JP2015125013A - 時系列流体速度計測システム - Google Patents

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Abstract

【課題】PIV(粒子画像流速計)において、流体の時系列速度取得の精度向上を図り得るシステムを提供する。【解決手段】時系列的流体速度計測システムは、1つの検査領域における局所流速ベクトルv(a,b,T)の時系列変化態様のうち、基準時刻Tの対象局所流速ベクトルv(a,b,T)と基準時刻前及び基準時刻後T?の少なくとも一方の指標局所流速ベクトルv(a,b,T?)との乖離度が閾値を超えた場合、当該対象前記局所流速ベクトルv(a,b,T)を前記指標局所流速ベクトルv(a,b,T?)によって修正することにより、流体の局所流速ベクトルv(a,b,T)の時系列変化態様を得る。【選択図】図12

Description

本発明は、時系列流体速度計測システムに関する。
流体速度計測法として、流体内に混入した微小な粒子にレーザ光などの光を照射し、それらの散乱光などの画像を取得し、微小時間異なる粒子画像から粒子あるいは粒子群の移動距離を求め二次元平面内の流体速度(流速)を計測する粒子画像流速計(以下、PIVとよぶ)が知られている。
また、PIVによる速度場には非常に大きな誤差を含んだベクトル(以下、過誤ベクトルとよぶ)が存在する。過誤ベクトルはレーザライトシートに垂直方向の速度成分、渦度成分によって粒子がレーザライトシートから流出したり、レーザライトシートに流入してきたりすることによって相関が取れなくなることにより発生する。そのため、その発生は避けることができず、非常に大きな誤差を含むことになる。
これらの問題を解決するため、時間的に連続する2枚の画像から取得された各局所流速ベクトル分布に対して各速度定義点における時系列速度をフーリエ変換し、周波数空間においてカットオフ・フィルタ、又は低域フィルタを施し、逆フーリエ変換することにより、流体の最終的な時系列速度を得る技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−20385号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、各速度定義点における時系列速度を一個の連続関数としてフーリエ変換等の処理を施しているため、誤差が大きい過誤ベクトル部分の誤差は小さくなるものの、誤差の小さい局所流速ベクトル部分の誤差はむしろ大きくなってしまうなど、流体の時系列速度取得の精度向上の観点から改良の余地があった。
そこで、本発明は、PIVにおいて、流体の時系列速度取得の精度向上を図り得るシステムを提供することを目的とする。
本発明の時系列流体速度計測システムは、
レーザライトシートを照射するレーザライトシート照射手段と、一又は複数の撮像素子を備える撮像装置と、前記撮像素子によって撮影された画像を解析する画像解析手段とを備える時系列流体速度計測システムであって、
前記画像解析手段は、前記レーザライトシート照射手段が測定対象の流体を連続的又は断続的に照射している間に前記撮像装置によって複数回にわたって撮影された前記流体の画像から、相互相関法により、各検査領域における前記流体の局所流速ベクトルの時系列変化態様を取得し、
1つの検査領域における前記局所流速ベクトルの時系列変化態様のうち、基準時刻の対象局所流速ベクトルと前記基準時刻前及び前記基準時刻後の少なくとも一方の指標局所流速ベクトルとの乖離度が閾値を超える場合、当該対象局所流速ベクトルを前記指標局所流速ベクトルによって修正することにより、前記流体の各検査領域における局所流速ベクトルの時系列変化態様を得るように構成されていることを特徴とする。
本発明の時系列流体速度計測システムによれば、局所的な時系列変化態様から乖離した対象局所流速ベクトルが修正される。この結果、局所的な時系列変化態様と乖離した、すなわち過誤ベクトルである蓋然性が高い局所流速ベクトルが修正されやすくなる一方、局所的な時系列変化態様と乖離していない、すなわち正確である蓋然性が高い局所流速ベクトルは修正されにくくなる。
従って、当該構成の時系列流体速度計測システムにより、流体の時系列速度取得の精度向上が図られる。
本発明の時系列流体速度計測システムにおいて、前記画像解析手段は、前記各検査領域それぞれの局所流速ベクトルを算出する前に、前記画像の所定の範囲から、当該所定の範囲から定まる輝度を減算するように構成されていることが好ましい。
当該構成の時系列流体速度計測システムによれば、当該所定の範囲に含まれる輝度情報から定まる輝度が減算されることにより、各粒子間の境界及び背景光と粒子による散乱光との差が明確となり、当該各粒子を含む領域の相互相関関係が精度良く取得される。この結果、流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
本発明の時系列流体速度計測システムにおいて、前記画像解析手段は、前記各検査領域それぞれの局所流速ベクトルを算出するに当り、画像から分割された複数の重なり合った領域においてファストフーリエ変換処理を行う場合に、重なり合った部分のファストフーリエ変換処理の結果を再利用するように構成されていることが好ましい。
当該構成の時系列流体速度計測システムによれば、各領域の重なった部分のファストフーリエ変換処理(FFT処理)の計算結果が再利用されることにより、計算量が大幅に削減される。この結果、複雑な処理の負荷が軽減されるため、より多くのデータが短時間で処理されうる。この結果、多くのデータ解析が必要な流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
