JP2015125434A - 搬送装置およびモータ温度の予測方法 - Google Patents

搬送装置およびモータ温度の予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な不揮発性メモリを用いて、モータの温度を精度よく予測する。
【解決手段】モータの温度を予測するための情報としての温度係数が、モータの所定以上の温度上昇に対応する温度係数であるときに、その温度係数をEEPROM等の不揮発性メモリに書き込む。
【選択図】図8

Description

本発明は、モータを駆動源としてシートを搬送する搬送装置、搬送装置によって搬送されるシートに記録された画像を読み取る画像読取装置、搬送装置によって搬送されるシートに画像を記録する記録装置、およびモータ温度予測方法に関するものである。
特許文献1には、モータを駆動源としてシートを搬送する搬送装置において、そのモータの動作状態および所定時間内の累積回転数に関連する情報(温度係数)に基づいて、モータの温度を予測する方法が記載されている。その予測したモータの温度に基づいて、モータの制御モードが切換えられる。また、不意の停電等による搬送装置のハードパワーオフによって、モータの温度を予測するための情報の消失を回避するために、その情報は、一定時間毎(例えば、10秒毎)に不揮発性メモリに書き込まれる。
特開2013−155009号公報
特許文献1に記載の搬送装置においては、一定時間毎(例えば、10秒毎)に不揮発性メモリに情報を書き込むため、情報の書き込みに時間が掛かる不揮発性メモリを使用した場合、その書き込みの終了待ちによって制御にタイムロスが発生するおそれがある。また、モータを温度上昇が小さい低速モードで駆動中には、不揮発性メモリに対する情報の書き込み頻度が必要以上に高くなる。不揮発性メモリのうち安価なフラッシュメモリ(EEPROM)は書き込み回数に制限があるので、書き込み頻度が高くなるとメモリの寿命に達するまでの期間が短くなってしまう可能性がある。
一方、不意の停電等によって搬送装置がハードパワーオフされた後の再起動時に、不揮発性メモリに保存されている情報に基づいてモータの温度を精度よく予測するためには、不揮発性メモリへの情報の書き込み間隔を短くする必要がある。情報の書き込み間隔を短くした場合には、その書き込み間隔に対する書き込みの終了待ちの時間が占める割合が増加し、書き込みの終了待ちによる制御のタイムロスがより多くなるおそれがある。このようなロスタイムは、特に、不揮発性メモリとして、容量が大きく安価である反面、情報の書き込み単位が大きくかつ書き込み速度が遅いフラッシュメモリ(フラッシュEEPROM)を用いた場合に、顕著に現れる。例えば、フラッシュメモリには、1回当たりの情報の書き込みに、最大500ミリ秒から1秒程度かかるものがある。1回当たりの情報の書き込みに1秒かかるフラッシュメモリに、10秒間隔で情報を書き込んだ場合、書き込み間隔に対する書き込み終了の待ち時間が占める割合は10%となる。書き込み間隔を半減させた場合には、その書き込み間隔に対する書き込み終了の待ち時間が占める割合は20%に上昇し、制御のタイムロスが発生するおそれがある。
本発明の目的は、不揮発性メモリとして、情報の書き込みに時間が掛かり且つ書き込み回数に制限のあるフラッシュメモリ等の安価なものを用いることができて、モータ温度を精度よく予測可能な装置、およびモータ温度の予測方法を提供することにある。
本発明の搬送装置は、モータによってシートを搬送する搬送装置であって、前記モータの駆動条件から前記モータの温度を予測するための情報を取得する取得手段と、前記情報に基づいて前記モータの温度を予測する予測手段と、前記取得した情報を保存可能な不揮発性メモリと、前記取得した情報が、前記モータの所定以上の温度変化を示すものである場合に、当該情報を前記不揮発性メモリに保存する保存制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、モータの温度を予測するための情報がモータの所定以上の温度上昇に対応する情報であるときに、その情報を不揮発性メモリに保存する。この結果、その不揮発性メモリが情報の書き込みに時間が掛かるものであっても、制御のロスタイムの発生を抑制しつつ、モータの温度を精度よく予測することができる。加えて、不揮発性メモリへの書き込み頻度が少ないので、書き込み回数に制限のある安価な不揮発性メモリを使用することができ、装置コストを低減することができる。
本発明の第1の実施形態における画像読取機能付きの記録装置の外観斜視図である。 図1の記録装置における搬送部の断面図である。 図1の記録装置における搬送部の駆動機構の説明図である。 図1の記録装置の制御系のブロック図である。 駆動モータの駆動条件と温度との関係の説明図である。 駆動モータの駆動条件と温度との関係の説明図である。 温度係数と駆動モータの駆動量との関係の説明図である。 温度係数の更新処理を説明するためのフローチャートである。 ジョブの開始時におけるデーダ処理を説明するためのフローチャートである。 温度係数区間の通過時間の説明図である。 装置の起動時の制御を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための実施形態を例示的に説明する。なお、本発明の画像読取装置は、単体の装置として構成する他、複写機、プリンタ、ファクシミリ、および、これらの複合機等の画像形成装置の装置本体に、その画像形成装置の構成要素の一部として備えることも可能である。例えば、画像読取装置によって画像を読取り、その画像を画像形成装置の画像形成部によってシートに形成することができる。この場合、画像読取装置によって読取った画像を画像形成部によってシートに複写し、さらに、その画像データを、通信部を通して外部装置に送信することもできる。
