態において、1つ以上の一定の生理的特性は、CFTRの機能的発現も一定のままであることを示すことができる。
本発明は、一定の培養条件下で、CFTRを発現する多数の細胞または細胞株の培養方法であって、CFTRの安定発現などの1つ以上の所望の特性および/または1つ以上の実質的に一定の生理的特性を有する細胞または細胞株を選択することができる方法である。
生理的特性を測定することができるいくつかの実施形態において、この生理的特性を、多数の細胞または細胞株の多数の細胞において測定する生理的特性の平均として決定する。特定の実施形態において、生理的特性は、少なくとも10細胞;100細胞;1,000細胞;10,000細胞;100,000細胞;1,000,000細胞;または少なくとも10,000,000細胞を越えて測定され、その平均は、長期にわたって実質的に一定のままである。いくつかの実施形態において、細胞が細胞周期の異なる段階にある多数の細胞または細胞株の多数の細胞において生理的特性を測定することによって、生理的特性の平均を決定する。他の実施形態において、これらの細胞を細胞周期に関して同調させる。
いくつかの実施形態において、生理的特性を、単一細胞レベルで観察、検出、測定または監視する。特定の実施形態において、この生理的特性は、長期にわたって、単一細胞レベルで実質的に一定のままである。
特定の実施形態において、生理的特性が、12時間を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、1日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、2日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、5日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、10日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、20日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、30日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、40日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、50日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、60日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、70日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、80日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、90日を越えて、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。特定の実施形態において、生理的特性が、1継代、2継代、3継代、5継代、10継代、25継代、50継代、または100継代の期間にわたって、0.1%、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を上回って変化しない場合、生理的特性は長期にわたって実質的に一定のままである。
細胞の生理的特性の例として、以下のものが含まれるが、これらに限定されない:増殖速度、サイズ、形、形態、容積;DNA、RNA、タンパク質、脂質、イオン、炭水化物もしくは水のプロファイルまたは含有量;内在性遺伝子、遺伝子工学処理遺伝子、導入遺伝子、遺伝子活性化遺伝子もしくは全遺伝子、RNAもしくはタンパク質の発現または含有量;接着性の増殖条件、懸濁液による増殖条件、血清を含む増殖条件、血清を含まない増殖条件、動物性成分を含まない増殖条件、振盪による増殖条件、静置での増殖条件もしくは生物反応器での増殖条件において増殖する傾向または適応能力;チップ、アレイ、マイクロアレイ、スライド、培養皿、プレート、マルチウェルプレート、高密度マルチウェルプレート、フラスコ、回転瓶、バッグもしくはタンクにおいて増殖する傾向または適応能力;手動もしくは自動またはロボットによる細胞培養法を用いて増殖する傾向または適応能力;細胞質、核小体、核、リボソーム、粗面小胞体、ゴルジ体、細胞骨格、滑面小胞体、ミトコンドリア、空胞、サイトゾル、リソソーム、中心子、葉緑体、細胞膜、プラズマ細胞膜、核膜(nuclear
membrane)、核膜(nuclear envelope)、小胞(例えば、分泌小胞)、もしくは少なくとも1つの細胞小器官の膜を含むがこれらに限定されない少なくとも1つの細胞の小器官、区画もしくは膜の存在量、レベル、数、量または組成;肝臓、肺、皮膚、(心筋、骨格筋、線条筋を含むがこれらに限定されない)筋肉、膵臓、脳、精巣、卵巣、血液、免疫系、神経系、骨、心臓血管系、中枢神経系、胃腸管、胃、甲状腺、舌、胆嚢、腎臓、鼻、目、爪、髪、味蕾細胞もしくは味覚細胞、ニューロン、皮膚、膵臓、血液、免疫、赤血球、白血球、キラーT細胞、腸管内分泌細胞、分泌細胞、腎臓、上皮細胞、内皮細胞、ヒト細胞、動物細胞もしくは植物細胞のうちの1つを含む幹細胞、多能性細胞、全能性細胞もしくは特殊化細胞または組織特異的細胞を含むがこれらに限定されない、1つ以上の特異的細胞型または分化した細胞型、未分化の細胞型もしくは脱分化した細胞型によって共有される(1つ以上の遺伝子の)少なくとも1つの機能プロファイルもしくは遺伝子発現プロファイルを獲得する能力もしくは傾向を獲得したことまたは有すること;核酸、RNA、DNA、タンパク質、小分子、プローブ、色素、(修飾オリゴヌクレオチドを含む)オリゴヌクレオチドもしくは蛍光発生オリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されない天然もしくは合成の化学物質または天然もしくは合成の分子を取り込む性能または能力;感染、薬物、化学物質、病原体、界面活性剤、UV、悪条件、寒さ、暑さ、極端な温度、振盪、動揺、ボルテックス、酸素不足もしくは低レベルの酸素、栄養不足もしくは低レベルの栄養、毒素、毒液、ウイルスもしくは化合物、細胞もしくは細胞増殖に悪影響を与える処理もしくは薬剤に対する抵抗性を含むがこれらに限定されない細胞の増殖、機能もしくは生存率に悪影響を与える化学物質または物質の悪影響もしくは有害効果に対する抵抗性または抵抗する能力;大規模細胞培養、小型化細胞培養、自動化細胞培養、ロボットによる細胞培養、標準化細胞培養、創薬、ハイスループットスクリーニング、細胞に基づくアッセイ、(膜電位アッセイ、カルシウムフラックスアッセイ、受容体アッセイ、Gタンパク質レポーターアッセイを含むがこれらに限定されない)機能細胞に基づくアッセイ、ELISA、インビトロアッセイ、インビボへの適用、二次試験、化合物試験、結合アッセイ、パニングアッセイ(panning assays)、抗体パニングアッセイ、ファージディスプレイ、画像研究、顕微鏡画像解析、免疫蛍光研究、RNAの、DNAの、タンパク質のもしくは生物学的な産生または精製、ワクチン開発、細胞療法、生物、動物、ヒトもしくは植物への移植、細胞が分泌する因子の単離、cDNAライブラリーの調製、または病原菌、ウイルスもしくは他の病原体による感染を含むがこれらに限定されないインビトロ試験、細胞に基づくアッセイ、生化学的もしくは生物学的試験、移植、細胞療法もしくは二次アッセイにおける使用に対する適合性;および少なくとも1種類の代謝産物、脂質、DNA、RNAもしくはタンパク質の生合成などの他の観察可能な、測定可能な、または検出可能な生理的特性;染色体のサイレンシング、活性化、ヘテロクロマチン化、ユークロマチン化または組換え;遺伝子発現、遺伝子サイレンシング、遺伝子スプライシング、遺伝子組換えまたは遺伝子活性化;RNAの産生、発現、転写、プロセシングスプライシング、輸送、局在化または修飾;タンパク質の産生、発現、分泌、折り畳み、構築、輸送、局在化、細胞表面提示、分泌または細胞膜もしくはオルガネラ膜への融合;翻訳後修飾、プロセシング、酵素修飾、プロテオリシス、グリコシル化、リン酸化反応、脱リン酸化反応を含むがこれらに限定されないタンパク質修飾;有糸分裂、減数分裂もしくは核分裂または細胞融合を含む細胞分裂;高レベルのRNAもしくはタンパク質の産生または高レベルのRNAもしくはタンパク質の収率。
生理的特性を、Current Protocolシリーズなどの参考ガイドおよび手順書に記載の試験ならびに方法を含むがこれらに限定されない、当技術分野において知られるルーチンアッセイを用いて観察、検出または測定してもよい。このシリーズは、様々な分野の共通のプロトコールを含み、Wiley
Publishing Houseを通して入手可能である。これらの参考ガイドの中のプロトコールは、細胞の生理的特性を観察、検出または測定するために使用することができる例示的な方法である。当業者は、任意の1つ以上のこれらの方法を使用して、本明細書に開示される生理的特性を観察、検出または測定することが可能であることにすぐに気付くであろう。
細胞内のリボソーム、ミトコンドリア、ER、rER、ゴルジ体、TGN、小胞、エンドソームおよび細胞膜を含むがこれらに限定されない細胞内区画もしくはオルガネラのレベル、活性または含有量を測定するために使用することができる自己励起蛍光タンパク質を含む融合タンパク質として発現するタンパク質マーカーを含む多くのマーカー、色素またはレポーターは、個々の生存細胞の試験に適合する。いくつかの実施形態において、蛍光活性化細胞選別または細胞選別装置を使用することができる。いくつかの実施形態において、単離されるかまたは作製される細胞もしくは細胞株がCFTRを含むことを、CFTRを含む細胞もしくは細胞株の単離、試験または作製と同時に、それらの単離、試験または作製に続いて、またはそれらの単離、試験または作製に先立って、これらのマーカー、色素もしくはレポーターを用いて試験することができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の細胞内区画もしくはオルガネラのレベル、活性または含有量を、CFTRの改良された、増加した、天然の、無毒の、実行可能なもしくは最適な発現、機能、活性、折り畳み、構築修飾、翻訳後修飾、分泌、細胞表面提示、膜融合、薬理学、収率または生理学と関連付けることができる。いくつかの実施形態において、CFTRの改良された、増加した、天然の、無毒の、実行可能なもしくは最適な発現、機能、活性、折り畳み、構築修飾、翻訳後修飾、分泌、細胞表面提示、膜融合、薬理学、収率または生理学と関連付けることができる少なくとも1つの細胞内区画もしくはオルガネラのレベル、活性または含有量を含む細胞または細胞株を単離することができる。いくつかの実施形態において、CFTRおよびCFTRの改良された、増加した、天然の、無毒の、生存できるもしくは最適な発現、機能、活性、折り畳み、構築修飾、翻訳後修飾、分泌、細胞表面提示、膜融合、薬理学、収率または生理学と関連がある少なくとも1つの細胞内区画もしくはオルガネラのレベル、活性または含有量を含む細胞または細胞株を単離することができる。いくつかの実施形態において、これらの細胞の単離を、細胞選別または蛍光活性化細胞選別を用いて実行する。
CFTRをコードする核酸は、ゲノムDNAまたはcDNAであり得る。いくつかの実施形態において、CFTRをコードする核酸は、野生型CFTR(配列番号1)と比較して、1つ以上の置換、変異、または欠失を含み、アミノ酸置換をもたらしても、もたらさなくてもよい。いくつかの実施形態において、この核酸は、提供される核酸配列の断片である。断片であるかまたはかかる修飾を有するかかるCFTRは、CFTRの少なくとも1つの生物学的特性、例えば、塩素イオンを透過させるかまたはフォルスコリンによって調節される能力を保持する。本発明は、本明細書に開示される配列と少なくとも約85%同一である、CFTRをコードするヌクレオチド配列を安定的に発現する細胞および細胞株を含む。いくつかの実施形態において、CFTRをコードする配列相同性は、本明細書に提供されるCFTR配列と比較して、少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上である。本発明は、CFTRをコードする核酸が、ストリンジェントな条件下で、本明細書に提供され、CFTRをコードする核酸とハイブリダイズする細胞および細胞株も含む。
いくつかの実施形態において、この細胞または細胞株はCFTRをコードする核酸配列を含み、本明細書に提供される配列と比較して、少なくとも1つであるが10、20、30、もしくは40ヌクレオチド未満であり、このヌクレオチド配列またはこのヌクレオチド配列と実質的に同一である配列(例えば、このヌクレオチド配列と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一である配列、またはストリンジェントな条件下で、開示される配列とハイブリダイズすることができる配列)の1%、5%、10%もしくは20%以下またはそれと同等の割合の置換を含む。かかる置換は、一塩基多型(SNP)および他の対立遺伝子変異を含む。いくつかの実施形態において、この細胞または細胞株はCFTRをコードする核酸配列を含み、10、20、30、もしくは40ヌクレオチド未満であり、このヌクレオチド配列の1%、5%、10%もしくは20%以下またはそれと同等の割合で、本明細書に提供される配列への挿入もしくはその配列からの欠失またはこのヌクレオチド配列と実質的に同一の配列からの欠失を含む。
いくつかの実施形態において、核酸の置換または修飾がアミノ酸置換などのアミノ酸変化をもたらす場合、天然のアミノ酸は、保存的または非保存的な置換により置き換えられてもよい(例えば、配列番号7)。いくつかの実施形態において、元のポリペプチド配列と修飾されたポリペプチド配列との間の配列相同性は、このポリペプチド配列の約1%、5%、10%または20%の割合で異なるか、またはこのポリペプチド配列と実質的に同一である配列(例えば、このポリペプチド配列と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一である配列)と異なり得る。当業者は、アミノ酸側鎖が構造および/または化学的特性において類似であり、置換が親配列の構造的特徴を実質的に変化させてはいけない置換が、保存的アミノ酸置換であることを理解するであろう。変異を含む核酸を含む実施形態において、この変異は、ランダム変異または部位特異的変異であってもよい。
保存的な修飾は、修飾されていないCFTRの機能的および化学的特徴と類似の機能的および化学的特徴を有するCFTRを産生するであろう。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、親のアミノ酸残基と類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖R基を有する別のアミノ酸残基と置換される置換である。一般に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させないであろう。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換により互いに異なる場合、パーセント配列相同性または類似度を上方調節し、置換の保存的性質を補正してもよい。この調節を行う手段は、当業者に周知である。例えば、Pearson,Methods Mol.Biol.243:307−31(1994)を参照されたい。
類似の化学的特性を有する側鎖を備えるアミノ酸群の例として、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;2)脂肪族−ヒドロキシル側鎖:セリンおよびスレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギンおよびグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、およびヒスチジン;6)酸性側鎖:アスパラギン酸およびグルタミン酸;ならびに7)硫黄含有側鎖:システインおよびメチオニンが含まれる。好ましい保存的アミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸塩−アスパラギン酸塩、およびアスパラギン−グルタミンである。あるいは、保存的アミノ酸置換基は、Gonnet
et al.,Science 256:1443−45(1992)に開示されるPAM250対数尤度行列において正の値を有する任意の変化である。「中等度に保存的」な置換は、PAM250対数尤度行列において負でない値を有する任意の変化である。
本発明は、CFTRの変異型を含む細胞または細胞株を含有する。1,000を上回るCFTR変異が同定され、本発明の細胞または細胞株は、これらのCFTE変異体のいずれかを含んでもよい。かかる細胞、細胞株、および細胞株の収集物は、変異体CFTRの活性および異なる変異体CFTR上のモジュレーターの活性差異を測定するのに有用である。
本発明は、さらに、CFTRと共に他のタンパク質を共発現する細胞または細胞株を含む。かかる他のタンパク質は、宿主細胞のゲノムに組込まれるか、または遺伝子を活性化するか、または誘導されてもよい。これらのタンパク質は、CFTRに関して(CFTRの前または後)に連続して発現するか、または、同じもしくは異なるベクター上のCFTRと共に同時トランスフェクトされてもよい。いくつかの実施形態において、共発現タンパク質は、以下のいずれかであってもよい:CFTRの遺伝的修飾因子(例えば、α1−抗トリプシン、グルタチオンS−転移酵素、マンノース結合レクチン2(MBL2)、一酸化窒素合成酵素1(NOS1)、グルタミン−システインリガーゼ遺伝子(GCLC)、FCガンマ受容体II(FCγRII));AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)、これはCFTRをリン酸化して阻害し、かつ気道炎症および虚血に重要である可能性がある;形質転換増殖因子β1(TGF−β1)、これは、TGFβ1およびCFTRの共発現が、この相互作用のモジュレーターの同定を可能にすることができるようにCFTR発現を下方制御する;腫瘍壊死因子α(TNF−α)、これは、TNF−αおよびCFTRの共発現がこの相互作用の遮断薬の同定を可能にすることができるようにCFTR発現を下方制御する;βアドレナリン受容体、これは、頂端膜でCFTRと共存し、βアドレナリン受容体(β)のサブタイプの刺激がCFTR活性を増加させる;シンタキシン1a、これは、直接的で領域特異的なタンパク質−タンパク質相互作用によりCFTR塩素イオンチャネルを阻害し、かつ治療上使用され得る;シナプトソーム結合タンパク質23、これは、CFTRと物理的に結合し、CFTRを阻害する;細胞表面においてCFTRを安定化する結合相互作用を調べるための上皮ナトリウムイオンチャネル(ENaC)、すなわちSCNN1A、SCNN1BまたはSCNN1G;PDZK1(PDZ領域含有1(PDZ
domain containing 1))(70kDaのCFTR結合タンパク質(CAP70)とも呼ばれる)、これは、CFTR塩素イオン電流を高める;エンドサイトーシス複合体AP2、これはCFTRと相互作用し、CFTRのクラスリン被膜小胞への効率的移行を促進する;環状グアノシン一リン酸(cGMP)依存的タンパク質キナーゼ2(PRKG2)、これは、CFTRをリン酸化して活性化する上流のcGMP依存的キナーゼである;タンパク質キナーゼAおよびタンパク質キナーゼC;タンパク質脱リン酸化酵素2(PP2A);グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)、ベータポリペプチド2様1(RACK1);GTP加水分解酵素のRhoファミリー;Rab GTP加水分解酵素、SNAREタンパク質;カリウムチャネルタンパク質(例えば、ROMK1およびROMK2);グアニル酸シクラーゼc(GC−CまたはGUCY2C)、これはCFTRと相互作用する;塩素イオンチャネル2(CLCN2またはCLC2)、これはCLCN2およびCFTRの両方の共発現が、最大の流動流出を示すスクリーニングを可能にすることができるように腸の中で正味のCl−流出を引き起こすと提唱されている;ナトリウム摂取/塩素イオン流出のレオスタットバイオセンサーを構成するための溶質輸送体ファミリー9アイソフォームA3(NHE3−SLC9A3/ナトリウム−水素交換体)または溶質輸送体ファミリー26アイソフォームA3(DRA−SLC26A3/ナトリウム−水素交換体);環状ヌクレオチド感受性チャネル(cyclic
