JP4324474B2 - Gタンパク質共役受容体媒介活性の新規細胞系アッセイ - Google Patents

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Description

発明者
Yong YAO、Liang CAO
関連出願の説明
本願は、2001年10月26日に出願された特許出願第60/330,663号及び2002年3月4日に出願された特許出願第10/087,217号に基づく優先権を主張し、これらの特許出願は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は概して細胞生理学に関する。特に本発明は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)のリガンド及びGPCR媒介活性を調整する薬剤を同定するための物質及び方法に関する。
発明の背景
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、7つの疎水性アルファらせん膜貫通(TM)ドメインならびに3つの細胞内ループ及び3つの細胞外ループを持つことを特徴とする内在性膜タンパク質の大きなスーパーファミリーを構成している(Ji等,J Biol Chem 273:17299−17302,1998)。また、すべてのGPCRが、N末端細胞外ドメインとC末端細胞内ドメインとを持っている。細胞外リガンドの結合は、膜貫通ドメイン又はN末端ループもしくは細胞外ループが単独で媒介する場合と、これらが共同して媒介する場合がある。例えばエピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン及びヒスタミン等の生体アミンの結合は、主としてTM3で起こると考えられており、一方、TM5及びTM6は細胞内シグナルを生成する部位になる。アゴニストがGPCRに結合すると、1つ以上の細胞内ヘテロ三量体型GTP結合タンパク質(Gタンパク質)が活性化され、これが、続いて下流のエフェクター分子(酵素、イオンチャネル及び輸送体等)を調整することにより、シグナルを伝達し、増幅する。これは、結果として、第二メッセンジャー(cAMP、cGMP、イノシトールリン酸、ジアシルグリセロール、サイトゾルイオン等)の迅速な産生をもたらす。
GPCRはリガンドがGPCRに結合した時に細胞膜を横切るシグナル伝達を媒介する。GPCRの細胞内部分はGタンパク質と相互作用して、細胞の外側から内側へのシグナル伝達を調整する。GPCRはこのようにGタンパク質と共役している。Gタンパク質複合体には3つのポリペプチドサブユニット、すなわちGTPを結合して加水分解するアルファサブユニットと、ベータ−ガンマサブユニット二量体とが含まれている。不活性状態では、Gタンパク質はアルファサブユニットとベータ−ガンマサブユニットとのヘテロ三量体として存在する。Gタンパク質が不活性である時は、グアノシン二リン酸(GDP)がGタンパク質のアルファサブユニットと結合している。GPCRにリガンドが結合してGPCRが活性化されると、GPCRはGタンパク質ヘテロ三量体に結合して、GDPに対するGアルファサブユニットの親和性を低下させる。このGサブユニットは、その活性状態では、GDPをグアニン三リン酸(GTP)と交換し、活性GアルファサブユニットはGPCRからもベータ−ガンマサブユニット二量体からも解離する。解離した活性Gアルファサブユニットは、その細胞内のGタンパク質シグナル伝達経路の「下流」にあるエフェクターに、シグナルを伝達する。最終的には、Gタンパク質の内在性GTPアーゼ活性が、活性Gサブユニットを不活性状態(GDP及びベータ−ガンマサブユニット二量体に結合している状態)に戻す。
このシグナル伝達は第二メッセンジャー分子の産生をもたらす。第二メッセンジャーは、一旦産生されると、細胞の活動に対して広範囲にわたる様々な効果を持つ。そのような活性の一つは環状ヌクレオチドcAMP及びcGMPによる環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルの活性化である。CNGチャネルは、細胞膜を通り抜ける陽イオンのフラックスを制御する膜貫通分子である。これらのチャネルは環状ヌクレオチドの細胞内濃度の増加によって活性化され、開口する。一旦開口すると、これらのチャネルは、例えばNa、K、Mg2+及びCa2+等のイオンを含む混合陽イオン流を通す。CNGチャネルの活性は、電気的興奮及びCa2+シグナル伝達を、環状ヌクレオチドの細胞内濃度の変化と共役させる(図1)。
受容体機能は、Gタンパク質そのものによって(共役にはGTP結合型が必要である)、リン酸化(Gタンパク質共役受容体キナーゼ又はGRKによるリン酸化)によって、更にはβ−アレスチンと呼ばれる阻害タンパク質への結合によって調節される(Lefkowitz,J Biol Chem,273:18677−18680,1998)。医学的に重要な多くの生物学的過程が、Gタンパク質及び/又は第二メッセンジャーが関与するシグナル伝達経路に参加しているタンパク質によって媒介されることは、かなり前から証明されている(Lefkowitz,Nature,351:353−354,1991)。実際、全処方薬のほぼ3分の1はGPCRリガンドである(Kallal等,Trends Pharmacol Sci,21:175−180,2000)。
GPCRは、既知の(又は予想される)構造上及び機能上の特性に基づいて、3つの主要クラス(及び複数のサブクラス)に分類される(Rana等,Ann Rev Pharmacol Toxicol,41:593−624,2001;Marchese等,Trends Pharmacol Sci,20:370−375,1999)。これらの受容体の大半はクラスAに分類され、これには、匂い物質、光及び生体アミンの受容体、ケモカイン及び小ペプチドの受容体、ならびにいくつかの糖ペプチド/糖タンパク質ホルモンの受容体が含まれる。クラスBの受容体は、より高分子量のホルモンを結合し、クラスCにはGABA受容体、味覚受容体及びCa2+感知受容体が含まれる。GPCRはすべての組織に見いだされる。しかし、個々の受容体の発現は限定され、組織特異的な場合もある。したがって、一部のGPCRは特定組織タイプのマーカーとして使用することができる。
GPCR及びGPCRリガンドが広範囲にわたることから予想しうるように、これらの分子の機能異常は数多くのヒト疾患状態に関係づけられている(Rana等及びJi等,前掲)。これらの疾患の多くを処置するために、GPCRアゴニスト及びGPCRアンタゴニストが開発されている。例えば、重要な生体アミン受容体群は、成功を収めた多くの薬物の標的となっている。この受容体群には、エピネフリン及びノルエピネフリンの受容体(α及びβアドレナリン受容体)、ドーパミン、ヒスタミン及びセロトニンの受容体が含まれる。GPCR機能の関与が指摘されている疾患の例には、心臓疾患(例えば頻脈、うっ血性心不全等)、喘息、高血圧、アレルギー反応(アナフィラキシーショックを含む)、胃腸障害及び広範な神経障害(例えばパーキンソン病、うつ病、精神分裂病等)があるが、これらに限られるわけではない。また、多くの乱用薬物受容体はGPCRである。
多くの動物では、GPCRがその身体の至る所に見いだされ、GPCRは正常な機能の維持を担うと共に、病的状態の原因にもなっている。また、例えば初期発生段階でのみ発現される等、特定のGPCR又はGPCRファミリーの発現が極めて厳格に制御される場合もある。したがって、必要に応じてGPCRを刺激もしくは活性化するか、又はGPCRを阻害もしくは不活化することができる化合物を発見することは重要である。喘息、パーキンソン病、急性心不全、骨粗鬆症、低血圧等の処置には、アゴニスト、すなわちGPCRの正常な機能を刺激する化合物が使用されている。高血圧、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、精神障害、神経障害、拒食症及び過食症の処置には、アンタゴニスト、すなわち正常な機能を妨害又は遮断する化合物が使用されている。
詳しく特徴づけられた受容体だけでなく、配列類似性からこれらのファミリーの一部であることは知られているがその機能やリガンドはわかっていない多くの「オーファン」受容体もクローニングされている(Marchese等,前掲)。様々な細胞活動の制御にGPCRが果たす中心的役割を考えると、当技術分野では、これら「オーファン」受容体のアゴニスト及びアンタゴニストを同定するための方法、ならびにアゴニスト(リガンド)がわかっている受容体の新たなアンタゴニストを同定するための方法が、今なお必要とされている。
初めて認識された第二メッセンジャーであるcAMPは、Gタンパク質G及びGolfと共役する多くの受容体の活性化に応答してアデニル酸シクラーゼによって合成され、シクラーゼ活性は、Gタンパク質Gと共役する受容体の活性化によって阻害される。cAMPはcAMP依存性プロテインキナーゼA(PKA)を活性化して、著しい細胞応答を導く。生理学的には、cAMPは、例えば貯蔵エネルギーの動員(例えば肝臓中の糖質又は脂肪細胞中のトリグリセリドの分解、腎臓による水分の保全、及びCa2+ホメオスタシス)、心拍数及び心筋収縮力、平滑筋の弛緩、性ホルモンの産生、ならびに他の多くの内分泌過程及び神経過程の制御等といったホルモン応答を媒介する。
現在利用できるcAMPアッセイはいくつかある。これには、ルシフェラーゼレポーターをcAMP応答性プロモーター配列CREで駆動する転写レポーターアッセイ、cAMPイムノアッセイ(Applied Biosystems,カリフォルニア州フォスターシティー)、アデニリルシクラーゼのインビトロ酵素アッセイ(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)、及びcAMP蛍光偏光アッセイ(PerkinElmer Life Sciences,マサチューセッツ州ボストン)等が含まれる。しかし、これらのアッセイはいずれも、細胞を溶解して抽出物を試験に使用するエンドポイントアッセイである。R.Y.Tsienとその共同研究者らによって、単一細胞中のcAMPレベルを記録する蛍光プローブも開発されている。しかし、これらのプローブを細胞に応用する方法は、ハイスループットスクリーニング形式には適さない(Adams等,1991,Nature 349:694−697;Zoccolo等,2000,Nat. Cell Biol. 2:25−29)。当技術分野では、cAMP産生に関して、個々の生細胞の活性化を、特に不均一な細胞環境又は組織環境で検出できることが必要とされている。そのような検出が可能になれば、誘発された長期記憶の場合のように、複雑な刺激に対する受容体の活性化及び細胞応答を調べることができるだろう。また当技術分野では、与えられた細胞におけるCa2+とcAMP活性化との同時検査に基づいてオーファンGPCRのリガンドを同定するために、また、GPCR媒介活性を調整する薬剤を同定するために、生細胞中のcAMPを直接検査する能力も必要とされている。これらの要求及び他の要求は本発明によって満たされる。
発明の概要
本発明のアッセイ及び方法では、CNGチャネルを利用して、GPCRシグナル伝達カスケードの活性、特にGPCRの活性をモニターする。これらのアッセイにおいてGPCR及びCNGチャネルは、前記細胞にとって内在性であってもよいし、外来性であってもよい。また、本発明のアッセイ及び方法では、プロミスカスGタンパク質を含む内在性又は外来性Gタンパク質を使用することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、第1ポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1プロモーターを含む第1核酸であって、前記ポリヌクレオチドがGタンパク質共役受容体(GPCR)タンパク質をコードする配列を含むものと、第2ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む第2核酸であって、前記第2ポリヌクレオチドが環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルをコードする配列を含むものとを含有する宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、上記環状ヌクレオチド作動性チャネルは、cAMPに対するそのチャネルの感受性を当該突然変異を含まないチャネルよりも高くするような突然変異を、少なくとも1つは含む。いくつかの実施形態では、上記GPCR及び/又はCNGチャネルが、上記細胞では、通常は発現していない。上記の核酸は、1つの分子の一部であっても、異なる分子の一部であってもよい。上記の核酸は当業者に知られる任意の形態で細胞に与えることができる。例えば上記の核酸は、その一方又は両方が、ウイルス及び/又はプラスミドの一部であってよく、且つ/又は上記細胞のゲノムから発現してもよい。
いくつかの実施形態では、上記分子の1つ以上を細胞ゲノムから発現させる細胞株を利用又は作製することが望ましい場合がある。タンパク質を発現させるための安定細胞株は当業者であれば作製することができる。本発明のいくつかの実施形態では、一方のタンパク質を細胞のゲノムから発現させ、他方のタンパク質を外来核酸、好ましくはウイルス又はプラスミドから発現させることができる。本発明の細胞は、どの種類の細胞であってもよいが、好ましくは哺乳動物細胞等の真核細胞である。本発明の実施に適した細胞の例にはBHK細胞、マウスL細胞、ジャーカット細胞、153DG44細胞、HEK細胞、CHO細胞、PC12細胞、ヒトTリンパ球細胞及びCos−7細胞等があるが、これらに限られるわけではない。