(第1の実施形態)
本実施形態の画像読取装置は、原稿給送装置を備えた画像紙読取装置としての適用例である。
図1、図2、および図3において、原稿読取搬送部1は、原稿搬送路(Uターンパス)12が自動給紙圧板部40内に形成されている。このUターンパス12には、原稿Sの有無を検出するための原稿有無センサ16、原稿Sの先端部および後端部を検出するための原稿エッジセンサ17等が取り付けられている。
原稿読取搬送部1には、Uターンパス12の上流端側に接続するように原稿載置トレイ14が備えられており、Uターンパス12の下流端側には原稿排出トレイ18が備えられている。また、Uターンパス12の上流端側には、原稿載置トレイ14上に積載された原稿Sの最上位のものに当接して、原稿Sをピックアップするためのピックアップローラ3が設けられている。ピックアップローラ3によりピックアップされた原稿Sは、互いに圧接する分離ローラ5と分離パッド4によって、1枚ずつ分離される。Uターンパス12の中間位置には第1搬送ローラ7が備えられ、Uターンパス12の下流端側には、原稿Sを原稿排出トレイ18に排出するための第2搬送ローラ9が備えられている。読取ガラス22上に置かれた原稿Sは、ブック原稿読取部2によって読取られる。密着型イメージセンサ(以下「CIS」ともいう)30は、原稿読取搬送部1とガラス22を介して配置される。CIS30は、それに搭載された発光部(LED)から原稿Sの画像情報面に光を照射し、原稿Sの画像情報面から反射した反射光を自己集束型ロッドレンズアレイによってセンサ素子に結像して、原稿Sの画像情報を読取る。このCIS30は、図2中の左右方向(矢印A1,A2方向)に移動可能に構成されおり、ブック原稿読取(フラットベッドスキャン)の際には、矢印A1方向に移動しつつ、読取ガラス22上に載置された原稿Sを読取る。原稿読取搬送部1において原稿Sを読取る際には、CIS30は、シート原稿読取位置(読取白地板8の対向位置)で止まっており、読取位置に搬送されてくる原稿Sの表面の画像情報を、ADFガラス23を通して読取る。
駆動モータMはDCモータであり、そのモータ軸上に配設されたコードホイールフィルムM1には、スリットパターンが印刷されている。駆動モータMの近傍にはロータリーエンコーダM3が配設されており、そのロータリーエンコーダM3のエンコーダセンサM2がコードホイールフィルムM1のスリットパターンを読取ることによって、駆動モータMの回転量が検出される。エンコーダM3からのパルス信号に基づいて、パルス幅変調(PWM)制御によって駆動モータMの回転が制御される。エンコーダセンサM2がスリットパターンの1スリットを検出する毎に、原稿Sが読取位置において1/36000インチ搬送される。そのため、原稿Sの搬送方向における読取解像度(以下、「紙面解像度」ともいう)は、1スリット当たり1/36000インチとなる。
駆動モータMの駆動力は、ギア列M4によって、分離ローラ5、ピックアップローラ3、第1搬送ローラ7、および第2搬送ローラ9に伝達される。操作者が操作部E(図1参照)から読取開始を指示することにより、駆動モータMが回転し、分離ローラ5およびピックアップローラ3が回転すると共に、ピックアップアーム10が下降して原稿Sに押圧される。ピックアップローラ3の回転によって、原稿SがUターンパス12の内部へと送り込まれる。原稿読取搬送部1においては、分離ローラ5および分離パッド4によって原稿Sが1枚ずつに分離され、最上位の原稿Sは、Uターンパス12に沿って搬送され、さらに第1搬送ローラ7によって、CIS30による画像の読取部へ搬送される。分離ローラ5は、第1搬送ローラ7および第2搬送ローラ9より遅い周速で回転し、駆動モータMを連続的に回転させることにより、1枚目の原稿Sと2枚目の原稿Sとの間に所定量の間隔が形成される。
原稿読取搬送部1では、原稿エッジセンサ(DES)17により原稿Sの先端部が検知され、それが検知されてから原稿Sを所定量搬送した後、原稿Sを搬送しつつ、CIS30による原稿Sの表面の画像情報の読取りが開始される。そして、原稿エッジセンサ17によって原稿Sの後端部が検知されたときから、原稿Sが所定量搬送されたときに、CIS30による画像情報の読取りを終了する。後続の原稿Sがある場合には、駆動モータMを継続的に回転させて、その原稿を搬送して、その原稿Sの画像を読取る。原稿有無センサ16によって後続の原稿Sがないことを検知するまで、このような駆動モータMによる原稿Sの搬送と、画像の読取りが継続される。
図4は、このような画像紙読取装置を備えた記録装置の制御系300のブロック図である。
主制御基板301に備わる主制御IC302は、マイクロプロセッサユニット(MPU)306、読取画像処理部307、記録画像処理部308、および画像符号化部309などからなり、システムバス303を介して装置全体を制御する。ROM304には、MPU306を動作させるためのプログラムコード、初期値データ、テーブルデータなどが保存される。RAM305は、計算バッファおよび画像メモリ等に使用される。読取部310は、CIS30(図2参照)、読取画像補正部312、および読取系駆動部313等により構成される。読取部310は、読取系駆動部313を駆動することにより、前述したようにCIS30を移動させ、そのCIS30によって画像を光学的に順次読取って電気的な画像信号に変換する。この画像信号は、読取画像補正部312によってシェーディング補正等がなされ、さらに、読取画像処理部307により画像処理されて、高精細な画像データとして出力される。