nucleotide gated channel)(CNGA2)、これは、カルシウム読み出し情報と共にHTS基盤として使用され得る;またはYFPハロゲン化物クエンチングアッセイにおける使用のための黄色蛍光タンパク質(YFPまたはYFP H148Q/I152Lなどのその変異体)。
いくつかの実施形態において、CFTRをコードする核酸配列はタグをさらに含む。かかるタグは、例えば、HISタグ、mycタグ、赤血球凝集素(HA)タグ、タンパク質C、VSV−G、FLU、黄色蛍光タンパク質(YFP)、変異体YFP(meYFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、FLAG、BCCP、マルトース結合タンパク質タグ、Nus−tag、Softag−1、Softag−2、Strep−tag、S−tag、チオレドキシン、GST、V5、TAPまたはCBPをコードしてもよい。タグをマーカーとして使用し、CFTR発現レベル、細胞内局在性、タンパク質−タンパク質相互作用、CFTR調節、またはCFTR機能を測定してもよい。タグを使用してCFTRを精製または分画してもよい。タグの一例として、meYFP−H1480/I152L(配列番号5)が挙げられる。
本発明の細胞または細胞株を作製するために用いられる宿主細胞は、天然状態で内在性CFTRを発現するか、またはCFTRを全く発現しなくてもよい。この宿主細胞は、初代の生殖細胞または、胚性幹細胞を含むがそれに限定されない初代の幹細胞であってもよい。この宿主細胞は、不死化細胞であってもよい。初代のもしくは不死化宿主細胞は、真核生物の中胚葉、外胚葉または内胚葉の層に由来してもよい。この宿主細胞は、内皮細胞、表皮細胞、間葉系細胞、神経細胞、腎臓細胞、肝臓細胞、造血細胞、または免疫細胞を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、この宿主細胞は、腸陰窩または絨毛の細胞、クララ細胞、結腸細胞、腸細胞、杯細胞、腸クロム親和性細胞、腸管内分泌細胞を含んでもよいが、これらに限定されない。この宿主細胞は、真核細胞、原核細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞、霊長類細胞、ウシ細胞、ブタ細胞、ネコ細胞、げっ歯類細胞、有袋類細胞、ネズミ細胞または他の細胞を含んでもよいが、これらに限定されない。この宿主細胞は、酵母、昆虫、真菌、植物、下等真核生物および原核生物を含むが、これらに限定されない哺乳類ではない細胞であってもよい。かかる宿主細胞は、CFTRモジュレーターの試験についてより多岐にわたり、標的と相互作用し得る細胞によって提供される発現産物は存在しない可能性が大いにある背景を提供し得る。好ましい実施形態において、宿主細胞は哺乳類細胞である。本発明の細胞または細胞株を作製するために使用され得る宿主細胞の例として、以下のものが含まれるがこれらに限定されない:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、株化神経細胞、褐色細胞腫、神経芽細胞種、横紋筋肉腫、後根神経節細胞、NS0細胞、CV−1(ATCC
CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL
92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL
26)、MRC−5(ATCC CCL 171)、L−細胞、HEK−293(ATCC CRL1573)およびPC12(ATCC CRL−1721)、HEK293T(ATCC
CRL−11268)、RBL(ATCC CRL−1378)、SH−SY5Y(ATCC CRL−2266)、MDCK(ATCC CCL−34)、SJ−RH30(ATCC
CRL−2061)、HepG2(ATCC HB−8065)、ND7/23(ECACC 92090903)、CHO(ECACC 85050302)、Vero(ATCC
CCL 81)、Caco−2(ATCC HTB 37)、K562(ATCC CCL 243)、Jurkat(ATCC TIB−152)、Per.C6(Crucell,Leiden,The
Netherlands)、Huvec(ATCC Human Primary PCS 100−010,Mouse
CRL 2514、CRL 2515,CRL 2516)、HuH−7D12(ECACC 01042712)、293(ATCC
CRL 10852)、A549(ATCC CCL 185)、IMR−90(ATCC CCL 186)、MCF−7(ATC HTB−22)、U−2 OS(ATCC
HTB−96)、T84(ATCC CCL 248)または(分極したもしくは分極していない)任意の株化細胞、またはアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC,10801 University Blvd.Manassas,Va.20110−2209 USA)もしくはヨーロッパ培養細胞コレクション(European
Collection of Cell Cultures)(ECACC,Salisbury Wiltshire SP4
0JG England)などの貯蔵所から入手可能な任意の細胞株。本発明の細胞または細胞株を作製するために使用される宿主細胞は、懸濁液中に存在してもよい。例えば、これらの宿主細胞は、懸濁液に適合する接着細胞であってもよい。
特定の実施形態において、本明細書記載の方法は、不死化細胞の細胞株または不死化細胞の培養などの細胞の集団における遺伝的可変性および遺伝的多様性による。特に、内因的に、すなわちCFTRをコードする核酸を導入することなくCFTRを発現する細胞、およびかかる細胞の作製方法を提供する。特定の実施形態において、CFTRを発現する単離細胞は、細胞の集団において、多くて10細胞中1細胞、100細胞中1細胞、1000細胞中1細胞、10,000細胞中1細胞、100,000細胞中1細胞、1,000,000細胞中1細胞、10,000,000細胞中1細胞の割合で示される。この細胞の集団は、生物から収集された初代細胞であり得る。特定の実施形態において、この細胞の集団は、CFTRを発現することが知られていない。特定の実施形態において、遺伝的可変性および遺伝的多様性を、当業者が知る天然のプロセスを用いて増加させてもよい。遺伝的可変性および/または遺伝的多様性を創造するか増加させる任意の適切な方法を、宿主細胞において実行してもよい。いくつかの場合において、遺伝的可変性は、CFTRをコードする遺伝子の調節領域の修飾の結果であってもよい。その後、特定のCFTRを発現する細胞を、本明細書に記載のように選択することができる。
他の実施形態において、遺伝的可変性を、UV光および/またはX線(例えば、ガンマ−線)に細胞を曝露することによって達成してもよい。他の実施形態において、遺伝的可変性を、EMS(エチルメタンスルホン酸)に細胞を曝露することによって達成してもよい。いくつかの実施形態において、遺伝的可変性を、変異原、発癌物質、または化学薬品に細胞を曝露することによって達成してもよい。かかる薬剤の非限定的な例として、亜硝酸、挿入剤、およびアルキル化剤などの脱アミノ化剤が挙げられる。かかる薬剤の他の非限定的な例として、臭素、アジ化ナトリウム、およびベンゼンが挙げられる。具体的な実施形態において、遺伝的可変性を、順最適、例えば、低酸素、低栄養、酸化的ストレスまたは低窒素である増殖条件に細胞を曝露することによって達成してもよい。特定の実施形態において、DNA損傷をもたらすかまたはDNA重複もしくは修復(例えば、ミスマッチ修復)の忠実度を減少させる酵素を用いて、遺伝的可変性を増加させることができる。特定の実施形態において、DNA修復に関わる酵素の阻害剤を用いる。特定の実施形態において、DNA重複に関わる酵素の忠実度を縮小させる化合物を用いる。特定の実施形態において、DNA損傷をもたらしかつ/またはDNA重複もしくは修復の忠実度を減少させるタンパク質を、細胞に導入(共発現、注入、トランスフェクト、電気穿孔)する。
特定の条件または薬剤への曝露期間は、用いる条件または薬剤に依存する。いくつかの実施形態において、曝露の秒または分は十分である。他の実施形態において、時間、日または月の単位の期間の曝露が必要である。当業者は、どの程度の期間および条件の厳しさを用いることができるかを承知しているであろう。
いくつかの場合において、遺伝的可変性を増加させる方法は、遺伝子のプロモーター領域に変異または変更を起こし、CFTR遺伝子の転写調節、例えば、遺伝子活性化に変化をもたらし、この遺伝子は、プロモーター領域が変更されない遺伝子よりも高発現する。一般に、プロモーター領域は、転写開始点の上流にあり、遺伝子の転写を調節するゲノムDNA配列を含み、最小プロモーター領域および/またはエンハンサー領域および/またはリプレッサー領域を含んでもよい。プロモーター領域は、約20塩基対(bps)から約10,000塩基対またはそれ以上の範囲であってもよい。具体的な実施形態において、遺伝的可変性を増加させる方法は、CFTR遺伝子のイントロンに変異または変更を起こし、この遺伝子の転写調節領域に変化、例えば、遺伝子活性化をもたらし、この遺伝子は、イントロンが変更されない遺伝子よりも高発現する。特定の実施形態において、転写されないゲノムDNAを修飾する。例えば、プロモーター領域、エンハンサー領域、修飾因子の領域、またはリプレッサー領域を、添加、除去、または修飾することができる。これらの場合において、修飾された調節領域の制御下にあるCFTR転写物の転写を、読み出し情報として用いることができる。例えば、リプレッサーを除去する場合、増加する転写レベルについて、リプレッサーによって抑制されるCFTR遺伝子の転写物を調べる。
特定の実施形態において、細胞または生物のゲノムを、部位特異的突然変異または相同組換えによって突然変異させることができる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドまたは三重鎖に媒介される組換えを使用することができる。例えば、Faruqi
et al.,2000,Molecular and Cellular
Biology 20:990−1000およびSchleifman et al.,2008,Methods Molecular Biology 435:175−90を参照されたい。
特定の実施形態において、蛍光オリゴヌクレオチドプローブまたは分子ビーコンを用いて、遺伝子修飾が成功した細胞、すなわち、トランス遺伝子または対象の遺伝子が発現する細胞を選択することができる。突然変異または相同組み換えの現象が成功した細胞を同定するために、突然変異を起こさせるかまたは組換えられたCFTR転写物と特異的にハイブリダイズする蛍光オリゴヌクレオチドを用いることができる。
内因的にCFTRを発現する細胞を一度単離すると、これらの細胞を不死化することができ、細胞株を作製することができる。本明細書に開示されるアッセイおよびスクリーニングの方法と共に、これらの細胞または細胞株を用いることができる。
一実施形態において、この宿主細胞は、その後、トランスジェニック動物の作製の基礎として用いられる胚性幹細胞である。CFTR、および好ましくは、機能的な導入CFTRを安定的に発現する胚性幹細胞を生物に直接移植するか、またはそれらの核を他の受容細胞に移し、かつその後、これらの細胞を移植するか、またはそれらの胚性幹細胞を用いてトランスジェニック動物を作製してもよい。
当業者が理解するように、宿主細胞と共に用いるのに適する任意のベクターを用いて、CFTRをコードする核酸をこの宿主細胞に導入してもよい。CFTRをコードする核酸を宿主細胞に導入するのに使用してもよいベクターの例として、プラスミド、レトロウイルスおよびレンチウイルスを含むウイルス、コスミド、人工染色体が含まれるが、これらに限定されず、例えば、pFN11A(BIND)Flexi(登録商標)、pGL4.31、pFC14A(HaloTag(登録商標)7)CMV
Flexi(登録商標)、pFC14K(HaloTag(登録商標)7)CMV Flexi(登録商標)、pFN24A(HaloTag(登録商標)7)CMVd3 Flexi(登録商標)、pFN24K(HaloTag(登録商標)7)CMVd3
Flexi(登録商標)、HaloTag(商標)pHT2、pACT、pAdVAntage(商標)、pALTER(登録商標)−MAX、pBIND、pCAT(登録商標)3−Basic、pCAT(登録商標)3−Control、pCAT(登録商標)3−Enhancer、pCAT(登録商標)3−Promoter、pCI、pCMVTNT(商標)、pG5luc、pSI、pTARGET(商標)、pTNT(商標)、pF12A
RM Flexi(登録商標)、pF12K RM Flexi(登録商標)、pReg neo、pYES2/GS、pAd/CMV/V5−DEST Gateway(登録商標)ベクター、pAd/PL−DEST(商標)Gateway(登録商標)ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)27ベクター、Gateway(登録商標)pEF−DEST51ベクター、Gateway(登録商標)pcDNA(商標)−DEST47ベクター、pCMV/Bsdベクター、pEF6/His
A、B、&C、pcDNA(商標)6.2−DEST、pLenti6/TR、pLP−AcGFP1−C、pLPS−AcGFP1−N、pLP−IRESneo、pLP−TRE2、pLP−RevTRE、pLP−LNCX、pLP−CMV−HA、pLP−CMV−Myc、pLP−RetroQ、pLP−CMVneo、pCMV−Script、pcDNA3.1
Hygro、pcDNA3.1neo、pcDNA3.1puro、pSV2neo、pIRES puro、およびpSV2
zeoを含んでもよい。いくつかの実施形態において、これらのベクターは、構成的または条件的プロモーターなどの発現制御配列を含む。当業者はかかる配列を選択することができるであろう。例えば、適切なプロモーターにはCMV、TK、SV40、およびEF−1αが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、これらのプロモーターは、誘導性プロモーター、温度制御されるプロモーター、組織特異的プロモーター、抑制可能なプロモーター、ヒートショックプロモーター、発生のプロモーター、細胞系統別のプロモーター、真核生物のプロモーター、原核生物のプロモーターもしくは一時的なプロモーター、または上記のうちの任意の1つ以上の、修飾されないかまたは突然変異を起こさせた配列、ランダム化される配列、組換えられる配列の組み合わせもしくは組換えである。他の実施形態において、CFTRは、遺伝子活性化によって、またはCFTRをコードする遺伝子がエピソームである時に発現する。CFTRをコードする核酸を、好ましくは構成的に発現させてもよい。
いくつかの実施形態において、CFTRをコードするベクターは、選択的マーカーまたは薬物耐性遺伝子を欠く。他の実施形態において、ベクターは、任意選択で、薬物耐性または抗生物質耐性を与えるタンパク質などの選択可能なマーカーをコードする核酸を含む。薬物耐性マーカーの2つ以上が同じものである場合、薬物のレベルを増加させることによって、同時選択を行ってもよい。適切なマーカーは当業者に周知であり、以下のもの、ネオマイシン/G418、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、メトトレキサートおよびブラストサイジンのうちの任意の1つに耐性を与える遺伝子を含むが、これらに限定されない。薬物選択(または任意の他の適切な選択マーカーを用いた選択)は必須のステップではないが、薬物選択を用いて、安定なトランスフェクト細胞についてトランスフェクト細胞集団を濃縮してもよく、ただし、トランスフェクト構築物は、薬物耐性を与えるように設計される。CFTRを発現する細胞の次の選択を、シグナルプローブを用いて行う場合、トランスフェクションのすぐ後に続く選択は、単に一過的でありかつ安定にトランスフェクトされていない可能性のあるいくつかの陽性細胞をもたらし得る。しかし、これは、トランスフェクト細胞における一過的発現の希釈を可能にする十分な細胞継代を行うことによって最小限にすることができる。
いくつかの実施形態において、ベクターは、RNAタグ配列をコードする核酸配列を含む。「タグ配列」は、シグナルプローブによって検出される発現RNAまたは一部のRNAである核酸配列をいう。シグナルプローブは、様々なRNA配列を検出してもよい。任意のこれらのRNAをタグとして使用してもよい。シグナルプローブは、タグの配列と相補的な部分を含むプローブを設計することによって、RNAタグに対して作られてもよい。このタグ配列は、共転写され、かつシグナルプローブが結合する標的配列を含むプラスミドの3’非翻訳領域であってもよい。対象の遺伝子をコードするRNAがこのタグ配列を含むか、またはこのタグ配列が5’非翻訳領域または3’非翻訳領域内に位置してもよい。いくつかの実施形態において、このタグは、対象の遺伝子をコードするRNAと共に存在しない。このタグ配列は、遺伝子のメッセージのタンパク質をコードする部分を有するフレーム内に存在するか、またはそれを有するフレーム外に存在することができ、産生されるタンパク質にタグを付けることを望むか否かによって決まる。従って、このタグ配列は、シグナルプローブによる検出のために翻訳される必要はない。このタグ配列は、同じかまたは異なる複数の標的配列を含んでもよく、1つのシグナルプローブは、各標的配列とハイブリダイズする。このタグ配列は、2次構造を有するRNAをコードしてもよい。この構造は、3本腕の接合構造であってもよい。本発明で使用され、かつシグナルプローブが調製され得るタグ配列の例として、例えば、HISタグ、mycタグ、赤血球凝集素(HA)タグ、タンパク質C、VSV−G、FLU、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質、FLAG、BCCP、マルトース結合タンパク質タグ、Nus−タグ、Softag−1、Softag−2、Strep−tag、S−tag、チオレドキシン、GST、V5、TAPまたはCBPが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載されるように、当業者は、自分たち自身用のRNAタグ配列を作製することができる。
本発明の別の態様において、本発明の細胞および細胞株は、従来法によって作製される細胞および細胞株と比較して、安定性が増加した。安定的な発現を同定するために、細胞または細胞株のCFTR発現を、時間経過を追って測定し、それらの発現レベルを比較する。安定細胞株は、その時間経過の間中、CFTRを発現し続けるであろう。本発明のいくつかの態様において、この時間経過は、少なくとも1週間、2週間、3週間など、または少なくとも1カ月、もしくは少なくとも2か月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6カ月、7か月、8カ月もしくは9カ月、またはその中間の任意の時間の長さであってもよい。単離細胞および単離細胞株を、qRT−PCRおよび単一エンドポイントRT−PCRなどによってさらに特徴づけ、発現しているCFTRの絶対量および相対量を決定することができる。いくつかの実施形態において、時間経過を追って機能アッセイの結果を比較することにより、安定発現を測定する。機能アッセイに基づく安定性の測定は、適切に機能する対象の遺伝子のmRNAを安定的に発現するだけでなく、適切に機能する対象の遺伝子によってコードされるタンパク質を安定的に産生し、正確にプロセシング(例えば、翻訳後修飾、および細胞内の局在化)するクローンを同定する利点を提供する。
本発明の細胞および細胞株は、それらのZ’因子によって証明されるように、高い再現性を有するアッセイを提供するというさらに都合のよい特性を有する。Zhang
JH,Chung TD,Oldenburg KR,“A Simple Statistical Parameter for Use in Evaluation and Validation
of High Throughput Screening Assays.”J.
