JP2015125794A - 複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2015125794A
JP2015125794A JP2013267060A JP2013267060A JP2015125794A JP 2015125794 A JP2015125794 A JP 2015125794A JP 2013267060 A JP2013267060 A JP 2013267060A JP 2013267060 A JP2013267060 A JP 2013267060A JP 2015125794 A JP2015125794 A JP 2015125794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
particles
composite
phase
graphite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013267060A
Other languages
English (en)
Inventor
西村 健
Takeshi Nishimura
健 西村
打越 昭成
Akinari Uchikoshi
昭成 打越
英郎 西久保
Hideo Nishikubo
英郎 西久保
祐 小見川
Yu Omigawa
祐 小見川
中村 健一
Kenichi Nakamura
健一 中村
俊哉 樋上
Toshiya Higami
俊哉 樋上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2013267060A priority Critical patent/JP2015125794A/ja
Publication of JP2015125794A publication Critical patent/JP2015125794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】高容量でサイクル特性に優れる非水電解質二次電池用負極活物質を得る。【解決手段】複数のシリコンを含む粒子と、複数の鱗片状黒鉛を有する球形状の複合体粒子であり、前記複合体粒子の平均粒径が5〜50μmであり、前記シリコンを含む粒子の平均粒径が2〜5000nmであり、少なくとも一部の前記鱗片状黒鉛の長径が、前記複合体粒子の粒径の2倍以上であり、前記鱗片状黒鉛が前記複合体粒子内で折りたたまれていることを特徴とする複合体粒子を用いる。この複合体粒子の製造方法は、複数のシリコンを含む粒子と、複数の鱗片状黒鉛を、気流中で衝突させることにより、球状の複合体粒子を形成する工程を具備することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用の負極などに用いられる複合体粒子及びその製造方法などに関する。
これまで、天然黒鉛、人造黒鉛、無定形炭素、メソフェーズ炭素等の各種炭素系材料を負極活物質として用いた非水電解質二次電池が実用化されている。
一方、高容量化を目指し、リチウム化合物として理論容量の大きな金属や合金、特にシリコンおよびその合金を負極活物質として用いる非水電解質二次電池用の負極が開発されている。しかし、リチウムイオンを吸蔵したシリコンは、吸蔵前のシリコンに対して約4倍まで体積が膨張するため、シリコンを負極活物質として用いた負極は、充放電サイクル時に膨張と収縮を繰り返す。そのため、負極活物質の剥離などが発生し、従来の炭素系活物質からなる負極と比較して、寿命が極めて短いという問題があった。
また、シリコンと電解液が接触した状態でシリコンにリチウムイオンの充放電を行うと、リチウムイオンと電解液との副反応により、シリコンの表面にSEI(Solid Electrolyte lnterface、固体電解質界面)と呼ばれる被膜が生成する。SEIの発生は不可逆反応であり、充電時にSEIを生成したリチウムイオンは放電に参加できなくなってしまう。また、シリコンは膨張収縮が大きいため、充電時に生成した一部のSEIは、放電時に収縮したシリコンより剥離してしまう。従って、充電を行うたびにシリコンの表面にSEIが生成し、負極表面に大量のSEIが残留し、電解液が消費されて減少するため、内部抵抗増大の原因となるなどの問題があった。
充放電の繰り返しによるSEIの発生について、図16を用いて説明する。図16(a)は、充放電前のシリコンを含む粒子3である。図16(b)に示すように、電解液中にあるシリコンを含む粒子3に充電を行うと、シリコンを含む粒子3が膨張し、その表面には第1のSEI101が形成される。また、膨張時にシリコンを含む粒子3にクラック103が発生する。図16(c)に示すように、放電を行うと、シリコンを含む粒子3は収縮し、第1のSEI101はシリコンを含む粒子3の表面から剥離する。図16(d)に示すように、2回目の充電を行うと、シリコンを含む粒子3は、再度膨張し、その表面には、第2のSEI105が形成される。また、膨張時にシリコンを含む粒子3にクラック103とは別のクラック107が発生する。図16(e)に示すように、放電を行うと、シリコンを含む粒子3は収縮し、第2のSEI105はシリコンを含む粒子3の表面から剥離する。その結果、シリコンを含む粒子3の周辺には、剥離した第1のSEI101や第2のSEI105が残留し、負極の厚みが増加して内部抵抗が上昇する原因となる。また、電解液が副反応として消費されると電解液が過少になり、電池全体の内部抵抗が上昇するとともにドライアップとなり、電池寿命が短くなる。
そこで、シリコン粒子をそのまま負極活物質として使用せず、シリコンなどと黒鉛との複合粒子を負極活物質として用いることが検討されている(特許文献1を参照)。特許文献1では、シリコンなどの粒子を、鱗片状黒鉛とフェノール樹脂と混合し、スプレー噴霧により造粒し、鱗片状黒鉛のエッジ面が外表面を向いた、表面の粗い塊状の粒子を得た。その後、その粒子を、メカノフュージョンシステムによる加工を行い、外表面にベーサル面が配置された球状〜楕円体の複合体を得た。
特開2005−243508号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、一旦スプレー噴霧により造粒し、鱗片状黒鉛のエッジ面が外表面を向いた粒子に対して、メカノフュージョンシステムによる加工を行うことで、鱗片状黒鉛にせん断力を繰り返し負荷して、粒子を球状にしている。その際に、鱗片状黒鉛が破壊され、複合黒鉛粒子内の鱗片状黒鉛は短くなる。特許文献1の図1に示す通り、破壊された鱗片状黒鉛の隙間から、複合黒鉛粒子の内部に負極電解液が侵入してしまう恐れがあった。そのため、特許文献1では、負極電解液が複合黒鉛粒子に侵入させないように、鱗片状黒鉛に加えて、炭素質物を使用していた。また、この炭素質物は、鱗片状黒鉛同士を固定し、鱗片状黒鉛のエッジ面を覆う目的もある。本発明では、炭素質物は特に必要ではなく、鱗片状黒鉛だけで球状粒子を維持し、電解液の侵入を防ぐことができる。
また、特許文献1では、ラマン分光法によるDバンドとGバンドの比であるR値を低くするために、黒鉛としてR値の小さい鱗片状黒鉛を用いているため、鱗片状黒鉛の大きさと複合黒鉛粒子との大きさは特に規定されていない。特許文献1における各実施例では、複合黒鉛粒子の直径は、鱗片状黒鉛の粒子径よりも大きく、鱗片状黒鉛が複合黒鉛粒子の中で折りたたまれていることはない。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、高容量でサイクル特性に優れる非水電解質二次電池用負極活物質を得ることである。
前述した目的を達成するために、以下の発明を提供する。
(1)複数のシリコンを含む粒子と、複数の鱗片状黒鉛を有する球形状の複合体粒子であり、前記複合体粒子の平均粒径が5〜50μmであり、前記シリコンを含む粒子の平均粒径が2〜5000nmであり、少なくとも一部の前記鱗片状黒鉛の長径が、前記複合体粒子の粒径の2倍以上であり、前記鱗片状黒鉛が前記複合体粒子内で折りたたまれていることを特徴とする複合体粒子。
(2)前記複合体粒子中の前記鱗片状黒鉛の長径が50μm以上であり、厚みが10μm以下であり、長径/厚みの比率が5以上であることを特徴とする(1)に記載の複合体粒子。
(3)前記鱗片状黒鉛の平均粒径が20〜500μmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の複合体粒子。
(4)前記複合体粒子中に含まれる前記鱗片状黒鉛の割合が40wt%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の複合体粒子。
(5)前記鱗片状黒鉛が、前記複合体粒子内で層状に積層していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の複合体粒子。
(6)前記複合体粒子の表面が炭素で被覆されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の複合体粒子。