記録部315には、記録ヘッド316を移動させる記録系駆動部318と、記録画像処理部308にて作成された画像データを記録ヘッド316に出力する記録信号出力部317と、を含む。記録部315は、記録系駆動部318を駆動して記録ヘッド316を所定の位置に移動させ、その記録ヘッド316に記録信号出力部317から画像データを出力することにより、記録媒体に画像を記録する。記録部315の記録方式は任意であり、例えば、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録方式であってもよい。
操作パネル320は、操作パネルインターフェイス部323を介して表示画像を表示部321に出力し、操作部322からの操作入力を受け付ける。音声出力部325は、音声データを信号に変換してスピーカ326からメッセージ音声を出力する。通信接続部327は、通信網328および電話機329と接続されて、音声や符号化データの入出力を行う。符号化データは、画像符号化部309によって画像に相互変換される。外部インターフェイス部331(例えば、USB規格など)は、パーソナルコンピュータなどの外部機器332に接続される。
フラッシュメモリ(EEPROM)からなる不揮発性メモリ333は、停電時等にワークデータや画像データが消失されないように、それらのデータを保存可能である。不揮発性メモリ333として用いるフラッシュメモリには、容量が大きく安価である反面、情報の書き込み単位が大きい、書き込み速度が遅い、寿命に達するまでの書き込み可能回数が少ない等、制約がある。これらの制約は、後述する本実施形態に特有の使い方により回避される。
無線LANモジュール334は、装置外のアクセスポイントを介して画像を入出力する。電源供給部340は、主制御基板301、読取部310、記録部315、操作パネル320などの動作中に必要な電力を供給する。
次に、このような画像紙読取装置を備えた記録装置の動作を、PCスキャン動作、コピー動作、ファクシミリ受信動作、記録動作、電源オフ処理のそれぞれに分けて説明する。
(PCスキャン動作)
読取部310のCIS30によって読取られた原稿Sの画像情報は、まず、読取画像補正部312によってシェーディング補正等の処理がなされてから、読取画像処理部307によって画像データとしてRAM305に展開される。その画像データは、画像符号化部309によって例えばJPEG形式に圧縮符号化され、その符号化されたデータは、外部インターフェイス部331を通して外部機器332に出力される。
(コピー動作)
読取部310のCIS30によって読取られた原稿Sの画像情報は、まず、読取画像補正部312によってシェーディング補正等の処理がなされてから、読取画像処理部307によって画像データとしてRAM305に展開される。その画像データは、画像符号化部309によって例えばJPEG形式に圧縮符号化されてから、一旦、蓄積される。その蓄積された画像データは、記録画像処理部308に順次送出されて、記録用画像に変換される。記録用画像は、記録信号出力部317を介して記録ヘッド316に出力されることにより、記録紙などの記録媒体に記録される。
(ファクシミリ送信動作)
読取部310のCIS30によって読取られた原稿Sの画像情報は、まず、読取画像補正部312によってシェーディング補正等の処理がなされてから、読取画像処理部307によって画像データとしてRAM305に展開される。その画像データは、画像符号化部309によって例えばMR(モデファイド・リード)形式に圧縮符号化されてから、一旦、蓄積される。その蓄積された画像データは、通信接続部327によってファクシミリ通信の手順信号の送受信を行ってから、送信が開始される。送信開始後も画像情報の読取を継続し、画像データを蓄積しながら送信を続行することができる。
(ファクシミリ受信動作)
通信網328からの着信があると、通信接続部327によってファクシミリ通信の手順信号の送受信を行ってから、画像データの受信を開始する。受信した画像データは、画像符号化部309で復調されてから、RAM305に展開される。その展開された画像データは、記録画像処理部308に順次送出されて、記録用画像に変換される。記録用画像は、記録信号出力部317を介して記録ヘッド316に出力されることにより、記録紙などの記録媒体に記録される。
(記録動作)
外部機器332から発信されて、外部インターフェイス部331にて受信したコマンドおよび受信パラメータは、MPU306によって解釈され、画像符号化部309によって画像データとしてRAM305に展開される。その展開された画像データは、記録画像処理部308に順次送出されて記録用画像に変換される。その記録用画像は、記録信号出力部317を介して記録ヘッド316に出力されることにより、記録紙などの記録媒体に記録される。
(電源オフ処理)
装置の起動中に操作者が操作部Eの電源ボタンを押すことにより、装置各部のシャットダウン処理がなされて、装置は省電力スタンバイ(ソフトパワーオフ)状態となる。ソフトパワーオフ状態に入る際、MPU306は不揮発性メモリ333に、電源正常オフフラグをオンにするように書き込む。また、ソフトパワーオフ状態において、操作者が操作部Eの電源ボタンを押したときには、電源正常オフフラグをオフにした後に、装置が操作者の通常操作を受け付ける状態(ソフトパワーオン状態)となるように、装置を起動する。ソフトパワーオフ状態においては、装置に電源電力が供給されているため、図示しない時計装置を稼働させ続けることにより、ソフトパワーオフ状態であった期間を算出することができる。本例の装置は、時計装置に電力を継続供給する電池を配設していない。そのため、装置への電源電力の供給が断たれた状態(ハードパワーオフ)では、ソフトパワーオフ状態であった期間を算出することはできない。しかし、不揮発性メモリ333からデータを読み込むことにより、電源電力の供給が断たれる前のフラグの設定状態を回復することができる。