Biomol.Screen.1999;4(2):67−73を参照されたい。Z’値は、細胞または細胞株がモジュレーターに対して一貫して反応する程度を反映するので、細胞または細胞株の質と関係がある。Z’は、マルチウェルプレートの全域の参照化合物に対する機能的反応のシグナル対ノイズの範囲およびシグナル変動(すなわち、ウェル間で)を考慮する統計的計算値である。Z’を、陽性対照を有するマルチウェルおよび陰性対照を有するマルチウェルから得られるデータを用いて計算する。以下の式に従って、それらの平均値の差に対する、それらの標準偏差に3倍をかけ合計した値の比を1から引くことで、Z’因子を得る。
Figure 2012516686
Z’因子の理論的最大値は1.0であり、これは、可変性も無限のダイナミックレンジも無い理想的なアッセイを示す。本明細書で使用される「高いZ’’」は、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.75もしくは少なくとも0.8、または0.6から1.0の間の任意の少数であるZ’のZ’因子をいう。0未満のスコアは、陽性対照と陰性対照との間に重複があることを示すので望ましくない。当業において、簡潔な細胞に基づくアッセイについて、最高で0.3のZ’スコアが最低限度のスコアであると考えられ、0.3〜0.5の間のZ’スコアは許容範囲にあると考えられ、0.5を超えるZ’スコアは優れたスコアであると考えられる。無細胞アッセイまたは生化学アッセイは、より高いZ’スコアに達してもよいが、細胞に基づく系のZ’因子スコアは、細胞に基づく系が複雑なので、より低くなる傾向にある。
当業者が認識するように、さらに単鎖タンパク質を発現する細胞を用いる細胞に基づくアッセイは、歴史的に、0.5〜0.6より高いZ’に一般的には達しない。一方で、本発明の細胞および細胞株は高いZ’値を有し、一貫性のあるアッセイの結果を都合よくもたらす。本発明のCFTRを発現する細胞および細胞株は、概して、少なくとも0.82のZ’因子を有するので、ハイスループットスクリーニング(HTS)適合アッセイの基盤を提供した。本発明のいくつかの態様において、これらの細胞および細胞株は、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、または少なくとも0.8のZ’をもたらす。本発明の他の態様において、複数継代、例えば、5〜20の間の任意の整数を含む5〜20継代の間の複数継代期間で維持される本発明の細胞および細胞株は、少なくとも0.7、少なくとも0.75または少なくとも0.8のZ’をもたらす。本発明のいくつかの態様において、1、2、3、4もしくは5週間、または2、3、4、5、6、7、8もしくは9カ月間、それらの間の任意の期間を含む期間で維持されるこれらの細胞および細胞株は、少なくとも0.7、少なくとも0.75または少なくとも0.8のZ’をもたらす。
また、本発明によると、天然に存在する野生型CFTRまたは変異体CFTRの型を発現する細胞および細胞株を、塩素イオンコンダクタンスについて特徴づけることができる。いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株は「生理的に関連する」活性を有するCFTRを発現する。本明細書で使用される生理的関連性とは、CFTRを発現する細胞または細胞株の特性をいい、それによってこのCFTRは、天然に存在するのと同じ型のCFTRとして塩素イオンを透過し、天然に存在するのと同じ型のCFTRが、同じモジュレーターによって修飾されるのと同じ方法でモジュレーターに反応する。本発明のCFTRを発現する細胞および細胞株は、好ましくは、CFTRによって透過されるイオンとして塩素イオンもしくはヨウ素イオンを用いる膜電位アッセイまたはYFPハロゲン化物クエンチングアッセイ、電気生理学アッセイ(例えば、パッチクランプもしくはUSSing)、またはフォルスコリンを用いた活性化などの適切なアッセイにおいて、天然CFTRを正常に発現する細胞に匹敵する機能を示す。かかる比較を用いて、細胞または細胞株の生理的関連性を調べる。
いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株は、CFTRのモジュレーターに対する感受性を増加した。本発明の細胞および細胞株はモジュレーターに反応し、CFTRの生理的範囲のEC50またはIC50の値で塩素イオンを透過する。本明細書で使用されるEC50は、細胞または細胞株における最大の活性化反応の半分を誘導するのに必要とされる化合物または物質の濃度をいう。本明細書で使用されるIC50は、細胞または細胞株における最大の阻害反応の半分を誘導するのに必要とされる化合物または物質の濃度をいう。EC50またはIC50の値は、当技術分野において周知の技術、例えば、化合物または物質の濃度と、CFTR発現細胞株の反応との関連を示す用量反応曲線を用いて決定してもよい。例えば、本発明の細胞株におけるフォルスコリンのEC50は約250nMであり、Galietta
et al.,Am J Physiol Cell Physiol.281(5):C1734−1742(2001)に開示され、CFTRを安定的に発現するフィッシャーラット甲状腺発現株におけるフォルスコリンのEC50は、250nM〜500nMの間の値である。
CFTRの生理的に関連する機能から生じる、CFTRを発現する本発明の細胞および細胞株のさらに都合のよい特性は、1次スクリーニングで同定されたモジュレーターが、2次の機能アッセイ、例えば、膜電位アッセイ、電気生理学アッセイ、YFPハロゲン化物クエンチングアッセイ、放射線ヨウ素流動アッセイ、ウサギ腸係蹄体液分泌測定アッセイ、動物の糞中排泄物の試験および測定アッセイ、またはUssingチャンバーアッセイにおいて機能的であることである。当業者が認識するように、1次スクリーニングアッセイで同定された化合物は、典型的には、コンビナトリアルケミストリー、医薬品化学または合成化学などによって修飾され、それらの誘導体もしくは類似体は、2次の機能アッセイにおいて機能的でなければならない。しかし、本CFTR細胞および細胞株の高い生理的関連性により、それらを用いて同定される多くの化合物は、粗い調整を行うことなく機能的である。
いくつかの実施形態において、安定性、生理的関連性、アッセイにおける再現性(Z’)、または生理的EC50もしくはIC50の値などの本発明の細胞および細胞株の特性は、特定の培養条件下で達成できる。いくつかの実施形態において、これらの培養条件は標準化され、例えば自動化によって変化することなく厳密に維持される。培養条件は、細胞または細胞株が増殖する任意の適切な条件を含んでもよく、当技術分野で知られる条件を含んでもよい。様々な培養条件は、任意の苦み受容体、またはそれらの変異体もしくは対立遺伝子多型について都合のよい生物学的特性をもたらしてもよい。
他の実施形態において、安定性、生理的関連性、アッセイにおける再現性(Z’)、または生理的EC50もしくはIC50の値などの所望の特性を有する本発明の細胞および細胞株を、1か月以内に得ることができる。例えば、これらの細胞または細胞株を、2、3、4、5、もしくは6日間以内に、または1、2、3もしくは4週間以内に、またはそれらの間の任意の長さの時間で得てもよい。
本発明の一態様は、細胞および細胞株の収集物またはそれらのパネルを提供し、各々は異なるCFTRの型(例えば、野生型、対立遺伝子多型、変異体、断片、スプライスバリアントなど)を発現する。この収集物は、例えば、CFTR、CFTRΔF508および様々な他の既知の変異体CFTRを発現する細胞または細胞株を含んでもよい。いくつかの実施形態において、これらの収集物またはパネルは、他のイオンチャネルタンパク質を発現する細胞を含む。これらの収集物またはパネルは、対照タンパク質を発現する細胞をさらに含んでもよい。化合物スクリーニングまたはプロファイリングのために、本発明の収集物またはパネルを用いて、例えば、いくつかもしくは全てにおいて活性のあるモジュレーターを同定することができる。
細胞もしくは細胞株の収集物またはパネルが、例えば、薬物スクリーニングのために作製される時、この収集物またはパネル中の細胞または細胞株は、同じ宿主細胞に由来し、1つ以上の選択的な生理的特性に関して、それらの細胞を、(同じ宿主細胞を実質的に含む)同じ宿主細胞であるようにさらに調和させてもよい。この文脈の「同じ生理的特性」とは、この細胞の収集物またはパネルが、薬物スクリーニングアッセイにおいて信頼性のある結果をもたらすことができるように、選択される生理的特性が、この収集物またはパネルのメンバーのうちで十分に似ていることを意味し、例えば、薬物スクリーニングアッセイの読み出し情報の変化は、例えば、細胞の固有の変化というよりむしろ、CFTRの異なる型を発現する細胞における試験化合物の異なる生物活性によるものであろう。例えば、これらの細胞または細胞株を、同じ増殖速度、すなわち、細胞の収集物またはパネルのメンバーのうちで、違いがわずか1、2、3、4、または5時間である増殖速度を有するように調和させてもよい。これを、例えば、細胞の増殖速度によって、5、6、7、8、9、または10グループに分類し、かつ同じ分類グループの細胞を用いてパネルを作ることによって達成してもよい。細胞の増殖速度を決定する方法は、当技術分野において周知である。パネルの細胞または細胞株を、同じZ’因子(例えば、0.1を上回って異ならないZ’因子)、同じCFTR発現レベル(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、または30%を上回って異ならないCFTR発現レベル)、組織培養表面に対する同じ接着性などを有するように調和させることもできる。調和させる細胞および細胞株を同一の条件下で増殖させ、例えば、自動化並行処理により調和させ、選択される生理的特性を維持することができる。
本発明の調和させた細胞パネルを用いて、例えば、CFTRの既定の活性(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)を有するモジュレーターを同定すること;CFTRの異なる型にわたって化合物活性をプロファイルすること;CFTRのまさに1つの型に対して活性のあるモジュレーターを同定すること;CFTRのまさに一部に対して活性のあるモジュレーターを同定することができる。本発明の調和させた細胞パネルは、ハイスループットスクリーニングを可能にする。完遂するのに数カ月かかっていたスクリーニングは、今や数週間以内に完遂することができる。
本発明の細胞および細胞株を作製するために、例えば、米国特許第6,692,965号および国際特許公開WO/2005/079462に記載の技術を用いることができる。これらの文献の両方は、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。この技術は、任意の所望のクローン数(数百〜数千のクローン)が選択され得るような数百万細胞のリアルタイム評価を提供する。ハイスループットスクリーニングに適合する細胞選別技術を含む、(例えば、FACSの機械を用いる)フローサイトメトリー細胞選別、(例えば、MACSの機械を用いる)磁気細胞分離、または他の蛍光プレートリーダーなどの細胞選別技術を用いて、高い統計的信頼性で、1ウェルあたり1細胞を(96ウェル培養プレートなどの)培養容器の中に自動的に入れてもよい。この技術のスピード及び自動化により、多重遺伝子細胞株(multigene
cell lines)を容易に単離することが可能である。
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも3、5、10、25、50、100、250、500、750、または1000細胞または細胞株を含む細胞株のパネルであって、各々は表1または表2に記載のCFTR変異体から選択される異なるCFTR変異体を発現する。特定の実施形態において、かかるパネルは、少なくとも3、5、10、25、50、または75細胞または細胞株を含み、各々は表2に記載のCFTR変異体から選択される異なるCFTR変異体を発現する。例えば、このパネルは、CFTR−ΔF508を発現する細胞株を含んでもよい。特定の実施形態において、このパネルは、少なくとも3、5、10、25、50、または100細胞または細胞株を含み、各々は異なるCFTR変異体を発現し、各CFTR変異体はミスセンス、ナンセンス、フレームシフトまたはRNAスプライシング変異である。特定の実施形態において、かかるパネルは、少なくとも3、5、10、25、50、または100細胞または細胞株を含み、各々は異なるCFTR変異体を発現し、各CFTR変異体は嚢胞性線維症と関連する。特定の実施形態において、かかるパネルは、少なくとも3、5、10、25、50、または100細胞または細胞株を含み、各々は異なるCFTR変異体を発現し、各CFTR変異体は先天性両側精管欠損と関連する。かかるパネルは、CFTRタンパク質の様々なアイソフォームに対して有効性のある小分子の並行ハイスループットスクリーニングおよび交差比較特性化のために使用することができる。特定の実施形態において、かかるパネルは、CFTRもしくはCFTR変異体以外の対象のタンパク質を発現するように遺伝子工学処理または選択される1つ以上の細胞もしくは細胞株も含む。
この技術を用いて、CFTRのRNA配列を、分子ビーコンまたは蛍光プローブとも称されるシグナルプローブを用いて検出してもよい。例えば、米国特許第6,692,965号に記載の分子ビーコンは、典型的には、特定の核酸配列の存在を認識し、かつ報告する核酸プローブである。これらのプローブは、標的配列と相補的な中央に長く伸びたヌクレオチド、および短く互いに相補的な配列を含む終端を有するヘアピン型配列であってもよい。一方の終端はフルオロフォアと、もう一方はクエンチング部分と共有結合している。末端同士がハイブリダイズしているネイティブな状態にある時、フルオロフォアおよびクエンチング剤近傍には、蛍光は発生しない。このビーコンは、その標的核酸とハイブリダイズした時に、自発的に蛍光を発生する構造変化を行う。いくつかの実施形態において、この分子ビーコン(または蛍光プローブ)は、上記の標的タグ配列を認識する。別の実施形態において、この分子ビーコン(または蛍光プローブ)は、CFTR自体の中の配列を認識する。シグナルプローブは、タグまたはCFTRのRNA配列と相補的な部分を含むようにプローブを設計することによって、RNAタグまたはCFTR配列に対してそれぞれ作られてもよい。
CFTRをコードする配列を含む核酸、またはCFTRの配列およびタグ配列、ならびに任意選択で、選択マーカーをコードする核酸を、周知の方法によって、選択される宿主細胞に導入してもよい。これらの方法には、トランスフェクション、ウイルス送達、タンパク質もしくはペプチドにより媒介される挿入、共沈法、脂質に基づく送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション(cytofection)、リポポリアミン送達、デンドリマー送達試薬、電気穿孔法または機械的送達が含まれるが、これらに限定されない。トランスフェクション試薬の例として、GENEPORTER、GENEPORTER2、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、FUGENE(登録商標)6、FUGENE(登録商標)HD、TFX(商標)−10、TFX(商標)−20、TFX(商標)−50、OLIGOFECTAMINE、TRANSFAST、TRANSFECTAM、GENESHUTTLE、TROJENE、GENESILENCER、X−TREMEGENE、PERFECTIN、CYTOFECTIN、SIPORT、UNIFECTOR、SIFECTOR、TRANSIT−LT1、TRANSIT−LT2、TRANSIT−EXPRESS、IFECT、RNAI
SHUTTLE、METAFECTENE、LYOVEC、LIPOTAXI、GENEERASER、GENEJUICE、CYTOPURE、JETSI、JETPEI、MEGAFECTIN、POLYFECT、TRANSMESSANGER、RNAiFECT、SUPERFECT、EFFECTENE、TF−PEI−KIT、CLONFECTIN、およびMETAFECTINEが挙げられる。
CFTRコード配列またはCFTR活性化配列の宿主細胞への導入および任意選択である次の薬物選択の後に、分子ビーコン(例えば、蛍光プローブ)をこの宿主細胞に導入し、細胞選別を用いてそれらのシグナルに対して陽性の細胞を単離する。必要に応じて、選別を複数ラウンド行ってもよい。一実施形態において、フローサイトメトリー細胞選別装置は、FACSの機械である。MACS(磁気細胞選別装置)またはレーザーが使用可能な解析および処理を用いる陰性細胞のレーザー切断も使用することができる。ハイスループットスクリーニングに適合する蛍光プレートリーダーを含む他の蛍光プレートリーダーも使用することができる。この方法に従って、CFTRを発現する細胞を検出および収集をする。このCFTR配列は、この細胞のゲノムの異なる位置に組込まれてもよい。CFTRをコードする導入遺伝子の発現レベルは、組込み部位に基づいて変化し得る。当業者は、任意の所望の発現レベルについて選別を行うことができると認識するであろう。さらに、安定細胞株を取得してもよく、ここで、CFTRをコードする1つ以上の導入遺伝子はエピソームであるかまたは遺伝子活性化に起因する。
本発明に有用なシグナルプローブは当技術分野で知られており、一般的に、標的配列と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチドであり、プローブがこの標的配列に結合しない時にはシグナルは発せず、プローブが標的配列と結合する時にシグナルを発するように、シグナル発生システムを配置する。非限定的な説明として、このシグナルプローブは、このプローブの中に位置付けられるフルオロフォアおよびクエンチング剤を含んでもよく、その結果、このクエンチング剤およびフルオロフォアは非結合プローブの中にまとまる。このプローブと標的配列とが結合する際に、クエンチング剤とフルオロフォアは分離し、シグナルが発する。国際特許公開WO/2005/079462は、例えば、本発明の細胞および細胞株の作製に用いられ得るいくつかのシグナルプローブについて記載している。
シグナルプローブをコードする核酸は、トランスフェクション、共沈法、脂質に基づく送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション、リポポリアミン送達、デンドリマー送達試薬、電気穿孔法または機械的送達を含むが、これらに限定されない当業者に周知であろう任意の多くの手段により、選択される宿主細胞に導入されてもよい。トランスフェクション試薬の例として、GENEPORTER、GENEPORTER2、LIPOFECTAMINE、LIPOFECTAMINE
2000、FUGENE 6、FUGENE HD、TFX−10、TFX−20、TFX−50、OLIGOFECTAMINE、TRANSFAST、TRANSFECTAM、GENESHUTTLE、TROJENE、GENESILENCER、X−TREMEGENE、PERFECTIN、CYTOFECTIN、SIPORT、UNIFECTOR、SIFECTOR、TRANSIT−LT1、TRANSIT−LT2、TRANSIT−EXPRESS、IFECT、RNAI
SHUTTLE、METAFECTENE、LYOVEC、LIPOTAXI、GENEERASER、GENEJUICE、CYTOPURE、JETSI、JETPEI、MEGAFECTIN、POLYFECT、TRANSMESSANGER、RNAiFECT、SUPERFECT、EFFECTENE、TF−PEI−KIT、CLONFECTIN、およびMETAFECTINEが挙げられる。
一実施形態において、このシグナルプローブを、CFTRをコードするRNAの部分かまたはそれらの5’もしくは3’非翻訳領域の部分のいずれか一方と相補的であるように設計する。対象のメッセンジャーRNAを認識するように設計されるシグナルプローブが、内因的に存在する標的配列を疑似的に検出することができるとしても、ある割合の対象の配列と比較してある割合のシグナルプローブがトランスフェクト細胞により産生される、その結果、この選別装置が2つの細胞型を区別することができる。
CFTRの発現レベルは、細胞間でまたは細胞株間で異なってもよい。細胞または細胞株中の発現レベルは、DNAメチル化および遺伝子発現抑制および導入遺伝子のコピーの喪失などのエピジェネティックな現象により、時間とともに減少してもよい。これらの変化は、様々な要因、例えば、細胞が取り込む導入遺伝子のコピー数、導入遺伝子のゲノムの組込み部位、ゲノム組込み後の導入遺伝子の完全性に起因し得る。発現レベルを調べるために、FACSまたは他の細胞選別法(すなわち、MACS)を使用してもよい。シグナルプローブを導入する追加のラウンドを使用して、例えば、これらの細胞が本来単離された任意の1つ以上のRNAについて、これらの細胞が長期にわたって陽性のままでいるかどうか、かつどの程度陽性のままでいるかどうかを調べてもよい。
本発明の別の実施形態において、接着細胞を、細胞選別および単一細胞の単離の前後に懸濁液に適合させることができる。他の実施形態において、単離細胞を個々に増殖させるか、または貯蔵し、細胞の集団を生じさせてもよい。個々のまたは多数の細胞株を別々に増殖させるか、または貯蔵してもよい。細胞株のプールが所望の活性を生み出している場合、または所望の特性を有する場合、この効果を有する細胞株もしくは細胞株のセットを同定するまで、さらに分画することができる。細胞または細胞株の貯蔵は、各々別々に維持することを必要とせず、多数の細胞株を維持することを容易にし得る。したがって、細胞または細胞株のプールを、陽性細胞について濃縮してもよい。濃縮プールは、所望の特性または活性について、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%もしくは少なくとも100%陽性であり得る。
さらなる態様において、本発明は、本発明の細胞および細胞株の作製法を提供する。一実施形態において、本方法は、
a)CFTRをコードするmRNAを発現する多数の細胞を提供するステップと;
b)細胞を個々の培養容器に1つ1つ分散させ、それによって多数の別々の細胞培養を提供するステップと;
c)培養条件が別々の細胞培養物の各々と実質的に同一であり、その培養中、別々の各細胞培養物中の細胞数を正規化し、別々の培養物を同じスケジュールで継代することを特徴とする自動化細胞培養法を用いて一連の所望の培養条件下で細胞を培養するステップと;
d)CFTRの少なくとも1つ所望の特徴について別々の培養細胞物を少なくとも2回アッセイするステップと;
e)両方のアッセイにおいて所望の特徴を有する別々の細胞培養物を同定するステップと
を含む。
本方法に従って、これらの細胞を所望の一連の培養条件下で培養する。これらの条件は、任意の所望の条件であり得る。当業者は、どのパラメーターが一連の培養条件の中に含まれるかを理解するであろう。例えば、培養条件には、当業者に周知であろう以下の条件が含まれるが、これらに限定されない:培地(基本の培地(DMEM、MEM、RPMI、血清を含まない培地、血清を含む培地、十分に化学的に定義された培地、動物由来の成分を含まない培地)、一価および二価のイオン(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)の濃度、添加する追加の成分(アミノ酸、抗生物質、グルタミン、グルコースまたは他の炭素源、HEPES、チャネル遮断薬、他の標的のモジュレーター、ビタミン、微量元素、重金属、補助因子、増殖因子、抗アポトーシス薬)、新鮮な培地またはHEPES、pH、特定の栄養素を枯渇させるか(アミノ酸、炭素源を)制限する条件培地)、細胞が分裂/継代前に到達することができる集密度のレベル、細胞の支持細胞層、またはガンマ線照射細胞、CO、3種類のガス系(酸素、窒素、二酸化炭素)、湿度、温度、静置培養または振盪機上での培養など。
細胞培養条件は、便利さについてまたは細胞の特定の所望の使用について選択してもよい。都合よく、本発明は、好ましくは、特定の所望の使用に適する細胞および細胞株を提供する。すなわち、特定の所望の使用のための条件下で細胞を培養する本発明の実施形態において、所望の使用のための条件下で所望の特徴を有する細胞を選択する。
例証として、細胞が接着することが望まれるプレート中でのアッセイに細胞を用いる場合、このアッセイの条件下で接着性を示す細胞を選択してもよい。同様に、細胞をタンパク質産生のために使用する場合、タンパク質産生に適する条件下で細胞を培養し、この用途に都合のよい特性について細胞を選択してよい。
いくつかの実施形態において、本方法は、別々の細胞培養の増殖速度を測定する追加のステップを含む。増殖速度を、当業者に周知であろう任意の様々な技術手段を用いて測定してもよい。かかる技術には、ATP、細胞集密度、光散乱、光学濃度(例えば、DNAについてはOD260)を測定することが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、これらの培養物が選択される培養条件以外で費やす時間を最小限する手段を用いて、増殖速度を決定する。
いくつかの実施形態において、細胞集密度を測定し、増殖速度を集密度の値から計算する。いくつかの実施形態において、正確度を高めるために、細胞を分散させ、凝集塊を除去した後、細胞集密度を測定する。細胞を単分散させる手段は周知であり、例えば、測定する培養物への分散剤の添加により達成することができる。分散剤は周知であり、容易に入手でき、トリプシンなどの酵素的分散剤、およびEDTAに基づく分散剤などを含むが、これらに限定されない。HAMILTON
VECTORなどのこの目的のための市販のソフトウェアを用いて、集密度の日付から増殖速度を計算することができる。顕微鏡を用いた自動化プレートリーダーを用いるなどの自動化集密度測定が特に有用である。集密度を測定するプレートリーダーは商業的に入手可能であり、CLONE
SELECT IMAGER(Genetix)を含むがそれに限定されない。典型的には、増殖速度を計算する前に、細胞集密度を少なくとも2回測定する。増殖速度を決定するために使用する集密度の数値は、培養に都合のよいまたは適する任意の数値であり得る。例えば、集密度を、例えば、1週間、2週間、3週間にわたって、または望ましい任意の長さの時間および任意の頻度で複数回測定することができる。
増殖速度が分かっている時、本方法に従って、多数の別々の細胞培養を、増殖速度の類似度によりグループ分けする。培養物を増殖速度ごとにグループ分けすることにより、培養物を操作して一緒のグループにし、それによって、培養物間の変動を低減する別の標準化レベルを提供することができる。例えば、同じグループの培養物を同時に継代し、同時に所望の試薬で処理することなどが可能である。さらに、機能アッセイの結果は、典型的には、アッセイウェル中の細胞密度に依存する。個々のクローンの真の比較は、同じ密度でクローンをプレーティングし、アッセイすることによってのみ達成される。特定の増殖速度のコホートに分類することで、クローンを特定の密度でプレーティングすることが可能であり、ハイスループット形式でクローンを機能的に特徴づけることができる。