本発明の時系列流体速度計測システムにおいて、前記閾値は、前記指標局所流速ベクトルに応じて定められる値であることが好ましい。
当該構成の時系列流体速度計測システムによれば、前記指標局所流速ベクトルに応じて閾値が定められることにより、あらかじめ閾値が定められている場合に比べ、対象局所流速ベクトルの乖離度が指標局所流速ベクトルの態様に鑑みて柔軟に判断される。この結果、流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
本発明の時系列流体速度計測システムにおいて、前記画像解析手段は、前記指標局所流速ベクトルのそれぞれに対し、他の指標局所流速ベクトルとの乖離度が前記閾値を超えているか否かを判定し、前記乖離度が前記閾値を超えている指標局所流速ベクトルが指標局所流速ベクトル全体に対して所定割合以上存在する場合、前記乖離度が前記閾値を超えている指標局所流速ベクトルが指標局所流速ベクトル全体に対して所定割合以下になるまで、指標局所流速ベクトルの数を増やすように構成されていることが好ましい。
一の指標局所流速ベクトルと他の指標局所流速ベクトルとの前記乖離度が前記閾値を超えている場合、当該一の指標局所流速ベクトルは、過誤ベクトルである蓋然性が高い。
この点に着目して構成された当該構成の時系列流体速度計測システムによれば、過誤ベクトルである蓋然性が高い指標局所流速ベクトルが所定割合以上存在する場合、当該指標局所流速ベクトルが所定割合以下になるまで指標局所流速ベクトルの数が増加される。これにより、正確である蓋然性が高い指標局所流速ベクトルの割合が増加するので、真値に近づける観点から対象局所流速ベクトルがより適切に修正され、流体の時系列速度取得の精度向上が図られる。
システム全体の概略を示す図。 カメラの露光期間とレーザ照射のタイミングとの関係を示す図。 流体の時系列的な速度を取得するためのフローチャート。 粒子の像径と相互相関の誤差との関係を示す図。 粒子画像補正処理を説明する図。 (a)は粒子画像補正処理が行われなかった場合の局所流速ベクトルの取得可能範囲を示す図、(b)は粒子画像補正処理が行われた場合の局所流速ベクトルの取得可能範囲を示す図、。 第1の画像における各検査領域の説明図。(a)は左上隅角の第1検査領域についての説明図、(b)はx軸方向へ1つずれた第1検査領域についての説明図、(c)はy軸方向へ1つずれた第1検査領域についての説明図、(d)は一般的な第1検査領域についての説明図。 第1の画像及び第2の画像における各検査領域の説明図。(a)は第2検査領域の説明図、(b)は相関関数算出の説明図、(c)は局所流速ベクトル算出の説明図。 各検査領域における輝度分布の説明及び、当該輝度分布に対するFFT処理の説明図。 各検査領域における輝度分布に対するFFT処理を省略できる部分の説明図。 時系列的誤差修正処理のフローチャート。 (a)は時系列的誤差修正処理における各流速ベクトルの修正内容の説明図、(b)は時系列的誤差修正処理における窓長の変更についての説明図。 時系列的誤差修正処理における窓設定についての説明図。 (a)は、オリジナルデータ及び時系列的誤差修正処理前の流体の局所流速ベクトルの時系列的変化態様を示す図、(b)は、オリジナルデータ及び従来の時系列的誤差修正処理後の流体の局所流速ベクトルの時系列的変化態様を示す図、(c)は、オリジナルデータ及び本実施形態の時系列的誤差修正処理後の流体の局所流速ベクトルの時系列的変化態様を示す図。
(時系列流体速度計測システムの構成)
以下に本発明に係る平面及び空間の時系列流体速度計測システムを、図面を参照して説明する。図1は、本発明の平面及び空間の時系列流体速度計測システムの実施例の概略を示したものである。
本実施形態の時系列流体速度計測システムは、例えば、車両等の移動体の設計開発におけるシミュレーションの検証のため、移動中における当該移動体の周辺の流体の移動態様の計測を行う場合に使用され得る。
時系列流体速度計測システムは、テストセクション50内を流れる被測定流体の移動態様を計測するためのシステムである。このため、時系列流体速度計測システムは、テストセクション50内を流れる被測定流体を照射するためのレーザライトシート照射手段10と、被測定流体に含まれるトレーサ粒子を撮像する撮像装置20と、撮像装置20によって撮像されたトレーサ粒子の粒子画像を解析することにより、被測定流体の移動態様を推定する画像解析手段30と、レーザライトシート照射手段10、撮像装置20及び画像解析手段30のそれぞれの動作を制御する制御装置40とを備える。
レーザライトシート照射手段10は、レーザ光源11と、レーザライトシート生成光学系12とを備える。
レーザ光源11から発振したレーザ光は、レーザライトシート生成光学系12によりシート状の光に変換されテストセクション50内を流れる被測定流体に照射される。レーザライトシート生成光学系12は、第1〜第2円筒面レンズ12a〜12b及びアウトプットウィンドウ12cから構成される。
撮像装置20は、撮像装置20によって撮像される面(撮像面)がテストセクション50へ照射されたレーザライトシート照射面と平行になるように配置される。
テストセクション50に照射されたレーザ光の散乱光の画像が撮像装置20により断続的に撮影される。画像解析手段30は、撮像装置20により撮影された画像データを受信し、当該画像に対し、フーリエ変換、相互相関法、及びフィルタリングなどの演算処理を行う。なお、画像解析手段30は、制御装置40のハードウェアが所定のプログラムを読み込むことにより構成され得る。