電源電力の供給が断たれたハードパワーオフの後に、その電源電力が供給(ハードパワーオン)された際には、まず、初期起動プログラムを実行して、電源正常オフフラグがオンであるか否か判定する。それがオンの場合は、正規のシャットダウン制御が実施された状態と判断し、電源正常オフフラグをオフにした後に、ソフトパワーオフ状態に遷移する。一方、電源正常オフフラグがオフの場合は、異常な電源電力の供給断(停電)が発生したと判断し、操作者による操作部Eの電源ボタン操作を待たずにソフトパワーオン状態に自動復帰して、通常の操作を受け付ける状態とする。これにより装置は、ハードパワーオフの発生前がソフトパワーオフ状態あるいは通常操作状態いずれにあっても元の状態に復帰することができる。
(温度係数)
次に、図5から図7を用いて、駆動モータMの温度係数について説明する。
駆動モータMの温度係数は、駆動モータMの温度を予測する仮想的な係数である。その温度係数は、駆動モータMの長時間の停止によってモータケースの温度が室温になっているときのモータケース温度を0とし、それを基準とするモータケースの温度上昇(℃)に相当する数値である。
図5および図6は、駆動モータMとしてφ25mmのDCモータを使用して、実際に原稿Sを搬送したときの実験データである。以下、この実験データを用いて温度係数の詳細について説明する。その実験は、原稿Sの搬送速度を8ipm(8枚/分)と4ipm(4枚/分)として実施した。図5および図6においては、駆動モータMのケースを測定ポイントする「モータケース温度」と、駆動モータM付近のカバーの外壁を測定ポイントとする「外壁温度」と、について、装置の使用が予測される最大の環境温度である35℃からの温度上昇値を表す。
図5は、駆動モータMの動作時間に対する駆動モータMの周辺部分の温度上昇値を表す。原稿Sの搬送速度によって、モータケース温度および外壁温度の上昇度合いはいずれも異なる。駆動モータMの動作時間から温度上昇を予測するためには、原稿Sの搬送速度に対応する駆動モータMの駆動速度を考慮することが必要であるものの、多数の駆動速度に対応することは難しい。図5のグラフの下降曲線は、駆動モータMの停止後の温度下降を示し、その下降カーブは、原稿Sの搬送速度に依存していない。よって、駆動モータMの停止後の温度下降値については、その下降値が停止後の経過時間に依存するため、予測式を立てることができる。
図6は、A4サイズの原稿Sの搬送枚数と温度上昇値との関係を表す。駆動モータMの動作開始からの温度上昇の過程においては、原稿Sの搬送枚数が同じ、つまり駆動モータMの回転量が同じであれば、ほぼ同程度の温度上昇値となることが分かった。原稿Sの搬送速度の違いによる温度差は、最大で3℃程度であり、この温度差をマージンとして組み入れることによって、温度上昇値については、単位時間当たりの駆動モータMの回転量を用いて予測式を立てることができる。駆動モータMの動作時における温度係数を表す計算式は、図6中の曲線の近似式から、下式(1)とすることができる。
温度係数=「温度定数」×「現在の温度係数」+「速度定数」+「切片」 ・・・(1)
温度定数」: −0.00095
「速度定数」: 4.5×1.00E−07
「切片」: 0.03
また、駆動モータMの停止時の温度係数を表す計算式は、図5中の曲線の近似式から、下式(2)とすることができる。
温度係数=「A」×「現在の温度係数」+「B」×「現在の温度係数」 ・・・(2)
「A」: −0.000017
「B」: −0.0002
図7は、このような式によって算出される温度係数を、ロータリーエンコーダM3の出力パルス数で換算した値を表す。現在の温度係数Tに対して、1秒間における駆動モータMの回転量(ロータリーエンコーダM3の出力パルス数に換算)に関連したパラメータが加減算される。図7における温度係数は、その計算速度向上のために、1秒当たりの駆動モータの回転量(駆動距離)に応じて所定の範囲毎に分割されている。温度係数は、装置の使用が想定される環境室温(例えば35℃)からの昇温予測値を予測するために用いられ、装置が長時間停止している状態では0となる。図7のように、温度係数をロータリーエンコーダM3の出力パルス数で換算してテーブル化しておくことにより、実際の動作時に、上式のような浮動小数点乗算を実施する必要がなくなり、MPU306による計算負荷を軽減することができる。温度係数表の列数については、所望の計算精度に応じて増減させてもよく、計算負荷が問題にならない場合は、温度係数の更新の都度、計算式そのものを使用して計算してもよい。
(温度係数の更新方法)
次に、図8を用いて、装置の動作時における駆動モータの温度係数の更新方法について説明する。
図8は、駆動モータの温度係数の更新処理を説明するためのフローチャートである。
まず、現在の温度係数を取得して、それをRAM305上の所定の場所に保存する(ステップS21)。読取ジョブの開始後に初めて温度係数を更新する場合、ステップS21にて取得した温度係数は、ジョブ開始時の温度係数としてRAM305上の専用領域に記憶する(ステップS22,S23)。次に、駆動モータMの1秒間当たりの駆動距離を算出する(ステップS24)。その駆動距離は、1秒間毎に、エンコーダセンサM2によるスリットパターンのスリットの検出数をカウントした値(スリット/秒)に基づいて、算出することができる。