各グループの増殖速度の範囲は、任意の都合のよい範囲であり得る。細胞を同時に継代し、細胞数の頻繁な再正規化を回避することができる増殖速度の範囲を選択することは特に都合がよい。増殖速度群は、密接なグループ分けに関して非常に狭い範囲、例えば、互いに1時間以内の平均倍加時間を含み得る。しかし本方法によると、この範囲は、互いに最高で2時間、最高で3時間、最高で4時間、最高で5時間もしくは最高で10時間またはさらに広範囲であり得る。グループの増殖速度が同じではなく、その結果、いくつかの培養物中の細胞数が他よりも速く増加する時、再正規化の必要性が生じる。グループ内の全ての培養物に対して実質的に同一の条件を維持するために、定期的に細胞を除去し、グループ全体の中の数を再正規化することが必要である。増殖速度が異なれば異なるほど、より頻繁に再正規化が必要となる。
ステップd)において、細胞および細胞株は、以下を含むがこれらに限定されない任意の生理的特性について試験され、選択されてもよい:ゲノムによりコードされる細胞プロセスの変化;ゲノムにより調節される細胞プロセスの変化;染色体活性のパターンの変化;染色体サイレンシングのパターンの変化;遺伝子サイレンシングのパターンの変化;遺伝子活性化のパターンもしくは効率の変化;遺伝子発現のパターンもしくは効率の変化;RNA発現のパターンもしくは効率の変化;RNAi発現のパターンもしくは効率の変化;RNAプロセシングのパターンもしくは効率の変化;RNA輸送のパターンもしくは効率の変化;タンパク質翻訳のパターンもしくは効率の変化;タンパク質の折り畳みのパターンもしくは効率の変化;タンパク質構築のパターンもしくは効率の変化;タンパク質修飾のパターンもしくは効率の変化;タンパク質輸送のパターンもしくは効率の変化;細胞表面への膜タンパク質の輸送のパターンもしくは効率の変化;増殖速度の変化;細胞のサイズの変化;細胞形状の変化;細胞形態の変化;RNA含有率の変化;タンパク質含有率の変化;水分含有率の変化;脂質含有率の変化;リボソーム含有量の変化;ミトコンドリア含有量の変化;ER質量の変化;細胞膜表面積の変化;細胞容積の変化;細胞膜の脂質組成の変化;核膜の脂質組成の変化;細胞膜のタンパク質組成の変化;タンパク質の変化;核膜の組成の変化;分泌小胞の数の変化;リソソームの数の変化;液胞の数の変化;以下についての細胞の能力もしくは潜在力の変化:タンパク質産生、タンパク質分泌、タンパク質の折り畳み、タンパク質構築、タンパク質修飾、タンパク質の酵素修飾、タンパク質のグリコシル化、タンパク質のリン酸化、タンパク質の脱リン酸化、代謝産物の生合成、脂質生合成、DNA合成、RNA合成、タンパク質合成、栄養の吸収、細胞増殖、有糸分裂、減数分裂、細胞分裂、脱分化すること、幹細胞にトランスフォームすること、多能性細胞にトランスフォームすること、全能性細胞にトランスフォームすること、任意の臓器(すなわち、肝臓、肺、皮膚、筋肉、膵臓、脳、精巣、卵巣、血液、免疫系、神経系、骨、心臓血管系、中枢神経系、胃腸管、胃、甲状腺、舌、胆嚢、腎臓、鼻、目、爪、髪、味蕾)の幹細胞型にトランスフォームすること、分化した任意の細胞型(すなわち、核酸配列の導入に使用することができ、すでに記載した動物もしくはヒト細胞型のいずれかも含む、筋肉、心筋、ニューロン、皮膚、膵臓、血液、免疫、赤血球、白血球、キラーT細胞、腸管内分泌細胞、味覚、分泌細胞、腎臓、上皮細胞、内皮細胞)にトランスフォームすること、DNAを取り込むこと、小分子を取り込むこと、蛍光プローブを取り込むこと、RNAを取り込むこと、固体表面に接着すること、血清を含まない条件に適合すること、血清を含まない懸濁条件に適合すること、細胞培養のスケールアップに適合すること、大規模細胞培養のための使用、創薬における使用、ハイスループットスクリーニングにおける使用、機能的な細胞に基づくアッセイにおける使用、膜電位アッセイにおける使用、レポーター細胞に基づくアッセイにおける使用、ELISA研究における使用、インビトロアッセイにおける使用、インビボへの適用における使用、二次試験における使用、化合物試験における使用、結合アッセイにおける使用、パニングアッセイにおける使用、抗体パニングアッセイにおける使用、画像解析における使用、顕微鏡画像解析における使用、マルチウェルプレートにおける使用、自動化細胞培養との適合、小型自動化細胞培養との適合、大規模自動化細胞培養との適合、マルチウェルプレート(6、12、24、48、96、384、1536以上の密度)中での細胞培養との適合、細胞チップにおける使用、スライド上での使用、ガラススライド上での使用、スライドもしくはガラススライド上でのマイクロアレイ用、免疫蛍光研究用、タンパク質精製における使用、および生物製剤生産における使用。当業者は、上記の特性のいずれかに適した試験を容易に認識するであろう。
本発明の細胞および細胞株ならびに/または本発明の調和されたパネルを特徴づけるために使用され得る試験には、アミノ酸解析、DNA配列決定、タンパク質配列決定、NMR、タンパク質輸送に関する試験、核原形質輸送に関する試験、タンパク質の細胞内局在に関する試験、核酸の細胞内局在に関する試験、顕微鏡解析、超顕微鏡解析、蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、レーザーアブレーション技術、細胞計数および透析が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、上記の試験のいずれかの使用法を理解するであろう。
本方法によると、増殖速度を測定するステップに先立って、細胞または細胞株が個々の培養物中で分散している限り、細胞を任意の細胞培養形式で培養してもよい。例えば、便宜上、細胞を所望の条件下で培養のために最初に貯蔵し、その後、1つのウェルまたは容器につき1細胞の割合で個々の細胞を分離してもよい。細胞を、任意の都合のよいウェル数を有するマルチウェル組織培養プレート中で培養してもよい。かかるプレートは商業的に容易に入手可能であり、当業者に周知であろう。いくつかの場合において、細胞をバイアルまたは任意の他の都合のよい形式で培養することが好ましい可能性があり、様々な形式が当業者に知られており、商業的に容易に入手可能である。
増殖速度を測定するステップを含む実施形態において、増殖速度の測定に先立ち、これらの細胞を細胞にとって十分な長さの期間培養し、培養条件に順化させる。当業者が認めるであろう時間の長さは、細胞型、選択する条件、培養形式などのいくつかの要因により変化し、1日から数日、1週間以上の任意の長さの時間であってもよい。
好ましくは、多数の別々の細胞培養物中のそれぞれ個々の培養物を、標準的な維持スケジュールを含む以下で論じる実質的に同一の条件下で維持する。本方法の別の都合のよい特徴は、多数の個々の培養物を同時に維持することができ、その結果、非常に稀である場合でも、所望の一組の形質を有する細胞を同定することが可能である。これらのおよび他の理由で、本発明によると、多数の別々の細胞培養物を、自動化細胞培養を用いて培養し、その結果、条件は、各ウェルに関して実質的に同一である。自動化細胞培養は、手動の細胞培養に固有の不可避の可変性を防ぐ。
任意の自動化細胞培養システムを本発明の方法において使用してもよい。いくつかの自動化細胞培養システムが市販されており、当業者に周知であろう。いくつかの実施形態において、この自動化システムはロボットシステムである。好ましくは、このシステムは、独立して、移動チャネル、マルチチャネルヘッド(例えば、96チップヘッド)およびグリッパーまたはチェリーピッキングアームならびに作動中、無菌状態を維持するためのHEPA濾過装置を含む。ピペッターのチャネル数は、培養形式に適しなければならない。都合のよいピペッターは、例えば、96または384チャネルを有する。かかるシステムは知られており、商業的に入手可能である。例えば、MICROLAB
STAR(商標)装置(Hamilton)を、本発明の方法において使用してもよい。この自動化システムは、様々な所望の細胞培養作業を実行することができなければならない。かかる作業を、当業者は知っているであろう。それらには、培地の除去、培地交換、試薬の添加、細胞洗浄、洗浄液の除去、分散剤の添加、培養容器からの細胞の除去、培養容器への細胞の添加などが含まれるが、これらに限定されない。
本発明の細胞または細胞株の作製は、任意の数の別々の細胞培養物を含んでもよい。しかし、細胞数が増加するにつれて、本方法によって提供される利点は増加する。本方法において利用することができる細胞数または別々の細胞培養物には、理論的上限はない。本発明によると、別々の細胞培養物の数は2つ以上であり得るが、少なくとも3、4、5、6、6、7、8、9、10以上の別々の細胞培養物、例えば少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも48、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも96、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも384、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも500,000以上であることがさらに都合がよい。
本発明のCFTR細胞および細胞株のさらに都合のよい特性は、選択圧がない場合に、これらの細胞および細胞株はCFTRを安定的に発現することである。選択圧は、所望の配列または特徴を有する細胞を選択するために培養細胞において適用され、所望のポリペプチドの発現と、対応する選択剤または選択圧に対する耐性をこれらの細胞に授ける選択マーカーの発現とを関連付けることによって通常達成される。抗生物質選択には、抗生物質(例えば、ピューロマイシン、ネオマイシン、G418、ハイグロマイシン、ブレオマイシンなど)の使用が含まれるが、これらに限定されない。抗生物質ではない選択には、栄養枯渇の使用、選択的温度への曝露、変異原性条件への曝露および蛍光マーカーの発現が含まれるが、これらに限定されず、この選択マーカーは、例えば、グルタミン合成酵素、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、ウアバイン、チミジンキナーゼ(TK)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)またはGFPなどの蛍光タンパク質であってもよい。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の細胞および細胞株を、いかなる選択圧もない培養で維持する。さらなる実施形態において、細胞および細胞株を、いかなる抗生物質も含めずに維持する。本明細書で使用される細胞維持とは、細胞がそれらのCFTR発現について上記のように選択された後に細胞を培養することをいう。これらの細胞に導入される(1つまたは複数の)薬物耐性マーカーが、混合集団中の安定なトランスフェクタントの濃縮を可能にする細胞選別に先立って、選択薬(例えば、抗生物質)中で細胞を増殖させる任意のステップを、維持とはいわない。
薬物を含まない細胞の維持は、いくつかの利点を提供する。例えば、導入遺伝子があろうとなかろうと、選択は薬剤耐性遺伝子を取り込んだ細胞の生存によるので、薬剤耐性細胞は、所望の同時導入される導入遺伝子を必ずしも適切なレベルで発現するとは限らない。さらに、多くの場合、選択薬は変異原性であるか、そうでなければ細胞の生理機能に干渉し、細胞に基づくアッセイにおいて歪んだ結果をもたらす。例えば、選択薬は、アポトーシスに対する感受性を減少させる(Robinson et al.,Biochemistry,36(37):11169−11178(1997))、DNA修復および薬物代謝を増加させる(Deffie et al.,Cancer Res.48(13):3595−3602(1988))、細胞内pHを増加させる(Thiebaut et
al.,J Histochem Cytochem.38(5):685−690(1990);Roepe et al.,Biochemistry.32(41):11042−11056(1993);Simon et al.,Proc Natl Acad
Sci U S A.91(3):1128−1132(1994))、リソソームおよびエンドソームpHを減少させる(Schindler
et al.,Biochemistry.35(9):2811−2817(1996);Altan
et al.,J Exp Med.187(10):1583−1598(1998))、細胞膜電位を減少させる(Roepe et al.,Biochemistry.32(41):11042−11056(1993))、塩素イオンに対する細胞膜コンダクタンスを増加させる(Gill et al.,Cell.71(1):23−32(1992))およびATPに対する細胞膜コンダクタンスを増加させる(Abraham
et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.90(1):312−316(1993))、小胞輸送速度を増加させる(Altan
et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.96(8):4432−4437(1999))ことができる。一般的に使用される非抗生物質選択マーカーであるGFPは、特定の細胞株において細胞死を引き起こすことができる(Hanazono et al.,Hum Gene Ther.8(11):1313−1319(1997))。したがって、本発明の細胞および細胞株は、選択薬またはマーカーによってもたらされる任意の人工産物が存在しないスクリーニングアッセイを可能にする。いくつかの好ましい実施形態において、本発明の細胞および細胞株を、細胞選別前後に抗生物質などの選択薬と共に培養せず、その結果、濃縮細胞の集団を発端にせずとも、所望の特性を有する細胞および細胞株を選別により単離する。
別の態様において、本発明は本発明の細胞および細胞株の使用法を提供する。本発明の細胞および細胞株を、機能的CFTRまたは変異体CFTRが必要とされる任意の応用に使用してもよい。これらの細胞および細胞株を、例えば、インビトロの細胞に基づくアッセイまたはインビボアッセイに使用し、そのアッセイにおいて、これらの細胞を動物(例えば、ヒトではない哺乳類)に移植し、例えば、CFTR(例えば、CFTR変異体)モジュレーターについてスクリーニングし、結晶学研究および結合研究のためにタンパク質を産生し、化合物の選択性および用量、受容体/化合物の結合動態および安定性、ならびに細胞内生理機能(例えば、電気生理、タンパク質輸送、タンパク質の折り畳み、およびタンパク質調節)に対する受容体発現の効果を調べる。本発明の細胞および細胞株を、ノックダウン研究において使用し、変異体CFTRの役割を研究することもできるが、これらに限定されない。
CFTRの異なる型を発現する細胞および細胞株を別々に使用するか、または共に使用して、特定の変異体CFTRに特異的なモジュレーターを含むCFTRモジュレーターを同定すること、かつ個々の変異体CFTRの活性についての情報を取得することができる。本細胞および細胞株を使用して、様々なモジュレーターに対するそれらの反応に基づいて、変異体CFTRのインビボ型の同定をCFTRの既知の型の同定と相関させることによって、異なるCFTR病態におけるCFTRの異なる型の役割を同定してもよい。これは、かかるCFTR関連病態の高度の標的化された治療に対する疾患特異的または組織特異的CFTRモジュレーターの選択を可能にする。
モジュレーターには、CFTRの活性を変える任意の物質または化合物が含まれる。CFTR病態(すなわち、様々なCFTRチャネルを通過するイオンコンダクタンスに関連する病態)に結び付けられる関連性のある変異体CFTRを同定し、かかる病態の選択的治療またはそれらの治療に有用な関連化合物の開発のための組織特異的化合物を選択することに役立つ。他の態様において、モジュレーターは、CFTRの機能に影響を与える別のモジュレーターの能力を変更してもよい。例えば、フォルスコリンによって活性化されない変異体CFTRのモジュレーターは、CFTRの変異体型を、フォルスコリンによる活性化の影響を受けやすくさせてもよい。
CFTR変異体を安定的に発現する細胞株およびかかる細胞株のパネル(上記参照)を用いて、例えば、ハイスループット適合アッセイにおいて、(アゴニスト、アンタゴニスト、増強物質およびインバースアゴニストを含む)モジュレーターをスクリーニングすることができる。そのようにして同定したモジュレーターを、その後、他のCFTR対立遺伝子に対してアッセイし、既定のCFTR変異体に特異的な特定のモジュレーターを同定することができる。
いくつかの実施形態において、本発明は、所望のインビボの生理的特性に関してインビトロ相関関係(in−vitro−correlate)(「IVC」)を作る方法を提供する。異なるCFTR変異体のインビボの生理的特性を有する化合物の活性プロファイル、例えば、異なるCFTR変異体の生理的特性に対する化合物の効果のプロファイルを確立することによって、IVCを作る。これは、上記で開示された細胞または細胞株のパネルを用いることによって達成することができる。この活性プロファイルは、インビボの生理的特性を代表し、それゆえに、生理的特性についてのフィンガープリントのIVCである。いくつかの実施形態において、インビトロ相関関係は、薬物の負の副作用についてのインビトロ相関関係である。他の実施形態において、このインビトロ相関関係は、薬物の有益な効果についてのインビトロ相関関係である。
いくつかの実施形態において、このIVCを用いて、所望の化合物の1つ以上の生理的特性を予測または確認することができる。この化合物を、異なるCFTR変異体に対するその活性について試験してもよく、結果として得られる活性プロファイルを、本明細書に記載されるように作られるIVCの活性プロファイルと比較する。所望の化合物の活性プロファイルと最も似ている活性プロファイルを有するIVCの生理的特性を、所望の化合物の生理的特性であると予測しかつ/または確認する。
いくつかの実施形態において、IVCを、異なるCFTR変異体に対する化合物の活性またはそれらの組み合わせをアッセイすることによって確立する。同様に、化合物の生理的活性を予測または確認するために、この化合物の活性を異なるCFTR変異体に対して試験することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の方法を用いて、どの程度、特定の生理的効果が所望の化合物によってもたらされるかを決定および/または予測および/または確認することができる。特定の実施形態において、本発明の方法を用いて、所望の化合物の生理的効果の組織特異性を決定および/または予測および/または確認することができる。
より具体的な実施形態において、所望の化合物の活性プロファイルを、異なるCFTR変異体を発現するように遺伝子工学処理された細胞株(例えば、異なるCFTR変異体を発現する細胞パネル)を用いて、多数のインビトロアッセイにおける化合物の活性を試験することによって確立する。いくつかの実施形態において、CFTR変異体のパネルに対する候補薬物の試験を用いて、特定の目的物を、診療所で観察される有害な副作用もしくは望ましくない副作用または有害な治療効果もしくは望ましくない治療効果と関連付けることができる。この情報を用いて、ハイスループットスクリーニングにおいて、または活性が最高に望ましく、的外れが最小限である薬物の開発中に、洗練された目的物を選択してもよい。
特定の実施形態において、生理的パラメーターを、機能的磁気共鳴画像法(「fMRI」)を用いて測定する。他の画像検査法、例えば、コンピューター断層撮影法(CT)、コンピューター体軸断層撮影法(CAT)、拡散光イメージング(DOI)、拡散光断層撮影法(DOT)、事象関連光学信号(EROS)、近赤外分光法(NIRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、脳磁図(MEG)、陽電子放出断層撮影法(PET)および単光子放出コンピューター断層撮影法(SPECT)も用いることができる。
特定の実施形態において、IVCが中枢神経系(「CNS」)に対する化合物の効果を示す場合、CNSのfMRIパターンと関連するIVCを確立してもよい。ヒトおよび動物試験モデルを含む様々な試験およびモデルにおいて、化合物の活性と関連するIVCを作ってもよい。ヒトの疾患および障害は、例えば、The
Merck Manual,18th Edition(Hardcover),Mark
H.Beers(Author),Robert S.Porter(Editor),Thomas V.Jones(Editor)にまとめられている。精神の疾患および障害は、例えば、米国精神学会によるDiagnostic and
Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−IV−TR)第4版(Text Revision)にまとめられている。
以下の特性について、CFTRを用いてIVCを作ることもできる:(特に、肺、腎臓、血管組織、目、腸、小腸、大腸の)上皮組織の全域にわたる調節、分泌、質、クリアランス、産生、粘性、もしくは粘膜の厚さ、水の吸収率、保持率、バランス、通過、輸送;化合物の感覚もしくは味覚の認知;活性化合物に反応するニューロン発火もしくはCNS活性;肺の徴候;腸内洗浄、過敏性腸症候群(IBS)、薬物誘発性(すなわちオピオイド)便秘、寝たきり患者の便秘/CIC、急性感染性下痢、大腸菌、コレラ、ウイルス性胃腸炎、ロタウイルス、吸収不良症候群の調節、(ウイルス、細菌、原性動物性の)小児の下痢、HIV、もしくは短腸症候群などの胃腸の徴候;精子の運動性もしくは精子の受精能獲得などの受精能の徴候;女性の生殖の徴候、頸管粘液/膣分泌物の粘性(すなわち、不敵な頸管粘液);精子の運動性もしくは精子の運動性に関連のある頸管粘液の質に負の影響を与える化合物などの避妊;口渇、ドライアイ、緑内障、鼻水の垂れている鼻;または内分泌の徴候、すなわちCF患者の膵臓機能。
CFTRモジュレーターを同定するために、このCFTRが機能的であると期待される条件下で、本発明の新規の細胞または細胞株を試験化合物に曝露し、その後、適切な対照、例えば、試験化合物に曝露されない細胞と比較して、CFTR活性の統計的に有意な変化(例えば、p<0.05)を検出することができる。既知のアゴニストもしくはアンタゴニストを用いた陽性および/もしくは陰性対照ならびに/または異なる変異体CFTRを発現する細胞も用いてもよい。いくつかの実施形態において、検出および/または測定されるCFTR活性は、膜の脱分極、膜電位の変化、またはかかる膜変化に起因する蛍光発光である。当業者は、様々なアッセイパラメーター、例えば、シグナル対ノイズ比を最適化し得ることを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、本発明の1つ以上の細胞または細胞株を、多数の試験化合物、例えば、試験化合物のライブラリーに曝露する。試験化合物のライブラリーを本発明の細胞株を用いてスクリーニングし、1つ以上のモジュレーターを同定することができる。これらの試験化合物は、それらの小分子、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣薬、抗体または抗原結合部分を含む化学的成分であり得る。抗体の場合、これらの試験化合物は、ヒトではない抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体であってもよい。これらの抗体は、(Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、dAbなどの)抗体断片、一本鎖抗体(scFv)、単一ドメイン抗体、重鎖もしくは軽鎖可変領域の全てのまたは1つの抗原結合部分を含む任意の抗体の重鎖および軽鎖または抗原結合部分の完全補体を含むインタクトな抗体であってもよい。
いくつかの実施形態において、試験化合物への曝露に先立ち、本発明の細胞または細胞株を、例えば、哺乳類または他の動物の酵素、植物酵素、細菌酵素、溶解させた細胞由来の酵素、タンパク質修飾酵素、脂質修飾酵素、および口腔、消化管、胃もしくは唾液中の酵素を含む酵素で事前処理することによって修飾してもよい。かかる酵素には、例えば、キナーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼ、グリコシダーゼ、酸化還元酵素、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、リアーゼ、異性化酵素、リガーゼなどが含まれ得る。あるいは、細胞および細胞株を最初に試験化合物に曝露し、続いて処理し、この処理によりCFTRの修飾を変える化合物を同定してもよい。
いくつかの実施形態において、巨大化合物収集物を、細胞に基づく、機能的なハイスループットスクリーニング(HTS)において、例えば、96ウェル、384ウェル、1536ウェル以上の密度のウェル形式を用いて、CFTR調節活性について試験する。いくつかの実施形態において、試験化合物のライブラリーを含む1つの試験化合物または複数の試験化合物を、本発明の2つ以上の細胞または細胞株を用いてスクリーニングしてもよい。各々が異なる非変異型CFTRまたは変異型CFTRを発現する複数の細胞または細胞株を用いる場合、CFTRの複数型に対して効果的なモジュレーター、あるいは、特定の変異型または非変異型CFTRに特異的で、かつ他の変異型CFTRを調節しないモジュレーターを同定することができる。ヒトCFTRを発現する本発明の細胞または細胞株の場合においては、これらの細胞を試験化合物に曝露し、望ましくないCFTR活性、または所望のCFTR活性の減少もしくは所望のCFTR活性がないことによって特徴づけられる疾患もしくは症状の治療において使用するための、CFTR活性を調節(増加もしくは減少のいずれか一方を)する化合物を同定することができる。
特定の実施形態において、CFTR活性のアッセイを、CFTR変異体(例えば、表1および表2参照)を発現する細胞もしくは細胞株、または変異体パネルを用いて行う。一実施形態において、このパネルは、野生型CFTRを発現する細胞または細胞株も含む。特定の実施形態において、タンパク質輸送補正物質をこのアッセイに加える。かかるタンパク質輸送補正物質には、1)グリセロール(例えば、Brown
CR et al.,Cell Stress and Chaperones(1996)v1(2):117−125を参照されたい);2)DMSO(例えば、Brown CR et al.,Cell