制御装置40は、レーザ光源11の種類に応じた種々の同期方法により、レーザライトシート照射手段10の照射タイミングと撮像装置20の撮像タイミングとを同期させる。制御装置40は、コンピュータにより構成されうる。制御装置40は、図2に示されるように、撮像装置20のカメラによる奇数枚目(2q+1枚目、2q+3枚目、qは整数)の露光期間の後半と偶数枚目(2q+2枚目、2q+4枚目)の露光期間の前半のそれぞれにおいてレーザーを断続的に照射させる。当該断続期間は、撮像画像における対象物の標準的な移動量が所定ピクセル数(例えば5ピクセル)程度になるように調節される。
テストセクション50は、撮像装置20のレンズからレーザライトシート照射面までの距離が所定の距離Zとなるように透明なアクリルで製作された断面矩形状のパイプを備える。予めトレーサ粒子が混入された流体がパイプ内を流れている。前記トレーサ粒子によるレーザライトシートの散乱光が撮像装置20によって撮影されることにより、粒子画像が取得される。
本実施形態では、テストセクション50内に存在するトレーサ粒子又はその粒子群を「粒子群」といい、粒子画像における個々の粒子の像を「粒子像」といい、粒子画像における個々の粒子群の像を「粒子群像」といい、テストセクション50内における粒子群の位置を表す3次元の座標系(レーザライトシートが照射される平面を構成するX軸及びY軸並びに撮像装置20のレンズからの距離Z軸から成る座標系)を「実空間座標系」といい、粒子画像における粒子像等の位置を表す2次元の座標系(撮像の平面を構成するx軸及びy軸から成る座標系)を「画像座標系」という。
ここで、実空間座標系における座標(X,Y,Z)と画像座標系における座標(x,y)との関係は、撮像倍率Mを用いて次の数1〜3で表わされる。
また、撮影された画像の各ピクセルの位置を各ピクセルに1対1で対応したピクセル座標(i,j)で表わす。各ピクセルの大きさを基にi,jを上記x,yに変換し、その後数1〜数2で変換することにより、各ピクセル(i,j)に対応する実空間上の位置を求めることが出来る。また、各ピクセルの輝度をI(i,j)で表わす。
(時系列流体速度計測システムの機能概略)
図3を参照しながら、時系列流体速度計測システムの機能の概略を説明する。
時系列流体速度計測システムは、撮像装置20によって、テストセクション50に照射されたレーザ光の粒子群による散乱光の画像を所定の間隔で複数回撮影する(図3/STEP010)。ここで、所定の間隔とは、テストセクション50における各粒子群の移動態様を観察できる間隔をいう。
時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、撮影された全ての画像について、周辺の環境光の影響の除去処理(図3/STEP021)及び粒子画像補正処理(図3/STEP022)により、画像からノイズを除去する処理を行う(図3/STEP020)。
周辺の環境光の影響の除去処理(図3/STEP021)は、粒子を流す前にレーザー光を照射し、撮影しておいた画像を背景画像として各時刻の画像との差分をとる等の種々の公知の手法により周囲の環境光(例えば車体の反射光等)の影響を除去する処理である。
粒子画像補正処理(図3/STEP022)は、各粒子群像の像径を修正するため、撮像画像のうちの各所定の大きさの範囲から最小の輝度を減算する処理である。
図4のグラフは、乱数により人工的に作った粒子画像を用いてPIV処理をし、その結果と正解値とを比較した場合の、粒子像の大きさ及び検査領域間の相関値の誤差の関係を示したグラフである。
図4のグラフは、ピクセルを単位として粒子像径の大きさを横軸とし、検査領域間の相関値の誤差を縦軸として、後述する局所流速ベクトル取得処理(図3/STEP030)における検査窓の窓長WL(s)(WL(s1)<WL(s2)<WL(s3))ごとの3種類のグラフを示している。なお、一般に、局所流速ベクトル取得処理における検査窓の窓長は、窓長が大きいほど、検査領域間の相関値の誤差が小さくなる。
図4に示されるグラフからもわかるように、窓長WL(s)がどのような大きさでも、粒子像の像径がおおよそAピクセル(2画像による相互相関法に対しては、2ピクセル強)であるときに検査領域間の相関値の誤差が最小となる。この原因は、粒子像の像径が大きすぎると、一の粒子像のすそ野と他の粒子像のすそ野とが重なり合って、粒子像とすそ野との区別がつきにくくなるためと推察される。
粒子画像補正処理(図3/STEP022)では、時系列流体速度計測システムは、図5に示されるように、各(A+1)×(A+1)ピクセル(例えば3×3ピクセル)の大きさの範囲に含まれる各ピクセルの輝度I(i,j)から、当該(A+1)×(A+1)ピクセルにおける最小の輝度Imin(i,j)を減算する処理を行う。この結果、粒子像のすそ野の部分の明るさがゼロ輝度値(輝度基準値)とされるので、図5に示されるように、破線で示される当初の粒子像の大きさを、実線で示される粒子像の大きさ(A×Aピクセル程度)に補正することができる。この結果、検査領域間の相関値の誤差を最小とすることが出来、局所流速ベクトルの取得が向上する。
より具体的には、粒子画像補正処理が行われないと、図6(a)に示されるように、各粒子の輪郭がぼやけてしまうため、後述する局所流速ベクトル取得処理(図3/STEP030)において局所流速ベクトルが取得される範囲が比較的狭い。これに対し、粒子画像補正処理が行われることにより、撮像された各粒子像の輪郭が明確になる。このため、図6(b)に示されるように、局所流速ベクトル取得処理(図3/STEP030)において局所流速ベクトルを取得できる範囲が粒子画像補正処理を行わなれない場合と比較して広くなる。