次に、ステップSS21にて取得した直近の温度係数に、駆動モータMの稼働状態から算出される差分パラメータを加算して、温度係数を更新する(ステップS25)。その更新した温度係数は、RAM305上における不揮発性メモリ333の書き込み準備領域、つまり揮発性メモリであるRAM305に登録する(ステップS26)。次に、現在の装置の動作モードが、後述する通常モードと昇温抑制モードのいずれであるかを判定する(ステップS27)。昇温モードの場合には、温度係数が閾値TL未満か否かを判定し(ステップS28)、温度閾値<TLのときには、昇温モードから通常モードへ遷移してから(ステップS29)、ステップS30に進む。
ステップS27において、装置が昇温モードでないと判定された場合(通常モードの場合)には、温度係数が閾値TH(TH>TL)を越えているか否かを判定する(ステップS34)。温度閾値>THのときには、通常モードから昇温モードへ遷移してから(ステップS35)、ステップS30に進み、一方、温度閾値≦THのときには、温度係数が閾値TC(TC<TL<TH)未満か否かを判定する(ステップS36)。温度係数<TCの場合にはステップS37に進み、ジョブ確認フラグおよびジョブ処理中フラグをオフとして、それらのジョブ確認フラグ(オフ)とジョブ処理中フラグ(オフ)をRAM305上における不揮発性メモリ333への書き込み準備領域に登録する。つまり、それらのジョブ確認フラグ(オフ)とジョブ処理中フラグ(オフ)は、揮発性メモリであるRAM305に登録される。温度係数がTC以上(温度係数≧TC)の場合にはステップS30に進む。
ステップS30では、先のステップS23にて取得した読取ジョブ開始時の温度係数から、現在の温度係数までの変化の値が、複数用意された所定の書き込み閾値TWの1つを上向きに越えたか否かを判定する。つまり、読取ジョブ開始時の温度係数が現在の温度係数まで上昇して、その上昇値が書き込み閾値TWの1つを越えたか否かを判定する。温度係数の上昇値が書き込み閾値TWの1つを越えた場合には、温度係数の上昇値が書き込み閾値TWを超えたことをトリガとしての温度係数の不揮発性メモリ333への書き込みが実施済みか否かを判定する(ステップS32)。それが未実施の場合には、ステップS33において温度係数を不揮発性メモリ333に書き込んでから、ステップS31に進み、一方、それが実施済みであればステップS31に進む。ステップS30において、温度係数の上昇値が書き込み閾値TWを上向きに超えていないと判定された場合には、ステップS31に進む。ステップS31では1秒待機し、その後、先のステップS21に戻る。
(通常モードおよび昇温抑制モード)
次に、駆動モータMの制御モードとしての通常モードおよび昇温抑制モードについて説明する。
通常モードにおいて、原稿Sの読取速度は、CIS30の動作限界速度、主制御IC302の処理速度、画像の読取色数、および読取解像度に応じて設定される搬送速度Vとする。駆動モータMは、ロータリーエンコーダからのパルス信号を用いてフィードバック制御されて、原稿Sを搬送速度Vで搬送する。通常モードでは、RAM305上の画像バッファの容量が所定量確保されている限り、連続的に原稿画像を読取る。その読取中に、画像バッファの容量の残りが原稿Sの1枚分よりも少なくなった場合には、次の原稿Sを読取らずに読取動作を一旦停止し、画像バッファ内の画像データの処理に伴って生じる画像バッファの容量の空きを待つ。
昇温モードは、画像の読取動作を停止させないように、駆動モータMの温度が上がらない状態を保ったまま、継続的に読取動作を実行するモードである。駆動モータMの連続回転時における温度上昇は、その回転量に依存する。そのため、単に読取速度を低下させた場合には、読取時間が長くなるだけであって、駆動モータMの温度上昇を抑制することはできない。また、先行の原稿Sと後続の原稿Sと間において読取動作を停止して、駆動モータMの温度の低下を図った場合には、その温度の低下を待ってから読取動作を再開するまでに長い時間が掛る。その場合には、画像データの送信間隔も長くなるため、ファクシミリ送信時などにおいては、受信側装置が通信障害発生と判定してタイムアウトエラーとなり、通信が切断されるおそれがある。
そこで本例においては、駆動モータMの昇温特性を利用し、昇温モードでは、解像度300dpi換算で原稿画像を540ライン読取る読取動作(最大速度V、加速、減速時間を含め約0.8秒の動作時間)と、読取動作の1秒間の停止と、を繰り返す。このサイクルで読取動作を実施して、読取データを送り続けることにより、受信側装置に定期的にデータを送ることができ、タイムアウトエラーの発生を抑制することができる。
このように本例においては、駆動モータMの予測温度に基づいて、駆動モータMの制御モード(通常モードおよび昇温抑制モード)を切換える。
(電源断の監視処理)
次に、図9を用いて、読取ジョブの実行中における電源断の監視処理について説明する。
読取ジョブが開始された後は、まず、ジョブ確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS41)。それがオンである場合には、ジョブ処理中フラグをオンにして、そのジョブ処理中フラグ(オン)を不揮発性メモリ333に書き込んでから(ステップS42)、ステップS43に進む。ジョブ確認フラグがオンでない場合にはS43に進み、読取ジョブの終了を待つ。読取ジョブの終了が確認された場合には、ジョブ処理中フラグをオフにし、そのジョブ処理中フラグ(オフ)と温度係数を不揮発性メモリ333に書き込む(ステップS44)。