(7)前記シリコンを含む粒子が、シリコンに加えて、前記元素Dおよび前記元素Aから選ばれる少なくとも1種の元素とを含む粒子であり、前記元素DがCu、Fe、Co、Ni、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ba、ランタノイド元素(Pmを除く)、Hf、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、前記元素AはAl、Sn、Bi、Ge、Zn、Pb、からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、前記シリコンを含む粒子は、シリコンの単体または固溶体であるシリコン相に加えて、シリコンと前記元素Dを含む化合物であるシリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の複合体粒子。
(8)前記シリコン相と、前記シリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方が、界面を介して接合しており、前記シリコン相と、前記シリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方が、前記シリコンを含む粒子の外表面に露出しており、前記シリコン相は、界面以外が略球面状の表面を有することを特徴とする(7)に記載の複合体粒子。
(9)集電体上に活物質層を有する非水電解質二次電池用負極であって、前記活物質層は、(1)〜(8)のいずれかに記載の複合体粒子を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
(10)リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極と、(9)に記載の負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータとを有し、リチウムイオン伝導性を有する電解質中に、前記正極と前記負極と前記セパレータとを設けたことを特徴とする非水電解質二次電池。
(11)平均粒径が2〜5000nmの複数のシリコンを含む粒子と、平均粒径が20〜500μmの複数の鱗片状黒鉛を、気流中で衝突させることにより、平均粒径5〜50μmの球状の複合体粒子を形成する工程を具備することを特徴とする複合体粒子の製造方法。
(12)前記鱗片状黒鉛の長径が、前記複合体粒子の平均粒径の2倍以上であることを特徴とする(11)に記載の複合体粒子の製造方法。
(13)前記衝突が、気流速度10〜200m/sの気流中で行われることを特徴とする(11)に記載の複合体粒子の製造方法。
(14)前記複合体粒子を、更に炭素で被覆する工程を具備することを特徴とする(11)〜(13)のいずれか1項に記載の複合体粒子の製造方法。
本発明により、高容量でサイクル特性に優れる非水電解質二次電池用負極活物質を得ることができる。
本発明の実施形態に係る複合体粒子1の断面の模式図。 複合体粒子1の製造に使用するハイブリダイゼーションシステム21を示す図。 (a)、(b)本発明の実施形態に係るシリコンを含む粒子11と17の断面の模式図。 本発明の実施形態に係る熱プラズマ法による粒子製造装置31を示す図。 本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池用負極61の断面の模式図。 本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池71の断面の模式図。 熱プラズマ法により製造した実施例1に係るシリコンを含む粒子の透過型電子顕微鏡写真。 鋳造と粉砕により製造した実施例3に係るシリコンを含む粒子のエネルギー分散型X線元素分析。 (a)実施例1に係る鱗片状黒鉛の走査型電子顕微鏡写真、(b)(a)の拡大図、(c)実施例2に係る鱗片状黒鉛の走査型電子顕微鏡写真、(d)(c)の拡大図、(e)比較例4に係る鱗片状黒鉛の走査型電子顕微鏡写真。 (a)鱗片状黒鉛のみの比較例1に係る球状体の走査型電子顕微鏡写真、(b)(a)の拡大図。 (a)鱗片状黒鉛のみの比較例1に係る球状体の断面走査型電子顕微鏡写真、(b)(a)の拡大図、(c)別の観察箇所における比較例1に係る鱗片状黒鉛のみの球状体の断面走査型電子顕微鏡写真、(d)(c)の拡大図。 (a)比較例4に係る鱗片状黒鉛の走査型電子顕微鏡写真、(b)比較例4においてハイブリダイゼーション処理しても球状複合体ができなかった場合の走査型電子顕微鏡写真。 (a)実施例1に係る複合体粒子の走査型電子顕微鏡写真とその拡大図、(b)実施例2に係る複合体粒子の走査電子顕微鏡写真。 (a)実施例1に係る複合体粒子の断面の走査型電子顕微鏡写真、(b)(a)の拡大図。 (a)実施例1に係る複合体粒子の断面の走査型電子顕微鏡写真、(b)(a)の拡大図、(c)第2の観察箇所、(d)第3の観察箇所、(e)(d)の拡大図。 (a)〜(e)従来のシリコンを含む粒子3の周囲に形成されるSEIを説明する図。
(複合体粒子1)
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態に係る複合体粒子1について説明する。図1は、複合体粒子1の断面模式図である。複合体粒子1は、複数のシリコンを含む粒子3と、複数の鱗片状黒鉛5を有する球形状の粒子である。ここでの球形状とは、必ずしも真球の形状に限定されず、球状や楕円体状などの表面がおおむね球面で構成された形状を含むものとする。また、一部の鱗片状黒鉛5は、複合体粒子1の内部で折りたたまれており、一部の鱗片状黒鉛5は、他の鱗片状黒鉛と層状に積層している。鱗片状黒鉛5は、折り曲がり、互いに絡みあいながら、キャベツのようにベーサル面を外側に向けた略球形状の粒子を形成しており、鱗片状黒鉛5どうしの間にシリコンを含む粒子3が含まれている。
複合体粒子1の平均粒径は5〜50μm程度である。複合体粒子1が大きすぎると、複合体粒子1を含むスラリーを集電体に塗布した際になめらかな塗膜を得ることができない。一方、複合体粒子1が小さすぎると、複合体粒子1を得ることが難しくなる。
(シリコンを含む粒子3)
シリコンを含む粒子3は、シリコンを含む合金やシリコンと各種の遷移金属を加えた混合物を溶解し、インゴットを作製した後、圧縮、せん断、衝撃力を加える機械的手段で粉砕し、所望のサイズにふるいで分級して作製しても良い。また、シリコンを含む粒子3は、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法、単ロール法、双ロール法、液中紡糸法、熱プラズマ法等により作製し、適宜、粉砕・分級して作製しても良い。シリコンを含む粒子3は純シリコン粒子を使用してもよいし、他の元素を含むシリサイド相などの他の相を有する粒子であっても良い。
また、シリコンを含む粒子3の平均粒径は2〜5000nmであり、平均粒径は製法や組成に依存する。シリコンを含むインゴットから粉砕法により得られる粒子の平均粒径は100〜5000nmであり、アトマイズ法では1000〜5000nmであり、熱プラズマ法では2〜500nmの範囲が好適である。純シリコン粒子は1000nm以下のサイズが好ましく、50〜500nmがより好ましい。シリコンを含む粒子3が大きすぎると、充放電時の応力により、シリコンを含む粒子3にクラックが発生する確率が高くなる。また、シリコンを含む粒子3が小さすぎると、製造や保存などが困難となる。これらの平均粒径は、レーザー光照射による粒度分布計測や、粒子を電子顕微鏡などで観察し、画像処理することで求めることができる。
(鱗片状黒鉛5)
複合体粒子1に含まれる鱗片状黒鉛5の内、少なくとも一部の鱗片状黒鉛5の長径は、複合体粒子1の粒径の2倍以上である。そのため、鱗片状黒鉛5は複合体粒子1の表面を広く覆うことができ、電解液の侵入を防ぐことができる。また、複合体粒子1の内部で折りたたまれている鱗片状黒鉛5を通じて、複合体粒子1の内部までの導通経路を確保することができ、複合体粒子1の内部のシリコンを含む粒子3まで充放電反応に参加させることができる。
また、鱗片状黒鉛5は、長径が50μm以上であり、厚みが10μm以下であり、長径/厚みの比率が5以上であることが好ましい。鱗片状黒鉛5の長径や厚みについては、電子顕微鏡で観察することで得られる。複合体粒子1を形成する前の鱗片状黒鉛5の長径や厚みは電子顕微鏡で粒子を観察して得られる。また、複合体粒子1を形成した後の鱗片状黒鉛5の長径は、複合体粒子1の断面に露出している一枚の鱗片状黒鉛5の断面をたどることで評価することができる。露出している一枚の鱗片状黒鉛5の断面は、必ずしもその鱗片状黒鉛5の長径に沿った断面ではない場合が多いが、少なくとも鱗片状黒鉛5の長径はその断面での長さより長いことが明らかである。
鱗片状黒鉛5の平均粒径は20〜500μmであることが好ましい。この平均粒径は、走査型電子顕微鏡で複合体粒子1を形成する前の鱗片状黒鉛をベーサル面から観察することにより求めることができる。鱗片状黒鉛5の平均粒径は、動的光散乱法(例えば、大塚電子製DLS−8000)やレーザー回折法(例えば、日機装製マイクロトラックMT3000IIシリーズ)等により、ストークス径や流体動力学径、光散乱径などの物理的換算径を求めることが出来る。また、走査型電子顕微鏡で予め粒子形状を確認し、画像解析(例えば、旭化成エンジニアリング製「A像くん」(登録商標))で平均粒径を算出したり、鱗片状黒鉛の長径や厚みを求めたりすることが出来る。
さらに、複合体粒子1中の鱗片状黒鉛5の割合が、40重量%以上であることが好ましい。シリコンを含む粒子3を確実に覆うためである。