本発明で使用されるCNGチャネルは、野生型チャネルであってもよいし、cAMPに対する応答性が向上するように突然変異させたチャネルであってもよい。本発明の野生型CNGチャネルはホモマーであっても、ヘテロマーであってもよい。これらのチャネルは、cAMPに対するそのチャネルの感受性を当該突然変異を含まないチャネルよりも高くするような突然変異を1つ以上含むことができる。cAMPに対するそのチャネルの感受性を当該突然変異を含まないチャネルよりも高くするような突然変異を2つ以上含むチャネルも、本発明に包含される。cAMPに対するそのチャネルの感受性を当該突然変異を含まないチャネルよりも高くするような突然変異を3つ以上含むチャネルも、本発明に包含される。本発明のCNGチャネルをコードする核酸分子は、配列番号:1、5及び7に記載する核酸配列の1つ以上の全部又は一部を含みうる。一部の本発明CNGチャネルタンパク質は、配列番号:2、4、6及び8に記載するタンパク質配列の1つ以上の全部又は一部を含みうる。
いくつかの実施形態では、本発明で使用されるCNGチャネルは、cGMPに応答しうる。他の実施形態では、本発明で使用されるCNGチャネルは、類似体もしくは誘導体環状プリン一リン酸(cPuMP)又は環状ヌクレオチド一リン酸(cNMP)に応答しうる。更に別の実施形態では、本発明で使用されるCNGチャネルは、cAMP、cGMP、類似体もしくは誘導体cPuMP又はcNMPのうちの1つだけに応答しうる。好ましい一実施形態では、本発明で使用されるCNGチャネルは、cAMP、cGMP、類似体もしくは誘導体cPuMP、又はcNMPのうちの少なくとも1つに応答しうる。更にもう一つの好ましい実施形態では、本発明で使用されるCNGチャネルは、cAMP、cGMP、類似体もしくは誘導体cPuMP、又はcNMPのうちの2つ以上に応答しうる。
本発明のGPCRをコードする核酸分子は、完全長野生型Gタンパク質共役受容体をコードしてもよいし、突然変異型GPCRをコードしてもよい。好ましい突然変異体としては、例えばN末端切断体、C末端切断体ならびに挿入及び/又は欠失突然変異体が挙げられる。他の好ましい突然変異体は、少なくとも1つの保存的アミノ酸塩基置換又は非保存的アミノ酸塩基置換を持ちうる。更に他の好ましい突然変異体は、N末端切断、C末端切断、挿入、欠失、保存的アミノ酸塩基置換及び非保存的アミノ酸塩基置換からなる群より選択される少なくとも2つを含む突然変異の組合せを持ちうる。ある突然変異型GPCRをアゴニストと接触させた時に、その突然変異型GPCRがGPCR媒介活性を誘発する能力を持つのであれば、その突然変異型GPCRは本発明での使用に適している。
いくつかの実施形態では、本発明の細胞は、第3ポリヌクレオチドに作動可能に連結された第3プロモーターを含む第3核酸であって、前記第3ポリヌクレオチドがGタンパク質をコードする配列を含むものを含有してもよい。上記Gタンパク質はプロミスカスGタンパク質であってもよい。上記Gタンパク質は上記細胞中で通常時でも発現しうるが、細胞が第3核酸を含有する場合は、より高レベルに発現しうる。もう一つの選択肢として、上記Gタンパク質は、上記細胞では本来発現しないGタンパク質であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、上記Gタンパク質共役受容体はGα、Gα、Gα16又はGαからなる群より選択される少なくとも1つのGタンパク質と実質的に共役する。もう一つの選択肢として、上記Gタンパク質共役受容体は、例えばGαqs等のハイブリッドGタンパク質と実質的に共役してもよい。
もう一つの態様として、本発明は、GPCRの活性を検出する方法であって、cAMPに対する当該チャネルの感受性を増大させる1つ以上の突然変異を含んでもよい環状ヌクレオチド作動性チャネルを発現させる細胞中で、前記GPCRを(所望により、外来GPCRコード核酸分子から)発現させて、前記チャネルの活性を測定することによって行われ、前記チャネルの活性が前記GPCRの活性を示す方法を提供する。CNGチャネルは外来核酸から発現させてもよいし、前記細胞のゲノムから発現させてもよい。いくつかの実施形態では、測定は、色素の使用、例えばUVに基づくイメージングシステムによって検出することができる蛍光色素の使用を伴ってもよい。好ましい色素には、例えばCa2+感受性色素及び電位感受性色素等があるが、これらに限られるわけではない。いくつかの実施形態では、測定には、単一細胞におけるCNGチャネル活性の活性化を決定することが伴ってもよい。これは、当業者に知られている任意の手段を使って、例えばUVに基づく蛍光により、顕微鏡を使って、達成することができる。顕微鏡を使用する場合は、その顕微鏡をコンピュータシステムに接続することが望ましいこともある。このコンピュータシステムは、個々の細胞を追跡し、統計解析を行うために使用することができる。
いくつかの実施形態では、本発明はマルチウェルプレート(96穴、384穴等)で行う構成とし、測定はマルチウェルマイクロプレートリーダーを使って行うことができる。適切なリーダーの例として、CCDカメラを備えた蛍光測定法に基づくリーダーであるもの、及び蛍光測定法に基づく走査型マイクロプレートリーダーであるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明方法の実施前、実施中又は実施後に、細胞を固体表面に付着させることが望ましい場合がある。適切な固体表面として、例えばスライドやマルチウェルプレートが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
場合によっては、本発明方法の感度を増大させることが望ましいこともある。これは、例えば、測定前に細胞をcAMP類似体で前処理することによって達成することができる。適切な類似体として、例えばケージド光活性化類似体が挙げられる。
本発明の方法は、プロミスカスGタンパク質を発現させる細胞を使って実施することができる。プロミスカスGタンパク質はその細胞のゲノムから発現してもよいし、且つ/又は外来核酸から発現してもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、測定されるGPCR媒介活性が、イオンフラックスであることができる。この場合、イオンフラックスは、当業者に知られる任意の方法によって、例えば色素のスペクトル特徴の変化を決定する方法や、パッチクランプ法等によって測定することができる。
もう一つの態様として、本発明は、受容体のリガンドを同定する方法であって、前記受容体と、少なくとも1つの環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルとを発現させる細胞を化合物と接触させて、前記CNGチャネルの活性化を測定することによって行われ、前記化合物が前記受容体のリガンドであることを、前記CNGチャネルの活性化が示す方法を提供する。いくつかの実施形態では、前記受容体は前記細胞にとって内在性であってよく、そして/又は前記CNGチャネルは、cAMPに対する当該チャネルの感受性が増大するように操作されていてもよい。前記CNG及び/又はGPCRチャネルは外来核酸から発現してもよく、且つ/又は前記細胞のゲノムから発現してもよい。CNGチャネルの活性化の測定は、当業者に知られる任意の手段によって、例えば色素を使用すること等によって行うことができる。適切な色素の例は、UVに基づくイメージングシステムによって検出することができる蛍光色素である。色素は、好ましくは、Ca2+感受性色素及び/又は電位感受性色素であることができる。
本リガンド同定法は、単一細胞でのCNGチャネル活性の活性化を測定することにより、単一細胞で使用することができる。このタイプの方法では、顕微鏡を使ったUVに基づく蛍光検出を利用することができる。顕微鏡を使用する場合は、顕微鏡をコンピュータシステムに接続することが望ましい。個々の細胞を追跡し、統計解析を行うために、コンピュータシステムを使用してもよい。
本リガンド同定法は、マルチウェル(例えば96穴、384穴)形式で使用することができ、測定はマイクロプレートリーダーを使って行うことができる。適切なリーダーとして、CCDカメラを備えた蛍光測定法に基づくリーダー及び/又は蛍光測定法に基づく走査型マイクロプレートリーダーが挙げられる。
本リガンド同定法は、固体表面に付着させた細胞を使って行うことができる。細胞は、1つ以上の工程の実施前、実施中又は実施後に、付着させることができる。適切な固体表面として、例えばスライドやマルチウェルプレートが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
本リガンド同定法は、リガンドと接触させる前にcAMP類似体(例えばケージド光活性化類似体)で前処理しておいた細胞を使って行うことができる。
本リガンド同定法は、プロミスカスGタンパク質を発現させる1つ以上の細胞を使って行うことができる。
いくつかの実施形態では、本リガンド同定法には、イオンフラックスの決定を含む測定ステップを含めることができる。イオンフラックスは、当業者に知られる任意の手段によって、例えば色素のスペクトル特徴の変化を決定する方法や、パッチクランプ法等によって測定することができる。
もう一つの態様として、本発明は、GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定する方法であって、前記受容体と、少なくとも1つの環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネル(例えば野生型CNG又はcAMPに対する当該チャネルの感受性が増大するように操作されたCNG)とを発現させる細胞を、薬剤及び前記受容体のリガンドと接触させ、前記CNGチャネルの活性化を測定することによって行われる方法を提供する。いくつかの実施形態では、前記薬剤が存在する場合のCNGチャネルの活性化を、前記薬剤が存在しない場合の当該チャネル活性化と比較することが望ましい場合もある。通例、CNGチャネルの活性化の相異は、その薬剤が活性を調整することを示す。CNGチャネルは外来核酸から発現してもよく、且つ/又は前記細胞のゲノムから発現してもよい。CNGチャネルの活性化の測定は色素を使って行うことができる。適切な色素の例は、UVに基づくイメージングシステムによって検出することができる蛍光色素である。色素はCa2+感受性色素及び/又は電位感受性色素であることができる。本発明の色素は、アッセイ前又はアッセイ中に、細胞に外部から添加することができる。あるいは、本発明の色素は、細胞が外来的にプローブとして発現させるものであってもよい。このプローブは、一過性発現又は安定発現が起こるように、前記細胞中に導入することができる。
GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定するこの方法は、単一細胞におけるCNGチャネルの活性化を決定することにより、単一細胞で実施することができる。そのような決定を行う方法は当業者には知られており、例えば顕微鏡を使ってUVに基づく蛍光による方法等が挙げられる。顕微鏡を使用する場合は、その顕微鏡をコンピュータシステムに接続することができる。そのコンピュータシステムは、個々の細胞を追跡して統計解析を行うものであることができる。
GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定するこの方法は、マルチウェル(96穴、384穴等)形式を使用する構成とすることができる。このタイプの構成では、マルチウェルマイクロプレートリーダー、例えばCCDカメラを備えた蛍光測定法に基づくリーダー及び/又は蛍光測定法に基づく走査型マイクロプレートリーダーを使用することができる。
GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定する上記の方法は、固体支持体に付着させた細胞を使って実施することができる。細胞は1つ以上の工程の実施前、実施中又は実施後に付着させることができる。適切な固体支持体として、例えばスライドやマルチウェルプレート等が挙げられる。
GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定する上記の方法は、環状ヌクレオチド類似体で前処理した細胞を使って行うことができる。適切な類似体として、例えばケージド光活性化類似体が挙げられる。
GPC受容体が媒介する活性を調整する薬剤を同定する上記の方法はいずれも、プロミスカスGタンパク質を発現させる細胞を使って実施することができる。
本発明は更に、本発明方法の実施に適したキットも提供する。そのようなキットは、通例、1つ以上の本発明の細胞を適切な容器に含むだろう。キットは、所望により、緩衝液及び/又は塩類及び/又は色素等の1つ以上の試薬を含んでもよい。色素を含める場合、それらは通例、電位感受性色素及び/又はCa2+感受性色素であるだろう。
好ましい実施形態の詳細な説明
I.一般的説明
本発明は、GPCR媒介活性を解析するための物質及び方法を提供する。また、本発明の物質及び方法は、Gタンパク質シグナル伝達を調節するための新規治療薬を発見することを目的として、合成小分子及びコンビナトリアル化合物ライブラリー又は天然化合物ライブラリーをスクリーニングするためにも使用することができる。
A.定義
以下の説明では、当業者に知られている数多く用語及び表現を使用する。明瞭で一貫した解釈がなされるように、いくつかの用語及び表現について定義を述べる。
「実質的に相互作用する」とは、本明細書では、ある分子が別の分子に及ぼす作用の量、例えばGタンパク質に対するGPCRの作用の量を指す。ある相互作用が、生理学的影響を持ちうる強さの、検出可能な応答をもたらすならば、その相互作用は実質的である。
細胞の「ゲノム」とは、本明細書では、その細胞の染色体に含まれている遺伝物質を指す。