このように、ジョブ処理中フラグは読取ジョブの実行中にのみオンとなるため、読取ジョブの実行中に停電が発生した場合には、ジョブ処理中フラグがオンのまま電源電力の供給が断たれることになる。その場合には、その後に装置が起動するときにもジョブ処理中フラグがオンのままであるため、そのフラグによって、読取ジョブの実行中に停電が発生したか否かを判定することができる。読取ジョブの実行中は、駆動モータMの駆動中を含む。
ステップS44においては、温度係数の上昇値が書き込み閾値TWを上向きに越えることをトリガにして、温度係数を不揮発性メモリ333に書き込みことにより、不揮発性メモリ333への書き込み回数を抑制することができる。特に、駆動モータMの動作時間に比べて温度上昇の少ない低速の読取モードにおいて、不揮発性メモリ333への書き込み回数を抑制することができる。1つの読取ジョブの実行中における温度係数の上昇値が閾値TWを超えない場合には、読取ジョブの実行中における不揮発性メモリ333への温度係数の書き込みが不要となる。温度係数は、それが低くなる程、駆動モータMの停止後に1℃相当の低下に要する時間が長くなるため、本例の場合は、閾値TCを2としている。本例において、温度係数が2から最低温度相当の1に低下するために必要な時間は約4600秒である。閾値TCを最低温度相当の1から2に1つ上げることにより、温度係数が最低温度相当に低下することを待たずに後続の処理を進めることができ、閾値TCを最低温度相当の1とした場合に比して、後続の処理を1時間以上早めることができる。
本例において、書き込み閾値TWは5℃の温度相当の刻みで設定され、温度係数の値が5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃・・・の温度相当ずつ増加する毎に、不揮発性メモリ333に対する温度係数の書き込みを実施する。つまり、温度係数が駆動モータMの所定以上(5℃以上)の温度変化(温度上昇)に対応する温度係数であるときに、不揮発性メモリ333に対する温度係数の書き込み(データ書き換え)を実施する。そのため、例えば、図10において駆動モータMの駆動速度が80000(スリット/秒)以下であって、かつ温度係数が10から15までの5℃相当分だけ最速で増加した場合、約78秒間は、不揮発性メモリ333への温度係数の書き込みは不要となる。この書き込み不要期間は、駆動モータMの駆動速度が低くなる程、長くなるため、温度係数を定期的に書き込み場合に比して、その書き込み頻度を大幅に下げることができる。このため、不揮発性メモリ333が書き込み回数に制限のあるフラッシュメモリであっても、メモリ寿命に達するまで十分な余裕がある。
書き込み閾値TWの設定間隔は、駆動モータMの動作速度と、温度上昇に要する時間と、に応じて設定することが好ましい。本例の装置は、A4サイズの原稿Sを最大10枚/分(1枚を約6秒)で読み取ることが可能である。駆動モータMを最大速度で駆動させた場合、書き込み閾値TWを5℃相当刻みで設定することにより、1つの読取ジョブ当たり、10枚程度の原稿Sの読み取り期間中は、不揮発性メモリ333への温度係数の書き込みが不要となる。そのため、10枚程度の原稿Sを読み取る読取ジョブは、不揮発性メモリ333に温度係数を書き込むことなく、その読取ジョブが終了する。業務用でない一般消費者向け装置では、1つの読取ジョブ当たりの原稿の読み取り枚数が10枚を超える場合は稀である。このような一般消費者向け装置では、多くの読取ジョブの実行中において、不揮発性メモリ333への温度係数の書き込みを回避することができる。本例の場合、書き込み閾値TWの設定間隔は、駆動モータMの駆動速度に拘らず一律に設定にしたが、駆動モータMの所定の駆動速度域毎に設定してもよい。
(起動時の制御)
次に、装置の起動時の制御について、図11を用いて説明する。ソフトパワーオンによって装置が起動されると、まずは、公知の起動シーケンスを実行して、ハードウェアに異常があるか否かを自己診断する(ステップS1)。次に、今回の装置の起動は、電源電圧が絶たれたハードパワーオフ後の最初の起動であるか否かを判定する(ステップS2)。今回の起動がハードパワーオフ後の最初の起動でないことは、今回の起動の前は、装置が電源に接続されている省電力モードに入っていたことを意味する。この場合には、図示しない内部タイマの経過時間に基づいて、RAM305に登録されている温度係数を更新して(ステップS3)、前述した図8の温度係数の更新処理を実行する(ステップS4)。
今回の起動がハードパワーオフ後の最初の起動であると判定された場合には、RAM305に保存されていた温度係数が失われているため、不揮発性メモリ333に保存されていた温度係数を読み出し、それを初期値として設定する(ステップS5)。その後、停電の復旧などにより電源電力の供給が再開したハードパワーオンから、今回のソフトパワーオンまでの経過時間を装置内部のタイマから取得し、その経過時間に基づいて、温度係数を更新してRAM305に保存する(ステップS6)。次に、今回のソフトパワーオンは、先のソフトパワーオン状態において生じたハードパワーオフからの自動復帰によるものであるか否かを判定する(ステップS7)。今回のソフトパワーオンがハードパワーオフからの自動復帰によるものでない場合には、不揮発性メモリ333に保存されていた温度係数に対して、後述する強制加算処理をする必要がない。そのため、この場合には、前述した図8の温度係数の更新処理(温度係数の保存制御)を実行する(ステップS4)。