さらに、複合体粒子1の表面が、炭素で被覆されていることが好ましい。炭素で被覆することで、複合体粒子1の表面を形成する鱗片状黒鉛5の間の隙間を埋めることができ、被覆がない場合に比べてさらに複合体粒子1の内部にてシリコンを含む粒子3と電解液とが接触することを防ぐことができる。
(複合体粒子1の効果)
以上のような複合体粒子1は、球状に巻かれた鱗片状黒鉛5にシリコンを含む粒子3が内包されているため、複合体粒子1を非水電解質二次電池の負極活物質として使用した場合、シリコンを含む粒子3が電解液との直接接触することなく、シリコンを含む粒子3の表面での電解液とリチウムとの副反応を抑制することができる。
シリコンを含む粒子3の表面での電解液とリチウムとの副反応を抑制することができるため、充放電反応のクーロン効率が高い。すなわち、充電時に副反応に余分にリチウムイオンが使用されることがなく、充電反応に参加したリチウムイオンが、高効率で放電反応に参加できる。従って、充放電反応を繰り返しても、良好なサイクル特性を維持することができる。
また、複合体粒子1では、球状に巻かれた鱗片状黒鉛5にシリコンを含む粒子3が内包されているため、充電時にシリコンを含む粒子3が膨張することが抑制され、シリコンを含む粒子3が微粉化しにくい。そのため、充放電を繰り返しても放電容量が低下しにくく、高いサイクル特性を得ることができる。
また、シリコンを含む粒子3が微粉化したとしても、複合体粒子1内に内包されているため、鱗片状黒鉛5を通じて負極集電体との導通を維持する事ができるため、より多くの負極活物質が充放電反応に参加し続けることができ、複合体粒子1を使用した負極は高いサイクル特性を得ることができる。さらに、複合体粒子はシリコンとともに導電助剤が含まれるため、充放電に伴うシリコンの体積変化に対してスムーズに導電性が確保され、優れたレート特性を得ることが出来る。
(複合体粒子1の製造方法)
複合体粒子1は、複数のシリコンを含む粒子3と、複数の鱗片状黒鉛5とを気流中で衝突させることにより形成される。これらの粒子同士や、粒子と装置との衝突を繰り返すことで、鱗片状黒鉛5が、付着・凝集し、シリコンを含む粒子3を内部に包み込みながら球状化し、複合体粒子1が得られる。特には、高速の気流中で、シリコンを含む粒子3と鱗片状黒鉛5を衝突させる、高速気流中衝突法が好ましい。さらに、気流速度10〜200m/sの気流中で処理をすることが好ましい。気流速度が遅すぎると鱗片状黒鉛5の球状化が進行せず、気流速度が速すぎると鱗片状黒鉛5に過度のせん断力がかかり、鱗片状黒鉛5が複合体粒子1内で折りたたまれたり、複合体粒子1の表面を覆ったりすることが難しくなってしまう。
具体的には、図2に示すようなハイブリダイゼーションシステム21を使用して複合体粒子1を製造する。ハイブリダイゼーションシステム21は、ブレード25を有し、高速回転するローター23と、ローター23を保持する回転しないステーター27と、循環経路29を有し、ローター23の中心部から装置内に投入されたシリコンを含む粒子3と鱗片状黒鉛5の粉体が、ローター23やブレード25、粉体同士の衝突による衝撃、圧縮、せん断力を受け、気流とともに外周部へと移動し、循環経路29から再びローター23の中心部へと輸送される。この繰り返しにより、球状の複合体粒子1が得られる。また、複合体粒子1などの酸化を防止するため、ハイブリダイゼーションシステム21の内部はアルゴンガス雰囲気であることが好ましい。
高速気流中衝突法を用いることで、鱗片状黒鉛5に過度のせん断力がかかることがなく、鱗片状黒鉛5は破損せずに、エッジ面の露出を抑えながら、折りたたまれて球状になる。また、複合体粒子にC、Cu、Ni、Tiから選ばれる材料で、球状、連球状、多角形状、鱗片状、線状などの形状を有する、少なくとも1種以上の導電助剤を含んでも良い。
天然黒鉛および人造黒鉛の各種サイズの鱗片状黒鉛を、図2に示すようなハイブリダイゼーションシステムで球状化の程度を調べたところ、平均粒径や長径が大きいほど、また、厚みが薄いほど、球状化しやすい傾向があることが分かった。黒鉛の形状が球状に近いジャガイモ状や、周辺部に比べて中央部の厚みが厚い扁平形状の黒鉛では、球状化が確認されなかった。例えば、人造黒鉛のKS15(TIMCAL社 製、平均粒子径8μm、比表面積12m/g)およびKS6(TIMCAL社 製、平均粒子径3μm、比表面積20m/g)に代表される厚みのある楕円体状では球状化できなかったが、同じ人造黒鉛のSFG44(TIMCAL社、製平均粒子径23μm、比表面積5m/g)は球状化が確認された。球状化出来ない鱗片状黒鉛は、長径/厚みの比率が5以下であり、この場合、ハイブリダイゼーションシステムで処理した後の形状は、角が若干取れるのみであった。
(シリコンを含む粒子)
(シリコンを含む粒子の構成)
本発明の実施形態に係るシリコンを含む粒子3として使用可能なシリコンを含む粒子11と17について説明する。
図3(a)は、シリコンを含む粒子11を示す概略断面図である。シリコンを含む粒子11は、シリコンと元素Dを含む粒子であり、シリコン相13とシリサイド相15を有している。シリコン相13は、界面以外の表面が略球面状であり、シリサイド相15がシリコン相13に界面を介して接合していることが好ましい。シリコン相13とシリサイド相15との界面は平面あるいは曲面を示している。また、界面は階段状であってもよい。
シリコン相13は、シリコンの単体である。シリコン相13は、シリコンを主成分とする固溶体であってもよい。また、シリコン相13は、結晶質であっても非晶質であってもよい。シリコン相13はリチウムを吸蔵および脱離可能である。シリコン相13は一度リチウムを吸蔵して合金化した後、リチウムを脱離して脱合金化すると非晶質となる。
界面以外の表面が略球面状であるとは、球形や楕円体形に限られるものではなく、表面がおおむね滑らかな曲面で構成されていることを意味し、部分的には平坦な面があっても良い。
シリサイド相15は、シリコンと元素Dを含む化合物であり、結晶質である。元素DがCu、Fe、Co、Ni、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ba、ランタノイド元素(Pmを除く)、Hf、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。元素Dは、リチウムを吸蔵しにくい元素であり、シリコンとDSi(0.3<x≦3)である化合物を形成可能である。例えば、FeSiやCoSiはx=2であるが、RhSi(RhSi1.33)のようにx=1.33となる場合や、RuSi(RuSi1.5)のようにx=1.5となる場合、SrSi(SrSi1.67)のようにx=1.67となる場合、MnSi(MnSi1.75)やTcSi(TcSi1.75)のようにx=1.75となる場合、IrSiのようにx=3となる場合、さらにCuSi(CuSi0.33)のようにx=0.33となる場合などがある。
シリサイド相15は、リチウムをほとんど吸蔵しないか、吸蔵してもわずかである。例えば、CoはCoSiとして58mAh/g、FeはFeSiとして60mAh/g、NiはNiSiとして198mAh/g、CaはCaSiとして320mAh/g等の放電容量を有するが、容量が少ないために体積変化は無視できる程度である。
水系スラリーを作製して、シリコンを含む粒子を塗布する場合は、ランタノイド元素は、水系スラリーで水酸化物を形成しやすく、各相間の剥離を招くため、好ましくない。また、ランタノイド元素ともにシリコンを含む粒子は、形成時のプラズマ中でも、水素化されやすいという問題点がある。なお、シリコンを含む粒子形成時のプラズマ中において水分の混入を防いだり、有機溶媒系スラリーを作製したりすれば、ランタノイド元素とともにシリコンを含む粒子でも問題なく使用できる。ランタノイド元素とともにシリコンを含む粒子は、吸湿により水酸化物が生じやすいため、水分の影響を遮断して保管する必要がある。
また、シリコンと元素Dとの化合物であるシリサイド相15が、シリコン相13中に分散していてもよい。
また、シリサイド相15の界面以外の表面の形状は、図3に示すシリサイド相15のように、表面がおおむね滑らかな球面であってもよいし、多面体形状となってもよい。シリサイド相15は、シリコンと元素Dの化合物の結晶の安定性等の影響により、多面体形状となる場合がある。
また、シリコンを含む粒子11は、シリサイド相15を複数有してもよい。例えば、元素Dの割合が少なく、ガス状態や液体状態における元素D同士の衝突頻度が少なくなる場合や、シリコン相13およびシリサイド相15の融点の関係や濡れ性、さらに冷却速度の影響等により、シリサイド相15が、シリコン相13の表面に分散して接合する場合が挙げられる。
シリコン相13上に複数のシリサイド相15を有する場合、シリコン相13とシリサイド相15との界面の面積が広くなり、シリコン相13の膨張収縮をさらに抑えることができる。また、シリサイド相15は、シリコン相13よりも導電率が高いため、シリコン相13上に、複数の集電スポットを有することとなる。よって、シリコン相13上に複数のシリサイド相15を有する場合、シリコンを含む粒子は高い粉体導電率を有する負極材料となり、導電助剤を減らすことが可能となり、高容量の負極を形成することが出来る。さらに、ハイレート特性に優れる負極が得られる。
元素Dとして、元素Dを選ぶことのできる群より選ばれた2種以上の元素が含まれる場合、ある一つの元素Dとシリコンの化合物であるシリサイド相15に、別の他の元素Dが、固溶体または化合物として含有されることがある。つまり、シリコンを含む粒子中に、元素Dを選ぶことのできる群より選ばれた2種以上の元素が含まれる場合でも、一つの元素DがNi、他の元素DがFeの場合、FeはNiSi2に固溶体として存在することがある。