「GPCR媒介活性」とは、本明細書では、GPCRによって媒介されるシグナル伝達が影響を及ぼしうる任意の細胞過程を指す。この用語は、環状ヌクレオチド産生、Ca2+流入、イノシトール三リン酸(IP)及びジアシルグリセロール産生等が含まれると理解されるが、これらに限られるわけではない。
場合によっては、他の既知GPCRに対する相同性によって、推定上のGPCRを同定することもできる。ヌクレオチド配列レベル又はアミノ酸配列レベルでの相同性又は一致度は、配列類似性検索用に設計されたプログラムblastp、blastn、blastx、tblastn及びtblastx(Altschul等,Nucleic Acids Res 25:3389−3402,1997、及びKarlin等,Proc Natl Acad Sci USA 87:2264−2268,1990、どちらも参照としてその全文は、本明細書に組み入れられる)で使用されるアルゴリズムを使って、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)解析により決定される。BLASTプログラムが用いるアプローチでは、まず、ギャップあり及びギャップなしで、問い合わせ配列とデータベース配列との間の類似セグメントを考え、次に、確認されたすべてのマッチについてその統計的有意性を評価し、最後に、予め選択しておいた有意性の域値を満足するマッチだけを要約する。配列データベースの類似性検索における基本的な問題に関する考察は、参照としてその全文が本明細書に組み入れられるAltschul等(Nature Genetics 6:119−129,1994)にみることができる。ヒストグラム(histgram)、一覧表表示数(descriptions)、アラインメント表示数(alginments)、期待値(expect)(すなわちデータベース配列に対するマッチを表示するための統計的有意性の閾値)、カットオフ(cutoff)、置換行列(matrix)及びフィルター(低複雑度領域)(filter(low complexity))に関する検索パラメータはデフォルト設定とする。blastp、blastx、tblastn、及びtblastxで使用されるデフォルトのスコア行列は、長さが85(ヌクレオチド塩基又はアミノ酸)を超える問い合わせ配列に推奨されるBLOSUM62行列(Henikoff等,Proc Natl Acad Sci USA 89:10915−10919,1992,この文献は参照により全文が本明細書に組み込まれる)である。
blastnの場合、スコア行列はM(すなわちマッチする残基の対に与えられるスコア)とN(すなわちミスマッチする残基のペナルティスコア)との比によって設定され、MとNのデフォルト値はそれぞれ+5と−4である。4つのblastnパラメータは次のように調節した。Q=10(ギャップ開始ペナルティ)、R=10(ギャップ延長ペナルティ)、wink=1(問い合わせ配列上の位置wink個ごとにワードヒットを生成)、及びgapw=16(ギャップ付きのアラインメントを生成するウィンドウ幅を設定)。これと等価なBlastpパラメータ設定は、Q=9、R=2、wink=1及びgapw=32だった。GCGパッケージ・バージョン10.0に含まれる配列間のBestfit比較では、GAP=50(ギャップ開始ペナルティ)及びLEN=3(ギャップ延長ペナルティ)というDNAパラメータを使用し、タンパク質比較でこれと等価な設定は、GAP=8及びLEN=2である。
「ストリンジェントな条件」とは、本明細書では、(1)洗浄に、低イオン強度及び高温(例えば50℃の0.015M NaCl/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%SDS)を使用する条件、又は(2)ハイブリダイゼーション中に、ホルムアミド等の変性剤(例えば50%(容量/容量)ホルムアミド)を、750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウムを含む0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドン/50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)と共に、42℃で使用する条件である。もう一つの例は、42℃の50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS及び10%デキストラン硫酸でハイブリダイゼーションを行い、0.2×SSC及び0.1%SDS中、42℃で洗浄を行う条件である。当業者であれば、明瞭で検出可能なハイブリダイゼーションシグナルを得るのに適したストリンジェンシー条件を容易に決定し、修正することができる。好ましい分子は、上記の条件で配列番号:1、3の相補鎖にハイブリダイズし、且つ機能的なタンパク質をコードするものである。更に一層好ましいハイブリッド形成分子は、上記の条件で、配列番号:1、3のオープンリーディングフレームの相補鎖にハイブリダイズするものである。
ある核酸分子が他のポリペプチドをコードする夾雑核酸分子から実質的に分離されている場合、その核酸分子を、本明細書では、「単離」されているという。
本発明は更に、コード核酸分子の断片も提供する。コード核酸分子の断片とは、本明細書では、タンパク質コード配列全体の小部分を指す。断片のサイズは意図する目的によって決まるだろう。例えば、当該タンパク質の活性部分をコードするように断片を選択する場合、その断片は、そのタンパク質の機能領域をコードするほどの大きさを持つ必要があるだろう。例えば、予想される抗原領域に相当するペプチドをコードする断片を製造することができる。断片を核酸プローブ又はPCRプライマーとして使用する予定である場合は、プロービング/プライミング中に生じる偽陽性の数が比較的少なくなるように、断片の長さを選択する。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のプローブ又は特異的プライマーとして使用されるか、本発明のタンパク質をコードする遺伝子配列を合成するために使用される、本発明のコード核酸分子の断片(すなわち合成オリゴヌクレオチド)は、Matteucciらのホスホトリエステル法(J Am Chem Soc 103,3185−3191,1981)等の化学的方法によって、又は自動合成法を使って、容易に合成することができる。更に大きいDNA断片も、当該遺伝子の様々なモジュールセグメントを規定するオリゴヌクレオチド群を合成した後、オリゴヌクレオチドを連結して完全な改変遺伝子を構築する方法等、周知の方法によって容易に製造することができる。
本明細書にいう「突然変異体」又は「突然変異型」CNGチャネルは、改変されたアミノ酸配列を持つサブユニットを含むものである。アミノ酸配列の改変としては、例えばN末端切断、C末端切断、アミノ酸残基欠失、アミノ酸残基付加、保存的又は比保存的アミノ酸残基置換等が挙げられるが、これらに限られるわけではない。突然変異型CNGチャネルサブユニットはそのアミノ酸配列中に1つ以上、2つ以上又は3つ以上の改変を含みうる。突然変異型CNGチャネルは、少なくとも2種類のサブユニットタイプ(例えばα及びβ)から構成されるヘテロマーであることができる。突然変異型CNGチャネルは、異なる突然変異を持つサブユニットを含むという意味でヘテロマーであることができる。突然変異型CNGチャネルは、少なくとも1つの突然変異型サブユニットと少なくとも1つの野生型サブユニットとを含むという意味でヘテロマーであることができる。また、突然変異型CNGチャネルは、天然の細胞で発現されるCNGチャネルを通常構成している野生型サブユニットのすべてに相当するサブユニットを含み、それらサブユニットの少なくとも1つが、そのアミノ酸配列に少なくとも1つの改変を含むヘテロマーであることもできる。突然変異型CNGチャネルは、そのCNGチャネルを発現させるように形質転換される組換え細胞と同じ種に由来するサブユニットから構成させることができる。突然変異型CNGチャネルは、そのCNGチャネルを発現させるように形質転換される組換え細胞とは異なる種に由来するサブユニットから構成させることができる。突然変異型CNGチャネルは異なる種に由来するサブユニットから構成させることもできる。突然変異型CNGチャネルは、例えばラット、マウス、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、その他任意の哺乳動物又は脊椎動物、ショウジョウバエ及び他の昆虫、ならびに線虫(C.elegans)等、どのような種に由来するサブユニットを含んでもよい。
本明細書にいう「野生型」CNGチャネルは、自然源から単離されるサブユニットに突然変異が加えられていないサブユニット、又は自然源から単離されるサブユニットと比較して突然変異を持つが、その突然変異がチャネルの機能又は活性を実質的に変化させないようなサブユニットから構成されるものである。野生型CNGチャネルは、好ましくは、少なくとも2種類のサブユニットタイプ(例えばα及びβ)から構成されるヘテロマーである。いくつかの好ましい実施形態では、野生型CNGチャネルは、3種類目のサブタイプを含んでもよい。野生型CNGチャネルは、天然の細胞で発現されるCNGチャネルを通常構成しているサブユニットのすべてを含むヘテロマーであることもできる。野生型CNGチャネルは、そのCNGチャネルを発現させるように形質転換される組換え細胞と同じ種に由来するサブユニットから構成させることができる。野生型CNGチャネルは、そのCNGチャネルを発現させるように形質転換される組換え細胞とは異なる種に由来するサブユニットから構成させることができる。野生型CNGチャネルは異なる種に由来するサブユニットから構成させることができる。また、野生型CNGチャネルは、例えばラット、マウス、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、その他任意の哺乳動物又は脊椎動物、ショウジョウバエ及び他の昆虫、ならびに線虫(C.elegans)等、どのような種に由来するサブユニットを含んでもよい。本発明のCNGチャネルサブユニットは、単一のベクターに乗せて宿主細胞に導入してもよいし、複数のベクターに乗せて宿主細胞に導入してもよい。例えば野生型α/βヘテロマー型CNGチャネルの場合、αサブユニットとβサブユニットのコード配列は、宿主細胞に導入される単一のベクター上にあってもよいし、宿主細胞に個別に又は同時に導入される別個のベクター上にあってもよい。
本明細書で使用する「電位感受性色素」又は「膜電位色素」という用語は、脱分極した細胞に侵入し、細胞内タンパク質又は膜に結合して、増大した蛍光を示す色素を包含する。電位感受性色素には、例えばカルボシアニン、ローダミン、オキソノール類、及びメロシアニンビスバルビツル酸オキソノール類等があるが、これらに限られるわけではない。電位感受性色素及び膜電位色素には、宿主細胞に発現させるためのベクターに組み込むことができる核酸配列によってコードされるプローブも包含される。
本明細書で使用する「カルシウム感受性色素」という用語は、細胞内カルシウムレベルの増加に反応して増大した蛍光を示す色素を包含する。カルシウム感受性色素には、例えばFura−2、Fluo−3、Fluo−4及びカルシウムグリーン1等があるが、これらに限られるわけではない。カルシウム感受性色素には、宿主細胞に発現させるためのベクターに組み込むことができる核酸配列によってコードされるプローブも包含され、例えばカメレオン(Cameleon)等の、エウオリン(Aeuorin)(Euroscreen)や緑色蛍光タンパク質(GFP)に基づくカルシウムセンサーが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
B.技術
本発明は、コード配列を含有する組換えDNA分子(rDNA)も提供する。好ましいコード配列は、GPCR及び/又はGタンパク質及び/又はCNGチャネルの1つ以上の野生型又は突然変異型をコードするものである。rDNA分子とは、本明細書では、その場で分子操作が施されたDNA分子である。rDNA分子を作製する方法は当技術分野ではよく知られている。例えばSambrook等(Molecular Cloning − A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー,1989)を参照されたい。好ましいrDNA分子では、コードDNA配列は、発現制御配列及び/又はベクター配列に作動可能に連結される。
タンパク質コード配列の一つを作動可能に連結するベクター及び/又は発現制御配列の選択は、当技術分野ではよく知られているように、所望する機能的性質(例えばタンパク質発現)と形質転換しようとする宿主細胞とに直接依存する。本発明が考えるベクターは、少なくとも、rDNA分子に含まれている構造遺伝子の複製又は宿主染色体への挿入を指示する能力を持ち、また好ましくは、その発現も指示することができる。
作動可能に連結されたタンパク質コード配列の発現を調節するために使用される発現制御要素は当技術分野では知られており、例えば誘導性プロモーター、構成的プロモーター、分泌シグナル、及び他の調節要素等が挙げられるが、これらに限られるわけではない。誘導性プロモーターは、宿主細胞の培地中の栄養素に反応する等、制御が容易であることが好ましい。
コード配列を含むrDNA分子を形成させるために、真核細胞に適合する発現ベクター(好ましくは哺乳動物細胞に適合するもの)を使用することができる。これらに限られるわけではないが、例えばウイルスベクター、プラスミド、その他の真核細胞発現ベクターは、当技術分野ではよく知られており、いくつかの供給業者から入手することができる。通例、所望のDNAセグメントを挿入するのに便利な制限部位を持つそのようなベクターが提供される。そのようなベクターの典型例は、pSVL及びpKSV−10(Pharmacia)、pBPV−1/pML2d(International Biotechnologies,Inc.)、pTDT1(ATCC,#31255)等の真核発現ベクターである。