なお、最小輝度の減算に代えて、当該(A+1)×(A+1)ピクセルの大きさに含まれる輝度情報から定まる輝度(例えば、平均以下の輝度)が減算されてもよい。
ノイズ除去処理(図3/STEP20)の後、時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、撮影された複数の画像から、第1時刻Tにおける第1の画像に含まれる第1検査領域と第2時刻T+ΔTにおける第2の画像に含まれる第2検査領域との相関関係に基づいて局所流速ベクトルv(a,b,T)を取得する処理を行う(図3/STEP030)。
時間ΔTは微小な時間であり、第1の画像と第2の画像とは、例えば時刻的に連続する二枚の画像である。
ここで、図7(a)に示されるように、第1の画像に含まれる各ピクセルの輝度を、Iと上付き数字1とそのピクセルのx軸方向のピクセル座標iとy軸方向のピクセル座標jとを用いて、I(i,j)と表す。また、図7(a)に示されるように、第2の画像に含まれる各ピクセルの輝度を、Iと上付き数字2とそのピクセルのピクセル座標(i,j)とを用いて、I(i,j)と表す。また、第1の画像及び第2の画像の画像種別を区別しないときは、単にI(i,j)と表す。
第1の画像は、複数の第1検査領域R(a,b)を含む。ここで、aは、第1の画像左上の隅角を占める検査領域を基準としてx軸方向へどれだけずれているかを示す指標値であり、bは、第1の画像左上の隅角を占める検査領域を基準としてy軸方向へどれだけずれているかを示す指標値である。いずれの第1検査領域R(a,b)も、図7(a)に太線で囲まれた範囲で示されるように、横(x軸方向)mピクセル、縦(y軸方向)nピクセルの長方形又は正方形である。
それぞれの第1検査領域R(a,b)は、その内部または境界上に一つの第1速度定義点p(a,b)を有する。それぞれの第1速度定義点p(a,b)は、対応する第1検査領域R(a,b)から見て相対的に同一の位置(例えば中心点)に存在している。当該第1速度定義点p(a,b)は、局所流速ベクトルv(a,b,T)を算出するときの基準点の一つとなる。
一の速度定義点と当該一の速度定義点に隣接する速度定義点とは、x軸方向(またはy軸方向)にd(またはd)ピクセルだけ離れている。
次に、各第1検査領域の輝度分布について図7(a)〜(d)を参照しながら説明する。第1の画像の左上の隅角を占める第1検査領域R(1,1)の輝度分布は、当該第1検査領域R(1,1)に含まれるピクセルの輝度を用いて、以下の数4で表現される。
当該第1検査領域は、当該第1検査領域に対応する一つの第1速度定義点p(1,1)を有する。
例えば、図7(b)に示されるように、第1速度定義点p(1,1)にx軸正方向で隣接する第1速度定義点p(2,1)は、第1速度定義点p(1,1)とx軸正方向にdピクセルだけ離れている。このため、第1速度定義点p(2,1)に対応する第1検査領域の輝度分布は、次の数5で表現される。
また、図7(c)に示されるように、第1速度定義点p(1,1)にy軸正方向で隣接する第1速度定義点p(1,2)は、第1速度定義点p(1,1)とy軸正方向にdピクセルだけ離れている。このため、第1速度定義点p(1,2)に対応する第1検査領域の輝度分布は、次の数6で表現される。
図7(d)に示されるように、第1速度定義点p(a,b)は、第1速度定義点p(1,1)とx軸正方向にd(a−1)ピクセル、y軸正方向にd(b−1)ピクセル離れている。このため、第1速度定義点p(a,b)に対応する第1検査領域の輝度分布は、次の数7で表現される。
第2の画像は、各第1検査領域R(a,b)のそれぞれに対し、複数の第2検査領域R(a,b,α,β)を含む。ここで、a及びbは、当該第1検査領域R(a,b)のa及びbと同一の指標値である。αは、図8(a)に示すように、対象の第1検査領域R(a,b)と第2検査領域R(a,b,α,β)とのx軸方向との距離(より正確には、第1速度定義点p(a,b)と、後述する第2速度定義点p(a,b,α,β)とのx軸方向の距離)をピクセル単位で表す指標値である。βは、図8(a)に示すように、対象の第1検査領域R(a,b)と第2検査領域R(a,b,α,β)とのy軸方向の距離(より正確には、第1速度定義点p(a,b)と、後述する第2速度定義点p(a,b,α,β)とのy軸方向の距離)をピクセル単位で表す指標値である。
なお、第1検査領域、第2検査領域の区別をつけないときは、Rと当該a,bと上付き数字の0とを用いて、検査領域R(a,b)と表す。
いずれの第2検査領域R(a,b,α,β)も、第1検査領域R(a,b)と同一の形状及び大きさ、すなわち、横(x軸方向)mピクセル、縦(y軸方向)nピクセルの長方形又は正方形である。
それぞれの第2検査領域R(a,b,α,β)は、その内部または境界上に一つの第2速度定義点p(a,b,α,β)を有する。それぞれの第2速度定義点p(a,b,α,β)は、対応する第2検査領域R(a,b)から見て相対的に同一の位置(例えば中心点)に存在している。第1検査領域R(a,b)と第1速度定義点p(a,b)との位置関係と、第2検査領域R(a,b,α,β)と第2速度定義点p(a,b,α,β)との位置関係は同一である。当該第2速度定義点p(a,b,α,β)は、局所流速ベクトルv(a,b,T)を算出するときの基準点の一つとなる。
第2検査領域p(a,b,α,β)は、図8(a)に太線で囲まれた範囲で示されるように、第2の画像内の横(x軸方向)mピクセル、縦(y軸方向)nピクセルの大きさの領域である。
第2検査領域R(a,b,α,β)の輝度分布は以下の数8で表現される。
STEP030の処理をより詳細に説明すると、時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、検査領域の大きさm,nを決定する(図3/STEP031)。