図3(b)は、シリコンを含む粒子17を示す概略断面図である。シリコンを含む粒子17は、シリコンと元素Aを含む粒子であり、シリコン相18と元素Aを含む相19を有している。シリコン相18は、界面以外の表面が略球面状であり、元素Aを含む相19がシリコン相18に界面を介して接合している。シリコン相18と元素Aを含む相19との界面は平面あるいは曲面を示している。また、界面は階段状であってもよい。さらに、元素Aを含む相19は、シリコン相18中に分散していてもよく、シリコンを含む粒子17は、元素Aを含む相19を複数有してもよい。
シリコン相18は、シリコン相13と同様である。元素AはAl、Sn、Bi、Ge、Zn、Pb、からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素である。元素Aは、シリコンと化合物を作りにくい元素であるため、シリコンと元素Aとを混合しても、化合物を作らず、主にシリコンからなるシリコン相18と、主に元素Aからなる元素Aを含む相19が得られる。また、元素Aはリチウムを吸蔵するが、シリコンとは吸蔵する際の電位が異なるため、シリコンがリチウムを吸蔵して膨張する際には、元素Aはリチウムをほとんど吸蔵せず、元素Aを含む相19は、シリコン相18の体積膨張による影響を抑えることがでる。そのため、シリコンを含む粒子17は、リチウムを吸蔵させても、体積膨張に伴う歪が緩和され、繰り返し充放電時の放電容量の低下が抑制される。
また、元素Aを含む相19はシリコン相18に比べて導電率が高いため、はいレート特性に優れる負極が得られる。
なお、一つのシリコンを含む粒子中に、シリコンと元素Dと元素Aを含み、シリコン相13とシリサイド相15と元素Aを含む相19を含んでもよい。シリサイド相15は、例えばFeAlSiのように、元素Dと元素Aを含むシリサイドであってもよい。元素Aを含む相19は、Alなどの金属単体の相でもよく、固溶体相であってもよい。
これらのシリコンを含む粒子の平均粒径は、2〜5000nmであり、平均粒径は製法や組成に依存する。シリコンを含むインゴットから粉砕法により得られる粒子の平均粒径は100〜5000nmであり、ガスアトマイズ法または水アトマイズ法では1000〜5000nmであり、熱プラズマ法では2〜500nmの範囲となるのが一般的である。シリコンを含む粒子の平均粒径が5000nm以下と小さいことで、充放電により微粉化しにくくなる。これは、シリコンを含む粒子の粒径が小さいことで、その粒子中に含まれるシリコン相の粒径が小さくなるためである。シリコンを含む粒子に含まれるシリコン相の粒径としては、好ましくは平均粒径が2〜500nmのサイズであり、より好ましくは50〜300nmである。さらに、合金中のシリコン相がシリサイド相に隣接していると、充放電に伴う微粉化がより抑制され、さらに好ましい。シリコンを含む粒子の平均粒径が2nm未満であると、酸化が進みやすく、製造と取り扱いが困難である。また、シリコン相の平均粒径が500nmより大きくなると、充放電に伴う膨張収縮により微粉化して、SEIの剥離と再形成が進行するのてしまうという課題がある。また、シリコンを含む粒子の平均粒径が5000nmより大きくなると、鱗片状黒鉛との複合体にした場合にサイズが過大になったり、鱗片状黒鉛による包み込みが不十分になったりして、安定した粒径の複合体の作製が困難となる。なお、シリコンを含む粒子は一次粒子でも、二次・三次凝集体、バインダーや導電助剤を含む造粒体、あるいは焼結体のような複合体であっても良い。
シリコンと元素Dの合計に対する元素Dの原子比率が0.01〜25%であることが好ましい。この原子比率が0.01〜25%であると、シリコンを含む粒子11を非水電解質二次電池の負極材料に用いた際に、サイクル特性と高容量を両立できる。一方、0.01%を下回ると、シリコンを含む粒子11のリチウム吸蔵時の体積膨張を抑制できず、25%を超えると、元素Dと化合するシリコンの量が多くなり、リチウムの吸蔵可能なシリコンのサイトが少なくなり、高容量であるメリットが失われてしまう。
特に、シリコン相が主として結晶質シリコンであり、シリサイド相が結晶質シリサイドであることが好ましい。また、リンまたはホウ素を添加することでシリコンの導電性を高めることができる。なお、リンの代わりに、インジウムやガリウムを用いることができ、ホウ素の代わりにヒ素を用いることも可能である。シリコン相のシリコンの導電性を高めることで、このようなシリコンを含む粒子を用いた負極は、内部抵抗が小さくなり、大電流を流すことが可能となり、良好なハイレート特性を有する。さらに、シリコン相がシリサイド相に接合、隣接、または取り囲まれていると、シリコンの電気抵抗率が1×10(Ωm)に対して、シリサイドの電気抵抗率(Ωm)は、例えば、α−FeSiで1.5×10−7、CoSiで2.0×10−5、NiSiで5.0×10−5、TiSiで1.6×10−5、WSiで7.0×10−5のように格段に低いため、シリサイドとともに存在するシリコンを含む粒子は電気伝導性に優れ、良好なハイレート特性を有する。
さらに、シリコン相のSiに酸素を添加することでLiと結合するSiサイトを抑制し、Li吸蔵に伴う体積膨張を抑制することで良好な寿命特性を得ることができる。なお、酸素の添加量yは、SiO[0≦y<0.9]の範囲が好ましい。yが0.9以上の条件では、Li吸蔵可能なSiサイトが減少し、容量低下を招く。
なお、シリコンを含む粒子は通常は凝集して存在しているので、シリコンを含む粒子の平均粒径は、ここでは一次粒子の平均粒径を指す。粒子の計測は、電子顕微鏡(SEM)の画像情報と動的光散乱光度計(DLS)の体積基準メディアン径を併用する。平均粒径は、SEM画像によりあらかじめ粒子形状を確認し、画像解析ソフトウェア(例えば、旭化成エンジニアリング製「A像くん」(登録商標))で粒径を求めたり、粒子を溶媒に分散してDLS(例えば、大塚電子製DLS−8000)により測定したりすることが可能である。微粒子が十分に分散しており、凝集していなければ、SEMとDLSでほぼ同じ測定結果が得られる。また、シリコンを含む粒子の形状が、アセチレンブラックのような高度に発達したストラクチャー形状である場合にも、ここでは一次粒径で平均粒径を定義し、SEM写真の画像解析で平均粒径を求めることができる。さらに、平均粒径はBET法等により比表面積を測定し、球形粒子と仮定して求めることもできる。この方法は、SEM観察やTEM観察により、あらかじめシリコンを含む粒子が多孔質でない、中実な粒子であることを確認して適用することが必要である。
なお、シリコンを含む粒子11の最表面に酸素が結合しても良い。空気中にシリコンを含む粒子11を取り出すと、空気中の酸素がシリコンを含む粒子11の表面のシリコンと反応するからである。つまり、シリコンを含む粒子11の最表面は、厚さ0.5〜15nmのアモルファス層を有してもよく、特に、シリコン相が主として結晶質シリコンの場合などは、酸化膜層を有していてもよい。アモルファス層で覆われることで、空気中で安定する上、スラリーの溶媒として水系を利用することができ、工業的利用価値が大きい。
(シリコンを含む粒子の効果)
シリコンを含む粒子11は、シリコン相13がリチウムを吸蔵して、体積膨張しても、シリサイド相15は、リチウムを吸蔵し難いため、シリサイド相15に接するシリコン相13の膨張は、シリサイド相15がない場合よりも抑えられる。つまり、シリコン相13がリチウムを吸蔵して体積膨張をしようとしても、シリサイド相15が膨張しにくいため、シリコン相13とシリサイド相15との界面は滑りにくく、シリサイド相15がくさびやピンのような効果を発揮し、膨張収縮による影響を抑えるため、シリコンを含む粒子全体の膨張を抑制する。そのため、シリサイド相15を有しない粒子に比べて、シリサイド相15を有するシリコンを含む粒子11は、リチウムを吸蔵する際に膨張しにくく、リチウム放出時には復元力が働いて元の形状に戻りやすくなる。そのため、本発明によれば、シリコンを含む粒子11は、リチウムを吸蔵させても、体積膨張に伴う歪が緩和され、繰返し充放電時の放電容量の低下が抑制される。
また、本発明によれば、シリサイド相15は元素Dを含むため導電性が高く、シリコンを含む粒子11全体としての導電率が向上する。そのため、シリコンを含む粒子11は、それぞれのシリコンを含む粒子11に微細な集電スポットを有することになり、導電助剤が少なくても導電性を有する負極材料となり、高容量の電極を形成することが可能となり、また、ハイレート特性に優れる負極が得られる。
(シリコンを含む粒子の製造方法)
シリコンを含む粒子のサイズは製造方法に依存する。平均粒径が500nm以下のシリコンを含む粒子は、気相合成法により合成される。特に、高周波コイルにより誘導的に気体を加熱し、原料粉末をプラズマ化し、1万K相当にまで加熱し、その後冷却することで、これらのシリコンを含む粒子を製造可能である。
すなわち、シリコンと元素Dを投入すると、元素Dはシリコンと化合物を形成する元素であるため、原料粉末をプラズマ化した後に冷却する際に、一部のシリコンは元素Dと化合物を形成し、残ったシリコンは単体または固溶体で析出する。そのため、シリコンの単体または固溶体のシリコン相に、シリコンと元素Dの化合物であるシリサイド相が界面を介して接合した、いわゆるダルマ形状のシリコンを含む粒子11を得ることができる。