一方、今回のソフトパワーオンがハードパワーオフからの自動復帰によるものでないと判定された場合には、ステップS7からステップS8に進み、ジョブ確認フラグがオンであるか否かを判定する。ジョブ確認フラグがオンであった場合は、読取ジョブの開始時に温度係数が不揮発性メモリ333に記憶されていて、その記憶している温度係数に対しては、後述する強制加算処理をする必要がない。つまり、駆動モータMの駆動開始時に、後述する強制加算処理をする必要がない。そのため、この場合には、ジョブ処理中フラグがオフであることを条件(ステップS13)として、前述した図8の温度係数の更新処理を実行する(ステップS4)。ジョブ確認フラグがオフであるときは、ステップS8からステップS9に進む。
ジョブ確認フラグがオフであった場合には、ハードパワーオフからハードパワーオンまでの間に、実際の温度係数が上昇して、その値が不揮発性メモリ333に記憶されている温度係数よりも高くなっている可能性がある。この場合には、不揮発性メモリ333に記憶されている温度係数に対して、停電等のハードパワーオフによって失われた可能性のある温度係数を強制的に加算(温度係数の強制加算処理)する(ステップS9)。本例では、書き込み閾値TWを5℃相当の刻みで設定している。そのため、不揮発性メモリ333に最後に記憶した温度係数に対して、最後に記憶してからハードパワーオフになるまでの期間に温度上昇する可能性がある最大誤差(本実施形態では+5℃)に相当の値を強制加算する。つまり、不揮発性メモリへの最後の情報書き込み以降、情報が欠落している間にもっとも大きく温度変動し得るワーストケースを見込んだ所定の温度係数の値を加えて、温度を予測する。
その後、このように強制加算された後の温度係数が図7の温度係数テーブルの範囲の最大値TMAX(本実施例では、46)を超えているか否かを判定する(ステップS10)。温度係数≦TMAXの場合にはステップS12に進み、温度係数>TMAXの場合には、その温度係数をTMAXしてから(ステップS11)、ステップS12に進む。温度係数がTMAXのときは、昇温モードに即座に移行(図8中のステップS35)するため、TMAXを越えた温度係数には強制加算の必要がない。ステップS12では、ジョブ確認フラグをオンとし、かつジョブ処理中フラグをオフとして、それらのジョブ確認フラグ(オン)とジョブ処理中フラグ(オフ)を揮発性メモリであるRAM305に登録する。不揮発性メモリ333に対しては、工場からの装置の出荷時に、温度係数の初期値(本例では、0)、ジョブ確認フラグの初期値(本例では、オフ)、ジョブ処理中フラグの初期値(本例では、オフ)が予め書き込まれている。
本実施形態においては、停電等によってハードパワーオフが発生した後に、読取ジョブが所定の時間以上に渡って発生しない場合は、温度係数が下限の閾値TCを下回り、図8のステップS37においてジョブ確認フラグが自動的に解除(オフ)される。したがって、停電等の直後に読取ジョブが発生しない場合には、読取ジョブの開始時に不揮発性メモリ333に温度係数を書き込むためのジョブ確認モードは実行されない。温度係数が下限の閾値TC未満の場合には、ジョブ確認フラグがオンのままであるため、読取ジョブの開始時に、不揮発性メモリ333に温度係数を書き込むためのジョブ確認モードが実行されない。したがって、閾値TCは、読取ジョブの開始時に、不揮発性メモリ333に温度係数を書き込むか否かを決める1つの条件を設定するものである。温度係数が駆動モータの所定の温度以上に対応する温度係数(閾値TC以上)のときに、読取ジョブの開始時に不揮発性メモリ333に温度係数が書き込まれることになる。
このように、図8のステップS37においてジョブ確認フラグを自動的に解除(オフ)することにより、読取ジョブの開始時、および読取ジョブの実行中における不揮発性メモリ333への温度係数の書き込み回数を低減することができる。この結果、その書き込み処理を頻繁に実施した場合に生じるおそれがある一連の読取動作の停止の可能性を低減して、読取動作を安定的に実行することができる。加えて、本実施形態は、不揮発性メモリへの書き込み頻度が少ないので安価なフラッシュメモリ(EEPROM)を採用することができる。
さらに、停電等でハードパワーオフになったときは、復帰時に、最後の情報書き込み以降に情報が欠落している間にもっとも大きく温度変動し得るワーストケースを見込んだ所定値を、最後に不揮発性メモリに記憶した値に加えて、モータ温度の予測を行う。停電の期間中に計時を継続するバッテリバックアップされた時計が不要であるので、安価なフラッシュメモリを採用したことと相まって、装置のコストダウンを実現することができる。
(第2の実施形態)
上述した実施形態においては、記録部315と制御と関連して、前述した実施形態における温度係数を更新する。
記録部315は、記録ジョブの実行中に停電等によってハードパワーダウンが生じた場合に、読取部310における読取ジョブの実行中と同様に、その後の記録動作の制御に必要な情報を不揮発性メモリ333に書き込む。例えば、記録部315が記録媒体の両面に画像を記録する両面記録ジョブの実行中は、記録媒体の表面の記録中であるか、あるいは、その裏面の記録中であるかを示す記録面フラグを不揮発性メモリ333に書き込む。例えば、その記録面フラグと、前述した記録部315の温度係数と、の書き込み領域(ブロック)をRAM305に設定し、それらのいずれかが書き込まれた場合に、それらの両方を不揮発性メモリ333に書き込むように構成する。