時系列流体速度計測システムは、処理開始時においては、m、nを大きくし(例えば、m=64、n=64)、幅広い範囲でSTEP032の相関処理を行う。一方、処理を進めた後には、時系列流体速度計測システムは、粒子のx方向の最大移動量x_max=max(|v(a,b,T)|)、y方向の最大移動量y_max=max(|v(a,b,T)|)を算出し、以下の数9及び数10を満たすm、nのうち、最小のm,nを設定する。換言すると、時系列流体速度計測システムは、粒子等の最大移動量を考慮して、移動後の粒子等が後述する探索領域SR(a,b)(数13参照)に含まれるとともに、SR(a,b)の大きさが最小となるように、m、nを設定する。
なお、x,y等の下付き文字は、以下の数11及び数12に示されるように、各成分ごとの値を表わす。
この結果、処理が進むほど、検査領域の大きさが粒子等の移動量に鑑みて最適な大きさになるので、不必要な計算が削減されうる。
時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、第1の画像の第1検査領域の輝度分布I(i+d(a−1),j+d(b−1))(ただし1≦i≦m、1≦j≦n)及び第2の画像の第2検査領域の輝度分布I(i+d(a−1)+α,j+d(b−1)+β)(ただし1≦i≦m、1≦j≦n)との相関関数C(α,β)を、−m/2<α<m/2、−n/2<β<n/2の範囲で第1の画像に含まれる全ての第1検査領域R(a,b)に対し算出する(図3/STEP032)。
より具体的には、時系列流体速度計測システムは、図8(b)に示されるように、ある第1検査領域R(a,b)と、当該第1検査領域R(a,b)に対応して定まる探索範囲SR(a,b)に含まれる各第2検査領域R(a,b,α,β)、R(a,b,α,β)、R(a,b,α,β)‥との相関値c(α,β),c(α,β),c(α,β)‥を出力とする相関関数C(α,β)を求める。
ここで、探索範囲SR(a,b)は、例えば、以下の数13で表わされる範囲である。
ここで、相関関数C(α、β)は、例えば、以下の数14で表わされる。
相関関数C(α,β)の算出に当たっては、第1検査領域R(a,b)と第2検査領域R(a,b,α,β)とに対し、それぞれ図9に示されるように、縦方向(y方向)、横方向(x方向)それぞれにFFT処理が行われる。そして、時系列流体速度計測システムは、FFT処理によって取得された第1検査領域R(a,b)の輝度分布特性と第2検査領域R(a,b,α,β)の輝度分布特性を比較する。これにより、相関関数C(α,β)が算出される。
なお、隣接する検査領域の一部が重複しているので、FFT処理に際し、重複している部分のFFT処理結果が再利用されることが好ましい。例えば、時系列流体速度計測システムは、図10(a)に示されるように、検査領域R(a,b)またはR(a,b)と隣接する検査領域R(a+1,b)またはR(a,b+1))のFFT処理において、検査領域R(a,b)またはR(a,b)のFFT処理結果を再利用する。図10(b)に示されるように、検査領域R(a,b)と検査領域R(a+1,b)とが重なっている部分については、検査領域R(a,b)のFFT処理結果と検査領域R(a+1,b)のFFT処理結果とが同一となる。また、図10(c)に示されるように、検査領域R(a,b)の処理結果のうちx方向のFFT処理結果の所定割合の部分も、検査領域R(a,b+1)において再利用され得る。このようなFFT処理結果の再利用により、FFT処理結果の再利用がなされない場合に比べ、ほぼ以下の数15であらわされる処理の演算量が削減され得る。
時系列流体速度計測システムは、以上のようにして求めた相関関数C(α、β)が最大値cmax(α、β)をとるようなα、βの組を求める。第1検査領域R(a,b)と相関関数C(α、β)が最大となる第2検査領域R(a,b,α、β)は、当該第1検査領域R(a,b)に含まれる粒子等像と同一又はほぼ同一の配置の粒子等像を含んでいると考えられる。
α=α、β=βである場合、図8(c)に移動ベクトルD(a,b)で示されるように、時刻Tにおいて第1検査領域R(a,b)に対応する実空間座標系上に存在していた粒子等が、時刻T+ΔTまでに第2検査領域R(a,b,α,α)に対応する実空間座標系上の位置まで移動したものと推察される。
このため、以下の数16により当該第1検査領域R(a,b)の時刻Tにおける局所流速ベクトルv(a,b,T)が求められる。
STEP032の処理が繰り返されることにより、各第1検査領域R(a,b)の時刻Tにおける局所流速ベクトルv(a,b,T)が取得される。
時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、時刻Tの第1検査領域R(a,b)における局所流速ベクトルv(a,b,T)に基づき、当該第1検査領域R(a,b)の周囲の第1検査領域R(a±,b±)の局所流速ベクトルv(a±,b±,T)に鑑みて、測定誤差と考えられる局所流速ベクトルv(a,b,T)を補正する処理を行う(図3/STEP040)。
より具体的には、時刻Tの第1検査領域R(a,b)における局所流速ベクトルv(a,b,T)の各成分v(a,b,T)xyが、周囲の第1検査領域R(a±,b±)の局所流速ベクトルv(a±,b±,T)の各成分v(a,b,T)xyから定まる条件(空間的誤差修正条件)を充足するか否かを判定する。空間的誤差修正条件としては、局所流速ベクトルv(a,b,T)の各成分v(a,b,T)xyが、周囲の第1検査領域R(a±,b±)の局所流速ベクトルv(a±,b±,T)の各成分v(a±,b±,T)xyの中央値又は平均値から定まる所定範囲(例えば分散を用いて定められる範囲)に含まれないことという条件が採用され得る。