また、シリコンと元素Aを投入すると、元素Aはシリコンと化合物を形成しない元素であるため、原料粉末をプラズマ化した後に冷却する際に、シリコンと元素Aはそれぞれ単体または固溶体で析出する。そのため、シリコンの単体または固溶体のシリコン相に、元素Aの単体または固溶体である元素Aを含む相が界面を介して接合した、いわゆるダルマ形状のシリコンを含む粒子17を得ることができる。
平均粒径が500nm以下のシリコンを含む粒子の製造に用いられる製造装置の一具体例として、図4に基づいて説明する。図4に示す粒子製造装置31において、反応チャンバー45の上部外壁には、プラズマ発生用の高周波コイル47が巻き付けてある。高周波コイル47には、高周波電源49より、数MHzの交流電圧が印加される。好ましい周波数は4MHzである。なお、高周波コイル47を巻きつける上部外壁は石英ガラスなどで構成された円筒形の2重管となっており、その隙間に冷却水を流してプラズマによる石英ガラスの溶融を防止している。
また、反応チャンバー45の上部には、原料粉末供給口35と共に、シースガス供給口39が設けてある。原料粉末フィーダーから供給される原料粉末37は、キャリアガス43(ヘリウム、アルゴンなどの希ガス)とともに原料粉末供給口35を通してプラズマ51中に供給される。また、シースガス41はシースガス供給口39を通して反応チャンバー45に供給される。シースガス41は、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガスなどである。なお、原料粉末供給口35は、必ずしも図6のようにプラズマ51の上部に設置する必要はなく、プラズマ51の横方向にノズルを設置することもできる。また、原料粉末供給口35を冷却水により水冷してもよい。なお、プラズマに供給するシリコンを含む粒子の原料の性状は、粉末だけに限られず、原料粉末のスラリーやガス状の原料を供給しても良い。
反応チャンバー45は、プラズマ反応部の圧力の保持や、製造された微粉末の分散を抑制する役割を果たす。反応チャンバー45も、プラズマによる損傷を防ぐため、水冷されている。また、反応チャンバー45の側部には、吸引管が接続してあり、その吸引管の途中には合成された微粉末を捕集するためのフィルター53が設置してある。反応チャンバー45からフィルター53を連結する吸引管も、冷却水により水冷されている。反応チャンバー45内の圧力は、フィルター53の下流側に設置されている真空ポンプ(VP)の吸引能力によって調整する。
シリコンを含む粒子の製造方法は、プラズマから気体、液体を経由して固体となりシリコンを含む粒子11を析出させるボトムアップの手法なので、液滴の段階で球形状となり、シリコンを含む粒子は球形状となる。
シリコンを含む粒子の前記プラズマ法以外の製造方法として、シリコン単体または、シリコンと元素Dを含む化合物よりなるインゴット、シリコンと元素Aを溶融混合したインゴットを粉砕して製造しても良い。シリコン単体または、シリコンを含む合金は粒子サイズに応じて、ロールミル、ジェットミル、ハンマーミル、振動ミル、ボールミル等を用いて所定のサイズに調整可能である。特に、エタノール等の溶剤を用いた湿式ビーズミルまたは遊星ボールミルを用いると、50〜200nmの平均粒径まで粉砕可能である。破砕法などの大きな粒子を小さくするトップダウンの手法では、粒子の形状はいびつでごつごつしたものとなり、シリコンを含む粒子11と17の球形状の形状とは大きく異なる。
(非水電解質二次電池用負極の構成)
図5に示すように、非水電解質二次電池用負極61は、集電体63の片面または両面に活物質層65を有する。活物質層65は、複合体粒子1と、結着剤67などを含むスラリーを塗布して形成される。
集電体63は、銅、ニッケル、ステンレスからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる箔である。それぞれを単独で用いてもよいし、それぞれの合金でもよい。厚さは4μm〜35μmが好ましく、さらに6μm〜18μmがより好ましい。
結着剤67は、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリアミドイミド、ポリアミド、スチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸からなる群より選ばれた1種以上である。
結着剤67は、溶媒に溶解した状態や、エマルションとして分散した状態でスラリーに添加される。スラリー塗布後に、結着剤が複合体粒子1を集電体63の上に結着する。
また、導電助剤を活物質層65中に加えてもよい。導電助剤を添加することで、負極の活物質層の導電性が良くなり、充放電が行いやすくなる。導電助剤は、炭素、銅、スズ、亜鉛、ニッケル、銀などからなる群より選ばれた少なくとも1種の導電性物質からなる粉末である。炭素、銅、スズ、亜鉛、ニッケル、銀の単体の粉末でもよいし、それぞれの合金の粉末でもよい。例えば、ファーネスブラックやアセチレンブラックなどの一般的なカーボンブラックを使用できる。
(非水電解質二次電池用負極の製造方法)
まず、ミキサーに、スラリー原料を投入し、混練してスラリーを形成する。スラリー原料は、本発明の実施形態に係る複合体粒子1、導電助剤、結着剤67、増粘剤、溶媒などである。
スラリー中の固形分において、複合体粒子25〜95重量%、導電助剤0〜70重量%、結着剤1〜30重量%、増粘剤0〜25重量%を含む。好ましくは、固形分で、複合体粒子50〜90質量%。導電助剤5〜30質量%、結着剤5〜25質量%の割合である。結着剤が少なすぎると接着性が低下して、造粒体および電極の形状を維持するのが困難である。また、結着剤が多すぎると導電性が下がってしまい充放電が難しくなる。
ミキサーは、スラリーの調製に用いられる一般的な混練機を用いることができ、ニーダー、撹拌機、分散機、混合機などと呼ばれるスラリーを調製可能な装置を用いてもよい。溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いることができる。
次に、例えば、コーターを用いて、集電体63の片面に、スラリーを塗布する。コーターは、スラリーを集電体に塗布可能な一般的な塗工装置を用いることができ、例えばロールコーターやドクターブレードによるコーター、コンマコーター、ダイコーターなどである。
調製したスラリーを集電体63に均一に塗布し、その後、50〜150℃程度で乾燥し、厚みを調整するため、ロールプレスを通す。そして、ポリイミドを結着剤67に使用する場合など、必要に応じて150℃〜350℃で焼成して、非水電解質二次電池用負極61を得る。必要に応じて、活物質層65を集電体63の両面に形成しても良い。
(非水電解質二次電池の作製)
非水電解質二次電池に用いる負極としては、本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池用負極61を用いる。
(非水電解質二次電池用正極の作製)
非水電解質二次電池用の正極として、正極活物質、導電助剤、結着剤および溶媒を混合して得られた正極活物質の組成物を、アルミ箔などの金属集電体上に直接塗布・乾燥し、正極を作製する。
前記正極活物質としては、一般的に使われるものであればいずれも使用可能であり、例えばLiCoO、LiMn、LiMnO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiFePOなどの化合物である。
導電助剤としては、例えばカーボンブラックを使用し、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、水溶性アクリル系バインダーを使用し、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水などを使用する。このとき、正極活物質、導電助剤、結着剤および溶媒の含量は、非水電解質二次電池で通常に使用するレベルである。
セパレータとしては、正極と負極の電子伝導を絶縁する機能を有し、非水電解質二次電池で通常的に使われるものであればいずれも使用可能である。例えば、微多孔性のポリオレフィンフィルム、多孔質のアラミド樹脂フィルム、多孔質のセラミックス、不織布などを使用できる。
非水電解質二次電池、Liポリマー電池などにおける電解液および電解質には、有機電解液(非水系電解液)、無機固体電解質、高分子固体電解質等が使用できる。
有機電解液の溶媒の具体例として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ―ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の非プロトン性溶媒、あるいはこれらの溶媒のうちの2種以上を混合した混合溶媒が挙げられる。
有機電解液の電解質には、LiPF、LiClO、LiBF、LiAlO、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、LiCSO、LiN(CFSO等のリチウム塩からなる電解質の1種または2種以上を混合させたものを用いることができる。
また、上記の有機電解液に代えて固体状のリチウムイオン伝導体を用いることができる。たとえばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン等からなるポリマーに前記リチウム塩を混合した固体高分子電解質や、高分子材料に電解液を含浸させゲル状に加工した高分子ゲル電解質を用いることができる。