本発明で使用されるrDNAを構築するために用いられる真核細胞発現ベクターは更に、真核細胞中で有効な選択可能マーカー、好ましくは薬物耐性選択マーカーを含んでもよい。薬物耐性マーカーの一例は、その発現によってネオマイシン耐性をもたらす遺伝子、すなわちネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(neo)遺伝子である(Southern等,J Mol Anal Genet 1:327−341,1982)。もう一つの選択肢として、選択可能マーカーは、独立したプラスミド上に存在することもでき、それら2つのベクターは、宿主細胞の同時トランスフェクションによって導入され、その選択マーカーに適した薬物を含む培地で培養することによって選択される。
次に、核酸分子を、好ましくは、上述のように適切な制御配列と作動可能に連結した状態にして、タンパク質オープンリーディングフレームを含有する発現単位を形成させる。この発現単位を使って適切な宿主を形質転換し、形質転換した宿主を、組換えタンパク質の産生が可能な条件下で培養する。
組換えタンパク質の発現には、様々な哺乳動物細胞培養系も使用することができる。哺乳類発現系の例には、Gluzman(Cell 23:175,1981)に記載されているサル腎線維芽細胞のCOS−7株、及び適合するベクターを発現させることができる他の細胞株、例えばC127、3T3、CHO、HeLa及びBHK細胞株等がある。哺乳類発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーター及びエンハンサーを含み、また必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与部位、スプライス受容部位、転写終結配列及び5’隣接比転写配列は、どれでも含むだろう。必要な非転写遺伝要素を提供するために、SV40のスプライス部位及びポリアデニル化部位に由来するDNA配列を使用することができる。上述した工程のそれぞれは、様々な方法で行うことができる。例えば、所望するコード配列をゲノム断片から得て、それを適当な宿主中で直接使用することができる。様々な宿主で作動可能な発現ベクターの構築は、上述のように、適当なレプリコンと制御配列とを用いて達成することができる。制御配列、発現ベクター及び形質転換法は、遺伝子を発現させるために使用する宿主細胞のタイプに依存し、上に詳述したとおりである。そのままでは利用できる適切な制限部位がない場合は、切り出し可能な遺伝子をこれらのベクターに挿入することができるように、適切な制限部位をコード配列の末端に付加することができる。
発現ベクター上の他の変異体として、目的の遺伝子と他のポリペプチドとの融合タンパク質が挙げられる。用途としては、例えば可視化の手段(緑色蛍光タンパク質GFP及びその変異体)又はタンパク質精製(ポリヒスチジン又はグルタチオン−S−トランスフェラーゼGST)等が挙げられるが、これらに限られるわけではない。
特に、ゲノムDNA、cDNA、mRNA及びアンチセンス分子、ならびに代替主鎖に基づく核酸又は代替塩基を含む核酸が考えられ、天然源由来であるか合成物であるかを問わない。しかし、そのような核酸は更に、本発明のタンパク質をコードするもの、本発明のタンパク質をコードする核酸に適切なストリンジェンシー条件でハイブリダイズするもの、又は本発明のタンパク質をコードする核酸に相補的であるものを含めて、先行技術のどの核酸に対しても新規であり非自明であると定義される。
本発明のコード核酸分子は更に、診断用及びプローブ用の検出可能なラベルを含むように修飾することができる。そのようなラベルは当技術分野では種々知られており、本明細書に記載するコード分子と組み合わせて容易に使用することができる。適切なラベルには、例えばビオチン、放射標識ヌクレオチド等があるが、これらに限られるわけではない。当業者であれば、本発明核酸分子の標識変異体を得るために、それらのラベルをどれでも容易に使用することができる。
ヌクレオチド配列の欠失、付加又は改変による核酸分子の一次構造の修飾は、コードされているタンパク質の活性を破壊することなく行うことができる。そのような置換又は他の改変は、本発明の想定範囲に包含されるアミノ酸配列を持つタンパク質をもたらす。
II.具体的実施形態
A.Gタンパク質共役受容体
ゲノムデータベースから同定することができるGPCR遺伝子は、匂い受容体及び味覚受容体を除いて、現在約400個ある。これらのうち約200個についてはリガンドが同定されているが、残りはまだ「オーファン受容体」である。これらオーファンGPCRの天然の生物学的リガンドを同定して、それらの生物学的機能及び疾患との関連を解明することができれば、それらオーファンGPCRのアゴニスト及び/又はアンタゴニストが治療上の利益を持つ可能性を明らかにするための手がかりになる。リガンドがわかっているGPCRについては、GPCR媒介活性を調整する薬剤を同定することにより、これらの受容体に対して高い親和性と望ましい機能性とを持つ医薬を開発して、それらの臨床上の可能性を評価することができる(総説として、Debouck及びMetcalf,2000,Annu.Rev.Pharmacol. Toxicol. 40:193−208;Howard等,2001,Trends Pharmacol. Sci. 22:132−140を参照されたい)。
B.環状ヌクレオチド作動性チャネル
脊椎動物の環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルは、cGMP及びcAMPのサイトゾル濃度によって制御される陽イオンチャネルである(総説として、Kaupp,1995,Curr. Opin. Neurobiol. 5:434−442;Finn等,1996,Annu. Rev. Physio. 58:395−426;Zogotta及びSiegelbaum,1996,Annu. Rev. Neurosci. 19:235−263;Li等,1997,Q. Rev. Biophys. 30:177−193を参照されたい)。これらのチャネルは、混合イオン(Na+、K+及びCa2+)によって運ばれる陽イオン流を通し、電気的興奮とCa2+シグナル伝達の両方を、細胞内環状ヌクレオチド濃度の変化と共役させるのに役立つ。脊椎動物の光受容体及び嗅覚受容体では、CNGチャネルが膜電位を脱分極させて、細胞の興奮及び順応に関与する数多くのCa2+調節タンパク質の活性を決定する(総説として、Kaupp及びKoch,1992,Annu. Rev. Physiol. 54:153−175;Koch,1995,Cell Calcium 18:314−321を参照されたい)。
CNGチャネルは通例、相同なαサブユニットとβサブユニットとを含むヘテロマルチマーである。一部のCNGチャネルは、第3のサブユニットも持っている。例えば、第3のサブユニットは、ラット嗅覚CNGチャネルに関して記載されている(GenBankアクセッション番号AF068572)。これらは電位作動性チャネルスーパーファミリーのメンバーであるが、電位感受性ではなく、環状ヌクレチド濃度の変化に反応する。現在、CNGチャネルサブユニットをコードする6つのヒト遺伝子が同定されている。ヒトCNGチャネルのアラインメントを図8のパネルA〜Cに示す。いくつかの哺乳類CNGチャネルのアラインメントを図9のパネルA及びBに示す。
CNGチャネルサブユニットは、通例、細胞質N末端、6つの膜貫通セグメント、及び細胞質C末端から構成される。5番目と6番目の膜貫通セグメントの間には、チャネル孔の裏打ちに重要なドメイン(Pドメイン)が同定されている。様々なアミノ酸残基が、イオン特異性及び活性化特徴と関係づけられている(Gavazzo等,2000,J. Gen. Phys. 116:311−15,Varnum等,1995,Neuron. 15:619−625)。
ラット嗅覚CNGチャネル(CNGA2)は、哺乳動物細胞中で異種発現させると、cAMPの50%有効濃度(EC50)が68μMである活性化チャネルを形成する(Dhallanら 1990)。CNGB2又はCNGB2及びCNCβ1b(GenBankアクセッション番号AF068572)と同時発現させると、cAMPのEC50は10.3μM及び4μMに低下する(Boenigk等 1999)。これら野生型CNGチャネルは、本明細書に開示する方法を適用することによってGPCRの活性化をモニターするために、直接使用することができる。本発明の野生型CNGチャネルは、第3のサブユニット(例えばラット嗅覚CNGチャネルの第3サブユニット(GenBank AF06572)又はそれと等価なラットもしくは他の種のサブユニット)も含むことができる。しかし、CNGチャネルの突然変異体及びキメラ構築物を使って、GPCR活性化の検出感度を更に向上させることができる。したがって本発明には野生型CNGチャネルが包含されると共に、3つの領域、すなわち環状ヌクレオチド結合ドメイン、Cリンカー領域及びNH末端に、CNGチャネルを開口させる環状ヌクレオチドの効力を強化する突然変異を1つ以上持っているCNGチャネルも包含される(Altenhofen等,1991;Gordon及びZagotta,1995;Varnum等,1995;Zong等,1998;Paoletti等 1999;Li及びLester,1999;Shapiro等,2000;Scott等 2000;Rich等 2001;Moettig等 20011;及び本明細書に開示)。
本発明のCNGチャネルサブユニットは、単一のベクターに乗せて宿主細胞に導入してもよいし、複数のベクターに乗せて宿主細胞に導入してもよい。例えば野生型α/βヘテロマー型CNGチャネルの場合、αサブユニットとβサブユニットのコード配列は、宿主細胞に導入される単一のベクター上にあってもよいし、宿主細胞に個別に又は同時に導入される別個のベクター上にあってもよい。
C.Gタンパク質
様々なGアルファサブユニットをコードする20個を超える遺伝子を含めて、多くのヘテロ三量体型Gタンパク質がクローン化されている。それら多様なGサブユニットは、アミノ酸配列と機能的相同性に基づいて、6つのファミリーに分類されている。それら6つのファミリーはG、G、G、Golf、G、及びG12と名付けられている。細胞質Ca2+の放出をもたらすGを除けば、他のGタンパク質はすべて、環状ヌクレオチド(主にcAMP)を介して、そのシグナルを媒介する(Watson及びArkinstall,The G−protein−Linked Receptor Facts Book,Academic Press,ロンドン,1994)。
一部のGタンパク質は「プロミスカス」Gタンパク質であると考えられる。なぜならそれらのGサブユニットは、それらを、通常は他のファミリーのGタンパク質と共役しているGPCRと共役させることができるからである。例えばGαファミリーの2つのメンバー、ヒトGα16及びそのマウスホモログGα15は、プロミスカスGタンパク質である。これらのGサブユニットを持つGタンパク質は様々なGPCRと相互作用するが、それでもなお、それらの下流エフェクターを特異的に活性化する(Negulescu等の米国特許第6,004,808号を参照されたい)。
D.宿主細胞
本発明は更に、GPCR及び/又はGタンパク質及び/又はCNGチャネルの1つ以上をコードする核酸分子で形質転換させることができる宿主細胞を提供する。宿主細胞には、組換えCNGチャネル発現と組み合わせて本発明の方法に使用することができる内在性GPCR及び/又はGタンパク質を持つ細胞又は細胞株も含めることができる。好ましい細胞は真核細胞である。本発明を実施するのに役立つ真核細胞として、哺乳動物細胞が挙げられるが、これらに限られるわけではない。その細胞株が細胞培養法に適合し、発現ベクターの増殖及び遺伝子産物の発現に適合する限り、どの細胞でも使用することができる。好ましい真核宿主細胞には、例えば酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞等があり、好ましくは脊椎動物細胞、例えばマウス、ラット、サル又はヒト細胞株に由来するもの等が挙げられるが、これらに限られるわけではない。好ましい真核宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、例えばATCCからCCL61として入手できるもの、ATCCからCRL1658として入手することができるNIHスイスマウス胚細胞(NIH/3T3)、ベビーハムスター腎細胞(BHK)、マウスL細胞、ジャーカット細胞、SF9、アフリカツメガエル卵母細胞、153DG44細胞、HEK細胞、PC12細胞、ヒトTリンパ球細胞及びCos−7細胞、ならびにこれに類する真核宿主細胞が挙げられる。
本発明のrDNA分子による適切な細胞宿主のトランスフェクションは、使用するベクターのタイプと使用する宿主系とに通例依存する周知の方法によって、達成される。rDNAを含むベクターによる脊椎動物細胞の形質転換の場合は、通例、エレクトロポレーション、陽イオン性脂質又は塩処理法が使用される。例えばGraham等(Virol 52:456,1973)及びWigler等(Proc Natl Acad Sci USA 76:1373−1376,1979)を参照されたい。同様に、Invitrogen/Life Technologies、Promega、Qiagen等の製品を含めて、市販の選択肢も数多くある。
うまく形質転換された細胞、すなわち本発明のrDNA分子を含有する細胞は、選択可能マーカーの選択等、周知の技術によって同定することができる。例えば、本発明のrDNAを導入することによって得られる細胞をクローン化して、単一コロニーを生成させることができる。これらのコロニーから細胞を収集し、溶解し、Southern(J Mol Biol 98:503,1975)の方法又はBerent等(Biotech 3:208,1985)の方法等を使って、そのDNA内容物をrDNAの有無に関して調べるか、その細胞から産生されるタンパク質を、免疫学的方法によってアッセイすることができる。