局所流速ベクトルv(a,b,T)が空間的誤差修正条件を充足する場合、周囲の局所流速ベクトルの各成分v(a±,b±,T)xyにより、第1検査領域R(a±,b±)の局所流速ベクトルの各成分v(a,b,T)xyを置き換える。例えば、当該周囲の局所流速ベクトルの各成分v(a±,b±,T)xyの重み付け平均が補正後の第1検査領域R(a±,b±)の局所流速ベクトルの各成分v(a,b,T)xyとされる。
時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、全ての画像に対してSTEP030〜STEP040の処理を行ったか否か(又は第1時刻T及び第2時刻T+ΔTの次の時刻(第3時刻及び第4時刻)の画像があるか否か)を判定する(図3/STEP050)。当該判定結果が否定的である場合(図3/STEP050‥NO)、時系列流体速度計測システムは、第3時刻を新たな第1時刻Tとして、STEP030〜STEP040の処理を続行する。
図3/STEP030〜STEP050までの処理によって、図12(a)の実線に示されるように、時刻Tの第1検査領域R(a,b)における局所流速ベクトルv(a,b,T)が得られる。
図3/STEP050の判定結果が肯定的である場合(図3/STEP050‥YES)、時系列流体速度計測システムは、画像解析手段30によって、時系列的誤差修正処理を行う(図3/STEP060)。
時系列的誤差修正処理は、図12(a)に実線で示される時刻Tの第1検査領域R(a,b)における対象局所流速ベクトルv(a,b,T)を、当該時刻Tの前後の時刻T±の第1検査領域R(a,b)における指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)に鑑みて、図12(a)に破線で示される時刻Tの第1検査領域R(a,b)における対象局所流速ベクトルv(a,b,T)へ補正する処理である。
なお、T−WL(s)/2≦T±≦T+WL(s)/2、WL(s)は窓長である。
以下においては、時系列流体速度計測システムは、局所流速ベクトルv(a,b,T)の各軸ごと(例えば粒子群の局所流速ベクトルのx軸)の成分v(a,b,T)xyに対して処理を行う。
時系列流体速度計測システムは、基準時刻Tを初期化する(図11/STEP061)。
時系列流体速度計測システムは、基準時刻Tの窓を設定する(図11/STEP062)。
窓長WL(s)が5であれば、図13に示されるように、時刻Tの前後5つ(T=tの場合、時刻t、t、t、t、t)の局所流速ベクトル(T=tの場合、v(a,b,t)〜v(a,b,t))が以下の処理で使用される。
次に、時系列流体速度計測システムは、条件判定のための各種のパラメータを定義する(図11/STEP063)。具体的には、次の数17及び数18によりパラメータが定義される。
次に、時系列流体速度計測システムは、時刻T、第1検査領域R(a,b)における対象局所流速ベクトルv(a,b,T)が時系列的誤差修正条件を満たすか否かを判定する(図11/STEP064)。より具体的には、以下の数19の式が満たされているかが判定される。
なお、数19の式の左辺が本発明の「乖離度」に該当し、数19の右辺が本発明の「閾値」に該当する。このように、窓内の各局所流速ベクトルの成分値に応じて閾値が定められることにより、あらかじめ閾値が定められている場合に比べ、局所流速ベクトルの乖離度が時刻tの前後の時刻の局所流速ベクトルの態様に鑑みて柔軟に判断される。
乖離度及び閾値は、上記式に限られるものではなく、例えばv(a,b,T)xyと、窓内の他の局所流速ベクトルの平均値等との差分を乖離度とし、あらかじめ実験的に定められた値を閾値としてもよい。
図11/STEP064の判定結果が否定的であった場合には、時系列流体速度計測システムは、時刻Tの対象局所流速ベクトルv(a,b,T)(速度データ)を修正せずに次の処理へ進む。
例えば、図12(a)及び図13に示されるように、時刻tにおける対象局所流速ベクトルv(a,b,t)が、当該時刻tの前後t,t,t,tにおける指標局所流速ベクトルv(a,b,t)、v(a,b,t)、v(a,b,t)、v(a,b,t)に鑑みて、数19を充足していないと判断される場合、時系列流体速度計測システムは、局所流速ベクトルv(a,b,t)の値を変更せずに、次の時刻tの処理へ進む。
図11/STEP064の判定結果が肯定的だった場合、時系列流体速度計測システムは、窓内の他の時刻の指標局所流速ベクトルv(a,b、T±)の各成分の重み付け平均(例えば、時刻Tに近い時刻T−1、T+1の指標局所流速ベクトルの重み付け係数を高くする一方、時刻Tから離れた時刻T−2、T+2の指標局所流速ベクトルの重み付け係数を低くする等)により、対象局所流速ベクトルv(a,b,T)を補正する(図11/STEP065)。より具体的には、例えば、以下の数20の式により、対象局所流速ベクトルv(a,b,T)が修正される。
例えば、時刻tにおける対象局所流速ベクトルv(a,b,t)が、当該時刻tの前後t,t,t,tにおける指標局所流速ベクトルv(a,b,t)、v(a,b,t)、v(a,b,t)、v(a,b,t)に鑑みて、数19を充足していると判断される場合、時系列流体速度計測システムは、図12(a)に矢印Q1で示されるように、局所流速ベクトルv(a,b,t)を数20によってv(a,b,t)へ修正する。