さらに、リチウム窒化物、リチウムハロゲン化物、リチウム酸素酸塩、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiPO−LiSiO、LiSiS、LiPO−LiS−SiS、硫化リン化合物などの無機材料を無機固体電解質として用いてもよい。
(非水電解質二次電池の組立て)
前述したような正極と負極との間にセパレータを配置して、電池素子を形成する。このような電池素子を巻回、または積層して円筒形の電池ケースや角形の電池ケースに入れた後、電解液を注入して、非水電解質二次電池とする。
本発明の非水電解質二次電池の一例(断面図)を図6に示す。非水電解質二次電池71は、正極73、負極75を、セパレータ77を介して、セパレータ―正極―セパレータ―負極の順に積層配置し、正極73が内側になるように巻回して極板群を構成し、これを電池缶79内に挿入する。そして正極73は正極リード81を介して正極端子83に、負極75は負極リード85を介して電池缶79にそれぞれ接続し、非水電解質二次電池71内部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出し得るようにする。次いで、電池缶79内に電解質87を極板群を覆うように充填した後、電池缶79の上端(開口部)に、円形蓋板とその上部の正極端子83からなり、その内部に安全弁機構を内蔵した封口体89を、環状の絶縁ガスケットを介して取り付けて、本発明の非水電解質二次電池71を製造することができる。
(本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池の効果)
本発明の実施形態に係る複合体粒子1を負極材料として用いる非水電解質二次電池は、複合体粒子1中に含まれるシリコンを含む粒子3が、炭素よりも単位体積、および単位重量あたりの容量の高いシリコンを含むため、従来の非水電解質二次電池よりも容量が大きい。
また、本発明の実施形態に係る複合体粒子1は、シリコンを含む粒子3が鱗片状黒鉛5に内包されているため、シリコンと電解液とが直接接触せず、電解液とリチウムの副反応により、シリコンを含む粒子3の表面にSEIが形成されることを防ぐことができる。そのため、複合体粒子1を用いた負極はクーロン効率が高いため、本発明の実施形態に係る非水電解質二次電池は、長寿命である。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(シリコンを含む粒子の作製)
シリコン粉末と鉄粉末とをモル比でSi:Fe=23:2になるように混合し、乾燥させた混合粉末を原料粉末として、図4の装置を用い、反応チャンバー内に発生させたAr-H混合ガスのプラズマ中にキャリアガスで連続的に供給することにより、シリコンと鉄を含む粒子を作製した。
さらに詳細には、下記の通りの方法で製造した。反応チャンバー内を真空ポンプで排気した後、Arガスを導入して大気圧とした。この排気とArガス導入を3回繰り返して、反応容器内の残留空気を排気した。その後、反応容器内にAr−H混合ガスを13L/minの流量で導入し、高周波コイルに交流電圧をかけて、高周波電磁場(周波数4MHz)により高周波プラズマを発生させた。この時のプレート電力は、20kWとした。原料粉末を供給するキャリアガスは、1.0L/minの流速のArガスを用いた。反応終了後12時間以上徐酸化処理を施した後、得られた微粉末をフィルターで回収した。
(シリコンを含む粒子の構成の評価)
シリコンを含む粒子の結晶性に関して、CuKα線を使用したXRD解析を行った。実施例1に係るシリコンを含む粒子はSiとα−FeSiの2成分で構成されることが分かった。また、Feは全てシリサイドα−FeSiとして存在し、元素単体(価数0)としてのFeはほとんど存在しないことが分かった。
シリコンを含む粒子の粒子形状の観察を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて行った。図7は、実施例1に係るシリコンを含む粒子のTEM像である。粒径約20〜100nm程度の略球形状の粒子に、半球状の粒子が界面を介して接合したシリコンを含む粒子が観察された。同一粒子内で、色の比較的濃い箇所が、鉄を含む鉄シリサイドであり、色の比較的薄い箇所がシリコンである。
(複合体粒子の作製)
鱗片状黒鉛として、図9(a)に示すような、平均粒径52μmで、長径が150〜300μm、長径/厚みの比率が約15の鱗片状黒鉛(西村黒鉛株式会社、鱗状黒鉛10099M)を使用した。粒子の平均粒径は、レーザー回折法(日機装製マイクロトラックMT3000IIシリーズ)により、流体動力学径として求めた。また、鱗片状黒鉛の長径と厚みは、走査型電子顕微鏡で予め粒子形状を確認し、画像解析(旭化成エンジニアリング製「A像くん」(登録商標))で求めた。
鱗片状黒鉛と前述のシリコンを含む粒子を、50:50の重量比で、図2に示すようなハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0)に投入し、アルゴンガス雰囲気下でローターを高速回転させ、80m/sの高速気流中で3分間衝突させ、球状の複合体粒子を得た。
図13(a)は、鱗片状黒鉛と前述のシリコンを含む粒子をハイブリダイゼーションシステムで処理して得られた複合体粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。粒径15〜30μmの球状粒子が多数得られていることがわかった。SEMの画像解析により平均粒径は18μmであった。原料として使用した鱗片状黒鉛の平均長径は約150μmであることとから、平均長径は球状粒子の直径の2倍以上であることがわかる。
図14、図15は、シリコンを含む粒子と鱗片状黒鉛をハイブリダイゼーションシステムで処理して得られた複合体粒子をイオンミリングで加工して断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。多数の厚み10μm以下の鱗片状黒鉛が折りたたまれて球状粒子を形成しており、鱗片状黒鉛の隙間にはシリコンを含む粒子が多数内包されていることがわかる。また、断面に露出した鱗片状黒鉛の長さを測定したところ、複合体粒子の直径の2倍以上であった。
(非水電解質二次電池用負極の作製)
(i)負極スラリーの調製
複合体粒子64質量部とアセチレンブラック(平均粒径35nm、電気化学工業株式会社製、粉状品)16質量部の比率でミキサーに投入した。さらに結着剤としてスチレン・ブタジエン・ゴム(SBR、日本ゼオン株式会社製、BM400B)固形分換算で5質量部、増粘剤としてカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMC−Na、日本製紙ケミカル株式会社製)固形分換算で15質量部の割合で混合してスラリーを作製した。
(ii)負極の作製
調製したスラリーを自動塗工装置のドクターブレードを用いて、厚さ10μmの集電体用電解銅箔(古河電気工業(株)製、NC−WS)上に15μmの厚みで塗布し、100℃で乾燥させた後、プレスによる調厚工程を経た後、330℃で2時間の熱処理工程を経て、非水電解質二次電池用負極を製造した。
(サイクル特性の評価)
非水電解質二次電池用負極と、1.3mol/LのLiPFを含むエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの混合溶液にビニレンカーボネートを添加した電解液と、金属Li箔対極を用いてリチウムイオン二次電池を構成し、充放電特性を調べた。特性の評価は、充放電時の放電容量を充電容量で割ったクーロン効率を用いた。
まず、25℃環境下において、電流値を0.1C、電圧値を0.02V(vs.Li/Li)まで定電流定電圧条件で充電を行い、電流値が0.05Cに低下した時点で充電を停止した。次いで、電流値0.1Cの条件で、電圧が1.5V(vs.Li/Li)となるまで放電を行った。なお、1Cとは、1時間で満充電できる電流値である。また、充電と放電はともに25℃環境下において行った。次いで、0.1Cでの充放電速度で上記充放電を10サイクルまで繰り返した。
[実施例2]
実施例2では、鱗片状黒鉛として、平均粒径が23μm、形状の指標である長径/厚み比率が6であるものを使用した。その他の点は、すべて実施例1と同様の条件で複合粒子を作製し、評価を行った。
図9(c)に、実施例2で使用した平均粒径23μmの天然高純度鱗片状黒鉛(日本黒鉛商事株式会社)の走査型電子顕微鏡写真を示す。図13(b)に、実施例2で得られた複合体粒子のSEM写真を示す。
[実施例3]
実施例3では、シリコンを含む粒子として、シリコンを含む合金を鋳造・粉砕したものを用いた。その他の点は、すべて実施例1と同様の条件で複合粒子を作製し、評価を行った。