E.アッセイ形式
本発明は、GPCR媒介活性の有無及び/又は調整についてアッセイするための様々な方法を提供する。好ましい実施形態では、CNGチャネルの活性化によってcAMP産生を検出することができる。いつくかの実施形態では、GPCRが活性化され、そのシグナルがGタンパク質とアデニルシクラーゼとを介してcAMPの産生に変換され、その結果生成したcAMPが宿主細胞を活性化することによって起こるCa2+の流入に関して、本発明の宿主細胞をアッセイする。
いくつかの実施形態では、Ca2+の流入に応答して1つ以上のスペクトル特性を変化させる色素を、本発明の細胞に負荷することができる。いくつかの実施形態では、色素がCa2+を直接結合して、観察しうるスペクトル特性の変化をもたらす。このタイプの色素の一例はfura−2である。
別の実施形態では、CNGチャネルの活性化がもたらすイオンフラックスに起因して生じる膜電位の変化に反応する色素を、細胞に負荷することができる。このタイプの色素は当業者に知られており(Zochowski等,2000,Biological Bulletin 198:1−21)、例えばMolecular Devices,Inc.等から販売されている。
CNGチャネルは、カルシウム感受性色素Fura−2を使ってCa2+レベルを検出しようとするアッセイで、cAMPのセンサーになると提案されている(Rich等,2000,J. Gen. Physiol. 116:147−161)。CNGチャネルアルファサブユニットの突然変異体は、C460W変異(Gordon等,1997,Neuron 19:431−441)、E583M変異(Varnum等,Neuron 15,619−925)及びY565A変異(Li及びLester,1998,Mol. Pharmacol. 55:873−882)を含めて、数多く同定されている。これらの突然変異体により、cAMPに対するCNGチャネルの感受性は強化されたが、その改善された感度でもマルチウェル形式での使用にはまだ不十分である。現在までに報告されたなかで最も良い例でも、cAMP誘導に反応して上昇したCa2+レベルを分光蛍光計で検出するには、3〜4×10個の細胞が必要だった(Rich等,2001,J. Gen. Physiol. 118:63−77)。これに対し、典型的なマルチウェルアッセイでは、1ウェルあたり約20〜50,000個の細胞が使用され、これはCa2+感受性蛍光色素に求められる細胞数のおよそ100分の1である。
本発明のアッセイ及び方法で使用することができる電位感受性色素は、細胞膜電位を取り扱うために、古くから使用されてきた(総説としてZochowski等,Biol. Bull. 198:1−21を参照されたい)。Molecular Probes(オレゴン州ユージーン)から入手することができるカルボシアニン、ローダミン、オキソノール類及びメロシアニン等、数種類の蛍光色素が開発されている。しばしばDiBac色素と呼ばれる3つのビスバルビツル酸オキソノール類は、約490nm(DiBAC4(3))、530nm(DiSBAC2(3))及び590nm(DiBAC4(5))に励起極大を持つスペクトル的に異なる電位差測定プローブの一群を形成している。これらの色素は脱分極した細胞に侵入して、そこで細胞内タンパク質又は膜に結合し、増大した蛍光と赤色スペクトルシフトを示す(Epps等,1994,Chem. Phys. Lipids 69:137−150)。脱分極が増加すると、これら陰イオン性色素の流入量が多くなり、したがって蛍光が増大する。DiBAC4(3)は最も高い電位感受性を持つと報告されている(Brauner等,Biochim. Biophys. Acta. 771:208−216)。同様のアッセイが、FLIPR(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)等のハイスループットプラットフォームでの膜電位アッセイ用に開発されている。cAMPはCa2+だけでなくNa+フラックス及びK+フラックスも誘導するので、CNGチャネルの存在下でNa+フラックス及びK+フラックスの結果として起こる膜電位の変化は、細胞内cAMP蓄積の指標として使用することができる。
色素のスペクトル特徴の変化は、当業者に知られている任意の手段によって検出することができる。好ましい態様では、本発明のアッセイを単一細胞で行い、顕微鏡イメージングを使ってスペクトル(すなわち蛍光)特徴の変化を検出するか、又はマルチウェル形式で行い、マイクロプレートリーダーを使ってスペクトル特性を決定する。
単一細胞イメージングの好適な構成の一つでは、コンピュータシステムを装備した顕微鏡を使用する。Carl Zeissから入手できるATTO’s Attofluor(登録商標)RatioVisionリアルタイムデジタル蛍光アナライザーは、生細胞中及び調製した標本中の蛍光プローブを解析するための完全統合型ワークステーションである(ATTO,メリーランド州ロックビル)。カルシウムをリアルタイムで可視化することができる。このシステムでは、これらのイオンを個別に、又は組み合わせて同時に(この組合せは使用中のプローブが持つ光学的性質のみによって限定される)、観察することができる。標準的なイメージングシステムは、Fura−2(カルシウム用)とGFP(トランスフェクション用)との組合せ等、複数の色素実験を、同じ細胞で同じ期間に行うことができる。複数の色素を使って得られる比画像とグラフィックデータを、オンラインで表示することができる。
本発明のアッセイをマルチウェル形式で行う場合は、使用する色素のスペクトル特性の変化を検出するのに適した装置は、マルチウェルマイクロプレートリーダーである。適切な装置は例えばMolecular Devices等から市販されている(FLEXstation(商標)マイクロプレートリーダー及び流動体輸送システム又はFLIPR(登録商標)システム)。これらのシステムは、Fluo−3、Fluo−4及びカルシウムグリーン−1等の市販色素と一緒に使用することができる。これらの指示薬はすべて、可視波長域で励起する。
Molecular DevicesのFLIPR Fluorometric Imaging Plate Reader(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)は、ホスホリパーゼシグナル伝達経路を活性化するG共役受容体サブクラスの活性化に応答して起こる細胞内からの一過性カルシウム放出をカルシウム感受性色素で検出するためのハイスループットスクリーニングアッセイで使用されている。プロミスカスGタンパク質が、他のGPCRに使用されて、様々な結果が得られている。本発明までは、GPCR受容体活性化に関してリアルタイムの速度論的情報をもたらすcAMPの類似アッセイは、存在しなかった。更に、イメージングプラットフォーム中の生細胞で、GPCRリガンドによって活性化された単一細胞におけるcAMPの蓄積を直接調べる簡単な方法もなかった。
本発明のいくつかの実施形態では、cAMPの細胞内レベルを増大させるように設計された化合物で、本発明の細胞を処理することができる。例えば、光子に反応して遊離させることが可能な「ケージド」cAMP類似体で、細胞を処理することができる(Corrie等 Bioorganic Photochemistry 第2巻 243−305頁,Wiley and Sons, 英国チチェスター,及びHagen等,1996,Biochemistry 35:7762−7771を参照されたい)。
F.GPCR媒介活性を調整する薬剤を同定する方法
本発明のもう一つの実施形態として、GPCR媒介活性を調整する薬剤を同定する方法を提供する。前記活性に関与するタンパク質に結合する薬剤又はこれらタンパク質の発現に影響を及ぼす薬剤は、前記タンパク質の機能に影響を与える場合もあるし、与えない場合もある。薬剤の機能的作用の検討には、例えば1)リガンド結合に対する作用、2)Gタンパク質共役シグナル伝達経路に対する作用、3)受容体ダウンレギュレーション/脱感作の活性化又は阻害等があるが、これらに限られるわけではない。
本発明の一実施形態では、ここに記載する物質と方法とを使って、GPCRのリガンドを同定することができる。この実施形態は「オーファン受容体」、すなわちリガンドがまだ同定されていない受容体のリガンドを同定するのに役立つだろう。リガンドは、本発明の細胞を、推定上のリガンドである化合物と接触させることによって同定することができる。細胞には、問題にしているGPCRを発現させる核酸と、所望であれば、CNGチャネルを発現させる核酸(cAMPに対する感受性が増大するように突然変異しているものを含む)とを、トランスフェクトすることができる。GPCRの活性化は、CNGチャネルの活性化を測定することによってアッセイされる。例えば、細胞にカルシウム感受性色素及び/又は電位感受性色素を負荷し、色素のスペクトル特徴の変化を、推定上のリガンドの存在下及び不在下で、決定することができる。ある化合物がCNGチャネルの開口と、それに伴う色素のスペクトル特徴の変化とを誘導する場合、その化合物はリガンドであると同定される。
本発明のもう一つの実施形態では、GPCR媒介活性を(例えばリガンド結合を変化させること等によって)調整する薬剤の能力を決定することができる。リガンド結合の改変は、標的GPCRに対する既知リガンドの結合を調整する被験薬剤の能力によって評価することができる。これは、細胞にトランスフェクトされるGPCRのリガンドが既に同定されている場合に、上述のアッセイを使って達成することができる。もう一つの選択肢として、リガンドが同定されている内在性GPCRを使用してもよい。同定済みリガンドの活性誘導能力を薬剤の存在下及び不在下でアッセイする。ある薬剤の存在下での活性がその薬剤の不在下での活性とは異なる(すなわち、その薬剤の不在下での活性よりも大きいか、小さいか、速度論的特徴が異なる)場合、その薬剤はGPCR媒介活性を調整する。阻害曲線等の標準的データ解析方法を使用して、被験薬剤の作用を解析する。
Gタンパク質共役シグナル伝達経路の活性化を改変するには、Gタンパク質依存的シグナル伝達系と共役した活性な受容体の存在が必要である。一例として、これは、GPCRをGα16等のプロミスカスGタンパク質と共に同時トランスフェクトした細胞株を作製することによって達成することができる。このGタンパク質は万能アダプタとして働き、GPCRパートナーによって活性化されると、カルシウム動員をもたらす(Marchese等,Trends Pharmacol Sci,20:370−375,1999)。そしてそのカルシウム動員は上述のアッセイを利用して容易に評価される。例えば、多くの蛍光細胞内カルシウムプローブをMolecular Probes, Inc.から入手することができる。細胞内カルシウム濃度の変化はプローブの蛍光強度及び/又は特徴の変化をもたらし、蛍光プレートリーダーを製造者の説明に従って使用することにより、検出することができる。次に、ある薬剤がGタンパク質共役シグナル伝達に影響を及ぼすことは、適切な濃度(通例、約10pM〜1mM)の被験薬剤の存在下で細胞をインキュベートし、その結果生じる細胞内カルシウム濃度の変化を決定することによって、確認することができる。標準的な用量反応曲線を作成し、解析する。
G.GPCR媒介活性を調整する薬剤の用途
1つ以上のGPCR媒介活性を調整する薬剤、例えばGPCRのアゴニスト又はアンタゴニストは、GPCRの機能と活性が関係する過程を調整するために使用することができる。いくつかの実施形態では、GPCR媒介活性を調整する(増加、減少、又は活性の速度論的特徴を変化させる)薬剤を使って、1つ以上のGPCR媒介活性と関係する生物学的過程及び病理学的過程を調整することができる。
本明細書では、対象は、その脊椎動物又は哺乳動物が、本発明のGPCRタンパク質によって媒介される病理学的過程又は生物学的過程の調整を必要としている限り、任意の脊椎動物、好ましくは哺乳動物であることができる。「哺乳動物」という用語は、哺乳綱に属する個体と定義される。本発明は、ヒト対象の処置にとりわけ有用である。
病理学的過程とは、有害な作用をもたらす種類の生物学的過程を指す。例えば、ある特定のGPCR媒介活性又は活性レベルが疾患又は他の病理学的状態と関係する場合がある。ある薬剤がある病理学的過程の程度又は重症度を軽減する場合、本明細書では、その薬剤が病理学的過程を調整するという。例えばGPCR媒介活性はGタンパク質シグナル伝達障害(例えば他の生体アミン受容体に関係する障害)と関係しうる(例えば上記「背景」の項を参照されたい)。
本発明の薬剤は単独で、又は特定の病理学的過程を調整する他の薬剤と組み合わせて、提供することができる。例えば、本発明の薬剤は、他の既知の薬物と組み合わせて投与することができる。2つの薬剤が同時に投与されるか、又はそれらの薬剤が同時に作用するような形で独立して投与される場合、本明細書では、それら2つの薬剤は組み合わせて投与されるという。
本発明の薬剤は、非経口経路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、経皮経路、又は口腔内経路によって投与することができる。これらに代えて、又はこれらと同時に、経口経路で投与することもできる。投与量は受容者の年齢、健康及び体重、併用治療があればその種類、処置の頻度、所望する作用の性質に依存するだろう。
H.GPCR媒介活性を調整する薬剤
潜在的薬剤をスクリーニングして、その薬剤の適用によってGPCR媒介活性が調整されるかどうかを決定することができる。これは、例えば異常なGPCR媒介活性を特徴とする疾患を持つ特定の患者の処置に、ある特定の薬物が有効かどうかを決定する際等に役立ちうる。活性が潜在的薬剤による影響を受けて、活性が正常に戻るか、又は活性が正常に近づくように変化する場合、その薬剤はその疾患の処置に適応を持ちうる。同様に、疾患状態において発現するような活性を誘導する薬剤は禁忌である。