また、時系列流体速度計測システムは、時刻t以降の処理において、補正後の局所流速ベクトルv(a,b,t)を用いる。例えば、時刻tにおける局所流速ベクトルv(a,b,t)に対しては、局所流速ベクトルv(a,b,t)が、当該時刻tの前後t,t,t,tにおける局所流速ベクトルv(a,b,t)、v(a,b,t)(補正後)、v(a,b,t)、v(a,b,t)に鑑みて、数19を充足していると判断される場合、時系列流体速度計測システムは、図12(a)に矢印Q2で示されるように、局所流速ベクトルv(a,b,t)を数20によってv(a,b,t)へ修正する。
時系列流体速度計測システムは、図11/STEP065の処理の前に、指標局所流速ベクトルv(a,b、T±)の全体に対する指標局所流速ベクトルv(a,b、T±)が数19で表わされる条件を充足する割合(以下、「数19の充足率」という。)が所定割合(例えば40%)以上か否かを判定してもよい。当該数19の充足率が所定割合以上だった場合、時系列流体速度計測システムは、当該数19の充足率が所定割合未満になるまで窓長WL(s)を増加させた上で、図11/STEP063〜STEP065の処理を行ってもよい。このようにすることで、図12(b)に示されるように、指標局所流速ベクトルの数19の充足率が高い場合、すなわち、過誤ベクトルである蓋然性が高い指標局所流速ベクトルが多く存在する場合、窓長WL(s)が増加されることにより、正確である蓋然性が高い指標局所流速ベクトルの割合を多くすることが出来る。この結果、真値に近づける観点から対象局所流速ベクトルがより適切に修正される。
時系列流体速度計測システムは、全ての時間Tについて処理を行ったか否かを判定する(図11/STEP066)。当該判定結果が否定的であった場合、時系列流体速度計測システムは、Tを1増加させ(図11/STEP067)、STEP062〜STEP065の処理を繰り返す。当該判定結果が肯定的だった場合、時系列流体速度計測システムは時系列的誤差修正処理を終了する。
なお、時刻Tにおける図11/STEP066の処理の前または後において、当該時刻Tを含む過去の一部又は全部の期間(例えば時刻T−γ〜時刻T(γ>0))における局所流速ベクトルの修正率が所定値以上であるか否か(例えば当該期間の局所流速ベクトルの修正率が5%以上か否か)を判定し、当該判定結果が肯定的な結果であった場合、当該期間に対してSTEP061〜STEP067の処理を繰り返し実行するように時系列流体速度計測システムが構成されていてもよい。局所流速ベクトルの修正率が高い場合、元々のデータに測定誤差である蓋然性が高い局所流速ベクトル(過誤ベクトル)が多く含まれており、修正後にも過誤ベクトルが多く残存している蓋然性が高い。このような場合に、STEP061〜STEP067の処理を繰り返し実行することにより、過誤ベクトルの残存率を低下させることが出来る。
また、ある期間において局所流速ベクトルの修正率が所定値以下になっていても、当該期間より短い期間において局所流速ベクトルの修正率が高い、すなわち、局所的に過誤ベクトルが集中しているような場合も考えられる。
このことに鑑みて、当該所定値を当該期間の長さが短いほど高くなるように(例えば、当該所定値が、過去の第1期間(時刻T−γ1〜時刻T(γ1>0))の場合には第1所定値(例えば5%)、第1期間よりも短い第2期間(時刻T−γ2〜時刻T(γ1>γ2>0))の場合には第1所定値よりも高い第2所定値(例えば10%)となるように)時系列流体速度計測システムが構成されてもよい。当該第1期間は、過去の全部の期間であってもよい。
この結果、特に局所流速ベクトルの修正率が特に高い期間においてのみSTEP061〜STEP067の処理が繰り返し実行されるので、当該処理についての処理負荷の増加を抑えながら、局所的に過誤ベクトルが集中している蓋然性を低下させることが出来る。
時系列的誤差修正処理(図3/STEP060)の後、時系列流体速度計測システムは、一連の処理を終了する。
(時系列流体速度計測システムの作用効果)
当該構成の時系列流体速度計測システムによれば、局所的な時系列変化態様から乖離した対象局所流速ベクトルv(a,b,T)が修正される。この結果、局所的な時系列変化態様と乖離した、すなわち測定誤差である蓋然性が高い対象局所流速ベクトルv(a,b,T)(過誤ベクトル)が修正されやすくなる一方、局所的な時系列変化態様と乖離していない、すなわち正確である蓋然性が高い対象局所流速ベクトルv(a,b,T)は修正されにくくなる。
従って、当該構成の時系列流体速度計測システムにより、全体として流体の時系列速度取得の精度向上が図られる。
より具体的には、図14(a)にはオリジナルデータ(点線)と時系列誤差修正処理前のデータ(実線)とが示され、図14(b)にはオリジナルデータ(点線)と特許文献1記載の技術による時系列誤差修正処理後のデータ(実線)とが示され、図14(c)にはオリジナルデータ(点線)と本実施形態による時系列誤差修正処理後のデータ(実線)とが示されている。
これらからもわかるように、特許文献1記載の技術による時系列誤差修正処理後のデータ(図14(b)参照)は、オリジナルデータから極端に外れたデータが減少しているものの、全体としてオリジナルデータからはむしろ乖離した結果となっている。一方、本実施形態による時系列誤差修正処理後のデータ(実線)は、誤差データが減少すると共に、全体としてオリジナルデータとの再現性も高まっている。これから、本実施形態の時系列流体速度計測システムにより、流体の時系列速度取得の精度向上が図られているといえる。
本実施形態の流体速度計測システムによれば、最小輝度が減算されることにより、各粒子像間の境界が明確となり、各局所流速ベクトルv(a,b,T)が精度良く取得される。この結果、流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