平均粒径15mmのフェロシリコン(JIS記号FSi2、Si:76.5wt%)をロールミルで1〜3mmの粒径に粉砕した後、ビーズ径5mmのビーズ(材質PSZ)を用いて乾式ビーズミル粉砕(アシザワ・ファインテック製、ドライスターSDA5−ZA)を行い、平均粒径2μmになるまで粉砕した。さらに、粉砕するため、エタノールを用いた湿式ビーズミル粉砕(アシザワ・ファインテック製、スターミルZRS2)をビーズ径0.1mm(材質PSZ)を用い、フェロシリコン:エタノールを1:9の比率で混合したスラリー8kgを作製して粉砕した。粉砕後のスラリーはスプレードライヤー装置(日本ビュッヒ株式会社製、B−290)を用いて噴霧乾燥を行い、一次粒子の平均粒径150nmのフェロシリコンを得た。そのため、シリコンを含む粒子中のシリコン相の平均粒径は150nm以下となっている。図8に、粉砕法により製造したシリコンを含む粒子のエネルギー分散型X線分析(EDX元素分析、Energy Dispersive X−ray spectroscopy、日本電子製、JEM 3100FEF)を行った結果を示す。シリコンを含む粒子は、SiとFeの2元素により構成されることが分かる。XRD測定を行った結果、結晶性のSiと結晶性のα−FeSi相より形成されることが分かった
[実施例4]
実施例4は、実施例3と同様のシリコンを含む粒子を用い、鱗片状黒鉛としては、分級で得られた平均粒径が180μmの天然鱗片状黒鉛を用いた。その他の点は、すべて実施例1と同様の条件で複合体粒子を作製し、評価を行った。
実施例1〜4は、いずれも鱗片状黒鉛がシリコンを含む粒子を球状に包みこみ、その内部は折れ曲がった黒鉛がさらにシリコンを含む粒子とともに折りたたまれて球状複合体が得られた。
[比較例1]
比較例1は、実施例1に用いた平均粒径52μmの鱗片状黒鉛のみを(シリコンを含む粒子を用いずに)ハイブリダイゼーションシステムで球状化処理した黒鉛と、実施例1で用いたシリコンを含む粒子を使用した。図10に、鱗片状黒鉛のみをハイブリダイゼーションシステムで球状化処理して得られた粒子を示す。また、図11に、断面走査型電子顕微鏡の写真を示す。ほぼ球形の内部には、機械的衝撃で折りたたまれた鱗片状黒鉛や、その破片が折り重なる様にパッキングされている状態が確認できる。
このようにして得られた球状化黒鉛粒子と、実施例1と同様のシリコンを含む粒子を用い、スラリー作製時に同じ重量比率で混合し、スラリー塗布型電極を作製し、実施例1と同様の条件で評価した。
[比較例2]
比較例2は、分級で得られた平均粒径が550μm、長径/厚み比率10の天然鱗片状黒鉛と、実施例1と同様のシリコンを含む粒子を用いて、ハイブリダイゼーション処理を行った。
[比較例3]
比較例3は、分級で得られた平均粒径が16μm、長径/厚み比率6の鱗片状黒鉛と、実施例1と同様のシリコンを含む粒子を用いて、ハイブリダイゼーション処理を行った。
[比較例4]
比較例4は、分級で得られた平均粒径が8μm、長径/厚み比率4の鱗片状黒鉛と、実施例1と同様のシリコンを含む粒子を用いて、ハイブリダイゼーション処理を行った。
[比較例5]
比較例5は、分級で得られた平均粒径が46μm、長径/厚み比率4の分厚い形状の鱗片状黒鉛と、実施例1と同様のシリコンを含む粒子を用いて、ハイブリダイゼーション処理を行った。
表1に、各種のシリコンを含む粒子と各種サイズおよび形状の黒鉛を用い、ハイブリダイゼーションシステムを使用して、球状複合化実験を行った結果をまとめた。また、実施例1と同じ条件で電極を作製し、充放電試験を行った結果を合わせて表1にまとめた。
実施例1は、初回放電容量は1120mAh/gであり、10サイクル後のクーロン効率(=放電容量/充電容量×100)は99%であり、30サイクル後容量維持率(初回放電容量に対する30サイクル後の放電容量の比率)は93%であった。
実施例2〜4も、それぞれ初回放電容量は950mAh/g以上の値であり、10サイクル後のクーロン効率は98.9%以上、30サイクル後の容量維持率は92.5%以上であった。
実施例1から4は、いずれも、高容量の負極活物質として満足できる性能を示した。
比較例1の充放電試験の結果は、初回放電容量は実施例1と同等であったが、10サイクル後のクーロン効率は96.8%と実施例1より約2%低く、30サイクル後の容量維持率は85%であり、実施例1より8%低くサイクル特性が大幅に低下した。
比較例2では、球状の複合粒子は得られたものの、鱗片状黒鉛が大きすぎたため、出来上がった複合粒子の粒径が150μmと過大となり、均一な厚みのスラリー塗布型電極が作製できず、充放電特性のデータは得られなかった。
比較例3では、鱗片状黒鉛のみの球状化粒子は作製できたが、シリコンを含む粒子との安定した球状複合体は得られず、球状複合体の充放電特性のデータは得られなかった。
比較例4では、鱗片状黒鉛のみの球状化粒子も、シリコンを含む粒子との球状複合体も得られなかったため、球状複合体の充放電特性のデータは得られなかった。図12(a)に、比較例4に係る鱗片状黒鉛の走査型電子顕微鏡写真を示し、図12(b)に、ハイブリダイゼーション処理しても球状複合体ができなかった場合の走査型電子顕微鏡写真を示す。図12(b)に示すように、パイブリダーゼーション処理を行ったが、黒鉛粒子が多少丸みを帯びただけで、球状複合体を形成しなかった。
比較例5では、鱗片状黒鉛の角が若干取れるのみであり、鱗片状黒鉛のみの球状化粒子も、シリコンを含む粒子との球状複合体も得られず、球状複合体の充放電特性のデータは得られなかった。
以上のように、シリコンを含む粒子を内包してスラリー塗布型電極を作製するためには、鱗片状黒鉛の平均粒径が20〜500μmの範囲が好ましく、形状は長径/厚みの比率が5以上の範囲が好適であることが分かった。鱗片状黒鉛の平均粒径が20μm以下では、シリコン粒子を内包した球状複合体の形成が不十分で安定した製造が出来なかった。また、鱗片状黒鉛の平均粒径が500μm以上では、生成する球状複合体のサイズが過大となり均一なスラリー塗布型電極を作製するのが困難となる。また、鱗片状黒鉛の長径と厚みの比率(長径/厚み比率)は5以上が好ましく、長径/厚み比率が5以下では平均粒径が20μm以上でも安定的な球状複合体が形成されないことが分かる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………複合体粒子
3………シリコンを含む粒子
5………鱗片状黒鉛
11………シリコンを含む粒子
13………シリコン相
15………シリサイド相
17………シリコンを含む粒子
18………シリコン相
19………元素Aを含む相
21………ハイブリダイゼーションシステム
23………ローター
25………ブレード
27………ステーター
29………循環経路
31………粒子製造装置
35………原料粉末供給口
37………原料粉末
39………シースガス供給口
41………シースガス
43………キャリアガス
45………反応チャンバー
47………高周波コイル
49………高周波電源
51………プラズマ
53………フィルター
61………非水電解質二次電池用負極
63………集電体
65………活物質層
67………結着材
71………非水電解質二次電池
73………正極
75………負極
77………セパレータ
79………電池缶
81………正極リード
83………正極端子
85………負極リード
87………電解質
89………封口体
101………第1のSEI
103………クラック
105………第2のSEI
107………クラック

Claims (14)

  1. 複数のシリコンを含む粒子と、複数の鱗片状黒鉛を有する球形状の複合体粒子であり、
    前記複合体粒子の平均粒径が5〜50μmであり、
    前記シリコンを含む粒子の平均粒径が2〜5000nmであり、
    少なくとも一部の前記鱗片状黒鉛の長径が、前記複合体粒子の粒径の2倍以上であり、
    前記鱗片状黒鉛が前記複合体粒子内で折りたたまれていることを特徴とする複合体粒子。
  2. 前記複合体粒子中の前記鱗片状黒鉛の長径が50μm以上であり、厚みが10μm以下であり、長径/厚みの比率が5以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合体粒子。
  3. 前記鱗片状黒鉛の平均粒径が20〜500μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の複合体粒子。
  4. 前記複合体粒子中に含まれる前記鱗片状黒鉛の割合が40wt%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体粒子。
  5. 前記鱗片状黒鉛が、前記複合体粒子内で層状に積層していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合体粒子。
  6. 前記複合体粒子の表面が炭素で被覆されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体粒子。
  7. 前記シリコンを含む粒子が、シリコンに加えて、前記元素Dおよび前記元素Aから選ばれる少なくとも1種の元素とを含む粒子であり、前記元素DがCu、Fe、Co、Ni、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ba、ランタノイド元素(Pmを除く)、Hf、Ta、W、Re、Os、Irからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、前記元素AはAl、Sn、Bi、Ge、Zn、Pb、からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、
    前記シリコンを含む粒子は、シリコンの単体または固溶体であるシリコン相に加えて、シリコンと前記元素Dを含む化合物であるシリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合体粒子。