Stress and Chaperones(1996)v1(2):117−125を参照されたい);3)重水素化水(D2O)(例えば、Brown
CR et al.,Cell Stress and Chaperones(1996)v1(2):117−125を参照されたい);4)トリメチルアミンオキシドなどのメチルアミン(例えば、Brown CR et al.,Cell Stress and Chaperones(1996)v1(2):117−125を参照されたい);5)アダマンチルスルホガラクトシルセラミド(Adamantyl sulfogalactosyl
ceramide)(adaSGC)(例えば、Park HJ et al.,Chemistry and Biology(2009)v16:461−470を参照されたい);6)血管作用性小腸ペプチド(VIP)(例えば、Journal of Biological
Chemistry(1999)v112:887−894を参照されたい);7)フェニル酪酸ナトリウム(S−PBA)(例えば、Singh OV et al.,Molecular
and Cellular Proteomics(2008)v7:1099−1110を参照されたい);8)VRT−325(例えば、Wang Y et al.,Journal of
Biological Chemistry(2007)v282(46):33247−33257を参照されたい);9)VRT−422(例えば、Van Goor F et al.,American
Journal of Physiology Lung Cell Molecular Physiology(2006)v290:L1117−1130を参照されたい);10)補正物質(Corrector)2b(例えば、Wang
Y et al.,Journal of Biological Chemistry(2007)v282(46):33247−33257を参照されたい);11)補正物質3a(例えば、Wang Y et al.,Journal
of Biological Chemistry(2007)v282(46):33247−33257を参照されたい);12)補正物質4a(例えば、Wang
Y et al.,Journal of Biological Chemistry(2007)v282(46):33247−33257を参照されたい);13)クルクミン(例えば、Robert R et al.,Molecular Pharmacology(2008)v73:478−489を参照されたい);14)シルデナフィル類似体(KM11060)(例えば、Robert R et al.,Molecular
Pharmacology(2008)v73:478−489を参照されたい);15)アラニン、グルタミン酸、プロリン、GABA、タルイン(Taruine)、スクロース、トレハロース、ミオイノシトール、アラビトール、マンニトール、マンノース、スクロース、ベタイン、グリセロホスホリルコリン、サルコシン(例えば、Welch
WJ et al.,Cell Stress and Chaperones(1996)v1(2):109−115を参照されたい);および16)式
Figure 2012516686
を有するN−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸が含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、上記の細胞または細胞株のパネルを用いて、タンパク質輸送補正物質を試験することができる。特定の実施形態において、上記の細胞または細胞株のパネルを用いて、タンパク質輸送補正物質のスクリーニングを行うことができる。
他の実施形態において、CFTR変異体におけるCFTR活性のアッセイを、タンパク質輸送補正物質がない状態で行う。いくつかの場合において、CFTR活性のアッセイの感度は、タンパク質輸送補正物質を使用しようとしまいと同じである。
本発明のこれらのおよび他の実施形態は、以下の非限定的な実施例において、さらに説明され得る。
(実施例1)
CFTRを安定的に発現する発現細胞株の作製
発現コンストラクトの作製
pCMV−SCRIPT(Stratagene)に基づいて、合理的なクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターを作製し、これに、CMVおよびSV40真核生物プロモーター;SV40およびHSV−TKポリアデニル化配列;マルチクローニング部位;コザック配列;ならびに薬物耐性カセット(すなわち、ピューロマイシン)含む、対象の遺伝子の転写および翻訳に必要な様々な構成要素を含めた。アンピシリンまたはネオマイシン耐性カセットを、ピューロマイシンと置換して使用することもできる。その後、タグ配列(配列番号8)を、このプラスミドのマルチクローニング部位に挿入した。その後、ヒトCFTRをコードするcDNAカセットを、Asc1およびPac1制限酵素を用いて、このタグ配列の上流のマルチクローニング部位にサブクローニングした。
細胞株の作製
ステップ1:トランスフェクション
標準的な技術を用いて、CHO細胞を、ヒトCFTR(配列番号1)をコードするプラスミドでトランスフェクトした。(宿主細胞に核酸を導入するために使用され得る試薬の例として、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン(Metafectine)またはFECTURIN(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。)
薬物選択は、本発明の細胞または細胞株を作製することには任意選択であるが、プラスミド中に1つの薬物耐性マーカー(すなわち、ピューロマイシン)を含めた。CFTR配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルプローブによる検出のための標的配列をコードする非翻訳配列も、薬物耐性マーカーをコードする配列と共に存在した。利用する標的配列は、標的配列2(配列番号8)であり、かつ、この実施例において、CFTR遺伝子を含むベクターは、標的配列2(配列番号8)を含んだ。
ステップ2:選択
トランスフェクト細胞を、抗生物質を含まないHam’s F12−FBS培地(Sigma
Aldrich,St Louis,MO)中で2日間増殖させ、その後、12.5μg/mlのピューロマイシンを含むHam’s
F12−FBS培地中で10日間増殖させた。その後、残りの時間、これらの細胞を、抗生物質を含まないHam’s F12−FBS培地に移し、シグナルプローブを加えた。
ステップ3:細胞継代
抗生物質による濃縮後、抗生物質選択がない状態で細胞を5〜14回継代して、選択する期間にわたって安定的ではない発現の時間を低下させることができた。
ステップ4:細胞の蛍光プローブへの曝露
標準的な技術を用いて、細胞を収集し、シグナルプローブ2(配列番号9)でトランスフェクトした。(宿主細胞に核酸を導入するために使用され得る試薬の例として、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン(Metafectine)またはFECTURIN(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。)シグナルプローブ2(配列番号9)を標的配列2(配列番号8)に結合させた。その後、これらの細胞を解析のために収集し、蛍光活性化細胞選別装置を用いて選別した。
シグナルプローブにより検出される標的配列
標的配列2
5’−GAAGTTAACCCTGTCGTTCTGCGAC−3’(配列番号8)
シグナルプローブ
シグナルプローブ2(100μMストックとして供給される)
5’−CY5.5GCGAGTCGCAGAACGACAGGGTTAACTTCCTCGCBHQ2−3’(配列番号9)
シグナルプローブ2のBHQ2を、BHQ3または金粒子と置換することができる。
標的配列2およびシグナルプローブ2は、それぞれ、標的配列1およびシグナルプローブ1と置き換えることができる。
標的配列1
5’−GTTCTTAAGGCACAGGAACTGGGAC−3’(配列番号3)
シグナルプローブ1(100μMストックとして供給される)
5’−Cy5GCCAGTCCCAGTTCCTGTGCCTTAAGAACCTCGCBHQ2−3’(配列番号6)
シグナルプローブ1のBHQ2を、BHQ3または金粒子と置換することができる。
さらに、Cy5と似たスペクトル特性を有するQuasar(登録商標)Dye(BioSearch)を用いる類似のプローブを、標的配列1に対する特定の実験において使用する。
いくつかの実験において、DNAプローブの代わりに、5−MedCおよび2−アミノdAミックスマー(mixmer)を使用する。
非標的FAM標識プローブも、ローディングコントロールとして使用する。
ステップ5:陽性細胞の単離
蛍光活性化細胞選別装置(Beckman Coulter,Miami,FL)を用いる解析および選別のために、これらの細胞を解離させ、収集した。標準的な解析法を用いて、バックグラウンド以上に蛍光を発している細胞をゲーティングし、そのゲートの範囲に入る個々の細胞を、バーコード化した96ウェルプレートに単離した。以下のゲーティング階層を用いた:
一致のゲーティング→一重項ゲーティング→生存ゲーティング→FAM対Cy5.5のプロットにおける選別ゲーティング:本分野の標準的手順に従って、細胞の0.1〜0.4%。
ステップ6:ステップ1〜5および/または3〜5の追加のサイクル
ステップ1〜5および/または3〜5を繰り返し、より多くの細胞を取得した。ステップ1〜5を2ラウンド行い、これらのラウンドの各々について、ステップ3〜5の内部サイクルを2回行った。
ステップ7:細胞の集団の増殖速度の推定
これらのプレートをMicrolab Star(Hamilton
Robotics)に移した。100ユニット/mlのペニシリンおよび0.1mg/mlのストレプトマイシンを補完した、新鮮な完全増殖培地および2〜3日馴化した増殖培地の1:1の混合物100μl中で、細胞を9日間インキュベートした。その後、これらの細胞を1回または2回、トリプシン処理により分散させ、凝集塊を最小化し、その後、新しい96ウェルプレートに移した。プレートを画像化し、ウェルの集密度を決定した(Genetix)。プレート全体の信頼性のある画像収集のために、各プレートに焦点を合わせた。集密度が70%を超えると報告されたものは信頼しなかった。分散後1〜10日間の連続した日に、集密度の測定値を取得し、それを用いて増殖速度を計算した。
ステップ8:増殖速度推定値による細胞の集団のグループ分け
ステップ7の分散ステップ後2週間以内の増殖速度に従って、細胞をグループ分けした(独立してグループ化し、コホートとしてプレーティングした)。3つの増殖グループの各々を、個々の96ウェルプレートに分離した。いくつかの増殖グループは2つ以上の96ウェルプレートが必要になった。増殖速度の隔たりを考慮し、かつ細胞の集団の総数の高い割合を一まとめにすることによって、グループ分けを行った。増殖速度における12〜16時間の違いをまとめて、グループ分けを行った。
細胞は、1日未満〜2週間を越える倍加時間を有し得る。増殖速度に従って、同時に、合理的にグループ分けすることができる最も多様性のあるクローンを処理するために、グループ間で0.25〜0.7日の違いを有する3〜9グループを用いることが好ましい。当業者は、グループの堅固さおよびグループ数を特定の状況に対して調節できること、かつ細胞をグループの細胞周期に同調させる場合、グループの堅固さおよびグループ数をさらに調節することができることを理解するであろう。
ステップ9:並行処理を加速させ、ストリンジェントな品質管理を提供するためのレプリカ平板法
これらのプレートを、抗生物質を含まない標準化した一定条件(すなわち、Ham’s
F12−FBS培地、37℃/5%CO2)下でインキュベートした。これらの細胞のプレートを分割し、4セットの96ウェルプレート(凍結用に3セット、アッセイおよび継代用に1セット)を作り出した。これらのプレートのセットのそれぞれに対して、別々の独立した組織培養試薬、インキュベーター、担当者、および二酸化炭素源を用いた。品質管理ステップを設け、全組織培養試薬の適切な調製および品質を確実にした。一人の指定された人が、フードの中に調製用試薬のみを有する1つの指定されたフードの中で、使用するために調製した培地の各ボトルに各成分を加え、その間、第二の指定された人が監視をして間違いを避けた。液体処理に必要な条件を設定し、ウェル全域の相互汚染を排除した。全ステップについて新しいチップを用いるか、またはストリンジェントなチップ洗浄手順を用いた。正確な量を移すこと、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティングの速度および位置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置について、液体処理条件を設定した。
ステップ10:細胞の集団の初期継代ストックの凍結
3セットのプレートを、−70〜−80℃で凍結させた。最初に、各セットのプレートを70〜100%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび10%DMSOを加えた。これらのプレートをそれぞれパラフィで密封し、それぞれ1〜5cmの発泡体で囲み、その後、−80℃の冷凍庫の中に入れた。
ステップ11:生存能力のある、安定的でかつ機能的な(VSF)細胞株を作製するための最初の形質転換ステップの方法および条件
残りのセットのプレートを、ステップ9で記載した通りに維持した。培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体処理ステップを用いて、全細胞をバラバラにした。
ステップ12:増殖速度の任意の余分な変動を補正するための正規化法
全細胞の集団について、細胞条件および培養条件の一貫性および標準化をコントロールした。プレート全域の細胞数の正規化により、増殖速度のわずかな違いによるプレート全域の違いをコントロールし、再配列後8継代ごとに正規化を行った。異常値である細胞の集団を検出し、排除した。
ステップ13:細胞の集団の特徴づけ
これらの細胞を、培養液中の再配列後6〜10週間維持した。この期間中、所定の内部品質管理の一部として、サイズ、形態、微小集密度(microconfluency)への傾向、ぜい弱性、トリプシン処理に対する反応およびトリプシン処理後の平均円形度、または培養プレート表面への接着および液体添加の際の吹き飛びに対する抵抗などの細胞維持の他の態様を観察し、頑強な細胞を同定した。その後、機能評価を目的として、かかるベンチマーク細胞を認めた。
ステップ14:VSF条件下での細胞の集団の潜在的な機能性の評価
機能基準を用いて、細胞の集団を試験した。製造元の取扱説明書に従って、膜電位染色キット(Molecular
Devices,MDS)を用いた。
384ウェルプレート中で密度を変えて(すなわち、1ウェルあたり12.5×10〜20×10細胞)細胞を試験し、反応を解析した。細胞プレーティングとアッセイ読み込みとの間の時間を吟味した。色素濃度も吟味した。潜在的な機能性評価の一部として、用量反応曲線およびZ’スコアの両方を計算した。
以下のステップ(すなわち、ステップ15〜18)も実施し、最終的な、予備の、生存可能で、安定的で、かつ機能的な細胞株を選択することができる。
ステップ15:
少ない継代数および多い継代数で行った実験の機能的反応を比較して、所定の期間にわたって(例えば、3〜9週間)最も一貫性のある反応を有する細胞を同定する。時間とともに変化する細胞の他の特徴にも留意する。
ステップ16:
機能的でかつ他の基準を満たす細胞の集団をさらに評価し、生存可能で、安定的でかつ機能的な細胞株の作製が最も可能な細胞の集団を見つけ出す。選択される細胞の集団を、より大きな組織培養容器の中で増やし、これらの条件下で、上記の特徴づけのステップを継続するか繰り返す。この時点で、一貫性があり、信頼できる継代を目的に、異なる細胞密度、プレーティング時間、細胞培養継代の長さ、細胞培養皿の形式およびコーディング、速度およびせん断力を含む流動性の最適化、継代期間、および洗浄ステップなどのさらなる標準化ステップを導入する。
さらに、各継代における細胞の生存能力を調べる。手動の介入を増やし、細胞をより入念に観察および監視する。この情報を用いて、所望の特性を保持する最終的な細胞株を同定および選択するのに役立たせる。このプロセス後にかつこれらの条件下で作製される時に、適切な接着性/粘着性、増殖速度、さらに(微小な集密度のない)プレーティングを示す最終的な細胞株および予備の細胞株を選択する。
ステップ17:細胞バンクの確立
最終的な細胞株および予備の細胞株に相当する継代数の少ない凍結ストックを37℃で解凍し、Ham’s
F12−FBSで2回洗浄し、その後Ham’s F12−FBS中でインキュベートする。その後、これらの細胞を2〜4週間増やす。各々の最終的でかつ予備の細胞株のクローンの細胞バンクを確立し、各クローン細胞の25バイアルを凍結保存する。
ステップ18:
この細胞バンクから少なくとも1バイアルを解凍し、培養液中で増やす。得られた細胞を試験して、それらの細胞が最初に選択された特徴と同じ特徴を満たすかどうかを調べる。
(実施例2)
天然のCFTR機能についての安定細胞株の特徴づけ
ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて、作製された、CFTRを安定的に発現する細胞株における天然のCFTR機能を特徴づけた。
CFTRを安定的に発現するCHO細胞株を、10%ウシ胎仔血清およびグルタミンを補完したHam’s
F12培地中の標準的細胞培養条件下で維持した。アッセイの前日に、ストックプレートからこれらの細胞を収集し、アッセイの日に90%集密度に達成するのに十分な密度で、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングした。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で22〜24時間維持した。その後、この培地をこれらのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色膜電位色素(Molecular
Devices Inc.)を加え、37℃で1時間インキュベートした。その後、これらのアッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、化合物緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM CaCl、25mM
HEPES、10mM グルコース)に溶解させたフォルスコリンとIBMXの混合物を加えた。
蛍光膜電位アッセイの代表的なデータを図1Aおよび1Bに示す。CFTRを安定的に発現するCHO細胞株(細胞株1、M11、J5、E15、およびO15)の中の機能的CFTRに起因するイオン流束は、アッセイ反応により示されるように、CFTRを欠く対照細胞よりも全て高かった。
CFTRを安定的に発現するCHO細胞株(細胞株1、M11、J5、E15、およびO15)の中の機能的CFTRに起因するイオン流束は、一過的にCFTRをトランスフェクトしたCHO細胞(図1Aおよび1B)よりも全て高かった。1枚の10cmの組織培養皿あたり500〜1600万細胞の割合でCHO細胞をプレーティングし、トランスフェクション前の18〜20時間インキュベートすることにより、一過的にCFTRをトランスフェクトした細胞を作製した。脂質トランスフェクション試薬およびCFTRをコードするプラスミドからなるトランスフェクション複合体を各々の皿に直接加えた。その後、これらの細胞を37℃で、COインキュベーターの中で6〜12時間インキュベートした。インキュベーション後、これらの細胞を取り出し、黒色透明な底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングし、上記の蛍光膜電位アッセイを用いて機能についてアッセイした。
フォルスコリン用量反応実験については、作製された、CFTRを安定的に発現する細胞株の細胞を、384ウェルプレートに15,000細胞/ウェルの密度でプレーティングし、既知のCFTRアゴニストであるフォルスコリンの濃度を増加させながら検証する。蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)により、細胞蛍光の変化に応じて細胞反応を、時間をかけて監視する。その後、データをフォルスコリン濃度に応じてプロットし、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを用いる非線形回帰分析を用いて分析し、256nMのEC50を得た(図2)。作製されたCFTRを発現する細胞株は、以前に他の細胞株で報告されたフォルスコリンのEC50の範囲内(250〜500nM)(Galietta
et al.,Am J Physiol Cell Physiol.281(5):C1734−1742(2001))にフォルスコリンのEC50値を示し、このことは、このクローンの有効性を示す。
(実施例3)
CFTR細胞に基づくアッセイに関するZ’値の決定
作製された、CFTRを安定的に発現する細胞株のZ’値を、ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて計算した。この蛍光膜電位アッセイの手順を、実施例2の手順に実質的に従って行った。具体的には、Z’アッセイについて、(15,000細胞/ウェルの密度でプレーティングした)384ウェルアッセイプレート中の陽性対照の24ウェルを、CFTRを活性化するフォルスコリンとIBMXの混合物を用いて検証した。等しい数のウェルを、(活性化因子を含まない)溶媒のみ、およびDMSOを含む溶媒を用いて検証した。2つの条件における細胞反応を、蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)を用いて監視した。2つの条件における平均値および標準偏差を計算し、Zhang
et al.,J Biomol
Screen,4(2):67−73,(1999)に開示される方法を用いてZ’を算出した。作製されたCFTRを安定的に発現する細胞株のZ’値が、0.82より高いかまたは0.82と等しいと決定した。
(実施例4)
CFTRモジュレーターのハイスループットスクリーニングおよび同定
ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて、CFTRモジュレーターをスクリーニングおよび同定する。アッセイの前日に、ストックプレートから抗生物質を含まない増殖培地にこれらの細胞を収集し、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングした。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で19〜24時間維持する。その後、この培地をこれらのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色膜電位色素(Molecular
Devices Inc.)を加え、これらの細胞を37℃で1時間インキュベートする。試験化合物をアッセイ緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM
CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈したジメチルスルホキシドに溶解させ、その後、384ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレートに供する。この細胞および化合物プレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、3分間稼働させ、試験化合物活性を同定する。この機器は、300nM〜1μMの濃度でフォルスコリン溶液をこれらの細胞に加え、事前に加えた化合物のモジュレーターまたは遮断薬活性のいずれか一方の観察を可能にする。試験化合物をこれらの細胞に添加した後および/またはそれに続くアゴニスト添加後に生成される蛍光の変化を測定することによって、この化合物の活性を決定する。
(実施例5)
短絡回路電流測定を用いた天然CFTR機能についてのCFTRを安定的に発現する細胞株の特徴づけ
CFTRを発現する細胞(肺および腸を含むがこれらに限定されない初代上皮細胞または不死化上皮細胞)をカルチャーインサート(Snapwell,Corning Life Sciences)上にプレーティングした7〜14日後に、Ussingチャンバー実験を行う。カルチャーインサート上の細胞を軽くすすぎ、Ussing型装置(EasyMount
Chamber System,Physiologic Instruments)に載せ、120mM NaCl、25mM
NaHCO、3.3mM KHPO、0.8mM KHPO、1.2mM
CaCl、1.2mM MgCl、および10mM グルコースを含み、連続的にガスが供給され、37℃で維持されるリンガー液(O中5%CO、pH7.4)に浸す。ヘミチャンバー(hemichamber)を、マルチチャネル電圧および電流固定(VCC−MC8
Physiologic Instruments)に接続する。電極[寒天架橋(1M KCl中4%)Ag−AgCl]を使用し、インサートを0mVに電圧固定する。経上皮の電流、電圧および抵抗を、実験期間中10秒ごとに測定する。200mΩ未満の抵抗を有する膜は廃棄する。
(実施例6)
電気生理学的アッセイを用いた天然CFTR機能についてのCFTRを安定的に発現する細胞株の特徴づけ
手動の電気生理学的アッセイおよび自動化された電気生理学的アッセイの両方が開発され、両方とも天然CFTR機能をアッセイするのに適用することができ、以下に、手動のパッチクランプ実験の手順を記載する。
細胞を低密度で播種し、プレーティングの2〜4日後に使用する。ホウケイ酸ガラスピペットを火炎処理し、2〜4メガΩのチップ抵抗を得る。電流をサンプリングし、低域を濾過する。細胞外(浴槽)溶液には、150mM
NaCl、1mM CaCl、1mM MgCl、10mM グルコース、10mM マンニトール、および10mM TES、pH7.4が含まれる。ピペット溶液には、120mM
CsCl、1mM MgCl、10mM TEA−Cl、0.5mM EGTA、1mM Mg−ATP、および10mM HEPES(pH7.3)が含まれる。−80mV〜−100mVの間に膜電位を変化させることによって、膜コンダクタンスを監視する。段階的に20mVずつ、−100mV〜+100mVの間の電圧パルスを加えることによって、電流−電圧曲線を作成する。