本実施形態の流体速度計測システムによれば、各検査領域の重なった部分のFFTの計算結果が再利用されることにより、計算量が大幅に削減される。この結果、複雑な処理しても画像解析手段30等の演算処理装置に大きな負荷がからないため、より多くの処理を短時間で処理することが出来る。この結果、多くのデータ解析が必要な流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
本実施形態の時系列流体速度計測システムによれば、指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)に応じて閾値v_rmsが定められることにより、あらかじめ閾値が定められている場合に比べ、対象局所流速ベクトルv(a,b,T)の乖離度が指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)の態様に鑑みて柔軟に判断される。この結果、流体の時系列速度取得のさらなる精度向上が図られる。
一の指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)と他の指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)との乖離度が閾値を超えている場合、当該一の指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)は、過誤ベクトルである蓋然性が高い。
この点に着目して構成された本実施形態の時系列流体速度計測システムによれば、過誤ベクトルである蓋然性が高い指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)が所定割合以上存在する場合、当該指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)が所定割合以下になるまで指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)の数が増加される。これにより、正確である蓋然性が高い指標局所流速ベクトルv(a,b,T±)の割合が増加するので、真値に近づける観点から対象局所流速ベクトルv(a,b,T)がより適切に修正され、流体の時系列速度取得の精度向上が図られる。
10 レーザライトシート照射手段
11 レーザ光源
12a 第1円筒面レンズ
12b 第2円筒面レンズ
12c アウトプットウィンドウ
12 レーザライトシート生成光学系
20 撮像装置
30 画像解析手段
40 制御装置
50 テストセクション
(a,b) 検査領域
(a,b) 第1検査領域
(a,b,α,β) 第2検査領域
v(a,b,T) 局所流速ベクトル

Claims (5)

  1. レーザライトシートを照射するレーザライトシート照射手段と、一又は複数の撮像素子を備える撮像装置と、前記撮像素子によって撮影された画像を解析する画像解析手段とを備える時系列流体速度計測システムであって、
    前記画像解析手段は、前記レーザライトシート照射手段が測定対象の流体を連続的又は断続的に照射している間に前記撮像装置によって複数回にわたって撮影された前記流体の画像から、相互相関法により、各検査領域における前記流体の局所流速ベクトルの時系列変化態様を取得し、
    1つの検査領域における前記局所流速ベクトルの時系列変化態様のうち、基準時刻の対象局所流速ベクトルと基準時刻前及び基準時刻後の少なくとも一方の指標局所流速ベクトルとの乖離度が閾値を超えた場合、当該対象局所流速ベクトルを前記指標局所流速ベクトルによって修正することにより、前記流体の各検査領域における局所流速ベクトルの時系列変化態様を得るように構成されていることを特徴とする時系列流体速度計測システム。
  2. 請求項1記載の時系列流体速度計測システムにおいて、
    前記画像解析手段は、前記各検査領域それぞれの局所流速ベクトルを算出する前に、前記画像の所定の範囲から、当該所定の範囲から定まる輝度を減算するように構成されていることを特徴とする時系列流体速度計測システム。
  3. 請求項1又は2記載の時系列流体速度計測システムにおいて、
    前記画像解析手段は、前記各検査領域それぞれの局所流速ベクトルを算出するに当り、画像から分割された複数の重なり合った領域においてファストフーリエ変換処理を行う場合に、重なり合った部分のファストフーリエ変換処理の結果を再利用するように構成されていることを特徴とする時系列流体速度計測システム。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の時系列流体速度計測システムにおいて、
    前記閾値は、前記指標局所流速ベクトルに応じて定められる値であることを特徴とする時系列流体速度計測システム。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の時系列流体速度計測システムにおいて、
    前記画像解析手段は、前記指標局所流速ベクトルのそれぞれに対し、他の指標局所流速ベクトルとの乖離度が前記閾値を超えているか否かを判定し、前記乖離度が前記閾値を超えている指標局所流速ベクトルが指標局所流速ベクトル全体に対して所定割合以上存在する場合、前記乖離度が前記閾値を超えている指標局所流速ベクトルが指標局所流速ベクトル全体に対して所定割合以下になるまで、指標局所流速ベクトルの数を増やすように構成されていることを特徴とする時系列流体速度計測システム。
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