本発明によれば、リガンドが同定されているGPCRは、ある細胞(例えば罹患細胞)に対する候補薬物又は候補薬剤の作用を評価するためのアッセイの基礎として使用することができる。候補薬物又は候補薬剤を、GPCRによって媒介される活性(例えばCa2+流入)を調整する能力に関して、スクリーニングすることができる。
GPCR媒介活性の調整をモニターするためのアッセイでは、CNG活性の変化をモニターするために利用できる手段をどれでも使用することができるが、好ましくは上述したアッセイ形式の1つ以上を用いて行う。
上述の方法でアッセイされる薬剤は、無作為に選択することも、合理的に選択又は設計することもできる。ある薬剤が、本発明タンパク質だけの会合、又は本発明タンパク質とその関連基質、結合パートナー等の会合に関与する特別な配列を考慮しないで、無作為に選択される場合、その薬剤は、本明細書では、無作為に選択されるという。無作為に選択される薬剤の一例は、化合物ライブラリーもしくはペプチドコンビナトリアルライブラリーの使用、又はある生物の成長培地の使用である。
ある薬剤が、無作為にではなく、その薬剤の作用との関連で標的部位の配列及び/又はそのコンフォメーションを考慮して選択される場合、その薬剤は、本明細書では、合理的に選択又は設計されるという。薬剤は、これらの部位を構成しているペプチド配列を利用することによって、合理的に選択又は合理的に設計することができる。例えば、合理的に選択されたペプチド剤としては、任意の機能的コンセンサス部位と同一であるか、又はその誘導体であるアミノ酸配列を持つペプチドを挙げることができる。
本発明の薬剤は、例えばペプチド、小分子、ビタミン誘導体、ならびに糖質、脂質、オリゴヌクレオチド、そしてそれらの共有結合的及び非共有結合的組合せであることができる。ドミナントネガティブタンパク質、これらのタンパク質をコードするDNA、これらのタンパク質に対する抗体、これらのタンパク質のペプチド断片、又はこれらのタンパク質の模倣物を細胞に導入して、機能に影響を及ぼすことができる。「模倣物」とは、ここでは、親ペプチドとは化学的に異なるが、局所的及び機能的には親ペプチドと類似する構造を与えるようなペプチド分子の一領域又は数領域の修飾を指す(Molecular Biology and Biotechnology,Meyers(編集),VCH PublishersのGrant(1995)を参照されたい)。本発明の薬剤の構造上の性質には何も制約がないことは、当業者であればすぐに理解することができる。
I.GPCR媒介活性を調整する薬剤を含む組成物
本発明の薬剤を含む組成物は、単独で、又は他の組成物及び/又は薬剤と組み合わせて提供することができる。例えば、本発明の薬剤は、他の既知薬物と組み合わせて投与することができる。2つの組成物及び/又は薬剤が同時に投与されるか、又はそれらの薬剤が同時に作用するような形で独立して投与される場合、本明細書では、それら2つの薬剤は組み合わせて投与されるという。
本発明の薬剤を含む組成物は、非経口経路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、経皮経路、又は口腔内経路によって投与することができる。これらに代えて、又はこれらと同時に、経口経路で投与することもできる。投与量は受容者の年齢、健康及び体重、併用治療があればその種類、処置の頻度、所望する作用の性質に依存するだろう。
本発明は、GPCR媒介活性を調整する薬剤を1つ以上含む組成物も提供する。個々の要求は様々であるが、各成分の有効量の至適範囲は、当業者であれば決定することができる。典型的な投与量は0.1〜100μg/kg体重を含む。好ましい投与量は0.1〜10μg/kg体重を含む。最も好ましい投与量は0.1〜1μg/kg体重を含む。
薬理学的に活性な薬剤の他に、本発明の組成物は、作用部位への送達に薬学的に用いることができる製剤への活性化合物の加工を容易にする賦形剤及び補助剤を含む薬学的に許容できる適切な担体を含有することができる。非経口投与に適した製剤として、例えば水溶性活性化合物(例えば水溶性塩)の水溶液が挙げられる。また、活性化合物の懸濁液、例えば適当な油性注射懸濁液も投与することができる。適切な親油性溶媒又は親油性ビヒクルには、例えば脂肪油、例えばゴマ油、又は合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル又はトリグリセリド等がある。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばカルボキシメチルセルロース、ソルビトール及び/又はデキストラン等を含有してもよい。所望により、懸濁液は更に安定剤を含有してもよい。また、細胞内への送達を目的として、リポソームを使って薬剤を封入することもできる。
本発明の全身投与用医薬製剤は、経腸、非経口又は局所投与用に製剤化することができる。実際、活性成分の全身投与を達成するために、これら3タイプの製剤のすべてを同時に使用することができる。
経口投与に適した製剤としては、硬及び軟ゼラチンカプセル、丸剤、錠剤(コート錠を含む)、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤又は吸入剤、ならびにその制御放出型が挙げられる。
本発明の組成物は、インビボで、通常はヒト、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ラット及びマウス等の哺乳動物に、又はインビトロで使用することができる。
これ以上説明しなくても、当業者には、上述の説明と以下の具体例とを使って、本発明の化合物を製造し、利用し、本願クレーム方法を実施することができると考えられる。したがって下記の実施例は本発明の好ましい実施形態を具体的に指摘するものであり、本明細書の他の記載を多少なりとも限定する記載であるとみなしてはならない。
実施例1
単一細胞イメージングアッセイ
図2に単一細胞イメージングアッセイの結果を示す。この実施例では、CNGチャネル(配列番号:3)を2日間一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞に、カルシウム蛍光色素を負荷した後、記録した。具体的には、MATRIGEL(Becton Dickinson,カリフォルニア州サンホゼ)をプレコートした顕微鏡用Fisherブランドカバーガラス#1を5μM fura−2 AM(Molecular Probes,カリフォルニア州サニーベール)を含む培養培地(10%ウシ胎仔血清を含むDMEM)中でインキュベートし、その上で細胞を培養した。カルシウム蛍光はAttofluor(登録商標)RatioVision(登録商標)リアルタイム蛍光イメージング装置(ATTO,メリーランド州ロックビル)で記録した。このシステムは、複数の蛍光プローブ(例えばFura−2(カルシウム用)とGFP(トランスフェクションマーカー)との組合せ等)を使って、同じ期間に同じ細胞中で、実験を行うことができる。複数の色素を使って得られる比画像とグラフィックデータを、オンラインで表示することができる。この実施例では、CNGチャネルを発現させている単一細胞中のサイトゾル遊離カルシウム濃度の変化をリアルタイムでモニターすることにより、Gs共役GPCRとアデニリルシクラーゼの活性化を検出できることを実証する。図2の矢印で示す時刻にノルエピネフリン(NE)とフォルスコリン(forsk)を添加したところ、GFP陽性(すなわちトランスフェクト)細胞では、サイトゾルカルシウム濃度が上昇し始めた。個々の細胞の反応を示す代表的な2つの画像を、NE添加前(パネルA)及びNE添加後(パネルB)に撮影した。GFP陽性細胞集団におけるカルシウム蛍光変化をそれぞれ平均してグラフ表示する(パネルC)。
実施例2
マルチウェル形式でのカルシウム感受性色素と電位感受性色素の比較
この実施例では、マイクロプレートリーダーFLEXstation(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)を使って記録し、アッセイキットと一緒に提供されるプロトコールをカルシウムアッセイと膜電位アッセイの両方に採用した。cAMPに関するEC50値が配列番号:3よりも低い(Rich等,2001,J. Gen. Phys. 118:63−77)のでcAMP変化に対する感受性が向上していると予想される突然変異型CNGチャネル(配列番号:5)を使ったマルチウェルアッセイの結果を、図3に表す。CNGチャネルを一過性にトランスフェクトした細胞におけるイソプロテレノール(β2アドレナリン受容体のアゴニスト)に対する反応を、Ca2+感受性色素fluo−4を使って決定したものを、図3Aに示す。10μMという飽和量のイソプロテレノールで細胞を刺激した後でも、色素の蛍光に有意な変化はなかった。図3Bには、Gq経路による細胞内貯蔵カルシウムの動員に関する陽性対照として、カルバコール(ムスカリン受容体アゴニスト)による活性化の結果を示す。この処理の結果として、細胞内Ca2+濃度の変化を観察することができた。
細胞内cAMPの検出にCNGチャネルと膜電位色素が役立つことを立証するために、アデニリルシクラーゼ活性化剤であるフォルスコリンを使って、細胞内cAMPを生成させた。CNGチャネル(配列番号:5)を一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞に、電位感受性色素を室温で約0.5時間負荷した。図4は、フォルスコリンを添加した場合に、電位感受性色素の存在下では、マイクロプレートリーダーを使うことにより、電位感受性色素の存在下で細胞内cAMPを容易に検出できることを示している。
実施例3
突然変異型CNGチャネルと膜電位色素とを用いる、GPCR活性化に応答して生成する細胞内cAMPのアッセイ
膜電位アッセイキット(Molecular Probes,カリフォルニア州サニーベール)の電位感受性色素を用いる類似アッセイの結果を、図5に示す。電位感受性色素の復元には、その市販キットに含まれる緩衝液ではなく、0.1mM MgCl及び1mM EGTAを添加してpH7.3に滴定したDPBS(二価陽イオン非含有ダルベッコリン酸緩衝塩類)を使用した。CNGチャネル(配列番号:5)を一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞に、電位感受性色素を室温で約0.5時間負荷した。βアドレナリン受容体を活性化するイソプロテレノールの濃度がわずか0.1μMでも、容易に検出できる蛍光シグナルの変化が認められたのに対して、図3Aに示すカルシウム感受性色素では、10μMのイソプロテレノールでも変化を検出することができなかった。同様に、膜電位色素と、異なるCNGチャネル突然変異体(配列番号:7)とを使って得られた結果を、図6に示す。
実施例4
GPCRとCNGチャネルとを同時発現させ、膜電位色素を用いる、細胞内cAMPのアッセイ
本発明のアッセイは、外部から導入したGPCRを使って行うことができる。ドーパミンI型受容体をコードするDNAと、突然変異型CNGチャネル(配列番号:7)とを、HEK273細胞に同時トランスフェクトした。前記受容体をその天然リガンドであるドーパミンで活性化した結果を、図7に示す。膜電位色素(Molecular Probes,カリフォルニア州サニーベール)の存在下でドーパミンを添加すると直ちに、用量依存的な蛍光シグナルが得られる。
実施例5
一過性トランスフェクト細胞におけるオーファンGPCRのリガンドの同定
野生型又は突然変異型CNGチャネルタンパク質をコードする遺伝子と、興味あるGPCRをコードする遺伝子とは、標準的なトランスフェクション技術を使って、標的細胞にトランスフェクトすることができる(Ausuebl等,Current Protocols in Molecular Biology(2001)John Wiley & Sons)。トランスフェクションの2日後に、96穴プレートの場合は約50,000個/ウェルの細胞、384穴プレートの場合は約10,000個/ウェルの細胞を使用し、96穴プレートの場合は100μL/ウェル、384穴プレートの場合は25μL/ウェルの播種量で、コンフルエントな細胞単層を作製することができる。
終夜培養した後、細胞プレートを培養器から取り出すことができる。等体積のローディングバッファー(Loading Buffer)を膜電位色素(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)と共に各ウェルに加え(96穴プレートの場合は1ウェルあたり100μL、384穴プレートの場合は25μL)、その細胞プレートを更に37℃で30分間インキュベートすることができる。インキュベーション後に、FLIPR又はFlexStationを使って、プレートを直接アッセイすることができる。
候補天然合成リガンドコレクションを入手して、試験のために1nM〜10μMの濃度に希釈することができる。膜電位アッセイは、FLIPRシステムの膜電位アッセイのマニュアルに記載されているように、化合物の添加後直ちに行われるだろう(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)。このようなアッセイはCa++感受性色素の存在下でも行うことができる(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)。
実施例6
GPCR媒介活性を調整する薬剤の同定