(実施例7)
CFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株の作製
発現構築物の作製
pCMV−SCRIPT(Stratagene)に基づいて、合理的なクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターを作製し、これには、CMVおよびSV40真核生物プロモーター;SV40およびHSV−TKポリアデニル化配列;マルチクローニング部位;コザック配列;ならびに薬物耐性カセット(すなわち、ピューロマイシン)含む、対象の遺伝子の転写および翻訳に必要な様々な構成要素が含まれた。アンピシリンまたはネオマイシン耐性カセットを、ピューロマイシンと置換して使用することもできる。その後、タグ配列(配列番号8)を、このプラスミドのマルチクローニング部位に挿入した。その後、ヒトCFTRをコードするcDNAカセットを、Asc1およびPac1制限酵素を用いて、このタグ配列の上流のマルチクローニング部位にサブクローニングした。その後、部位特異的変異誘発(Stratagene)を用いて、508番目の単一フェニルアラニンアミノ酸を除去し、ヒトCFTR−ΔF508(配列番号7)をコードするプラスミドを作製した。上記の変異誘発法は、任意の数の様々なCFTR対立遺伝子(現在知られているものか、または将来的に知られるようになるもののいずれか一方)の、ハイスループット作製に適合する。
細胞株の作製
ステップ1:トランスフェクション
標準的な方法を用いて、CHO細胞を、ヒトCFTR−ΔF508(配列番号7)をコードするプラスミドでトランスフェクトした。(宿主細胞に核酸を導入するために使用され得る試薬の例として、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン(Metafectine)またはFECTURIN(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。)
薬物選択は、本発明の細胞または細胞株を作製することには任意選択であるが、プラスミド中に1つの薬物耐性マーカー(すなわち、ピューロマイシン)を含めた。CFTR−ΔF508配列は、CMVプロモーターの制御下にあった。シグナルプローブによる検出のための標的配列をコードする非翻訳配列も、薬物耐性マーカーをコードする配列と共に存在した。利用される標的配列は、標的配列2(配列番号8)であり、この実施例において、CFTR−ΔF508を含むベクターは、標的配列2(配列番号8)を含んだ。
ステップ2:選択
トランスフェクト細胞を、抗生物質を含まないHam’s F12−FBS培地(Sigma
Aldrich,St Louis,MO)中で2日間増殖させ、その後、12.5μg/mlのピューロマイシンを含むHam’s
F12−FBS培地中で10日間増殖させた。その後、残りの時間、これらの細胞を、抗生物質を含まないHam’s F12−FBS培地に移し、シグナルプローブを加えた。
ステップ3:細胞継代
抗生物質による濃縮後、抗生物質選択がない状態で細胞を5〜14回継代して、選択する期間にわたって安定的ではない発現の時間を低下させることができた。
ステップ4:細胞の蛍光プローブへの曝露
標準的な技術を用いて、細胞を収集し、シグナルプローブ2(配列番号9)でトランスフェクトした。(宿主細胞に核酸を導入するために使用され得る試薬の例として、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン(Metafectine)またはFECTURIN(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。)シグナルプローブ2(配列番号9)を標的配列2(配列番号8)に結合させた。その後、これらの細胞を解析のために収集し、蛍光活性化細胞選別装置を用いて選別した。
シグナルプローブにより検出される標的配列
標的配列2
5’−GAAGTTAACCCTGTCGTTCTGCGAC−3’(配列番号8)
シグナルプローブ
シグナルプローブ2(100μMストックとして供給される)
5’−CY5.5GCGAGTCGCAGAACGACAGGGTTAACTTCCTCGCBHQ2−3’(配列番号9)
シグナルプローブ2のBHQ2を、BHQ3または金粒子と置換することができる。
標的配列2およびシグナルプローブ2は、それぞれ、標的配列1およびシグナルプローブ1と置き換えることができる。
標的配列1
5’−GTTCTTAAGGCACAGGAACTGGGAC−3’(配列番号3)
シグナルプローブ1(100μMストックとして供給される)
5’−Cy5GCCAGTCCCAGTTCCTGTGCCTTAAGAACCTCGCBHQ2−3’(配列番号6)
シグナルプローブ1のBHQ2を、BHQ3または金粒子と置換することができる。
さらに、Cy5と似たスペクトル特性を有するQuasar(登録商標)Dye(BioSearch)を用いる類似のプローブを、標的配列1に対する特定の実験において使用する。
いくつかの実験において、DNAプローブの代わりに、5−MedCおよび2−アミノdAミックスマー(mixmer)を使用する。
非標的FAM標識プローブは、また、ローディングコントロールとして使用する。
ステップ5:陽性細胞の単離
蛍光活性化細胞選別装置(Beckman Coulter,Miami,FL)を用いる解析および選別のために、これらの細胞を解離させ、収集した。標準的な解析法を用いて、バックグラウンド以上に蛍光を発している細胞をゲーティングし、そのゲートの範囲に入る個々の細胞を、バーコード化した96ウェルプレートに単離した。以下のゲーティング階層を用いた:
一致のゲーティング→一重項ゲーティング→生存ゲーティング→FAM対Cy5.5のプロットにおける選別ゲーティング:本分野の標準的手順に従って、細胞の0.1〜0.5%。
ステップ6:ステップ1〜5および/または3〜5の追加のサイクル
ステップ1〜5および/または3〜5を繰り返し、より多くの細胞を取得した。ステップ1〜5を2ラウンド行い、これらのラウンドの各々について、ステップ3〜5の内部サイクルを2回行った。
ステップ7:細胞の集団の増殖速度の推定
これらのプレートをMicrolab Star(Hamilton
Robotics)に移した。100ユニット/mlのペニシリンおよび0.1mg/mlのストレプトマイシンを補完した、新鮮な完全増殖培地および2〜3日馴化した増殖培地の1:1の混合物100μl中で、細胞を9日間インキュベートした。その後、これらの細胞を1回または2回、トリプシン処理により分散させ、凝集塊を最小化し、その後、新しい96ウェルプレートに移した。プレートを画像化し、ウェルの集密度を測定した(Genetix)。プレート全体の信頼性のある画像収集のために、各プレートに焦点を合わせた。集密度が70%を超えると報告されたものは信頼しなかった。分散後1〜10日間の連続した日に、集密度の測定値を取得し、それを用いて増殖速度を計算した。
ステップ8:増殖速度推定値による細胞の集団のグループ分け
ステップ7の分散ステップ後2週間以内の増殖速度に従って、細胞をグループ分けした(独立してグループ化し、コホートとしてプレーティングした)。3つの増殖グループの各々を、個々の96ウェルプレートに分離した。いくつかの増殖グループは2つ以上の96ウェルプレートが必要になった。増殖速度の隔たりを考慮し、かつ細胞の集団の総数の高い割合を一まとめにすることによって、グループ分けを行った。増殖速度の12〜16時間の違いをまとめて、グループ分けを行った。
細胞は、1日未満〜2週間を越える倍加時間を有し得る。増殖速度に従って、同時に、合理的にグループ分けすることができる最も多様性のあるクローンを処理するために、グループ間で0.25〜0.7日の違いを有する3〜9グループを用いることが好ましい。当業者は、グループの堅固さおよびグループ数を特定の状況に対して調節できること、かつ細胞をグループの細胞周期に同調させる場合、グループの堅固さおよびグループ数をさらに調節することができることを理解するであろう。
ステップ9:並行処理を加速させ、ストリンジェントな品質管理を提供するためのレプリカ平板法
これらのプレートを、抗生物質を含まない標準化した一定条件(すなわち、Ham’s
F12−FBS培地、37℃/5%CO2)下でインキュベートした。これらの細胞のプレートを分割し、2セットの96ウェルプレート(凍結用に1セット、アッセイおよび継代用に1セット)を作り出した。これらのプレートのセットのそれぞれに対して、別々の独立した組織培養試薬、インキュベーター、担当者、および二酸化炭素源を用いた。品質管理ステップを設け、全組織培養試薬の適切な調製および品質を確実にした。一人の指定された人が、フードの中に調製用試薬のみを有する1つの指定されたフードの中で、使用するために調製した培地の各ボトルに各成分を加え、その間、第二の指定された人が監視をして間違いを避けた。液体処理に必要な条件を設定し、ウェル全域の相互汚染を排除した。全ステップについて新しいチップを用いるか、またはストリンジェントなチップ洗浄手順を用いた。正確な量を移すこと、効率的な細胞操作、洗浄サイクル、ピペッティングの速度および位置、細胞分散のためのピペッティングサイクル数、ならびにチップのプレートに対する相対的位置について、液体処理条件を設定した。
ステップ10:細胞の集団の初期継代ストックの凍結
1セットのプレートを、−70〜−80℃で凍結させた。最初に、プレートを70〜100%の集密度に到達させた。培地を吸引し、90%FBSおよび10%DMSOを加えた。これらのプレートをそれぞれパラフィで密封し、それぞれ1〜5cmの発泡体で囲み、その後、−80℃の冷凍庫の中に置いた。
ステップ11:生存能力のある、安定的でかつ機能的な(VSF)細胞株を作製するための最初の形質転換ステップの方法および条件
残りのセットのプレートを、ステップ9で記載した通りに維持した。培地除去、細胞洗浄、トリプシン添加およびインキュベーション、クエンチングならびに細胞分散ステップを含む自動化液体処理ステップを用いて、全細胞をバラバラにした。
ステップ12:増殖速度の任意の余分な変動を補正するための正規化法
細胞の全集団について、細胞条件および培養条件の一貫性および標準化をコントロールした。プレート全域の細胞数の正規化により、増殖速度のわずかな違いによるプレート全域の違いをコントロールし、再配列後8継代ごとに正規化を行った。異常値である細胞の集団を検出し、排除した。
ステップ13:細胞の集団の特徴づけ
これらの細胞を、培養液中の再配列後6〜10週間維持した。この期間中、所定の内部品質管理の一部として、サイズ、形態、微小集密度(microconfluency)への傾向、ぜい弱性、トリプシン処理に対する反応およびトリプシン処理後の平均円形度、または培養プレート表面への接着および液体添加の際の吹き飛びに対する抵抗などの細胞維持の他の態様を観察し、頑強な細胞を同定した。その後、機能評価を目的として、かかるベンチマーク細胞を認めた。
ステップ14:VSF条件下での細胞の集団の潜在的な機能性の評価
ハイスループット適合蛍光に基づく膜電位染色キット(Molecular
Devices,MDS)を用いて、製造元の取扱説明書に従って、受容体機能について細胞の集団を試験した。
CFTR−ΔF508を安定的に発現するCHO細胞の集団を、10%ウシ胎仔血清およびグルタミンを補完したHam’s
F12培地中の標準的細胞培養条件下で維持した。アッセイの前日に、ストックプレートからこれらの細胞を収集した。アッセイの日に90%集密度に達するのに十分な密度で、タンパク質輸送補正物質であるChembridge社の化合物番号5932794(Chembridge,San Diego,CA)(Yoo et al.,(2008)Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters;18(8):2610−2614)を含むまたは含まない、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートに、これらの細胞をプレーティングした。この化合物は、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸であり、式
Figure 2012516686
を有する。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で22〜24時間維持した。その後、この培地をこれらのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した膜電位色素(青色またはAnaSpec,Molecular Devices Inc.)を、膜電位色素のクエンチャーと共にまたはこのクエンチャーを含めないで加え、37℃で1時間インキュベートした。このクエンチャーは、当技術分野で知られる任意のクエンチャー、例えば、ジピクリルアミン(DPA)、アシッドバイオレット17(AV17)、ジアジンブラック(DB)、HLB30818、トリパンブルー、ブルモフェノールブルー、HLB30701、HLB30702、HLB30703、ニトラジンイエロー、ニトロレッド、DABCYL(Molecular
Probes)、QSY(Molecular Probes)、金属イオンクエンチャー(例えば、Co2+、Ni2+、Cu2+)、およびヨウ化物イオンであり得る。
その後、これらのアッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、化合物緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)に溶解させたフォルスコリンとIBMXの混合物を加えた。
蛍光膜電位アッセイの代表的なデータを図3A〜3Fに示す。タンパク質輸送補正物質であるChembridge社の化合物番号5932794が存在するか、または存在しない状態のいずれか一方において、フォルスコリン(30μM)+IBMX(100μM)混合物に対する受容体の反応を、DMSO+緩衝液対照と比較することによって(図3A〜3F)、CFTR−ΔF508を安定的に発現するCHO細胞株における機能的なCFTR−ΔF508に起因するイオン流束を同定した。図3Aおよび3Bは、タンパク質輸送補正物質(15〜25μM)の存在下で青色膜電位染色を用いてアッセイされる反応するクローンおよび反応しないクローン(対照)を示す。図3Cおよび3Dは、タンパク質輸送補正物質(15〜25μM)の存在下でAnaSpec膜電位染色を用いてアッセイした反応するクローンおよび反応しないクローン(対照)を示す。図3Eおよび3Fは、タンパク質輸送補正物質がない状態で、AnaSpec膜電位染色を用いてアッセイした反応するクローンおよび反応しないクローン(対照)を示す。
384ウェルプレート中で密度を変えて(すなわち、1ウェルあたり12.5×10〜20×10細胞)細胞を試験し、反応を解析する。細胞プレーティングとアッセイデータの読み込みとの間の時間を吟味する。色素濃度も吟味する。潜在的な機能性評価の一部として、用量反応曲線およびZ’スコアを計算することができる。
以下のステップ(すなわち、ステップ15〜18)を実施し、最終的な、予備の、生存可能で、安定的で、かつ機能的な細胞株も選択することができる。
ステップ15:
少ない継代数および多い継代数で行った実験の機能的反応を比較して、所定の期間にわたって(例えば、3〜9週間)最も一貫性のある反応を有する細胞を同定する。時間とともに変化する細胞の他の特徴にも留意する。
ステップ16:
機能的でかつ他の基準を満たす細胞の集団をさらに評価し、生存可能で、安定的でかつ機能的な細胞株の作製が最も可能な細胞の集団を見つけ出す。選択される細胞の集団を、より大きな組織培養容器の中で増やし、これらの条件下で、上記の特徴づけのステップを継続するか繰り返えす。この時点で、一貫性があり、信頼できる継代を目的に、異なる細胞密度、プレーティング時間、細胞培養継代の長さ、細胞培養皿の形式(注釈:研究していない)、速度およびせん断力を含む流動性の最適化、継代期間、および洗浄ステップなどのさらなる標準化ステップを導入する。
さらに、各継代における細胞の生存能力を調べる。手動の介入を増やし、細胞をより入念に観察および監視する。この情報を用いて、所望の特性を保持する最終的な細胞株を同定および選択するのに役立たせる。このプロセス後にかつこれらの条件下で作製される時に、適切な接着性/粘着性、増殖速度、さらに(微小な集密度のない)プレーティングを示す最終的な細胞株および予備の細胞株を選択する。
ステップ17:細胞バンクの確立
最終的な細胞株および予備の細胞株に相当する継代数の少ない凍結ストックを37℃で解凍し、Ham’s
F12−FBSで1回洗浄し、その後Ham’s F12−FBS中でインキュベートする。その後、これらの細胞を2〜4週間増やす。各々の最終的でかつ予備の細胞株のクローンの細胞バンクを確立し、各クローン細胞の25バイアルを凍結保存する。
ステップ18:
この細胞バンクの少なくとも1バイアルを解凍し、培養液中で増やす。得られた細胞を試験して、それらの細胞が最初に選択された特徴と同じ特徴を満たすかどうかを調べる。
(実施例8)
CFTR−ΔF508機能についての安定細胞株の特徴づけ
ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて、作製されたCFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株におけるCFTR−ΔF508の機能を特徴づける。
CFTR−ΔF508を安定的に発現するCHO細胞株を、10%ウシ胎仔血清およびグルタミンを補完したHam’s
F12培地中、標準的細胞培養条件下で維持する。アッセイの前日に、ストックプレートからこれらの細胞を収集し、タンパク質輸送補正物質(例えば、Chembridge社の化合物番号5932794、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸)が存在するかまたは存在しない状態で、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングする。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で22〜24時間維持する。その後、この培地をこれらのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色膜電位色素(Molecular
Devices Inc.)を加え、37℃で1時間インキュベートする。その後、これらのアッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、化合物緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)に溶解させたフォルスコリンとIBMXの混合物を加える。アゴニスト混合物の添加後に生じる蛍光変化を測定することによって、CFTR−ΔF508タンパク質を発現する安定細胞株を同定する。
その後、CFTR−ΔF508タンパク質を発現する安定細胞株を、フォルスコリンの用量を増加させて特徴づける。フォルスコリン用量反応実験については、作製されたCFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株の細胞を、384ウェルプレートに15,000細胞/ウェルの密度でプレーティングし、CFTRアゴニストであるフォルスコリンの濃度を増加させながら検証する。蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)により、細胞蛍光の変化能に応じてた細胞反応を、時間をかけて監視する。その後、データをフォルスコリン濃度に応じてプロットし、GraphPad Prism5.0ソフトウェアを用いる非線形回帰分析を用いて分析し、EC50値を測定する。
(実施例9)
CFTR−ΔF508細胞に基づくアッセイに関するZ’値の測定
作製された、CFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株のZ’値を、ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて計算する。この蛍光膜電位アッセイの手順を、実施例8の手順に実質的に従って行う。具体的には、Z’アッセイについて、(15,000細胞/ウェルの密度でプレーティングした)384ウェルアッセイプレート中の陽性対照の24ウェルを、CFTRを活性化するフォルスコリンとIBMXの混合物を用いて検証する。等しい数のウェルを、(活性化因子を含まない)溶媒のみ、およびDMSOを含む溶媒を用いて検証する。タンパク質輸送補正物質(例えば、Chembridge社の化合物番号5932794、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸)が存在するかまたは存在しない状態で、このアッセイを行うことができる。2つの条件における細胞反応を、蛍光プレートリーダー(Hamamatsu FDSS)を用いて監視する。2つの条件における平均値および標準偏差を計算し、Zhang
et al.,J Biomol
Screen,4(2):67−73,(1999)に開示される方法を用いてZ’を算出した。
(実施例10)
CFTR−ΔF508モジュレーターのハイスループットスクリーニングおよび同定
ハイスループット適合蛍光膜電位アッセイを用いて、1つまたは複数のCFTR−ΔF508モジュレーターをスクリーニングおよび同定する。修飾をする化合物は、アゴニスト活性を増強させるかまたは減少させることにより、細胞表面へのタンパク質輸送を高めるか、またはCFTR−ΔF508アゴニスト(例えば、フォルスコリン)を修飾するかのいずれか一方であり得る。アッセイの前日に、ストックプレートから抗生物質を含まない増殖培地にこれらの細胞を収集し、タンパク質輸送補正物質(例えば、Chembridge社の化合物番号5932794、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸)が存在するかまたは存在しない状態で、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングした。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で19〜24時間維持する。その後、培地をこれらのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色膜電位色素(Molecular
Devices Inc.)を加え、これらの細胞を37℃で1時間インキュベートする。試験化合物をアッセイ緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM
CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈したジメチルスルホキシドに溶解し、その後、384ウェル ポリプロピレンマイクロタイタープレートに入れる。これらの細胞および化合物のプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、3分間稼働させ、試験化合物活性を同定する。この機器は、300nM〜1μMの濃度でフォルスコリン溶液をこれらの細胞に加え、事前に加えた化合物のモジュレーターまたは遮断薬活性のいずれか一方の観察を可能にする。試験化合物をこれらの細胞に添加した後および/またはそれに続くアゴニスト添加後に生じる蛍光の変化を測定することによって、この化合物の活性を測定する。
CFTR−ΔF508タンパク質の細胞表面輸送を促進し得る化合物の同定のために、アッセイの前日に、これらの細胞をストックプレートから抗生物質を含まない増殖培地に収集し、黒色透明の底を有する384ウェルアッセイプレートにプレーティングし、24時間試験化合物の存在下で培養する。384ウェルプレート中のいくつかのウェルには、陰性対照として任意の試験化合物を加えない一方で、384ウェルプレート中の他のウェルには、タンパク質輸送補正物質(例えば、Chembridge社の化合物番号5932794、N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸)を加え、陽性対照として役立たせる。これらのアッセイプレートを、5%CO下の37℃の細胞培養インキュベーターの中で19〜24時間維持する。その後、この培地をこれのアッセイプレートから除去し、ローディング緩衝液(137mM
NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色膜電位色素(Molecular
Devices Inc.)を加え、これらの細胞を37℃で1時間インキュベートする。その後、これらのアッセイプレートを蛍光プレートリーダー(Hamamatsu
FDSS)に載せ、化合物緩衝液(137mM グルコン酸ナトリウム、5mM グルコン酸カリウム、1.25mM CaCl、25mM HEPES、10mM グルコース)に溶解させたフォルスコリンとIBMXの混合物を加える。アゴニスト混合物(すなわち、フォルスコリン+IBMX)の添加後に生じる蛍光の変化を測定することにより、試験化合物を調べる。
(実施例11)
短絡回路電流測定を用いたCFTR−ΔF508機能についてのCFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株の特徴づけ
CFTR−ΔF508発現細胞(例えば、肺および腸を含むがこれらに限定されない初代上皮細胞または不死化上皮細胞)をカルチャーインサート(Snapwell,Corning Life Sciences)上にプレーティングした7〜14日後に、Ussingチャンバー実験を行う。カルチャーインサート上の細胞を軽くすすぎ、Ussing型装置(EasyMount
Chamber System,Physiologic Instruments)に載せ、120mM NaCl、25mM
NaHCO、3.3mM KHPO、0.8mM KHPO、1.2mM
CaCl、1.2mM MgCl、および10mM グルコースを含み、連続的にガスが供給され、37℃で維持されるリンガー液(O中5%CO、pH7.4)に浸す。ヘミチャンバー(hemichamber)を、マルチチャネル電圧および電流固定(VCC−MC8
Physiologic Instruments)に接続する。電極[寒天架橋(1M KCl中4%)Ag−AgCl]を使用し、インサートを0mVに電圧固定する。経上皮の電流、電圧および抵抗を、実験期間中10秒ごとに測定する。200mΩ未満の抵抗を有する膜を廃棄する。