  8. 前記シリコン相と、前記シリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方が、界面を介して接合しており、
    前記シリコン相と、前記シリサイド相または前記元素Aを含む相の少なくとも一方が、前記シリコンを含む粒子の外表面に露出しており、
    前記シリコン相は、界面以外が略球面状の表面を有することを特徴とする請求項7に記載の複合体粒子。
  9. 集電体上に活物質層を有する非水電解質二次電池用負極であって、
    前記活物質層は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合体粒子を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  10. リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極と、
    請求項9に記載の負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータとを有し、
    リチウムイオン伝導性を有する電解質中に、前記正極と前記負極と前記セパレータとを設けたことを特徴とする非水電解質二次電池。
  11. 平均粒径が2〜5000nmの複数のシリコンを含む粒子と、平均粒径が20〜500μmの複数の鱗片状黒鉛を、気流中で衝突させることにより、平均粒径5〜50μmの球状の複合体粒子を形成する工程を具備することを特徴とする複合体粒子の製造方法。
  12. 前記鱗片状黒鉛の長径が、前記複合体粒子の平均粒径の2倍以上であることを特徴とする請求項11に記載の複合体粒子の製造方法。
  13. 前記衝突が、気流速度10〜200m/sの気流中で行われることを特徴とする請求項11に記載の複合体粒子の製造方法。
  14. 前記複合体粒子を、更に炭素で被覆する工程を具備することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の複合体粒子の製造方法。
JP2013267060A 2013-12-25 2013-12-25 複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池 Pending JP2015125794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267060A JP2015125794A (ja) 2013-12-25 2013-12-25 複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267060A JP2015125794A (ja) 2013-12-25 2013-12-25 複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015125794A true JP2015125794A (ja) 2015-07-06

Family

ID=53536395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013267060A Pending JP2015125794A (ja) 2013-12-25 2013-12-25 複合体粒子及びその製造方法並びにそれを用いた負極及び非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015125794A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017195071A1 (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置用負極、蓄電装置、および電気機器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013193267A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチックフィルムとその製造方法
JP2015038852A (ja) * 2012-09-19 2015-02-26 三菱化学株式会社 非水系二次電池負極用複合黒鉛粒子、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013193267A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性プラスチックフィルムとその製造方法
JP2015038852A (ja) * 2012-09-19 2015-02-26 三菱化学株式会社 非水系二次電池負極用複合黒鉛粒子、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017195071A1 (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置用負極、蓄電装置、および電気機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6334195B2 (ja) リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法
JP5520538B2 (ja) ナノサイズ粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池
JP5147170B2 (ja) リチウム二次電池
JP5525003B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP2014103052A (ja) 非水電解質二次電池用負極及びそれを用いた非水電解質二次電池並びにその製造方法
JP5598836B2 (ja) ナノサイズ粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池
WO2013027686A1 (ja) リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法
JP2013253012A (ja) シリサイドを複合化したシリコン材料及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP5448555B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極、それを用いたリチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用の負極作製用のスラリー、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法
JP5484816B2 (ja) ナノサイズ粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池
JP6808988B2 (ja) リチウムイオン電池用負極活物質およびリチウムイオン電池
JP7375569B2 (ja) リチウムイオン電池用負極活物質
JP2006164952A (ja) 非水電解質二次電池用負極およびそれを含む非水電解質二次電池
JP2013235682A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池
TWI437746B (zh) 非水電解質二次電池
JP2014107132A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法
JP2013235685A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極、並びにそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2012102354A (ja) ナノサイズ粒子、ナノサイズ粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、ナノサイズ粒子の製造方法
JP2004127535A (ja) リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP5656570B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法
JP2012101958A (ja) ナノサイズ粒子、ナノサイズ粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、ナノサイズ粒子の製造方法
JP2013219018A (ja) リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法
JP2016189294A (ja) リチウムイオン2次電池用負極活物質およびその製造方法
JP2013235683A (ja) 非水電解質二次電池用負極及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP2014197497A (ja) 非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180130