化合物を、1つ以上のGPCR媒介活性を調整するための薬剤として機能するそれらの能力について、スクリーニングすることができる。本発明に従って製造された細胞を化合物と接触させて、1つ以上のGPCR媒介活性をアッセイすることができる。一例として、CNGチャネルタンパク質をコードする遺伝子と、興味あるGPCRをコードする遺伝子とを発現させる安定細胞株を得ることができる(Ausuebl等,Current Protocols in Molecular Biology(2001)John Wiley & Sons)。GPCR遺伝子は内在性であっても外来性であってももよい。96穴プレートの場合は約50,000個/ウェルの細胞、384穴プレートの場合は約10,000個/ウェルの細胞を使用し、96穴プレートの場合は100μL/ウェル、384穴プレートの場合は25μL/ウェルの播種量で、コンフルエントな細胞単層を作製することができる。
終夜培養した後、細胞プレートを培養器から取り出すことができる。次に、等体積のローディングバッファーを膜電位色素(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)と共に各ウェルに加え(96穴プレートの場合は1ウェルあたり100μL、384穴プレートの場合は25μL)、その細胞プレートを更に37℃で30分間インキュベートすることができる。インキュベーション後に、FLIPRを使って、プレートを直接アッセイすることができる。化合物ライブラリーを入手して、試験のために1nM〜10μMの濃度に希釈することができる。膜電位アッセイは、FLIPRシステムの膜電位アッセイのマニュアルに記載されているように、化合物の添加後直ちに行われる(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)。このようなアッセイは膜電位色素とCa2+感受性色素の両方の存在下でも行うことができる(Molecular Devices,カリフォルニア州サニーベール)。
実施例7
384穴プレート中のHEK293−CNG細胞と膜電位色素とを使った均一な速度論的アッセイ
CNGチャネルを発現させるように細胞集団を安定に形質転換して、付着培養条件又は懸濁培養条件下で樹立させる。細胞を収集し、10%FBSを含有するDMEM(高グルコース)中、1×10細胞/mlに調節する。その細胞懸濁液20μlを384穴マイクロプレート(Corning;3712)の各ウェルに分注し、アッセイに先立って16〜24時間インキュベートする。アッセイ直前に、細胞プレートのウェルを顕微鏡で観察して、均一に拡がったコンフルエントな細胞層の存在を確認する。
膜電位色素(膜電位試薬キット、成分A、Molecular Devices,R−7056)原液は、キットに入っている色素のビン1本を、20mM HEPES(pH7.0)を補足した10mlのダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)に溶解することによって調整し、それを1mlずつに小分けして、−80℃で保存する。色素ローディングバッファー(Dye Loading Buffer)は、384穴プレート1枚につき、1mlの色素原液を、20mMのHEPES(ph7.0)を補足した9mlのDPBSで希釈することによって、アッセイ当日に調製する。1ウェルにつき20μlの色素ローディングバッファーを384穴細胞プレートに加える。プレートを室温(約20〜25℃)で1〜7時間インキュベートする。インキュベーション中に、試験化合物の希釈液を、化合物バッファー(Compound Buffer)(色素ローディングバッファー中の10mM EGTA;pH7.2)に調製する。
次に、色素負荷細胞プレートをFLIPR384、FLEXstation又は他の蛍光マイクロプレートリーダーに装填し、蛍光マイクロプレートリーダーの説明書に従ってアッセイする。例えば、FLIPR384では、488nmの励起フィルターと540〜590nmの蛍光フィルターを使用し、FLEXstation及び他の蛍光マイクロプレートリーダーの場合は、色素の吸収極大及び蛍光極大に近い波長(例えばMolecular Devices R−7056の膜電位色素の場合は、励起波長540nm、蛍光波長560nm)を使用する。各ウェルに化合物バッファー中の試験化合物10μlを加え、結果を記録する。
この実施例では、CNGチャネルアッセイをHTSプラットフォームの一つ、FLIPR(Molecular Devices)に適合させた。具体的に述べると、CNGチャネル(配列番号:7)を発現させる安定形質転換HEK293H細胞株を、cAMPアッセイに使用した。Multidrop 384ディスペンサー(Titertek Instruments,Inc.)を使って、MATRIGEL(Becton Dickinson,354234)でコーティングした384穴プレートに、細胞を播種した。cAMP応答に関するCNGチャネルアッセイのウェル間変動を、図10に示す4分間の記録中に評価した。記録開始の30秒後に、第1〜12列のウェルにイソプロテレノール(最終1μM)を加えると共に、第13〜24列のウェルには対照として化合物バッファーを加えた(図10)。図10A及び図10Bでは、HEK293H−CNG細胞株と、CNGを持たない親細胞株を、それぞれ使用した。別の記録で、イソプロテレノールに対する用量依存的な応答を得た。様々な用量のイソプロテレノールに応答して生じる複数の蛍光トレースを重ね合わせた(図10C)。図10Dは、図10Aのプレートから得た1μMイソプロテレノールに対する複数の反応曲線を重ね合わせることにより、データの均一性を証明している。
実施例8
HEK293H−CNG細胞とカルシウム感受性色素とを用いる速度論的アッセイ
CNGチャネル(例えば配列番号:7)を発現させるように細胞集団(例えばHEK293又はHEK293H)を安定に形質転換して、付着培養条件又は懸濁培養条件で樹立させる。細胞を収集し、10%FBSを含有するDMEM(高グルコース)中、1×10細胞/mlに調節する。その細胞懸濁液20μlを384穴マイクロプレートの各ウェルに分注するか、396穴マイクロプレートの各ウェルに細胞懸濁液100μlを分注し、アッセイに先立って16〜24時間インキュベートする。アッセイ直前に、細胞プレートのウェルを顕微鏡で観察して、均一に拡がったコンフルエントな細胞層の存在を確認する。
カルシウム感受性色素Fluo−4 AM(Molecular Devices,F−14202)をDMSO中に4mM原液として調製し、−20℃で保存する。アッセイ当日に、原液をハンクス平衡塩類溶液(HBSS,pH7.2)で希釈して、4μMの最終色素溶液濃度にする。ウェル中のDMEM+FBSをHBSS色素溶液で置き換え、室温で1時間インキュベートすることにより、細胞に色素を負荷する。インキュベーション中に、化合物プレートを調製する。試験化合物をHBS又は10mM CaClを補足したHBSに溶解する。
次に、色素負荷細胞プレートをFLIPR384、FLEXstation又は他の蛍光マイクロプレートリーダーに装填し、蛍光マイクロプレートリーダーの説明書に従ってアッセイする。
この実施例では、CNGチャネル(配列番号:7)を発現させる安定形質転換HEK293H細胞株を、カルシウム取り込みについてアッセイした。記録開始の30秒後にイソプロテレノールを、0.3、1.0、3.0、10.0、30.0及び300.0nMの最終濃度でウェルに加えた。対照ウェルには緩衝液だけを加えた。イソプロテレノールに対する用量依存的な応答を記録して、様々な用量のイソプロテレノールに応答して生じる複数の蛍光トレースを、図11に示すように重ね合わせた。
実施例9
単一細胞イメージングアッセイ
この実施例では、CNG遺伝子(配列番号:7)を発現させる安定形質転換HEK293H細胞を、電位感受性色素(Molecular Devices,R−7056)を使ってアッセイした。MATRIGELをプレコートした96穴プレートに細胞を播種した。膜電位蛍光をPathway HTイメージングプラットフォーム(ATTO,メリーランド州ロックビル)で、同じ期間に同じ細胞で記録した。共焦点蛍光強度画像を280〜650の任意強度範囲で図12に示す。これらの画像は、イソプロテレノールを最終濃度が1μMになるように添加する前、ならびに添加15秒後、30秒後及び45秒後に、図12Aに示す順序で得たものである。50×50umの画像領域の1つを図12Aに示した。撮像した71個の細胞で得られた蛍光トレースの平均を図12Bに示した。イソプロテレノールの添加時刻を矢印で示す。
実施例10
野生型サブユニット及び突然変異を含むサブユニットのCNGチャネルを使った細胞内cAMPのアッセイ
野生型α+βサブユニットヘテロマー型CNGチャネル、様々な突然変異を持つホモマー型CNGチャネルαサブユニット、又はCNGチャネル野生型αサブユニットのみのホモマーを一過性にトランスフェクトした細胞におけるcAMP上昇に応答して起こる相対的蛍光応答を調べた。この実施例では、記録を行う2日前に、ラット嗅覚野生型CNGチャネルαサブユニット(NCBI LocusID 25411,配列番号:1)+βサブユニット(NCBI LocusID 85258)、突然変異C460R/E583M、C460H/E583M、C460W/Y565A/E583M(配列番号:7)又はY565A(配列番号:3)を含むラット嗅覚CNGチャネルαサブユニット、及びαサブユニットのみ(NCBI LocusID 25411,配列番号:1)を、HEK293細胞にトランスフェクトした。膜電位色素(Molecular Devices,R−7056)を含む室温の色素ローディングバッファー中で、これらの細胞をインキュベートした。イソプロテレノールを実施例8と同様に化合物バッファに溶解して最終濃度を300nMとし、矢印で示した時刻に添加した(図13)。図13は、野生型のαサブユニット及びβサブユニットから構成されるヘテロマー型CNGチャネルを発現させる細胞におけるイソプロテレノール応答が、野生型αサブユニットホモマー又はC460R/E583M、C460H/E583M、C460W/Y565A/E583MもしくはY565Aの突然変異を含むαサブユニットモノマーによって形成されるCNGチャネルを発現させる細胞と同等か、それより大きいことを示している(図13)。
実施例11
CNGチャネルアッセイと従来の転写アッセイ及びcAMP ELISAアッセイとの感度比較
cAMP抗体の競合的結合又はcAMP応答配列(CRE)によって調節される遺伝子の転写という原理に基づいて、多くのcAMPアッセイ技術が開発されている。cAMP特異抗体を使用するアッセイでは、cAMPをアッセイ媒質に放出させるために、細胞溶解が必要である。結果として、細胞数が減少するにつれてアッセイ感度が損なわれる。遺伝子レポーターアッセイでは、様々なシグナル伝達経路がCRE転写に影響を及ぼしうるので、偽陽性及び陰性の記録が増えると予想される。これに対して、CNGチャネルアッセイでは、従来の間接的cAMPアッセイ技術に付随する問題を避けるために、細胞内でcAMPの直接的な生理学的読出しが行われる。CNGチャネルは、形質膜にターゲティングされ、アデニリルシクラーゼと共存して、局所的cAMP上昇の高感度な検出を可能にする。CNGチャネルアッセイにおける蛍光読出しは単一の生細胞の活性に由来するので、間接的アッセイで起こりうるような細胞数の減少によるアッセイ感度の低下は起こらない。
96穴形式で、CNGチャネルアッセイと、ELISA型抗cAMP抗体結合アッセイ(Amersham Biotrakキットをキットの使用説明書に従って使用)及び従来のCRE−ルシフェラーゼ遺伝子レポーターアッセイとの比較を行った。3つのアッセイ形式のすべてについて同じリガンド濃度を使用して、フォルスコリンに対する用量反応曲線を作成した。図14は、CNGチャネルアッセイを用いると反応曲線が一般に左方向にシフトすることを示し、低濃度のフォルスコリンが、CNGチャネルアッセイでは、ELISAアッセイ形式及び遺伝子レポーターアッセイ形式よりも有意に大きい応答を誘導したことを表しているので、CNGチャネルアッセイはこれら従来のcAMPアッセイよりも好感度であることがわかる。
実施例12
様々なファミリーのGs共役GPCRに関するCNGチャネルアッセイ
Gs共役GPCRに関する速度論的アッセイとしてのCNGチャネルアッセイの感度を示すために、Gs共役GPCRをクラスB(セクレチンファミリー)及びクラスA(例えば生体アミン受容体、ペプチド受容体、プロスタノイド受容体、及びアデノシン受容体等)から無作為に選択して、アッセイを行った。CNGチャネルアッセイを応用して、表1に記載のGPCRの各コグネイトアゴニストによる活性化を調べた。これらのGPCRはいずれもCNGチャネルアッセイでうまく読み出せたことから、Gs共役CPCRの活性化の正確な速度論的測定は、そのリガンドファミリーにかかわらず、CNGアッセイによって可能であることがわかった。図15に、試験した3つのGPCRの用量反応曲線を図示して、それらの他の薬理学的解析との関連性を例示する。
Figure 0004324474
実施例13
プロミスカスGタンパク質及びGタンパク質キメラを用いるアッセイと比較したCNGチャネルアッセイの堅牢性
これまでにも、プロミスカスGタンパク質Gα16及びGタンパク質キメラGαqsを用いるカルシウム蛍光アッセイを使って、細胞内カルシウム上昇の測定が行われている。しかし、Gα16又はGαqsを用いるGPCR活性化の測定は、どちらも、一部のGs共役GPCRの活性を、ホスホリパーゼCを介した細胞内カルシウム上昇に転化するものであるから、間接的である。Gα16及びGαqsの共役効率にはGs共役GPCR間でばらつきがあるので、最終的なカルシウムシグナルの読出しも受容体間でばらつく。