(実施例12)
電気生理学的アッセイを用いたCFTR−ΔF508機能についてのCFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株の特徴づけ
手動の電気生理学的アッセイおよび自動化された電気生理学的アッセイの両方が開発され、CFTR−ΔF508機能について、両方とも、CFTR−ΔF508を安定的に発現する細胞株を特徴づけるのに適用することができ、以下に、手動のパッチクランプ実験の手順を記載する。
細胞を低密度で播種し、プレーティングの2〜4日後に使用する。ホウケイ酸ガラスピペットを火炎処理し、2〜4メガΩのチップ抵抗を得る。電流をサンプリングし、低域を濾過する。細胞外(浴槽)溶液には、150mM
NaCl、1mM CaCl、1mM MgCl、10mM グルコース、10mM マンニトール、および10mM TES、pH7.4が含まれる。ピペット溶液には、120mM
CsCl、1mM MgCl、10mM TEA−Cl、0.5mM EGTA、1mM Mg−ATP、および10mM HEPES(pH7.3)が含まれる。−80mV〜−100mVの間に膜電位を変化させることによって、膜コンダクタンスを監視する。段階的に20mVずつ、−100mV〜+100mVの間の電圧パルスを加えることによって、電流−電圧曲線を作成する。
[配列リスト]
ホモサピエンス(H.s.)嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ヌクレオチド配列(配列番号1):
atgcagaggtcgcctctggaaaaggccagcgttgtctccaaactttttttcagctggaccagaccaattttgaggaaaggatacagacagcgcctggaattgtcagacatataccaaatcccttctgttgattctgctgacaatctatctgaaaaattggaaagagaatgggatagagagctggcttcaaagaaaaatcctaaactcattaatgcccttcggcgatgttttttctggagatttatgttctatggaatctttttatatttaggggaagtcaccaaagcagtacagcctctcttactgggaagaatcatagcttcctatgacccggataacaaggaggaacgctctatcgcgatttatctaggcataggcttatgccttctctttattgtgaggacactgctcctacacccagccatttttggccttcatcacattggaatgcagatgagaatagctatgtttagtttgatttataagaagactttaaagctgtcaagccgtgttctagataaaataagtattggacaacttgttagtctcctttccaacaacctgaacaaatttgatgaaggacttgcattggcacatttcgtgtggatcgctcctttgcaagtggcactcctcatggggctaatctgggagttgttacaggcgtctgccttctgtggacttggtttcctgatagtccttgccctttttcaggctgggctagggagaatgatgatgaagtacagagatcagagagctgggaagatcagtgaaagacttgtgattacctcagaaatgattgaaaatatccaatctgttaaggcatactgctgggaagaagcaatggaaaaaatgattgaaaacttaagacaaacagaactgaaactgactcggaaggcagcctatgtgagatacttcaatagctcagccttcttcttctcagggttctttgtggtgtttttatctgtgcttccctatgcactaatcaaaggaatcatcctccggaaaatattcaccaccatctcattctgcattgttctgcgcatggcggtcactcggcaatttccctgggctgtacaaacatggtatgactctcttggagcaataaacaaaatacaggatttcttacaaaagcaagaatataagacattggaatataacttaacgactacagaagtagtgatggagaatgtaacagccttctgggaggagggatttggggaattatttgagaaagcaaaacaaaacaataacaatagaaaaacttctaatggtgatgacagcctcttcttcagtaatttctcacttcttggtactcctgtcctgaaagatattaatttcaagatagaaagaggacagttgttggcggttgctggatccactggagcaggcaagacttcacttctaatggtgattatgggagaactggagccttcagagggtaaaattaagcacagtggaagaatttcattctgttctcagttttcctggattatgcctggcaccattaaagaaaatatcatctttggtgtttcctatgatgaatatagatacagaagcgtcatcaaagcatgccaactagaagaggacatctccaagtttgcagagaaagacaatatagttcttggagaaggtggaatcacactgagtggaggtcaacgagcaagaatttctttagcaagagcagtatacaaagatgctgatttgtatttattagactctccttttggatacctagatgttttaacagaaaaagaaatatttgaaagctgtgtctgtaaactgatggctaacaaaactaggattttggtcacttctaaaatggaacatttaaagaaagctgacaaaatattaattttgcatgaaggtagcagctatttttatgggacattttcagaactccaaaatctacagccagactttagctcaaaactcatgggatgtgattctttcgaccaatttagtgcagaaagaagaaattcaatcctaactgagaccttacaccgtttctcattagaaggagatgctcctgtctcctggacagaaacaaaaaaacaatcttttaaacagactggagagtttggggaaaaaaggaagaattctattctcaatccaatcaactctatacgaaaattttccattgtgcaaaagactcccttacaaatgaatggcatcgaagaggattctgatgagcctttagagagaaggctgtccttagtaccagattctgagcagggagaggcgatactgcctcgcatcagcgtgatcagcactggccccacgcttcaggcacgaaggaggcagtctgtcctgaacctgatgacacactcagttaaccaaggtcagaacattcaccgaaagacaacagcatccacacgaaaagtgtcactggcccctcaggcaaacttgactgaactggatatatattcaagaaggttatctcaagaaactggcttggaaataagtgaagaaattaacgaagaagacttaaaggagtgcttttttgatgatatggagagcataccagcagtgactacatggaacacataccttcgatatattactgtccacaagagcttaatttttgtgctaatttggtgcttagtaatttttctggcagaggtggctgcttctttggttgtgctgtggctccttggaaacactcctcttcaagacaaagggaatagtactcatagtagaaataacagctatgcagtgattatcaccagcaccagttcgtattatgtgttttacatttacgtgggagtagccgacactttgcttgctatgggattcttcagaggtctaccactggtgcatactctaatcacagtgtcgaaaattttacaccacaaaatgttacattctgttcttcaagcacctatgtcaaccctcaacacgttgaaagcaggtgggattcttaatagattctccaaagatatagcaattttggatgaccttctgcctcttaccatatttgacttcatccagttgttattaattgtgattggagctatagcagttgtcgcagttttacaaccctacatctttgttgcaacagtgccagtgatagtggcttttattatgttgagagcatatttcctccaaacctcacagcaactcaaacaactggaatctgaaggcaggagtccaattttcactcatcttgttacaagcttaaaaggactatggacacttcgtgccttcggacggcagccttactttgaaactctgttccacaaagctctgaatttacatactgccaactggttcttgtacctgtcaacactgcgctggttccaaatgagaatagaaatgatttttgtcatcttcttcattgctgttaccttcatttccattttaacaacaggagaaggagaaggaagagttggtattatcctgactttagccatgaatatcatgagtacattgcagtgggctgtaaactccagcatagatgtggatagcttgatgcgatctgtgagccgagtctttaagttcattgacatgccaacagaaggtaaacctaccaagtcaaccaaaccatacaagaatggccaactctcgaaagttatgattattgagaattcacacgtgaagaaagatgacatctggccctcagggggccaaatgactgtcaaagatctcacagcaaaatacacagaaggtggaaatgccatattagagaacatttccttctcaataagtcctggccagagggtgggcctcttgggaagaactggatcagggaagagtactttgttatcagcttttttgagactactgaacactgaaggagaaatccagatcgatggtgtgtcttgggattcaataactttgcaacagtggaggaaagcctttggagtgataccacagaaagtatttattttttctggaacatttagaaaaaacttggatccctatgaacagtggagtgatcaagaaatatggaaagttgcagatgaggttgggctcagatctgtgatagaacagtttcctgggaagcttgactttgtccttgtggatgggggctgtgtcctaagccatggccacaagcagttgatgtgcttggctagatctgttctcagtaaggcgaagatcttgctgcttgatgaacccagtgctcatttggatccagtaacataccaaataattagaagaactctaaaacaagcatttgctgattgcacagtaattctctgtgaacacaggatagaagcaatgctggaatgccaacaatttttggtcatagaagagaacaaagtgcggcagtacgattccatccagaaactgctgaacgagaggagcctcttccggcaagccatcagcccctccgacagggtgaagctctttccccaccggaactcaagcaagtgcaagtctaagccccagattgctgctctgaaagaggagacagaagaagaggtgcaagatacaaggctttga
H.s.CFTRアミノ酸配列(配列番号2):
MQRSPLEKASVVSKLFFSWTRPILRKGYRQRLELSDIYQIPSVDSADNLSEKLEREWDRELASKKNPKLINALRRCFFWRFMFYGIFLYLGEVTKAVQPLLLGRIIASYDPDNKEERSIAIYLGIGLCLLFIVRTLLLHPAIFGLHHIGMQMRIAMFSLIYKKTLKLSSRVLDKISIGQLVSLLSNNLNKFDEGLALAHFVWIAPLQVALLMGLIWELLQASAFCGLGFLIVLALFQAGLGRMMMKYRDQRAGKISERLVITSEMIENIQSVKAYCWEEAMEKMIENLRQTELKLTRKAAYVRYFNSSAFFFSGFFVVFLSVLPYALIKGIILRKIFTTISFCIVLRMAVTRQFPWAVQTWYDSLGAINKIQDFLQKQEYKTLEYNLTTTEVVMENVTAFWEEGFGELFEKAKQNNNNRKTSNGDDSLFFSNFSLLGTPVLKDINFKIERGQLLAVAGSTGAGKTSLLMVIMGELEPSEGKIKHSGRISFCSQFSWIMPGTIKENIIFGVSYDEYRYRSVIKACQLEEDISKFAEKDNIVLGEGGITLSGGQRARISLARAVYKDADLYLLDSPFGYLDVLTEKEIFESCVCKLMANKTRILVTSKMEHLKKADKILILHEGSSYFYGTFSELQNLQPDFSSKLMGCDSFDQFSAERRNSILTETLHRFSLEGDAPVSWTETKKQSFKQTGEFGEKRKNSILNPINSIRKFSIVQKTPLQMNGIEEDSDEPLERRLSLVPDSEQGEAILPRISVISTGPTLQARRRQSVLNLMTHSVNQGQNIHRKTTASTRKVSLAPQANLTELDIYSRRLSQETGLEISEEINEEDLKECFFDDMESIPAVTTWNTYLRYITVHKSLIFVLIWCLVIFLAEVAASLVVLWLLGNTPLQDKGNSTHSRNNSYAVIITSTSSYYVFYIYVGVADTLLAMGFFRGLPLVHTLITVSKILHHKMLHSVLQAPMSTLNTLKAGGILNRFSKDIAILDDLLPLTIFDFIQLLLIVIGAIAVVAVLQPYIFVATVPVIVAFIMLRAYFLQTSQQLKQLESEGRSPIFTHLVTSLKGLWTLRAFGRQPYFETLFHKALNLHTANWFLYLSTLRWFQMRIEMIFVIFFIAVTFISILTTGEGEGRVGIILTLAMNIMSTLQWAVNSSIDVDSLMRSVSRVFKFIDMPTEGKPTKSTKPYKNGQLSKVMIIENSHVKKDDIWPSGGQMTVKDLTAKYTEGGNAILENISFSISPGQRVGLLGRTGSGKSTLLSAFLRLLNTEGEIQIDGVSWDSITLQQWRKAFGVIPQKVFIFSGTFRKNLDPYEQWSDQEIWKVADEVGLRSVIEQFPGKLDFVLVDGGCVLSHGHKQLMCLARSVLSKAKILLLDEPSAHLDPVTYQIIRRTLKQAFADCTVILCEHRIEAMLECQQFLVIEENKVRQYDSIQKLLNERSLFRQAISPSDRVKLFPHRNSSKCKSKPQIAALKEETEEEVQDTRL
標的配列1(配列番号3):
5’−GTTCTTAAGGCACAGGAACTGGGAC−3’
H.s.CFTR変異体(ΔF508)ヌクレオチド配列(配列番号4)
atgcagaggtcgcctctggaaaaggccagcgttgtctccaaactttttttcagctggaccagaccaattttgaggaaaggatacagacagcgcctggaattgtcagacatataccaaatcccttctgttgattctgctgacaatctatctgaaaaattggaaagagaatgggatagagagctggcttcaaagaaaaatcctaaactcattaatgcccttcggcgatgttttttctggagatttatgttctatggaatctttttatatttaggggaagtcaccaaagcagtacagcctctcttactgggaagaatcatagcttcctatgacccggataacaaggaggaacgctctatcgcgatttatctaggcataggcttatgccttctctttattgtgaggacactgctcctacacccagccatttttggccttcatcacattggaatgcagatgagaatagctatgtttagtttgatttataagaagactttaaagctgtcaagccgtgttctagataaaataagtattggacaacttgttagtctcctttccaacaacctgaacaaatttgatgaaggacttgcattggcacatttcgtgtggatcgctcctttgcaagtggcactcctcatggggctaatctgggagttgttacaggcgtctgccttctgtggacttggtttcctgatagtccttgccctttttcaggctgggctagggagaatgatgatgaagtacagagatcagagagctgggaagatcagtgaaagacttgtgattacctcagaaatgattgaaaatatccaatctgttaaggcatactgctgggaagaagcaatggaaaaaatgattgaaaacttaagacaaacagaactgaaactgactcggaaggcagcctatgtgagatacttcaatagctcagccttcttcttctcagggttctttgtggtgtttttatctgtgcttccctatgcactaatcaaaggaatcatcctccggaaaatattcaccaccatctcattctgcattgttctgcgcatggcggtcactcggcaatttccctgggctgtacaaacatggtatgactctcttggagcaataaacaaaatacaggatttcttacaaaagcaagaatataagacattggaatataacttaacgactacagaagtagtgatggagaatgtaacagccttctgggaggagggatttggggaattatttgagaaagcaaaacaaaacaataacaatagaaaaacttctaatggtgatgacagcctcttcttcagtaatttctcacttcttggtactcctgtcctgaaagatattaatttcaagatagaaagaggacagttgttggcggttgctggatccactggagcaggcaagacttcacttctaatggtgattatgggagaactggagccttcagagggtaaaattaagcacagtggaagaatttcattctgttctcagttttcctggattatgcctggcaccattaaagaaaatatcatcggtgtttcctatgatgaatatagatacagaagcgtcatcaaagcatgccaactagaagaggacatctccaagtttgcagagaaagacaatatagttcttggagaaggtggaatcacactgagtggaggtcaacgagcaagaatttctttagcaagagcagtatacaaagatgctgatttgtatttattagactctccttttggatacctagatgttttaacagaaaaagaaatatttgaaagctgtgtctgtaaactgatggctaacaaaactaggattttggtcacttctaaaatggaacatttaaagaaagctgacaaaatattaattttgcatgaaggtagcagctatttttatgggacattttcagaactccaaaatctacagccagactttagctcaaaactcatgggatgtgattctttcgaccaatttagtgcagaaagaagaaattcaatcctaactgagaccttacaccgtttctcattagaaggagatgctcctgtctcctggacagaaacaaaaaaacaatcttttaaacagactggagagtttggggaaaaaaggaagaattctattctcaatccaatcaactctatacgaaaattttccattgtgcaaaagactcccttacaaatgaatggcatcgaagaggattctgatgagcctttagagagaaggctgtccttagtaccagattctgagcagggagaggcgatactgcctcgcatcagcgtgatcagcactggccccacgcttcaggcacgaaggaggcagtctgtcctgaacctgatgacacactcagttaaccaaggtcagaacattcaccgaaagacaacagcatccacacgaaaagtgtcactggcccctcaggcaaacttgactgaactggatatatattcaagaaggttatctcaagaaactggcttggaaataagtgaagaaattaacgaagaagacttaaaggagtgcttttttgatgatatggagagcataccagcagtgactacatggaacacataccttcgatatattactgtccacaagagcttaatttttgtgctaatttggtgcttagtaatttttctggcagaggtggctgcttctttggttgtgctgtggctccttggaaacactcctcttcaagacaaagggaatagtactcatagtagaaataacagctatgcagtgattatcaccagcaccagttcgtattatgtgttttacatttacgtgggagtagccgacactttgcttgctatgggattcttcagaggtctaccactggtgcatactctaatcacagtgtcgaaaattttacaccacaaaatgttacattctgttcttcaagcacctatgtcaaccctcaacacgttgaaagcaggtgggattcttaatagattctccaaagatatagcaattttggatgaccttctgcctcttaccatatttgacttcatccagttgttattaattgtgattggagctatagcagttgtcgcagttttacaaccctacatctttgttgcaacagtgccagtgatagtggcttttattatgttgagagcatatttcctccaaacctcacagcaactcaaacaactggaatctgaaggcaggagtccaattttcactcatcttgttacaagcttaaaaggactatggacacttcgtgccttcggacggcagccttactttgaaactctgttccacaaagctctgaatttacatactgccaactggttcttgtacctgtcaacactgcgctggttccaaatgagaatagaaatgatttttgtcatcttcttcattgctgttaccttcatttccattttaacaacaggagaaggagaaggaagagttggtattatcctgactttagccatgaatatcatgagtacattgcagtgggctgtaaactccagcatagatgtggatagcttgatgcgatctgtgagccgagtctttaagttcattgacatgccaacagaaggtaaacctaccaagtcaaccaaaccatacaagaatggccaactctcgaaagttatgattattgagaattcacacgtgaagaaagatgacatctggccctcagggggccaaatgactgtcaaagatctcacagcaaaatacacagaaggtggaaatgccatattagagaacatttccttctcaataagtcctggccagagggtgggcctcttgggaagaactggatcagggaagagtactttgttatcagcttttttgagactactgaacactgaaggagaaatccagatcgatggtgtgtcttgggattcaataactttgcaacagtggaggaaagcctttggagtgataccacagaaagtatttattttttctggaacatttagaaaaaacttggatccctatgaacagtggagtgatcaagaaatatggaaagttgcagatgaggttgggctcagatctgtgatagaacagtttcctgggaagcttgactttgtccttgtggatgggggctgtgtcctaagccatggccacaagcagttgatgtgcttggctagatctgttctcagtaaggcgaagatcttgctgcttgatgaacccagtgctcatttggatccagtaacataccaaataattagaagaactctaaaacaagcatttgctgattgcacagtaattctctgtgaacacaggatagaagcaatgctggaatgccaacaatttttggtcatagaagagaacaaagtgcggcagtacgattccatccagaaactgctgaacgagaggagcctcttccggcaagccatcagcccctccgacagggtgaagctctttccccaccggaactcaagcaagtgcaagtctaagccccagattgctgctctgaaagaggagacagaagaagaggtgcaagatacaaggctttga
YFP変異体(meYFP−H148Q/I152L)ヌクレオチド配列(配列番号5):
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccttcggctacggcctgcagtgcttcgcccgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccaaaacgtctatctcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcccgacaaccactacctgagctaccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
シグナルプローブ1(配列番号6):
5’−Cy5GCCAGTCCCAGTTCCTGTGCCTTAAGAACCTCGCBHQ2−3’
H.s.CFTR変異体(ΔF508)アミノ酸配列(配列番号7)