このように構成することにより、原稿Sを両面コピーする場合には,記録媒体に対する画像の記録面が変わって、記録部315の記録面フラグが書き換えられる毎に、温度係数が不揮発性メモリ333に書き込まれることなる。より具体的には、両面記録ジョブの開始後に記録面フラグが書き換えられることを条件として、図8のステップS33を実行することにより、記録面が変わる毎に温度係数を不揮発性メモリ333に書き込む。その場合には、不揮発性メモリ333に書き込んだ温度係数に対する温度係数の上昇値が書き込み閾値TWを上向きに越えることをトリガにして、温度係数を不揮発性メモリ333に書き込む。この結果、記録部315と制御と関連して、不揮発性メモリ333に対する温度係数の書き込み回数を低減することができる。
(他の実施形態)
本発明は、シートの搬送装置に備わるモータの温度を予測するだけではなく、種々の装置において、その装置に備わるモータの温度を予測することができる。つまり本発明は、電源電力の供給を受けて駆動されかつ駆動条件に応じて発熱の程度が異なるモータの駆動力によって、種々の動作を実行する種々の装置に対して広く適用することができる。そのモータの駆動条件としては、モータの駆動速度、駆動時間、および駆動量のうちの少なくとも1つを含むことができる。
また、モータの予測温度は、モータの制御モード切換えるためだけではなく、冷却装置の等、種々の装置の制御にも利用することができる。
305 RAM(揮発性メモリ)
310 読取部
315 記録部
316 記録ヘッド
333 不揮発性メモリ
S 原稿(シート)
M 駆動モータ

Claims (12)

  1. モータによってシートを搬送する搬送装置であって、
    前記モータの駆動条件から前記モータの温度を予測するための情報を取得する取得手段と、
    前記情報に基づいて前記モータの温度を予測する予測手段と、
    前記取得した情報を保存可能な不揮発性メモリと、
    前記取得した情報が、前記モータの所定以上の温度変化を示すものである場合に、当該情報を前記不揮発性メモリに保存する保存制御手段と、
    を備えることを特徴とする搬送装置。
  2. 装置の動作中に前記取得手段によって取得された前記情報を保存する揮発性メモリを備え、
    前記予測手段は、前記揮発性メモリもしくは前記不揮発性メモリに保存されている前記情報に基づいて前記モータの温度を予測するものであり、
    前記保存制御手段は、前記揮発性メモリに保存された前記情報を前記不揮発性メモリに保存することを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記予測手段は、前記揮発性メモリに保存された前記情報が消失したときに、前記不揮発性メモリに保存された前記情報に基づいて前記モータの温度を予測することを特徴とする、請求項2に記載の搬送装置。
  4. 前記予測手段は、前記揮発性メモリに保存された前記情報が消失したときに、前記モータが駆動中であったことを条件として、前記不揮発性メモリに保存された前記情報に基づいて前記モータの温度を予測することを特徴とする、請求項3に記載の搬送装置。
  5. 前記予測手段は、前記モータが駆動中に前記揮発性メモリに保存された前記情報が消失したときに、前記不揮発性メモリに最後に保存された前記情報に所定の値を加算して、前記モータの温度を予測することを特徴とする、請求項4に記載の搬送装置。
  6. 前記駆動条件は、前記モータの駆動速度、駆動時間、および駆動量のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の搬送装置。
  7. 装置の動作中、前記予測手段によって予測された前記モータの温度に基づいて、前記モータの制御モードを切換えるモード切換え手段を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
  8. 前記保存制御手段は、前記モータの駆動開始時に、前記情報を前記不揮発性メモリに保存することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の搬送装置。
  9. 前記不揮発性メモリはEEPROMであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の搬送装置と、
    前記搬送装置によって搬送されるシートに記録されている画像を読み取るための読取手段と、
    を備えることを特徴とする画像読取装置。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の搬送装置と、
    前記搬送装置によって搬送されるシートに画像を記録するための記録手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  12. モータの駆動条件に関する情報から前記モータの温度を予測する方法であって、
    取得した前記情報が前記モータの所定以上の温度変化を示すものである場合に、当該情報を不揮発性メモリに保存し、
    装置の電源を入れた際に、装置がハードパワーオフしたか否かを判定し、
    ハードパワーオフしたと判定された場合は、前記不揮発性メモリに最後に保存された情報に所定値を加えて、前記モータの温度を予測する
    ことを特徴とするモータ温度の予測方法。
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