この実施例では、CNGチャネルアッセイを使ってチラミン受容体の活性化を調べ、Gα16及びGαqsを用いるカルシウム蛍光アッセイと比較した。チラミン受容体を一過性に発現させるHEK293細胞で、CNGチャネル、Gα16又はGαqsを含む同等量のプラスミドを使って一過性に発現させた。Molecular Devicesが提供するプロトコールに従って、カルシウムアッセイを行った。各濃度のチラミンについて3回の記録を行って、Gα16、Gαqs及びCNGチャネルをそれぞれ発現させる細胞における平均応答を求めた。図16に示すように、チラミン受容体の活性化は、CNGチャネルアッセイと膜電位色素とを使って検出することができるが、Gα16又はGαqsとカルシウム色素とを用いるカルシウム蛍光アッセイでは検出することができない(図16)。
実施例14
CNGチャネルアッセイを応用したGPCRのアゴニスト及びアンタゴニストの同定
CNGチャネルアッセイは、GPCRリガンドを同定するために使用することができる。この実施例では、CNGチャネルアッセイを使って、アドレナリン様化合物のパネルを調べることにより、βアドレナリン受容体のアゴニスト又はアンタゴニストを探した。CNGチャネル遺伝子(配列番号:7)を発現させる安定形質転換HEK293H細胞を、先の実施例で述べたように、96穴プレートに播種し、生育させた。図17Bに示すように、試験化合物を96穴プレートの第1〜11列に配置し、第12列には対照として緩衝液だけを加えた。記録開始の20秒後に、最終濃度が1μMになるように、試験化合物を細胞プレートに加えた。cAMP上昇を誘発するために、120秒の時点で、最終濃度10μMのイソプロテレノールを加えた。記録時間は230秒だった。試験化合物を添加した直後、且つイソプロテレノールを添加する前に、蛍光の上昇を検出することによって、アゴニストを同定した。図17Aでは、そのアゴニストを中空の円で示す。イソプロテレノール刺激に対する細胞応答の遅延又は除去によって、アンタゴニストを同定した。図17Aでは、そのアンタゴニストを中実の四角形で示す。
実施例15
エンドポイントアッセイ
CNGチャネルアッセイを使ってエンドポイントアッセイを行うこともできる。CNGチャネルの脱感作によって起こる蛍光応答の減衰は、細胞外カルシウムをEGTAでキレートし、ホスホジエステラーゼの阻害剤を補足することによって、効果的に除去することができた。CNGチャネル遺伝子を発現させる安定形質転換細胞を、先の実施例で述べたように、384穴プレートに播種し、生育させた。EGTAを含有する化合物バッファーに、フォルスコリンを30μMの最終濃度で溶解した。フォルスコリンと共に又は化合物バッファーのみと共にインキュベートした細胞の蛍光強度値を、FLEXstation(Molecular Devices)を使って、フォルスコリン刺激後の様々な時点に読み取った。フォルスコリンによる処理は、刺激の90分後に5.3±0.5×10RFU(30μMフォルスコリン,n=192)の蛍光強度をもたらしたのに対して、対照は1.9±0.1×10RFU(緩衝液対照,n=192)だった。これは2.8倍の増加に相当する。
上記の実施例に関して本発明を詳しく説明したが、本発明の精神から逸脱せずに、様々な変更を加えうることはいうまでもない。したがって本発明は特許請求の範囲のみによって限定される。本願で言及した特許、特許出願及び刊行物は、すべて参照として本明細書に組み入れられる。
GPCRからCNGチャネルへのシグナル伝達経路の模式図である。 (A)内在性GPCRのリガンドで刺激する前の、突然変異型ラットCNGチャネル遺伝子(配列番号:3)をトランスフェクトしたHEK239細胞の写真である。(B)Gs共役受容体である内在性β2アドレナリン受容体を活性化するノルエピネフリン(NE)で刺激した後の細胞である。シグナルは、蛍光顕微鏡により、カルシウム感受性蛍光色素Fura−2(Molecualr Probes,オレゴン州ユージーン)を使って検出される。(C)ATTO Graph(ATTO,メリーランド州ロックビル)を使って、細胞100個の細胞内Ca2+濃度に関する積算結果を、時間の関数として表した図である。緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現させるプラスミドをCNG遺伝子と共に、宿主細胞に同時トランスフェクトした。 (A)細胞に突然変異型CNGチャネル遺伝子(配列番号:5)をトランスフェクトし、その細胞を内在性Gs共役β2アドレナリン受容体のリガンド(これはcAMPの蓄積とCNGチャネルの活性化をもたらす)で刺激したときの細胞内Ca2+濃度を、時間の関数として表したグラフである。濃度の決定は、細胞内色素(Fura−2)の蛍光を市販のマイクロプレートリーダーで測定することによって行った。(B)細胞にCNGチャネルをトランスフェクトし、その細胞を、Gq共役GPCRを活性化するリガンド(これは細胞内貯蔵Ca2+の動員をもたらす)で刺激したときの細胞内Ca2+濃度を、時間の関数として表したグラフである。 細胞に突然変異型CNGチャネル遺伝子(配列番号:7)をトランスフェクトし、その細胞をアデニリルシクラーゼの直接活性化剤であるフォルスコリン(これはCNGの活性化をもたらす)で刺激したときの膜電位を、時間の関数として表したグラフである。膜電位の決定は、市販の電位感受性色素キットを使って、マルチウェルプレートリーダーで行った。 細胞に突然変異型CNGチャネル遺伝子(配列番号:5)をトランスフェクトし、その細胞を内在性Gs共役β2アドレナリン受容体のリガンド(これはcAMPの産生とCNGチャネルの活性化とをもたらす)で刺激したときの膜電位を、時間の関数として表したグラフである。膜電位の決定は、市販の電位感受性色素キットを使って、マルチウェルプレートリーダーで行った。 細胞に三重突然変異型CNGチャネル遺伝子(配列番号:7)をトランスフェクトし、その細胞を、表示した濃度の内在性Gs共役β2アドレナリン受容体リガンド(これはCNGチャネルの活性化をもたらす)で刺激したときの膜電位を、時間の関数として表したグラフである。膜電位の決定は、市販の電位感受性色素キットを使って、マルチウェルプレートリーダーで行った。 細胞に突然変異型CNGチャネル遺伝子(配列番号:7)と外来Gs共役GPCRドーパミン受容体D1膜電位とを両方ともトランスフェクトし、その細胞をドーパミンで刺激したときの膜電位を、時間の関数として表したグラフである。膜電位の決定は、市販の電位感受性色素キットを使って、マルチウェルプレートリーダーで行った。 ヒトCNGチャネルの配列アラインメントである。 ヒトCNGチャネルの配列アラインメントである。 ヒトCNGチャネルの配列アラインメントである。 哺乳類CNGチャネルの配列アラインメントである。 哺乳類CNGチャネルの配列アラインメントである。 1μMイソプロテレノールに対するHEK293H−CNG細胞の応答を表す図である。 1μMイソプロテレノールに対する非トランスフェクト親HEK293H細胞の応答を表す図である。 0(対照)、1nM、3nM、10nM、30nM、0.1μM、0.3μM及び1μMイソプロテレノールに対するHEK293H−CNG細胞の用量反応曲線である。 CNG活性化の測定に関する読み取り値のウェル間の整合性を表す図である。 0(対照)、0.3nM、1nM、3nM、10nM、30nM及び300nMイソプロテレノールに対して用量依存的に起こるHEK293H−CNG細胞によるカルシウム取り込みを表す図である。 (A)1μMイソプロテレノールの添加直前ならびに添加15秒後、30秒後及び45秒後に測定した、同じ生細胞の電位感受性蛍光を表す図である。(B)撮像した71個の細胞のバックグラウンド補正後の平均蛍光を表す図である。 野生型ヘテロマー(α+β)サブユニット、野生型ホモマー(α)サブユニットから構成されるCNGチャネルの感受性、又は1つ(Y565A)、2つ(C460R/E583M及びC460H/E583M)もしくは3つ(C460W/Y565A/E583M)の置換突然変異を含む突然変異型ホモマーCNGチャネルの感受性を表す図である。 CNGチャネルアッセイと通常のCREアッセイ及びELISAアッセイとの比較を表す図である。各アッセイ形式をフォルスコリン刺激に対する用量反応として表す。 種々のリガンドに対するGPCRの活性化に関するCNGチャネルアッセイの感度を表す図である。アゴニストPTHrP(ペプチド)、ヒスタミン(モノアミン)及び5−HT(モノアミン)に対するそれぞれ副甲状腺ホルモン受容体1(PTHR1)、ヒスタミン受容体H2(HRH2)及び5−ヒドロキシトリプタミン4受容体(5−HT4)の反応について、代表的な用量反応曲線を表す。 チラミン受容体の活性化を検出するための、膜電位色素を使ったCNGチャネルアッセイと、プロミスカスGタンパク質(Gα16)又はキメラGタンパク質(Gαqs)を使ったカルシウムアッセイとの用量反応比較を表す図である。 図17Bに示すアドレナリン様化合物のパネルに対するHEK293H−CNG細胞の反応を表す図である。 アドレナリン様化合物のパネルを示す。

Claims (16)

  1. Gタンパク質共役受容体(GPCRの活性を検出する方法であって、
    (a)細胞中で前記GPCRを外来核酸分子から発現させるステップと、
    (b)突然変異を含まないチャネルよりもcAMPに対する感受性が高る突然変異を少なくとも1つ含む突然変異型環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルを前記細胞中で発現させるステップと、
    (c)電位感受性色素を使用して前記チャネルの活性を測定するステップであって、前記チャネルの活性により前記GPCRの活性が示されるステップ
    を含む方法。
  2. 受容体のリガンドを同定する方法であって、
    (a)前記受容体及び少なくとも1つの環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルを発現する細胞を化合物と接触させるステップであって、前記受容体は前記細胞にとって内在性ではなく、前記CNGチャネルは、cAMPに対する感受性が増大するように操作され突然変異型CNGチャネルであるステップと、
    (b)電位感受性色素を使用して前記CNGチャネルの活性化を測定するステップであって、前記CNGチャネルの活性化により前記化合物が前記受容体のリガンドであることが示されるステップ
    を含む方法。
  3. Gタンパク質共役受容体(GPCR)が媒介する活性を調整する薬剤を同定する方法であって、
    (a)細胞を薬剤及び前記GPCRのリガンドと接触させるステップであって、前記細胞は、前記GPCR、cAMPに対する感受性が増大するように操作された突然変異型CNGチャネルである少なくとも一つの環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルとを発現するものであるステップ
    (b)電位感受性色素を使用して前記CNGチャネルの活性化を測定するステップ
    を含む方法。
  4. CNGチャネルが外来核酸から発現される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. CNGチャネルが前記細胞のゲノムから発現される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 電位感受性色素が、UVに基づくイメージングシステムによって検出することができる蛍光色素である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 測定に、単一細胞におけるCNGチャネル活性の活性化を決定することが含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 測定がマルチウェルマイクロプレートリーダーを使って行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法
  10. a)第1ポリヌクレオチドに作動可能に連結された第1プロモーターを含む第1核酸であって、前記ポリヌクレオチドが外来Gタンパク質共役受容体(GPCR)をコードする配列を含むものと、
    b)第2ポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む第2核酸であって、前記第2ポリヌクレオチドが、突然変異を含まないチャネルよりもcAMPに対する感受性が高くなる突然変異を少なくとも1つ含む突然変異型環状ヌクレオチド作動性(CNG)チャネルをコードする配列を含むもの
    を含む宿主細胞を含有する容器を含むキットであって、
    少なくとも1つの電位感受性色素を更に含むキット。
  11. 前記GPCRが前記宿主細胞では通常は発現していない、請求項10に記載のキット
  12. 前記宿主細胞が哺乳動物細胞である、請求項10又は11に記載のキット
  13. 前記宿主細胞が、BHK細胞、マウスL細胞、ジャーカット細胞、153DG44細胞、HEK細胞、CHO細胞、PC12細胞、ヒトTリンパ球細胞及びCos−7細胞からなる群より選択される、請求項12に記載のキット
  14. 環状ヌクレオチド作動性チャネルが突然変異型CNGチャネルであり、cAMPに対する当該チャネルの感受性を当該突然変異を含まないチャネルよりも高くする突然変異を少なくとも2つ含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載のキット
  15. 環状ヌクレオチド作動性チャネルが、配列番号:35及び7からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項10〜13のいずれか一項に記載のキット
  16. 環状ヌクレオチド作動性チャネルが、配列番号:46及び8からなる群より選択される配列を含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載のキット
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