MQRSPLEKASVVSKLFFSWTRPILRKGYRQRLELSDIYQIPSVDSADNLSEKLEREWDRELASKKNPKLINALRRCFFWRFMFYGIFLYLGEVTKAVQPLLLGRIIASYDPDNKEERSIAIYLGIGLCLLFIVRTLLLHPAIFGLHHIGMQMRIAMFSLIYKKTLKLSSRVLDKISIGQLVSLLSNNLNKFDEGLALAHFVWIAPLQVALLMGLIWELLQASAFCGLGFLIVLALFQAGLGRMMMKYRDQRAGKISERLVITSEMIENIQSVKAYCWEEAMEKMIENLRQTELKLTRKAAYVRYFNSSAFFFSGFFVVFLSVLPYALIKGIILRKIFTTISFCIVLRMAVTRQFPWAVQTWYDSLGAINKIQDFLQKQEYKTLEYNLTTTEVVMENVTAFWEEGFGELFEKAKQNNNNRKTSNGDDSLFFSNFSLLGTPVLKDINFKIERGQLLAVAGSTGAGKTSLLMVIMGELEPSEGKIKHSGRISFCSQFSWIMPGTIKENIIGVSYDEYRYRSVIKACQLEEDISKFAEKDNIVLGEGGITLSGGQRARISLARAVYKDADLYLLDSPFGYLDVLTEKEIFESCVCKLMANKTRILVTSKMEHLKKADKILILHEGSSYFYGTFSELQNLQPDFSSKLMGCDSFDQFSAERRNSILTETLHRFSLEGDAPVSWTETKKQSFKQTGEFGEKRKNSILNPINSIRKFSIVQKTPLQMNGIEEDSDEPLERRLSLVPDSEQGEAILPRISVISTGPTLQARRRQSVLNLMTHSVNQGQNIHRKTTASTRKVSLAPQANLTELDIYSRRLSQETGLEISEEINEEDLKECFFDDMESIPAVTTWNTYLRYITVHKSLIFVLIWCLVIFLAEVAASLVVLWLLGNTPLQDKGNSTHSRNNSYAVIITSTSSYYVFYIYVGVADTLLAMGFFRGLPLVHTLITVSKILHHKMLHSVLQAPMSTLNTLKAGGILNRFSKDIAILDDLLPLTIFDFIQLLLIVIGAIAVVAVLQPYIFVATVPVIVAFIMLRAYFLQTSQQLKQLESEGRSPIFTHLVTSLKGLWTLRAFGRQPYFETLFHKALNLHTANWFLYLSTLRWFQMRIEMIFVIFFIAVTFISILTTGEGEGRVGIILTLAMNIMSTLQWAVNSSIDVDSLMRSVSRVFKFIDMPTEGKPTKSTKPYKNGQLSKVMIIENSHVKKDDIWPSGGQMTVKDLTAKYTEGGNAILENISFSISPGQRVGLLGRTGSGKSTLLSAFLRLLNTEGEIQIDGVSWDSITLQQWRKAFGVIPQKVFIFSGTFRKNLDPYEQWSDQEIWKVADEVGLRSVIEQFPGKLDFVLVDGGCVLSHGHKQLMCLARSVLSKAKILLLDEPSAHLDPVTYQIIRRTLKQAFADCTVILCEHRIEAMLECQQFLVIEENKVRQYDSIQKLLNERSLFRQAISPSDRVKLFPHRNSSKCKSKPQIAALKEETEEEVQDTRL
標的配列2(配列番号8):
5’−GAAGTTAACCCTGTCGTTCTGCGAC−3’
シグナルプローブ2(配列番号9):
5’−CY5.5GCGAGTCGCAGAACGACAGGGTTAACTTCCTCGCBHQ2−3’
本出願は、2009年2月2日に出願された米国特許仮出願第61/149,312号の利益を請求し、この内容は参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
配列表
本出願は、EFS−Webを介して提出された配列表を包含し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組込まれる。2010年3月16日に作製された前記ASCIIコピーは、002298WO.txtと名付けられ、そのサイズは40,540バイトである。

Claims (50)

  1. 嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)を安定的に発現するように遺伝子工学処理された細胞または細胞株。
  2. 前記CFTRが、前記CFTRをコードする導入核酸から発現する、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  3. 前記CFTRが、遺伝子工学処理された遺伝子活性によって活性化される内在性核酸から発現する、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  4. a)真核性であり、
    b)哺乳類であり、
    c)内在性のCFTRを発現しないか、または
    d)(a)、(b)および(c)の任意の組み合わせである、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  5. 1つまたは複数のCHO細胞である、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  6. 分極した単分子層を形成することができる、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  7. 前記CFTRが哺乳類CFTRまたはヒトCFTRである、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  8. アッセイにおいて、少なくとも0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、または0.85のZ’値をもたらす、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  9. 選択圧が存在しない状態で維持される、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  10. 前記CFTRが任意のポリペプチドタグを含まない、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  11. 自己蛍光タンパク質を発現しない、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  12. 前記自己蛍光タンパク質が黄色蛍光タンパク質(YFP)またはその変異型である、請求項11に記載の細胞または細胞株。
  13. 選択圧が存在しない状態で増殖する、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  14. 前記細胞または細胞株が、選択圧が存在しない状態で、少なくとも15日間、30日間、45日間、60日間、75日間、100日間、120日間、または150日間、一貫したレベルで前記CFTRを発現する、請求項13に記載の細胞または細胞株。
  15. 前記CFTRが、
    a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を含むCFTRポリペプチドと;
    b)配列番号2と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むCFTRポリペプチドと;
    c)ストリンジェントな条件下で、配列番号1とハイブリダイズする核酸によってコードされるCFTRポリペプチドと;
    d)配列番号2の対立遺伝子変異型であるCFTRポリペプチドと
    からなる群から選択される、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  16. 前記CFTRが、配列番号7に記載の前記アミノ酸配列を含むポリペプチドかまたは、配列番号4に記載の核酸配列によってコードされるポリペプチドである、請求項15に記載の細胞または細胞株。
  17. 前記CFTRが、
    a)配列番号1に記載の配列を含む核酸と;
    b)ストリンジェントな条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列を含む核酸とハイブリダイズする核酸と;
    c)配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸と;
    d)配列番号1と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸と;
    e)配列番号1の対立遺伝子変異型である核酸と
    からなる群から選択される核酸によってコードされる、請求項1に記載の細胞または細胞株。
  18. 前記CFTRが、配列番号4に記載の配列を含む核酸によってコードされるかまたは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸によってコードされる、請求項17に記載の細胞または細胞株。
  19. 収集物中の前記細胞または細胞株が、異なるCFTR型を発現する、請求項1に記載の細胞または細胞株の収集物。
  20. 前記収集物または前記細胞もしくは細胞株が、各々、表1または表2から選択される異なるCFTR変異体を発現する、請求項19に記載の収集物。
  21. 前記細胞または細胞株が同じ生理的特性を共有するように調和され、並行処理を可能にする、請求項19に記載の収集物。
  22. 前記生理的特性が増殖速度である、請求項19に記載の収集物。
  23. 前記生理的特性が組織培養表面への接着性である、請求項21に記載の収集物。
  24. 前記生理的特性がZ’因子である、請求項21に記載の収集物。
  25. 前記Z’因子が、タンパク質輸送補正物質が存在しない状態で決定される、請求項24に記載の収集物。
  26. 前記生理的特性がCFTRの発現レベルである、請求項21に記載の収集物。
  27. a)CFTRをコードする核酸を宿主細胞に導入するステップと;
    b)前記CFTRの発現を検出する分子ビーコンを前記宿主細胞に導入するステップと;
    c)CFTRを発現する細胞を単離するステップと
    を含む、請求項1に記載の細胞または細胞株を作製する方法。
  28. a)内在性CFTRの発現を活性化する1つ以上の核酸配列を宿主細胞に導入するステップと;
    b)前記活性化されたCFTRの発現を検出する分子ビーコンを前記宿主細胞に導入するステップと;
    c)前記活性化されたCFTRを発現する細胞を単離するステップと
    を含む、請求項1に記載の細胞または細胞株を作製する方法。
  29. ステップ(c)において単離される前記細胞から細胞株を作製するステップをさらに含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
  30. 前記宿主細胞が、
    a)真核細胞であるか、
    b)哺乳類細胞であるか、
    c)内在性CFTRを内因的に発現しないか、または
    d)(a)、(b)および(c)の任意の組み合わせである、
    請求項27または請求項28に記載の方法。
  31. 前記CFTRが、配列番号2に記載のアミノ酸配列を含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
  32. 前記CFTRが、配列番号1を含む核酸によってコードされる、請求項27または請求項28に記載の方法。
  33. 前記CFTRが、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む、請求項27または請求項28に記載の方法。
  34. 前記CFTRが、配列番号4を含む核酸によってコードされる、請求項27または請求項28に記載の方法。
  35. 前記単離が、蛍光活性化細胞選別装置を利用する、請求項27または請求項28に記載の方法。
  36. 前記収集物の前記細胞または細胞株が同時に作製される、請求項27または請求項28に記載の方法。
  37. 請求項27または請求項28の方法によって作製される細胞または細胞株。
  38. 請求項1に記載の細胞もしくは細胞株または請求項19に記載の収集物を試験化合物に曝露するステップと;
    前記試験化合物がCFTRモジュレーターであることを変化が示す、CFTR機能の変化を細胞において検出するステップと
    を含むCFTR機能のモジュレーターを同定する方法。
  39. 前記検出ステップが、膜電位アッセイ、黄色蛍光タンパク質(YFP)クエンチングアッセイ、電気生理学的アッセイ、結合アッセイ、またはUssing
    chamberアッセイを利用する、請求項38に記載の方法。
  40. 前記CFTRがヒトCFTRである、請求項38に記載の方法。
  41. 前記CFTRが、表1または表2から選択されるCFTR変異体である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記検出ステップが、タンパク質輸送補正物質が存在しない状態で行われる、請求項38または41に記載の方法。
  43. 前記CFTRが配列番号4を含む核酸によってコードされるか、または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む、請求項40に記載の方法。
  44. 前記試験化合物が、小分子、化学成分、ポリペプチド、または抗体である、請求項38に記載の方法。
  45. 前記試験化合物が化合物ライブラリーである、請求項38に記載の方法。
  46. 前記ライブラリーが小分子ライブラリー、コンビナトリアルライブラリー、ペプチドライブラリー、または抗体ライブラリーである、請求項45に記載の方法。
  47. 一貫したレベルで、長期にわたってCFTRを安定的に発現するように遺伝子工学処理された細胞であって、
    a)前記CFTRをコードする1つまたは複数のmRNAを発現する多数の細胞を提供するステップと;
    b)前記細胞を個々の培養容器の中で1つ1つ分散させ、それによって多数の別々の細胞培養物を提供するステップと;
    c)培養条件が前記別々の細胞培養物の各々と実質的に同一であり、その培養中、別々の細胞培養物あたりの細胞数を正規化し、前記別々の培養物を同じスケジュールで継代するという点で特徴づけられる自動細胞培養法を用いて、一連の所望の培養条件下で前記細胞を培養するステップと;
    d)前記別々の細胞培養物をアッセイし、少なくとも2回、前記CFTRの発現を測定するステップと;
    e)両方のアッセイにおいて、一貫したレベルで前記CFTRを発現する別々の細胞培養物を同定し、それによって前記細胞を取得するステップと
    を含む方法によって作製される細胞。
  48. a)細胞の集団を提供するステップと;
    b)CFTRの発現を検出する分子ビーコンを前記細胞に導入するステップと;
    c)CFTRを発現する細胞を単離するステップと
    を含む、CFTRを内生的に発現する細胞を単離する方法。
  49. 前記細胞の集団が、CFTRを内生的に発現しない細胞を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記細胞の細胞膜においてCFTRの発現レベルを増加させるために、式
    Figure 2012516686
    N−{2−[(2−メトキシフェニル)アミノ]−4’−メチル−4,5’−ビ−1,3−チアゾ−ル−2’−イル}ベンズアミド臭化水素酸
    の化合物を含む組成物の使用。
JP2011548377A 2009-02-02 2010-02-01 Cftrを発現する細胞株およびそれらを使用する方法 Pending JP2012516686A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14931209P 2009-02-02 2009-02-02
US61/149,312 2009-02-02
PCT/US2010/022778 WO2010088630A2 (en) 2009-02-02 2010-02-01 Cell lines expressing cftr and methods of using them

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012516686A true JP2012516686A (ja) 2012-07-26
JP2012516686A5 JP2012516686A5 (ja) 2013-03-21

Family

ID=42396394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011548377A Pending JP2012516686A (ja) 2009-02-02 2010-02-01 Cftrを発現する細胞株およびそれらを使用する方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20120058918A1 (ja)
EP (1) EP2393930A4 (ja)
JP (1) JP2012516686A (ja)
CA (1) CA2751215A1 (ja)
MX (1) MX2011008131A (ja)
WO (1) WO2010088630A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505254A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 ルサッフル・エ・コンパニーLesaffre Et Compagnie 下痢を治療および/または予防するプロバイオティクス株

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009094218A2 (en) * 2008-01-22 2009-07-30 Chromocell Corporation Novel cell lines expressing nav and methods using them
EP2245171A2 (en) * 2008-02-01 2010-11-03 Chromocell Corporation Cell lines and methods for making and using them
JP6083559B2 (ja) 2009-07-31 2017-02-22 クロモセル コーポレーション 細胞運命の修飾因子を同定および検証するための方法および組成物
WO2012162468A1 (en) * 2011-05-25 2012-11-29 Janssen Pharmaceutica Nv Thiazol derivatives as pro -matrix metalloproteinase inhibitors
US20130014288A1 (en) * 2011-06-06 2013-01-10 Carnegie Mellon University Novel reporter-tagged recombinant membrane proteins with transmembrane linkers
EP3455624A1 (en) * 2016-05-09 2019-03-20 Proteostasis Therapeutics, Inc. Methods of identifying cftr modulators
WO2019060298A1 (en) 2017-09-19 2019-03-28 Neuroenhancement Lab, LLC METHOD AND APPARATUS FOR NEURO-ACTIVATION
US11717686B2 (en) 2017-12-04 2023-08-08 Neuroenhancement Lab, LLC Method and apparatus for neuroenhancement to facilitate learning and performance
WO2019133997A1 (en) 2017-12-31 2019-07-04 Neuroenhancement Lab, LLC System and method for neuroenhancement to enhance emotional response
US11364361B2 (en) 2018-04-20 2022-06-21 Neuroenhancement Lab, LLC System and method for inducing sleep by transplanting mental states
EP3849410A4 (en) 2018-09-14 2022-11-02 Neuroenhancement Lab, LLC SLEEP ENHANCEMENT SYSTEM AND METHOD
US11786694B2 (en) 2019-05-24 2023-10-17 NeuroLight, Inc. Device, method, and app for facilitating sleep
CN111910008B (zh) * 2020-08-21 2022-05-31 云南农业大学 一种鸡生长发育相关的分子标记及其应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001003722A1 (en) * 1999-07-09 2001-01-18 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cftr polypeptides, fragments thereof and methods of use to overcome biosynthetic misprocessing

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020164782A1 (en) * 1999-02-10 2002-11-07 Gregory Richard J. Adenovirus vectors for gene therapy
WO2004020596A2 (en) * 2002-08-30 2004-03-11 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Polypeptides for increasing mutant cftr channel activity
US7939558B2 (en) * 2004-06-04 2011-05-10 The Regents Of The University Of California Compounds having activity in increasing ion transport by mutant-CFTR and uses thereof
WO2006101740A2 (en) * 2005-03-18 2006-09-28 The Regents Of The University Of California Compounds having activity in correcting mutant-cftr processing and uses thereof
JP5461008B2 (ja) * 2005-04-13 2014-04-02 アストラゼネカ アクチボラグ ベクター
KR20090019790A (ko) * 2006-05-19 2009-02-25 더 스크립스 리서치 인스티튜트 단백질 미스폴딩의 치료
EP2141985B1 (en) * 2007-03-28 2018-10-17 University of Iowa Research Foundation Transgenic pig models of cystic fibrosis

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001003722A1 (en) * 1999-07-09 2001-01-18 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cftr polypeptides, fragments thereof and methods of use to overcome biosynthetic misprocessing

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016505254A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 ルサッフル・エ・コンパニーLesaffre Et Compagnie 下痢を治療および/または予防するプロバイオティクス株

Also Published As

Publication number Publication date
EP2393930A2 (en) 2011-12-14
EP2393930A4 (en) 2012-08-15
WO2010088630A2 (en) 2010-08-05
US20150315554A1 (en) 2015-11-05
US20120058918A1 (en) 2012-03-08
MX2011008131A (es) 2012-01-20
WO2010088630A3 (en) 2010-11-25
CA2751215A1 (en) 2010-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012516686A (ja) Cftrを発現する細胞株およびそれらを使用する方法
EP2391647B1 (en) Cell lines expressing nav and methods of using them
CN101960014B (zh) 细胞系以及制备和使用其的方法
KR101751074B1 (ko) 신규한 세포주와 방법
US8097422B2 (en) Kir channel modulators
EP2622351B1 (en) Neuropeptide q as modulator of gpcr galr2 and uses thereof
EP2245046B1 (en) Novel cell lines expressing nav and methods using them
JP4324474B2 (ja) Gタンパク質共役受容体媒介活性の新規細胞系アッセイ
Hovde et al. Model systems for analysis of dopamine transporter function and regulation
US20120028278A1 (en) Cell lines expressing guanylate cyclase-c and methods of using them
EP2483696B1 (en) Natural peptide and derivatives as modulators of GPCR GPR1 and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140926

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150324